以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施の形態における説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、本発明の一態様には、半導体装置、記憶装置、表示装置、撮像装置、RF(Radio Frequency)タグなど、あらゆる装置がその範疇に含まれる。また、表示装置には、液晶表示装置、有機発光素子に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、電子ペーパー、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)などが、その範疇に含まれる。
また、本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタのチャネル形成領域に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。以下、チャネル形成領域に金属酸化物を含むトランジスタを、OSトランジスタとも表記する。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図又は文章に示された接続関係に限定されず、図又は文章に示された接続関係以外のものも、図又は文章に記載されているものとする。ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
XとYとが直接的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に接続されていない場合であり、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)を介さずに、XとYとが、接続されている場合である。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。又は、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有している。なお、XとYとが電気的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合を含むものとする。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅又は電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。なお、XとYとが機能的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合と、XとYとが電気的に接続されている場合とを含むものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とが、本明細書等に開示されているものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同様な内容が、本明細書等に開示されているものとする。
また、異なる図面間で同じ符号が付されている構成要素は、特に説明がない限り、同じものを表す。
また、図面上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及び電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置、表示部、及び表示システムについて説明する。
<表示システムの構成例>
図1に、半導体装置100、表示部200を有する表示システム10の構成例を示す。表示システム10は、所定の映像を表示するための信号(以下、映像信号ともいう)を生成する機能と、当該映像信号に基づいて映像を表示する機能と、を有するシステムである。
半導体装置100は、映像信号を生成する機能と、表示部200に表示される映像を制御する機能を有する。表示部200は、半導体装置100から入力された映像信号に従って、映像を表示する機能を有する。半導体装置100は、表示システム10において、表示部200の表示を制御する制御部として用いることができる。以下、半導体装置100及び表示部200について詳細に説明する。
半導体装置100は、コントローラ110、フレームメモリ120、レジスタ130、画像処理部140、駆動回路150、スイッチ回路160を有する。
コントローラ110は、半導体装置100に含まれる各種回路の動作を制御する機能を有する。コントローラ110は、制御回路111、予測回路112を有する。
制御回路111は、外部から入力される信号に基づいて、レジスタ130、画像処理部140、駆動回路150、スイッチ回路160などの回路の動作を制御するための信号を生成する機能を有する。予測回路112は、外部から入力される信号に基づいて、半導体装置100が所定の動作を行うか否かを予測する機能を有する。所定の動作の例としては、後述の通り、電力の供給が挙げられる。予測回路112における予測の結果は、信号Sprとして制御回路111に出力される。制御回路111は、信号Sprに基づいて上述の回路の動作を制御するための信号を生成する。
なお、予測回路112は、半導体装置100の外部に設けられていてもよい。この場合、信号Sprは半導体装置100の外部から制御回路111に入力される。
フレームメモリ120は、表示部200に表示する映像に対応する画像データ(データDi)を記憶し、画像処理部140に出力する機能を有する記憶部である。フレームメモリ120は、記憶装置121、モニター回路122を有する。
記憶装置121は、外部から入力されたデータDiを記憶する機能を有する。また、記憶装置121は、データDiを画像処理部140に出力する機能を有する。モニター回路122は、記憶装置121の消費電力に関する情報を検出する機能を有する。モニター回路122によって検出された情報は、信号Scoとして予測回路112に出力される。そして、予測回路112は信号Scoに基づいて予測を行う。
レジスタ130は、半導体装置100に含まれる各種回路の動作に用いられるデータを記憶する機能を有する。レジスタ130に記憶されるデータとしては、コントローラ110が処理を行う際に使用するデータ、画像処理部140が処理を行う際に使用するデータなどが挙げられる。レジスタ130は、記憶回路131、132を有する。
記憶回路131、132は、半導体装置100に含まれる各種回路の動作に用いられるデータを記憶する機能を有する。外部からレジスタ130に入力されるデータ、及びレジスタ130から外部に出力されるデータは、記憶回路131に記憶される。
一方、記憶回路132は、記憶回路131から転送されたデータを保持する機能を有する。具体的には、記憶回路132は、記憶回路131に記憶されたデータが記憶回路132に退避された際、当該データ保持する機能を有する。なお、レジスタ130に記憶されたデータの転送は、制御回路111によって制御される。
ここで、記憶回路132は、記憶回路132に電力が供給されていない期間にもデータを保持することが可能な回路である。すなわち、記憶回路132は不揮発性の記憶回路としての機能を有する。そのため、記憶回路132を設けることにより、レジスタ130にデータを保持したまま、レジスタ130への電力の供給を停止することができる。なお、電力の供給が停止された期間においても記憶回路132に記憶されたデータを保持するためには、記憶回路132にオフ電流が極めて小さいトランジスタを用いることが好ましい。
記憶回路132に用いるトランジスタとして、OSトランジスタを用いることが好ましい。金属酸化物は、シリコンなどの半導体よりもエネルギーギャップが大きく、少数キャリア密度を低くすることができるため、金属酸化物を用いたトランジスタのオフ電流は極めて小さくすることができる。そのため、記憶回路132にOSトランジスタを用いた場合、チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタ(以下、Siトランジスタともいう)を用いる場合と比較して、記憶回路132に保持された電位を長期間にわたって保持することができる。これにより、レジスタ130への電力の供給が停止された期間においても、長期間データを保持することができる。レジスタ130の具体的な構成例については、実施の形態3において後述する。
画像処理部140は、映像信号を生成する機能を有する。具体的には、フレームメモリ120から入力されたデータDiに対して、各種の画像処理を行うことにより、映像信号に対応する信号SDを生成する機能を有する。画像処理部140は、例えば、ガンマ補正、調光、又は調色を行う機能を有する。
駆動回路150は、信号SDを所定のタイミングで表示部200に供給する機能を有する回路である。画像処理部140から駆動回路150に信号SDが入力されると、駆動回路150から表示部200に、信号SDが所定のタイミングで出力される。表示部200に信号SDが入力されると、表示部200は信号SDに基づいて所定の映像を表示する。なお、駆動回路150は表示部200に設けられていてもよい。
スイッチ回路160は、レジスタ130、画像処理部140、又は駆動回路150への電力の供給を制御する機能を有する。電力の供給を制御する信号Spcが制御回路111からスイッチ回路160に入力されると、信号Spcに基づいてスイッチ回路160の導通状態が制御され、レジスタ130、画像処理部140、又は駆動回路150への電力の供給が制御される。このように、スイッチ回路160を設けることにより、レジスタ130、画像処理部140、又は駆動回路150のパワーゲーティングを行うことができる。
なお、図1においては、レジスタ130、画像処理部140、及び駆動回路150への電力の供給がスイッチ回路160によって制御される構成を示しているが、画像処理部140と駆動回路150に対しては、それぞれパワーゲーティングを行わなくてもよい。
スイッチ回路160は、OSトランジスタによって構成することができる。これにより、電力の供給が停止される期間において、電力のリークを極めて小さく抑えることができる。スイッチ回路160の具体的な構成例については、実施の形態3において後述する。
ここで、表示部200に表示される映像に変化がない場合、又は変化が一定以下の場合、映像の書き換えを省略することができる。この場合、半導体装置100における信号SDの生成を省略できるため、レジスタ130、画像処理部140、又は駆動回路150は処理を行わない状態(停止状態)となる。ここで、スイッチ回路160を制御することにより、レジスタ130、画像処理部140、又は駆動回路150が停止状態である期間において、これらの回路への電力の供給を停止することにより、半導体装置100の消費電力を低減することができる。
レジスタ130、画像処理部140、又は駆動回路150への電力の供給の要否は、コントローラ110に入力される信号Schによって判別される。ここで、信号Schは、表示部200に表示される映像の変化の情報を含む信号である。信号Schとしては、例えば、データDiが連続して入力されていない(すなわち、次の画像データが入力されていない)ことを示す信号や、データDiの内容に変更がないこと示す制御信号などを用いることができる。信号Schが、表示部200に表示される映像に変化がない、又は変化が一定以下であることを示す場合、スイッチ回路160によって電力の供給が停止される。
なお、レジスタ130への電力の供給を停止すると、記憶回路131に記憶されたデータは消去される。しかしながら、記憶回路131に記憶されたデータを記憶回路132に退避させることにより、電力の供給を停止された期間においても、レジスタ130に記憶されたデータを保持することができる。
ここで、レジスタ130への電力の供給を停止する前に、表示部200に表示される映像に変化がない、又は変化が一定以下であることを確認した上で、記憶回路131に記憶されたデータを記憶回路132に退避させる必要がある。そのため、レジスタ130に対してパワーゲーティングを行うための事前準備の期間が長くなり、半導体装置100の動作速度の低下、又は、消費電力削減の効果の減少が生じ得る。
一方、本発明の一態様においては、予測回路112を用いて電力供給の要否を予め予測することができる。具体的には、予測回路112は、信号Scoに基づいて電力供給の要否を予測し、その予測結果に対応する信号Sprを制御回路111に出力する。そして、信号Sprが「電力供給を停止する」という予測結果を示す場合、制御回路111は信号Schの入力の有無に関わらず、レジスタ130にデータの退避を行うための制御信号を出力する。これより、信号Schの入力を待たずにレジスタ130に記憶されたデータの退避を行うことができる。よって、レジスタ130のパワーゲーティングを高速で行うことができる。
また、予測回路112は、ニューラルネットワークを用いて学習及び予測を行う機能を有する。具体的には、予測回路112は、モニター回路122から入力される信号Scoを学習信号、信号Schを教師信号として、教師あり学習を行うことができる。そして、当該学習を行った後、信号Scoを入力データとして電力供給の要否を予測し、当該予測の結果に対応する信号Sprを制御回路111に出力する。このように、予測回路112にニューラルネットワークを用いることにより、精度の高い予測を行うことができる。
予測回路112に用いられるニューラルネットワークは、ニューロン回路と、ニューロン回路間に設けられたシナプス回路によって構成される。図2(A)に、ニューラルネットワーク構成例を示す。
ニューラルネットワークNN1は、ニューロン回路NCとシナプス回路SCによって構成されている。シナプス回路SCには、入力データx1乃至xL(Lは自然数)が入力される。また、シナプス回路SCは、重み係数wi(iは1以上L以下の整数)を記憶する機能を有する。重み係数wiは、ニューロン回路NC間の結合の強さに対応する。
シナプス回路SCに入力データx1乃至xL入力されると、ニューロン回路NCには、シナプス回路SCに入力された入力データxiと、シナプス回路SCに記憶された重み係数wiとの積(xiwi)を、i=1乃至Lについて足し合わせた値(x1w1+x2w2+…+xLwL)、すなわち、xiとwiを用いた積和演算によって得られた値が供給される。この値がニューロン回路NCの閾値θOを超えた場合、ニューロン回路NCはハイレベルの信号を出力する。この現象を、ニューロン回路NCの発火と呼ぶ。
ニューロン回路NCとシナプス回路SCを用いて、階層型パーセプトロンを構成するニューラルネットワークのモデルを、図2(B)に示す。ニューラルネットワークNN2は、入力層IL、隠れ層HL、出力層OLを有する。
入力層ILから、入力データx1乃至xLが出力される。隠れ層HLは、隠れシナプス回路HS、隠れニューロン回路HNを有する。出力層OLは、出力シナプス回路OS、出力ニューロン回路ONを有する。
隠れニューロン回路HNには、入力データxiと、隠れシナプス回路HSに保持された重み係数wiと、を用いた積和演算によって得られた値が供給される。そして、出力ニューロン回路ONには、隠れニューロン回路HNの出力と、出力シナプス回路OSに保持された重み係数wiを用いた積和演算によって得られた値が供給される。そして、出力ニューロン回路ONから、出力データy1乃至ynが出力される。なお、ニューラルネットワークNN2において、隠れ層HLは複数設けられていてもよい。
このように、所定の入力データが与えられたニューラルネットワークNN2は、シナプス回路SCに保持された重み係数と、ニューロン回路の閾値θに応じた値である出力データを出力する機能を有する。
また、ニューラルネットワークNN2は、教師信号の入力によって教師あり学習を行うことができる。図2(C)に、誤差逆伝播方式を利用して教師あり学習を行うニューラルネットワークNN2のモデルを示す。
誤差逆伝播方式は、ニューラルネットワークの出力データと教師信号の誤差が小さくなるように、シナプス回路の重み係数wiを変更する方式である。具体的には、出力データy1乃至ynと教師信号t1乃至tnに基づいて決定される誤差δOに応じて、隠れシナプス回路HSの重み係数wiが変更される。また、隠れシナプス回路HSの重み係数wiの変更量に応じて、さらに前段のシナプス回路SCの重み係数wiが変更される。このように、教師信号t1乃至tnに基づいて、シナプス回路SCの重み係数を順次変更することにより、ニューラルネットワークNN2の学習を行うことができる。
予測回路112が有するニューラルネットワークは、モニター回路122から入力される信号Scoを学習信号として学習を行うことができる。ここで、信号Scoは、記憶装置121の消費電力に関する情報を含む信号である。信号Scoとしては例えば、消費電力の時間的推移を示す信号の波形、消費電力の総量、平均値、増加量、減少量、最大値、又は最小値を示す信号などを用いることができるが、特に限定されない。ここでは一例として、記憶装置121の消費電力の時間的推移を表す波形(横軸が時間t、縦軸が消費電力P)が、信号Scoとして予測回路112に入力される場合について、図3、4を用いて説明する。
例えば、記憶装置121に、表示部200に表示される映像の全体を書き替えるデータDiが入力される場合(図3(A−1))、信号Scoは消費電力Pが全体的に増加する傾向を示し得る(図3(A−2))。一方、記憶装置121に入力されたデータDiが、映像の変化を示さない場合(図3(B−1))、信号Scoは消費電力Pが低レベルに維持される傾向を示し得る(図3(B−2))。また、記憶装置121に、映像の一部のみを書き替えるデータDiが入力される場合(図3(C−1))、信号Scoは図3(A−2)よりも幅の小さいピークを示し得る(図3(C−2))。
また、記憶装置121に、徐々に移動して画面から消えていく物体の映像に対応するデータDiが入力される場合(図4(A−1))、信号Scoは、まず幅及び高さが類似する複数のピークを示し、やがて、徐々に幅が小さくなる複数のピークを示し得る(図4(A−2))。また、記憶装置121に、徐々に薄くなる映像に対応するデータDiが入力される場合(図4(B−1))、信号Scoは徐々に低くなる複数のピークを示し得る(図4(B−2))。
このように、記憶装置121の消費電力の時間的推移を表す波形は、表示部200に表示される映像に応じて特徴的な形状をとり得る。そのため、消費電力の時間的推移をモニターすることにより、表示部200に表示される映像の変化の有無や大小を予測することができる。よって、信号Scoを用いることにより、電力の供給の要否を予測することができる。
予測には、信号Scoと特定の波形のパターンを順次比較する、所謂パターンマッチングを用いることもできる。しかしながら、波形のパターンマッチングは事象が多くなるため、比較に要する時間が多くなり、比較のために用意すべき波形のパターンの数も多くなる。一方、上記のように信号Scoをニューラルネットワークの入力信号として予測を行うことにより、効率的な予測を行うことができる。
なお、図3、4に示す映像と波形の関係は一例であり、必ずしも図3、4のような対応関係が得られなくてもよい。映像の変化が何らかの形で波形に反映されさえすれば、信号Scoをニューラルネットワークの入力信号として予測を行うことができる。
<半導体装置の動作例>
次に、半導体装置100の具体的な動作の一例について説明する。図5に、半導体装置100の動作例を表すフローチャートを示す。ここでは主に、ニューラルネットワークを用いて学習及び予測を行う予測回路112の動作例について説明する。なお、図5において、ステップS11からステップS14までは、予測回路112が有するニューラルネットワークが学習を行う(以下、学習動作ともいう)際の動作を示し、ステップS21からステップS50までは、予測回路112が有するニューラルネットワークが学習と共に予測を行う(以下、予測動作ともいう)際の動作を示す。なお、予測は、ニューラルネットワークの推論(認知)によって行われる。
以下では一例として、表示部200に表示される映像に変化がない場合に、レジスタ130への電力の供給を停止する動作について説明する。しかしながら、図1に示すように、画像処理部140、駆動回路150などの他の回路に対してパワーゲーティングを行ってもよい。
[学習動作]
まず、予測回路112に信号Scoが入力される(ステップS11)。信号Scoは、記憶装置121の消費電力に関する情報を含む信号であり、ここではニューラルネットワークの学習信号として用いられる。また、予測回路112に信号Schが入力される(ステップS12)。ここでは、信号Schとして表示部200に表示される映像に変化があるか否かを示す信号を用い、信号Schはレジスタ130への電力の供給の要否を示すニューラルネットワークの教師信号として用いられる。なお、信号Scoは信号Schの後に予測回路112に入力されてもよい。
そして、ニューラルネットワークは、信号Sco及び信号Schを用いて教師あり学習を行う(ステップS13)。この学習により、予測回路112は、信号Scoに基づいてレジスタ130への電力の供給の要否を予測することが可能となる。
その後、予測を行わずに学習を続ける場合は(ステップS14においてNO)、ニューラルネットワークは新たな学習信号と教師信号を用いてさらに学習を行う。一方、学習を行ったニューラルネットワークを用いて予測を開始する場合は(ステップS14においてYES)、予測回路112は予測動作に移行する。
[予測動作]
予測回路112が予測動作に移行すると、まず、予測回路112に信号Scoが入力される(ステップS21)。信号Scoは、ここではニューラルネットワークの入力データとして用いられる。そして、ニューラルネットワークは信号Scoに基づいて、レジスタ130への電力供給の要否を予測する。この予測結果は、信号Sprとして制御回路111に出力される。
ニューラルネットワークによって、レジスタ130への電力の供給停止が予測された場合は(ステップS23においてYES)、制御回路111はレジスタ130に制御信号を出力し、記憶回路131に記憶されたデータを記憶回路132に転送する(ステップS31)。これにより、レジスタ130に記憶されたデータの退避が投機実行される。
その後、制御回路111に信号Schが入力され(ステップS32)、制御回路111は信号Schに基づいてレジスタ130への電力の供給を実際に停止するか否かを判別する。電力の供給を停止すると判別された場合は(ステップS33でYES)、制御回路111はスイッチ回路160に信号Spcを出力し、レジスタ130への電力の供給を停止する(ステップS34)。
ここで、ステップS33において電力の供給を停止すると判別された際、レジスタ130におけるデータの退避は、ステップS23における予測に基づいて既に完了している。そのため、電力の供給を停止することが確定した後にデータの退避を行う必要がなく、レジスタ130のパワーゲーティングを高速に行うことができる。また、電力の供給を停止する期間を長くすることができ、消費電力の低減を効果的に行うことができる。
一方、制御回路111によって電力の供給を停止しないと判別された場合は(ステップS33でNO)、制御回路111はスイッチ回路160に信号Spcを出力し、レジスタ130に電力を供給する(ステップS35)。そして、レジスタ130は映像信号を生成するための処理を行う。
ここで、ステップS23においては電力供給の停止が予測されたものの、ステップS33において実際には電力の供給を停止しないと判別されており、予測回路112による予測が外れている。この場合、ニューラルネットワークは、ステップS21で入力された信号Scoを学習信号、ステップS32で入力された信号Schを教師信号として、学習を行う(ステップS36)。これにより、信号Scoに基づく予測結果を修正し、以後の予測の成功率を上げることができる。
ニューラルネットワークによって電力供給の停止が予測されない場合は(ステップS23においてNO)、制御回路111はレジスタ130におけるデータの退避を行わずに、信号Schの入力を待つ。その後、制御回路111に信号Schが入力され(ステップS41)、制御回路111は信号Schに基づいて電力の供給を実際に停止するか否かを判別する。
電力の供給を停止すると判別された場合は(ステップS42でYES)、制御回路111はまず、レジスタ130に制御信号を出力し、記憶回路131に記憶されたデータを記憶回路132に転送する(ステップS43)。その後、制御回路111はスイッチ回路160に信号Spcを出力し、レジスタ130への電力の供給を停止する(ステップS44)。このように、信号Schに基づいて電力供給の要否が判別された時点で、レジスタ130に記憶されたデータを退避させる動作が投機実行されていない場合は、通常通りデータの退避を行った後に、レジスタ130への電力の供給を停止する。
ここで、ステップS23においては電力供給を停止しないことが予測されたものの、ステップS42において実際には電力の供給を停止すると判別されており、予測回路112による予測が外れている。この場合、ニューラルネットワークは、ステップS21で入力された信号Scoを学習信号、ステップS41で入力された信号Schを教師信号として、学習を行う(ステップS45)。これにより、信号Scoに基づく予測結果を修正し、以後の予測の成功率を上げることができる。
一方、制御回路111によって電力の供給を停止しないと判別された場合は(ステップS42でNO)、制御回路111はスイッチ回路160に信号Spcを出力し、レジスタ130に電力を供給する(ステップS46)。そして、レジスタ130は映像信号を生成するための処理を行う。
ステップS34、S36、S45、又はS46の後、表示部200における映像の表示を終了する場合は(ステップS50でYES)、予測回路112は予測を終了する。一方、表示部200における映像の表示を継続する場合は(ステップS50でNO)、予測回路112は予測を継続する(ステップS21)。
上記の予測動作においてニューラルネットワークは、信号Scoを用いて予測を行うと共に、予測が失敗した場合には、信号Scoを学習信号として学習することができる。これにより、予測回路112は予測の精度を高めながら、電力供給の要否の予測を行うことができる。
以上のような動作により、半導体装置100は、レジスタ130への電力供給の停止を予測して、データの退避を投機実行することができる。これにより、半導体装置100の動作速度の向上、及び消費電力の低減を図ることができる。
<表示システムの変形例>
半導体装置において行われる電力供給の停止の予測は、信号Scoに基づくものに限られない。図6に、表示システム10の他の構成例を示す。図6に示す半導体装置100は、図1におけるモニター回路122の代わりに、タッチセンサコントローラ170を有する。また、図6に示す表示部200は、表示ユニット210、タッチセンサユニット220を有する。
表示ユニット210は、信号SDに基づいて映像を表示する機能を有する。タッチセンサユニット220は、タッチの有無、タッチの位置、タッチの期間、タッチの動きなどの、タッチに関する情報(以下、タッチ情報ともいう)を検出する機能を有する。表示ユニット210に表示される映像は、タッチセンサユニット220が検出したタッチ情報に基づいて切り替えることができる。
タッチセンサコントローラ170は、タッチセンサユニット220の動作を制御する機能を有する。また、タッチセンサコントローラ170は、タッチセンサユニット220から入力されるタッチ情報に、必要に応じて信号処理を行い、該タッチ情報を信号Stoとして予測回路112に出力する機能を有する。すなわち、タッチセンサコントローラ170は、タッチ情報をモニターするモニター回路としての機能を有する。
ここで、タッチ情報は、表示ユニット210に表示される映像の変化と関係がある。例えば、タッチ操作の内容によって、表示ユニット210に表示される映像の内容や保持期間などが予想される場合がある。また、タッチにより表示ユニット210の映像を切り替える操作(ページをめくる動作など)が行われる間隔や、連続して行われるタッチ操作の内容などには、ユーザーの癖が反映され、所定の法則が存在する場合がある。そのため、タッチ情報を含む信号Stoは、映像の変化の有無、すなわちレジスタ130への電力供給の要否を予測するための入力データとして用いることができる。
予測回路112に入力された信号Stoは、予測回路112が有するニューラルネットワークの入力データ、又は学習信号として用いることができる。そして、信号Stoに基づいて電力供給停止の要否を予測し、レジスタ130のデータの退避を投機実行することができる。なお、信号Stoが入力された際の予測回路112の動作は、信号Scoが入力された場合と同様である。
なお、前述の通り予測回路112は、予測を行いながら学習を行うことができる。そのため、ユーザーが表示システム10を使用する期間が長くなるほど、ニューラルネットワークにおいて多くの学習を行うことができ、ユーザーの癖に関する情報が蓄積される。従って、特定のユーザーが継続して使用することにより、予測の精度をそのユーザーに合わせて向上させることが可能な表示システム10を実現することができる。
また、半導体装置100には、図1におけるモニター回路122と、図6におけるタッチセンサコントローラ170の両方を設けることもできる。モニター回路122及びタッチセンサコントローラ170を有する半導体装置100を備えた表示システム10の構成例を、図7に示す。
図7において、半導体装置100における予測回路112は、信号Scoと信号Stoの両方を入力データとして、電力供給停止の要否を予測することができる。また、信号Scoと信号Stoの両方を学習信号として、ニューラルネットワークの学習を行うことができる。これにより、予測回路112による予測の成功率の向上、及びニューラルネットワークの学習の効率の向上を図ることができる。
以上の通り、本発明の一態様は、消費電力に関する情報を含む信号、又は、タッチ情報を含む信号を入力データとし、ニューラルネットワークを用いて電力供給の要否を予測することができる。これにより、レジスタにおけるデータの退避を投機実行することができ、半導体装置の動作速度の向上、及び消費電力の低減を図ることができる。
また、本発明の一態様は、レジスタにOSトランジスタ有する記憶回路を設けることにより、データの退避を高速に行うことができる。これにより、半導体装置の動作速度の向上、を図ることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明した予測回路に用いることができる、ニューラルネットワークの構成例について説明する。
<ニューラルネットワークの構成例>
図8は、予測回路112に用いることができるニューラルネットワークの構成の具体例を示すブロック図である。図8(A)では、入力ニューロン回路IN、隠れニューロン回路HN、出力ニューロン回路ON、隠れシナプス回路HS、出力シナプス回路OS、隠れ誤差回路HE、および出力誤差回路OEを図示している。図8(A)に示す構成において、入力層ILは、入力ニューロン回路INを有し、隠れ層HLは隠れニューロン回路HN、隠れシナプス回路HS、隠れ誤差回路HEを有し、出力層OLは出力誤差回路OE、出力ニューロン回路ON、出力シナプス回路OSを有する。なお信号Iは入力信号、信号Tは教師信号T、信号Oは出力信号に相当する。
なお、隠れ層HLは、図8(B)に示すように2層以上設けられてもよい。当該構成とすることで、より複雑な学習を行うことができる。
ここで、信号Iとして、記憶装置121の消費電力に関する情報を含む信号Sco(図1参照)、又は、タッチ情報を含む信号Sto(図6参照)を用いることにより、レジスタ130などの回路に電力供給の要否を予測した結果に対応する出力信号を得ることができる。
図9は、図8に示すニューラルネットワークの詳細な構成の一例を示すブロック図である。図9には、ニューラルネットワークを構成するL個(Lは自然数)の入力ニューロン回路IN、m個(mは自然数)の隠れニューロン回路HN、n個(nは自然数)の出力ニューロン回路ON、(L+1)×m個の隠れシナプス回路HS、(m+1)×n個の出力シナプス回路OS、m個の隠れ誤差回路HE、およびn個の出力誤差回路OEを図示している。
以下、図9に示す回路ブロックについて説明する。
入力ニューロン回路IN[i]はニューラルネットワークの外部からの入力信号I[i]をアンプ等で増幅し、出力信号x[i]を生成する。
図10(A)は、隠れシナプス回路HS[j,i](j,iは自然数)の構成を示している。隠れシナプス回路HS[j,i]は、アナログメモリAM1、乗算回路MUL1及び乗算回路MUL2、から構成される。アナログメモリAM1は、重み係数w[j,i]に相当するデータを格納し、対応する電圧を出力する機能を有する。乗算回路MUL1は、入力ニューロン回路INの出力信号x[i]とアナログメモリAM1の重み係数w[j,i]との乗算を行い、出力信号w[j,i]x[i]を生成する。なお、出力信号w[j,i]x[i]として、乗算結果に対応した電流が供給される。乗算回路MUL2は、入力ニューロン回路INの出力信号x[i]と隠れ誤差回路HE[j]の出力信号dx[j]との乗算を行い、信号dwを生成する。信号dwとして、乗算結果に対応した電流が供給される。信号dwは、アナログメモリAM1に格納された重み係数w[j,i]の変更分に相当する電流として供給される。つまり乗算回路MUL2は、アナログメモリAM1のデータを変更する書込回路に相当する。なお、隠れシナプス回路HS[1,0]乃至HS[m,0]において、入力信号x[0]は−1、重み係数w[1,0]乃至w[m,0]はθH[1]乃至θH[m]が与えられており、出力信号w[1,0]x[0]乃至w[m,0]x[0]として、−θH[1]乃至−θH[m]に相当する電流が供給される。なお隠れシナプス回路HSは、単に回路という場合がある。
隠れニューロン回路HN[j]は、入力信号Xを電圧に変換する抵抗321と、出力信号y[j]の生成するアンプを有する。該入力信号Xは、各隠れシナプス回路HS[j,i]の出力信号w[j,i]x[i](電流)の和Σi=0〜Lw[j,i]x[i]に相当する。ここでアンプの出力信号y[j]は、入力信号Xを変数とすると式(1)のfH(X)となる特性、あるいは、当該特性に近似できる特性とする。
式(1)においてαHは任意の定数で、X=0における出力信号の変化率に相当する。入力信号XであるΣi=0〜Lw[j,i]x[i]が0を超えた場合、すなわちΣi=1〜Lw[j,i]x[i]が閾値θH[j]を超えた場合に、fH(X)、すなわち出力信号y[j]は1に近づく、つまり“H”(ハイレベル、Hレベルという)となるが、これを、隠れニューロン回路HN[j]が発火する、と表現する。すなわち、閾値θHは隠れニューロン回路HN[j]が発火する際の閾値に相当する。
図10(B)は、出力シナプス回路OS[k,j]の構成を示している。出力シナプス回路OS[k,j]は、アナログメモリAM2、乗算回路MUL3、乗算回路MUL4、および乗算回路MUL5、から構成される。アナログメモリAM2は、重み係数v[k,j]に相当するデータを格納し、対応する電圧を出力する機能を有する。乗算回路MUL3は、隠れニューロン回路HN[j]の出力信号y[j]とアナログメモリAM2の重み係数v[k,j]との乗算を行い、出力信号v[k,j]y[j]として、乗算結果に対応した電流を出力する。乗算回路MUL4からは、隠れニューロン回路HN[j]の出力信号y[j]と出力誤差回路OE[k]の出力信号dy[k]との乗算を行い、信号dvとして、乗算結果に対応した電流がアナログメモリAM2に供給される。信号dvは、アナログメモリAM2に格納された重み係数v[k,j]の変更分に相当する電流として供給される。乗算回路MUL5は、出力誤差回路OE[k]の出力信号dy[k]とアナログメモリAM2の重み係数v[k,j]との乗算を行い、出力信号v[k,j]dy[k]として、乗算結果に対応した電流を供給する。なお、出力シナプス回路OS[1,0]乃至OS[n,0]において、入力信号y[0]は−1、重み係数v[1,0]乃至v[n,0]はθO[1]乃至θO[n]が与えられており、出力信号v[1,0]y[0]乃至v[n,0]y[0]として、−θO[1]乃至−θO[n]に相当する電流が供給される。なお出力シナプス回路OSは、単に回路という場合がある。
図10(C)は、隠れシナプス回路HS[j,i]、出力シナプス回路OS[k,j]におけるアナログメモリAM1、AM2に適用可能なアナログメモリAMの構成を示す。アナログメモリAMは、トランジスタ301と容量素子302から構成される。トランジスタ301をOSトランジスタとすることで、理想的なアナログメモリが構成できる。したがって、記憶保持のための大規模な容量素子を搭載する必要が無く、また、定期的なリフレッシュ動作によるアナログデータの回復の必要が無いため、チップ面積の縮小、消費電力の低減が可能となる。なお、データ更新の際、変更分に相当する電流が供給される構成のため、信号線WLを“H”とする期間を調整することで、上述のηv若しくはηw(定数)を変更することができる。
図11(A)は、出力ニューロン回路ON[k]の構成を示している。出力ニューロン回路ON[k]は、入力信号Yを電圧に変換する抵抗311と、出力信号O[k]を生成するアンプ312を有している。該入力信号Yは、各出力シナプス回路OS[k,j]の出力信号v[k,j]y[j](電流)の和Σj=0〜mv[k,j]y[j]に相当する。ここで、アンプ312の出力信号O[k]は、入力信号Yを変数とすると式(2)のfO(Y)となる特性、あるいは、当該特性に近似できる特性とする。
式(2)においてαOは任意の定数で、Y=0における出力信号の変化率に相当する。ここで入力信号YであるΣj=0〜mv[k,j]y[j]が0を超えた場合、すなわちΣj=1〜mv[k,j]y[j]が閾値θO[k]を超えた場合に、fO(Y)、すなわち出力信号O[k]は1に近づく、つまり”H”となるが、これを、出力ニューロン回路ON[k]が発火する、と表現する。すなわち、閾値θO[k]は出力ニューロン回路ON[k]が発火する際の閾値に相当する。
図9に示すニューラルネットワークが、所定の入力信号I[1]乃至I[L]が入力されたときに所望の出力信号O[1]乃至O[n]を出力することが可能となるように、重み係数w[j,i]、v[k,j]に相当するデータを各アナログメモリAM1、AM2に格納することが学習に相当する。より具体的には、重み係数w[j,i]、v[k,j]に初期値として任意の値を与え、学習に用いる入力データを入力ニューロン回路の入力信号I[1]乃至I[L]に与え、出力期待値として教師信号を出力ニューロン回路の入力信号T[1]乃至T[n]に与え、出力ニューロン回路の出力信号O[1]乃至O[n]と入力信号T[1]乃至T[n]との2乗誤差和が最小となるような重み係数w[j,i]、v[k,j]に収束させていくことが学習に相当する。
ここで、重み係数v[k,j]の勾配は、式(3)の関係となる。
なお、式(3)において、Y=α0Σj=0〜mv[k,j]y[j]である。よって、重み係数v[k,j]は、ηv・ey[k]・fO’(Y)・y[j]に相当する分だけ値を変化させればよいことになる。なお、ηvは定数である。
また、重み係数w[j,i]の勾配は、式(4)の関係となる。
なお、式(4)において、X=αHΣj=0〜mw[j,i]x[i]、Y=α0Σj=0〜mv[k,j]y[j]である。重み係数w[j,i]は、ηw・(Σj=0〜mey[k]・fO’(Y)・v[k,j])・fH’(X)・x[i]に相当する分だけ値を変化させればよいことになる。図11(A)の出力ニューロン回路ON[k]において、教師信号T[k]と出力信号O[k]との差分をアンプ313で取得し、差分信号ey[k]として出力する。なお、ηwは定数である。なお出力ニューロン回路ONは、単に回路という場合がある。
図11(B)は、出力誤差回路OE[k]の構成を示している。出力誤差回路OE[k]は、信号Yに対して出力信号fO’(Y)を生成する微分回路DV1と、出力信号fO’(Y)と誤差信号ey[k]とを入力信号とする乗算回路MUL6を有する。出力誤差回路OE[k]は、入力信号を電圧に変換する抵抗321と、信号Yを生成するアンプ322を有している。該入力信号は、出力シナプス回路OS[k,j]の出力信号v[k,j]y[j](電流)の和である信号Σj=0〜mv[k,j]y[j]と、出力ニューロン回路ON[k]の出力信号である差分信号ey[k]に相当する。
図11(C)は、隠れ誤差回路HE[j]の構成を示している。隠れ誤差回路HE[j]は、入力信号を電圧に変換する抵抗331と、信号Xを生成するアンプ332と、信号ex[j]を電圧に変換する抵抗333と、信号EXを生成するアンプ334を有している。該入力信号は、隠れシナプス回路HS[j,i]の出力信号w[j,i]x[i](電流)の和である信号Σi=0〜Lw[j,i]x[i]と、出力シナプス回路OS[k,j]の出力信号であるv[k,j]dy[k]、つまり電流ey[k]・fO’(Y)・v[k,j]の和である信号Σk=1〜Lv[k,j]dy[k]=Σk=1〜Ley[k]・fO’(Y)・v[k,j]=ex[j]に相当する。
以上のように、図9に示すニューラルネットワークが、重み係数w[j,i]、v[k,j]を更新していくことができ、所定の入力信号I[1]乃至I[L]が入力されたときに所望の出力信号O[1]乃至O[n]を出力することが可能となるように、重み係数w[j,i]、v[k,j]に相当するデータを各アナログメモリに格納することができる。すなわち、予測回路112の学習が可能となる。予測回路112における学習により得られた各種のパラメータは、レジスタ130に格納することができる。
予測回路112が有するニューラルネットワークにおいて、入力ニューロン回路の入力信号として学習信号を与え、出力ニューロン回路の入力信号として当該学習信号に対応する教師信号を与え、誤差信号に応じてアナログメモリのデータを更新することで学習する。
以上のような構成とすることで、アナログ回路で構成し、回路規模を縮小でき、アナログメモリのデータ保持にリフレッシュ動作が不要な、階層型ニューラルネットワークを提供することができる。
なお、上記のニューラルネットワークを畳み込み演算の特徴抽出フィルター又は全結合演算回路として用いたCNN(Convolution Neural Network)を、予測回路112に用いることができる。ここで、特徴抽出フィルターの各重み係数の値は、乱数を用いて設定することが好ましい。これにより、信号Sco又は信号Stoとマッチする波形パターンの推定が容易ではない場合にも、特徴を抽出することができ、学習を効率良く行うことができる。
以上のように、本発明の一態様に係る演算回路を用いることで、ニューラルネットワークにおける重み付け和の演算と重み係数の更新量の演算を行うことができる。
<演算回路の動作例>
演算回路の動作とは、上記で説明したニューラルネットワークを有する演算回路に学習信号を入力し、演算回路に該学習信号を学ばせた後、演算回路に対象データを入力して、対象データに対応したパラメータを出力するまでのことをいう。図12及び図13に、演算回路の動作を示すフローチャートを示す。なお以下の説明では、図9に示すニューラルネットワークを有する演算回路の動作を一例として説明する。
[学習]
初めに演算回路がデータを学習する動作について、図9、図12を用いて説明する。
〔ステップS1−1〕
ステップS1−1では、入力ニューロン回路INに外部から学習信号が入力される。学習信号は、図9でいう入力信号I[1]乃至I[L]に相当する。なお、ここでの学習信号とは、実施の形態1に示す表示装置においては例えば、記憶装置121の消費電力に関する情報を含む信号Scoや、タッチ情報を含む信号Stoなどであり、その学習信号の種類に応じて、入力される入力ニューロン回路INの個数が決まる。当該学習信号の入力に必要の無い入力ニューロン回路INの出力信号xは、固定値であることが好ましい。また、当該入力ニューロン回路INへの電源の供給を遮断するのが好ましい。ここでは、学習信号の種類はL個あり、学習信号のi個目の値を学習信号I[i]と記載する。学習信号I[1]乃至学習信号I[L]が、それぞれ入力ニューロン回路IN[1]乃至IN[L]に入力されるとする。
〔ステップS1−2〕
ステップS1−2では、入力ニューロン回路IN[1]乃至IN[L]から隠れシナプス回路HS[1,1]乃至HS[1,L]に出力信号x[1]乃至x[L]が入力される。ステップS1−2では、隠れシナプス回路HS[1,0]乃至HS[m,0]に値が一定の信号x[0]が入力される。隠れシナプス回路HS[1,0]乃至HS[1,L]は、出力信号x[i]に、アナログメモリAM1に保持された重み係数w[1,i]を乗じた出力信号w[1,i]x[i]を、隠れ誤差回路HE[1]および隠れニューロン回路HN[1]に出力する。
前述の動作は、隠れシナプス回路HS[m,0]乃至HS[m,L]でも行われ、出力信号w[m,i]x[i]を、隠れ誤差回路HE[m]および隠れニューロン回路HN[m]に出力する。
〔ステップS1−3〕
ステップS1−3では、隠れニューロン回路HN[1]に、隠れシナプス回路HS[1,0]乃至HS[1,L]の出力信号の和であるΣw[1,i]x[i]が入力される。同様に隠れニューロン回路HN[m]に、隠れシナプス回路HS[m,0]乃至HS[m,L]の出力信号の和であるΣw[m,i]x[i]が入力される。
なお、隠れニューロン回路HN[1]乃至HN[m]の個数は学習信号に応じて変更することも可能である。必要の無い隠れニューロン回路HNには出力信号yが固定値となるデータを入力する構成が好ましい。また、当該隠れニューロン回路HNへの電源の供給を遮断するなどの構成を適用するのが好ましい。ここでは、隠れニューロン回路HNの個数はm個あり、j番目の隠れニューロン回路HNの入力値をΣw[j,i]x[i]と記載する。
〔ステップS1−4〕
ステップS1−4では、隠れニューロン回路HN[1]乃至HN[m]から出力シナプス回路OS[1,1]乃至OS[1,m]に出力信号y[1]乃至y[m]が入力される。ステップS1−4では、出力シナプス回路OS[1,0]乃至OS[n,0]に値が一定の信号y[0]が入力される。出力シナプス回路OS[1,0]乃至OS[1,m]は、出力信号y[j]に、アナログメモリAM2に保持された重み係数v[1,j]を乗じた出力信号v[1,j]y[j]を、出力誤差回路OE[1]および出力ニューロン回路ON[1]に出力する。
前述の動作は、出力シナプス回路OS[n,0]乃至OS[n,m]でも行われ、出力信号v[n,j]y[j]を、出力誤差回路OE[n]および出力ニューロン回路ON[n]に出力する。
〔ステップS1−5〕
ステップS1−5では、出力ニューロン回路ON[1]に、出力シナプス回路OS[1,0]乃至OS[1,m]の出力信号の和であるΣv[1,j]y[j]が入力される。同様に出力ニューロン回路ON[n]に、出力シナプス回路OS[n,0]乃至OS[n,m]の出力信号の和であるΣv[n,j]y[j]が入力される。出力ニューロン回路ON[1]乃至[n]は、出力信号O[1]乃至O[n]を出力する。
出力ニューロン回路ON[1]は、出力シナプス回路OS[1,0]乃至OS[1,m]の出力信号の和であるΣv[1,j]y[j]および外部からの教師信号T[1]をもとに、差分信号ey[1]を出力誤差回路OE[1]に出力する。同様に、出力ニューロン回路ON[n]は、出力シナプス回路OS[n,0]乃至OS[n,m]の出力信号の和であるΣv[n,j]y[j]および外部からの教師信号T[n]をもとに、差分信号ey[n]を出力誤差回路OE[n]に出力する。
〔ステップS1−6〕
ステップS1−6では、出力ニューロン回路ON[1]から差分信号ey[1]、および出力シナプス回路OS[1,0]乃至OS[1,m]の出力信号の和であるΣv[1,j]y[j]が、出力誤差回路OE[1]に入力される。出力誤差回路OE[1]は、差分信号ey[1]に、Σv[1,j]y[j]を微分することで得られる信号を乗じた出力信号dy[1]を、出力シナプス回路OS[1,0]乃至OS[1,m]に出力する。
同様にステップS1−6では、出力ニューロン回路ON[n]から差分信号ey[n]、および出力シナプス回路OS[n,0]乃至OS[n,m]の出力信号の和であるΣv[n,j]y[j]が、出力誤差回路OE[n]に入力される。出力誤差回路OE[n]は、差分信号ey[n]に、Σv[n,j]y[j]を微分することで得られる信号を乗じた出力信号dy[n]を、隠れシナプス回路OS[n,0]乃至OS[n,m]に出力する。
〔ステップS1−7〕
ステップS1−7では、出力信号dy[1]をもとに、出力シナプス回路OS[1,0]乃至OS[1,m]内のアナログメモリAM2に保持された重み係数v[1,j]を更新する。同様にステップS1−7では、出力信号dy[n]をもとに、出力シナプス回路OS[n,0]乃至OS[n,m]内のアナログメモリAM2に保持された重み係数v[n,j]を更新する。
加えて、出力シナプス回路OS[1,1]乃至OS[n,1]では、更新した重み係数v[1,1]乃至v[n,1]に出力信号dy[1]乃至dy[n]を乗じた出力信号v[1,1]dy[1]乃至v[n,1]dy[n]を、隠れ誤差回路HE[1]に出力する。同様に出力シナプス回路OS[1,m]乃至OS[n,m]では、更新した重み係数v[1,m]乃至v[n,m]に出力信号dy[1]乃至dy[n]を乗じた出力信号v[1,m]dy[1]乃至v[n,1]dy[n]を、隠れ誤差回路HE[m]に出力する。
〔ステップS1−8〕
ステップS1−8では、隠れシナプス回路HS[1,0]乃至HS[1,L]の出力信号の和であるΣw[1,i]x[i]、および出力シナプス回路OS[1,1]乃至OS[n,1]の出力信号の和であるex[1]が、隠れ誤差回路HE[1]に入力される。隠れ誤差回路HE[1]は、信号ex[1]に、Σw[1,i]x[i]をもとに微分することで得られる信号を乗じた出力信号dx[1]を、隠れシナプス回路HS[1,0]乃至HS[1,L]に出力する。
同様にステップS1−8では、隠れシナプス回路HS[m,0]乃至HS[m,L]の出力信号の和であるΣw[m,i]x[i]、および出力シナプス回路OS[1,m]乃至OS[n,m]の出力信号の和であるex[m]が、隠れ誤差回路HE[m]に入力される。隠れ誤差回路HE[m]は、信号ex[m]に、Σw[m,i]x[i]をもとに微分することで得られる信号を乗じた出力信号dx[m]を、隠れシナプス回路HS[m,0]乃至HS[m,L]に出力する。
〔ステップS1−9〕
ステップS1−9では、出力信号dx[1]をもとに、隠れシナプス回路HS[1,0]乃至HS[1,L]内のアナログメモリAM1に保持された重み係数w[1,i]を重み係数dw[1,i]に更新する。同様にステップS1−9では、出力信号dx[m]をもとに、隠れシナプス回路HS[m,0]乃至HS[m,L]内のアナログメモリAM1に保持された重み係数w[m,i]を重み係数dw[m,i]に更新する。
以降は、更新された重み係数dw[1,i]乃至dw[m,i]をもとに、ステップS1−2乃至S1−9を所定の回数繰り返す。
〔ステップS1−10〕
ステップS1−10では、ステップS1−2乃至S1−9を所定の回数を繰り返したかどうかの判定が行われる。所定の回数に達したとき当該学習信号を用いた学習を終了する。
なお、ここでの所定の回数は、理想的には出力信号O[1]乃至O[n]と教師信号T[1]乃至T[n]との誤差が規定値内に収まるまで繰り返すことが好ましいが、経験的に決めた任意の回数としてもよい。
〔ステップS1−11〕
ステップS1−11では、全ての学習信号について学習したか否かを判定する。未終了の学習信号がある場合はステップS1−1乃至S1−10を繰り返し、全ての学習信号について学習を終了した場合には終了する。なお、一度学習した学習信号について、一通り全ての学習信号に対する学習が終った後に、再度学習する構成としてもよい。
階層型パーセプトロンのニューラルネットワークでは、隠れ層、すなわち隠れシナプス回路および隠れニューロン回路を多層に設けることが好ましい。隠れシナプス回路および隠れニューロン回路を多層に設ける場合、重み係数の更新を繰り返し行うことができるため、学習効率を高めることができる。
[パラメータの出力]
次に、先にデータを学習させた図9のニューラルネットワークを有する演算回路に、対象データを入力して、結果を出力する動作について、図13を用いて説明する。
〔ステップS2−1〕
ステップS2−1では、入力ニューロン回路INに外部から対象データが入力される。
〔ステップS2−2〕
ステップS2−2では、入力ニューロン回路IN[1]乃至IN[L]から隠れシナプス回路HS[1,1]乃至IN[1,L]に、対象データに相当する出力信号x[1]乃至x[L]が入力される。ステップS2−2では、隠れシナプス回路HS[1,0]乃至HS[m,0]に値が一定の信号x[0]が入力される。隠れシナプス回路HS[1,0]乃至HS[1,L]は、出力信号x[i]に、学習のステップS1−9で保持された重み係数w[1,i]を乗じた出力信号w[1,i]x[i]を、隠れニューロン回路HN[1]に出力する。
前述の動作は、隠れシナプス回路HS[m,0]乃至HS[m,L]でも行われ、出力信号w[m,i]x[i]を、隠れニューロン回路HN[m]に出力する。
〔ステップS2−3〕
ステップS2−3では、隠れニューロン回路HN[1]に、隠れシナプス回路HS[1,0]乃至HS[1,L]の出力信号の和であるΣw[1,i]x[i]が入力される。同様に隠れニューロン回路HN[m]に、隠れシナプス回路HS[m,0]乃至HS[m,L]の出力信号の和であるΣw[m,i]x[i]が入力される。
〔ステップS2−4〕
ステップS2−4では、隠れニューロン回路HN[1]乃至HN[m]から出力シナプス回路OS[1,1]乃至OS[n,1]に出力信号y[1]乃至y[m]が入力される。ステップS2−4では、出力シナプス回路OS[1,0]乃至OS[n,0]に値が一定の信号y[0]が入力される。出力シナプス回路OS[1,0]乃至OS[1,m]は、出力信号y[j]に、アナログメモリAM2に保持された重み係数v[1,j]を乗じた出力信号v[1,j]y[j]を、出力ニューロン回路ON[1]に出力する。
前述の動作は、出力シナプス回路OS[n,0]乃至OS[n,m]でも行われ、出力信号v[n,j]y[j]を、出力ニューロン回路ON[n]に出力する。
〔ステップS2−5〕
ステップS2−5では、出力ニューロン回路ON[1]に、出力シナプス回路OS[1,0]乃至OS[1,m]の出力信号の和であるΣv[1,j]y[j]が入力される。同様に出力ニューロン回路ON[n]に、出力シナプス回路OS[n,0]乃至OS[n,m]の出力信号の和であるΣv[n,j]y[j]が入力される。出力ニューロン回路ON[1]乃至[n]は、出力信号O[1]乃至O[n]を出力する。
ここで、各重み係数の値は学習によって決定されているため、出力信号O[1]乃至O[n]として、対象データ、すなわちレジスタ130、画像処理部140、駆動回路150などに電力を供給するか否かを示す信号を出力することができる。
上記のステップS1−1乃至ステップS1−10、及びステップS2−1乃至ステップS2−5を行うことによって、図9に示すニューラルネットワークを有する演算回路に学習信号を学習させ、その後、対象データに対応した信号を出力することができる。
上記の動作を行うことによって、階層型パーセプトロンを構成するニューラルネットワークの学習、及び、当該ニューラルネットワークからのパラメータの出力を行うことができる。
本実施の形態において説明したニューラルネットワークを、実施の形態1における予測回路112に用いることにより、電力供給の要否を予測可能な半導体装置を実現することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明した半導体装置が有する回路の具体的な構成例について説明する。
<フレームメモリの構成例>
まず、フレームメモリ120の構成例について説明する。図14(A)に、フレームメモリ120が有する記憶装置121の構成例を示す。記憶装置121は、制御部402、セルアレイ403、周辺回路408を有する。周辺回路408は、センスアンプ回路404、駆動回路405、メインアンプ406、入出力回路407を有する。
制御部402は、記憶装置121を制御する機能を有する。例えば、制御部402は、駆動回路405、メインアンプ406、および入出力回路407を制御する機能を有する。
駆動回路405には、複数の配線WL、CSELが接続されている。駆動回路405は、複数の配線WL、CSELに出力する信号を生成する。
セルアレイ403は、複数のメモリセル409を有する。メモリセル409は、配線WL、LBL(またはLBLB)、BGLと接続されている。配線WLはワード線であり、配線LBL、LBLBは、ローカルビット線である。図14(A)の例では、セルアレイ403の構成は、折り返しビット線方式であるが、開放ビット線方式とすることもできる。
図14(B)に、メモリセル409の構成例を示す。メモリセル409は、トランジスタMW1、容量素子CS1を有する。メモリセル409は、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)のメモリセルと同様の回路構成を有する。ここでは、トランジスタMW1はバックゲートをもつトランジスタである。トランジスタMW1のバックゲートは、配線BGLに電気的に接続されている。配線BGLには、電圧Vbg_w1が入力される。
トランジスタMW1は、OSトランジスタである。OSトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、OSトランジスタでメモリセル409を構成することで、容量素子CS1から電荷がリークすることを抑えられるため、フレームメモリ120が有する記憶装置121のリフレッシュ動作の頻度を低減できる。また、電源供給が遮断されても、フレームメモリ120が有する記憶装置121は長時間画像データを保持することが可能である。また、電圧Vbg_w1を負電圧にすることで、トランジスタMW1の閾値電圧を正電位側にシフトさせることができ、メモリセル409の保持時間を長くすることができる。
ここでいう、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態のときにソースとドレインとの間に流れる電流をいう。チャネル幅で規格化したOSトランジスタのオフ電流は、ソースドレイン間電圧が10V、室温(25℃程度)の状態で10×10−21A/μm(10ゼプトA/μm)以下とすることが可能である。トランジスタ301a、Tr1bに用いるOSトランジスタのオフ電流は、室温(25℃程度)にて1×10−18A以下、又は、1×10−21A以下、又は1×10−24A以下が好ましい。又は、オフ電流は85℃にて1×10−15A以下、又は1×10−18A以下、又は1×10−21A以下であることが好ましい。
また、OSトランジスタのチャネル形成領域に含まれる金属酸化物は、インジウム(In)および亜鉛(Zn)の少なくとも一方を含むこと好ましい。このような金属酸化物としては、In酸化物、Zn酸化物、In−Zn酸化物、In−M−Zn酸化物(元素Mは、Al、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、又はHf)が代表的である。これら金属酸化物は、電子供与体(ドナー)となる水素などの不純物を低減し、かつ酸素欠損も低減することで、金属酸化物をi型半導体(真性半導体)にする、あるいはi型半導体に限りなく近づけることができる。このような金属酸化物は、高純度化された金属酸化物と呼ぶことができる。例えば、金属酸化物のキャリア密度は、8×1015cm−3未満、好ましくは1×1011cm−3未満、より好ましくは1×1010cm−3未満であり、且つ、1×10−9cm−3以上とすることができる。
また、金属酸化物はエネルギーギャップが大きく、電子が励起されにくく、ホールの有効質量が大きい。このため、OSトランジスタはSiトランジスタと比較して、アバランシェ崩壊等が生じにくい場合がある。アバランシェ崩壊に起因するホットキャリア劣化等が抑制されることで、OSトランジスタは高いドレイン耐圧を有することとなり、高いドレイン電圧で駆動することが可能である。そのため、トランジスタ301a、Tr1bにOSトランジスタを用いることにより、容量素子CS1に保持される電位の範囲を広げることができる。
メモリセル409以外の回路が有するトランジスタとしては、OSトランジスタ以外のトランジスタを用いてもよい。例えば、金属酸化物以外の単結晶半導体を有する基板の一部にチャネル形成領域が形成されるトランジスタを用いてもよい。このような基板としては、単結晶シリコン基板や単結晶ゲルマニウム基板などが挙げられる。また、トランジスタ460として、金属酸化物以外の半導体材料を含む膜に、チャネル形成領域が形成されるトランジスタを用いることもできる。このようなトランジスタとしては、例えば、非晶質シリコン膜、微結晶シリコン膜、多結晶シリコン膜、単結晶シリコン膜、非晶質ゲルマニウム膜、微結晶ゲルマニウム膜、多結晶ゲルマニウム膜、又は単結晶ゲルマニウム膜を半導体層に用いたトランジスタが挙げられる。例えば、メモリセル409以外の回路が有するトランジスタをシリコンウエハに作製されるSiトランジスタとすると、セルアレイ403をセンスアンプ回路404に積層して設けることができる。よって、記憶装置121の回路面積を縮小でき、半導体装置の小型化につながる。
セルアレイ403は、センスアンプ回路404に積層して設けられている。センスアンプ回路404は、複数のセンスアンプSAを有する。センスアンプSAは隣接する配線LBL、LBLB(ローカルビット線対)、配線GBL、GBLB(グローバルビット線対)、複数の配線CSELに電気的に接続されている。センスアンプSAは、配線LBLと配線LBLBとの電位差を増幅する機能を有する。
センスアンプ回路404には、4本の配線LBLに対して1本の配線GBLが設けられ、4本の配線LBLBに対して1本の配線GBLBが設けられているが、センスアンプ回路404の構成は、図14(A)の構成例に限定されない。
メインアンプ406は、センスアンプ回路404および入出力回路407と接続されている。メインアンプ406は、配線GBLと配線GBLBの電位差を増幅する機能を有する。メインアンプ406は省略することができる。
入出力回路407は、書き込みデータに対応する電位を配線GBLと配線GBLB、またはメインアンプ406に出力する機能、配線GBLと配線GBLBの電位、またはメインアンプ406の出力電位を読み出し、データとして外部に出力する機能を有する。配線CSELの信号によって、データを読み出すセンスアンプSA、およびデータを書き込むセンスアンプSAを選択することができる。よって、入出力回路407は、マルチプレクサなどの選択回路が不要であるため、回路構成を簡単化でき、占有面積を縮小することができる。
<レジスタの構成例>
次に、レジスタ130の構成例について説明する。図15は、レジスタ130の構成例を示すブロック図である。レジスタ130は、スキャンチェーンレジスタ部410A、およびレジスタ部410Bを有する。スキャンチェーンレジスタ部410Aは、複数のレジスタ411aを有する。複数のレジスタ411aによって、スキャンチェーンレジスタが構成されている。レジスタ部410Bは、複数のレジスタ411bを有する。
レジスタ411aは、電源が遮断された状態でもデータが消失しない不揮発性レジスタである。レジスタ411aを不揮発化するため、ここでは、レジスタ411aは、OSトランジスタを用いた記憶回路を備えている。
他方、レジスタ411bは揮発性レジスタである。レジスタ411bの回路構成には特段の制約はなく、データを記憶することが可能な回路であればよく、ラッチ回路、フリップフロップ回路などで構成すればよい。コントローラ110、および画像処理部140は、レジスタ部410Bにアクセスし、対応するレジスタ411bからデータを取り込む。また、コントローラ110、および画像処理部140は、レジスタ部410Bから供給されるデータにしたがって、処理内容が制御される。
なお、スキャンチェーンレジスタ部410Aは、図1等における記憶回路132に対応する。また、レジスタ部410Bは、図1等における記憶回路131に対応する。
レジスタ130に格納しているデータを更新する場合、まず、スキャンチェーンレジスタ部410Aのデータを変更する。スキャンチェーンレジスタ部410Aの各レジスタ411aのデータを書き換えた後、スキャンチェーンレジスタ部410Aの各レジスタ411aのデータを、レジスタ部410Bの各レジスタ411bに一括してロードする。
これにより、コントローラ110、および画像処理部140は、一括して更新されたデータを使用して、各種処理を行うことができる。データの更新に同時性が保たれるため、半導体装置の安定した動作を実現できる。スキャンチェーンレジスタ部410Aとレジスタ部410Bとを備えることで、コントローラ110、および画像処理部140が動作中でも、スキャンチェーンレジスタ部410Aのデータを更新することができる。
半導体装置のパワーゲーティング実行時には、レジスタ411aにおいて、保持回路にデータを退避(セーブ)させてから電力を遮断する。電力復帰後、レジスタ411aのデータをレジスタ411bに復帰(ロード)させて通常動作を再開する。なお、レジスタ411aに格納されているデータとレジスタ411bに格納されているデータとが整合しない場合は、レジスタ411bのデータをレジスタ411aにセーブした後、あらためて、レジスタ411aの保持回路にデータを格納する構成が好ましい。データが整合しない場合としては、スキャンチェーンレジスタ部410Aに更新データを挿入中などが挙げられる。
図16に、レジスタ411a、レジスタ411bの回路構成例を示す。図16には、スキャンチェーンレジスタ部410Aの2個のレジスタ411aと、これらレジスタ411aに対応する2個のレジスタ411bを示している。
レジスタ411aは、保持回路420、セレクタ430、フリップフロップ回路440を有する。セレクタ430とフリップフロップ回路440とでスキャンフリップフロップ回路が構成されている。
保持回路420には、信号SAVE2、LOAD2が入力される。保持回路420は、トランジスタTr1乃至Tr6、容量素子C1、C2を有する。トランジスタTr1、Tr2はOSトランジスタである。トランジスタTr1、Tr2をメモリセル409のトランジスタNW1(図14(B)参照)と同様にバックゲート付きのOSトランジスタとしてもよい。
トランジスタTr1、Tr3、Tr4および容量素子C1により、3トランジスタ型のゲインセルが構成される。同様に、トランジスタTr2、Tr5、Tr6および容量素子C2により、3トランジスタ型のゲインセルが構成される。2個のゲインセルによって、フリップフロップ回路440が保持する相補データを記憶する。ここで、トランジスタTr1、Tr2はOSトランジスタであるため、トランジスタTr1、Tr2をオフ状態とすることにより、容量素子C1、C2に蓄積された電荷を長期間にわたって保持することができる。そのため、レジスタ130に保持されたデータを容量素子C1、C2に退避させることにより、電力の供給が停止された状態でも長時間データを保持することが可能なレジスタ130を実現することができる。なお、レジスタ411aにおいて、トランジスタTr1、Tr2以外のトランジスタはSiトランジスタで構成すればよい。
保持回路420は、信号SAVE2に従い、フリップフロップ回路440が保持する相補データを格納し、信号LOAD2に従い、保持しているデータをフリップフロップ回路440にロードする。
フリップフロップ回路440の入力端子には、セレクタ430の出力端子が接続され、出力端子には、レジスタ411bの入力端子が接続されている。フリップフロップ回路440は、インバータ441乃至446、アナログスイッチ447、448を有する。アナログスイッチ447、448の導通状態は、スキャンクロック(Scan Clockと表記)信号によって制御される。フリップフロップ回路440は、図16の回路構成に限定されず、様々なフリップフロップ回路を適用することができる。
セレクタ430の2個の入力端子の一方には、レジスタ411bの出力端子が接続され、他方には、前段のフリップフロップ回路440の出力端子が接続されている。なお、スキャンチェーンレジスタ部410Aの初段のセレクタ430の入力端子は、レジスタ130の外部からデータが入力される。
レジスタ411bは、インバータ451乃至453、クロックドインバータ454、アナログスイッチ455、バッファ456を有する。レジスタ411bは信号LOAD1に基づいて、フリップフロップ回路440のデータをロードする。レジスタ411bのトランジスタはSiトランジスタで構成すればよい。
<スイッチ回路の構成例>
次に、スイッチ回路160の構成例について説明する。
図17(A)に、レジスタ130のパワーゲーティングを制御するスイッチ回路160の構成例を示す。スイッチ回路160は、トランジスタ460を有する。トランジスタ460のゲートは、信号Spcが入力される端子と接続され、ソース又はドレインの一方はレジスタ130と接続され、ソース又はドレインの他方は電源電位(ここでは高電源電位VDD)が供給される配線と接続されている。なお、ここではトランジスタ460はnチャネル型であるが、pチャネル型であってもよい。
なお、本明細書等において、トランジスタのソースとは、チャネル形成領域として機能する半導体層の一部であるソース領域や、当該半導体層と接続されたソース電極などを意味する。同様に、トランジスタのドレインとは、当該半導体層の一部であるドレイン領域や、当該半導体層と接続されたドレイン電極などを意味する。また、ゲートとは、ゲート電極などを意味する。
また、トランジスタが有するソースとドレインは、トランジスタの導電型及び各端子に与えられる電位の高低によって、その呼び方が入れ替わる。一般的に、nチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる端子がソースと呼ばれ、高い電位が与えられる端子がドレインと呼ばれる。また、pチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる端子がドレインと呼ばれ、高い電位が与えられる端子がソースと呼ばれる。本明細書では、便宜上、ソースとドレインとが固定されているものと仮定して、トランジスタの接続関係を説明する場合があるが、実際には上記電位の関係にしたがってソースとドレインの呼び方が入れ替わる。
コントローラ110から信号Spcとしてハイレベルの電位が供給されると、トランジスタ460はオン状態となり、レジスタ130に電源電位VDDが供給される。これにより、レジスタ130に電力が供給される。一方、コントローラ110から信号Spcとしてローレベルの電位が供給されると、トランジスタ460はオフ状態となり、レジスタ130への電源電位VDDの供給が停止される。これにより、レジスタ130への電力の供給が停止される。
ここで、トランジスタ460として、OSトランジスタを用いることが好ましい。この場合、信号Spcとしてローレベルの電位が供給されている期間において、トランジスタ460のオフ電流を極めて小さく抑えることができる。そのため、トランジスタ460がオフ状態である期間において、レジスタ130に供給される電力のリークを極めて小さくすることができ、消費電力をより効果的に低減することができる。なお、トランジスタ460にはOSトランジスタ以外のトランジスタを用いてもよい。
図17(B)は、レジスタ130に加えて、画像処理部140及び駆動回路150のパワーゲーティングを行う場合の構成例である。図17(B)に示すように、トランジスタ460をレジスタ130、画像処理部140、及び駆動回路150と接続することにより、これらの回路への電力の供給を一括で制御することができる。これにより、スイッチ回路160の面積を縮小することができる。
また、図17(C)に示すように、レジスタ130、画像処理部140、駆動回路150ごとにトランジスタ460を設けてもよい。この場合、これらの回路の電源電位を個別に設定することができる。
なお、トランジスタ460は、一対のゲートを有していてもよい。トランジスタ460が一対のゲート電極を有する構成例を図18(A)、(B)に示す。ここで、トランジスタ460はOSトランジスタである。なお、トランジスタが一対のゲートを有する場合、一方のゲートを第1のゲート、フロントゲート、又は単にゲートとよぶことがあり、他方のゲートを第2のゲート、又はバックゲートとよぶことがある。
図18(A)に示すトランジスタ460はバックゲートを有し、バックゲートはフロントゲートと接続されている。この場合、フロントゲートの電位とバックゲートの電位は等しくなる。
図18(B)に示すトランジスタ460は、バックゲートが配線BGLと接続されている。配線BGLは、バックゲートに所定の電位を供給する機能を有する配線である。配線BGLの電位を制御することにより、トランジスタ460の閾値電圧を制御することができる。配線BGLに供給される電位は、固定電位であってもよいし、変動する電位であってもよい。配線BGLに変動する電位を供給する場合、例えば、トランジスタ460をオン状態とする期間とオフ状態とする期間で配線BGLの電位を変えることにより、トランジスタ460の閾値電圧を変化させてもよい。なお、スイッチ回路160が複数のトランジスタ460を有する場合、配線BGLは一部又は全てのトランジスタ460で共有することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した表示システムの、より具体的な構成例について説明する。ここでは一例として、表示部が複数の表示ユニットを有する場合について説明する。
図19に、表示システム11の構成例を示す。表示システム11は、半導体装置101、表示部201を有する。
半導体装置101は、図7に示す各種回路に加えて、インターフェース181、デコーダ182、センサコントローラ183、クロック生成回路184、記憶装置185、タイミングコントローラ186を有する。また、表示部201は、図7に示す表示部200に複数の表示ユニット210(210a、210b)を設けた構成に相当する。
表示ユニット210には、液晶素子を用いて表示を行う表示ユニットや、発光素子を用いて表示を行う表示ユニットなどを用いることができる。図19には一例として、表示部201が、反射型の液晶素子を用いて表示を行う表示ユニット210aと、発光素子を用いて表示を行う表示ユニット210bを有する構成を示している。
なお、表示ユニット210には、反射型の液晶素子以外の反射型の表示素子を用いることもできる。例えば、表示ユニット210には、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、光干渉方式のMEMS素子、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)方式等を適用した表示素子などを用いることができる。
また、発光素子としては、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)、半導体レーザなどの自発光性の発光素子を用いることができる。
駆動回路150は、ソースドライバ151を有する。ソースドライバ151は、表示ユニット210に映像信号を供給する機能を有する回路である。図19においては、表示部201が表示ユニット210a、210bを有するため、駆動回路150はソースドライバ151a、151bを有する。ソースドライバ151aは、表示ユニット210aに映像信号を供給する機能を有し、ソースドライバ151bは、表示ユニット210bに映像信号を供給する機能を有する。なお、ソースドライバ151は、表示部201に設けられていてもよい。
半導体装置101は、ホスト180との通信を行う機能を有する。この通信は、インターフェース181を介して行われる。ホスト180から半導体装置101には、画像データDi、表示部200に表示される映像の変化の情報を含む信号Sch、各種制御信号などが送られる。また、半導体装置101からホスト180には、タッチセンサコントローラ170が取得したタッチ情報などが送られる。なお、半導体装置101が有するそれぞれの回路は、ホスト180の規格、表示部201の仕様等によって、適宜取捨される。
ホスト180から半導体装置101に圧縮された画像データが送られる場合、フレームメモリ120は、圧縮された画像データを格納することができる。デコーダ182は、圧縮された画像データを伸長するための回路である。画像データを伸長する必要がない場合、デコーダ182は処理を行わない。なお、デコーダ182は、フレームメモリ120とインターフェース181との間に配置することもできる。
なお前述の通り、フレームメモリ120からコントローラ110には、消費電力に関する情報を含む信号Scoが入力される。
画像処理部140は、フレームメモリ120又はデコーダ182から入力された画像データに対して、各種の画像処理を行い、映像信号を生成する機能を有する。ここで、画像処理部140は、ガンマ補正回路141、調光回路142、調色回路143を有する。
また、ソースドライバ151bが、表示ユニット210bが有する発光素子に流れる電流を検出する機能を有する回路(電流検出回路)を有する場合、画像処理部140にはEL補正回路144を設けてもよい。EL補正回路144は、電流検出回路から送信される信号に基づいて、発光素子の輝度を調節する機能を有する。
画像処理部140で生成された映像信号は、記憶装置185を経て、駆動回路150に出力される。記憶装置185は、画像データを一時的に格納する機能を有する。ソースドライバ151a、151bはそれぞれ、記憶装置185から入力された映像信号に対して各種の処理を行い、表示ユニット210a、210bに出力する機能を有する。
タイミングコントローラ186は、駆動回路150、タッチセンサコントローラ170、表示ユニット210a、210bが有するゲートドライバで用いられるタイミング信号などを生成する機能を有する。
タッチセンサユニット220で検出されたタッチ情報を含む信号は、タッチセンサコントローラ170で処理された後、インターフェース181を介してホスト180に送信される。ホスト180は、タッチ情報を反映した画像データを生成し、半導体装置101に送信する。なお、半導体装置101が画像データにタッチ情報を反映させる機能を有していてもよい。また、タッチセンサコントローラ170は、タッチセンサユニット220に設けられていてもよい。
なお前述の通り、タッチセンサコントローラ170からコントローラ110には、タッチ情報を含む信号Stoが入力される。
クロック生成回路184は、半導体装置101で使用されるクロック信号を生成する機能を有する。コントローラ110は、インターフェース181を介してホスト180から送られる各種制御信号を処理し、半導体装置101内の各種回路を制御する機能を有する。また、コントローラ110は、半導体装置101内の各種回路への電源供給を制御する機能を有する。例えばコントローラ110は、停止状態の回路への電源供給を一時的に遮断することができる。
レジスタ130には、画像処理部140が補正処理を行うために使用するパラメータ、タイミングコントローラ186が各種タイミング信号の波形生成に用いるパラメータなどが記憶される。
また、半導体装置101には、光センサ187と接続されたセンサコントローラ183を設けることができる。光センサ187は、外光188を検知して、検知信号を生成する機能を有する。センサコントローラ183は、検知信号に基づいて制御信号を生成する機能を有する。センサコントローラ183で生成された制御信号は、例えば、コントローラ110に出力される。
表示ユニット210aと表示ユニット210bを用いて一つの映像を表示する場合、画像処理部140は、表示ユニット210aの映像信号と表示ユニット210bの映像信号とを分けて生成する機能を有する。この場合、光センサ187およびセンサコントローラ183を用いて測定した外光188の明るさに応じて、表示ユニット210aが有する反射型の液晶素子の反射強度と、表示ユニット210bが有する発光素子の発光強度を調整することができる。ここでは、当該調整を調光、あるいは調光処理と呼ぶ。また、当該処理を実行する回路を調光回路と呼ぶ。
例えば、晴れの日の日中に外で表示部201に映像を表示する場合は、発光素子を光らせずに反射型の液晶素子のみで表示を行い、夜間や暗所で表示部201に映像を表示する場合は、発光素子を光らせて表示を行うことができる。
また、画像処理部140は、外光の明るさに応じて、表示ユニット210aのみで表示を行うための映像信号、表示ユニット210bのみで表示を行うための映像信号、表示ユニット210aと表示ユニット210bを組み合わせて表示を行うための映像信号のいずれかを選択して生成することができる。これにより、外光の明るい環境においても、外光の暗い環境においても、良好な表示を行うことができる。さらに、外光の明るい環境においては、発光素子を光らせない、もしくは発光素子の輝度を低くすることで、消費電力を低減することができる。
また、反射型の液晶素子の表示に、発光素子の表示を組み合わせることで、色調を補正することができる。このような色調補正のためには、光センサ187およびセンサコントローラ183に、外光188の色調を測定する機能を追加すればよい。例えば、夕暮れ時の赤みがかった環境において表示部201に映像を表示する場合、反射型の液晶素子による表示のみではB(青)成分が足りないため、発光素子を発光させることで、色調を補正することができる。ここでは、当該補正を調色、あるいは調色処理と呼ぶ。また、当該処理を実行する回路を調色回路と呼ぶ。
画像処理部140は、表示部201の仕様によって、RGB−RGBW変換回路など、他の処理回路を有していてもよい。RGB−RGBW変換回路とは、RGB(赤、緑、青)画像データを、RGBW(赤、緑、青、白)画像信号に変換する機能をもつ回路である。すなわち、表示部201がRGBW4色の画素を有する場合、画像データ内のW(白)成分を、W(白)画素を用いて表示することで、消費電力を低減することができる。なお、表示ユニット110がRGBYの4色の画素を有する場合、、例えば、RGB−RGBY(赤、緑、青、黄)変換回路などでもよい。
また、表示ユニット210aと表示ユニット210bには、互いに異なる種類の映像を表示することもできる。反射型の液晶素子は、発光素子と比較して動作速度が遅く、映像を表示するまでに時間を要する場合がある。そのため、例えば反射型の液晶素子に背景となる静止画を表示し、発光素子に動画を表示することができる。また、このとき、反射型の液晶素子に表示する映像の書き換え頻度を減らし、映像の書き換えが行われない期間において、ソースドライバ151aや、表示ユニット210aが有するゲートドライバの動作を停止することができる。これにより、なめらかな動画表示と低消費電力を両立することができる。この場合、フレームメモリ120には、反射型の液晶素子に供給する映像信号を記憶する領域と、発光素子に供給する映像信号を記憶する領域が設けられる。
図1等に示す予測回路112は、図19におけるコントローラ110に設けても良いが、ホスト180に設けることもできる。この場合、予測回路112における予測の結果に対応する信号Sprは、ホスト180からインターフェース181を介してコントローラ110に入力される。また、信号Sco及び信号Stoは、インターフェース181を介してホスト180に送信される。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した表示システムに用いることができる表示装置の構成例について説明する。
以下に説明する表示装置は、図1、6、7における表示部200、図19における表示部201などに用いることができる。ここでは特に、反射型の素子と発光素子を用いて表示を行うことが可能な表示装置について説明する。
図20(A)は、表示部に用いることができる表示装置500の構成の一例を示すブロック図である。表示装置500は、画素部501にマトリクス状に配列した複数の画素ユニット502を有する。また、表示装置500は、駆動回路503a、503bと、駆動回路504a、504bを有する。また、表示装置500は、方向Rに配列した複数の画素ユニット502、及び駆動回路503aと接続された複数の配線GLaと、方向Rに配列した複数の画素ユニット502、及び駆動回路503bと接続された複数の配線GLbを有する。また、表示装置500は、方向Cに配列した複数の画素ユニット502、及び駆動回路504aと接続された複数の配線SLaと、方向Cに配列した複数の画素ユニット502、及び駆動回路504bと接続された複数の配線SLbを有する。
駆動回路504a、504bはそれぞれ、図19におけるソースドライバ151a、151bに対応する。すなわち、表示装置500は、図19におけるソースドライバ151a、151bが表示部201に設けられた構成に対応する。ただし、駆動回路504a、504bは図19における半導体装置101に設けられていてもよい。
画素ユニット502は、反射型の液晶素子と、発光素子を有する。画素ユニット502において、液晶素子と発光素子とは、互いに重なる部分を有する。
図20(B1)は、画素ユニット502が有する導電層530bの構成例を示す。導電層530bは、画素ユニット502における液晶素子の反射電極として機能する。また導電層530bには、開口540が設けられている。
図20(B1)には、導電層530bと重なる領域に位置する発光素子520を破線で示している。発光素子520は、導電層530bが有する開口540と重ねて配置されている。これにより、発光素子520が発する光は、開口540を介して表示面側に射出される。
図20(B1)では、方向Rに隣接する画素ユニット502が異なる色に対応する画素である。このとき、図20(B1)に示すように、方向Rに隣接する2つの画素において、開口540が一列に配列されないように、導電層530bの異なる位置に設けられていることが好ましい。これにより、2つの発光素子520を離すことが可能で、発光素子520が発する光が隣接する画素ユニット502が有する着色層に入射してしまう現象(クロストークともいう)を抑制することができる。また、隣接する2つの発光素子520を離して配置することができるため、発光素子520のEL層をシャドウマスク等により作り分ける場合であっても、高い精細度の表示装置を実現できる。
また、図20(B2)に示すような配列としてもよい。
非開口部の総面積に対する開口540の総面積の比の値が大きすぎると、液晶素子を用いた表示が暗くなってしまう。また、非開口部の総面積に対する開口540の総面積の比の値が小さすぎると、発光素子520を用いた表示が暗くなってしまう。
また、反射電極として機能する導電層530bに設ける開口540の面積が小さすぎると、発光素子520が射出する光から取り出せる光の効率が低下してしまう。
開口540の形状は、例えば多角形、四角形、楕円形、円形または十字等の形状とすることができる。また、細長い筋状、スリット状、市松模様状の形状としてもよい。また、開口540を隣接する画素に寄せて配置してもよい。好ましくは、開口540を同じ色を表示する他の画素に寄せて配置する。これにより、クロストークを抑制できる。
<回路構成の例>
図21は、画素ユニット502の構成例を示す回路図である。図21では、隣接する2つの画素ユニット502を示している。画素ユニット502はそれぞれ、画素505aと画素505bを有する。
画素505aは、スイッチSW1、容量素子C10、液晶素子510を有し、画素505bは、スイッチSW2、トランジスタM、容量素子C20、及び発光素子520を有する。また、画素505aは、配線SLa、配線GLa、配線CSCOMと接続されており、画素505bは、配線GLb、配線SLb、配線ANOと接続されている。なお、図21では、液晶素子510接続された配線VCOM1、及び発光素子520と接続された配線VCOM2を示している。また、図21では、スイッチSW1及びスイッチSW2に、トランジスタを用いた場合の例を示している。
スイッチSW1のゲートは配線GLaと接続され、ソース又はドレインの一方は配線SLaと接続され、ソース又はドレインの他方は容量素子C10の一方の電極、及び液晶素子510の一方の電極と接続されている。容量素子C10の他方の電極は、配線CSCOMと接続されている。液晶素子510の他方の電極は、配線VCOM1と接続されている。
スイッチSW2のゲートは配線GLbと接続され、ソース又はドレインの一方は配線SLbと接続され、ソース又はドレインの他方は容量素子C20の一方の電極、トランジスタMのゲートと接続されている。容量素子C20の他方の電極はトランジスタMのソース又はドレインの一方、配線ANOと接続されている。トランジスタMのソース又はドレインの他方は発光素子520の一方の電極と接続されている。発光素子520の他方の電極は配線VCOM2と接続されている。
図21では、トランジスタMが一対のゲートを有し、これらが接続されている例を示している。これにより、トランジスタMが流すことのできる電流を増大させることができる。
配線VCOM1及び配線CSCOMには、それぞれ所定の電位を供給することができる。また、配線VCOM2及び配線ANOにはそれぞれ、発光素子520を発光させることが可能となる電位差を生じさせるための電位を供給することができる。
図21に示す画素ユニット502は、例えば反射モードの表示を行う場合には、配線GLa及び配線SLaに供給される信号により画素505aを駆動することにより、液晶素子510による光学変調を利用して映像を表示することができる。また、透過モードで表示を行う場合には、配線GLb及び配線SLbに供給される信号により画素505bを駆動することにより、発光素子520を発光させて映像を表示することができる。また両方のモードで駆動する場合には、配線GLa、配線GLb、配線SLa及び配線SLbのそれぞれに供給される信号により、画素505a及び画素505bを駆動することができる。
なお、図21では一つの画素ユニット502に、一つの液晶素子510と一つの発光素子520とを有する例を示したが、これに限られない。例えば、図22(A)に示すように、画素505bが複数の副画素506b(506br、506bg、506bb、506bw)を有していてもよい。副画素506br、506bg、506bb、506bwはそれぞれ、発光素子520r、520g、520b、520wを有する。図22(A)に示す画素ユニット502は、図21とは異なり、1つの画素ユニットでフルカラーの表示が可能な画素である。
図22(A)では、画素505bに配線GLba、GLbb、SLba、SLbbが接続されている。
図22(A)に示す例では、例えば4つの発光素子520として、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、及び白色(W)を呈する発光素子を用いることができる。また液晶素子510として、白色を呈する反射型の液晶素子を用いることができる。これにより、反射モードの表示を行う場合には、反射率の高い白色の表示を行うことができる。また透過モードで表示を行う場合には、演色性の高い表示を低い電力で行うことができる。
また、図22(B)には、画素ユニット502の構成例を示している。画素ユニット502は、導電層530が有する開口部と重なる発光素子520wと、導電層530の周囲に配置された発光素子520r、発光素子520g、及び発光素子520bとを有する。発光素子520r、発光素子520g、及び発光素子520bは、発光面積がほぼ同等であることが好ましい。
なお、スイッチSW1及びスイッチSW2としては、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタを用いることにより、容量素子C10、C20に保持された電荷を極めて長期間保持することができる。そのため、半導体装置100、101によって映像信号が生成されない期間においても、画素ユニットに表示された映像を長期間維持することができる。これにより、上記実施の形態で説明した半導体装置100、101において長期間のパワーゲーティングを行うことができる。
<表示装置の構成例>
図23は、本発明の一態様の表示装置500の斜視概略図である。表示装置500は、基板551と基板561とが貼り合わされた構成を有する。図23では、基板561を破線で示している。
表示装置500は、表示領域562、回路564、配線565等を有する。基板551には、例えば回路564、配線565、及び画素電極として機能する導電層530b等が設けられる。また、図23では基板551上にIC573とFPC572が実装されている例を示している。そのため、図23に示す構成は、表示装置500とFPC572及びIC573を有する表示モジュールと言うこともできる。
回路564は、例えば駆動回路504として機能する回路を用いることができる。
配線565は、表示領域562や回路564に信号や電力を供給する機能を有する。当該信号や電力は、FPC572を介して外部、またはIC573から配線565に入力される。
また、図23では、COG(Chip On Glass)方式等により、基板551にIC573が設けられている例を示している。IC573は、例えば駆動回路503、または駆動回路504などとしての機能を有するICを適用できる。なお表示装置500が駆動回路503及び駆動回路504として機能する回路を備える場合や、駆動回路503や駆動回路504として機能する回路を外部に設け、FPC572を介して表示装置500を駆動するための信号を入力する場合などでは、IC573を設けない構成としてもよい。また、IC573を、COF(Chip On Film)方式等により、FPC572に実装してもよい。
図23には、表示領域562の一部の拡大図を示している。表示領域562には、複数の表示素子が有する導電層530bがマトリクス状に配置されている。導電層530bは、可視光を反射する機能を有し、後述する液晶素子510の反射電極として機能する。
また、図23に示すように、導電層530bは開口を有する。さらに導電層530bよりも基板551側に、発光素子520を有する。発光素子520からの光は、導電層530bの開口を介して基板561側に射出される。
図24に、図23で例示した表示装置の、FPC572を含む領域の一部、回路564を含む領域の一部、及び表示領域562を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
表示装置500は、基板551と基板561の間に、絶縁層720を有する。また基板551と絶縁層720の間に、発光素子520、トランジスタ701、トランジスタ705、トランジスタ706、着色層634等を有する。また絶縁層720と基板561の間に、液晶素子510、着色層631等を有する。また基板561と絶縁層720は接着層641を介して接着され、基板551と絶縁層720は接着層642を介して接着されている。
トランジスタ706は、液晶素子510と接続され、トランジスタ705は、発光素子520と接続されている。トランジスタ705とトランジスタ706は、いずれも絶縁層720の基板551側の面上に形成されているため、これらを同一の工程を用いて作製することができる。
基板561には、着色層631、遮光層632、絶縁層621、及び液晶素子510の共通電極として機能する導電層613、配向膜633b、絶縁層617等が設けられている。絶縁層617は、液晶素子510のセルギャップを保持するためのスペーサとして機能する。
絶縁層720の基板551側には、絶縁層711、絶縁層712、絶縁層713、絶縁層714、絶縁層715、絶縁層716等の絶縁層が設けられている。絶縁層711は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層712、絶縁層713、及び絶縁層714は、各トランジスタを覆って設けられている。また絶縁層714を覆って絶縁層716が設けられている。絶縁層714及び絶縁層716は、平坦化層としての機能を有する。なお、ここではトランジスタ等を覆う絶縁層として、絶縁層712、絶縁層713、絶縁層714の3層を有する場合について示しているが、これに限られず4層以上であってもよいし、単層、または2層であってもよい。また平坦化層として機能する絶縁層714は、不要であれば設けなくてもよい。
また、トランジスタ701、トランジスタ705、及びトランジスタ706は、一部がゲートとして機能する導電層721、一部がソース又はドレインとして機能する導電層722、半導体層731を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。
液晶素子510は反射型の液晶素子である。液晶素子510は、導電層530a、液晶612、導電層613が積層された積層構造を有する。また導電層530aの基板551側に接して、可視光を反射する導電層530bが設けられている。導電層530bは開口540を有する。また導電層530a及び導電層613は可視光を透過する材料を含む。また液晶612と導電層530aの間に配向膜633aが設けられ、液晶612と導電層613の間に配向膜633bが設けられている。また、基板561の外側の面には、偏光板630を有する。
液晶素子510において、導電層530bは可視光を反射する機能を有し、導電層613は可視光を透過する機能を有する。基板561側から入射した光は、偏光板630により偏光され、導電層613、液晶612を透過し、導電層530bで反射する。そして液晶612及び導電層613を再度透過して、偏光板630に達する。このとき、導電層530bと導電層613の間に与える電圧によって液晶の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板630を介して射出される光の強度を制御することができる。また光は着色層631によって特定の波長領域以外の光が吸収されることにより、取り出される光は、例えば赤色を呈する光となる。
発光素子520は、ボトムエミッション型の発光素子である。発光素子520は、絶縁層720側から導電層691、EL層692、及び導電層693bの順に積層された積層構造を有する。また導電層693bを覆って導電層693aが設けられている。導電層693bは可視光を反射する材料を含み、導電層691及び導電層693aは可視光を透過する材料を含む。発光素子520が発する光は、着色層634、絶縁層720、開口540、導電層613等を介して、基板561側に射出される。
ここで、図24に示すように、開口540には可視光を透過する導電層530aが設けられていることが好ましい。これにより、開口540と重なる領域においてもそれ以外の領域と同様に液晶612が配向するため、これらの領域の境界部で液晶の配向不良が生じ、意図しない光が漏れてしまうことを抑制できる。
ここで、基板561の外側の面に配置する偏光板630として直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。これにより、外光反射を抑制することができる。また、偏光板の種類に応じて、液晶素子510に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。
また、導電層691の端部を覆う絶縁層716上には、絶縁層717が設けられている。絶縁層717は、絶縁層720と基板551が必要以上に接近することを抑制するスペーサとしての機能を有する。またEL層692や導電層693aを遮蔽マスク(メタルマスク)を用いて形成する場合には、当該遮蔽マスクが被形成面に接触することを抑制する機能を有していてもよい。なお、絶縁層717は不要であれば設けなくてもよい。
トランジスタ705のソース又はドレインの一方は、導電層724を介して発光素子520の導電層691と接続されている。
トランジスタ706のソース又はドレインの一方は、接続部707を介して導電層530bと接続されている。導電層530bと導電層530aは互いに接して設けられ、これらは接続されている。ここで、接続部707は、絶縁層720に設けられた開口を介して、絶縁層720の両面に設けられる導電層同士を接続する部分である。
基板551と基板561が重ならない領域には、接続部704が設けられている。接続部704は、接続層742を介してFPC572と接続されている。接続部704は接続部707と同様の構成を有している。接続部704の上面は、導電層530aと同一の導電膜を加工して得られた導電層が露出している。これにより、接続部704とFPC572とを接続層742を介して接続することができる。
接着層641が設けられる一部の領域には、接続部752が設けられている。接続部752において、導電層530aと同一の導電膜を加工して得られた導電層と、導電層613の一部が、接続体743により接続されている。したがって、基板561側に形成された導電層613に、基板551側に接続されたFPC572から入力される信号または電位を、接続部752を介して供給することができる。
接続体743としては、例えば導電性の粒子を用いることができる。導電性の粒子としては、有機樹脂またはシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したものを用いることができる。金属材料としてニッケルや金を用いると接触抵抗を低減できるため好ましい。またニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子を用いることが好ましい。また接続体743として、弾性変形、または塑性変形する材料を用いることが好ましい。このとき導電性の粒子である接続体743は、図24に示すように上下方向に潰れた形状となる場合がある。こうすることで、接続体743と、これと電気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗を低減できるほか、接続不良などの不具合の発生を抑制することができる。
接続体743は、接着層641に覆われるように配置することが好ましい。例えば硬化前の接着層641に接続体743を分散させておけばよい。
図24では、回路564の例としてトランジスタ701が設けられている例を示している。
図24では、トランジスタ701及びトランジスタ705の例として、チャネルが形成される半導体層731を一対のゲートで挟持する構成が適用されている。一方のゲートは導電層721により、他方のゲートは絶縁層712を介して半導体層731と重なる導電層723により構成されている。このような構成とすることで、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。このとき、2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。このようなトランジスタは他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速駆動が可能な回路を作製することができる。さらには、回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示装置を大型化、または高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することができる。
なお、回路564が有するトランジスタと、表示領域562が有するトランジスタは、同じ構造であってもよい。また回路564が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。また、表示領域562が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。
各トランジスタを覆う絶縁層712、絶縁層713のうち少なくとも一方は、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。すなわち、絶縁層712または絶縁層713はバリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに対して外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能となり、信頼性の高い表示装置を実現できる。
基板561側において、着色層631、遮光層632を覆って絶縁層621が設けられている。絶縁層621は、平坦化層としての機能を有していてもよい。絶縁層621により、導電層613の表面を概略平坦にできるため、液晶612の配向状態を均一にできる。
表示装置500を作製する方法の一例について説明する。例えば剥離層を有する支持基板上に、導電層530a、導電層530b、絶縁層720を順に形成し、その後、トランジスタ705、トランジスタ706、発光素子520等を形成した後、接着層642を用いて基板551と支持基板を貼り合せる。その後、剥離層と絶縁層720、及び剥離層と導電層530aのそれぞれの界面で剥離することにより、支持基板及び剥離層を除去する。またこれとは別に、着色層631、遮光層632、導電層613等をあらかじめ形成した基板561を準備する。そして基板551または基板561に液晶612を滴下し、接着層641により基板551と基板561を貼り合せることで、表示装置500を作製することができる。
剥離層としては、絶縁層720及び導電層530aとの界面で剥離が生じる材料を適宜選択することができる。特に、剥離層としてタングステンなどの高融点金属材料を含む層と当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁層720として、窒化シリコンや酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等を複数積層した層を用いることが好ましい。剥離層に高融点金属材料を用いると、これよりも後に形成する層の形成温度を高めることが可能で、不純物の濃度が低減され、信頼性の高い表示装置を実現できる。
導電層530aとしては、金属酸化物や金属窒化物などを用いることが好ましい。金属酸化物を用いる場合には、水素、ボロン、リン、窒素、及びその他の不純物の濃度、並びに酸素欠損量の少なくとも一が、トランジスタに用いる半導体層に比べて高められた材料を、導電層530aに用いればよい。
以下では、上記に示す各構成要素について説明する。
[基板]
表示装置が有する基板には、平坦面を有する材料を用いることができる。表示素子からの光を取り出す側の基板には、該光を透過する材料を用いる。例えば、ガラス、石英、セラミック、サファイア、有機樹脂などの材料を用いることができる。
厚さの薄い基板を用いることで、表示装置の軽量化、薄型化を図ることができる。さらに、可撓性を有する程度の厚さの基板を用いることで、可撓性を有する表示装置を実現できる。
また、発光を取り出さない側の基板は、透光性を有していなくてもよいため、上記に挙げた基板の他に、金属基板等を用いることもできる。金属基板は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、表示装置の局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。可撓性や曲げ性を得るためには、金属基板の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。
金属基板を構成する材料としては、特に限定はないが、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル等の金属、もしくはアルミニウム合金またはステンレス等の合金などを好適に用いることができる。
また、金属基板の表面を酸化する、又は表面に絶縁膜を形成するなどにより、絶縁処理が施された基板を用いてもよい。例えば、スピンコート法やディップ法などの塗布法、電着法、蒸着法、又はスパッタリング法などを用いて絶縁膜を形成してもよいし、酸素雰囲気で放置する又は加熱するほか、陽極酸化法などによって、基板の表面に酸化膜を形成してもよい。
可撓性及び可視光に対する透過性を有する材料としては、例えば、可撓性を有する程度の厚さのガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂等が挙げられる。特に、熱膨張係数の低い材料を用いることが好ましく、例えば、熱膨張係数が30×10−6/K以下であるポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、ガラス繊維に有機樹脂を含浸した基板や、無機フィラーを有機樹脂に混ぜて熱膨張係数を下げた基板を使用することもできる。このような材料を用いた基板は、重量が軽いため、該基板を用いた表示装置も軽量にすることができる。
上記材料中に繊維体が含まれている場合、繊維体は有機化合物または無機化合物の高強度繊維を用いる。高強度繊維とは、具体的には引張弾性率またはヤング率の高い繊維のことを言い、代表例としては、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエチレン系繊維、アラミド系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ガラス繊維、または炭素繊維が挙げられる。ガラス繊維としては、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Qガラス等を用いたガラス繊維が挙げられる。これらは、織布または不織布の状態で用い、この繊維体に樹脂を含浸させ樹脂を硬化させた構造物を、可撓性を有する基板として用いてもよい。可撓性を有する基板として、繊維体と樹脂からなる構造物を用いると、曲げや局所的押圧による破損に対する信頼性が向上するため、好ましい。
または、可撓性を有する程度に薄いガラス、金属などを基板に用いることもできる。または、ガラスと樹脂材料とが接着層により貼り合わされた複合材料を用いてもよい。
可撓性を有する基板に、表示装置の表面を傷などから保護するハードコート層(例えば、窒化シリコン、酸化アルミニウムなど)や、押圧を分散可能な材質の層(例えば、アラミド樹脂など)等が積層されていてもよい。また、水分等による表示素子の寿命の低下等を抑制するために、可撓性を有する基板に透水性の低い絶縁膜が積層されていてもよい。例えば、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等の無機絶縁材料を用いることができる。
基板は、複数の層を積層して用いることもできる。特に、ガラス層を有する構成とすると、水や酸素に対するバリア性を向上させ、信頼性の高い表示装置とすることができる。
[トランジスタ]
トランジスタは、ゲート電極として機能する導電層と、半導体層と、ソース電極として機能する導電層と、ドレイン電極として機能する導電層と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層と、を有する。上記では、ボトムゲート構造のトランジスタを適用した場合を示している。
なお、本発明の一態様の表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
また、トランジスタに用いる半導体材料としては、例えば、第14族の元素(シリコン、ゲルマニウム等)、又は金属酸化物を半導体層に用いることができる。代表的には、シリコンを含む半導体、ガリウムヒ素を含む半導体又はインジウムを含む金属酸化物などを適用できる。
特にシリコンよりもバンドギャップの大きな金属酸化物を適用することが好ましい。シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
シリコンよりもバンドギャップの大きな金属酸化物を用いたトランジスタは、その低いオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。このようなトランジスタを画素に適用することで、各表示領域に表示した画像の階調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。その結果、極めて消費電力の低減された表示装置を実現できる。
半導体層は、例えば少なくともインジウム、亜鉛及びM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウム等の金属)を含むIn−M−Zn系酸化物で表記される膜を含むことが好ましい。また、該半導体層を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすため、それらと共に、スタビライザーを含むことが好ましい。
スタビライザーとしては、上記Mで記載の金属を含め、例えば、ガリウム、スズ、ハフニウム、アルミニウム、またはジルコニウム等がある。また、他のスタビライザーとしては、ランタノイドである、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等がある。
半導体層を構成する金属酸化物として、例えば、In−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
なお、ここで、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
また、半導体層と導電層は、上記酸化物のうち同一の金属元素を有していてもよい。半導体層と導電層を同一の金属元素とすることで、製造コストを低減させることができる。例えば、同一の金属組成の金属酸化物ターゲットを用いることで、製造コストを低減させることができる。また半導体層と導電層を加工する際のエッチングガスまたはエッチング液を共通して用いることができる。ただし、半導体層と導電層は、同一の金属元素を有していても、組成が異なる場合がある。例えば、トランジスタ及び容量素子の作製工程中に、膜中の金属元素が脱離し、異なる金属組成となる場合がある。
半導体層を構成する金属酸化物は、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上であることが好ましい。このように、エネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
半導体層を構成する金属酸化物がIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、4:2:4.1等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、誤差として上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
半導体層には、キャリア密度の低い金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、半導体層は、キャリア密度が1×1017/cm3以下、好ましくは1×1015/cm3以下、さらに好ましくは1×1013/cm3以下、より好ましくは1×1011/cm3以下、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10−9/cm3以上のキャリア密度の金属酸化物を用いることができる。このような半導体層は、不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低いため、安定な特性を有する。
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性及び電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
半導体層を構成する金属酸化物において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、半導体層において酸素欠損が増加し、n型化してしまう場合がある。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とすることが好ましい。
また、アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、金属酸化物と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため半導体層における二次イオン質量分析法により得られるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にすることが好ましい。
また、半導体層は、例えば非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、多結晶構造、微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高い。
非晶質構造の金属酸化物は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない。
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、または積層構造を有する場合がある。
または、トランジスタのチャネルが形成される半導体に、シリコンを用いることが好ましい。シリコンとしてアモルファスシリコンを用いてもよいが、特に結晶性を有するシリコンを用いることが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることが好ましい。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。このような多結晶半導体を画素に適用することで画素の開口率を向上させることができる。また極めて高精細な表示部とする場合であっても、駆動回路を画素と同一基板上に形成することが可能となり、電子機器を構成する部品数を低減することができる。
本実施の形態で例示したボトムゲート構造のトランジスタは、作製工程を削減できるため好ましい。またこのときアモルファスシリコンを用いることで、多結晶シリコンよりも低温で形成できるため、半導体層よりも下層の配線や電極の材料、基板の材料として、耐熱性の低い材料を用いることが可能なため、材料の選択の幅を広げることができる。例えば、極めて大面積のガラス基板などを好適に用いることができる。一方、トップゲート型のトランジスタは、自己整合的に不純物領域を形成しやすいため、特性のばらつきなどを低減することができるため好ましい。このとき特に、多結晶シリコンや単結晶シリコンなどを用いる場合に適している。
[導電層]
トランジスタのゲート、ソースおよびドレインのほか、表示装置を構成する各種配線および電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンなどの金属、またはこれを主成分とする合金などが挙げられる。またこれらの材料を含む膜を単層で、または積層構造として用いることができる。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜または窒化チタン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜または窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛等の酸化物を用いてもよい。また、マンガンを含む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高まるため好ましい。
また、透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物またはグラフェンを用いることができる。または、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、またはチタンなどの金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。または、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属材料、合金材料(またはそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすればよい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、表示装置を構成する各種配線および電極などの導電層や、表示素子が有する導電層(画素電極や共通電極として機能する導電層)にも用いることができる。
[絶縁層]
各絶縁層に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、アクリル、エポキシなどの樹脂、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることもできる。
また発光素子は、一対の透水性の低い絶縁膜の間に設けられていることが好ましい。これにより、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、装置の信頼性の低下を抑制できる。
透水性の低い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を含む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
例えば、透水性の低い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10−5[g/(m2・day)]以下、好ましくは1×10−6[g/(m2・day)]以下、より好ましくは1×10−7[g/(m2・day)]以下、さらに好ましくは1×10−8[g/(m2・day)]以下とする。
[液晶素子]
液晶素子としては、例えば垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードが適用された液晶素子を用いることができる。垂直配向モードとしては、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。
また、液晶素子には、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えばVAモードのほかに、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード等が適用された液晶素子を用いることができる。
なお、液晶素子は、液晶の光学的変調作用によって光の透過または非透過を制御する素子である。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む)によって制御される。なお、液晶素子に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、液晶材料としては、ポジ型の液晶、またはネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。
また、液晶の配向を制御するため、配向膜を設けることができる。なお、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性である。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
また、液晶素子として、透過型の液晶素子、反射型の液晶素子、または半透過型の液晶素子などを用いることができる。本発明の一態様では、特に反射型の液晶素子を用いることが好ましい。
透過型または半透過型の液晶素子を用いる場合、一対の基板を挟むように、2つの偏光板を設ける。また偏光板よりも外側に、バックライトを設ける。バックライトとしては、直下型のバックライトであってもよいし、エッジライト型のバックライトであってもよい。LED(Light Emitting Diode)を備える直下型のバックライトを用いると、ローカルディミングが容易となり、コントラストを高めることができるため好ましい。また、エッジライト型のバックライトを用いると、バックライトを含めたモジュールの厚さを低減できるため好ましい。
反射型の液晶素子を用いる場合には、表示面側に偏光板を設ける。またこれとは別に、表示面側に光拡散板を配置すると、視認性を向上させられるため好ましい。
また、反射型、または半透過型の液晶素子を用いる場合、偏光板よりも外側に、フロントライトを設けてもよい。フロントライトとしては、エッジライト型のフロントライトを用いることが好ましい。LED(Light Emitting Diode)を備えるフロントライトを用いると、消費電力を低減できるため好ましい。
[発光素子]
発光素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型などがある。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。本発明の一態様では、特にボトムエミッション型の発光素子を用いることが好ましい。
EL層は少なくとも発光層を有する。EL層は、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
EL層には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。EL層を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
陰極と陽極の間に、発光素子の閾値電圧より高い電圧を印加すると、EL層に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層において再結合し、EL層に含まれる発光物質が発光する。
発光素子として、白色発光の発光素子を適用する場合には、EL層に2種類以上の発光物質を含む構成とすることが好ましい。例えば2以上の発光物質の各々の発光が補色の関係となるように、発光物質を選択することにより白色発光を得ることができる。例えば、それぞれR(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、O(橙)等の発光を示す発光物質、またはR、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含む発光を示す発光物質のうち、2以上を含むことが好ましい。また、発光素子からの発光のスペクトルが、可視光領域の波長(例えば350nm以上750nm以下)の範囲内に2以上のピークを有する発光素子を適用することが好ましい。また、黄色の波長領域にピークを有する材料の発光スペクトルは、緑色及び赤色の波長領域にもスペクトル成分を有する材料であることが好ましい。
EL層は、一の色を発光する発光材料を含む発光層と、他の色を発光する発光材料を含む発光層とが積層された構成とすることが好ましい。例えば、EL層における複数の発光層は、互いに接して積層されていてもよいし、いずれの発光材料も含まない領域を介して積層されていてもよい。例えば、蛍光発光層と燐光発光層との間に、当該蛍光発光層または燐光発光層と同一の材料(例えばホスト材料、アシスト材料)を含み、且ついずれの発光材料も含まない領域を設ける構成としてもよい。これにより、発光素子の作製が容易になり、また、駆動電圧が低減される。
また、発光素子は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、複数のEL層が電荷発生層を介して積層されたタンデム素子であってもよい。
可視光を透過する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、もしくはチタン等の金属材料、これら金属材料を含む合金、又はこれら金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等も、透光性を有する程度に薄く形成することで用いることができる。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウム錫酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。また、グラフェン等を用いてもよい。
可視光を反射する導電膜は、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、又はこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料や合金に、ランタン、ネオジム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、チタン、ニッケル、またはネオジムと、アルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)を用いてもよい。また銅、パラジウム、マグネシウムと、銀を含む合金を用いてもよい。銀と銅を含む合金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム膜またはアルミニウム合金膜に接して金属膜又は金属酸化物膜を積層することで、酸化を抑制することができる。このような金属膜、金属酸化物膜の材料としては、チタンや酸化チタンなどが挙げられる。また、上記可視光を透過する導電膜と金属材料からなる膜とを積層してもよい。例えば、銀とインジウム錫酸化物の積層膜、銀とマグネシウムの合金とインジウム錫酸化物の積層膜などを用いることができる。
電極は、それぞれ、蒸着法やスパッタリング法を用いて形成すればよい。そのほか、インクジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、又はメッキ法を用いて形成することができる。
なお、上述した、発光層、ならびに正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、電子輸送性の高い物質、及び電子注入性の高い物質、バイポーラ性の物質等を含む層は、それぞれ量子ドットなどの無機化合物や、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を有していてもよい。例えば、量子ドットを発光層に用いることで、発光材料として機能させることもできる。
なお、量子ドット材料としては、コロイド状量子ドット材料、合金型量子ドット材料、コア・シェル型量子ドット材料、コア型量子ドット材料などを用いることができる。また、12族と16族、13族と15族、または14族と16族の元素グループを含む材料を用いてもよい。または、カドミウム、セレン、亜鉛、硫黄、リン、インジウム、テルル、鉛、ガリウム、ヒ素、アルミニウム等の元素を含む量子ドット材料を用いてもよい。
[接着層]
接着層としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いることができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が素子に侵入することを抑制でき、表示装置の信頼性が向上するため好ましい。
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラーや光散乱部材を混合することにより、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、ゼオライト、ジルコニウム等を用いることができる。
[接続層]
接続層としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
[着色層]
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料または染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
[遮光層]
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属などの無機材料の薄膜であってもよい。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか工程を簡略化できるため好ましい。
以上が各構成要素についての説明である。
[作製方法例]
次に、可撓性を有する基板を用いた表示装置の作製方法の例について説明する。
ここでは、表示素子、回路、配線、電極、着色層や遮光層などの光学部材、及び絶縁層等が含まれる層をまとめて素子層と呼ぶこととする。例えば、素子層は表示素子を含み、表示素子の他に表示素子と電気的に接続する配線、画素や回路に用いるトランジスタなどの素子を備えていてもよい。
また、ここでは、表示素子が完成した(作製工程が終了した)段階において、素子層を支持し、可撓性を有する部材のことを、基板と呼ぶこととする。例えば、基板には、厚さが10nm以上300μm以下の、極めて薄いフィルム等も含まれる。
可撓性を有し、絶縁表面を備える基板上に素子層を形成する方法としては、代表的には以下に挙げる2つの方法がある。一つは、基板上に直接、素子層を形成する方法である。もう一つは、基板とは異なる支持基板上に素子層を形成した後、素子層と支持基板を剥離し、素子層を基板に転置する方法である。なお、ここでは詳細に説明しないが、上記2つの方法に加え、可撓性を有さない基板上に素子層を形成し、当該基板を研磨等により薄くすることで可撓性を持たせる方法もある。
基板を構成する材料が、素子層の形成工程にかかる熱に対して耐熱性を有する場合には、基板上に直接、素子層を形成すると、工程が簡略化されるため好ましい。このとき、基板を支持基板に固定した状態で素子層を形成すると、装置内、及び装置間における搬送が容易になるため好ましい。
また、素子層を支持基板上に形成した後に、基板に転置する方法を用いる場合、まず支持基板上に剥離層と絶縁層を積層し、当該絶縁層上に素子層を形成する。続いて、支持基板と素子層の間で剥離し、素子層を基板に転置する。このとき、支持基板と剥離層の界面、剥離層と絶縁層の界面、または剥離層中で剥離が生じるような材料を選択すればよい。この方法では、支持基板や剥離層に耐熱性の高い材料を用いることで、素子層を形成する際にかかる温度の上限を高めることができ、より信頼性の高い素子を有する素子層を形成できるため、好ましい。
例えば剥離層として、タングステンなどの高融点金属材料を含む層と、当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁層として、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコンなどを複数積層した層を用いることが好ましい。なお、本明細書中において、酸化窒化物は、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物は、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。
素子層と支持基板とを剥離する方法としては、機械的な力を加えることや、剥離層をエッチングすること、または剥離界面に液体を浸透させることなどが、一例として挙げられる。または、剥離界面を形成する2層の熱膨張係数の違いを利用し、加熱または冷却することにより剥離を行ってもよい。
また、支持基板と絶縁層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい。
例えば、支持基板としてガラスを用い、絶縁層としてポリイミドなどの有機樹脂を用いることができる。このとき、レーザ光等を用いて有機樹脂の一部を局所的に加熱する、または鋭利な部材により物理的に有機樹脂の一部を切断、または貫通すること等により剥離の起点を形成し、ガラスと有機樹脂の界面で剥離を行ってもよい。
または、支持基板と有機樹脂からなる絶縁層の間に発熱層を設け、当該発熱層を加熱することにより、当該発熱層と絶縁層の界面で剥離を行ってもよい。発熱層としては、電流を流すことにより発熱する材料、光を吸収することにより発熱する材料、磁場を印加することにより発熱する材料など、様々な材料を用いることができる。例えば発熱層としては、半導体、金属、絶縁体から選択して用いることができる。
なお、上述した方法において、有機樹脂からなる絶縁層は、剥離後に基板として用いることができる。
以上が可撓性を有する表示装置を作製する方法についての説明である。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態において用いることができるOSトランジスタの構成例について説明する。
<トランジスタの構成例>
図25(A)は、トランジスタの構成例を示す上面図である。図25(B)は、図25(A)のX1−X2線断面図であり、図25(C)はY1−Y2線断面図である。ここでは、X1−X2線の方向をチャネル長方向と、Y1−Y2線方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。図25(B)は、トランジスタのチャネル長方向の断面構造を示す図であり、図25(C)は、トランジスタのチャネル幅方向の断面構造を示す図である。なお、デバイス構造を明確にするため、図25(A)では、一部の構成要素が省略されている。
本発明の一態様に係る半導体装置は、絶縁層812乃至820、金属酸化物膜821乃至824、導電層850乃至853を有する。トランジスタ801は絶縁表面に形成される。図25では、トランジスタ801が絶縁層811上に形成される場合を例示している。トランジスタ801は絶縁層818及び絶縁層819で覆われている。
なお、トランジスタ801を構成している絶縁層、金属酸化物膜、導電層等は、単層であっても、複数の膜が積層されたものであってもよい。これらの作製には、スパッタリング法、分子線エピタキシー法(MBE法)、パルスレーザアブレーション法(PLA法)、CVD法、原子層堆積法(ALD法)などの各種の成膜方法を用いることができる。なお、CVD法は、プラズマCVD法、熱CVD法、有機金属CVD法などがある。
導電層850は、トランジスタ801のゲート電極として機能する領域を有する。導電層851、導電層852は、ソース電極又はドレイン電極として機能する領域を有する。導電層853は、バックゲート電極は、として機能する領域を有する。絶縁層817は、ゲート電極(フロントゲート電極)側のゲート絶縁層として機能する領域を有し、絶縁層814乃至絶縁層816の積層で構成される絶縁層は、バックゲート電極側のゲート絶縁層として機能する領域を有する。絶縁層818は層間絶縁層としての機能を有する。絶縁層819はバリア層としてとしての機能を有する。
金属酸化物膜821乃至824をまとめて酸化物層830と呼ぶ。図25(B)、図25(C)に示すように、酸化物層830は、金属酸化物膜821、金属酸化物膜822、金属酸化物膜824が順に積層されている領域を有する。また、一対の金属酸化物膜823は、それぞれ導電層851、導電層852上に位置する。トランジスタ801がオン状態のとき、チャネル形成領域は酸化物層830のうち主に金属酸化物膜822に形成される。
金属酸化物膜824は、金属酸化物膜821乃至823、導電層851、導電層852を覆っている。絶縁層817は金属酸化物膜823と導電層850との間に位置する。導電層851、導電層852はそれぞれ、金属酸化物膜823、金属酸化物膜824、絶縁層817を介して、導電層850と重なる領域を有する。
導電層851及び導電層852は、金属酸化物膜821及び金属酸化物膜822を形成するためのハードマスクから作製されている。そのため、導電層851及び導電層852は、金属酸化物膜821および金属酸化物膜822の側面に接する領域を有していない。例えば、次のような工程を経て、金属酸化物膜821、822、導電層851、導電層852を作製することができる。まず、積層された2層の金属酸化物膜上に導電膜を形成する。この導電膜を所望の形状に加工(エッチング)して、ハードマスクを形成する。ハードマスクを用いて、2層の金属酸化物膜の形状を加工し、積層された金属酸化物膜821及び金属酸化物膜822を形成する。次に、ハードマスクを所望の形状に加工して、導電層851及び導電層852を形成する。
絶縁層811乃至818に用いられる絶縁材料には、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、アルミニウムシリケートなどがある。絶縁層811乃至818はこれらの絶縁材料でなる単層、又は積層して構成される。絶縁層811乃至818を構成する層は、複数の絶縁材料を含んでいてもよい。
なお、本明細書等において、酸化窒化物とは、酸素の含有量が窒素よりも多い化合物であり、窒化酸化物とは、窒素の含有量が酸素よりも多い化合物のことを意味する。
酸化物層830の酸素欠損の増加を抑制するため、絶縁層816乃至絶縁層818は、酸素を含む絶縁層であることが好ましい。絶縁層816乃至絶縁層818は、加熱により酸素が放出される絶縁膜(以下、「過剰酸素を含む絶縁膜」ともいう)で形成されることがより好ましい。過剰酸素を含む絶縁膜から酸化物層830に酸素を供給することで、酸化物層830の酸素欠損を補償することができる。トランジスタ801の信頼性および電気的特性を向上することができる。
過剰酸素を含む絶縁層とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy:昇温脱離ガス分光法)において、膜の表面温度が100℃以上700℃以下、又は100℃以上500℃以下の範囲における酸素分子の放出量が1.0×1018[分子/cm3]以上である膜とする。酸素分子の放出量は、3.0×1020atoms/cm3以上であることがより好ましい。
過剰酸素を含む絶縁膜は、絶縁膜に酸素を添加する処理を行って形成することができる。酸素を添加する処理は、酸素雰囲気下による熱処理や、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオン注入法、又はプラズマ処理などを用いて行うことができる。酸素を添加するためのガスとしては、16O2もしくは18O2などの酸素ガス、亜酸化窒素ガス又はオゾンガスなどを用いることができる。
酸化物層830の水素濃度の増加を防ぐために、絶縁層812乃至819中の水素濃度を低減することが好ましい。特に絶縁層813乃至818の水素濃度を低減することが好ましい。具体的には、水素濃度は、2×1020atoms/cm3以下であり、好ましくは5×1019atoms/cm3以下が好ましく、1×1019atoms/cm3以下がより好ましく、5×1018atoms/cm3以下がさらに好ましい。
酸化物層830の窒素濃度の増加を防ぐために、絶縁層813乃至818の窒素濃度を低減することが好ましい。具体的には、窒素濃度は、5×1019atoms/cm3未満であり、5×1018atoms/cm3以下であり、1×1018atoms/cm3以下がより好ましく、5×1017atoms/cm3以下がより好ましい。
上掲の水素濃度、窒素濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)で測定された値である。
トランジスタ801において、酸素および水素に対してバリア性をもつ絶縁層(以下、バリア層ともいう)によって酸化物層830が包み込まれる構造であることが好ましい。このような構造であることで、酸化物層830から酸素が放出されること、酸化物層830に水素が侵入することを抑えることがでる。トランジスタ801の信頼性、電気的特性を向上できる。
例えば、絶縁層819をバリア層として機能させ、かつ絶縁層811、812、814の少なくとも1つをバリア層として機能させればよい。バリア層は、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化シリコンなどの材料で形成することができる。
絶縁層811乃至818の構成例を記す。この例では、絶縁層811、812、815、819は、それぞれ、バリア層として機能する。絶縁層816乃至818は過剰酸素を含む酸化物層である。絶縁層811は窒化シリコンであり、絶縁層812は酸化アルミニウムであり、絶縁層813は酸化窒化シリコンである。バックゲート電極側のゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層814乃至816は、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化シリコンの積層である。フロントゲート側のゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層817は、酸化窒化シリコンである。層間絶縁層としての機能を有する絶縁層818は、酸化シリコンである。絶縁層819は酸化アルミニウムである。
導電層850乃至853に用いられる導電材料には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属、又は上述した金属を成分とする金属窒化物(窒化タンタル、窒化チタン、窒化モリブデン、窒化タングステン)等がある。インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を用いることができる。
導電層850乃至853の構成例を記す。導電層850は窒化タンタル、又はタングステン単層である。あるいは、導電層850は窒化タンタル、タンタルおよび窒化タンタルでなる積層である。導電層851は、窒化タンタル単層、又は窒化タンタルとタングステンとの積層である。導電層852の構成は導電層851と同じである。導電層853は窒化タンタルであり、導電体はタングステンである。
トランジスタ801のオフ電流の低減のために、金属酸化物膜822は、例えば、エネルギーギャップが大きいことが好ましい。金属酸化物膜822のエネルギーギャップは、2.5eV以上4.2eV以下であり、2.8eV以上3.8eV以下が好ましく、3eV以上3.5eV以下がさらに好ましい。
酸化物層830は、結晶性を有することが好ましい。少なくとも、金属酸化物膜822は結晶性を有することが好ましい。上記構成により、信頼性、および電気的特性の良いトランジスタ801を実現できる。
金属酸化物膜822に適用できる酸化物は、例えば、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物、In−M−Zn酸化物(MはAl、Ga、Y、又はSn)である。金属酸化物膜822は、インジウムを含む酸化物層に限定されない。金属酸化物膜822は、例えば、Zn−Sn酸化物、Ga−Sn酸化物、Zn−Mg酸化物等で形成することができる。金属酸化物膜821、823、824も、金属酸化物膜822と同様の酸化物で形成することができる。特に、金属酸化物膜821、823、824は、それぞれ、Ga酸化物で形成することができる。
金属酸化物膜822と金属酸化物膜821の界面に界面準位が形成されると、界面近傍の領域にもチャネル形成領域が形成されるために、トランジスタ801の閾値電圧が変動してしまう。そのため、金属酸化物膜821は、構成要素として、金属酸化物膜822を構成する金属元素の少なくとも1つを含むことが好ましい。これにより、金属酸化物膜822と金属酸化物膜821の界面には、界面準位が形成されにくくなり、トランジスタ801の閾値電圧等の電気的特性のばらつきを低減することができる。
金属酸化物膜824は、構成要素として、金属酸化物膜822を構成する金属元素の少なくとも1つを含むことが好ましい。これにより、金属酸化物膜822と金属酸化物膜824との界面では、界面散乱が起こりにくくなり、キャリアの動きが阻害されにくくなるので、トランジスタ801の電界効果移動度を高くすることができる。
金属酸化物膜821乃至824のうち、金属酸化物膜822のキャリア移動度が最も高いことが好ましい。これにより、絶縁層816、817から離間している金属酸化物膜822にチャネルを形成することができる。
例えば、In−M−Zn酸化物等のIn含有金属酸化物は、Inの含有率を高めることで、キャリア移動度を高めることができる。In−M−Zn酸化物では主として重金属のs軌道がキャリア伝導に寄与しており、インジウムの含有率を多くすることにより、より多くのs軌道が重なるため、インジウムの含有率が多い酸化物はインジウムの含有率が少ない酸化物と比較して移動度が高くなる。そのため、金属酸化物膜にインジウムの含有量が多い酸化物を用いることで、キャリア移動度を高めることができる。
そのため、例えば、In−Ga−Zn酸化物で金属酸化物膜822を形成し、Ga酸化物で金属酸化物膜821、823を形成する。例えば、In−M−Zn酸化物で、金属酸化物膜821乃至823を形成する場合、Inの含有率は金属酸化物膜822のInの含有率を金属酸化物膜821、823よりも高くする。In−M−Zn酸化物をスパッタリング法で形成する場合、ターゲットの金属元素の原子数比を変えることで、In含有率を変化させることができる。
例えば、金属酸化物膜822の成膜に用いるターゲットの金属元素の原子数比In:M:Znは、1:1:1、3:1:2、又は4:2:4.1が好ましい。例えば、金属酸化物膜821、823の成膜に用いるターゲットの金属元素の原子数比In:M:Znは、1:3:2、又は1:3:4が好ましい。In:M:Zn=4:2:4.1のターゲットで成膜したIn−M−Zn酸化物の原子数比は、およそIn:M:Zn=4:2:3である。
トランジスタ801に安定した電気的特性を付与するには、酸化物層830の不純物濃度を低減することが好ましい。金属酸化物において、水素、窒素、炭素、シリコン、および主成分以外の金属元素は不純物となる。例えば、水素および窒素はドナー準位の形成に寄与し、キャリア密度を増大させてしまう。また、シリコンおよび炭素は金属酸化物中で不純物準位の形成に寄与する。不純物準位はトラップとなり、トランジスタの電気的特性を劣化させることがある。
例えば、酸化物層830は、シリコン濃度が2×1018atoms/cm3以下、好ましくは、2×1017atoms/cm3以下の領域を有する。酸化物層830の炭素濃度も同様である。
酸化物層830は、アルカリ金属濃度が1×1018atoms/cm3以下の、好ましくは2×1016atoms/cm3以下の領域を有する。金属酸化物膜822のアルカリ土類金属の濃度についても同様である。
酸化物層830は、窒素濃度が5×1019atoms/cm3未満の、好ましくは5×1018atoms/cm3以下の、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下の、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下の領域を有する。
酸化物層830は、水素濃度が1×1020atoms/cm3未満の、好ましくは1×1019atoms/cm3未満の、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満の、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満の領域を有する。
上掲した金属酸化物膜822の不純物濃度は、SIMSにより得られる値である。
金属酸化物膜822が酸素欠損を有する場合、酸素欠損のサイトに水素が入り込むことでドナー準位を形成することがある。その結果、トランジスタ801のオン電流を低下させる要因となる。なお、酸素欠損のサイトは、水素が入るよりも酸素が入る方が安定する。したがって、金属酸化物膜822中の酸素欠損を低減することで、トランジスタ801のオン電流を大きくすることができる場合がある。よって、金属酸化物膜822の水素を低減することで、酸素欠損のサイトに水素が入りこまないようにすることが、オン電流特性に有効である。
金属酸化物に含まれる水素は、金属原子に結合している酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成することがある。酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成されることがある。また、水素の一部が金属原子に結合している酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。金属酸化物膜822にチャネル形成領域が設けられるので、金属酸化物膜822に水素が含まれていると、トランジスタ801はノーマリーオン特性となりやすい。このため、金属酸化物膜822中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。
図25は、酸化物層830が4層構造の例であるが、これに限定されない。例えば、酸化物層830を金属酸化物膜821又は金属酸化物膜823のない3層構造とすることができる。又は、酸化物層830の任意の層の間、酸化物層830の上、酸化物層830の下のいずれか二箇所以上に、金属酸化物膜821乃至524と同様の金属酸化物膜を1層又は複数を設けることができる。
図26を参照して、金属酸化物膜821、822、824の積層によって得られる効果を説明する。図26は、トランジスタ801のチャネル形成領域のエネルギーバンド構造の模式図である。
図26中、Ec816e、Ec821e、Ec822e、Ec824e、Ec817eは、それぞれ、絶縁層816、金属酸化物膜821、金属酸化物膜822、金属酸化物膜824、絶縁層817の伝導帯下端のエネルギーを示している。
ここで、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差(「電子親和力」ともいう)は、真空準位と価電子帯上端のエネルギーとの差(イオン化ポテンシャルともいう)からエネルギーギャップを引いた値となる。なお、エネルギーギャップは、分光エリプソメータ(HORIBA JOBIN YVON社 UT−300)を用いて測定できる。また、真空準位と価電子帯上端のエネルギー差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy)装置(PHI社 VersaProbe)を用いて測定できる。
絶縁層816、817は絶縁体であるため、Ec816eとEc817eは、Ec821e、Ec822e、およびEc824eよりも真空準位に近い(電子親和力が小さい)。
金属酸化物膜822は、金属酸化物膜821、824よりも電子親和力が大きい。例えば、金属酸化物膜822と金属酸化物膜821との電子親和力の差、および金属酸化物膜822と金属酸化物膜824との電子親和力の差は、それぞれ、0.07eV以上1.3eV以下である。電子親和力の差は、0.1eV以上0.7eV以下が好ましく、0.15eV以上0.4eV以下がさらに好ましい。なお、電子親和力は、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差である。
トランジスタ801のゲート電極(導電層850)に電圧を印加すると、金属酸化物膜821、金属酸化物膜822、金属酸化物膜824のうち、電子親和力が大きい金属酸化物膜822に主にチャネルが形成される。
インジウムガリウム酸化物は、小さい電子親和力と、高い酸素ブロック性を有する。そのため、金属酸化物膜824がインジウムガリウム酸化物を含むと好ましい。ガリウム原子割合[Ga/(In+Ga)]は、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上とする。
また、金属酸化物膜821と金属酸化物膜822との間には金属酸化物膜821と金属酸化物膜822の混合領域が存在する場合がある。また、金属酸化物膜824と金属酸化物膜822との間には金属酸化物膜824と金属酸化物膜822の混合領域が存在する場合がある。混合領域は、界面準位密度が低くなるため、金属酸化物膜821、822、824の積層されている領域は、それぞれの界面近傍においてエネルギーが連続的に変化する(連続接合ともいう)バンド構造となる。
このようなエネルギーバンド構造を有する酸化物層830において、電子は主に金属酸化物膜822を移動することになる。そのため、金属酸化物膜821と絶縁層812との界面に、又は、金属酸化物膜824と絶縁層813との界面に準位が存在したとしても、これらの界面準位により、酸化物層830中を移動する電子の移動が阻害されにくくなるため、トランジスタ801のオン電流を高くすることができる。
また、図26に示すように、金属酸化物膜821と絶縁層816の界面近傍、および金属酸化物膜824と絶縁層817の界面近傍には、それぞれ、不純物や欠陥に起因したトラップ準位Et826e、Et827eが形成され得るものの、金属酸化物膜821、824があることにより、金属酸化物膜822をトラップ準位Et826e、Et827eから離間することができる。
なお、Ec821eとEc822eとの差が小さい場合、金属酸化物膜822の電子が該エネルギー差を越えてトラップ準位Et826eに達することがある。トラップ準位Et826eに電子が捕獲されることで、絶縁膜の界面にマイナスの固定電荷が生じ、トランジスタの閾値電圧はプラス方向にシフトしてしまう。Ec822eとEc824eとのエネルギー差が小さい場合も同様である。
トランジスタ801の閾値電圧の変動が低減され、トランジスタ801の電気的特性を良好なものとするため、Ec821eとEc822eとの差、Ec824eとEc822eと差を、それぞれ0.1eV以上とすることが好ましく、0.15eV以上とすることがより好ましい。
なお、トランジスタ801はバックゲート電極を有さない構造とすることもできる。
<積層構造の例>
次に、OSトランジスタと他のトランジスタを積層した構造について説明する。以下で説明する積層構造は、上記実施の形態で説明した各種回路に適用することができる。
図27に、SiトランジスタであるトランジスタTr22と、OSトランジスタであるTr11と、容量素子C100と、が積層された回路860の積層構造の例を示す。
メモリセルMCは、CMOS層871、配線層W1乃至W5、トランジスタ層872、配線層W6、W7の積層で構成されている。
CMOS層871には、トランジスタTr22が設けられている。トランジスタTr2のチャネル形成領域は、単結晶シリコンウエハ870に設けられている。トランジスタTr22のゲート電極873は、配線層W1乃至W5を介して、容量素子C100の一方の電極875と接続されている。
トランジスタ層872には、トランジスタTr11が設けられている。図27では、トランジスタTr11がトランジスタ801(図25)と同様の構造を有する。トランジスタTr11のソース又はドレインの一方に相当する電極874は、容量素子C100の一方の電極875と接続されている。なお、図27には、トランジスタTr11がバックゲート電極を配線層W5に有する場合を例示している。また、配線層W6には、容量素子C100が設けられている。
回路860の構成は例えば、上記実施の形態において、OSトランジスタとその他の素子(Siトランジスタ、容量素子など)を有する回路に適用することができる。例えば、図14に示す記憶装置、図16に示すレジスタ130などに適用することができる。
以上のように、OSトランジスタとその他の素子を積層することにより、回路の面積を縮小することができる。
<金属酸化物>
次に、上記のOSトランジスタに用いることができる、金属酸化物について説明する。以下では特に、金属酸化物とCAC(Cloud−Aligned Composite)の詳細について説明する。
CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC−OSまたはCAC−metal oxideを、トランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OSまたはCAC−metal oxideに付与することができる。CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC−OSまたはCAC−metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
CAC−OSは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
なお、金属酸化物は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC−OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1−x0)O3(ZnO)m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC(c−axis aligned crystal)構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC−OSは、金属酸化物の材料構成に関する。CAC−OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC−OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC−OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC−OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
CAC−OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC−OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
CAC−OSは、X線回折(XRD:X−ray diffraction)測定法のひとつであるOut−of−plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa−b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
またCAC−OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。従って、電子線回折パターンから、CAC−OSの結晶構造が、平面方向、および断面方向において、配向性を有さないnc(nano−crystal)構造を有することがわかる。
また例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC−OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
従って、CAC−OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
また、CAC−OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC−OSは、さまざまな半導体装置に最適である。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した表示装置を用いた表示モジュールの構成例について説明する。
図28に示す表示モジュール1000は、上部カバー1001と下部カバー1002との間に、FPC1003に接続されたタッチパネル1004、FPC1005に接続された表示装置1006、フレーム1009、プリント基板1010、及びバッテリ1011を有する。
上記実施の形態で説明した表示装置は、表示装置1006として用いることができる。
上部カバー1001及び下部カバー1002は、タッチパネル1004及び表示装置1006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
タッチパネル1004としては、抵抗膜方式又は静電容量方式のタッチパネルを表示装置1006に重畳して用いることができる。また、タッチパネル1004を設けず、表示装置1006に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。
フレーム1009は、表示装置1006の保護機能の他、プリント基板1010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム1009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板1010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ1011による電源であってもよい。バッテリ1011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュール1000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示システムを適用可能な電子機器について説明する。
本発明の一態様の表示装置は、外光の強さによらず、高い視認性を実現することができる。そのため、携帯型の電子機器、装着型の電子機器(ウェアラブル機器)、及び電子書籍端末などに好適に用いることができる。図29に、本発明の一態様の表示装置を用いた電子機器の例を示す。
図29(A)、(B)に、携帯情報端末2000の一例を示す。携帯情報端末2000は、筐体2001、筐体2002、表示部2003、表示部2004、及びヒンジ部2005等を有する。
筐体2001と筐体2002は、ヒンジ部2005で連結されている。携帯情報端末2000は、図29(A)に示すように折り畳んだ状態から、図29(B)に示すように筐体2001と筐体2002を開くことができる。
例えば表示部、2003及び表示部2004に文書情報を表示することが可能であり、電子書籍端末としても用いることができる。また、表示部2003及び表示部2004に静止画像や動画像を表示することもできる。また、表示部2003は、タッチパネルを有していてもよい。
このように、携帯情報端末2000は、持ち運ぶ際には折り畳んだ状態にできるため、汎用性に優れる。
なお、筐体2001及び筐体2002には、電源ボタン、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク等を有していてもよい。
なお、携帯情報端末2000は、表示部2003に設けられたタッチセンサを用いて、文字、図形、イメージを識別する機能を有していてもよい。この場合、例えば、数学又は言語などを学ぶための問題集などを表示する情報端末に対して、指、又はスタイラスペンなどで解答を書き込んで、携帯情報端末2000で正誤の判定を行うといった学習を行うことができる。また、携帯情報端末2000は、音声解読を行う機能を有していてもよい。この場合、例えば、携帯情報端末2000を用いて外国語の学習などを行うことができる。このような携帯情報端末は、教科書などの教材、又はノートなどとして利用する場合に適している。
なお、表示部2003に設けられたタッチセンサによって取得したタッチ情報は、本発明の一態様に係る半導体装置による、電力供給の要否の予測に用いることができる。
図29(C)に携帯情報端末の一例を示す。図29(C)に示す携帯情報端末2010は、筐体2011、表示部2012、操作ボタン2013、外部接続ポート2014、スピーカ2015、マイク2016、カメラ2017等を有する。
携帯情報端末2010は、表示部2012にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部2012に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン2013の操作により、電源のオン、オフ動作や、表示部2012に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
また、携帯情報端末2010の内部に、ジャイロセンサまたは加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯情報端末2010の向き(縦か横か)を判断して、表示部2012の画面表示の向きを自動的に切り替えるようにすることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部2012を触れること、操作ボタン2013の操作、またはマイク2016を用いた音声入力等により行うこともできる。
携帯情報端末2010は、例えば、電話機、手帳または情報閲覧装置等から選ばれた一つまたは複数の機能を有する。例えば、携帯情報端末2010はスマートフォンとして用いることができる。また、携帯情報端末2010は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、動画再生、インターネット通信、ゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
図29(D)に、カメラの一例を示す。カメラ2020は、筐体2021、表示部2022、操作ボタン2023、シャッターボタン2024等を有する。またカメラ2020には、着脱可能なレンズ2026が取り付けられている。
ここではカメラ2020として、レンズ2026を筐体2021から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ2026と筐体が一体となっていてもよい。
カメラ2020は、シャッターボタン2024を押すことにより、静止画、または動画を撮像することができる。また、表示部2022はタッチパネルとしての機能を有し、表示部2022をタッチすることにより撮像することも可能である。
なお、カメラ2020は、ストロボ装置や、ビューファインダーなどを別途装着することができる。または、これらが筐体2021に組み込まれていてもよい。
図29に示す電子機器には、上記の実施の形態で説明した半導体装置を設けることができる。また、図29に示す電子機器の表示部として、上記の実施の形態で説明した表示部を用いることができる。これにより、電子機器に本発明の一態様に係る表示システムを搭載することができる。
なお、図1などに示す予測回路112は、電子機器の外部に設けられていてもよい。この場合、予測回路112による予測の結果が電子機器に入力される。
上記の電子機器と、ホストによって構成される通信システムの例を、図30に示す。図30(A)に示す通信システム3000は、ホスト3100、電子機器3200によって構成される。電子機器3200は、上記実施の形態で説明した半導体装置、表示部にそれぞれ対応する、制御部3210、表示部3220を有する。すなわち、電子機器3200には本発明の一態様に係る表示システムが搭載されている。また、制御部3210には、本発明の一態様に係る予測回路3211、インターフェース3212が設けられている。
ホスト3100は、表示部3220に表示される映像に対応するデータDiと、表示部3220に表示される映像の変化の有無を示す信号Schを送信する。データDi及び信号Schの送信には、有線を用いても無線を用いてもよい。
電子機器3200は、制御部3210に設けられたインターフェース3212を用いて、データDi及び信号Schを受信する。そして、電子機器3200はデータDiを用いて、表示部3220の表示を制御する。また、信号Schは予測回路3211に入力され、ニューラルネットワークの学習に用いられる。
なお、図30(B)に示すように、予測回路3211はホスト3100に設けられていてもよい。この場合、ホスト3100においてニューラルネットワークによる予測が行われ、その予測結果に対応する信号Sprが、データDi及び信号Schとともに送信される。そして、電子機器3200はインターフェース3212を用いて信号Sprを受信し、制御部3210における電力の供給を制御する。また、制御部3210において得られた信号Sco又は信号Stoは、電子機器3200からインターフェース3212を介してホスト3100に送信され、ホスト3100によって予測が行われる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。