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JP2018030124A - 脱臭フィルタ - Google Patents

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JP2018030124A
JP2018030124A JP2016166142A JP2016166142A JP2018030124A JP 2018030124 A JP2018030124 A JP 2018030124A JP 2016166142 A JP2016166142 A JP 2016166142A JP 2016166142 A JP2016166142 A JP 2016166142A JP 2018030124 A JP2018030124 A JP 2018030124A
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JP2016166142A
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誠 式部
Makoto Shikibu
誠 式部
文和 戸田
Fumikazu Toda
文和 戸田
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SHIKO ACTEC KK
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Abstract

【課題】臭気成分と脱臭剤との接触機会を効率的に向上させて高い脱臭効率を有し、かつ圧力損失の増加を抑制し得る、調理中に発生する臭気を除去するために用いられる脱臭フィルタを提供する。【解決手段】調理中に発生する臭気を除去するために用いられる脱臭フィルタ1であって、前記脱臭フィルタ1は、隔壁12によって区画されかつ前記臭気の流通路となる複数のセル14を有するハニカム構造体であり、前記臭気の流通方向に対して略垂直方向のセル14の断面形状が、略三角形状である脱臭フィルタ1とする。【選択図】図1A

Description

本発明は、脱臭フィルタに関する。より詳しくは、厨房や食品加工工場等の排気空気中の臭気を除去する脱臭フィルタに関する。
魚介類又は肉類等の食材を電気調理器又は電磁調理器で加熱調理等する際、調理時に発生する排気には、煙及び油煙等が含まれる。この煙及び油煙が含まれた排気ガスは、臭気をもたらす。近年、住宅と商業地域が密接し、飲食店及び食品加工工場等から発生する臭気が生活環境に入り込む恐れがあり、その対策として脱臭フィルタを備えた空気清浄装置の設置が行われている。このような脱臭フィルタとしては、排気ガス中に含まれる臭気成分を吸着するための触媒が塗布された吸着材や活性炭等から構成される吸着材等が利用されている。
脱臭フィルタの構造としては、例えばハニカム状の構造体が挙げられる。ハニカム状の構造体は大きい表面積を有するため、臭気成分と効率良く接触するため、大風量を短時間で処理することが可能である。
このようなハニカム状の構造体からなる脱臭フィルタとして、種々の提案がなされている。例えば特許文献1には、断面形状が四辺形である複数個の貫通孔を有し、この貫通孔を形成する壁が貫通孔の1端部又は両端部で突出して、前記貫通孔の断面積が貫通孔の1端部又は両端部で、それ以外の部分より小さいハニカム状フィルタが提案されている。
また、特許文献2には、トンネル構造を有する粘土鉱物をセッコウ類に分散して成形した脱臭材が提案されている。そしてまた、特許文献3には、メソ細孔を有し粒径が100μm以上の粘土鉱物と、可燃性粉体からなる細孔形成材と、必要に応じて成形助剤とを含む混練物を焼結したものであり、細孔形成材により形成された1〜10μmのマクロ孔を有する脱臭材が提案されている。これらの技術によると、半永久的に脱臭効果を得ることができる。
特開平10−99648号公報 特開2002−95730号公報 特開2006−198612号公報
特許文献1の技術ではフィルタの1端部又は両端部に貫通孔内部に向かって突出する突出部を形成することで、通気時に乱流を発生させ、フィルタ壁面との接触機会を増加させることで、脱臭性能を向上させている。しかしながら、突出部を設けることにより貫通孔数が制限され、セル数を増加させることによる脱臭効果の向上には限界がある。また、該突出部の存在により圧力損失が増加してしまう場合がある。
そして、特許文献2及び3に記載の脱臭材は、近年要求される脱臭効果の高効率化に対応するためには多くの脱臭材が必要となるため、脱臭装置が大型化するとともに、施工時のコストが高くなるという問題点があった。
したがって本発明は、特に厨房や食品加工工場等での調理中に発生する排気ガスを有効に除去し得る脱臭フィルタであって、臭気成分と脱臭材との接触機会を効率的に向上させて高い脱臭効率を有し、かつ圧力損失の増加を抑制し得る脱臭フィルタを提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、脱臭フィルタを複数のセルを有するハニカム状の構造体からなるものとし、かつ排気ガスの流通方向に対してほぼ垂直方向の該セルの断面形状を特定の形状とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(17)に係るものである。
(1)調理中に発生する排気ガスを除去するために用いられる脱臭フィルタであって、隔壁によって区画されかつ前記排気ガスの流通路となる複数のセルを有するハニカム状の構造体を備え、前記排気ガスの流通方向に対して略垂直方向の前記セルの断面形状が、略三角形状であることを特徴とする脱臭フィルタ。
(2)前記セルの前記断面形状が、略正三角形状又は略直角二等辺三角形状であることを特徴とする前記(1)に記載の脱臭フィルタ。
(3)前記セルの前記断面形状が略正三角形状であり、前記排気ガスに対する接触面積が12.1cm/cm以上、16.5cm/cm以下であることを特徴とする前記(2)に記載の脱臭フィルタ。
(4)前記接触面積が12.4cm/cm以上、13.5cm/cm以下であることを特徴とする前記(3)に記載の脱臭フィルタ。
(5)前記接触面積が12.9cm/cm以上、13.1cm/cm以下であることを特徴とする前記(3)に記載の脱臭フィルタ。
(6)前記セルの前記断面形状が略直角二等辺三角形状であり、前記排気ガスに対する接触面積が12.1cm/cm以上、17.7cm/cm以下であることを特徴とする前記(2)に記載の脱臭フィルタ。
(7)前記接触面積が12.4cm/cm以上、14.0cm/cm以下であることを特徴とする前記(6)に記載の脱臭フィルタ。
(8)前記接触面積が12.6cm/cm以上、13.7cm/cm以下であることを特徴とする前記(6)に記載の脱臭フィルタ。
(9)前記構造体は吸着剤を含有し、前記吸着剤が疎水性ゼオライトを含むことを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の脱臭フィルタ。
(10)前記疎水性ゼオライトの含有量が20〜70質量%であることを特徴とする前記(9)に記載の脱臭フィルタ。
(11)前記疎水性ゼオライトの含有量が20〜50質量%であることを特徴とする前記(10)に記載の脱臭フィルタ。
(12)前記疎水性ゼオライトの含有量が20〜30質量%であることを特徴とする前記(10)に記載の脱臭フィルタ。
(13)前記構造体は吸着剤を含有し、前記吸着剤が、疎水性ゼオライトと、天然ゼオライト、親水性ゼオライト、モレキュラーシーブ、珪藻土、人工ゼオライト及びシリカゲルからなる群より選択される少なくとも1つを組み合わせて含有することを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の脱臭フィルタ。
(14)前記吸着剤が、疎水性ゼオライトを10〜50質量%、天然ゼオライト、親水性ゼオライト、モレキュラーシーブ、珪藻土、人工ゼオライト及びシリカゲルからなる群より選択される少なくとも1つを8〜20質量%含有することを特徴とする前記(13)に記載の脱臭フィルタ。
(15)前記吸着剤が、疎水性ゼオライトを10〜22質量%、天然ゼオライト、親水性ゼオライト、モレキュラーシーブ、珪藻土、人工ゼオライト及びシリカゲルからなる群より選択される少なくとも1つを8〜19質量%含有することを特徴とする前記(14)に記載の脱臭フィルタ。
(16)前記吸着剤が、疎水性ゼオライトを10〜18質量%、天然ゼオライト、親水性ゼオライト、モレキュラーシーブ、珪藻土、人工ゼオライト及びシリカゲルからなる群より選択される少なくとも1つを8〜15質量%含有することを特徴とする前記(14)に記載の脱臭フィルタ。
(17)前記排気ガスがアルデヒド系ガスであることを特徴とする前記(1)〜(16)のいずれか1つに記載の脱臭フィルタ。
本発明によれば、高い脱臭効率で臭気成分を除去することができ、かつ圧力損失の上昇を抑制できる。また、本発明の脱臭フィルタは、特に厨房や食品加工工場等での調理中に発生する排気ガスの除去に有効に用いることができる。
図1Aは、本発明の脱臭フィルタの一実施形態を説明するための部分斜視図である。 図1Bは、図1AのI部を正面から見た拡大図である。 図2は、本発明の脱臭フィルタの別の実施形態の正面拡大図である。 図3は、比較例で製造した脱臭フィルタの正面拡大図である。 図4は、試験例1、2で使用した脱臭性能評価装置を説明するための図である。 図5は、試験例1で得られた結果を示すグラフである。 図6は、試験例2で得られた結果を示すグラフである。 図7は、試験例3で使用した装置を説明するための図である。 図8は、試験例3で得られた結果を示すグラフである。 図9は、試験例4で得られた結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら更に詳しく説明する。
図1Aは、本発明の脱臭フィルタの一実施形態を説明するための部分斜視図であり、図1Bは、図1AのI部を正面から見た拡大図である。
図1A及び図1Bに示したように、本発明の脱臭フィルタ1は、隔壁12によって区画されかつ排気ガスの流通路となる複数のセル14を有するハニカム状の構造体を備える。
本発明では、脱臭フィルタ1の排気ガスの流通方向に対して略垂直方向のセル14の断面形状(以下、単に「セルの断面形状」と言うことがある。)は、略三角形状である。脱臭フィルタ1のセル14の断面形状が略三角形状であることで、排気ガスと脱臭フィルタ1との接触機会を向上させることができ、脱臭効率を効率的に高めることができる。また、セル14の数が多くなった場合であっても圧力損失の上昇を抑制することができる。
セル14の断面形状としては、三つの略直線により形成された略三角形状であればよいが、ハニカム状の構造体の成形のしやすさ、圧力損失の低減、脱臭フィルタの強度等の観点から、図1Bに示したような略正三角形状や、図2に示すような略直角二等辺三角形状であることが好ましく、特に圧力損失上昇の抑制という観点から、略正三角形状であることがより好ましい。
本発明の脱臭フィルタ1において、排気ガスの流通方向に対して略垂直方向の断面における1平方インチあたりのセル14の個数(以下、「セル数」と言う。)は、59個/inch以上、120個/inch以下であることが好ましく、64個/inch以上、92個/inch以下がより好ましく、69個/inch以上、92個/inch以下が更に好ましい。セル数が59個/inch以上であることにより、流通する排気ガス中の臭気成分が脱臭フィルタに吸着されずに通過することを抑制することができ、セル数が120個/inch以下であることにより、過度な圧力損失の上昇を抑制し、高い脱臭性能と両立することができる。また、前記セル数の好ましい個数によれば、製造コストを低く抑えながら、高い脱臭効率を得ることが可能となる。
より具体的に、セルの断面形状が略正三角形状である場合、セル数は66個/inch以上、120個/inch以下であることが好ましく、69個/inch以上、92個/inch以下がより好ましく、73個/inch以上、92個/inch以下が更に好ましい。セルの断面形状が略直角二等辺三角形状である場合は、セル数は59個/inch以上、120個/inch以下であることが好ましく、64個/inch以上、90個/inch以下がより好ましく、69個/inch以上、90個/inch以下が更に好ましい。
本発明の脱臭フィルタ1の隔壁12の厚さtは、0.31mm以上、0.64mm以下であることが好ましく、0.42mm以上、0.55mm以下がより好ましく、0.42mm以上、0.47mm以下が更に好ましい。脱臭フィルタ1の隔壁12の厚さtが0.31mm以上であると、脱臭フィルタの強度を確保することができるとともに、脱臭フィルタと臭気成分が十分に接触することができ、0.47mm以下であると圧力損失の上昇を抑制することができる。
より具体的には、セルの断面形状が略正三角形状である場合、隔壁12の厚さtは0.33mm以上、0.64mm以下であることが好ましく、0.42mm以上、0.55mm以下がより好ましく、0.45mm以上、0.47mm以下が更に好ましい。セルの断面形状が略直角二等辺三角形状である場合は、隔壁12の厚さtは0.31mm以上、0.64mm以下であることが好ましく、0.46mm以上、0.55mm以下がより好ましく、0.46mm以上、0.49mm以下が更に好ましい。
また、セル14の断面形状が略正三角形状である場合、この略正三角形の一辺の長さは、3.5mm以上、4.8mm以下であることが好ましく、4.0mm以上、4.7mm以下がより好ましく、4.0mm以上、4.6mm以下が更に好ましい。セルの断面形状が略直角二等辺三角形状である場合は、この略直角二等辺三角形の斜辺、すなわち長辺の長さは、4.6mm以上、6.7mm以下であることが好ましく、5.3mm以上、6.4mm以下がより好ましく、5.3mm以上、6.2mm以下が更に好ましい。
上記の長さの範囲を満たすことにより、過度な圧力損失の上昇を抑制し、高い脱臭性能と両立するという効果を奏することができる。
本発明において、下記式によって求められる排気ガスに対する接触面積、すなわち幾何学的表面積が、12.1cm/cm以上、17.7cm/cm以下であることが好ましく、12.4cm/cm以上、14.0cm/cm以下がより好ましく、12.6cm/cm以上、13.7cm/cm以下が更に好ましい。上記の接触面積の範囲を満たすことにより、過度な圧力損失の上昇を抑制し、高い脱臭性能と両立するという効果を奏することが出来る。
Figure 2018030124
上記式中、Pはピッチ、tは隔壁の厚さを示す。
より具体的には、セルの断面形状が略正三角形状である場合、脱臭フィルタの排気ガスとの接触面積は12.1cm/cm以上、16.5cm/cm以下であることが好ましく、12.4cm/cm以上、13.5cm/cm以下がより好ましく、12.9cm/cm以上、13.1cm/cm以下が更に好ましい。またセルの断面形状が略直角二等辺三角形状である場合、脱臭フィルタの排気ガスとの接触面積は12.1cm/cm以上、17.7cm/cm以下であることが好ましく、12.4cm/cm以上、14.0cm/cm以下がより好ましく、12.6cm/cm以上、13.7cm/cm以下が更に好ましい。
本発明の脱臭フィルタ1を構成するハニカム状の構造体は、少なくとも結着材(バインダ)と吸着剤とを有する坏土を成形、焼成して得られるものであり、坏土を焼成する前は結着材、吸着剤を含有し、焼成した後は結着材が除された構成となる。
結着材としては、例えば、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、アクリル樹脂等が挙げられ、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも押出成形性とコストの観点から、メチルセルロースを用いることが好ましい。
結着材の含有量は、坏土中、7質量%以上、17質量%以下であることが好ましく、7質量%以上、10質量%以下がより好ましく、7質量%以上、9質量%以下が更に好ましい。結着材の含有量が7質量%以上であれば、良好な押出成形性を得られるため好ましく、17質量%以下であれば脱臭フィルタ用途としての強度を十分確保できるため好ましい。
吸着剤としては、例えば、天然ゼオライト、疎水性ゼオライト、親水性ゼオライト、モレキュラーシーブ、珪藻土、シリカ、アルミナ、石灰、石膏、苦土石灰、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、パーライト、ポルトランドセメント、アルミナセメント、セピオライト、パリゴルスカイト、珪酸アルミニウム、活性白土、活性アルミナ、ベントナイト、タルク、カオリン、マイカ、石炭灰等を処理して得られた人工ゼオライト及びシリカゲル等が挙げられる。これらの吸着剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、疎水性ゼオライトは、水を吸着しにくいという特性を有することから、特に調理中に発生する排気ガスの吸着力に優れるため、吸着剤は、(1)疎水性ゼオライトを用いることが好ましく、脱臭フィルタ用途としての実用的な強度や脱臭性能、及びコストの観点から、(1)疎水性ゼオライトと(2)天然ゼオライト、親水性ゼオライト、モレキュラーシーブ、珪藻土、人工ゼオライト及びシリカゲルからなる群より選択される少なくとも1つ(以下、(2)特定吸着剤ともいう。)とを組み合わせて用いることが更に好ましい。
(1)疎水性ゼオライトは、(2)特定吸着剤と併用しない場合、その含有量が、坏土を焼成し得られた構造体中、20質量%以上、70質量%以下となるように含有させることが好ましく、20質量%以上、50質量%以下がより好ましく、20質量%以上、30質量%以下が更に好ましい。疎水性ゼオライトの含有量が20質量%以上であると調理臭気に対し、十分な脱臭性能を有するため好ましく、70質量%以下であると良好な押出成形性と実用的な強度が得られることとなるため好ましい。
また、吸着剤が(1)疎水性ゼオライトと(2)特定吸着剤を含有する場合、(1)疎水性ゼオライトは、坏土を焼成し得られた構造体中、10質量%以上、50質量%以下となるように含有させることが好ましく、10質量%以上、22質量%以下がより好ましく、10質量%以上18質量%以下が更に好ましい。そして、(2)特定吸着剤は、坏土を焼成し得られた構造体中、8質量%以上、20質量%以下となるように含有させることが好ましく、8質量%以上、19質量%以下がより好ましく、8質量%以上、15質量%以下が更に好ましい。
具体的に、脱臭フィルタを構成する構造体中、(1)疎水性ゼオライトを10〜50質量%、(2)特定吸着剤を8〜20質量%の組合せで含有することが好ましく、前者を10〜22質量%、後者を8〜19質量%の組合せで用いることがより好ましく、前者を10〜18質量%、後者を8〜15質量%の組合せで用いることが更に好ましい。
本発明の脱臭フィルタを構成する構造体には、本発明の効果を妨げない限り、上記以外の成分を含有することができる。その他の成分としては、例えば、触媒、無機粘土鉱物等が挙げられる。
触媒としては、一般的に遷移金属酸化物が用いられる。遷移金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、二酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化銅(I)、酸化銅(II)、酸化モリブデン等が挙げられ、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも厨房や食品加工工場等の排気空気中に含まれる臭気成分との相性、コストの観点から、二酸化マンガンを用いることが好ましい。
無機粘土鉱物としては、例えば、モンモリロナイト、カオリナイト、セピオライト、パリゴルスカイト等が挙げられる。
その他の充填材としては、例えば、ガラス繊維等が挙げられる。
本発明の脱臭フィルタの製造方法は、公知の手法に従えばよく、特に制限されないが、例えば、結着材、水、吸着剤及びその他の成分等を混合して得た坏土を所定の型に押出し、乾燥、焼成を順次行う方法が挙げられる。
本発明の脱臭フィルタが脱臭する対象の臭気としては、調理中に発生する臭気である。調理中に発生する排気ガスには、アルデヒド類、脂肪酸、炭化水素、アルコール類、ケトン類又はエステル類といった臭気分子や、油煙物質といった臭気成分が含まれ、本発明の脱臭フィルタはこれらを高い脱臭効率でもって脱臭することが可能である。本発明の脱臭フィルタは、特にアルデヒド系ガスの吸着力に優れ、効率的な除去効果を得ることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1、実施例8〜実施例12)
水2000部に対し、メチルセルロース(粘度:3500〜5600cps)430部、疎水性ゼオライト(ZSM−5型)430部、天然ゼオライト600部、セピオライト356部、パリゴルスカイト356部、二酸化珪素178部、酸化アルミニウム1256部、珪酸塩鉱物178部、二酸化マンガン544部、ガラス繊維210部を撹拌下で添加し、均一になるまで混合し、坏土を得た。
得られた坏土を所定の型に押出し、図1Bに示すような断面視が正三角形状のハニカム状の構造体を得て、これを乾燥し、400℃で48時間焼成し、脱臭フィルタを製造した。得られた脱臭フィルタのサイズは、縦100cm、横100cm、長さ200cmであった。
(実施例2)
水2000部に対し、メチルセルロース(粘度:3500〜5600cps)446部、疎水性ゼオライト(ZSM−5型)835部、セピオライト410部、パリゴルスカイト410部、二酸化珪素200部、酸化アルミニウム1350部、珪酸塩鉱物200部、二酸化マンガン564部、ガラス繊維218部を撹拌下で添加し、均一になるまで混合し、坏土を得た。
得られた坏土を用いて、実施例1と同様に脱臭フィルタを作製した。
(実施例3)
水2000部に対し、メチルセルロース(粘度:3500〜5600cps)389部、疎水性ゼオライト(ZSM−5型)1280部、セピオライト350部、パリゴルスカイト350部、二酸化珪素188部、酸化アルミニウム1230部、珪酸塩鉱物161部、二酸化マンガン492部、ガラス繊維190部を撹拌下で添加し、均一になるまで混合し、坏土を得た。
得られた坏土を用いて、実施例1と同様に脱臭フィルタを作製した。
(実施例4)
水2000部に対し、メチルセルロース(粘度:3500〜5600cps)640部、疎水性ゼオライト(ZSM−5型)2005部、セピオライト110部、パリゴルスカイト110部、二酸化珪素186部、酸化アルミニウム1135部、珪酸塩鉱物134部、ガラス繊維312部を撹拌下で添加し、均一になるまで混合し、坏土を得た。
得られた坏土を用いて、実施例1と同様に脱臭フィルタを作製した。
(実施例5)
水2000部に対し、メチルセルロース(粘度:3500〜5600cps)384部、疎水性ゼオライト(ZSM−5型)2990部、セピオライト110部、パリゴルスカイト110部、二酸化珪素150部、酸化アルミニウム640部、珪酸塩鉱物80部、ガラス繊維187部を撹拌下で添加し、均一になるまで混合し、坏土を得た。
得られた坏土を用いて、実施例1と同様に脱臭フィルタを作製した。
(実施例6)
水2000部に対し、メチルセルロース(粘度:3500〜5600cps)349部、疎水性ゼオライト(ZSM−5型)2088部、天然ゼオライト804部、セピオライト89部、パリゴルスカイト89部、二酸化珪素102部、酸化アルミニウム772部、珪酸塩鉱物73部、ガラス繊維171部を撹拌下で添加し、均一になるまで混合し、坏土を得た。
得られた坏土を用いて、実施例1と同様に脱臭フィルタを作製した。
(実施例7)
水2000部に対し、メチルセルロース(粘度:3500〜5600cps)475部、疎水性ゼオライト(ZSM−5型)883部、天然ゼオライト773部、セピオライト199部、パリゴルスカイト199部、二酸化珪素196部、酸化アルミニウム1386部、珪酸塩鉱物196部、ガラス繊維232部を撹拌下で添加し、均一になるまで混合し、坏土を得た。
得られた坏土を用いて、実施例1と同様に脱臭フィルタを作製した。
(実施例13〜実施例18)
水2000部に対し、メチルセルロース(粘度:3500〜5600cps)430部、疎水性ゼオライト(ZSM−5型)720部、モレキュラーシーブ360部、セピオライト360部、パリゴルスカイト360部、二酸化珪素180部、酸化アルミニウム1260部、珪酸塩鉱物180部、二酸化マンガン540部、ガラス繊維210部を撹拌下で添加し、均一になるまで混合し、坏土を得た。
得られた坏土を所定の型に押出し、図2に示すような直角二等辺三角形状のハニカム状の構造体を得て、これを乾燥し、400℃で48時間焼成し、脱臭フィルタを製造した。得られた脱臭フィルタのサイズは、縦100cm、横100cm、長さ200cmであった。
(比較例1〜3)
実施例13と同様の処方の坏土を用いて、これを所定の型に押出し、図3に示すような正方形状のハニカム状の構造体を得て、これを乾燥し、400℃で48時間焼成し、脱臭フィルタを製造した。得られた脱臭フィルタのサイズは、縦100cm、横100cm、長さ200cmであった。
得られた脱臭フィルタについて、セル数、隔壁厚さ、ピッチ、開口面積、開口率、接触面積をそれぞれ測定、算出した。
<セル数>
セル数として、断面形状における1平方インチあたりのセルの個数を測定した。
<隔壁厚さ(mm)>
隔壁厚さとして、断面形状における隔壁の厚さを測定した。
<ピッチ(mm)>
ピッチとして、正三角形状及び正方形状のセルについては開口部の一辺の長さを測定し、直角二等辺三角形状のセルについてはセルの斜辺の長さを測定した。
<開口面積(mm)>
開口面積として、セルの開口部の合計面積を測定した。
<開口率(%)>
開口率として、断面形状における脱臭フィルタの断面積に対するセルの開口部の合計面積の割合を求めた。
<接触面積(cm/cm)>
接触面積(幾何学的表面積)は下記式により求めた。
Figure 2018030124
上記式中、Pはピッチ、tは隔壁の厚さを示す。
結果を表1に示す。
Figure 2018030124
表1の結果から、特に実施例1〜7及び9、13と比較例2の脱臭フィルタを比較すると、セル数がほぼ同等であるのに、実施例1〜7及び9、13の脱臭フィルタは比較例2に対して接触面積が大幅に増加していることが分かる。このことは、排気ガス中の臭気成分との接触機会が効率的に向上し、高い脱臭効率を有することを意味している。
<試験例1:脱臭性能の評価1>
実施例1〜18及び比較例1〜3で製造した脱臭フィルタについて、脱臭性能の評価を行った。
図4は、該評価のために使用した脱臭性能評価装置を説明するための図である。この評価装置においては、標準ガスボンベ41から供給された臭気成分は、マスフローコントローラ(MFC)42によって、所定流量に調整され、配管P1に導入される。一方、空気もマスフローコントローラ(MFC)43によって、所定流量に調整され、バブリング槽44を経て配管P1に導入される。その後両者は配管P1内で相互に混合され、測定すべきSV(空間速度:Space Velocity)となる。温湿度計45によって所定の温湿度を確認した後、その混合ガスの一部は、三方コック46からFID検出器を備えたガスクロマトグラフ(GC−FID)47に分取・導入され、脱臭フィルタ48の入口臭気成分の濃度が測定される。一方、該混合ガスの別の一部は、脱臭フィルタ48を通過した後、三方コック49から前記GC−FID47に分取・導入され、出口臭気成分の濃度が測定される。
標準ガスボンベ41から供給される臭気成分としてプロピオンアルデヒドを用い、ガス濃度20ppm、SV18000h−1、ガス温湿度25℃及び60%RH、脱臭フィルタ通気開始より60分間の条件で脱臭性能を評価した。通気開始より、5、15、30、45、60分後に脱臭フィルタ通過後のガスをシリンジにて分取し、ガスクロマトグラフィ法(GC/FID)を用いて臭気成分の濃度を測定した。脱臭性能は下記式により求められる除去率として表した。
除去率(%)={1−(脱臭フィルタ通過後のガスに含まれる臭気成分の濃度/濃度調整された脱臭フィルタ通過前の臭気成分の濃度)}×100(%)
結果を表2及び図5に示す。
Figure 2018030124
表2及び図5の結果から、実施例の脱臭フィルタは、比較例に比べて脱臭性能が高いことが示された。特に実施例の脱臭フィルタは、セル数が101個/inchの比較例3の脱臭フィルタと同等あるいはそれ以上の脱臭性能を示した。また、(2)特定吸着剤を用いない実施例2〜5の場合、疎水性ゼオライトを20質量%以上含有することにより、高い除去率を得られることがわかった。また、(1)疎水性ゼオライトと(2)特定吸着剤を組み合わせた実施例1や実施例6〜7では、(1)疎水性ゼオライトを(2)特定吸着剤で補うことで、高い悪臭ガス除去率を示す結果となった。セル数が異なる実施例1と実施例8〜11、実施例13と実施例14〜17では、得られた接触面積の範囲において除去率に大きな差は見られず、いずれも比較例と同等かそれ以上の除去率を示した。実施例12と実施例18は、接触面積が高く、悪臭ガス除去率も他の実施例より高いが、圧力損失がやや高く、用途が限定される場合がある。接触面積と疎水性ゼオライト含有率と悪臭ガス除去率向上の相対的な効果を鑑み、コストや脱臭フィルタとしての強度の観点から、実施例1や実施例7〜10、実施例13〜16が現実的な組合せと言える。
<試験例2:脱臭性能の評価2>
試験例1において、プロピオンアルデヒドの替わりに、臭気成分として10ppmのヘキサナールを用いて試験例1と同様に脱臭性能の評価を行った。
結果を表3及び図6に示す。
Figure 2018030124
表3及び図6の結果から、実施例の脱臭フィルタは、臭気成分がヘキサナールの場合であっても、比較例に比べて脱臭性能が高いことが示された。特に実施例の脱臭フィルタは、セル数が101個/inchの比較例3の脱臭フィルタと同等の脱臭性能を示した。プロピオンアルデヒドの場合と同様に、(2)特定吸着剤を用いない実施例2〜5において、疎水性ゼオライトを20質量%以上含有することにより、高い除去率を得られることがわかった。また、(1)疎水性ゼオライトと(2)特定吸着剤を組み合わせた実施例1や実施例6〜7では、疎水性ゼオライトを(2)特定吸着剤で補うことで、高い悪臭ガス除去率を示す結果となった。セル数が異なる実施例1と実施例8〜12、実施例13と実施例14〜18では、得られた接触面積の範囲において除去率に大きな差は見られず、いずれも比較例と同等かそれ以上の除去率を示した。接触面積と疎水性ゼオライト含有率と悪臭ガス除去率向上の相対的な効果を鑑み、コストや脱臭フィルタとしての強度の観点から、実施例1や実施例7〜10、実施例13〜16が現実的な組合せと言える。
<試験例3:脱臭性能の評価3>
図7に示す装置を用いて実施例1、比較例1及び2の脱臭フィルタの脱臭効率の評価を行った。図7に示す装置は、実際の調理現場51において所定量の牛肉を加熱調理し、図示しない排気ファンによって該調理で発生した排気ガスを配管P2に導き、脱臭フィルタ52を通過させ、脱臭フィルタ52の排気ガスの導入側入口53と排出側出口54の臭気濃度を評価するというものである。
該評価は、三点比較式におい袋法で行った。具体的には、6人の臭い判定者の全員が、臭いを感じなくなった際の希釈倍数から個人閾値を求め、そのうち上下2人をカットした残りの4人の個人閾値の平均より臭気濃度を求めた。脱臭効率は、以下の式により求められる。
脱臭効率(%)=(入口臭気濃度−出口臭気濃度)/入口臭気濃度×100
その結果を図8に示す。
図8より、実施例1は比較例1、2に比べて同じSV時における脱臭効率が優れているということがわかり、特に比較例1に比べ、おおよそ2倍の脱臭性能を示すことがわかった。
<試験例4:圧力損失の評価>
実施例1、13及び比較例1〜3で製造された脱臭フィルタについて、圧力損失の評価を行った。
圧力損失の評価は、具体的には、図4に示す装置を用いて、面速2〜5m/sに合わせ、各脱臭フィルタの入口側と出口側の圧力損失差を測定することにより行った。
その結果を図9に示す。
図9より、実施例1と実施例13共に、比較例2、3と同程度の圧力損失であり、中でも、断面形状が正三角形状の実施例1の脱臭フィルタの方が圧力損失は抑制されていることが分かった。
1 脱臭フィルタ
12 隔壁
14 セル
41 標準ガスボンベ
42、43 マスフローコントローラ(MFC)
44 バブリング槽
45 温湿度計
46、49 三方コック
47 GC−FID
48 脱臭フィルタ
51 調理現場
52 脱臭フィルタ
53 導入側入口
54 導出側出口
P1、P2 配管

Claims (17)

  1. 調理中に発生する排気ガスを除去するために用いられる脱臭フィルタであって、
    隔壁によって区画されかつ前記排気ガスの流通路となる複数のセルを有するハニカム状の構造体を備え、
    前記排気ガスの流通方向に対して略垂直方向の前記セルの断面形状が、略三角形状であることを特徴とする脱臭フィルタ。
  2. 前記セルの前記断面形状が、略正三角形状又は略直角二等辺三角形状であることを特徴とする請求項1に記載の脱臭フィルタ。
  3. 前記セルの前記断面形状が略正三角形状であり、前記排気ガスに対する接触面積が12.1cm/cm以上、16.5cm/cm以下であることを特徴とする請求項2に記載の脱臭フィルタ。
  4. 前記接触面積が12.4cm/cm以上、13.5cm/cm以下であることを特徴とする請求項3に記載の脱臭フィルタ。
  5. 前記接触面積が12.9cm/cm以上、13.1cm/cm以下であることを特徴とする請求項3に記載の脱臭フィルタ。
  6. 前記セルの前記断面形状が略直角二等辺三角形状であり、前記排気ガスに対する接触面積が12.1cm/cm以上、17.7cm/cm以下であることを特徴とする請求項2に記載の脱臭フィルタ。
  7. 前記接触面積が12.4cm/cm以上、14.0cm/cm以下であることを特徴とする請求項6に記載の脱臭フィルタ。
  8. 前記接触面積が12.6cm/cm以上、13.7cm/cm以下であることを特徴とする請求項6に記載の脱臭フィルタ。
  9. 前記構造体は吸着剤を含有し、前記吸着剤が疎水性ゼオライトを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の脱臭フィルタ。
  10. 前記疎水性ゼオライトの含有量が20〜70質量%であることを特徴とする請求項9に記載の脱臭フィルタ。
  11. 前記疎水性ゼオライトの含有量が20〜50質量%であることを特徴とする請求項10に記載の脱臭フィルタ。
  12. 前記疎水性ゼオライトの含有量が20〜30質量%であることを特徴とする請求項10に記載の脱臭フィルタ。
  13. 前記構造体は吸着剤を含有し、前記吸着剤が、疎水性ゼオライトと、天然ゼオライト、親水性ゼオライト、モレキュラーシーブ、珪藻土、人工ゼオライト及びシリカゲルからなる群より選択される少なくとも1つを組み合わせて含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の脱臭フィルタ。
  14. 前記疎水性ゼオライトを10〜50質量%含有し、且つ天然ゼオライト、親水性ゼオライト、モレキュラーシーブ、珪藻土、人工ゼオライト及びシリカゲルからなる群より選択される少なくとも1つを8〜20質量%含有することを特徴とする請求項13に記載の脱臭フィルタ。
  15. 前記疎水性ゼオライトを10〜22質量%含有し、且つ天然ゼオライト、親水性ゼオライト、モレキュラーシーブ、珪藻土、人工ゼオライト及びシリカゲルからなる群より選択される少なくとも1つを8〜19質量%含有することを特徴とする請求項14に記載の脱臭フィルタ。
  16. 前記疎水性ゼオライトを10〜18質量%含有し、且つ天然ゼオライト、親水性ゼオライト、モレキュラーシーブ、珪藻土、人工ゼオライト及びシリカゲルからなる群より選択される少なくとも1つを8〜15質量%含有することを特徴とする請求項14に記載の脱臭フィルタ。
  17. 前記排気ガスがアルデヒド系ガスであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の脱臭フィルタ。
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