JP2018019720A - 前立腺癌における再発性の遺伝子融合物 - Google Patents
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Abstract
【課題】前立腺癌のための診断マーカーおよび臨床標的としての再発性の遺伝子融合物を提供すること
【解決手段】前立腺癌におけるアンドロゲン調節遺伝子またはハウスキーピング遺伝子とETSファミリーメンバー遺伝子との再発性の遺伝子融合物が記載される。前立腺癌の診断、研究および療法で有用性を有する組成物および方法も提供される。一局面において、本発明は、患者で前立腺癌を同定するための方法を提供し、この方法は、患者からの試料を提供するステップ、および試料中でSLC45A3遺伝子の転写調節領域からの5’部分およびERG遺伝子からの3’部分を有する遺伝子融合物の存在または不在を検出するステップを含み、試料中での遺伝子融合物の存在を検出することによって、患者で前立腺癌を同定する。
【選択図】なし
【解決手段】前立腺癌におけるアンドロゲン調節遺伝子またはハウスキーピング遺伝子とETSファミリーメンバー遺伝子との再発性の遺伝子融合物が記載される。前立腺癌の診断、研究および療法で有用性を有する組成物および方法も提供される。一局面において、本発明は、患者で前立腺癌を同定するための方法を提供し、この方法は、患者からの試料を提供するステップ、および試料中でSLC45A3遺伝子の転写調節領域からの5’部分およびERG遺伝子からの3’部分を有する遺伝子融合物の存在または不在を検出するステップを含み、試料中での遺伝子融合物の存在を検出することによって、患者で前立腺癌を同定する。
【選択図】なし
Description
関連出願への相互参照
この出願は、出願第11/825,552号(7/6/07出願)の一部継続であり、出願第11/825,552号は、出願第11/519,397号(9/12/06出願)の一部継続であり、出願第11/519,397号は、仮特許出願第60/716,436号(9/12/05出願)、同第60/779,041号(3/3/06出願)、同第60/730,358号(10/27/05出願)および同第60/795,590号(4/28/06出願)への優先権を主張する。上記の各々は、それらの全体が参考として本明細書に援用される。
この出願は、出願第11/825,552号(7/6/07出願)の一部継続であり、出願第11/825,552号は、出願第11/519,397号(9/12/06出願)の一部継続であり、出願第11/519,397号は、仮特許出願第60/716,436号(9/12/05出願)、同第60/779,041号(3/3/06出願)、同第60/730,358号(10/27/05出願)および同第60/795,590号(4/28/06出願)への優先権を主張する。上記の各々は、それらの全体が参考として本明細書に援用される。
連邦政府によって資金援助を受けた研究または開発に関する声明
本発明は、National Institutes of Healthによって付与されたCA069568、CA102872およびCA111275の下、政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
本発明は、National Institutes of Healthによって付与されたCA069568、CA102872およびCA111275の下、政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
発明の分野
本発明は、それに限定されないが、癌マーカーを含む、癌の診断、研究および療法のための組成物および方法に関する。特に、本発明は、前立腺癌のための診断マーカーおよび臨床標的としての再発性の遺伝子融合物に関する。
本発明は、それに限定されないが、癌マーカーを含む、癌の診断、研究および療法のための組成物および方法に関する。特に、本発明は、前立腺癌のための診断マーカーおよび臨床標的としての再発性の遺伝子融合物に関する。
発明の背景
癌研究の中心の目的は、発癌の因果関係に関与する変化した遺伝子を同定することである。塩基の置換、挿入、欠失、転位ならびに染色体の増加および減少を含む、数種の体細胞性突然変異が同定されているが、そのすべては癌遺伝子または腫瘍抑制遺伝子の活性変化をもたらす。1900年代前半に最初に仮定されていたが、今では、癌における染色体再配列の起因的役割についての動かぬ証拠がある(非特許文献1)。再発性の染色体異常は、主に白血病、リンパ腫および肉腫の特徴であると考えられた。ずっとより一般的であり、ヒト癌に関連する罹患率および死亡率の比較的大きな割合に寄与する上皮性腫瘍(癌腫)は、公知の、疾患特異的染色体再配列の1%未満を構成する(非特許文献2)。血液悪性疾患は、平衡した、疾患特異的染色体再配列をしばしば特徴とするが、ほとんどの固形腫瘍は過剰の非特異的染色体異常を有する。固形腫瘍の核型複雑性は、癌の進展または進行を通して得られる二次的変化によると思われる。
癌研究の中心の目的は、発癌の因果関係に関与する変化した遺伝子を同定することである。塩基の置換、挿入、欠失、転位ならびに染色体の増加および減少を含む、数種の体細胞性突然変異が同定されているが、そのすべては癌遺伝子または腫瘍抑制遺伝子の活性変化をもたらす。1900年代前半に最初に仮定されていたが、今では、癌における染色体再配列の起因的役割についての動かぬ証拠がある(非特許文献1)。再発性の染色体異常は、主に白血病、リンパ腫および肉腫の特徴であると考えられた。ずっとより一般的であり、ヒト癌に関連する罹患率および死亡率の比較的大きな割合に寄与する上皮性腫瘍(癌腫)は、公知の、疾患特異的染色体再配列の1%未満を構成する(非特許文献2)。血液悪性疾患は、平衡した、疾患特異的染色体再配列をしばしば特徴とするが、ほとんどの固形腫瘍は過剰の非特異的染色体異常を有する。固形腫瘍の核型複雑性は、癌の進展または進行を通して得られる二次的変化によると思われる。
染色体再配列の2つの主要な機構が記載されている。1つの機構では、1つの遺伝子のプロモーター/エンハンサーエレメントが癌原遺伝子に隣接して再配列され、したがって、発癌性タンパク質の発現変化を引き起こす。この種の転位は、それぞれB細胞およびT細胞の悪性疾患でのこの癌遺伝子の活性化をもたらす、MYCへの免疫グロブリン(IG)およびT細胞受容体(TCR)遺伝子の付加によって例示される(非特許文献3)。第二の機構では、再配列は2つの遺伝子の融合をもたらし、それは、新しい機能または変化した活性を有することができる融合タンパク質を生成する。この転位の原型例は、慢性骨髄性白血病(CML)でのBCR−ABL遺伝子融合である(非特許文献4、非特許文献5)。重要なことに、この知見は、BCR−ABLキナーゼを首尾よく標的にする、イマチニブメシレート(Gleevec)の合理的な開発をもたらした。(非特許文献6)。したがって、一般的な上皮性腫瘍で再発性の遺伝子再配列を特定することは、癌創薬の努力ならびに患者の治療に関して奥深い意味を有することができる。
Rowley、Nat Rev Cancer(2001年)1巻:245頁
Mitelman、Mutat Res(2000年)462巻:247頁
Rabbitts、Nature(1994年)372巻:143頁
Rowley、Nature(1973年)243巻:290頁
de Kleinら、Nature(1982年)300巻:765頁
Deiningerら、Blood(2005年)105巻:2640頁
一部の実施形態では、本発明は、患者で前立腺癌を同定するための方法であって、患者からの試料を提供するステップ、および試料中でSLC45A3遺伝子の転写調節領域からの5’部分およびERG遺伝子からの3’部分を有する遺伝子融合物の存在または不在を検出するステップを含み、試料中での遺伝子融合物の存在を検出することによって、患者で前立腺癌を同定する方法を提供する。一部の実施形態では、SLC45A3遺伝子の転写調節領域は、SLC45A3遺伝子のプロモーター領域を含む。一部の実施形態では、検出ステップは、SLC45A3遺伝子の転写調節領域からの5’DNA部分およびERG遺伝子からの3’DNA部分を有するゲノムDNAの染色体再配列を検出することを含む。一部の実施形態では、検出ステップは、SLC45A3遺伝子の転写調節領域から転写される5’RNA部分およびERG遺伝子から転写される3’RNA部分を有するキメラmRNA転写物を検出することを含む。一部の実施形態では、試料は、組織、血液、血漿、血清、尿、尿上清、尿細胞ペレット、精液、前立腺分泌物または前立腺細胞である。
一部の実施形態では、本発明は、患者で前立腺癌を同定するための方法であって、患者からの試料を提供するステップ、および試料中でFLJ35294遺伝子の転写調節領域からの5’部分およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’部分を有する遺伝子融合物の存在または不在を検出するステップを含み、試料中での遺伝子融合物の存在を検出することによって、患者で前立腺癌を同定する方法を提供する。一部の実施形態では、FLJ35294遺伝子の転写調節領域は、FLJ35294遺伝子のプロモーター領域を含む。一部の実施形態では、ETSファミリーメンバー遺伝子は、ETV1である。一部の実施形態では、検出ステップは、FLJ35294遺伝子の転写調節領域からの5’DNA部分およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’DNA部分を有するゲノムDNAの染色体再配列を検出することを含む。一部の実施形態では、検出ステップは、FLJ35294遺伝子の転写調節領域から転写される5’RNA部分およびETSファミリーメンバー遺伝子から転写される3’RNA部分を有するキメラmRNA転写物を検出することを含む。一部の実施形態では、試料は、組織、血液、血漿、血清、尿、尿上清、尿細胞ペレット、精液、前立腺分泌物または前立腺細胞である。
一部の実施形態では、本発明は、患者で前立腺癌を同定するための方法であって、患者からの試料を提供するステップ、および試料中でDDX5遺伝子からの5’部分およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’部分を有する遺伝子融合物の存在または不在を検出するステップを含み、試料中での遺伝子融合物の存在を検出することによって、患者で前立腺癌を同定する方法を提供する。一部の実施形態では、ETSファミリーメンバー遺伝子は、ETV4である。一部の実施形態では、検出ステップは、DDX5遺伝子からの5’DNA部分およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’DNA部分を有するゲノムDNAの染色体再配列を検出することを含む。一部の実施形態では、検出ステップは、DDX5遺伝子から転写される5’RNA部分およびETSファミリーメンバー遺伝子から転写される3’RNA部分を有するキメラmRNA転写物を検出することを含む。一部の実施形態では、検出ステップは、DDX5遺伝子によってコードされるアミノ(amino)末端部分およびETSファミリーメンバー遺伝子によってコードされるカルボキシ末端部分を有するキメラタンパク質を検出することを含む。一部の実施形態では、試料は組織、血液、血漿、血清、尿、尿上清、尿細胞ペレット、精液、前立腺分泌物または前立腺細胞である。
一部の実施形態では、本発明は、診断、治療および研究の目的のための組成物を提供する。一部の実施形態では、組成物は、キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの接合部とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドプローブを含む。一部の実施形態では、組成物は、キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分とハイブリダイズする配列を含む第一のオリゴヌクレオチドプローブ、およびキメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分とハイブリダイズする配列を含む第二のオリゴヌクレオチドプローブを含む。一部の実施形態では、組成物は、キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分とハイブリダイズする配列を含む第一の増幅オリゴヌクレオチド、およびキメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分とハイブリダイズする配列を含む第二の増幅オリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、5’遺伝子によってコードされるアミノ末端部分および3’遺伝子によってコードされるカルボキシ末端部分を有するキメラタンパク質に対する抗体を含む。
本発明のさらなる実施形態が、下の説明および実施例で提供される。
したがって、本発明は以下の項目を提供する:
(項目1)
患者で前立腺癌を同定するための方法であって、
(a)上記患者からの試料を提供するステップ、ならびに
(b)上記試料中でSLC45A3遺伝子の転写調節領域からの5’部分およびERG遺伝子からの3’部分を有する遺伝子融合物の存在または不在を検出するステップ
を含み、上記試料中での上記遺伝子融合物の存在を検出することによって、上記患者で前立腺癌を同定する、方法。
(項目2)
上記SLC45A3遺伝子の上記転写調節領域が上記SLC45A3遺伝子のプロモーター領域を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
ステップ(b)が、上記SLC45A3遺伝子の上記転写調節領域からの5’DNA部分および上記ERG遺伝子からの3’DNA部分を有するゲノムDNAの染色体再配列を検出することを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
ステップ(b)が、上記SLC45A3遺伝子の上記転写調節領域から転写される5’RNA部分および上記ERG遺伝子から転写される3’RNA部分を有するキメラmRNA転写物を検出することを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記試料が、組織、血液、血漿、血清、尿、尿上清、尿細胞ペレット、精液、前立腺分泌物および前立腺細胞からなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目6)
患者で前立腺癌を同定するための方法であって、
(a)上記患者からの試料を提供するステップ、ならびに
(b)上記試料中でFLJ35294遺伝子の転写調節領域からの5’部分およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’部分を有する遺伝子融合物の存在または不在を検出するステップ
を含み、上記試料中での上記遺伝子融合物の存在を検出することによって、上記患者で前立腺癌を同定する、方法。
(項目7)
上記FLJ35294遺伝子の上記転写調節領域が上記FLJ35294遺伝子のプロモーター領域を含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記ETSファミリーメンバー遺伝子がETV1である、項目6に記載の方法。
(項目9)
ステップ(b)が、上記FLJ35294遺伝子の上記転写調節領域からの5’DNA部分および上記ETSファミリーメンバー遺伝子からの3’DNA部分を有するゲノムDNAの染色体再配列を検出することを含む、項目6に記載の方法。
(項目10)
ステップ(b)が、上記FLJ35294遺伝子の上記転写調節領域から転写される5’RNA部分および上記ETSファミリーメンバー遺伝子から転写される3’RNA部分を有するキメラmRNA転写物を検出することを含む、項目6に記載の方法。
(項目11)
上記試料が、組織、血液、血漿、血清、尿、尿上清、尿細胞ペレット、精液、前立腺分泌物および前立腺細胞からなる群から選択される、項目6に記載の方法。
(項目12)
患者で前立腺癌を同定するための方法であって、
(a)上記患者からの試料を提供するステップ、ならびに
(b)上記試料中でDDX5遺伝子からの5’部分およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’部分を有する遺伝子融合物の存在または不在を検出するステップ
を含み、上記試料中での上記遺伝子融合物の存在を検出することによって、上記患者で前立腺癌を同定する、方法。
(項目13)
上記ETSファミリーメンバー遺伝子がETV4である、項目12に記載の方法。
(項目14)
ステップ(b)が、上記DDX5遺伝子からの5’DNA部分および上記ETSファミリーメンバー遺伝子からの3’DNA部分を有するゲノムDNAの染色体再配列を検出することを含む、項目12に記載の方法。
(項目15)
ステップ(b)が、上記DDX5遺伝子から転写される5’RNA部分および上記ETSファミリーメンバー遺伝子から転写される3’RNA部分を有するキメラmRNA転写物を検出することを含む、項目12に記載の方法。
(項目16)
ステップ(b)が、上記DDX5遺伝子によってコードされるアミノ末端部分および上記ETSファミリーメンバー遺伝子によってコードされるカルボキシ末端部分を有するキメラタンパク質を検出することを含む、項目12に記載の方法。
(項目17)
上記試料が、組織、血液、血漿、血清、尿、尿上清、尿細胞ペレット、精液、前立腺分泌物および前立腺細胞からなる群から選択される、項目12に記載の方法。
(項目18)
組成物であって、以下:
(a)キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの接合部とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドプローブであって、上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分がSLC45A3遺伝子の転写調節領域に由来し、上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分がERG遺伝子に由来する、オリゴヌクレオチドプローブ、
(b)SLC45A3遺伝子の転写調節領域に由来するキメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分とハイブリダイズする配列を含む第一のオリゴヌクレオチドプローブ、およびERG遺伝子に由来する上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分とハイブリダイズする配列を含む第二のオリゴヌクレオチドプローブ、
(c)SLC45A3遺伝子の転写調節領域に由来するキメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分とハイブリダイズする配列を含む第一の増幅オリゴヌクレオチド、およびERG遺伝子に由来する上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分とハイブリダイズする配列を含む第二の増幅オリゴヌクレオチド、
(d)キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの接合部とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドプローブであって、上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分がFLJ35294遺伝子の転写調節領域に由来し、上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分がETV1遺伝子に由来する、オリゴヌクレオチドプローブ、
(e)FLJ35294遺伝子の転写調節領域に由来するキメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分とハイブリダイズする配列を含む第一のオリゴヌクレオチドプローブ、およびETV1遺伝子に由来する上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分とハイブリダイズする配列を含む第二のオリゴヌクレオチドプローブ、
(f)FLJ35294遺伝子の転写調節領域に由来するキメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分とハイブリダイズする配列を含む第一の増幅オリゴヌクレオチド、およびETV1遺伝子に由来する上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分とハイブリダイズする配列を含む第二の増幅オリゴヌクレオチド、
(g)キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの接合部とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドプローブであって、上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分がDDX5遺伝子に由来し、上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分がETV4遺伝子に由来する、オリゴヌクレオチドプローブ、
(h)DDX5遺伝子に由来するキメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分とハイブリダイズする配列を含む第一のオリゴヌクレオチドプローブ、およびETV4遺伝子に由来する上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分とハイブリダイズする配列を含む第二のオリゴヌクレオチドプローブ、
(i)DDX5遺伝子に由来するキメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分とハイブリダイズする配列を含む第一の増幅オリゴヌクレオチド、およびETV4遺伝子に由来する上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分とハイブリダイズする配列を含む第二の増幅オリゴヌクレオチド、
(j)上記DDX5遺伝子によってコードされるアミノ末端部分および上記ETV4遺伝子によってコードされるカルボキシ末端部分を有するキメラタンパク質に対する抗体
のうちの少なくとも1つを含む、組成物。
したがって、本発明は以下の項目を提供する:
(項目1)
患者で前立腺癌を同定するための方法であって、
(a)上記患者からの試料を提供するステップ、ならびに
(b)上記試料中でSLC45A3遺伝子の転写調節領域からの5’部分およびERG遺伝子からの3’部分を有する遺伝子融合物の存在または不在を検出するステップ
を含み、上記試料中での上記遺伝子融合物の存在を検出することによって、上記患者で前立腺癌を同定する、方法。
(項目2)
上記SLC45A3遺伝子の上記転写調節領域が上記SLC45A3遺伝子のプロモーター領域を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
ステップ(b)が、上記SLC45A3遺伝子の上記転写調節領域からの5’DNA部分および上記ERG遺伝子からの3’DNA部分を有するゲノムDNAの染色体再配列を検出することを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
ステップ(b)が、上記SLC45A3遺伝子の上記転写調節領域から転写される5’RNA部分および上記ERG遺伝子から転写される3’RNA部分を有するキメラmRNA転写物を検出することを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記試料が、組織、血液、血漿、血清、尿、尿上清、尿細胞ペレット、精液、前立腺分泌物および前立腺細胞からなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目6)
患者で前立腺癌を同定するための方法であって、
(a)上記患者からの試料を提供するステップ、ならびに
(b)上記試料中でFLJ35294遺伝子の転写調節領域からの5’部分およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’部分を有する遺伝子融合物の存在または不在を検出するステップ
を含み、上記試料中での上記遺伝子融合物の存在を検出することによって、上記患者で前立腺癌を同定する、方法。
(項目7)
上記FLJ35294遺伝子の上記転写調節領域が上記FLJ35294遺伝子のプロモーター領域を含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記ETSファミリーメンバー遺伝子がETV1である、項目6に記載の方法。
(項目9)
ステップ(b)が、上記FLJ35294遺伝子の上記転写調節領域からの5’DNA部分および上記ETSファミリーメンバー遺伝子からの3’DNA部分を有するゲノムDNAの染色体再配列を検出することを含む、項目6に記載の方法。
(項目10)
ステップ(b)が、上記FLJ35294遺伝子の上記転写調節領域から転写される5’RNA部分および上記ETSファミリーメンバー遺伝子から転写される3’RNA部分を有するキメラmRNA転写物を検出することを含む、項目6に記載の方法。
(項目11)
上記試料が、組織、血液、血漿、血清、尿、尿上清、尿細胞ペレット、精液、前立腺分泌物および前立腺細胞からなる群から選択される、項目6に記載の方法。
(項目12)
患者で前立腺癌を同定するための方法であって、
(a)上記患者からの試料を提供するステップ、ならびに
(b)上記試料中でDDX5遺伝子からの5’部分およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’部分を有する遺伝子融合物の存在または不在を検出するステップ
を含み、上記試料中での上記遺伝子融合物の存在を検出することによって、上記患者で前立腺癌を同定する、方法。
(項目13)
上記ETSファミリーメンバー遺伝子がETV4である、項目12に記載の方法。
(項目14)
ステップ(b)が、上記DDX5遺伝子からの5’DNA部分および上記ETSファミリーメンバー遺伝子からの3’DNA部分を有するゲノムDNAの染色体再配列を検出することを含む、項目12に記載の方法。
(項目15)
ステップ(b)が、上記DDX5遺伝子から転写される5’RNA部分および上記ETSファミリーメンバー遺伝子から転写される3’RNA部分を有するキメラmRNA転写物を検出することを含む、項目12に記載の方法。
(項目16)
ステップ(b)が、上記DDX5遺伝子によってコードされるアミノ末端部分および上記ETSファミリーメンバー遺伝子によってコードされるカルボキシ末端部分を有するキメラタンパク質を検出することを含む、項目12に記載の方法。
(項目17)
上記試料が、組織、血液、血漿、血清、尿、尿上清、尿細胞ペレット、精液、前立腺分泌物および前立腺細胞からなる群から選択される、項目12に記載の方法。
(項目18)
組成物であって、以下:
(a)キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの接合部とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドプローブであって、上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分がSLC45A3遺伝子の転写調節領域に由来し、上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分がERG遺伝子に由来する、オリゴヌクレオチドプローブ、
(b)SLC45A3遺伝子の転写調節領域に由来するキメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分とハイブリダイズする配列を含む第一のオリゴヌクレオチドプローブ、およびERG遺伝子に由来する上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分とハイブリダイズする配列を含む第二のオリゴヌクレオチドプローブ、
(c)SLC45A3遺伝子の転写調節領域に由来するキメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分とハイブリダイズする配列を含む第一の増幅オリゴヌクレオチド、およびERG遺伝子に由来する上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分とハイブリダイズする配列を含む第二の増幅オリゴヌクレオチド、
(d)キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの接合部とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドプローブであって、上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分がFLJ35294遺伝子の転写調節領域に由来し、上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分がETV1遺伝子に由来する、オリゴヌクレオチドプローブ、
(e)FLJ35294遺伝子の転写調節領域に由来するキメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分とハイブリダイズする配列を含む第一のオリゴヌクレオチドプローブ、およびETV1遺伝子に由来する上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分とハイブリダイズする配列を含む第二のオリゴヌクレオチドプローブ、
(f)FLJ35294遺伝子の転写調節領域に由来するキメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分とハイブリダイズする配列を含む第一の増幅オリゴヌクレオチド、およびETV1遺伝子に由来する上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分とハイブリダイズする配列を含む第二の増幅オリゴヌクレオチド、
(g)キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの接合部とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドプローブであって、上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分がDDX5遺伝子に由来し、上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分がETV4遺伝子に由来する、オリゴヌクレオチドプローブ、
(h)DDX5遺伝子に由来するキメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分とハイブリダイズする配列を含む第一のオリゴヌクレオチドプローブ、およびETV4遺伝子に由来する上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分とハイブリダイズする配列を含む第二のオリゴヌクレオチドプローブ、
(i)DDX5遺伝子に由来するキメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの5’部分とハイブリダイズする配列を含む第一の増幅オリゴヌクレオチド、およびETV4遺伝子に由来する上記キメラゲノムDNAまたはキメラmRNAの3’部分とハイブリダイズする配列を含む第二の増幅オリゴヌクレオチド、
(j)上記DDX5遺伝子によってコードされるアミノ末端部分および上記ETV4遺伝子によってコードされるカルボキシ末端部分を有するキメラタンパク質に対する抗体
のうちの少なくとも1つを含む、組成物。
定義
本発明の理解を促進するために、いくつかの用語および句を下で定義する。
本発明の理解を促進するために、いくつかの用語および句を下で定義する。
本明細書で用いるように、用語「遺伝子融合物」は、第一の遺伝子の少なくとも一部と第二の遺伝子の少なくとも一部との融合から生じる、キメラゲノムDNA、キメラメッセンジャーRNA、切断されたタンパク質またはキメラタンパク質を指す。遺伝子融合物は、遺伝子全体または遺伝子のエクソンを含む必要はない。
本明細書で用いるように、用語「癌で上方制御される遺伝子」は、他の組織でのレベルと比較して、癌(例えば、前立腺癌)においてより高いレベルで発現される(例えば、mRNAまたはタンパク質の発現)遺伝子を指す。一部の実施形態では、癌で上方制御される遺伝子は、他の組織での発現レベルよりも少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも100%、さらにより好ましくは少なくとも200%、最も好ましくは少なくとも300%高いレベルで発現される。一部の実施形態では、前立腺癌で上方制御される遺伝子は、「アンドロゲン調節遺伝子」である。
本明細書で用いるように、用語「前立腺組織で上方制御される遺伝子」は、他の組織でのレベルと比較して、前立腺組織においてより高いレベルで発現される(例えば、mRNAまたはタンパク質の発現)遺伝子を指す。一部の実施形態では、前立腺組織で上方制御される遺伝子は、他の組織での発現レベルよりも少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも100%、さらにより好ましくは少なくとも200%、最も好ましくは少なくとも300%高いレベルで発現される。一部の実施形態では、前立腺組織で上方制御される遺伝子は、前立腺組織で排他的に発現される。
本明細書で用いるように、用語「高発現プロモーター」は、遺伝子と融合させると、その遺伝子を特定の組織(例えば、前立腺)で、高発現プロモーターと融合されない場合のその遺伝子の発現レベルよりも高いレベル(例えば、少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも100%、さらにより好ましくは少なくとも200%、最も好ましくは少なくとも300%高いレベル)で発現させるプロモーターを指す。一部の実施形態では、高発現プロモーターは、アンドロゲン調節遺伝子またはハウスキーピング遺伝子(例えば、HNRPA2B1)に由来するプロモーターである。
本明細書で用いるように、用語「転写調節領域」は、その遺伝子の発現を調節(例えば、上方制御または下方制御)する配列を含む遺伝子の領域を指す。一部の実施形態では、遺伝子の転写調節領域は、5’非翻訳領域(5’UTR)とも呼ばれる遺伝子の上流非コード配列を含む。他の実施形態では、転写調節領域は、遺伝子のコード領域の中、またはイントロンの中に位置する配列(例えば、エンハンサー)を含む。
本明細書で用いるように、用語「アンドロゲン調節遺伝子」は、その発現がアンドロゲン(例えば、テストステロン)によって誘導または抑制される遺伝子または遺伝子の一部を指す。アンドロゲン調節遺伝子のプロモーター領域は、アンドロゲンまたはアンドロゲンシグナル伝達分子(例えば、下流シグナル伝達分子)と相互作用する「アンドロゲン応答エレメント」を含むことができる。
本明細書で用いるように、用語「検出する」、「検出すること」または「検出」は、検出可能に標識された組成物を発見もしくは認識することの一般的な行為か、またはその特定の観察を記載することができる。
本明細書で用いるように、用語「遺伝子融合物の少なくとも1つの生物活性を阻害する」は、本発明の遺伝子融合物の任意の活性(例えば、本明細書に記載の活性を含むがこれに限らず)を、遺伝子融合タンパク質を直接に接触させ、遺伝子融合mRNAまたはゲノムDNAを接触させ、遺伝子融合ポリペプチドの立体配置的変化を引き起こすか、遺伝子融合タンパク質レベルを低減させるか、またはシグナル伝達パートナーとの遺伝子融合相互作用を妨害して、遺伝子融合標的遺伝子の発現に影響を及ぼすことを通して低減させる任意の剤を指す。阻害剤には、上流側シグナル伝達分子を妨害することによって遺伝子融合物の生物活性を間接に調節する分子も含まれる。
本明細書で用いるように、用語「siRNA」は、低分子干渉RNAを指す。一部の実施形態では、siRNAは、長さが約18〜25ヌクレオチドの二重鎖または二本鎖領域を含む。しばしば、siRNAは、各鎖の3’末端に約2〜4個の不対のヌクレオチドを含む。siRNAの二重鎖または二本鎖領域の少なくとも1つの鎖は、標的RNA分子に実質的に相同であるか、または実質的に相補的である。標的RNA分子に相補的な鎖は、「アンチセンス鎖」である。標的RNA分子に相同である鎖は「センス鎖」であり、siRNAアンチセンス鎖にも相補的である。siRNAは、さらなる配列を含むこともできる。そのような配列の非限定例には、連結配列、またはループ、ならびにステム構造および他の折畳み構造が含まれる。siRNAは、無脊椎動物および脊椎動物でのRNA干渉の誘発において、ならびに植物での転写後遺伝子サイレンシングの間の配列特異的RNA分解の誘発において、重要な仲介者として機能するようである。
用語「RNA干渉」または「RNAi」は、siRNAによる遺伝子発現のサイレンシングまたは低減を指す。それは、動物および植物での配列特異的な転写後遺伝子サイレンシングの過程であり、サイレンシングされる遺伝子の配列にその二重鎖領域が相同であるsiRNAによって開始される。その遺伝子は、生物体に内因性もしくは外因性であることができるか、染色体に組み込まれて存在することができるか、またはゲノムに組み込まれていないトランスフェクションベクターに存在することができる。遺伝子の発現は、完全にまたは部分的に阻害される。RNAiは、標的RNAの機能を阻害すると見なすこともできる。標的RNAの機能は、完全または部分的であってもよい。
本明細書で用いるように、用語「癌の病期」は、癌の発達レベルの定性的または定量的な評価を指す。癌の病期を判定するために用いられる基準には、腫瘍のサイズおよび転移の程度(例えば、限局性または遠隔)が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で用いるように、用語「遺伝子導入系」は、核酸配列を含む組成物を細胞または組織に送達する任意の手段を指す。例えば、遺伝子導入系には、ベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルスおよび他の核酸ベースの送達系)、裸の核酸の微量注入、ポリマーベースの送達系(例えば、リポソームベースおよび金属粒子ベースの系)、微粒子銃注射などが含まれるが、これらに限定されない。本明細書で用いるように、用語「ウイルス遺伝子導入系」は、所望の細胞または組織への試料の送達を促進するためにウイルスエレメント(例えば、改変前のウイルス、改変ウイルスおよび核酸またはタンパク質などのウイルス成分)を含む遺伝子導入系を指す。本明細書で用いるように、用語「アデノウイルス遺伝子導入系」は、アデノウイルス科に属する改変前の、または変化させたウイルスを含む遺伝子導入系を指す。
本明細書で用いるように、用語「部位特異的組換え標的配列」は、組換え因子のための認識配列および組換えが起こる場所を提供する核酸配列を指す。
本明細書で用いるように、用語「核酸分子」は、それらに限定されないがDNAまたはRNAを含む、任意の核酸含有分子を指す。本用語は、それらに限定されないが、4−アセチルシトシン、8−ヒドロキシ−N6−メチルアデノシン、アジリジニルシトシン、シュードイソシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−フルオロウラシル、5−ブロムウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルアデニン、1−メチルシュードウラシル、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−メチルアデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシ−アミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルケオシン、5’−メトキシカルボニルメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸、オキシブトキソシン、シュードウラシル、ケオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、N−ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸、シュードウラシル、ケオシン、2−チオシトシンおよび2,6−ジアミノプリンを含む、DNAおよびRNAの公知の塩基類似体のいずれかを含む配列を包含する。
用語「遺伝子」は、ポリペプチド、前駆体またはRNA(例えば、rRNA、tRNA)の生成のために必要なコード配列を含む、核酸(例えば、DNA)配列を指す。その完全長または断片の所望の活性または機能的特性(例えば、酵素活性、リガンド結合性、シグナル伝達、免疫原性など)が保持される限り、ポリペプチドは、完全長コード配列によって、またはコード配列の任意の部分によってコードされてもよい。本用語は、構造遺伝子のコード領域、および5’および3’末端の両方のコード領域に、いずれかの末端で約1kb以上の距離で隣接し、遺伝子が完全長mRNAの長さに対応する配列を包含する。コード領域の5’側に位置し、mRNAの上に存在する配列は、5’非翻訳配列と呼ばれる。コード領域の3’側、すなわち下流に位置し、mRNAの上に存在する配列は、3’非翻訳配列と呼ばれる。用語「遺伝子」は、遺伝子のcDNA形およびゲノム形の両方を包含する。遺伝子のゲノム形またはクローンは、「イントロン」または「介在領域」または「介在配列」と呼ばれる非コード配列でさえぎられるコード領域を含む。イントロンは、核RNA(hnRNA)に転写される遺伝子セグメントである。イントロンは、エンハンサーなどの調節エレメントを含むことができる。イントロンは、核または一次の転写産物から除去または「スプライスアウト」される。したがって、イントロンは、メッセンジャーRNA(mRNA)転写産物に存在しない。mRNAは、翻訳の間、生成期のポリペプチドのアミノ酸の配列または順序を規定する働きをする。
本明細書で用いるように、用語「異種遺伝子」は、その天然での環境にない遺伝子を指す。例えば、異種遺伝子には、別の種に導入される1つの種からの遺伝子が含まれる。異種遺伝子には、何らかの方法で変化させた(例えば、突然変異させた、複数のコピーで加えた、本来のものでない調節配列に連結した、など)生物体に固有の遺伝子も含まれる。異種遺伝子配列が、染色体中の遺伝子配列と天然に関連していることが見出されないDNA配列に一般的に結合するか、または天然で見出されない染色体の部分(例えば、その遺伝子が通常発現されない遺伝子座で発現される遺伝子)に関連するという点で、異種遺伝子は内因性遺伝子と区別される。
本明細書で用いるように、用語「オリゴヌクレオチド」は、短い長さの一本鎖ポリヌクレオチド鎖を指す。オリゴヌクレオチドは、一般的に長さが200残基未満(例えば、15〜100)であるが、本明細書で用いるように、本用語はより長いポリヌクレオチド鎖も包含するものとする。オリゴヌクレオチドは、それらの長さによってしばしば呼ばれる。例えば、24残基オリゴヌクレオチドは、「24量体」と呼ばれる。オリゴヌクレオチドは、自己ハイブリダイズすることによって、または他のポリヌクレオチドとハイブリダイズすることによって、二次および三次構造を形成することができる。そのような構造には、二重鎖、ヘアピン、十字形、ベンドおよびトリプレックスを含めることができるが、これらに限定されない。
本明細書で用いるように、用語「相補的」または「相補性」は、塩基対形成規則によって関連するポリヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチドの配列)に関して用いられる。例えば、配列「5’−A−G−T−3’」は、配列「3’−T−C−A−5’」に相補的である。相補性は、核酸塩基のいくつかだけが塩基対形成規則に従って一致している、「部分的」であることができる。または、核酸の間に「完全な」または「全体的」相補性があることができる。核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率および強度にかなりの影響を及ぼす。これは、増幅反応だけでなく、核酸間の結合に依存する検出方法で特に重要である。
用語「相同性」は、相補性の程度を指す。部分的相同性または完全な相同性(すなわち、同一性)が存在することができる。部分的に相補的な配列は、完全に相補的な核酸分子が、「実質的に相同」である標的核酸とハイブリダイズすることを少なくとも部分的に阻害する核酸分子である。完全に相補的な配列の標的配列とのハイブリダイゼーションの阻害は、低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイゼーションアッセイ(サザンブロットまたはノーザンブロット、溶液ハイブリダイゼーションなど)を用いて調べることができる。実質的に相同な配列またはプローブは、低ストリンジェンシー条件下で、完全に相同な核酸分子の標的への結合(すなわち、ハイブリダイゼーション)に関して競合し、阻害する。これは、低ストリンジェンシー条件が非特異的結合を許すものであるということではない。低ストリンジェンシー条件は、2つの配列の相互結合が特異的(すなわち、選択的)相互作用であることを要求する。非特異的結合の非存在は、実質的に非相補的である(例えば、約30%未満の同一性)第二の標的を用いて試験することができる。非特異的結合の不在下で、プローブは第二の非相補的標的とハイブリダイズしない。
cDNAまたはゲノムクローンなどの二本鎖核酸配列に関して用いる場合、用語「実質的に相同である」は、上記の低ストリンジェンシー条件下で二本鎖核酸配列の一方または両方の鎖とハイブリダイズすることができる任意のプローブを指す。
遺伝子は、一次RNA転写産物の差別的スプライシングによって生成される複数のRNA種を生成することができる。同じ遺伝子のスプライス変異体であるcDNAは、配列同一性または完全相同性(両方のcDNA上の同じエクソンまたは同じエクソンの一部の存在を表す)の領域、および完全非同一性(例えば、cDNA 1の上にエクソン「A」が存在し、cDNA 2は代わりにエクソン「B」を含むことを表す)の領域を含む。2つのcDNAが配列同一性の領域を含むので、それら両方は、両cDNAで見出される配列を含む遺伝子全体または遺伝子の部分に由来するプローブとハイブリダイズする。したがって、2つのスプライス変異体は、そのようなプローブに、およびお互いに実質的に相同である。
一本鎖核酸配列に関して用いる場合、用語「実質的に相同である」は、上記の低ストリンジェンシー条件下で一本鎖核酸配列とハイブリダイズすることができる(すなわち、それはその補体である)任意のプローブを指す。
本明細書で用いるように、用語「ハイブリダイゼーション」は、相補的な核酸の対合に関して用いられる。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの強度(すなわち、核酸間の結合の強度)は、核酸間の相補性の程度、関与する条件のストリンジェンシー、形成されるハイブリッドのTm、および核酸内のG:C比のような因子の影響を受ける。その構造中の相補的核酸の対合を含む単一分子は、「自己ハイブリダイズしている」と言われる。
本明細書で用いるように、用語「ストリンジェンシー」は、その下で核酸ハイブリダイゼーションが実行される、温度、イオン強度および有機溶媒などの他の化合物の存在の条件に関して用いられる。「低ストリンジェンシー条件」下では、対象の核酸配列は、その正確な補体、一塩基ミスマッチを有する配列、緊密に関連する配列(例えば、90%以上の相同性を有する配列)および部分的相同性だけを有する配列(例えば、50〜90%の相同性を有する配列)とハイブリダイズする。「中程度のストリンジェンシー条件」下では、対象の核酸配列は、その正確な補体、一塩基ミスマッチを有する配列、および緊密に関連する配列(例えば、90%以上の相同性)だけとハイブリダイズする。「高ストリンジェンシー条件」下では、対象の核酸配列は、その正確な補体だけと、および(温度などの条件によっては)一塩基ミスマッチを有する配列とハイブリダイズする。言い換えると、高ストリンジェンシー条件下で、一塩基ミスマッチを有する配列とのハイブリダイゼーションを除外するように温度を上昇させることができる。
核酸ハイブリダイゼーションに関して用いる場合、「高ストリンジェンシー条件」は、長さが約500ヌクレオチドのプローブを用いる場合、5X SSPE(43.8g/lのNaCl、6.9g/lのNaH2PO4 H2Oおよび1.85g/lのEDTA、NaOHでpH7.4に調節)、0.5%SDS、5Xデンハート試薬、および100μg/mlの変性サケ精子DNAからなる溶液中の42℃での結合またはハイブリダイゼーションと、続く0.1X SSPE、1.0%SDSを含む42℃の溶液での洗浄と同等の条件を含む。
核酸ハイブリダイゼーションに関して用いる場合、「中程度のストリンジェンシー条件」は、長さが約500ヌクレオチドのプローブを用いる場合、5X SSPE(43.8g/lのNaCl、6.9g/lのNaH2PO4 H2Oおよび1.85g/lのEDTA、NaOHでpH7.4に調節)、0.5%SDS、5Xデンハート試薬、および100μg/mlの変性サケ精子DNAからなる溶液中の42℃での結合またはハイブリダイゼーションと、続く1.0X SSPE、1.0%SDSを含む42℃の溶液での洗浄と同等の条件を含む。
「低ストリンジェンシー条件」は、長さが約500ヌクレオチドのプローブを用いる場合、5X SSPE(43.8g/lのNaCl、6.9g/lのNaH2PO4 H2Oおよび1.85g/lのEDTA、NaOHでpH7.4に調節)、0.1%SDS、5Xデンハート試薬[50Xデンハートは、500ml中に5gのFicoll(Type 400、Pharamcia)、5gのBSA(Fraction V、Sigma)を含む]および100μg/mlの変性サケ精子DNAからなる溶液中の42℃での結合またはハイブリダイゼーションと、続く5X SSPE、0.1%SDSを含む42℃の溶液での洗浄と同等の条件を含む。
当分野の技術では、低ストリンジェンシー条件を含むために、多数の同等の条件を使用することができることが周知されている。プローブの長さおよび性質(DNA、RNA、塩基組成)ならびに標的の性質(DNA、RNA、塩基組成、液中に存在するかまたは固定されているか、など)、ならびに塩および他の成分の濃度(例えば、ホルムアミド、デキストラン硫酸、ポリエチレングリコールの有無)などの因子が考慮され、上記の条件と異なるが同等の低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件を生成するように、ハイブリダイゼーション溶液を変更することができる。さらに、当分野の技術では、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイゼーションを促進する条件が公知である(例えば、ハイブリダイゼーションおよび/または洗浄工程の温度を上昇させること、ハイブリダイゼーション溶液でのホルムアミドの使用、など)(「ストリンジェンシー」について上の定義を参照)。
本明細書で用いるように、用語「増幅オリゴヌクレオチド」は、標的核酸またはその補体とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを指し、核酸増幅反応に関与する。増幅オリゴヌクレオチドの例は、鋳型核酸とハイブリダイズし、増幅過程でポリメラーゼによって延長される3’OH末端を含む「プライマー」である。増幅オリゴヌクレオチドの別の例は、ポリメラーゼによって延長されない(例えば、3’ブロック末端を有するために)が、増幅に関与するか、またはそれを促進するオリゴヌクレオチドである。任意選択で、増幅オリゴヌクレオチドは、増幅反応に関与するが、標的核酸に相補的でないかその中に含まれない改変ヌクレオチドもしくは類似体、またはさらなるヌクレオチドを含むことができる。増幅オリゴヌクレオチドは、標的配列または鋳型配列に相補的でない配列を含むことができる。例えば、プライマーの5’領域は、標的核酸に非相補的なプロモーター配列を含むことができる(「プロモーター−プライマー」と呼ばれる)。当分野の技術者は、プライマーとして機能する増幅オリゴヌクレオチドを、5’プロモーター配列を含み、したがってプロモーター−プライマーとして機能するように改変することができることを理解しよう。同様に、プロモーター−プライマーは、プロモーター配列の除去、またはそれなしの合成によって改変し、しかもプライマーとして機能することができる。3’ブロック増幅オリゴヌクレオチドは、プロモーター配列を提供して、重合のための鋳型の役目を果たすことができる(「プロモーター−プロバイダー」と呼ばれる)。
本明細書で用いるように、用語「プライマー」は、核酸鎖に相補的であるプライマー伸長生成物の合成が誘導される条件下(すなわち、ヌクレオチドおよびDNAポリメラーゼなどの誘導剤の存在下、ならびに適する温度およびpH)に置かれると、合成開始点として作用することができる、精製制限消化物の場合のように天然に存在するか、または合成的に生成されるオリゴヌクレオチドを指す。プライマーは増幅の最高効率のためには好ましくは一本鎖であるが、代わりに二本鎖であってもよい。二本鎖の場合、プライマーは伸長生成物を調製するために用いられる前に、その鎖を分離するために先ず処理される。好ましくは、プライマーはオリゴデオキシリボ核酸である。プライマーは、誘導剤の存在下で伸長生成物の合成を初回刺激するために、十分に長くなければならない。プライマーの正確な長さは、温度、プライマー源および方法の使用を含む、多くの因子によって決まる。
本明細書で用いるように、用語「プローブ」は、別の対象のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部とハイブリダイズすることができる、精製制限消化物の場合のように天然に存在するか、または合成、組換えもしくはPCR増幅によって生成されるオリゴヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチドの配列)を指す。プローブは、一本鎖または二本鎖であってもよい。プローブは、特定の遺伝子配列の検出、同定および単離で有用である。本発明で用いられるあらゆるプローブは、それらに限定されないが、酵素(例えば、ELISA、ならびに酵素ベースの組織化学的アッセイ)、蛍光、放射性および発光性の系を含む任意の検出系で検出可能であるように、任意の「リポーター分子」で標識されることが想定される。本発明は、いかなる特定の検出系または標識にも限定されるものではない。
「単離されたオリゴヌクレオチド」または「単離されたポリヌクレオチド」の場合のように核酸に関して用いられる場合、用語「単離された」は、同定され、その天然源でそれが通常関連している少なくとも1つの成分または汚染物から分離される核酸配列を指す。単離された核酸は、それが天然で見出されるものと異なる形またはセッティングで存在するようなものである。対照的に、単離されていない核酸は、それらが天然に存在する状態で見出されるDNAおよびRNAなどの核酸である。例えば、所与のDNA配列(例えば、遺伝子)は、隣接遺伝子に近接して宿主細胞染色体の上に見出される。特定のタンパク質をコードする特定のmRNA配列などのRNA配列は、多数のタンパク質をコードする他の多数のmRNAとの混合物として、細胞に見出される。しかし、所与のタンパク質をコードする単離された核酸には、例として、所与のタンパク質を通常発現する細胞中の核酸が含まれ、その核酸は、天然の細胞のそれと異なる染色体位置にあるか、さもなければ、天然に見出されるものと異なる核酸配列に連なる。単離された核酸、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖の形で存在することができる。タンパク質を発現させるために単離された核酸、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが利用される場合、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、最低でもセンス鎖またはコード鎖を含む(すなわち、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは一本鎖であってもよい)が、センス鎖およびアンチセンス鎖の両方を含むことができる(すなわち、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは二本鎖であってもよい)。
本明細書で用いるように、用語「精製した」または「精製すること」は、試料からの成分(例えば、汚染物)の除去を指す。例えば、抗体は、混在する非免疫グロブリンタンパク質の除去によって精製される。それらは、標的分子に結合しない免疫グロブリンの除去によっても精製される。非免疫グロブリンタンパク質の除去および/または標的分子に結合しない免疫グロブリンの除去は、試料中の標的反応性免疫グロブリンの割合の増加をもたらす。別の例では、組換えポリペプチドは細菌宿主細胞で発現され、ポリペプチドは宿主細胞タンパク質の除去によって精製される。組換えポリペプチドの割合は、それによって試料中で増加する。
発明の詳細な説明
本発明は、前立腺癌での再発性遺伝子融合物の発見に基づく。本発明は、遺伝子融合物を直接的または間接的に検出するかまたは標的にする、診断、研究および治療の方法を提供する。本発明は、診断、研究および治療の目的のための組成物も提供する。
本発明は、前立腺癌での再発性遺伝子融合物の発見に基づく。本発明は、遺伝子融合物を直接的または間接的に検出するかまたは標的にする、診断、研究および治療の方法を提供する。本発明は、診断、研究および治療の目的のための組成物も提供する。
I.遺伝子融合物
本発明は、前立腺癌を示す再発性の遺伝子融合物を同定する。遺伝子融合物は、アンドロゲン調節遺伝子(ARG)またはハウスキーピング遺伝子(HG)およびETSファミリーメンバー遺伝子の染色体再配列の結果である。それらの再発にもかかわらず、ARGまたはHGがETSファミリーメンバー遺伝子に融合する接合部は変動する。遺伝子融合物は、ARGまたはHGの転写調節領域からの5’部分、およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’部分を一般的に含む。再発性遺伝子融合物は、前立腺癌のための診断マーカーおよび臨床標的としての用途を有する。
本発明は、前立腺癌を示す再発性の遺伝子融合物を同定する。遺伝子融合物は、アンドロゲン調節遺伝子(ARG)またはハウスキーピング遺伝子(HG)およびETSファミリーメンバー遺伝子の染色体再配列の結果である。それらの再発にもかかわらず、ARGまたはHGがETSファミリーメンバー遺伝子に融合する接合部は変動する。遺伝子融合物は、ARGまたはHGの転写調節領域からの5’部分、およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’部分を一般的に含む。再発性遺伝子融合物は、前立腺癌のための診断マーカーおよび臨床標的としての用途を有する。
A.アンドロゲン調節遺伝子
男性ホルモンによって調節される遺伝子は、ヒト前立腺の正常な生理機能のためにきわめて重要である。それらは、前立腺癌の発達および進行にも寄与する。確認されているARGには、それらに限定されないが以下のものが含まれる。TMPRSS2;SLC45A3;HERV−K_22q11.23;C15ORF21;FLJ35294;CANT1;PSA;PSMA;KLK2;SNRK;Seladin−1;およびFKBP51(Paoloni−Giacobinoら、Genomics 44巻:309頁(1997年);Velascoら、Endocrinology 145巻(8号):3913頁(2004年))。
男性ホルモンによって調節される遺伝子は、ヒト前立腺の正常な生理機能のためにきわめて重要である。それらは、前立腺癌の発達および進行にも寄与する。確認されているARGには、それらに限定されないが以下のものが含まれる。TMPRSS2;SLC45A3;HERV−K_22q11.23;C15ORF21;FLJ35294;CANT1;PSA;PSMA;KLK2;SNRK;Seladin−1;およびFKBP51(Paoloni−Giacobinoら、Genomics 44巻:309頁(1997年);Velascoら、Endocrinology 145巻(8号):3913頁(2004年))。
TMPRSS2(NM_005656)は、他の正常なヒト組織と比較して、前立腺上皮で強く発現されることが証明されている(Linら、Cancer Research
59巻:4180頁(1999年))。TMPRSS2遺伝子は、第21染色体に位置する。この遺伝子は、pterから41,750,797〜41,801,948bpに位置する(合計51,151bp;マイナス鎖の方向)。ヒトTMPRSS2タンパク質配列は、GenBank受託番号AAC51784(Swiss Protein受託番号O15393)で、および対応するcDNAはGenBank受託番号U75329で見出すことができる(Paoloni−Giacobinoら、Genomics 44巻:309頁(1997年)も参照)。
59巻:4180頁(1999年))。TMPRSS2遺伝子は、第21染色体に位置する。この遺伝子は、pterから41,750,797〜41,801,948bpに位置する(合計51,151bp;マイナス鎖の方向)。ヒトTMPRSS2タンパク質配列は、GenBank受託番号AAC51784(Swiss Protein受託番号O15393)で、および対応するcDNAはGenBank受託番号U75329で見出すことができる(Paoloni−Giacobinoら、Genomics 44巻:309頁(1997年)も参照)。
プロスタインまたはP501Sとしても公知のSLC45A3は、正常な前立腺および前立腺癌において、転写産物レベルおよびタンパク質レベルの両方で排他的に発現されることが示されている(Kalosら、Prostate 60巻、246〜56頁(2004年);Xuら、Cancer Res 61巻、1563〜8頁(2001年))。
HERV−K_22q11.23は、EST分析および大規模並列配列決定によって、ヒト内因性レトロウイルスエレメントのHERV−Kファミリーの2番目に強く発現されるメンバーであることが見出され、他の正常な組織と比較して前立腺で最も強く発現された(Staufferら、Cancer Immun 4巻、2頁(2004年))。HERV−Kエレメントのアンドロゲン調節は記載されていないが、内因性レトロウイルスエレメントは、マウス性連鎖タンパク質遺伝子C4Aに対してアンドロゲン応答性を付与することが示されている(Stavenhagenら、Cell 55巻、247〜54頁(1988年))。他のHERV−Kファミリーメンバーは、乳癌および乳癌細胞系で強く発現され、かつエストロゲンによって調節されることが示され(Onoら、J Virol 61巻、2059〜62頁(1987年);Patienceら、J Virol 70巻、2654〜7頁(1996年);Wang−Johanningら、Oncogene 22巻、1528〜35頁(2003年))、t(8;19)(p12;q13.3)の幹細胞骨髄増殖性疾患の場合、第19染色体上のHERV−K3エレメントからの配列はFGFR1に融合していた(Guaschら、Blood 101巻、286〜8頁(2003年))。
D−PCA−2としても公知のC15ORF21は、当初、正常な前立腺および前立腺癌でのその排他的な過剰発現に基づいて単離された(Weigleら、Int J Cancer 109巻、882〜92頁(2004年))。
FLJ35294は、配列決定されたヒトcDNAの「完全長Japan」(FLJ)コレクションのメンバーと同定された(Nat Genet.2004年1月;36巻(1号):40〜5頁。Epub2003年12月21日)。
sSCAN1としても公知のCANT1は、溶解性のカルシウム活性化ヌクレオチダーゼである(Arch Biochem Biophys.2002年10月1日;406巻(1号):105〜15頁)。CANT1は、371アミノ酸タンパク質である。切断可能なシグナルペプチドは、37,193Daの予測されたコア分子質量を有する333残基の分泌タンパク質を生成する。ノーザン分析は、精巣、胎盤、前立腺および肺を含む、様々なヒト組織で転写産物を同定した。このヒト酵素では従来のアピラーゼ保存領域およびヌクレオチド結合性ドメインは同定されず、細胞外ヌクレオチダーゼの新しいファミリーのメンバーであることを示している。
本発明の遺伝子融合物は、ARGの転写調節領域を含むことができる。ARGの転写調節領域は、ARGのコード領域または非コード領域を含むことができ、これにはプロモーター領域が含まれる。ARGのプロモーター領域は、ARGのアンドロゲン応答エレメント(ARE)をさらに含むことができる。特に、TMPRSS2のプロモーター領域は、GenBank受託番号AJ276404によって提供される。
B.ハウスキーピング遺伝子
ハウスキーピング遺伝子は構成的に発現され、すべての組織で一般に遍在的に発現される。これらの遺伝子は、すべての細胞が生存するために必要な、基本的な、必須機能を提供するタンパク質をコードする。ハウスキーピング遺伝子は、すべての細胞および組織で同じレベルで通常発現されるが、特に細胞増殖および生物体の発達の間、多少の変動がある。ヒト細胞がどれくらい多くのハウスキーピング遺伝子を有するかは正確には分かっていないが、ほとんどの推定値は300〜500の範囲にある。
ハウスキーピング遺伝子は構成的に発現され、すべての組織で一般に遍在的に発現される。これらの遺伝子は、すべての細胞が生存するために必要な、基本的な、必須機能を提供するタンパク質をコードする。ハウスキーピング遺伝子は、すべての細胞および組織で同じレベルで通常発現されるが、特に細胞増殖および生物体の発達の間、多少の変動がある。ヒト細胞がどれくらい多くのハウスキーピング遺伝子を有するかは正確には分かっていないが、ほとんどの推定値は300〜500の範囲にある。
何百ものハウスキーピング遺伝子の多くが、同定されている。最も一般に公知の遺伝子、GAPDH(グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ)は、解糖経路に不可欠な酵素をコードする。別の重要なハウスキーピング遺伝子はアルブミンであり、それは、体全体に化合物を輸送することに役立つ。いくつかのハウスキーピング遺伝子は、βアクチンおよびチューブリンなどの細胞骨格を構成する構造タンパク質をコードする。他は、リボソームの18Sまたは28S rRNAサブユニットをコードする。HNRPA2B1は、遍在的に発現される異核リボ核タンパク質のメンバーである。そのプロモーターは、メチル化されていないことが示されており、導入遺伝子のCMVプロモーターの転写サイレンシングを阻止する(Williamsら、BMC Biotechnol 5巻、17頁(2005年))。ハウスキーピング遺伝子の例示的なリストは、例えば、Trends in Genetics、19巻、362〜365頁(2003年)に見ることができる。
C.ETSファミリーメンバー遺伝子
ETSファミリーの転写因子は、遺伝子発現を制御する細胞内シグナル伝達経路を調節する。下流エフェクターとして、それらは特定の標的遺伝子を活性化または抑制する。上流エフェクターとして、それらは多数の増殖因子受容体の空間的および時間的な発現を担う。このファミリーのほぼ30メンバーが同定され、広範囲の生理的および病理学的過程と関連付けられている。それらに限定されないが、これらには以下のものが含まれる。ERG;ETV1(ER81);FLI1;ETS1;ETS2;ELK1;ETV6(TEL1);ETV7(TEL2);GABPα;ELF1;ETV4(E1AF;PEA3);ETV5(ERM);ERF;PEA3/E1AF;PU.1;ESE1/ESX;SAP1(ELK4);ETV3(METS);EWS/FLI1;ESE1;ESE2(ELF5);ESE3;PDEF;NET(ELK3;SAP2);NERF(ELF2);およびFEV。例示的なETSファミリーメンバー配列を、図9に示す。
ETSファミリーの転写因子は、遺伝子発現を制御する細胞内シグナル伝達経路を調節する。下流エフェクターとして、それらは特定の標的遺伝子を活性化または抑制する。上流エフェクターとして、それらは多数の増殖因子受容体の空間的および時間的な発現を担う。このファミリーのほぼ30メンバーが同定され、広範囲の生理的および病理学的過程と関連付けられている。それらに限定されないが、これらには以下のものが含まれる。ERG;ETV1(ER81);FLI1;ETS1;ETS2;ELK1;ETV6(TEL1);ETV7(TEL2);GABPα;ELF1;ETV4(E1AF;PEA3);ETV5(ERM);ERF;PEA3/E1AF;PU.1;ESE1/ESX;SAP1(ELK4);ETV3(METS);EWS/FLI1;ESE1;ESE2(ELF5);ESE3;PDEF;NET(ELK3;SAP2);NERF(ELF2);およびFEV。例示的なETSファミリーメンバー配列を、図9に示す。
ERG(NM_004449)は、他の正常なヒト組織と比較して前立腺上皮で強く発現されることが証明されている。ERG遺伝子は、第21染色体に位置する。この遺伝子は、pterから38,675,671〜38,955,488塩基対に位置する。ERG遺伝子は、合計279,817bpのマイナス鎖方向である。対応するERG cDNAおよびタンパク質配列は、GenBank受託番号M17254およびNP04440(Swiss Protein受託番号P11308)でそれぞれ与えられる。
ETV1遺伝子は、第7染色体に位置する(GenBank受託番号NC_000007.11;NC_086703.11およびNT_007819.15)。この遺伝子は、pterから13,708,330〜13,803,555塩基対に位置する。ETV1遺伝子は、合計95,225bpの、マイナス鎖方向である。対応するETV1 cDNAおよびタンパク質配列は、GenBank受託番号NM_004956およびNP_004947(Swiss protein受託番号P50549)でそれぞれ与えられる。
ヒトETV4遺伝子は、第14染色体に位置する(GenBank受託番号NC_000017.9;NT_010783.14およびNT_086880.1)。この遺伝子は、pterから38,960,740〜38,979,228塩基対に位置する。ETV4遺伝子は、合計18,488bpの、マイナス鎖方向である。対応するETV4 cDNAおよびタンパク質配列は、GenBank受託番号NM_001986およびNP_01977(Swiss protein受託番号P43268)でそれぞれ与えられる。
ヒトETV5遺伝子は、第3染色体の3q28に位置する(NC_000003.10(187309570..187246803)。対応するETV5 mRNAおよびタンパク質配列は、GenBank受託番号NM_004454およびCAG33048によってそれぞれ与えられる。
D.ETS遺伝子融合物
TMPRSS2:ETS遺伝子融合物の最初の同定を含み、前立腺癌で5つのクラスのETS再配列が同定されている(図43)。本発明は、特定の機構に限定されない。実際、機構の理解は、本発明を実施するために必要でない。それにもかかわらず、ARGまたはHGとの融合、または癌で増加した発現を有する遺伝子座への挿入を経たETSファミリーメンバーの上方制御された発現は、前立腺癌の機構を提供することが想定される。特定の個体に存在する再配列のクラスについての知識は、カスタマイズされた癌療法を可能にする。
TMPRSS2:ETS遺伝子融合物の最初の同定を含み、前立腺癌で5つのクラスのETS再配列が同定されている(図43)。本発明は、特定の機構に限定されない。実際、機構の理解は、本発明を実施するために必要でない。それにもかかわらず、ARGまたはHGとの融合、または癌で増加した発現を有する遺伝子座への挿入を経たETSファミリーメンバーの上方制御された発現は、前立腺癌の機構を提供することが想定される。特定の個体に存在する再配列のクラスについての知識は、カスタマイズされた癌療法を可能にする。
1.遺伝子再配列のクラス
TMPRSS2:ETS遺伝子融合物(クラスI)は、前立腺癌でのETS再配列の優勢なクラスを表す。他の前立腺特異的アンドロゲン誘導遺伝子(クラスIIa)および内因性レトロウイルスエレメント(クラスIIb)からの非翻訳領域との融合を含む再配列、例えばそれぞれSLC45A3およびHERV−K_22q11.23は、ETS再配列でのTMRPSS2と同様に機能する。クラスIおよびII再配列での5’パートナーに類似して、C15ORF21は前立腺癌で著しく過剰発現される。しかし、クラスIおよびII再配列での融合パートナーとは異なり、C15ORF21はアンドロゲンによって抑制され、前立腺特異的アンドロゲン抑制5’融合パートナーを含む新規クラスのETS再配列(クラスIII)を表している。対照的に、HNRPA2B1は、前立腺特異的発現またはアンドロゲン応答性を示さなかった。したがって、HNRPA2B1:ETV1は、非組織特異的プロモーターエレメントを含む融合物がETS発現を誘起する、新規クラスのETS再配列(クラスIV)を表す。クラスV再配列では、ETS遺伝子全体が前立腺特異的領域に再配列される。
TMPRSS2:ETS遺伝子融合物(クラスI)は、前立腺癌でのETS再配列の優勢なクラスを表す。他の前立腺特異的アンドロゲン誘導遺伝子(クラスIIa)および内因性レトロウイルスエレメント(クラスIIb)からの非翻訳領域との融合を含む再配列、例えばそれぞれSLC45A3およびHERV−K_22q11.23は、ETS再配列でのTMRPSS2と同様に機能する。クラスIおよびII再配列での5’パートナーに類似して、C15ORF21は前立腺癌で著しく過剰発現される。しかし、クラスIおよびII再配列での融合パートナーとは異なり、C15ORF21はアンドロゲンによって抑制され、前立腺特異的アンドロゲン抑制5’融合パートナーを含む新規クラスのETS再配列(クラスIII)を表している。対照的に、HNRPA2B1は、前立腺特異的発現またはアンドロゲン応答性を示さなかった。したがって、HNRPA2B1:ETV1は、非組織特異的プロモーターエレメントを含む融合物がETS発現を誘起する、新規クラスのETS再配列(クラスIV)を表す。クラスV再配列では、ETS遺伝子全体が前立腺特異的領域に再配列される。
進行した前立腺癌の男性はアンドロゲン剥奪療法で一般に治療され、通常腫瘍回帰を生じる。しかし、癌はほとんど常に、ホルモン治療抵抗性の表現型で進行する。クラスIV再配列(例えばHNRPA2B1:ETV1)はアンドロゲン非感受性プロモーターエレメントによって誘起されるので、これらの遺伝子融合物はアンドロゲン剥奪に応答性でないであろうから、これらの患者が抗アンドロゲン治療に応答することができないことを結果は示す。クラスIII再配列を有する患者の抗アンドロゲン治療は、ETS融合物発現を増加させることができる。例えば、抗アンドロゲン治療がC15ORF21:ETV1発現を増加させたホルモン治療抵抗性の転移性前立腺癌を有する患者から、C15ORF21:ETV1が単離された。この仮説を裏付けるように、LNCaPのアンドロゲン飢餓は、内因性PSAおよびTMPRSS2の発現をかなり減少させ、HNRPA2B1に対して影響を及ぼさず、C15ORF21の発現を増加させた(図49)。これは、存在する融合物のクラスに基づく、前立腺癌男性のカスタマイズされた治療を可能にする(例えば、アンドロゲンブロック療法または他の代替療法の選択)。
前立腺癌での遺伝子再配列の複数のクラスは、一般的な上皮癌での染色体再配列のより一般化された役割を示す。例えば、乳癌での癌遺伝子に融合するエストロゲン応答エレメントなど、組織特異的プロモーターエレメントは、他のホルモン誘発癌での癌遺伝子に融合することができる。さらに、前立腺特異的融合物(クラスI〜III、V)は、他の上皮癌で増殖の利点を提供せず、選択されないであろうが、HNRPA2B1などの、遍在的に発現される遺伝子の強いプロモーターを含む融合物は、腫瘍型横断的に癌遺伝子の異常な発現をもたらす。要約すると、この研究は、血液学的悪性疾患と同様に、様々な機構を通した、一般的な上皮性腫瘍の発達での染色体再配列の役割を裏付ける。
2.ARG/ETS遺伝子融合物
上に述べたように、本発明は、ARGとETSファミリーメンバー遺伝子との融合物を提供する。例示的な遺伝子融合物配列を、図36、51および52に示す。TMPRSS2、ERG、ETV1およびETV4については、GenBank参照配列番号が提供され、エクソンは、UCSCヒトゲノムの2004年5月のアセンブリーを用いて整列されている。同定されたすべての融合物については、図36は、TMPRSS2遺伝子の開始から融合およびETSファミリーメンバー遺伝子の終止コドンまでの、完全な配列を提供する。公開されている各変異体の寄託GenBank配列も提供される。一部のTMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1融合物は、TMPRSS2およびETSファミリーメンバー遺伝子の中断点エクソンによって記載される。例えば、TMPRSS2のエクソン1をERGのエクソン4〜11に融合するTMPRSS2:ERGaは、TMPRSS2:ERG(1,4)として識別される。
上に述べたように、本発明は、ARGとETSファミリーメンバー遺伝子との融合物を提供する。例示的な遺伝子融合物配列を、図36、51および52に示す。TMPRSS2、ERG、ETV1およびETV4については、GenBank参照配列番号が提供され、エクソンは、UCSCヒトゲノムの2004年5月のアセンブリーを用いて整列されている。同定されたすべての融合物については、図36は、TMPRSS2遺伝子の開始から融合およびETSファミリーメンバー遺伝子の終止コドンまでの、完全な配列を提供する。公開されている各変異体の寄託GenBank配列も提供される。一部のTMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1融合物は、TMPRSS2およびETSファミリーメンバー遺伝子の中断点エクソンによって記載される。例えば、TMPRSS2のエクソン1をERGのエクソン4〜11に融合するTMPRSS2:ERGaは、TMPRSS2:ERG(1,4)として識別される。
特定の遺伝子融合物は、前立腺癌で他より一般的である。本発明は、前立腺癌の50〜80%が、ERG、ETV1、ETV4またはFLI1とのTMPRSS2の再発性遺伝子融合物を有すると同定する。そのうち、50〜70%はTMPRSS2−ERGであり、その50%〜60%は第21染色体上のTMPRSS2およびERG遺伝子座の間の遺伝情報の欠失から生じ(下でさらに詳細に記載される)、5〜10%はTMPRSS2−ETV1であり、1〜2%はTMPRSS2−ETV4であり、1〜2%はTMPRSS2−FLI1である。
本発明の開発中に行った実験は、特定の融合遺伝子は融合転写産物を発現するが、他は機能的転写産物を発現しないことを示した(Tomlinsら、Science、310巻:644〜648頁(2005年)、Tomlinsら、Cancer Research 66巻:3396〜3400頁(2006年))。
a.ERG遺伝子融合物
上に述べたように、ERGを含む遺伝子融合物は、前立腺癌で最も一般的な遺伝子融合物であることが見出された。本発明の開発中に行った実験は、第21染色体q22.2〜3上のTMPRSS2とERGとの間に位置するかなりのゲノム欠失を同定した。欠失は、TMPRSS2:ERG融合物陽性PCA試料で見られた。欠失はコンセンサス領域に現れるが、この領域中で変動を示す。Parisら(Hum. Mol. Genet.13巻:1303〜13頁(2004年))による既刊の研究では、CGH分析は、TMPRSS2から6kb動原体寄りであるCTD−2103O7 BACに欠失を検出した。これらの欠失は、臨床的に限局性のPCA試料の12.5%(9/72)で、および転移性PCA試料の33%(5/15)で観察された。これらの結果は、本研究からのSNP配列データを裏付け、PCA欠失が進行に伴いより一般的になるか、またはより速やかに進行する傾向があるPCAで欠失がより頻繁に特定されることを示す。TMPRSS2:ERG再配列の特筆すべき腫瘍内均一性を考慮すると、これらの分子サブタイプが異なる疾患進行特性に関連する可能性がより高い。
上に述べたように、ERGを含む遺伝子融合物は、前立腺癌で最も一般的な遺伝子融合物であることが見出された。本発明の開発中に行った実験は、第21染色体q22.2〜3上のTMPRSS2とERGとの間に位置するかなりのゲノム欠失を同定した。欠失は、TMPRSS2:ERG融合物陽性PCA試料で見られた。欠失はコンセンサス領域に現れるが、この領域中で変動を示す。Parisら(Hum. Mol. Genet.13巻:1303〜13頁(2004年))による既刊の研究では、CGH分析は、TMPRSS2から6kb動原体寄りであるCTD−2103O7 BACに欠失を検出した。これらの欠失は、臨床的に限局性のPCA試料の12.5%(9/72)で、および転移性PCA試料の33%(5/15)で観察された。これらの結果は、本研究からのSNP配列データを裏付け、PCA欠失が進行に伴いより一般的になるか、またはより速やかに進行する傾向があるPCAで欠失がより頻繁に特定されることを示す。TMPRSS2:ERG再配列の特筆すべき腫瘍内均一性を考慮すると、これらの分子サブタイプが異なる疾患進行特性に関連する可能性がより高い。
49.2%のERG再配列を抱える118個の臨床的に限局性のPCA症例を評価した。イントロン欠失が、これらのTMPRSS2:ERG融合物陽性症例の60.3%で観察された。ERGの著しい過剰発現を有するほとんどすべてのPCA試料は再配列を有し、過剰発現は、再配列とほぼ同じ症例数で起こる。遺伝子発現データの公開解説であるOncomineを用いて、一般的な欠失部位の領域に位置するかなり下方制御された4遺伝子を同定した(図16)。
本発明は、特定の機構に限定されない。実際、機構の理解は、本発明を実施するために必要でない。それにもかかわらず、すべてのPCAのほぼ半分をTMPRSS2:ERG再配列によって定義することができることを結果は示唆する。これらの腫瘍の大部分は、イントロン欠失を証明し、それは、オリゴヌクレオチドSNP配列ゲノム分析によるとサイズが異なる。しかし、約30〜40%は欠失を証明せず、したがってTMRPSS2およびERGの均衡した転位を抱えている可能性がある。欠失の程度のこの変動は、CMLで観察されているように疾患進行に関連している可能性がある。本研究は、腫瘍病期およびリンパ節状態との有意な臨床上の関連性を特定した。欠失を有するTMPRSS2:ERG再配列腫瘍は、PSAの生化学的不全の割合が高まる傾向も示した。
本発明の開発中に行ったさらなる実験は、長期追跡調査を行った早期前立腺癌の注意待期コホートで、TMPRSS2:ERG遺伝子融合物の存在に基づいて、転移または前立腺癌特異的死を起こす危険を探究した。TMPRSS2:ERG遺伝子融合の頻度は、92症例を用いて評価した。この集団ベースのコホートにおけるTMPRSS2:ERG遺伝子融合の頻度は15.2%(14/92)であって、2つの病院ベースのコホートで観察された50%の頻度よりも低かった。本発明は、特定の機構に限定されない。実際、機構の理解は、本発明を実施するために必要でない。それにもかかわらず、TMPRSS2:ERG遺伝子融合前立腺癌でのこの差は、民族的および人種的な遺伝的差による可能性がある。これらの差は、他の非集団ベースの研究と比較して、この注意待期コホートでのより低い割合の高グレード症例によって説明することもできる。
TMPRSS2:ERG遺伝子融合物と遠隔転移の発生および前立腺癌特異的死との間の有意な関連性は、3.6の累積発生比率(P=0.004、95%信頼区間=1.5〜8.9)で観察された。これらのデータは、TMPRSS2:ERG遺伝子融合前立腺癌がより攻撃的な表現型を有することを示唆する。追実験は、TMPRSS2:ERG遺伝子融合物でのゲノム欠失が、進行したおよび/または転移性の前立腺癌と相関することを示した(例えば、実施例5を参照)。
アンドロゲンが、TMPRSS2−ERG陽性細胞系で、おそらくAREを通して、ERGの過剰発現を誘発することができることも本発明は証明した。本発明は、特定の機構に限定されない。実際、機構の理解は、本発明を実施するために必要でない。それにもかかわらず、総合して、TMPRSS2の上流のAREを通してのETSファミリー活性の調節不全が、前立腺癌の発達を誘起することができることを結果は示唆する。
b.ETV1遺伝子融合物
本発明の一部の実施形態の開発中に行ったさらなる研究は、ETV1の異常発現の頻度とTMPRSS2:ETV1陽性前立腺癌との間の不一致を調査した。結果は、TMPRSS2:ERG遺伝子融合物を、前立腺癌でERG過剰発現を誘起する優勢な機構として同定した前の試験を確認した。しかし、ETV1を過剰発現する3つの前立腺癌では、新規の5’融合パートナーが同定された。本発明は、特定の機構に限定されない。実際、機構の理解は、本発明を実施するために必要でない。それにもかかわらず、ERGおよびETV1を含む融合物の5’パートナーでのこの矛盾の理由は不明であるが、TMPRSS2およびERGは第21染色体上に約〜3MB離れて位置しているので、それらの近接性がERGの5’パートナーとしてTMPRSS2を有利にしている可能性がある。
本発明の一部の実施形態の開発中に行ったさらなる研究は、ETV1の異常発現の頻度とTMPRSS2:ETV1陽性前立腺癌との間の不一致を調査した。結果は、TMPRSS2:ERG遺伝子融合物を、前立腺癌でERG過剰発現を誘起する優勢な機構として同定した前の試験を確認した。しかし、ETV1を過剰発現する3つの前立腺癌では、新規の5’融合パートナーが同定された。本発明は、特定の機構に限定されない。実際、機構の理解は、本発明を実施するために必要でない。それにもかかわらず、ERGおよびETV1を含む融合物の5’パートナーでのこの矛盾の理由は不明であるが、TMPRSS2およびERGは第21染色体上に約〜3MB離れて位置しているので、それらの近接性がERGの5’パートナーとしてTMPRSS2を有利にしている可能性がある。
遺伝子導入マウスでのアンドロゲン調節下のETV1の過剰発現は、マウス前立腺で高度に貫通性のmPINをもたらした(12中9、75%)。癌腫の発達は観察されなかった。これらの結果は、ETV1過剰発現が良性前立腺上皮細胞で浸潤を増加させたが、形質転換に十分でなかったin vitro研究、および、ヒトで、PINから癌腫への移行の間、または前立腺癌進行の早期にETS融合物がおそらく出現することを示す前の研究を裏付ける(Tomlinsら、Nat Genet 39巻、41〜51頁(2007年))。本発明は、特定の機構に限定されない。実際、機構の理解は、本発明を実施するために必要でない。それにもかかわらず、ヒト前立腺癌の発達では、単一のNKX3−1および/またはPTEN対立遺伝子の喪失などの、より早期の病変との関連でETS遺伝子融合物が出現することが予想される(Tomlinsら、Annual Review of Pathology: Mechanisms of Disease 1巻、243〜271頁(2006年))。さらに、癌腫への早期進行のないETV1遺伝子導入マウスでのmPINの発達は、NKX3−1+/−およびPTEN+/−マウスなどの、ヒト前立腺癌のこれらの他の早期事象のマウスモデルに類似している(Kimら、Proc Natl Acad Sci USA 99巻、2884〜9頁(2002年)、Abdulkadirら、Mol Cell Biol 22巻、1495〜503頁(2002年)、Di Cristofanoら、Nat Genet 27巻、222〜4頁(2001年))。したがって、ARR2Pb−ETV1マウスとこれらのマウスとの交雑が、ヒト前立腺癌の発達における早期事象を模倣する癌遺伝子/腫瘍サプレッサーモデルを生成することが想定される。
RWPE−ETV1のETV1によって調節される転写プログラムを特定するために、発現シグネチャーを、増殖する分子概念コレクションまたは生物学的に関連する遺伝子セットの間の相互関係のネットワークを探究するための分析フレームワークである、Molecular Concepts Mapに加えた。関連性分析のための遺伝子セットの最も大きなコレクションであることに加えて、MCMは、データベース中のすべての遺伝子セットの間のペア毎の関連を計算して、関連する概念の「濃縮ネットワーク」の同定および可視化を可能にする点で特異である。
この分析は、ETS遺伝子の異常発現のない癌に対してETV1異常発現を有する前立腺癌で過剰発現される遺伝子のin vivoシグネチャーが、RWPE−ETV1細胞で過剰発現される遺伝子のin vitroシグネチャーで濃縮される(P=0.003)ことを示し(図41f)、in vitroモデルの生物学的関連性を裏付けた。より一般的には、MCM分析は、ETV1が過剰に発現されたシグネチャーで濃縮された細胞浸潤に関連する分子概念のネットワークを特定し、この報告に記載される表現型効果と一貫していた。例えば、シグネチャーは、表面的な移行細胞膀胱癌に対して浸潤性のもので過剰発現された遺伝子(Modlichら、P=2.9E−14、Dyrskjotら、P=1.2E−8)29、30および上皮内腺管癌に対して浸潤性の乳腺管癌で過剰発現された遺伝子(Schuetzら、P=3.8E−13)を表す概念と濃縮を共有した。より直接には、シグネチャーは、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)およびディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼドメイン(ADAM)を含む、「ペプチダーゼM10AおよびM12B、マトリキシンまたはアダマリシンドメイン」(P=8.5E−5)を含むタンパク質のInterPro概念と濃縮を共有した。
その両方は浸潤を媒介することが公知であり、ETS転写因子の直接の標的であることが報告されている、いくつかのMMPおよびウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子経路のメンバーは、RWPE−ETV1細胞で過剰発現された(図41g)。さらに、「RWPE−ETV1で過剰発現された」シグネチャーは、STAT3−C癌遺伝子を過剰発現するMCF−10A細胞で過剰発現される遺伝子のシグネチャーと重複部分を共有した(P=8.9E−14)。このモデルでは、STAT3−C過剰発現は、増殖に影響しなかったが、MMP9依存的に浸潤を増加させた。結果は、EWS:FLI1のノックダウンまたは過剰発現が浸潤に影響を及ぼすが増殖に影響しないことを証明した、ユーイング肉腫でのEWSR1:ETS遺伝子融合の研究とも一致する(Smithら、Cancer Cell 9巻、405〜16頁(2006年))。RWPE−ETV1シグネチャーで過小発現されるもののMCM分析は、増殖関連の概念による濃縮を明らかにし(図50)、FACSまたは増殖アッセイでは明らかでない細胞増殖に対する微妙な効果を示した。
本研究は、細胞遺伝学研究を導くために異常な遺伝子発現を用いることの有用性も証明する。例えば、多数の核型分析、SKYおよび高分解能アレイCGH試験にもかかわらず、潜在的なETV1再配列は、最も一般的に用いられる前立腺癌のin vitroモデルであるLNCaPで報告されていない(Beheshtiら、Mol Diagn 5巻、23〜32頁(2000年)、Beheshtiら、Neoplasia 3巻、62〜9頁(2001年)、Gibasら、Cancer Genet Cytogenet 11巻、399〜404頁(1984年)、Watsonら、Hum Genet 120巻、795〜805頁(2007年)、Pangら、Prostate 66巻、157〜72頁(2006年)、Murilloら、Genes Chromosomes Cancer 45巻、702〜16頁(2006年)、Shiら、Prostate 60巻、257〜71頁(2004年)、Takahaら、Cancer Res 62巻、647〜51頁(2002年)、Streffordら、Cancer Genet Cytogenet 124巻、112〜21頁(2001年)、Thalmannら、Cancer Res 54巻、2577〜81頁(1994年))。同様に、TMPRSS2:ERG融合物は、核型分析によって検出することができない、21q上のTMPRSS2とERGとの間の染色体内欠失にしばしば起因する。同様に、本明細書で同定されるHNRPA2B1:ETV1融合物も、約15MBにわたる染色体内欠失を通して起こる。これらの結果は、癌遺伝子を活性化する潜在的な再配列および染色体内欠失が、他の一般的な上皮癌で起こる可能性を示す。
c.ETV4遺伝子融合物
Oncomineデータベースからの前立腺癌プロファイリング試験で監視したすべてのETSファミリーメンバーの発現を調べるために、実験を行った(Rhodesら、上記)。ETSファミリーメンバーETV4の顕著な過剰発現が、2つの研究の各々からの単一の前立腺癌症例で特定された−1つは、肉眼的に切開した組織をプロファイリングし(Lapointeら、上記)(図7A)、他は、レーザー捕捉マイクロ切開(LCM)組織1をプロファイリングした(図7B)。ETV4は、癌組織でTMPRSS2に融合されることが見出された。
Oncomineデータベースからの前立腺癌プロファイリング試験で監視したすべてのETSファミリーメンバーの発現を調べるために、実験を行った(Rhodesら、上記)。ETSファミリーメンバーETV4の顕著な過剰発現が、2つの研究の各々からの単一の前立腺癌症例で特定された−1つは、肉眼的に切開した組織をプロファイリングし(Lapointeら、上記)(図7A)、他は、レーザー捕捉マイクロ切開(LCM)組織1をプロファイリングした(図7B)。ETV4は、癌組織でTMPRSS2に融合されることが見出された。
d.ETV5遺伝子融合物
さらなる実験は、TMPRSS2:ETV5およびSLC45A3:ETV5遺伝子融合物を同定した(実施例20)。ETV5は、前立腺癌試料で異常発現を有することが見出され、その後遺伝子融合物に存在することが見出された。
さらなる実験は、TMPRSS2:ETV5およびSLC45A3:ETV5遺伝子融合物を同定した(実施例20)。ETV5は、前立腺癌試料で異常発現を有することが見出され、その後遺伝子融合物に存在することが見出された。
3.HG/ETS遺伝子融合物
さらなる実験は、前立腺癌でHNRPA2B1:ETV1遺伝子融合物を同定した。HNRPA2B1は、前立腺特異的発現およびアンドロゲン調節を示さず、その代わりにすべての腫瘍型にわたって強く発現される。HNRPA2B1は遍在的に発現される異核リボ核タンパク質のメンバーをコードし、そのプロモーターは、他のハウスキーピング遺伝子と構造類似性を共有する(Antoniouら、Genomics 82巻、269〜79頁(2003年))。さらに、HNRPA2B1プロモーターはメチル化されていないことが示されており、導入遺伝子のCMVプロモーターの転写サイレンシングを阻止する(Williamsら、BMC Biotechnol 5巻、17頁(2005年))。したがって、HNRPA2B1:ETV1は、非組織特異的プロモーターエレメントが癌遺伝子の発現を誘起する、一般的な上皮癌の新規クラスの遺伝子融合物を表す。TMPRSS2:ETS融合物はB細胞悪性疾患でのIGH−MYC再配列に機能的に類似しているが、HNRPA2B1:ETV1は、構成的に発現されるRPN1遺伝子のエンハンサーエレメントの支配下へのEVIの配置をもたらすと考えられている、急性骨髄性白血病でのinv(3)(q21q26)およびt(3;3)(q21;q26)により類似している(Suzukawaら、Blood 84巻、2681〜8頁(1994年)、Wieserら、Leuk Lymphoma 43巻、59〜65頁(2002年))。
さらなる実験は、前立腺癌でHNRPA2B1:ETV1遺伝子融合物を同定した。HNRPA2B1は、前立腺特異的発現およびアンドロゲン調節を示さず、その代わりにすべての腫瘍型にわたって強く発現される。HNRPA2B1は遍在的に発現される異核リボ核タンパク質のメンバーをコードし、そのプロモーターは、他のハウスキーピング遺伝子と構造類似性を共有する(Antoniouら、Genomics 82巻、269〜79頁(2003年))。さらに、HNRPA2B1プロモーターはメチル化されていないことが示されており、導入遺伝子のCMVプロモーターの転写サイレンシングを阻止する(Williamsら、BMC Biotechnol 5巻、17頁(2005年))。したがって、HNRPA2B1:ETV1は、非組織特異的プロモーターエレメントが癌遺伝子の発現を誘起する、一般的な上皮癌の新規クラスの遺伝子融合物を表す。TMPRSS2:ETS融合物はB細胞悪性疾患でのIGH−MYC再配列に機能的に類似しているが、HNRPA2B1:ETV1は、構成的に発現されるRPN1遺伝子のエンハンサーエレメントの支配下へのEVIの配置をもたらすと考えられている、急性骨髄性白血病でのinv(3)(q21q26)およびt(3;3)(q21;q26)により類似している(Suzukawaら、Blood 84巻、2681〜8頁(1994年)、Wieserら、Leuk Lymphoma 43巻、59〜65頁(2002年))。
他の一般的な上皮癌は、乳癌で癌遺伝子に融合するエストロゲン応答エレメントなどの、組織特異的プロモーターエレメントによって誘起されることが想定される。さらに、本明細書で同定される前立腺特異的融合物(例えばSLC45A3:ETV1)は、他の上皮癌で増殖の利点を提供しないであろうが、HNRPA2B1などの、遍在的に発現される遺伝子の強いプロモーターを含む融合物は、腫瘍型横断的に癌遺伝子の異常な発現をもたらすことができる。本明細書で同定されるHNRPA2B1:ETV1融合物は、約15MBにわたる染色体内欠失を通して起こる。これらの結果は、癌遺伝子を活性化する潜在的な再配列および染色体内欠失が、他の一般的な上皮癌で起こる可能性を示す。
II.抗体
その断片、誘導体および類似体を含む本発明の遺伝子融合タンパク質は、下記の診断、研究および治療の方法で用いることができる抗体を生成するための免疫原として用いることができる。抗体は、ポリクローナルもしくはモノクローナル、キメラ、ヒト化、単鎖またはFab断片であることができる。そのような抗体および断片の生成および標識化のために、当分野の技術者に公知である様々な手順を用いることができる。例えば、Burns編、Immunochemical Protocols、第3版、Humana Press(2005年)、HarlowおよびLane、Antibodies: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory(1988年)、Kozborら、Immunology Today 4巻:72頁(1983年)、KohlerおよびMilstein、Nature 256巻:495頁(1975年)を参照。トランケーションされたETSファミリーメンバータンパク質またはキメラタンパク質とそれらのそれぞれの本来のタンパク質との間の差を活用する抗体または断片が、特に好ましい。
その断片、誘導体および類似体を含む本発明の遺伝子融合タンパク質は、下記の診断、研究および治療の方法で用いることができる抗体を生成するための免疫原として用いることができる。抗体は、ポリクローナルもしくはモノクローナル、キメラ、ヒト化、単鎖またはFab断片であることができる。そのような抗体および断片の生成および標識化のために、当分野の技術者に公知である様々な手順を用いることができる。例えば、Burns編、Immunochemical Protocols、第3版、Humana Press(2005年)、HarlowおよびLane、Antibodies: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory(1988年)、Kozborら、Immunology Today 4巻:72頁(1983年)、KohlerおよびMilstein、Nature 256巻:495頁(1975年)を参照。トランケーションされたETSファミリーメンバータンパク質またはキメラタンパク質とそれらのそれぞれの本来のタンパク質との間の差を活用する抗体または断片が、特に好ましい。
III.診断への適用
ARGまたはHGとETSファミリーメンバー遺伝子との融合物は、DNA、RNAまたはタンパク質として検出可能である。当初、遺伝子融合物は、ARGまたはHGの転写調節領域からの5’部分、およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’部分を有するゲノムDNAの染色体再配列として検出可能である。転写されると、遺伝子融合物は、ARGまたはHGの転写調節領域からの5’部分、およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’部分を有するキメラmRNAとして検出可能である。翻訳されると、遺伝子融合物は、ARGまたはHGの転写調節領域とETSファミリーメンバー遺伝子との融合物から生じる、アミノ末端がトランケーションされたETSファミリーメンバータンパク質として;ARGまたはHGの転写調節領域からのアミノ末端部分およびETSファミリーメンバー遺伝子からのカルボキシ末端部分を有するキメラタンパク質として;または、上方制御されているが、さもなければ区別できない本来のETSファミリーメンバータンパク質として検出可能である。トランケーションされたETSファミリーメンバータンパク質およびキメラタンパク質は、アミノ酸配列、翻訳後プロセシングおよび/または二次、三次もしくは四次構造において、それらのそれぞれの本来のタンパク質と異なることができる。存在する場合、そのような差を用いて遺伝子融合物の存在を特定することができる。具体的な検出方法を、下でさらに詳細に記載する。
ARGまたはHGとETSファミリーメンバー遺伝子との融合物は、DNA、RNAまたはタンパク質として検出可能である。当初、遺伝子融合物は、ARGまたはHGの転写調節領域からの5’部分、およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’部分を有するゲノムDNAの染色体再配列として検出可能である。転写されると、遺伝子融合物は、ARGまたはHGの転写調節領域からの5’部分、およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’部分を有するキメラmRNAとして検出可能である。翻訳されると、遺伝子融合物は、ARGまたはHGの転写調節領域とETSファミリーメンバー遺伝子との融合物から生じる、アミノ末端がトランケーションされたETSファミリーメンバータンパク質として;ARGまたはHGの転写調節領域からのアミノ末端部分およびETSファミリーメンバー遺伝子からのカルボキシ末端部分を有するキメラタンパク質として;または、上方制御されているが、さもなければ区別できない本来のETSファミリーメンバータンパク質として検出可能である。トランケーションされたETSファミリーメンバータンパク質およびキメラタンパク質は、アミノ酸配列、翻訳後プロセシングおよび/または二次、三次もしくは四次構造において、それらのそれぞれの本来のタンパク質と異なることができる。存在する場合、そのような差を用いて遺伝子融合物の存在を特定することができる。具体的な検出方法を、下でさらに詳細に記載する。
本発明は、遺伝子融合物を直接的または間接的に検出する、DNA、RNAおよびタンパク質ベースの診断方法を提供する。本発明は、診断目的のための組成物およびキットも提供する。
本発明の診断方法は、定性的または定量的でもよい。定量的な診断方法は、例えばカットオフまたは閾値レベルを通して無痛性および攻撃的な癌を区別するために用いることができる。該当する場合、定性的または定量的な診断方法は、標的、シグナルまたは仲介者(例えば、汎用性プライマー)の増幅を含むこともできる。
最初のアッセイは、遺伝子融合物の存在を確認することができるが、特定の融合物を同定することができない。所望により、特定の融合物の同一性を判定するために、次に二次アッセイが実施される。第二のアッセイは、最初のアッセイと異なる検出技術を用いることができる。
本発明の遺伝子融合物は、多重またはパネルフォーマットの他のマーカーと共に検出することができる。マーカーは、それらの予測的価値について単独で、または遺伝子融合物と組み合わせて選択される。例示的前立腺癌マーカーには、それらに限定されないが、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、AMACR/P504S(米国特許第6,262,245号)、PCA3(米国特許第7,008,765号)、PCGEM1(米国特許第6,828,429号)、プロスタイン/P501S、P503S、P504S、P509S、P510S、プロスターゼ/P703P、P710P(米国特許出願公開第20030185830号)、ならびに、米国特許第5,854,206号および第6,034,218号および米国特許出願公開第20030175736号に開示のものが含まれる。他の癌、疾患、感染症および代謝状態のマーカーも、多重のパネルフォーマットに組入れられることが想定される。
本発明の診断方法は、特定の遺伝子融合物を疾患の病期、攻撃性もしくは進行、または転移の存在もしくは危険に関連させるデータに関して改変することもできる。最終的に、本発明の方法によって提供される情報は、特定の患者のために最良の治療クールを医師が選択するのに役立つ。
A.試料
遺伝子融合物を含むことが疑われるいかなる患者試料も、本発明の方法によって検査することができる。非限定例として、試料は、組織(例えば、前立腺生検試料もしくは前立腺切除によって得た組織試料)、血液、尿、精液、前立腺分泌物またはそれらの分画(例えば、血漿、血清、尿上清、尿細胞ペレットもしくは前立腺細胞)であることができる。好ましくは、尿試料は、前立腺からの前立腺細胞を尿路に排出させる、注意深い直腸指診(DRE)の直後に収集される。
遺伝子融合物を含むことが疑われるいかなる患者試料も、本発明の方法によって検査することができる。非限定例として、試料は、組織(例えば、前立腺生検試料もしくは前立腺切除によって得た組織試料)、血液、尿、精液、前立腺分泌物またはそれらの分画(例えば、血漿、血清、尿上清、尿細胞ペレットもしくは前立腺細胞)であることができる。好ましくは、尿試料は、前立腺からの前立腺細胞を尿路に排出させる、注意深い直腸指診(DRE)の直後に収集される。
患者試料は、遺伝子融合物または遺伝子融合物を含む細胞のための試料を単離または濃縮するように設計された、予備処理を一般的に必要とする。この目的のために、それらに限定されないが、遠心分離、免疫捕捉、細胞溶解および核酸標的捕捉を含む、当分野の技術者に公知である様々な技術を用いることができる(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、欧州特許第1409727号を参照)。
B.DNAおよびRNA検出
本発明の遺伝子融合物は、それらに限定されないが、核酸配列決定、核酸ハイブリダイゼーションおよび核酸増幅を含む、当分野の技術者に公知である様々な核酸技術を用いて、ゲノムDNAまたはキメラmRNAの染色体再配列として検出することができる。
本発明の遺伝子融合物は、それらに限定されないが、核酸配列決定、核酸ハイブリダイゼーションおよび核酸増幅を含む、当分野の技術者に公知である様々な核酸技術を用いて、ゲノムDNAまたはキメラmRNAの染色体再配列として検出することができる。
1.配列決定
核酸配列決定技術の例示的な非限定例には、連鎖停止剤(Sanger)配列決定および染色停止剤配列決定が含まれるが、これらに限定されない。RNAは細胞中でより不安定であり、ヌクレアーゼ攻撃により感受性であるので、当分野の技術者は、実験的RNAが配列決定の前にDNAに通常逆転写されることを認識する。
核酸配列決定技術の例示的な非限定例には、連鎖停止剤(Sanger)配列決定および染色停止剤配列決定が含まれるが、これらに限定されない。RNAは細胞中でより不安定であり、ヌクレアーゼ攻撃により感受性であるので、当分野の技術者は、実験的RNAが配列決定の前にDNAに通常逆転写されることを認識する。
連鎖停止剤配列決定は、改変ヌクレオチド基質を用いるDNA合成反応の配列特異的停止を用いる。その領域で鋳型に相補的である、放射性の、または他の標識された短いオリゴヌクレオチドプライマーを用いることにより、伸長は、鋳型DNA上の特異的部位で開始される。オリゴヌクレオチドプライマーは、DNAポリメラーゼ、標準の4つのデオキシヌクレオチド塩基、および低濃度の1つの連鎖停止ヌクレオチド、最も一般的にはジデオキシヌクレオチドを用いて伸長される。この反応は4つの別々の管で繰り返され、各塩基はジデオキシヌクレオチドと交替する。DNAポリメラーゼによる連鎖停止ヌクレオチドの限定的組込みは、その特定のジデオキシヌクレオチドが用いられる位置だけで停止される一連の関連DNA断片をもたらす。各反応管について、スラブポリアクリルアミドゲルまたは粘性ポリマーを満たした毛細管での電気泳動によって、断片はサイズ別に分離される。ゲルの上端から下端までスキャンするときに、どのレーンが標識プライマーから可視化マークを生成するかを読み取ることによって、配列が決定される。
染色停止剤配列決定は、代わりに停止剤を標識する。ジデオキシヌクレオチド連鎖停止剤の各々を、異なる波長で蛍光を発する別々の蛍光染料で標識することによって、完全な配列決定を単一の反応で実施することができる。
2.ハイブリダイゼーション
核酸ハイブリダイゼーション技術の例示的な非限定例には、in situハイブリダイゼーション(ISH)、マイクロアレイおよびサザンブロットまたはノーザンブロットが含まれるが、これらに限定されない。
核酸ハイブリダイゼーション技術の例示的な非限定例には、in situハイブリダイゼーション(ISH)、マイクロアレイおよびサザンブロットまたはノーザンブロットが含まれるが、これらに限定されない。
in situハイブリダイゼーション(ISH)は、組織の一部または切片で(in
situ)、または組織が十分に小さい場合には組織全体で(ホールマウントISH)、特異的DNAまたはRNA配列の位置を特定するためのプローブとして、標識された相補的DNAまたはRNA鎖を用いる種類のハイブリダイゼーションである。DNA ISHは、染色体の構造を判定するために用いることができる。RNA ISHは、組織切片またはホールマウントの中のmRNAおよび他の転写産物の位置を特定するために用いられる。試料細胞および組織は、通常、標的転写産物を適所に固定して、プローブのアクセスを増加させるために処理される。プローブは昇温状態で標的配列とハイブリダイズし、過剰なプローブはその後洗い流される。放射能、蛍光または抗原で標識された塩基で標識されたプローブは、それぞれオートラジオグラフィ、蛍光顕微鏡検査または免疫組織化学を用いて、組織で位置が特定され、定量化される。ISHは、2つ以上の転写産物を同時に検出するために、放射能または他の非放射性標識で標識された2つ以上のプローブを用いることもできる。
situ)、または組織が十分に小さい場合には組織全体で(ホールマウントISH)、特異的DNAまたはRNA配列の位置を特定するためのプローブとして、標識された相補的DNAまたはRNA鎖を用いる種類のハイブリダイゼーションである。DNA ISHは、染色体の構造を判定するために用いることができる。RNA ISHは、組織切片またはホールマウントの中のmRNAおよび他の転写産物の位置を特定するために用いられる。試料細胞および組織は、通常、標的転写産物を適所に固定して、プローブのアクセスを増加させるために処理される。プローブは昇温状態で標的配列とハイブリダイズし、過剰なプローブはその後洗い流される。放射能、蛍光または抗原で標識された塩基で標識されたプローブは、それぞれオートラジオグラフィ、蛍光顕微鏡検査または免疫組織化学を用いて、組織で位置が特定され、定量化される。ISHは、2つ以上の転写産物を同時に検出するために、放射能または他の非放射性標識で標識された2つ以上のプローブを用いることもできる。
a.FISH
一部の実施形態では、融合物配列は、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を用いて検出される。本発明のための好ましいFISHアッセイは、細菌人工染色体(BAC)を利用する。これらは、ヒトゲノム配列決定プロジェクト(Nature
409巻:953〜958頁(2001年)を参照)で広範に用いられ、特異的BACを含むクローンは、多くの提供元、例えばNCBIを通して捜すことができる販売業者を通して入手可能である。ヒトゲノムからの各BACクローンは、それを明白に特定する参照名称が与えられている。これらの名称は、対応するGenBank配列を捜し出し、販売業者からクローンのコピーを注文するために用いることができる。
一部の実施形態では、融合物配列は、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を用いて検出される。本発明のための好ましいFISHアッセイは、細菌人工染色体(BAC)を利用する。これらは、ヒトゲノム配列決定プロジェクト(Nature
409巻:953〜958頁(2001年)を参照)で広範に用いられ、特異的BACを含むクローンは、多くの提供元、例えばNCBIを通して捜すことができる販売業者を通して入手可能である。ヒトゲノムからの各BACクローンは、それを明白に特定する参照名称が与えられている。これらの名称は、対応するGenBank配列を捜し出し、販売業者からクローンのコピーを注文するために用いることができる。
一部の実施形態では、検出アッセイは、ETV1のためのプローブ(例えば、bac RP11−692L4)、c−ERG:t−ERG分断のためのプローブのセット(例えば、bac RP11−24A11およびt−ERG RP11−372O17またはRP11−137J13のためのプローブ)を利用するFISHアッセイである。他の実施形態では、FISHアッセイは、ETV1の欠失または増幅についてプローブのセットで試験することによって実施され、そこで、1つのプローブはETV1遺伝子座にわたり(例えば、bac RP11−692L4)、他のプローブは第7染色体とハイブリダイズする(例えば、染色体のセントロメア上のプローブ)。さらなる実施形態では、本方法は、ERGの欠失または増幅についてプローブのセットで試験することによって実施され、1つはERG遺伝子座にわたり(例えば、bac RP11−476D17)、1つは第21染色体上の参照プローブである(例えば、PR11−32L6、RP11−752M23、RP11−1107H21、RP11−639A7またはRP11−1077M21)。さらなる他の実施形態では、本方法は、TMPRSS2の欠失/増幅についてプローブのセットで試験することによって実施され、1つはTMPRSS2遺伝子座にわたり(例えば、RP11−121A5、RP11−120C17、PR11−814F13またはRR11−535H11)、1つは第21染色体上の参照プローブである(例えば、PR11−32L6、RP11−752M23、RP11−1107H21、RP11−639A7またはRP11−1077M21)。一部の実施形態では、本方法は、それらに限定されないが、RP11−121A5、RP11−120C17、PR11−814F13およびRR11−535H11を含む群から選択されるプローブを用いるハイブリダイゼーションをさらに含む。
本発明は、ヒト前立腺細胞、ヒト前立腺組織、または前記ヒト前立腺細胞もしくはヒト前立腺組織を囲む液体でFISHアッセイを実施する方法をさらに提供する。
一部の実施形態では、本アッセイは、それらに限定されないが、RP11−372O17;RP11−137J13;RP11−692L4;RP11−476D17;PR11−32L6;RP11−752M23;RP11−1107H21;RP11−639A7;RP11−1077M21;RP11−121A5;RP11−120C17;PR11−814F13;およびRR11−535H11を含む群から選択されるプローブを用いるハイブリダイゼーションステップを含む。
本発明に関連した再配列を検出するためのFISHプロトコールで用いることができる具体的なBACクローンは、以下の通りである:
・ETV1−TMPRSS2融合物について試験するために、ETV1にわたる1つのプローブ、およびTMPRSS2遺伝子座にわたる1つを用いることができる:
ETV1のためのBAC:RP11−692L4
TMPRSS2のためのBAC:RP11−121A5、(RP11−120C17、PR11−814F13、RR11−535H11)
・c−ERG:t−ERG分断のためのプローブのセットによるERG転位の試験:
c−ERGのためのBAC:RP11−24A11
t−ERGのためのBAC:RP11−372O17、RP11−137J13
・プローブのセット、ETV1遺伝子座にわたる1つのプローブ、および第7染色体上の1つの参照プローブによるETV1欠失/増幅の試験:
ETV1のためのBAC:RP11−692L4
・プローブのセット、ERG遺伝子座にわたる1つのプローブ、および第21染色体上の1つの参照プローブによるERG欠失/増幅の試験:
ERGのためのBAC:RP11−476D17 第21染色体上の参照プローブのためのBAC:*
・プローブのセット、TMPRSS2遺伝子座にわたる1つのプローブ、および第21染色体上の1つの参照プローブによるTMPRSS2欠失/増幅の試験:
TMPRSS2のためのBAC:RP11−121A5、(RP11−120C17、PR11−814F13、RR11−535H11)
第21染色体上の参照プローブのためのBAC:PR11−32L6、RP11−752M23、RP11−1107H21、RP11−639A7、(RP11−1077M21)。
・ETV1−TMPRSS2融合物について試験するために、ETV1にわたる1つのプローブ、およびTMPRSS2遺伝子座にわたる1つを用いることができる:
ETV1のためのBAC:RP11−692L4
TMPRSS2のためのBAC:RP11−121A5、(RP11−120C17、PR11−814F13、RR11−535H11)
・c−ERG:t−ERG分断のためのプローブのセットによるERG転位の試験:
c−ERGのためのBAC:RP11−24A11
t−ERGのためのBAC:RP11−372O17、RP11−137J13
・プローブのセット、ETV1遺伝子座にわたる1つのプローブ、および第7染色体上の1つの参照プローブによるETV1欠失/増幅の試験:
ETV1のためのBAC:RP11−692L4
・プローブのセット、ERG遺伝子座にわたる1つのプローブ、および第21染色体上の1つの参照プローブによるERG欠失/増幅の試験:
ERGのためのBAC:RP11−476D17 第21染色体上の参照プローブのためのBAC:*
・プローブのセット、TMPRSS2遺伝子座にわたる1つのプローブ、および第21染色体上の1つの参照プローブによるTMPRSS2欠失/増幅の試験:
TMPRSS2のためのBAC:RP11−121A5、(RP11−120C17、PR11−814F13、RR11−535H11)
第21染色体上の参照プローブのためのBAC:PR11−32L6、RP11−752M23、RP11−1107H21、RP11−639A7、(RP11−1077M21)。
TMPRSS2とERGとの間の融合物をもたらす欠失突然変異を検出するための最も好ましいプローブは、RP11−24A11およびRP11−137J13である。これらのプローブ、または上記のそれらは、適当な蛍光マーカーまたは他のマーカーで標識され、その後ハイブリダイゼーションで用いられる。本明細書で提供される実施例のセクションは、欠失を測定するのに有効な1つの特定のプロトコールを示すが、当業技術者は、このアッセイの多くの変形形態を等しく都合よく用いることができることを認識する。具体的なプロトコールは当技術分野で周知であって、本発明に容易に応用することができる。方法論に関する指針は、以下を含む多くの参考文献から得ることができる:In situ Hybridization: Medical Applications(G. R. CoultonおよびJ. de Belleroche編)、Kluwer
Academic Publishers、Boston(1992年)、In situ Hybridization: In Neurobiology; Advances in Methodology(J. H. Eberwine、K. L. ValentinoおよびJ. D. Barchas編)、Oxford University Press Inc.、England(1994年)、In situ Hybridization: A Practical Approach(D. G. Wilkinson編)、Oxford University Press Inc.、England(1992年)、Kuoら、Am. J. Hum. Genet.49巻:112〜119頁(1991年)、Klingerら、Am. J. Hum. Genet.51巻:55〜65頁(1992年)、およびWardら、Am. J. Hum. Genet.52巻:854〜865頁(1993年)。FISHアッセイの実施のためにプロトコールを提供する市販キットもある(例えば、Oncor,Inc.、Gaithersburg、MDから入手可能)。方法論に関する指針を提供する特許には、米国特許第5,225,326号、第5,545,524号、第6,121,489号および第6,573,043号が含まれる。これらの参考文献のすべては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、特定の研究室に便利な手順工程を確立するために、当技術分野の類似参考文献および本明細書の実施例のセクションで提供される情報と共に用いることができる。
Academic Publishers、Boston(1992年)、In situ Hybridization: In Neurobiology; Advances in Methodology(J. H. Eberwine、K. L. ValentinoおよびJ. D. Barchas編)、Oxford University Press Inc.、England(1994年)、In situ Hybridization: A Practical Approach(D. G. Wilkinson編)、Oxford University Press Inc.、England(1992年)、Kuoら、Am. J. Hum. Genet.49巻:112〜119頁(1991年)、Klingerら、Am. J. Hum. Genet.51巻:55〜65頁(1992年)、およびWardら、Am. J. Hum. Genet.52巻:854〜865頁(1993年)。FISHアッセイの実施のためにプロトコールを提供する市販キットもある(例えば、Oncor,Inc.、Gaithersburg、MDから入手可能)。方法論に関する指針を提供する特許には、米国特許第5,225,326号、第5,545,524号、第6,121,489号および第6,573,043号が含まれる。これらの参考文献のすべては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、特定の研究室に便利な手順工程を確立するために、当技術分野の類似参考文献および本明細書の実施例のセクションで提供される情報と共に用いることができる。
下の表13は、FISHプローブとして利用可能なさらなるBACクローンを示す。
本発明の方法で有用なさらなるFISHプローブを、表16(図46)に示す。
b.マイクロアレイ
それらに限定されないが、DNAマイクロアレイ(例えば、cDNAマイクロアレイおよびオリゴヌクレオチドマイクロアレイ)、タンパク質マイクロアレイ、組織マイクロアレイ、トランスフェクションまたは細胞マイクロアレイ、化合物マイクロアレイ、ならびに抗体マイクロアレイを含む、異なる種類のバイオアッセイがマイクロアレイと呼ばれる。遺伝子チップ、DNAチップまたはバイオチップとして一般に公知のDNAマイクロアレイは、数千の遺伝子の同時の発現プロファイリングまたは発現レベルの監視のための、アレイを形成する、固体表面(例えば、ガラス、プラスチックまたはシリコンチップ)に結合する顕微鏡的DNAスポットの集合である。付着したDNA断片はプローブとして公知であり、それの数千を単一のDNAマイクロアレイで用いることができる。マイクロアレイは、病気の細胞および正常な細胞で遺伝子発現を比較することによって疾患遺伝子を同定するために用いることができる。マイクロアレイは、それらに限定されないが、ガラススライド上への先の鋭いピンによるプリント、予め作られたマスクを用いる写真平版、ダイナミックマイクロミラー装置を用いる写真平版、インクジェット式プリント、または微小電極アレイ上の電気化学法を含む、様々な技術を用いて作製することができる。
それらに限定されないが、DNAマイクロアレイ(例えば、cDNAマイクロアレイおよびオリゴヌクレオチドマイクロアレイ)、タンパク質マイクロアレイ、組織マイクロアレイ、トランスフェクションまたは細胞マイクロアレイ、化合物マイクロアレイ、ならびに抗体マイクロアレイを含む、異なる種類のバイオアッセイがマイクロアレイと呼ばれる。遺伝子チップ、DNAチップまたはバイオチップとして一般に公知のDNAマイクロアレイは、数千の遺伝子の同時の発現プロファイリングまたは発現レベルの監視のための、アレイを形成する、固体表面(例えば、ガラス、プラスチックまたはシリコンチップ)に結合する顕微鏡的DNAスポットの集合である。付着したDNA断片はプローブとして公知であり、それの数千を単一のDNAマイクロアレイで用いることができる。マイクロアレイは、病気の細胞および正常な細胞で遺伝子発現を比較することによって疾患遺伝子を同定するために用いることができる。マイクロアレイは、それらに限定されないが、ガラススライド上への先の鋭いピンによるプリント、予め作られたマスクを用いる写真平版、ダイナミックマイクロミラー装置を用いる写真平版、インクジェット式プリント、または微小電極アレイ上の電気化学法を含む、様々な技術を用いて作製することができる。
サザンブロッティングおよびノーザンブロッティングは、それぞれ特異的DNAまたはRNA配列を検出するために用いられる。試料から抽出されるDNAまたはRNAを分断し、マトリックスゲルの上で電気泳動的に分離し、メンブランフィルターに移す。フィルターに結合したDNAまたはRNAを、対象の配列に相補的である標識プローブとハイブリダイズさせる。フィルターに結合している、ハイブリダイズしたプローブを検出する。この手順の変形は逆ノーザンブロットであり、そこでは、膜に付着した基質核酸が単離されたDNA断片の集合であり、プローブは、組織から抽出され、標識されたRNAである。
3.増幅
ゲノムDNAおよびキメラmRNAの染色体再配列は、検出の前かまたは同時に増幅することができる。核酸増幅技術の例示的な非限定例には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、転写媒介増幅(TMA)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)および核酸配列ベースの増幅(NASBA)が含まれるが、これらに限定されない。当分野の技術者は、特定の増幅技術(例えば、PCR)は、RNAが増幅の前にDNAに逆転写されることを必要とする(例えば、RT−PCR)が、他の増幅技術はRNAを直接に増幅する(例えば、TMAおよびNASBA)ことを認識する。
ゲノムDNAおよびキメラmRNAの染色体再配列は、検出の前かまたは同時に増幅することができる。核酸増幅技術の例示的な非限定例には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、転写媒介増幅(TMA)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)および核酸配列ベースの増幅(NASBA)が含まれるが、これらに限定されない。当分野の技術者は、特定の増幅技術(例えば、PCR)は、RNAが増幅の前にDNAに逆転写されることを必要とする(例えば、RT−PCR)が、他の増幅技術はRNAを直接に増幅する(例えば、TMAおよびNASBA)ことを認識する。
PCRと一般に呼ばれるポリメラーゼ連鎖反応(その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、第4,800,159号および第4,965,188号)は、変性、反対の鎖へのプライマー対のアニーリング、およびプライマー伸長の複数のサイクルを用いて、標的核酸配列のコピー数を指数的に増加させる。RT−PCRと呼ばれる変形形態では、逆転写酵素(RT)はmRNAから相補的DNA(cDNA)を作製するために用いられ、cDNAはDNAの複数のコピーを生成するために次にPCRによって増幅される。PCRの他の様々な置換については、例えば、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,683,195号、第4,683,202号および第4,800,159号、Mullisら、Meth. Enzymol.155巻:335頁(1987年)ならびにMurakawaら、DNA 7巻:287頁(1988年)を参照。
一般にTMAと呼ばれる転写によって媒介される増幅(その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,480,784号および第5,399,491号)は、標的核酸配列の複数のRNAコピーがさらなるコピーを自己触媒的に生成する、実質的に一定の温度、イオン強度およびpHの条件下で、標的核酸配列の複数のコピーを自己触媒的に合成する。例えば、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,399,491号および第5,824,518号を参照。米国特許出願公開第20060046265号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される変形形態では、TMA工程感度および精度を向上させるために、TMAは任意選択でブロッキング部分、停止部分、および他の改変部分の使用を組み込む。
一般にLCRと呼ばれるリガーゼ連鎖反応(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Weiss, R.、Science 254巻:1292頁(1991年))は、標的核酸の隣接部位とハイブリダイズする2セットの相補的DNAオリゴヌクレオチドを用いる。DNAオリゴヌクレオチドは、検出可能な二本鎖のライゲーションされたオリゴヌクレオチド生成物を生成するために、熱変性、ハイブリダイゼーションおよびライゲーションの反復サイクルにおいて、DNAリガーゼによって共有結合される。
一般にSDAと呼ばれる鎖置換増幅(その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Walker, G.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89巻:392〜396頁(1992年)、米国特許第5,270,184号および第5,455,166号)は、プライマー配列の対を標的配列の反対の鎖にアニールすること、二重鎖ヘミホスホロチオエート化プライマー伸長生成物を生成するためのdNTPαSの存在下でのプライマー伸長、半改変制限エンドヌクレアーゼ認識部位のエンドヌクレアーゼ媒介ニッキング、ならびに既存の鎖を置換し、次のラウンドのプライマーアニーリング、ニッキングおよび鎖置換のための鎖を生成して、生成物の幾何学的な増幅をもたらすための、ニックの3’末端からのポリメラーゼ媒介プライマー伸長のサイクルを用いる。好熱性SDA(tSDA)は、事実上同じ方法でより高い温度において、好熱性エンドヌクレアーゼおよびポリメラーゼを用いる(欧州特許第0 684 315号)。
他の増幅方法には、例えば以下のものが含まれる。一般にNASBAと呼ばれる核酸配列ベースの増幅(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,130,238号)、一般にQβレプリカーゼと呼ばれる、プローブ分子自体を増幅するためのRNAレプリカーゼを用いるもの(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Lizardiら、BioTechnol.6巻:1197頁(1988年))、転写ベースの増幅方法(Kwohら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86巻:1173頁(1989年))、および自立的配列複製(その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Guatelliら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87巻:1874頁(1990年))。公知の増幅方法に関するさらなる議論については、Persing, David H.、「In Vitro
Nucleic Acid Amplification Techniques」、Diagnostic Medical Microbiology: Principles and Applications(Persingら編)、51〜87頁(American Society for Microbiology、Washington、DC(1993年))を参照。
Nucleic Acid Amplification Techniques」、Diagnostic Medical Microbiology: Principles and Applications(Persingら編)、51〜87頁(American Society for Microbiology、Washington、DC(1993年))を参照。
4.検出方法
増幅されていないかまたは増幅された遺伝子融合核酸は、従来の任意の手段によって検出することができる。例えば、遺伝子融合物は、検出可能に標識されたプローブとのハイブリダイゼーションおよび生じたハイブリッドの測定によって検出することができる。検出方法の例示的な非限定例を、下に記載する。
増幅されていないかまたは増幅された遺伝子融合核酸は、従来の任意の手段によって検出することができる。例えば、遺伝子融合物は、検出可能に標識されたプローブとのハイブリダイゼーションおよび生じたハイブリッドの測定によって検出することができる。検出方法の例示的な非限定例を、下に記載する。
1つの例示的な検出方法、ハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)は、化学発光オリゴヌクレオチドプローブ(例えば、アクリジニウムエステル標識(AE)プローブ)を標的配列とハイブリダイズさせ、ハイブリダイズしていないプローブの上に存在する化学発光標識を選択的に加水分解し、ルミノメーター中の残存プローブから生成される化学発光を測定することを含む。例えば、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,283,174号およびNorman C. Nelsonら、Nonisotopic Probing, Blotting, and Sequencing、17章(Larry J. Kricka編、2版、1995年)を参照。
別の例示的な検出方法は、増幅過程のリアルタイムでの定量評価を可能にする。「リアルタイム」での増幅過程の評価は、増幅反応の間、反応混合液中のアンプリコンの量を連続的または定期的に測定し、測定値を用いて試料中に最初に存在する標的配列の量を計算することを含む。リアルタイム増幅に基づいて試料中に存在する最初の標的配列の量を測定するための様々な方法は、当技術分野で周知である。これらには、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,303,305号および第6,541,205号に開示の方法が含まれる。試料中に最初に存在する標的配列の量を測定するための、しかしリアルタイム増幅に基づかない別の方法が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,710,029号に開示されている。
増幅生成物は、そのほとんどはステム−ループ構造を有する様々な自己ハイブリダイゼーションプローブを用いることによって、リアルタイムで検出することができる。そのような自己ハイブリダイゼーションプローブは、プローブが自己ハイブリダイズした状態にあるかまたは標的配列とのハイブリダイゼーションを通して変化した状態にあるかによって、それらが検出可能なシグナルを異なって放射するように標識される。非限定例として、「分子トーチ」は、連結領域(例えば、非ヌクレオチドリンカー)によって連結され、所定ハイブリダイゼーションアッセイ条件下で互いとハイブリダイズする、自己相補性の異なる領域(「標的結合ドメイン」および「標的クロージングドメイン」と呼ばれる)を含む、自己ハイブリダイゼーションプローブの1種である。好ましい実施形態では、分子トーチは、長さが1〜約20塩基であって、鎖置換条件下で増幅反応に存在する標的配列とのハイブリダイゼーションにアクセス可能である一本鎖塩基領域を標的結合ドメインに含む。鎖置換条件下では、標的結合ドメインに存在する一本鎖領域に結合して、標的クロージングドメインのすべてまたは一部を置換する標的配列が存在する場合を除いて、分子トーチの、完全または部分的に相補的であってよい2つの相補的領域のハイブリダイゼーションが有利である。分子トーチの標的結合ドメインおよび標的クロージングドメインは、分子トーチが標的核酸とハイブリダイズする場合ではなく、分子トーチが自己ハイブリダイズする場合に異なるシグナルが生成され、それによって、ハイブリダイズしていない分子トーチの存在下で試験試料中のプローブ:標的二重鎖の検出を可能にするように置かれる検出可能な標識または対の相互作用標識(例えば、発光/失活剤)を含む。分子トーチおよび様々な種類の相互作用標識対は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,534,274に開示されている。
自己相補性を有する検出プローブの別の例は、「分子ビーコン」である。分子ビーコンは、標的相補的配列を有する核酸分子、増幅反応に存在する標的配列の不在下で閉じた立体構造でプローブを保持する親和性対(または核酸アーム)、およびプローブが閉じた立体構造のときに相互作用する標識対を含む。標的配列および標的相補的配列のハイブリダイゼーションは親和性対のメンバーを分離し、それによってプローブを開いた立体構造へ移行させる。開いた立体構造への移行は、例えば蛍光団および失活剤(例えば、DABCYLおよびEDANS)であってもよい標識対の相互作用の減少のために検出可能である。分子ビーコンは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,925,517号および第6,150,097号に開示されている。
他の自己ハイブリダイゼーションプローブは、当分野の技術者に周知である。非限定例として、米国特許第5,928,862号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されるものなどの、相互作用標識を有するプローブ結合対を、本発明で使用するために応用することができるかもしれない。一塩基多型(SNP)を検出するために用いられるプローブ系も、本発明で利用できるかもしれない。さらなる検出系には、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20050042638号に開示されている「分子スイッチ」が含まれる。挿入色素および/または蛍光色素を含むものなどの他のプローブも、本発明で増幅生成物の検出のために有用である。例えば、(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)米国特許第5,814,447号を参照。
C.タンパク質検出
本発明の遺伝子融合物は、それらに限定されないが、タンパク質配列決定およびイムノアッセイを含む、当分野の技術者に公知である様々なタンパク質技術を用いて、トランケーションされたETSファミリーメンバータンパク質またはキメラタンパク質として検出することができる。
本発明の遺伝子融合物は、それらに限定されないが、タンパク質配列決定およびイムノアッセイを含む、当分野の技術者に公知である様々なタンパク質技術を用いて、トランケーションされたETSファミリーメンバータンパク質またはキメラタンパク質として検出することができる。
1.配列決定
タンパク質配列決定技術の例示的な非限定例には、質量分析およびエドマン分解が含まれるが、これらに限定されない。
タンパク質配列決定技術の例示的な非限定例には、質量分析およびエドマン分解が含まれるが、これらに限定されない。
質量分析は、原則としていかなるサイズのタンパク質も配列決定することができるが、サイズが大きくなるにつれて計算がより困難になる。タンパク質をエンドプロテアーゼによって消化し、生じた溶液を高圧液体クロマトグラフィーカラムに通す。このカラムの末端で、高い正電位に荷電した狭いノズルから溶液を質量分析計にスプレーする。液滴上の電荷は、単一のイオンだけが残るまでそれらを断片化させる。その結果ペプチドが断片化され、断片の質量−電荷比を測定する。質量スペクトルをコンピュータで分析し、それは、断片の配列を判定するために、前に配列決定をしたタンパク質のデータベースに対してしばしば比較される。この工程を次に異なる消化酵素で繰り返し、配列中の重複部分を用いてタンパク質の配列を構築する。
エドマン分解反応では、配列決定をされるペプチドは、固体表面(例えば、ポリブレンでコーティングしたガラス繊維)に吸着される。エドマン試薬、フェニルイソチオシアナート(PTC)は、12%トリメチルアミンの弱塩基性の緩衝液と一緒に吸着ペプチドに加えられ、N末端アミノ酸のアミン基と反応する。次に無水酸の添加によって、末端アミノ酸誘導体を選択的に分離することができる。誘導体は異性化して置換されたフェニルチオヒダントインを与え、それを洗い流してクロマトグラフィーによって同定することができ、そのサイクルを繰り返してもよい。各ステップの効率は約98%であり、それは、約50アミノ酸が確実に測定されることを可能にする。
2.イムノアッセイ
イムノアッセイの例示的な非限定例には、それらに限定されないが、以下のものが含まれる。免疫沈降、ウェスタンブロット、ELISA、免疫組織化学、免疫細胞化学、フローサイトメトリーおよびイムノPCR。当分野の技術者に公知である様々な技術(例えば、比色、蛍光、化学発光または放射)を用いて検出可能に標識されたポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体が、イムノアッセイで使用するために適する。
イムノアッセイの例示的な非限定例には、それらに限定されないが、以下のものが含まれる。免疫沈降、ウェスタンブロット、ELISA、免疫組織化学、免疫細胞化学、フローサイトメトリーおよびイムノPCR。当分野の技術者に公知である様々な技術(例えば、比色、蛍光、化学発光または放射)を用いて検出可能に標識されたポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体が、イムノアッセイで使用するために適する。
免疫沈降は、その抗原に特異的である抗体を用いて溶液から抗原を沈殿させる技術である。この方法は、複合体中にあると思われるタンパク質をターゲッティングすることによって、細胞抽出物に存在するタンパク質複合体を同定するために用いることができる。複合体は、プロテインAおよびプロテインGなどの、細菌から最初に単離された不溶性抗体結合性タンパク質によって、溶液から取り出される。抗体は、溶液から容易に分離することができるセファロースビーズに結合させることもできる。洗浄後、沈殿物は、質量分析、ウェスタンブロット法、または複合体中の構成成分を同定するための任意数の他の方法を用いて分析することができる。
ウェスタンブロットまたはイムノブロットは、組織ホモジネートまたは抽出物の所与の試料中のタンパク質を検出する方法である。それは、質量によって変性タンパク質を分離するために、ゲル電気泳動を用いる。タンパク質は次にゲルから膜に、一般的にポリビニルジフルオリドまたはニトロセルロース上に移され、そこでそれらは対象のタンパク質に特異的である抗体を用いて探索される。その結果、研究者は所与の試料中のタンパク質の量を検査して、いくつかの群の間でレベルを比較することができる。
酵素結合免疫吸着検定法を省略したELISAは、試料中の抗体または抗原の存在を検出する生化学技術である。それは最低2つの抗体を利用し、その抗体のうちの一方は抗原に特異的であり、他方は酵素に結合する。二次抗体は、発色性または蛍光発生性の基質にシグナルを生成させる。ELISAの変形形態には、サンドイッチELISA、競合的ELISAおよびELISPOTが含まれる。ELISAは試料中の抗原の存在または抗体の存在を評価するために実施することができるので、それは、血清抗体濃度を測定するための、そのうえ抗原の存在を検出するための有用なツールである。
免疫組織化学および免疫細胞化学は、それらのそれぞれの抗体に結合する組織または細胞中の抗原成分を通して、それぞれ組織切片または細胞でタンパク質の位置を特定する方法を指す。可視化は、抗体を発色性または蛍光性の標識で標識することによって可能になる。色標識の一般的な例には、西洋ワサビペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼが含まれるが、これらに限定されない。蛍光団標識の一般的な例には、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)またはフィコエリトリン(PE)が含まれるが、これらに限定されない。
フローサイトメトリーは、液体の流れに懸濁している顕微鏡的粒子を計数、検査および選別するための技術である。それは、光学/電子検出装置の中を流れる単一細胞の物理的および/または化学的特性の、同時多重パラメーター分析を可能にする。単一の周波数または色の光線(例えば、レーザー)を、流体力学的に集中させた液体の流れに誘導する。いくつかの検出器が、流れが光線を通過するポイントを標的にする。1つは光線と並列し(順方向散乱またはFSC)、いくつかはそれ(側方散乱(SSC)および1つまたは複数の蛍光検出器)と垂直である。ビームを通過する各懸濁粒子は何らかの方法で光を散乱し、粒子中の蛍光化学物質は、光源よりも低い周波数で光を放射するように励起させることができる。散乱光および蛍光光の組合せが検出器によって拾われ、蛍光発光ピーク毎に1つの各検出器で輝度の変動を分析することによって、各個々の粒子の物理化学的構造について様々な事実を推測することが可能である。FSCは細胞容量と相関し、SSCは粒子の密度または内部の複雑性(例えば、核の形、細胞質顆粒の量および種類または膜の粗さ)と相関する。
イムノポリメラーゼ連鎖反応(IPCR)は、抗体ベースのイムノアッセイでシグナル生成を増加させるために、核酸増幅技術を利用する。PCRのタンパク質同等物が存在しないので、すなわち、核酸がPCRの間に複製されるのと同じ方法でタンパク質を複製することができないので、検出感度を増加させる唯一の方法はシグナル増幅によるものである。標的タンパク質を抗体に結合させ、それをオリゴヌクレオチドに直接または間接にコンジュゲートさせる。未結合の抗体を洗い流し、残留する結合抗体はそれらのオリゴヌクレオチドが増幅される。タンパク質検出は、リアルタイム法を含む標準の核酸検出方法を用いる、増幅オリゴヌクレオチドの検出を通して起こる。
D.データ分析
一部の実施形態では、検出アッセイによって生成される生データ(例えば、所与の遺伝子融合物または他のマーカーの存在、非存在または量)を、臨床医にとって予測的価値のあるデータに翻訳するために、コンピュータベースの分析プログラムが用いられる。臨床医は、任意の適する手段を用いて予測的データにアクセスすることができる。したがって、一部の好ましい実施形態では、本発明は、遺伝学および分子生物学の訓練をおそらく受けていない臨床医が生データを理解する必要がないという、さらなる利点を提供する。データは、その最も有用な形で臨床医に直接に示される。そこで臨床医は、被験体のケアを最適化するためにその情報を直ちに利用することができる。
一部の実施形態では、検出アッセイによって生成される生データ(例えば、所与の遺伝子融合物または他のマーカーの存在、非存在または量)を、臨床医にとって予測的価値のあるデータに翻訳するために、コンピュータベースの分析プログラムが用いられる。臨床医は、任意の適する手段を用いて予測的データにアクセスすることができる。したがって、一部の好ましい実施形態では、本発明は、遺伝学および分子生物学の訓練をおそらく受けていない臨床医が生データを理解する必要がないという、さらなる利点を提供する。データは、その最も有用な形で臨床医に直接に示される。そこで臨床医は、被験体のケアを最適化するためにその情報を直ちに利用することができる。
本発明は、アッセイを実行する研究室、情報提供者、医療職および被験体に対して、およびそれらから、情報を受け取り、処理し、伝えることができる任意の方法を想定する。例えば、本発明の一部の実施形態では、試料(例えば、生検または血清もしくは尿の試料)を被験体から得、世界の任意の地域(例えば、被験体が居住する国とは異なるか、または情報が最終的に用いられる国)に位置するプロファイリングサービス(例えば、医療施設の臨床検査室、ゲノムプロファイリングビジネスなど)に提出し、生データを生成する。試料が組織または他の生体試料を含む場合、被験体は医療施設を訪問し、試料を得てプロファイリング施設に送ることができるか、または被験体は自身で試料(例えば、尿試料)を収集して、プロファイリング施設にそれを直接に送ることができる。試料がそれ以前に判定された生体情報を含む場合、その情報は被験体によってプロファイリングサービスに直接に送られてもよい(例えば、その情報を含む情報カードをコンピュータでスキャンすることができ、データは、電子伝達システムを用いてプロファイリング施設のコンピュータに送ることができる)。プロファイリングサービスによって受領されると、試料は処理され、その被験体に望まれる診断または予後診断情報に特異的であるプロファイルが生成される(すなわち、発現データ)。
次いで、プロファイルデータは、治療臨床医による解釈に適するフォーマットで作成される。例えば、生の発現データを提供するのではなく、作成されたフォーマットは、特定の治療選択肢の推奨と共に、被験体のための診断またはリスクの評価(例えば、癌が存在する可能性)を表すことができる。データは、任意の適する方法によって臨床医に提示されてもよい。例えば、一部の実施形態では、プロファイリングサービスは、臨床医(例えば、ケアの発生するポイント)のために印刷することができるか、またはコンピュータモニターで臨床医に提示することができる報告を生成する。
一部の実施形態では、情報は先ずケアの発生するポイント、または地域の施設で分析される。生データは、さらなる分析のためにおよび/または臨床医もしくは患者に有用な情報に生データを変換するために、次に中央処理施設に送られる。中央処理施設は、データ分析のプライバシー(すべてのデータは、均一なセキュリティプロトコールを有する中央施設で保存される)、速度および均一性の利点を提供する。次に、中央処理施設は、被験体の治療後にデータの消長を管理することができる。例えば、電子伝達システムを用いて、中央施設は、臨床医、被験体または研究者にデータを提供することができる。
一部の実施形態では、被験体は電子伝達システムを用いて、データに直接にアクセスすることができる。被験体は、結果に基づいてさらなる介入またはカウンセリングを選択することができる。一部の実施形態では、データは研究用途のために用いられる。例えば、特定の状態または疾患の病期の有用な指標として、マーカーの組入れまたは排除をさらに最適化するために、このデータを用いることができる。
E.in vivo画像化
本発明の遺伝子融合物は、それらに限定されないが、以下を含むin vivo画像化技術を用いて検出することもできる。放射性核種画像化、陽電子放射断層撮影(PET)、コンピュータ体軸断層撮影、X線または磁気共鳴画像化法、蛍光検出および化学発光検出。一部の実施形態では、in vivo画像化技術が、動物(例えば、ヒトまたはヒト以外の哺乳動物)で癌マーカーの存在または発現を可視化するために用いられる。例えば、一部の実施形態では、癌マーカーmRNAまたはタンパク質は、癌マーカーに特異的な標識抗体を用いて標識される。特異的に結合している、標識された抗体は、それらに限定されないが、放射性核種画像化、陽電子放射断層撮影、コンピュータ体軸断層撮影、X線または磁気共鳴画像方法、蛍光検出および化学発光検出を含む、in vivo画像化方法を用いて個体で検出することができる。本発明の癌マーカーに対する抗体を生成する方法を、下に記載する。
本発明の遺伝子融合物は、それらに限定されないが、以下を含むin vivo画像化技術を用いて検出することもできる。放射性核種画像化、陽電子放射断層撮影(PET)、コンピュータ体軸断層撮影、X線または磁気共鳴画像化法、蛍光検出および化学発光検出。一部の実施形態では、in vivo画像化技術が、動物(例えば、ヒトまたはヒト以外の哺乳動物)で癌マーカーの存在または発現を可視化するために用いられる。例えば、一部の実施形態では、癌マーカーmRNAまたはタンパク質は、癌マーカーに特異的な標識抗体を用いて標識される。特異的に結合している、標識された抗体は、それらに限定されないが、放射性核種画像化、陽電子放射断層撮影、コンピュータ体軸断層撮影、X線または磁気共鳴画像方法、蛍光検出および化学発光検出を含む、in vivo画像化方法を用いて個体で検出することができる。本発明の癌マーカーに対する抗体を生成する方法を、下に記載する。
本発明のin vivo画像化方法は、本発明の癌マーカーを発現する癌(例えば、前立腺癌)の診断で有用である。in vivo画像化は、癌を示すマーカーの存在を可視化するために用いられる。そのような技術は、不快な生検を使用しない診断を可能にする。本発明のin vivo画像化方法は、癌患者に予後診断を提供するためにも有用である。例えば、転移しそうな癌を示すマーカーの存在を検出することができる。本発明のin vivo画像化方法は、体の他の部分で転移性癌を検出するためにさらに用いることができる。
一部の実施形態では、本発明の癌マーカーに特異的な試薬(例えば、抗体)が、蛍光で標識される。標識抗体は、被験体に導入される(例えば、経口的または非経口的に)。蛍光標識抗体は、任意の適する方法を用いて(例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,198,107号に記載の装置を用いて)検出される。
他の実施形態では、抗体は放射標識される。in vivo診断のための抗体の使用は、当技術分野で周知である。Sumerdonら、(Nucl. Med. Biol 17巻:247〜254頁(1990年))は、標識としてインジウム111を用いる腫瘍のラジオイムノシンチグラフィー画像化のための、最適化された抗体−キレート剤を記載している。Griffinら、(J Clin Onc 9巻:631〜640頁(1991年))は、再発性の結腸直腸癌が疑われる患者で腫瘍を検出することにおける、この剤の使用を記載している。磁気共鳴画像化のための標識としての常磁性イオンを有する類似の剤の使用は、当技術分野で公知である(Lauffer、Magnetic Resonance in Medicine 22巻:339〜342頁(1991年))。用いられる標識は、選択される画像化様式によって決まる。平面スキャンまたは単光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)のために、インジウム111、テクネチウム99mまたはヨウ素131などの放射性標識を用いることができる。フッ素19などの陽電子放射標識を、陽電子放射断層撮影(PET)のために用いることもできる。MRIについては、ガドリニウム(III)またはマンガン(II)などの常磁性イオンを用いることができる。
スカンジウム47(3.5日)、ガリウム67(2.8日)、ガリウム68(68分)、テクネチウム99m(6時間)およびインジウム111(3.2日)などの、1時間から3.5日の範囲の半減期を有する放射性金属が抗体へのコンジュゲーションに利用可能であるが、そのうちガリウム67、テクネチウム99mおよびインジウム111はガンマカメラ画像化のために好ましく、ガリウム68は陽電子放射断層撮影のために好ましい。
そのような放射性金属で抗体を標識する有用な方法は、例えばIn−111およびTc−99mについてはKhawら(Science 209巻:295頁(1980年))によって、およびScheinbergら(Science 215巻:1511頁(1982年))によって記載されるように、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)などの二官能基のキレート化剤によるものである。他のキレート化剤を用いることもできるが、1−(p−カルボキシメトキシベンジル)EDTAおよびDTPAのカルボキシ炭酸無水物が有利であり、その理由は、それらの使用が、抗体の免疫活性に実質的影響を及ぼさないコンジュゲーションを可能にするからである。
DPTAをタンパク質に結合するための別の方法は、In−111によるアルブミンの標識についてHnatowichら(Int. J. Appl. Radiat. Isot.33巻:327頁(1982年))によって記載されるようにDTPAの環状無水物の使用によるものであるが、それは、抗体の標識に応用することができる。DPTAによるキレート化を用いずにTc−99mで抗体を標識するのに適する方法は、Crockfordら、(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,323,546号)の予備はんだ法である。
Tc−99mで免疫グロブリンを標識する好ましい方法は、血漿タンパク質についてWongら(Int. J. Appl. Radiat. Isot.29巻:251頁(1978年))によって記載され、抗体を標識するためにWongら(J. Nucl. Med.23巻:229頁(1981年))が最近応用して成功した方法である。
特異抗体にコンジュゲートされる放射性金属の場合、その免疫特異性を破壊することなく、抗体分子にできるだけ高い割合の放射標識を導入することが同様に望ましい。抗体上の抗原結合部位が保護されることを保証するために、本発明の特異的癌マーカーの存在下で放射標識を実行することによって、さらなる改善を達成することができる。抗原は、標識した後に切り離される。
さらなる実施形態では、in vivoバイオフォトニック画像化(Xenogen、Almeda、CA)が、in vivo画像化のために利用される。このリアルタイムin vivo画像化は、ルシフェラーゼを利用する。ルシフェラーゼ遺伝子は、細胞、微生物および動物に組み込まれる(例えば、本発明の癌マーカーとの融合タンパク質として)。活性な場合、それは光を放射する反応をもたらす。画像を捕捉して、それを分析するために、CCDカメラおよびソフトウェアが用いられる。
F.組成物とキット
本発明の診断方法に用いられる組成物は、プローブ、増幅オリゴヌクレオチドおよび抗体を含むが、これらに限定されない。特に好ましい組成物は、ARGまたはHGがETSファミリーメンバー遺伝子と融合する場合だけ、生成物を検出する。これらの組成物は、以下を含む。ARGまたはHGの転写調節領域からの5’部分がETSファミリーメンバー遺伝子からの3’部分と融合する接合部とハイブリダイズする(すなわち、遺伝子融合物接合部にわたる)配列を含む単一の標識プローブ、第一の増幅オリゴヌクレオチドがARGまたはHGの転写調節領域とハイブリダイズする配列を含み、第二の増幅オリゴヌクレオチドがETSファミリーメンバー遺伝子とハイブリダイズする配列を含む、増幅オリゴヌクレオチドの対、ARGまたはHGの転写調節領域とETSファミリーメンバー遺伝子との融合物から生じる、アミノ末端がトランケーションされたETSファミリーメンバータンパク質に対する抗体、あるいは、ARGまたはHGの転写調節領域からのアミノ末端部分およびETSファミリーメンバー遺伝子からのカルボキシ末端部分を有するキメラタンパク質に対する抗体。しかし、他の有用な組成物は以下を含む。第一の標識プローブがARGまたはHGの転写調節領域とハイブリダイズする配列を含み、第二の標識プローブがETSファミリーメンバー遺伝子とハイブリダイズする配列を含む、標識プローブの対。
本発明の診断方法に用いられる組成物は、プローブ、増幅オリゴヌクレオチドおよび抗体を含むが、これらに限定されない。特に好ましい組成物は、ARGまたはHGがETSファミリーメンバー遺伝子と融合する場合だけ、生成物を検出する。これらの組成物は、以下を含む。ARGまたはHGの転写調節領域からの5’部分がETSファミリーメンバー遺伝子からの3’部分と融合する接合部とハイブリダイズする(すなわち、遺伝子融合物接合部にわたる)配列を含む単一の標識プローブ、第一の増幅オリゴヌクレオチドがARGまたはHGの転写調節領域とハイブリダイズする配列を含み、第二の増幅オリゴヌクレオチドがETSファミリーメンバー遺伝子とハイブリダイズする配列を含む、増幅オリゴヌクレオチドの対、ARGまたはHGの転写調節領域とETSファミリーメンバー遺伝子との融合物から生じる、アミノ末端がトランケーションされたETSファミリーメンバータンパク質に対する抗体、あるいは、ARGまたはHGの転写調節領域からのアミノ末端部分およびETSファミリーメンバー遺伝子からのカルボキシ末端部分を有するキメラタンパク質に対する抗体。しかし、他の有用な組成物は以下を含む。第一の標識プローブがARGまたはHGの転写調節領域とハイブリダイズする配列を含み、第二の標識プローブがETSファミリーメンバー遺伝子とハイブリダイズする配列を含む、標識プローブの対。
これらの組成物のいずれかを、単独でまたは本発明の他の組成物と組み合わせて、キットの形で提供することができる。例えば、単一の標識プローブおよび増幅オリゴヌクレオチドの対は、本発明の遺伝子融合物の増幅および検出のためのキットで提供することができる。キットは、適当な対照および/または検出試薬をさらに含むことができる。本発明のプローブおよび抗体組成物は、アレイの形で提供することもできる。
IV.予後的適用
本発明の開発の過程で行われた実験により、本発明の遺伝子融合物と前立腺癌を抱えた患者の予後間の密接な相関関係が実証された(例えば、下の実施例5参照)。特に、融合物がTMPRSS2とERG間に位置するゲノムDNAの欠失から生じる場合には、癌細胞はより高悪性度の表現型を呈することが見出されている。したがって、いくつかの実施形態では、介在性DNAの欠失があったTMPRSS2とERG間の遺伝子融合物を検出することができるアッセイを使用して予後を提供し医者が適切な治療戦略を決定する一助とする。例えば、いくつかの実施形態では、このような特定の再配列を有する腫瘍を抱えた患者は、その予後が再配列を欠く患者よりも有意に悪いために、より集中的に治療される。
本発明の開発の過程で行われた実験により、本発明の遺伝子融合物と前立腺癌を抱えた患者の予後間の密接な相関関係が実証された(例えば、下の実施例5参照)。特に、融合物がTMPRSS2とERG間に位置するゲノムDNAの欠失から生じる場合には、癌細胞はより高悪性度の表現型を呈することが見出されている。したがって、いくつかの実施形態では、介在性DNAの欠失があったTMPRSS2とERG間の遺伝子融合物を検出することができるアッセイを使用して予後を提供し医者が適切な治療戦略を決定する一助とする。例えば、いくつかの実施形態では、このような特定の再配列を有する腫瘍を抱えた患者は、その予後が再配列を欠く患者よりも有意に悪いために、より集中的に治療される。
上で考察された種類の再配列(例えば、上記の再配列)を有する細胞が存在するかどうかを判定するためには、どんなアッセイでも使用し得る。
本発明は最も好ましくは前立腺癌患者の予後を得ることと関連して使用されることになるが、他の上皮細胞腫瘍を調べてもよく、これらの腫瘍由来の癌細胞が特に高悪性度になる可能性がある、すなわち浸潤性および転移性になる可能性のある再配列を有するかどうかを判定する際には本明細書に記載されるアッセイおよびプローブを使用し得る。この手順を使用して特徴付けられる腫瘍の例には、乳房、肺、結腸、卵巣、子宮、食道、胃、肝臓、腎臓、脳、皮膚および筋肉の腫瘍が挙げられる。前記アッセイは、細胞系統および動物モデルにおけるこれらの癌を研究している研究者にも価値があることになる。
本発明の開発の過程で行われた追加の実験により、試料をアッセイして欠失領域に位置する1つまたは複数の遺伝子に発現の欠失があるかどうかを判定することにより染色体欠失を検出することが可能であることが実証された。例えば、TMPRSS2とERG間の融合物を形成する際には、典型的にはほぼ2.8メガベースのゲノムDNAが欠失しており、これが起きる時にはこの領域に位置する少なくとも4つの遺伝子が失われている。これらの遺伝子は、ETS2遺伝子、WRB遺伝子、PCP4遺伝子およびMX1遺伝子である。癌性前立腺細胞におけるこれらのうちの1つまたは複数の遺伝子の減少は不良な予後を示唆している。
したがって、いくつかの実施形態では、本発明は癌関連再配列を示す染色体DNAの欠失について上皮細胞をアッセイする方法であって、第一プローブが少なくとも15ヌクレオチド(例えば、少なくとも、15、20、35、等)長であり;第一の蛍光標識に結合しており;第一の配列がアンドロゲン応答遺伝子(例えば、TMPRSS2遺伝子)またはETSファミリー遺伝子(例えば、ERG遺伝子、ETV1遺伝子、もしくはETV4遺伝子)のどちらかの少なくとも一部分を含むヒトゲノム中の第一の配列に厳格な条件下でハイブリダイズし;第二プローブが少なくとも15ヌクレオチド長であり;第一の蛍光標識とは異なる第二の蛍光標識に結合しており;第一の配列とは異なり、アンドロゲン応答遺伝子(例えば、TMPRSS2遺伝子)またはETSファミリー遺伝子(例えば、ERG遺伝子、ETV1遺伝子、もしくはETV4遺伝子)の少なくとも一部分を含むヒトゲノム中の第二の配列に厳格な条件下でハイブリダイズする、少なくとも第一および第二プローブを使用するFISHアッセイを実施することを含む方法を提供する。
追加の実施形態では、本発明は、癌関連再配列を示すゲノムDNAの欠失について上皮細胞(例えば、前立腺細胞)をアッセイするための方法であって、上皮細胞の試験試料を得ること;上皮細胞の試料をアッセイして、ETS2;WRB;PCP4;およびMX1を含むがこれらに限定されない群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルを決定すること;ステップb)で決定された発現レベルを対照試料のレベルと比較すること;ならびに試験試料における遺伝子について決定された発現レベルが対照試料について決定されたレベルよりも低い場合には欠失が起きていると結論することを含む方法を提供する。
V.薬物スクリーニング適用
いくつかの実施形態では、本発明は薬物スクリーニングアッセイ(例えば、抗癌薬を求めてスクリーニングすること)を提供する。本発明のスクリーニング法は、本発明の方法(例えば、本発明の遺伝子融合物を含むがこれに限定されない)を使用して同定される癌マーカーを利用する。例えば、いくつかの実施形態では、本発明は、遺伝子融合物の発現を変化させる(例えば、減少させる)化合物を求めてスクリーニングする方法を提供する。化合物または作用薬は、例えば、プロモーター領域と相互作用することにより転写を妨げ得る。化合物または作用薬は、融合物から産生されるmRNAを妨げ得る(例えば、RNA干渉、アンチセンス技術、等により)。化合物または作用薬は、融合物の生物活性の上流または下流である経路を妨げ得る。いくつかの実施形態では、候補化合物は、癌マーカーに対して向けられるアンチセンスまたは干渉RNA剤(例えば、オリゴヌクレオチド)である。他の実施形態では、候補化合物は、本発明の癌マーカー調節因子または発現産物に特異的に結合しその生物学的機能を阻害する抗体または小分子である。
いくつかの実施形態では、本発明は薬物スクリーニングアッセイ(例えば、抗癌薬を求めてスクリーニングすること)を提供する。本発明のスクリーニング法は、本発明の方法(例えば、本発明の遺伝子融合物を含むがこれに限定されない)を使用して同定される癌マーカーを利用する。例えば、いくつかの実施形態では、本発明は、遺伝子融合物の発現を変化させる(例えば、減少させる)化合物を求めてスクリーニングする方法を提供する。化合物または作用薬は、例えば、プロモーター領域と相互作用することにより転写を妨げ得る。化合物または作用薬は、融合物から産生されるmRNAを妨げ得る(例えば、RNA干渉、アンチセンス技術、等により)。化合物または作用薬は、融合物の生物活性の上流または下流である経路を妨げ得る。いくつかの実施形態では、候補化合物は、癌マーカーに対して向けられるアンチセンスまたは干渉RNA剤(例えば、オリゴヌクレオチド)である。他の実施形態では、候補化合物は、本発明の癌マーカー調節因子または発現産物に特異的に結合しその生物学的機能を阻害する抗体または小分子である。
一スクリーニング法では、化合物を癌マーカーを発現している細胞に接触させ次に発現に対する候補化合物の効果についてアッセイすることにより、癌マーカー発現を変化させるその能力について候補化合物は評価される。いくつかの実施形態では、細胞により発現される癌マーカーmRNAのレベルを検出することにより、癌マーカー遺伝子の発現に対する候補化合物の効果についてアッセイされる。mRNA発現は、適切などんな方法によっても検出することが可能である。
他の実施形態では、癌マーカーによりコードされるポリペプチドのレベルを測定することにより、癌マーカー遺伝子の発現に対する候補化合物の効果がアッセイされる。発現されるポリペプチドのレベルは、本明細書で開示される方法を含むがこれらに限定されない適切などんな方法でも使用して測定することが可能である。
具体的には、本発明は、モジュレーター、すなわち、本発明の癌マーカーに結合し、例えば、癌マーカー発現もしくは癌マーカー活性に対する阻害(もしくは刺激)効果を有する、または、例えば、癌マーカー基質の発現もしくは活性に対する刺激もしくは阻害効果を有する候補または試験化合物または作用薬(例えば、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣剤、ペプトイド、小分子もしくは他の薬物)を同定するためのスクリーニング法を提供する。このようにして同定される化合物を使用して、治療プロトコールにおいて直接的にもしくは間接的に標的遺伝子産物(例えば、癌マーカー遺伝子)の活性を調節する、標的遺伝子産物の生物学的機能を詳細に詰める、または正常な標的遺伝子相互作用を混乱させる化合物を同定することが可能である。癌マーカーの活性または発現を阻害する化合物は、増殖性障害、例えば、癌、特に前立腺癌の治療において有用である。
一実施形態では、本発明は癌マーカータンパク質もしくはポリペプチドまたはその生物活性部分の基質である候補または試験化合物をスクリーニングするためのアッセイを提供する。別の実施形態では、本発明は癌マーカータンパク質もしくはポリペプチドまたはその生物活性部分に結合する、あるいは癌マーカータンパク質もしくはポリペプチドまたはその生物活性部分の活性を調節する候補または試験化合物をスクリーニングするためのアッセイを提供する。
生物学的ライブラリー;ペプトイドライブラリー(ペプチドの機能性を有するが新規の非ペプチド骨格を有し、酵素的分解に抵抗性であるが、それにもかかわらず依然生理活性である分子のライブラリー;例えば、Zuckennannら、J. Med. Chem. 37巻: 2678〜85頁[1994年]参照);空間的にアドレス可能な平行固相または液相ライブラリー;逆重畳積分を必要とする合成的ライブラリー法;「一ビーズ一化合物」ライブラリー法;およびアフィニティークロマトグラフィー選択を使用する合成的ライブラリー法を含む当技術分野で公知のコンビナトリアルライブラリー法における数多くのアプローチのうちのいずれでも使用して本発明の試験化合物を得ることが可能である。生物学的ライブラリーおよびペプトイドライブラリーアプローチはペプチドライブラリーを用いて使用するために好ましく、他の4つのアプローチはペプチド、非ペプチドオリゴマーまたは化合物の小分子ライブラリーに適応可能である(Lam (1997年) Anticancer Drug Des. 12巻:145頁)。
分子ライブラリーの合成のための方法の例は、当技術分野において、例えば、DeWittら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90巻:6909頁[1993年]; Erbら、Proc. Nad. Acad. Sci. USA 91巻 :11422頁[1994年]; Zuckermannら、J. Med. Chem. 37巻:2678頁[1994年]; Choら、Science 261巻:1303頁[1993年]; Carrellら、Angew. Chem.
Int. Ed. Engl. 33巻.2059頁[1994年]; Carellら、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33巻:2061頁[1994年];およびGallopら、J. Med. Chem. 37巻:1233頁[1994年]に見出すことが可能である。
Int. Ed. Engl. 33巻.2059頁[1994年]; Carellら、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33巻:2061頁[1994年];およびGallopら、J. Med. Chem. 37巻:1233頁[1994年]に見出すことが可能である。
化合物のライブラリーは、溶液で(例えば、Houghten、Biotechniques 13巻:412〜421頁[1992年])、またはビーズ上(Lam、Nature 354巻:82〜84頁[1991年])、チップ(Fodor、Nature
364巻:555〜556頁[1993年])、細菌もしくは胞子(米国特許第5223409号、この特許文献は参照により本明細書に組み込まれている)、プラスミド(Cullら、Proc. Nad. Acad. Sci. USA 89巻:1865〜1869頁[1992年])またはファージ上(Scott and Smith、Science 249巻:386〜390頁[1990年]; Devlin Science 249巻:404〜406頁[1990年]; Cwirlaら、Proc. Natl. Acad. Sci. 87巻:6378〜6382頁[1990年]; Felici、J. MoI. Biol. 222巻:301頁[1991年])で提示され得る。
364巻:555〜556頁[1993年])、細菌もしくは胞子(米国特許第5223409号、この特許文献は参照により本明細書に組み込まれている)、プラスミド(Cullら、Proc. Nad. Acad. Sci. USA 89巻:1865〜1869頁[1992年])またはファージ上(Scott and Smith、Science 249巻:386〜390頁[1990年]; Devlin Science 249巻:404〜406頁[1990年]; Cwirlaら、Proc. Natl. Acad. Sci. 87巻:6378〜6382頁[1990年]; Felici、J. MoI. Biol. 222巻:301頁[1991年])で提示され得る。
一実施形態では、アッセイは、癌マーカーmRNAもしくはタンパク質またはその生物活性部分を発現する細胞を試験化合物に接触させ、癌マーカーの活性を調節する試験化合物の能力が判定される細胞ベースアッセイである。癌マーカー活性を調節する試験化合物の能力を判定するのは、例えば、酵素活性、破壊またはmRNAまたはそれと同類のものの変化をモニターすることにより実現することが可能である。
化合物、例えば、癌マーカー基質またはモジュレーターへの癌マーカーの結合を調節する試験化合物の能力も評価することが可能である。これは、例えば、化合物、例えば、基質の癌マーカーへの結合を複合体における標識化合物、例えば、基質を検出することにより判定することができるように、化合物、例えば、基質を放射性同位体元素または酵素標識とカップリングすることにより、実現することが可能である。
代わりに、癌マーカーを放射性同位体元素または酵素標識とカップリングして、複合体における癌マーカーの癌マーカー基質への結合を調節する試験化合物の能力をモニターする。例えば、化合物(例えば、基質)を125I、35S、14Cまたは3Hで、直接的にまたは間接的に標識することが可能であり、放射性同位体元素は放射性放出を直接計測することによりまたはシンチレーション計測により検出することが可能である。代わりに、化合物を、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはルシフェラーゼで酵素的に標識することが可能であり、酵素標識は適切な基質の生成物への転換を判定することにより検出することが可能である。
相互作用物のうちのどれかを標識してまたは標識せずに、癌マーカーと相互作用をする化合物(例えば、癌マーカー基質)の能力を評価することが可能である。例えば、マイクロフィジオメーターを使用して、化合物も癌マーカーも標識化せずに癌マーカーとの化合物の相互作用を検出することが可能である(McConnellら、Science 257巻:1906〜1912頁[1992年])。本明細書で使用されるように、「マイクロフィジオメーター」(例えば、細胞センサ)は、光アドレッサブル電位差センサ(LAPS)を使用して細胞がその環境を酸性化する速度を測定する分析機器である。この酸性化速度の変化を、化合物と癌マーカー間の相互作用の指標として使用することが可能である。
さらに別の実施形態では、癌マーカータンパク質またはその生物活性部分を試験化合物に接触させ、癌マーカータンパク質、mRNA、またはその生物活性部分に結合する試験化合物の能力を評価する無細胞アッセイが提供される。本発明のアッセイにおいて使用される癌マーカータンパク質またはmRNAの好ましい生物活性部分には、基質または他のタンパク質との相互作用に関与する断片、例えば、表面確率スコアが高い断片が挙げられる。
無細胞アッセイは、標的遺伝子タンパク質と試験化合物の反応混合物を、前記2つの成分が相互作用し、結合し、したがって取り除いておよび/または検出することが可能な複合体を形成することを可能にするのに十分な条件下および時間で調製することを含む。
2つの分子間の相互作用は、例えば、蛍光エネルギー移動(FRET)を使用して検出することも可能である(例えば、Lakowiczら、米国特許第5,631,169号; Stavrianopoulosら、米国特許第4,968,103号参照;これらの特許文献はそれぞれが参照により本明細書に組み込まれている)。第一のドナー分子の放出される蛍光エネルギーが、第二の「アクセプター」分子上の蛍光標識に吸収され、次に第二の分子は吸収したエネルギーのせいで蛍光を発することができるように、フルオロフォア標識が選択される。
代わりに、「ドナー」タンパク質分子は、トリプトファン残基の天然の蛍光エネルギーを利用するだけでもよい。「アクセプター」分子標識が「ドナー」の標識と識別し得るように、異なった波長の光を放出する標識が選択される。標識間のエネルギー移動の効率は分子を隔てている距離に関係するために、分子間の空間的関係を評価することが可能である。分子間で結合が生じる状況では、「アクセプター」分子標識の蛍光放出は最大になるはずである。FRET結合事象は、当技術分野で周知の標準蛍光定量的検出手段により(例えば、蛍光光度計を使用して)都合よく測定することが可能である。
別の実施形態では、標的分子に結合する癌マーカータンパク質またはmRNAの能力を判定することは、リアルタイム生物分子間相互作用解析(BIA)を使用して実現することが可能である(例えば、SjolanderおよびUrbaniczky、Anal.
Chem. 63巻:2338〜2345頁[1991年]およびSzaboら、Curr. Opin. Struct. Biol. 5巻:699〜705頁[1995年]参照)。「表面プラズモン共鳴」または「BIA」は、相互作用物質のどれにも標識せずに、生体分子特異的相互作用をリアルタイムで検出する(例えば、BIAcore)。結合表面における質量の変化(結合事象を示す)により、表面近傍の光の屈折率が変化し(表面プラズモン共鳴(SPR)の光学現象)、生体分子間のリアルタイム反応の指標として使用することができる検出可能なシグナルを発生する。
Chem. 63巻:2338〜2345頁[1991年]およびSzaboら、Curr. Opin. Struct. Biol. 5巻:699〜705頁[1995年]参照)。「表面プラズモン共鳴」または「BIA」は、相互作用物質のどれにも標識せずに、生体分子特異的相互作用をリアルタイムで検出する(例えば、BIAcore)。結合表面における質量の変化(結合事象を示す)により、表面近傍の光の屈折率が変化し(表面プラズモン共鳴(SPR)の光学現象)、生体分子間のリアルタイム反応の指標として使用することができる検出可能なシグナルを発生する。
一実施形態では、標的遺伝子産物または試験物質は固相上に固定される。固相上に固定された標的遺伝子産物/試験化合物複合体は、反応の終了時に検出することが可能である。好ましくは、標的遺伝子産物は固体表面上に固定することが可能であり、試験化合物(固定されていない)は、本明細書で考察される検出可能標識を用いて直接的にまたは間接的に標識することが可能である。
癌マーカー、抗癌マーカー抗体またはその標的分子を固定化し、前記タンパク質のうちの1つまたは両方の非複合化形からの複合化形の分離を促進し、他にもアッセイの自動化を提供することが望ましいことがある。試験化合物の癌マーカータンパク質への結合、または候補化合物の存在下および不在下での癌マーカータンパク質と標的分子の相互作用は、反応物を含有するのに適したどんな容器内でも実現することが可能である。そのような容器の例には、マイクロタイタープレート、試験管、およびマイクロ遠心分離管が挙げられる。一実施形態では、前記タンパク質のうちの1つまたは両方がマトリックスに結合されることを可能にするドメインを追加する融合タンパク質を提供することが可能である。例えば、グルタチオンS−トランスフェラーゼ−癌マーカー融合タンパク質またはグルタチオンS−トランスフェラーゼ/標的融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical社製、St. Louis、MO)またはグルタチオン誘導体化されたマイクロタイタープレート上に吸着させることが可能であり、次に前記融合タンパク質は、試験化合物または試験化合物と非吸着標的タンパク質もしくは癌マーカータンパク質のどちらかと組み合わされ、混合物は複合体形成に資する条件下で(例えば、塩分およびpHの生理的条件で)インキュベートされる。インキュベーションに続いて、ビーズまたはマイクロタイタープレートウェルは洗浄されて非結合成分はどれも取り除かれ、ビーズの場合はマトリックスは固定化され、例えば、上記の通りに複合体は直接的にまたは間接的に判定される。
代わりに、複合体をマトリックスから分離することが可能であり、癌マーカー結合または活性のレベルが標準技法を使用して決定される。癌マーカータンパク質または標的分子をマトリックス上に固定化するための他の技法には、ビオチンとストレプトアビジンのコンジュゲーションを使用することが挙げられる。ビオチン化された癌マーカータンパク質または標的分子は、当技術分野で公知の技法(例えば、ビオチン化キット、Pierce
Chemicals社製、Rockford、EL)を使用してビオチン−NHS(N−ヒドロキシサクシニミド)から調製し、ストレプトアビジン被膜96ウェルプレート(Pierce Chemical社製)の壁に固定化することが可能である。
Chemicals社製、Rockford、EL)を使用してビオチン−NHS(N−ヒドロキシサクシニミド)から調製し、ストレプトアビジン被膜96ウェルプレート(Pierce Chemical社製)の壁に固定化することが可能である。
前記アッセイを行うために、非固定化成分が、固定化された成分を含有する被膜表面に添加される。反応が完了した後、形成されたどんな複合体も固体表面上に固定化されたままであるような条件下で未反応成分は取り除かれる(例えば、洗浄することにより)。固体表面上に固定化された複合体の検出はいくつかの方法で実現することが可能である。前もって非固定化された成分が前標識されている場合、表面上に固定化された標識を検出すれば複合体が形成されたことを示す。前もって非固定化された成分が前標識されていない場合、間接的標識を使用して、例えば、固定化された成分に特異的な標識された抗体(抗体は、今度は、例えば、標識された抗IgG抗体を用いて直接的に標識することも間接的に標識することも可能である)を使用して表面上に固定化された複合体を検出することが可能である。
このアッセイは、癌マーカータンパク質または標的分子とは反応するが癌マーカータンパク質のその標的分子への結合を妨げない抗体を利用して実施される。そのような抗体は、プレートの壁に誘導体化することが可能であり、未結合標的または癌マーカータンパク質は抗体コンジュゲーションにより壁に捕捉される。そのような複合体を検出するための方法は、GST固定化複合体についての上記の方法に加えて、癌マーカータンパク質または標的分子と反応する抗体を使用する複合体の免疫検出の他にも、癌マーカータンパク質または標的分子に関連する酵素活性を検出することに頼る酵素連結アッセイが挙げられる。
代わりに、無細胞アッセイは液相で行うことが可能である。そのようなアッセイでは、分画遠心法(例えば、RivasおよびMinton、Trends Biochem Sci 18巻:284〜7頁[1993年]参照);クロマトグラフィー(ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー);電気泳動法(例えば、Ausubelら編、Current Protocols in Molecular Biology 1999年、J. Wiley: New York参照);および免疫沈殿法(例えば、Ausubelら編、Current Protocols in Molecular Biology 1999年、J. Wiley: New York参照)を含むがこれらに限定されないいくつかの標準技法のどれかにより反応生成物は未反応成分から分離される。そのような樹脂およびクロマトグラフ法は当業者には公知である(例えば、Heegaard J. Mol. Recognit 11巻:141〜8頁[1998年]; Hageand Tweed J. Chromatogr. Biomed. Sci. Appl 699巻:499〜525頁[1997年]参照)。さらに、本明細書に記載されるように、蛍光エネルギー移動を都合よく利用して、複合体を溶液からそれ以上精製することなく結合を検出してもよい。
アッセイは、癌マーカータンパク質、mRNA、またはその生物活性部分を、癌マーカーに結合する公知の化合物と接触させてアッセイ混合物を形成させ、前記アッセイ混合物を試験化合物に接触させ、癌マーカータンパク質またはmRNAと相互作用する試験化合物の能力を判定することを含み、癌マーカータンパク質またはmRNAと相互作用する試験化合物の能力を判定することが、公知の化合物と比べて、癌マーカーまたはその生物活性部分に優先的に結合する、または標的分子の活性を調節する試験化合物の能力を判定することを含むことが可能である。
癌マーカーが、タンパク質などの1つまたは複数の細胞または細胞外巨大分子とin vivoで相互作用することができる程度に、そのような相互作用の阻害剤は有用である。阻害剤を同定するのに同種のアッセイを使用することが可能である。
例えば、標的遺伝子産物と相互作用的細胞または細胞外結合パートナー産物の前もって形成された複合体が、標的遺伝子産物またはその結合パートナーのどちらかが標識されているが、その標識により生み出されるシグナルが複合体形成のせいで消光されるように、調製される(例えば、米国特許第4,109,496号参照。参照によりこの特許文献は本明細書に組み込まれており、このアプローチを免疫アッセイのために利用する)。前もって形成された複合体由来の種の1つと競合し取って代わる試験物質の添加により、バックグラウンド以上のシグナルが生じることになる。このようにして、標的遺伝子産物−結合パートナー相互作用を乱す試験物質を同定することが可能である。代わりに、癌マーカータンパク質をツーハイブリッドアッセイまたはスリーハイブリッドアッセイ(例えば、米国特許第5,283,317号;Zervosら、Cell 72巻:223〜232頁[1993年]; Maduraら、J. Biol. Chem. 268巻.12046〜12054頁[1993年]; Bartelら、Biotechniques
14巻:920〜924頁[1993年]; Iwabuchiら、Oncogene
8巻:1693〜1696頁[1993年];およびBrent WO94/10300参照;これらの文献はそれぞれが参照により本明細書に組み込まれている)において「ベイトタンパク質」として使用して、癌マーカー(「癌マーカー結合タンパク質」もしくは「癌マーカーbp」)に結合するまたは相互作用し、癌マーカー活性に関与する他のタンパク質を同定することが可能である。そのような癌マーカーbpは、例えば、癌マーカー媒介シグナル伝達経路の下流エレメントとしての癌マーカータンパク質または標的によりシグナルの活性化剤または阻害剤となることが可能である。
14巻:920〜924頁[1993年]; Iwabuchiら、Oncogene
8巻:1693〜1696頁[1993年];およびBrent WO94/10300参照;これらの文献はそれぞれが参照により本明細書に組み込まれている)において「ベイトタンパク質」として使用して、癌マーカー(「癌マーカー結合タンパク質」もしくは「癌マーカーbp」)に結合するまたは相互作用し、癌マーカー活性に関与する他のタンパク質を同定することが可能である。そのような癌マーカーbpは、例えば、癌マーカー媒介シグナル伝達経路の下流エレメントとしての癌マーカータンパク質または標的によりシグナルの活性化剤または阻害剤となることが可能である。
癌マーカー発現のモジュレーターも同定することが可能である。例えば、細胞または無細胞混合物を候補化合物に接触させ、癌マーカーmRNAまたはタンパク質の発現を、候補化合物の不在下での癌マーカーmRNAまたはタンパク質の発現レベルと比べて評価する。癌マーカーmRNAまたはタンパク質の発現が候補化合物の存在下でのほうがその不在下でよりも大きい場合には、候補化合物は癌マーカーmRNAまたはタンパク質発現の刺激剤として同定される。代わりに、癌マーカーmRNAまたはタンパク質の発現が候補化合物の存在下でのほうがその不在下でよりも少ない(すなわち、統計的に有意に少ない)場合には、候補化合物は癌マーカーmRNAまたはタンパク質発現の阻害剤として同定される。癌マーカーmRNAまたはタンパク質発現のレベルは、癌マーカーmRNAまたはタンパク質を検出するための本明細書に記載される方法により決定することが可能である。
調節剤は、細胞ベースまたは無細胞アッセイを使用して同定することが可能であり、癌マーカータンパク質の活性を調節する作用薬の能力は、in vivoで、例えば、疾病の動物モデルなどの動物(例えば、前立腺癌もしくは転移性前立腺癌を抱える動物、または動物(例えば、ヒト)由来の前立腺癌の異種移植片を宿す動物)または前立腺癌の(例えば、リンパ節、骨、もしくは肝臓への)転移から生じる癌由来の細胞、または前立腺癌細胞系統由来の細胞において確証することが可能である。
本発明は、上記のスクリーニングアッセイにより同定される新規の作用薬にさらに関する(例えば、癌治療の以下の説明参照)。したがって、適切な動物モデルにおいて(例えば、本明細書に記載される動物)本明細書に記載される通りに同定される作用薬(例えば、癌マーカー調節剤、アンチセンス癌マーカー核酸分子、siRNA分子、癌マーカー特異的抗体、または癌マーカー結合パートナー)をさらに使用して、そのような作用薬を用いた治療の有効性、毒性、副作用、または作用機序を決定することは本発明の範囲内である。さらに、上記のスクリーニングアッセイにより同定される新規の作用薬は、例えば、本明細書に記載される治療のために使用することが可能である。
VI.治療的適用
いくつかの実施形態では、本発明は、癌(例えば、前立腺癌)の治療法を提供する。いくつかの実施形態では、治療法は、直接的にまたは間接的に、本発明の遺伝子融合物を標的にする。
いくつかの実施形態では、本発明は、癌(例えば、前立腺癌)の治療法を提供する。いくつかの実施形態では、治療法は、直接的にまたは間接的に、本発明の遺伝子融合物を標的にする。
A.RNA干渉およびアンチセンス治療
いくつかの実施形態では、本発明は遺伝子融合物の発現を標的にする。例えば、いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の癌マーカーをコードする核酸分子の機能を調節し、最終的には発現される癌マーカーの量を調節するのに使用するための、オリゴマーアンチセンスまたはRNAi化合物、特にオリゴヌクレオチド(例えば、上記の薬物スクリーニング法において同定されるオリゴヌクレオチド)を含む組成物を用いる。
いくつかの実施形態では、本発明は遺伝子融合物の発現を標的にする。例えば、いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の癌マーカーをコードする核酸分子の機能を調節し、最終的には発現される癌マーカーの量を調節するのに使用するための、オリゴマーアンチセンスまたはRNAi化合物、特にオリゴヌクレオチド(例えば、上記の薬物スクリーニング法において同定されるオリゴヌクレオチド)を含む組成物を用いる。
1.RNA干渉(RNAi)
いくつかの実施形態では、RNAiを利用して融合タンパク質機能を阻害する。RNAiは、ヒトを含む大半の真核生物において外来遺伝子の発現を制御するための進化的に保存された細胞防御を表す。RNAiは典型的には、二本鎖RNA(dsRNA)により誘発され、dsRNAに応答して相同な一本鎖標的RNAの配列特異的mRNA分解を引き起こす。mRNA分解の媒介物は低分子干渉RNA二重鎖(siRNA)であり、これは通常、細胞内での酵素的切断により長いdsRNAから産生される。siRNAは一般に、ほぼ21ヌクレオチド長(例えば、21〜23ヌクレオチド長)であり、2つのヌクレオチド3’−オーバーハングにより特徴付けられる塩基対構造を有する。低分子RNAまたはRNAiの細胞内への導入に続いて、その配列はRISC(RNA誘導サイレンシング複合体)と呼ばれる酵素複合体へ送達されると考えられている。RISCは標的を認識し、その標的をエンドヌクレアーゼを用いて切断する。比較的大きなRNA配列が細胞に送達される場合は、リボヌクレアーゼIII酵素(ダイサー)が比較的長いdsRNAを21〜23nt ds siRNA断片に変換する。いくつかの実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、融合タンパク質の接合部領域を標的にするように設計される。
いくつかの実施形態では、RNAiを利用して融合タンパク質機能を阻害する。RNAiは、ヒトを含む大半の真核生物において外来遺伝子の発現を制御するための進化的に保存された細胞防御を表す。RNAiは典型的には、二本鎖RNA(dsRNA)により誘発され、dsRNAに応答して相同な一本鎖標的RNAの配列特異的mRNA分解を引き起こす。mRNA分解の媒介物は低分子干渉RNA二重鎖(siRNA)であり、これは通常、細胞内での酵素的切断により長いdsRNAから産生される。siRNAは一般に、ほぼ21ヌクレオチド長(例えば、21〜23ヌクレオチド長)であり、2つのヌクレオチド3’−オーバーハングにより特徴付けられる塩基対構造を有する。低分子RNAまたはRNAiの細胞内への導入に続いて、その配列はRISC(RNA誘導サイレンシング複合体)と呼ばれる酵素複合体へ送達されると考えられている。RISCは標的を認識し、その標的をエンドヌクレアーゼを用いて切断する。比較的大きなRNA配列が細胞に送達される場合は、リボヌクレアーゼIII酵素(ダイサー)が比較的長いdsRNAを21〜23nt ds siRNA断片に変換する。いくつかの実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、融合タンパク質の接合部領域を標的にするように設計される。
化学的に合成されたsiRNAは、培養された体細胞における哺乳動物遺伝子機能の全ゲノム解析のための強力な試薬になっている。遺伝子機能の確認のためのその価値以上に、siRNAは遺伝子特異的治療薬としての大きな可能性もある(TuschlおよびBorkhardt、Molecular Intervent. 2002年; 2巻(3号): 158〜67頁、この文献は参照により本明細書に組み込まれている)。
動物細胞へのsiRNAのトランスフェクションにより、特定の遺伝子の強力で持続的な転写後サイレンシングが生じる(Caplenら、Proc Natl Acad Sci U.S.A. 2001年; 98巻: 9742〜7頁; Elbashirら、Nature. 2001年; 411巻:494〜8頁; Elbashirら、Genes Dev. 2001年;15巻: 188〜200頁;およびElbashirら、EMBO J. 2001年; 20巻: 6877〜88頁、これらの文献はすべて参照により本明細書に組み込まれている)。siRNAを用いてRNAiを実施するための方法および組成物は、例えば、米国特許第6,506,559号に記載されており、この特許文献は参照により本明細書に組み込まれている。
siRNAは、標的RNAの量を、伸長タンパク質により、高頻度で検出不能レベルにまで低下させるのに並はずれて有効である。サイレンシング効果は数カ月持続することがあり、並はずれて特異的である。なぜならば、標的RNAとsiRNAの中心領域間の1ヌクレオチドのミスマッチでサイレンシングを妨げるのに高頻度で十分であるからである(Brummelkampら、Science 2002年; 296巻:550〜3頁;およびHolenら、Nucleic Acids Res. 2002年; 30巻:1757〜66頁、これらの文献は両方とも参照により本明細書に組み込まれている)。
siRNAの設計において重要な要因は、siRNA結合のための到達可能な部位の存在である。Bahoiaら(J. Biol. Chem.、2003年; 278巻:
15991〜15997頁; この文献は参照により本明細書に組み込まれている)は、効果的なsiRNAを設計するためのmRNAにおける到達可能な部位を見つけるスキャニングアレイと呼ばれるDNAアレイの1種の使用を記載している。これらのアレイは、モノマーから、配列中の各塩基を段階的に付加することにより物理的バリアー(マスク)を使用して合成されるある種の最大量、通常Comersまでのサイズの幅があるオリゴヌクレオチドを含む。したがって、アレイは、標的遺伝子の一領域の完全なオリゴヌクレオチド相補体を表している。標的mRNAのこれらのアレイへのハイブリダイゼーションは、標的mRNAのこの領域の徹底的な到達性プロファイルを提供する。そのようなデータは、アンチセンスオリゴヌクレオチド(7mersから25mersまでの範囲がある)の設計に有用であり、ここでは有効性と標的特異性を保持するためにオリゴヌクレオチド長と結合親和性の妥協を達成することが重要である(Sohailら、Nucleic Acids Res.、2001年; 29巻(10号): 2041〜2045頁)。siRNAを選択するための追加の方法および関心事は、例えば、WO05054270、WO05038054A1、WO03070966A2、J MoI Biol.
2005年5月13日;348巻(4号):883〜93頁、 J MoI Biol. 2005年5月13日;348巻(4号):871〜81頁、およびNucleic
Acids Res. 2003年8月1日;31巻(15号):4417〜24頁に記載されており、これらの文献はそれぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。さらに、ソフトウェア(例えば、the MWG online siMAX siRNA設計ツール)が、siRNAの選択において使用するために市販されておりまたは公的に入手可能である。
15991〜15997頁; この文献は参照により本明細書に組み込まれている)は、効果的なsiRNAを設計するためのmRNAにおける到達可能な部位を見つけるスキャニングアレイと呼ばれるDNAアレイの1種の使用を記載している。これらのアレイは、モノマーから、配列中の各塩基を段階的に付加することにより物理的バリアー(マスク)を使用して合成されるある種の最大量、通常Comersまでのサイズの幅があるオリゴヌクレオチドを含む。したがって、アレイは、標的遺伝子の一領域の完全なオリゴヌクレオチド相補体を表している。標的mRNAのこれらのアレイへのハイブリダイゼーションは、標的mRNAのこの領域の徹底的な到達性プロファイルを提供する。そのようなデータは、アンチセンスオリゴヌクレオチド(7mersから25mersまでの範囲がある)の設計に有用であり、ここでは有効性と標的特異性を保持するためにオリゴヌクレオチド長と結合親和性の妥協を達成することが重要である(Sohailら、Nucleic Acids Res.、2001年; 29巻(10号): 2041〜2045頁)。siRNAを選択するための追加の方法および関心事は、例えば、WO05054270、WO05038054A1、WO03070966A2、J MoI Biol.
2005年5月13日;348巻(4号):883〜93頁、 J MoI Biol. 2005年5月13日;348巻(4号):871〜81頁、およびNucleic
Acids Res. 2003年8月1日;31巻(15号):4417〜24頁に記載されており、これらの文献はそれぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。さらに、ソフトウェア(例えば、the MWG online siMAX siRNA設計ツール)が、siRNAの選択において使用するために市販されておりまたは公的に入手可能である。
2.アンチセンス
他の実施形態では、融合タンパク質発現は、本発明の癌マーカーをコードする1つまたは複数の核酸に特異的にハイブリダイズするアンチセンス化合物を使用して調節される。オリゴマー化合物がその標的核酸に特異的にハイブリダイズすれば、核酸の正常機能が干渉を受ける。核酸に特異的にハイブリダイズする化合物による標的核酸の機能のこのような調節は、一般に「アンチセンス」と呼ばれている。干渉を受けるDNAの機能には、複製および転写が挙げられる。干渉を受けるRNAの機能には、例えば、RNAのタンパク質翻訳部位への転位、RNAからのタンパク質の翻訳、1つまたは複数のmRNA種を生じるRNAのスプライシング、およびRNAに関与し得るまたはRNAにより促進され得る触媒活性などのきわめて重要な機能すべてが挙げられる。標的核酸機能へのそのような干渉の全体的効果は、本発明の癌マーカーの発現の調節である。本発明の文脈では、「調節」は、遺伝子の発現の増加(刺激)または減少(阻害)のどちらかを意味する。例えば、発現が阻害されれば、腫瘍増殖を潜在的に予防し得る。
他の実施形態では、融合タンパク質発現は、本発明の癌マーカーをコードする1つまたは複数の核酸に特異的にハイブリダイズするアンチセンス化合物を使用して調節される。オリゴマー化合物がその標的核酸に特異的にハイブリダイズすれば、核酸の正常機能が干渉を受ける。核酸に特異的にハイブリダイズする化合物による標的核酸の機能のこのような調節は、一般に「アンチセンス」と呼ばれている。干渉を受けるDNAの機能には、複製および転写が挙げられる。干渉を受けるRNAの機能には、例えば、RNAのタンパク質翻訳部位への転位、RNAからのタンパク質の翻訳、1つまたは複数のmRNA種を生じるRNAのスプライシング、およびRNAに関与し得るまたはRNAにより促進され得る触媒活性などのきわめて重要な機能すべてが挙げられる。標的核酸機能へのそのような干渉の全体的効果は、本発明の癌マーカーの発現の調節である。本発明の文脈では、「調節」は、遺伝子の発現の増加(刺激)または減少(阻害)のどちらかを意味する。例えば、発現が阻害されれば、腫瘍増殖を潜在的に予防し得る。
アンチセンスに対して特異的な核酸を標的にすることが好ましい。本発明の文脈で、アンチセンス化合物を特定の核酸に「標的すること」は多段階プロセスである。そのプロセスは通常、その機能が調節されることになる核酸配列の同定から始まる。例えば、これは、その発現が特定の障害もしくは病状、または感染病原体由来の核酸分子と関連している細胞遺伝子(またはその遺伝子から転写されるmRNA)であり得る。本発明では、標的は本発明の遺伝子融合物をコードする核酸分子である。ターゲティングプロセスは、望ましい効果、例えば、タンパク質の発現の検出または調節が生じるようにアンチセンス相互作用が起こるためのこの遺伝子内の部位(複数可)を決定することを含む。本発明の文脈内では、好ましい遺伝子内部位は、遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)の翻訳開始コドンまたは終止コドンを包含する領域である。翻訳開始コドンは典型的には、5’−AUG(転写されたmRNA分子では;対応するDNA分子では5’−ATG)であるので、翻訳開始コドンは「AUGコドン」、「開始コドン」または「AUG開始コドン」とも呼ばれる。少数の遺伝子がRNA配列5’−GUG、5’−UUGまたは5’−CUGを有する翻訳開始コドンを有し、5’−AUA、5’−ACGおよび5’−CUGはin vivoで機能することが明らかにされている。したがって、用語「翻訳開始コドン」および「開始コドン」は多くのコドン配列を包含することが可能であるが、各例におけるイニシエーターアミノ酸は典型的に、メチオニン(真核生物では)またはホルミルメチオニン(原核生物では)である。真核生物遺伝子および原核生物遺伝子は2つまたはそれ以上の代わりの開始コドンを有していることがあり、そのうちのいずれか1つが、特定の細胞型もしくは組織において、または特定の組の条件下で翻訳開始のために優先的に利用されることがある。本発明の文脈では、「開始コドン」および「翻訳開始コドン」とは、そのようなコドンの配列(複数可)とは無関係に、in vivoで使用されて本発明の腫瘍抗原をコードする遺伝子から転写されるmRNA分子の翻訳を開始するコドン(複数可)のことである。
遺伝子の翻訳終止コドン(または「停止コドン」)は3つの配列(すなわち、5’−UAA、5’−UAGおよび5’−UGA;対応するDNA配列はそれぞれ5’−TAA、5’−TAGおよび5’−TGAである)のうちの1つを有し得る。用語「開始コドン領域」および「翻訳開始コドン領域」とは、翻訳開始コドンからどちらかの方向(すなわち、5’または3’)に約25から約50連続ヌクレオチドを包含するそのようなmRNAまたは遺伝子の一部のことである。同様に、用語「停止コドン領域」および「翻訳終止コドン領域」とは、翻訳終止コドンからどちらかの方向(すなわち、5’または3’)に約25から約50連続ヌクレオチドを包含するそのようなmRNAまたは遺伝子の一部のことである。
オープンリーディングフレーム(ORF)または「コード領域」は、翻訳開始コドンと翻訳終止コドン間の領域のことであり、効果的に標的され得る領域でもある。他の標的領域には、mRNAの翻訳開始コドンから5’方向の部分であり、したがって遺伝子上のmRNAまたは対応するヌクレオチドの5’キャップ部位と翻訳開始コドン間のヌクレオチドを含む5’非翻訳領域(5’UTR)およびmRNAの翻訳終止コドンから3’方向の部分のことであり、したがって遺伝子上のmRNAまたは対応するヌクレオチドの翻訳終止コドンと3’末端間のヌクレオチドを含む3’非翻訳領域(3’UTR)が挙げられる。mRNAの5’キャップは、5’−5’三リン酸連鎖を介してmRNAの最も5’側の残基に連結しているN7−メチル化グアノシン残基を含む。mRNAの5’キャップ領域は、5’キャップ構造自体の他にも前記キャップに隣接した最初の50ヌクレオチドを含むと見なされている。キャップ領域も好ましい標的領域であり得る。
一部の真核生物mRNA転写物は直接翻訳されるが、多くが翻訳される前に転写物から切除される「イントロン」として公知の1つまたは複数の領域を含む。残りの(および、したがって、翻訳される)領域は「エクソン」として公知であり、一緒にスプライスされて連続するmRNA配列を形成する。mRNAスプライス部位(すなわち、イントロン−エクソン接合部)も好ましい標的領域であり得、異常なスプライシングが疾病に関わっているまたは特定のmRNAスプライス産物の過剰産生が疾病に関わっている状況では特に有用である。再配列または欠失による異常な融合接合部も好ましい標的である。イントロンも効果的であり、したがって、例えば、DNAまたはプレmRNAに標的されたアンチセンス化合物のための好ましい標的領域であることが可能であることも見出されている。
いくつかの実施形態では、アンチセンス阻害のための標的部位は、市販されているソフトウェアプログラムを使用して同定される(例えば、Biognostik、Gottingen、Germany; SysArris Software、Bangalore、India; Antisense Research Group、University of Liverpool、Liverpool、England; GeneTrove、Carlsbad、CA)。他の実施形態では、アンチセンス阻害のための標的部位は、PCT公開WO0198537A2に記載されている到達可能な部位法を使用して同定され、この特許文献は参照により本明細書に組み込まれている。
1つまたは複数の標的部位が同定されると、望ましい効果を与えるのに十分標的に相補的である(すなわち、十分によくおよび十分に特異的にハイブリダイズする)オリゴヌクレオチドが選択される。例えば、本発明の好ましい実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドが開始コドンにまたは開始コドン近くに標的される。
本発明の文脈では、「ハイブリダイゼーション」は、アンチセンス組成物および方法に関しては、ワトソン−クリック、フーグスティーン、または逆フーグスティーン水素結合でもよい、相補的ヌクレオシドまたはヌクレオチド塩基間の水素結合を意味する。例えば、アデニンとチミンは水素結合の形成を通じて対になる相補的核酸塩基である。アンチセンス化合物の配列は、特異的にハイブリダイズ可能であるためにはその標的核酸の配列に100%相補的である必要はないことが理解されている。アンチセンス化合物の標的DNAまたはRNA分子への結合が標的DNAまたはRNAの正常な機能を妨げ有用性の喪失を引き起こし、特異的結合が望ましい条件下で(すなわち、in vivoアッセイまたは治療療法の場合には生理的条件下で、およびin vitroアッセイの場合には前記アッセイが実施される条件下で)、アンチセンス化合物の非標的配列への非特異的結合を回避するのに十分な程度に相補性が存在するときには、アンチセンス化合物は特異的にハイブリダイズ可能である。
アンチセンス化合物は、研究試薬および診断薬として一般に使用されている。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、遺伝子発現を特異的に阻害することができるが、特定の遺伝子の機能を解明するのに使用することが可能である。アンチセンス化合物は、例えば、生物学的経路の様々なメンバーの機能を区別するのにも使用される。
アンチセンスの特異性および感受性も治療的使用に適用される。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、動物およびヒトにおける病状の治療において治療成分として用いられてきた。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ヒトに安全に効果的に投与されてきており、数多くの臨床試験が現在進行中である。したがって、オリゴヌクレオチドは、細胞、組織、および動物、特にヒトの治療のための治療計画において有用であるように形成することが可能である有用な治療モダリティであることが確立している。
アンチセンスオリゴヌクレオチドはアンチセンス化合物の好ましい形態であるが、本発明は、下に記載されているようなオリゴヌクレオチド模倣剤を含むがこれに限定されない他のオリゴマーアンチセンス化合物を包含する。本発明に従ったアンチセンス化合物は、好ましくは約8から約30核酸塩基(すなわち、約8から約30連結塩基)を含むが、さらに長い配列もさらに短い配列も本発明で利用法を見出し得る。特に好ましいアンチセンス化合物はアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、さらに好ましくは、約12から約25核酸塩基を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
本発明で有用な好ましいアンチセンス化合物の特定の例には、改変された骨格または非天然ヌクレオシド間連結を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。本明細書において定義されるように、改変された骨格を有するオリゴヌクレオチドには、骨格にリン原子を保持しているオリゴヌクレオチドおよび骨格にリン原子を有していないオリゴヌクレオチドが挙げられる。本明細書の目的のために、そのヌクレオシド間骨格にリン原子を有していない改変されたオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオシドと見なすことも可能である。
好ましい改変されたオリゴヌクレオチド骨格には、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ジチオリン酸、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3’−アルキレンホスホン酸およびキラルホスホン酸を含むメチルおよび他のアルキルホスホン酸、ホスフィン酸、3’−アミノホスホロアミド酸およびアミノアルキルホスホロアミド酸を含むホスホロアミド酸、チオノホスホロアミド酸、チオノアルキルホスホン酸、チオノアルキルホスホトリエステル、ならびに正常な3’−5’連鎖、これらの2’−5’連結類似体を有するボラノリン酸およびヌクレオシド単位の隣接対が3’−5’から5’−3’または2’−5’から5’−2’へ連結されている反転極性を有するボラノリン酸が挙げられる。様々な塩類、混合塩類および遊離酸形も含まれる。
その中にリン原子を含まない好ましい改変されたオリゴヌクレオチド骨格は、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連鎖、混合ヘテロ原子およびアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連鎖、または1つもしくは複数の短鎖ヘテロ原子もしくは複素環ヌクレオシド間連鎖により形成される骨格を有する。これらの骨格には、モルフォリノ連鎖(一部ヌクレオシドの糖部分から形成されている);シロキサン骨格;スルフィド、スルホキシドおよびスルホン骨格;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;アルケン含有骨格;スルファミン酸骨格;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ骨格;スルホン酸およびスルホアミド骨格;アミド骨格;ならびに混合N、O、SおよびCH2成分部分を有する他の骨格が挙げられる。
他の好ましいオリゴヌクレオチド模倣剤では、ヌクレオチド単位の糖とヌクレオシド間連鎖(すなわち、骨格)の両方が新規の基で置き換えられる。塩基単位は、適切な核酸標的化合物とのハイブリダイゼーションのために維持される。1つのそのようなオリゴマー化合物、優れたハイブリダイゼーション特性を有することが明らかにされているオリゴヌクレオチド模倣剤は、ペプチド核酸(PNA)と呼ばれる。PNA化合物では、オリゴヌクレオチドの糖骨格はアミド含有骨格、特にアミノエチルグリシン骨格で置き換えられる。核酸塩基は保持され、骨格のアミド部分のアザ窒素原子に直接的にまたは間接的に結合される。PNA化合物の調製を教唆する代表的米国特許には、米国特許第5,539,082号、米国特許第5,714,331号および米国特許第5,719,262号が挙げられるが、これらに限定されない。これらの特許文献はそれぞれが参照により本明細書に組み込まれている。PNA化合物の追加の教唆は、Nielsenら、Science 254巻:1497頁(1991年)に見出すことができる。
本発明の最も好ましい実施形態は、ホスホロチオエート骨格を有するオリゴヌクレオチドおよびヘテロ原子骨格を有するオリゴヌクレオシド、および特に、−CH2、−NH−O−CH2−、−CH2−N(CH3)−O−CH2−[メチレン(メチルイミノ)またはMMI骨格として公知の]、−CH2−O−N(CH3)−CH2−、−CH2−N(CH3)−N(CH3)−CH2−、および上で参照の米国特許第5,489,677号の−O−N(CH3)−CH2−CH2−[天然のホスホジエステル骨格は−O−P−O−CH2−として表されている]、および上で参照の米国特許第5,602,240号のアミド骨格を有するオリゴヌクレオシドである。上で参照の米国特許第5,034,506号のモルフォリノ骨格構造を有するオリゴヌクレオチドも好ましい。
改変されたオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の置換された糖成分を含有し得る。好ましいオリゴヌクレオチドは、2’の位置に以下の:OH;F;O−、S−、もしくはN−アルキル;O−、S−、もしくはN−アルケニル;O−、S−、もしくはN−アルキニル;またはO−アルキル−O−アルキルのうちの1つを含み、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、置換されたまたは非置換のC1からC10アルキルまたはC2からC10アルケニルおよびアルキニルであり得る。特に好ましいのは、O[(CH2)nO]mCH3、O(CH2)nOCH3、O(CH2)nNH2、O(CH2)nCH3、O(CH2)nONH2、およびO(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2であり、nおよびmは1から約10までである。他の好ましいオリゴヌクレオチドは、2’の位置に以下の:C1からC10低級アルキル、置換された低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリルもしくはO−アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換されたシリル、RNA切断基、リポーター基、インターカレータ、オリゴヌクレオチドの薬物動態的特性を改善するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、および類似の特性を有する他の置換基のうちの1つを含む。好ましい改変には、2’−メトキシエトキシ(2’−O−CH2CH2OCH3、2’−O−(2−メトキシエチル)または2’−MOEとしても公知である)(Martinら、Helv. Chim. Acta 78巻:486頁[1995年])、すなわち、アルコキシアルコキシ基が挙げられる。さらに好ましい改変には、2’−DMAOEとしても公知の2’−ジメチルアミノオキシエトキシ(すなわち、O(CH2)2ON(CH3)2基)、および2’−ジメチルアミノエトキシエトキシ(当技術分野では2’−O−ジメチルアミノエトキシエチルまたは2’−DMAEOEとしても公知の)、すなわち、2’−O−CH2−O−CH2−N(CH2)2が挙げられる。
他の好ましい改変には、2’−メトキシ(2’−O−CH3)、2’−アミノプロポキシ(2’−OCH2CH2CH2NH2)および2’−フルオロ(2’−F)が挙げられる。オリゴヌクレオチド上の他の位置、特に3’末端ヌクレオチド上の糖の3’位置または2’−5’連結オリゴヌクレオチド内および5’末端ヌクレオチド上の5’位置にも類似の改変を行い得る。オリゴヌクレオチドは、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル成分などの糖模倣剤も有し得る。
オリゴヌクレオチドは核酸塩基(当技術分野ではただ「塩基」と呼ばれることが多い)改変または置換も含み得る。本明細書で使用されるように、「非改変」または「天然」核酸塩基は、プリン塩基アデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基チミン(T)、シトシン(C)およびウラシル(U)を含む。改変された核酸塩基は、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6−メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2−プロピルおよび他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミンおよび2−チオシトシン、5−ハロウラシルおよびシトシン、5−プロピニルウラシルおよびシトシン、6−アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5−ウラシル(シュードウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシルおよび他の8−置換アデニンおよびグアニン、5−ハロ特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチルおよび他の5−置換ウラシルおよびシトシン、7−メチルグアニンおよび7−メチルアデニン、8−アザグアニンおよび8−アザアデニン、7−デアザグアニンおよび7−デアザアデニンならびに3−デアザグアニンおよび3−デアザアデニンなどの他の合成および天然核酸塩基が挙げられる。追加の核酸塩基には、米国特許第3,687,808号に開示される核酸塩基が挙げられる。これらの核酸塩基のうちのある種のものは、本発明のオリゴマー化合物の結合親和性を増加するのに特に有用である。これらの核酸塩基には、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジンおよびN−2、N−6ならびに2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシルおよび5−プロピニルシトシンを含むO−6置換プリンが挙げられる。5−メチルシトシン置換は、核酸二重鎖安定性を0.6〜1.2℃増加することが明らかにされており、現在好ましい塩基置換であり、2’−O−メトキシエチル糖改変と組み合わせた場合には、さらに特に好ましい。
本発明のオリゴヌクレオチドの別の改変は、オリゴヌクレオチドの活性、細胞分布または細胞取込みを増強する1つまたは複数の成分またはコンジュゲートをオリゴヌクレオチドに化学的に連結することである。そのような成分には、コレステロール成分、コール酸、チオエーテル(例えば、ヘキシル−S−トリチルチオール)、チオコレステロール、脂肪族鎖(例えば、ドデカンジオールもしくはウンデシル残基)、リン脂質(例えば、ジ−ヘキサデシル−rac−グリセロールもしくはトリエチルアンモニウム1,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−H−ホスホン酸)、ポリアミドもしくはポリエチレングリコール鎖もしくはアダマンタン酢酸、パルミチル成分、またはオクタデシルアミンもしくはヘキシルアミノ−カルボニル−オキシコレステロール成分などの脂質成分が挙げられるが、これらに限定されない。
当業者には、上記の改変を含有するオリゴヌクレオチドの作製法が周知である。本発明は上記のアンチセンスオリゴヌクレオチドに限定されない。どんな適切な改変または置換でも利用し得る。
所与の化合物のすべての位置が一様に改変される必要はなく、実際、上述の改変のうちの2つ以上が単一の化合物に、またはオリゴヌクレオチド内の単一のヌクレオシドにさえ組み込まれ得る。本発明は、キメラ化合物であるアンチセンス化合物も含む。「キメラ」アンチセンス化合物または「キメラ」は、本発明の文脈では、2つまたはそれ以上の化学的に異なる領域であって、それぞれの領域が少なくとも1つのモノマー単位、すなわち、オリゴヌクレオチド化合物の場合はヌクレオチドで構成されている領域を含有するアンチセンス化合物、特にオリゴヌクレオチドである。これらのオリゴヌクレオチドは、典型的には、オリゴヌクレオチドにヌクレアーゼ分解に対する増加した抵抗力、増加した細胞取込み、および/または標的核酸に対する増加した結合親和性を与えるようにオリゴヌクレオチドが改変されている少なくとも1つの領域を含有する。オリゴヌクレオチドの追加の領域は、RNA:DNAまたはRNA:RNAハイブリッドを切断することができる酵素に対する基質としての働きをし得る。例としては、リボヌクレアーゼHは、RNA:DNA二重鎖のRNA鎖を切断する細胞エンドヌクレアーゼである。したがって、リボヌクレアーゼHの活性化により、RNA標的が切断され、それによって遺伝子発現のオリゴヌクレオチド阻害の効率が多いに増強される。したがって、キメラオリゴヌクレオチドが使用される場合には比較的短いオリゴヌクレオチドでは、同一の標的領域にハイブリダイズするホスホロチオエートデオキシオリゴヌクレオチドと比べて、匹敵する結果が得られることが多い。RNA標的の切断はゲル電気泳動および必要であれば、当技術分野で公知の関連核酸ハイブリダイゼーション法により常に検出することが可能である。
本発明のキメラアンチセンス化合物は、2つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチド、改変されたオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシドおよび/または上記のオリゴヌクレオチド模倣剤の複合構造体として形成され得る。
本発明は、下に記載される本発明のアンチセンス化合物を含む医薬組成物および製剤も含む。
B.遺伝子治療
本発明は、本発明の遺伝子融合物の発現を調節するのに使用するためのどんな遺伝子操作の使用でも企図している。遺伝子操作の例には、遺伝子ノックアウト(例えば組換えを使用して染色体から融合遺伝子を取り出すこと)、誘導性プロモーターおよび同類のものを用いたまたは用いないアンチセンス構築物の発現が挙げられるが、これらに限定されない。in vitroまたはin vivoでの細胞への核酸構築物の送達は、適切などんな方法を使用しても行い得る。適切な方法は、望ましい事象(例えば、アンチセンス構築物の発現)が起きるように、核酸構築物を細胞内に導入する方法である。遺伝子治療を使用して、siRNAまたはin vivoで発現される他の干渉分子を送達してもよい(例えば、誘導性プロモーター(例えば、アンドロゲン応答プロモーター)による刺激により)。
本発明は、本発明の遺伝子融合物の発現を調節するのに使用するためのどんな遺伝子操作の使用でも企図している。遺伝子操作の例には、遺伝子ノックアウト(例えば組換えを使用して染色体から融合遺伝子を取り出すこと)、誘導性プロモーターおよび同類のものを用いたまたは用いないアンチセンス構築物の発現が挙げられるが、これらに限定されない。in vitroまたはin vivoでの細胞への核酸構築物の送達は、適切などんな方法を使用しても行い得る。適切な方法は、望ましい事象(例えば、アンチセンス構築物の発現)が起きるように、核酸構築物を細胞内に導入する方法である。遺伝子治療を使用して、siRNAまたはin vivoで発現される他の干渉分子を送達してもよい(例えば、誘導性プロモーター(例えば、アンドロゲン応答プロモーター)による刺激により)。
遺伝情報を担う分子の細胞内への導入は、裸のDNA構築物の定方向注入、前記構築物を載せた金粒子の照射、ならびに、例えば、リポソーム、生体高分子、および同類のものを使用する巨大分子媒介遺伝子移入を含むが、これらに限定されない様々な方法のうちのどれによっても実現される。好ましい方法は、アデノウイルス、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、およびアデノ随伴ウイルスを含むがこれらに限定されないウイルス由来の遺伝子送達媒体を使用する。レトロウイルスと比べてより高い効率性のために、アデノウイルス由来のベクターが核酸分子をin vivoで宿主細胞内に移入するための好ましい遺伝子送達媒体である。アデノウイルスベクターは、動物モデルにおける様々な固形腫瘍へのおよび免疫不全マウスにおけるヒト固形腫瘍移植片への非常に効率的なin vivo遺伝子移入を提供することが明らかにされている。アデノウイルスベクターおよび遺伝子移入のための方法の例は、PCT出願WO00/12738およびWO 00/09675および米国特許出願公開第6033908号、米国特許出願公開第6019978号、米国特許出願公開第6001557号、米国特許出願公開第5994132号、米国特許出願公開第5994128号、米国特許出願公開第5994106号、米国特許出願公開第5981225号、米国特許出願公開第5885808号、米国特許出願公開第5872154号、米国特許出願公開第5830730号、および米国特許出願公開第5824544号に記載されており、これらの特許文献はそれぞれが参照によりその全体を本明細書に組み込まれている。
ベクターは様々な方法で被験体に投与し得る。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、ベクターは、直接注入を使用して腫瘍または腫瘍関連組織内に投与される。他の実施形態では、投与は血液またはリンパ循環を介する(例えば、PCT出願99/02685参照。この特許文献は参照によりその全体を本明細書に組み込まれている)。アデノウイルスベクターの例となる用量レベルは、好ましくは灌流液に添加される108〜1011ベクター粒子である。
C.抗体治療
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の遺伝子融合物を発現する前立腺腫瘍を標的にする抗体を提供する。適切などんな抗体でも(例えば、モノクローナル、ポリクローナル、または合成の)、本明細書において開示される治療法において利用し得る。好ましい実施形態では、癌治療のために使用される抗体はヒト化抗体である。抗体をヒト化するための方法は当技術分野では周知である(例えば、米国特許第6,180,370号、米国特許第5,585,089号、米国特許第6,054,297号、および米国特許第5,565,332号参照。これらの特許文献はそれぞれが参照により本明細書に組み込まれている)。
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の遺伝子融合物を発現する前立腺腫瘍を標的にする抗体を提供する。適切などんな抗体でも(例えば、モノクローナル、ポリクローナル、または合成の)、本明細書において開示される治療法において利用し得る。好ましい実施形態では、癌治療のために使用される抗体はヒト化抗体である。抗体をヒト化するための方法は当技術分野では周知である(例えば、米国特許第6,180,370号、米国特許第5,585,089号、米国特許第6,054,297号、および米国特許第5,565,332号参照。これらの特許文献はそれぞれが参照により本明細書に組み込まれている)。
いくつかの実施形態では、治療抗体は、抗体が細胞毒性薬にコンジュゲートされている、本発明の遺伝子融合物に対して産生された抗体を含む。そのような実施形態では、正常細胞を標的にせず、したがって従来の化学療法の有害な副作用の多くを減少させる腫瘍特異的治療薬が産生される。ある種の適用のために、治療薬は、抗体への結合のために有用な薬物として働くことになる薬剤、特に内皮細胞を死滅させるまたは内皮細胞の増殖または細胞分裂を抑制する能力を有する細胞毒性または他の抗細胞薬であることが想定されている。本発明は、抗体にコンジュゲートされ、活性型で送達されることが可能などんな薬剤の使用でも企図している。例となる抗細胞薬には、化学療法薬、放射性同位元素、および細胞毒が挙げられる。本発明の治療抗体は、放射性同位元素(例えば、ヨウ素−131、ヨウ素−123、テクニシウム−99m、インジウム−111、レニウム−188、レニウム−186、ガリウム−67、銅−67、イットリウム−90、ヨウ素−125またはアスタチン−211)、ステロイドなどのホルモン、シトシンなどの代謝拮抗薬(例えば、アラビノシド、フルオロウラシル、メトトレキサートまたはアミノプテリン;アントラサイクリン;マイトマイシンC)、ビンカアルカロイド(例えば、デメコルチン;エトポシド;ミトラマイシン)、およびクロラムブシルまたはメルファランなどの抗腫瘍アルキル化剤を含むが、これらに限定されない様々な細胞毒成分が挙げられる。他の実施形態は、血液凝固薬などの作用薬、サイトカイン、増殖因子、細菌内毒素または細菌内毒素のリピドA成分を含んでいてよい。例えば、いくつかの実施形態では、治療薬は、少数の例を挙げるだけでも、A鎖毒素、リボソーム不活化タンパク質、α−サルシン、アスペルギリン、レストリクトシン、リボヌクレアーゼ、ジフテリア毒素またはシュードモナス外毒素などの植物由来、真菌由来または細菌由来毒素を含むことになる。いくつかの好ましい実施形態では、脱グリコシル化リシンA鎖が利用される。
いずれにしても、これらの薬剤などの作用薬は、必要ならば、標的腫瘍細胞の部位でのそのターゲティング、内部移行、放出または血液成分への提示を可能にする形で、必要に応じて公知のコンジュゲーション技術を使用して抗体に首尾よくコンジュゲートし得ることが提案されている(例えば、Ghoseら、Methods Enzymol.、93巻:280頁[1983年]参照)。
例えば、いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の癌マーカー(例えば、ERGまたはETV1融合物)に標的された免疫毒素を提供する。免疫毒素は、特定のターゲティング薬、典型的には腫瘍定方向抗体または断片と毒素成分などの細胞毒性薬とのコンジュゲートである。ターゲティング薬は毒素を標的抗原を担っている細胞に向け、それによって前記細胞を選択的に死滅させる。いくつかの実施形態では、治療抗体は、高いin vivo安定性を与える架橋剤を用いる(Thorpeら、Cancer Res.、48巻:6396頁[1988年])。
他の実施形態、特に固形腫瘍の治療に関係する実施形態では、抗体は、血管内皮細胞の増殖または細胞分裂を抑制することにより、腫瘍脈管構造に対して細胞毒性または他の抗細胞効果を有するように設計される。この攻撃は、腫瘍局在性血管虚脱をもたらし、腫瘍細胞、特に脈管構造から遠位にある腫瘍細胞から酸素および栄養素を奪い、最終的には細胞死および腫瘍壊死をもたらすことを目的とする。
好ましい実施形態では、抗体ベース治療薬は、下に記載される医薬組成物として処方される。好ましい実施形態では、本発明の抗体組成物の投与により、癌の測定可能な減少(例えば、腫瘍の減少または消失)がもたらされる。
D.医薬組成物
本発明は、(例えば、本発明の遺伝子融合物の発現または活性を調節する医薬品を含む)医薬組成物をさらに提供する。本発明の医薬組成物は、局所的が望ましいのかまたは全身的治療が望ましいのかどうか、および治療される領域に応じていくつかの方法で投与され得る。投与は、局所的(眼部を含むおよび膣および直腸送達を含む粘膜への)、肺(例えば、ネブライザーによりを含む粉末もしくはエアロゾルの吸入もしくはガス注入により;気管内、鼻腔内、上皮および経皮)、経口または非経口でよい。非経口投与は、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内もしくは筋肉内注射もしくは点滴;または頭蓋内、例えば、くも膜下腔内もしくは脳室内投与が含まれる。
本発明は、(例えば、本発明の遺伝子融合物の発現または活性を調節する医薬品を含む)医薬組成物をさらに提供する。本発明の医薬組成物は、局所的が望ましいのかまたは全身的治療が望ましいのかどうか、および治療される領域に応じていくつかの方法で投与され得る。投与は、局所的(眼部を含むおよび膣および直腸送達を含む粘膜への)、肺(例えば、ネブライザーによりを含む粉末もしくはエアロゾルの吸入もしくはガス注入により;気管内、鼻腔内、上皮および経皮)、経口または非経口でよい。非経口投与は、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内もしくは筋肉内注射もしくは点滴;または頭蓋内、例えば、くも膜下腔内もしくは脳室内投与が含まれる。
局所投与のための医薬組成物および製剤は、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐薬、スプレー、液体および粉末を含み得る。従来の医薬担体、水性、粉末または油性基剤、増粘剤およびこれと同類のものは、必要であるまたは望ましいこともある。
経口投与のための組成物および製剤は、粉末もしくは顆粒、水もしくは非水溶媒の懸濁液もしくは溶液、カプセル、サシェまたは錠剤を含む。増粘剤、香味剤、希釈剤、乳化剤、分散剤または結合剤が望ましいこともある。
非経口、くも膜下腔内または脳室内投与のための組成物および製剤は、緩衝液、希釈剤ならびに、浸透増強剤、担体化合物および他の薬学的に許容される担体または賦形剤などの、しかしこれらに限定されない他の適切な添加物も含有し得る無菌水溶液を含み得る。
本発明の医薬組成物は、溶液、乳液、およびリポソーム含有製剤を含むが、これらに限定されない。これらの組成物は、前もって形成された液体、自己乳化固体および自己乳化半流動体を含むが、これらに限定されない様々な成分から作製してよい。
本発明の医薬製剤は、都合よく単位投与量の形で与えてもよいが、製薬工業において周知の従来の技法に従って調製してもよい。そのような技法は、活性成分を医薬担体(複数可)または賦形剤(複数可)と会合させるステップを含む。一般的には、製剤は、活性成分を液体担体もしくは微粉化された固体担体、またはその両方と均一におよび密に会合させ、次に、必要であれば、製品を成形することにより調製される。
本発明の組成物は、錠剤、カプセル、液体シロップ、軟質ゲル、坐薬、および浣腸剤などの、しかしこれらに限定されない多くの考え得る剤形のどれにでも処方し得る。本発明の組成物は、水媒体、非水媒体または混合媒体の懸濁液として処方してもよい。水性懸濁液は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールおよび/またはデキストランを含む懸濁液の粘度を増加させる物質をさらに含有し得る。懸濁液は、安定剤も含有してよい。
本発明の一実施形態では、医薬組成物は泡沫として処方され使用され得る。医薬泡沫には、乳濁液、マイクロエマルジョン、クリーム、ゼリーおよびリポソームなどの、しかしこれらに限定されない製剤が含まれる。これらの製剤は性質は基本的に類似しているが、最終製品の成分および濃度は異なる。
細胞レベルでのオリゴヌクレオチドの取込みを増強する作用薬を、本発明の医薬および他の組成物に添加してもよい。例えば、リポフェクチン(米国特許第5705188号)などの陽イオン性脂質、陽イオン性グリセロール誘導体、およびポリリジン(WO97/30731)などのポリカチオン性分子も、オリゴヌクレオチドの細胞取込みを増強する。
本発明の組成物は、医薬組成物中に従来から含まれる他の補助成分をさらに含有し得る。したがって、例えば、組成物は、例えば、鎮痒薬、収斂薬、局所麻酔もしくは抗炎症剤などの追加の適合性薬学的活性物質を含有してもよく、色素、香味料、保存剤、抗酸化剤、乳白剤、増粘剤および安定剤などの本発明の組成物の様々な剤形を物理的に処方するのに有用な追加の物質を含有していてもよい。しかし、そのような物質は、添加されたときに、本発明の組成物の成分の生物活性を過度に妨げるべきではない。製剤は無菌化し、必要であれば、補助剤、例えば、潤滑剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩類、緩衝剤、着色剤、香味料、および/または芳香剤ならびに製剤の核酸(複数可)を有害に妨げない同類のものと混合することが可能である。
本発明のある種の実施形態は、(a)1つまたは複数のアンチセンス化合物および(b)非アンチセンス機序により機能する1つまたは複数の他の化学療法剤を含有する医薬組成物を提供する。そのような化学療法剤の例には、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ナイトロジェンマスタード、クロラムブシル、メルファラン、シクロホスファミド、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン(CA)、5−フルオロウラシル(5−FU)、フロクスウリジン(5−FUdR)、メトトレキサート(MTX)、コルヒチン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド、テニポシド、シスプラチンおよびジエチルスチルベストロール(DES)などの抗癌剤が挙げられるが、これらに限定されない。非ステロイド系抗炎症薬および副腎皮質ステロイドを含むがこれらに限定されない抗炎症薬、ならびにリビビリン、ビダラビン、アシクロビルおよびガンシクロビルを含むがこれらに限定されない抗ウイルス薬も、本発明の組成物において組み合わせ得る。他の非アンチセンス化学療法剤も本発明の範囲内である。2つまたはそれ以上の組み合わせた化合物を同時にまたは順次に使用してよい。
数日から数カ月、または治癒がもたらされるもしくは病状の減少が実現されるまで続く治療の進行に合わせて、投薬は治療される病状の重症度および応答性に依存する。最適な投薬計画は、患者の体内の薬物の蓄積の測定値から計算することが可能である。投薬する医師は、最適投与量、投与方法および繰返し速度を容易に決定することができる。最適投与量は、個々のオリゴヌクレオチドの相対的効力に応じて変わることがあり、一般には、in vitroおよびin vivo動物モデルにおいて効果的であることが分かっているEC50に基づいてまたは本明細書に記載される例に基づいて見積もることが可能である。一般に、投与量は体重kgあたり0.01μgから100gまでであり、毎日、毎週、毎月または毎年1回または複数回与えてよい。治療している医師は、計測された滞留時間および体液または組織中の薬物の濃度に基づいて投与のための繰返し速度を見積もることができる。治療の成功に続いて、オリゴヌクレオチドが、毎日1回または複数回から20年毎に1回まで、体重kgあたり0.01μgから100gまでの範囲の維持投与量で投与される、病状の再発を予防するための維持療法を被験体に受けてもらうことが望ましいことがある。
VII.トランスジェニック動物
本発明は、本発明の外来性癌マーカー遺伝子(例えば、遺伝子融合物)またはその変異体およびバリアント(例えば、トランケーションまたは一塩基多型)を含むトランスジェニック動物の作製を企図している。好ましい実施形態では、トランスジェニック動物は、野生型動物と比べて変化した表現型(例えば、マーカーの存在の増加または減少)を示す。そのような表現型の存在または不在を解析するための方法は、本明細書に開示される方法を含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい実施形態では、トランスジェニック動物は腫瘍の増殖または癌の証拠の増加または減少をさらに示す。
本発明は、本発明の外来性癌マーカー遺伝子(例えば、遺伝子融合物)またはその変異体およびバリアント(例えば、トランケーションまたは一塩基多型)を含むトランスジェニック動物の作製を企図している。好ましい実施形態では、トランスジェニック動物は、野生型動物と比べて変化した表現型(例えば、マーカーの存在の増加または減少)を示す。そのような表現型の存在または不在を解析するための方法は、本明細書に開示される方法を含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい実施形態では、トランスジェニック動物は腫瘍の増殖または癌の証拠の増加または減少をさらに示す。
本発明のトランスジェニック動物は、薬物(例えば、癌治療)スクリーニングに利用法を見つける。いくつかの実施形態では、試験化合物(例えば、癌を治療するのに有用ではないかと疑われている薬物)および対照化合物(例えば、プラセボ)はトランスジェニック動物および対照動物に投与され、その効果が評価される。
トランスジェニック動物は様々な方法を介して作製することが可能である。いくつかの実施形態では、様々な発生段階の胎児細胞を使用して、トランスジェニック動物を作製するためのトランス遺伝子を導入する。胎児細胞の発生段階に応じて異なる方法が使用される。接合体はマイクロインジェクションに最良の標的である。マウスでは、雄前核は、1〜2ピコリットル(pl)のDNA溶液の再現性のある注入を可能にする直径でほぼ20マイクロメーターの大きさに到達する。遺伝子移入のための標的としての接合体の使用は、ほとんどの場合に注入されたDNAは最初の卵割前に宿主ゲノムに組み込まれることになる点で大きな利点を有する(Brinsterら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82巻:4438〜4442頁[1985年])。したがって、トランスジェニック非ヒト動物の細胞はすべて組み込まれたトランス遺伝子を担うことになる。生殖細胞の50%がトランス遺伝子を宿すことになるために、これは一般には、生みの親の子孫へのトランス遺伝子の効率的な伝達にも反映されることになる。米国特許第4873191号は、接合体のマイクロインジェクションのための方法を記載しており、この特許の開示はその全体を本明細書に組み込まれている。
他の実施形態では、レトロウイルス感染を使用して、非ヒト動物にトランス遺伝子を導入する。いくつかの実施形態では、レトロウイルスベクターを利用して、卵母細胞の囲卵腔にレトロウイルスベクターを注入することにより卵母細胞をトランスフェクトする(米国特許第6,080,912号、この特許文献は参照により本明細書に組み込まれている)。他の実施形態では、発生中の非ヒト胚を胚盤胞期までin vitroで培養することが可能である。この期間中、卵割球はレトロウイルス感染のための標的になることが可能である(Janenich、Proc. Natl. Acad. Sci. USA
73巻:1260頁[1976年])。卵割球の効率的感染は、透明帯を取り除く酵素的処置により得られる(Hoganら、Manipulating the Mouse
Embryo、 Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y. [1986年])。トランス遺伝子を導入するのに使用されるウイルスベクター系は、典型的にはトランス遺伝子を担う複製欠損レトロウイルスである(Jahnerら、Proc. Natl. Acad Sci. USA 82巻:6927頁[1985年])。トランスフェクションは、ウイルス産生細胞の単層上で卵割球を培養することにより、容易に効率的に得られる(Stewartら、EMBO J.、6巻:383頁[1987年])。代わりに、感染はもっと後の段階で実施することが可能である。ウイルスまたはウイルス産生細胞を胞胚腔に注入することが可能である(Jahnerら、Nature 298巻:623頁[1982年])。生みの親の大半は、組込みがトランスジェニック動物を形成する細胞のサブセットにおいてのみ起こるために、トランス遺伝子ではモザイク状になる。さらに、生みの親は、一般に子孫において分離することになるゲノム中の異なる位置にトランス遺伝子の様々なレトロウイルス挿入を含有し得る。さらに、妊娠中期胚の子宮内レトロウイルス感染により、トランス遺伝子を生殖系列に、低効率でも導入することも可能である(Jahnerら、上記参照 [1982年])。当技術分野に公知のトランスジェニック動物を作製するためにレトロウイルスまたはレトロウイルスベクターを使用する追加の手段は、受精卵または初期胚の囲卵腔へのレトロウイルス粒子またはレトロウイルスを産生するマイトマイシンC処理細胞のマイクロインジェクションを含む(PCT国際出願WO90/08832[1990年]、ならびにHaskellおよびBowen、Mol
Reprod. Dev.、40巻:386頁[1995年])。
73巻:1260頁[1976年])。卵割球の効率的感染は、透明帯を取り除く酵素的処置により得られる(Hoganら、Manipulating the Mouse
Embryo、 Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y. [1986年])。トランス遺伝子を導入するのに使用されるウイルスベクター系は、典型的にはトランス遺伝子を担う複製欠損レトロウイルスである(Jahnerら、Proc. Natl. Acad Sci. USA 82巻:6927頁[1985年])。トランスフェクションは、ウイルス産生細胞の単層上で卵割球を培養することにより、容易に効率的に得られる(Stewartら、EMBO J.、6巻:383頁[1987年])。代わりに、感染はもっと後の段階で実施することが可能である。ウイルスまたはウイルス産生細胞を胞胚腔に注入することが可能である(Jahnerら、Nature 298巻:623頁[1982年])。生みの親の大半は、組込みがトランスジェニック動物を形成する細胞のサブセットにおいてのみ起こるために、トランス遺伝子ではモザイク状になる。さらに、生みの親は、一般に子孫において分離することになるゲノム中の異なる位置にトランス遺伝子の様々なレトロウイルス挿入を含有し得る。さらに、妊娠中期胚の子宮内レトロウイルス感染により、トランス遺伝子を生殖系列に、低効率でも導入することも可能である(Jahnerら、上記参照 [1982年])。当技術分野に公知のトランスジェニック動物を作製するためにレトロウイルスまたはレトロウイルスベクターを使用する追加の手段は、受精卵または初期胚の囲卵腔へのレトロウイルス粒子またはレトロウイルスを産生するマイトマイシンC処理細胞のマイクロインジェクションを含む(PCT国際出願WO90/08832[1990年]、ならびにHaskellおよびBowen、Mol
Reprod. Dev.、40巻:386頁[1995年])。
他の実施形態では、トランス遺伝子は胚性幹細胞に導入され、トランスフェクトされた幹細胞を利用して胚を形成する。ES細胞は、適切な条件下で着床前胚をin vitroで培養することにより得られる(Evansら、Nature 292巻:154頁[1981年]; Bradleyら、Nature 309巻:255頁[1984年]; Gosslerら、Proc. Acad. Sci. USA 83巻:9065頁[1986年]; およびRobertsonら、Nature 322巻:445頁[1986年])。リン酸カルシウム共沈、プロトプラストまたはスフェロプラスト融合、リポフェクションおよびDEAE−デキストラン媒介トランスフェクションを含む当技術分野に公知の様々な方法によるDNAトランスフェクションによりトランス遺伝子はES細胞に効率的に導入することが可能である。トランス遺伝子は、レトロウイルス媒介形質導入によりまたはマイクロインジェクションによりES細胞に導入してもよい。そのようなトランスフェクトされたES細胞は、胚盤胞期胚の胞胚腔へのその導入に続いて、その後、胚をコロニー形成し、こうして得られたキメラ動物の生殖系列に寄与することが可能である(概説については、Jaenisch、Science 240巻:1468頁[1988年]参照)。トランスフェクトされたES細胞の胞胚腔への導入に先立って、トランス遺伝子はそのような選択のための手段を提供すると仮定して、トランスフェクトされたES細胞はトランス遺伝子を取り込んでいるES細胞を濃縮する様々な選択プロトコールに供され得る。代わりに、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して、トランス遺伝子を取り込んでいるES細胞を求めてスクリーニングしてもよい。この技法は、胞胚腔への移入に先立つ適切な選択条件下でのトランスフェクトされたES細胞の増殖を不必要にする。
さらに他の実施形態では、相同組換えを利用して遺伝子機能をノックアウトするまたは欠失変異体(例えば、トランケーション変異体)を作製する。相同組換えのための方法は、米国特許第5,614,396号に記載されており、この特許文献は参照により本明細書に組み込まれている。
実験
以下の実施例は、本発明のある種の好ましい実施形態および局面を実証し、さらに概説するために提供されるものであり、本発明の範囲を限定するものであると解釈されるべきではない。
以下の実施例は、本発明のある種の好ましい実施形態および局面を実証し、さらに概説するために提供されるものであり、本発明の範囲を限定するものであると解釈されるべきではない。
(実施例1)
ERGとETV1との遺伝子融合物
A.材料および方法
癌のアウトライアープロファイル分析(COPA)
COPA分析を10,486のマイクロアレイ実験を含むOncomine 3.0の132の遺伝子発現データセット上で行った。さらに、99個の増幅された、レーザーキャプチャーマイクロダイセクションで採取された前立腺組織試料からのデータをCOPA分析に含めた。COPAは3つのステップを有する。第1に、遺伝子発現値はメジアンを中心にし、各遺伝子のメジアン発現をゼロに設定する。第2に、メジアン絶対偏差(MAD)を計算し、各遺伝子発現値をそのMADで割ることで1に縮尺調整する。メジアンおよびMADを、平均および標準偏差とは対照的に、例外発現値が分布推定値に対して過度に影響を与えず、したがって標準化後もこれらが保たれるように、変換に用いた。第3に、変換された発現値の75、90、および95パーセンタイルを各遺伝子について一覧にまとめて、遺伝子をこれらのパーセンタイル値スコアでランク付けし、アウトライアープロファイルについて優先順位付けされた一覧を得る。
ERGとETV1との遺伝子融合物
A.材料および方法
癌のアウトライアープロファイル分析(COPA)
COPA分析を10,486のマイクロアレイ実験を含むOncomine 3.0の132の遺伝子発現データセット上で行った。さらに、99個の増幅された、レーザーキャプチャーマイクロダイセクションで採取された前立腺組織試料からのデータをCOPA分析に含めた。COPAは3つのステップを有する。第1に、遺伝子発現値はメジアンを中心にし、各遺伝子のメジアン発現をゼロに設定する。第2に、メジアン絶対偏差(MAD)を計算し、各遺伝子発現値をそのMADで割ることで1に縮尺調整する。メジアンおよびMADを、平均および標準偏差とは対照的に、例外発現値が分布推定値に対して過度に影響を与えず、したがって標準化後もこれらが保たれるように、変換に用いた。第3に、変換された発現値の75、90、および95パーセンタイルを各遺伝子について一覧にまとめて、遺伝子をこれらのパーセンタイル値スコアでランク付けし、アウトライアープロファイルについて優先順位付けされた一覧を得る。
試料
使用した組織は、共にミシガン大学の前立腺癌専門優良研究プログラム(Specialized Program of Research Excellence:S.P.O.R.E.)組織コアの一部である、ミシガン大学の根治的前立腺切除系列由来および迅速剖検プログラム由来(Shahら、Cancer Res 64巻、9209頁(2004年12月15日))のものである。
使用した組織は、共にミシガン大学の前立腺癌専門優良研究プログラム(Specialized Program of Research Excellence:S.P.O.R.E.)組織コアの一部である、ミシガン大学の根治的前立腺切除系列由来および迅速剖検プログラム由来(Shahら、Cancer Res 64巻、9209頁(2004年12月15日))のものである。
組織は、ウルム大学病院(Ulm、Germany)での根治的前立腺切除術系列からも得た。すべての試料は、各それぞれの研究施設での事前の研究所審査委員の承認を得て、同意した患者から収集したものである。すべての試料からの総RNAを、製造業者の使用説明書に従って、トリゾール(Trizol)(Invitrogen)を用いて単離した。総RNAを、RWPE、PC3、PC3+AR(Daiら、Steroids 61巻、531頁(1996年))、LNCaP、VCaPおよびDuCaP細胞株からも単離した。RNAの完全性を、ホルムアルデヒドゲル変性電気泳動またはアジレント社のバイオアナライザー2100により検証した。良性前立腺組織の総RNA(CPP、Clontech)の市販のプールも用いた。
定量的PCR(QPCR)
定量的PCR(QPCR)を、本質的には(Chinnaiyanら、Cancer Res 65巻、3328頁(2005年);Rubinら、Cancer Res 64巻、3814頁(2004年))に記載されているように、SYBRグリーン色素を用いて、Applied Biosystemsの7300リアルタイムPCRシステム上で行った。要約すると、1〜5μgの総RNAを、ランダムプライマーまたはランダムプライマーおよびオリゴdTプライマーの存在下で、スーパースクリプト(Sper Script)III(Invitrogen)を用いて、cDNAに逆転写した。すべての反応は、SYBRグリーンマスターミックス(Applied Biosystems)および25ngのフォワードプライマーおよびリバースプライマーの両者を製造業者の推奨する熱サイクル条件を用いて実施した。すべての反応を融解曲線分析に供し、選択した実験から得た生産物を1.5%アガロースゲル上で電気泳動させることで分離した。各実験について、閾値を、配列検出ソフト、バージョン1.2.2(Applied Biosystems)を用いて、QPCR反応の指数期において設定した。各試料について、ハウスキーピング遺伝子グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)と比較した各標的遺伝子の量を、cDNA試料を図説の各実験について検量用試料として用いて、比較閾値サイクル(Ct)法(Applied Biosystemsユーザーマニュアル(User Bulletin)#2)により決定した。すべてのオリゴヌクレオチドプライマーは、Integrated DNA Technologiesにより合成されたものであった。
定量的PCR(QPCR)を、本質的には(Chinnaiyanら、Cancer Res 65巻、3328頁(2005年);Rubinら、Cancer Res 64巻、3814頁(2004年))に記載されているように、SYBRグリーン色素を用いて、Applied Biosystemsの7300リアルタイムPCRシステム上で行った。要約すると、1〜5μgの総RNAを、ランダムプライマーまたはランダムプライマーおよびオリゴdTプライマーの存在下で、スーパースクリプト(Sper Script)III(Invitrogen)を用いて、cDNAに逆転写した。すべての反応は、SYBRグリーンマスターミックス(Applied Biosystems)および25ngのフォワードプライマーおよびリバースプライマーの両者を製造業者の推奨する熱サイクル条件を用いて実施した。すべての反応を融解曲線分析に供し、選択した実験から得た生産物を1.5%アガロースゲル上で電気泳動させることで分離した。各実験について、閾値を、配列検出ソフト、バージョン1.2.2(Applied Biosystems)を用いて、QPCR反応の指数期において設定した。各試料について、ハウスキーピング遺伝子グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)と比較した各標的遺伝子の量を、cDNA試料を図説の各実験について検量用試料として用いて、比較閾値サイクル(Ct)法(Applied Biosystemsユーザーマニュアル(User Bulletin)#2)により決定した。すべてのオリゴヌクレオチドプライマーは、Integrated DNA Technologiesにより合成されたものであった。
GAPDHプライマーは、(Vandesompeleら、Genome Biol 3巻、RESEARCH0034(2002年))に記載されており、その他すべてのプライマーを表4に列挙している。
およそ等しい効率のプライマーを、比較Ct法を利用するため、前立腺癌cDNAまたはプラスミド鋳型の段階希釈により確認した。
cDNA末端のRNAリガーゼ介在性迅速増幅(RLM−RACE)
cDNA末端のRNAリガーゼ介在性迅速増幅をジーンレーサー(GeneRacer)RLM−RACEキット(Invitrogen)を製造業者の使用説明書に従って用いて実施した。最初に、試料をERGまたはETV1の発現に基づき、QPCRにより選択した。総RNAの5μgを仔ウシ腸由来ホスファターゼで処理し、切断されたmRNAおよび非mRNAから5’ホスフェートを除去し、タバコ酸性フィロホスファターゼでキャップ構造を除去する。ジーンレーサーRNAオリゴを全長転写産物に連結し、スーパースクリプトIIIを用いて逆転写した。5’末端を得るため、第1鎖のcDNAをETV1に対してジーンレーサー5’プライマーおよびETV1エクソン4−5_r、あるいはERGに対してジーンレーサー5’プライマーおよびERGエクソン4a_rまたはERGエクソン4b rを用いて、プラチナTaqハイフィデリティ(Platinum Taq High Fidelity)(Invitrogen)で増幅した。プライマー配列を示す(表S2)。生産物を1.5%アガロースゲル上で電気泳動により分離し、バンドを切除、精製し、TOPO TAをpCR4−TOPOにクローニングした。少なくとも4つの結腸からの精製プラスミドDNAをミシガン大学DNA配列決定コアのABIモデル3730自動配列決定装置で、M13リバースおよびM13フォワード(−20)プライマーまたはT3およびT7プライマーを双方向で用いて配列決定した。RLM−RACEd cDNAは、その他のアッセイに使用しなかった。
cDNA末端のRNAリガーゼ介在性迅速増幅をジーンレーサー(GeneRacer)RLM−RACEキット(Invitrogen)を製造業者の使用説明書に従って用いて実施した。最初に、試料をERGまたはETV1の発現に基づき、QPCRにより選択した。総RNAの5μgを仔ウシ腸由来ホスファターゼで処理し、切断されたmRNAおよび非mRNAから5’ホスフェートを除去し、タバコ酸性フィロホスファターゼでキャップ構造を除去する。ジーンレーサーRNAオリゴを全長転写産物に連結し、スーパースクリプトIIIを用いて逆転写した。5’末端を得るため、第1鎖のcDNAをETV1に対してジーンレーサー5’プライマーおよびETV1エクソン4−5_r、あるいはERGに対してジーンレーサー5’プライマーおよびERGエクソン4a_rまたはERGエクソン4b rを用いて、プラチナTaqハイフィデリティ(Platinum Taq High Fidelity)(Invitrogen)で増幅した。プライマー配列を示す(表S2)。生産物を1.5%アガロースゲル上で電気泳動により分離し、バンドを切除、精製し、TOPO TAをpCR4−TOPOにクローニングした。少なくとも4つの結腸からの精製プラスミドDNAをミシガン大学DNA配列決定コアのABIモデル3730自動配列決定装置で、M13リバースおよびM13フォワード(−20)プライマーまたはT3およびT7プライマーを双方向で用いて配列決定した。RLM−RACEd cDNAは、その他のアッセイに使用しなかった。
TMPRSS2:ERG融合物についての逆転写PCR
上述のようにQPCRを用いてTMPRSS2:ERG陽性症例を同定後、同一のcDNA試料をプラチナTaqハイフィデリティおよびTPRSS2:ERGプライマーを用いてPCR増幅した。生産物を電気泳動で分離し、pCR4−TOPOにクローニングし、上述のように配列決定した。
上述のようにQPCRを用いてTMPRSS2:ERG陽性症例を同定後、同一のcDNA試料をプラチナTaqハイフィデリティおよびTPRSS2:ERGプライマーを用いてPCR増幅した。生産物を電気泳動で分離し、pCR4−TOPOにクローニングし、上述のように配列決定した。
in vitroアンドロゲン応答性
ヒトアンドロゲン受容体で安定的にトランスフェクトしたRWPE、LNCaP、VCaP DuCaP、PC3およびPC3細胞(PC3+AR)(3)を1%エタノール対照または1nMの合成アンドロゲンR1881で24時間処理した。総RNAを単離し、ERGエクソン5−6_fおよび_rプライマーを用いて、上述したように逆転写とQPCRを行った。各試料についてERG/GAPDHの相対量をRWPE対照試料に対して較正した。
ヒトアンドロゲン受容体で安定的にトランスフェクトしたRWPE、LNCaP、VCaP DuCaP、PC3およびPC3細胞(PC3+AR)(3)を1%エタノール対照または1nMの合成アンドロゲンR1881で24時間処理した。総RNAを単離し、ERGエクソン5−6_fおよび_rプライマーを用いて、上述したように逆転写とQPCRを行った。各試料についてERG/GAPDHの相対量をRWPE対照試料に対して較正した。
蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)
正常な末梢リンパ球由来のホルマリン固定したパラフィン包理(FFPE)組織切片と転移性前立腺癌試料MET−26およびMET−28を間期蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)分析に用いた。さらに、間期FISHを、13の臨床的に局在化した前立腺癌と16の転移性前立腺癌試料のFFPE切片由来のコアを含む組織マイクロアレイ上で実施した。2色、2シグナルアプローチをTMPRSS2とETV1の融合を評価するために用い、プローブはそれぞれの遺伝子座のほとんどにまたがっていた。ビオチン−14−dCTP BACクローンRP11−124L22をETV1遺伝子座に対して用い、ジゴキシン−dUTP標識したBACクローンRPP11−35CDをTMPRSS2遺伝子座に対して用いた。ERGを含む遺伝子再配列を分析するために、2つのプローブがERG遺伝子座(ビオチン−14−dCTP標識したBACクローンRP11−476D17およびジゴキシン−dUTP標識したBACクローンRP11−95I21)にまたがる、分断シグナルプローブストラテジーを利用した。すべてのBACクローンは、オークランド研究所小児科病院(CHORI)より入手したものである。組織分析の前に、すべてのプローブの完全性と純度を正常な末梢リンパ球の中期スプレッドのハイブリダイゼーションにより確認した。組織ハイブリダイゼーション、洗浄および色検出を(Rubinら、Cancer Res 64巻、3814頁(2004年);Garrawayら、Nature 436巻、117頁(2005年))に記載のように実施した。
正常な末梢リンパ球由来のホルマリン固定したパラフィン包理(FFPE)組織切片と転移性前立腺癌試料MET−26およびMET−28を間期蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)分析に用いた。さらに、間期FISHを、13の臨床的に局在化した前立腺癌と16の転移性前立腺癌試料のFFPE切片由来のコアを含む組織マイクロアレイ上で実施した。2色、2シグナルアプローチをTMPRSS2とETV1の融合を評価するために用い、プローブはそれぞれの遺伝子座のほとんどにまたがっていた。ビオチン−14−dCTP BACクローンRP11−124L22をETV1遺伝子座に対して用い、ジゴキシン−dUTP標識したBACクローンRPP11−35CDをTMPRSS2遺伝子座に対して用いた。ERGを含む遺伝子再配列を分析するために、2つのプローブがERG遺伝子座(ビオチン−14−dCTP標識したBACクローンRP11−476D17およびジゴキシン−dUTP標識したBACクローンRP11−95I21)にまたがる、分断シグナルプローブストラテジーを利用した。すべてのBACクローンは、オークランド研究所小児科病院(CHORI)より入手したものである。組織分析の前に、すべてのプローブの完全性と純度を正常な末梢リンパ球の中期スプレッドのハイブリダイゼーションにより確認した。組織ハイブリダイゼーション、洗浄および色検出を(Rubinら、Cancer Res 64巻、3814頁(2004年);Garrawayら、Nature 436巻、117頁(2005年))に記載のように実施した。
B.結果
癌のアウトライアープロファイル分析
近年、DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現プロファイリングは、癌トランスクリプトームを研究するための通常的な方法となってきている。マイクロアレイ研究は、癌の分子多様性に対する膨大な知見を与えており、多くの場合、腫瘍組織学、患者予後、および治療応答に対応する疾患の新規分子サブタイプを同定してきた(Valkら、N Engl J Med 350巻、1617頁(2004年))。しかしながら、一般に、癌トランスクリプトーム分析は、新規の癌の原因となる遺伝子の発見には至らなかった。癌遺伝子の顕著な過剰発現を生じる再配列および高レベルの複製数変化は、癌トランスクリプトームデータで顕著だが、必ずしも従来の分析アプローチで顕著であるわけではなかったと仮定された。
癌のアウトライアープロファイル分析
近年、DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現プロファイリングは、癌トランスクリプトームを研究するための通常的な方法となってきている。マイクロアレイ研究は、癌の分子多様性に対する膨大な知見を与えており、多くの場合、腫瘍組織学、患者予後、および治療応答に対応する疾患の新規分子サブタイプを同定してきた(Valkら、N Engl J Med 350巻、1617頁(2004年))。しかしながら、一般に、癌トランスクリプトーム分析は、新規の癌の原因となる遺伝子の発見には至らなかった。癌遺伝子の顕著な過剰発現を生じる再配列および高レベルの複製数変化は、癌トランスクリプトームデータで顕著だが、必ずしも従来の分析アプローチで顕著であるわけではなかったと仮定された。
癌の種類の大多数は、癌遺伝子の活性化の不均一パターンが観察されており、それゆえ癌試料の1つのクラスにわたって遺伝子の通常の活性化を探すような従来の分析方法(例えば、t検定またはシグナル対ノイズ比)では、このような癌遺伝子発現プロファイルを見つけることはできない。代わりに、症例のサブセットにおける顕著な過剰発現を探す方法が必要である。本発明の開発過程において実施した実験は、癌のアウトライアープロファイル分析(COPA)の発展をもたらした。COPAは、遺伝子発現プロファイルのメジアンおよびメジアン絶対偏差に基づいて簡単な数値的変換を応用することで、アウトライアープロファイルを増強および同定しようとするものである(Rossら、Blood
102巻、2951頁(2003年))。このアプローチを図5Aに示す。COPAを10,486のマイクロアレイ実験を示す132の遺伝子発現データセットの概要を含むOncomineデータベース(Bittnerら、Nature 406巻、536頁(2000年))に適用した。COPAは、再発性再配列または高レベル増幅が起こることが公知である特定の癌種における遺伝子について、いくつかのアウトライアープロファイルを正確に同定した。この分析では、癌遺伝子調査(Vasselliら、Proc Natl Acad Sci USA 100巻、6958頁(2003年))により定義されるようなOncomineデータセットにおいて上位10のアウトライアープロファイルに位置する(表1および表3)公知の癌原因遺伝子のアウトライアープロファイルに着目した。例えば、Valkらの急性骨髄性白血病(AML)データセットにおいては、RUNX1T1(ETO)は、95パーセンタイルで最強度のアウトライアープロファイルを示し、AMLのサブセットにおけるこの遺伝子の公知の転位および発癌活性転位と一致している(Davisら、Proc Natl Acad Sci USA 100巻、6051頁(2003年))(表1)。このアウトライアープロファイルは、RUNX1(AML1)、およびRUNX1T1(ETO)(図5B)を融合させる、既に確認済みのt(8;21)転位を有する症例に正確に関連している。同様に、Rossらの急性リンパ芽球性白血病(ALL)データセットにおいては、PBX1は90パーセンタイルで最強度のアウトライアープロファイルを示し、ALLのサブセットで起こることが公知であるE2A−PBX1転位と一致している(Segalら、J Clin Oncol 21巻、1775頁(2003年))(表1)。ここで、このアウトライアー発現プロファイルは、ALLに関するこのパネル中の特徴付けられたt(1;19)E2A−PBX1転位と完全に相関している(図51C)。
102巻、2951頁(2003年))。このアプローチを図5Aに示す。COPAを10,486のマイクロアレイ実験を示す132の遺伝子発現データセットの概要を含むOncomineデータベース(Bittnerら、Nature 406巻、536頁(2000年))に適用した。COPAは、再発性再配列または高レベル増幅が起こることが公知である特定の癌種における遺伝子について、いくつかのアウトライアープロファイルを正確に同定した。この分析では、癌遺伝子調査(Vasselliら、Proc Natl Acad Sci USA 100巻、6958頁(2003年))により定義されるようなOncomineデータセットにおいて上位10のアウトライアープロファイルに位置する(表1および表3)公知の癌原因遺伝子のアウトライアープロファイルに着目した。例えば、Valkらの急性骨髄性白血病(AML)データセットにおいては、RUNX1T1(ETO)は、95パーセンタイルで最強度のアウトライアープロファイルを示し、AMLのサブセットにおけるこの遺伝子の公知の転位および発癌活性転位と一致している(Davisら、Proc Natl Acad Sci USA 100巻、6051頁(2003年))(表1)。このアウトライアープロファイルは、RUNX1(AML1)、およびRUNX1T1(ETO)(図5B)を融合させる、既に確認済みのt(8;21)転位を有する症例に正確に関連している。同様に、Rossらの急性リンパ芽球性白血病(ALL)データセットにおいては、PBX1は90パーセンタイルで最強度のアウトライアープロファイルを示し、ALLのサブセットで起こることが公知であるE2A−PBX1転位と一致している(Segalら、J Clin Oncol 21巻、1775頁(2003年))(表1)。ここで、このアウトライアー発現プロファイルは、ALLに関するこのパネル中の特徴付けられたt(1;19)E2A−PBX1転位と完全に相関している(図51C)。
前立腺癌におけるETSファミリーメンバーのERGとETV1に関するアウトライアープロファイルの同定
次に、新規COPA予測を調べた。いくつかの独立したデータセットにおいて、COPAは、ユーイング肉腫および骨髄性白血病における発癌転位に関与していることが公知である2つのETSファミリー転写因子、ERGとETV1、について前立腺癌における強いアウトライアープロファイルを同定した(Lapointeら、Proc Natl Acad Sci USA 101巻、811頁(2004年);Tianら、N Engl J Med 349巻、2483頁(2003年))。Dhanasekaranら(Keatsら、Blood 105巻、4060頁(2005年))、Welshら(Dhanasekaranら、Faseb J 19巻、243頁(2005年))、およびLapointeら(Wangら、Lancet 365巻、671頁(2005年))の前立腺癌遺伝子発現データセットにおいては、ERGは、75パーセンタイルで最高スコアのアウトライアープロファイルを示し(表1)、Lapointeら、およびTomlinsら(Welshら、Cancer Res 61巻、5974頁(2001年))データセットでは、ETV1が90パーセンタイルで最高スコアのアウトライアープロファイルを示した(表1)。総合すると、COPAは、7つの独立した前立腺癌プロファイリング研究において、ERGまたはETV1を例外遺伝子の上位10番以内に9回ランク付けした。ERGとETV1の両者は、ユーイング肉腫における発癌転位に関与している。EWS遺伝子の5’活性化領域のERG(t(21;22)(q22;q12))またはETV1(t(7;22)(p21;q12))などのETSファミリーメンバーの高保存3’DNA結合領域への融合は、ユーイング肉腫の特徴である(Lapointら、上述;Zhanら、Blood 99巻、1745頁(2002年);Fonsecaら、Cancer Res 64巻、1546頁(2004年))。ETSファミリーメンバーの関与する転位は発癌形質転換において機能的に重複するので、転移の1種のみがユーイング肉腫の各症例において通常観察される。
次に、新規COPA予測を調べた。いくつかの独立したデータセットにおいて、COPAは、ユーイング肉腫および骨髄性白血病における発癌転位に関与していることが公知である2つのETSファミリー転写因子、ERGとETV1、について前立腺癌における強いアウトライアープロファイルを同定した(Lapointeら、Proc Natl Acad Sci USA 101巻、811頁(2004年);Tianら、N Engl J Med 349巻、2483頁(2003年))。Dhanasekaranら(Keatsら、Blood 105巻、4060頁(2005年))、Welshら(Dhanasekaranら、Faseb J 19巻、243頁(2005年))、およびLapointeら(Wangら、Lancet 365巻、671頁(2005年))の前立腺癌遺伝子発現データセットにおいては、ERGは、75パーセンタイルで最高スコアのアウトライアープロファイルを示し(表1)、Lapointeら、およびTomlinsら(Welshら、Cancer Res 61巻、5974頁(2001年))データセットでは、ETV1が90パーセンタイルで最高スコアのアウトライアープロファイルを示した(表1)。総合すると、COPAは、7つの独立した前立腺癌プロファイリング研究において、ERGまたはETV1を例外遺伝子の上位10番以内に9回ランク付けした。ERGとETV1の両者は、ユーイング肉腫における発癌転位に関与している。EWS遺伝子の5’活性化領域のERG(t(21;22)(q22;q12))またはETV1(t(7;22)(p21;q12))などのETSファミリーメンバーの高保存3’DNA結合領域への融合は、ユーイング肉腫の特徴である(Lapointら、上述;Zhanら、Blood 99巻、1745頁(2002年);Fonsecaら、Cancer Res 64巻、1546頁(2004年))。ETSファミリーメンバーの関与する転位は発癌形質転換において機能的に重複するので、転移の1種のみがユーイング肉腫の各症例において通常観察される。
ERGとETV1が前立腺癌の発達に同様に関与している場合、これらのアウトライアープロファイルは、相互排他的、すなわち、各症例は2つ遺伝子のうち1つのみを過剰発現するはずであると考えられる。機能的に重複した遺伝子または同じ発癌経路にある遺伝子における変異は、腫瘍進行において共に選択される可能性は低い。ERGとETV1の共発現プロファイルをいくつかの前立腺癌データセットにわたって調べたところ、これらが相互排他的なアウトライアープロファイルを示すことが分かった。異なるマイクロアレイプラットフォームを用いて全体的に切除された前立腺組織をプロファイルした、2つの大規模なトランスクリプトーム研究からのERGとETV1の発現プロファイル(Wangら、上述;Cheokら、Nat Genet 34巻、85頁(2003年))を同定した(図1A、左および中央パネル)。Glinskyらの研究が臨床的に局在化した前立腺癌試料のみについてプロファイリングを行ったのに対し、Lapointeらによる研究は、ERGとETV1の例外発現を前立腺癌および転移性前立腺癌に限定して、良性前立腺組織、臨床的に局在化した前立腺癌、および転移性前立腺癌をプロファイリングしている。これら両研究において、前立腺癌は、専らERGまたはETV1を発現している(図1A、右パネル)。同様の結果は、レーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)によって得られた99の前立腺組織試料に関するプロファイリング研究においても見出される(Welshら、上述)。ERGまたはETV1の排他的な例外発現(図1B、右パネル)に加え、LCM研究の結果は、ETV1およびERGが、推定の前駆病変前立腺上皮内腫瘍(PIN)または隣接する良性上皮内ではなく、前立腺癌または転移性前立腺癌由来の上皮細胞内のみに過剰発現されることを実証した。観察されたこの排他的な例外パターンが、活性化遺伝子が複数のパートナーと融合できるその他の転位と一致しているのかを直接的に決定するため、Zhanらは、複数の骨髄腫データセット(Dhanasekaranら、Nature 412巻、822頁(2001年))について検討した。免疫グロブリン重鎖プロモーターのCCND1またはFGFR3、それぞれt(11,14)またはt(4,14)、への再発性融合は、複数の骨髄腫の特定のサブセットを特徴付ける(Wigleら、Cancer Res 62巻、3005頁(2002年))。CCND1が75パーセンタイルで最高スコアの例外を示し、FGFR3が95パーセンタイルで3番目に高いスコアの例外を示したので(表1)、これらの転位はアウトライアープロファイル分析(図1C)に反映されている。2つの症例を除き、骨髄腫試料は、CCND1またはFGFR3の排他的な過剰発現を示した(図1C、右パネル)。総合すると、複数の前立腺癌データセットにわたるERGとETV1のアウトライアープロファイルは、様々なヒト悪性疾患におけるその他の原因変異と一致している。ERGまたはETV1の個々の前立腺癌試料における排他的な過剰発現は、多発性骨髄腫などの活性化遺伝子が生物学的に重複したパートナー遺伝子と融合できる他の新生物と一致している。
前立腺癌におけるTMPRSS2のERGまたはETV1への再発性遺伝子融合の発見
次に、個々の前立腺癌試料におけるERGとETV1過剰発現のメカニズムを決定した。ERGまたはETV1を過剰発現した前立腺癌細胞株および臨床標本を定量的PCR(QPCR)を行って同定した(図2A)。LNCaP前立腺癌細胞株およびホルモン抵抗性転移性前立腺癌で死亡した患者から入手した2つの標本(前立腺における残存原発癌腫であるMET−26RP、およびリンパ節転移であるMET−26LN)は、QPCRにより、ETV1を顕著に過剰発現した(図2A)。異なる解剖学的位置由来の5つの独立した転移性病巣、ならびにこの患者の前立腺における残存癌腫もDNAマイクロアレイ分析でETV1を過剰発現し(上記既出のWelshらの文献を参照)、ETV1活性化が広範な転移の前に原発性腫瘍で起こったことを示唆している。リンパ節転移はホルモン抵抗性転移性前立腺癌(MET−28LN)で死亡した第2の患者、およびERGを過剰発現したVCaPおよびDuCaPの2つの前立腺癌細胞株からも同定された(図2A)。これらの細胞株は、椎骨転移(VCaP)、およびホルモン抵抗性前立腺癌を有する第3の患者由来の硬膜転移(DuCaP)から独立に単離された(Golubら、Science 286巻、531頁(1999年);Rosenwaldら、Cancer Cell 3巻、185頁(2003年))。繰り返すと、これらの2つの細胞株におけるERGの通常の過剰発現は、ERG活性化が広範な転移の前に起こったことを示唆する。総合すると、これらの結果は、特定の遺伝事象が、前立腺腫瘍形成中に個々の試料においてERGまたはETV1を活性化している可能性があることを示唆している。
次に、個々の前立腺癌試料におけるERGとETV1過剰発現のメカニズムを決定した。ERGまたはETV1を過剰発現した前立腺癌細胞株および臨床標本を定量的PCR(QPCR)を行って同定した(図2A)。LNCaP前立腺癌細胞株およびホルモン抵抗性転移性前立腺癌で死亡した患者から入手した2つの標本(前立腺における残存原発癌腫であるMET−26RP、およびリンパ節転移であるMET−26LN)は、QPCRにより、ETV1を顕著に過剰発現した(図2A)。異なる解剖学的位置由来の5つの独立した転移性病巣、ならびにこの患者の前立腺における残存癌腫もDNAマイクロアレイ分析でETV1を過剰発現し(上記既出のWelshらの文献を参照)、ETV1活性化が広範な転移の前に原発性腫瘍で起こったことを示唆している。リンパ節転移はホルモン抵抗性転移性前立腺癌(MET−28LN)で死亡した第2の患者、およびERGを過剰発現したVCaPおよびDuCaPの2つの前立腺癌細胞株からも同定された(図2A)。これらの細胞株は、椎骨転移(VCaP)、およびホルモン抵抗性前立腺癌を有する第3の患者由来の硬膜転移(DuCaP)から独立に単離された(Golubら、Science 286巻、531頁(1999年);Rosenwaldら、Cancer Cell 3巻、185頁(2003年))。繰り返すと、これらの2つの細胞株におけるERGの通常の過剰発現は、ERG活性化が広範な転移の前に起こったことを示唆する。総合すると、これらの結果は、特定の遺伝事象が、前立腺腫瘍形成中に個々の試料においてERGまたはETV1を活性化している可能性があることを示唆している。
これらの遺伝事象を特徴付ける上で、高いERGまたはETV1発現を有する試料について、これらのそれぞれの遺伝子座(7p21.2および21q22.3)での染色体増幅を試験した。ゲノムDNA上のQPCRによると、試料中のERGまたはETV1の、それぞれの転写産物過剰発現(Sotiriouら、Proc Natl Acad Sci USA 100巻、10393頁(2003年))による増幅は見られなかった。続いて、DNA再配列の発生を分析した。上述のQPCRに用いたプライマーは、ユーイング肉腫におけるERGとETV1の公知のブレイクポイントに対して5’に位置するため、同じ転位が前立腺癌において起こる可能性は低かった。したがって、ETV1エクソンの発現レベルは、ETV1過剰発現を示した上記の同定した試料中のエクソンウォーキングQPCRにより測定した。ETV1のエクソン2〜7に及ぶ5つのプライマー対を用い、LNCaP細胞は、すべての測定したETV1のエクソンの本質的に均一な過剰発現を示し、およびMET26の両標本ではエクソン4〜7に比べて、ETV1のエクソン2および3の発現が>90%減少していることを示した(図2B)。この結果の可能性のある説明として、選択的スプライシング、新規の癌特異性アイソフォームまたは未報告の再配列が挙げられる。
全長ETV1転写産物を特徴付けるため、cDNA末端の5’RNAリガーゼ介在性迅速増幅(RLM−RACE)をLNCaP細胞およびMET26−LN上で行った。さらに、MET28−LNにおけるERGの全長転写産物を得るためにRLM−RACEを行った。RLM−RACE cDNA由来のETV1のPCR増幅に関して、完全転写産物の5’末端に連結したRNA−オリゴヌクレオチドに相補的なフォワードプライマーと、LNCaP細胞およびMET26−LNの両者で過剰発現された最も5’側のエクソンである、エクソン4のリバースプライマーを用いた。上述と同様のストラテジーにより、ERGのエクソン4がMET28−LNで過剰発現されたことを決定した。このエクソンのリバースプライマーをRLM−RACE cDNAのPCR増幅に用いた。クローニングされた生産物の配列決定により、前立腺特異性遺伝子TMPRSS2(28)(21q22.2)の、MET26−LNにおけるETV1との融合およびMET28−LNにおけるERGとの融合が明らかになった(図2C)。MET26−LNでは、2つのRLM−RACE PCR産物を同定した。
第1の生産物であるTMPRSS2:ETV1aは、TMPRSS2の完全エクソン1の、ETV1のエクソン4の最初との融合を生じた(図2C)。第2の生産物であるTMPRSS2:ETV1bは、TMPRSS2のエクソン1および2の、ETV1のエクソン4の最初との融合を生じた(図6)。これらの両生産物は、MET26−LNがエクソン2および3における過剰発現の消失を示した、上述のエクソン−ウォーキングQPCRと一致している。MET28−LNにおいては、単一のRLM−RACE PCR産物を同定し、配列決定により、TMPRSS2の完全エクソン1がERGのエクソン4の最初に融合していることが明らかになった(TMPRSS2:ERGa)(図2C)。
前立腺癌におけるTMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1遺伝子融合物の検証
これらの結果に基づき、QPCRプライマー対は、TMPRSS2においてはフォワードプライマーで、ERGとETV1のエクソン4においてはリバースプライマーで設計された。SYBRグリーンQPCRを、両プライマー対を臨床的に局在化した前立腺癌および転移性前立腺癌の42症例より得た一連の試料にわたって用いて行い、代表的な結果を記載した(図2、DおよびE)。これらの結果は、高レベルのETV1またはERGを有する試料のみがTMPRSS2を有するそれぞれの融合産物を発現することを実証している。QPCRがいくつかの陰性試料において35サイクル後に測定可能な生産物を生じたにもかかわらず、融解曲線分析は陽性および陰性試料中に異なる生産物を明らかにし、40サイクルのQPCR分析後の生産物のゲル電気泳動は陰性融合試料のプライマーダイマーのみを明らかにした(図2、DおよびE)。プライマーダイマーの形成は、高いGC含有量(80.3%)に起因するTMPRSS2のエクソン1の全体でプライマーを設計する困難さで部分的に説明できる。しかしながら、TMPRSS2:ERGa、TMPRSS2:ETV1a、およびTMPRSS2:ETV1b融合物の特異的発現をタックマン(Taqman)QPCRでそれぞれの融合物に及ぶフォワードプライマーを用いて確認し、各症例において、生産物はSYBRグリーンQPCRと同じ症例においてのみ検出された(Sotiriouら、上述)。SYBRグリーンQPCRとアンプリコンに対して用いたプライマーの特異性をさらに確認するため、標準的な逆転写PCRをTMPRSS2:ERGaを発現した一連の試料でSYBRグリーンQPCRと同じプライマーで行った。同様の大きさの生産物が得られ、クローニング生産物の配列決定はTMPRSS2:ERGaの存在を確認した。高レベルのETV1またはERGをそれぞれ発現したが、QPCRによる転位の証拠を示さなかったPCA16およびPCA17の2症例を同定した(図2、DおよびE)。PCA16においてETV1プライマーで生産された生産物の配列決定が融合転写産物の証拠を示さず、PCA17においてはERGプライマーで生産物は得られなかったので、RLM−RACEはこれらの結果を裏付けた。同様の結果はLNCaP細胞についても得られ、RLMRACEまたはQPCRによる融合の証拠はなく、上記のエクソンウォーキングQPCRと一致していた。
これらの結果に基づき、QPCRプライマー対は、TMPRSS2においてはフォワードプライマーで、ERGとETV1のエクソン4においてはリバースプライマーで設計された。SYBRグリーンQPCRを、両プライマー対を臨床的に局在化した前立腺癌および転移性前立腺癌の42症例より得た一連の試料にわたって用いて行い、代表的な結果を記載した(図2、DおよびE)。これらの結果は、高レベルのETV1またはERGを有する試料のみがTMPRSS2を有するそれぞれの融合産物を発現することを実証している。QPCRがいくつかの陰性試料において35サイクル後に測定可能な生産物を生じたにもかかわらず、融解曲線分析は陽性および陰性試料中に異なる生産物を明らかにし、40サイクルのQPCR分析後の生産物のゲル電気泳動は陰性融合試料のプライマーダイマーのみを明らかにした(図2、DおよびE)。プライマーダイマーの形成は、高いGC含有量(80.3%)に起因するTMPRSS2のエクソン1の全体でプライマーを設計する困難さで部分的に説明できる。しかしながら、TMPRSS2:ERGa、TMPRSS2:ETV1a、およびTMPRSS2:ETV1b融合物の特異的発現をタックマン(Taqman)QPCRでそれぞれの融合物に及ぶフォワードプライマーを用いて確認し、各症例において、生産物はSYBRグリーンQPCRと同じ症例においてのみ検出された(Sotiriouら、上述)。SYBRグリーンQPCRとアンプリコンに対して用いたプライマーの特異性をさらに確認するため、標準的な逆転写PCRをTMPRSS2:ERGaを発現した一連の試料でSYBRグリーンQPCRと同じプライマーで行った。同様の大きさの生産物が得られ、クローニング生産物の配列決定はTMPRSS2:ERGaの存在を確認した。高レベルのETV1またはERGをそれぞれ発現したが、QPCRによる転位の証拠を示さなかったPCA16およびPCA17の2症例を同定した(図2、DおよびE)。PCA16においてETV1プライマーで生産された生産物の配列決定が融合転写産物の証拠を示さず、PCA17においてはERGプライマーで生産物は得られなかったので、RLM−RACEはこれらの結果を裏付けた。同様の結果はLNCaP細胞についても得られ、RLMRACEまたはQPCRによる融合の証拠はなく、上記のエクソンウォーキングQPCRと一致していた。
前立腺癌試料におけるETSファミリーメンバーとのTMPRSS2融合転写産物の証拠の概要
RLM−RACE生産物の配列決定、RT−PCR生産物のQPCRおよび配列決定を含む、TMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1融合転写産物についての3つの異なるアッセイから得られた結果を表2にまとめる。すべての試料において行ったTMPRSS2融合物に対するQPCRに加え、これらの融合物の存在を、選択した試料についていくつかの手法を用いて確認した。例えば、PCA1(前立腺癌試料1)において、TMPRSS2:ERGaをRLMRACE生産物の配列決定、RT−PCR生産物のQPCRおよび配列決定により同定した。QPCR生産物のQPCR融解曲線分析およびゲル電気泳動により、PCA4は予想より大きなアンプリコンを生産した。続くRLM−RACE分析で、TMPRSS2の完全エクソン1の、ERGのエクソン2の最初との融合(TMPRSS2:ERGb)を確認した(図6)。TMPRSS2:ERGb接合部に及ぶフォワードプライマーを用いたタックマンQPCRはTMPRSS2:ERGbがPCA4のみに存在することを確認し、TMPRSS2:ERGa接合部に及ぶフォワードプライマーを用いたタックマンQPCRは、この試料中で生産物を生産しなかった(27)。TMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1融合物の証拠は、過剰発現したERGまたはETV1をそれぞれ発現した症例のみにQPCRまたはDNAマイクロアレイにより見られた。これらの結果は、例外分析で観察された排他的な発現と一致している。
RLM−RACE生産物の配列決定、RT−PCR生産物のQPCRおよび配列決定を含む、TMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1融合転写産物についての3つの異なるアッセイから得られた結果を表2にまとめる。すべての試料において行ったTMPRSS2融合物に対するQPCRに加え、これらの融合物の存在を、選択した試料についていくつかの手法を用いて確認した。例えば、PCA1(前立腺癌試料1)において、TMPRSS2:ERGaをRLMRACE生産物の配列決定、RT−PCR生産物のQPCRおよび配列決定により同定した。QPCR生産物のQPCR融解曲線分析およびゲル電気泳動により、PCA4は予想より大きなアンプリコンを生産した。続くRLM−RACE分析で、TMPRSS2の完全エクソン1の、ERGのエクソン2の最初との融合(TMPRSS2:ERGb)を確認した(図6)。TMPRSS2:ERGb接合部に及ぶフォワードプライマーを用いたタックマンQPCRはTMPRSS2:ERGbがPCA4のみに存在することを確認し、TMPRSS2:ERGa接合部に及ぶフォワードプライマーを用いたタックマンQPCRは、この試料中で生産物を生産しなかった(27)。TMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1融合物の証拠は、過剰発現したERGまたはETV1をそれぞれ発現した症例のみにQPCRまたはDNAマイクロアレイにより見られた。これらの結果は、例外分析で観察された排他的な発現と一致している。
蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)によるTMPRSS2:ETV1転位およびERG再配列の確認
TMPRSS2:ETV1およびTMPRSS2:ERG融合転写産物の存在確認後、染色体レベルでのこれらの再配列の証拠を、間期蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)をホルマリン固定したパラフィン包理(FFPE)標本を用いて得た。2つの異なるプローブストラテジーを用いた:TMPRSS2:ETV1転位を検出するのに2色、融合−シグナルアプローチ、およびERG遺伝子座の再配列を検出するのに2色、分断シグナルアプローチを用いた。これらのプローブストラテジーは、RLM−RACE、MET26およびMET28に当初使用した2症例で検証した(図3)。TMPRSS2とETV1に対するプローブを用いて、正常な末梢リンパ球(NPL)は1対の赤と1対の緑のシグナルを示した(図3A)。MET26は、プローブの重複の指標である一対のシグナルの融合を示し(図3B、黄色矢印)、この試料中におけるTMPRSS2:ETV1転写産物の発現と一致していた。さらに、ETV1に対する残りの2つのシグナルにより示されるように(図3B、赤矢印)、ETV1遺伝子座の一貫した低レベル増幅を確認した。同様に、ERG遺伝子座の5’および3’領域に及ぶプローブを用いて、NPLにおける一対の黄色のシグナルを観察した(図3C)。MET28においては、一対のプローブは緑と赤の別々のシグナルに分かれ、ERG遺伝子座での再配列を示している(図3D、緑および赤の矢印)。この結果は、この症例におけるTMPRSS2:ERG転写産物の発現と一致している。これらの結果に基づき、上述の個々のFISH分析を、局在化した前立腺癌の13症例および転移性前立腺癌の16症例(図3E)由来のコアを含む連続組織マイクロアレイで行った。マトリックスで示すように、29症例中の23症例(79.3%)が、TMPRSS2:ETV1融合物(7症例)またはERG再配列(16症例)の証拠を示した。さらに、29症例中の12症例(41.4%)でETV1遺伝子座での低レベル増幅の証拠を示した。従来の報告では、ETV1、7pのゲノム位置を、局在化したおよび転移性前立腺癌において最もよく増幅された領域の1つとして同定した(Slamonら、Science 235巻、177頁(1987年))。しかしながら、ETV1増幅がERG再配列を有する6症例で起こり、本発明者らの転写産物データが、高いERG発現およびTMPRSS2:ERG融合物を有する試料のうち高いETV1発現も有するものは19試料のうち0試料であることを実証しているので、7p増幅はETV1発現を誘発していないようである。さらに、ETV1増幅およびTMPRSS2:ETV1融合物の両者がFISHにより存在した場合、融合シグナルではなく、個々のETV1シグナルのみが増幅された。それにもかかわらず、このFISH分析結果は、上述の転写産物データと一致したゲノムレベルでのTMPRSS2:ETV1およびERG再配列の存在を実証している。
TMPRSS2:ETV1およびTMPRSS2:ERG融合転写産物の存在確認後、染色体レベルでのこれらの再配列の証拠を、間期蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)をホルマリン固定したパラフィン包理(FFPE)標本を用いて得た。2つの異なるプローブストラテジーを用いた:TMPRSS2:ETV1転位を検出するのに2色、融合−シグナルアプローチ、およびERG遺伝子座の再配列を検出するのに2色、分断シグナルアプローチを用いた。これらのプローブストラテジーは、RLM−RACE、MET26およびMET28に当初使用した2症例で検証した(図3)。TMPRSS2とETV1に対するプローブを用いて、正常な末梢リンパ球(NPL)は1対の赤と1対の緑のシグナルを示した(図3A)。MET26は、プローブの重複の指標である一対のシグナルの融合を示し(図3B、黄色矢印)、この試料中におけるTMPRSS2:ETV1転写産物の発現と一致していた。さらに、ETV1に対する残りの2つのシグナルにより示されるように(図3B、赤矢印)、ETV1遺伝子座の一貫した低レベル増幅を確認した。同様に、ERG遺伝子座の5’および3’領域に及ぶプローブを用いて、NPLにおける一対の黄色のシグナルを観察した(図3C)。MET28においては、一対のプローブは緑と赤の別々のシグナルに分かれ、ERG遺伝子座での再配列を示している(図3D、緑および赤の矢印)。この結果は、この症例におけるTMPRSS2:ERG転写産物の発現と一致している。これらの結果に基づき、上述の個々のFISH分析を、局在化した前立腺癌の13症例および転移性前立腺癌の16症例(図3E)由来のコアを含む連続組織マイクロアレイで行った。マトリックスで示すように、29症例中の23症例(79.3%)が、TMPRSS2:ETV1融合物(7症例)またはERG再配列(16症例)の証拠を示した。さらに、29症例中の12症例(41.4%)でETV1遺伝子座での低レベル増幅の証拠を示した。従来の報告では、ETV1、7pのゲノム位置を、局在化したおよび転移性前立腺癌において最もよく増幅された領域の1つとして同定した(Slamonら、Science 235巻、177頁(1987年))。しかしながら、ETV1増幅がERG再配列を有する6症例で起こり、本発明者らの転写産物データが、高いERG発現およびTMPRSS2:ERG融合物を有する試料のうち高いETV1発現も有するものは19試料のうち0試料であることを実証しているので、7p増幅はETV1発現を誘発していないようである。さらに、ETV1増幅およびTMPRSS2:ETV1融合物の両者がFISHにより存在した場合、融合シグナルではなく、個々のETV1シグナルのみが増幅された。それにもかかわらず、このFISH分析結果は、上述の転写産物データと一致したゲノムレベルでのTMPRSS2:ETV1およびERG再配列の存在を実証している。
TMPRSS2はアンドロゲン調節遺伝子であり、ERGとの融合でERGのアンドロゲン制御を生じている。TMPRSS2は、初期にLNCaP細胞のアンドロゲンにより発現が増大された前立腺特異的遺伝子として同定されたものであり、アンドロゲン応答性エレメント(ARE)もそのプロモーターに含む(Huangら、Lancet 361巻、1590頁(2003年);Schwartzら、Cancer Res 62巻、4722頁(2002年))。続く研究により、正常および腫瘍性前立腺組織における高い発現が確認され、TMPRSS2がアンドロゲン感受性前立腺細胞株においてアンドロゲン制御されていることが実証された(Schwartzら、Cancer Res 62巻、4722頁(2002年);Ferrandoら、Cancer Cell 1巻、75頁(2002年);Chenら、Mol Biol Cell 14巻、3208頁(2003年);LaTulippeら、Cancer Res 62巻、4499頁(2002年))。さらに、アンドロゲンがアンドロゲン非感受性前立腺癌細胞株PC3におけるTMPRSS2の発現を増大しないのに対し、PC3細胞におけるアンドロゲン受容体の安定な発現はアンドロゲン応答性となるTMPRSS2を生じた(Schwartzら、上述;Ferrandoら、上述;Chenら、上述;LaTulippeら、上述)。これに対し、アンドロゲンで処理したLNCaP前立腺細胞株のマイクロアレイ研究では、アンドロゲン応答性であるためERGまたはETV1を同定しておらず(Jainら、Cancer Res 64巻、3907頁(2004年))、これらのプロモーター配列を調べることではコンセンサスAREを明らかにしなかった(Sotiriou、上述)。各細胞株において3つの独立したアッセイにより確認された(表2)DuCaPおよびVCaP細胞株におけるTMPRSS2:ERGa融合物がERGのアンドロゲン制御を生じていると考えられた。ERG発現のアッセイにQPCRを用いて、ERGがVCaPおよびDuCaP細胞の両者で高発現されたにもかかわらず、合成アンドロゲンR1881による処理が、ERGの発現を、未処理対照と比較して、DuCaP細胞では2.57倍に、およびVCaP細胞では5.02倍に増大したことが確認された(図4)。ERGの発現は最小であり、R1881治療後では未処理対照試料に比べて、RWPE(1.37倍)、LnCaP(0.86倍)、PC3(1.28倍)、およびアンドロゲン受容体を発現するPC3細胞(0.73倍)では本質的に変化しなかった。
同一試料のマイクロアレイ分析は、ERGが、DuCaPおよびVCaP細胞おけるアンドロゲンに対する応答で、上方制御されるだけであることを確認した(Sotiriouら、上述)。本発明は特定の機構に限定されるものではない。実際に、メカニズムの理解は本発明の実施に必要ではない。それにもかかわらず、これらの結果は、TMPRSS2とのそれぞれの融合が存在する場合に前立腺癌におけるERGまたはETV1の異常発現についての可能なメカニズムを示唆していると考えられる。
表1.癌のアウトライアープロファイル分析(COPA)。強度のアウトライアープロファイルを有する癌において原因となる変異が起こることが公知である遺伝子。「X」は、後天性病原ゲノム(pathogenomic)転位についての文献証拠を示す。「XX」は、転位について特徴付けられた具体的な研究における試料と、具体的な転位についての文献証拠を示す。「Y」は、公知の増幅との一致を示す。「**」は、前立腺癌におけるERGとETV1のアウトライアープロファイルを示す。
表2は、前立腺癌試料および細胞株におけるETSファミリーメンバー状態に対するTMPRSS2融合物の概要を示す。すべてのアッセイについて、陽性結果を「+」で示し、陰性結果を「−」で示している。空欄になっている細胞は、所定のアッセイがその試料について行われなかったことを示す。定量的PCR(QPCR)によるERGまたはETV1の過剰発現が示されており、アステリスクで記された試料は、その試料がcDNAマイクロアレイでも評価され、過剰発現が確認されたことを示す。TMPRSS2:ERGまたはTMPRSS2:ETV1遺伝子融合物を検出するために、選択された試料について過剰発現したETSファミリーメンバーについてのRLM−RACEを行い、配列決定後にTMPRSS2融合物を有する試料を示す。すべての試料について、QPCRによるTMPRSS2:ETV1およびTMPRSS2:ERG発現を分析した。選択された症例はまた、QPCRで用いたものと同じTMPRSS2融合物プライマーを用いて標準的な逆転写PCR(RT−PCR)により増幅し、アンプリコンを配列決定した。TMPRSS2:ETV1またはTMPRSS2:ERG融合物の証拠を示す試料を最終列に示す。
表3.癌のアウトライアープロファイル分析(COPA)。Oncomineでの検討で上位10位に入るアウトライアープロファイルを有する癌における原因となる突然変異が起こることが公知である遺伝子を示す。「X」は、後天性病原ゲノム転位に関する文献証拠を示す。「XX」は、転位について特徴付けられた具体的な研究における試料と、具体的な転位についての文献証拠を示す。「Y」は、公知の増幅との一致を示す。「**」は、前立腺癌におけるERGとETV1のアウトライアープロファイルを示す。
表4.本研究で用いたオリゴヌクレオチドプライマー。すべてのプライマーについて、遺伝子、塩基およびエクソン(UCSCゲノムブラウザーを用いた、2004年5月のヒトゲノムのアセンブリーと本明細書中に記載された参照配列のアラインメントに従う)を列挙する。フォワードプライマーを「f」、およびリバースプライマーを「r」で示す。
(実施例2)
ETV4遺伝子融合
A.材料および方法
プロファイリング研究におけるETSファミリーの発現
前立腺癌におけるETSファミリーメンバーの発現を調べるために、Oncomineデータベース(Rhodesら、Neoplasia 2004年;6巻:1〜6頁)にある、2つの前立腺癌プロファイリング研究を利用した(Lapointeら、Proc
Natl Acad Sci USA 2004年;101巻:811〜6頁およびTomlinsら、Science 2005年;310巻:644〜8頁)。ETS領域を有する遺伝子をInterproフィルター「Ets」(Interpro ID:IPR000418)により同定した。ヒートマップ表示を「遺伝子毎にメジアンを中心」のオプションを用いてOncomine中に作製し、その色の対比を、ERGとETV1の発現差異を強調するように設定した。
試料
前立腺癌組織(PCA1−5)は、ミシガン大学前立腺癌専門優良研究プログラム(S.P.O.R.E.)組織コアの一部である、ミシガン大学の根治的前立腺切除術系列から得た。すべての試料は、患者のインフォームドコンセントおよび事前の研究所審査委員の承認を得て収集した。総RNAをトリゾール(Invitrogen、Carlsbad、CA)を製造業者の使用説明に従って用いて単離した。良性前立腺組織総RNAの市販のプール(CPP、Clontech、Mountain View、CA)も用いた。
前立腺癌組織(PCA1−5)は、ミシガン大学前立腺癌専門優良研究プログラム(S.P.O.R.E.)組織コアの一部である、ミシガン大学の根治的前立腺切除術系列から得た。すべての試料は、患者のインフォームドコンセントおよび事前の研究所審査委員の承認を得て収集した。総RNAをトリゾール(Invitrogen、Carlsbad、CA)を製造業者の使用説明に従って用いて単離した。良性前立腺組織総RNAの市販のプール(CPP、Clontech、Mountain View、CA)も用いた。
定量的PCR(QPCR)
QPCRを既述のように(Tomlinsら、上述)、SYBRグリーン色素をApplied Biosystems7300リアルタイムPCRシステム(Applied
Biosystems、Foster City、CA)上で用いて実施した。各試料についてのハウスキーピング遺伝子グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)に対する各標的遺伝子の量を報告した。これらの標的遺伝子の相対量を良性前立腺組織(CPP)のプール由来の量に対する値に対して較正した。すべてのオリゴヌクレオチドプライマーは、Integrated DNA Technologies(Coralville、IA)により合成されたものである。GAPDHプライマーについては、文献(Vandesompeleら、Genome Biol 2002年;3巻:RESEARCH0034)に記載の通りであった。ETV4のエクソンに対するプライマーは以下の通りであった(5’から3’に列挙):
ETV4_エクソン2−f:CCGGATGGAGCGGAGGATGA(配列番号21)、
ETV4_エクソン2−r:CGGGCGATTTGCTGCTGAAG(配列番号22)、
ETV4_エクソン3−f:GCCGCCCCTCGACTCTGAA(配列番号23)、
ETV4_エクソン4−r:GAGCCACGTCTCCTGGAAGTGACT(配列番号24)、
ETV4_エクソン11−f:CTGGCCGGTTCTTCTGGATGC(配列番号25)、
ETV4_エクソン12−r:CGGGCCGGGGAATGGAGT(配列番号26)、
ETV4_3’UTR−f:CCTGGAGGGTACCGGTTTGTCA(配列番号27)、
ETV4_3’UTR−r:CCGCCTGCCTCTGGGAACAC(配列番号28)。エクソンを、UCSCゲノムブラウザーを用いて2004年5月凍結のヒトゲノムで、ETV4(NM_001986.1)に関するRefSeqのアラインメントにより番号付けした。TMPRSS2:ETV4融合転写産物のQPCR確認のため、TMPRSS2:ETV4aおよびTMPRSS2;ETV4b転写産物の両者を検出するTMPRSS2:ETV4a−f(AAATAAGTTTGTAAGAGGAGCCTCAGCATC(配列番号29))およびTMPRSS2:ETV4b−f(ATCGTAAAGAGCTTTTCTCCCCGC(配列番号30))を、ETV4_エクソン4−rと共に用いた。
QPCRを既述のように(Tomlinsら、上述)、SYBRグリーン色素をApplied Biosystems7300リアルタイムPCRシステム(Applied
Biosystems、Foster City、CA)上で用いて実施した。各試料についてのハウスキーピング遺伝子グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)に対する各標的遺伝子の量を報告した。これらの標的遺伝子の相対量を良性前立腺組織(CPP)のプール由来の量に対する値に対して較正した。すべてのオリゴヌクレオチドプライマーは、Integrated DNA Technologies(Coralville、IA)により合成されたものである。GAPDHプライマーについては、文献(Vandesompeleら、Genome Biol 2002年;3巻:RESEARCH0034)に記載の通りであった。ETV4のエクソンに対するプライマーは以下の通りであった(5’から3’に列挙):
ETV4_エクソン2−f:CCGGATGGAGCGGAGGATGA(配列番号21)、
ETV4_エクソン2−r:CGGGCGATTTGCTGCTGAAG(配列番号22)、
ETV4_エクソン3−f:GCCGCCCCTCGACTCTGAA(配列番号23)、
ETV4_エクソン4−r:GAGCCACGTCTCCTGGAAGTGACT(配列番号24)、
ETV4_エクソン11−f:CTGGCCGGTTCTTCTGGATGC(配列番号25)、
ETV4_エクソン12−r:CGGGCCGGGGAATGGAGT(配列番号26)、
ETV4_3’UTR−f:CCTGGAGGGTACCGGTTTGTCA(配列番号27)、
ETV4_3’UTR−r:CCGCCTGCCTCTGGGAACAC(配列番号28)。エクソンを、UCSCゲノムブラウザーを用いて2004年5月凍結のヒトゲノムで、ETV4(NM_001986.1)に関するRefSeqのアラインメントにより番号付けした。TMPRSS2:ETV4融合転写産物のQPCR確認のため、TMPRSS2:ETV4aおよびTMPRSS2;ETV4b転写産物の両者を検出するTMPRSS2:ETV4a−f(AAATAAGTTTGTAAGAGGAGCCTCAGCATC(配列番号29))およびTMPRSS2:ETV4b−f(ATCGTAAAGAGCTTTTCTCCCCGC(配列番号30))を、ETV4_エクソン4−rと共に用いた。
cDNA末端のRNAリガーゼ介在性迅速増幅(RLM−RACE)
RLM−RACEを、ジーンレーサーRLM−RACEキット(Invitrogen)を用いて、記載のように製造業者の使用説明書に従い(Tomlinsら、上述)実施した。ETV4の5’末端を得るために、PCA5由来の第1鎖のcDNAを、ジーンレーサー5’プライマーおよびETV4 エクソン4−rまたはETV4_エクソン7−r(GAAAGGGCTGTAGGGGCGACTGT(配列番号31))を用いて増幅した。生産物をクローニングし、記載のように配列決定した(Tomlinsら、上述)。TMPRSS2:ETV4転写産物の等価物5’末端を両プライマー対から得た。
RLM−RACEを、ジーンレーサーRLM−RACEキット(Invitrogen)を用いて、記載のように製造業者の使用説明書に従い(Tomlinsら、上述)実施した。ETV4の5’末端を得るために、PCA5由来の第1鎖のcDNAを、ジーンレーサー5’プライマーおよびETV4 エクソン4−rまたはETV4_エクソン7−r(GAAAGGGCTGTAGGGGCGACTGT(配列番号31))を用いて増幅した。生産物をクローニングし、記載のように配列決定した(Tomlinsら、上述)。TMPRSS2:ETV4転写産物の等価物5’末端を両プライマー対から得た。
蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)
ホルマリン固定したパラフィン包理(FFPE)組織切片を間期FISHに用いた。パラフィン除去した組織を0.2MのHClで10分間、2×SSCで10分間、80℃で処理し、プロテアーゼK(Invitrogen)で10分間消化した。この組織とBACプローブを5分間94℃で共に変性し、一晩37℃でハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、洗浄を0.1%Tween−20を含む2×SSCで5分間行い、蛍光検出をフルオレセインにコンジュゲートした抗ジゴキシゲニン(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)、およびアレクサフルオア(Alexa Fluor)594にコンジュゲートしたストレプトアビジン(Invitrogen)を用いて実施した。スライドを対比染色し、DAPI含有のProLong Gold退色防止試薬(Invitrogen)においた。スライドをLeicaのDMRA蛍光顕微鏡(Leica、Deerfield、IL)を用いて観察し、サイトビジョンソフトウェアシステム(Applied Imaging、Santa Clara、CA)を用いてCCDカメラで撮像した。
ホルマリン固定したパラフィン包理(FFPE)組織切片を間期FISHに用いた。パラフィン除去した組織を0.2MのHClで10分間、2×SSCで10分間、80℃で処理し、プロテアーゼK(Invitrogen)で10分間消化した。この組織とBACプローブを5分間94℃で共に変性し、一晩37℃でハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、洗浄を0.1%Tween−20を含む2×SSCで5分間行い、蛍光検出をフルオレセインにコンジュゲートした抗ジゴキシゲニン(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)、およびアレクサフルオア(Alexa Fluor)594にコンジュゲートしたストレプトアビジン(Invitrogen)を用いて実施した。スライドを対比染色し、DAPI含有のProLong Gold退色防止試薬(Invitrogen)においた。スライドをLeicaのDMRA蛍光顕微鏡(Leica、Deerfield、IL)を用いて観察し、サイトビジョンソフトウェアシステム(Applied Imaging、Santa Clara、CA)を用いてCCDカメラで撮像した。
いずれのBACも、BACPAC Resource Center(Oakland、CA)から入手したものであり、プローブ位置を正常な末梢リンパ球の中期スプレッドとのハイブリダイゼーションにより確認した。TMPRSS2:ETV4融合物の検出については、RP11−35C4(TMPRSS2に対して5’側)をETV4に対して3’側に位置する複数のBAC(ETV4に対して遠位側から近位側へ:RP11−266I24、RP11−242D8、およびRP11−100E5)と共に用いた。ETV4再配列の検出については、RP11−436J4(ETV4に対して5’側)をETV4に対して3’側に位置する複数のBACと共に用いた。各ハイブリダイゼーションについて、癌性細胞の領域が病理学者により同定され、一試料につき100個の細胞をカウントした。TMPRSS2:ETV4融合物についての報告された細胞数は、RP11−242D8を用い、同様の結果がすべての3’ETV4 BACで得られた。PCA5におけるさらなる再配列を排除するため、FISHを、ETV4に対して3’側(RP11−266I24およびRP11−242D8)、ERG分断シグナルプローブ(RP11−95I21およびRP11−476D17)、およびTMPRSS2:ETV1融合物プローブ(RP11−35C4およびRP11−124L22)の2つのプローブを用いて実施した。BAC DNAをQIAフィルターマキシプレップキット(Qiagen、Valencia、CA)を用いて単離し、プローブをジゴキシゲニン−またはビオチン−ニックトランスレーションミックス(Roche Applied Science)を用いて合成した。
B.結果
最初のCOPAスクリーニングは、ERGまたはETV1とのTMPRSS2融合物の特徴付けに至った(実施例1)。これらの遺伝子融合物に対して陰性な前立腺癌は、その他のETSファミリーメンバーを含む再配列を有しているとさらに考えられる。Oncomineデータベース(Rhodesら、上述)からの前立腺癌プロファイリング研究においてモニターされたすべてのETSファミリーメンバーの発現を調べることで、ETSファミリーメンバーETV4の著しい過剰発現を、1つは全体解剖組織のプロファイリング(Lapointeら、上述)(図7A)であり、もう1つがレーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)組織のプロファイリング(図7B)である、2つの研究の各々から単一の前立腺癌の症例で同定した。これらの症例はERGまたはETV1を過剰発現せず、いずれの良性前立腺組織も過剰発現を示さなかったので、TMPRSS2との融合物がこれらの症例におけるETV4の過剰発現に関与したと考えられた。ELF3が前立腺癌の症例のうちのわずかでも過剰発現されたにもかかわらず、これらの両研究で、正常な前立腺組織試料も顕著なELF3過剰発現を示しており、良性および癌性組織の両者での発現を引き起こす遺伝子融合の可能性が低いことを示している。したがって、このETV4過剰発現の症例(PCA5として表す)をさらに分析した。
最初のCOPAスクリーニングは、ERGまたはETV1とのTMPRSS2融合物の特徴付けに至った(実施例1)。これらの遺伝子融合物に対して陰性な前立腺癌は、その他のETSファミリーメンバーを含む再配列を有しているとさらに考えられる。Oncomineデータベース(Rhodesら、上述)からの前立腺癌プロファイリング研究においてモニターされたすべてのETSファミリーメンバーの発現を調べることで、ETSファミリーメンバーETV4の著しい過剰発現を、1つは全体解剖組織のプロファイリング(Lapointeら、上述)(図7A)であり、もう1つがレーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)組織のプロファイリング(図7B)である、2つの研究の各々から単一の前立腺癌の症例で同定した。これらの症例はERGまたはETV1を過剰発現せず、いずれの良性前立腺組織も過剰発現を示さなかったので、TMPRSS2との融合物がこれらの症例におけるETV4の過剰発現に関与したと考えられた。ELF3が前立腺癌の症例のうちのわずかでも過剰発現されたにもかかわらず、これらの両研究で、正常な前立腺組織試料も顕著なELF3過剰発現を示しており、良性および癌性組織の両者での発現を引き起こす遺伝子融合の可能性が低いことを示している。したがって、このETV4過剰発現の症例(PCA5として表す)をさらに分析した。
総RNAをPCA5から単離し、エクソン−ウォーキング定量的PCR(QPCR)を用いてETV4の過剰発現を確認した。この場合、QPCRは、プールされた良性前立腺組織(CPP)(約900倍)、およびETV4を過剰発現せずかつTMPRSS2:ERG陽性(PCA1−2)であるかまたは陰性(PCA3−4)であった前立腺癌に比べて、ETV4のエクソン3’からエクソン2までのエクソンが顕著に発現されたことを実証した(図8A)。しかしながら、PCA5における遠位領域に対する、ETV4のエクソン2の発現の劇的な減少(>99%)が観察されており、TMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1陽性の症例(Tomlinsら、上述)で既に観察されているように、可能性のあるTMPRSS2との融合を示している。
PCA5におけるETV4転写産物の5’末端を同定するために、cDNA末端のRNA−リガーゼ介在性迅速増幅(RLM−RACE)をエクソン7においてリバースプライマーを用いて行った。RLM−RACEは2つの転写産物を明らかにし、これらは各々、ETV4由来の配列に融合したTMPRSS2のおよそ8kb上流に位置する配列からなる5’末端を有していた(図8B)。具体的には、TMPRSS2:ETV4aの5’末端はTMPRSS2の該領域上流から47塩基対を有しているが、TMPRSS2:ETV4bの5’末端は同じ末端13塩基対を有している。これら両転写産物の5’末端は、ETV4のエクソン7のリバースプライマーを通じて、ETV4のエクソン3の直前の5’側に位置するイントロンの9塩基対と、エクソン3の既報の基準配列とからなる、同一の隣接ストレッチに融合した。
PCA5における両転写産物の存在およびCPPおよびPCA1〜4におけるこれらの不存在をQPCRを用いて確認した。公知のエクソンを含む融合物の存在をTMPRSS2からさらに排除するため、QPCRを、TMPRSS2のエクソン1のフォワードプライマー、およびETV4エクソン4リバースプライマーを用いて実施し、予測どおり、CPPまたはPCA1〜5で産物は検出されなかった。
ETV4調節不全を有するその他の前立腺癌が、TMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1転写産物(TMPRSS2由来の公知のエクソン含む)に構造的により類似したTMPRSS2:ETV4融合転写産物を含み得るかどうかは不明である。本明細書で報告されているTMPRSS2:ETV4融合物は、TMPRSS2のすぐ上流の十分特徴付けられたAREを含んでいない。しかしながら、本明細書に記載のTMPRSS2:ETV4転写産物(Rabbitts、Nature 1994年;372巻:143〜9頁)に存在するTMPRSS2配列の上流に位置するアンドロゲン応答性エンハンサーについての証拠はある。それにもかかわらず、融合転写産物に関わるETV4エクソンのみの顕著な過剰発現は、遺伝子融合物がETV4の調節不全に関与していることを強く示唆している。総合すると、TMPRSS2:ETV4融合転写産物の構造は、転写されたTMPRSS2配列よりむしろ、TMPRSS2上流の制御エレメントがETSファミリーメンバーの調節不全を引き起こしているという結論を支持する。
RLM−RACEおよびQPCRで実証されている、TMPRSS2(21q22)とETV4(17q21)を取り囲むゲノム遺伝子座の融合を確認するために、間期蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)を利用した。TMPRSS2に対して5’側、ETV4に対して3’側のプローブを用いることで、TMPRSS2とETV4遺伝子座の融合がPCA5由来の癌性細胞の65%で観察された(図8D)。ETV4の再配列のさらなる確認として、5’および3’側のプローブをETV4に用いると、PCA5由来の癌性細胞の64%が分断シグナルを示した。FISHも、さらなる再配列を排除するため、ETV4に対して3’側の2つのプローブ、ERG分断シグナルプローブ、およびTMPRSS2:ETV1融合物プローブを用いてPCA5上で実施し、各ハイブリダイゼーションについて陰性の結果が得られた。
これらを総合すると、この結果は、多くの分析方法は一貫した調節解除を示さないプロファイルを考慮にいれず(Eisenら、Proc Natl Acad Sci USA 1998年;95巻:14863〜8頁;Golubら、Science 1999年;286巻:531〜7頁;Tusherら、Proc Natl Acad Sci
USA 2001年;98巻:5116〜21頁)、したがって、希少にみえる(98症例中2症例)前立腺癌におけるETV4を同定できないため、腫瘍遺伝子発現データのアウトライアープロファイルを注意深く調べて用いることを強調している。TMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1融合物の同定と組み合わせると、本明細書に示された結果は、AREまたはTMPRSS2上流のエンハンサーの破壊によってもたらされるETSファミリーメンバーの調節不全は、前立腺腫瘍形成の顕著な特徴である。
USA 2001年;98巻:5116〜21頁)、したがって、希少にみえる(98症例中2症例)前立腺癌におけるETV4を同定できないため、腫瘍遺伝子発現データのアウトライアープロファイルを注意深く調べて用いることを強調している。TMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1融合物の同定と組み合わせると、本明細書に示された結果は、AREまたはTMPRSS2上流のエンハンサーの破壊によってもたらされるETSファミリーメンバーの調節不全は、前立腺腫瘍形成の顕著な特徴である。
(実施例3)
遺伝子融合物RNAの検出
本実施例では、APTIMA製剤試薬を使用した、4つの異なる定性的アッセイにおける4つの遺伝子融合配列:TMPRSS2:ETV1a、TMPRSS2:ETV1b、TMPRSS2:ERGa、およびTMPRSS2:ERGb、を含むRNA(IVT)を標的とした捕捉、増幅および定性的検出、ならびに各々を適当な標的特異的なオリゴヌクレオチド、プライマー、およびプローブを加えたHPA検出について説明する。表5は、アッセイに用いたオリゴヌクレオチドの配列を示す。
遺伝子融合物RNAの検出
本実施例では、APTIMA製剤試薬を使用した、4つの異なる定性的アッセイにおける4つの遺伝子融合配列:TMPRSS2:ETV1a、TMPRSS2:ETV1b、TMPRSS2:ERGa、およびTMPRSS2:ERGb、を含むRNA(IVT)を標的とした捕捉、増幅および定性的検出、ならびに各々を適当な標的特異的なオリゴヌクレオチド、プライマー、およびプローブを加えたHPA検出について説明する。表5は、アッセイに用いたオリゴヌクレオチドの配列を示す。
RNA標的捕捉
溶解緩衝液は、15mMのリン酸ナトリウム一塩基性一水和塩、15mMのリン酸ナトリウム二塩基性無水物、1.0mMのEDTA二ナトリウム二水和物、1.0mMのEGTA遊離酸、および110mMのラウリル硫酸リチウムpH6.7を含有した。標的捕捉試薬は、250mMのヘペス(HEPES)、310mMの水酸化リチウム、1.88Mの塩化リチウム、100mMのEDTA遊離酸(pH6.4)、および250μg/mLの1ミクロンの、共有結合したオリゴマー(dT)14を有するカルボキシレート改変磁性粒子であるSERA−MAG MG−CM(Seradyn Inc.、Indianapolis、Indiana)を含んだ。洗浄液は、10mMのヘペス、6.5mMの水酸化ナトリウム、1mMのEDTA、0.3%(v/v)エタノール、0.02%(w/v)メチルパラベン、0.01%(w/v)プロピルパラベン、150mMの塩化ナトリウム、0.1%(w/v)ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)をpH7.5で含有する。
RNA増幅および検出
増幅試薬は、26.7mMのrATP、5.0mMのrCTP、33.3mMのrGTPおよび5.0mMのrUTP、125mMのヘペス、8%(w/v)トレハロース二水和物、1.33mMのdATP、1.33mMのdCTP、1.33mMのdGTP、および1.33mMのdTTPを、pH7.5で含有する3.6mLの溶液の凍結乾燥させた形態である。この増幅試薬は、9.7mLの増幅試薬再構成溶液(下記参照)中で再構成した。使用前に、各15pmolのプライマーオリゴマーを加えた。増幅試薬再構成溶液は、0.4%(v/v)エタノール、0.10%(w/v)メチルパラベン、0.02%(w/v)プロピルパラベン、33mMのKCl、30.6mMのMgCl2、0.003%フェノールレッドを含んでいた。酵素試薬は、20mMのヘペス、125mMのN−アセチル−L−システイン、0.1mMのEDTA二ナトリウム二水和物、0.2%(v/v)トリトン(TRITON)7X−100洗浄液、0.2Mのトレハロース二水和物、0.90RTU/mLのモロニー(Moloney)マウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素、および0.20U/mLのT7 RNAポリメラーゼをpH7.0で含有する1.45mLの溶液の凍結乾燥された形態のものである。1単位(RTU)の活性を5.75fmolのcDNAの37℃15分間におけるMMLV逆転写酵素およびT7
RNAポリメラーゼに対する合成および遊離と定義し、1単位(U)の活性を37℃20分間での5.0fmolのRNA転写産物の産生と定義する。酵素試薬を3.6mLの酵素試薬再構成溶液(下記参照)中で再構成した。酵素試薬再構成溶液は、50mMのヘペス、1mMのEDTA、10%(v/v)トリトン7X−100、120mMの塩化カリウム、20%(v/v)無水グリセリンをpH7.0で含有する。ハイブリダイゼーション試薬は、100mMのコハク酸遊離酸、2%(w/v)ラウリル硫酸リチウム、100mMの水酸化リチウム、15mMのアルドリチオール−2、1.2Mの塩化リチウム、20mMのEDTA遊離酸、3.0%(v/v)エタノールをpH4.7で含有した。選択試薬は、600mMのホウ酸、182.5mMの水酸化ナトリウム、1%(v/v)トリトン7X−100をpH8.5で含有した。この検出試薬は、1mMの硝酸および32mMの過酸化水素を含有する検出試薬Iと1.5Mの水酸化ナトリウムを含有する検出試薬IIとを含んだ。
増幅試薬は、26.7mMのrATP、5.0mMのrCTP、33.3mMのrGTPおよび5.0mMのrUTP、125mMのヘペス、8%(w/v)トレハロース二水和物、1.33mMのdATP、1.33mMのdCTP、1.33mMのdGTP、および1.33mMのdTTPを、pH7.5で含有する3.6mLの溶液の凍結乾燥させた形態である。この増幅試薬は、9.7mLの増幅試薬再構成溶液(下記参照)中で再構成した。使用前に、各15pmolのプライマーオリゴマーを加えた。増幅試薬再構成溶液は、0.4%(v/v)エタノール、0.10%(w/v)メチルパラベン、0.02%(w/v)プロピルパラベン、33mMのKCl、30.6mMのMgCl2、0.003%フェノールレッドを含んでいた。酵素試薬は、20mMのヘペス、125mMのN−アセチル−L−システイン、0.1mMのEDTA二ナトリウム二水和物、0.2%(v/v)トリトン(TRITON)7X−100洗浄液、0.2Mのトレハロース二水和物、0.90RTU/mLのモロニー(Moloney)マウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素、および0.20U/mLのT7 RNAポリメラーゼをpH7.0で含有する1.45mLの溶液の凍結乾燥された形態のものである。1単位(RTU)の活性を5.75fmolのcDNAの37℃15分間におけるMMLV逆転写酵素およびT7
RNAポリメラーゼに対する合成および遊離と定義し、1単位(U)の活性を37℃20分間での5.0fmolのRNA転写産物の産生と定義する。酵素試薬を3.6mLの酵素試薬再構成溶液(下記参照)中で再構成した。酵素試薬再構成溶液は、50mMのヘペス、1mMのEDTA、10%(v/v)トリトン7X−100、120mMの塩化カリウム、20%(v/v)無水グリセリンをpH7.0で含有する。ハイブリダイゼーション試薬は、100mMのコハク酸遊離酸、2%(w/v)ラウリル硫酸リチウム、100mMの水酸化リチウム、15mMのアルドリチオール−2、1.2Mの塩化リチウム、20mMのEDTA遊離酸、3.0%(v/v)エタノールをpH4.7で含有した。選択試薬は、600mMのホウ酸、182.5mMの水酸化ナトリウム、1%(v/v)トリトン7X−100をpH8.5で含有した。この検出試薬は、1mMの硝酸および32mMの過酸化水素を含有する検出試薬Iと1.5Mの水酸化ナトリウムを含有する検出試薬IIとを含んだ。
B.アッセイプロトコール
標的捕捉
1.反応管1本につき400μLの試料に対して示される複製レベルでIVTストック溶液をSTMに希釈することで試料を調製する。
2.連続分注器を用いて、TCOを有するTCR100μLを適切な反応管に添加する。3.マイクロピペットを用いて各試料400μLを加えて、適切に標識する。4.反応管をシーリングカードでカバーして、ラックを緩やかに手で振とうする。ボルテックスしない。ラックを62±1℃の水浴中で30±5分間インキュベートする。
5.水浴からラックを取り出し、反応管の底を吸収性材料で拭いて乾かす。
6.シーリングカードがしっかりと固定されていることを確認する。必要に応じて、シーリングカードを新しいものと取替え、しっかりと密封する。
7.シーリングカードを取り外さずに、ラックを室温で30±5分間インキュベートする。
8.ラックを5〜10分間TCSマグネチックベース上に置く。
9.APTIMA洗浄液を分注マニフォールドを通してポンプでくみあげて、分注装置のポンプラインを準備する。ライン中の気泡がなくすべての10個のノズルが安定な流れの液体を送液するように、ポンプで十分に液体をシステム内に通す。
10.真空ポンプを始動し、吸引マニフォールドとトラップ瓶の間の第一のコネクターで吸引マニフォールドの接続を切る。真空計の読みが、25in.Hgを超えないようにする。真空計の読みには15秒かかる可能性がある。マニフォールドを再び接続して、および真空計の読みが7〜12in.Hgの範囲になるようにする。すべての標的捕捉ステップが完了するまで真空ポンプを運転させておく。
11.吸引マニフォールドを第1セットの先端部にしっかりと取り付ける。先端部が軽く反応管の底に接触するまで、先端部を第1のTTUに下げて、すべての液体を吸引する。先端部を反応管の底に触れたままにしない。
12.吸引終了後、先端部をもとの先端カセットに外し入れる。各試料専用の先端部を用いて、吸引ステップを残りのTTUについて繰り返す。
13.分注マニフォールドを各TTUに配置し、分注装置ポンプを用いて、1.0mLのAPTIMA洗浄液をTTUの各反応管に送液する。
14.反応管をシーリングカードで封をし、ラックをTCSから取り除く。マルチチューブボルテックスミキサーで1度ボルテックスする。
15.ラックをTCSマグネチックベース上に5〜10分間置く。
16.すべての液体をステップ13および14のように吸引する。
17.最終吸引の後、ラックをTCSベースから取り出し、目視で反応管を検査してすべての液体が吸引されたかを確認する。液体がまだ見られる場合、ラックをTCSベースに2分間戻して、各検体について先に用いたものと同じ先端部を用いてTTUに対して吸引を繰り返す。
標的捕捉
1.反応管1本につき400μLの試料に対して示される複製レベルでIVTストック溶液をSTMに希釈することで試料を調製する。
2.連続分注器を用いて、TCOを有するTCR100μLを適切な反応管に添加する。3.マイクロピペットを用いて各試料400μLを加えて、適切に標識する。4.反応管をシーリングカードでカバーして、ラックを緩やかに手で振とうする。ボルテックスしない。ラックを62±1℃の水浴中で30±5分間インキュベートする。
5.水浴からラックを取り出し、反応管の底を吸収性材料で拭いて乾かす。
6.シーリングカードがしっかりと固定されていることを確認する。必要に応じて、シーリングカードを新しいものと取替え、しっかりと密封する。
7.シーリングカードを取り外さずに、ラックを室温で30±5分間インキュベートする。
8.ラックを5〜10分間TCSマグネチックベース上に置く。
9.APTIMA洗浄液を分注マニフォールドを通してポンプでくみあげて、分注装置のポンプラインを準備する。ライン中の気泡がなくすべての10個のノズルが安定な流れの液体を送液するように、ポンプで十分に液体をシステム内に通す。
10.真空ポンプを始動し、吸引マニフォールドとトラップ瓶の間の第一のコネクターで吸引マニフォールドの接続を切る。真空計の読みが、25in.Hgを超えないようにする。真空計の読みには15秒かかる可能性がある。マニフォールドを再び接続して、および真空計の読みが7〜12in.Hgの範囲になるようにする。すべての標的捕捉ステップが完了するまで真空ポンプを運転させておく。
11.吸引マニフォールドを第1セットの先端部にしっかりと取り付ける。先端部が軽く反応管の底に接触するまで、先端部を第1のTTUに下げて、すべての液体を吸引する。先端部を反応管の底に触れたままにしない。
12.吸引終了後、先端部をもとの先端カセットに外し入れる。各試料専用の先端部を用いて、吸引ステップを残りのTTUについて繰り返す。
13.分注マニフォールドを各TTUに配置し、分注装置ポンプを用いて、1.0mLのAPTIMA洗浄液をTTUの各反応管に送液する。
14.反応管をシーリングカードで封をし、ラックをTCSから取り除く。マルチチューブボルテックスミキサーで1度ボルテックスする。
15.ラックをTCSマグネチックベース上に5〜10分間置く。
16.すべての液体をステップ13および14のように吸引する。
17.最終吸引の後、ラックをTCSベースから取り出し、目視で反応管を検査してすべての液体が吸引されたかを確認する。液体がまだ見られる場合、ラックをTCSベースに2分間戻して、各検体について先に用いたものと同じ先端部を用いてTTUに対して吸引を繰り返す。
プライマーアニーリングおよび増幅
1.連続分注器を用いて、分析物特異性プライマーを含有する再構成増幅試薬75μLを各反応管に加える。この時点でラック中のすべての反応混合物は赤色となるはずである。2.連続分注器を用いて、200μLの油試薬を加える。
3.シーリングカードで反応管に封をし、マルチチューブボルテックスミキサー上でボルテックスする。
4.ラックを水浴中62±1℃で10±5分間インキュベートする。
5.ラックを水浴に移し、42±1℃で5±2分間放置する。
6.ラックを水浴につけたまま、シーリングカードを注意深く取り外し、連続分注器を用いて、25μLの再構成酵素試薬を反応混合物の各々に添加する。この段階で、すべての反応は、オレンジ色となっているはずである。
7.直ちに新しいシーリングカードで反応管に封をして水浴から取り出し、ラックを手で緩やかに振とうさせて反応物を混合する。
8.ラックを42±1℃で60±15分間インキュベートする。
1.連続分注器を用いて、分析物特異性プライマーを含有する再構成増幅試薬75μLを各反応管に加える。この時点でラック中のすべての反応混合物は赤色となるはずである。2.連続分注器を用いて、200μLの油試薬を加える。
3.シーリングカードで反応管に封をし、マルチチューブボルテックスミキサー上でボルテックスする。
4.ラックを水浴中62±1℃で10±5分間インキュベートする。
5.ラックを水浴に移し、42±1℃で5±2分間放置する。
6.ラックを水浴につけたまま、シーリングカードを注意深く取り外し、連続分注器を用いて、25μLの再構成酵素試薬を反応混合物の各々に添加する。この段階で、すべての反応は、オレンジ色となっているはずである。
7.直ちに新しいシーリングカードで反応管に封をして水浴から取り出し、ラックを手で緩やかに振とうさせて反応物を混合する。
8.ラックを42±1℃で60±15分間インキュベートする。
ハイブリダイゼーション
1.増幅前に水浴からラックを取り出し、増幅後領域に移す。分析物特異性プローブを有する再構成したプローブ試薬100μLを、連続分注器を用いて加える。すべての反応混合物はこの時点で黄色となっているはずである。
2.反応管をシーリングカードで封をし、マルチチューブボルテックスミキサー上で10秒間ボルテックスする。
2.ラックを62±1℃の水浴中で20±5分間インキュベートする。
3.ラックを水浴から取り出し、室温で5±1分間インキュベートする。
1.増幅前に水浴からラックを取り出し、増幅後領域に移す。分析物特異性プローブを有する再構成したプローブ試薬100μLを、連続分注器を用いて加える。すべての反応混合物はこの時点で黄色となっているはずである。
2.反応管をシーリングカードで封をし、マルチチューブボルテックスミキサー上で10秒間ボルテックスする。
2.ラックを62±1℃の水浴中で20±5分間インキュベートする。
3.ラックを水浴から取り出し、室温で5±1分間インキュベートする。
選択
1.連続分注器を用いて、250μLの選択試薬を各反応管に加える。すべての反応は、この段階で赤色を呈するはずである。
2.反応管をシーリングカードで封をして10秒間あるいは色が均一になるまでボルテックスし、ラックを62±1℃の水浴中で10±1分間インキュベートする。
3.ラックを水浴から取り出す。ラックを室温で15±3分間インキュベートする。
1.連続分注器を用いて、250μLの選択試薬を各反応管に加える。すべての反応は、この段階で赤色を呈するはずである。
2.反応管をシーリングカードで封をして10秒間あるいは色が均一になるまでボルテックスし、ラックを62±1℃の水浴中で10±1分間インキュベートする。
3.ラックを水浴から取り出す。ラックを室温で15±3分間インキュベートする。
TTUの読取り
1.試験完了に十分な量の自動検出試薬IおよびIIがあることを確認する。
2.カセット位置番号1に空のTTUを1つ入れてLEADERルミノメーターを準備し、WASHプロトコールを行う。
3.TTUをルミノメーターにロードし、HC+RevBプロトコールを実行する。
1.試験完了に十分な量の自動検出試薬IおよびIIがあることを確認する。
2.カセット位置番号1に空のTTUを1つ入れてLEADERルミノメーターを準備し、WASHプロトコールを行う。
3.TTUをルミノメーターにロードし、HC+RevBプロトコールを実行する。
C.結果
TMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1遺伝子融合物IVTの各々をTCRに添加した4つのアッセイに対する結果を表6〜9に示す。
TMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1遺伝子融合物IVTの各々をTCRに添加した4つのアッセイに対する結果を表6〜9に示す。
(実施例4)
遺伝子融合物に関するFISH分析
本実施例では、前立腺癌試料29試料中23試料がERGまたはETV1に再配列を保持することを実証するための蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)の使用について説明する。細胞株実験は、TMPRSS2のアンドロゲン応答性プロモーターエレメントが前立腺癌においてETSファミリーメンバーの過剰発現を介在していることを示唆する。これらの結果は、癌腫の発症および前立腺癌の分子的診断および治療に意味をもつ。
FISHアッセイに用いた具体的なBACプローブの一覧を以下に示す。
ETSファミリーメンバーにおける異常をFISHにより検査するための臨床的FISH分析
・1つがETV1に及び、1つがTMPRSS2遺伝子座に及ぶプローブを用いたETV1−TMPRSS2融合物試験
ETV1に対するBAC:RP11−692L4
TMPRSS2に対するBAC:RP11−121A5、(RP11−120C17、PR11−814F13、RR11−535H11)
・c−ERG:t−ERG分断に関する1組のプローブを用いたERG転位試験:
c−ERGに対するBAC:RP11−24A11
t−ERGに対するBAC:RP11−372O17、RP11−137J13
・1つがETV1遺伝子座に及び、1つの基準プローブが第7染色体上にある1組のプローブを用いたETV1欠失/増幅試験:
ETV1に対するBAC:RP11−692L4
第7染色体上の標準プローブに対するBAC:chrのセントロメア上の市販プローブ・1つがERG遺伝子座に及び、1つの基準プローブが第21染色体上にある1組のプローブを用いたERG欠失/増幅試験:
ERGに対するBAC:RP11−476D17
第21染色体上の標準プローブに対するBAC:*
・1つがTMPRSS2遺伝子座に及び、1つの基準プローブが第21染色体上にある1組のプローブを用いたTMPRSS2欠失/増幅試験:
TMPRSS2に対するBAC:RP11−121A5、(RP11−120C17、PR11−814F13、RR11−535H11)
第21染色体上の基準プローブに対するBAC:*
*第21染色体上の基準プローブに対するBAC:PR11−32L6、RP11−752M23、RP11−1107H21、RP11−639A7、(RP11−1077M21)
(実施例5)
欠失を伴うTMPRSS2:ERG融合物
本実施例では、TMPRSS2:ERG融合物に伴う、第21染色体q22.2〜3上のERGとTMPRSS2との間に位置する共通の欠失の存在について説明する。疾患進行と臨床成績との関連を、広い範囲にわたるヒトPCA試料、6つの細胞株、および13の異種移植を用いて調べた。
・1つがETV1に及び、1つがTMPRSS2遺伝子座に及ぶプローブを用いたETV1−TMPRSS2融合物試験
ETV1に対するBAC:RP11−692L4
TMPRSS2に対するBAC:RP11−121A5、(RP11−120C17、PR11−814F13、RR11−535H11)
・c−ERG:t−ERG分断に関する1組のプローブを用いたERG転位試験:
c−ERGに対するBAC:RP11−24A11
t−ERGに対するBAC:RP11−372O17、RP11−137J13
・1つがETV1遺伝子座に及び、1つの基準プローブが第7染色体上にある1組のプローブを用いたETV1欠失/増幅試験:
ETV1に対するBAC:RP11−692L4
第7染色体上の標準プローブに対するBAC:chrのセントロメア上の市販プローブ・1つがERG遺伝子座に及び、1つの基準プローブが第21染色体上にある1組のプローブを用いたERG欠失/増幅試験:
ERGに対するBAC:RP11−476D17
第21染色体上の標準プローブに対するBAC:*
・1つがTMPRSS2遺伝子座に及び、1つの基準プローブが第21染色体上にある1組のプローブを用いたTMPRSS2欠失/増幅試験:
TMPRSS2に対するBAC:RP11−121A5、(RP11−120C17、PR11−814F13、RR11−535H11)
第21染色体上の基準プローブに対するBAC:*
*第21染色体上の基準プローブに対するBAC:PR11−32L6、RP11−752M23、RP11−1107H21、RP11−639A7、(RP11−1077M21)
(実施例5)
欠失を伴うTMPRSS2:ERG融合物
本実施例では、TMPRSS2:ERG融合物に伴う、第21染色体q22.2〜3上のERGとTMPRSS2との間に位置する共通の欠失の存在について説明する。疾患進行と臨床成績との関連を、広い範囲にわたるヒトPCA試料、6つの細胞株、および13の異種移植を用いて調べた。
A.材料および方法
臨床試料
この研究で用いた前立腺試料は、IRB認定プロトコールのもとで収集されたものである。すべての臨床的に局在化したPCA試料を1人の病理学者により特徴付けし、病理報告の際の観察者間の差異を排除するため、グリーソンスコアをつけた。臨床的に局在化したPCA試料をウルム大学での現在進行中の研究プロトコールの一部として収集した。これらのホルモン抵抗性試料はミシガン大学の迅速剖検プログラムから採取されたものである。
臨床試料
この研究で用いた前立腺試料は、IRB認定プロトコールのもとで収集されたものである。すべての臨床的に局在化したPCA試料を1人の病理学者により特徴付けし、病理報告の際の観察者間の差異を排除するため、グリーソンスコアをつけた。臨床的に局在化したPCA試料をウルム大学での現在進行中の研究プロトコールの一部として収集した。これらのホルモン抵抗性試料はミシガン大学の迅速剖検プログラムから採取されたものである。
FISH実験を、214人の患者由来の897の組織コア(ヒストスポット)からなる、2つのPCA予後評価アレイについて行った。患者のデモグラフィックスの概要を表10に示す。すべての患者が1989年から2001年の間にウルム大学(独国ウルム)にて、骨盤リンパ節切除術を伴う根治的前立腺切除術を受けた。術前PSAは1から314ng/mL(平均36ng/mL)の範囲であった。平均および最大追跡期間は、それぞれ3.4および8.4年である。
細胞株および異種移植片
アンドロゲン非依存性(PC−3、DU−145、HPV10、および22Rv1)、およびアンドロゲン感受性(LNCaP)PCA細胞株は、American Type
Culture Collection(Manassas、VA)から購入したものであり、限定培地中で維持した。HPV10は、HPV18DNA(18)によるトランスフェクションで形質転換した、高悪性度PCA(グリーソンスコア:4+4=8)由来の細胞に由来した。22Rv1は、性腺摘除誘発性退縮および親のアンドロゲン依存性CWR22異種移植の再発後にマウスにおいて連続的に増殖させた、異種移植に由来するヒトPCA上皮細胞株である。VCAP細胞株は、ミシガン大学での迅速剖検プログラムの一部として、椎骨転移性病変から得られたものである。
アンドロゲン非依存性(PC−3、DU−145、HPV10、および22Rv1)、およびアンドロゲン感受性(LNCaP)PCA細胞株は、American Type
Culture Collection(Manassas、VA)から購入したものであり、限定培地中で維持した。HPV10は、HPV18DNA(18)によるトランスフェクションで形質転換した、高悪性度PCA(グリーソンスコア:4+4=8)由来の細胞に由来した。22Rv1は、性腺摘除誘発性退縮および親のアンドロゲン依存性CWR22異種移植の再発後にマウスにおいて連続的に増殖させた、異種移植に由来するヒトPCA上皮細胞株である。VCAP細胞株は、ミシガン大学での迅速剖検プログラムの一部として、椎骨転移性病変から得られたものである。
LuCaP23.1、35、73、77、81、86.2、92.1、および105は、アンドロゲン非依存性ホルモン抵抗性疾患PCAの患者由来のものである。LuCaP49および115は、アンドロゲン依存PCAの患者由来のものである。LuCaP58は、臨床的に進行した転移性疾患を有する未治療の患者由来のものであり、LuCaP96は、ホルモン抵抗性PCAを有する患者で増殖する前立腺由来腫瘍から樹立したものである。LuCaP49(大網腫瘤より樹立)、およびLuCaP93は、ホルモン非感受性(アンドロゲン受容体[AR]−陰性)小細胞PCAである。これらの2つの異種移植は、神経内分泌表現型を実証した。LuCaP23.1はSCIDマウス内で維持され、およびその他の異種移植は、雄のBALB/c nu/nuマウスに腫瘍を移植することで維持される。
間期FISHを利用したTMPRSS2:ERG融合物の決定
TMPRSS2:ERGの転位に関するFISH分析は、本明細書中や過去にも記載がある(Tomlinsら、Science 310巻:644〜8頁(2005年))。この分離アッセイを図11および14に示す。第21染色体q22.2上におけるERG再配列を分析するために、それぞれがERG遺伝子座の隣接するセントロメアおよびテロメア領域に広がる、ビオチン−14−dCTP標識BACクローンRP11−24A11(最終的にコンジュゲートして赤のシグナルを生成)、およびジゴキシゲニン−dUTP標識BACクローンRP11−137J13(最終的にコンジュゲートして緑のシグナルを生成)からなる分離プローブシステムを応用した。すべてのBACクローンは、BACPACリソースセンター、オークランド研究所小児科病院(CHORI)、Oakland、CAより入手したものである。
TMPRSS2:ERGの転位に関するFISH分析は、本明細書中や過去にも記載がある(Tomlinsら、Science 310巻:644〜8頁(2005年))。この分離アッセイを図11および14に示す。第21染色体q22.2上におけるERG再配列を分析するために、それぞれがERG遺伝子座の隣接するセントロメアおよびテロメア領域に広がる、ビオチン−14−dCTP標識BACクローンRP11−24A11(最終的にコンジュゲートして赤のシグナルを生成)、およびジゴキシゲニン−dUTP標識BACクローンRP11−137J13(最終的にコンジュゲートして緑のシグナルを生成)からなる分離プローブシステムを応用した。すべてのBACクローンは、BACPACリソースセンター、オークランド研究所小児科病院(CHORI)、Oakland、CAより入手したものである。
この分離プローブシステムを利用して、ERG再配列を有さない核は、赤と緑の並列した2対のシグナルを示した。赤−緑の並列シグナルは、黄色の融合シグナルを形成する。ERG再配列を有する核は、1つの並んだ赤−緑シグナル対の分離が各細胞において、転位された対立遺伝子に対する単一の赤および緑シグナルと非転位対立遺伝子に対する複合した黄色のシグナルを生じることを示している。組織分析の前に、すべてのプローブの完全性と純度を正常な末梢リンパ球の中期スプレッドとのハイブリダイゼーションにより確認した。組織ハイブリダイゼーション、洗浄、および蛍光検出は、過去の記載に基づいて行った(Garrawayら、Nature 436巻:117〜22頁(2005年);Rubinら、Cancer Res. 64巻:3814〜22頁(2004年))。少なくとも1つのTMAコアを、2つのTMA由来の59%のPCAの症例で評価できた。このアッセイの技術的な難点として、評価する診断材料がないこと、弱いプローブシグナル、および正確な診断を妨げる重複細胞が挙げられた。残りの本分析では、評価可能な臨床的に局在化したPCAの118の症例に絞った。15の症例では、同じく評価可能な、対応するホルモン未処理転移性リンパ節試料を有した。
これらの試料を、適切なフィルターを装備したオリンパスBX−51蛍光顕微鏡、CCD(電荷結合素子)カメラおよびサイトビジョン(CytoVision)FISH撮像および画像取込み用ソフト(Applied Imaging、San Jose、CA)を用いて、100x油浸対物レンズで観察した。これらの試験の評価は、ともに間期FISH実験の分析の経験のある病理学者2人により独立に行った。各症例について、1症例につき少なくとも100個の核を評定するようにした。両病理学者による結果において顕著な差が見られた場合、その症例は、第3の病理学者が審査した。
オリゴヌクレオチドSNPアレイ分析
SNPアレイは対立遺伝子の遺伝子型分析を対象としているにもかかわらず、このSNPアレイデータは、異型接合性の損失(Lieberfarbら、Cancer Res
63巻:4781〜5頁(2003年);Linら、Bioinformatics 20巻:1233〜40頁(2004年))および複製数変化の検出(Zhaoら、Cancer Cell 3巻:483〜95頁(2003年))に関する情報を提供できる。SNPアレイ分析を利用すると、黒色腫(MITF)等の様々な癌における増幅遺伝子を確認および検証することが可能である(Garrawayら、Nature 436巻:117〜22頁(2005年))、およびPCA(TPD52)(Rubinら、Cancer Res. 64巻:3814〜22頁(2004年))。
SNPアレイは対立遺伝子の遺伝子型分析を対象としているにもかかわらず、このSNPアレイデータは、異型接合性の損失(Lieberfarbら、Cancer Res
63巻:4781〜5頁(2003年);Linら、Bioinformatics 20巻:1233〜40頁(2004年))および複製数変化の検出(Zhaoら、Cancer Cell 3巻:483〜95頁(2003年))に関する情報を提供できる。SNPアレイ分析を利用すると、黒色腫(MITF)等の様々な癌における増幅遺伝子を確認および検証することが可能である(Garrawayら、Nature 436巻:117〜22頁(2005年))、およびPCA(TPD52)(Rubinら、Cancer Res. 64巻:3814〜22頁(2004年))。
100Kアレイ上でのSNP検出は、ゲノム表現の減少で開始した。ゲノムDNAの250ngの2つの分注液を別々にXbaI HindIIIで消化した。これらの消化された断片を独立にオリゴヌクレオチドリンカーに連結した。この結果得られる産物を200〜2000bpのPCR断片を増幅する条件下で単一のPCRプライマーを用いて増幅した。これらの断片はゲノムの細分画を示す。これらはそのXbaIおよびHindIII断片内にあるので、アレイ上にタイル張り状に配置したSNPを予備選択し、アレイ上で強く検出されることを確認した。続いて、これらの得られたDNAの増幅プールを標識して断片化し、さらに、HindIIIおよびXbaIオリゴヌクレオチドSNPアレイを分離するためハイブリダイゼーションした。
アレイをジーンチップ(GeneChip)スキャナー3000で走査した。遺伝子型決定(Genotyping call)およびシグナル定量化を遺伝子操作システム1.1.1およびアフィメトリックス社(Affymetrix)ジェノタイピングツールズ2.0ソフトを用いて得た。遺伝子型決定割合が90%を超えるアレイのみをさらに分析した。生データファイルを呼び処理し、dChipSNP(Linら、Bioinformatics 20巻:1233〜40頁(2004年))において描出した。具体的には、予備処理は、一組の不変プローブを用いたベースラインに対するアレイデータの標準化を含み、続く処理でモデルベースの(PM/MM)方法(Liら、Proc.Nat’l Acad. Sci. USA 98巻:31〜6頁(2001年))を利用して、各試料の各SNPの単一の強度値を得る。
TMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1融合転写産物の定量的PCR
QPCRをSYBRグリーン色素(Qiagen)を用いてMJリサーチ社のDNAエンジンオプティコン2マシンで行った。総RNAを、ランダム6量体の存在下でTAQMAN逆転写試薬(Applied Biosystems)を用いて、cDNAに逆転写した。すべてのQPCR反応をSYBRグリーンマスターミックス(Qiagen)を用いて行った。すべてのオリゴヌクレオチドプライマーは、Integrated DNA
Technologiesで設計されたものである。Tomlinらが記載し(Science 310巻:644〜8頁(2005年))、融合物に特異的なプライマー:
QPCRをSYBRグリーン色素(Qiagen)を用いてMJリサーチ社のDNAエンジンオプティコン2マシンで行った。総RNAを、ランダム6量体の存在下でTAQMAN逆転写試薬(Applied Biosystems)を用いて、cDNAに逆転写した。すべてのQPCR反応をSYBRグリーンマスターミックス(Qiagen)を用いて行った。すべてのオリゴヌクレオチドプライマーは、Integrated DNA
Technologiesで設計されたものである。Tomlinらが記載し(Science 310巻:644〜8頁(2005年))、融合物に特異的なプライマー:
を用いた。
GAPDHプライマーについては以前に報告されている(Vandesompeleら、Genome Biol 3巻:RESEARCH0034(2002年))。10μmolのフォワードおよびリバースプライマーを用い、製造業者の推奨する熱サイクル条件に従って手順を実施した。閾値は、QPCR反応の指数期の間にオプティコンモニター(Opticon Monitor)分析ソフト、バージョン2.02を用いて設定した。各試料について、ハウスキーピング遺伝子グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)に対する各標的遺伝子の量を比較閾値サイクル(Ct)法(Applied Biosystemsユーザーブルテン#2)により決定した。すべての反応について融解曲線分析し、選択した実験から得られた生成物を2%アガロースゲル上で電気泳動させて分離した。
統計
臨床的および病理学的変数を再配列状態および欠失の存在との関連について調べた。χ(カイ)2乗検定およびフィッシャーの正確確率検定を適切に用いた。カプラン−マイヤー分析を、病態についての前立腺特異的な抗原無再発生存曲線とゲノム変化パラメーターを作製するのに用いた。対数順位検定を関連性の統計学的有意性を評価するのに用いた。ネオアジュバントホルモンアブレーション療法の前歴のある患者は排除した。すべての統計をウィンドウズ(登録商標)用SPSS13.0(SPSS社、Chicago、IL)を用いて有意水準0.05で行った。
臨床的および病理学的変数を再配列状態および欠失の存在との関連について調べた。χ(カイ)2乗検定およびフィッシャーの正確確率検定を適切に用いた。カプラン−マイヤー分析を、病態についての前立腺特異的な抗原無再発生存曲線とゲノム変化パラメーターを作製するのに用いた。対数順位検定を関連性の統計学的有意性を評価するのに用いた。ネオアジュバントホルモンアブレーション療法の前歴のある患者は排除した。すべての統計をウィンドウズ(登録商標)用SPSS13.0(SPSS社、Chicago、IL)を用いて有意水準0.05で行った。
B.結果
TMPRSS2:ERG遺伝子再配列と関連した第21染色体上の欠失の検出
PCAにおけるTMPRSS2:ERG再配列の頻度の特徴付けるために、Tomlinsらにより記載されたアッセイ(Science 310巻:644〜8頁(2005年))を改変したFISH分析を用いた。当初のFISH分析は、セントロメア3’およびテロメア5’末端のERG上に位置する2つのプローブを用いた。この新しいアッセイは、5’プローブをテロメア方向に移動した(図14)。PCAスクリーニング組織マイクロアレイ(TMA)を用いて、TMPRSS2:ERG再配列(図11Aおよび11B)を実証するおよそ70%のPCAが、テロメア5’ERGプローブ(図11Cおよび11D)に対応する緑のシグナルの消失も示すことが観察され、この染色体領域が消失したことを示唆している。100KオリゴヌクレオチドSNPアレイをこれらの欠失の範囲を特徴付けるために用いた。細胞株、異種移植およびホルモン未処理およびホルモン抵抗性転移性PCA試料を含む30のPCA試料を調べることにより、第21染色体q23上のERGとTMPRSS2との間のゲノム消失が確認された(図12A〜C)。
TMPRSS2:ERG遺伝子再配列と関連した第21染色体上の欠失の検出
PCAにおけるTMPRSS2:ERG再配列の頻度の特徴付けるために、Tomlinsらにより記載されたアッセイ(Science 310巻:644〜8頁(2005年))を改変したFISH分析を用いた。当初のFISH分析は、セントロメア3’およびテロメア5’末端のERG上に位置する2つのプローブを用いた。この新しいアッセイは、5’プローブをテロメア方向に移動した(図14)。PCAスクリーニング組織マイクロアレイ(TMA)を用いて、TMPRSS2:ERG再配列(図11Aおよび11B)を実証するおよそ70%のPCAが、テロメア5’ERGプローブ(図11Cおよび11D)に対応する緑のシグナルの消失も示すことが観察され、この染色体領域が消失したことを示唆している。100KオリゴヌクレオチドSNPアレイをこれらの欠失の範囲を特徴付けるために用いた。細胞株、異種移植およびホルモン未処理およびホルモン抵抗性転移性PCA試料を含む30のPCA試料を調べることにより、第21染色体q23上のERGとTMPRSS2との間のゲノム消失が確認された(図12A〜C)。
TMPRSS2:ERGおよびTMPRSS2:ETV1に関する再配列状態を、これらの30個のPCAについてのFISHおよび/またはqPCRにより決定した(図12A、灰色および薄い青色の棒状部)。個別のゲノム喪失が、LuCaP49、LuCaP93、ULM LN13、MET6−9、MET18−2、MET24−28、およびMET28−27について、TMPRSS2とERG遺伝子座の間の領域に関わるTMPRSS2:ERG再配列陽性試料で観察された。これらの個別の欠失の範囲は不均一であった。TMPRSS2とERG遺伝子座の間の領域を含む第21染色体上でのより広範囲のゲノム喪失は、LuCaP35、LuCaP86.2、LuCaP92.1、およびMET3−81において観察された。VCaP細胞株および異種移植片LuCaP23.1は、この領域での喪失を実証しなかった。試料のサブセット45%(11試料のうち5試料)については、欠失が、ERGイントロン3の近くで起こっている。試料の大半64%(11試料のうち7試料)では、欠失がTMPRSS2上に位置するSNPの近辺で終結している(テロメア方向で次のSNPが約100Kbp離れている)。VCaP細胞株は、第21染色体全体にわたり複製数増加を示した。
TMPRSS2:ERG再配列陽性腫瘍については、71%(7試料のうち5試料)のホルモン治療不応性PCAは、TMPRSS2とERG遺伝子座の間の欠失を実証しているのに対し、欠失は25%(4試料のうち1試料)のホルモン未処理転移性PCA試料(ULM LN13)でのみ同定された。38.765Mbまたは38.911Mbの欠失の開始点で区別される2つの個別のサブクラスとの欠失境界について、顕著な均一性がある。標準的なPCA細胞株(PC−3、LNCaP、DU−145、またはCWR22(22Rv1))のいずれもがTMPRSS2:ERGまたはTMPRSS2:ETV1融合を実証しなかった。いくつかのLuCap異種移植片には、共にホルモン非感受性(アンドロゲン受容体[AR]陰性)小細胞PCAである、LuCaP49(大網腫瘤から確立)、およびLuCaP93、等の欠失を有するTMPRSS2:ERG融合を実証するものもあった。
ERGの複製数増加は、TMPRSS2:ERG再配列のある場合とない場合の両方で小サブセットで観察された。ホルモン抵抗性PCA由来のVCaP細胞株は、顕著な複製数増加を第21染色体上で実証し(図12A〜C)、この増加はFISHにより確認された。
原発性前立腺癌試料におけるTMPRSS2:ERG再配列とホルモン未処理リンパ節転移
これらの観察についての頻度および潜在的臨床意義を特徴付けるため、118の臨床的に局在化したPCAの症例をFISHにより調べた。これらの臨床的および病理学的デモグラフィックスを表10に示す。患者のコホートは、高腫瘍悪性度(グリーソン評価)、病態の段階、および予備治療PSAレベルにより実証される疾患再発のリスクが高い。PCAの大きな領域が微視的に調べることのできる、このコホート由来の標準的な組織切片を用いると、TMPRSS2:ERG再配列は所与の腫瘍について均一に観察された。TMA実験によりこれらの観察を確認した。3〜6のコアが腫瘍の異なる領域から得られたPCAの症例では、100%の一致がTMPRSS2:ERG再配列状態(すなわち、存在または非存在)について観察された。欠失を伴うTMPRSS2:ERG再配列の場合、97.9%(94/96)の症例で欠失が同じ患者由来のすべてのTMAコアで観察された。
これらの観察についての頻度および潜在的臨床意義を特徴付けるため、118の臨床的に局在化したPCAの症例をFISHにより調べた。これらの臨床的および病理学的デモグラフィックスを表10に示す。患者のコホートは、高腫瘍悪性度(グリーソン評価)、病態の段階、および予備治療PSAレベルにより実証される疾患再発のリスクが高い。PCAの大きな領域が微視的に調べることのできる、このコホート由来の標準的な組織切片を用いると、TMPRSS2:ERG再配列は所与の腫瘍について均一に観察された。TMA実験によりこれらの観察を確認した。3〜6のコアが腫瘍の異なる領域から得られたPCAの症例では、100%の一致がTMPRSS2:ERG再配列状態(すなわち、存在または非存在)について観察された。欠失を伴うTMPRSS2:ERG再配列の場合、97.9%(94/96)の症例で欠失が同じ患者由来のすべてのTMAコアで観察された。
TMPRSS2:ERG再配列を原発性PCA試料の49.2%およびホルモン未処理転移性LN試料の41.2%で確認した(図13A)。テロメアプローブの欠失(緑シグナル)(図1C〜D)を原発性PCA試料の60.3%(35/58)およびTMPRSS2:ERG再配列を有するホルモン未処理リンパ節腫瘍の42.9%(3/7)で観察した。
整合した原発性およびホルモン未処理リンパ節腫瘍のあった15症例においては、TMPRSS2:ERG再配列状態は、再配列を示す対のうちの47%(15症例のうちの7症例)と100%の一致があった。テロメア(緑シグナル)プローブの欠失は42.9%(7症例のうち3症例)の対で一致して見られた。
TMPRSS2:ERG再配列状態および前立腺癌の進行
再配列状態と臨床的および病理学的変数との関連を観察した(図13)。欠失を有するTMPRSS2:ERG再配列は、進行した腫瘍段階(pT)(p=0.03)(図13B)および局所骨盤リンパ節への転移性疾患の存在(pN0対pN1−2)(p=0.02)を有するPCAの症例でより高い割合で観察された。欠失を伴うまたは伴わないTMPRSS2:ERG再配列と、経過観察データのある70人の患者についての前立腺特異的抗原(PSA)生化学的欠陥により決定された臨床成績との関連性も評価した。グリーソン評価、腫瘍段階、核グレード、およびリンパ節状態は、PSA生化学的欠陥値(すべてのp値<0.0005)の良好な予測因子である。FISHアッセイにより決定された欠失のないTMPRSS2:ERG再配列PCAの症例におけるPSA無再発延命効果を示唆する傾向が一変量レベルで観察された。
再配列状態と臨床的および病理学的変数との関連を観察した(図13)。欠失を有するTMPRSS2:ERG再配列は、進行した腫瘍段階(pT)(p=0.03)(図13B)および局所骨盤リンパ節への転移性疾患の存在(pN0対pN1−2)(p=0.02)を有するPCAの症例でより高い割合で観察された。欠失を伴うまたは伴わないTMPRSS2:ERG再配列と、経過観察データのある70人の患者についての前立腺特異的抗原(PSA)生化学的欠陥により決定された臨床成績との関連性も評価した。グリーソン評価、腫瘍段階、核グレード、およびリンパ節状態は、PSA生化学的欠陥値(すべてのp値<0.0005)の良好な予測因子である。FISHアッセイにより決定された欠失のないTMPRSS2:ERG再配列PCAの症例におけるPSA無再発延命効果を示唆する傾向が一変量レベルで観察された。
(実施例6)
致死性前立腺癌に関連するTMPRSS2:ERG遺伝子融合物
以前の研究において、ERG(21q22.2)、ETV1(7p21.2)(Tomlinsら、Science 310巻:644〜8頁(2005年))、またはETV4(Tomlinsら、Cancer Res. 66巻(7号):3396〜400頁(2006年))のいずれかであるETS転写因子ファミリーメンバーとのTMPRSS2(21q22.3)の5’非翻訳領域の遺伝子融合は、大多数の前立腺癌におけるETS遺伝子の過剰発現に関する機構を与える。さらに、アンドロゲン制御遺伝子であるTMPRSS2、および癌遺伝子の融合は、疾患の進行がこれらの分子のサブタイプに基づいて変動し得る可能性を示唆している。遺伝子融合に関して最もよくある機構は、TMPRSS2とERGの間の約2.8メガベースのゲノムDNAの喪失である(図17AおよびB)。この実施例は、通常のTMPRSS2:ERG遺伝子融合物の存在に基づく転移または前立腺癌特異的な死亡のリスクについて説明する。
致死性前立腺癌に関連するTMPRSS2:ERG遺伝子融合物
以前の研究において、ERG(21q22.2)、ETV1(7p21.2)(Tomlinsら、Science 310巻:644〜8頁(2005年))、またはETV4(Tomlinsら、Cancer Res. 66巻(7号):3396〜400頁(2006年))のいずれかであるETS転写因子ファミリーメンバーとのTMPRSS2(21q22.3)の5’非翻訳領域の遺伝子融合は、大多数の前立腺癌におけるETS遺伝子の過剰発現に関する機構を与える。さらに、アンドロゲン制御遺伝子であるTMPRSS2、および癌遺伝子の融合は、疾患の進行がこれらの分子のサブタイプに基づいて変動し得る可能性を示唆している。遺伝子融合に関して最もよくある機構は、TMPRSS2とERGの間の約2.8メガベースのゲノムDNAの喪失である(図17AおよびB)。この実施例は、通常のTMPRSS2:ERG遺伝子融合物の存在に基づく転移または前立腺癌特異的な死亡のリスクについて説明する。
A.方法
本治験対照母集団は、Andrenらの文献(J. Urol. 175巻(4号)1337〜40頁(2006年))に記載の症候性良性前立腺肥大に対する経尿道的前立腺切除術(TURP)または経膀胱腺腫核摘出により、1977年から1991年の間にスウェーデンのオレブロ大学病院で診断された初期の前立腺癌(T1a−b、Nx、M0)を有する男性からなる。診断でのベースライン評価として、物理的検査、胸部X線、骨スキャンおよび骨格X線検査(必要に応じて)を行った。リンパ節転移段階評価は行わなかった。この評価では遠隔転移の証拠が示されなかったので、患者は診断後最初の2年間は6カ月毎そしてその後12カ月毎に治験、臨床検査および骨スキャンを受けることとした。骨スキャンによる決定で転移のあった患者は、症状のあった場合、アンドロゲン欠乏療法で治療した。
本治験対照母集団は、Andrenらの文献(J. Urol. 175巻(4号)1337〜40頁(2006年))に記載の症候性良性前立腺肥大に対する経尿道的前立腺切除術(TURP)または経膀胱腺腫核摘出により、1977年から1991年の間にスウェーデンのオレブロ大学病院で診断された初期の前立腺癌(T1a−b、Nx、M0)を有する男性からなる。診断でのベースライン評価として、物理的検査、胸部X線、骨スキャンおよび骨格X線検査(必要に応じて)を行った。リンパ節転移段階評価は行わなかった。この評価では遠隔転移の証拠が示されなかったので、患者は診断後最初の2年間は6カ月毎そしてその後12カ月毎に治験、臨床検査および骨スキャンを受けることとした。骨スキャンによる決定で転移のあった患者は、症状のあった場合、アンドロゲン欠乏療法で治療した。
このコホートにおける死亡原因を、研究調査員による医療記録を調べて決定した。スウェーデン死亡記録(Swedish Death Register)と比較した死亡原因に関する検証研究は、90%を超える一致を示し、いずれの死亡原因についても系統的な過小または過剰報告がなかった(Johanssonら、Lancet 1巻(8642号):799〜803頁(1989年))。死亡率についてのコホートの追跡調査は100%であり、いずれの患者についても2005年10月まで追跡できた。本研究の終了点は、遠隔転移の進行または前立腺癌所定の死亡として定義した(追跡時間のメジアンは9.1年であり、最大27年)。
すべてのTURP試料について、過去に報告されたように(J.Urol.175巻(4号):1337〜40頁(2006年))、前立腺癌の診断確認、グリーソンスコアおよび核グレードの決定、および腫瘍量の評価を1人の病理学者により再調査した。組織マイクロアレイを、マニュアル式のアレイヤー(Rubinら、Cancer Epidemiol. Biomarkers Prev. 14巻(6号):1424〜32頁(2005年))を用いて組み立てた。前立腺癌におけるTMPRSS2:ERG再配列の頻度をTomlinsらによりもともと報告されたアッセイ(Science 310巻:644〜8頁(2005年))から生まれた改変蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)アッセイを利用して評価した。この新しいアッセイは5’プローブをテロメア方向におよそ600kb動かした。少なくとも1つのTMAコアを92の前立腺癌の症例で評価することができた。
B.結果
局在化した癌を診断された男性のこの集団ベースのコホートにおいて、TMPRSS2:ERG融合の頻度は15.2%(14/92)であった(図17AおよびB)。TMPRSS2:ERG融合陽性腫瘍は、より高いグリーソンスコア(両側P=.014)を有する可能性が高い(表11)。融合状態と致死性前立腺癌の関係を評価するために、累積罹患率回帰を用いた。累積罹患率(CIR)が3.6(P=.004、95%信頼区間[CI]=1.5〜8.9)である、TMPRSS2:ERG遺伝子融合物の存在と転移または疾患特有の死亡との顕著な関連が観察された(図17C)。グリーソンスコアを調節した場合、CIRは2.4であった(P=.07および95%CI=0.9〜6.1)。本発明は特定の機構に限定されるものではない。実際、機構を理解することは、本発明を実施するのに必要ではない。にもかかわらず、所与の細胞腫瘍の細胞内でのTMPRSS2:ERG遺伝子融合物の均一性および侵襲性前立腺癌のみにおけるその存在(前立腺上皮内腫瘍と比べた場合に)に基づいて、このことは、グリーソンパターンの表現型の影にひそむ生物学に一部寄与する初期の現象であると考えられていた。
局在化した癌を診断された男性のこの集団ベースのコホートにおいて、TMPRSS2:ERG融合の頻度は15.2%(14/92)であった(図17AおよびB)。TMPRSS2:ERG融合陽性腫瘍は、より高いグリーソンスコア(両側P=.014)を有する可能性が高い(表11)。融合状態と致死性前立腺癌の関係を評価するために、累積罹患率回帰を用いた。累積罹患率(CIR)が3.6(P=.004、95%信頼区間[CI]=1.5〜8.9)である、TMPRSS2:ERG遺伝子融合物の存在と転移または疾患特有の死亡との顕著な関連が観察された(図17C)。グリーソンスコアを調節した場合、CIRは2.4であった(P=.07および95%CI=0.9〜6.1)。本発明は特定の機構に限定されるものではない。実際、機構を理解することは、本発明を実施するのに必要ではない。にもかかわらず、所与の細胞腫瘍の細胞内でのTMPRSS2:ERG遺伝子融合物の均一性および侵襲性前立腺癌のみにおけるその存在(前立腺上皮内腫瘍と比べた場合に)に基づいて、このことは、グリーソンパターンの表現型の影にひそむ生物学に一部寄与する初期の現象であると考えられていた。
*TMPRSS2:ERG融合物を有する被験体とTMPRSS2:ERG融合物を持たない被験体の臨床用パラメーターを、連続変数およびカテゴリー変数のそれぞれについてt検定またはχ2乗検定を用いることで比較した。
**グリーソンスコアは、優勢型グリーソンパターンおよび劣勢型グリーソンパターンを加算することで得た。
***1つの症例について、核グレードは評価しなかった。
****2005年10月の時点で少なくとも12年間生存し、転移を発生させなかったあるいは前立腺癌で死亡しなかった個人を長期生存者に分類した。12年未満の期間生存しおよび転移を発生させなかった個人を短期生存者に分類した。
(実施例7)
前立腺癌患者の尿中のTMPRSS2:ETS融合物の検出
A.材料および方法
尿採取、RNA単離および増幅
尿試料は、針生検または根治的前立腺切除術の前に、直腸診後患者から採取した。尿は、DNA/RNA保存料を含む尿採取用のカップ(Sierra Diagnostics)への排尿により採取した。RNAの単離には、少なくとも30mLの尿を4℃で15分間400rpmで遠心分離した。RNAlater(Ambion)を尿沈渣に添加し、RNAが単離するまで、−20℃で保存した。総RNAを、キアゲン社のRNイージーマイクロキットを製造業者の使用説明書に従って使用して単離した。総RNAを、オムニプレックス全トランスクリプトーム増幅(WTA)キット(Rubicon Genomics)を製造業者の使用説明書に従って(Tomlinsら、Neoplasia 8巻:153頁[2006年])用いて増幅した。25ngの総RNAをWTAライブラリー合成に用い、cDNAライブラリーについてWTA PCR増幅を1回行った。増幅産物をキアクイック(QIAquick)PCR精製キット(キアゲン社)を用いて精製した。概念実験の細胞株証明として、記載数のVCaPまたはLNCaP細胞を1mLの滅菌尿中に添加し、これらの試料を排尿採取尿として処理した。
前立腺癌患者の尿中のTMPRSS2:ETS融合物の検出
A.材料および方法
尿採取、RNA単離および増幅
尿試料は、針生検または根治的前立腺切除術の前に、直腸診後患者から採取した。尿は、DNA/RNA保存料を含む尿採取用のカップ(Sierra Diagnostics)への排尿により採取した。RNAの単離には、少なくとも30mLの尿を4℃で15分間400rpmで遠心分離した。RNAlater(Ambion)を尿沈渣に添加し、RNAが単離するまで、−20℃で保存した。総RNAを、キアゲン社のRNイージーマイクロキットを製造業者の使用説明書に従って使用して単離した。総RNAを、オムニプレックス全トランスクリプトーム増幅(WTA)キット(Rubicon Genomics)を製造業者の使用説明書に従って(Tomlinsら、Neoplasia 8巻:153頁[2006年])用いて増幅した。25ngの総RNAをWTAライブラリー合成に用い、cDNAライブラリーについてWTA PCR増幅を1回行った。増幅産物をキアクイック(QIAquick)PCR精製キット(キアゲン社)を用いて精製した。概念実験の細胞株証明として、記載数のVCaPまたはLNCaP細胞を1mLの滅菌尿中に添加し、これらの試料を排尿採取尿として処理した。
定量的PCR
定量的PCR(QPCR)を、本質的に記載される(Tomlinsら、Neoplasia 8巻:153頁[2006年]、Tomlinsら、Science 310巻:644頁[2005年]、および上記実施例1)ように、WTA増幅cDNA由来のERG、ETV1およびTMPRSS2:ERG転写産物を検出するのに用いた。各QPCR反応について、10ngのWTA増幅cDNAを鋳型として用いた。ERG、ETV1、PSA、およびGAPDHの反応には、2×パワーSYBRグリーンマスターミックス(Applied Biosystems)、および25ngのフォワードおよびリバースプライマーを用いた。TMPRSS2:ERGaの反応には、2×タックマンユニバーサルPCRマスターミックスおよび最終濃度900nMのフォワードおよびリバースプライマー、および250nMのプローブを用いた。タックマンアッセイでは、38サイクルを超えるCt値を有する試料は、増幅を示さないと考えた。すべての試料について、ERGとETV1の量は、GAPDHの量に基準化した。尿中の前立腺細胞の乏しい回復を示すPSAの不適切な増幅の試料は、さらなる分析から排除した。ERG(エクソン5 6フォワード)とETV1(エクソン6_7)2、GAPDH3、およびPSA4プライマーは記載の通りである。TMPRSS2:ERGaに対して特異的なタックマンプライマーおよびプローブ(MGB標識)は、以下の通りである:
定量的PCR(QPCR)を、本質的に記載される(Tomlinsら、Neoplasia 8巻:153頁[2006年]、Tomlinsら、Science 310巻:644頁[2005年]、および上記実施例1)ように、WTA増幅cDNA由来のERG、ETV1およびTMPRSS2:ERG転写産物を検出するのに用いた。各QPCR反応について、10ngのWTA増幅cDNAを鋳型として用いた。ERG、ETV1、PSA、およびGAPDHの反応には、2×パワーSYBRグリーンマスターミックス(Applied Biosystems)、および25ngのフォワードおよびリバースプライマーを用いた。TMPRSS2:ERGaの反応には、2×タックマンユニバーサルPCRマスターミックスおよび最終濃度900nMのフォワードおよびリバースプライマー、および250nMのプローブを用いた。タックマンアッセイでは、38サイクルを超えるCt値を有する試料は、増幅を示さないと考えた。すべての試料について、ERGとETV1の量は、GAPDHの量に基準化した。尿中の前立腺細胞の乏しい回復を示すPSAの不適切な増幅の試料は、さらなる分析から排除した。ERG(エクソン5 6フォワード)とETV1(エクソン6_7)2、GAPDH3、およびPSA4プライマーは記載の通りである。TMPRSS2:ERGaに対して特異的なタックマンプライマーおよびプローブ(MGB標識)は、以下の通りである:
蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)
整合する針生検から得た、厚さ4μmのホルマリン固定したパラフィン包理(FFPE)切片を間期蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)に用い、既述のように(実施例2およびTomlinsら、Cancer Res 66巻:3396頁[2006年])、処理およびハイブリダイゼーションした。ERG再配列検出用のBACプローブである、RP11−95I21(ERGに対して5’側)およびRP11−476D17(ERGに対して3’側)を既述のように調製した(Tomlinsら、Cancer Res 66巻:3396頁[2006年];Tomlinsら、Science
310巻:644頁[2005年];上記実施例1および2)。
B.結果
本実施例では、直腸診後の尿に排泄された前立腺癌細胞内のTMPRSS2:ETS融合転写産物の存在により前立腺癌を検出する非侵襲性方法について記載する。結果を図33に示す。概念の証拠として、高レベルのERGおよびTMPRSS2:ERG(VCaP)または高レベルのETV1(LNCaP)を発現する前立腺癌細胞株を添加した滅菌尿を用いた。図33Aに示すように、1,600細胞でVCaP中に排他的に過剰発現したERGと16,000細胞でLNCaP中に排他的に過剰発現したETV1を定量的PCR(QPCR)により検出することができる。
本実施例では、直腸診後の尿に排泄された前立腺癌細胞内のTMPRSS2:ETS融合転写産物の存在により前立腺癌を検出する非侵襲性方法について記載する。結果を図33に示す。概念の証拠として、高レベルのERGおよびTMPRSS2:ERG(VCaP)または高レベルのETV1(LNCaP)を発現する前立腺癌細胞株を添加した滅菌尿を用いた。図33Aに示すように、1,600細胞でVCaP中に排他的に過剰発現したERGと16,000細胞でLNCaP中に排他的に過剰発現したETV1を定量的PCR(QPCR)により検出することができる。
添加したVCaPおよびLNCaP細胞の数をGAPDH Ct(閾値サイクル)値に相関させることにより、いくつかの症例では、直腸診後に患者から採取した尿は、ERGまたはETV1過剰発現を確実に検出するには不十分な細胞数を含有していたことが観察された。したがって、前立腺癌の疑いのある患者の尿から採取した総RNAをQPCR分析の前にオムニプレックス全トランスクリプトーム増幅(OmniPlex Whole
Transcriptome Amplification)により増幅した。この手法を利用して、前立腺癌を検出するために直腸診後で針生検前に尿を採取した、16人の患者のコホートを評価した。続いて行った針生検の評価は、このコホートでは、4人の患者が良性前立腺を有し、1人は高悪性度前立腺上皮内腫瘍(HGPIN)を有し、そして11人が前立腺癌を有していたことを実証した。さらに、直腸診後で根治的前立腺切除術前に尿を採取した、3人の前立腺患者のコホートを評価した。
Transcriptome Amplification)により増幅した。この手法を利用して、前立腺癌を検出するために直腸診後で針生検前に尿を採取した、16人の患者のコホートを評価した。続いて行った針生検の評価は、このコホートでは、4人の患者が良性前立腺を有し、1人は高悪性度前立腺上皮内腫瘍(HGPIN)を有し、そして11人が前立腺癌を有していたことを実証した。さらに、直腸診後で根治的前立腺切除術前に尿を採取した、3人の前立腺患者のコホートを評価した。
コホートの特徴を表12に示す。各尿試料は、固有の患者から得たものであり、認識番号を有する。試料入手源(生検前または根治的前立腺切除術(RP))を示している。針生検後の診断(良性、高悪性度前立腺上皮内腫瘍(HGPIN)、および前立腺癌(PCa)等)を示している。針生検後に前立腺癌と診断された患者については、優勢型グリーソン、劣勢型グリーソン、およびグリーソン合計スコアを示している。すべての患者について、可能なものについては生検前PSA(ng/mL)および年齢を報告している。
前記針生検コホートから、5人の患者がERGの著しい過剰発現を有することが確認され、そのうち1人は針生検でHGPINを有すると診断され、その他の4人は前立腺癌を有すると診断された。前記根治的前立腺切除術コホートからは、前立腺癌を有する3人のうち1人の患者は、高ERG発現を有することが確認された(図33B)。ETV1過剰発現は、いずれのコホートの患者からも検出されなかった。ERGを過剰発現した試料中のTMPRSS2:ERGの発現を確認するため、TMPRSS2:ERGaを特異的に増幅するように設計されたタックマンプライマー/プローブアッセイを利用した。このアッセイは、TMPRSS2:ERGaを発現するVCaP細胞からの産物を強力に増幅する(Tomlinsら、Science 310巻:644頁[2005年])。さらにまた、ERGを過剰発現した前立腺癌を有する患者由来の尿試料の6つのうち5つがTMPRSS2:ERGa(Ct値:29.8〜38.9)も発現したのに対し、ERG過剰発現なしの患者の10試料のうち、TMPRSS2:ERGaを発現したものは無かった。1つの試料はTMPRSS2:ERGaの発現なくERGを過剰発現したので、この試料は、TMPRSS2:ERGbまたはより最近同定された融合転写産物(Sollerら、Genes Chromosomes Cancer 45巻:717頁[2006年];Yoshimotoら、Neoplasia 8巻:465頁:2006年)等の融合転写産物のその他のアイソフォームを発現しているようである。TMPRSS2:ERG融合転写産物の存在がTMPRSS2:ERG陽性癌性組織の存在を示すことを確認するため、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)を、代表的な症例より得た整合した組織切片上でERG配列を検出するように設計されたプローブを用いて実施した。整合した組織は、検出可能なTMPRSS2:ERG転写産物を尿中に有し癌と診断された3人の患者から得たものであり、1人は検出可能なTMPRSS2:ERG転写産物を尿中に含有し、高悪性度のPINと診断され、そして2人の患者は検出可能なTMPRSS2:ERG転写産物を持たず癌と診断されている。図33Bに示すように、癌と診断されたが検出可能なTMPRSS2:ERG転写産物を自身の尿に含有しない患者の両人は、FISHでは癌性組織中のERG再配列を有さなかった。癌と診断されかつ検出可能なTMPRSS2:ERG転写産物を自身の尿中に含有する3人の患者はすべて、癌性組織中のERG再配列もFISHにより示した。最後に、高悪性度PINと診断され、検出可能なTMPRSS2:ERGを自身の尿に有する患者は、高悪性度PIN組織中にERG再配列を示さなかった。このことは、この患者が前立腺のどこかに未診断の癌を有しているかもしれず、このためこれらの尿中に検出可能なTMPRSS2:ERG転写産物が存在することになったことを示している。
(実施例8)
前立腺癌におけるTMPRSS2とETSファミリー遺伝子の融合
本検討では、臨床的に局在化した前立腺癌を手術により治療したアメリカ人男性111人からなるスクリーニングベースのコホートにおける、TMPRSS2とETSファミリー遺伝子の再配列の頻度に関する包括的な分析について記載する。
前立腺癌におけるTMPRSS2とETSファミリー遺伝子の融合
本検討では、臨床的に局在化した前立腺癌を手術により治療したアメリカ人男性111人からなるスクリーニングベースのコホートにおける、TMPRSS2とETSファミリー遺伝子の再配列の頻度に関する包括的な分析について記載する。
A.材料および方法
治験対象母集団、臨床的データ、および前立腺試料の収集
臨床的に局在化した前立腺癌の供給源として、癌を示す組織マイクロアレイ(TMA)含有コアおよび良性組織を、ミシガン大学で初期単独治療(すなわち、アジュバントまたはネオアジュバントの無いホルモンまたは放射線療法)として根治的前立腺切除術を受けた111人の男性から構築した。根治的前立腺切除術系列は、ミシガン大学前立腺癌専門優良研究プログラム(SPORE)組織コアの一部である。TMAを構築するため、3つのコア(直径0.6mm)を各代表組織ブロックから取り出した。TMA構築プロトコールについては、文献(Kononenら、Nat. Med. 4巻:844頁[1998年];Rubinら、Am. J. Surg. Pathol. 26巻:312頁[2002年])に記載されている。詳細な臨床的、病理学的、およびTMAデータは、既述の確実な関連データベースに保存されている(Manleyら、Am J. Pathol. 159巻:837頁[2001年])。
治験対象母集団、臨床的データ、および前立腺試料の収集
臨床的に局在化した前立腺癌の供給源として、癌を示す組織マイクロアレイ(TMA)含有コアおよび良性組織を、ミシガン大学で初期単独治療(すなわち、アジュバントまたはネオアジュバントの無いホルモンまたは放射線療法)として根治的前立腺切除術を受けた111人の男性から構築した。根治的前立腺切除術系列は、ミシガン大学前立腺癌専門優良研究プログラム(SPORE)組織コアの一部である。TMAを構築するため、3つのコア(直径0.6mm)を各代表組織ブロックから取り出した。TMA構築プロトコールについては、文献(Kononenら、Nat. Med. 4巻:844頁[1998年];Rubinら、Am. J. Surg. Pathol. 26巻:312頁[2002年])に記載されている。詳細な臨床的、病理学的、およびTMAデータは、既述の確実な関連データベースに保存されている(Manleyら、Am J. Pathol. 159巻:837頁[2001年])。
間期蛍光インサイチュハイブリダイゼーションアッセイを利用したTMPRSS2−ETS遺伝子融合の評価
厚さ4μmの組織マイクロアレイ切片を、間期蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)に用い、既述のように処理およびハイブリダイゼーションした(Tomlinsら、Science 310巻:644頁[2005年];Tomlinsら、Cancer Res 66巻:3396頁[2006年])。スライドをAxioplanイメージングZ1顕微鏡(Carl Zeiss)を用いて観察し、メタアファー(Metafer)イメージ分析システム(Meta Systems、Altlussheim、Germany)でアイシス(ISIS)ソフトウェアシステムを利用し、CCDカメラで撮像した。形態学的に無傷のおよび非オーバーラップ核の状態で、FISHシグナルを病理学者により手作業で評価し(100x油浸)、1つ症例からの3つのコアにある少なくとも30細胞または最大数の癌細胞を記録した。30個の評価可能な細胞のない症例は、不十分なハイブリダイゼーションとして報告した。すべてのBACは、BACPAC Resource Center(Oakland、CA)から入手し、プローブ位置は、正常な末梢リンパ球の中期スプレッドとのハイブリダイゼーションにより検証した。TMPRSS2、ERG、およびETV4再配列の検出については、以下のプローブを用いた。すなわち、RP11−35C4(TMPRSS2に対して5’側)、およびRP11−120C17(TMPRSS2に対して3’側)、RP11−95I21(ERGに対して5’側)、およびRP11−476D17(ERGに対して3’側)、およびRP11−100E5(ETV4に対して5’側)、およびRP11−436J4(ETV4に対して3’側)。TMPSS2−ETV1融合物の検出については、RP11−35C4(TMPRSS2に対して5’側)をRP11−124L22(ETV1に対して3’側)と共に用いた。BAC DNAをQIAフィルターマキシプレップキット(Qiagen、Valencia、CA)を用いて単離し、プローブをジゴキシゲニン−またはビオチンニックトランスレーションミックス(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)を用いて合成した。ジゴキシゲニンおよびビオチン標識されたプローブを、フルオレセインをコンジュゲートしたジゴキシゲニン抗体(Roche Applied Science)、およびAlexa594をコンジュゲートしたストレプトアビジン(Invitrogen、Carlsbad、CA)をそれぞれ用いて検出した。
厚さ4μmの組織マイクロアレイ切片を、間期蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)に用い、既述のように処理およびハイブリダイゼーションした(Tomlinsら、Science 310巻:644頁[2005年];Tomlinsら、Cancer Res 66巻:3396頁[2006年])。スライドをAxioplanイメージングZ1顕微鏡(Carl Zeiss)を用いて観察し、メタアファー(Metafer)イメージ分析システム(Meta Systems、Altlussheim、Germany)でアイシス(ISIS)ソフトウェアシステムを利用し、CCDカメラで撮像した。形態学的に無傷のおよび非オーバーラップ核の状態で、FISHシグナルを病理学者により手作業で評価し(100x油浸)、1つ症例からの3つのコアにある少なくとも30細胞または最大数の癌細胞を記録した。30個の評価可能な細胞のない症例は、不十分なハイブリダイゼーションとして報告した。すべてのBACは、BACPAC Resource Center(Oakland、CA)から入手し、プローブ位置は、正常な末梢リンパ球の中期スプレッドとのハイブリダイゼーションにより検証した。TMPRSS2、ERG、およびETV4再配列の検出については、以下のプローブを用いた。すなわち、RP11−35C4(TMPRSS2に対して5’側)、およびRP11−120C17(TMPRSS2に対して3’側)、RP11−95I21(ERGに対して5’側)、およびRP11−476D17(ERGに対して3’側)、およびRP11−100E5(ETV4に対して5’側)、およびRP11−436J4(ETV4に対して3’側)。TMPSS2−ETV1融合物の検出については、RP11−35C4(TMPRSS2に対して5’側)をRP11−124L22(ETV1に対して3’側)と共に用いた。BAC DNAをQIAフィルターマキシプレップキット(Qiagen、Valencia、CA)を用いて単離し、プローブをジゴキシゲニン−またはビオチンニックトランスレーションミックス(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)を用いて合成した。ジゴキシゲニンおよびビオチン標識されたプローブを、フルオレセインをコンジュゲートしたジゴキシゲニン抗体(Roche Applied Science)、およびAlexa594をコンジュゲートしたストレプトアビジン(Invitrogen、Carlsbad、CA)をそれぞれ用いて検出した。
分断(TMPRSS2、ERG、ETV4)または融合(TMPRSS2−ETV1)プローブ手法を染色体レベルでの再配列を検出するために用いた。DAPI染色核におけるTMPRSS2、ERG、およびETV4についての正常なシグナルを、2対の共存した緑および赤のシグナルにより示した。これらのプローブについて、再配列をこの2つの共存したシグナルの1つを分離することで確認した。TMPRSS2−ETV1融合物については、2対の赤と緑の分離シグナルを正常値として記録し、1対の分離シグナルと1対の共存したシグナルを再配列として記録した。
B.結果と考察
本実施例では、臨床的に局在化した前立腺癌を外科的に処置したアメリカ人男性の大きなスクリーニングベースのコホートにおけるTMPRSS2とETS転写因子遺伝子再配列のシグネチャーの概要を描く包括的な分析について説明する。TMPRSS2分断プローブFISH分析アプローチを、図34に示すように、公知のETSファミリーパートナーであるERG、ETV1、ETV4とその他の未知のパートナーを有する前立腺癌における遺伝子再配列の全体的な頻度を検出するのに用いた。3つの公知のETSパートナー(ERG、ETV1、およびETV4)に対して陰性である前立腺癌は、その他のETSファミリーメンバーに関わる再配列を有している可能性があると仮定した。これらの結果は、臨床的に局在化した前立腺癌におけるTMPRSSとETSファミリー遺伝子再配列が、複合分子シグネチャーを示した(図35AおよびB)。全体的なTMPRSS2が評価可能な症例の65%で再配列したのに対し、ERG、ETV1およびETV4が評価可能な症例の55%、2%および2%で再配列した(図35A)。TMPRSS2再配列を有する症例の40.5%において、3’プローブの損失が観察され、これは遺伝子融合の機構としてのTMPRSS2とERGとの間の染色体欠失と一致している。これらの結果は、前立腺癌における高頻度のTMPRSS2:ETS融合を確認し、TMPRSS2:ERGがきわめて共通の型であることを示す過去の研究を立証している(Tomlinsら、Science 310巻:644頁;Pernerら、Cancer Res 66巻:3396頁[2006年];Yoshimotoら、Neoplasia 8巻:4665頁[2006年];Sollerら、Genes Chromosomes Cancer 45巻:717頁[2006年];Wangら、Cancer Res 66巻:8347頁[2006年]および上述の実施例)。
本実施例では、臨床的に局在化した前立腺癌を外科的に処置したアメリカ人男性の大きなスクリーニングベースのコホートにおけるTMPRSS2とETS転写因子遺伝子再配列のシグネチャーの概要を描く包括的な分析について説明する。TMPRSS2分断プローブFISH分析アプローチを、図34に示すように、公知のETSファミリーパートナーであるERG、ETV1、ETV4とその他の未知のパートナーを有する前立腺癌における遺伝子再配列の全体的な頻度を検出するのに用いた。3つの公知のETSパートナー(ERG、ETV1、およびETV4)に対して陰性である前立腺癌は、その他のETSファミリーメンバーに関わる再配列を有している可能性があると仮定した。これらの結果は、臨床的に局在化した前立腺癌におけるTMPRSSとETSファミリー遺伝子再配列が、複合分子シグネチャーを示した(図35AおよびB)。全体的なTMPRSS2が評価可能な症例の65%で再配列したのに対し、ERG、ETV1およびETV4が評価可能な症例の55%、2%および2%で再配列した(図35A)。TMPRSS2再配列を有する症例の40.5%において、3’プローブの損失が観察され、これは遺伝子融合の機構としてのTMPRSS2とERGとの間の染色体欠失と一致している。これらの結果は、前立腺癌における高頻度のTMPRSS2:ETS融合を確認し、TMPRSS2:ERGがきわめて共通の型であることを示す過去の研究を立証している(Tomlinsら、Science 310巻:644頁;Pernerら、Cancer Res 66巻:3396頁[2006年];Yoshimotoら、Neoplasia 8巻:4665頁[2006年];Sollerら、Genes Chromosomes Cancer 45巻:717頁[2006年];Wangら、Cancer Res 66巻:8347頁[2006年]および上述の実施例)。
同様の結果は、すべての4つのプローブが評価可能であったこれらの症例のみに(図35AおよびB)コホートが限られる場合に、観察された。いずれの症例も複数のETSファミリーメンバーの再配列を示さなかったので、本分析でTMPRSS2:ETS再配列が相互排他的であることが確認された。ERG、ETV1またはETV4再配列を有する24症例のうち23症例がTMPRSS2アッセイにより検出されたので、本分析が単一のTMPRSS2アッセイがほぼすべてのETS再配列を効果的に検出できることも実証した。5’ERGプローブが消失したすべての9つの症例において、3’TMPRSS2プローブの欠失が同定された。
さらに、TMPRSS2プローブの分断により2つの症例が同定され、これは、ERG、ETV1またはETV4の再配列を伴わない再配列(症例32および36)、ならびにTMPRSS2再配列を有するがERG再配列を有さず、ETV1および/またはETV4が評価できなかった症例を示した。これらの症例は、前立腺において、TMPRSS2が、新規ETSファミリーメンバーまたは関係のない癌遺伝子と対を作ることを示している。これらのことから、これらの結果は、単一のTMPRSS2アッセイが前立腺癌における診断および予後の情報を与えることができることを示唆している。
(実施例9)
PSA遺伝子融合
FISH実験を、PSAに対し5’および3’に位置するプローブについて分断シグナルを示す症例をFISHにより同定するために用いた。PSA分断を検出するのに用いた5’および3’BACはそれぞれRP11−510I16およびRP11−26P14である。PSA遺伝子融合についてのパートナーはいまだ同定されていない。これらの同じプローブは、PSAのごく近傍に位置しているため、ETSファミリーメンバーSPIB内の分断もとらえる。
PSA遺伝子融合
FISH実験を、PSAに対し5’および3’に位置するプローブについて分断シグナルを示す症例をFISHにより同定するために用いた。PSA分断を検出するのに用いた5’および3’BACはそれぞれRP11−510I16およびRP11−26P14である。PSA遺伝子融合についてのパートナーはいまだ同定されていない。これらの同じプローブは、PSAのごく近傍に位置しているため、ETSファミリーメンバーSPIB内の分断もとらえる。
(実施例10)
FLI1過剰発現
FLI1発現を、FLI1遺伝子融合を有していない異なる細胞試料で評価した。FLI1の5’および3’エクソン発現を高FLI1発現を有する症例から測定した。結果を図18に示す。5’および3’転写産物の存在量に差異は検出されなかった。RACEでも融合転写産物を示さなかった。FLI1は、対照試料と比較して前立腺癌において過剰発現された。Fli1増幅のためのプライマーを、タックマンプローブと共に図37に示す。
FLI1過剰発現
FLI1発現を、FLI1遺伝子融合を有していない異なる細胞試料で評価した。FLI1の5’および3’エクソン発現を高FLI1発現を有する症例から測定した。結果を図18に示す。5’および3’転写産物の存在量に差異は検出されなかった。RACEでも融合転写産物を示さなかった。FLI1は、対照試料と比較して前立腺癌において過剰発現された。Fli1増幅のためのプライマーを、タックマンプローブと共に図37に示す。
FISHを、再配列を示すFLI1についての分断シグナルを有する試料を同定するのに用いたが、これらの症例は、FISHによるTMPRSS2:FLI1融合物を有していない。BACプローブを表13に示す。これらの症例は、高FLI1発現も有する。
(実施例11)
組織マイクロアレイ
組織マイクロアレイを遺伝子融合物の存在についての分析に使用した。用いたTMAは、前立腺癌進行アレイ,前立腺癌予後評価アレイ、温式生検アレイ,前立腺癌スクリーニングアレイ、Erg陰性前立腺癌アレイ、および個々の前立腺癌の症例である。以下の遺伝子プローブを組織マイクロアレイ上で使用した。すなわち、TMPRSS2−ETV1融合プローブ、Erg分断プローブ、TMPRSS2分断プローブ、ETV1分断プローブ、ETV4分断プローブ、およびFL1分断プローブを使用した。
組織マイクロアレイ
組織マイクロアレイを遺伝子融合物の存在についての分析に使用した。用いたTMAは、前立腺癌進行アレイ,前立腺癌予後評価アレイ、温式生検アレイ,前立腺癌スクリーニングアレイ、Erg陰性前立腺癌アレイ、および個々の前立腺癌の症例である。以下の遺伝子プローブを組織マイクロアレイ上で使用した。すなわち、TMPRSS2−ETV1融合プローブ、Erg分断プローブ、TMPRSS2分断プローブ、ETV1分断プローブ、ETV4分断プローブ、およびFL1分断プローブを使用した。
さらに、Erg分断プローブを予後評価アレイ上に用いた。これらの結果は以下の通りである。すなわち、陰性の症例:30、陽性の症例:29、境界の症例:1。Erg陽性の症例の比較的高いグリーソンスコア(≧7)との関連は低かった。
タンパク質アレイおよび質量分析をERG2についての核相互作用因子を同定するのに使用した。これらの結果を図21に示す。
(実施例12)
Erg発現のアンドロゲン制御 本実施例では、Erg発現のアンドロゲン制御について記載する。LNCap(TMPRSS2−ERG−)、およびVCaP(TMPRSS2−ERG+)細胞株を用いた。これらの細胞を異なる量のR1881と48時間接触させた。Erg、PSA(+(陽性)対照)、およびβ−チューブリン(−(陰性)対照)の発現を評価した。これらの結果を図19に示す。ERG発現は、VCaPにおいてはアンドロゲン依存であるが、LNCap細胞ではアンドロゲン依存ではないことが分かった。
Erg発現のアンドロゲン制御 本実施例では、Erg発現のアンドロゲン制御について記載する。LNCap(TMPRSS2−ERG−)、およびVCaP(TMPRSS2−ERG+)細胞株を用いた。これらの細胞を異なる量のR1881と48時間接触させた。Erg、PSA(+(陽性)対照)、およびβ−チューブリン(−(陰性)対照)の発現を評価した。これらの結果を図19に示す。ERG発現は、VCaPにおいてはアンドロゲン依存であるが、LNCap細胞ではアンドロゲン依存ではないことが分かった。
(実施例13)
ペプチド抗体およびアクアプローブの作製
図22〜25は、ペプチド抗体作製およびアクアプローブの作製における使用のためのERG1、ETV1、FLI−1、およびETV4の配列(下線部)を示す。プライマーは、すべてのETSファミリーメンバー用にApplied Biosystemsにより設計されたものである。発現を前立腺癌の症例においてモニターし、高発現は、可能な遺伝子融合の指標およびFISHのための指標である。
ペプチド抗体およびアクアプローブの作製
図22〜25は、ペプチド抗体作製およびアクアプローブの作製における使用のためのERG1、ETV1、FLI−1、およびETV4の配列(下線部)を示す。プライマーは、すべてのETSファミリーメンバー用にApplied Biosystemsにより設計されたものである。発現を前立腺癌の症例においてモニターし、高発現は、可能な遺伝子融合の指標およびFISHのための指標である。
(実施例14)
LnCaP細胞におけるETV1
本実施例では、VCaPおよびLNCaPにおけるアンドロゲンに対する転写応答の分析について記載する。PSA等の両細胞株で異なって発現された転写産物の数を検出することに加え、VCaPまたはLNCaP細胞において独自に調節不全な転写産物の数も同定した。本分析は、ETV1がLNCaP細胞内でアンドロゲンに対し排他的に応答性を示すことを立証した。LNCaP細胞におけるETV1の過剰発現と合わせて、FISHをLNCaP細胞におけるETV1遺伝子座を調べるのに用いた。
LnCaP細胞におけるETV1
本実施例では、VCaPおよびLNCaPにおけるアンドロゲンに対する転写応答の分析について記載する。PSA等の両細胞株で異なって発現された転写産物の数を検出することに加え、VCaPまたはLNCaP細胞において独自に調節不全な転写産物の数も同定した。本分析は、ETV1がLNCaP細胞内でアンドロゲンに対し排他的に応答性を示すことを立証した。LNCaP細胞におけるETV1の過剰発現と合わせて、FISHをLNCaP細胞におけるETV1遺伝子座を調べるのに用いた。
A.材料および方法
細胞株
前立腺癌細胞株LNCaP(リンパ節前立腺癌転移由来)、およびVCaP(Korenchuk, S.ら、In vivo 15巻、163〜8頁(2001年))(椎骨前立腺癌転移由来)を本検討に用いた。マイクロアレイ研究については、VCaPおよびLNCaP細胞を、0.1%エタノール、またはエタノールに溶解した1nMの合成アンドロゲンメチルトリエノロン(R1881、NEN Life Science Products、Boston、MA)を用いた48時間の処理の前に、活性炭処理済血清含有培地中で24時間増殖させた。定量的PCR(QPCR)研究に関しては、細胞の増殖を、活性炭処理済血清含有培地中で24時間、0.1%エタノール、アセトンに溶解したカソデックス(Casodex)(10μM、ビカルタミド、AstraZeneca Pharmaceuticals、Wilmington、DE)またはエタノールに溶解したフルタミド(10μM、Sigma、St.Louis、MO)と共に予備インキュベートして行った。2時間後、0.1%エタノールまたは0.5nMのR1881を添加し、細胞を48時間後に回収した。総RNAをすべての試料から製造業者の使用説明書に従ってトリゾール(Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いて単離した。RNA完全性を、変性ホルムアルデヒドゲル電気泳動またはAgilentのバイオアナライザー2100(Agilent Technologies、Palo Alto、CA)により確認した。
細胞株
前立腺癌細胞株LNCaP(リンパ節前立腺癌転移由来)、およびVCaP(Korenchuk, S.ら、In vivo 15巻、163〜8頁(2001年))(椎骨前立腺癌転移由来)を本検討に用いた。マイクロアレイ研究については、VCaPおよびLNCaP細胞を、0.1%エタノール、またはエタノールに溶解した1nMの合成アンドロゲンメチルトリエノロン(R1881、NEN Life Science Products、Boston、MA)を用いた48時間の処理の前に、活性炭処理済血清含有培地中で24時間増殖させた。定量的PCR(QPCR)研究に関しては、細胞の増殖を、活性炭処理済血清含有培地中で24時間、0.1%エタノール、アセトンに溶解したカソデックス(Casodex)(10μM、ビカルタミド、AstraZeneca Pharmaceuticals、Wilmington、DE)またはエタノールに溶解したフルタミド(10μM、Sigma、St.Louis、MO)と共に予備インキュベートして行った。2時間後、0.1%エタノールまたは0.5nMのR1881を添加し、細胞を48時間後に回収した。総RNAをすべての試料から製造業者の使用説明書に従ってトリゾール(Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いて単離した。RNA完全性を、変性ホルムアルデヒドゲル電気泳動またはAgilentのバイオアナライザー2100(Agilent Technologies、Palo Alto、CA)により確認した。
マイクロアレイ分析
本検討で用いたcDNAマイクロアレイは、アレイが32,448の特徴(feature)を含むこと意外は、本質的に既述のように構築した。アレイのプリントおよび後処理のためのプロトコールは、インターネット上で入手できる。cDNAマイクロアレイ分析を基本的に既述のように行った。要約すると、対照およびR1881で処理したVCaPおよびLNCaP細胞株由来の総RNAを逆転写し、cy5蛍光色素で標識した。対照VCaPまたはLNCaP試料から得たプールした総RNAを逆転写し、それぞれの細胞株由来のすべてのハイブリダイゼーションに対してcy3蛍光色素で標識した。その後、標識産物を混合し、cDNAアレイとハイブリダイゼーションした。イメージを、Genepixソフトウェアパッケージ(Axon Instruments Inc、Union City、CA)を用い、フラグ付けおよび標準化した。データをアレイ単位でメジアンを中心にし、試料の少なくとも80%に存在する発現値を有した遺伝子のみを本分析に用いた。
本検討で用いたcDNAマイクロアレイは、アレイが32,448の特徴(feature)を含むこと意外は、本質的に既述のように構築した。アレイのプリントおよび後処理のためのプロトコールは、インターネット上で入手できる。cDNAマイクロアレイ分析を基本的に既述のように行った。要約すると、対照およびR1881で処理したVCaPおよびLNCaP細胞株由来の総RNAを逆転写し、cy5蛍光色素で標識した。対照VCaPまたはLNCaP試料から得たプールした総RNAを逆転写し、それぞれの細胞株由来のすべてのハイブリダイゼーションに対してcy3蛍光色素で標識した。その後、標識産物を混合し、cDNAアレイとハイブリダイゼーションした。イメージを、Genepixソフトウェアパッケージ(Axon Instruments Inc、Union City、CA)を用い、フラグ付けおよび標準化した。データをアレイ単位でメジアンを中心にし、試料の少なくとも80%に存在する発現値を有した遺伝子のみを本分析に用いた。
定量的PCR(QPCR)
QPCRを文献(Tomlinsら、Cancer Res 66巻、3396〜400頁(2006年);Tomlinsら、Science 310巻、644〜8頁(2005年))に記載のように、Applied Biosystemsの7300リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems、Foster City、CA)でSYBRグリーンの色素を用いて行った。各試料のハウスキーピング遺伝子グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)に対する各標的遺伝子の量を報告した。各細胞株および/または実験における標的遺伝子の相対量は、対照に対し較正した。すべてのオリゴヌクレオチドプライマーは、Integrated DNA Technologies(Coralville、IA)により合成されたものである。GAPDH(Vandesompeleら、Genome Biol 3巻、RESEARCH0034(2002年))、PSA(Spechtら、Am J Pathol 158巻、419〜29頁(2001年))、ERG(エクソン5−6_fおよびエクソン5−6_r)およびETV1(エクソン6−7_fおよびエクソン6−7_r)、プライマー(Tomlinsら、Science 310巻、644〜8頁(2005年))は、記載の通りである。
QPCRを文献(Tomlinsら、Cancer Res 66巻、3396〜400頁(2006年);Tomlinsら、Science 310巻、644〜8頁(2005年))に記載のように、Applied Biosystemsの7300リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems、Foster City、CA)でSYBRグリーンの色素を用いて行った。各試料のハウスキーピング遺伝子グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)に対する各標的遺伝子の量を報告した。各細胞株および/または実験における標的遺伝子の相対量は、対照に対し較正した。すべてのオリゴヌクレオチドプライマーは、Integrated DNA Technologies(Coralville、IA)により合成されたものである。GAPDH(Vandesompeleら、Genome Biol 3巻、RESEARCH0034(2002年))、PSA(Spechtら、Am J Pathol 158巻、419〜29頁(2001年))、ERG(エクソン5−6_fおよびエクソン5−6_r)およびETV1(エクソン6−7_fおよびエクソン6−7_r)、プライマー(Tomlinsら、Science 310巻、644〜8頁(2005年))は、記載の通りである。
蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)
中期スプレッドを、標準的な手法により、正常な末梢リンパ球(NPLs)およびLNCaP細胞から調製した。スライドを、2倍濃度のSSCで2分間、70%エタノールで2分間、そしてプローブの添加前に100%エタノールで2分間処理した。スライドをカバースリップでカバーし、75℃で2分間インキュベートし、そして一晩37℃でハイブリダイゼーションした。ハイブリダイゼーション後の洗浄を2倍濃度のSSCで42℃にて5分間行い、その後PBST中で3回洗浄した。蛍光検出を、フルオレセインにコンジュゲートした抗ジゴキシゲニン(ロシュアプライドサイエンス社、インディアナ州インディアナポリス)およびAlexaFluor594にコンジュゲートしたストレプトアビジン(Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いて実施した。スライドを対比染色し、DAPI含有ProLong Gold退色防止試薬(Invitrogen)中においた。スライドをツァイスAxio ImagerZ1蛍光顕微鏡(Zeiss、Thornwood、NY)を用いて観察し、ISISソフトウェア(Metasystems、Altlussheim、Germany)を用いてCCDカメラで撮像した。
中期スプレッドを、標準的な手法により、正常な末梢リンパ球(NPLs)およびLNCaP細胞から調製した。スライドを、2倍濃度のSSCで2分間、70%エタノールで2分間、そしてプローブの添加前に100%エタノールで2分間処理した。スライドをカバースリップでカバーし、75℃で2分間インキュベートし、そして一晩37℃でハイブリダイゼーションした。ハイブリダイゼーション後の洗浄を2倍濃度のSSCで42℃にて5分間行い、その後PBST中で3回洗浄した。蛍光検出を、フルオレセインにコンジュゲートした抗ジゴキシゲニン(ロシュアプライドサイエンス社、インディアナ州インディアナポリス)およびAlexaFluor594にコンジュゲートしたストレプトアビジン(Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いて実施した。スライドを対比染色し、DAPI含有ProLong Gold退色防止試薬(Invitrogen)中においた。スライドをツァイスAxio ImagerZ1蛍光顕微鏡(Zeiss、Thornwood、NY)を用いて観察し、ISISソフトウェア(Metasystems、Altlussheim、Germany)を用いてCCDカメラで撮像した。
いずれのBACもBACPACリソースセンター(Oakland、CA)より入手したものであり、プローブ位置を正常な末梢リンパ球の中期スプレッドとのハイブリダイゼーションにより確認した。第7染色体p上のETV1領域とのハイブリダイゼーションのために、4つのBAC(テロメアからセントロメア)、すなわちRP11−124L22、RP11−313C20、RP11−703A4、およびRP11−1149J13を用いた。第14染色体qに対する局在化については、FISHによりBAC RP11−483K13をマッピングし、またこれが14qとハイブリダイゼーションすることも、本発明者らはNPLを用いて確認した。BAC DNAをQIAフィルターマキシプレップキット(Qiagen、Valencia、CA)を用いて単離し、プローブをジゴキシゲニン−またはビオチンニックトランスレーションミックス(Roche Applied Science)を用いて合成した。
B.結果
結果を図26〜28に示す。図26は、LNCaP前立腺癌細胞株におけるETV1の過剰発現およびアンドロゲン制御を示す。図26Aは、VCaPおよびLNCaP前立腺癌細胞株におけるアンドロゲン調節遺伝子の発現シグネチャーを示す。遺伝子のヒートマップは、媒体のみでの治療(灰色)と比較した、1nMの合成アンドロゲンR1881(緑)によるいずれかの細胞株(特徴数3,499、p<0.05および変化倍率>=1.5)における誘発または抑制を示す。各列は遺伝子、各列は試料を示す。黄色および青色の細胞は、カラースケールに従い、過剰または過小発現をそれぞれ示す。灰色の細胞は、欠測データを示す。各細胞株についての値は、対応する対照試料を中心に示している。ヒートマップ中でPSA、ERG、およびETV1の位置を示し、これらの発現を挿入図中に示している。図26Bは、定量的PCR(QPCR)による、VCaPおよびLNCaP細胞の両細胞におけるアンドロゲンによるPSA誘発を示す。LNCaP(赤色)、およびVCaP(青色)細胞株におけるPSA(GAPDHに対し標準化)の相対発現をQPCRにより決定した。細胞を、媒体または1nMのR1881で48時間、抗アンドロゲンカソデックスまたはフルタミドの存在または非存在下で記載どおりに処理した。各試料におけるPSAの相対量を、各細胞株に対する対照試料中の量に対して較正した。図26Cは、LNCaP細胞におけるアンドロゲンによるETV1誘発を示す。Bと同じ試料を用いて、ETV1の相対量をQPCRにより決定した。図26Dは、ETV1がLNCaP細胞中で顕著に過剰発現されていることを示す。PSA、ETV1およびERGの相対発現を、QPCRにより各細胞株由来の48時間対照試料で決定した。各試料における標的遺伝子の相対量を、両細胞株由来のPSAの平均量に対して較正した。LNCaPとVCaPでのERGとETV1発現における差の倍率を示す。
結果を図26〜28に示す。図26は、LNCaP前立腺癌細胞株におけるETV1の過剰発現およびアンドロゲン制御を示す。図26Aは、VCaPおよびLNCaP前立腺癌細胞株におけるアンドロゲン調節遺伝子の発現シグネチャーを示す。遺伝子のヒートマップは、媒体のみでの治療(灰色)と比較した、1nMの合成アンドロゲンR1881(緑)によるいずれかの細胞株(特徴数3,499、p<0.05および変化倍率>=1.5)における誘発または抑制を示す。各列は遺伝子、各列は試料を示す。黄色および青色の細胞は、カラースケールに従い、過剰または過小発現をそれぞれ示す。灰色の細胞は、欠測データを示す。各細胞株についての値は、対応する対照試料を中心に示している。ヒートマップ中でPSA、ERG、およびETV1の位置を示し、これらの発現を挿入図中に示している。図26Bは、定量的PCR(QPCR)による、VCaPおよびLNCaP細胞の両細胞におけるアンドロゲンによるPSA誘発を示す。LNCaP(赤色)、およびVCaP(青色)細胞株におけるPSA(GAPDHに対し標準化)の相対発現をQPCRにより決定した。細胞を、媒体または1nMのR1881で48時間、抗アンドロゲンカソデックスまたはフルタミドの存在または非存在下で記載どおりに処理した。各試料におけるPSAの相対量を、各細胞株に対する対照試料中の量に対して較正した。図26Cは、LNCaP細胞におけるアンドロゲンによるETV1誘発を示す。Bと同じ試料を用いて、ETV1の相対量をQPCRにより決定した。図26Dは、ETV1がLNCaP細胞中で顕著に過剰発現されていることを示す。PSA、ETV1およびERGの相対発現を、QPCRにより各細胞株由来の48時間対照試料で決定した。各試料における標的遺伝子の相対量を、両細胞株由来のPSAの平均量に対して較正した。LNCaPとVCaPでのERGとETV1発現における差の倍率を示す。
図27は、LNCaP細胞におけるETV1の再配列を示す。図27Aは、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)でプローブとして使用したBACの模式図である。7p21および14q32での位置と座標(ETV1遺伝子座および周囲BACを含む)を、UCSCゲノムブラウザーを用いて2004年5月凍結のヒトゲノムで決定した。本研究で用いたBACを番号の付いた長方形で示す。ETV1およびDGKBの位置を転写の方向を示す矢印で示す。図27Bは、正常な末梢リンパ球(NPL)における第7染色体へのRP11−124L22およびRP11−1149J13同時局在化を示す。中期スプレッド(上段パネル)または間期細胞(下段パネル)上でのRP11−124L22(BAC#1)およびRP11−1149J13(BAC#4)の局在化をNPL中でFISHにより決定した。すべての中期の写真について、第7染色体上のシグナルを矢印で示し、第14染色体上のシグナルを対応するプローブの色の矢印で示す。中期スプレッドの情報領域のより高い倍率での拡大図を囲み部分に示す。図27Cは、中期スプレッド(上段パネル)上および間期細胞(下段パネル)でのBAC#1およびBAC#4の局在化が、ほぼ4倍体のLNCaP細胞株で決定されたことを示している。第7染色体上の2つの同時に局在化したシグナル、第7染色体上の2つの赤色シグナル、および異なる染色体上の2つの緑色シグナルが観察された。図27Dは、LNCaP細胞における、第14染色体に局在化したRP11−124L22由来のシグナルを示す。同図Cに示すように、RP11−124L22(BAC#1)以外は、LNCaP中期スプレッド上でRP11−483K13(BAC#5、第14染色体qにFISHマッピング)と同時にハイブリダイゼーションした。RP11−483K13由来の4つの赤色シグナルは第14染色体qに局在し、2つの緑のシグナルは7番染色体pに局在し、2つの緑のシグナルは第14染色体qに局在している。
図28は、ETV1遺伝子座全体がLNCaP細胞内の第14染色体に挿入されていることを示す。図28Aは、この実験で用いたBACの模式図である。図28Bは、中期スプレッド(上段パネル)におけるRP11−124L22(BAC#1)および間期細胞(下段パネル)におけるRP11−313C20(BAC#2)の局在化が、LNCaP細胞においてFISHにより決定されたことを示している。中期スプレッドでは、2対の同時局在化したシグナルは第7染色体(黄色矢印)および第14染色体(黄色矢印)で観察された。
これらの結果は、ETV1遺伝子座全体が第7染色体から第14染色体に転座していることを実証している。第14染色体上の挿入断片上流のゲノム配列が未知であっても、この領域は、LNCaP細胞でのみ観察される高レベルのETV1とアンドロゲン応答性を誘発するAREをおそらく有すると思われる。これらの結果は、LNCaP細胞に、ヒト前立腺癌に見られるETS遺伝子融合のin vitroモデルとしての用途があることを示唆している。
(実施例15)
前立腺癌におけるETSファミリーメンバーのノックダウン
本実施例では、前立腺癌におけるETSファミリーメンバーのノックダウンについて記載する。siRNAをLNCaPおよびVCAPにおけるETV1およびERGの発現をノックダウンするのに用いた。定量的PCRをこのノックダウンの確認に用いた。結果を図29および30に示す。このノックダウンは増殖に影響を与えなかった。shRNAを発現するレンチウイルスを安定なノックダウンのために作製した。
前立腺癌におけるETSファミリーメンバーのノックダウン
本実施例では、前立腺癌におけるETSファミリーメンバーのノックダウンについて記載する。siRNAをLNCaPおよびVCAPにおけるETV1およびERGの発現をノックダウンするのに用いた。定量的PCRをこのノックダウンの確認に用いた。結果を図29および30に示す。このノックダウンは増殖に影響を与えなかった。shRNAを発現するレンチウイルスを安定なノックダウンのために作製した。
ERG発現がVCaP細胞(TMPRSS2:ERG融合物を有する)においてノックダウンされる場合にどの遺伝子が異なって発現するかを決定するために、マイクロアレイをAgilentの44K全ゲノムアレイ上で実施した。この実験について、3つの条件を用いた。すなわち、ERG(ERGsi)に対してDharmaconのsiRNAを用いたノックダウン、ルシフェラーゼ(対照)およびトランスフェクトされなかった(非形質移入)VCaP細胞のノックダウン。ERG/非形質移入の3つのハイブリダイゼーションおよび2つの対照/非形質移入を実施した。これらの遺伝子は、5つすべての実験に存在するとしており、標準偏差(両条件についての平均)は0.5未満であり、ERGと対照との差の倍率は<0.75または>1.5を示した。ERGdifフィールドは、ERGと対照ノックダウン実験との差の倍率を示すので、1未満は遺伝子がERGノックダウンにおいて過小発現されていることを意味する(本分析においてERG自身は81番目に位置する)。
(実施例16)
トランスジェニックマウス
本発明の遺伝子融合物を過剰発現するトランスジェニックマウスの他に、ETSとアンドロゲン応答性遺伝子も作製した。図31は、マウス作製に用いるためのウイルス過剰発現システムである。図32は、トランスジェニックマウスにおけるゲノム挿入断片の模式図である。このようなマウスは、研究(例えば、機構試験)および薬物スクリーニング応用における用途がある。
トランスジェニックマウス
本発明の遺伝子融合物を過剰発現するトランスジェニックマウスの他に、ETSとアンドロゲン応答性遺伝子も作製した。図31は、マウス作製に用いるためのウイルス過剰発現システムである。図32は、トランスジェニックマウスにおけるゲノム挿入断片の模式図である。このようなマウスは、研究(例えば、機構試験)および薬物スクリーニング応用における用途がある。
(実施例17)
TMPRSS2:ERGaの同定
上述のように(実施例1)、TMPRSS2のERGへの融合を観察した。TMPRSS2:ERGa遺伝子融合物からの発現タンパク質を決定するため、3xFlagタグを停止コドンのすぐ上流に挿入して、VCaP前立腺癌細胞株から、エクソン4の始まりにある融合区切り点からエクソン11内の推定の停止コドンまでのERG(NM_004449)の部分を増幅するのに、PCRを用いた。この産物をpCR8/GW/TOPO TA(Invitrogen)にTAクローン化し、双方向で配列決定した。配列決定は、本明細書においてERG1(ERGアイソフォーム1由来のエクソン6を含む
TMPRSS2:ERGaの同定
上述のように(実施例1)、TMPRSS2のERGへの融合を観察した。TMPRSS2:ERGa遺伝子融合物からの発現タンパク質を決定するため、3xFlagタグを停止コドンのすぐ上流に挿入して、VCaP前立腺癌細胞株から、エクソン4の始まりにある融合区切り点からエクソン11内の推定の停止コドンまでのERG(NM_004449)の部分を増幅するのに、PCRを用いた。この産物をpCR8/GW/TOPO TA(Invitrogen)にTAクローン化し、双方向で配列決定した。配列決定は、本明細書においてERG1(ERGアイソフォーム1由来のエクソン6を含む
およびERG2(このエクソンを含まない)と称する2つの異なるアイソフォームの存在を明らかにした。この生産物をpLenti6/V5−DESTデスティネーションベクターにGatewayクローン化した。このプラスミドを、ERGタンパク質産生のため、直接的にPHINX細胞にトランスフェクトした。
A.方法
トランスフェクションアッセイ:Phinx細胞に、FuGeneトランスフェクション試薬(Roche)を製造業者の使用説明書に従って用いて、ERG2または空ベクターをトランスフェクトした。直径150mmのプレート計10個を各コンストラクトに用いた。トランスフェクション後48時間の時点でこれらの細胞を収集し、以下に記載する免疫沈降アッセイに用いた。
トランスフェクションアッセイ:Phinx細胞に、FuGeneトランスフェクション試薬(Roche)を製造業者の使用説明書に従って用いて、ERG2または空ベクターをトランスフェクトした。直径150mmのプレート計10個を各コンストラクトに用いた。トランスフェクション後48時間の時点でこれらの細胞を収集し、以下に記載する免疫沈降アッセイに用いた。
タンパク質溶解および免疫沈降:細胞を氷冷したPBS含有プロテアーゼ阻害剤により洗浄し、1%NP40含有TBS中で均質化して溶解した。タンパク質を含有するこの上澄みについて、Bradfordタンパク質アッセイ(Biorad Laboratories、Hercules、CA)を製造業者の使用説明書に従って用いて、タンパク質含有量を評価した。すべての試料からの等量のタンパク質(緩衝液15mL中に約30mg)を免疫沈降研究に用いた。EZVIEWレッド抗FLAG M2アフィニティーゲル(Sigma、St Louis、MO)の50%スラリー約200μLを各試料に加え、4℃で一晩インキュベートした。この免疫沈降物をTBS含有0.1%NP40およびTBSのみで、3回ずつ洗浄した。結合したタンパク質を、FLAGペプチド(Sigma、St Louis、MO)を製造業者の使用説明に従って用い、溶出した。この溶出を3回行った。溶出物中のタンパク質を50%TCA(Sigma、St Louis、MO)を用いて沈殿させた。沈降物を氷冷したアセトンで3回洗浄し、ラエミリ緩衝液に再懸濁し、4〜20%のBIS−TRISゲル(Invitrogen Corporation、Carlbad、CA)上で電気泳動させた。これらのゲルを質量分析用の銀染色(シルバーケスト、Invitrogen Corporation、Carlbad、CA)で染色した。ERG2に対応するバンドおよびベクターレーン中で対応する領域を各1cmの6片に切り取った。ゲル片の各一片は、ゲル上の高分子量領域から始まり移動していくバンド1〜6で標示した。それゆえバンド1は高分子量タンパク質を含む領域に対応するのに対し、バンド6は低分子量領域に対応する。ERG2の未変性分子量(約55KDa)に基づくと、バンド4および5を移動することになる。ERG2配列同定を3回繰り返し、すべての実験からデータをまとめた。
タンパク質同定
ゲルバンドを採取し、製造業者の使用説明書に従い銀染色キット(Invitrogen Corporation、Carlbad、CA)に含まれる脱染溶液を用いて脱染した。ゲル中で、消化をpH9の1Mの重炭酸アンモニウム中でブタ由来トリプシン(1:50、Promega Corporation、Madison、WI)を用いて行った。この消化は、37℃で16時間行った。24時間後、トリプシン活性を3%ギ酸により停止した。これらのペプチドを50%アセトニトリルを用いて抽出した。これらのペプチドを乾燥して0.1%ギ酸含有の2%アセトニトリルに懸濁し、パラダイムHPLCポンプ(Michrome Bio Resources Inc)に取り付けた0.075mm×150mmのC18カラムを用いて、逆相クロマトグラフィーにより分離した。ペプチドを、溶媒Aを0.1%ギ酸/2%アセトニトリルとし、B(0.1%ギ酸/95%アセトニトリル)を45分5〜95%の濃度勾配で用いて溶出した。フィニガン(Finnigan)LTQ質量分析計(Thermo Electron Corp.)をスペクトルを得るのに用い、装置をデータ依存モードでダイナミックエクスクルージョン(dynamic exclusion)を可動状態にして操作した。フルMSスキャンにおける3つの最大量ペプチドイオンでのMS/MSスペクトルを得た。これらのスペクトルを、混成の、非同一のNCBIヒト標準配列データベースに対してMASCOT検索ツールを用いて検索した。これらのデータベースの検索結果は、ペプチド帰属精度について、ペプチドプロヘット(PeptideProphet)プログラムを用いて確認した。これは混合モデルであり、検索結果スコアやトリプシン(typtic)末端数等の様々なペプチドの特徴に基づいた正確なペプチド同定の確率を決める期待値最大化評価である。第2のプログラムであるプロテインプロヘット(ProteinProphet)をペプチドをタンパク質によりグループ化し、これらの確率を組み合わせて正しいタンパク質帰属の確率を決めるために用いた。識別能は、これらのNSP値により、またはペプチドグループ化情報および起こり得るマルチヒットのタンパク質の状態を意味する同胞ペプチド数により、個々のペプチドの確率の2次的な再評価で増加する。
ゲルバンドを採取し、製造業者の使用説明書に従い銀染色キット(Invitrogen Corporation、Carlbad、CA)に含まれる脱染溶液を用いて脱染した。ゲル中で、消化をpH9の1Mの重炭酸アンモニウム中でブタ由来トリプシン(1:50、Promega Corporation、Madison、WI)を用いて行った。この消化は、37℃で16時間行った。24時間後、トリプシン活性を3%ギ酸により停止した。これらのペプチドを50%アセトニトリルを用いて抽出した。これらのペプチドを乾燥して0.1%ギ酸含有の2%アセトニトリルに懸濁し、パラダイムHPLCポンプ(Michrome Bio Resources Inc)に取り付けた0.075mm×150mmのC18カラムを用いて、逆相クロマトグラフィーにより分離した。ペプチドを、溶媒Aを0.1%ギ酸/2%アセトニトリルとし、B(0.1%ギ酸/95%アセトニトリル)を45分5〜95%の濃度勾配で用いて溶出した。フィニガン(Finnigan)LTQ質量分析計(Thermo Electron Corp.)をスペクトルを得るのに用い、装置をデータ依存モードでダイナミックエクスクルージョン(dynamic exclusion)を可動状態にして操作した。フルMSスキャンにおける3つの最大量ペプチドイオンでのMS/MSスペクトルを得た。これらのスペクトルを、混成の、非同一のNCBIヒト標準配列データベースに対してMASCOT検索ツールを用いて検索した。これらのデータベースの検索結果は、ペプチド帰属精度について、ペプチドプロヘット(PeptideProphet)プログラムを用いて確認した。これは混合モデルであり、検索結果スコアやトリプシン(typtic)末端数等の様々なペプチドの特徴に基づいた正確なペプチド同定の確率を決める期待値最大化評価である。第2のプログラムであるプロテインプロヘット(ProteinProphet)をペプチドをタンパク質によりグループ化し、これらの確率を組み合わせて正しいタンパク質帰属の確率を決めるために用いた。識別能は、これらのNSP値により、またはペプチドグループ化情報および起こり得るマルチヒットのタンパク質の状態を意味する同胞ペプチド数により、個々のペプチドの確率の2次的な再評価で増加する。
結果:
本表は、3つの異なる実験にわたって得たERG2についてのカバレージマップを示す。下線部アミノ酸配列は、VCAP細胞からクローン化されたERG1のシリコ翻訳配列に対応する。アミノ酸配列GGAAFIFPNTSVYPEATQRITTRP(配列番号196)は、ERG1に特異的でERG2では欠損しているエクソンに対応している。残りのアミノ酸配列は、3つの実験の各々で同定されたERG2配列に対応している。ERG2をすべての実験におけるバンド1〜5で同定した。これらのバンドの各々で得たERG2についてのペプチド配列を示す。非常に高いカバレージのERG2タンパク質が、3つの実験にわたり観察された。このカバレージマップは、第1の50アミノ酸残基に対応する、クローン化タンパク質のN末端領域におけるペプチドのカバレージが、質量分析カバレージマップにおいてほどんど観察されないことを示した。しかしながら、アミノ酸バリンで始まるペプチドVPQQDWLSQP(配列番号197)はきわめて大量に見られ、したがって、すべての実験において同定された。より詳しい評価は、47番目の位置にあるアミノ酸がメチオニンのフレームにあることを示唆した。複数の実験における47番目のメチオニンの上流(N終端)にあるどのようなペプチドの欠如も、それがERG2のN末端アミノ酸であることを確認している。さらにまた、50番目の位置にあるアルギニン残基の存在により、潜在的なトリプシン切断部位とした。この部位でのトリプシンによる消化は、イオン捕捉質量分析計による同定には小さすぎるより短鎖のN末端ペプチドMSPRや、すべての実験で同定された長鎖C末端ペプチドVPQQDWLSQP(配列番号198)を生じることになる。さらに、ペプチド配列MIQTVPDPAAHI(配列番号199)も単一の実験において非常に低い確率スコアで同定された。これは、NCBIにおいて報告されているように、ERGのN末端にマッピングされる。この配列は、VCAP細胞からクローン化された、異所的に過剰発現されたコンストラクトの一部ではなかった。これは、PHINX細胞において発現されたin vivoのERGより入手できたかもしれず、したがって良性細胞に関連するERGの一部を示しているのかもしれない。
したがって、要約すると、この結果は、3番目のメチオニンがTMPRSS2−ERG融合産物の翻訳開始部位であることを示している。
第1のメチオニンは、内在性ERGの翻訳開始部位である。
図20は、内在性および融合ポリペプチドの模式図を示す。
(実施例18)
尿試料でのFISH分析
尿から前立腺細胞を分離および調製するため、約30mLの尿を直腸診後に採取する。この後直ちに、15mLのPreservCytを加え、試料を50mLの遠心管中で10分間室温で4000rpmにて遠心分離する。上澄みを廃棄し、ペレットを15mLの0.75MのKCl中に15分間室温で再懸濁し、50mLの遠心管中で10分間室温で4000rpmにて遠心分離する。上澄みを廃棄し、ペレットを10mLの3:1比メタノール:氷酢酸中に再懸濁する。この後、4000rpmで8分間遠心する。上澄みを200μLを除き廃棄し、ペレットを再懸濁する。続いてこの再懸濁したペレットをガラススライドに滴下し、風乾する。ハイブリダイゼーションおよびプローブ調製を上記の実施例2のように、ERG5’/3’およびTMPRSS5’/3’プローブ対で行う。
尿試料でのFISH分析
尿から前立腺細胞を分離および調製するため、約30mLの尿を直腸診後に採取する。この後直ちに、15mLのPreservCytを加え、試料を50mLの遠心管中で10分間室温で4000rpmにて遠心分離する。上澄みを廃棄し、ペレットを15mLの0.75MのKCl中に15分間室温で再懸濁し、50mLの遠心管中で10分間室温で4000rpmにて遠心分離する。上澄みを廃棄し、ペレットを10mLの3:1比メタノール:氷酢酸中に再懸濁する。この後、4000rpmで8分間遠心する。上澄みを200μLを除き廃棄し、ペレットを再懸濁する。続いてこの再懸濁したペレットをガラススライドに滴下し、風乾する。ハイブリダイゼーションおよびプローブ調製を上記の実施例2のように、ERG5’/3’およびTMPRSS5’/3’プローブ対で行う。
(実施例19)
さらなるETV1遺伝子融合
A.材料および方法
試料および細胞株
前立腺組織は、共にミシガン大学前立腺癌専門優良研究プログラム(S.P.O.R.E.)組織コアの一部である、ミシガン大学の根治的前立腺切除術系列および迅速剖検プログラム1から得たものである。すべての試料を、患者らのインフォームドコンセントおよび事前の研究所審査委員の承認を得て採取した。
さらなるETV1遺伝子融合
A.材料および方法
試料および細胞株
前立腺組織は、共にミシガン大学前立腺癌専門優良研究プログラム(S.P.O.R.E.)組織コアの一部である、ミシガン大学の根治的前立腺切除術系列および迅速剖検プログラム1から得たものである。すべての試料を、患者らのインフォームドコンセントおよび事前の研究所審査委員の承認を得て採取した。
良性不死化前立腺細胞株RWPEおよび前立腺癌細胞株LNCaP、Dul45NCI−H660およびPC3は、ATCCから入手したものである。原発性良性前立腺上皮細胞(PrEC)は、Cambrex Bio Science(Walkersville、MD)より入手した。前立腺癌細胞株C4−2B、LAPC4およびMDA−PCa2Bは、Evan Keller(ミシガン大学)により提供された。前立腺癌細胞株22−RV1は、Jill McKoska(ミシガン大学)により提供された。VCaPは、ホルモン−抵抗性転移性前立腺癌を有する患者由来の椎骨転移から誘導した(Korenchukら、In Vivo 15巻、163〜8頁(2001年))。
アンドロゲン刺激実験のため、LNCaP細胞を、1%エタノール、またはエタノールに溶解した1nMのメチルトリエノロン(Rl881、NEN Life Science Products、Boston、MA)を用いた24時間の処置の前に、活性炭処理済血清含有培地中で24時間増殖させた。すべての試料について、トリゾール(Invitrogen、Carlsbad、CA)を製造業者の使用説明書に従って用い、総RNAを単離した。
定量的PCR(QPCR)
定量的PCR(QPCR)を、パワーSYBRグリーンのマスターミックス(Applied Biosystems、Foster City、CA)をApplied Biosystemsの7300リアルタイムPCRシステム上で、文献(Tomlinsら、Cancer Res 66巻、3396〜400頁(2006年);Tomlinsら、Recurrent fusion of TMPRSS2 and ETS transcription factor genes in prostate cancer. Science 310巻、644〜8頁(2005年))に記載のように用いて行った。すべてのオリゴヌクレオチドプライマーは、Integrated DNA Technologies(Coralville、IA)により合成されたものであり、表15に列挙されている。HMBSおよびGAPDH5、およびPSA6プライマーは記載の通りである。アンドロゲン刺激反応を4回行い、その他すべての反応を2回行った。
定量的PCR(QPCR)を、パワーSYBRグリーンのマスターミックス(Applied Biosystems、Foster City、CA)をApplied Biosystemsの7300リアルタイムPCRシステム上で、文献(Tomlinsら、Cancer Res 66巻、3396〜400頁(2006年);Tomlinsら、Recurrent fusion of TMPRSS2 and ETS transcription factor genes in prostate cancer. Science 310巻、644〜8頁(2005年))に記載のように用いて行った。すべてのオリゴヌクレオチドプライマーは、Integrated DNA Technologies(Coralville、IA)により合成されたものであり、表15に列挙されている。HMBSおよびGAPDH5、およびPSA6プライマーは記載の通りである。アンドロゲン刺激反応を4回行い、その他すべての反応を2回行った。
cDNA末端のRNAリガーゼ介在性迅速増幅(RLM−RACE)
RLM−RACEを、既述のように(Tomlinsら、2005年、上述;Tomlinsら、2006年、上述)、製造業者の使用説明書に従ってジーンレーサーRLM−RACEキット(Invitrogen)を用いて行った。ETV1の5’末端を得るため、第1の鎖のcDNAを、ジーンレーサー5’プライマーおよびETV1 エクソン4−5−rを用いて、プラチナTaqハイフィデリティ(Invitrogen)で増幅した。産物をクローン化し、文献(Tomlinsら、2005年、上述;Tomlinsら、2006年、上述)に記載のように双方向で配列決定した。RLM−RACEされたcDNAは、その他のアッセイに使用しなかった。
RLM−RACEを、既述のように(Tomlinsら、2005年、上述;Tomlinsら、2006年、上述)、製造業者の使用説明書に従ってジーンレーサーRLM−RACEキット(Invitrogen)を用いて行った。ETV1の5’末端を得るため、第1の鎖のcDNAを、ジーンレーサー5’プライマーおよびETV1 エクソン4−5−rを用いて、プラチナTaqハイフィデリティ(Invitrogen)で増幅した。産物をクローン化し、文献(Tomlinsら、2005年、上述;Tomlinsら、2006年、上述)に記載のように双方向で配列決定した。RLM−RACEされたcDNAは、その他のアッセイに使用しなかった。
蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)
ホルマリン固定したパラフィン包理(FFPE)組織切片に対する間期FISHを文献(Tomlinsら、2005年、上述)に記載のように行った。1アッセイにつき少なくとも50の核を評価した。LNCaPおよびMDA−PCa2Bの中期スプレッドを、標準的な細胞遺伝学的手法により調製した。スライドを2倍濃度のSSC中で2分間、70%エタノールで2分間、そして100%エタノールで2分間前処理し、風乾した。スライドおよびプローブを同時に75℃で2分間変性し、一晩37℃でハイブリダイゼーションした。ハイブリダイゼーション後、0.5倍濃度のSSC中42℃で5分間、続いてPBST中で3回洗浄した。蛍光検出を、フルオレセインについては抗ジゴキシゲニン抱合体(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)、Alexa Fluor594(Invitrogen)についてはストレプトアビジンコンジュゲートを用いて行った。スライドを対比染色し、DAPI含有ProLong Gold退色防止試薬(Invitrogen)中においた。スライドをZeissのアキシオイメージャー(Axio Imager)Z1蛍光顕微鏡(Zeiss、Thornwood、NY)で観察し、ISISソフトウェア(Metasystems、Altlussheim、Germany)を利用しCCDカメラで撮像した。BAC(表16に記載)はBACPACリソースセンター(カリフォルニア州オークランド)から入手したものであり、プローブは文献(Tomlinsら、2005年、上述)に記載のように調製した。予め標識された第7染色体セントロメアおよび7pテロメアプローブはVysis(Des Plaines、IL)から入手したものである。すべてのプローブについて、完全性および正確な局在化を正常な末梢リンパ球の中期スプレッドとのハイブリダイゼーションにより確認した。
ホルマリン固定したパラフィン包理(FFPE)組織切片に対する間期FISHを文献(Tomlinsら、2005年、上述)に記載のように行った。1アッセイにつき少なくとも50の核を評価した。LNCaPおよびMDA−PCa2Bの中期スプレッドを、標準的な細胞遺伝学的手法により調製した。スライドを2倍濃度のSSC中で2分間、70%エタノールで2分間、そして100%エタノールで2分間前処理し、風乾した。スライドおよびプローブを同時に75℃で2分間変性し、一晩37℃でハイブリダイゼーションした。ハイブリダイゼーション後、0.5倍濃度のSSC中42℃で5分間、続いてPBST中で3回洗浄した。蛍光検出を、フルオレセインについては抗ジゴキシゲニン抱合体(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)、Alexa Fluor594(Invitrogen)についてはストレプトアビジンコンジュゲートを用いて行った。スライドを対比染色し、DAPI含有ProLong Gold退色防止試薬(Invitrogen)中においた。スライドをZeissのアキシオイメージャー(Axio Imager)Z1蛍光顕微鏡(Zeiss、Thornwood、NY)で観察し、ISISソフトウェア(Metasystems、Altlussheim、Germany)を利用しCCDカメラで撮像した。BAC(表16に記載)はBACPACリソースセンター(カリフォルニア州オークランド)から入手したものであり、プローブは文献(Tomlinsら、2005年、上述)に記載のように調製した。予め標識された第7染色体セントロメアおよび7pテロメアプローブはVysis(Des Plaines、IL)から入手したものである。すべてのプローブについて、完全性および正確な局在化を正常な末梢リンパ球の中期スプレッドとのハイブリダイゼーションにより確認した。
組織特異的発現
14q13〜q21における5’融合パートナーと遺伝子の組織特異的発現を決定するため、29の異なる種類の630の腫瘍から得た発現プロファイルからなる、国際ゲノムコンソーシアムのexpOデータセットをOncomineデータベースを利用して用いた。市販のアレイプラットフォームではモニターされない、HERV−K_22q11.23の発現を調べるため、リンクスセラピューティクス社(Lynx Theraputics)の正常組織MPSS(massively parallel signature sequencing)データセット(GSE1747)に対するクエリーを文献(Staufferら、Cancer Immun 4巻、2頁(2004年))に記載のように、HERV−K_22ql1.23を明確に同定するMPSSタグ「GATCTTTGTGACCTACT」(配列番号308)を用いて行った。expOデータセットより得た腫瘍型の記述およびMPSSデータセットより得た正常な組織型を表17に示す。
14q13〜q21における5’融合パートナーと遺伝子の組織特異的発現を決定するため、29の異なる種類の630の腫瘍から得た発現プロファイルからなる、国際ゲノムコンソーシアムのexpOデータセットをOncomineデータベースを利用して用いた。市販のアレイプラットフォームではモニターされない、HERV−K_22q11.23の発現を調べるため、リンクスセラピューティクス社(Lynx Theraputics)の正常組織MPSS(massively parallel signature sequencing)データセット(GSE1747)に対するクエリーを文献(Staufferら、Cancer Immun 4巻、2頁(2004年))に記載のように、HERV−K_22ql1.23を明確に同定するMPSSタグ「GATCTTTGTGACCTACT」(配列番号308)を用いて行った。expOデータセットより得た腫瘍型の記述およびMPSSデータセットより得た正常な組織型を表17に示す。
発現のプロファイリング
LNCaP、C4−2B、RWPE−ETV1およびRWPE−GUS細胞の発現プロファイリングをアジレント社の全ヒトゲノムオリゴマイクロアレイ(Santa Clara、CA)を利用して行った。トリゾールを用いて単離した総RNAをQiagenのRNAeasyマイクロキット(Valencia、CA)を用いて精製した。1μgの総RNAをcRNAに転換し、製造業者のプロトコール(Agilent)に従って標識した。ハイブリダイゼーションを65℃で16時間行い、およびアレイをAgilentDNAマイクロアレイスキャナーでスキャンした。画像を分析し、線形およびLowess標準化を各アレイに対して実施して、データをAgilentの特性抽出ソフト9.1.3.1を利用して抽出した。LNCaPおよびC4−2Bハイブリダイゼーションについては、各細胞株に対する標準をプール良性前立腺総RNA(Clontech、Mountain View、CA)とした。各細胞株についてダイフリップも行った。特性を色素フリップの補正後の2つのC4−2Bアレイにおける平均発現で割った2つのLNCaPアレイにおける平均発現(対数比)で順位付けした。RWPE細胞については、4つのハイブリダイゼーションを行った(複製RWPE−ETV1/RWPE−GUSおよびRWPE−GUS/RWPE−ETV1ハイブリダイゼーション)。過剰および過小発現したシグネチャーを、すべての4つのハイブリダイゼーションで顕著な異なる発現差異(P値対数比<0.01)と、ダイフリップに対する補正後に2倍平均過剰または過小発現(対数比)を有する特性のみを含むようにフィルタリングして作製した。
LNCaP、C4−2B、RWPE−ETV1およびRWPE−GUS細胞の発現プロファイリングをアジレント社の全ヒトゲノムオリゴマイクロアレイ(Santa Clara、CA)を利用して行った。トリゾールを用いて単離した総RNAをQiagenのRNAeasyマイクロキット(Valencia、CA)を用いて精製した。1μgの総RNAをcRNAに転換し、製造業者のプロトコール(Agilent)に従って標識した。ハイブリダイゼーションを65℃で16時間行い、およびアレイをAgilentDNAマイクロアレイスキャナーでスキャンした。画像を分析し、線形およびLowess標準化を各アレイに対して実施して、データをAgilentの特性抽出ソフト9.1.3.1を利用して抽出した。LNCaPおよびC4−2Bハイブリダイゼーションについては、各細胞株に対する標準をプール良性前立腺総RNA(Clontech、Mountain View、CA)とした。各細胞株についてダイフリップも行った。特性を色素フリップの補正後の2つのC4−2Bアレイにおける平均発現で割った2つのLNCaPアレイにおける平均発現(対数比)で順位付けした。RWPE細胞については、4つのハイブリダイゼーションを行った(複製RWPE−ETV1/RWPE−GUSおよびRWPE−GUS/RWPE−ETV1ハイブリダイゼーション)。過剰および過小発現したシグネチャーを、すべての4つのハイブリダイゼーションで顕著な異なる発現差異(P値対数比<0.01)と、ダイフリップに対する補正後に2倍平均過剰または過小発現(対数比)を有する特性のみを含むようにフィルタリングして作製した。
サザンハイブリダイゼーション
LNCaP、VCaP、プールした正常なヒト雄DNA(Promega、Madison、WI)、および正常な胎盤DNA(Promega)由来のゲノムDNA(10μg)を、EcoRIまたはPstI New England Biologicals、Ipswich、MA)で一晩消化した。断片を0.8%アガロースゲル上40Vで一晩分離し、ハイボンドNXナイロン膜に移し、予備ハイブリダイゼーションして、プローブとハイブリダイゼーションし、標準的なプロトコールに従って洗浄した。FISHにより関連付けられたchr7の領域にまたがる一連の22プローブ(RP11−313C20とRP11−703A4との間)を、プールした正常なヒト雄ゲノムDNA(表15)上でプラチナTaqハイフィデリティを用いてPCR増幅により作製した。各プローブ25ngをdCTP−P32で標識し、ハイブリダイゼーションに用いた。
LNCaP、VCaP、プールした正常なヒト雄DNA(Promega、Madison、WI)、および正常な胎盤DNA(Promega)由来のゲノムDNA(10μg)を、EcoRIまたはPstI New England Biologicals、Ipswich、MA)で一晩消化した。断片を0.8%アガロースゲル上40Vで一晩分離し、ハイボンドNXナイロン膜に移し、予備ハイブリダイゼーションして、プローブとハイブリダイゼーションし、標準的なプロトコールに従って洗浄した。FISHにより関連付けられたchr7の領域にまたがる一連の22プローブ(RP11−313C20とRP11−703A4との間)を、プールした正常なヒト雄ゲノムDNA(表15)上でプラチナTaqハイフィデリティを用いてPCR増幅により作製した。各プローブ25ngをdCTP−P32で標識し、ハイブリダイゼーションに用いた。
逆PCR
LNCaP細胞におけるETV1区切り点を同定するため、サザンブロット法により同定した再配列に基づく逆PCR法を用いた。野生型の配列由来の逆相補配列であり、プライマーB1、B2、B3と異なる、プライマーA1、A2、A3を、PstIで消化および再連結した(分子内結合を促進するため)LNCaPゲノムDNA鋳型に対する逆PCRに用いた。ネステッドPCRを、以下のプライマー組の順で実施した。すなわち、A1−B1、A2−B2、およびA3−B3。エキスパンド20kb plus PCRシステム(Roche Diagnostics GmbH、Mannheim、Germany)を、製造業者の指示に従い、融合産物の増幅に用いた。このネステッドPCRで観察された濃縮3KbバンドをpCR8/GW/TOPO(Invitrogen)にクローン化し、ミニプレップDNAを挿入断片についてスクリーニングし、陽性クローンを配列決定した(ミシガン大学DNA配列決定コア、Ann Arbor、MI)。その後、融合特異性プライマーを用いたプラチナTaqハイフィデリティにより、融合物をPCRにより確認した(表15)。
LNCaP細胞におけるETV1区切り点を同定するため、サザンブロット法により同定した再配列に基づく逆PCR法を用いた。野生型の配列由来の逆相補配列であり、プライマーB1、B2、B3と異なる、プライマーA1、A2、A3を、PstIで消化および再連結した(分子内結合を促進するため)LNCaPゲノムDNA鋳型に対する逆PCRに用いた。ネステッドPCRを、以下のプライマー組の順で実施した。すなわち、A1−B1、A2−B2、およびA3−B3。エキスパンド20kb plus PCRシステム(Roche Diagnostics GmbH、Mannheim、Germany)を、製造業者の指示に従い、融合産物の増幅に用いた。このネステッドPCRで観察された濃縮3KbバンドをpCR8/GW/TOPO(Invitrogen)にクローン化し、ミニプレップDNAを挿入断片についてスクリーニングし、陽性クローンを配列決定した(ミシガン大学DNA配列決定コア、Ann Arbor、MI)。その後、融合特異性プライマーを用いたプラチナTaqハイフィデリティにより、融合物をPCRにより確認した(表15)。
ETV1のin vitro過剰発現
ETV1の既報の停止コドンに対するTMPRSS2:ETV1融合物(269−1521、NM_004956.3)に存在する、ETV1のcDNAをMET264からRT−PCRで増幅して、GatewayエントリーベクターpCR8/GW/TOPO(Invitrogen)にTOPOクローン化し、pCR8−ETV1を得た。アデノウイルスおよびレンチウイルスのコンストラクトを作製するため、pCR8−ETV1および対照エントリークローン(pENTR−GUS)をそれぞれpAD/CMV/V5(Invitrogen)とpLenti6/CMV/V5(Invitrogen)と、LRクロナーゼII(Invitrogen)を用いて組換えた。対照pAD/CMV/LACZクローンをInvitrogenから入手した。アデノウイルスおよびレンチウイルスは、ミシガン大学ベクターコアにより作製されたものである。この良性不死化前立腺細胞株RWPEをETV1またはGUSを発現するレンチウイルスに感染させ、安定なクローンをブラストサイジン(Invitrogen)を用いた選択により作製した。初代PrEC細胞では安定な系統を作製できないので、良性PrECをETV1またはLACZを発現するアデノウイルスに感染させた。細胞数を、細胞のトリプシン処理および記載の時点で3回コールターカウンターで分析することで概算した。侵襲アッセイについては、同数のPREC−ETV1および−LACZ(感染後48時間)または安定なRPWE−ETV1および−GUS細胞を、化学誘引物質として下側チャンバーにはウシ胎児血清を加えた、24ウェル培養プレートのインサート内にある基底膜マトリックス(EC matrix、Chemicon、Temecula、CA)上に播種した。48時間後、非侵襲性細胞およびECマトリックスを綿棒で除去した。感染細胞をクリスタルバイオレットで染色し、写真撮像した。これらのインサートを10%酢酸で処理し、吸収を560nmで測定した。
ETV1の既報の停止コドンに対するTMPRSS2:ETV1融合物(269−1521、NM_004956.3)に存在する、ETV1のcDNAをMET264からRT−PCRで増幅して、GatewayエントリーベクターpCR8/GW/TOPO(Invitrogen)にTOPOクローン化し、pCR8−ETV1を得た。アデノウイルスおよびレンチウイルスのコンストラクトを作製するため、pCR8−ETV1および対照エントリークローン(pENTR−GUS)をそれぞれpAD/CMV/V5(Invitrogen)とpLenti6/CMV/V5(Invitrogen)と、LRクロナーゼII(Invitrogen)を用いて組換えた。対照pAD/CMV/LACZクローンをInvitrogenから入手した。アデノウイルスおよびレンチウイルスは、ミシガン大学ベクターコアにより作製されたものである。この良性不死化前立腺細胞株RWPEをETV1またはGUSを発現するレンチウイルスに感染させ、安定なクローンをブラストサイジン(Invitrogen)を用いた選択により作製した。初代PrEC細胞では安定な系統を作製できないので、良性PrECをETV1またはLACZを発現するアデノウイルスに感染させた。細胞数を、細胞のトリプシン処理および記載の時点で3回コールターカウンターで分析することで概算した。侵襲アッセイについては、同数のPREC−ETV1および−LACZ(感染後48時間)または安定なRPWE−ETV1および−GUS細胞を、化学誘引物質として下側チャンバーにはウシ胎児血清を加えた、24ウェル培養プレートのインサート内にある基底膜マトリックス(EC matrix、Chemicon、Temecula、CA)上に播種した。48時間後、非侵襲性細胞およびECマトリックスを綿棒で除去した。感染細胞をクリスタルバイオレットで染色し、写真撮像した。これらのインサートを10%酢酸で処理し、吸収を560nmで測定した。
ETV1ノックダウン
LNCaP細胞におけるETV1のsiRNAノックダウンについて、ダーマコン社のETV1用SMARTpool(MU−003801−01、Chicago、IL)を構成する個々のsiRNAを、qPCRによりETV1ノックダウンについて試験し、最も効果的な一本鎖siRNA(D−003801−05)をさらなる実験に用いた。siCONTROL非標的siRNA#1(D−001210−01)またはETV1に対するsiRNAを、オリゴフェクタミン(Invitrogen)を用いてLNCaP細胞にトランスフェクトした。24時間後、2回目の同一トランスフェクションを実行し、24時間後に以下に記載するようなRNAおよび侵襲アッセイのために細胞を回収した。LNCaP細胞におけるETV1のshRNAノックダウンについては、pMS2レトロウイルスベクター由来のETV1に対するshRNAmirコンストラクト(V2HS_61929、Open Biosystems、Huntsville、AL)を、製造業者のプロトコールに従ってpGIPZレンチウイルス空ベクター(RHS4349、Open Biosystems)にクローン化した。ETV1のshRNAmirを有するpGIPZレンチウイルスまたは非発現抑制対照(RHS4346)は、ミシガン大学ベクターコアにより作製されたものである。LNCaP細胞をレンチウイルスに感染させ、48時間後に細胞を以下に記載するように侵襲アッセイに用いた。6つの独立した実験の代表的な結果を示す。
LNCaP細胞におけるETV1のsiRNAノックダウンについて、ダーマコン社のETV1用SMARTpool(MU−003801−01、Chicago、IL)を構成する個々のsiRNAを、qPCRによりETV1ノックダウンについて試験し、最も効果的な一本鎖siRNA(D−003801−05)をさらなる実験に用いた。siCONTROL非標的siRNA#1(D−001210−01)またはETV1に対するsiRNAを、オリゴフェクタミン(Invitrogen)を用いてLNCaP細胞にトランスフェクトした。24時間後、2回目の同一トランスフェクションを実行し、24時間後に以下に記載するようなRNAおよび侵襲アッセイのために細胞を回収した。LNCaP細胞におけるETV1のshRNAノックダウンについては、pMS2レトロウイルスベクター由来のETV1に対するshRNAmirコンストラクト(V2HS_61929、Open Biosystems、Huntsville、AL)を、製造業者のプロトコールに従ってpGIPZレンチウイルス空ベクター(RHS4349、Open Biosystems)にクローン化した。ETV1のshRNAmirを有するpGIPZレンチウイルスまたは非発現抑制対照(RHS4346)は、ミシガン大学ベクターコアにより作製されたものである。LNCaP細胞をレンチウイルスに感染させ、48時間後に細胞を以下に記載するように侵襲アッセイに用いた。6つの独立した実験の代表的な結果を示す。
侵襲アッセイ
同じ数の記載の細胞を、ウシ胎児血清を化学誘引物質として下側のチャンバーに添加した24ウェル培養プレートのインサート内にある基底膜マトリックス(ECマトリックス、Chemicon、Temecula、CA)上に播種した。48時間後、非侵襲細胞およびECマトリックスを綿棒で除去した。感染細胞をクリスタルバイオレットで染色し、写真撮像した。これらのインサートを10%酢酸で処理し、吸収を560nmで測定した。
同じ数の記載の細胞を、ウシ胎児血清を化学誘引物質として下側のチャンバーに添加した24ウェル培養プレートのインサート内にある基底膜マトリックス(ECマトリックス、Chemicon、Temecula、CA)上に播種した。48時間後、非侵襲細胞およびECマトリックスを綿棒で除去した。感染細胞をクリスタルバイオレットで染色し、写真撮像した。これらのインサートを10%酢酸で処理し、吸収を560nmで測定した。
FACS細胞周期分析
RWPE−ETV1およびRWPE−GUS細胞を、細胞周期の特特徴付けについてFACSで評価した。細胞を2倍濃度のPBSで洗浄し、およそ2×106細胞を70%エタノール中に固定する前にPBS中に再懸濁した。沈渣の細胞を洗浄し、RNase(100μg/mL最終濃度)およびヨウ化プロピジウム(10μg/mL最終濃度)で30分間37℃で処理した。染色細胞をFACSDiviaを利用してLSRIIフローサイトメーター(BD Biosciences、San Jose、CA)で分析し、および細胞周期の段階をModFit LT(Verity Software House、Topsham、ME)を用いて計算した。
RWPE−ETV1およびRWPE−GUS細胞を、細胞周期の特特徴付けについてFACSで評価した。細胞を2倍濃度のPBSで洗浄し、およそ2×106細胞を70%エタノール中に固定する前にPBS中に再懸濁した。沈渣の細胞を洗浄し、RNase(100μg/mL最終濃度)およびヨウ化プロピジウム(10μg/mL最終濃度)で30分間37℃で処理した。染色細胞をFACSDiviaを利用してLSRIIフローサイトメーター(BD Biosciences、San Jose、CA)で分析し、および細胞周期の段階をModFit LT(Verity Software House、Topsham、ME)を用いて計算した。
軟寒天アッセイ
正常培地の低融点アガロースの0.6%(質量/体積)の下層を、6ウェル培養プレート中で調製した。一番上に、1×104RWPE−GUS、RWPE−ETV1、またはDU145(陽性対照)細胞を含有する0.3%アガロースの層を入れた。12日後、病巣をクリスタルバイオレットで染色しカウントした。
正常培地の低融点アガロースの0.6%(質量/体積)の下層を、6ウェル培養プレート中で調製した。一番上に、1×104RWPE−GUS、RWPE−ETV1、またはDU145(陽性対照)細胞を含有する0.3%アガロースの層を入れた。12日後、病巣をクリスタルバイオレットで染色しカウントした。
免疫ブロット分析
細胞を、50mMのTris−HCl(pH7.4)、1%NP40(Sigma、St.Louis、MO)、および完全プロテアーゼ阻害剤混合物(Roche)を含むNP40溶解緩衝液中でホモジナイズした。15μgのタンパク質抽出物をSDS試料緩衝液と混合し、10%SDS−ポリアクリルアミドゲル上で還元条件下で電気泳動させた。これらの分離したタンパク質を、ニトロセルロース膜(Amersham Pharmacia Biotech、Piscataway、NJ)上に移した。この膜を、ブロッキング用緩衝液[0.1%ツイーン(TBS−T)および5%脱脂乾燥乳を含有するトリス緩衝生理食塩水]中で1時間インキュベートした。一次抗体を、ブロッキング用緩衝液中一晩4℃で、記載の希釈率で適用した。TBS−T緩衝液で3回洗浄後、膜を、西洋ワサビペルオキシダーゼをコンジュゲートしたロバ抗マウスIgG抗体(Amersham Pharmacia Biotech)で、1:5,000希釈で1時間室温にてインキュベートした。これらのシグナルを、改良型化学発光検出システム(Amersham
Pharmacia Biotech)および放射線写真法で描出した。
細胞を、50mMのTris−HCl(pH7.4)、1%NP40(Sigma、St.Louis、MO)、および完全プロテアーゼ阻害剤混合物(Roche)を含むNP40溶解緩衝液中でホモジナイズした。15μgのタンパク質抽出物をSDS試料緩衝液と混合し、10%SDS−ポリアクリルアミドゲル上で還元条件下で電気泳動させた。これらの分離したタンパク質を、ニトロセルロース膜(Amersham Pharmacia Biotech、Piscataway、NJ)上に移した。この膜を、ブロッキング用緩衝液[0.1%ツイーン(TBS−T)および5%脱脂乾燥乳を含有するトリス緩衝生理食塩水]中で1時間インキュベートした。一次抗体を、ブロッキング用緩衝液中一晩4℃で、記載の希釈率で適用した。TBS−T緩衝液で3回洗浄後、膜を、西洋ワサビペルオキシダーゼをコンジュゲートしたロバ抗マウスIgG抗体(Amersham Pharmacia Biotech)で、1:5,000希釈で1時間室温にてインキュベートした。これらのシグナルを、改良型化学発光検出システム(Amersham
Pharmacia Biotech)および放射線写真法で描出した。
マウスモノクローナル抗MMP−3(IM36L、Calbiochem、San Diego)を1:500希釈で適用し、マウスモノクローナル抗uPA(IM13L、Calbiochem)を1:500希釈で適用し、マウス抗GAPDH抗体(Abcam、Cambridge、MA)を1:30,000希釈で対照に添加するのに適用した。
トランスジェニックETV1マウス
ETV1のin vivoでの過剰発現について、C末端3XFLAG−エピトープタグをつけたコンストラクトを、停止コドンの前で3×FLAGタグをコードするリバースプライマーと、pCR8−ETV1を鋳型として用いて、PCRにより作製した。この産物をpCR8にTOPOクローン化した。前立腺特異的ETV1遺伝子導入コンストラクトを作製するため、3倍濃度のFLAG−ETV1を、改変低分子複合プロバシンプロモーター(ARR2PB)の下流およびウシ成長ホルモンpolyA部位(PA−BGH)の上流で、pBSII(Stratagene、La Jolla、CA)に挿入した。ARR2PB配列は、本来のプロバシン配列PB(−426/+28)とさらに2つのアンドロゲン応答エレメントを有する。このコンストラクトを配列決定し、FVBマウス卵への微量注入の前の一過性トランスフェクトの際にLNCaP細胞におけるアンドロゲンによるプロモーター誘導能を試験した。ARR2PB−ETV1プラスミドをPvuI/KpnI//SacIIで直線化し、受精FVBマウス卵に微量注入し、ミシガン大学遺伝子導入動物モデルコアにより、偽妊娠の雌に手術で移植した。遺伝子導入初代動物を、切り取った尾から単離したゲノムDNAを用いてPCRによりスクリーニングした。遺伝子導入ARR2PB−ETV1初代動物を、FVBマウスと交配し、導入遺伝子陽性雄マウス子孫を様々な時点で屠殺した。トランスジェニックマウス由来の前立腺をNikonの切開用顕微鏡を用いて切開し、10%緩衝ホルマリンに固定し、パラフィン中に包理した。5μmの切片をヘマトキシリンおよびエオシンで染色し、3人の病理学者により、ヒト癌コンソーシアム前立腺病理委員会のマウスモデルに関するバーハーバーミーティングのコンセンサスレポートに従って評価した(Namら、Cancer Biol Ther 6巻(2007年))。
ETV1のin vivoでの過剰発現について、C末端3XFLAG−エピトープタグをつけたコンストラクトを、停止コドンの前で3×FLAGタグをコードするリバースプライマーと、pCR8−ETV1を鋳型として用いて、PCRにより作製した。この産物をpCR8にTOPOクローン化した。前立腺特異的ETV1遺伝子導入コンストラクトを作製するため、3倍濃度のFLAG−ETV1を、改変低分子複合プロバシンプロモーター(ARR2PB)の下流およびウシ成長ホルモンpolyA部位(PA−BGH)の上流で、pBSII(Stratagene、La Jolla、CA)に挿入した。ARR2PB配列は、本来のプロバシン配列PB(−426/+28)とさらに2つのアンドロゲン応答エレメントを有する。このコンストラクトを配列決定し、FVBマウス卵への微量注入の前の一過性トランスフェクトの際にLNCaP細胞におけるアンドロゲンによるプロモーター誘導能を試験した。ARR2PB−ETV1プラスミドをPvuI/KpnI//SacIIで直線化し、受精FVBマウス卵に微量注入し、ミシガン大学遺伝子導入動物モデルコアにより、偽妊娠の雌に手術で移植した。遺伝子導入初代動物を、切り取った尾から単離したゲノムDNAを用いてPCRによりスクリーニングした。遺伝子導入ARR2PB−ETV1初代動物を、FVBマウスと交配し、導入遺伝子陽性雄マウス子孫を様々な時点で屠殺した。トランスジェニックマウス由来の前立腺をNikonの切開用顕微鏡を用いて切開し、10%緩衝ホルマリンに固定し、パラフィン中に包理した。5μmの切片をヘマトキシリンおよびエオシンで染色し、3人の病理学者により、ヒト癌コンソーシアム前立腺病理委員会のマウスモデルに関するバーハーバーミーティングのコンセンサスレポートに従って評価した(Namら、Cancer Biol Ther 6巻(2007年))。
ETV1−FLAGの免疫組織化学的検出に関しては、基底細胞マーカーであるp63およびサイトケラチン5(CK5)、および平滑筋アクチン、脱パラフィン化スライドについて、マイクロ波−クエン酸塩抗原検索を行い、ウサギ抗FLAGポリクローナル抗体(1:50希釈、一晩のインキュベーション、Cell Signaling Technology、#2368)、マウスモノクローナル抗p63抗体(1:100希釈、45’インキュベーション、LabVision、MS1081P1)、マウスモノクローナル抗平滑筋アクチン抗体(1:50希釈、30’インキュベーション、DakoAb M0851)、およびウサギポリクローナル抗CK5抗体(1:500希釈、30’インキュベーション、AbCam、ab24647)と共に、それぞれインキュベートした。p63およびSMAの描出を、M.O.M免疫検出キット(PK2200、Vector
Laboratories)を用いた標準的なビオチン−アビジン複合体手法により行った。FLAGおよびCK5をEnvision+システム−HRP(DAB)キット(K4011、DakoCytomation)を用いて検出した。
Laboratories)を用いた標準的なビオチン−アビジン複合体手法により行った。FLAGおよびCK5をEnvision+システム−HRP(DAB)キット(K4011、DakoCytomation)を用いて検出した。
B.結果
前立腺癌における新規5’ETS融合パートナーの同定
qPCRにより、前立腺組織試料の2つのコホートを、ETV1の例外発現を有する症例を同定するために、ERGとETV1の発現についてスクリーニングした。図38aに示すように、これら2つのコホートにわたり、54の局在化した前立腺癌試料のうち26および3試料が、それぞれERG(48%)およびETV1(5.5%)例外発現を示した。さらにまた、2つのホルモン抵抗性転移性前立腺癌試料であるMET26およびMET23は、ETV1例外発現を示した。qPCRにより、ERGの例外発現を有する、26の局在化した試料中の25試料(96%)が、TMPRSS2:ERG融合転写産物を発現した。MET26を除き、4つのETV1例外(PCa_ETV1_1〜3およびMET23)を含むいずれの試料も、TMPRSS2:ETV1融合転写産物を発現しなかった。
これらの症例におけるETV1転写産物構造を特徴付けるために、cDNA末端(RLM−RACE)の5’RNAリガーゼ介在性迅速増幅を行った。MET26におけるTMPRSS2由来の5’エクソンよりむしろ、すべての4つの試料は特有の5’配列を有した(図38b)。PCa_ETV1_1においては、ETV1のエクソン1〜4を、5’末端反復配列(LTR)に対して相同性を有する22q11.23由来の2つのエクソン、およびヒト内在性レトロウイルスファミリーK(以下「HERV−K_22q11.23」と称する)のgag配列で置換した。PCa_ETV1_2では、ETV1のエクソン1は、HNRPA2B1(7p15)由来のエクソン1で置換されていたのに対し、PCa_ETV1_3では、ETV1のエクソン1〜4がさらなる上流配列およびSLC45A3(1q32)のエクソンで置換されていた。MET23においては、ETV1のエクソン1〜5が、C15ORF21(15q21)由来のエクソン1および2で置換されていた(図1b)。これらの融合転写産物の排他的な発現は、qPCRおよびFISHによるこれらの症例におけるゲノムレベルでの融合により確認された(図38c、39、および40)。PCa_ETV1_2において、FISHは、HNRPA2B1に対して5’側およびETV1に対して3’側のプローブの対応する融合を伴った、HNRPA2B1に対して3’側およびETV1に対して5’側のプローブの欠失を実証し、7p上でおよそ13MB離れてヘッドからテールの方向に配向する、HNRP2A2B1とETV1との間の染色体内欠失と一致した(図38cおよび40)。遺伝子融合物の配列を図51に示す。
5’融合パートナーの明確な機能分類
HERV−K_22q11.23:ETV1、SLC45A3:ETV1、およびC15ORF21:ETV1融合物は、5’パートナー由来の予測翻訳配列を含まず、HNRPA2B1:ETV1融合物におけるHNRPA2B1配列は、融合タンパク質に対して2つの残基のみが寄与する。したがって、5’パートナーのプロモーターエレメントは、おそらくこれらの症例における異常ETV1発現を誘発するので、これらの遺伝子の組織特異性およびアンドロゲン制御が特徴付けられた。SLC45A3、C15ORF21、およびHNRPA2B1の組織特異性を調べるため、29の異なる種類の630の腫瘍から得た発現プロファイルからなる国際ゲノムコンソーシアムexpOデータセットをOncomineデータベースを用いて検索した(Rhodesら、Neoplasia 9巻、166〜80頁(2007年))。TMPRSS2と同様に、SLC45A3は、その他すべての腫瘍型(メジアン=0.33、P=2.4E−7)と比較して、前立腺癌において著しい過剰発現(メジアン=2.45、1つのアレイ当たりのメジアンを超える標準偏差)を示した。C15ORF21は、前立腺癌において同様の過剰発現を示した(メジアン=2.06対−0.12、P=3.4E−6)。一方、HNRPA2B1は、前立腺およびその他の腫瘍型で高発現を示した(メジアン=2.36対2.41、P>0.05)(図38d)。HERV−K_22q11.23をexpOデータセットで用いたDNAマイクロアレイでモニターしていないにもかかわらず、Staufferら(Cancer Immun 4巻、2頁(2004年))が記載するように、MPSSにより明確に測定される。したがって、HERV−K_22q11.23の発現を、31のその他の正常な組織(メジアン=100万あたり9個の転写産物)と比較して、HERV−K_22q11.23が正常な前立腺組織において最高レベルで発現(100万あたり94個の転写産物)した、32の正常な組織型(Jongeneelら、Genome Res
15巻、1007〜14頁(2005年))からのプロファイルを含むリンクス治療法MPSSデータセット中で検索した(図38d)。
HERV−K_22q11.23:ETV1、SLC45A3:ETV1、およびC15ORF21:ETV1融合物は、5’パートナー由来の予測翻訳配列を含まず、HNRPA2B1:ETV1融合物におけるHNRPA2B1配列は、融合タンパク質に対して2つの残基のみが寄与する。したがって、5’パートナーのプロモーターエレメントは、おそらくこれらの症例における異常ETV1発現を誘発するので、これらの遺伝子の組織特異性およびアンドロゲン制御が特徴付けられた。SLC45A3、C15ORF21、およびHNRPA2B1の組織特異性を調べるため、29の異なる種類の630の腫瘍から得た発現プロファイルからなる国際ゲノムコンソーシアムexpOデータセットをOncomineデータベースを用いて検索した(Rhodesら、Neoplasia 9巻、166〜80頁(2007年))。TMPRSS2と同様に、SLC45A3は、その他すべての腫瘍型(メジアン=0.33、P=2.4E−7)と比較して、前立腺癌において著しい過剰発現(メジアン=2.45、1つのアレイ当たりのメジアンを超える標準偏差)を示した。C15ORF21は、前立腺癌において同様の過剰発現を示した(メジアン=2.06対−0.12、P=3.4E−6)。一方、HNRPA2B1は、前立腺およびその他の腫瘍型で高発現を示した(メジアン=2.36対2.41、P>0.05)(図38d)。HERV−K_22q11.23をexpOデータセットで用いたDNAマイクロアレイでモニターしていないにもかかわらず、Staufferら(Cancer Immun 4巻、2頁(2004年))が記載するように、MPSSにより明確に測定される。したがって、HERV−K_22q11.23の発現を、31のその他の正常な組織(メジアン=100万あたり9個の転写産物)と比較して、HERV−K_22q11.23が正常な前立腺組織において最高レベルで発現(100万あたり94個の転写産物)した、32の正常な組織型(Jongeneelら、Genome Res
15巻、1007〜14頁(2005年))からのプロファイルを含むリンクス治療法MPSSデータセット中で検索した(図38d)。
qPCRにより、SLC45A3(21.6倍、P=6.5E−4)とHERV−K 22q11.23(7.8倍、P=2.4E−4)の、LNCaP前立腺癌細胞株における内在性発現は、TMPRSS2(14.8倍、P=9.95E−7)と同様に、合成アンドロゲンR1881によって著しく増加する。逆に、C15ORF21の発現は、R1881刺激により著しく減少する(1.9倍、P=0.0012)。最後に、HNRPA2B1の発現は、アンドロゲン刺激により著しくは変化しない(1.17倍、P=0.29))(図38e)。
ETV1は良性前立腺細胞において侵襲を誘導する
5’パートナーがコード配列をETV1転写産物に与えないので、臨床的試料および前立腺癌細胞株における異なるクラスのETV1再配列についての共通の結果は、切断されたETV1の異常過剰発現である。したがって、この現象は、前立腺癌における異常ETSファミリーメンバー発現の役割を決定するために、in vitroおよびin vivoで繰り返された。アデノウイルスおよびレンチウイルスコンストラクトは、指標のTMPRSS2:ETV1融合物が陽性の症例、MET26(ETV1のエクソン4から始まってETV1の終始コドンまで)で表されるようにETV1を過剰発現するようにデザインされている(図41a)。良性不死化前立腺上皮細胞株RWPEをETV1を発現するレンチウイルスに感染させ、安定なRWPE−ETV1細胞を選択し、ETV1を発現するアデノウイルスによる感染により、原発性良性前立腺上皮細胞株PrECにおいてETV1を一時的に過剰発現した。RWPEおよびPrEC細胞の両者において、ETV1の過剰発現は、増殖に対して検出可能な効果はなく(図44a〜b)、細胞周期分析は、S期におけるRWPE−ETV1とRWPE−GUS細胞の割合に何の差異も示さなかった(図44c)。さらにまた、軟寒天形質転換アッセイでは、ETV1過剰発現がRWPE細胞を形質転換するには十分でないことが示された(図44d)。
5’パートナーがコード配列をETV1転写産物に与えないので、臨床的試料および前立腺癌細胞株における異なるクラスのETV1再配列についての共通の結果は、切断されたETV1の異常過剰発現である。したがって、この現象は、前立腺癌における異常ETSファミリーメンバー発現の役割を決定するために、in vitroおよびin vivoで繰り返された。アデノウイルスおよびレンチウイルスコンストラクトは、指標のTMPRSS2:ETV1融合物が陽性の症例、MET26(ETV1のエクソン4から始まってETV1の終始コドンまで)で表されるようにETV1を過剰発現するようにデザインされている(図41a)。良性不死化前立腺上皮細胞株RWPEをETV1を発現するレンチウイルスに感染させ、安定なRWPE−ETV1細胞を選択し、ETV1を発現するアデノウイルスによる感染により、原発性良性前立腺上皮細胞株PrECにおいてETV1を一時的に過剰発現した。RWPEおよびPrEC細胞の両者において、ETV1の過剰発現は、増殖に対して検出可能な効果はなく(図44a〜b)、細胞周期分析は、S期におけるRWPE−ETV1とRWPE−GUS細胞の割合に何の差異も示さなかった(図44c)。さらにまた、軟寒天形質転換アッセイでは、ETV1過剰発現がRWPE細胞を形質転換するには十分でないことが示された(図44d)。
ETV1過剰発現は、RWPE(3.4倍、P=0.0005)およびPrEC(6.3倍、P=0.0006)の両者で顕著に侵襲を増大させた(図41b〜c)。さらにまた、LNCaPにおける、siRNA、または異なる配列に対して設計されたshRNAを用いたETV1ノックダウンは、侵襲を顕著に阻害し(図41d〜eおよび図45)、過去の研究と一致している(Caiら、Mol Endocrinol(2007年))。これらの結果は、ETV1過剰発現が重要な発癌表現型である侵襲を誘発することを実証している。安定なETV1過剰発現により制御される転写プログラムを調べるために、RWPE−ETV1細胞をプロファイリングし、発現シグネチャーを、分子概念マップ(MCM)と呼ばれる生物学的に関連した概念の概要に対して分析した。MCMは、20,000以上の生物学的に関連した遺伝子セット間の関連を不均衡なオーバーラップにより探すためのものである(Tomlinsら、Nat Genet 39巻、41〜51頁(2007年))。図41fに示すように、MCM分析は本発明者らのETV1過剰発現されたシグネチャーにおいてエンリッチメントが起こっている細胞侵襲に関連する分子概念のネットワークを明らかにしており、上述の表現型効果と一致している。qPCRおよび免疫ブロット法により、マトリックスメタロプロテイナーゼおよびウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子経路のメンバー(Laufsら、Cell Cycle 5巻、1760〜71頁(2006年);Fingleton、Front Biosci 11巻、479〜91頁(2006年))等の、過去に侵襲に関与した複数の遺伝子のRWPE−ETV1細胞における過剰発現を確認した(図41gおよび47)。これらの結果は、ETV1がマトリックスメタロプロテイナーゼを通じてLNCaP細胞内での侵襲に影響を与えることを実証する最近の研究(Caiら、上述)と一致している。
mPINを誘発するマウス前立腺におけるETV1発現
次に、in vivoでのETV1過剰発現の効果を、アンドロゲン制御下で前立腺において排他的に強力な導入遺伝子発現を誘発する、改変プロバシンプロモーター(ARR2Pb−ETV1)の制御下にあるFLAGタグの付いた切断されたバージョンのETV1(図41a)を発現するトランスジェニックマウスを用いて調べた(Ellwood−Yenら、Cancer Cell 4巻、223〜38頁(2003年))。この導入遺伝子は、ヒト前立腺癌において同定されたETV1のアンドロゲン誘導遺伝子融合物に機能的に類似している(すなわち、TMPRSS2:ETV1、SLC45A3:ETV1、およびHERV−K_22q11.23:ETV1)。複数のARR2Pb−ETV1初代動物を入手し、表現型分析に展開した。12〜14週齢の、ARR2Pb−ETV1トランスジェニックマウス8匹中6匹(75%)がマウス前立腺上皮内腫瘍(mPIN)を発症した(表18および図42)。mPINの定義に従い、層形成、高色素血および肥大核小体を含む核異型を示す、ARR2Pb−ETV1マウスの前立腺における正常な腺内に含まれる局所性増殖病変を観察した(図42a〜f)。mPINは、ARR2Pb−ETV1マウスのすべての3つの前立腺葉(前側、腹側、および背外側)で観察され、腹側葉で最もよく見られた(7/11、63.6%)(表18)。免疫組織化学的検査により、強度のETV1−FLAG発現が、ARR2Pb−ETV1マウスの良性腺ではなく、排他的にmPIN病巣で観察され(図48)、qPCRは、導入遺伝子発現が前立腺に限定されるものであることを確認した。
次に、in vivoでのETV1過剰発現の効果を、アンドロゲン制御下で前立腺において排他的に強力な導入遺伝子発現を誘発する、改変プロバシンプロモーター(ARR2Pb−ETV1)の制御下にあるFLAGタグの付いた切断されたバージョンのETV1(図41a)を発現するトランスジェニックマウスを用いて調べた(Ellwood−Yenら、Cancer Cell 4巻、223〜38頁(2003年))。この導入遺伝子は、ヒト前立腺癌において同定されたETV1のアンドロゲン誘導遺伝子融合物に機能的に類似している(すなわち、TMPRSS2:ETV1、SLC45A3:ETV1、およびHERV−K_22q11.23:ETV1)。複数のARR2Pb−ETV1初代動物を入手し、表現型分析に展開した。12〜14週齢の、ARR2Pb−ETV1トランスジェニックマウス8匹中6匹(75%)がマウス前立腺上皮内腫瘍(mPIN)を発症した(表18および図42)。mPINの定義に従い、層形成、高色素血および肥大核小体を含む核異型を示す、ARR2Pb−ETV1マウスの前立腺における正常な腺内に含まれる局所性増殖病変を観察した(図42a〜f)。mPINは、ARR2Pb−ETV1マウスのすべての3つの前立腺葉(前側、腹側、および背外側)で観察され、腹側葉で最もよく見られた(7/11、63.6%)(表18)。免疫組織化学的検査により、強度のETV1−FLAG発現が、ARR2Pb−ETV1マウスの良性腺ではなく、排他的にmPIN病巣で観察され(図48)、qPCRは、導入遺伝子発現が前立腺に限定されるものであることを確認した。
すべての病変は、近接する平滑筋アクチン染色により実証されるように、無傷の繊維筋層の存在により、インサイチュであることが確認された(図42g〜h)。しかしながら、基底細胞マーカーサイトケラチン5およびp63を用いた免疫組織化学的検査は、良性腺と比較した、ARR2Pb−ETV1mPINにおける周囲基底上皮層の消失を実証し(図42i〜l)、これは基底細胞層の破損を示している。これらの結果は、ETV1がマウス前立腺における腫瘍表現型を誘導を実証し、ヒト前立腺癌におけるETS遺伝子融合の発癌役割を支持する。
(実施例20)
ETV5遺伝子融合物
本実施例では、TMPRSS2:ETV5およびSLC45A3:ETV5遺伝子融合物の同定を記載する。SYBRグリーンQPCRによるETV5例外発現の検出には、以下のプライマー対:
ETV5_エクソン13−f:5’−CCGAAGGCTTTGCTTACTAAGTTTCTGA−3’(配列番号416)
ETV5_エクソン13−r:5’−CACTGCCCTTGTTTGCCTGAATG−3’(配列番号417)
を用いた。
PCa_ETV5_1由来のTMPRSS2:ETV5融合物の同定には、RLM−RACEに対し、以下のプライマー:
ETV5_エクソン6−r:5’−AGCTCCCGTTTGATCTTGGTTGG−3’(配列番号418)
を用いた。
ETV5_エクソン6−r:5’−AGCTCCCGTTTGATCTTGGTTGG−3’(配列番号418)
を用いた。
PCa_ETV5_2由来のSLC45A3:ETV5融合物の同定には、以下のプライマー:
ETV5_エクソン11−r:5’−CATGGTAGGCTCCTGTTTGACTTTG−3’(配列番号419)
を用いた。
ETV5_エクソン11−r:5’−CATGGTAGGCTCCTGTTTGACTTTG−3’(配列番号419)
を用いた。
図52は、上述の融合物を示す。TMPRSS2:ETV5については、3つのスプライスバリアントを同定した。すべてについての配列を示した。図53は、ETV5例外発現を示す2つの前立腺癌(PCa)症例のQPCRによる同定を示す(A)。パネルBは、RACEで決定した、両症例についての融合転写産物の構造を示す。
(実施例21)
さらなるERG、ETV1およびETV4遺伝子融合物
ETS転写因子であるERG、ETV1、ETV4またはETV5を伴う再発性遺伝子融合物は、40〜70%の前立腺癌において同定されている。包括的な間期インサイチュハイブリダイゼーション(FITH)分断プローブストラテジーを用いて、110の臨床的に局在化された前立腺癌患者のコホートにおいて、全27のETSファミリーメンバーおよびそれらの5つの公知の5’融合パートナーを調べた。この包括的FISHスクリーニングに基づいて、4つの注目すべき観察がなされた。第1に、大部分の前立腺癌(44%)をETS遺伝子融合物に帰することができない。第2に、SLC45A3は、ERGの5’融合パートナーである;以前は、TMPRSS2が唯一の報告されたERGの5’パートナーであった。第3に、2つの前立腺特異的なアンドロゲン誘導遺伝子であるFLJ35294およびCANT1は、それぞれETV1およびETV4に対する5’パートナーである。第4に、普遍的に発現するアンドロゲン非感受性遺伝子であるDDX5をETV4とフレームを合わせて融合させ、DDX5:ETV4融合タンパク質の発現を導く。
さらなるERG、ETV1およびETV4遺伝子融合物
ETS転写因子であるERG、ETV1、ETV4またはETV5を伴う再発性遺伝子融合物は、40〜70%の前立腺癌において同定されている。包括的な間期インサイチュハイブリダイゼーション(FITH)分断プローブストラテジーを用いて、110の臨床的に局在化された前立腺癌患者のコホートにおいて、全27のETSファミリーメンバーおよびそれらの5つの公知の5’融合パートナーを調べた。この包括的FISHスクリーニングに基づいて、4つの注目すべき観察がなされた。第1に、大部分の前立腺癌(44%)をETS遺伝子融合物に帰することができない。第2に、SLC45A3は、ERGの5’融合パートナーである;以前は、TMPRSS2が唯一の報告されたERGの5’パートナーであった。第3に、2つの前立腺特異的なアンドロゲン誘導遺伝子であるFLJ35294およびCANT1は、それぞれETV1およびETV4に対する5’パートナーである。第4に、普遍的に発現するアンドロゲン非感受性遺伝子であるDDX5をETV4とフレームを合わせて融合させ、DDX5:ETV4融合タンパク質の発現を導く。
A.材料および方法
治験対象母集団、臨床的データ、および組織マイクロアレイ(TMA)の収集
ミシガン大学病院で2004から2006年までの初期治療として根治的前立腺切除術を受けた110人の臨床的に局在化した前立腺癌の患者を示すTMAを構築した。コア(直径0.6mm)を各代表腫瘍病巣から取り出し、病理学者によって形態を確認した。詳細な臨床的、病理学的、およびTMAデータは、既述の確実な関連データベースに保存されている(参照により全体として本明細書に援用されるMehraら、Mod Pathol. 2007年;20巻(5号):538〜44頁)。表19に患者の情報を示す。この根治的前立腺切除シリーズは、ミシガン大学の前立腺癌専門優良研究プログラムの組織コアの一部であった。
治験対象母集団、臨床的データ、および組織マイクロアレイ(TMA)の収集
ミシガン大学病院で2004から2006年までの初期治療として根治的前立腺切除術を受けた110人の臨床的に局在化した前立腺癌の患者を示すTMAを構築した。コア(直径0.6mm)を各代表腫瘍病巣から取り出し、病理学者によって形態を確認した。詳細な臨床的、病理学的、およびTMAデータは、既述の確実な関連データベースに保存されている(参照により全体として本明細書に援用されるMehraら、Mod Pathol. 2007年;20巻(5号):538〜44頁)。表19に患者の情報を示す。この根治的前立腺切除シリーズは、ミシガン大学の前立腺癌専門優良研究プログラムの組織コアの一部であった。
間期蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)およびFISHに基づくスクリーニングストラテジー
従来の有効なFISHに基づく分断プローブストラテジーを利用して、前立腺癌における公知および新規な遺伝子異常を調べた(参照により全体として本明細書に援用されるTomlinsら、Nature 2007年;448巻(7153号)):595〜9頁;Tomlinsら、Cancer Res 2006年;66巻(7号):3396〜400頁;Tomlinsら、Science 2005年;310巻(5748号):644〜8頁)。細菌人工染色体(BAC)(表20に列挙)をBACPACリソースセンター(カリフォルニア州オークランド)から得て、プローブを調製した。
すべてのプローブの完全性および正確な局在化を正常な末梢リンパ球の中期スプレッドに対するハイブリダイゼーションによって検証した。スライドをイメージングZ1顕微鏡(カールツァイス社、独国オーバーコッヘン)を用いて調べた。形態学的に無傷のおよび非オーバーラップ核の状態で、FISHシグナルを病理学者により手作業で評価し(100×油浸)、各部位から最小数50個の癌細胞を記録した。非常に弱いかまたはシグナルのない癌部位は、不十分なハイブリダイゼーションとして報告した。全3つのコアにおいて腫瘍組織を含まない症例を排除した。
FISHに基づくハイスループットスクリーニングストラテジーのフローチャートを示す(図54)。ブレイクポイントが特徴付けられたERG、ETV1、ETV4およびETV5再配列の検出について、分断プローブのためにBACを用いた(参照により全体として本明細書に援用されるHelgesonら、Cancer Res 2008年 68巻(1号):73〜80頁)。前立腺癌において未知の再配列状態の残存ETSファミリー遺伝子について、対象の約1Mb領域の側面に位置する分断プローブを前立腺癌TMA上の初期スクリーニングに利用した(図54A、B)。続いて、対象遺伝子の側面にしっかりと位置するETS遺伝子特異的プローブ(約200kb)を用いて、初期スクリーニングによって同定された前立腺癌由来の組織切片上にETS異常を確認した(図54C)。
この研究が分断プローブFISHストラテジーによって開始された時期に知られたすべての5’パートナーの再配列についてこのTMAをさらに評価した。ETS遺伝子および公知の5’パートナーの両者について再配列した症例に関して、従来検証された融合プローブストラテジーを用いて潜在的な遺伝子融合を確認した(図54D)。ETS遺伝子再配列のみを有する症例について、凍結組織を得て、cDNA末端のRNAリガーゼ介在性急速増幅(RLM−RACE)によって5’融合パートナーを同定した(図54D)。
細胞株研究
アンドロゲン感受性前立腺癌細胞株であるLnCaPを10%FBS含有のRPMIに維持した。アンドロゲン刺激実験について、活性炭処理された5%FCSを補足したフェノールレッド不含RPMI中に細胞を2日間置き、その後、以下の時点0、3、12、24、および48時間で、1%エタノールまたは10nMのR1881で処理した。アンドロゲンで細胞を16時間処理し、クロマチン免疫沈降(ChIP)分析のために架橋した。製造業者の使用説明書に従って、総RNAをトリゾール(Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いて単離した。
アンドロゲン感受性前立腺癌細胞株であるLnCaPを10%FBS含有のRPMIに維持した。アンドロゲン刺激実験について、活性炭処理された5%FCSを補足したフェノールレッド不含RPMI中に細胞を2日間置き、その後、以下の時点0、3、12、24、および48時間で、1%エタノールまたは10nMのR1881で処理した。アンドロゲンで細胞を16時間処理し、クロマチン免疫沈降(ChIP)分析のために架橋した。製造業者の使用説明書に従って、総RNAをトリゾール(Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いて単離した。
定量的リアルタイム逆転写PCR(Q−PCR)
Q−PCRを標準的なプロトコールに従って行った。すべてのオリゴヌクレオチドプライマーをIntegrated DNA Technologies(Coralville、IA)によって合成し、表21に列挙する。
Q−PCRを標準的なプロトコールに従って行った。すべてのオリゴヌクレオチドプライマーをIntegrated DNA Technologies(Coralville、IA)によって合成し、表21に列挙する。
ハウスキーピング遺伝子GAPDHのmRNAレベルによって試料を標準化した。アンドロゲン刺激反応を3点測定で行い、他のすべての反応を2点測定で行った。
cDNA末端のRNAリガーゼ介在性急速増幅(RLM−RACE)
前立腺癌における異常ETS遺伝子の未知の5’パートナーを同定するためにRLM−RACEを行った。製造業者の使用説明書によるタッチダウンPCRプロトコールにより、遺伝子特異的リバースプライマーETV1_エクソン4−5r、ETV4_エクソン7rおよび5’遺伝子レーサープライマー(Invitrogen)を用いて、プラチナTaqハイフィデリティ酵素(Invitrogen)により第1鎖のcDNAを増幅した。PCR増幅産物をpCR4−TOPO TAベクター(Invitrogen)にクローニングし、記述したベクタープライマーを用いて双方向に配列決定した。
前立腺癌における異常ETS遺伝子の未知の5’パートナーを同定するためにRLM−RACEを行った。製造業者の使用説明書によるタッチダウンPCRプロトコールにより、遺伝子特異的リバースプライマーETV1_エクソン4−5r、ETV4_エクソン7rおよび5’遺伝子レーサープライマー(Invitrogen)を用いて、プラチナTaqハイフィデリティ酵素(Invitrogen)により第1鎖のcDNAを増幅した。PCR増幅産物をpCR4−TOPO TAベクター(Invitrogen)にクローニングし、記述したベクタープライマーを用いて双方向に配列決定した。
クロマチン免疫沈降(ChIP)分析
ホルモン枯渇細胞をR1881またはエタノール処理を施した後に、5μgの抗アンドロゲン受容体(AR)抗体(Upstate、Lake Placid、NY)を16時間用いて、ChIP実験を以前に記載される(参照により全体として本明細書に援用されるYuら、Cancer Cell 2007年;12巻(5号):419〜31頁)ように行った。インプット全細胞抽出DNAおよびChIPに富んだDNAを連結媒介性PCRによって増幅し、標的プロモーターのqPCR評価に供した。ChIPエンリッチメントをインプットDNAの割合として評価した。
ホルモン枯渇細胞をR1881またはエタノール処理を施した後に、5μgの抗アンドロゲン受容体(AR)抗体(Upstate、Lake Placid、NY)を16時間用いて、ChIP実験を以前に記載される(参照により全体として本明細書に援用されるYuら、Cancer Cell 2007年;12巻(5号):419〜31頁)ように行った。インプット全細胞抽出DNAおよびChIPに富んだDNAを連結媒介性PCRによって増幅し、標的プロモーターのqPCR評価に供した。ChIPエンリッチメントをインプットDNAの割合として評価した。
組織特異的発現
5’融合パートナーの組織特異的発現を決定するために、Oncomineデータベースを用いて、国際ゲノムコンソーシアムのexpOデータセットを調べ、これは29の異なるタイプの630個の腫瘍由来の発現プロファイルからなっていた。
5’融合パートナーの組織特異的発現を決定するために、Oncomineデータベースを用いて、国際ゲノムコンソーシアムのexpOデータセットを調べ、これは29の異なるタイプの630個の腫瘍由来の発現プロファイルからなっていた。
DDX5−ETV4のクローニングおよび発現
全長DDX5−ETV4融合cDNAを、症例85番の5’RLM−RACE生産物を用いて、コザック配列−FLAタグ−開始コドン−DDX5 N末端ヌクレオチド配列(5’−CACC−ATG−GATTACAAGGATGACGACGATAAGTCGGGTTATTCGAGTGACCGAGACCGCGGC−3’;配列番号438)を含む5’プライマーと終止コドンまでのETV4のC末端ヌクレオチドに対応する3’プライマー(CTAGTAAGAGTAGCCACCCTTGGGGCCA;配列番号439)により、ゲートウェイ(Gateway)クローニングシステムエントリーベクターpENTR−D−TOPO(Invitrogen)にクローニングした。LRクロナーゼII(Invitrogen)を用いて、pENTR−D−Topo−DDX5−ETV4をpCDNA3.2−DESTベクター(Invitrogen)に組み換えることによって発現構築物を生じさせた。FuGENE6トランスフェクション試薬(Roche)を用いて、ヒト胚腎臓(HEK)293細胞をpCDN3.2−FLAG−DDX5−ETV4発現構築物で一過性にトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞由来の溶解物をSDS−PAGEで分離し、ポリ二フッ化ビニリデンメンブレン(GE Healthcare)上に転写した。このメンブレンをブロッキング緩衝液[トリス緩衝化生理食塩水、0.1%ツイーン(TBS−T)、5%脱脂粉乳]中で1時間インキュベートし、1:1000に希釈したFLAGタグに対するウサギポリクローナル抗体(Cell
Signaling Technology)と共に一晩4℃でインキュベートした。TBS−Tによる洗浄後、このブロットを西洋ワサビペルオキシダーゼをコンジュゲートした二次抗体と共にインキュベートし、製造業者(GE Healthcare)によって説明されるように増強ケミルミネッセンスシステムによってシグナルを視覚化した。ローディングが等しいことを確認するために、ブロットをGAPDH(Abeam)を用いてブロットを再精査した。前立腺組織溶解物をETV4ポリクローナル抗体(Abnova)を用いた免疫ブロットによって同様に処理した。
全長DDX5−ETV4融合cDNAを、症例85番の5’RLM−RACE生産物を用いて、コザック配列−FLAタグ−開始コドン−DDX5 N末端ヌクレオチド配列(5’−CACC−ATG−GATTACAAGGATGACGACGATAAGTCGGGTTATTCGAGTGACCGAGACCGCGGC−3’;配列番号438)を含む5’プライマーと終止コドンまでのETV4のC末端ヌクレオチドに対応する3’プライマー(CTAGTAAGAGTAGCCACCCTTGGGGCCA;配列番号439)により、ゲートウェイ(Gateway)クローニングシステムエントリーベクターpENTR−D−TOPO(Invitrogen)にクローニングした。LRクロナーゼII(Invitrogen)を用いて、pENTR−D−Topo−DDX5−ETV4をpCDNA3.2−DESTベクター(Invitrogen)に組み換えることによって発現構築物を生じさせた。FuGENE6トランスフェクション試薬(Roche)を用いて、ヒト胚腎臓(HEK)293細胞をpCDN3.2−FLAG−DDX5−ETV4発現構築物で一過性にトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞由来の溶解物をSDS−PAGEで分離し、ポリ二フッ化ビニリデンメンブレン(GE Healthcare)上に転写した。このメンブレンをブロッキング緩衝液[トリス緩衝化生理食塩水、0.1%ツイーン(TBS−T)、5%脱脂粉乳]中で1時間インキュベートし、1:1000に希釈したFLAGタグに対するウサギポリクローナル抗体(Cell
Signaling Technology)と共に一晩4℃でインキュベートした。TBS−Tによる洗浄後、このブロットを西洋ワサビペルオキシダーゼをコンジュゲートした二次抗体と共にインキュベートし、製造業者(GE Healthcare)によって説明されるように増強ケミルミネッセンスシステムによってシグナルを視覚化した。ローディングが等しいことを確認するために、ブロットをGAPDH(Abeam)を用いてブロットを再精査した。前立腺組織溶解物をETV4ポリクローナル抗体(Abnova)を用いた免疫ブロットによって同様に処理した。
B.結果
前立腺癌における全27のETSファミリー遺伝子、および全5つの公知の5’融合パートナーの再配列状態の包括的プロファイルを、臨床的に局在化された前立腺癌の110症例から構成されたTMAに関するFISH分断プローブハイブリダイゼーションを用いて作製した(図54)。
前立腺癌における全27のETSファミリー遺伝子、および全5つの公知の5’融合パートナーの再配列状態の包括的プロファイルを、臨床的に局在化された前立腺癌の110症例から構成されたTMAに関するFISH分断プローブハイブリダイゼーションを用いて作製した(図54)。
27のETS転写因子および5つの5’融合パートナーについての遺伝子再配列のマトリックス表示を作製した(図55a〜b)。ERGは前立腺癌において最も共通して再配列したETS遺伝子であり、TMPRSS2は最も共通して再配列した5’融合パートナーであった。このTMAに対して表されるコホートでは、ERGは43%(43/99)の症例で再配列し、そのうち63%(27/43)は、以前の報告(参照により全体として援用されるPernerら、Cancer Res 2006年;66巻(17号):8337〜41頁)に類似した、その5’末端の欠失を通じてTMPRSS2に融合した。全体として、ERG陽性症例の98%(42/43)は5’融合パートナーとしてTMPRSS2を有していた。ERG陽性症例の1つは、TMPRSS2について陰性であった。本発明者らのFISHスクリーニングのさらなる調査により(図55)、この症例は5’パートナーであるSLC45A3の再配列を有していた(症例102番)。SLC45A3:ERGの遺伝子融合をSLC45A3の5’側のプローブとERGの3’側のプローブを用いた融合アッセイにより確認し(図56)、したがって、ERGの新規な5’融合パートナーとしてのSLC45A3と関係していた。この所見に先んじて、ERGは、おそらく第21染色体上の同時局在化に起因して、ERGは専らTMPRSS2と一組になると考えられた。SLC45A3は、ETV1とETV5の5’融合パートナーであるものとして以前に同定された(参照により全体として本明細書に援用されるHelgeson Cancer Res 2008年;68巻(1号):73〜80頁)。
ERGとは対照的に、ETV1は、患者の約5%(5/99)において再配列した(症例4、51、54、72、91番、図55a〜b)。ETV1は、TMPRSS2、SLC45A3、HERVK_22q11.23、C15ORF21およびHNRPA2B1を含む多数の遺伝子に融合することが示されている。この研究において示された110症例において、症例4番および72番は、それぞれSLC45A3およびHNRPA2B1に加えて、ETV1における再配列を有していた。融合プローブFISHアッセイを利用して、これらの2つの症例において、それぞれSLC45A3:ETV1(SLC45A3の5’側のプローブとETV1の3’側のプローブ)、およびHNRPA2B1:ETV1(HNRPA2B1の5’側のプローブとETV1の3’側のプローブ)を確認した。症例72番は、文献にて報告されたHNRPA2B1:ETV1の第2の症例であり、HNRPA2B1:ETV1融合は前立腺癌において再発性であることが示唆された。SLC45A3:ETV1融合物を有した症例4番は先に報告された(Tomlinsら、Nature 2007年;448巻(7153号):595〜9頁)のと同じ症例であることが分かった。ETV1陽性症例51番、54番、91番では、公知の5’パートナーにおける再配列はFISHによって同定されなかった。症例54番では、RLM−RACEを用いて、本発明者らは、ETV1のエクソン1から4が前立腺EST遺伝子FLJ35294(17p13.1)の5’配列の263塩基対で置換されていることを同定した(図57A)。
ETV4再配列は、本発明者らのコホートにおいて5%(5/100)の患者に存在していた(症例40番、46番、53番、64番、85番、図55a〜b)。症例64番および85番は、転位(分断)を通じて再配列を有し、ETV4の5’側のプローブの欠失が症例40番および46番において同定された。対照的に、症例53番は、ETVの3’側のプローブの欠失を示した(その意味は不明である)。注目すべきことに、症例40番および64番もTMPRSS2分断プローブによってスクリーニングした場合にTMPRSS2について異常を示した。これらの2つの症例は、融合プローブアッセイ(TMPRSS2の5’側のプローブおよびETV4の3’側のプローブを採用)を用いてTMPRSS2:ETV4融合物を有することを確認した。症例40番では、分断シグナルの代わりに、5’末端欠失をETV4の5’側および3’側のプローブを用いて検出し、これは、この症例におけるTMPRSS2:ETV4融合物が不平衡な転位を通じて生じたことを示唆した。RLM−RACEによって、ETV4のエクソン1がTMPRSS2のエクソン1−2と置換されたことがさらに示された。したがって、この症例は、以前に報告されたTMPRSS2:ETV4融合症例とは異なり、この場合、TMPRSS2の新規な上流エクソンがこの融合に関与していた(Tomlinsら、Cancer Res 2006年;66巻(7号):8396〜400頁)。ETV4は症例46番および85番において再配列される一方で、公知の5’パートナーにおける遺伝子異常はFISHによって観察されなかった。RLM−RACEは、これらの2つの症例においてETV4転写産物を特徴付けた。症例46番では、ETV4のエクソン5は、従前報告された融合配列と一致した、17q25.3に位置したCANT1遺伝子のエクソン1aに融合した(参照により全体として本明細書に援用されるHermansら、Cancer Res 2008年;68巻(9号):3094〜8頁)(図57A)。症例85番では、別の新規な5’パートナー遺伝子であるDEAD(Asp−Glu−Ala−Asp)ボックスポリペプチド5(DDX5)がRLM−RACEによって同定された(図57A)。DDX5−ETV4の配列分析によって、融合転写産物がETV4のエクソン5〜13にフレームを合わせて融合した、DDX5のエクソン1〜3からなっていることが示された(図57A)。FLJ35294:ETV1、CANT1:ETV4およびDDX5:ETV4の遺伝子融合物を融合プローブFISHアッセイによって確認した(図58)。
本コホートではETV5再配列を有する症例は同定されなかった。残りの23のETS転写因子のうち、少ない割合の前立腺癌症例は、FISHスクリーニングストラテジーを用いて、ETSについて異常5’または3’欠失を示した(図a〜b)。欠失の単一症例は、ETV3、ELF1およびSPICの5’末端、ならびにETV3、ELF2およびELK3の3’末端において見出された。約1Mbの分断プローブアプローチを用いたFISHスクリーニングにより、症例12番のELK3遺伝子座、および症例21番のELF4遺伝子座について分断シグナルが生じたが、この領域を狭めることによるさらなるFISH分析によって、ELF4遺伝子の220Kb下流、およびELK3遺伝子の140Kb上流のブレイクポイント位置が同定された。注目すべきことに、ELK4再配列を検出するために用いられたBACは、上記2つの遺伝子の近似(約20Kb)のため、SLC45A3の異常を検出するために利用されたものと同じであった。分断シグナルは、4つの症例(4番、39番、67番および102番)において観察された。これらのうち、4番および102番は、それぞれSLC45A3:ETV1およびSLC45A3:ERG融合物を12有することが同定された。これらの症例はELK4とSLC45A3との融合物を有していなかった。したがって、これらの単独欠失の多くは、非特異的であり、非再発性病変の可能性がある。
さらに、110人の患者TMAを前立腺癌におけるETS異常の公知の5’パートナーのすべてについてスクリーニングし、47%の症例(48/102)においてTMPRSS2が再配列したことが見出された。SLC45A3は症例の2%(2/89)で再配列され、次に、HNRPA2B1が1%(1/99)であり、C15ORF21は1%(1/88)であった。HERV−K_22q11.23再配列はこのコホートで同定されなかった。FISH分析により、ETS遺伝子異常を伴わない5’パートナー再配列を有するいくつかの症例が見られ、これらの症例がETS遺伝子融合パートナーを有しない可能性があることを示している(図55a〜b)。
この研究において同定されたETV1およびETV4の5’融合パートナーを特徴付けた。Q−PCRにより、ETV1またはETV4過剰発現が症例54番、46番、および85番において確認され、それぞれFLJ35294:ETV1、CANT1:ETV4およびDDX5:ETV4融合物を有していた(図59A)。異常ETS発現がFLJ35294、CANT1およびDDX5の調節エレメントによって駆動された可能性があるため、前立腺癌におけるそれらの組織特異性およびアンドロゲン制御を調べた。TMPRSS2と同様に、SLC45A3、FLJ35294およびCANT1は、Oncomineにアクセスされた国際ゲノムコンソーシアムのexpOデータセットを用いた他の癌タイプと比較して、前立腺癌において顕著な過剰発現を示した(図57B、P=2.8×10−7(FLJ35294);P=6.8×10−7(CANT1))。対照的に、DDX5はすべての腫瘍タイプにおいて高い発現を示し(図57B)、これは、前立腺特異性というよりもハウスキーピング機能を有する可能性があることを示している。
Q−PCRによって、内因性FLJ35294(48時間で11.6倍、P=0.0006)およびCANT1(24時間で3.8倍、P=0.0014)の発現は、LnCaP前立腺癌細胞株において合成アンドロゲンR1881による処理によって有意に誘導された(図59B)。ChIP分析は、FLJ35294(9倍エンリッチメント、P=0.005)およびCANT1(40倍エンリッチメント、P=0.0014)遺伝子におけるプロモーター領域のアンドロゲン受容体(AR)占有を示した(図59C)。対照的に、DDX5の発現はR1881刺激による影響はなく(図59B)、ARはDDX5のプロモーター領域に採用されなかった(図59C)。したがって、FLJ35294−ETV1およびCANT1−ETV4融合物は、前立腺特異的なアンドロゲン誘導の5’パートナーからの融合物を伴う再配列を含む、前立腺癌におけるクラスII遺伝子融合物として分類され得る;一方DDX5−ETV4はクラスIV遺伝子融合物を表す可能性があり、そこでは、非組織特異的なプロモーターエレメントがETS遺伝子発現を駆動する。
FLJ35294−ETV1およびCANT1−ETV4融合物は、5’パートナー由来の予測されない翻訳配列(エクソン)を含む。しかしながら、前立腺癌におけるほぼすべての従来報告された遺伝子融合物とは異なり、DDX5:ETV4融合転写産物は推定の融合タンパク質をコードし、これは、DDX5タンパク質のN末端の102アミノ酸伸長(stretch)がETV4の416のC末端アミノ酸に融合していた(図59D)。融合タンパク質は、フレームを合わせたN末端FLAGエピトープタグをコードする発現ベクターに症例85番由来の全長cDNAをクローニングすることによって、このキメラ転写産物により発現させた。ヒト胚腎臓(HEK)293細胞への一過性トランスフェクションにより、DDX5−ETV4融合タンパク質の発現を、独立して誘導したクローンの全域で検出した(図59D)。症例85番がDDX5:ETV4融合タンパク質を発現するかどうかを評価するために、組織抽出物を、ETV4のC末端に対する抗体を用いたイムノブロット分析に曝露した(図59D)。DDX5:ETV4陽性症例だけが異常な57kDa融合タンパク質を発現した。
すべての刊行物、特許、特許出願、および上述の明細書において述べた受託番号を参照により本明細書中に全体として援用する。本発明は特定の実施形態と関連させて記載されているが、特許請求の本発明はこのような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことを理解すべきである。実際、本発明の記載の組成物および方法の様々な変形および変更は、当業者に明らかであり、以下の請求項の範囲内であると考える。
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- 図面に記載の発明。
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