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JP2018031339A - エンジンの燃料性状判定装置および燃焼制御装置 - Google Patents

エンジンの燃料性状判定装置および燃焼制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】失火やエンジン停止という事態を生じさせることなく、燃料性状を判定できるようにし、また燃料性状の相違に応じて適切にエンジンの燃焼制御を行えるようにする。
【解決手段】燃料噴射時期をリタードして、そのときのエンジンの燃焼変動に基づいて燃料性状(例えばセタン価)が判定される。燃料性状の判定初期時において、燃料噴射時期のリタード量を小さな第1設定量に設定して、そのときの燃焼変動が第1所定値以上であるときは、それ以後の燃料噴射時期のリタードを中止すると共に、燃料性状を第1燃料性状(セタン価が小さい)と判定される。燃料噴射時期が前記第1設定量に設定されたときの燃焼変動が前記第1所定量未満のときに、燃料噴射時期のリタード量を該第1設定量よりも大きな第2設定量に設定して、そのときの燃焼変動に基づいて燃料性状が判定される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、エンジンの燃料性状判定装置および燃焼制御装置に関するものである。
エンジンにあっては、燃料性状が、エンジンの燃焼性(例えば着火性)に大きな影響を及ぼす一方、燃料性状が地域等によって大きく相違することもある。このため、エンジンの燃焼制御量を同じ値に設定した場合に、燃料性状が変化した際に、燃焼性が大きく異なってしまうことになる。特許文献1には、燃料噴射時期をリタードして、そのときの燃焼状態(失火or着火)に基づいて、燃料性状としてのセタン価を検出するものが開示されている。
特開2009−36027号公報
燃料性状検出のために燃料噴射時期をリタードする場合、リタード量が大き過ぎると、失火やエンジンの停止という事態を生じてしまうことになる。具体的には、現在使用されている燃料性状としてのセタン価が相対的に小さい場合に、セタン価が相対的に大きい場合に対応させて大きくリタードすると、失火やエンジン停止等の問題を生じてしまうことになる。逆に、失火やエンジン停止の問題を避けるために、リタード量を小さくすると、セタン価が相対的に大きい範囲での判定が困難になる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その第1の目的は、失火やエンジン停止という事態を生じさせることなく、燃料性状を判定できるようにしたエンジンの燃料性状判定装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、燃料性状の相違に応じて適切にエンジンの燃焼制御を行えるようにしたエンジンの燃焼制御装置を提供することにある。
前記第1の目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
燃料噴射時期をリタードして、そのときのエンジンの燃焼変動に基づいて燃料性状を判定するものであって、
燃料性状の判定初期時において、燃料噴射時期のリタード量を第1設定量に設定して、そのときの燃焼変動が第1所定値以上であるときは、それ以後の燃料噴射時期のリタードを中止すると共に、燃料性状を第1燃料性状と判定する第1判定手段と、
燃料噴射時期が前記第1設定量に設定されたときの燃焼変動が前記第1所定量未満のときに、燃料噴射時期のリタード量を該第1設定量よりも大きな第2設定量に設定して、そのときの燃焼変動に基づいて燃料性状を判定する第2判定手段と、
を備えているようにしてある。
上記解決手法によれば、判定初期時における燃料噴射時期のリタード量が小さい第1設定量とされることにより、現在使用されている燃料性状がかない悪いときにおける失火やエンジン停止という事態を招くことなく、燃料性状を判定することができる。そして、リタード量を第1設定量としたときに燃料性状が、第1燃料性状(つまり悪い燃料性状)であることが判定されたときは、それ以後の燃料噴射時期のリタードが中止されるので、不必要に燃料噴射時期をリタードすることもない。一方、リタード量を第1設定量としたとの燃焼変動が小さい場合は、さらにリタード量を大きな第2設定量とすることにより、この場合も失火やエンジン停止という事態を招くことなく燃料性状を判定することができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項2〜請求項6に記載のとおりである。すなわち、
燃料噴射時期のリタード量が前記第2設定量に設定されているときは、前記第1設定量に設定されている場合に比して、燃料噴射時期のリタード回数が多くされるか、もしくは燃焼変動の検出期間が長くされる、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、失火やエンジン停止の可能性が無いあるいは低いことが確認された状態で、判定機会を増大させて、燃料性状の判定を精度よく行う上で好ましいものとなる。
前記燃料噴射時期のリタードが、各気筒について順次行われる、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、気筒別に燃料性状が及ぼす影響を考慮した判定を行うことができる。
前記燃料噴射時期のリタードが、間欠的に行われる、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、リタードに伴う失火やエンジンの停止をより確実に防止する上で好ましいものとなる。
燃焼変動が、エンジン回転数の変動とされている、ようにしてある(請求項5対応)。この場合、燃焼変動を精度よく反映すると共に検出が簡単なエンジン回転数をパラメータとして、燃料性状を精度よく判定することができる。
判定される燃料性状が、燃料のセタン価とされている、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、着火性に大きな影響を与えるセタン価を判定することができる。
前記第2の目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項7に記載のように、
所定の運転条件が成立したときに燃料噴射時期をリタードして、そのときのエンジンの燃焼変動に基づいて通常の運転状態のときにおけるエンジンの燃焼制御量を決定するものであって、
燃料噴射時期のリタード初期時において、燃料噴射時期のリタード量を第1設定量に設定して、そのときの燃焼変動が第1所定値以上であるときは、それ以後の燃料噴射時期のリタードを中止すると共に、通常の運転状態のときにおけるエンジンの燃焼制御量を第1制御量に設定する第1制御量設定手段と、
燃料噴射時期が前記第1設定量に設定されたときの燃焼変動が前記第1所定量未満のときに、燃料噴射時期のリタード量を該第1設定量よりも大きな第2設定量に設定して、そのときの燃焼変動に基づいて通常の運転状態のときにおけるエンジンの燃焼制御量を第2制御量に設定する第2制御量設定手段と、
を備えているようにしてある。
上記解決手法によれば、失火やエンジンの停止という事態を招くことなく、燃料性状に応じた適切な燃焼制御量とすることができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項8下に記載のとおりである。すなわち、
前記所定の運転条件が、エンジンのアイドル運転時とされている、ようにしてある(請求項8対応)。この場合、エンジンが安定した状態でもって燃料性状の判定を行うようにして、燃料性状を精度よく検出することができ、また判定の機会増大の上でも好ましいものとなる。
本発明によれば、失火やエンジン停止を伴うことなく、燃料性状の判定を行うことができ、また燃料性状に応じた適切な燃焼制御量に設定することができる。
本発明が適用されたエンジンの一例を示す図。 燃料のセタン価と燃料噴射時期のリタード量とエンジン回転数の低下量との関係を示す図。 燃料噴射時期をリタードする状況とエンジン回転数の低下との関係を示すタイムチャート。 本発明の制御例を示すフローチャート。
図1において、1はエンジン(エンジン本体)で、実施形態では直列4気筒の自動車用ディーゼルエンジンとされている。エンジン1は、既知のように、シリンダ2とシリンダヘッド3とピストン4とを有している。ピストン4の上方の形成される燃焼室5に対して、吸気ポート6および排気ポート7が開口されている。吸気ポート6は吸気弁8によって開閉され、排気ポート7は排気弁9によって開閉される。そして、シリンダヘッド3には、燃焼室5に臨ませて、燃料噴射弁10が取付けられている。なお、実施形態では、コモンレール式の燃料噴射とされて、燃料噴射弁10からは極めて高圧の燃料が噴射されるようになっている。
吸気ポート6に連なる吸気通路20には、その上流側から下流側に向けて順次、エアクリーナ21、第1排気ターボ式過給機22のコンプレッサホイール22a、第2排気ターボ式過給機23のコンプレッサホイール23a、インタークーラ24、スロットル弁25、サージタンク26が配設されている。そして、サージタンク26と各気筒(の吸気ポート6)とが個々独立して、分岐吸気通路27によって接続されている。
吸気通路20には、バイパス通路28が設けられている。このバイパス通路28は、その上流側端が、コンプレッサホイール22aと23aとの間の吸気通路20に開口されている。また、バイパス通路28の下流側端は、コンプレッサホイール23aとインタークーラ24との間の吸気通路20に開口されている。そして、バイパス通路28には、制御弁29が配設されている。
排気ポート7に連なる排気通路30には、その上流側から下流側に向けて順次、第2排気ターボ式過給機23のタービンホイール23b、第1排気ターボ式過給機22のタービンホイール22b、酸化触媒兼NOx触媒31、DPF32、尿素触媒33、アンモニア処理器34が接続されている。
排気通路30は、バイパス通路33とウエストゲート通路34とを有する。バイパス通路33は、その上流側端がタービンホイール23bの上流側において排気通路30に開口されている。このバイパス通路33の下流側端は、タービンホイール22bと23bとの間の排気通路30に開口されている。そして、バイパス通路33には、排気流通量制御用の制御弁35が配設されている。
ウエストゲート通路34は、その上流側端が、タービンホイール22bと23bとの間の排気通路30に開口されている。このウエストゲート通路34の下流側端は、タービンホイール22bと触媒31との間の排気通路30に開口されている。そして、ウエストゲート通路34には、排気流通量制御用のウエストゲートバルブ36が配設されている。
吸気通路20と排気通路30とは、EGR通路50を介して接続されている。このEGR通路50の上流側端は、タービンホイール23bの上流側の排気通路30に開口されている。また、EGR通路50の下流側端は、スロットル弁25とサージタンク26の間の吸気通路20に開口されている。
EGR通路50には、EGRクーラ51が接続されると共に、EGRクーラ51の下流側においてEGR弁52が配設されている。EGR通路50には、EGRクーラ51をバイパスするバイパス通路53が設けられている。このバイパス通路53は、その上流側端がEGRクーラ51の上流側においてEGR通路50に開口され、その下流側端がEGR弁52の下流側においてEGR通路50に開口されている。そして、バイパス通路54には、制御弁54が配設されている。
第1排気ターボ式過給機22は大型のものとされ、第2排気ターボ式過給機23は小型のものとされている。低回転、低負荷域では、主として小型の第2排気ターボ式過給機23による過給が行われ、このときに、制御弁29、35は閉じられる。また、高負荷域では主として大型の排気ターボ式過給機22による過給が行われ、このときは、制御弁29、35が開かれる。過給圧が所定の上限圧を超えたときは、ウエストゲートバルブ36が開かれる。
次に、図2を参照しつつ、燃料性状としてのセタン価と燃料噴射時期のリタード量とそのときのエンジン回転数の低下量との関係について説明する。なお、図2は、エンジン1のアイドル運転時を前提としている。
まず、燃料性状判定のために行われる燃料噴射時期のリタード量は、エンジン1の失火が生じない範囲(例えば低下量12rpm以下)で、かつエンジン回転数の低下量が明確に認識される範囲(例えば6rpm以上)に設定することが望まれる。
いま、燃料性状としてのセタン価を、例えば44CNをしきい値とする2段階で判定する場合を想定して説明する。現在使用されている燃料のセタン価が、44CN程度であれば、燃料噴射時期のリタード量を例えば5degとすることにより、エンジン回転数の低下量が上記所定範囲(例えば6rpm〜12rpm)となり、セタン価が44CN以下であるということが判定可能である。
一方、現在使用されている燃料のセタン価が41CN程度であると、燃料噴射時期を5degリタードさせると、エンジン回転数が数十rpmというように極端に大きく低下して、失火やエンジン停止になり、5degを低下させることは困難である。セタン価が41CN程度の場合は、燃料噴射時期のリタード量は、2.5deg前後というようにかなり小さい値にする必要がある。
なお、上記説明は、セタン価44CNをしきい値としてそれよりも大きいか否かを判定する場合について説明したが、例えば48CNをしきい値としてそれよりの大きいか否かを判定する場合も同様である。また、燃料噴射時期のリタード量に応じたエンジン回転数の低下量に応じて、セタン価を判定することも可能である。いずれにしても、セタン価が小さいときは、セタン価が大きい場合に比して、セタン価判定のために行われる燃料噴射時期のリタード量を小さくする必要がある。
次に、図3のタイムチャートを参照しつつ、本発明の制御内容について説明する。まず、燃料性状の判定は、アイドル時でかつ燃焼が十分に安定する状態で行うようにしてある(図3t1時点までが判定の準備期間)。
図3のt1時点からt2時点までは、燃料性状判定の初期時の制御となる。すなわち、初期時には、燃料噴射時期のリタード量を、現在使用されている燃料のセタン価がかなり小さい場合を想定して小さくしてある。初期時のリタード量は、第1設定量であり、図3の△○で示す値である(例えば2.5deg)。そして、初期時に行われた小さいリタード量において、エンジン回転数の低下量が第1所定値(例えば6rpm以上)以上であるか否かが判定される。エンジン回転数の低下量が第1所定値以上であるときは、セタン価が所定値よりも小さいと判定されて、その後の燃料噴射時期のリタードは行われないものとされる。セタン価が小さいと判定されることにより、通常の運転時における燃料噴射時期が、進角されたものに設定される。
判定初期時における燃料噴射時期の小さいリタードは、t1時点から、燃料噴射時期が連続する特定の2気筒(例えば1番気筒と3番気筒)について行われ、この後所定の休止期間(例えば燃料噴射回数で24回分)リタードが中止され、休止期間が終了したt2時点において、上記特定の気筒以外の2つの気筒(例えば4番気筒と2番気筒)についてリタードが行われる。上記リタードを休止するのは、連続してリタードすることにより失火等の問題を確実に回避するためである。また、気筒を分けてリタードするのは、気筒毎の燃焼性の相違をもみるためとなっている。
初期時の燃料噴射時期のリタードによって、エンジン回転数の低下量が小さい場合(例えば6rpm未満)は、後期判定を開始すべく、t3時点において、燃料噴射時期をより大きくリタードさせるようにしてある。この判定後期に行われる噴射時期のリタード量は、第2設定量であり、図3の△□で示す値である。後期判定におけるエンジン回転数の低下量に対するしきい値は、判定初期時における第1所定値と同じに設定することもできるが、第1所定値よりも大きく設定することもできる(例えば8rpm)。
判定後期における燃料噴射時期の大きいリタードは、燃料噴射時期が連続する特定の2気筒(例えば1番気筒と3番気筒)について行われ、この後所定期間(例えば燃料噴射回数で24回分)リタードが中止され、その後、上記特定の気筒以外の2つの気筒(例えば4番気筒と2番気筒)についてリタードが行われる。上記リタードを休止するのは、連続してリタードすることにより失火等の問題を確実に回避するためである。また、気筒を分けてリタードするのは、気筒毎の燃焼性の相違をもみるためとなっている。
後期判定における燃料噴射時期をリタード回数は、判定初期時よりも多くされている(実施形態では、判定初期時の2倍のリタード回数)。また、燃料噴射時期のリタード開始から終了までの判定期間が、判定初期時の判定期間よりも長くされている。このように、リタード回数の増大あるいは判定期間の長期化により、より精度よく燃料性状を判定することが可能になる。
後期判定により、エンジン回転数の低下量が第2所定値以上であるときは、セタン価が所定しきい値よりも小さいと判定される。このセタン価が小さいという判定に伴って、通常の運転時における燃料噴射時期が進角される。また、エンジン回転数の低下量が第2所定値未満のときは、セタン価が所定しきい値よりも大きいと判定される。また、セタン価が大きいという判定に伴って、通常運転時における燃料噴射時期が、セタン価が小さいと判定された場合に比して遅角される。
次に、図4のフローチャートを参照しつつ、本発明の制御例について説明する。なお、以下の説明でQはステップを示す。また、図4に示す制御内容は、図1に示すエンジン制御用のコントローラ(制御ユニット)Uでの制御内容となっている。なお、このコントローラUに対する各種センサや機器類に対する入出力関係は、フローチャートの説明時に説明する。
まず、Q1において、判定基本条件が成立したか否かが判別される。この判別は、燃焼に厳しい環境条件を排除するもので、例えば、各種センサからコントローラUに入力される冷却水温度、吸気温度、大気圧、大気温度が、所定範囲にあるか否かの判別となる。このQ1の判別でNOのときは、燃料性状の判定に不適切な環境であるとして、Q1に戻る。
上記Q1の判別でYESのときは、Q2において、アイドル時であるか否かが判別される(例えばコントローラUに入力されるエンジン回転数と車速とに基づいてアイドル時であるか否かが判別)。このQ2の判別でNOのときは、Q1に戻る。Q2の判別でYESのときは、Q3において、燃焼が安定している状態であるか否かが判別される。このQ3の判別は、実施形態では、アイドル時におけるエンジン回転数の変動量が所定範囲内(例えば4rpm以下)であるか否かの判別とされている。
前記Q3の判別でYESのときは、Q4において、気筒内の酸素濃度が通常時よりも低下された目標値(例えば15%)となるように、EGR弁52の開度がフィードバック制御される。このQ4での判別のため、コントローラUには吸気通路20に設けた吸気量センサ41からの信号が入力される。なお、上記目標値は、環境に応じて変更するようにしてある。
Q4の後、Q5において、エアコンの作動が停止される。すなわち、エアコンの作動状況の変動に伴って、エンジンに対する負荷変動が生じないようにされる。
Q5の後、Q6において、吸気管圧力が通常時よりも低下された目標値となるように、スロットル弁25の開度がフィードバック制御される。なお、コントローラUには、図示を略す吸気圧力センサからの信号が入力される。上記目標値は、環境によって変更される。この後、Q7において、吸気管圧力が所定範囲内にあるか否かが判別される。このQ7の判別でNOのときは、Q6に戻る。
上記Q7の判別でYESのときは、燃料噴射時期のリタードによる燃料性状の判定、および判定結果に伴う通常の運転時における燃料噴射時期(燃焼制御量)の設定が行われる。すなわち、まず、Q8において、判定初期時に対応して、燃料噴射時期のリタード量が、小さい値となる第1設定量に設定される。なお、第1設定量は、変速機のギア段(変速機の抵抗)および燃料噴射量に基づいて設定(補正)するようにしてある。
Q8の後、Q9において、エンジン回転数の低下量が第1所定値以上であるか否かが判別される。このQ9の判別でYESのときは、Q12において、燃料性状が悪い(セタン価が所定値未満)と判定されると共に、通常の運転時における燃料噴射時期が進角されたものに設定される。
前記Q9の判別でNOのときは、Q10以下の後期判定が実行される。すなわち、Q10において、燃料噴射時期のリタード量が大きい第2設定量に設定される。なお、第2設定量は、変速機のギア段(変速機の抵抗)および燃料噴射量に基づいて設定(補正)するようにしてある。この後、Q11において、エンジン回転数の低下量が第2所定値以上であるか否かが判別される。このQ11の判別でYESのときは、Q12に移行される。
上記Q11の判別でNOのときは、Q13において、燃料性状が良い(セタン価が所定のしきい値以上)であると判定されると共に、通常の運転時における燃料噴射時期が遅角されたものに設定される。
ここで、Q4およびQ6の処理は、燃焼状態(燃焼性)を低下させて、燃料噴射時期のリタードによってエンジン回転数が低下しやすくするための処理となっている。すなわち、筒内の酸素濃度が高かったり吸気管圧力が大きい燃焼状態が高いとき(燃焼性が良好なとき)は、燃料噴射時期のリタード量に対するエンジン回転数の低下量が小さくなってしまい、燃料性状の判定精度が悪化してしまうことになる。燃料噴射時期のリタードの前にあらかじめ燃焼状態を低下させることによって、燃料噴射時期のリタード量に対するエンジン回転数の低下量が増大されて(リタード量の増大に対するエンジン回転数の低下量の増大割合が大きくされて)、燃料性状の判定精度を高めることができる。ちなみに、図3に示す特性は、燃焼状態を低下させた状態でのものとなっている(酸素濃度が15.5%で、吸気管圧力が85kpa)
このように、燃料性状の判定の際には、あらかじめ燃焼状態を低下させることにより、判定する機会を増大させることができる(燃焼状態が低下している状態では判定可能なのは勿論のこと、燃焼状態が良いときでも燃焼状態を低下させることによって判定可能になる)。また、燃料噴射時期のリタードに伴って燃焼変動が大きく生じるようにして、判定精度を高めることができる。ちなみに、燃焼状態が低下している状態から燃焼状態を高めることは難しい一方、燃焼状態を高めると燃料噴射時期のリタードに伴う燃焼変動が小さくなって、判定精度向上の上では好ましくないものになる。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。エンジン1の気筒数は、例えば6気筒である等、気筒数は問わないものである。連続して燃料噴射時期のリタードが行われる気筒数は、1気筒のみあるいは3気筒以上であってもよい。燃料噴射時期の前回のリタードから次のリタードまでの間の休止期間は適宜設定でき、休止期間をなくしてもよい。燃料性状に応じて変更される燃焼制御量としては、燃料噴射時期に限らず、EGR量等、燃焼性に関係する適宜のパラメータを適宜選択できる。燃料噴射時期をリタードさせたときの燃焼変動としては、エンジン回転数の低下量に限らず、例えばエンジン回転数の角速度変動、燃焼圧力、燃焼温度、排気温度、排気圧力等、適宜のパラメータを選択することができる。ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンにおいても同様に適用でき、この場合燃料性状としては例えばオクタン価とすることができ、燃焼制御量としては例えば点火時期とすることができる。図4におけるQ11での判別でYESのときは、Q12に移行することなく、別途設けたステップ(処理)によって、燃料性状として中程度と判定すると共に燃焼制御量をこの判定結果に応じたものに決定することもできる(燃料性状の判定結果が、Q12の判定結果とQ13での判定結果との中間のものとなる)。フローチャートに示す各ステップあるいはステップ群は、コントローラUの有する機能を示すもので、この機能を示す名称に手段の文字を付して、コントローラUの有する構成要件として把握することができる。
本発明は、例えば自動車用ディーゼルエンジンに適用して好適である。
U:コントローラ
1:エンジン
2:シリンダ(気筒)
10:燃料噴射弁
20:吸気通路
22:第1排気ターボ式過給機
23:第2排気ターボ式過給機
30:排気通路
50:EGR通路
51:EGRクーラ
52:EGR弁

Claims (8)

  1. 燃料噴射時期をリタードして、そのときのエンジンの燃焼変動に基づいて燃料性状を判定するものであって、
    燃料性状の判定初期時において、燃料噴射時期のリタード量を第1設定量に設定して、そのときの燃焼変動が第1所定値以上であるときは、それ以後の燃料噴射時期のリタードを中止すると共に、燃料性状を第1燃料性状と判定する第1判定手段と、
    燃料噴射時期が前記第1設定量に設定されたときの燃焼変動が前記第1所定量未満のときに、燃料噴射時期のリタード量を該第1設定量よりも大きな第2設定量に設定して、そのときの燃焼変動に基づいて燃料性状を判定する第2判定手段と、
    を備えていることを特徴とするエンジンの燃料性状判定装置。
  2. 請求項1において、
    燃料噴射時期のリタード量が前記第2設定量に設定されているときは、前記第1設定量に設定されている場合に比して、燃料噴射時期のリタード回数が多くされるか、もしくは燃焼変動の検出期間が長くされる、ことを特徴とするエンジンの燃料性状判定装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記燃料噴射時期のリタードが、各気筒について順次行われる、ことを特徴とするエンジンの燃料性状判定装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記燃料噴射時期のリタードが、間欠的に行われる、ことを特徴とするエンジンの燃料性状判定装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    燃焼変動が、エンジン回転数の変動とされている、ことを特徴とするエンジンの燃料性状判定装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    判定される燃料性状が、燃料のセタン価とされている、ことを特徴とするエンジンの燃料性状判定装置。
  7. 所定の運転条件が成立したときに燃料噴射時期をリタードして、そのときのエンジンの燃焼変動に基づいて通常の運転状態のときにおけるエンジンの燃焼制御量を決定するものであって、
    燃料噴射時期のリタード初期時において、燃料噴射時期のリタード量を第1設定量に設定して、そのときの燃焼変動が第1所定値以上であるときは、それ以後の燃料噴射時期のリタードを中止すると共に、通常の運転状態のときにおけるエンジンの燃焼制御量を第1制御量に設定する第1制御量設定手段と、
    燃料噴射時期が前記第1設定量に設定されたときの燃焼変動が前記第1所定量未満のときに、燃料噴射時期のリタード量を該第1設定量よりも大きな第2設定量に設定して、そのときの燃焼変動に基づいて通常の運転状態のときにおけるエンジンの燃焼制御量を第2制御量に設定する第2制御量設定手段と、
    を備えていることを特徴とするエンジンの燃焼制御装置。
  8. 請求項7において、
    前記所定の運転条件が、エンジンのアイドル運転時とされている、ことを特徴とするエンジンの燃焼制御装置。
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