本発明の第一実施形態の縫製装置1を説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
縫製装置1の概略構造を説明する。図1〜図3に示す如く、縫製装置1は上軸ユニット2、上側スプライン軸3、下軸ユニット4、下側スプライン軸5、X移動機構6、Y移動機構7、同期機構8、制御部9、土台部10を備える。上軸ユニット2は針棒機構21、上側筐体22を備える。針棒機構21は針棒24を上下動する。上側筐体22は針棒機構21を収容する。上側スプライン軸3は左右方向に延びる棒状の部材であり、外周面に左右方向に延びる溝を有する。上側スプライン軸3は上軸ユニット2の上側筐体22に挿通し、針棒機構21に動力を伝達する。下軸ユニット4は釜機構41、下側筐体42を備える。下側筐体42は釜機構41を収容する。下側スプライン軸5は上側スプライン軸3と平行に延びる棒状の部材であり、外周面に左右方向に延びる溝を有する。下側スプライン軸5は下軸ユニット4の下側筐体42に挿通し、釜機構41に動力を伝達する。
X移動機構6は上側スプライン軸3の軸線方向に沿って上軸ユニット2を移動し、上軸ユニット2の移動に同期して下側スプライン軸5の軸線方向に沿って下軸ユニット4を移動する。X移動機構6はベルト121、122、X移動用パルスモータ82を備える。ベルト121、122は上側スプライン軸3と下側スプライン軸5に平行に架設した帯状の部材である。ベルト121は上軸ユニット2に固定し、ベルト122は下軸ユニット4に固定する。X移動用パルスモータ82はベルト121、122を同方向に同量移動する。Y移動機構7は縫製対象物である布99(図9参照)を上軸ユニット2と下軸ユニット4に対して相対的に前後方向に移動する。Y移動機構7は布保持体95、Y移動用パルスモータ83を備え、Y移動用パルスモータ83を駆動源として布保持体95を前後方向に移動する。布保持体95は上枠93、下枠92を有する。上枠93と下枠92は平面視矩形状の枠であり、間に布99を挟持する。上枠93は、右エアシリンダ219、左エアシリンダ239を駆動源として下枠92に対して上下に開閉する。同期機構8は上側スプライン軸3と下側スプライン軸5に架設し、ミシンモータ81を駆動源として上側スプライン軸3と下側スプライン軸5の回転を同期する。制御部9はX移動機構6、Y移動機構7、同期機構8を制御する。土台部10は縫製装置1の下部に設け、X移動機構6、Y移動機構7を支持する。土台部10は平面視略矩形板状の保持板90を備える。保持板90は布保持体95を下方で支持する。保持板90は布保持体95が挟持する布99の撓みを防ぐ。
上軸ユニット2を説明する。図3に示す如く、上軸ユニット2は針棒機構21、上側筐体22に加え上軸25、伝達部材26、天秤機構、中押え機構19を備える。上側筐体22は下側筐体42に対向する。上側筐体22は本体部27、先端部28、固定部30を備える。本体部27は左右方向に長い箱状である。先端部28は本体部27左端部よりも下方に延びる。固定部30は本体部27よりも上下方向に長い略矩形枠状であり、本体部27の背面側に位置する。固定部30は孔32、33、四つの支持部材34を備える。孔32、33は右側面視円状である。孔32は固定部30の左面に設け、孔33は固定部30の右面に設ける。孔32、33は上側スプライン軸3を挿通する。各支持部材34は左右方向に延びる右側面視C字状で、背面に溝部35を有する。支持部材34は固定部30背面の右上部、左上部、右下部、左下部に設ける。固定部30背面の右上部、左上部に設けた支持部材34の溝部35は左右方向に延びるレール123に係合し、固定部30背面の右下部、左下部に設けた支持部材34の溝部35はレール123の下方で左右方向に延びるレール124に係合する。ベルト固定部はベルト121を通し、ベルト121の一端と他端を固定する。ベルト121は上軸ユニット2を上側スプライン軸3の軸線の延設方向(左右方向)に移動する。ベルト固定部は上側筐体22の背面左部と背面右部に設ける。X移動機構6がベルト121を移動する時、上軸ユニット2はレール123、124に沿ってベルト121と共に移動する。
上軸25は上側スプライン軸3と平行に設け、本体部27内を左右方向に延びる。伝達部材26は上側スプライン軸3の軸線周りの回転を上軸25に伝達する。本例の伝達部材26は上側スプライン軸3に設けたボールスプライン軸受け36、ボールスプライン軸受け36と連結した第一プーリ、上軸25に設けた第二プーリ、第一プーリと第二プーリに掛け渡したタイミングベルトである。ボールスプライン軸受け36は孔33にて支持する。上軸25は針棒機構21と天秤機構と連結し、上側スプライン軸3を介して伝達した回転力で、針棒機構21と天秤機構を駆動する。天秤機構は天秤29を備える。天秤29は縫製時に上下動して上糸59を引上げる。図3では、天秤29周囲にある上糸59のみを二点鎖線で図示する。針棒機構21は天秤29の上下動と連動して針棒24を上下動する。針棒24の下端部は先端部28の下側から露出し下方へ延びる。針棒24は下端部に縫針23を装着する。中押え機構19は中押え18と中押え用パルスモータ84を備え、縫針23上昇時に布99の縫針23貫通部周辺を下方へ押さえることで、布99が縫針23との摩擦で縫針23と共に上昇し、布99がばたつくのを防ぐ。中押え18は布保持体95が挟持する布の上方に位置し、中押え用パルスモータ84を駆動源として縫製時に布99を上側から押える。中押え用パルスモータ84は上側筐体22の本体部27の上面に固定する。
下軸ユニット4を説明する。図3に示す如く、下軸ユニット4は釜機構41、下側筐体42に加え、糸切機構、下軸44、第一プーリ45、第二プーリ46、タイミングベルト47を備える。釜機構41は釜16と連結し、釜16を駆動する。釜16は半回転釜である。釜16は下糸を巻回したボビンケースを収容する。下側筐体42は略直方体状の箱状である。下側筐体42は挿通孔48、49、針板50、固定部、支持台54を備える。挿通孔48は下側筐体42の左面に設け、挿通孔49は下側筐体42の右面に設ける。挿通孔48、49は下側スプライン軸5を挿通する。下側筐体42は下側スプライン軸5をボールスプライン軸受け39を介して支持する。ボールスプライン軸受け39は挿通孔48にて支持する。針板50は下側筐体42左部の上面に設ける。針板50は針穴53を有する。保持板90は針穴53に対応する位置に上下方向に貫通する左右方向に延びる長孔を有する。該長孔と針穴53は針棒24が下降した時に縫針23の下端部が通る。以下、針穴53と保持板90の長孔に挿通する時の縫針23の上下方向位置を針下位置と称し、縫針23の下端部が針板50上の布99よりも上方にある縫針23の上下方向位置を針上位置と称す。本実施形態では、針上位置は、縫針23の上下動範囲において最上位置よりも少し下方の位置である。最上位置は、縫針23の上下動範囲における最も上方の位置である。
糸切機構は針板50下方に設ける。糸切機構は固定刃、可動刃、糸切用パルスモータ57を備える。可動刃が、糸切用パルスモータから動力を得て固定刃に対して移動する。糸切機構は、可動刃と固定刃との協働で上糸59と下糸を切断する。
下軸44は揺動機構52と釜機構41に連結し、下側スプライン軸5の回転で釜16を揺動する。下軸44は下側スプライン軸5の前方で左右方向に延びる。第一プーリ45は下側スプライン軸5にボールスプライン軸受け39を介して連結する。第二プーリ46は中間軸51右端部に設ける。タイミングベルト47は帯状の部材であり、第一プーリ45と第二プーリ46の間に掛け渡す。中間軸51は下側スプライン軸5の後方で左右方向に延びる。揺動機構52は中間軸51の一方向の回転を下軸44の往復回動に変換する。下軸ユニット4は下側スプライン軸5の回転を、揺動機構52を介して下軸44に伝達する。
固定部は下側筐体42の背面左部と背面右部に設ける。固定部はベルト122を通し、ベルト122の一端と他端を固定する。ベルト122は下軸ユニット4を下側スプライン軸5の軸線の延設方向(左右方向)に移動する。支持台54は平面視矩形状の板状である。支持台54は下側筐体42の底面部に設ける。支持台54は下面に右側面視逆U字状の支持部材55を四つ有する。四つの支持部材55は支持台54の前右部、前左部、後右部、後左部に設け、左右方向に延びる。四つの支持部材55は上側に凹む溝部56を有する。支持部材55の溝部56は左右方向に延びるレール125と係合する。同期機構8がベルト122を移動する時、下軸ユニット4はレール125に沿ってベルト122と共に移動する。故に、下軸ユニット4は、上軸ユニット2と同方向に同量移動する。
上側筐体22の本体部27は前面に糸切れ検出部197(図6参照)を備える。糸切れ検出部197は投光部と受光部を備える。投光部と受光部は、上糸59の供給経路上の所定位置に対向して設ける。投光部は例えば発光ダイオードである。受光部は例えばフォトトランジスタである。受光部は、例えば投光部の周端に沿って配置する。受光部は投光部と並んで設けてもよい。供給経路上の所定位置に上糸59がある場合、投光部の照射光は、上糸59にて反射して受光部へ向かう。受光部は、投光部の照射光を受光する。供給経路上の所定位置に上糸59がない場合、投光部の照射光は上糸供給経路を通過し、受光部は照射光を受光しない。故に糸切れ検出部197は上糸59の有無を検出できる。
図4、図5を参照し、Y移動機構7を説明する。Y移動機構7は一対の支持板101、土台板部103、Y移動用パルスモータ83、一対の軸支部105、軸106、右動力伝達機構151、左動力伝達機構152を備える。一対の支持板101は、前後方向に厚さを有する板状であり、土台部10(図1参照)後端部から上方へ延びる。一対の支持板101は、左右方向に間隔を空けて並ぶ。土台板部103は、平面視で左右方向に長い矩形状の板状である。土台板部103右後端は、右方にある支持板101にて支持する。土台板部103左後端は、左方にある支持板101にて支持する。Y移動用パルスモータ83は、土台板部103前端部の左右方向中央部にて支持する。Y移動用パルスモータ83は出力軸にモータギヤを固定する。一対の軸支部105は、Y移動用パルスモータ83を間にして左右方向に並ぶ。一対の軸支部105の一方は土台部103前端部の右部にて支持し、他方は土台部103前端部の左部にて支持する。軸106は、Y移動用パルスモータ83前方で左右方向に延び、一対の軸支部105にて回動可能に支持する。軸106は左右方向中央部にギヤを固定し、Y移動用パルスモータ83のモータギヤに噛合う。軸106は、Y移動用パルスモータ83の駆動力を得て、左右方向に延びる軸線を中心に回転する。
右動力伝達機構151は右支持台109、右軸111、右ベルト113を備える。右支持台109は上下方向に厚さを有する板状であり、土台板部103に上方から対向する。右支持台109は、右側の支持板101の前面下部に設ける。右軸111は左右方向に延び、右支持台109にて回転可能に支持する。右軸111は軸106右端部の後側にある。右ベルト113は、軸106右端部と右軸111に架け渡す。軸106の回転に伴って右ベルト113は走行し、右軸111は左右方向に延びる軸線を中心に回転する。
左動力伝達機構152は、Y移動機構7の左右方向中心を基準に、右動力伝達機構151と左右対称である。左動力伝達機構152は左支持台108、左軸110、左ベルト112を備える。左支持台108は右支持台109に対応する。左軸110は右軸111に対応する。左ベルト112は右ベルト113に対応する。左軸110は軸106の左端部の後側にあり、右軸111と左右方向に並ぶ。左ベルト112は、軸106左端部と左軸110に架け渡す。軸106の回転に伴って左ベルト112は走行し、左軸110は左右方向に延びる軸線を中心に回転する。左ベルト112と右ベルト113は、同方向に同量で走行する。
Y移動機構7は、更に、一対の上側案内部114、右支持部153、左支持部154を備える。一対の上側案内部114の一方は、右側の支持板101から前方に延びる。一対の上側案内部114の他方は、左側の支持板101から前方に延びる。一対の上側案内部114は夫々下面に、レール129を備える。レール129は前後方向に延びる。右側のレール129は右ベルト113上方にあり、左側のレール129は左ベルト112上方にある。
右支持部153は右土台部120、右枠支持部118、右案内部126を備える。右土台部120は、上下方向に厚さを有する板状である。右土台部120は、右ベルト113の上側の部位に固定する。右枠支持部118は、前後方向に延び、右土台部120上面に固定する。即ち、右枠支持部118は右ベルト113に連結する。右案内部126は、右枠支持部118上面に固定し、且つ、右側のレール123に係合する。右土台部120が右ベルト113と一体的に移動することで、右案内部126は右枠支持部118の前後動を案内する。
左支持部154は、Y移動機構7の左右方向中心を基準に、右支持部153と左右対称である。左支持部154は左土台部119、左枠支持部117、左案内部127を備える。左土台部119は右土台部120に対応し、左枠支持部117は右枠支持部118に対応し、左案内部127は右案内部126に対応する。左枠支持部117は左ベルト112に連結する。左土台部119が左ベルト112と一体的に移動することで、左案内部127は左枠支持部117の前後動を案内する。故に、左枠支持部117は右枠支持部118と同方向に同量で移動する。
図4、図5を参照し、布保持体95を説明する。布保持体95は、布99を保持可能であり、左枠支持部117と右枠支持部118にて支持する。布保持体95は枠体支持部94、下枠92、上枠93、右駆動部155、左駆動部156を備える。枠体支持部94は左右方向に延びる板状である。枠体支持部94後面は右枠支持部118、左枠支持部117に連結する。下枠92は枠体支持部94下部に固定し、保持板90(図1参照)上方にある。下枠92は、平面視で矩形状の枠体であり、枠体支持部94から前方へ延びる。作業者は布99(図9参照)を下枠92に載置する。
上枠93は平面視で矩形状の枠体であり、下枠92に対して上方から対向する。上枠93の内側空間は、縫製装置1による縫製が実行される縫製領域である。上枠93は、枠体支持部94にて上下動可能に支持する。上枠93は挟持位置と離隔位置の間で上下動する。図5では、挟持位置にある上枠93を実線で図示し、離隔位置にある上枠93を二点鎖線で図示する。挟持位置にある上枠93は下枠92との間で布99を挟む。該時、布保持体95は布99を保持する。離隔位置にある上枠93は、布99から上方に離隔する。該時、布保持体95は布99を解放する。
右駆動部155は、枠体支持部94の前面右部と上枠93の上面右部に連結する。右駆動部155は、右固定板212、一対の右棒214、右連結軸218、右エアシリンダ219、右リンク220、右軸222、右延設軸223、右支持部材224を備える。
右固定板212は、正面視で上下方向に長い矩形状であり、枠体支持部94の前面右部に固定する。一対の右棒214は、右固定板212上部から前下方へ延びる。一対の右棒214は、左右方向に間隔を空けて並ぶ。右連結軸218は、左右方向に延び、一対の右棒214の夫々の前端部に連結する。右エアシリンダ219は、一対の右棒214の間で右固定板212に回動可能に連結する。右エアシリンダ219は駆動軸219Aを有する。駆動軸219Aは、後上方から前下方へ直線状に延びる。駆動軸219A前端部は、右連結軸218上方にある。右エアシリンダ219が駆動することで、駆動軸219Aは延設方向に沿って移動する。右リンク220は、右側面視L字状の板状である。右リンク220は連結部221を備える。連結部221は、左右方向に長さを有する棒状であり、右リンク220の前下部を形成する。右リンク220後端部は、右連結軸218に回動可能に連結し、右リンク220上端部は駆動軸219A前端部に連結する。故に、駆動軸219Aが延設方向に移動することで、右リンク220は右連結軸218を中心に回動する。
右軸222は、上枠93の上面右部の上方で左右方向に延び、固定板212下端部にて右支持部材224を回動可能に支持する。右延設軸223は、右リンク220前方で上枠93の上面右部に回動可能に連結する。右延設軸223は左右方向に延びる。右支持部材224は前後方向に延び、前端部を右延設軸223に回動可能に連結し、後端部を右軸222に回動可能に連結する。右支持部材224は、右エアシリンダ219の駆動軸219A下方にて、右リンク220の連結部221に連結する。故に、右リンク220が右連結軸218を中心に回動することで、右支持部材224は、右軸222を中心に回動し、上枠93を挟持位置と離隔位置の間で上下動する。
左駆動部156は、枠体支持部94の前面左部と上枠93の上面左部に連結する。左駆動部156は、Y移動機構7の左右方向中心を基準に、右駆動部155と左右対称である。左駆動部156は、左固定板、一対の左棒、左連結軸、左エアシリンダ239、左リンク240、左軸、左延設軸、左支持部材244を備える。左固定板は右固定板212に対応する。左棒は右棒214に対応する。同様に、左連結軸は右連結軸218に、左エアシリンダ239は右エアシリンダ219に、左リンク240は右リンク220に、左軸は右軸222に、左延設軸は右延設軸223に、左支持部材244は右支持部材224に、夫々対応する。
左エアシリンダ239が駆動することで、左リンク240は左連結軸を中心に回動し、左支持部材244は左軸と一体的に回動する。左エアシリンダ239は、右エアシリンダ219と同時機に駆動する。故に左支持部材244は、右支持部材224と協働して、上枠93を挟持位置と離隔位置の間で上下動する。
前述の如く、布保持体95は、右枠支持部118と左枠支持部117にて支持する。故に、布保持体95は、右枠支持部118、左枠支持部117と一体的に、前後動する。布保持体95は、稼働位置(図1、図9(b)参照)と待機位置(図9(a)参照)の間で前後動する。布保持体95が稼働位置にある場合、上枠93は平面視で針棒24を囲み、針棒24は縫製装置1の縫製領域上方にある。布保持体95が待機位置にある場合、上枠93は平面視で針棒24から前方に外れ、針棒24は縫製装置1の縫製領域の後上方にある。
図6を参照し縫製装置1の電気的構成を説明する。縫製装置1の制御部9はマイコン、該マイコンにデータバス等を介して接続した入力インターフェース87と出力インターフェース88、駆動回路181〜188等を有する。マイコンはCPU11、ROM12、RAM13、記憶機器14を含む。CPU11は縫製装置1の動作を統括制御する。ROM12は後述のメイン処理(図8参照)を実行する為のプログラム、後述の縫製データ180(図7参照)等を予め記憶する。RAM13は各種処理実行中に生じる各種情報を一時的に記憶する。記憶機器14は不揮発性で、各種設定値を記憶する。
各駆動回路181〜188は出力インターフェース88に接続する。駆動回路181はミシンモータ81と接続し、CPU11の制御指令に基づきミシンモータ81を駆動する。駆動回路182はX移動用パルスモータ82と接続し、CPU11の制御指令に基づきX移動用パルスモータ82を駆動する。駆動回路183はY移動用パルスモータ83と接続し、CPU11の制御指令に基づきY移動用パルスモータ83を駆動する。駆動回路184は中押え用パルスモータ84と接続し、CPU11の制御指令に基づき中押え用パルスモータ84を駆動する。駆動回路185は糸切用パルスモータ57と接続し、CPU11の制御指令に基づき糸切用パルスモータ57を駆動する。駆動回路186は右エアシリンダ219と接続し、CPU11の制御指令に基づき右エアシリンダ219を駆動する。駆動回路187は左エアシリンダ239と接続し、CPU11の制御指令に基づき左エアシリンダ239を駆動する。駆動回路188は表示部198と接続し、CPU11の制御指令に基づき表示部198に各種情報を表示する。作業者は表示部198が表示する情報を視認する。
電源SW15、エンコーダ191〜195、操作部196、糸切れ検出部197等は入力インターフェース87に接続する。電源SW15は縫製装置1の電源の投入を行う。エンコーダ191はミシンモータ81に接続し、ミシンモータ81の出力軸の回転位置、回転速度を検出する。エンコーダ191は検出結果を入力インターフェース87に入力する。エンコーダ191の検出結果は、針棒24と縫針23の上下方向位置を示す。エンコーダ192はX移動用パルスモータ82に接続し、X移動用パルスモータ82の出力軸の回転方向、回転位置(即ち回転角位相)、回転速度を検出する。エンコーダ192は検出結果を入力インターフェース87に入力する。X移動用パルスモータ82の出力軸の回転角位相は、上軸ユニット2と下軸ユニット4の左右方向位置を示す。換言すると、X移動用パルスモータ82の出力軸の回転角位相は、上軸ユニット2の針棒24に装着した縫針23の、布保持体95に対する左右方向の相対位置を示す。エンコーダ193はY移動用パルスモータ83に接続し、Y移動用パルスモータ83の出力軸の回転方向、回転位置(即ち回転角位相)、回転速度を検出する。エンコーダ193は検出結果を入力インターフェース87に入力する。Y移動用パルスモータ83の出力軸の回転角位相は、布保持体95の前後方向位置を示す。換言すると、Y移動用パルスモータ83の出力軸の回転角位相は、縫針23に対する布保持体95の前後方向の相対位置を示す。エンコーダ194は中押え用パルスモータ84に接続し、中押え用パルスモータ84の回転方向、回転位置、回転速度を検出する。エンコーダ194は、検出結果を入力インターフェース87に入力する。エンコーダ195は糸切用パルスモータ57に接続し、糸切用パルスモータ57の回転方向、回転位置、回転速度を検出する。エンコーダ195は検出結果を入力インターフェース87に入力する。操作部196は各種指示を検出し、検出結果を入力インターフェース87に入力する。糸切れ検出部197は、上糸59の検出結果を入力インターフェース87に入力する。具体的には、受光部が投光部の照射光を受光した場合、糸切れ検出部197は入力インターフェース87にON信号を入力する。受光部が投光部の照射光を受光しない場合、糸切れ検出部197は入力インターフェース87にOFF信号を入力する。
図7を参照し、縫製データ180を説明する。尚、「N」は所定の自然数である。縫製データ180は、一例として、左右方向に長い矩形状の縫目(図9(c)参照)に対応するデータである。縫製データ180は、針落点位置に関するデータである。針落点位置は、針下位置にある縫針23が刺さる布99上の予定位置である。縫製データ180は、針落点位置を示す座標データを、複数含む。座標データは、縫針23と布保持体95との相対位置を示す。各座標データは、針落点番号の何れか一つに対応する。針落点番号は、針落点位置の順番を示す。各座標データは、X移動用パルスモータ82とY移動用パルスモータ83の相対パルス数に基づく座標である。図7では、針落点番号1の座標データは、X=X1、Y=Y1である。同様に、針落点番号2の座標データは、X=X2、Y=Y2であり、針落点番号Nの座標データは、X=XN、Y=YNである。縫製装置1は、針落点番号に対応する針落点位置にて縫針23を上下動し、布99に縫製を実行する。縫製装置1は、針落点番号の小さい順から、各針落点位置での縫製を実行することで、縫目を形成する。
図8〜図10を参照し、CPU11が実行するメイン処理を説明する。図9では、針板50、針棒24、縫針23、布99、布保持体95の上枠93を簡略化して図示する。作業者が電源SW15を押下して縫製装置1を起動すると、CPU11はROM12からプログラムを読み出し、本処理を実行する。メイン処理の開始前、布保持体95は待機位置にあり(図9(a)参照)、上枠93は離隔位置にあり、縫針23は最上位置にある。
図8、図9に示す如く、CPU11は、布保持体95の移動指示を受付けたか否かを判断する(S3)。CPU11は、布保持体95の移動指示の受付けまで(S3:NO)、待機する。布保持体95の移動指示の受付時(S3:YES)、CPU11は、右エアシリンダ219、左エアシリンダ239を駆動して、上枠93を離隔位置から挟持位置に移動する(S5)。CPU11は、Y移動用パルスモータ83を駆動して布保持体95を待機位置から稼働位置に移動する(S7)。Y移動用パルスモータ83が駆動することで、右ベルト113と左ベルト112が走行する。右枠支持部118と左枠支持部117の移動に伴って、布保持体95は待機位置から稼働位置に向けて移動する。CPU11は、エンコーダ193の検出結果を取得することで、布保持体95が稼働位置に移動した時に、Y移動用パルスモータ83を駆動停止する。CPU11は、ミシンモータ81を駆動して縫針23を最上位置から針上位置に移動する(S8)。CPU11は、エンコーダ191の検出結果を取得することで、縫針23が針上位置に下降した時に、ミシンモータ81を駆動停止する。
例えば作業者は、CPU11の待機中(S3:NO)、布99を下枠92に載置する。作業者は、操作部196に布保持体95の移動指示を入力する(S3:YES)。上枠93が挟持位置に移動することで、布保持体95は布99を保持する(S5)。CPU11は、布99を保持した布保持体95を待機位置から稼働位置へ(図9(a)の矢印P方向へ)移動する(S7)。CPU11は、布保持体95を稼働位置にて停止する。布99は針棒24と縫針23の下方に位置する(図9(b)参照)。
CPU11は縫製開始指示を受付けた否かを判断する(S9)。CPU11は、縫製開始指示の受付まで(S9:NO)、待機する。縫製開始指示の受付時(S9:YES)、CPU11は縫製処理を実行する(S11)。例えば作業者が操作部196に縫製開始指示を入力すると(S9:YES)、CPU11は縫製処理を開始する(S11)。
図9(c)、図10に示す如く、CPU11は、縫製データ180を取得し(S31)、縫製を実行する(S33)。CPU11は、縫製が完了していない針落点位置に対応する針落点番号のうち、最も小さい針落点番号を特定する。CPU11は、特定した針落点番号に対応する座標データを取得する。CPU11は、座標データが示す針落点位置まで、縫針23と布保持体95とを相対移動する。具体的には、CPU11は、座標データに基づいてX移動用パルスモータ82とY移動用パルスモータ83を駆動する。CPU11は、エンコーダ192、193の検出結果を取得することで、X移動用パルスモータ82の出力軸と、Y移動用パルスモータ83の出力軸を回転制御する。故に縫製装置1は、座標データが示す針落点位置まで、縫針23と布保持体95とを相対移動する。CPU11は、ミシンモータ81を駆動源として同期機構8を駆動し、上側スプライン軸3と、下側スプライン軸5を同期回転する。上軸ユニット2は上側スプライン軸3の回転を上軸25に伝達する。針棒機構21は上軸25の回転力で針棒24を上下動する。下軸ユニット4は下側スプライン軸5の回転を、揺動機構52を介して下軸44に伝達する。下軸44は釜16を揺動する。釜16は、針下位置を通過した縫針23が保持する上糸59に、ボビンケースから引出した下糸を絡める。天秤29は下糸に絡んだ上糸59を針板50上に引き上げ、縫製装置1は布99に縫製する。CPU11はミシンモータ81の駆動と同期して中押え用パルスモータ84を駆動し、中押え18を上下動する。CPU11は、一つの針落点番号に対応する縫製を終える。
CPU11は縫製完了か否かを判断する(S35)。CPU11は、縫製データ180の最後の針落点番号(図7で示す針落点番号N)に対応する縫製が完了したか否かを判断することで、縫製完了か否かを判断する。CPU11は、縫製完了でないと判断した場合(S35:NO)、糸切れ検出部197の検出結果を取得することで、上糸59の停止を検出したか否かを判断する(S37)。例えば、上糸59の糸切れが、縫製装置1の縫製中に発生した場合、上糸59は、供給経路上の所定位置にない。糸切れ検出部197は上糸59を検出しない。故にCPU11は、上糸59の停止を検出したと判断する(S37:YES)。上糸59の糸切れが縫製装置1の縫製中に発生しない場合、上糸59は供給経路上にある。糸切れ検出部197は上糸59を検出する。故にCPU11は上糸59の停止を検出しなかったと判断し(S37:NO)、処理をS33に移行する。
CPU11は、縫製完了まで(S35:NO)、S33〜S37を繰り返し実行する。故に、縫製装置1は、布99に矩形状の縫目を徐々に形成する。CPU11は、縫製完了であると判断した場合(S35:YES)、縫製動作を停止する(S39)。CPU11は、ミシンモータ81、X移動用パルスモータ82、Y移動用パルスモータ83、中押え用パルスモータ84を駆動停止する(S39)。CPU11は、エンコーダ191の検出結果を取得することで、縫針23を針上位置にて停止する。CPU11は、糸切用パルスモータ57を駆動源として糸切機構を駆動し、上糸59と下糸を切断する(S39)。CPU11は縫製処理を終了する。
図8、図9に示す如く、CPU11は、布保持体95の移動指示を受付けたか否かを判断する(S13)。CPU11は、布保持体95の移動指示の受付まで(S13:NO)、待機する。布保持体95の移動指示の受付時(S13:YES)、CPU11は、ミシンモータ81を駆動して縫針23を針上位置から最上位置に移動する(S14)。CPU11は、エンコーダ191の検出結果を取得することで、縫針23が最上位置に上昇した時に、ミシンモータ81を駆動停止する。CPU11は、Y移動用パルスモータ83を駆動して布保持体95を稼働位置から待機位置に移動する(S15)。CPU11は、右エアシリンダ219、左エアシリンダ239を駆動して、上枠93を挟持位置から離隔位置に移動する(S17)。CPU11は、終了指示を受付けたか否かを判断する(S19)。作業者が電源SW15を押下して縫製装置1の電源を落とすと、CPU11は終了指示を受付けたと判断する。終了指示を受付けない時(S19:NO)、CPU11は処理をS3に戻す。終了指示を受付けた時(S19:YES)、CPU11はメイン処理を終了し、縫製装置1の電源を落とす。
例えば作業者は、操作部196に布保持体95の移動指示を入力する(S13:YES)。CPU11は、縫針23を針上位置から最上位置に移動した後(S14)、布保持体95を稼働位置から待機位置へ(図9(c)の矢印Q方向へ)移動する(S15)。縫製完了後の布99を保持した布保持体は、前方へ移動する。CPU11は、エンコーダ193の検出結果を取得し、布保持体95を待機位置にて停止する。布99は、針棒24と縫針23の前下方にて停止する(図9(d)参照)。CPU11は、布保持体95を稼働位置から待機位置へ移動した後、上枠93を挟持位置から離隔位置に移動する(S17)。作業者は、布保持体95に対して前側に手を配置し、縫製完了後の布99を下枠92から取り出す。作業者は、必要に応じて新たな布99を下枠92に載置して、再度縫製を行う。
図10を参照し、縫製装置1の縫製途中で上糸59が停止した場合の縫製処理を説明する。上糸59の糸切れが発生した場合、CPU11は上糸59が停止したと判断し(S37:YES)、縫製動作を停止する(S41)。CPU11は、ミシンモータ81、X移動用パルスモータ82、Y移動用パルスモータ83、中押え用パルスモータ84を駆動停止する(S41)。CPU11はエラー報知を実行する(S43)。例えばCPU11は、表示部198を制御して、「上糸が切れました」と表示する(図示略)。
CPU11は、エンコーダ191の検出結果を取得することで、縫針23が針上位置にあるか否かを判断する(S45)。CPU11は、縫針23が針上位置にあると判断した場合(S45:YES)、処理をS49に移行する。CPU11は、縫針23が針上位置にないと判断した場合(S45:NO)、ミシンモータ81を駆動して縫針23を針上位置に移動する(S47)。CPU11は、エンコーダ191の検出結果を取得して、縫針23を針上位置にて停止する。CPU11は処理をS49に移行する。
CPU11は、縫製再開指示を受付けたか否かを判断する(S49)。CPU11は、縫製再開指示の受付まで(S49:NO)、待機する。縫製再開指示の受付時(S49:YES)、CPU11は処理をS33に移行する。例えば、作業者は、CPU11の待機中(S49:NO)、上糸59の交換作業を行う。上糸59の交換作業後、作業者は、操作部196に縫製再開指示を入力する(S49:YES)。CPU11は、S33〜S37を実行することで、縫製を再開する。
以上の如く、CPU11は、布保持体95を稼働位置から待機位置に移動した後(S15)、上枠93を挟持位置から離隔位置に移動する(S17)。布保持体95が待機位置にある状態で、作業者は、布99を下枠92に載置し又は布99を下枠92から取出す。待機位置にある布保持体95の上枠93は、平面視で針棒24から前方に外れる。故に、縫製装置1が、上枠93の上下方向における可動範囲を確保し易く、離隔位置にある上枠93は、下枠92から上方に離隔し易い。布保持体95が離隔位置にある場合、布99は縫針23から前方に離隔し易い。故に作業者は、布99を下枠92に載置又は布99を下枠92から取出し易い。故に、縫製装置1は布99の載置又は布99の取出しを容易にできる。
CPU11は、布99の縫製完了後(S35:YES)、布保持体95を稼働位置から待機位置に移動する(S15)。縫製完了後の布99は、縫針23との接触を避けて容易に取出し可能となる。布99と縫針23との接触に起因する傷は、縫製後の布99に形成し難い。故に縫製装置1は、縫製後の布99の外観を良好に保つことができる。
CPU11は、縫製完了であると判断するまで(S35:NO)、縫製処理を終了しない。換言すると、CPU11は、縫製完了まで、布保持体95を稼働位置から待機位置に移動しない。故に、縫製装置1は、縫製中の布99と縫針23の相対位置のずれを抑制でき、布99に形成する縫目の外観の劣化を抑制できる。
CPU11は、布保持体95の移動指示を受付けた場合(S13:YES)、布保持体95を稼働位置から待機位置に移動する(S15)。換言すると、作業者が、操作部196に布保持体95の移動指示を入力しないと、CPU11は、布保持体95を稼働位置から待機位置に移動しない。故に縫製装置1は、作業者が所望する時機に応じて、布保持体95を稼働位置から待機位置に移動できる。
CPU11は、布保持体95の移動指示を受付けた場合(S13:YES)、ミシンモータ81を駆動して縫針23を針上位置から最上位置に移動する(S14)。即ちCPU11は、布保持体95を稼働位置から待機位置に移動する前に、縫針23を針上位置から最上位置に移動する。故に縫製装置1は、布保持体95を稼働位置から待機位置に移動する時に布保持体95が縫針23に干渉するのを抑止できる。
作業者は、布保持体95に対して前側に配置した手を使って、縫製完了後の布99を前側へ取出す傾向がある。また、作業者は、布保持体95に対して前側に手を配置して、新たな布99を下枠92に載置する傾向がある。上枠93は、枠体支持部94に対して前側にあり、待機位置は、稼働位置に対して前側の位置である。故に、作業者の手が縫製装置1に接触し難いので、作業者は布99の載置又は取出しを行い易い。
Y移動用パルスモータ83が駆動することで、右ベルト113と左ベルト112が夫々走行し、布保持体95は、稼働位置と待機位置の間を移動する。布保持体95が移動しても、右ベルト113と左ベルト112の夫々の前後方向における配置位置は、変化しない。故に、布保持体95の前後方向における移動範囲が大きくても、縫製装置1は大型化し難い。
以上説明にて、下枠92は本発明の載置部の一例である。上枠93は本発明の枠体の一例である。右エアシリンダ219、左エアシリンダ239は本発明の枠体駆動部の一例である。Y移動用パルスモータ83は本発明の布保持体駆動部の一例である。針棒24、釜16、天秤29は本発明の縫製機構の一例である。ミシンモータ81は本発明の縫製駆動部の一例である。操作部196は本発明の入力部の一例である。軸106は本発明の第一軸部材の一例である。軸106の右端部は本発明の第一軸部材の一端部の一例である。右軸111は本発明の第二軸部材の一例である。軸106の左端部は本発明の第一軸部材の左端部の一例である。左軸110は本発明の第三軸部材の一例である。右ベルト113は本発明の第一ベルトの一例である。左ベルト112は本発明の第二ベルトの一例である。左枠支持部117、右枠支持部118は本発明の布保持体支持部の一例である。前後方向は本発明の第一方向の一例である。左右方向は本発明の第二方向の一例である。後側は本発明の一方側の一例である。前側は本発明の他方側の一例である。
S31、S33を実行するCPU11は本発明の縫製制御部の一例である。S15を実行するCPU11は本発明の布保持体制御部の一例である。S17を実行するCPU11は本発明の枠体制御部の一例である。S35を実行するCPU11は本発明の判断部の一例である。S13:YESを実行するCPU11は本発明の受付部の一例である。S14を実行するCPU11は本発明の縫針制御部の一例である。S31、S33は本発明の縫製制御工程の一例である。S15は本発明の布保持体制御工程の一例である。S17は本発明の枠体制御工程の一例である。
本発明は、上記実施形態に限定しない。布保持体95が待機位置にある場合、上枠93は、平面視で針棒24から前方に外れる代わりに、針棒24から左方、右方、後方に外れてもよい。CPU11は、縫製処理実行後(S11)、布保持体95の移動指示を受付けたか否かを判断せずに、縫製処理実行後、自動的に布保持体95を待機位置に移動してもよい(S15)。CPU11は、縫針23を針上位置から最上位置に移動せずに、布保持体95を待機位置に移動してもよい(S15)。
CPU11は、エラー報知実行後(S43)、縫製再開指示を受付けたか否かを判断しなくてもよい(S49)。例えば、CPU11は、エラー報知実行後(S43)、布保持体95を稼働位置から離隔位置に移動して、上枠93を挟持位置から離隔位置に移動してもよい。該場合、布保持体95の移動指示を受付けた場合に、CPU11は布保持体95を稼働位置から離隔位置に移動するのが好ましい。CPU11は、布保持体95の移動前に、糸切用パルスモータ57を駆動して上糸59と下糸を切断する。
図11、図12を参照し、本発明の第二実施形態の縫製装置401を説明する。縫製装置401はベッド部402、脚柱部403、アーム部404を備える。ベッド部402は上面に作業台405を備える。作業台405は略中央に針板412(図11参照)を備える。針板412は略中央に針穴(図示略)を備える。ベッド部402は内部に釜機構(図示略)と下軸406を備える。釜機構は針板412下方にある。下軸406は釜機構から後方に直線状に延びる。脚柱部403はベッド部402後部から上方へ立設する。アーム部404は脚柱部403上部から前方に延設する。アーム部404は前端部に先端部407を備える。先端部407下部は、針板412上面に対向する。先端部407は針棒(図示略)を上下動可能に支持する。針棒は下端に縫針を装着する。アーム部404は内部にミシンモータを備える。ミシンモータは針棒と下軸に連結する。ベッド部402は内部に布送り装置410等を収容する。
布送り装置410は、移動支持機構420、X軸駆動機構430、布保持体450、Y軸駆動機構460を備える。移動支持機構420は、布保持体450を左右動可能且つ前後動可能に支持する。X軸駆動機構430は、移動支持機構420を介して布保持体450を左右動する。Y軸駆動機構460は、移動支持機構420を介して布保持体450を前後動する。
移動支持機構420は一対のX軸固定レール424、425、X軸移動部材440、一対のY軸固定レール451、452、Y軸移動部材473等を備える。一対のX軸固定レール424、425は、左右方向に延び、ベッド部402内部に固定する。一対のX軸固定レール424、425は、前後方向に並ぶ。X軸移動部材440は、一対のX軸固定レール424、425に左右動可能に連結する。一対のY軸固定レール451、452は、前後方向に延び、X軸移動部材440上面に固定する。一対のY軸固定レール451、452は左右方向に並ぶ。Y軸移動部材473は、平面視略矩形状の板状であり、一対のY軸固定レール451、452に前後動可能に連結する。
X軸駆動機構430はX移動用パルスモータ431、左側プーリ436、右側プーリ、無端ベルト429等を備える。X移動用パルスモータ431は一対のX軸固定レール424、425の後方に設ける。左側プーリ436は、一対のX軸固定レール424、425の夫々の左端部の間にて回転可能に設ける。左側プーリ436は前後方向に延びる。左側プーリ436は、前後方向に延びる軸部材434等を介して、X移動用パルスモータ431に連結する。右側プーリは、一対のX軸固定レール424、425の夫々の右端部の間にて回転可能に設ける。右側プーリは前後方向に延びる。無端ベルト429は左側プーリ436と右側プーリに架け渡す。無端ベルト429のうち、左側プーリ436上部と右側プーリ38上部を架け渡す部位は、X軸移動部材440を固定する。X移動用パルスモータ431が駆動すると、左側プーリ436が回転する。無端ベルト429は、右側プーリを回転しながら走行する。故にX軸移動部材440は、一対のX軸固定レール424、425に沿って左右動する。
布保持体450は挟み枠487、保持部材490、右エアシリンダ498、左エアシリンダ499を備える。挟み枠487はY軸移動部材473上面にて固定する。挟み枠487は、Y軸移動部材473上面から前方へ延びる板状である。挟み枠487は、先端部に枠部487Aを備える。枠部487Aは、平面視で略矩形状の枠体である。作業者は枠部487Aに布99(図9参照)を載置する。
保持部材490は、挟み枠487基端部を挟んでY軸移動部材473上面に固定する。保持部材490は、腕部481、レール476、枠体支持部496を備える。腕部481は、Y軸移動部材473上面から、上方に湾曲しつつ前方へ延びる。レール476は、腕部481後部に設け、左右方向に延びる。枠体支持部496は腕部481前端部に設ける。枠体支持部496は、前面に二つのL字連結部483を装着する。二つのL字連結部483は、左側面視L字状の板状であり、左右方向に並ぶ。二つのL字連結部483は押え枠484を保持する。押え枠484は平面視略矩形状の枠体である。押え枠484の後端部は二つのL字連結部483下面に連結する。押え枠484は、平面視略矩形状であり、枠部487Aに上方から対向する。
右エアシリンダ498は腕部481右面に固定し、左エアシリンダ499は腕部481左面に固定する。右エアシリンダ498はリンク部材等を介して、右側のL字連結部483に連結する。左エアシリンダ499はリンク部材等を介して、左側のL字連結部483に連結する。右エアシリンダ498、左エアシリンダ499は、互いに同じ時機で駆動し、二つのL字連結部483を上下動する。故に右エアシリンダ498と左エアシリンダ499は、押え枠484を挟持位置と離隔位置(図12参照)の間で上下動する。挟持位置にある押え枠484は、挟み枠487との間で布99を挟む。離隔位置にある押え枠484は、布99から上方に離隔する。
Y軸駆動機構460は、Y移動用パルスモータ465、軸468、ガイド部材469等を備える。Y移動用パルスモータ465は、脚柱部403内部に設け、X移動用パルスモータ431右上方にある。軸468は前後方向に延び、脚柱部403から前方に突出する。軸468は上面に前後方向に延びる歯部467を備える。歯部467は、Y移動用パルスモータ465のモータギヤと噛み合う。軸468は、Y移動用パルスモータ465の動力を得て前後方向に移動する。ガイド部材469は軸468前端部に固定する。ガイド部材469は、レール476に摺動可能に連結する。換言すると、レール476は、ガイド部材469に対して左右動可能である。Y移動用パルスモータ465が駆動すると、軸468が前後動し、ガイド部材469は、レール476を介して保持部材490を前後動する。
X移動用パルスモータ431が駆動すると、X軸移動部材440は布保持体450を左右動する。レール476はガイド部材469に対して左右動する。Y移動用パルスモータ465が駆動すると、ガイド部材469は保持部材490を前後動する。布保持体450は、Y軸移動部材473と一体的に、一対のY軸固定レール451、452に沿って前後動する。故に、布保持体450は、稼働位置(図11参照)と待機位置の間を移動する。布保持体450が稼働位置にある場合、押え枠484は平面視で縫製装置401の針棒を囲む。布保持体450が待機位置にある場合、押え枠484は平面視で縫製装置401の針棒から右前方に外れる。
縫製装置401は制御部を備える。制御部は、縫製装置401を統括制御するCPU11(図6参照)等を備える。縫製装置401の制御部の構成は、縫製装置1の制御部9の構成と同様である。以下、縫製装置401の制御部のCPU11を、単にCPU11と称す。制御部は、ミシンモータ、X移動用パルスモータ431、Y移動用パルスモータ465、右エアシリンダ498、左エアシリンダ499に電気的に接続する。CPU11は、ミシンモータ、X移動用パルスモータ431、Y移動用パルスモータ465、右エアシリンダ498、左エアシリンダ499を駆動する。
縫製装置401の縫製動作前、布保持体450は待機位置にあり、押え枠484は離隔位置にある(図示略)。作業者は布99を枠部487Aに載置する。布99の載置後、CPU11は、右エアシリンダ498と左エアシリンダ499を駆動して、押え枠484を離隔位置から挟持位置に移動する。布保持体450は布99を保持する。CPU11は、Y移動用パルスモータ465を駆動して、布保持体450を待機位置から稼働位置に移動して、縫製処理を実行する。縫製処理では、CPU11は、ミシンモータ、X移動用パルスモータ431、Y移動用パルスモータ465を同期駆動する。布保持体450が、縫製装置401の針棒に対して前後方向と左右方向に相対移動し、針棒は上下動する。故に、縫製装置401は、布保持体450が保持する布99に縫目を形成する。
布99の縫製完了後、CPU11は、Y移動用パルスモータ465を駆動して、布保持体450を稼働位置から待機位置に移動する。布保持体450の移動後、CPU11は、右エアシリンダ498と左エアシリンダ499を駆動して、押え枠484を離隔位置に移動する。作業者は、縫製後の布99を枠部487Aから取出し、必要に応じて、新たな布99を枠部487Aに載置する。
布保持体450が待機位置にある場合、布保持体450の押え枠484は、平面視で、縫製装置401の針棒に前方から外れる。縫製装置401が押え枠484の上下方向における可動範囲を確保し易く、離隔位置にある押え枠484は、挟み枠487から上方に離隔し易い。布保持体450が離隔位置にある場合、布99は縫製装置401の縫針から前方に離隔し易い。故に作業者は、布99を挟み枠487に載置又は布99を挟み枠487から取出し易い。故に、縫製装置401は布99の載置又は布99の取出しを容易にできる。
第二実施形態において、枠部487Aは、本発明の載置部の一例である。挟み枠487は、本発明の枠体の一例である。右エアシリンダ498、左エアシリンダ499は、本発明の枠体駆動部の一例である。Y移動用パルスモータ465は、本発明の布保持体95駆動部の一例である。