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JP2018024750A - 樹脂組成物、及びこれから得られる成形体 - Google Patents

樹脂組成物、及びこれから得られる成形体 Download PDF

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庸祐 ▲高▼橋
Yosuke Takahashi
幸治 松永
Koji Matsunaga
幸治 松永
邦昭 川辺
Kuniaki Kawabe
邦昭 川辺
浩貴 金谷
Hirotaka Kanetani
浩貴 金谷
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Abstract

【課題】加工性に優れ、さらに外観、剛性、および衝撃強度とのバランスに優れた成形体が得られる、プロピレン系樹脂組成物の提供を目的とする。【解決手段】230℃ 試験荷重2.16kgfで測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にあるプロピレン系重合体(A)と、プロピレン系ワックス(B)と、無機充填材(C)と、を含有し、プロピレン系重合体(A)および無機充填材(C)の含有量の合計を100質量部としたときに、プロピレン系重合体(A)を1〜70質量部、無機充填材(C)を30〜99質量部、プロピレン系ワックス(B)を0.1〜50質量部含み、プロピレン系ワックス(B)が、下記(i)および(ii)を満たす、樹脂組成物。(i)GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が300〜20000の範囲にある(ii)酸価が1〜100mgKOH/gの範囲にある【選択図】なし

Description

本発明は、特定の組成を有する樹脂組成物、および当該樹脂組成物から得られる成形体に関する。
ポリプロピレン等のプロピレン系樹脂は、機械物性や成形性に優れる。したがって、プロピレン系樹脂は、自動車部品や家電部品など、様々な用途に利用されている。従来、プロピレン系樹脂に、タルク、マイカ、ガラス繊維等の無機充填材を添加することで、その剛性が向上することが知られている。また、特許文献1には、特定のアスペクト比を有し、かつ平均粒径が所定の範囲であるタルクをプロピレン系樹脂に添加することで、成形体の寸法安定性が高まることが記載されている。
特開2016−84386号公報
従来、プロピレン系樹脂組成物におけるタルク等の無機充填材の含有量は、樹脂および無機顔料の合計に対して、せいぜい20〜30質量%程度であった。樹脂組成物における無機充填材の含有割合が大きくなると、得られる成形体の剛性は向上するものの、衝撃強度が低下する傾向があった。また、外観性や加工性が低下すること等もあった。そのため、無機充填材の含有割合が比較的高い組成物は、自動車用途等、剛性や衝撃強度等が要求される用途に適用できない等の課題があった。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、無機充填材の含有割合が比較的高いにも関わらず、加工性に優れ、さらに外観、剛性、および衝撃強度のバランスに優れた成形体が得られるプロピレン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、特定の組成を有する樹脂組成物を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の樹脂組成物、およびこれから得られる成形体に関する。
[1]JIS K7210に準拠し、230℃ 試験荷重2.16kgfで測定したメルトフローレート(MFR)が0.01〜100g/10分の範囲にあるプロピレン系重合体(A)と、プロピレン系ワックス(B)と、無機充填材(C)と、を含有し、前記プロピレン系重合体(A)および前記無機充填材(C)の含有量の合計を100質量部としたときに、前記プロピレン系重合体(A)を1〜70質量部、前記無機充填材(C)を30〜99質量部、前記プロピレン系ワックス(B)を0.1〜50質量部含み、前記プロピレン系ワックス(B)が、下記(i)および(ii)を満たす、樹脂組成物。
(i)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が300〜20000の範囲にある
(ii)酸価が1〜100mgKOH/gの範囲にある
[2]前記プロピレン系ワックス(B)が、プロピレン単独重合体、ならびにプロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種との共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体の不飽和カルボン酸誘導体モノマー変性物または空気酸化物である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記プロピレン系重合体(A)がプロピレン・エチレンブロック共重合体である、[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記無機充填材(C)がタルクである、[1]〜[3]に記載の樹脂組成物。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物から得られる、成形体。
本発明によれば、加工性に優れ、さらに外観、剛性、および衝撃強度のバランスに優れた成形体が得られる、プロピレン樹脂組成物を提供できる。
以下、本発明の樹脂組成物、およびこれから得られる成形体について詳説する。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物は、プロピレン系重合体(A)と、プロピレン系ワックス(B)と、無機充填材(C)とを含有する。ここで、プロピレン系重合体(A)は、特定のMFRを満たす比較的高分子量の重合体であり、プロピレン系ワックス(B)は比較的低分子量の重合体である点で、これらは異なる。
本発明の樹脂組成物中のプロピレン系重合体(A)および無機充填材(C)の含有量の合計を100質量部としたとき、前記プロピレン系重合体(A)の量は、1〜70質量部であり、好ましくは20〜65質量部であり、より好ましくは30〜64質量部であり、さらに好ましくは50〜62質量部である。一方、無機充填材(C)の量は、30〜99質量部であり、好ましくは35〜80質量部であり、より好ましくは36〜70質量部であり、さらに好ましくは38〜50質量部である。
また、樹脂組成物中のプロピレン系重合体(A)および無機充填材(C)の含有量の合計を100質量部としたとき、プロピレン系ワックス(B)の量は、0.1〜50質量部であり、好ましくは0.1〜20質量部であり、より好ましくは0.2〜9質量部であり、さらに好ましくは0.3〜7質量部であり、特に好ましくは0.4〜5質量部であり、最も好ましくは、1〜3質量部である。プロピレン系ワックス(B)の量が、当該範囲であると、樹脂組成物の加工性が優れ、かつ樹脂組成物から得られる成形体の外観、剛性、および衝撃強度のバランスが高まる。
以下、各成分および各要件について説明する。
1.プロピレン系重合体(A)
本発明の樹脂組成物は、プロピレン系重合体(A)は1種のみ含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
プロピレン系重合体(A)のJIS K7210に準拠し、230℃ 試験荷重2.16kgfで測定したメルトフローレート(MFR)は、0.01〜100g/10分であり、好ましくは0.1〜50g/10分である。プロピレン系重合体(A)のMFRが上記の範囲にあると、樹脂組成物を射出成形しやすく、さらに剛性および衝撃強度のバランスに優れる成形体が得られる。
プロピレン系重合体(A)は、プロピレン単独重合体(ポリプロピレン)であってもよく、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体であってもよい。エチレン・α−オレフィン共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。プロピレンと共重合するα−オレフィンの例には、エチレンや、炭素原子数4〜12のα−オレフィンが含まれる。プロピレン系重合体をプロピレンとエチレンとの共重合体とする場合、プロピレン由来の構成単位の量は、60〜99.5モル%であることが好ましい。プロピレン由来の構成単位の量は、より好ましくは80〜99モル%であり、さらに好ましくは90〜98.5モル%であり、特に好ましくは95〜98モル%である。ここで、プロピレン由来の構成単位の量とエチレン由来の構成単位の量との合計は100モル%である。樹脂組成物が、プロピレン由来の構成単位量が多いエチレン・プロピレン共重合体を含むと、得られる成形体の外観が良好となり、機械強度および耐熱性のバランスが良好になる。
プロピレン系重合体を、プロピレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンとの共重合体とする場合、炭素原子数4〜12のα−オレフィンの例には、例えば1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどの直鎖状または分岐状のα−オレフィンが含まれる。その中でも、1−ブテンが特に好ましい。また、プロピレン・α−オレフィン共重合体は、炭素原子数が4〜12以外のオレフィンを含んでいてもよく、例えばエチレンなどから導かれる構成単位を少量(例えばプロピレン系共重合体の全構成単位に対して10モル%以下)含んでいてもよい。一方で、エチレンから誘導される構成単位が含まれないことも、樹脂組成物から得られる成形体の耐熱性と機械強度とのバランスを高めるとの観点では好ましい。当該エチレン・α−オレフィン共重合体は、1種のα−オレフィンをのみを含んでいてもよく、2種以上のα−オレフィンを含んでいてもよい。
プロピレン系重合体(A)は特に、プロピレン・エチレンブロック共重合体であることが好ましく、プロピレン単独重合体ブロックと、エチレン・プロピレンランダム共重合体ブロックとを有する重合体であることが特に好ましい。プロピレン単独重合体ブロックは、n−デカンに不溶な成分であり、エチレン・プロピレンランダム共重合体ブロックは、n−デカンに可溶な成分である。したがって、プロピレン・エチレンブロック共重合体において、これらを明確に区別したり、分離したりすることができる。
ここで、プロピレン・エチレンブロック共重合体は、(a)135℃、デカリン溶液中で測定した極限粘度[η]が0.2〜2.0dl/gであるプロピレン単独重合体成分80〜97質量%と、(b)135℃、デカリン溶液中で測定した極限粘度[η]が2.5〜9.0dl/gであるエチレン・プロピレンランダム共重合体成分3〜20質量%(ただし(a)成分と(b)成分の合計は100質量%である)とを共重合した成分であることが好ましい。以下、本明細書において極限粘度[η]は、特に断りのない限り、135℃、デカリン溶液中で測定した値を意味する。
前記(a)プロピレン単独重合体成分と(b)エチレン・プロピレンランダム共重合体成分との重合割合は、(a)成分:(b)成分が80〜95質量%:5〜20質量%であることが好ましく、82〜92質量%:8〜18質量%であることがより好ましい。ここで、(a)成分および(b)成分の合計は、100質量%である。
このようなプロピレン・エチレンブロック共重合体は、公知の方法により適宜製造することができる。
また、プロピレン系重合体(A)は、二重結合を含み、かつ極性基を有する極性化合物でグラフト変性されていてもよい。極性化合物の例には、後述のプロピレン系ワックスをグラフト変性するための不飽和カルボン酸またはその誘導体等が含まれる。
プロピレン系重合体(A)は、好ましくは示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が250℃以下または観測されないことが好ましい。融点が観測される場合、融点の上限は、より好ましくは230℃であり、さらに好ましくは200℃であり、特に好ましくは170℃である。また、融点の下限は、好ましくは50℃であり、より好ましくは70℃であり、さらに好ましくは90℃であり、特に好ましくは130℃、最も好ましくは150℃である。融点が上記上限と下限の範囲であると、樹脂組成物の調製時や、成形体の作製時に、発煙や臭気等が生じ難く、作業環境に対する影響が小さくなる。また、得られる成形体にベタつきが生じ難く、耐熱性、機械強度、衝撃強度、および衝撃吸収性のバランスに優れる成形体が得られやすい。
また、プロピレン系重合体(A)は好ましくは示差走査熱量計(DSC)で測定したガラス転移温度(Tg)が、−140℃〜50℃の範囲にあることが好ましく、より好ましくは−120℃〜40℃の範囲にあり、さらに好ましくは−50℃〜−10℃の範囲にある。ガラス転移温度が上記範囲にあると、樹脂組成物の長期安定性や、成形体の耐熱性、衝撃性、および機械強度のバランスが優れる傾向にある。
さらに、プロピレン系重合体(A)のJIS K7171:94に準拠して測定した曲げ弾性率は、1〜10000MPaであることが好ましい。
ここで、樹脂組成物から得られる成形体に耐傷付き性や機械強度等が要求される場合、曲げ弾性率は好ましくは500〜7000MPaであり、より好ましくは700〜5000MPaであり、特に好ましくは900〜3000MPaであり、さらに好ましくは1000〜2000MPaである。曲げ弾性率が上記範囲であると、樹脂組成物の加工性が優れるだけでなく、成形体の耐傷付き性、耐熱性、および機械強度のバランスが優れる。
一方、樹脂組成物から得られる成形体に柔軟性等が要求される場合、上記曲げ弾性率は、好ましくは300MPa未満であり、より好ましくは100MPa未満であり、さらに好ましくは50MPa未満である。曲げ弾性率が上記範囲であると、得られる成形体の柔軟性が優れるだけでなく、衝撃吸収性、軽量性、防振性、制振性、制音性が優れる。さらには、成形体の金型転写性、シボ転写性等の意匠性や表面グリップ性も良好となる。
プロピレン系重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、20000超であり、上限は300000であることが好ましい。上限はより好ましくは200000であり、さらに好ましくは100000であり、特に好ましくは90000である。プロピレン系重合体(A)のGPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは40000〜3000000であり、より好ましくは40000〜2000000であり、さらに好ましくは40000〜1000000、特に好ましくは40000〜900000である。上記の範囲にあると、樹脂組成物を射出成形しやすく、剛性および衝撃強度のバランスに優れる成形体が得られやすい。
2.プロピレン系ワックス(B)
プロピレン系ワックス(B)は、下記要件(i)および(ii)を満たす。さらに、要件(iii)または(iv)のうち、いずれか一方を少なくとも満たすことが好ましい。
(i)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は300〜20000の範囲にある
(ii)酸価が1〜100mgKOH/gの範囲にある
(iii)JISK 2207に従って測定した軟化点が70〜170℃の範囲にある
(iv)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が7.0以下である
プロピレン系ワックス(B)の上記数平均分子量(要件(i))は、好ましくは500〜18000であり、より好ましくは1000〜12000であり、さらに好ましくは1500〜12000であり、特に好ましくは3700〜12000である。数平均分子量が上記範囲内にあると、樹脂組成物中の無機充填材(C)の分散性が高まり、得られる成形体の外観が良好となり、耐熱性や機械強度が高まる。また、樹脂組成物の加工性や混練性も良好になる傾向がある。
一方、プロピレン系ワックス(B)の酸価(要件(ii))は、通常、好ましくは20〜90mgKOH/gであり、さらに好ましくは30〜87mgKOH/gである。酸価が上記範囲であると、前述のように、本発明の樹脂組成物から得られる成形体において、剛性および耐衝撃性が両立する。酸価とは、試料1g当たりの中和に要する水酸化カリウムのmg数を指す。プロピレン系ワックス(B)の酸価は、JIS K5902に準拠して測定することができる。
ただし、樹脂組成物の加工性を高めたり、得られる成形体の外観を良好にしたりすることが求められる場合、プロピレン系ワックス(B)の酸価は、1〜70mgKOH/gであることが好ましく、下限はより好ましくは20mgKOH/gであり、さらに好ましくは30mgKOH/gであり、特に好ましくは42mgKOH/gである。一方、上限は、より好ましくは60mgKOH/gであり、さらに好ましくは50mgKOH/gであり、特に好ましくは46mgKOH/gである。
一方、得られる成形体に耐熱性や機械強度が求められる場合、プロピレン系ワックス(B)の酸価は、40〜100mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは50〜100mgKOH/gであり、さらに好ましくは60〜100mgKOH/gであり、特に好ましくは60〜95mgKOH/gであり、さらに好ましくは60〜90mgKOH/gであり、とりわけ好ましくは70〜90mgKOH/gである。
従来のプロピレン系樹脂組成物では、無機充填材(C)の含有割合が大きくなると、得られる成形体の剛性が向上するものの、衝撃強度が低下する傾向にあった。衝撃改良のために、酸変性したプロピレン系樹脂を添加することがあるが、衝撃強度が向上するものの、混練し難く、外観不良になりやすかった。これに対し、本発明では、無機充填材(C)を比較的多量に含めたとしても、樹脂組成物の加工性、得られる成形体の外観、衝撃強度が低下し難い。つまり、本発明の樹脂組成物によれば、加工性が優れ、さらに外観、剛性および耐衝撃性のバランスに優れた成形体が得られる。その詳細な機構は明らかではないが、酸価が上述範囲であるプロピレン系ワックス(B)は、極性を有する無機充填材(C)の表面と親和し、表面を覆うことで、無機充填材(C)同士の凝集を防止すると考えられる。また、数平均分子量が上記範囲であるプロピレン系ワックス(B)は比較的低い分子量かつ、プロピレン系重合体(A)と同様の構造を含むため、結果として、プロピレン系樹脂組成物の加工時、すなわち溶融時には、樹脂組成物全体の流動性を向上させるとともに、効果的に無機充填材(C)の分散性を高めることができると考えられる。さらに、プロピレン系樹脂組成物の固化時には、無機充填材(C)表面に局在化したプロピレン系ワックス(B)がプロピレン系重合体(A)と親和しやすくなる。その結果、プロピレン系重合体(A)由来の耐衝撃性と剛性とが両立すると考えられる。以上より、当該樹脂組成物では加工性が優れ、さらに外観、剛性および耐衝撃性のバランスに優れた成形体が得られると考えられる。
また、プロピレン系ワックス(B)の上記軟化点(要件(iii))の上限は、より好ましくは160℃であり、さらに好ましくは150℃であり、特に好ましくは145℃である。また、下限は、より好ましくは80℃であり、さらに好ましくは90℃であり、特に好ましくは95℃であり、最も好ましくは105℃である。プロピレン系ワックス(B)の軟化点が上記範囲にあると、樹脂組成物から得られる成形体の外観が良好になり、樹脂組成物の加工性が高まる。またさらに、成形体の耐熱性や機械強度も高まる。
さらに、プロピレン系ワックス(B)の重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)(要件(iv))は、より好ましくは5.0以下であり、さらに好ましくは3.0以下である。Mw/Mnが上記範囲であると、物性低下を引き起こす低分子量成分が少ないため、得られる成形体の外観が良好になり、耐熱性や機械強度が高まる。
また、プロピレン系ワックス(B)のJIS K7112で測定された密度は、900〜950kg/mであることが好ましい。密度が当該範囲であると、無機充填材(C)
の分散性が良好になる。
プロピレン系ワックス(B)は、上述の要件(i)および(ii)を満たし、かつプロピレン由来の構造を構成単位に含む化合物であれば特に制限されない。プロピレン系ワックス(B)の具体例には、プロピレン単独重合体、ならびにプロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種との共重合体、からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体の、不飽和カルボン酸誘導体モノマー変性物または空気酸化物が含まれる。
当該プロピレン系ワックス(B)は、プロピレン単独重合体や上記共重合体等の未変性プロピレン系ワックス(B’)を調製し、これを不飽和カルボン酸モノマーで変性したり、空気酸化したりすることで得られる。
以下、未変性プロピレン系ワックス(B’)及びその製造方法について先に説明し、その後、これらを変性したプロピレン系ワックス(B)について説明する。
(未変性プロピレン系ワックス(B’)について)
未変性プロピレン系ワックス(B’)は、立体特異性触媒の存在下、プロピレンと必要に応じて他の単量体とを共重合させて得られる重合体とすることができる。未変性プロピレン系ワックス(B’)は、プロピレンの単独重合体であってもよく、プロピレンを主体とする共重合体であってもよい。また、未変性プロピレン系ワックス(B’)は、高分子量のポリプロピレンを熱分解して得られるものであってもよい。また、未変性プロピレン系ワックス(B’)を含む組成物から、溶媒に対する溶解度の差で未変性プロピレン系ワックス(B’)のみを分別(溶媒分別)したり、沸点の差で分取(分子蒸留)したりしたものであってもよい。
未変性プロピレン系ワックス(B’)は、プロピレン単独重合体、およびプロピレンと、エチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種との共重合体であることが好ましい。
未変性プロピレン系ワックス(B’)が、プロピレンとエチレンとの共重合体である場合、当該共重合体中のプロピレン由来の構成単位は、60〜99.5モル%であることが好ましい。プロピレン由来の構成単位量は、より好ましくは80〜99モル%であり、さらに好ましくは90〜98.5モル%であり、特に好ましくは95〜98モル%である。ただし、プロピレン由来の構成単位と、エチレン由来の構成単位との合計量を100モル%とする。未変性プロピレン系ワックス(B’)が、プロピレン・エチレン共重合体であると、外観、機械強度、耐熱性のバランスに優れる成形体が得られる。
未変性プロピレン系ワックス(B’)が、プロピレンとエチレンおよび炭素原子数4〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種との共重合体である場合、炭素原子数4〜12のα−オレフィンの例には、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどの直鎖状または分岐状のα−オレフィンが含まれる。その中でも、1−ブテンが特に好ましい。未変性プロピレン系ワックス(B’)が、上記共重合体である場合、当該共重合体は2元系の共重合体であってもよく、3元系以上の共重合体であってもよい。
また、未変性プロピレン系ワックス(B’)がプロピレンと、エチレンおよび炭素数4〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種との共重合体である場合(ただし、上述のプロピレン・エチレン共重合体は除く)、当該共重合体中のプロピレン由来の構成単位の量は60〜90モル%であることが好ましく、より好ましくは65〜88モル%であり、さらに好ましくは70〜85モル%であり、特に好ましくは75〜82モル%である。一方、エチレンや炭素原子数4〜12のα−オレフィン由来の構成単位の合計量は10〜40モル%であることが好ましく、より好ましくは12〜35モル%であり、さらに好ましくは15〜30モル%であり、特に好ましくは18〜25モル%である。ただし、プロピレン由来の構成単位と、エチレン由来の構成単位量、および炭素数4〜12のα−オレフィン由来の構成単位との合計量を100モル%とする。
未変性プロピレン系ワックス(B’)がプロピレンと、エチレンおよび炭素数4〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種との共重合体であり、かつその組成が上記範囲にあると、外観が良好な成形体を得ることができる。その理由として、当該プロピレン系ワックスを変性して得られるプロピレン系ワックス(B)の結晶化にかかる時間を長くすることができる。そのため、樹脂組成物から成形体を作製する際、金型上、あるいは冷却工程において、樹脂組成物が流動可能な時間を長くすることができる。その結果、得られる成形体の表面性が良好になると考えられる。また、このような未変性プロピレン系ワックス(B’)から得られるプロピレン系ワックス(B)を用いた場合、成形体の耐熱性や機械強度も高まる傾向がある。
上述した未変性プロピレン系ワックス(B’)は、前述のとおりプロピレン等を直接重合して得られるものであってもよく、高分子量のプロピレン系重合体を熱分解して得られるものであってもよい。高分子量のプロピレン系重合体(例えばポリプロピレン)を熱分解する場合、300〜450℃で5分〜10時間熱分解することが好ましい。この場合、未変性プロピレン系ワックス(B’)には、不飽和末端(ビニリデン基)が存在する。当該不飽和末端は、H−NMR測定により確認することができるが、H−NMRにより測定した、1000個の炭素原子あたりのビニリデン基の個数が0.5〜5個であることが好ましい。ビニリデン基の個数が当該範囲であると、プロピレン系ワックス(B)の無機充填材(C)に対する相容化効果が高まりやすい。また未変性プロピレン系ワックス(B’)は、未変性プロピレン系ワックス(B’)を含む組成物から、未変性プロピレン系ワックス(B’)のみを溶媒に対する溶解度の差で分別する溶媒分別したり、蒸留などの方法で精製したものであってもよい。中でも、未変性プロピレン系ワックス(B’)は、熱分解して得られたものであることが望ましい。
また、プロピレン系ワックス(B’)を直接重合する場合、種々公知の製造方法、例えば、プロピレン単量体と、エチレン単量体やα−オレフィン単量体をチーグラー/ナッタ触媒またはメタロセン系触媒により重合する方法等を適用することができる。
(プロピレン系ワックス(B)について)
本発明の樹脂組成物が含むプロピレン系ワックス(B)は、上述の未変性プロピレン系ワックス(B’)の酸変性物(例えば、不飽和カルボン酸誘導体モノマーによる変性物や空気酸化物)である。
プロピレン系ワックス(B)が上述の未変性プロピレン系ワックス(B’)の空気酸化物である場合、プロピレン系ワックス(B)は、原料となる未変性プロピレン系ワックス(B’)を溶融状態とし、攪拌しながら酸素または酸素含有ガスと接触させることで得られる。未変性プロピレン系ワックス(B’)は、通常130〜200℃、好ましくは140〜170℃に加熱することで、溶融状態となる。なお、本明細書における「酸素または酸素含有ガス」との記載には、純酸素(通常の液体空気分留や水の電解によって得られる酸素であって、他成分を不純物程度含んでいても差し支えない)だけでなく、純酸素と他のガスとの混合ガス、例えば空気やオゾン等も含まれる。
未変性プロピレン系ワックス(B’)と酸素または酸素含有ガスとを接触させる方法としては、酸素含有ガスを反応器下部より連続的に供給して、未変性プロピレン系ワックス(B’)と接触させる方法であることが好ましい。またこの場合、酸素含有ガスは、プロピレン系ワックス(B’)1kgに対して1分間当たり1.0〜8.0NL相当の酸素量となるように供給することが好ましい。
また、プロピレン系ワックス(B)は、未変性プロピレン系ワックス(B’)の不飽和カルボン酸誘導体モノマーによるグラフト変性物であってもよい。上記グラフト変性物は、従来公知の方法で調製することができる。例えば(1)原料となる未変性プロピレン系ワックス(B’)と、(2)不飽和カルボン酸もしくはその誘導体とを、(3)有機過酸化物などの重合開始剤の存在下で溶融混練する方法であってもよい。また、(1)未変性プロピレン系ワックス(B’)と、(2)不飽和カルボン酸もしくはその誘導体と、を有機溶媒に溶解させ、得られた組成物を(3)有機過酸化物などの重合開始剤の存在下、混練することにより得られる。
プロピレン系ワックス(B)調製時の混練方法は特に制限されず、混練装置としては、例えば、オートクレーブ、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラーブレンダー、リボンブレンダー、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等を用いることができる。これらの中でも、オートクレーブ等、バッチ式の装置を使用すると、各成分をより均一に分散・反応させることができる。また、連続式の装置と比べ、バッチ式の装置によれば、組成物の滞留時間を調整しやすい。さらに、滞留時間を長く取れるため、変性率及び変性効率を高めることが比較的容易であり、特に好ましい。
ここで、未変性プロピレン系ワックス(B’)を変性するための、不飽和カルボン酸またはその誘導体の例には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−sec−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−2−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸イソヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸−2−クロロフェニル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸−3−メトキシブチル、アクリル酸ジエチレングリコールエトキシレート、アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−2−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸−2−クロロヘキシル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−2−ヘキシルエチル、メタクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル等のメタクリル酸エステル類;マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類;フマル酸エチル、フマル酸ブチル、フマル酸ジブチル等のフマル酸エステル類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、ナジック酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等のジカルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水グルタコン酸、無水ナジック酸などの無水物等が含まれる。
これらの中でも好ましくは無水マレイン酸である。無水マレイン酸は、原料である未変性プロピレン系ワックス(B’)との反応性が比較的高い。さらに、無水マレイン酸自身が重合によって構造変化し難く、安定である。そのため、プロピレン系ワックス(B)が無水マレイン酸変性されたプロピレン系ンワックスである場合、樹脂組成物を成形する際の高温環境下でも、プロピレン系ワックス(B)が安定であり、無機充填材(C)表面に効率よく作用しやすい。その結果、樹脂組成物から得られる成型体の外観が良好となり、耐熱性や加工性、機械強度のバランスが良好になると考えられる。
なお、上述のプロピレン系ワックス(B)は市販品であってもよい。
また、プロピレン系ワックス(B)は、粉体、タブレット、ブロック等の固形物であってもよく、水、または溶媒中に分散したものや、溶解したものであってもよい。
3.無機充填材(C)
無機充填材(C)としては、特に限定されることなく公知の無機充填材を用いることができるが、たとえば、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイト、ワラストナイト、ゾノトライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、カーボンブラック、グラファイト、石膏、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム等のチタン酸塩、酸化鉄、アルミナ、さらには亜鉛、銅、鉄、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素、チタン等の金属粉末、あるいは金属繊維等が挙げられる。さらに、軽石粉、軽石バルン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、チタン酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、アスベスト、モンモリロナイト、ベントナイト、硫化モリブデン等が挙げられる。これらは単独でまたは混合して用いることができる。中でもタルク、マイカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維等が好ましく、特にタルクが好ましい。
無機充填材(C)は、粒状、板状、棒状、繊維状、ウィスカー状など、いずれの形状を有していてもよい。また、無機充填材(C)は、ポリマー用フィラーとして市販されているものであってもよい。例えば、粉末状やロービング状、チョップドストランド状、圧縮魂状、ペレット(造粒)状、顆粒状等、いずれの形態で市販されているものであってもよい。無機充填材(C)がタルクである場合、粉末状、圧縮魂状、または顆粒状に加工されているものが好ましい。本発明の樹脂組成物は、無機充填材(C)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
無機充填材(C)の平均粒径は、好ましくは1〜15μmであり、より好ましくは3〜14μmである。上記平均粒径は、レーザー回析法により測定される値である。
無機充填材(C)は公知の各種製造方法等にて製造される。たとえば、タルクは、その原石を衝撃式粉砕機やミクロンミル型粉砕機で粉砕して製造したり、さらにジェットミルなどで粉砕した後、サイクロンやミクロンセパレータ等で分級調整する等の方法で製造することができる。
また、無機充填材(C)は、未処理であってもよく、少なくとも一部を表面処理したものであってもよい。表面処理剤の例には、有機チタネート系カップリング剤、有機シランカップリング剤、不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフトした変性ポリオレフィン、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル等が含まれる。また、これらの表面処理剤は、1種単独で使用されていてもよく、2種以上を組み合わせて使用されていてもよい。
4.その他の樹脂
本発明の樹脂組成物は、他の樹脂を、本発明の目的を損なわない範囲でさらに含んでいても良い。他の樹脂の含有量には特に制限されないが、プロピレン系重合体(A)100質量部に対して、0.1〜30質量部程度であることが好ましい。
5.その他の充填材
本発明の樹脂組成物は、無機充填材以外の充填材、すなわち有機物からなる充填材(以下、「有機充填材」とも称する)を含んでいてもよい。有機充填材の例には、リグニン、スターチ、木粉、木質繊維、竹、綿花、セルロース、ナノセルロース系繊維などの天然繊維、及びその含有製品等が含まれる。
樹脂組成物は、これらの有機充填材を、1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。これら有機充填材の含有量は特に限定されないが、プロピレン系重合体(A)およびプロピレン系ワックス(B)の総質量100質量%に対して、合計で70質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
6.その他の添加剤
本発明の樹脂組成物は、充填材以外の添加剤を含んでいてもよい。その他の添加剤としては、ポリオレフィンの分野において公知の添加剤が挙げられる。添加剤の例には、核剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料、滑剤、発泡剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、界面活性剤、帯電防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ防止剤、発泡剤、結晶化助剤、防曇剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、衝撃改良剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、加工助剤等が含まれる。
樹脂組成物は、添加剤を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。これら添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内であれば特に限定されないが、プロピレン系重合体(A)およびプロピレン系ワックス(B)の総質量100質量%に対して、それぞれ0.05〜70質量%程度であることが好ましい。上限は、より好ましくは30質量%である。
7.樹脂組成物の製法
本発明の樹脂組成物は、任意の種々の方法を利用して、ドライブレンド、あるいは溶融ブレンドして製造することができる。具体的な方法としては、例えば、プロピレン系重合体(A)、プロピレン系ワックス(B)、無機充填材(C)および他の任意成分を、同時にまたは任意の順序で、タンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、単軸或いは二軸の押出機などでブレンドする方法とすることができる。あるいは、プロピレン系重合体(A)、プロピレン系ワックス(B)、無機充填材(C)および他の任意成分を、一度、任意の溶媒に分散、あるいは溶解させた後に、自然乾燥や加熱強制乾燥等、適宜乾燥させることにより、ブレンドしてもよい。
一般的には、ドライブレンドより溶融ブレンドが得られる成型体の外観性、耐衝撃性の観点から好ましい。また特に、溶融ブレンドにて混練を十分に行うことで、得られる成形体の外観性および耐衝撃性が高まる傾向がある。特にプロピレン系ワックス(B)として2種類以上の化合物を併用する場合は、2種以上のプロピレン系ワックス(B)を予めドライブレンド、あるいは溶融ブレンドすることがハンドリング上好ましい。溶融ブレンドの方法としては、上記方法やバッチ釜を使用する方法などが適宜用いられる。
本発明の樹脂組成物のJIS K7210に準拠して測定したMFR(230℃ 試験荷重2.16kgf)は、0.01〜100g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.1〜50g/10分であり、さらに好ましくは0.5〜30g/10分、特に好ましくは1〜20g/10分であり、さらに好ましくは3〜15g/10分である。樹脂組成物のMFRが上記範囲にあると、樹脂組成物の加工性と、成形体の耐熱性および機械強度のバランスが優れる。
また、本発明の樹脂組成物は、2軸バッチ式溶融混繊装置を用い、設定温度210℃で、樹脂仕込み量50g、50rpm、10分間の条件で溶融混練混練したときの10分後のトルク値(トルク定常値)が4N/m以下であることが好ましい。
B.成形体
本発明の成形体は、上記樹脂組成物を従来公知の方法、例えば射出成形、コーティング、押出成形、圧縮成形等により、所望の形状に成形することにより製造することができる。成形体の形状は、特に限定されず、例えばフィルム状、板状、角柱状、円柱状等である。本発明の成形体は、従来公知のプロピレン系樹脂と同様の用途に用いることができる。具体的には、自動車部品や家電部品等に使用することができる。
本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
1.プロピレン系重合体(A)
プロピレン系重合体(A)として、プロピレン・エチレンブロック共重合体(株式会社プライムポリマー製ブロックポリプロピレン、商品名:プライムポリプロJ707G(JIS K2170に準拠して、230℃、試験荷重2.16kgfで測定したメルトフローレート:30g/10分)を用いた。
2.プロピレン系ワックス
プロピレン系ワックスとして、表1に示す組成を有するW1およびW2を使用した。なお、W1は、未変性プロピレン系ワックス(プロピレン・エチレン共重合体)の無水マレイン酸変性物(本発明のプロピレン系ワックス(B)に相当)であり、W2は未変性のプロピレン系ワックス(プロピレン・エチレン共重合体)である。これらの物性等を表1に示す。また、これらの組成および各物性値の測定方法は、以下の通りである。
<重合体の組成>
エチレン由来の構成単位、及びプロピレン由来の構成単位の含有割合は、13C−NMRスペクトルの解析により求めた。なお、表1においてC3はプロピレン、C2はエチレンを意味する。
<Mn、およびMw/Mn>
数平均分子量Mn、および分子量分布(Mw/Mn)は、GPC測定から求めた。測定は以下の条件で行った。また、数平均分子量Mn、および重量平均分子量Mwは、市販の単分散標準ポリスチレンを用いて検量線を作成して求めた。
装置:ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC2000型(Waters社製)
溶剤:o−ジクロロベンゼン
カラム:TSKgel GMH6−HT×2、TSKgel GMH6−HTLカラム×2(何れも東ソー社製)
流速:1.0ml/分
試料:0.15mg/mL o−ジクロロベンゼン溶液
温度:140℃
<軟化点>
JIS K2207に従って測定した。
<密度>
JIS K7112の密度勾配管法で測定した。
<酸価>
JIS K5902に従って測定した。
Figure 2018024750
3.無機充填材(C)
無機充填材(C)として、タルク(浅田製粉社製、商品名:JM−209P(平均粒径(D50)3.9±0.4μm))を使用した。
[実施例1、比較例1〜3]
[樹脂組成物の作製]
プロピレン系重合体(A)、無機充填材(C)、プロピレン系ワックス、およびステアリン酸カルシウムを、表2に示す配合量で混合した。当該混合物を、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混繊装置)を用い、設定温度210℃で、樹脂仕込み量50g(装置バッチ容積=60cm)、50rpm、10分間の条件で溶融混練し、樹脂組成物を得た。なお、プロピレン系重合体(A)および無機充填材(C)の合計100質量部に対する、プロピレン系ワックスの量、およびステアリン酸カルシウムの量を表2に示す。また、当該樹脂組成物のMFRは、以下の方法で測定した。
<MFR>
得られた樹脂組成物のMFRをJIS K7210に従い、230℃、2.16kgfの条件で測定した。
(樹脂組成物の評価)
樹脂組成物の溶融混練時の加工性を以下のように評価した。得られた樹脂組成物から成形体を作製し、引張強度や引張伸び、引張弾性率、アイゾッド衝撃強度、および表面外観を確認した。結果を表2に示す。
<加工性>
東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混繊装置)を用い、設定温度210℃で、樹脂仕込み量50g(装置バッチ容積=60cm)、50rpm、10分間の条件で溶融混練した。混練開始時のトルク値をトルク最大値とし、10分間後のトルク値をトルク定常値と定義した。トルク定常値をもとに加工性を、以下の基準で判断した。
○:トルク定常値が4N・m以下
△:トルク定常値が4N・m以上、4.5N・m以下
×:トルク定常値が4.5N・m以上
[試験片の作成]
得られた樹脂組成物を、予熱210℃で5分間、加圧200℃で2分間、冷却20℃で4分間の条件でプレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。
[試験片の評価]
得られた試験片について、以下の評価を行った。
<引張試験(引張強度、引張伸び、引張弾性率)>
ダンベル試験片(全長50mm、つかみ部の幅10mm、平行部の幅5mm、厚さ2mm)を作製し、チャック間距離30mm、試験速度50mm/分の条件で引張強度、引張伸び、引張弾性率を測定した。
<アイゾット衝撃試験>
ASTM D256−10に基づき、室温におけるアイゾット衝撃試験を行った。ノッチは機械加工とし、試験片は63.5mm(長さ)×12.7mm(幅)×2mm(厚さ)、ノッチ高さ10.16mmとした。
<表面外観>
表面外観は作製したプレスシートの表面を目視で確認し、無機充填材(タルク)の凝集物と推定される表面の荒れを、以下の基準で判断した。
○:表面の荒れがない
△:一部、表面の荒れがある
×:表面の荒れがある
Figure 2018024750
上記表2に示すように、プロピレン系ワックス(B)を含まない比較例2および3では、無機充填材の含有量が多い比較例2のほうが、引張弾性率が高いが、衝撃強度が大きく低下している。これに対し、実施例1の樹脂組成物の成形体では、引張弾性率が高いにも関わらず、衝撃強度の低下が抑制されて比較的高い値を示している。つまり、引張弾性率と衝撃強度のバランスが優れている。また、当該樹脂組成物は、加工性も良好である。一方で、酸価が1mgKOH/g未満であるプロピレン系ワックスを含む比較例1では、当該ワックスを含まない場合と比較して、引張弾性率が十分に高まらず、耐衝撃性も低い。つまり、弾性率と衝撃強度のバランスが低下している。
本発明の樹脂組成物は、得られる成型体の剛性および衝撃強度のバランスが高い。したがって、家電部品等だけでなく、例えば自動車用途等、高い衝撃強度が要求される用途ににも適用できる。

Claims (5)

  1. JIS K7210に準拠し、230℃ 試験荷重2.16kgfで測定したメルトフローレート(MFR)が0.01〜100g/10分の範囲にあるプロピレン系重合体(A)と、プロピレン系ワックス(B)と、無機充填材(C)と、を含有し、
    前記プロピレン系重合体(A)および前記無機充填材(C)の含有量の合計を100質量部としたときに、前記プロピレン系重合体(A)を1〜70質量部、前記無機充填材(C)を30〜99質量部、前記プロピレン系ワックス(B)を0.1〜50質量部含み、
    前記プロピレン系ワックス(B)が、下記(i)および(ii)を満たす、
    樹脂組成物。
    (i)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が300〜20000の範囲にある
    (ii)酸価が1〜100mgKOH/gの範囲にある
  2. 前記プロピレン系ワックス(B)が、プロピレン単独重合体、ならびにプロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種との共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体の不飽和カルボン酸誘導体モノマー変性物または空気酸化物である、
    請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記プロピレン系重合体(A)がプロピレン・エチレンブロック共重合体である、
    請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記無機充填材(C)がタルクである、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物から得られる、
    成形体。
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