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JP2018015386A - 吸収性物品 - Google Patents

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JP2018015386A JP2016149552A JP2016149552A JP2018015386A JP 2018015386 A JP2018015386 A JP 2018015386A JP 2016149552 A JP2016149552 A JP 2016149552A JP 2016149552 A JP2016149552 A JP 2016149552A JP 2018015386 A JP2018015386 A JP 2018015386A
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雄一郎 椎野
Yuichiro Shiino
雄一郎 椎野
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Abstract

【課題】本発明の課題は、フィット性を向上させ、かつ、吸収速度が増大するとともに、逆戻り量が低減され、トップシート内に吸収した体液が残留しにくい、吸収性物品を提供することである。【解決手段】トップシートと、バックシートと、吸収体と、を有する吸収性物品において、トップシートを、液透過性の不織布シートであって、身体側の上層トップシートと、衣類側の下層トップシートの2層から構成するものとし、トップシートから吸収体にかけて所定のチャネルエンボスを形成し、トップシートにおけるチャネルシエンボスの内側部分に所定のスリットを設けて、上下に積層したトップシートに設けられたスリットを、厚さ方向に重ならないように構成する、吸収性物品である。【選択図】図1

Description

本発明は、吸収性能が高く、かつフィット性に優れた吸収性物品に関する。
一般的に吸収性物品には、テープ止めタイプ、軽失禁パッド、尿取りパッド、パンツタイプ等があり、着用対象者の排泄における介護の必要度に応じて適宜選択されて使用される。これらの吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シートの間に配置された吸収体と、で構成されている。このような構成を採用することにより、尿等の体液は、吸収性物品のトップシートを透過して吸収体に吸収され、バックシートにより外部へ漏れないようになっている。
ここで、軽失禁パッドは、フィット性と肌触りが良いことが要求される。特に、繊細な肌への刺激を低減させるために、軽失禁製品が着用部の形に沿うようにフィットすることが重要である。例えば、トップシートにチャネルエンボスを形成することで、形成されたチャネルエンボスに沿って吸収性物品が湾曲しやすくなり、フィット性を向上させることができる。ところが、チャネルエンボスの形成過程において吸収体が押し潰されてフラッフが固くなることがあり、フィット性は向上するが、体液の浸透性が悪化し、吸収速度が阻害される場合もある。
一方で、軽失禁パッドは、フィット性の他に、吸収性能が高いことも要求される。吸収性能については、(1)吸収速度が速いこと、及び(2)逆戻り量が少ないこと、の2点が重要であるといわれているが、一般には、上記の2つの性能を同時に最大化させることは困難であり、一方の性能を向上させた場合には、他方の性能が低下するというような問題が従来指摘されていた。
例えば、吸収性物品において逆戻り量を最小化したい場合、吸収体に高吸収性ポリマーを多量に配合するか、高吸収性ポリマーの位置をトップシート側に調整する、というような方法を採用することができるが、その反動として、高吸収性ポリマーによるゲルブロックが発生して吸収速度が低下してしまうことが知られている。また、逆に、吸収性物品において、吸収速度を増大させたい場合、フラッフパルプの量を増やしたり、液拡散シートを配置したりする等といった方法が採用できるが、その反動として、加圧したときの逆戻り量が増加してしまうことが知られていた。さらに、高吸収性ポリマーやフラッフパルプの量をともに増大させることにより、吸収速度の増大と逆戻り量の抑制の両者を、ある程度まで改善することも可能であるが、各種材料の使用量の増大に伴い、コスト高となるおそれがあった。
他方、トップシートやセカンドシートにスリットや開孔を設けて、吸収性物品の吸収性能を向上させる技術が、以下の特許文献に開示されている。
例えば、特許文献1には、少なくとも身体側表面側に配置され、トップシート及び複数の開孔を有するメッシュシートを粘着することにより形成されている表面シートと、外面側に配置されているバックシートと、両シート間に介在される吸収体とにより構成される吸収性物品が開示されている。また、特許文献2には、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収体とを有するとともに、トップシートと吸収体との間にセカンドシートが配されて、このセカンドシートが、トップシート側から不織布層とプラスチックフィルム層とを有する積層体から構成され、複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする吸収性物品が開示されている。
特開2006−149457号公報 特開2016−019616号公報
しかしながら、上記のいずれの吸収性物品によっても、フィット性や吸収性能が必ずしも十分ではないという問題があった。さらに、これらの吸収性物品を構成するトップシートやセカンドシートに、肌触り性やクッション性を付与するために嵩高な不織布を使用する場合、吸収した体液がトップシートやセカンドシートの厚さ方向に残存してしまい、これが液戻りにつながってしまうという懸念もある。
したがって、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、フィット性を向上させ、かつ、吸収速度が増大するとともに、逆戻り量が低減され、トップシート内に吸収した体液が残留しにくい、吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、トップシートと、バックシートと、吸収体と、を有する吸収性物品において、トップシートを、液透過性の不織布シートであって、身体側の上層トップシートと、衣類側の下層トップシートの2層から構成するものとし、トップシートから吸収体にかけて所定のチャネルエンボスを形成し、トップシートにおけるチャネルシエンボスの内側部分に所定のスリットを設けて、上下に積層したトップシートに設けられたスリットを、厚さ方向に重ならないように構成することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置された吸収体と、を有する吸収性物品であって、前記トップシートは、液透過性の不織布シートであり、身体側の上層トップシートと衣類側の下層トップシートの2層から構成され、前記トップシートから前記吸収体にかけて、前記吸収性物品の長手方向に沿って延在する左右一対のチャネルエンボスが形成され、左右一対の前記チャネルエンボスは、長手方向の前端部及び後端部で接続され、前記チャネルエンボスの長手方向の前端部の形状は長手方向の前部に向かって凸型であり、長手方向の後端部の形状は長手方向の後部に向かって凸型であり、前記トップシートにおける、前記チャネルエンボスの内側部分には、前記吸収性物品の長手方向に沿って、前記トップシートを貫通するスリットが間欠的に設けられ、積層された各前記トップシートに設けられた前記スリットは、厚さ方向で重なっていない、吸収性物品。である。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の吸収性物品であって、前記スリットは、直線状であることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の吸収性物品であって、前記上層トップシートにおいて、前記スリットは、長手方向の寸法が5mm以上30mm以下であり、各前記スリットは、長手方向に5mm以上30mm以下の間隔で配置され、幅方向に5mm以上30mm以下の間隔で配置されていることを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記下層トップシートにおいて、前記スリットは、長手方向の寸法が5mm以上30mm以下であり、各前記スリットは、長手方向に5mm以上30mm以下の間隔で配置され、幅方向に、一つ上の層におけるスリットに対して、2mm以上15mm以下の間隔で配置されていることを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記スリットの幅方向の寸法が、0.5mm以上、2.5mm以下であることを特徴とするものである。
(6)本発明の第6の態様は、(1)から(5)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記上層トップシートの坪量は前記下層トップシートの坪量以下であり、前記上層トップシートの坪量は、13g/m以上30g/m以下であり、前記下層トップシートの坪量は、18g/m以上40g/m以下であることを特徴とするものである。
(7)本発明の第7の態様は、(1)から(6)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記トップシートを構成する前記不織布シートが、エアスルー不織布であることを特徴とするものである。
本発明の吸収性物品は、トップシートを、液透過性の不織布シートであって、身体側の上層トップシートと衣類側の下層トップシートの2層から構成したので、2層の液透過性の不織布シートにより、吸収体からの液戻りが遮られ、逆戻り量を低減することができる。また、トップシートから吸収体にかけてチャネルエンボスを形成したので、フィット性を向上させることができる。そして、本発明の吸収性物品は、トップシートにスリットを設けたので、このスリットを介して吸収体に体液を吸収させることができる。このため、フィット性を向上させることができ、かつ、体液の吸収速度を増大させるとともに、不織布シートに体液が残留することを防止することができる。
吸収性物品の身体側の平面図である。 図1におけるA−A断面図である。 (a)身体側の上層トップシートにおけるスリットの寸法と、スリット同士の間隔とを表す概略図であり、(b)身体側の上層トップシートにおけるスリットと、衣類側の下層トップシートにおけるスリットとの間隔を同一平面上で表す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態においては、同一の部材には同一の符号を付している。
<吸収性物品>
本明細書の説明において、吸収性物品1の着用時とは、吸収性物品1の装着時及び装着後の少なくとも一方をいう。吸収性物品1の長手方向とは、吸収性物品1が着用されたときに着用者の前後にわたる方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、吸収性物品1の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。さらに、身体側表面とは、吸収体等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、衣類側表面とは、吸収体等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。体液とは、尿、血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。さらに、吸収性物品1の用途は、特に限定されるものではなく、一般には、幼児用又は成人用を問わず、テープ止めタイプの使い捨ておむつ、パンツタイプの使い捨ておむつ、尿取りパッド、軽失禁パッド、生理用品等であってもよい。
吸収性物品1は、身体側表面に配された液透過性のトップシート21と、トップシート21に対向して配置された液不透過性のバックシート22と、トップシート21とバックシート22との間に少なくとも1層配置された吸収体23と、を備えている。
また、吸収性物品1には、使用者の排泄した体液の横漏れを防止するため、吸収性物品1の長手方向に沿って、トップシート21上の幅方向両端部に、立体ギャザー用弾性部材27を有する一対の立体ギャザー25を備えていてもよい。吸収性物品1の幅方向における立体ギャザー25の外端は、バックシート22に固定され、その内端はトップシート21に固着され、その中央はトップシート21に固定されない自由端となるように、立体ギャザーシート26が配される。立体ギャザー用弾性部材27を長手方向に沿って設けることで、立体ギャザー25が起立性を有し、着用者の体型に合わせて変形可能なものとなる。立体ギャザー用弾性部材27としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状又は帯状の天然ゴム等が使用され、立体ギャザーシート26としては、疎水性繊維にて形成された撥水性又は不透液性の不織布、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布等が使用される。
[トップシート]
トップシート21は、体液が吸収体23へと移動するような液透過性を備えた基材から形成すればよく、例えば、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布等から形成される。また、トップシート21には、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施してもよい。これらのエンボス加工や穿孔加工を施すための方法としては、公知の方法を制限なく実施することができる。また、肌への刺激を低減させるため、トップシート21には、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。さらに、強度及び加工性の点から、トップシート21を構成する不織布1枚あたりの坪量は、13g/m以上50g/m以下であることが好ましい。トップシート21の形状としては特に制限はないが、漏れがないように体液を吸収体23へと誘導するために必要とされる、吸収体23を覆う形状であればよい。
本発明の吸収性物品1においては、身体側の上層トップシート211と、衣類側の下層トップシート212の2層から構成されている。上層トップシート211と下層トップシート212における液透過性の不織布シートの組み合わせとしては、同一の種類の不織布シートを組み合わせて用いてもよいし、異なる種類の不織布シートを組み合わせて用いてもよい。トップシート21を構成する不織布シートとしては、エアスルー不織布から構成される不織布シートであることが好ましい。
身体側の上層トップシート211の坪量は、衣類側の下層トップシート212の坪量以下である。身体側の上層トップシート211の坪量は、13g/m以上30g/m以下であり、15g/m以上20g/m以下であることが好ましい。下層トップシート212の坪量は、18g/m以上40g/m以下であり、18g/m以上25g/m以下であることが好ましい。
(チャネルエンボス)
図1及び図2に示すように、本発明における吸収性物品1においては、トップシート21から吸収体23にかけて、吸収性物品1の長手方向に沿って延在する左右一対のチャネルエンボス213が形成される。左右一対のチャネルエンボス213は、図1において破線の円部分において図示されるように、長手方向の前端部213(a)及び後端部213(b)で接続される。そして、チャネルエンボス213の長手方向の前端部213(a)の形状は長手方向の前部に向かって凸型であり、長手方向の後端部213(b)の形状は長手方向の後部に向かって凸型である。これにより、吸収性物品1が着用部を覆うような形態をとるときに、チャネルエンボス213によって形成された溝が着用部の形に沿うように吸収性物品1を湾曲させやすくする。そのため、吸収性物品1のフィット性を向上させることができる。
(スリット)
本発明の吸収性物品1においては、トップシート21における、チャネルエンボス213の内側部分に、吸収性物品1の長手方向に沿って、トップシート21を貫通するスリット214が間欠的に設けられている。そして、積層されたトップシート21に設けられたスリット214は、厚さ方向で重ならないようになっている。これにより、トップシート21上に排出された体液は、スリット214を介して吸収体23に吸収されるので、体液の迅速な吸収が担保されて吸収速度が増大するとともに、トップシート21の内部に体液が残留することを防止することもできる。
本発明においては、図1に示すように、トップシート21のそれぞれに設けられたスリット214は、長手方向に沿って直線状に間欠的に設けられていることが好ましい。トップシート21のそれぞれに設けられるスリット214を直線状かつ、間欠的に配置することにより、上下に積層したトップシート21のスリット214が互いに重ならない構成を、コストをかけずに容易に実現することができる。
図3(a)は、身体側の上層トップシート211におけるスリット214の寸法と、スリット214同士の間隔とを表す概略図である。本発明において、身体側の上層トップシート211のスリット214の長さは、スリット214の1本あたり、5mm以上30mm以下であることが好ましく、10mm以上20mm以下であることがより好ましい。また、長手方向に隣接するスリット214は、5mm以上50mm以下の間隔で互いに離間していることが好ましく、15mm以上30mm以下の間隔で互いに離間していることがより好ましい。スリット214の幅は、0.5mm以上2.5mm以下であることが好ましく、1.0mm以上2.0mm以下であることがより好ましい。身体側の上層トップシート211のスリット214の幅方向の離間距離は、5mm以上30mm以下であることが好ましく、10mm以上20mm以下であることがより好ましい。身体側の上層トップシート211のスリット214の寸法を、上記の範囲内のものとすることにより、体液の迅速な吸収を担保しつつ、トップシート21に残留する体液の量を低減することができる。
また、衣類側の下層トップシート212のスリット214の長さは、スリット214の1本あたり、5mm以上30mm以下であることが好ましく、10mm以上20mm以下であることがより好ましい。また、長手方向に隣接するスリット214は、5mm以上50mm以下の間隔で互いに離間していることが好ましく、15mm以上30mm以下の間隔で互いに離間していることがより好ましい。スリット214の幅は、0.5mm以上2.5mm以下であることが好ましく、1.0mm以上2.0mm以下であることがより好ましい。衣類側の下層トップシート212のスリット214の寸法を、上記の範囲内のものとすることにより、体液の迅速な吸収を担保しつつ、トップシート21に残留する体液の量を低減することができる。
本発明においては、図3(b)に示すように、身体側の上層トップシート211のスリット214と、衣類側の下層トップシート212のスリット214とは、厚さ方向で重ならないように配置され、幅方向に2mm以上15mm以下離間していることが好ましい。下層トップシート212のスリット214は、上層トップシート211と下層トップシート212を積層した状態において、上層トップシート211のスリット214の幅方向両側に、2mm以上15mm以下の離間距離をおいて設けられていてもよく、上層トップシート211のスリット214の片側のみに、2mm以上15mm以下の離間距離をおいて設けられていてもよい。上層トップシート211と下層トップシート212を積層した状態において、トップシート21に設けられたスリット214が上下方向に重なっていないことにより、トップシート21の下層に位置する吸収体23が直接肌に触れることを防止することができ、体液の逆戻りを抑制することができる。
[バックシート]
バックシート22は、吸収体23が保持している体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成すればよく、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とを積層した複合シートといった材料から形成される。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布及びこれらの複合材料が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
強度及び加工性の点から、バックシート22の坪量は、15g/m以上40g/m以下であることが好ましい。また、バックシート22は、非通気性であってもよく、装着時の蒸れを防止するため、通気性を持たせてもよい。バックシート22に通気性を備えさせるためには、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合したり、バックシート22にエンボス加工を施したりすればよい。なお、フィラーとしては炭酸カルシウムを挙げることができ、その配合方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。
[吸収体]
吸収体23は、基材としての吸収性繊維と、高吸収性ポリマー(SAP)と、を含有することが好ましい。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキンや紙おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。フラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体23の吸収性繊維は、フラッフパルプを用いる場合、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、100g/m以上800g/m以下の坪量とすることが好ましい。
吸収体23の高吸収性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。吸収体23のSAP量は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、50g/m以上500g/m以下の坪量とすることが好ましく、15質量%以上60質量%以下の含有量とすることが好ましい。
吸収体23において、吸収性繊維及びSAPの形態は、吸収性繊維中にSAP粒子を混合して形成したもの、あるいは、吸収性繊維間にSAP粒子を固着したSAPシートとしたものであることが好ましい。また、SAP粒子の漏洩防止や吸収体23の形状の安定化の目的から、吸収体23をキャリアシート24に包むことが好ましい。キャリアシート24の基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュ、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。キャリアシート24を複数備える場合は、キャリアシート24の基材は同一のものであっても異なるものであってもよい。
吸収体23は、上層吸収体と下層吸収体とを積層してなるものであることが好ましい。この場合、上層吸収体と下層吸収体の長手方向及び幅方向の長さは、上層吸収体の長さが下層吸収体の長さより長くてもよく、上層吸収体の長さが下層吸収体の長さと同じであってもよく、上層吸収体の長さが下層吸収体の長さより短くてもよい。
本発明の吸収性物品1は、吸収体23に加え、2枚の不織布シートに高吸収性ポリマーを挟持したSAPシートを有していてもよい。このようなSAPシートを用いることにより、吸収性物品1の吸収性能をより向上させることができる。
<吸収性物品の製造方法>
吸収性物品1の製造方法は、周知の方法を採用することができ、例えば、(A)吸収性繊維を高吸収性ポリマーとともに積繊して吸収体マットを作成し、吸収体23を形成する工程、(B)トップシート21と立体ギャザー25をホットメルト系接着剤で固定・一体化する工程、(C)トップシート21、立体ギャザー25、及びバックシート22の内側にホットメルト系接着剤を塗工する工程、(D)集合ドラムにおいて、吸収体23の上部にトップシート21を、吸収体23の下部にバックシート22を配置し、各構成部材を固定・一体化する工程、(E)吸収性物品1の半製品をカッター装置により製品寸法でカットし、個々の吸収性物品1を切り離す工程、を有する製造方法等を挙げることができる。そして、本発明においてトップシート21を吸収体23と積層するに先立って、任意のカッター等により、スリット214が形成された21を、所定の位置に積層して、トップシート21として用いればよい。また、トップシート21と吸収体23を積層した後に、トップシート21から吸収体23にわたるチャネルエンボス213を形成すればよい。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
(吸収性物品の作製)
上層吸収体として、パルプシートを粉砕して解繊したフラッフパルプ7gと、高吸収性ポリマー2gとをともに積繊した吸収体マットを準備し、長さ250mm、幅100mmにカットした。また、下層吸収体として、パルプシートを粉砕して解繊したフラッフパルプ8gと、高吸収性ポリマー5gとをともに積繊した吸収体マットを準備し、長さ270mm、幅100mmにカットした。上層吸収体及び下層吸収体を積層した吸収体を、トップシート及びバックシートとともに積層するとともに、1対の横漏れ防止用立体ギャザーを形成し、長さ300mm、幅120mmの吸収性物品を作製し、実施例1のサンプルとした。なお、身体側の上層トップシート(エアスルー不織布)の坪量は、17g/mであり、衣類側の下層トップシート(エアスルー不織布)の坪量は20g/mである。また、トップシートから吸収体にかけて、図1に示す形態のチャネルエンボスを形成し、トップシートにおける、チャネルエンボスの内側部分において、上層トップシートと下層トップシートに長さ10mm、幅1mmのスリットを、各スリットの長手方向の間隔が5mmとなるように形成した。上層トップシートに形成したスリットの幅方向の間隔は10mmとし、上層トップシートに形成したスリットと、下層トップシートに形成したスリットとの幅方向の離間距離は5mmとした。バックシートとしては、通気性ポリエチレンフィルム(坪量18g/m)を用いた。得られた吸収性物品の吸収速度、液戻り量、及びフィット性を以下に従って測定・評価した。
(吸収速度)
外径80mmの円柱の中央に内径30mmの穴が開いており、重さ2000gとした測定治具を、トップシートを上に向けた状態で、吸収性物品の長手方向、かつ幅方向の中央部の上に置き、上部の穴から生理食塩水40ml(温度36±3℃)を投下し、生理食塩水が吸収性物品に接触した時点から、測定治具中央円内の円周に生理食塩水が完全に吸い込まれるまでを終点として時間を計測し、吸収速度とした。吸収性物品に生理食塩水が完全に吸収された後、3分間放置して、同様の吸収試験を計3回繰り返した。
(液戻り量)
吸収性物品の中央に生理食塩水300ml(温度36±3℃)を注入し、10分経過後に、あらかじめ重量を測定したろ紙(ADVANTEC社製No.2ろ紙、直径55mm)10枚を注入部の中心に置き、ろ紙の上にアクリルプレートと錘を載せた(圧力;35gf/cm)。錘を載せてから1分経過後に、ろ紙の重量を測り、試験前後のろ紙の重量差(g)を液戻り量とした。液戻り量は、N=10サンプルについて行ったものの平均値とした。液戻り量が少ないほど吸収性能に優れる。
(フィット性評価)
各サンプルの吸収性物品について、30歳以上の女性20名に実際に装着してもらい、「フィットする」、「普通」、「フィットしない」のいずれかの評価を選択してもらった。その結果を以下の基準でフィット性の評価とした。
○ 15人以上が「フィットする」と回答
△ 10人以上15人未満が「フィットする」と回答
× 10人未満が「フィットする」と回答
(総合判定)
○:フィット性と吸収性能が共に良い
△:フィット性と吸収性能のどちらかが良い
×:フィット性と吸収性能の両方が悪い
<実施例2>
各トップシートに長さ15mm、幅1mmのスリットを、各スリットの長手方向の間隔が15mmとなるように形成し、上層トップシートに形成したスリットの幅方向の間隔は20mm、上層トップシートに形成したスリットと、下層トップシートとに形成したスリットとの幅方向の離間距離は10mmとした点以外は、実施例1と同様に吸収性物品を作製した。
<比較例1>
トップシートにスリットを形成しなかった点以外は、実施例1と同様に吸収性物品を作製した。
<比較例2>
トップシートから吸収体にかけてチャネルエンボスを形成しなかった点以外は、実施例1と同様に吸収性物品を作製した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2018015386
表1に示すように、実施例1及び実施例2の吸収性物品においては、身体側の上層トップシートの坪量を、衣類側の下層トップシートの坪量以下とし、さらに、トップシートにスリットを形成し、厚さ方向に重ならないように配置した。これにより、実施例1及び2の吸収性物品においては、比較例1の吸収性物品に比べ、吸収速度が増大するとともに、トップシートの保水量が低下して、逆戻り量も低減した。なお、実施例1の吸収性物品においては、実施例2の吸収性物品と比べて、トップシートにおいて、より小さいスリットがより細かく形成されていた。これにより、吸収体への液の吸い込みがより速くなり、トップシートの保水量がより低下することとなった。そのため、実施例1の吸収性物品は実施例2の吸収性物品よりも、より吸収速度が増大し、逆戻り量もより低減する結果となった。
表1に示すように、実施例1、実施例2及び比較例1の吸収性物品においては、トップシートから吸収体にかけてチャネルエンボスが形成されていたが、比較例2の吸収性物品においては、チャネルエンボスが形成されていなかった。これにより、実施例1及び実施例2においては、肌当接面へフィットしたという意見が非常に多く、比較例1においても同様の意見が多くあった一方で、比較例2では、肌当接面フィットしないという意見が大多数であった。そのため、フィットすると回答した人数は、実施例1においては19人、実施例2において18人、比較例1において16人であり、フィット性評価の結果はそれぞれ○となった一方で、比較例2においては、フィットすると回答した人数は3人であり、フィット性評価の結果は×となった。このような結果より、本発明によれば、フィット性が向上され、かつ、吸収速度が増大されるとともに、逆戻り量が低減され、トップシート内に吸収した体液が残留しにくい吸収性物品を提供できることが分かった。
1 吸収性物品
21 トップシート
211 上層トップシート
212 下層トップシート
213 チャネルエンボス
213(a) 前端部
213(b) 後端部
214 スリット
22 バックシート
23 吸収体
24 キャリアシート
25 立体ギャザー
26 立体ギャザーシート
27 立体ギャザー用弾性部材
Y 長手方向
X 幅方向

Claims (7)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置された吸収体と、を有する吸収性物品であって、
    前記トップシートは、液透過性の不織布シートであり、身体側の上層トップシートと衣類側の下層トップシートの2層から構成され、
    前記トップシートから前記吸収体にかけて、前記吸収性物品の長手方向に沿って延在する左右一対のチャネルエンボスが形成され、
    左右一対の前記チャネルエンボスは、長手方向の前端部及び後端部で接続され、
    前記チャネルエンボスの長手方向の前端部の形状は長手方向の前部に向かって凸型であり、長手方向の後端部の形状は長手方向の後部に向かって凸型であり、
    前記トップシートにおける、前記チャネルエンボスの内側部分には、前記吸収性物品の長手方向に沿って、前記トップシートを貫通するスリットが間欠的に設けられ、
    積層された各前記トップシートに設けられた前記スリットは、厚さ方向で重なっていない、吸収性物品。
  2. 前記スリットは、直線状である、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記上層トップシートにおいて、前記スリットは、長手方向の寸法が5mm以上30mm以下であり、
    各前記スリットは、長手方向に5mm以上30mm以下の間隔で配置され、幅方向に5mm以上30mm以下の間隔で配置されている、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記下層トップシートにおいて、前記スリットは、長手方向の寸法が5mm以上30mm以下であり、
    各前記スリットは、長手方向に5mm以上30mm以下の間隔で配置され、幅方向に、一つ上の層におけるスリットに対して、2mm以上15mm以下の間隔で配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記スリットの幅方向の寸法が、0.5mm以上、2.5mm以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記上層トップシートの坪量は前記下層トップシートの坪量以下であり、前記上層トップシートの坪量は、13g/m以上30g/m以下であり、前記下層トップシートの坪量は、18g/m以上40g/m以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記トップシートを構成する前記不織布シートが、エアスルー不織布である、請求項1から6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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