JP2018017864A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で良好な偏光情報を取得可能な撮像装置を提供すること。【解決手段】被写体からの光を受光する撮像素子と、遅相軸方向および進相軸方向の偏光成分の間にπ/2の相対位相差を与える第1の位相差板と、遅相軸方向および進相軸方向の偏光成分の間に与える相対位相差を変更可能な第2の位相差板と、撮像素子に導く偏光成分を抽出する偏光子と、第2の位相差板の相対位相差を設定する設定手段と、撮像素子の出力に基づいて映像を生成する処理部と、を有し、第1の位相差板、第2の位相差板、および偏光子は、被写体の側から撮像素子の側へ順に配置され、第2の位相差板は、遅相軸方向または進相軸方向が、第1の位相差板の遅相軸方向または進相軸方向に対して傾き、設定手段は、被写体からの光の偏光成分に応じて、第2の位相差板の相対位相差を変更し、処理部は、フレームレートが0.01fpsより大きい映像を生成する。【選択図】図1
Description
本発明は、撮像装置に関し、特に偏光情報を用いた画像処理により外界を観察可能な撮像装置に関する。
近年、道路状況を観察する車載カメラ、侵入者を検知する防犯カメラ、および火災や地震などの災害用の防災カメラといった監視カメラが使用されている。これらの監視カメラでは、撮像画像の偏光情報を用いることで物体の識別能力が向上することが広く知られている。
特許文献1では、カメラの前面に取り付けた偏光フィルタを回転させることで、偏光情報を取得する侵入者検知用の監視カメラが開示されている。また、特許文献2では、直交する2つの偏光を取得するために、縦方向と横方向の2つの偏光フィルタ、ビームスプリッタ、または偏光アレイを備える車載用カメラが開示されている。
しかしながら、特許文献1では、偏光フィルタの回転に時間を要するため、それぞれの偏光画像を取得する時間にタイムラグが生じてしまう。特許文献2では、縦方向と横方向の2つの偏光フィルタやビームスプリッタを使用する場合、偏光ごとに撮像素子が必要であるため装置が大型化してしまう。また、偏光アレイを使用する場合、解像度が失われてしまう。
このような課題に鑑みて、本発明は、簡易な構成で良好な偏光情報を取得可能な撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての撮像装置は、被写体からの光を受光する撮像素子と、遅相軸方向の偏光成分と進相軸方向の偏光成分との間にπ/2の相対位相差を与える第1の位相差板と、遅相軸方向の偏光成分と進相軸方向の偏光成分との間に与える相対位相差を変更可能な第2の位相差板と、前記撮像素子に導く偏光成分を抽出する偏光子と、前記第2の位相差板の相対位相差を設定する設定手段と、前記撮像素子の出力に基づいて映像を生成する処理部と、を有し、
前記第1の位相差板、前記第2の位相差板、および前記偏光子は、前記被写体の側から前記撮像素子の側へ順に配置され、前記第2の位相差板は、遅相軸方向または進相軸方向が、前記第1の位相差板の遅相軸方向または進相軸方向に対して傾いており、前記設定手段は、前記被写体からの光の偏光成分に応じて、前記第2の位相差板の相対位相差を変更し、前記処理部は、フレームレートが0.01fpsより大きい映像を生成することを特徴とする。
前記第1の位相差板、前記第2の位相差板、および前記偏光子は、前記被写体の側から前記撮像素子の側へ順に配置され、前記第2の位相差板は、遅相軸方向または進相軸方向が、前記第1の位相差板の遅相軸方向または進相軸方向に対して傾いており、前記設定手段は、前記被写体からの光の偏光成分に応じて、前記第2の位相差板の相対位相差を変更し、前記処理部は、フレームレートが0.01fpsより大きい映像を生成することを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構成で良好な偏光情報を取得可能な撮像装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
本発明の監視カメラとは、監視、すなわち周囲の状況や状態の変化を検知するための情報収集活動を目的に使用される撮像部と、演算などを行う本体部と、を備えるカメラシステム(撮像装置)のことである。例えば、侵入者や不審者を認知するために敷地内外に設置される防犯カメラや、走行中の道路状況を確認するために車両に設置される車載カメラなどが監視カメラとして使用される。なお、監視カメラの動画像の表示の滑らかさを表す指標であるフレームレートは、0.01fps(frames per second)以上であることが望ましく、0.1fps以上であることがさらに望ましい。
図1は、本実施例の監視カメラ100の構成図である。監視カメラ100は、撮像装置部101および本体部102を備える。撮像装置部101は、被写体500からの光を撮像素子2上に結像させる光学系1、被写体の画像情報を取得する撮像素子2、光学系1と撮像素子2との間の光路上に配置された偏光取得手段6を有する。本体部102は、撮像装置部101の撮像を制御する制御部(設定手段)103、撮像素子2の画像情報を処理する処理部104、および使用用途に応じた画像や映像を表示する表示部105を有する。
なお、本実施例では偏光取得手段6は光学系1と撮像素子2との間の光路上に配置されているが、本発明はこれに限定されない。偏光取得手段6は、撮像素子2より光入射側(被写体側)に配置されればよく、例えば、光学系1より光入射側や、光学系1が複数の光学要素から形成されている場合、複数の光学要素の途中に配置されてもよい。
偏光取得手段6は、λ/4板(第1の位相差板)3、可変位相差板(第2の位相差板)4、および偏光板(偏光子)5を有する。λ/4板3、可変位相差板4、および偏光板5は、各軸が光学系1の光学軸に垂直な面内となるように配置される。また、λ/4板3、可変位相差板4、および偏光板5は、隣接して配置される。
λ/4板3は、延伸フィルムから構成され、入射光の直交する偏光成分間にπ/2(rad)の相対位相差を与える。λ/4板3が与えるπ/2の相対位相差は、不変(固定)である。本実施例では、λ/4板を用いるが、π/2の相対位相差を与えることが可能であれば3λ/4板や可変位相差板であってもよい。
可変位相差板4は、λ/4板3と同様に入射光の直交する偏光成分間に相対位相差(以下、可変位相差板4の位相差という)を変更可能に与える。本実施例では、可変位相差板4は、液晶を用いた素子であり、印加される電圧に応じて可変位相差板4の位相差を変化させる。図2は、可変位相差板4の構成図であり、図中の円形部分は液晶層の拡大図である。可変位相差板4は、基板8、電極層9、および配向膜10によって液晶層11を挟むように構成されている。液晶層11は、VA方式の液晶層(VA液晶層)で、液晶分子12が配向膜10に倣う形で配向している。印加電圧を0[V]、A[V]、B(>A)[V]へと変更させると、液晶分子12の配向角度(チルト角度)は最小値θminから中間値θを経て最大値θmaxに変化する。本実施例では、制御部103は、可変位相差板4に電圧を印加し、液晶分子15のチルト角度θ、すなわち屈折率異方性を制御することで、可変位相差板4の位相差を変化させる。なお、図2の可変位相差板4の構成は一例であり、本発明はこれに限定されない。例えば、チルト角ではなく、配向方向が変化する駆動方式の異なる液晶素子を用いてもよい。また、電気光学効果による屈折率変化を利用する構成、微細構造による複屈折率の格子高さや間隔を精密に制御する構成、またはそれらを組み合わせた構成を用いてもよい。また、可変位相差板4は、板面内で位相差を一様に変化させる構成ではなく、板面内の異なる領域で異なる位相差を生じさせる構成であってもよい。
偏光板5は、入射光の偏光成分のうち透過軸方向(透過偏光方向)の成分を透過させる(抽出する)。偏光取得手段6は撮像装置部101に用いられるため、偏光板5は不要光を吸収するタイプの偏光板を用いることが望ましい。不要光を反射するタイプの、例えばワイヤーグリッド偏光子のような偏光板を用いると、カットする側の偏光が反射されその光が迷光やゴーストとなって画像に悪影響を及ぼすため、撮像装置部101の構成としては望ましくない。より好ましくは、ゴーストへの影響を抑えるため、偏光板5は使用波長域全域において、透過軸と直交する方向に振動する偏光のうち50%以上を吸収する特性を有するものが望ましい。このような偏光板としては、例えばヨウ素化合物を含有する樹脂部材を延伸したフィルム等があるが、このような材料に限らず、任意の吸収型偏光板を使用すればよい。
なお、使用波長域は、撮像装置部101により取得される波長範囲であり、用途や撮像素子2の波長特性によって選択可能である。本実施例では、使用波長域を可視域(400nm〜700nm)としている。使用波長域は、撮像装置部101の構成に基づいて、可視域(400〜700nm)、近赤外域(700〜1100nm)、および近紫外域(200〜400nm)のうち少なくとも1つの領域を選択するようにすればよい。また、可変位相差板4の設計波長λ(nm)は、適切な特性を有するように、撮像装置部101により取得される使用波長域に応じて選択すればよい。
監視カメラ100では、偏光板5の透過軸方向を固定して可変位相差板4の位相差を時間的に変えながら撮像することで、偏光状態の異なる複数の画像を取得する。制御部103は、撮像素子2と同期して、可変位相差板4の位相差を設定(変更)する。この設定によって撮像素子2が受光する被写体からの光の偏光成分が変化し、制御部103は被写体の偏光情報を有する画像を取得する。制御部103は、取得した複数の画像に基づいて被写体500の偏光情報を取得する。処理部104は、撮像素子2から取得した画像情報および偏光情報に基づいて所定の処理を行い、画像や映像を生成する。表示部105は、処理部104により生成された画像や映像を表示する。
以下、偏光板5の透過軸方向を固定して可変位相差板4の位相差を変えながら撮像することで、偏光状態の異なる複数枚の画像を取得する方法について説明する。
まず、図3を参照して、一般的な被写体からの光強度の方位依存性について説明する。図3(a)に示される楕円は、例示的な偏光状態の振幅の方位依存性を示す。φは、偏光方向のx軸方向に対する方位角(度)である。図3(b)は、方位角φを横軸、方位角φのときの図3(a)の楕円半径の2乗である光強度I(φ)を縦軸とした図である。図3(a)の線種の異なる各矢印は、図3(b)の同じ線種の矢印に対応する。図3では、方位角φが45度である偏光成分の光強度が最も強い。そのため、方位角φが45度またはそれと直交する135度である偏光成分を抽出することで、被写体の特徴を最も強調した画像を取得できる。
次に、図4を参照して、偏光板5の透過軸方向を固定し、かつ、可変位相差板4の位相差を一定に設定した場合の偏光取得手段6に入射した入射光の振る舞いについて説明する。図4は、入射光の偏光方向に対する偏光取得手段6の透過率依存性を示す図である。図4では、可変位相差板4の位相差はλ/4に設定されている。偏光取得手段6の透過前後の矢印の方向と長さはそれぞれ、偏光方位と強度である。λ/4板3および可変位相差板4上の破線矢印は遅相軸方向を示し、偏光板5上の破線矢印は透過軸方向を示している。
λ/4板3および偏光板5は、λ/4板3の遅相軸方向と偏光板5の透過軸方向が平行になるように配置される。ただし、厳密に平行である必要はなく、数度程度ずれていても実質的に平行(略平行)とみなされる。また、可変位相差板4は、遅相軸方向がλ/4板3の遅相軸方向、および偏光板5の透過軸方向に対して反時計回りに45度だけ傾くように配置される。ただし、厳密に45度である必要はなく、数度程度ずれていても実質的に45度(略45度)とみなされる。
本実施形態では、λ/4板3の遅相軸方向および偏光板5の透過軸方向のx軸方向に対する方位角φ(度)は90度である。ただし、厳密に90度である必要はなく、数度程度ずれていても実質的に90度(略90度)とみなされる。また、可変位相差板4の遅相軸方向のx軸方向に対する方位角φは45度である。ただし、厳密に45度である必要はなく、数度程度ずれていても実質的に45度(略45度)とみなされる。
なお、λ/4板3および偏光板5は、λ/4板3の進相軸方向と偏光板5の透過軸方向がy軸方向と平行になるように配置されてもよい。この場合、可変位相差板4は、進相軸方向がλ/4板3の進相軸方向、および偏光板5の透過軸方向に対して時計回りに45度だけ傾くように配置される。
図4(a)は、方位角φが90度である偏光成分が入射した場合を示している。この場合、入射光は、偏光方向がλ/4板3の遅相軸方向と平行であるため位相変化を受けずにλ/4板3を透過する。λ/4板3を透過した光は、可変位相差板4により右円偏光に変換されるため、偏光板5を透過すると入射光に対し約50%の強度の直線偏光となる。
図4(b)は、方位角φが45度である偏光成分が入射した場合を示している。この場合、入射光は、λ/4板3により左円偏光に変換される。λ/4板3を透過した光は、可変位相差板4により偏光方向の方位角φが90度の直線偏光に変換され偏光板5の透過軸方向と平行となるため、偏光板5をほぼ損失なく透過する。
図4(c)は、方位角φが0度である偏光成分が入射した場合を示している。この場合、入射光は、偏光方向がλ/4板3の遅相軸方向と直交するため位相変化を受けずにλ/4板3を透過する。λ/4板3を透過した光は、可変位相差板4により左円偏光に変換されるため、偏光板5を透過すると入射光に対し約50%の強度の直線偏光となる。
図4(d)は、方位角φが135度である偏光成分が入射した場合を示している。この場合、入射光は、λ/4板3により右円偏光に変換される。λ/4板3を透過した光は、可変位相差板4により偏光方向の方位角φが0度の直線偏光に変換され偏光板5の透過軸方向と直交するため、偏光板5をほぼ透過しない。
したがって、可変位相差板4の位相差がλ/4である場合、偏光取得手段6への入射光の偏光成分のうち、方位角φが45度である偏光成分の透過率が最大になる。以降、偏光取得手段6への入射光の偏光成分のうち透過率が最大になる偏光成分のx軸方向に対する角度(最大透過角)をφo(度)とする。
本実施例では、監視カメラ100は、可変位相差板4の位相差を電気的制御で変化させることで、入射光の偏光成分のうち透過率が最大になる成分の最大透過角φoを変化させる。これによって、偏光板5の透過軸を固定しながら、複数の偏光成分についての偏光情報を取得することができる。
図5は、可変位相差板4の位相差ごとの入射光の偏光成分の方位角φと偏光取得手段6の透過率T(φ)の関係図である。図中の線(A)〜(D)はそれぞれ、可変位相差板4の位相差が0、λ/4、λ/2、3λ/4に設定された場合を示している。例えば、線(A)では、方位角φが90度のときに透過率T(φ)が100%となっており、最大透過角φoは90度となる。
図6は、可変位相差板4の位相差に対応する最大透過角φoの偏光成分の状態変化図である。λ/4板3および可変位相差板4上の破線矢印は遅相軸方向を示し、偏光板5上の破線矢印は透過軸方向を示している。図6(a)では、可変位相差板4の位相差は0に設定されており、最大透過角φoは90度である。図6(b)では、可変位相差板4の位相差はλ/4に設定されており、最大透過角φoは45度である。図6(c)では、可変位相差板4の位相差はλ/2に設定されており、最大透過角φoは0度である。図6(d)では、可変位相差板4の位相差は3λ/4に設定されており、最大透過角φoは135度である。
換言すれば、図6(a)〜図6(d)のいずれの状態においても、入射光がλ/4板3と可変位相差板4を透過することで、入射光の所望の偏光成分は、偏光板5の透過軸方向と平行な直線偏光となり、偏光板5をほぼ損失なく透過する。さらに換言すれば、偏光取得手段6は、入射光の偏光成分のうち所望の偏光成分の方向を偏光板5の透過軸方向へ回転させ、所望の偏光成分をほぼ損失なく撮像素子2に導く。
また、λ/4板3と可変位相差板4の遅相軸、および可変位相差板4の遅相軸と偏光板5の透過軸がそれぞれ45度をなしているため、入射光の持つ位相情報の影響は最小限となる。例えば、完全な円偏光が入射した場合にはλ/4板3により可変位相差板4の遅相軸と平行な方位角45度の直線偏光となるため、偏光取得手段6の透過率は可変位相差板4の位相差に関係なく偏光取得手段6の透過率は一定となる。楕円偏光の場合は、入射偏光の強度の方位依存性に応じた値が求められるため、強度についての情報は取得できる。
また、制御部103は、入射光について光強度が最大となる偏光成分を求めるために、撮像素子2からの入力値を偏光成分の強度として、入射光の光強度の方位依存性に対して適切な関数(例えば、Sin関数)で解析する。方位角φi(度)の偏光成分の光強度I(φi)、光強度I(φi)に対する可変位相差板4の位相差Δj(nm)での偏光取得手段6の透過率Tij、位相差Δjにおける入射光の全偏光成分の透過光強度Tjは、以下の行列式(1)を満足する。
透過光強度Tjの添え字jは位相差Δjに対応し、各位相差が入射光の一方向の偏光成分にそれぞれ対応する。また、透過率Tijは、入射する直線偏光の振動方向と偏光取得手段6の構成が決まれば一意に求められる。よって、制御部103は、あらかじめ透過率Tijを取得した上で、位相差Δjを変えて取得できる透過光強度Tjを、入射光の偏光成分の振動方向に対する透過光強度プロットとして解析することで入射光の光強度の方位依存性を求めることができる。
以上の方法を用いて、監視カメラ100は、素子を回転駆動させることなく可変位相差板4を電気的に駆動することで光強度の方位依存性の情報を取得することが可能となる。
以下、本実施例の構成について、具体的なデータを当てはめて説明する。λ/4板3や可変位相差板4の位相差について、λを被視感度の高い波長550nmとする。また、可変位相差板4は、4つの位相差Δ(0、λ/4、λ/2、3λ/4)(nm)を与える。表1に、可変位相差板4の各位相差に対応する振動方向の異なる直線偏光に対する透過率、すなわち式(1)の透過率[Tij]を表す。表1のφiは、入射偏光の振動方向がx軸方向となす角度を表し、数値は画像表示素子の中心付近の値であり、入射角15度の入射光束の偏光特性が平均化された値として取得される。また、各位相差Δの最大透過角φ0を表1の最下行に示す。例えば、位相差Δがλ/4の可変位相差板4を透過後の偏光状態は、図4に示される状態である。そのため、角度φiが45度のとき最も高い透過率となり、それと直交する角度φiが135度のとき最も小さい透過率となる。また、波長550nmにおける最大透過角φ0と位相差ψ(度)の関係は、φ0=−ψ/2+90と表すことができる。なお、他の波長に対しては、可変位相差板4の波長分散に応じて最大透過角φoが変化するが、可変位相差板4の分散特性が既知であれば、任意の波長に対して最大透過角φoを求めることができる。
次に、図3に示した偏光成分の光が入射した場合を例に、入射する偏光の強度の方位依存性を見積もる方法を示す。まず、図3(b)から、各方位φにおける偏光の強度はI(0)=0.75、I(45)=1.0、I(90)=0.75、I(135)=0.5と読み取ることができる。式(1)に従いこの4つの入射偏光の強度を[I(φj)]として、表1の透過率[Tij]との積を取ると、[Tj]は次のようになる。T(j=0,Δ=0)=1.500、T(j=1,Δ=λ/4)=1.746、T(j=2,Δ=λ/2)=1.500、T(j=3,Δ=3λ/4)=1.250。最大値で規格化すると、T’(j=0)=0.859、T’(j=1)=1.000、T’(j=2)=0.861、T’(j=3)=0.716となる。
ここで、j=0、1、2、3に対する最大透過角φoはそれぞれ90度、45度、0度、135度であるので、jをφoに直した上で規格化後の透過光強度T’(φo)を光強度I(φ)に重ねてプロットしたグラフを図7(a)に示す。図7(a)の□で示されるプロットは偏光板5の透過軸方向を最大透過角φoとしたときに得られる光強度を示し、○で示されるプロットは偏光取得手段6により得られる光強度を示す。どちらのデータからも光強度が最大となる偏光成分の方位角が45度であることが、I(φ)=A+B*Sin2(φ―φ0)として最小2乗法等によるA,B,φ0のフィッティングから得られる。しかしながら、○で示されるプロットには光強度に比べてオフセットが多く乗っている。このオフセット分は、偏光情報取得過程における消光比の低下に起因するものであり、例えば、規格化後の透過率T’の最小値をT(φ)から減算した後に、再度規格化することで簡易的にある程度キャンセルすることが可能である。この処理を施した後の図7(a)と同様のグラフを図7(b)に示す。図7(b)の各プロットは、図7(a)に準拠している。図7(b)では、図7(a)に比べて入射強度のプロットを反映したデータが得られている。
本実施例では、可変位相差板4の位相差を0から3λ/4まで、λ/4刻みで4つの値に設定しているが、取得する偏光情報に応じて、単一の値、2値、または3値に設定してもよい。例えば、撮像装置を固定した状態で一度偏光情報を取得した場合や、偏光依存性の最大強度および最小強度の方位がある程度既知の場合には、その状態のみを撮像すればよいため、単一の値でも必要な偏光情報を有する画像が得られる場合がある。ただし、解析の容易性などから可変位相差板4の位相差はλ/4の整数倍となるように撮像することが望ましい。
また、監視カメラ100が取得した画像は、画像処理等の演算処理を経ることなく、そのまま画像として出力してもよい。可変位相差板4の位相差は、例えば、撮像素子2に導く被写体からの光の偏光成分をフォーカス時にあらかじめ取得し、適切な偏光状態が取得されるように設定してもよい。あらかじめ被写体の偏光状態を取得していなくても、事前に特定(1つまたは複数)の偏光状態を連続して取得するように設定してもよい。
また、異なる偏光情報を有する画像間で演算処理を行うことで、画素単位で被写体の特徴をより強調した画像を取得することができる。例えば、取得したデータのうち最も光強度の小さい値のみで画像を生成すると、生成された画像では水面や路面からの反射光が排除される。車載カメラではフロントガラスの移りこみによる画像の劣化が問題であるが、取得した偏光情報に基づいて反射光を排除した最適な偏光方位の画像を表示することで路面状況などの誤認識を防ぐことができる。なお、偏光の光強度の値とは、偏光取得手段6で得られた画像の直接の値でもよいし、偏光解析からの内挿または外挿の値でもよい。内挿、外挿とは、得られた偏光強度の差を強調または抑制するように、解析結果からの推定値を用いることを意味する。
また、入射光面に平行な偏光成分であるP偏光成分と、垂直な成分であるS偏光成分から定義される偏光度を取得することで、平面内の材質の違い(境界部)を認識することができ、監視対象物の画像正確度を向上することができる。なお、偏光度とは入射角や屈折率によって変化する値であり、式(2)で定義される。
偏光度=(P偏光成分−S偏光成分)/(P偏光成分+S偏光成分) (2)
このように被写体の物体情報を光学的に取得することで、その特徴量を強調または抑制した画像を生成することが可能となる。また、これらの組合せにより、撮影者の意図に合った画像を生成することが可能となる。さらには、画像の領域ごとに異なる偏光情報もしくは強調効果を持たせた画像を生成してもよい。例えば、主たる被写体と背景(例えば空など)に対して異なる偏光状態の画像を組み合わせることで、背景の色が均一化された画像や背景と主被写体それぞれを強調した画像を取得することができる。他にも被写体の偏光の強度依存性を利用した様々な処理を行うことにより、目的に則した画像を取得することができる。
このように被写体の物体情報を光学的に取得することで、その特徴量を強調または抑制した画像を生成することが可能となる。また、これらの組合せにより、撮影者の意図に合った画像を生成することが可能となる。さらには、画像の領域ごとに異なる偏光情報もしくは強調効果を持たせた画像を生成してもよい。例えば、主たる被写体と背景(例えば空など)に対して異なる偏光状態の画像を組み合わせることで、背景の色が均一化された画像や背景と主被写体それぞれを強調した画像を取得することができる。他にも被写体の偏光の強度依存性を利用した様々な処理を行うことにより、目的に則した画像を取得することができる。
本実施例では、図8を参照して、光学ローパスフィルタ等が配置された場合に生じる影響を考慮した監視カメラ200について説明する。図8は、本実施例の監視カメラ200の構成図である。監視カメラ200は、光学系1、撮像素子2および偏光取得手段6を備える撮像装置部201と、制御部103、処理部104および表示部105を備える本体部202と、を有する。実施例1と重複する構成については、説明を省略する。
一般に、デジタル一眼レフカメラ等の撮像装置では、モアレや偽色防止のため撮像素子の近傍に光学ローパスフィルタが配置される。実施例1で説明した構成を用いても、撮像素子2の手前に光学ローパスフィルタが配置された場合やオートフォーカス手段に偏光依存性が存在する場合、被写体の偏光情報が正しく取得できない場合がある。また、偏光取得手段6を単に光学ローパスフィルタとレンズの間に配置すると、偏光取得手段6の影響により光学ローパスフィルタとしての所望の効果が得られない場合がある。
撮像装置部201は、光学ローパスフィルタ17を有する。光学ローパスフィルタ17には、複屈折媒質が複数層積層されたものや偏光回折素子などの偏光特性を利用したものが用いられる。
上述のような光学ローパスフィルタ等が配置された場合に生じる弊害に対し、本実施例では、偏光板5と光学ローパスフィルタ17の間にアクロマチックλ/4板16(アクロマチック位相差板、第3の位相差板)を挿入し円偏光に変換する。通常のλ/4板を挿入することとしてもよいが、λ/4板には波長分散があり可視光全域で均一な円偏光とならず、波長による位相ズレが色の変化として画像に表れる可能性がある。そのため、挿入するλ/4板としては、使用波長である可視波長帯域において位相差が最小となるように設計されたアクロマチックλ/4板が望ましい。
上記効果に加えて、本実施例では、アクロマチックλ/4板16を挿入することで、偏光板5が撮像素子2で反射される迷光をカットすることができる。そのため、より高精度に被写体の偏光情報を取得することができる。
また、それ以外の対策として、光学ローパスフィルタ17の最も偏光取得手段6に近い層(積層構造となっている場合)の光分離方向と偏光板5の透過軸方向とが45度をなすように配置してもよい。この場合も、光学ローパスフィルタの特性、偏光取得手段6の特性、および迷光の抑制効果を両立できる。いずれの対策を用いてもよいが、後者の方が簡易である。
図9は、本発明の監視カメラ100または監視カメラ200の一形態である車載カメラ300を搭載した車両の斜視図である。車載カメラ300は、光学系1、撮像素子2および偏光取得手段6を備える撮像装置部301と、制御部103、処理部104および表示部105を備える本体部302と、を有する。車載カメラ300は、解像度や色情報を落とすことなく、偏光情報を取得し、走行中の周辺状況を正確に検知することで安全な運転環境を実現することができる。
図10は、本発明の監視カメラ100または監視カメラ200の一形態であるネットワークカメラ(監視用ネットワークカメラ)400を示す斜視図である。ネットワークカメラ400は、光学系1、撮像素子2および偏光取得手段6を備える撮像装置部401と、制御部103、処理部104および表示部105を備える本体部402と、を有する。ネットワークカメラ400は、解像度や色情報を落とすことなく、偏光情報を取得し、監視対象となる周辺状況を正確に検知(侵入者や不審者の検知や事故や災害の検知)することで防犯や防災に効果的である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。本実施形態では、監視カメラの例として、車載カメラと監視用ネットワークカメラについて説明したが、本発明はこれらに限定されない。
なお、可変位相差板4の位相差に示されるλは、一般的な撮像装置の使用波長域は可視域(400〜700nm)であるため、そのような波長であればよく、例えば中心波長550nmとすればよい。または、使用波長域が赤外域(700nm〜1100nm)の場合は赤外域内の波長であればよく、例えば波長900nmとすればよい。その両方を含む場合には、可視域または赤外域内の波長であればよく、例えば波長750nmとすればよい。
2 撮像素子
3 λ/4板(第1の位相差板)
4 可変位相差板(第2の位相差板)
5 偏光板(偏光子)
100 監視カメラ
103 制御部(設定手段)
104 処理部
200 監視カメラ
300 車載カメラ
400 ネットワークカメラ
500 被写体
3 λ/4板(第1の位相差板)
4 可変位相差板(第2の位相差板)
5 偏光板(偏光子)
100 監視カメラ
103 制御部(設定手段)
104 処理部
200 監視カメラ
300 車載カメラ
400 ネットワークカメラ
500 被写体
Claims (19)
- 被写体からの光を受光する撮像素子と、
遅相軸方向の偏光成分と進相軸方向の偏光成分との間にπ/2の相対位相差を与える第1の位相差板と、
遅相軸方向の偏光成分と進相軸方向の偏光成分との間に与える相対位相差を変更可能な第2の位相差板と、
前記撮像素子に導く偏光成分を抽出する偏光子と、
前記第2の位相差板の相対位相差を設定する設定手段と、
前記撮像素子の出力に基づいて映像を生成する処理部と、を有し、
前記第1の位相差板、前記第2の位相差板、および前記偏光子は、前記被写体の側から前記撮像素子の側へ順に配置され、
前記第2の位相差板は、遅相軸方向または進相軸方向が、前記第1の位相差板の遅相軸方向または進相軸方向に対して傾いており、
前記設定手段は、前記被写体からの光の偏光成分に応じて、前記第2の位相差板の相対位相差を変更し、
前記処理部は、フレームレートが0.01fpsより大きい映像を生成することを特徴とする撮像装置。 - 前記設定手段は、前記第2の位相差板の相対位相差ごとに前記撮像素子から画像情報を取得し、取得した画像情報から前記被写体の偏光情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記処理部は、前記画像情報および前記偏光情報に基づいて映像を生成することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
- 前記第2の位相差板の遅相軸方向または進相軸方向は、前記偏光子が抽出する偏光方向に対して45度だけ傾いていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記第1の位相差板の遅相軸方向または進相軸方向は、前記偏光子が抽出する偏光方向と平行であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記第1の位相差板の遅相軸方向が前記偏光子が抽出する方向と平行に配置された場合、前記第2の位相差板の遅相軸方向は、前記偏光子が抽出する方向から反時計回りに45度だけ傾くように配置されることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
- 前記第1の位相差板の進相軸方向が前記偏光子が抽出する方向と平行に配置された場合、前記第2の位相差板の進相軸方向は、前記偏光子が抽出する方向から時計回りに45度だけ傾くように配置されることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
- 前記設定手段は、前記被写体からの光の偏光成分が前記第2の位相差板を透過した後に前記偏光子が抽出する方向と平行となるように、前記第2の位相差板の相対位相差を設定することを特徴とする請求項1から7のうちいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記第2の位相差板は、1つの位相差板からなり、
前記第1の位相差板、前記第2の位相差板、および前記偏光子は、隣接して配置されることを特徴とする請求項1から8のうちいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記第2の位相差板は、液晶を用いた位相差板であり、
前記設定手段は、前記第2の位相差板に印加する電圧を設定することを特徴とする請求項1から9のうちいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記設定手段は、前記第2の位相差板の相対位相差を、λ/4の整数倍に設定することを特徴とする請求項1から10のうちいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記撮像素子と前記偏光子との間に、複数の層からなる光学ローパスフィルタを更に有し
前記光学ローパスフィルタの最も前記偏光子の側の層による光分離方向は、前記偏光子が抽出する方向から45度だけ傾いていることを特徴する請求項1から11のうちいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記光学ローパスフィルタは、複屈折または偏光回折素子を利用した方式であることを特徴とした請求項12に記載の撮像装置。
- 前記撮像素子と前記偏光子との間に、光学ローパスフィルタを更に有し、
前記光学ローパスフィルタと前記偏光子との間に、遅相軸方向と進相軸方向の偏光成分の間にπ/2の相対位相差を与える第3の位相差板を有し、
前記第3の位相差板の遅相軸方向または進相軸方向は、前記偏光子が抽出する方向から45度だけ傾いていることを特徴とする請求項1から11のうちいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記第1の位相差板と前記第3の位相差板の少なくとも一つが、アクロマチック位相差板であることを特徴とする請求項14に記載の撮像装置。
- 前記偏光子は、可視波長帯域において、前記偏光子が抽出する方向と直交する方向の偏光成分の50%以上を吸収することを特徴とする請求項1から15のうちいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記処理部により生成された映像を表示する表示部を更に有することを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記撮像装置は、監視カメラであることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記撮像装置は、車載カメラであることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の撮像装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016147389A JP2018017864A (ja) | 2016-07-27 | 2016-07-27 | 撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2016147389A JP2018017864A (ja) | 2016-07-27 | 2016-07-27 | 撮像装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2018017864A true JP2018017864A (ja) | 2018-02-01 |
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ID=61081685
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016147389A Pending JP2018017864A (ja) | 2016-07-27 | 2016-07-27 | 撮像装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2018017864A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR102281517B1 (ko) * | 2020-03-11 | 2021-07-26 | 컴레이저(주) | 필터 자동 교체가 가능한 카메라모듈 |
-
2016
- 2016-07-27 JP JP2016147389A patent/JP2018017864A/ja active Pending
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