本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による無線通信システムを示す概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による無線通信システム10は、電力推定装置1と、複数の端末装置2と、基地局3とを備える。
電力推定装置1は、有線ケーブル4によって基地局3に接続される。電力推定装置1は、基地局3から有線ケーブル4を介して複数の端末装置2における複数のモニター情報を受信し、その受信した複数のモニター情報を記録する。ここで、各モニター情報は、端末装置2の位置を示す位置情報、波源Sから送信された電波の端末装置2における受信電力、受信電力を検出したときの時刻を示す時刻情報、および波源Sから送信された電波の周波数を示す周波数情報を含む。
また、電力推定装置1は、図1に図示されていない基地局から基地局3へ送信された複数のモニター情報も基地局3から有線ケーブル4を介して受信し、その受信した複数のモニター情報を記録する。
即ち、電力推定装置1は、市町村の領域または県の領域(電力を推定する対象領域REG)に存在する端末装置2のモニター情報を基地局3から受信して記録する。
そして、電力推定装置1は、その記録した複数のモニター情報に基づいて、後述する方法によって、受信電力の等高線を作成し、その作成した受信電力の等高線に基づいて、対象領域REGにおける電波の受信電力を推定する。
このように、電力推定装置1は、非常に広い対象領域REGにおける電波の受信電力を推定する。
複数の端末装置2および基地局3は、無線通信空間に配置される。複数の端末装置2は、波源Sの周囲に配置される。
複数の端末装置2の各々は、3GHz以下の周波数帯域、3GHz〜6GHzの周波数帯域、6GHz〜30GHzの周波数帯域および30GHzよりも高周波数の周波数帯域のいずれかに含まれる複数の周波数のうち、複数の端末装置2が無線通信に共用する共用周波数fcomを用いて他の端末装置2と無線通信を行う。
複数の端末装置2の各々は、移動端末または静止端末からなる。そして、複数の端末装置2の各々は、例えば、GPS(Global Positioning System)によって自己の位置を検出する。
また、複数の端末装置2の各々は、共用周波数fcomを有する電波を波源Sから受信し、電波を受信したときの受信電力RSSIi(i=1,2,3,・・・)を検出する。
更に、複数の端末装置2の各々は、タイマーを内蔵しており、受信電力RSSIiを検出したときの時刻を検出する。
そして、複数の端末装置2の各々は、自己の位置を示す位置情報(xi,yi)と、受信電力RSSIiと、受信電力RSSIiを検出したときの時刻を示す時間情報tiと、共用周波数fcomとを含むモニター情報MNT_i=[ti:(xi,yi),RSSIi,fcom_i]を生成し、その生成したモニター情報MNT_i=[ti:(xi,yi),RSSIi,fcom_i]を無線通信によって基地局3へ送信する。
この場合、端末装置2は、モニター情報MNTを基地局3へ直接送信してもよく、モニター情報MNTをマルチホップによって基地局3へ送信してもよい。
複数の端末装置2の各々は、他の端末装置2と無線通信を行っているときを除いて、位置情報(xi,yi)、受信電力RSSIi、時刻情報tiおよび共用周波数fcom_iを検出してモニター情報MNT_i=[ti:(xi,yi),RSSIi,fcom_i]を生成し、その生成したモニター情報MNT_i=[ti:(xi,yi),RSSIi,fcom_i]を基地局3へ送信する動作を定期的(例えば、1分間隔)に行う。
基地局3は、モニター情報MNTを複数の端末装置2から受信し、その受信した複数のモニター情報MNTを有線ケーブル4を介して電力推定装置1へ送信する。
また、基地局3は、図示されていない基地局から受信した複数のモニター情報MNTを有線ケーブル4を介して電力推定装置1へ送信する。
波源Sは、例えば、レーダ、テレビジョン放送用の無線中継伝送装置(FPU:Field Pickup Unit)、離島へ電波お中継する中継所および端末装置等からなる。
図2は、図1に示す電力推定装置1の概略図である。図2を参照して、電力推定装置1は、受信手段11と、記録手段12と、抽出手段13と、作成手段14と、推定手段15とを備える。
受信手段11は、複数のモニター情報MNTを基地局3から受信し、その受信した複数のモニター情報MNTを記録手段12に記録する。
記録手段12は、受信手段11から受けた複数のモニター情報MNTを記録する。より具体的には、記録手段12は、複数のモニター情報MNTを[t1:(x1,y1),RSSI1,fcom_1],[t2:(x2,y2),RSSI2,fcom_1],[t3:(x3,y3),RSSI3,fcom_1],・・・,[tT:(xM,yM),RSSIM,fcom_1];[t1:(x1,y1),RSSI1,fcom_2],[t2:(x2,y2),RSSI2,fcom_2],[t3:(x3,y3),RSSI3,fcom_2],・・・,[tT:(xM,yM),RSSIM,fcom_2];・・・;[t1:(x1,y1),RSSI1,fcom_N],[t2:(x2,y2),RSSI2,fcom_N],[t3:(x3,y3),RSSI3,fcom_N],・・・,[tT:(xM,yM),RSSIM,fcom_N]のように記録する。ここで、Tは、時刻情報tiの検出回数を示し、Mは、端末装置2の個数を示し、Nは、共用周波数fcomの個数を示す。そして、Tは、2以上の整数であり、Mは、後述するkよりも大きい整数であり、Nは、1以上の整数である。
また、記録手段12は、移動端末であるが停止している端末装置2または静止端末である端末装置2に対しては、位置情報(xi,yi)が同じで、時刻情報ti、受信電力RSSIiおよび周波数情報fcom_j(jは、1≦j≦Nを満たす整数)が異なるようにモニター情報MNTを記録する。
更に、記録手段12は、時刻情報tiの検出間隔が位置情報(xi,yi)、受信電力RSSIiおよび周波数情報fcom_jの検出間隔よりも長い場合、複数のモニター情報MNTを[t1:(x1,y1),RSSI1,fcom_1],[t1:(x2,y2),RSSI2,fcom_1],[t1:(x3,y3),RSSI3,fcom_1],・・・,[t1:(xM,yM),RSSIM,fcom_1];[t2:(x1,y1),RSSI1,fcom_2],[t2:(x2,y2),RSSI2,fcom_2],[t2:(x3,y3),RSSI3,fcom_2],・・・,[t2:(xM,yM),RSSIM,fcom_2];・・・;[tT:(x1,y1),RSSI1,fcom_N],[tT:(x2,y2),RSSI2,fcom_N],[tT:(x3,y3),RSSI3,fcom_N],・・・,[tT:(xM,yM),RSSIM,fcom_N]のように記録する。即ち、記録手段12は、同じ時刻情報tiにおいて、位置情報(xi,yi)および受信電力RSSIiが変化するように複数のモニター情報MNTを記録する。
抽出手段13は、後述する方法によって、記録手段12に記録された複数のモニター情報MNTに基づいて、複数のモニター情報MNTの分布状態を作成し、その作成した複数のモニター情報MNTの分布状態に基づいて受信電力の等高線を作成する処理を行うための処理範囲を決定し、その決定した処理範囲に含まれるk(kは2以上の整数)個の端末装置2のk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出する。そして、抽出手段13は、その抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkを作成手段14へ出力する。抽出手段13は、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力RSSIiがなくなるまで、後述する方法によって、複数のモニター情報MNTからk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、その抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkを作成手段14へ出力する処理を繰り返し行う。
作成手段14は、抽出手段13からk個のモニター情報を受け、その受けたk個のモニター情報に基づいて、後述する方法によって、受信電力の重心点RSSI_Gを算出し、その算出した受信電力の重心点RSSI_Gを用いて受信電力の等高線CTRを作成する。そして、作成手段14は、その作成した受信電力の等高線CTRを推定手段15へ出力する。
推定手段15は、受信電力の等高線CTRを作成手段14から受け、その受けた受信電力の等高線CTRに基づいて、後述する方法によって、対象領域REGにおける電波の受信電力を推定する。そして、推定手段15は、その推定した電波の受信電力に基づいて、複数の端末装置2が共用周波数fcomを用いて無線通信を行うときの通信条件(共用周波数fcom、場所および送信電力等)を決定する。
図3は、受信電力の等高線CTRを作成する方法を説明するための図である。図3において、白四角は、電力値がP(=受信電力の等高線CTRが有する電力値)以上である測定点を示し、黒四角は、電力値がP未満である測定点を示し、白丸は、受信電力の重心点RSSI_Gを示す。また、測定点s1〜s3は、フェージングの影響によって受信電力が電力値P未満になった測定点を示す。そして、白四角および黒四角の各々は、位置情報(xi,yi)および受信電力RSSIiからなる。
図3の(a)を参照して、電力推定装置1の抽出手段13は、記録手段12に記録された複数のモニター情報MNTに基づいて、複数のモニター情報MNTの分布状態(図3の(a)に示す分布状態)を取得する。
そして、抽出手段13は、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値Pを決定する。抽出手段13は、例えば、−60dBm,−70dBm,−80dBm等を電力値Pとして決定する。
抽出手段13は、電力値Pと処理範囲の半径rとの関係を予め保持している。例えば、抽出手段13は、−60dBmの電力値Pに対して処理範囲の半径r=500m、および−70dBmの電力値Pに対して処理範囲の半径1500m等の関係を予め保持している。
抽出手段13は、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値Pを決定すると、複数のモニター情報MNTに含まれる複数の受信電力RSSIiのうち、電力値P以上である受信電力の最大値RSSI_MAXを抽出する。ここで、受信電力の最大値RSSI_MAXを抽出するのは、受信電力の最大値RSSI_MAXを有する端末装置2が最も波源Sに近いと考えられるからである。
そして、抽出手段13は、−60dBmの電力値Pを有する受信電力の等高線CTRを作成する場合、受信電力の最大値RSSI_MAXを抽出すると、その抽出した受信電力の最大値RSSI_MAXを有する測定点を中心として半径r=500mの範囲を処理範囲REG_PRSとして決定する。
そうすると、抽出手段13は、処理範囲REG_PRS内のk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、その抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkを作成手段14へ出力する。
図3の(b)を参照して、作成手段14は、k個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出手段13から受け、その受けたk個のモニター情報MNT1〜MNTkに含まれるk個の受信電力RSSI1〜RSSIkに基づいて、受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)を次式によって算出する。
式(1)において、wiは、i番目の端末装置2のウェイトを表し、i番目の端末装置2における受信電力RSSIiからなる。
即ち、作成手段14は、k個の受信電力RSSIi(i=1〜k)によって重み付けされたk個の端末装置2の位置の平均を演算することによって受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)を算出する。
そうすると、作成手段14は、k個の受信電力RSSIi(i=1〜k)のうち、電力値P以上の受信電力RSSIiを有し、かつ、受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)から最も遠い位置に存在する端末装置2−1と受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)との間の距離を最大半径Rとして求める。そして、作成手段14は、受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)を中心とし、かつ、最大半径Rを半径とする円形状を有する受信電力の等高線CTRを作成する。
このように、作成手段14は、電力値P未満の受信電力(黒四角)を除外し、電力値P以上の受信電力(白四角)のみに基づいて最大半径Rを決定する。黒四角によって示される測定点のうち、測定点s1〜s3は、フェージングの影響によって受信電力が電力値P未満になった測定点である。
従って、作成手段14による受信電力の等高線CTRの作成方法によれば、フェージングの影響を抑制して受信電力の等高線CTRを作成できる。
上記においては、kは、2以上の整数であると説明したが、これは、次の理由による。k=2である場合、2個の受信電力RSSIiのうち、1個は、受信電力の最大値RSSI_MAXであり、もう1個は、電力値P以上である受信電力か電力値P未満である受信電力かが不明である受信電力である。そして、この2個の受信電力RSSIiを用いて、受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)が式(1)によって算出される。
その結果、受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)は、受信電力の最大値RSSI_MAXを有する測定点からずれる。
そうすると、受信電力の最大値RSSI_MAXは、電力値P以上であるので、受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)と受信電力の最大値RSSI_MAXを有する測定点との距離を最大半径Rとして求めることができ、受信電力の等高線CTRを作成することができる。
従って、kは、2以上であればよい。
なお、電力値P以上の受信電力RSSIiが少なくとも1個有れば、少なくとも1個の受信電力RSSIiを有する端末装置2の位置が受信電力の重心点RSSI_Gからずれているので、最大半径Rを決定でき、受信電力の等高線CTRを作成することができる。従って、受信電力の等高線CTRを作成するために必要な電力値P以上の受信電力の個数は、1個以上である。
図4は、k個のモニター情報MNT1〜MNTkの抽出方法を説明するための図である。図4において、黒丸は、各測定点(モニター情報MNT)を示し、電力値P以上であるか電力値P未満であるかを識別していない。
図4の(a)を参照して、抽出手段13は、上述した方法によって、処理範囲REG_PRS_1を決定し、処理範囲REG_PRS_1内に存在するk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出して作成手段14へ出力する。そして、作成手段14は、抽出手段13から受けたk個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて、上述した方法によって、受信電力の等高線CTR1を作成する。
図4の(b)を参照して、抽出手段13は、その後、処理範囲REG_PRS_1内に存在するk個のモニター情報MNT1〜MNTkを除外して、上述した方法によって、処理範囲REG_PRS_2を決定し、処理範囲REG_PRS_2内に存在する新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出して作成手段14へ出力する。そして、作成手段14は、抽出手段13から受けた新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて、上述した方法によって、受信電力の等高線CTR2を作成する。
そして、抽出手段13は、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力がなくなるまで、既に抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkを除外しながら、上述した方法によって処理範囲REG_PRSを決定し、その決定した処理範囲REG_PRS内に存在する新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出することを繰り返し実行する。
そして、作成手段14は、抽出手段13がk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出するごとに、上述した方法によって、k個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて受信電力の等高線CTRを作成する。
この場合、作成手段14は、次の2つの方法のいずれかを用いて受信電力の等高線CTRを作成する。
(1)作成方法1
作成手段14は、既に受信電力の等高線CTRの作成に用いたk個のモニター情報MNT1〜MNTkを用いずに、抽出手段13から受けたk個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて受信電力の等高線CTRを作成する。
(2)作成方法2
作成手段14は、既に受信電力の等高線CTRの作成に用いたk個のモニター情報MNT1〜MNTkと抽出手段13から受けた新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkとの両方に含まれるモニター情報と、新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkとに基づいて受信電力の等高線CTRを作成する。
図5は、受信電力の等高線CTRの作成方法2を説明するための図である。図5を参照して、モニター情報MNT1は、受信電力の最大値RSSI_MAX1を含み、モニター情報MNT2は、モニター情報MNT1を除いた場合における受信電力の最大値RSSI_MAX2を含む。また、モニター情報MNT3,MNT4は、電力値P以上の受信電力を含む。更に、白丸は、受信電力の重心点RSSI_Gを示す。
抽出手段13は、処理範囲REG_PRS_3を決定し、処理範囲REG_PRS_3内に存在するk個のモニター情報MNT_REG_PRS_3を抽出する。
そして、作成手段14は、抽出手段13から受けたk個のモニター情報MNT_REG_PRS_3に基づいて、上述した方法によって受信電力の等高線CTR1を作成する。
その後、抽出手段13は、処理範囲REG_PRS_3内に存在するk個のモニター情報MNT_REG_PRS_3を除いて、処理範囲REG_PRS_4を決定し、処理範囲REG_PRS_4内に存在するk個のモニター情報MNT_REG_PRS_4を抽出する。
この場合、モニター情報MNT3,MNT4は、k個のモニター情報MNT_REG_PRS_3およびk個のモニター情報MNT_REG_PRS_4の両方に含まれる。
そして、作成手段14は、k個のモニター情報MNT_REG_PRS_4およびモニター情報MNT3,MNT4に基づいて受信電力の重心点RSSI_G1を算出し、受信電力の重心点RSSI_G1とモニター情報MNT4との距離を半径とする円形状を有する受信電力の等高線CTR2を作成する。
モニター情報MNT3,MNT4を含めずに受信電力の等高線CTRを作成する場合、受信電力の重心点RSSI_Gは、受信電力の重心点RSSI_G2になり、受信電力の最大値RSSI_MAX2を含むモニター情報MNT2の位置からのずれが大きくなり、受信電力の等高線CTR2よりも半径が小さい円形状を有する受信電力の等高線CTRになる。その結果、精度良く受信電力の等高線CTRを作成することが困難になる。
しかし、モニター情報MNT3,MNT4を含めて受信電力の等高線CTRを作成することにより、受信電力の重心点RSSI_G1は、受信電力の最大値RSSI_MAX2を含むモニター情報MNT2の位置の近傍に存在し、より大きい半径を有する受信電力の等高線CTR2が作成される。その結果、精度良く受信電力の等高線CTRを作成することができる。
図6は、k個のモニター情報MNT1〜MNTkの別の抽出方法を説明するための図である。図6を参照して、受信電力の最大値RSSI_MAX6は、受信電力の最大値RSSI_MAX5よりも小さい。
抽出手段13は、上述した方法によって、処理範囲REG_PRS_5を決定し、処理範囲RG_PRS_5内に存在するk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出する(図6の(a)参照)。
その後、抽出手段13は、既に抽出した処理範囲REG_PRS_5内のk個のモニター情報MNT1〜MNTkのうち、受信電力の最大値RSSI_MAX5を含むモニター情報MNTのみを除外して処理範囲REG_PRS_6を決定し、処理範囲REG_PRS_6内に存在するk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出する(図6の(b)参照)。
このように、抽出手段13は、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力がなくなるまで、既に抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkのうち、受信電力の最大値RSSI_MAXを含むモニター情報のみを除外しながら新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを繰り返し抽出する。
そして、作成手段14は、抽出手段13からk個のモニター情報MNT1〜MNTkを受けるごとに、その受けたk個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて、上述した方法によって受信電力の等高線CTRを作成する。
上述したように、抽出手段13は、既に抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkのうち、受信電力の最大値RSSI_MAXを含むモニター情報MNTを少なくとも除きながらk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出することを、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力がなくなるまで繰り返し行う。
図7は、k個のモニター情報MNT1〜MNTkの抽出方式と受信電力の等高線CTRの作成処理との関係を示す図である。
図7を参照して、k個のモニター情報MNT1〜MNTkの抽出方式は、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力がなくなるまで、既に抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkを除外しながら新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出する抽出方式1と、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力がなくなるまで、既に抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkのうち、受信電力の最大値RSSI_MAXを含むモニター情報MNTのみを除外しながら新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出する抽出方式2とを含む。
また、受信電力の等高線CTRの作成処理は、抽出されたk個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて受信電力の重心点RSSI_Gを算出し、電力値P以上の受信電力を有し、かつ、受信電力の重心点RSSI_Gから最も遠い位置に存在する端末装置と受信電力の重心点RSSI_Gとの距離を最大距離として求め、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離を半径とする円形状を有する受信電力の等高線CTRを作成する等高線作成処理1と、既に抽出されたk個のモニター情報MNT1〜MNTkと新たに抽出されたk個のモニター情報MNT1〜MNTkとの両方に含まれるモニター情報と、新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkとに基づいて受信電力の重心点RSSI_Gを算出し、電力値P以上の受信電力を有し、かつ、受信電力の重心点RSSI_Gから最も遠い位置に存在する端末装置と受信電力の重心点RSSI_Gとの距離を最大距離として求め、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離を半径とする円形状を有する受信電力の等高線CTRを作成する等高線作成処理2とを含む。
そして、抽出手段13が抽出方式1に従ってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出する場合、作成手段14は、等高線作成処理1に従って受信電力の等高線CTRを作成し、または等高線作成処理2に従って受信電力の等高線CTRを作成する。
また、抽出手段13が抽出方式2に従ってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出する場合、作成手段14は、等高線作成処理1に従って受信電力の等高線CTRを作成する。
ここで、抽出手段13が抽出方式1に従ってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、かつ、作成手段14が等高線作成処理1に従って受信電力の等高線CTRを作成する場合、計算量が最も少なくなり、抽出手段13が抽出方式1に従ってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、かつ、作成手段14が等高線作成処理2に従って受信電力の等高線CTRを作成する場合、計算量が2番目に少なくなり、抽出手段13が抽出方式2に従ってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、かつ、作成手段14が等高線作成処理1に従って受信電力の等高線CTRを作成する場合、計算量が最も多くなる。
抽出手段13が抽出方式1に従ってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、かつ、作成手段14が等高線作成処理1に従って受信電力の等高線CTRを作成する場合、既に抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkを除外しながら新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、その抽出した新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて受信電力の等高線CTRを作成するので、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力RSSIiの個数をI(Iは、1≦I≦Mを満たす整数、Mは、複数の端末装置2の総数であり、M≧kを満たす整数)個とした場合、受信電力の等高線CTRを作成する回数は、INT[I/k](I/kを整数化したもの)となる。なお、複数の端末装置2の全てが受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力RSSIiを有する場合もあり得るので、Iは、M以下である。
抽出手段13が抽出方式1に従ってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、かつ、作成手段14が等高線作成処理2に従って受信電力の等高線CTRを作成する場合、既に抽出されたk個のモニター情報MNT1〜MNTkと新たに抽出されたk個のモニター情報MNT1〜MNTkとの両方に含まれるモニター情報と、新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkとに基づいて受信電力の等高線CTRを作成するので、受信電力の等高線CTRを作成する回数は、INT[I/k]となるが、受信電力の重心点RSSI_Gを算出する際のモニター情報(受信電力RSSIiおよび位置情報(xi,yi))の個数および最大距離を求める際のモニター情報(受信電力RSSIiおよび位置情報(xi,yi))の個数が等高線作成処理1の場合よりも多くなり、計算量は、等高線作成処理1の場合よりも多くなる。
抽出手段13が抽出方式2に従ってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、かつ、作成手段14が等高線作成処理1に従って受信電力の等高線CTRを作成する場合、既に抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkのうち、受信電力の最大値RSSI_MAXを含むモニター情報MNTのみを除外しながら新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、その抽出した新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて受信電力の等高線CTRを作成するので、受信電力の等高線CTRを作成する回数は、I回となる。k=2であり、かつ、I=1である場合、抽出手段13が抽出方式2によってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出した場合の受信電力の等高線CTRの作成回数Iは、抽出手段13が抽出方式1によってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出した場合の受信電力の等高線CTRの作成回数INT[I/k]と等しくなる(等高線CTRの作成回数=1回)。一方、I≧2である場合、抽出手段13が抽出方式2によってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出した場合の受信電力の等高線CTRの作成回数Iは、抽出手段13が抽出方式1によってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出した場合の受信電力の等高線CTRの作成回数INT[I/k]よりも大きくなる。この発明の実施の形態において、作成手段14が受信電力の等高線CTRを作成する対象領域REGは、上述したように、市町村の領域または県の領域であるので、通常、I=1である状況は、まず生じ得ないと考えられる。その結果、抽出手段13が抽出方式2によってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出した場合の受信電力の等高線CTRの作成回数Iは、通常、最も多くなる。従って、抽出手段13が抽出方式2に従ってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、作成手段14が等高線作成処理1に従って受信電力の等高線CTRを作成する場合、計算量が最も多くなる。
そして、抽出手段13が抽出方式1に従ってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、かつ、作成手段14が等高線作成処理1に従って受信電力の等高線CTRを作成する方式を第1の方式とし、抽出手段13が抽出方式1に従ってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、かつ、作成手段14が等高線作成処理2に従って受信電力の等高線CTRを作成する方式を第2の方式とし、抽出手段13が抽出方式2に従ってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、かつ、作成手段14が等高線作成処理1に従って受信電力の等高線CTRを作成する方式を第3の方式とした場合、受信電力の等高線CTRは、計算量を最少に設定する場合、第1の方式を用いて作成され、計算量が2番目に少なくなるように設定する場合、第2の方式を用いて作成され、計算量が最大の計算量になることが許容される場合、第3の方式を用いて作成される。
図8は、受信電力の等高線CTRを作成する別の方法を説明するための図である。図8において、白四角は、電力値がP以上である測定点を示し、黒四角は、電力値がP未満である測定点を示し、白丸は、受信電力の重心点RSSI_Gを示す。また、白四角および黒四角の各々は、位置情報(xi,yi)および受信電力RSSIiからなる。
作成手段14は、上述した方法によって、k個のモニターMNT1〜MNTkに基づいて受信電力の等高線CTR3,CTR4を作成する(図8の(a)参照)。
そして、作成手段14は、2つの受信電力の等高線CTR3,CTR4が相互に交差する場合、受信電力の等高線CTR3,CTR4を合成して受信電力の等高線CTR_SYNを作成する(図8の(b)参照)。
受信電力の等高線CTR_SYNは、雪だるまの形状を有する。
このように、作成手段14は、共用周波数fcomで信号を送信する波源Sが複数ある場合、受信電力の重心点(xG,yG)を波源群(複数の波源Sの集合)の仮想波源と見做して受信電力の等高線CTRを作成する。
従来の技術においては、波源ごとに受信電力の等高線を作成するため、波源の数が多くなると、計算量が多くなる。
一方、この発明の実施の形態においては、波源群ごとに受信電力の等高線CTRを作成するため、複数の波源があっても、電力推定装置1の処理量は、それほど増加しないため、従来の技術に比べて処理量を少なくできる。
図9は、端末装置2における電波の受信感度以下の領域において受信電力を推定する方法を説明するための図である。
端末装置2は、受信感度以下の受信電力を取得できないため、受信感度以下の領域における受信電力の等高線CTRは、既に作成した受信電力の等高線CTRと電波の伝搬モデルとに基づいて作成する。
図10は、受信電力と波源からの距離との関係を示す図である。図10において、縦軸は、受信電力を表し、横軸は、波源Sからの距離を表す。
電波の自由空間伝搬モデルでは、受信電力RSSIiは、図10に示すように波源Sからの距離に反比例して減少する。
電波の自由空間伝搬モデルにおいて、波源Sからの距離が1000m以上である場合、受信電力RSSIiは、距離の増加に対して直線状に低下する。そして、受信電力RSSIiが10dBmだけ低下するときの距離は、3.16kmである。つまり、電波の自由空間伝搬モデルにおいては、受信電力RSSIiが10dBmだけ低下するときの距離は、3.16km/10dBmとなる。
従って、作成手段14は、電波の受信感度以下の領域において、既に作成した受信電力の等高線CTR_SYN(電力値Pの等高線)から3.16kmだけ波源から遠くなる方向に離れ、かつ、受信電力の等高線CTR_SYNと相似形を有する受信電力の等高線CTR_LSをP−10の電力値を有する等高線CTRとして作成する(図9参照)。
この場合、受信電力の等高線CTR_LSにおける電力値は、P−10に限らず、電力値Pから所望の電力値ΔPだけ低下した電力値であればよい。従って、作成手段14は、電波の自由空間伝搬モデルにおいて、電力値PよりもΔPだけ低下するときの距離を求め、その求めた距離だけ波源から遠くなる方向に離れ、かつ、受信電力の等高線CTR_SYNと相似形を有する受信電力の等高線CTR_LSをP−ΔPの電力値を有する等高線CTRとして作成する。
また、電波の伝搬モデルは、自由空間伝搬モデルに限らず、どのような伝搬モデルであってもよい。
従って、作成手段14は、一般的に、電波の受信感度以下の領域において、既に作成した受信電力の等高線CTR上の電力値よりも所望の電力値だけ低い受信電力になる電力低下距離(3.16km等)を電波の伝搬モデルに基づいて求め、既に作成した受信電力の等高線CTRから電力低下距離だけ離れ、かつ、既に作成した受信電力の等高線CTRと相似形を有する等高線CTRを電波の受信感度以下の領域における受信電力の等高線CTRとして作成する。
このように、作成手段14は、電波の受信感度以下の領域においても受信電力の等高線CTRを作成するので、受信電力RSSIiの広い範囲において受信電力の等高線CTRを作成できる。
受信電力の重心点(xG,yG)の詳細な算出方法について説明する。
図10に示すように、受信電力RSSIiは、波源Sからの距離に反比例して減衰する。その結果、受信電力RSSIiは、波源Sに近づくほど大きくなるので、波源Sの近傍の方が受信電力RSSIiによる重み付けの効果が大きい。従って、式(1)を用いて算出された受信電力の重心点(xG,yG)は、波源近傍に近づく。
図11は、式(1)を用いた重心点(xG,yG)の計算結果を示す図である。
波源Sは、x−y座標において(300,300)の位置に配置されている。端末装置2の台数は、50台である。図11の白丸は、端末装置2を表す。対象領域の半径は、1000mである。
式(1)を用いて計算した重心点(xG,yG)の位置は、(295,306)であった。
従って、式(1)を用いて計算した重心点(xG,yG)は、波源Sの近傍に位置することが分かった。
図12は、式(1)を用いて重心点(xG,yG)を算出際の問題点を説明するための図である。
図12において、丸は、重心点(xG,yG)の位置を表し、四角は、波源位置を表す。
図12の(a)を参照して、端末装置2の分布が一様である場合、重心点(xG,yG)の位置は、波源位置の近傍に精度良く位置する。
一方、端末装置2の分布に偏りがある場合、重心点(xG,yG)の位置は、波源位置と大きく異なる。式(1)を用いて算出された重心点(xG,yG)は、端末装置2が分布している領域のほど中央部に位置するので、複数の端末装置2の分布領域が波源位置に対して一方側に偏っている場合、重心点(xG,yG)の位置は、波源位置の近傍に位置しない(図12の(b)参照)。
図13は、式(1)を用いて重心点(xG,yG)を算出する際の問題点を説明するための別の図である。
図13においては、x軸方向において、端末装置2の位置、波源位置および重心点(xG,yG)の位置を示すとともに、x軸方向における受信電力RSSIiの距離に対する変化を示す。
図13の(a)は、波源位置が2つの端末装置2間に存在する場合を示し、図13の(b)は、波源位置が2つの端末装置2の一方側に存在する場合を示す。
図13の(a)および(b)において、受信電力RSSIiは、波源位置からの距離に反比例して減衰する。
波源位置が2つの端末装置2間に存在する場合、重心点(xG,yG)の位置は、波源位置の近傍に存在する。
一方、波源位置が2つの端末装置2の一方側に存在する場合、重心点(xG,yG)の位置は、2つの端末装置2間に存在し、波源位置から大きくずれる。
このように、1次元においても、波源位置が端末装置2の一方側に偏っている場合、重心点(xG,yG)の位置は、波源位置から大きくずれる。
図14は、波源位置が端末装置2の分布領域に対して一方側に偏っている場合における重心点(xG,yG)の算出方法を説明するための図である。
端末装置2−1と端末装置2−2との位置が近接している場合、端末装置2−1の位置(x1,y1)と端末装置2−2の位置(x2,y2)とをw1:w2に外分する点(xE,yE)を受信電力の重心点(xG,yG)として求める。
この場合、xE,yEは、次式によって表される。
受信電力RSSIiの距離による分布(図10)を参照すれば、波源Sは、図14の紙面上、端末装置2−1,2−2よりも右側に偏っているので、端末装置2−2の受信電力RSSI2−2は、端末装置2−1の受信電力RSSI2−1よりも大きい。
従って、端末装置2−1,2−2の受信電力RSSI2−1,RSSI2−2のうち、大きい受信電力RSSI2−2を有する端末装置2−2側に端末装置2−1の位置(x1,y1)と端末装置2−2の位置(x2,y2)とをw1:w2に外分した外分点(xE,yE)を受信電力の重心点(xG,yG)として求める。
xE,yEが負値になると、単純な総和で計算されないため、複数の端末装置2から任意の2つの端末装置2を抽出し、その抽出した2つの端末装置2の2つの位置を外分して外分点を求める処理を全ての2つの端末装置2について実行し、その求めた複数の外分点の平均値を受信電力の重心点(xG,yG)として求める。
端末装置2の総数をMとすると、外分点の平均値xE_ave,yE_aveは、次式によって決定される。
なお、式(3)において、wiは、i番目の端末装置2の受信電力RSSIiからなり、wjは、j番目の端末装置2の受信電力RSSIjからなる。
図15は、外分点および内分点のいずれを利用するかの判別方法を説明するための図である。
図15を参照して、処理範囲REG_PRSの直径をDとし、2つの端末装置2間の距離をdとした場合、dが処理範囲REG_PRSの半径(=D/2)以上であるとき、重心点(xG,yG)は、2つの端末装置2の間に存在する。上述したように、処理範囲REG_PRSは、受信電力の最大値RSSI_MAXを有する端末装置2を中心とした円形形状を有するからである。
一方、dが半径(=D/2)よりも小さいとき、重心点(xG,yG)は、2つの端末装置2の一方側に偏った位置に存在する。
従って、2つの端末装置2間の距離dが処理範囲REG_PRSの半径(=D/2)以上であるとき、2つの端末装置2の位置を内分した内分点を重心点(xG,yG)として求め、2つの端末装置2間の距離dが処理範囲REG_PRSの半径(=D/2)よりも小さいとき、2つの端末装置2の位置を外分した外分点を重心点(xG,yG)として求める。
即ち、次式によって重心点(xG,yG)を求める。
式(4)のxEst,yEstが重心点(xG,yG)を示す。また、式(4)に示すxthは、処理範囲REG_PRSのx軸方向の半径であり、ythは、処理範囲REG_PRSのy軸方向の半径である。
図16は、図1に示す電力推定装置1の推定手段15の動作を説明するための図である。図16においては、電力値が−80dBmである受信電力の等高線CTRと電力値が−90dBmである受信電力の等高線CTRとを示す。
図16を参照して、電力推定装置1の推定手段15は、作成手段14によって作成された受信電力の等高線CTRを受ける。また、推定手段15は、例えば、対象領域REGをメッシュ状の領域に分割する。そして、推定手段15は、作成手段14から受けた受信電力の等高線CTRを対象領域REG内で表示し、その表示した等高線CTRに基づいて各メッシュにおける受信電力を推定する。
推定手段15によって推定された受信電力は、共用周波数fcomを用いて無線通信を行うときの通信条件(共用周波数fcom、場所および送信電力等)を決定するために用いられる。
図17は、図1に示す電力推定装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図17を参照して、電力推定装置1の動作が開始されると、抽出手段13は、記録手段12に記録された複数のモニター情報MNTに基づいて、上述した方法によって処理範囲REG_PRS内に存在するk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出する(ステップS1)。そして、抽出手段13は、その抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkを作成手段14へ出力する(ステップS2)。
その後、抽出手段13は、既に抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkを除外し、または既に抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkのうち、受信電力の最大値RSSI_MAXを有するモニター情報MNTを除外する(ステップS3)。
そして、抽出手段13は、既に抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkを除外した複数のモニター情報、または既に抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkのうち、受信電力の最大値RSSI_MAXを有するモニター情報MNTを除外した複数のモニター情報に基づいて、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力RSSIiが存在しないか否かを判定する(ステップS4)。
ステップS4において、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力RSSIiが存在すると判定されたとき、一連の動作は、ステップS1へ戻り、ステップS4において、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力RSSIiが存在しないと判定されるまで、ステップS1〜ステップS4が繰り返し実行される。
そして、ステップS4において、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力RSSIiが存在しないと判定されると、作成手段14は、k個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出手段13から受けるごとに、k個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて、上述した方法によって受信電力の等高線CTRを作成する(ステップS5)。
そうすると、作成手段14は、作成した受信電力の等高線CTRを推定手段15へ出力する。
推定手段15は、作成手段14から受信電力の等高線CTRを受け、その受けた受信電力の等高線CTRに基づいて各場所における受信電力を推定する(ステップS6)。これによって、電力推定装置1の動作が終了する。
なお、抽出手段13は、ステップS1において、処理範囲REG_PRS内に電力値が同じである複数の受信電力の最大値RSSI_MAXが存在する場合、複数の受信電力の最大値RSSI_MAXのうちの1つの受信電力の最大値RSSI_MAXを選択し、それ以外の受信電力の最大値RSSI_MAXを除外して処理範囲REG_PRS内のk個のモニター情報MNTを選択する。
この発明の実施の形態においては、抽出手段13は、抽出方式1または抽出方式2に従ってk個のモニター情報MNTを抽出するので、受信電力の最大値RSSI_MAXを少なくとも除外しながらk個のモニター情報MNTを繰り返し抽出する。
従って、抽出手段13は、ステップS1において、処理範囲REG_PRS内に電力値が同じである複数の受信電力の最大値RSSI_MAX(等高線CTRの電力値P以上の受信電力の最大値RSSI_MAX)が存在する場合、複数の受信電力の最大値RSSI_MAXのうちの1つの受信電力の最大値RSSI_MAXを選択し、それ以外の受信電力の最大値RSSI_MAXを除外して処理範囲REG_PRS内のk個のモニター情報MNTを選択することによって、作成手段14は、複数の受信電力の最大値RSSI_MAXの各々を含むk個のモニター情報MNTに基づいて受信電力の等高線CTRを作成する。
その結果、処理範囲REG_PRS内に電力値が同じである複数の受信電力の最大値RSSI_MAXが存在する場合でも、受信電力の等高線CTRを正確に作成できる。
図18は、図17のステップS1の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図18を参照して、図17の”スタート”の後、または図17のステップS4において、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力RSSIiが存在すると判定されたとき、抽出手段13は、複数のモニター情報MNTに基づいて受信電力の最大値RSSI_MAXを求める(ステップS11)。
そして、抽出手段13は、受信電力の最大値RSSI_MAXが、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上であるか否かを判定する(ステップS12)。なお、ステップS11が図17のステップ4において、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力RSSIiが存在すると判定された後に実行される場合、受信電力の最大値RSSI_MAXは、通常、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上になるが、この場合、ステップS12は、より正確に受信電力の等高線CTRを作成するために実行される。
ステップS12において、受信電力の最大値RSSI_MAXが、作成すべき等高線CTRの電力値P以上でないと判定されたとき、一連の動作は、図17の”終了”へ移行する。
一方、ステップS12において、受信電力の最大値RSSI_MAXが、作成すべき等高線CTRの電力値P以上であると判定されたとき、抽出手段13は、受信電力の最大値RSSI_MAXを中心とした半径rの処理範囲REG_PRSを決定する(ステップS13)。
そして、抽出手段13は、処理範囲REG_PRS内に存在するk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出する(ステップS14)。
その後、一連の動作は、図17のステップS2へ移行する。
なお、図18に示すフローチャートが、図17のステップS4において作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力RSSIiが存在すると判定された後に実行される場合、抽出手段13は、図7に示す抽出方式1または抽出方式2に従ってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出する。
図19は、図17のステップS5の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図19を参照して、図17のステップS4において、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力RSSIiが存在しないと判定されたとき、作成手段14は、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値Pが端末装置2の受信感度以上であるか否かを判定する(ステップS51)。
ステップS51において、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値Pが端末装置2の受信感度以上でないと判定されたとき、作成手段14は、既に作成した受信電力の等高線CTRが有るか否かを更に判定する(ステップS52)。
ステップS52において、既に作成した受信電力の等高線CTRが無いと判定されたとき、作成手段14は、新たなPを選択する(ステップS53)。その後、一連の動作は、ステップS51へ移行する。
一方、ステップS52において、既に作成した受信電力の等高線CTRが有ると判定されたとき、作成手段14は、既に作成した受信電力の等高線CTRと電波の伝搬モデルとを用いて、上述した方法によって、電波の受信感度以下の領域において受信電力の等高線CTRを作成する(ステップS54)。
ステップS51において、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値Pが端末装置2の受信感度以上であると判定されたとき、作成手段14は、k個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて受信電力の重心点RSSI_Gを算出する(ステップS55)。
そして、作成手段14は、電力値P以上の受信電力を有し、かつ、受信電力の重心点RSSI_Gから最も遠い位置に存在する端末装置と受信電力の重心点RSSI_Gとの距離を最大距離として求める(ステップS56)。
そうすると、作成手段14は、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、最大距離を半径とする円形状を有する受信電力の等高線CTRを作成する(ステップS57)。
そして、ステップS54またはステップS57の後、一連の動作は、図17のステップS6へ移行する。
図20は、図19に示すステップS55の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図20を参照して、図19のステップS51において、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値Pが端末装置2の受信感度以上であると判定されたとき、作成手段14は、複数のモニター情報MNTの分布の分散Varを算出し(ステップS551)、その算出した分散Varがしきい値Var_th以上であるか否かを判定する(ステップS552)。
ステップS552において、分散Varがしきい値Var_th以上であると判定されたとき、作成手段14は、k個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて、式(1)を用いて、受信電力RSSIiによって重み付けられた受信電力の重心点(xG,yG)を算出する(ステップS553)。
一方、ステップS552において、分散Varがしきい値Var_th以上でないと判定されたとき、作成手段14は、複数のモニター情報MNTのうち、任意の2つのモニター情報MNTを抽出して2つのモニター情報MNT間の距離を算出する(ステップS554)。
そして、作成手段14は、2つのモニター情報MNT間の距離がしきい値(=処理範囲REG_PRSの半径)以上であるか否かを判定する(ステップS555)。
ステップS555において、2つのモニター情報MNT間の距離がしきい値(=処理範囲REG_PRSの半径)以上でないと判定されたとき、作成手段14は、2つのモニター情報MNTの外分点を算出する(ステップS556)。
一方、ステップS555において、2つのモニター情報MNT間の距離がしきい値(=処理範囲REG_PRSの半径)以上であると判定されたとき、作成手段14は、2つのモニター情報MNTの内分点を算出する(ステップS557)。
そして、ステップS556またはステップS557の後、作成手段14は、全てのモニター情報MNTの評価を終了したか否かを判定する(ステップS558)。
ステップS558において、全てのモニター情報MNTの評価を終了していないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS554へ戻り、ステップS558において、全てのモニター情報MNTの評価を終了したと判定されるまで、上述したステップS554〜ステップS558が繰り返し実行される。
そして、ステップS558において、全てのモニター情報MNTの評価を終了したと判定されると、作成手段14は、式(4)を用いて内分点または外分点の平均値を算出し(ステップS559)、その算出した平均値を受信電力の重心点RSSI_Gとして求める(ステップS560)。
そして、ステップS553またはステップS560の後、一連の動作は、図19のステップS56へ移行する。
このように、この発明の実施の形態においては、複数の端末装置の複数のモニター情報MNT(位置情報および受信電力)に基づいて、受信電力RSSIiによって重み付けられたk個の受信電力の重心点RSSI_G、または2つのモニター情報MNTの内分点または外分点の平均値を受信電力の重心点RSSI_Gとして求めるので、四則演算を用いて受信電力の重心点RSSI_Gを求めることができる。従って、計算量を抑制して簡単に受信電力の重心点RSSI_Gを求めることができる。
また、図20に示すフローチャートにおいては、内分点および外分点を使い分けるので、モニター情報MNTの位置が波源Sに対して偏った場合でも、受信電力の重心点RSSI_Gを精度良く求めることができる。
なお、図20のステップS559においては、内分点または外分点を単純平均して平均値を求めると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、内分点または外分点を求めるために用いた2つのモニター情報の2つの受信電力RSSIiの平均電力によって重み付けして内分点または外分点の平均値を求めてもよい。
即ち、次式(5)によって内分点の平均値を求め、式(6)によって外分点の平均値を求めてもよい。
図21は、図19に示すステップS55の別の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図21に示すフローチャートは、図19に示すフローチャートのステップS554〜ステップS557をステップS561〜ステップS568に代えたものであり、その他は、図19に示すフローチャートと同じである。
図21を参照して、図19のステップS51において、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値Pが端末装置2の受信感度以上であると判定されたとき、上述したステップS551〜ステップS553が順次実行される。
そして、ステップS552において、分散Varがしきい値Var_thよりも小さいと判定されたとき、作成手段14は、k個のモニター情報MNT1〜MNTkから任意の2つのモニター情報MNTを抽出し、x軸方向の2つのモニター情報MNT間の距離Lxとy軸方向の2つのモニター情報MNT間の距離Lyとを算出する(ステップS561)。
そして、作成手段14は、x軸方向の距離Lxがしきい値L_th_x以上であるか否かを判定する(ステップS562)。なお、しきい値L_th_xは、処理範囲REG_PRSのx軸方向の半径に設定される。
ステップS562において、距離Lxがしきい値L_th_x以上でないと判定されたとき、作成手段14は、y軸方向の距離Lyがしきい値L_th_y以上であるか否かを更に判定する(ステップS563)。なお、しきい値L_th_yは、処理範囲REG_PRSのy軸方向の半径に設定される。
一方、ステップS562において、距離Lxがしきい値L_th_x以上であると判定されたとき、作成手段14は、y軸方向の距離Lyがしきい値L_th_y以上であるか否かを更に判定する(ステップS564)。
ステップS563において、距離Lyがしきい値L_th_y以上でないと判定されたとき、作成手段14は、x軸方向およびy軸方向の両方において、2つのモニター情報MNT間の外分点を算出する(ステップS565)。
一方、ステップS563において、距離Lyがしきい値L_th_y以上であると判定されたとき、作成手段14は、x軸方向において、2つのモニター情報MNT間の外分点を算出し、y軸方向において、2つのモニター情報MNT間の内分点を算出する(ステップS566)。
また、ステップS564において、距離Lyがしきい値L_th_y以上でないと判定されたとき、作成手段14は、x軸方向において、2つのモニター情報MNT間の内分点を算出し、y軸方向において、2つのモニター情報MNT間の外分点を算出する(ステップS567)。
一方、ステップS564において、距離Lyがしきい値L_th_y以上であると判定されたとき、作成手段14は、x軸方向およびy軸方向の両方において、2つのモニター情報MNT間の内分点を算出する(ステップS568)。
そして、ステップS565〜ステップS568のいずれかの後、一連の動作は、ステップS558へ移行し、ステップS558において、全てのモニター情報MNTの評価を終了したと判定されるまで、上述したステップS561〜S568,S558が繰り返し実行される。
そして、ステップS558において、全てのモニター情報MNTの評価を終了したと判定されると、上述したステップS559,S560が順次実行される。この場合、ステップS559において、作成手段14は、x軸方向およびy軸方向についてそれぞれ内分点または外分点の平均値を算出する。
このように、図21に示すフローチャートによれば、x軸方向およびy軸方向について、別々に内分点および外分点のいずれかを用いるので(ステップS562〜ステップS568参照)、ステップS559において算出された平均値は、より波源位置に近いものになる。
従って、より正確に受信電力の重心点RSSI_Gを求めることができる。
また、図21に示すフローチャートにおいても、内分点および外分点を使い分けるので、モニター情報MNTの位置が波源Sに対して偏った場合でも、受信電力の重心点RSSI_Gを精度良く求めることができる。
図22は、この発明の実施の形態による別の電力推定装置の構成を示す概略図である。この発明の実施の形態による電力推定装置は、図22に示す電力推定装置1Aであってもよい。
図22を参照して、電力推定装置1Aは、図2に示す電力推定装置1の抽出手段13を抽出手段13Aに代えたものであり、その他は、電力推定装置1と同じである。
抽出手段13Aは、複数のモニター情報MNTを記録手段12から読み出し、その読み出した複数のモニター情報MNTに含まれる複数の受信電力RSSIiおよび複数の時間情報tiに基づいて時間による受信電力RSSIiの変動を記録する。そして、抽出手段13Aは、時間による受信電力RSSIiの変動に基づいて、受信電力RSSIiが雑音およびフェージング等のいずれの誤差要因によって変動しているかを推定する。
その後、抽出手段13Aは、後述する方法によって、複数の受信電力RSSIiから、要求する信頼率を満たす受信電力RSSIi_CFDを検出し、その検出した受信電力RSSIi_CFDに基づいて処理範囲REG_PRSを決定する。
図23は、時間よる受信電力RSSIiの変動を示す概念図である。図23を参照して、フェージングの影響を受ける伝搬環境においては、受信電力RSSIiは、時間によって曲線k1のように変動する。
また、伝搬環境が雑音の影響を受ける伝搬環境である場合、受信電力RSSIiは、時間によって曲線k1と異なるように変動する。
抽出手段13Aは、時間による受信電力RSSIiの変動を、雑音およびフェージング等の誤差要因に対応付けた変動特性を保持している。そして、抽出手段13Aは、記録手段12から読み出した受信電力RSSIiの時間による変動が、どの変動特性に一致または近似するかを判定し、一致または近似する変動特性に対応する誤差要因を検出することによって、受信電力RSSIiが時間によって変動する誤差要因を推定する。
雑音およびフェージング等の誤差の分布は、正規分布、ライス分布およびレイリー分布のいずれかになる。正規分布は、誤差要因が雑音である場合の誤差の分布であり、ライス分布およびレイリー分布は、誤差要因がフェージングである場合の誤差の分布である。そして、レイリー分布は、散乱が激しい場合の誤差の分布である。
そこで、この発明の実施の形態においては、電波の伝搬環境を推定し、その推定した電波の伝搬環境に応じて、誤差要因の分布を正規分布、ライス分布およびレイリー分布のいずれかの分布に決定し、その決定した誤差要因の分布に対応する信頼率を満たす受信電力RSSIi_CFDを検出する。
抽出手段13Aは、静止端末からのモニター情報、または移動速度が最も遅い移動端末からのモニター情報MNTに基づいて、受信電力RSSIiの時間による変動を検出し、その検出した受信電力RSSIiの時間による変動に基づいて、フェージングのある伝搬環境、または雑音のある伝搬環境等の伝搬環境を推定する。
そして、抽出手段13Aは、その推定した伝搬環境に応じて、誤差要因の分布を正規分布、ライス分布およびレイリー分布のいずれかの分布に決定する。
図24は、誤差の種別と、要求する信頼率との関係を示す図である。図24を参照して、誤差の種別が正規分布である場合、要求する信頼率は、例えば、0.95であり、分布点αは、0.95の信頼率になる正規分布点である。誤差の種別がライス分布である場合、要求する信頼率は、例えば、0.90であり、分布点βは、0.90の信頼率になるライス分布点である。誤差の種別がレイリー分布である場合、要求する信頼率は、例えば、0.80であり、分布点γは、0.80の信頼率になるレイリー分布点である。
抽出手段13Aは、図24に示す誤差の種別と要求する信頼率との対応関係を示す対応表TBLを保持している。そして、抽出手段13Aは、誤差要因の分布を決定すると、対応表TBLを参照して、その決定した誤差要因の分布に対応する信頼率を検出する。
その後、抽出手段13Aは、複数のモニター情報MNTを読み出し、その読み出した複数のモニター情報MNTに基づいて、要求する信頼率を満たす受信電力RSSIi_CFDを検出する。
より具体的には、抽出手段13Aは、次の方法によって、受信電力RSSIi_CFDを検出する。抽出手段13Aは、1つの端末装置2から受信した受信電力のうち、時間が異なる複数の受信電力RSSIiを抽出する。例えば、抽出手段13Aは、時間が異なる10個の受信電力RSSIi(i=1〜10)を抽出する。そして、抽出手段13Aは、時間が異なる10個の受信電力RSSIi(i=1〜10)を用いて、次式によってZを算出する。
式(7)において、nは、標本数の大きさであり、eは、許容誤差範囲であり、Zは、信頼率αとなる分布点である。Qは、母集団のうち、受信電力の等高線CTRの作成に用いる受信電力の割合である。例えば、100個の受信電力RSSIi(i=1〜100)のうち、10個の受信電力RSSIi(i=1〜10)を用いて受信電力の等高線CTRを作成する場合、Q=0.1である。Mは、母集団である。
図25は、標本の大きさnと許容誤差範囲eとの関係を示す図である。図25においては、平均受信電力が−100dBmであり、信頼率αが0.95である場合における標本の大きさnと許容誤差範囲eとの関係を示す。
図25を参照して、標本の大きさnは、例えば、10,20,50,100のいずれかからなる。許容誤差範囲eは、標本の大きさnが10である場合、例えば、10%に設定され、標本の大きさnが20である場合、例えば、7%に設定され、標本の大きさnが50である場合、例えば、5%に設定され、標本の大きさnが100である場合、例えば、3%に設定される。このように、許容誤差範囲eは、標本の大きさnが大きくなるに従って小さくなるように設定される。
標本の大きさnが10である場合、95%の確率(信頼率α=0.95)で−110〜−90dBmの範囲に真値がある。また、標本の大きさnが100である場合、95%の確率(信頼率α=0.95)で−103〜−97dBmの範囲に真値がある。
許容誤差範囲eは、標本の大きさnが大きくなるに従って小さくなるように設定されるため、標本の大きさnが大きくなれば、許容誤差範囲eが小さくなり、精度が向上する。
また、信頼率αの分布点および許容誤差範囲eは、要求精度に応じて設定される。なお、標本の大きさnが大きくならない場合、信頼率αまたは許容誤差範囲eの制約を軽減する。標本の大きさnが大きくならない場合、信頼率αを高く設定したり、許容誤差範囲eを狭く設定すると、信頼率αまたは許容誤差範囲eを満たす受信電力が無くなり、受信電力の等高線CTRを作成できなくなるからである。
Mは、受信電力RSSIiの総数であり、nは、時間が異なる10個の受信電力(受信電力の総数Mのうちの一部の受信電力の個数)であり、eは、図25に示すように設定されるので、既知であり、Qも、既知であるので、抽出手段13Aは、式(7)によってZを算出できる。
そして、抽出手段13Aは、その算出したZが信頼率を満たすか否かを判定する。より具体的には、抽出手段13Aは、Zが信頼率を満たすとき、その受信電力RSSIiを正しいデータと判定し、Zが信頼率を満たさないとき、その受信電力RSSIiを正しくないデータと判定する。
ここで、Zが信頼率を満たすか否かは、誤差の分布が正規分布に従う場合、正規分布において偏差が±0.05である範囲にZが入るか否かによって判定される。そして、正規分布において偏差が±0.05である範囲にZが入るとき、Zが信頼率を満たすと判定され、正規分布において偏差が±0.05である範囲にZが入らないとき、Zが信頼率を満たさないと判定される。
抽出手段13Aは、受信電力RSSIiが正しくないデータであると判定したとき、別の受信電力RSSIiについて、上述した方法によって、受信電力RSSIiが正しいデータであるか否かを判定する。
誤差の分布がライス分布またはレイリー分布である場合も、抽出手段13Aは、誤差の分布が正規分布である場合と同様にして、受信電力RSSIiが正しいデータであるか否かを判定する。
また、抽出手段13Aは、異なる端末装置2から受信した複数の受信電力RSSIiのうち、時間情報が同じである複数の受信電力RSSIiを抽出し、その抽出した複数の受信電力RSSIiの各々について、上述した方法によって、受信電力RSSIiが正しいか否かを判定してもよい。
図26は、受信電力RSSIiが正しいデータであるか否かを判定する場合の標本を示す図である。
図26の(a)を参照して、n(nは、2≦n<iを満たす整数)個の受信電力RSSI1〜RSSInは、位置(x1,y1)において時間情報が異なる受信電力である。
図26の(b)を参照して、n個の受信電力RSSI’1〜RSSI’nは、時間情報t1において位置情報が異なる受信電力である。
n個の受信電力RSSI1〜RSSInを用いて受信電力が正しいデータであるか否かを判定する場合、抽出手段13Aは、n個の受信電力RSSI1〜RSSInの分布が正規分布、ライス分布およびレイリー分布のいずれに該当するかを判定する。そして、抽出手段13Aは、正規分布に該当すると判定したとき、対応表TBLを参照して正規分布に対応する0.95の信頼率を検出する。
その後、抽出手段13Aは、式(7)を用いてZを算出し、その算出したZが信頼率を満たすか否かを上述した方法によって判定する。
n個の受信電力RSSI1〜RSSInの分布がライス分布またはレイリー分布である場合も、抽出手段13Aは、同様にして、算出したZが信頼率を満たすか否かを上述した方法によって判定する。
そして、抽出手段13Aは、Zが信頼率を満たすと判定したとき、即ち、n個の受信電力RSSI1〜RSSInが正しいデータであると判定したとき、位置(x1,y1)における受信電力(位置(x1,y1)と異なる位置における受信電力と同じ時刻情報を有する位置(x1,y1)における受信電力)を受信電力の等高線CTRを作成するための1つのデータとして検出する。
上述したように、作成手段14は、異なる位置で検出された複数の受信電力RSSIiを用いて受信電力の等高線CTRを作成するので、同じ位置(x1,y1)で検出されたn個の受信電力RSSI1〜RSSInを受信電力の等高線CTRを作成するための受信電力として用いることができないからである。
n個の受信電力RSSI’1〜RSSI’nを用いて受信電力が正しいデータであるか否かを判定する場合、抽出手段13Aは、n個の受信電力RSSI’1〜RSSI’nの分布が正規分布、ライス分布およびレイリー分布のいずれに該当するかを判定する。そして、抽出手段13Aは、正規分布に該当すると判定したとき、対応表TBLを参照して正規分布に対応する0.95の信頼率を検出する。
その後、抽出手段13Aは、式(7)を用いてZを算出し、その算出したZが信頼率を満たすか否かを上述した方法によって判定する。
n個の受信電力RSSI’1〜RSSI’nの分布がライス分布またはレイリー分布である場合も、抽出手段13Aは、同様にして、算出したZが信頼率を満たすか否かを上述した方法によって判定する。
そして、抽出手段13Aは、Zが信頼率を満たすと判定したとき、即ち、n個の受信電力RSSI’1〜RSSI’nが正しいデータであると判定したとき、n個の受信電力RSSI’1〜RSSI’nを受信電力の等高線CTRを作成するためのデータとして検出する。
n個の受信電力RSSI’1〜RSSI’nは、異なる位置で検出された受信電力であるので、信頼率を満たせば、作成手段14において受信電力の等高線CTRを作成するためのデータとして使用できるからである。
従って、抽出手段13Aは、n個の受信電力RSSI’1〜RSSI’nを正しい1組のデータとして検出する。
一方、抽出手段13Aは、n個の受信電力RSSI’1〜RSSI’nが正しいデータでないと判定したとき、n個の受信電力RSSI’1〜RSSI’nのうちの少なくとも1つが異なる別のn個の受信電力を抽出し、その抽出した別のn個の受信電力が正しいデータであるか否かを上述した方法によって判定する。
上述した方法によって、要求される信頼率を満たす受信電力を検出することは、電波の伝搬環境に応じて、要求される信頼率を満たす受信電力を検出することに相当する。抽出手段13Aは、電波の伝搬環境を推定し、その推定した伝搬環境に応じて、誤差要因の分布を決定し、その決定した誤差要因の分布に対応する信頼率(要求される信頼率)を満たす受信電力RSSIi_CFDを検出するからである。
電力推定装置1Aの動作は、図17に示すフローチャートに従って実行される。
図27は、図22に示す電力推定装置1Aの動作が図17に示すフローチャートに従って実行される場合における図17のステップS1の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図27を参照して、電力推定装置1Aの動作が開始されたとき、または図17のステップS4において作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力RSSIiが存在すると判定されたとき、抽出手段13Aは、上述した方法によって、誤差の分布を推定する(ステップS21)。
そして、抽出手段13Aは、記録手段12からk個のモニター情報MNT1〜MNTkを取得する(ステップS22)。
そうすると、抽出手段13Aは、k個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて、上述した方法によって、Zを算出し、その算出したZが信頼率を満たすか否かを判定する
(ステップS23)。
ステップS23において、Zが信頼率を満たさないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS22へ戻り、ステップS23において、Zが信頼率を満たすと判定されるまで、ステップS22,S23を繰り返し実行される。この場合、抽出手段13Aは、ステップS23からステップS22へ戻り、k個のモニター情報MNT1〜MNTkを取得するとき、既に取得したk個のモニター情報MNT1〜MNTkのうち、少なくとも1つのモニター情報MNTが異なるk個のモニター情報MNT1〜MNTkを取得する。
そして、ステップS23において、Zが信頼率を満たすと判定されると、抽出手段13Aは、Zが信頼率を満たすときのk個のモニター情報MNT1〜MNTkが含まれる範囲を処理範囲として決定する(ステップS24)。
その後、抽出手段13Aは、Zが信頼率を満たすときのk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出する。
そして、一連の動作は、図17のステップS2へ移行する。
なお、抽出手段13Aは、図27に示すフローチャートに従ってk個のモニター情報MNT1〜MNTkを繰り返し抽出する場合、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力RSSIiがなくなるまで、上述した抽出方式1または抽出方式2を用いてk個のモニター情報MNT1〜MNTkを繰り返し抽出する。
また、ステップS25において抽出されたk個のモニター情報MNT1〜MNTkは、受信電力の最大値RSSI_MAXを含むので、作成手段14は、抽出手段13Aから受けたk個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて、上述した方法によって受信電力の等高線CTRを作成できる。
このように、電力推定装置1Aは、端末装置2から受信した受信電力RSSIiのうち、要求する信頼率を満たすk個のモニター情報RSSIi_CFD(i=1〜k)を抽出し、その抽出したk個のモニター情報RSSIi_CFD(i=1〜k)に基づいて受信電力の等高線CTRを作成するので、雑音およびフェージング等の誤差要因が存在する環境下でも、受信電力の等高線CTRを精度良く作成できる。
なお、電力推定装置1,1Aにおける受信電力の推定は、ソフトウェアによって実行されてもよい。
この場合、電力推定装置1,1Aの各々は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備える。
ROMは、図17に示すフローチャート(図18〜図21に示すフローチャートを含む)からなるプログラムProg_A、または図17に示すフローチャート(図19〜図21および図27に示すフローチャートを含む)からなるプログラムProg_Bを格納する。
そして、CPUは、プログラムProg_A,Prog_BのいずれかをROMから読み出し、その読み出したプログラムProg_A,Prog_Bのいずれかを実行して受信電力を推定する。
この場合、RAMは、端末装置2から受信したモニター情報MNTの記憶に用いられるとともに各種の演算に用いられる。
また、プログラムProg_A,Prog_Bのいずれかは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。この場合、CPUは、装着された記録媒体からプログラムProg_A,Prog_Bのいずれかを読み出して実行し、受信電力を推定する。従って、プログラムProg_A,Prog_Bのいずれかを記録したCD,DVD等の記録媒体は、コンピュータ(CPU)が読み取り可能な記録媒体である。
上記においては、受信電力の等高線CTRは、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離を半径とする円形状を有すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、受信電力の等高線CTRは、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離を長径とする楕円形状を有していてもよい。
図28は、楕円形状を有する受信電力の等高線CTRの作成方法を説明するための図である。
図28において、白四角は、電力値P以上の受信電力を有する測定点を示し、黒四角は、電力値P未満の受信電力を有する測定点を示し、白丸は、受信電力の重心点RSSI_Gを示す。
図28を参照して、作成手段14は、上述した方法によって、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離Rを半径とする円形状を有する受信電力の等高線CTR5を作成する。
そして、作成手段14は、受信電力の等高線CTR5に基づいて、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離Rを長径とするとともに距離R’を短径とする楕円形状を有する受信電力の等高線CTR6を作成する。ここで、距離R’は、電力値P以上の受信電力を有し、かつ、受信電力の重心点RSSI_Gからの距離が最大距離Rの次に長い測定点2−2と受信電力の重心点RSSI_Gとの距離である。
また、この発明の実施の形態においては、受信電力の等高線CTRは、多角形の形状を有していてもよい。
図29は、多角形の形状を有する受信電力の等高線CTRの作成方法を説明するための図である。
図29において、白四角は、電力値P以上の受信電力を有する測定点を示し、黒四角は、電力値P未満の受信電力を有する測定点を示し、白丸は、受信電力の重心点RSSI_Gを示す。
図29を参照して、作成手段14は、上述した方法によって、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離Rを半径とする円形状を有する受信電力の等高線CTR5を作成する。
そして、作成手段14は、円形状を有する受信信号の等高線CTR5に内接する正八角形20を形成する(図29の(a)参照)。
その後、作成手段14は、正八角形の各頂点が、電力値P以上の受信電力を有し、かつ、受信電力の重心点RSSI_Gからできるだけ遠い位置に存在する測定点2−1〜2−8に位置するように正八角形20を変形し、八角形の形状を有する受信電力の等高線CTR7を作成する(図29の(b)参照)。
作成手段14は、図29において説明した作成方法と同じ作成方法によって、八角形以外の多角形の形状を有する受信電力の等高線CTRを作成する。
このように、作成手段14は、円形状を有する受信電力の等高線CTRに限らず、楕円形状を有する受信電力の等高線CTRまたは多角形の形状を有する受信電力の等高線CTRを作成する。
なお、作成手段14は、楕円形状または多角形の形状を有する受信電力の等高線CTRを作成する場合も、波源群に対して、楕円形状または多角形の形状を有する受信電力の等高線CTRを複数結合した形状を有する受信電力の等高線CTRを作成する。
従って、図19に示すフローチャートのステップS57において、作成手段14は、円形状を有する受信電力の等高線CTRに代えて、楕円形状を有する受信電力の等高線CTRまたは多角形の形状を有する受信電力の等高線CTRを作成してもよく、一般的には、作成手段14は、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、受信電力の重心点RSSI_Gからの距離が最も長い最大距離Rを半径とする円形形状を有する第1の等高線、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離Rを長径とする楕円形状を有する第2の等高線、および受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離Rを中心から1つの頂点までの距離とする多角形の形状を有する第3の等高線のいずれかを作成すればよい。
モニター情報MNTは、共用周波数fcom_iを含むため、電力推定装置1,1Aは、上述した方法によって、各共用周波数fcom_iを用いて電波を送信した場合における受信電力の等高線CTRを作成し、その作成した受信電力の等高線CTRに基づいて受信電力を推定する。
また、電力推定装置1,1Aは、例えば、端末装置2が15:00に無線通信を行う場合、14:00〜15:00までの間に複数の端末装置2から送信された複数のモニター情報MNTに基づいて、上述した方法によって、受信電力の等高線CTRを作成し(端末装置2における電波の受信感度以下の領域における受信電力の等高線CTRの作成も含む)、その作成した受信電力の等高線CTRに基づいて、各場所における受信電力を推定し、その推定結果に基づいて、共用周波数fcom_iを用いて無線通信を行うときの通信条件(共用周波数fcom、場所および送信電力等)を決定する。
そして、各端末装置2は、電力推定装置1,1Aによって決定された通信条件を用いて無線通信を行う。
その結果、電力推定装置1,1Aによって推定された受信電力は、フェージングを抑制して推定された受信電力であるため、送信電力は、フェージングが抑制された電波環境において信号を送信先へ送信できるように決定される。従って、スループットを高くして信号を送信先へ送信できる。
図30は、この発明の実施の形態によるデータ構造の概略図である。図30を参照して、データ構造D_STR1は、端末装置ID、時間情報、端末装置2の位置情報、周波数帯域ID、サブキャリアNo.、波源IDおよび受信電力が相互に対応付けられた構造を有する。端末装置ID、時間情報、端末装置2の位置情報、周波数帯域ID、サブキャリアNo.、波源IDおよび受信電力は、モニター情報MNTを構成する。
端末装置IDは、端末装置2の識別情報である。時間情報は、受信電力が検出された時刻を示す。そして、時間情報は、年/月/日/時間/分/秒(YYYY/MM/DD/HH/MM/SS)の形式によって表される。端末装置2の位置情報が、緯度と、経度と、高さとを含む。緯度および経度は、GPSによって検出され、高さは、高度計によって検出される。そして、高さは、端末装置2が静止または移動している地面からの高さを示す。
周波数帯域IDは、複数の端末装置2が共用する周波数帯域の識別情報である。サブキャリアNo.は、サブキャリアの番号を示す。波源IDは、1次利用者の電波を発する波源の識別情報である。受信電力は、各端末装置2が受信した電波の受信電力である。
端末装置IDは、抽出手段13が、対応する受信電力が同じ端末装置2で検出されたか否かを判定するのに用いられる。時間情報は、抽出手段13が、対応する受信電力が同じ時刻に検出されたか否かを判定するのに用いられる。端末装置2の位置情報は、抽出手段13が、対応する受信電力が同じ位置で検出されたか否か、または対応する受信電力が所定の領域内で検出された否かを判定するのに用いられる。また、位置情報は、作成手段14が、複数の端末装置2間の距離、端末装置2と波源との距離および受信電力の重心点から最も遠い位置に存在する端末装置を検出するのに用いられる。
周波数帯域IDは、抽出手段13が、同じ周波数帯域の受信電力を抽出するために用いられる。サブキャリアNo.は、抽出手段13が、対応する受信電力を有する電波が伝送されたサブキャリアを判定するのに用いられる。波源IDは、抽出手段13が、同じ波源から送信された電波の受信電力を抽出するのに用いられる。
受信電力は、作成手段14が、複数の受信電力のうちの最大の受信電力を検出するのに用いられる。また、受信電力は、作成手段14が、作成すべき電力の等高線の電力値以上の受信電力を検出するのに用いられる。
複数のモニター情報MNTに含まれる複数の受信電力のうち、受信電力の最大値を含むk個のモニター情報は、抽出手段13によって複数のモニター情報から抽出される。
抽出手段13によって抽出されたk個のモニター情報は、作成手段24が受信電力によって重み付けされたk個の端末装置2の位置の平均である受信電力の重心点(xG,yG)を求めるのに用いられる。
抽出手段13によって抽出されたk個のモニター情報に含まれるk個の受信電力のうち、作成すべき受信電力の等高線における電力値以上の受信電力と、受信電力の等高線における電力値以上の受信電力に対応付けられた位置情報とは、作成手段14が、受信電力の重心点(xG,yG)から最も遠い位置に存在する端末装置と受信電力の重心点(xG,yG)との距離である最大距離(例えば、最大半径R)を求めるのに用いられる。
作成手段14によって求められた最大距離は、作成手段14が第1の等高線、第2の等高線および第3の等高線のいずれかを作成するのに用いられる。
第1の等高線は、受信電力の重心点を中心とし、かつ、最大距離を半径とする円形形状を有し、第2の等高線は、受信電力の重心点を中心とし、かつ、最大距離を長径とする楕円形状を有し、第3の等高線は、受信電力の重心点を中心とし、かつ、最大距離を中心から1つの頂点までの距離とする多角形の形状を有する。
好ましくは、抽出手段13によって抽出されたk個のモニター情報に含まれるk個の受信電力のうち、作成すべき受信電力の等高線における電力値よりも小さい受信電力と、受信電力の等高線における電力値よりも小さい受信電力に対応付けられた位置情報とは、推定手段15が、受信電力の等高線に基づいて、対象領域内の所望の場所において電波の受信電力を推定するのに用いられる。
好ましくは、複数のモニター情報MNTは、抽出手段13が、作成すべき受信電力の等高線の電力値以上の受信電力がなくなるまで、複数のモニター情報MNTから既に抽出した受信電力の最大値を少なくとも除きながら新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出することを繰り返し行うのに用いられる。そして、抽出手段13によって抽出された新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkは、作成手段14が、新たなk個のモニター情報に基づいて受信電力の等高線を作成するのに用いられる。
好ましくは、複数のモニター情報MNTは、抽出手段13が、既に抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkを複数のモニター情報MNTから除きながら、新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出する第1の抽出方式、または既に抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkに含まれる受信電力の最大値のみを除きながら新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出する第2の抽出方式を用いて、作成すべき受信電力の等高線の電力値以上の受信電力がなくなるまで、複数のモニター情報MNTから新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを繰り返し抽出するのに用いられる。そして、抽出手段13が第1の抽出方式によって新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出した場合、新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkは、作成手段14が、新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて受信電力の等高線を作成する第1の等高線作成処理と、新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkに基づいて受信電力の重心点(xG,yG)を求めるとともに、既に抽出したk個のモニター情報MNT1〜MNTkと新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkとの両方に含まれるモニター情報MNTと、新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkと、受信電力の重心点(xG,yG)とに基づいて最大距離を求めることにより受信電力の等高線を作成する第2の等高線作成処理とのいずれかを新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkが抽出される毎に行うのに用いられる。抽出手段13が第2の抽出方式によって新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出した場合、新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkは、作成手段14が、新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkが抽出される毎に第1の等高線作成処理を行うのに用いられる。
好ましくは、抽出手段13が第1の抽出方式によって新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、かつ、作成手段14が第1の等高線作成処理を行う方式を第1の方式とし、抽出手段13が第1の抽出方式によって新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、かつ、作成手段14が第2の等高線作成処理を行う方式を第2の方式とし、抽出手段13が第2の抽出方式によって新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkを抽出し、かつ、作成手段14が第1の等高線作成処理を行う方式を第3の方式とした場合、抽出手段13によって抽出された新たなk個のモニター情報MNT1〜MNTkは、計算量を最少に設定する場合、作成手段14が、第1の方式を用いて受信電力の等高線を作成するのに用いられ、計算量を2番目に少なくなるように設定する場合、作成手段14が、第2の方式を用いて受信電力の等高線を作成するのに用いられ、計算量が最大の計算量になることが許容される場合、作成手段14が、第3の方式を用いて受信電力の等高線を作成するのに用いられる。
好ましくは、k個のモニター情報MNT1〜MNTkは、各受信電力が電波環境に応じて要求される信頼率を満たすように抽出手段13によって抽出されるのに用いられる。
好ましくは、受信電力の等高線の電力値を有する受信電力は、作成手段14が、端末装置2における電波の受信感度以下の領域において、既に作成した受信電力の等高線上の電力値よりも所望の電力値だけ低い受信電力になる電力低下距離を電波の伝搬モデルに基づいて求め、既に作成した受信電力の等高線から電力低下距離だけ離れ、かつ、既に作成した受信電力の等高線と相似形を有する等高線を電波の受信感度以下の領域における受信電力の等高線として作成するのに用いられる。
データ構造D_STR1は、電力推定装置1(またはプログラムProg_A,Prog_Bのいずれか)が上述した方法によって受信電力の等高線を作成するのに用いられる。そして、データ構造D_STR1は、端末装置ID、時間情報、端末装置2の位置情報、周波数帯域ID、サブキャリアNo.、波源IDおよび受信電力の全てを含む必要はなく、端末装置2の位置情報、周波数帯域IDおよび受信電力を少なくとも含み、端末装置2の位置情報、周波数帯域IDおよび受信電力が相互に対応付けられた構造を有していればよい。データ構造D_STR1が端末装置2の位置情報、周波数帯域IDおよび受信電力を少なくとも含んでいれば、電力推定装置1(またはプログラムProg_A,Prog_Bのいずれか)が、上述した方法によって受信電力の等高線を作成することができるからである。この場合、端末装置2の位置情報、周波数帯域IDおよび受信電力は、モニター情報を構成する。
図31は、この発明の実施の形態による別のデータ構造の概略図である。この発明の実施の形態によるデータ構造は、図31に示すデータ構造D_STR2であってもよい。
図31を参照して、データ構造D_STR2は、推定1次利用者ID、時間情報、周波数帯域ID、サブキャリアNo.、波源ID、等高線の中心位置、等高線の電力値および等高線の半径が相互に対応付けられた構造を有する。周波数帯域ID、サブキャリアNo.および波源IDについては、図30において説明したとおりである。
時間情報は、受信電力の等高線が作成された時刻を示す。そして、時間情報は、年/月/日/時間/分/秒(YYYY/MM/DD/HH/MM/SS)の形式によって表される。推定1次利用者IDは、推定された1次利用者の識別情報である。等高線の中心位置は、緯度と、経度と、高さとを含む。緯度および経度は、GPSによって検出され、高さは、高度計によって検出される。そして、高さは、等高線の中心位置の地面からの高さを示す。等高線の電力値は、作成された等高線上の電力値である。等高線の半径は、作成された等高線が円形状である場合の円の半径であり、受信電力の重心点(xG,yG)から等高線までの距離である。
時間情報は、作成手段14が受信電力の等高線を作成した時刻を特定するのに用いられる。周波数帯域IDは、作成手段14が、同じ周波数帯域の受信電力に基づいて受信電力の等高線を作成したことを示すのに用いられる。サブキャリアNo.は、作成手段14が受信電力の等高線を作成するときの元になった受信電力を有する電波が伝送されたサブキャリアを判定するのに用いられる。波源IDは、作成手段14が作成した受信電力の等高線の波源を特定するのに用いられる。
周波数帯域IDは、抽出手段13が、k(kは、2以上の整数)個の端末装置が共用する共用周波数を識別するのに用いられる。等高線の中心位置を示す位置情報は、k個の端末装置から受信したk個のモニター情報に含まれるk個の受信電力とk個の端末装置のk個の位置情報とに基づいて受信電力によって重み付けされたk個の端末装置の位置の平均を作成手段14が演算した結果である受信電力の重心点(xG,yG)からなる。等高線の半径は、k個の受信電力のうち、作成すべき受信電力の等高線における電力値以上の受信電力を有し、かつ、受信電力の重心点(xG,yG)から最も遠い位置に存在する端末装置と受信電力の重心点(xG,yG)との距離を作成手段14が演算した結果である最大距離からなる。等高線の電力値は、周波数帯域ID(共用周波数)を有する電波の電力値であり、作成手段14によって検出された電力値である。
好ましくは、共用周波数が既に割り当てられている1次利用者の波源の識別情報が、作成手段14によって、共用周波数、等高線の中心位置を示す位置情報、等高線の電力値および等高線の半径に更に対応付けられた構造を有する。
データ構造D_STR2は、推定1次利用者ID、時間情報、周波数帯域ID、サブキャリアNo.、波源ID、等高線の中心位置、等高線の電力値および等高線の半径の全てを含む必要はなく、周波数帯域ID、等高線の中心位置を示す位置情報、等高線の電力値および等高線の半径を少なくとも含み、周波数帯域ID、等高線の中心位置を示す位置情報、等高線の電力値および等高線が相互に対応付けられた構造を有していればよい。データ構造D_STR2が周波数帯域ID、等高線の中心位置を示す位置情報、等高線の電力値および等高線を少なくとも含んでいれば、作成手段14によって作成された受信電力の等高線を表すことができるからである。
データ構造D_STR2は、電力推定装置1(またはプログラムProg_A,Prog_Bのいずれか)が上述した方法によって作成した受信電力の等高線を表すのに用いられる。データ構造D_STR2は、コンピュータに入力され、CPUによって記憶手段に記憶される。そして、データ構造D_STR2は、CPUによって表示手段に表示され、または紙媒体等に印刷される。また、データ構造D_STR2は、画像ソフトを実行したCPUによって受信電力の等高線を示す画像を表示手段に表示するのに用いられてもよい。更に、データ構造D_STR2は、受信電力の等高線から所望の距離だけ離れた位置における電波の電力値をCPUが演算するのに用いられてもよい。
上記においては、電力推定装置1,1Aは、複数の端末装置2において検出された複数のモニター情報MNTに基づいて受信電力の等高線CTRを作成し、その作成した受信電力の等高線CTRに基づいて各場所における受信電力を推定すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、電力推定装置1,1Aは、上述した方法によって、複数のモニター情報MNTに基づいて受信電力の等高線CTRを作成するだけでもよい。異なる電力値Pを有する複数の受信電力の等高線CTRを作成すれば、その作成された複数の受信電力の等高線CTRに基づいて、最も大きい電力値Pを有する受信電力の等高線CTRよりも波源S側の領域REG1、および電力値Pが異なる2つの受信電力の等高線CTRの間の領域REG2における受信電力が分かるので、これらの領域REG1,REG2における受信電力を推定できるからである。
従って、この発明の実施の形態による電力推定装置は、電波の受信電力を推定する対象領域において無線通信に用いられる複数の周波数のうち、複数の端末装置が無線通信に共用する共用周波数を有する電波の受信電力の等高線を作成する電力推定装置であって、複数の端末装置から送信され、かつ、各々が端末装置の位置を示す位置情報と端末装置における電波の受信電力とを含む複数のモニター情報から、受信電力の最大値を含むk(kは、2以上の整数)個のモニター情報を抽出する抽出手段と、抽出手段によって抽出されたk個のモニター情報に基づいて受信電力によって重み付けされたk個の端末装置の位置の平均を受信電力の重心点として求めるとともに、k個の受信電力のうち、作成すべき受信電力の等高線における電力値以上の受信電力を有し、かつ、受信電力の重心点から最も遠い位置に存在する端末装置と受信電力の重心点との距離を最大距離として求め、受信電力の重心点を中心とし、かつ、最大距離を半径とする円形形状を有する第1の等高線、受信電力の重心点を中心とし、かつ、最大距離を長径とする楕円形状を有する第2の等高線、および受信電力の重心点を中心とし、かつ、最大距離を中心から1つの頂点までの距離とする多角形の形状を有する第3の等高線のいずれかを、作成すべき受信電力の等高線として作成する等高線作成処理を行う作成手段とを備えていればよい。
また、この発明の実施の形態による無線通信システムは、受信電力の等高線CTRを作成する電力推定装置を備えていればよい。
更に、この発明の実施の形態によるプログラムは、電波の受信電力を推定する対象領域において無線通信に用いられる複数の周波数のうち、複数の端末装置が無線通信に共用する共用周波数を有する電波の受信電力の等高線の作成をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、抽出手段が、複数の端末装置から送信され、かつ、各々が端末装置の位置を示す位置情報と端末装置における電波の受信電力とを含む複数のモニター情報から、受信電力の最大値を含むk(kは、2以上の整数)個のモニター情報を抽出する第1のステップと、作成手段が、第1のステップにおいて抽出されたk個のモニター情報に基づいて受信電力によって重み付けされたk個の端末装置の位置の平均を受信電力の重心点として求めるとともに、k個の受信電力のうち、作成すべき受信電力の等高線における電力値以上の受信電力を有し、かつ、受信電力の重心点から最も遠い位置に存在する端末装置と受信電力の重心点との距離を最大距離として求め、受信電力の重心点を中心とし、かつ、最大距離を半径とする円形形状を有する第1の等高線、受信電力の重心点を中心とし、かつ、最大距離を長径とする楕円形状を有する第2の等高線、および受信電力の重心点を中心とし、かつ、最大距離を中心から1つの頂点までの距離とする多角形の形状を有する第3の等高線のいずれかを、作成すべき受信電力の等高線として作成する等高線作成処理を行う第2のステップとをコンピュータに実行させればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。