以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。
また、本明細書にて用いる「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
また、本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域またはドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域またはソース電極)の間にチャネル領域を有しており、チャネル領域を介してソースとドレインとの間に電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態(非導通状態、遮断状態、ともいう)にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも高い状態をいう。例えば、nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低いときのドレイン電流を言う場合がある。
トランジスタのオフ電流は、Vgsに依存する場合がある。従って、トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、トランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを言う場合がある。トランジスタのオフ電流は、所定のVgsにおけるオフ状態、所定の範囲内のVgsにおけるオフ状態、または、十分に低減されたオフ電流が得られるVgsにおけるオフ状態、等におけるオフ電流を指す場合がある。
一例として、しきい値電圧Vthが0.5Vであり、Vgsが0.5Vにおけるドレイン電流が1×10−9Aであり、Vgsが0.1Vにおけるドレイン電流が1×10−13Aであり、Vgsが−0.5Vにおけるドレイン電流が1×10−19Aであり、Vgsが−0.8Vにおけるドレイン電流が1×10−22Aであるようなnチャネル型トランジスタを想定する。当該トランジスタのドレイン電流は、Vgsが−0.5Vにおいて、または、Vgsが−0.5V乃至−0.8Vの範囲において、1×10−19A以下であるから、当該トランジスタのオフ電流は1×10−19A以下である、と言う場合がある。当該トランジスタのドレイン電流が1×10−22A以下となるVgsが存在するため、当該トランジスタのオフ電流は1×10−22A以下である、と言う場合がある。
また、本明細書等では、チャネル幅Wを有するトランジスタのオフ電流を、チャネル幅Wあたりを流れる電流値で表す場合がある。また、所定のチャネル幅(例えば1μm)あたりを流れる電流値で表す場合がある。後者の場合、オフ電流の単位は、電流/長さの次元を持つ単位(例えば、A/μm)で表される場合がある。
トランジスタのオフ電流は、温度に依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、室温、60℃、85℃、95℃、または125℃におけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証される温度、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)におけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、室温、60℃、85℃、95℃、125℃、当該トランジスタが含まれる半導体装置の信頼性が保証される温度、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
トランジスタのオフ電流は、ドレインとソースの間の電圧Vdsに依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V,3V、3.3V、10V、12V、16V、または20Vにおけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証されるVds、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVdsにおけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V,3V、3.3V、10V、12V、16V、20V、当該トランジスタが含まれる半導体装置の信頼性が保証されるVds、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVds、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
上記オフ電流の説明において、ドレインをソースと読み替えてもよい。つまり、オフ電流は、トランジスタがオフ状態にあるときのソースを流れる電流を言う場合もある。
また、本明細書等では、オフ電流と同じ意味で、リーク電流と記載する場合がある。また、本明細書等において、オフ電流とは、例えば、トランジスタがオフ状態にあるときに、ソースとドレインとの間に流れる電流を指す場合がある。
また、本明細書等において、トランジスタのしきい値電圧とは、トランジスタにチャネルが形成されたときのゲート電圧(Vg)を指す。具体的には、トランジスタのしきい値電圧とは、ゲート電圧(Vg)を横軸に、ドレイン電流(Id)の平方根を縦軸にプロットした曲線(Vg−√Id特性)において、最大傾きである接線を外挿したときの直線と、ドレイン電流(Id)の平方根が0(Idが0A)との交点におけるゲート電圧(Vg)を指す場合がある。あるいは、トランジスタのしきい値電圧とは、チャネル長をL、チャネル幅をWとし、Id[A]×L[μm]/W[μm]の値が1×10−9[A]となるゲート電圧(Vg)を指す場合がある。
また、本明細書等において、「半導体」と表記した場合であっても、例えば、導電性が十分に低い場合は、「絶縁体」としての特性を有する場合がある。また、「半導体」と「絶縁体」とは境界が曖昧であり、厳密に区別できない場合がある。したがって、本明細書等に記載の「半導体」は、「絶縁体」に言い換えることが可能な場合がある。同様に、本明細書等に記載の「絶縁体」は、「半導体」に言い換えることが可能な場合がある。または、本明細書等に記載の「絶縁体」を「半絶縁体」に言い換えることが可能な場合がある。
また、本明細書等において、「半導体」と表記した場合であっても、例えば、導電性が十分に高い場合は、「導電体」としての特性を有する場合がある。また、「半導体」と「導電体」とは境界が曖昧であり、厳密に区別できない場合がある。したがって、本明細書等に記載の「半導体」は、「導電体」に言い換えることが可能な場合がある。同様に、本明細書等に記載の「導電体」は、「半導体」に言い換えることが可能な場合がある。
また、本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置、及び当該半導体装置の作製方法について、図1乃至図14を参照して説明する。
<1−1.半導体装置の構成例1>
図1(A)は、本発明の一態様の半導体装置であるトランジスタ100Aの上面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す一点鎖線X1−X2間における切断面の断面図に相当し、図1(C)は、図1(A)に示す一点鎖線Y1−Y2間における切断面の断面図に相当する。なお、図1(A)において、煩雑になることを避けるため、トランジスタ100Aの構成要素の一部(ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜等)を省略して図示している。また、一点鎖線X1−X2方向をチャネル長方向、一点鎖線Y1−Y2方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。なお、トランジスタの上面図においては、以降の図面においても図1(A)と同様に、構成要素の一部を省略して図示する場合がある。
トランジスタ100Aは、基板102上の導電膜104と、基板102及び導電膜104上の絶縁膜106と、絶縁膜106上の金属酸化物108と、金属酸化物108上の導電膜112aと、金属酸化物108上の導電膜112bと、を有する。また、トランジスタ100A上、具体的には、金属酸化物108、導電膜112a、及び導電膜112b上には、絶縁膜115が形成されている。
なお、トランジスタ100Aは、所謂チャネルエッチ型のトランジスタである。
また、絶縁膜115は、シリコンと、窒素及び酸素のいずれか一方または双方と、を有し、絶縁膜115は、厚さが0.3nm以上10nm以下の領域を有すると好ましい。例えば、絶縁膜115としては、シリコンと、酸素とを含む第1の層と、シリコンと、窒素とを含む第2の層が積層された膜を用いると好適である。なお、絶縁膜115の形成条件としては、PA ALD(Plasma Assisted Atomic Layer Deposition)法を用いると好ましい。PA ALD法を用いることで、被覆性の高い絶縁膜115を形成することができる。
また、絶縁膜115として、PA ALD法を用いることで、a−Si(アモルファスシリコン)の製造ラインで絶縁膜115を形成することができる。例えば、トランジスタの半導体層を、a−Siから金属酸化物に置き換える場合、追加の設備投資などが少なく、既存の製造ラインの装置を用いることができる。
PA ALD法としては、例えば、PECVD装置の真空チャンバー内に、原料ガスとしてSiH4ガスを導入し、金属酸化物108、及び導電膜112a、112bの表面に、原子レベルにSiH4ガスを付着させた後、原料ガスの排気を行い、その後、窒素ガスまたは酸素ガスを用いてプラズマ処理を行うことで、絶縁膜115を形成することができる。
なお、PA ALD法を用いて金属酸化物108上に絶縁膜を形成する、別言すると金属酸化物108のバックチャネル側の絶縁膜の形成方法として、PA ALD法を用いると、成膜ダメージを低減することができるため好適である。
また、金属酸化物108は、絶縁膜106上の金属酸化物108_1と、金属酸化物108_1の上面に接する金属酸化物108_2と、を有する。
なお、金属酸化物108_1、及び金属酸化物108_2は、それぞれ、Inと、元素M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウム)と、Znと、を有する。特に、元素Mとしてはガリウムが好ましい。
また、金属酸化物108_1及び金属酸化物108_2は、それぞれIn、M、及びZnの原子数の総和に対して、Inの含有量が40%以上50%以下の領域と、Mの含有量が5%以上30%以下の領域と、を有する。金属酸化物108_1及び金属酸化物108_2が、それぞれ上記の領域を有することで、キャリア密度を高めることができる。
具体的には、金属酸化物108_1及び金属酸化物108_2のIn、M、及びZnの原子数の比を、それぞれIn:M:Zn=4:2:3近傍、またはIn:M:Zn=5:1:6近傍とすると好ましい。ここで、4:2:3近傍とは、In、M、及びZnの原子数の総和に対して、Inが4の場合、Mが1.5以上2.5以下であり、且つZnが2以上4以下である。また、5:1:6近傍とは、In、M、及びZnの原子数の総和に対して、Inが5の場合、Mが0.5以上1.5以下であり、且つZnが5以上7以下である。
また、金属酸化物108_1は、金属酸化物108_2よりも結晶性が低い領域を有すると好ましい。金属酸化物108_1が、金属酸化物108_2よりも結晶性が低い領域を有することで、キャリア密度を高め、且つ信頼性の高い半導体装置とすることができる。例えば、トランジスタ100Aは、チャネルエッチ型のトランジスタであるため、金属酸化物108_1よりも金属酸化物108_2の結晶性を高めることで、金属酸化物108_2が金属酸化物108_1のエッチングストッパとして機能する。
また、金属酸化物108_2のIn、M、及びZnの原子数の比を上記範囲とすることで、金属酸化物108_2と、導電膜112a、112bとの接触抵抗を低くすることができる。
また、金属酸化物108_2と、絶縁膜115との厚さを比較した場合、絶縁膜115は、金属酸化物108_2よりも厚さが薄いと好ましい。絶縁膜115の厚さを金属酸化物108_2よりも薄くすることで、絶縁膜115の応力が金属酸化物108_2へ与える影響を低減することができる。したがって、電気特性の変動が少ないトランジスタを提供することができる。
なお、金属酸化物108を上記構成とすることでトランジスタ100Aの電界効果移動度を高くすることができる。具体的には、トランジスタ100Aの電界効果移動度が50cm2/Vsを超える、さらに好ましくはトランジスタ100Aの電界効果移動度が100cm2/Vsを超えることが可能となる。
例えば、上記の電界効果移動度が高いトランジスタを、ゲート信号を生成するゲートドライバに用いることで、額縁幅の狭い(狭額縁ともいう)表示装置を提供することができる。また、上記の電界効果移動度が高いトランジスタを、表示装置が有する信号線からの信号の供給を行うソースドライバ(とくに、ソースドライバが有するシフトレジスタの出力端子に接続されるデマルチプレクサ)に用いることで、表示装置に接続される配線数が少ない表示装置を提供することができる。
なお、金属酸化物108_1及び金属酸化物108_2の結晶構造は、特に限定されない。金属酸化物108_1及び金属酸化物108_2は、それぞれ単結晶構造または非単結晶構造のいずれか一方または双方でもよい。
非単結晶構造は、例えば、後述するCAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶構造、微結晶構造、及び非晶質構造を含む。また、結晶構造としては、ビックスバイト型の結晶構造、層状の結晶構造などが挙げられる。また、ビックスバイト型の結晶構造と、層状の結晶構造との双方を含む混晶構造としてもよい。
また、金属酸化物108_2は、層状の結晶構造、特にc軸配向性を有する結晶構造を有すると好適である。別言すると、金属酸化物108_2は、CAAC−OSであると好適である。
例えば、金属酸化物108_1を、微結晶構造とし、金属酸化物108_2を、c軸配向性を有する結晶構造とすると好適である。別言すると、金属酸化物108_1は、金属酸化物108_2よりも結晶性が低い領域を有する。なお、金属酸化物108の結晶性としては、例えば、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)を用いて分析する、あるいは、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)を用いて分析することで解析できる。
例えば、金属酸化物108をXRD分析により測定した場合に、金属酸化物108_1は、2θ=31°近傍にピークが観察され難く、金属酸化物108_2は、2θ=31°近傍にピークが観察される。
金属酸化物108_1が結晶性の低い領域を有する場合、以下の優れた効果を有する。
まず、金属酸化物108_1中に形成されうる酸素欠損について説明を行う。
金属酸化物108_1に形成される酸素欠損は、トランジスタ特性に影響を与えるため問題となる。例えば、金属酸化物108_1中に酸素欠損が形成されると、該酸素欠損に水素が結合し、キャリア供給源となる。金属酸化物108_1中にキャリア供給源が生成されると、金属酸化物108_1を有するトランジスタ100Aの電気特性の変動、代表的にはしきい値電圧のシフトが生じる。したがって、金属酸化物108_1においては、酸素欠損が少ないほど好ましい。
そこで、本発明の一態様においては、金属酸化物108_1上に金属酸化物108_2が形成される。金属酸化物108_2は、金属酸化物108_1よりも酸素を多く含有する構成である。金属酸化物108_2の形成時または、金属酸化物108_2の形成後に、金属酸化物108_2から金属酸化物108_1に酸素または過剰酸素が移動することで、金属酸化物108_1中の酸素欠損を低減することが可能となる。
また、金属酸化物108_2の形成時に、酸素を多く含む雰囲気とすることで、金属酸化物108_2の結晶性を高めることができる。
金属酸化物108_2の結晶性を高めることで、金属酸化物108_1に混入しうる不純物を抑制することができる。特に、金属酸化物108_2の結晶性を高めることで、導電膜112a、112bを加工する際に、金属酸化物108_1へのダメージを抑制することができる。金属酸化物108の表面、すなわち金属酸化物108_2の表面は、導電膜112a、112bの加工の際のエッチャントまたはエッチングガスに曝される。しかしながら、金属酸化物108_2は、結晶性が高い領域を有するため、結晶性が低い金属酸化物108_1と比較してエッチング耐性に優れる。したがって、金属酸化物108_2は、エッチングストッパとして機能する。
なお、金属酸化物108としては、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い金属酸化物を用いることで、優れた電気特性を有するトランジスタを作製することができ好ましい。ここでは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い(酸素欠損の少ない)ことを高純度真性または実質的に高純度真性とよぶ。なお、金属酸化物中の不純物としては、代表的には水、水素などが挙げられる。また、本明細書等において、金属酸化物中から水及び水素を低減または除去することを、脱水化、脱水素化と表す場合がある。また、金属酸化物に酸素を添加することを、加酸素化と表す場合があり、加酸素化され且つ化学量論的組成よりも過剰の酸素を有する状態を過酸素化状態と表す場合がある。
高純度真性または実質的に高純度真性である金属酸化物は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。従って、該金属酸化物にチャネル領域が形成されるトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である金属酸化物は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。また、高純度真性または実質的に高純度真性である金属酸化物は、オフ電流が著しく小さく、チャネル幅Wが1×106μmでチャネル長Lが10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。
また、金属酸化物108_1は、金属酸化物108_2よりも結晶性が低い領域を有することで、キャリア密度が高くなる場合がある。金属酸化物108_1のキャリア密度が高くなると、金属酸化物108_1の伝導帯に対してフェルミ準位が相対的に高くなる場合がある。これにより、金属酸化物108_1の伝導帯の下端が低くなり、金属酸化物108_1の伝導帯下端と、ゲート絶縁膜(ここでは、絶縁膜106)中に形成されうるトラップ準位とのエネルギー差が大きくなる場合がある。該エネルギー差が大きくなることにより、ゲート絶縁膜中にトラップされる電荷が少なくなり、トランジスタのしきい値電圧の変動を小さくできる場合がある。また、金属酸化物108_1のキャリア密度が高くなると、金属酸化物108の電界効果移動度を高めることができる。
なお、図1(A)(B)(C)に示すトランジスタ100Aにおいて、絶縁膜106は、トランジスタ100Aのゲート絶縁膜としての機能を有し、絶縁膜115は、トランジスタ100Aの保護絶縁膜としての機能を有する。また、トランジスタ100Aにおいて、導電膜104は、ゲート電極としての機能を有し、導電膜112aは、ソース電極としての機能を有し、導電膜112bは、ドレイン電極としての機能を有する。なお、本明細書等において、絶縁膜106を第1の絶縁膜と、絶縁膜115を第2の絶縁膜と、それぞれ呼称する場合がある。
<1−2.半導体装置の構成要素>
次に、本実施の形態の半導体装置に含まれる構成要素について、詳細に説明する。
[基板]
基板102の材質などに大きな制限はないが、少なくとも、後の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有している必要がある。例えば、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板等を、基板102として用いてもよい。また、シリコンや炭化シリコンを材料とした単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板等を適用することも可能であり、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板102として用いてもよい。なお、基板102として、ガラス基板を用いる場合、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等の大面積基板を用いることで、大型の表示装置を作製することができる。
また、基板102として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、トランジスタ100Aを形成してもよい。または、基板102とトランジスタ100Aとの間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に半導体装置を一部あるいは全部完成させた後、基板102より分離し、他の基板に転載するのに用いることができる。その際、トランジスタ100Aは耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも転載できる。
[導電膜]
ゲート電極として機能する導電膜104、ソース電極として機能する導電膜112a、及びドレイン電極として機能する導電膜112bとしては、クロム(Cr)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)から選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いてそれぞれ形成することができる。
また、導電膜104、112a、112bには、インジウムと錫とを有する酸化物(In−Sn酸化物)、インジウムとタングステンとを有する酸化物(In−W酸化物)、インジウムとタングステンと亜鉛とを有する酸化物(In−W−Zn酸化物)、インジウムとチタンとを有する酸化物(In−Ti酸化物)、インジウムとチタンと錫とを有する酸化物(In−Ti−Sn酸化物)、インジウムと亜鉛とを有する酸化物(In−Zn酸化物)、インジウムと錫とシリコンとを有する酸化物(In−Sn−Si酸化物)、インジウムとガリウムと亜鉛とを有する酸化物(In−Ga−Zn酸化物)等の酸化物導電体または酸化物半導体を適用することもできる。
ここで、酸化物導電体について説明を行う。本明細書等において、酸化物導電体をOC(Oxide Conductor)と呼称してもよい。酸化物導電体としては、例えば、酸化物半導体に酸素欠損を形成し、該酸素欠損に水素を添加すると、伝導帯近傍にドナー準位が形成される。この結果、酸化物半導体は、導電性が高くなり導電体化する。導電体化された酸化物半導体を、酸化物導電体ということができる。一般に、酸化物半導体は、エネルギーギャップが大きいため、可視光に対して透光性を有する。一方、酸化物導電体は、伝導帯近傍にドナー準位を有する酸化物半導体である。したがって、酸化物導電体は、ドナー準位による吸収の影響は小さく、可視光に対して酸化物半導体と同程度の透光性を有する。
また、導電膜104、112a、112bには、Cu−X合金膜(Xは、Mn、Ni、Cr、Fe、Co、Mo、Ta、またはTi)を適用してもよい。Cu−X合金膜を用いることで、ウエットエッチングプロセスで加工できるため、製造コストを抑制することが可能となる。
また、導電膜112a、112bには、上述の金属元素の中でも、特に銅、チタン、タングステン、タンタル、及びモリブデンの中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有すると好適である。特に、導電膜112a、112bとしては、窒化タンタル膜を用いると好適である。当該窒化タンタル膜は、導電性を有し、且つ、銅または水素に対して、高いバリア性を有する。また、窒化タンタル膜は、さらに自身からの水素の放出が少ないため、金属酸化物108と接する導電膜、または金属酸化物108の近傍の導電膜として、最も好適に用いることができる。また、導電膜112a、112bとして、銅膜を用いると、導電膜112a、112bの抵抗を低くすることができるため好適である。
また、導電膜112a、112bを、無電解めっき法により形成することができる。当該無電解めっき法により形成できる材料としては、例えば、Cu、Ni、Al、Au、Sn、Co、Ag、及びPdの中から選ばれるいずれか一つまたは複数を用いることが可能である。特に、CuまたはAgを用いると、導電膜の抵抗を低くすることができるため、好適である。
[ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜]
トランジスタ100Aのゲート絶縁膜として機能する絶縁膜106としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD:(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition))法、スパッタリング法等により、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜および酸化ネオジム膜を一種以上含む絶縁層を用いることができる。なお、絶縁膜106を、積層構造、または3層以上の積層構造としてもよい。
また、トランジスタ100Aのチャネル領域として機能する金属酸化物108と接する絶縁膜106は、酸化物絶縁膜であることが好ましく、化学量論的組成よりも過剰に酸素を含有する領域(過剰酸素領域)を有することがより好ましい。
ただし、上記構成に限定されず、金属酸化物108と接する絶縁膜に、窒化物絶縁膜を用いる構成としてもよい。当該構成の一例としては、窒化シリコン膜を形成し、当該窒化シリコン膜の表面に酸素プラズマ処理などを行うことで、窒化シリコン膜の表面を酸化させる構成などが挙げられる。なお、窒化シリコン膜の表面に酸素プラズマ処理などを行った場合、窒化シリコン膜の表面は原子レベルで酸化されている場合があるため、トランジスタの断面の観察等を行っても、酸素が検出されない可能性がある。すなわち、トランジスタの断面の観察を行った場合、窒化シリコン膜と、金属酸化物とが、接しているように観察される場合がある。
なお、窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜と比較して比誘電率が高く、酸化シリコン膜と同等の静電容量を得るのに必要な膜厚が大きいため、トランジスタのゲート絶縁膜として、窒化シリコン膜を含むことで絶縁膜を厚膜化することができる。よって、トランジスタの絶縁耐圧の低下を抑制、さらには絶縁耐圧を向上させて、トランジスタの静電破壊を抑制することができる。
[金属酸化物]
金属酸化物108としては、先に示す材料を用いることができる。
金属酸化物108_1及び金属酸化物108_2が、それぞれIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In>Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8、In:M:Zn=6:1:6、In:M:Zn=5:2:5等が挙げられる。
なお、成膜される金属酸化物108_1及び金属酸化物108_2の原子数比は、それぞれ上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。例えば、金属酸化物108_1及び金属酸化物108_2に用いるスパッタリングターゲットの組成が、In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]の場合、成膜される金属酸化物108_1及び金属酸化物108_2の組成は、それぞれIn:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]の近傍となる場合がある。
また、金属酸化物108_1及び金属酸化物108_2は、それぞれエネルギーギャップが2.5eV以上、好ましくは3.0eV以上である。このように、エネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタ100Aのオフ電流を低減することができる。
[保護絶縁膜として機能する絶縁膜]
絶縁膜115は、トランジスタ100Aの保護絶縁膜としての機能、及び金属酸化物108に酸素を供給する機能のいずれか一方または双方を有する。
例えば、絶縁膜115としては、シリコンと、窒素及び酸素のいずれか一方または双方とを有すると好ましい。また、絶縁膜115としては、シリコンと、酸素と、を含む第1の層と、シリコンと、窒素と、を含む第2の層と、を有すると好ましい。
絶縁膜115としては、PA ALD法を用いて形成することができる。
なお、PA ALD法を用いて絶縁膜115を形成する場合、絶縁膜115は、0.3nm以上10nm以下、好ましくは0.3nm以上5nm以下、さらに好ましくは0.3nm以上3nm以下の厚さで形成される。別言すると、絶縁膜115は、厚さが0.3nm以上10nm以下の領域を有する。
なお、トランジスタの断面の観察を行う際に、絶縁膜115の厚さが上記の範囲であると、絶縁膜115を観察できない場合がある。絶縁膜115としては、例えば、X線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)による分析を行うことで、評価することができる。例えば、絶縁膜115がシリコンと、窒素とを有する場合、シリコンと窒素に起因する結合ピークが観察される。また、絶縁膜115がシリコンと、酸素とを有する場合、シリコンと酸素に起因する結合ピークが観察される。
また、絶縁膜115は、窒素酸化物(NOx、xは0よりも大きく2以下、好ましくは1以上2以下、代表的にはNOまたはNO2)に起因する準位密度が低い絶縁膜を用いると好ましい。
窒素酸化物は、絶縁膜115などに準位を形成する。当該準位は、金属酸化物108のエネルギーギャップ内に位置する。例えば、当該窒素酸化物に起因する準位密度は、金属酸化物108の価電子帯の上端のエネルギー(Ev_os)と、金属酸化物108の伝導帯の下端のエネルギー(Ec_os)との間に形成され得る場合がある。そのため、窒素酸化物が、絶縁膜115及び金属酸化物108の界面に拡散すると、当該準位が絶縁膜115側において電子をトラップする場合がある。この結果、トラップされた電子が、絶縁膜115及び金属酸化物108界面近傍に留まるため、トランジスタのしきい値電圧をプラス方向にシフトさせてしまう。
絶縁膜115として、窒素酸化物に起因する準位密度が低い絶縁膜とすることで、トランジスタのしきい値電圧のシフトを低減することが可能であり、トランジスタの電気特性の変動を低減することができる。
なお、上記記載の、導電膜、絶縁膜、金属酸化物などの様々な膜としては、スパッタリング法やPECVD法により形成することができるが、他の方法、例えば、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成してもよい。熱CVD法の例としてMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、またはALD(Atomic Layer Deposition)法などが挙げられる。
熱CVD法は、プラズマを使わない成膜方法のため、プラズマダメージにより欠陥が生成されることが無いという利点を有する。また、熱CVD法としては、原料ガスをチャンバー内に送り、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、基板上に膜を堆積させればよい。
また、ALD法としては、原料ガスをチャンバー内に送り、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、基板上に膜を堆積させればよい。
<1−3.半導体装置の構成例2>
次に、図1(A)(B)(C)に示すトランジスタ100Aの変形例について、図2を用いて説明する。
また、図2(A)は、本発明の一態様の半導体装置であるトランジスタ100Bの上面図であり、図2(B)は、図2(A)に示す一点鎖線X1−X2間における切断面の断面図に相当し、図2(C)は、図2(A)に示す一点鎖線Y1−Y2間における切断面の断面図に相当する。
トランジスタ100Bは、基板102上の導電膜104と、基板102及び導電膜104上の絶縁膜106と、絶縁膜106上の金属酸化物108と、金属酸化物108上の導電膜112aと、金属酸化物108上の導電膜112bと、金属酸化物108、導電膜112a、及び導電膜112b上の絶縁膜115と、絶縁膜115上の絶縁膜116と、絶縁膜116上の導電膜120aと、絶縁膜116上の導電膜120bと、を有する。
また、絶縁膜106は、開口部151を有し、絶縁膜106上には、開口部151を介して導電膜104と電気的に接続される導電膜112cが形成される。また、絶縁膜115及び絶縁膜116は、導電膜112bに達する開口部152aと、導電膜112cに達する開口部152bとを有する。
なお、トランジスタ100Bにおいて、絶縁膜106は、トランジスタ100Bの第1のゲート絶縁膜としての機能を有し、絶縁膜115、116は、トランジスタ100Bの第2のゲート絶縁膜としての機能を有する。また、トランジスタ100Bにおいて、導電膜104は、第1のゲート電極としての機能を有し、導電膜112aは、ソース電極としての機能を有し、導電膜112bは、ドレイン電極としての機能を有する。また、トランジスタ100Bにおいて、導電膜120aは、第2のゲート電極としての機能を有し、導電膜120bは、表示装置の画素電極としての機能を有する。
なお、図2(C)に示すように、導電膜120aは、開口部152b、151を介して導電膜104と電気的に接続される。よって、導電膜104と、導電膜120aとは、同じ電位が与えられる。
また、図2(C)に示すように、金属酸化物108は、導電膜104、及び導電膜120aと対向するように位置し、2つのゲート電極として機能する導電膜に挟まれている。導電膜120aのチャネル長方向の長さ、及び導電膜120aのチャネル幅方向の長さは、金属酸化物108のチャネル長方向の長さ、及び金属酸化物108のチャネル幅方向の長さよりもそれぞれ長く、金属酸化物108の全体は、絶縁膜115、116を介して導電膜120aに覆われている。
別言すると、導電膜104及び導電膜120aは、絶縁膜106、115、116に設けられる開口部において接続され、且つ金属酸化物108の側端部よりも外側に位置する領域を有する。
このような構成を有することで、トランジスタ100Bに含まれる金属酸化物108を、導電膜104及び導電膜120aの電界によって電気的に囲むことができる。トランジスタ100Bのように、第1のゲート電極及び第2のゲート電極の電界によって、チャネル領域が形成される金属酸化物を、電気的に囲むトランジスタのデバイス構造をSurrounded Channel(S−Channel)構造と呼ぶことができる。
トランジスタ100Bは、S−Channel構造を有するため、第1のゲート電極として機能する導電膜104によってチャネルを誘起させるための電界を効果的に金属酸化物108に印加することができるため、トランジスタ100Bの電流駆動能力が向上し、高いオン電流特性を得ることが可能となる。また、オン電流を高くすることが可能であるため、トランジスタ100Bを微細化することが可能となる。また、トランジスタ100Bは、金属酸化物108が、第1のゲート電極として機能する導電膜104及び第2のゲート電極として機能する導電膜120aによって囲まれた構造を有するため、トランジスタ100Bの機械的強度を高めることができる。
<第2のゲート絶縁膜として機能する絶縁膜>
ここで、第2のゲート絶縁膜として機能する絶縁膜116に用いることのできる材料について説明する。絶縁膜116としては、絶縁性材料であればよく、無機材料または有機材料の一方または双方を用いることができる。無機材料としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどを用いることができる。有機材料としては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等の耐熱性を有する樹脂材料を用いることができる。絶縁膜116として、有機材料、例えばアクリル樹脂を用いると、平坦性を高くすることができ、且つ生産性が高いため好適である。
また、導電膜120a、120bとしては、先に示す導電膜104、112a、112bに列挙した材料と同様の材料を用いることができる。特に導電膜120a、120bとしては、酸化物導電膜(OC)が好ましい。導電膜120a、120bに酸化物導電膜を用いることで、絶縁膜115、116中に酸素を添加することができる。
なお、トランジスタ100Bのその他の構成は、先に示すトランジスタ100Aと同様であり、同様の効果を奏する。
<1−4.半導体装置の構成例3>
次に、図2(A)(B)(C)に示すトランジスタ100Bの変形例について、図3を用いて説明する。
図3(A)は、本発明の一態様の半導体装置であるトランジスタ100Cの上面図であり、図3(B)は、図3(A)に示す一点鎖線X1−X2間における切断面の断面図に相当し、図3(C)は、図3(A)に示す一点鎖線Y1−Y2間における切断面の断面図に相当する。
トランジスタ100Cは、先に示すトランジスタ100Bが有する金属酸化物108を3層の積層構造とした構成である。トランジスタ100Cの金属酸化物108は、絶縁膜106上の金属酸化物108_3と、金属酸化物108_3上の金属酸化物108_1と、金属酸化物108_1上の金属酸化物108_2と、を有する。
<1−5.バンド構造>
ここで、金属酸化物108を積層構造とした場合のバンド構造について、図14を用いて説明する。
図14(A)は、絶縁膜106、金属酸化物108_1、108_2、108_3、及び絶縁膜115を有する積層構造の膜厚方向のバンド構造の一例である。また、図14(B)は、絶縁膜106、金属酸化物108_1、108_2、及び絶縁膜115を有する積層構造の膜厚方向のバンド構造の一例である。なお、バンド構造は、理解を容易にするため絶縁膜106、金属酸化物108_1、108_2、108_3、及び絶縁膜115の伝導帯下端のエネルギー準位(Ec)を示す。
図14(A)に示すように、金属酸化物108_1、108_2、108_3において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。また、図14(B)に示すように、金属酸化物108_1、108_2において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、連続的に変化または連続接合するともいうことができる。このようなバンド構造を有するためには、金属酸化物108_1と金属酸化物108_2との界面、または金属酸化物108_1と金属酸化物108_3との界面において、トラップ中心や再結合中心のような欠陥準位を形成するような不純物が存在しないとする。
金属酸化物108_1、108_2、108_3に連続接合を形成するためには、ロードロック室を備えたマルチチャンバー方式の成膜装置(スパッタリング装置)を用いて各膜を大気に触れさせることなく連続して積層することが必要となる。
図14(A)(B)に示す構成とすることで金属酸化物108_1がウェル(井戸)となり、上記積層構造を用いたトランジスタにおいて、チャネル領域が金属酸化物108_1に形成されることがわかる。
なお、金属酸化物108_2、108_3を設けることにより、金属酸化物108_1に形成されうるトラップ準位を金属酸化物108_2または金属酸化物108_3に設けることができる。したがって、金属酸化物108_1には、トラップ準位が形成され難い構造となる。
また、トラップ準位がチャネル領域として機能する金属酸化物108_1の伝導帯下端のエネルギー準位(Ec)より真空準位から遠くなることがあり、トラップ準位に電子が蓄積しやすくなってしまう。トラップ準位に電子が蓄積されることで、マイナスの固定電荷となり、トランジスタのしきい値電圧はプラス方向にシフトしてしまう。したがって、トラップ準位が金属酸化物108_1の伝導帯下端のエネルギー準位(Ec)より真空準位に近くなるような構成にすると好ましい。このようにすることで、トラップ準位に電子が蓄積しにくくなり、トランジスタのオン電流を増大させることが可能であると共に、電界効果移動度を高めることができる。
また、金属酸化物108_2、108_3は、金属酸化物108_1よりも伝導帯下端のエネルギー準位が真空準位に近く、代表的には、金属酸化物108_1の伝導帯下端のエネルギー準位と、金属酸化物108_2、108_3の伝導帯下端のエネルギー準位との差が、0.15eV以上、または0.5eV以上、かつ2eV以下、または1eV以下である。すなわち、金属酸化物108_2、108_3の電子親和力と、金属酸化物108_1の電子親和力との差が、0.15eV以上、または0.5eV以上、かつ2eV以下、または1eV以下である。
このような構成を有することで、金属酸化物108_1が主な電流経路となる。すなわち、金属酸化物108_1は、チャネル領域としての機能を有する。また、金属酸化物108_2、108_3は、チャネル領域が形成される金属酸化物108_1を構成する金属元素の一種以上から構成される金属酸化物を用いると好ましい。このような構成とすることで、金属酸化物108_1と金属酸化物108_2との界面、または金属酸化物108_1と金属酸化物108_3との界面において、界面散乱が起こりにくい。従って、該界面においてはキャリアの動きが阻害されないため、トランジスタの電界効果移動度が高くなる。
また、金属酸化物108_2、108_3は、膜中にスピネル型の結晶構造が含まれないことが好ましい。金属酸化物108_2、108_3の膜中にスピネル型の結晶構造を含む場合、該スピネル型の結晶構造と他の領域との界面において、導電膜120a、120bの構成元素が金属酸化物108_1へ拡散してしまう場合がある。なお、金属酸化物108_2、108_3がCAAC−OSである場合、導電膜120a、120bの構成元素、例えば、銅元素のブロッキング性が高くなり好ましい。
なお、金属酸化物108_2、108_3として、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]の金属酸化物ターゲット、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]の金属酸化物ターゲット、In:Ga:Zn=1:3:6[原子数比]の金属酸化物ターゲットなどを用いて形成することができる。なお、金属酸化物108_2、108_3としては、上記の金属酸化物ターゲットに限定されず、金属酸化物108_1と同等の組成の金属酸化物ターゲットを用いてもよい。
<1−6.半導体装置の構成例4>
次に、図2(A)(B)(C)に示すトランジスタ100Bの変形例について、図4乃至図6を用いて説明する。
図4(A)は、本発明の一態様の半導体装置であるトランジスタ100Dの上面図であり、図4(B)は、図4(A)に示す一点鎖線X1−X2間における切断面の断面図に相当し、図4(C)は、図4(A)に示す一点鎖線Y1−Y2間における切断面の断面図に相当する。
トランジスタ100Dは、先に示すトランジスタ100Bが有する導電膜112a、112b、112cを3層の積層構造とした構成である。
トランジスタ100Dが有する導電膜112aは、導電膜112a_1と、導電膜112a_1上の導電膜112a_2と、導電膜112a_2上の導電膜112a_3と、を有する。また、トランジスタ100Dが有する導電膜112bは、導電膜112b_1と、導電膜112b_1上の導電膜112b_2と、導電膜112b_2上の導電膜112b_3と、を有する。また、トランジスタ100Dが有する導電膜112cは、導電膜112c_1と、導電膜112c_1上の導電膜112c_2と、導電膜112c_2上の導電膜112c_3と、を有する。
例えば、導電膜112a_1、導電膜112b_1、導電膜112a_3、及び導電膜112b_3としては、チタン、タングステン、タンタル、モリブデン、インジウム、ガリウム、錫、及び亜鉛の中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有すると好適である。また、導電膜112a_2及び導電膜112b_2としては、銅、アルミニウム、及び銀の中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有すると好適である。
より具体的には、導電膜112a_1、導電膜112b_1、導電膜112a_3、及び導電膜112b_3にチタンを用い、導電膜112a_2及び導電膜112b_2に銅を用いることができる。
上記構成とすることで、導電膜112a、112bの配線抵抗を低くし、且つ金属酸化物108への銅の拡散を抑制できるため好適である。また、上記構成とすることで、導電膜112bと、導電膜120bとの接続抵抗を低くすることができるため好適である。なお、トランジスタ100Dのその他の構成は、先に示すトランジスタ100Bと同様であり、同様の効果を奏する。
図5(A)は、本発明の一態様の半導体装置であるトランジスタ100Eの上面図であり、図5(B)は、図5(A)に示す一点鎖線X1−X2間における切断面の断面図に相当し、図5(C)は、図5(A)に示す一点鎖線Y1−Y2間における切断面の断面図に相当する。
トランジスタ100Eは、先に示すトランジスタ100Bが有する導電膜112a、112bを3層の積層構造とした構成である。また、トランジスタ100Eは、先に示すトランジスタ100Dが有する導電膜112a、112bと導電膜112a、112bの形状が異なる。
トランジスタ100Eが有する導電膜112aは、導電膜112a_1と、導電膜112a_1上の導電膜112a_2と、導電膜112a_2上の導電膜112a_3と、を有する。また、トランジスタ100Eが有する導電膜112bは、導電膜112b_1と、導電膜112b_1上の導電膜112b_2と、導電膜112b_2上の導電膜112b_3と、を有する。なお、導電膜112a_1、導電膜112a_2、導電膜112a_3、導電膜112b_1、導電膜112b_2、及び導電膜112b_3としては、先に示す材料を用いることができる。
また、導電膜112a_1の端部は、導電膜112a_2の端部よりも外側に位置する領域を有し、導電膜112a_3は、導電膜112a_2の上面及び側面を覆い、且つ導電膜112a_1と接する領域を有する。また、導電膜112b_1の端部は、導電膜112b_2の端部よりも外側に位置する領域を有し、導電膜112b_3は、導電膜112b_2の上面及び側面を覆い、且つ導電膜112b_1と接する領域を有する。
上記構成とすることで、導電膜112a、112bの配線抵抗を低くし、且つ金属酸化物108への銅の拡散を抑制できるため好適である。なお、先に示すトランジスタ100Dよりもトランジスタ100Eに示す構造とした方が、銅の拡散を好適に抑制することができる。また、上記構成とすることで、導電膜112bと、導電膜120bとの接続抵抗を低くすることができるため好適である。なお、トランジスタ100Eのその他の構成は、先に示すトランジスタ100Bと同様であり、同様の効果を奏する。
また、図6(A)は、本発明の一態様の半導体装置であるトランジスタ100Fの上面図であり、図6(B)は、図6(A)に示す一点鎖線X1−X2間における切断面の断面図に相当し、図6(C)は、図6(A)に示す一点鎖線Y1−Y2間における切断面の断面図に相当する。
トランジスタ100Fは、先に示すトランジスタ100Bと、導電膜112a、112bの構造、絶縁膜115の構造、及び絶縁膜113a、113bを有する点が異なる。
トランジスタ100Fが有する導電膜112aは、導電膜112a_1と、導電膜112a_1上の導電膜112a_2とを有する。また、導電膜112a_2は、絶縁膜113aにより覆われている。トランジスタ100Fが有する導電膜112bは、導電膜112b_1と、導電膜112b_1上の導電膜112b_2とを有する。また、導電膜112b_2は、絶縁膜113bにより覆われている。
絶縁膜113a、113bとしては、例えば、PA ALD法を用いて形成することができる。具体的には、導電膜112a_2、導電膜112b_2を形成したのち、PA ALD法により、導電膜112a_2、導電膜112b_2の上面及び側面にシランガスなどを付着させることで形成することができる。なお、絶縁膜113a、113bとしては、導電膜112a_2及び導電膜112b_2の構成元素の一部を有する場合がある。例えば、導電膜112a_2及び導電膜112b_2が銅を含む場合、絶縁膜113a、113bとしては、銅を含むシリサイドとなる場合がある。
また、トランジスタ100Fが有する絶縁膜115は、絶縁膜115_1と、絶縁膜115_1上の絶縁膜115_2とを有する。絶縁膜115_1としては、シリコンと酸素を含む層とし、絶縁膜115_2としては、シリコンと窒素を含む層とすることができる。絶縁膜115_1をシリコンと酸素を含む層とすることで、金属酸化物108に酸素を供給することができる。また、絶縁膜115_1上に絶縁膜115_2を設けることで、絶縁膜115_1が有する酸素が外部に放出するのを抑制する、または外部からの不純物が絶縁膜115_1及び金属酸化物108に入り込むのを抑制することができる。
なお、トランジスタ100Fのその他の構成は、先に示すトランジスタ100Bと同様であり、同様の効果を奏する。また、本実施の形態に係るトランジスタは、上記の構造のトランジスタを、それぞれ自由に組み合わせることが可能である。
<1−7.半導体装置の作製方法>
次に、本発明の一態様の半導体装置であるトランジスタ100Bの作製方法について、図7乃至図13を用いて説明する。
なお、図7(A)乃至図7(C)、図8(A)乃至図8(C)、図9(A)乃至図9(C)、図10(A)乃至図10(C)並びに図11(A)及び図11(B)は、半導体装置の作製方法を説明する断面図である。また、図7(A)乃至図7(C)、図8(A)乃至図8(C)、図9(A)乃至図9(C)、図10(A)乃至図10(C)並びに図11(A)及び図11(B)において、左側がチャネル長方向の断面図であり、右側がチャネル幅方向の断面図である。
まず、基板102上に導電膜を形成し、該導電膜をリソグラフィ工程及びエッチング工程を行い加工して、第1のゲート電極として機能する導電膜104を形成する。次に、導電膜104上に第1のゲート絶縁膜として機能する絶縁膜106を形成する(図7(A)参照)。
本実施の形態では、基板102としてガラス基板を用い、第1のゲート電極として機能する導電膜104として、厚さ50nmのチタン膜と、厚さ200nmの銅膜とを、それぞれスパッタリング法により形成する。また、絶縁膜106として厚さ400nmの窒化シリコン膜と、厚さ50nmの酸化窒化シリコン膜とをPECVD法により形成する。
なお、上記窒化シリコン膜は、第1の窒化シリコン膜と、第2の窒化シリコン膜と、第3の窒化シリコン膜とを有する、3層積層構造である。該3層積層構造の一例としては、以下のように形成することができる。
第1の窒化シリコン膜としては、例えば、流量200sccmのシラン、流量2000sccmの窒素、及び流量100sccmのアンモニアガスを原料ガスとしてPECVD装置の反応室に供給し、反応室内の圧力を100Paに制御し、27.12MHzの高周波電源を用いて2000Wの電力を供給して、厚さが50nmとなるように形成すればよい。
第2の窒化シリコン膜としては、流量200sccmのシラン、流量2000sccmの窒素、及び流量2000sccmのアンモニアガスを原料ガスとしてPECVD装置の反応室に供給し、反応室内の圧力を100Paに制御し、27.12MHzの高周波電源を用いて2000Wの電力を供給して、厚さが300nmとなるように形成すればよい。
第3の窒化シリコン膜としては、流量200sccmのシラン、及び流量5000sccmの窒素を原料ガスとしてPECVD装置の反応室に供給し、反応室内の圧力を100Paに制御し、27.12MHzの高周波電源を用いて2000Wの電力を供給して、厚さが50nmとなるように形成すればよい。
なお、上記第1の窒化シリコン膜、第2の窒化シリコン膜、及び第3の窒化シリコン膜形成時の基板温度は350℃以下とすることができる。
窒化シリコン膜を上述の3層の積層構造とすることで、例えば、導電膜104に銅を含む導電膜を用いる場合において、以下の効果を奏する。
第1の窒化シリコン膜は、導電膜104からの銅元素の拡散を抑制することができる。第2の窒化シリコン膜は、水素を放出する機能を有し、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜の耐圧を向上させることができる。第3の窒化シリコン膜は、第3の窒化シリコン膜からの水素放出が少なく、且つ第2の窒化シリコン膜からの放出される水素の拡散を抑制することができる。
また、上記第2の窒化シリコン膜の成膜前、及び成膜後にPA ALD法による処理、例えば、シランガスを供給し、その後当該シランガスを排気し、窒素ガスによるプラズマを発生させる処理を行うことで、上記第1の窒化シリコン膜、第3の窒化シリコン膜の成膜工程を省略してもよい。
次に、絶縁膜106上に金属酸化物108_1_0を形成する(図7(B)参照)。
なお、図7(B)は、絶縁膜106上に金属酸化物108_1_0を形成する際の成膜装置内部の断面模式図である。図7(B)では、成膜装置としてスパッタリング装置を用い、当該スパッタリング装置内部に設置されたターゲット191と、ターゲット191の下方に形成されるプラズマ192とが、模式的に表されている。
なお、図7(B)において、絶縁膜106に添加される酸素または過剰酸素を模式的に破線の矢印で表している。例えば、金属酸化物108_1_0の成膜時に酸素ガスを用いる場合、絶縁膜106中に酸素を添加することができる。
金属酸化物108_1_0の厚さとしては、1nm以上50nm以下、好ましくは5nm以上30nm以下とすればよい。また、金属酸化物108_1_0は、不活性ガス(代表的にはArガス)及び酸素ガスのいずれか一方または双方を用いて形成される。なお、金属酸化物108_1_0を形成する際の成膜ガス全体に占める酸素ガスの割合(以下、酸素流量比ともいう)としては、0%以上30%未満、好ましくは5%以上15%以下である。
上記範囲の酸素流量比で金属酸化物108_1_0を形成することで、金属酸化物108_1_0の結晶性を低くすることができる。
本実施の形態では、金属酸化物108_1_0の形成条件としては、In−Ga−Zn金属酸化物ターゲット(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])を用いて、スパッタリング法により形成する。また、金属酸化物108_1_0の形成時の基板温度を室温とし、成膜ガスとして流量180sccmのアルゴンガスと、流量20sccmの酸素ガスとを用いる(酸素流量比10%)。
次に、金属酸化物108_1_0上に金属酸化物108_2_0を形成する(図7(C)参照)。
なお、図7(C)は、金属酸化物108_1_0上に金属酸化物108_2_0を形成する際の成膜装置内部の断面模式図である。図7(C)では、成膜装置としてスパッタリング装置を用い、当該スパッタリング装置内部に設置されたターゲット193と、ターゲット193の下方に形成されるプラズマ194とが、模式的に表されている。
なお、図7(C)において、金属酸化物108_1_0に添加される酸素または過剰酸素を模式的に破線の矢印で表している。例えば、金属酸化物108_2_0の成膜時に酸素ガスを用いる場合、金属酸化物108_1_0中に酸素を添加することができる。
また、金属酸化物108_2_0の厚さとしては、10nmより大きく100nm以下、好ましくは20nm以上50nm以下とすればよい。また、金属酸化物108_2_0を形成する際に、酸素ガスを含む雰囲気にてプラズマを放電させると好適である。酸素ガスを含む雰囲気にてプラズマを放電させる際に、金属酸化物108_2_0の被形成面となる金属酸化物108_1_0中に酸素が添加される。なお、金属酸化物108_2_0を形成する際の酸素流量比としては、30%以上100%以下、好ましくは50%以上100%以下、さらに好ましくは70%以上100%以下である。
上記範囲の酸素流量比で金属酸化物108_2_0を形成することで、金属酸化物108_2_0の結晶性を高くすることができる。
本実施の形態では、金属酸化物108_2_0の形成条件としては、In−Ga−Zn金属酸化物ターゲット(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])を用いて、スパッタリング法により形成する。また、金属酸化物108_2_0の形成時の基板温度を室温とし、成膜ガスとして流量200sccmの酸素ガスを用いる(酸素流量比100%)。
なお、上述したように金属酸化物108_2_0の形成条件としては、金属酸化物108_1_0よりも酸素流量比を高めると好ましい。別言すると、金属酸化物108_1_0は、金属酸化物108_2_0のよりも低い酸素分圧で形成されると好ましい。
金属酸化物108_1_0と、金属酸化物108_2_0との成膜時の酸素流量比を変えることで、結晶性の異なる積層膜を形成することができる。
また、金属酸化物108_1_0及び金属酸化物108_2_0の形成時の基板温度としては、室温(25℃)以上200℃以下、好ましくは室温以上130℃以下とすればよい。基板温度を上記範囲とすることで、大面積のガラス基板(例えば、先に記載の第8世代乃至第10世代のガラス基板)を用いる場合に好適である。特に、金属酸化物108_1_0及び金属酸化物108_2_0の成膜時における基板温度を室温とすることで、基板の撓みまたは歪みを抑制することができる。なお、本明細書等において、室温とは、意図的に加熱しない温度を含む。
なお、金属酸化物108_2_0の結晶性を高めたい場合においては、金属酸化物108_2_0の形成時の基板温度を高める(例えば、100℃以上200℃以下、好ましくは130℃)と好ましい。
また、金属酸化物108_1_0及び金属酸化物108_2_0を真空中で連続して形成することで、各界面に不純物が取り込まれないため、より好適である。
また、スパッタリングガスの高純度化も必要である。例えば、スパッタリングガスとして用いる酸素ガスやアルゴンガスは、露点が−40℃以下、好ましくは−80℃以下、より好ましくは−100℃以下、より好ましくは−120℃以下にまで高純度化したガスを用いることで金属酸化物に水分等が取り込まれることを可能な限り防ぐことができる。
また、スパッタリング法で金属酸化物を成膜する場合、スパッタリング装置におけるチャンバーは、金属酸化物にとって不純物となる水等を可能な限り除去すべくクライオポンプのような吸着式の真空排気ポンプを用いて、高真空(5×10−7Paから1×10−4Pa程度まで)に排気することが好ましい。特に、スパッタリング装置の待機時における、チャンバー内のH2Oに相当するガス分子(m/z=18に相当するガス分子)の分圧を1×10−4Pa以下、好ましく5×10−5Pa以下とすることが好ましい。
次に、金属酸化物108_1_0及び金属酸化物108_2_0を所望の形状に加工することで、島状の金属酸化物108_1及び島状の金属酸化物108_2を形成する。なお、本実施の形態においては、金属酸化物108_1及び金属酸化物108_2により、島状の金属酸化物108が構成される(図8(A)参照)。
また、金属酸化物108を形成した後に、加熱処理(以下、第1の加熱処理とする)を行うと好適である。第1の加熱処理により、金属酸化物108に含まれる水素、水等を低減することができる。なお、水素、水等の低減を目的とした加熱処理は、金属酸化物108を島状に加工する前に行ってもよい。なお、第1の加熱処理は、金属酸化物の高純度化処理の一つである。
第1の加熱処理としては、例えば、150℃以上基板の歪み点未満、好ましくは200℃以上450℃以下、さらに好ましくは250℃以上350℃以下とする。
また、第1の加熱処理は、電気炉、RTA装置等を用いることができる。RTA装置を用いることで、短時間に限り基板の歪み点以上の温度で熱処理を行うことができる。そのため、加熱時間を短縮することが可能となる。また、第1の加熱処理は、窒素、酸素、超乾燥空気(水の含有量が20ppm以下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気)、または希ガス(アルゴン、ヘリウム等)の雰囲気下で行えばよい。なお、上記窒素、酸素、超乾燥空気、または希ガスに水素、水等が含まれないことが好ましい。また、窒素または希ガス雰囲気で加熱処理した後、酸素または超乾燥空気雰囲気で加熱してもよい。この結果、金属酸化物中に含まれる水素、水等を脱離させると共に、金属酸化物中に酸素を供給することができる。この結果、金属酸化物中に含まれる酸素欠損を低減することができる。
次に、絶縁膜106に開口部151を形成する(図8(B)参照)。
ウエットエッチング法、及びドライエッチング法のいずれか一方または双方を用いることで、開口部151を形成することができる。なお、開口部151は、導電膜104に達するように形成される。
次に、導電膜104、絶縁膜106、及び金属酸化物108上に導電膜112を形成する(図8(C)参照)。
本実施の形態では、導電膜112として、厚さ30nmのチタン膜と、厚さ200nmの銅膜を、それぞれ順に、スパッタリング法により成膜する。
次に、導電膜112を所望の形状に加工することで、島状の導電膜112aと、島状の導電膜112bと、島状の導電膜112cと、を形成する(図9(A)参照)。
なお、本実施の形態においては、ウエットエッチング装置を用い、導電膜112を加工する。ただし、導電膜112の加工方法としては、これに限定されず、例えば、ドライエッチング装置を用いてもよい。
また、導電膜112a、112b、112cの形成後に、金属酸化物108(より具体的には金属酸化物108_2)の表面(バックチャネル側)を洗浄してもよい。当該洗浄方法としては、例えば、リン酸等の薬液を用いた洗浄が挙げられる。リン酸等の薬液を用いて洗浄を行うことで、金属酸化物108_2の表面に付着した不純物(例えば、導電膜112a、112b、112cに含まれる元素等)を除去することができる。なお、当該洗浄を必ずしも行う必要はなく、場合によっては、洗浄を行わなくてもよい。
また、導電膜112a、112b、112cを形成する工程、及び上記洗浄工程のいずれか一方または双方において、金属酸化物108の導電膜112a、112bから露出した領域が、薄くなる場合がある。
なお、本発明の一態様の半導体装置においては、導電膜112a、112bから露出した領域、すなわち、金属酸化物108_2は結晶性が高められた金属酸化物である。結晶性が高い金属酸化物は、不純物、特に導電膜112a、112bに用いる構成元素が膜中に拡散しにくい構成である。したがって、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
また、図9(A)において、導電膜112a、112bから露出した金属酸化物108の表面、すなわち金属酸化物108_2の表面に凹部が形成される場合について例示したが、これに限定されず、導電膜112a、112bから露出した金属酸化物108の表面は、凹部を有していなくてもよい。
次に、金属酸化物108、及び導電膜112a、112b上に絶縁膜115を形成する(図9(B)、図9(C)、及び図10(A)参照)。
[絶縁膜の形成方法1(PA ALD法の形成方法)]
ここで、絶縁膜115の形成方法について、図12を参照して説明を行う。図12は、絶縁膜115の形成方法を説明するフローチャートである。
[第1のステップ]
絶縁膜115は、PECVD装置を用いて形成されると好適である。まず、金属酸化物108、及び導電膜112a、112b等が形成された基板102をPECVD装置の真空チャンバー内に導入する。その後、真空チャンバー内に原料ガスを供給し、被形成面、ここでは、金属酸化物108、及び導電膜112a、112bの表面に原料ガスを付着させる(図9(B)、図12、ステップS101参照)。
なお、図9(B)は、金属酸化物108、及び導電膜112a、112b等が形成された基板102と、PECVD装置の真空チャンバー内に原料ガス195が供給される様子と、を模式的に表している。また、原料ガス195と、不活性ガス(代表的には、アルゴン、窒素など)と、を混合して供給してもよい。
真空チャンバー内に原料ガス195を供給することで、金属酸化物108、及び導電膜112a、112bの表面に原料ガス195が原子レベルで付着する。なお、PECVD装置の真空チャンバー内における、基板102の温度としては、150℃以上450℃以下、好ましくは、200℃以上350℃以下である。
本実施の形態においては、基板温度を220℃とし、原料ガス195として、シラン(SiH4)ガスを用い、シランガスの流量を300sccmとし、窒素ガスの流量を500sccmとし、シランガスと窒素ガスとの混合ガスを真空チャンバー内に導入する。なお、混合ガスの導入時において、真空チャンバーの圧力を、40Paとなるように調整する。また、混合ガスを真空チャンバーに導入した後、基板102を5分間保持する。
[第2のステップ]
次に、原料ガスを排気する(図12、ステップS201参照)。
原料ガスを排気せずにプラズマを生成させた場合、PECVD装置の真空チャンバー内にパーティクル等が増加する場合があるため、原料ガスを排気する工程が重要となる。
[第3のステップ]
次に、窒素ガス及び酸素ガスのいずれか一方または双方を真空チャンバー内に供給し、プラズマを発生させる(図9(C)、図12、ステップS301参照)。
なお、図9(C)は、金属酸化物108、及び導電膜112a、112b等が形成された基板102と、PECVD装置の真空チャンバー内に窒素ガス及び酸素ガスのいずれか一方または双方を供給しプラズマ196が形成される様子と、を模式的に表している。
例えば、窒素ガスを用いてプラズマ196を発生させる場合、金属酸化物108、及び導電膜112a、112bの表面に付着した原料ガス195であるシランガスが反応し、金属酸化物108と、導電膜112a、112bの表面に窒化シリコン膜が堆積する。または、酸素ガスを用いてプラズマ196を発生させる場合、金属酸化物108、及び導電膜112a、112bの表面に付着した原料ガス195であるシランガスが反応し、金属酸化物108と、導電膜112a、112bの表面に酸化シリコン膜が堆積する。また、窒素ガスと、酸素ガスとの混合ガスを用いて、プラズマ196を発生させる場合、金属酸化物108、及び導電膜112a、112bの表面に付着した原料ガス195であるシランガスが反応し、金属酸化物108と、導電膜112a、112bの表面に酸化窒化シリコン膜、または窒化酸化シリコン膜が堆積する。
なお、上述した第1のステップから第3のステップは、PECVD装置の真空チャンバー内で、一貫して行われると好適である。また、上述した第1のステップから第3のステップは、複数回行ってもよい。例えば、第1のステップから第3のステップを1サイクルとする場合、1サイクル以上20サイクル以下、好ましくは1サイクル以上10サイクル以下で行えばよい。
また、上記第1のステップから第3のステップを行うことで、金属酸化物108、及び導電膜112a、112bの表面に、絶縁膜115が形成される(図10(A)参照)。
絶縁膜115としては、厚さが0.1nm以上10nm以下であればよく、好ましくは、2nm以上10nm未満である。
[絶縁膜の形成方法2(PA ALD法の形成方法)]
次に、図12に示すフローチャートと異なる、絶縁膜115の形成方法について、図13を参照して説明を行う。図13は、絶縁膜115の形成方法を説明するフローチャートである。
[第1のステップ]
まず、金属酸化物108、及び導電膜112a、112b等が形成された基板102をPECVD装置の真空チャンバー内に導入する。その後、真空チャンバー内に原料ガスを供給し、被形成面、ここでは、金属酸化物108、及び導電膜112a、112bの表面に原料ガスを付着させる(図13、ステップS101参照)。
真空チャンバー内に原料ガス195を供給することで、金属酸化物108、及び導電膜112a、112bの表面に原料ガス195が原子レベルで付着する。
本実施の形態においては、基板温度を220℃とし、原料ガス195として、シラン(SiH4)ガスを用い、シランガスの流量を300sccmとし、窒素ガスの流量を500sccmとし、シランガスと窒素ガスとの混合ガスを真空チャンバー内に導入する。なお、混合ガスの導入時において、真空チャンバーの圧力を、40Paとなるように調整する。また、混合ガスを真空チャンバーに導入した後、基板102を5分間保持する。
[第2のステップ]
次に、原料ガスを排気する(図13、ステップS201参照)。
[第3のステップ]
次に、酸素ガスを真空チャンバー内に供給し、プラズマを発生させ、第1の層を形成する(図13、ステップS311参照)。
酸素ガスを用いてプラズマを発生させる場合、金属酸化物108、及び導電膜112a、112bの表面に付着した原料ガス195であるシランガスが反応し、金属酸化物108と、導電膜112a、112bの表面に第1の層として、酸化シリコン膜が堆積する。
[第4のステップ]
次に、PECVD装置の真空チャンバー内に酸素ガスを供給し、上記形成した第1の層に酸素を添加する(図13、ステップS401参照)。
第1の層に酸素を添加することで、第1の層は、化学量論的組成よりも、過剰な酸素を有する。酸素添加処理としては、酸素を含むガス雰囲気下でプラズマを発生させればよい。
[第5のステップ]
次に、PECVD装置の真空チャンバー内に原料ガスを供給し、被形成面、ここでは、上記形成した第1の層の表面に原料ガスを付着させる(図13、ステップS501参照)。
真空チャンバー内に原料ガス195を供給することで、第1の層の表面に原料ガス195が原子レベルで付着する。
本実施の形態においては、基板温度を220℃とし、原料ガス195として、シラン(SiH4)ガスを用い、シランガスの流量を300sccmとし、窒素ガスの流量を500sccmとし、シランガスと窒素ガスとの混合ガスを真空チャンバー内に導入する。なお、混合ガスの導入時において、真空チャンバーの圧力を、40Paとなるように調整する。また、混合ガスを真空チャンバーに導入した後、基板102を5分間保持する。
[第6のステップ]
次に、原料ガスを排気する(図13、ステップS601参照)。
[第7のステップ]
次に、窒素ガスを真空チャンバー内に供給し、プラズマを発生させ、第1の層の上に第2の層を形成する(図13、ステップS701参照)。
窒素ガスを用いてプラズマを発生させる場合、第1の層の表面に付着した原料ガス195であるシランガスが反応し、第1の層の表面に第2の層として、窒化シリコン膜が堆積する。
上記第1のステップから第7のステップを行うことで、第1の層と、第2の層とが積層された絶縁膜115を形成することができる。
以上が絶縁膜115の形成方法に関する説明である。
次に、絶縁膜115上に絶縁膜116を形成する(図10(B)参照)。
例えば、絶縁膜116として、スピンコーター、スリットコーターなどを用いて、アクリル樹脂などの平坦化絶縁膜を形成すればよい。
また、絶縁膜116を形成した後に、加熱処理(以下、第2の加熱処理とする)を行うと好適である。第2の加熱処理により、絶縁膜115に含まれる酸素の一部を金属酸化物108に移動させ、金属酸化物108に含まれる酸素欠損を低減することができる。
第2の加熱処理の温度は、代表的には、400℃未満、好ましくは375℃未満、さらに好ましくは、150℃以上350℃以下とする。第2の加熱処理は、窒素、酸素、超乾燥空気(水の含有量が20ppm以下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気)、または希ガス(アルゴン、ヘリウム等)の雰囲気下で行えばよい。なお、上記窒素、酸素、超乾燥空気、または希ガスに水素、水等が含まれないことが好ましい該加熱処理には、電気炉、RTA装置等を用いることができる。
次に、絶縁膜115、及び絶縁膜116の所望の領域に開口部152a、152bを形成する(図10(C)参照)。
ウエットエッチング法、及びドライエッチング法のいずれか一方または双方を用いることで、開口部152a、152bを形成することができる。なお、開口部152aは、導電膜112bに達するように形成され、開口部152bは、導電膜112cに達するように形成される。
次に、開口部152a、152bを覆うように、絶縁膜116上に導電膜120を形成する(図11(A)参照)。
導電膜120としては、酸化物導電膜などを、スパッタリング法により形成すればよい。酸化物導電膜としては、In−Sn酸化物、In−Sn−Si酸化物、In−Zn酸化物、またはIn−Ga−Zn酸化物などを用いることができる。
次に、導電膜120を所望の形状に加工することで、島状の導電膜120aと、島状の導電膜120bと、を形成する(図11(B)参照)。
本実施の形態においては、ウエットエッチング装置を用い、導電膜120を加工する。
また、導電膜120a、120bの形成後に、先に記載の第1の加熱処理及び第2の加熱処理と同等の加熱処理(以下、第3の加熱処理とする)を行ってもよい。
第3の加熱処理を行うことで、絶縁膜115が有する酸素は、金属酸化物108中に移動し、金属酸化物108中の酸素欠損を補填する。
以上の工程で図2(A)(B)(C)に示すトランジスタ100Bを作製することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体膜として用いることができる金属酸化物について説明する。
<2−1.金属酸化物>
以下では、金属酸化物の中でも酸化物半導体について説明する。
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAC−OS(Cloud−Aligned Composite−Oxide Semiconductor)、CAAC−OS(C−axis Aligned Crystalline−Oxide Semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like oxide semiconductor)および非晶質酸化物半導体などがある。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC−OSは最も欠陥準位密度が低い。
なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、または材料の構成の一例を表す。また、本明細書等において、CAC−OSまたはCAC−metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC−OSまたはCAC−metal oxideを、トランジスタの活性層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OSまたはCAC−metal oxideに付与することができる。CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、本明細書等において、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC−OSまたはCAC−metal oxideをトランジスタのチャネル領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
まず、図15及び図16を用いて、金属酸化物の一つであるCAC−OSの構成について説明する。なお、図15及び図16は、CAC−OSの概念を表す断面模式図である。
<2−2.CAC−OSの構成>
CAC−OSとは、例えば、図15に示すように、金属酸化物を構成する元素が偏在することで、各元素を主成分とする領域001、領域002、および領域003を形成し、各領域が、混合し、モザイク状に形成される。つまり、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
なお、金属酸化物は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、元素M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウム)が含まれていてもよい。
例えば、CAC−OSの構成を有するIn−M−Zn酸化物とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、元素Mの酸化物(以下、MOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、または元素Mの亜鉛酸化物(以下、MX4ZnY4OZ4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2が、膜中に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
また、図15に示す概念が、CAC−OSの構成を有するIn−M−Zn酸化物であると仮定する。その場合、領域001がMOX3を主成分とする領域、領域002がInX2ZnY2OZ2、またはInOX1を主成分とする領域、また、領域003が少なくともZnを有する領域であるといえる。このとき、MOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と、少なくともZnを有する領域とは、周辺部が不明瞭である(ボケている)ため、それぞれ明確な境界が観察できない場合がある。
つまり、CAC−OSの構成を有するIn−M−Zn酸化物は、MOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している金属酸化物である。従って、金属酸化物を複合金属酸化物と記載する場合がある。なお、本明細書において、例えば、領域002の元素Mに対するInの原子数比が、領域001の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、領域002は、領域001と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、CAC−OSの構成を有する金属酸化物とは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は含まない。
具体的には、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(なお、CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)について説明する。In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSは、InOX1、またはInX2ZnY2OZ2と、ガリウム酸化物(以下、GaOX5(X5は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX6ZnY6OZ6(X6、Y6、およびZ6は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2がクラウド状である金属酸化物である。
つまり、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSは、GaOX5が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。また、GaOX5が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とは、周辺部が不明瞭である(ボケている)ため、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、領域001乃至領域003のサイズは、EDXマッピングで評価することができる。例えば、領域001は、断面写真のEDXマッピングにおいて、領域001の径が、0.5nm以上10nm以下、または1nm以上2nm以下で観察される場合がある。また、領域の中心部から周辺部にかけて、主成分である元素の密度は、徐々に小さくなる。例えば、EDXマッピングでカウントできる元素の個数(以下、存在量ともいう)が、中心部から周辺部に向けて傾斜すると、断面写真のEDXマッピングにおいて、領域の周辺部が不明瞭な(ボケた)状態で観察される。例えば、GaOX5が主成分である領域において、Ga原子は、中心部から周辺部にかけて徐々に減少し、代わりに、Zn原子が増加することで、GaX6ZnY6OZ6が主成分である領域へと段階的に変化する。従って、EDXマッピングにおいて、GaOX5が主成分である領域の周辺部は不明瞭な(ボケた)状態で観察される。
ここで、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1−x0)O3(ZnO)m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC(c−axis aligned crystalline)構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した層状の結晶構造である。
本明細書等において、CAC−IGZOとは、In、Ga、Zn、およびOを含む金属酸化物において、Gaを主成分とする複数の領域と、Inを主成分とする複数の領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している状態の金属酸化物と定義することができる。
例えば、図15に示す概念図において、領域001がGaを主成分とする領域に相当し、領域002がInを主成分とする領域に相当する。また、図15に示す概念図において、領域003が亜鉛を含む領域に相当する。なお、Gaを主成分とする領域、及びInを主成分とする領域を、それぞれナノ粒子と呼称してもよい。当該ナノ粒子は、粒子の径が0.5nm以上10nm以下、代表的には1nm以上2nm以下である。また、上記ナノ粒子は、周辺部が不明瞭である(ボケている)ため、明確な境界が観察できない場合がある。
また、図16は、図15に示す概念図の変形例である。図16に示すように、領域001、領域002、及び領域003は、それぞれの形状または密度が金属酸化物の形成条件によって、異なる場合がある。
なお、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSにおける結晶性は、電子線回折で評価することができる。例えば、電子線回折パターン像において、リング状に輝度の高い領域が観察される。また、リング状の領域に複数のスポットが観察される場合がある。
以上より、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSは、GaOX5などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムが含まれている場合、CAC−OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
ここで、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX5などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。なお、別言すると導電性の高い領域は、相対的にIn比の高い領域である。以下の説明において、相対的にIn比の高い領域を、便宜的にIn−Rich領域と記載する場合がある。つまり、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、導電性が発現する。従って、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域が、金属酸化物中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX5などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。なお、別言すると絶縁性の高い領域は、相対的にGa比の高い領域である。以下の説明において、相対的にGa比の高い領域を、便宜的にGa−Rich領域と記載する場合がある。つまり、GaOX5などが主成分である領域が、金属酸化物中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
従って、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSを半導体素子に用いた場合、GaOX5などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、高い電界効果移動度(μ)、および、低いオフ電流(Ioff)を実現することができる。
なお、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態においては、先の実施の形態で例示したトランジスタを有する表示装置の一例について、図17乃至図19を用いて以下説明を行う。
図17は、表示装置の一例を示す上面図である。図17に示す表示装置700は、第1の基板701上に設けられた画素部702と、第1の基板701に設けられたソースドライバ回路部704及びゲートドライバ回路部706と、画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706を囲むように配置されるシール材712と、第1の基板701に対向するように設けられる第2の基板705と、を有する。なお、第1の基板701と第2の基板705は、シール材712によって封止されている。すなわち、画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706は、第1の基板701とシール材712と第2の基板705によって封止されている。なお、図17には図示しないが、第1の基板701と第2の基板705の間には表示素子が設けられる。
また、表示装置700は、第1の基板701上のシール材712によって囲まれている領域とは異なる領域に、画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706と、それぞれ電気的に接続されるFPC端子部708(FPC:Flexible printed circuit)が設けられる。また、FPC端子部708には、FPC716が接続され、FPC716によって画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706に各種信号等が供給される。また、画素部702、ソースドライバ回路部704、ゲートドライバ回路部706、及びFPC端子部708には、信号線710が各々接続されている。FPC716により供給される各種信号等は、信号線710を介して、画素部702、ソースドライバ回路部704、ゲートドライバ回路部706、及びFPC端子部708に与えられる。
また、表示装置700にゲートドライバ回路部706を複数設けてもよい。また、表示装置700としては、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706を画素部702と同じ第1の基板701に形成している例を示しているが、この構成に限定されない。例えば、ゲートドライバ回路部706のみを第1の基板701に形成しても良い、またはソースドライバ回路部704のみを第1の基板701に形成しても良い。この場合、ソースドライバ回路またはゲートドライバ回路等が形成された基板(例えば、単結晶半導体膜、多結晶半導体膜で形成された駆動回路基板)を、第1の基板701に形成する構成としても良い。なお、別途形成した駆動回路基板の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG(Chip On Glass)方法、ワイヤボンディング方法などを用いることができる。
また、表示装置700が有する画素部702、ソースドライバ回路部704及びゲートドライバ回路部706は、複数のトランジスタを有しており、本発明の一態様の半導体装置であるトランジスタを適用することができる。
また、表示装置700は、様々な素子を有することが出来る。該素子の一例としては、例えば、エレクトロルミネッセンス(EL)素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子、LEDなど)、発光トランジスタ素子(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、液晶素子、電子インク素子、電気泳動素子、エレクトロウェッティング素子、プラズマディスプレイパネル(PDP)、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)ディスプレイ(例えば、グレーティングライトバルブ(GLV)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、デジタル・マイクロ・シャッター(DMS)素子、インターフェロメトリック・モジュレーション(IMOD)素子など)、圧電セラミックディスプレイなどが挙げられる。
また、EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディスプレイなどがある。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)又はSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Display)などがある。液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。電子インク素子又は電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパーなどがある。なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一部、または、全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらに、その場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより、さらに、消費電力を低減することができる。
なお、表示装置700における表示方式は、プログレッシブ方式やインターレース方式等を用いることができる。また、カラー表示する際に画素で制御する色要素としては、RGB(Rは赤、Gは緑、Bは青を表す)の三色に限定されない。例えば、Rの画素とGの画素とBの画素とW(白)の画素の四画素から構成されてもよい。または、ペンタイル配列のように、RGBのうちの2色分で一つの色要素を構成し、色要素によって、異なる2色を選択して構成してもよい。またはRGBに、イエロー、シアン、マゼンタ等を一色以上追加してもよい。なお、色要素のドット毎にその表示領域の大きさが異なっていてもよい。ただし、開示する発明はカラー表示の表示装置に限定されるものではなく、モノクロ表示の表示装置に適用することもできる。
また、バックライト(有機EL素子、無機EL素子、LED、蛍光灯など)に白色発光(W)を用いて表示装置をフルカラー表示させるために、着色層(カラーフィルタともいう。)を用いてもよい。着色層は、例えば、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、イエロー(Y)などを適宜組み合わせて用いることができる。着色層を用いることで、着色層を用いない場合と比べて色の再現性を高くすることができる。このとき、着色層を有する領域と、着色層を有さない領域と、を配置することによって、着色層を有さない領域における白色光を直接表示に利用しても構わない。一部に着色層を有さない領域を配置することで、明るい表示の際に、着色層による輝度の低下を少なくでき、消費電力を2割から3割程度低減できる場合がある。ただし、有機EL素子や無機EL素子などの自発光素子を用いてフルカラー表示する場合、R、G、B、Y、Wを、それぞれの発光色を有する素子から発光させても構わない。自発光素子を用いることで、着色層を用いた場合よりも、さらに消費電力を低減できる場合がある。
また、カラー化方式としては、上述の白色発光からの発光の一部をカラーフィルタを通すことで赤色、緑色、青色に変換する方式(カラーフィルタ方式)の他、赤色、緑色、青色の発光をそれぞれ用いる方式(3色方式)、または青色発光からの発光の一部を赤色や緑色に変換する方式(色変換方式、量子ドット方式)を適用してもよい。
本実施の形態においては、表示素子としてEL素子及び液晶素子を用いる構成について、図18及び図19を用いて説明する。なお、図18は、図17に示す一点鎖線Q−Rにおける断面図であり、表示素子としてEL素子を用いた構成である。また、図19は、図17に示す一点鎖線Q−Rにおける断面図であり、表示素子として液晶素子を用いた構成である。
まず、図18及び図19に示す共通部分について最初に説明し、次に異なる部分について以下説明する。
<3−1.表示装置の共通部分に関する説明>
図18及び図19に示す表示装置700は、引き回し配線部711と、画素部702と、ソースドライバ回路部704と、FPC端子部708と、を有する。また、引き回し配線部711は、信号線710を有する。また、画素部702は、トランジスタ750及び容量素子790を有する。また、ソースドライバ回路部704は、トランジスタ752を有する。
トランジスタ750及びトランジスタ752は、先に示すトランジスタ100Eと同様の構成である。なお、トランジスタ750及びトランジスタ752の構成については、先の実施の形態に示す、その他のトランジスタを用いてもよい。
本実施の形態で用いるトランジスタは、高純度化し、酸素欠損の形成を抑制した金属酸化物を有する。該トランジスタは、オフ電流を低くすることができる。よって、画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、電源オン状態では書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏する。
また、本実施の形態で用いるトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。例えば、このような高速駆動が可能なトランジスタを液晶表示装置に用いることで、画素部のスイッチングトランジスタと、駆動回路部に使用するドライバトランジスタを同一基板上に形成することができる。すなわち、別途駆動回路として、シリコンウェハ等により形成された半導体装置を用いる必要がないため、半導体装置の部品点数を削減することができる。また、画素部においても、高速駆動が可能なトランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。
容量素子790は、トランジスタ750が有する第1のゲート電極と機能する導電膜と同一の導電膜を加工する工程を経て形成される下部電極と、トランジスタ750が有するソース電極及びドレイン電極として機能する導電膜と同一の導電膜を加工する工程を経て形成される上部電極と、を有する。また、下部電極と上部電極との間には、トランジスタ750が有する第1のゲート絶縁膜として機能する絶縁膜と同一の絶縁膜を形成する工程を経て形成される絶縁膜が設けられる。すなわち、容量素子790は、一対の電極間に誘電体膜として機能する絶縁膜が挟持された積層型の構造である。
また、図18及び図19において、トランジスタ750、トランジスタ752、及び容量素子790上に平坦化絶縁膜770が設けられている。
平坦化絶縁膜770としては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等の耐熱性を有する有機材料を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、平坦化絶縁膜770を形成してもよい。また、平坦化絶縁膜770を設けない構成としてもよい。
また、図18及び図19においては、画素部702が有するトランジスタ750と、ソースドライバ回路部704が有するトランジスタ752と、を同じ構造のトランジスタを用いる構成について例示したが、これに限定されない。例えば、画素部702と、ソースドライバ回路部704とは、異なるトランジスタを用いてもよい。具体的には、画素部702にスタガ型のトランジスタを用い、ソースドライバ回路部704に実施の形態1に示す逆スタガ型のトランジスタを用いる構成、あるいは画素部702に実施の形態1に示す逆スタガ型のトランジスタを用い、ソースドライバ回路部704にスタガ型のトランジスタを用いる構成などが挙げられる。なお、上記のソースドライバ回路部704を、ゲートドライバ回路部と読み替えてもよい。
また、信号線710は、トランジスタ750、752のソース電極及びドレイン電極として機能する導電膜と同じ工程を経て形成される。信号線710として、例えば、銅元素を含む材料を用いた場合、配線抵抗に起因する信号遅延等が少なく、大画面での表示が可能となる。
また、FPC端子部708は、接続電極760、異方性導電膜780、及びFPC716を有する。なお、接続電極760は、トランジスタ750、752のソース電極及びドレイン電極として機能する導電膜と同じ工程を経て形成される。また、接続電極760は、FPC716が有する端子と異方性導電膜780を介して、電気的に接続される。
また、第1の基板701及び第2の基板705としては、例えばガラス基板を用いることができる。また、第1の基板701及び第2の基板705として、可撓性を有する基板を用いてもよい。該可撓性を有する基板としては、例えばプラスチック基板等が挙げられる。
また、第1の基板701と第2の基板705の間には、構造体778が設けられる。構造体778は、絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、第1の基板701と第2の基板705の間の距離(セルギャップ)を制御するために設けられる。なお、構造体778として、球状のスペーサを用いていても良い。
また、第2の基板705側には、ブラックマトリクスとして機能する遮光膜738と、カラーフィルタとして機能する着色膜736と、遮光膜738及び着色膜736に接する絶縁膜734が設けられる。
<3−2.表示装置が有する入出力装置の構成例>
また、図18及び図19に示す表示装置700には入出力装置として、タッチパネル791が設けられている。なお、表示装置700にタッチパネル791を設けない構成としてもよい。
図18及び図19に示すタッチパネル791は、第2の基板705と着色膜736との間に設けられる、所謂インセル型のタッチパネルである。タッチパネル791は、遮光膜738、及び着色膜736を形成する前に、第2の基板705側に形成すればよい。
なお、タッチパネル791は、遮光膜738と、絶縁膜792と、電極793と、電極794と、絶縁膜795と、電極796と、絶縁膜797と、を有する。例えば、指やスタイラスなどの被検知体が近接することで、電極793と、電極794との相互容量の変化を検知することができる。
また、図18及び図19に示すトランジスタ750の上方においては、電極793と、電極794との交差部を明示している。電極796は、絶縁膜795に設けられた開口部を介して、電極794を挟む2つの電極793と電気的に接続されている。なお、図18及び図19においては、電極796が設けられる領域を画素部702に設ける構成を例示したが、これに限定されず、例えば、ソースドライバ回路部704に形成してもよい。
電極793及び電極794は、遮光膜738と重なる領域に設けられる。また、図18に示すように、電極793は、発光素子782と重ならないように設けられると好ましい。また、図19に示すように、電極793は、液晶素子775と重ならないように設けられると好ましい。別言すると、電極793は、発光素子782及び液晶素子775と重なる領域に開口部を有する。すなわち、電極793はメッシュ形状を有する。このような構成とすることで、電極793は、発光素子782が射出する光を遮らない構成とすることができる。または、電極793は、液晶素子775を透過する光を遮らない構成とすることができる。したがって、タッチパネル791を配置することによる輝度の低下が極めて少ないため、視認性が高く、且つ消費電力が低減された表示装置を実現できる。なお、電極794も同様の構成とすればよい。
また、電極793及び電極794が発光素子782と重ならないため、電極793及び電極794には、可視光の透過率が低い金属材料を用いることができる。または、電極793及び電極794が液晶素子775と重ならないため、電極793及び電極794には、可視光の透過率が低い金属材料を用いることができる。
そのため、可視光の透過率が高い酸化物材料を用いた電極と比較して、電極793及び電極794の抵抗を低くすることが可能となり、タッチパネルのセンサ感度を向上させることができる。
例えば、電極793、794、796には、導電性のナノワイヤを用いてもよい。当該ナノワイヤは、直径の平均値が1nm以上100nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下、より好ましくは5nm以上25nm以下の大きさとすればよい。また、上記ナノワイヤとしては、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、またはAlナノワイヤ等の金属ナノワイヤ、あるいは、カーボンナノチューブなどを用いればよい。例えば、電極793、794、796のいずれか一つあるいは全部にAgナノワイヤを用いる場合、可視光における光透過率を89%以上、シート抵抗値を40Ω/□以上100Ω/□以下とすることができる。
また、図18及び図19においては、インセル型のタッチパネルの構成について例示したが、これに限定されない。例えば、表示装置700上に形成する、所謂オンセル型のタッチパネルや、表示装置700に貼り合わせて用いる、所謂アウトセル型のタッチパネルとしてもよい。このように、本発明の一態様の表示装置700は、様々な形態のタッチパネルと組み合わせて用いることができる。
<3−3.発光素子を用いる表示装置>
図18に示す表示装置700は、発光素子782を有する。発光素子782は、導電膜772、EL層786、及び導電膜788を有する。図18に示す表示装置700は、発光素子782が有するEL層786が発光することによって、画像を表示することができる。なお、EL層786は、有機化合物、または量子ドットなどの無機化合物を有する。
有機化合物に用いることのできる材料としては、蛍光性材料または燐光性材料などが挙げられる。また、量子ドットに用いることのできる材料としては、コロイド状量子ドット材料、合金型量子ドット材料、コア・シェル型量子ドット材料、コア型量子ドット材料、などが挙げられる。また、12族と16族、13族と15族、または14族と16族の元素グループを含む材料を用いてもよい。または、カドミウム(Cd)、セレン(Se)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)、リン(P)、インジウム(In)、テルル(Te)、鉛(Pb)、ガリウム(Ga)、ヒ素(As)、アルミニウム(Al)、等の元素を有する量子ドット材料を用いてもよい。
また、図18に示す表示装置700には、平坦化絶縁膜770及び導電膜772上に絶縁膜730が設けられる。絶縁膜730は、導電膜772の一部を覆う。なお、発光素子782はトップエミッション構造である。したがって、導電膜788は透光性を有し、EL層786が発する光を透過する。なお、本実施の形態においては、トップエミッション構造について、例示するが、これに限定されない。例えば、導電膜772側に光を射出するボトムエミッション構造や、導電膜772及び導電膜788の双方に光を射出するデュアルエミッション構造にも適用することができる。
また、発光素子782と重なる位置に、着色膜736が設けられ、絶縁膜730と重なる位置、引き回し配線部711、及びソースドライバ回路部704に遮光膜738が設けられている。また、着色膜736及び遮光膜738は、絶縁膜734で覆われている。また、発光素子782と絶縁膜734の間は封止膜732で充填されている。なお、図18に示す表示装置700においては、着色膜736を設ける構成について例示したが、これに限定されない。例えば、EL層786を塗り分けにより形成する場合においては、着色膜736を設けない構成としてもよい。
<3−4.液晶素子を用いる表示装置の構成例>
図19に示す表示装置700は、液晶素子775を有する。液晶素子775は、導電膜772、絶縁膜773、導電膜774、及び液晶層776を有する。導電膜774は、共通電極(コモン電極ともいう)としての機能を有し、絶縁膜773を介して、導電膜772と導電膜774との間に生じる電界によって、液晶層776の配向状態を制御することができる。図19に示す表示装置700は、導電膜772と導電膜774に印加される電圧によって、液晶層776の配向状態が変わることによって光の透過、非透過が制御され画像を表示することができる。
また、導電膜772は、トランジスタ750が有するソース電極及びドレイン電極として機能する導電膜と電気的に接続される。導電膜772は、平坦化絶縁膜770上に形成され画素電極、すなわち表示素子の一方の電極として機能する。
導電膜772としては、可視光において透光性のある導電膜、または可視光において反射性のある導電膜を用いることができる。可視光において透光性のある導電膜としては、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)の中から選ばれた一種を含む材料を用いるとよい。可視光において反射性のある導電膜としては、例えば、アルミニウム、または銀を含む材料を用いるとよい。本実施の形態においては、導電膜772として、可視光において、反射性のある導電膜を用いる。
なお、図19においては、導電膜772をトランジスタ750のドレイン電極として機能する導電膜に接続する構成について例示したが、これに限定されない。例えば、接続電極として機能する導電膜を間に挟んでトランジスタ750のドレイン電極として機能する導電膜と電気的に接続させる構成としてもよい。
また、図19において図示しないが、液晶層776と接する位置に、配向膜を設ける構成としてもよい。また、図19において図示しないが、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などは適宜設けてもよい。例えば、偏光基板及び位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。
表示素子として液晶素子を用いる場合、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性であるため配向処理が不要である。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。また、ブルー相を示す液晶材料は、視野角依存性が小さい。
また、表示素子として液晶素子を用いる場合、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
また、ノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂直配向(VA)モードを採用した透過型の液晶表示装置としてもよい。垂直配向モードとしては、いくつか挙げられるが、例えば、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASVモードなどを用いることができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を用いた表示装置の表示部等に用いることのできる表示パネルの一例について、図20及び図21を用いて説明する。以下で例示する表示パネルは、反射型の液晶素子と、発光素子との双方を有し、透過モードと反射モードの両方の表示を行うことのできる、表示パネルである。
<4−1.表示パネルの構成例>
図20は、本発明の一態様の表示パネル600の斜視概略図である。表示パネル600は、基板651と基板661とが貼り合わされた構成を有する。図20では、基板661を破線で明示している。
表示パネル600は、表示部662、回路659、配線666等を有する。基板651には、例えば回路659、配線666、及び画素電極として機能する導電膜663等が設けられる。また図20では基板651上にIC673とFPC672が実装されている例を示している。そのため、図20に示す構成は、表示パネル600とFPC672及びIC673を有する表示モジュールと言うこともできる。
回路659は、例えば走査線駆動回路として機能する回路を用いることができる。
配線666は、表示部や回路659に信号や電力を供給する機能を有する。当該信号や電力は、FPC672を介して外部、またはIC673から配線666に入力される。
また、図20では、COG(Chip On Glass)方式等により、基板651にIC673が設けられている例を示している。IC673は、例えば走査線駆動回路、または信号線駆動回路などとしての機能を有するICを適用できる。なお表示パネル600が走査線駆動回路及び信号線駆動回路として機能する回路を備える場合や、走査線駆動回路や信号線駆動回路として機能する回路を外部に設け、FPC672を介して表示パネル600を駆動するための信号を入力する場合などでは、IC673を設けない構成としてもよい。また、IC673を、COF(Chip On Film)方式等により、FPC672に実装してもよい。
図20には、表示部662の一部の拡大図を示している。表示部662には、複数の表示素子が有する導電膜663がマトリクス状に配置されている。導電膜663は、可視光を反射する機能を有し、後述する液晶素子640の反射電極として機能する。
また、図20に示すように、導電膜663は開口を有する。さらに導電膜663よりも基板651側に、発光素子660を有する。発光素子660からの光は、導電膜663の開口を介して基板661側に射出される。
<4−2.断面構成例>
図21に、図20で例示した表示パネルの、FPC672を含む領域の一部、回路659を含む領域の一部、及び表示部662を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
表示パネルは、基板651と基板661の間に、絶縁膜620を有する。また基板651と絶縁膜620の間に、発光素子660、トランジスタ601、トランジスタ605、トランジスタ606、着色層634等を有する。また絶縁膜620と基板661の間に、液晶素子640、着色層631等を有する。また基板661と絶縁膜620は接着層641を介して接着され、基板651と絶縁膜620は接着層642を介して接着されている。
トランジスタ606は、液晶素子640と電気的に接続し、トランジスタ605は、発光素子660と電気的に接続する。トランジスタ605とトランジスタ606は、いずれも絶縁膜620の基板651側の面上に形成されているため、これらを同一の工程を用いて作製することができる。
基板661には、着色層631、遮光膜632、絶縁膜621、及び液晶素子640の共通電極として機能する導電膜613、配向膜633b、絶縁膜617等が設けられている。絶縁膜617は、液晶素子640のセルギャップを保持するためのスペーサとして機能する。
絶縁膜620の基板651側には、絶縁膜681、絶縁膜682、絶縁膜683、絶縁膜684、絶縁膜685等の絶縁層が設けられている。絶縁膜681は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁膜682、絶縁膜683、及び絶縁膜684は、各トランジスタを覆って設けられている。また絶縁膜684を覆って絶縁膜685が設けられている。絶縁膜684及び絶縁膜685は、平坦化層としての機能を有する。なお、ここではトランジスタ等を覆う絶縁層として、絶縁膜682、絶縁膜683、絶縁膜684の3層を有する場合について示しているが、これに限られず4層以上であってもよいし、単層、または2層であってもよい。また平坦化層として機能する絶縁膜684は、不要であれば設けなくてもよい。
また、トランジスタ601、トランジスタ605、及びトランジスタ606は、一部がゲートとして機能する導電膜654、一部がソース又はドレインとして機能する導電膜652、半導体膜653を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。
液晶素子640は反射型の液晶素子である。液晶素子640は、導電膜635、液晶層612、導電膜613が積層された積層構造を有する。また導電膜635の基板651側に接して、可視光を反射する導電膜663が設けられている。導電膜663は開口655を有する。また導電膜635及び導電膜613は可視光を透過する材料を含む。また液晶層612と導電膜635の間に配向膜633aが設けられ、液晶層612と導電膜613の間に配向膜633bが設けられている。また、基板661の外側の面には、偏光板656を有する。
液晶素子640において、導電膜663は可視光を反射する機能を有し、導電膜613は可視光を透過する機能を有する。基板661側から入射した光は、偏光板656により偏光され、導電膜613、液晶層612を透過し、導電膜663で反射する。そして液晶層612及び導電膜613を再度透過して、偏光板656に達する。このとき、導電膜663と導電膜613の間に与える電圧によって液晶の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板656を介して射出される光の強度を制御することができる。また光は着色層631によって特定の波長領域以外の光が吸収されることにより、取り出される光は、例えば赤色を呈する光となる。
発光素子660は、ボトムエミッション型の発光素子である。発光素子660は、絶縁膜620側から導電膜643、EL層644、及び導電膜645bの順に積層された積層構造を有する。また導電膜645bを覆って導電膜645aが設けられている。導電膜645bは可視光を反射する材料を含み、導電膜643及び導電膜645aは可視光を透過する材料を含む。発光素子660が発する光は、着色層634、絶縁膜620、開口655、導電膜613等を介して、基板661側に射出される。
ここで、図21に示すように、開口655には可視光を透過する導電膜635が設けられていることが好ましい。これにより、開口655と重なる領域においてもそれ以外の領域と同様に液晶が配向するため、これらの領域の境界部で液晶の配向不良が生じ、意図しない光が漏れてしまうことを抑制できる。
ここで、基板661の外側の面に配置する偏光板656として直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。これにより、外光反射を抑制することができる。また、偏光板の種類に応じて、液晶素子640に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。
また導電膜643の端部を覆う絶縁膜646上には、絶縁膜647が設けられている。絶縁膜647は、絶縁膜620と基板651が必要以上に接近することを抑制するスペーサとしての機能を有する。またEL層644や導電膜645aを遮蔽マスク(メタルマスク)を用いて形成する場合には、当該遮蔽マスクが被形成面に接触することを抑制する機能を有していてもよい。なお、絶縁膜647は不要であれば設けなくてもよい。
トランジスタ605のソース又はドレインの一方は、導電膜648を介して発光素子660の導電膜643と電気的に接続されている。
トランジスタ606のソース又はドレインの一方は、接続部607を介して導電膜663と電気的に接続されている。導電膜663と導電膜635は接して設けられ、これらは電気的に接続されている。ここで、接続部607は、絶縁膜620に設けられた開口を介して、絶縁膜620の両面に設けられる導電層同士を接続する部分である。
基板651と基板661とが重ならない領域には、接続部604が設けられている。接続部604は、接続層649を介してFPC672と電気的に接続されている。接続部604は接続部607と同様の構成を有している。接続部604の上面は、導電膜635と同一の導電膜を加工して得られた導電層が露出している。これにより、接続部604とFPC672とを接続層649を介して電気的に接続することができる。
接着層641が設けられる一部の領域には、接続部687が設けられている。接続部687において、導電膜635と同一の導電膜を加工して得られた導電層と、導電膜613の一部が、接続体686により電気的に接続されている。したがって、基板661側に形成された導電膜613に、基板651側に接続されたFPC672から入力される信号または電位を、接続部687を介して供給することができる。
接続体686としては、例えば導電性の粒子を用いることができる。導電性の粒子としては、有機樹脂またはシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したものを用いることができる。金属材料としてニッケルや金を用いると接触抵抗を低減できるため好ましい。またニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子を用いることが好ましい。また接続体686として、弾性変形、または塑性変形する材料を用いることが好ましい。このとき導電性の粒子である接続体686は、図21に示すように上下方向に潰れた形状となる場合がある。こうすることで、接続体686と、これと電気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗を低減できるほか、接続不良などの不具合の発生を抑制することができる。
接続体686は、接着層641に覆われるように配置することが好ましい。例えば、硬化前の接着層641に接続体686を分散させておけばよい。
図21では、回路659の例としてトランジスタ601が設けられている例を示している。
図21では、トランジスタ601及びトランジスタ605の例として、チャネルが形成される半導体膜653を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。一方のゲートは導電膜654により、他方のゲートは絶縁膜682を介して半導体膜653と重なる導電膜623により構成されている。このような構成とすることで、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。このとき、2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。このようなトランジスタは他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速駆動が可能な回路を作製することができる。さらには、回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示パネルを大型化、または高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することができる。
なお、回路659が有するトランジスタと、表示部662が有するトランジスタは、同じ構造であってもよい。また回路659が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。また、表示部662が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。
各トランジスタを覆う絶縁膜682、絶縁膜683のうち少なくとも一方は、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。すなわち、絶縁膜682または絶縁膜683はバリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに対して外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能となり、信頼性の高い表示パネルを実現できる。
基板661側において、着色層631、遮光膜632を覆って絶縁膜621が設けられている。絶縁膜621は、平坦化層としての機能を有していてもよい。絶縁膜621により、導電膜613の表面を概略平坦にできるため、液晶層612の配向状態を均一にできる。
表示パネル600を作製する方法の一例について説明する。例えば剥離層を有する支持基板上に、導電膜635、導電膜663、絶縁膜620を順に形成し、その後、トランジスタ605、トランジスタ606、発光素子660等を形成した後、接着層642を用いて基板651と支持基板を貼り合せる。その後、剥離層と絶縁膜620、及び剥離層と導電膜635のそれぞれの界面で剥離することにより、支持基板及び剥離層を除去する。またこれとは別に、着色層631、遮光膜632、導電膜613等をあらかじめ形成した基板661を準備する。そして基板651または基板661に液晶を滴下し、接着層641により基板651と基板661を貼り合せることで、表示パネル600を作製することができる。
剥離層としては、絶縁膜620及び導電膜635との界面で剥離が生じる材料を適宜選択することができる。特に、剥離層としてタングステンなどの高融点金属材料を含む層と当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁膜620として、窒化シリコンや酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等を複数積層した層を用いることが好ましい。剥離層に高融点金属材料を用いると、これよりも後に形成する層の形成温度を高めることが可能で、不純物の濃度が低減され、信頼性の高い表示パネルを実現できる。
導電膜635としては、金属酸化物、金属窒化物を用いることが好ましい。
<4−3.各構成要素について>
以下では、上記に示す各構成要素について説明する。なお、先の実施の形態に示す機能と同様の機能を有する構成についての説明は省略する。
〔接着層〕
接着層としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いることができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が素子に侵入することを抑制でき、表示パネルの信頼性が向上するため好ましい。
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラーや光散乱部材を混合することにより、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、ゼオライト、ジルコニウム等を用いることができる。
〔接続層〕
接続層としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
〔着色層〕
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料または染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
〔遮光層〕
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属などの無機材料の薄膜であってもよい。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか工程を簡略化できるため好ましい。
以上が各構成要素についての説明である。
<4−4.作製方法例>
ここでは、可撓性を有する基板を用いた表示パネルの作製方法の例について説明する。
ここでは、表示素子、回路、配線、電極、着色層や遮光層などの光学部材、及び絶縁層等が含まれる層をまとめて素子層と呼ぶこととする。例えば、素子層は表示素子を含み、表示素子の他に表示素子と電気的に接続する配線、画素や回路に用いるトランジスタなどの素子を備えていてもよい。
また、ここでは、表示素子が完成した(作製工程が終了した)段階において、素子層を支持し、可撓性を有する部材のことを、基板と呼ぶこととする。例えば、基板には、厚さが10nm以上300μm以下の、極めて薄いフィルム等も含まれる。
可撓性を有し、絶縁表面を備える基板上に素子層を形成する方法としては、代表的には以下に挙げる2つの方法がある。一つは、基板上に直接、素子層を形成する方法である。もう一つは、基板とは異なる支持基板上に素子層を形成した後、素子層と支持基板を剥離し、素子層を基板に転置する方法である。なお、ここでは詳細に説明しないが、上記2つの方法に加え、可撓性を有さない基板上に素子層を形成し、当該基板を研磨等により薄くすることで可撓性を持たせる方法もある。
基板を構成する材料が、素子層の形成工程にかかる熱に対して耐熱性を有する場合には、基板上に直接、素子層を形成すると、工程が簡略化されるため好ましい。このとき、基板を支持基板に固定した状態で素子層を形成すると、装置内、及び装置間における搬送が容易になるため好ましい。
また、素子層を支持基板上に形成した後に、基板に転置する方法を用いる場合、まず支持基板上に剥離層と絶縁層を積層し、当該絶縁層上に素子層を形成する。続いて、支持基板と素子層の間で剥離し、素子層を基板に転置する。このとき、支持基板と剥離層の界面、剥離層と絶縁層の界面、または剥離層中で剥離が生じるような材料を選択すればよい。この方法では、支持基板や剥離層に耐熱性の高い材料を用いることで、素子層を形成する際にかかる温度の上限を高めることができ、より信頼性の高い素子を有する素子層を形成できるため、好ましい。
例えば剥離層として、タングステンなどの高融点金属材料を含む層と、当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁層として、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコンなどを複数積層した層を用いることが好ましい。
素子層と支持基板とを剥離する方法としては、機械的な力を加えることや、剥離層をエッチングすること、または剥離界面に液体を浸透させることなどが、一例として挙げられる。または、剥離界面を形成する2層の熱膨張率の違いを利用し、加熱または冷却することにより剥離を行ってもよい。
また、支持基板と絶縁層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい。
例えば、支持基板としてガラスを用い、絶縁層としてポリイミドなどの有機樹脂を用いることができる。このとき、レーザ光等を用いて有機樹脂の一部を局所的に加熱する、または鋭利な部材により物理的に有機樹脂の一部を切断、または貫通すること等により剥離の起点を形成し、ガラスと有機樹脂の界面で剥離を行ってもよい。また、上記の有機樹脂としては、感光性の材料を用いると、開口部などの形状を容易に作製しやすいため好適である。また、上記のレーザ光としては、例えば、可視光線から紫外線の波長領域の光であることが好ましい。例えば波長が200nm以上400nm以下の光、好ましくは波長が250nm以上350nm以下の光を用いることができる。特に、波長308nmのエキシマレーザを用いると、生産性に優れるため好ましい。また、Nd:YAGレーザの第三高調波である波長355nmのUVレーザなどの固体UVレーザ(半導体UVレーザともいう)を用いてもよい。
または、支持基板と有機樹脂からなる絶縁層の間に発熱層を設け、当該発熱層を加熱することにより、当該発熱層と絶縁層の界面で剥離を行ってもよい。発熱層としては、電流を流すことにより発熱する材料、光を吸収することにより発熱する材料、磁場を印加することにより発熱する材料など、様々な材料を用いることができる。例えば発熱層としては、半導体、金属、絶縁体から選択して用いることができる。
なお、上述した方法において、有機樹脂からなる絶縁層は、剥離後に基板として用いることができる。
以上が可撓性を有する表示パネルを作製する方法についての説明である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を有する表示モジュール及び電子機器について、図22乃至図24を用いて説明を行う。
<5−1.表示モジュール>
図22に示す表示モジュール7000は、上部カバー7001と下部カバー7002との間に、FPC7003に接続されたタッチパネル7004、FPC7005に接続された表示パネル7006、バックライト7007、フレーム7009、プリント基板7010、バッテリ7011を有する。
本発明の一態様の半導体装置は、例えば、表示パネル7006に用いることができる。
上部カバー7001及び下部カバー7002は、タッチパネル7004及び表示パネル7006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
タッチパネル7004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル7006に重畳して用いることができる。また、表示パネル7006の対向基板(封止基板)に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。また、表示パネル7006の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチパネルとすることも可能である。
バックライト7007は、光源7008を有する。なお、図22において、バックライト7007上に光源7008を配置する構成について例示したが、これに限定されない。例えば、バックライト7007の端部に光源7008を配置し、さらに光拡散板を用いる構成としてもよい。なお、有機EL素子等の自発光型の発光素子を用いる場合、または反射型パネル等の場合においては、バックライト7007を設けない構成としてもよい。
フレーム7009は、表示パネル7006の保護機能の他、プリント基板7010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム7009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板7010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ7011による電源であってもよい。バッテリ7011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュール7000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
<5−2.電子機器1>
次に、図23(A)乃至図23(E)に電子機器の一例を示す。
図23(A)は、ファインダー8100を取り付けた状態のカメラ8000の外観を示す図である。
カメラ8000は、筐体8001、表示部8002、操作ボタン8003、シャッターボタン8004等を有する。またカメラ8000には、着脱可能なレンズ8006が取り付けられている。
ここではカメラ8000として、レンズ8006を筐体8001から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ8006と筐体が一体となっていてもよい。
カメラ8000は、シャッターボタン8004を押すことにより、撮像することができる。また、表示部8002はタッチパネルとしての機能を有し、表示部8002をタッチすることにより撮像することも可能である。
カメラ8000の筐体8001は、電極を有するマウントを有し、ファインダー8100のほか、ストロボ装置等を接続することができる。
ファインダー8100は、筐体8101、表示部8102、ボタン8103等を有する。
筐体8101は、カメラ8000のマウントと係合するマウントを有しており、ファインダー8100をカメラ8000に取り付けることができる。また当該マウントには電極を有し、当該電極を介してカメラ8000から受信した映像等を表示部8102に表示させることができる。
ボタン8103は、電源ボタンとしての機能を有する。ボタン8103により、表示部8102の表示のオン・オフを切り替えることができる。
カメラ8000の表示部8002、及びファインダー8100の表示部8102に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
なお、図23(A)では、カメラ8000とファインダー8100とを別の電子機器とし、これらを脱着可能な構成としたが、カメラ8000の筐体8001に、表示装置を備えるファインダーが内蔵されていてもよい。
図23(B)は、ヘッドマウントディスプレイ8200の外観を示す図である。
ヘッドマウントディスプレイ8200は、装着部8201、レンズ8202、本体8203、表示部8204、ケーブル8205等を有している。また装着部8201には、バッテリ8206が内蔵されている。
ケーブル8205は、バッテリ8206から本体8203に電力を供給する。本体8203は無線受信機等を備え、受信した画像データ等の映像情報を表示部8204に表示させることができる。また、本体8203に設けられたカメラで使用者の眼球やまぶたの動きを捉え、その情報をもとに使用者の視点の座標を算出することにより、使用者の視点を入力手段として用いることができる。
また、装着部8201には、使用者に触れる位置に複数の電極が設けられていてもよい。本体8203は使用者の眼球の動きに伴って電極に流れる電流を検知することにより、使用者の視点を認識する機能を有していてもよい。また、当該電極に流れる電流を検知することにより、使用者の脈拍をモニタする機能を有していてもよい。また、装着部8201には、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ等の各種センサを有していてもよく、使用者の生体情報を表示部8204に表示する機能を有していてもよい。また、使用者の頭部の動きなどを検出し、表示部8204に表示する映像をその動きに合わせて変化させてもよい。
表示部8204に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
図23(C)(D)(E)は、ヘッドマウントディスプレイ8300の外観を示す図である。ヘッドマウントディスプレイ8300は、筐体8301と、表示部8302と、バンド状の固定具8304と、一対のレンズ8305と、を有する。
使用者は、レンズ8305を通して、表示部8302の表示を視認することができる。なお、表示部8302を湾曲して配置させると好適である。表示部8302を湾曲して配置することで、使用者が高い臨場感を感じることができる。なお、本実施の形態においては、表示部8302を1つ設ける構成について例示したが、これに限定されず、例えば、表示部8302を2つ設ける構成としてもよい。この場合、使用者の片方の目に1つの表示部が配置されるような構成とすると、視差を用いた3次元表示等を行うことも可能となる。
なお、表示部8302に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態様の半導体装置を有する表示装置は、極めて精細度が高いため、図23(E)のようにレンズ8305を用いて拡大したとしても、使用者に画素が視認されることなく、より現実感の高い映像を表示することができる。
<5−3.電子機器2>
次に、図23(A)乃至図23(E)に示す電子機器と、異なる電子機器の一例を図24(A)乃至図24(G)に示す。
図24(A)乃至図24(G)に示す電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有する。
図24(A)乃至図24(G)に示す電子機器は、様々な機能を有する。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信または受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図24(A)乃至図24(G)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。また、図24(A)乃至図24(G)には図示していないが、電子機器には、複数の表示部を有する構成としてもよい。また、該電子機器にカメラ等を設け、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
図24(A)乃至図24(G)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
図24(A)は、テレビジョン装置9100を示す斜視図である。テレビジョン装置9100は、大画面、例えば、50インチ以上、または100インチ以上の表示部9001を組み込むことが可能である。
図24(B)は、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えば電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ、接続端子、センサ等を設けてもよい。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、3つの操作ボタン9050(操作アイコンまたは単にアイコンともいう)を表示部9001の一の面に表示することができる。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することができる。なお、情報9051の一例としては、電子メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や電話などの着信を知らせる表示、電子メールやSNSなどの題名、電子メールやSNSなどの送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報9051が表示されている位置に、情報9051の代わりに、操作ボタン9050などを表示してもよい。
図24(C)は、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば、携帯情報端末9102の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、その表示(ここでは情報9053)を確認することができる。具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図24(D)は、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図24(E)(F)(G)は、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、図24(E)が携帯情報端末9201を展開した状態の斜視図であり、図24(F)が携帯情報端末9201を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図24(G)が携帯情報端末9201を折り畳んだ状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9201を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9201は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有することを特徴とする。ただし、本発明の一態様の半導体装置は、表示部を有さない電子機器にも適用することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。