JP2018013670A - 波長変換部材及びそれを用いた発光デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミック層を反射層として有し、発光強度に優れた波長変換部材及びそれを用いた発光デバイスを提供する。
【解決手段】気孔率が20体積%以上の第1の多孔質セラミック層1と、
第1の多孔質セラミック層上に形成された、蛍光体を含む蛍光体層2と、
蛍光体層2上に形成された、蛍光体の屈折率以下の屈折率を有する低屈折率層3と、
を備えることを特徴とする波長変換部材10。
【選択図】図1
【解決手段】気孔率が20体積%以上の第1の多孔質セラミック層1と、
第1の多孔質セラミック層上に形成された、蛍光体を含む蛍光体層2と、
蛍光体層2上に形成された、蛍光体の屈折率以下の屈折率を有する低屈折率層3と、
を備えることを特徴とする波長変換部材10。
【選択図】図1
Description
本発明は、プロジェクター用蛍光ホイール等として好適な波長変換部材及びそれを用いた発光デバイスに関するものである。
近年、プロジェクターを小型化するため、LED(Light Emitting Diode)等の光源と蛍光体とを用いた発光デバイスが提案されている。例えば、光源の光を蛍光体層で波長変換し、得られた蛍光を、波長変換部材に隣接して設けられた反射層により光源の入射側に反射させて外部に取り出す、いわゆる反射型の蛍光ホイールが提案されている(例えば、特許文献1参照)。反射型の蛍光ホイールは外部への蛍光取出し効率が高く、プロジェクターを高輝度化しやすいという利点がある。
特許文献1では、反射層として金、銀、銅、アルミニウム等の金属層が開示されている。金属層は熱伝導率も高いため、蛍光体層に発生した熱を効率良く外部に放出できることから、蛍光体の温度消光(蛍光体の温度上昇により発光強度が低下する現象)を効果的に抑制できるという利点がある。
金属層は熱膨張係数が比較的大きいため、光源から光を照射した場合、あるいは光照射を停止した場合の膨張及び収縮の割合が大きい。そのため、蛍光体層との熱膨張係数差に起因して、蛍光体層にクラックが入ったり、剥離するおそれがある。そこで、熱膨張係数が比較的小さく、熱伝導率が比較的高いセラミック層を反射層として使用することが考えられるが、セラミック層は反射率に劣り、十分な発光強度が得られないという問題がある。
以上に鑑み、本発明は、セラミック層を反射層として有し、発光強度に優れた波長変換部材及びそれを用いた発光デバイスを提供することを技術課題とする。
本発明の波長変換部材は、気孔率が20体積%以上の第1の多孔質セラミック層と、第1の多孔質セラミック層上に形成された、蛍光体を含む蛍光体層と、蛍光体層上に形成された、蛍光体の屈折率以下の屈折率を有する低屈折率層と、を備えることを特徴とする。
本発明の波長変換部材において、第1の多孔質セラミック層は反射層としての機能を果たす。具体的には、励起光を、蛍光体層の主面(第1の多孔質セラミック層側とは反対側の主面)に照射することにより発生した蛍光は、第1の多孔質セラミック層で反射されて、蛍光体層における励起光入射面と同じ主面から外部に出射する。ここで、第1の多孔質セラミック層は20体積%以上の気孔率を有することにより、高い光反射率を示す。具体的には、第1の多孔質セラミック層の内部に存在する気孔とセラミックスとの界面では、両者の屈折率差に起因して光が反射されやすい。本発明では、第1の多孔質セラミック層における気孔の割合が20体積%以上と大きく、光反射に寄与する上記界面が多く存在するため、第1の多孔質セラミック層全体として光反射率が大きくなる。結果として、蛍光体層で発生した蛍光を第1の多孔質セラミック層で効率良く反射することができ、波長変換部材の発光強度を向上させることが可能となる。また、蛍光体層で発生した熱は第1の多孔質セラミック層を通して放熱される。
本発明の波長変換部材では、蛍光体層上に、蛍光体の屈折率以下の屈折率を有する低屈折率層が形成されている。これにより、波長変換部材への励起光の入射効率や、波長変換部材からの出射効率を向上させることができ、結果として発光強度を高めることができる。なお、一般に、蛍光体層はガラスや樹脂等のマトリクス中に蛍光体粉末が分散してなる構成を有している。ここで蛍光体粉末の屈折率は比較的高い(例えばYAG蛍光体の屈折率ndは約1.8)ため、蛍光体層の屈折率も高くなる傾向がある。そのため、低屈折率層を形成しない場合は、外部の空気と蛍光体層との屈折率差が大きくなり、両者の界面で励起光や蛍光が反射しやすくなる。
本発明の波長変換部材において、蛍光体層が、第1の多孔質セラミック層に融着または無機接合層を介して接合していることが好ましい。
上記構成によれば、耐熱性の低い樹脂接着剤等を使用することなく、蛍光体層と第1の多孔質セラミック層を接合することができるため、耐熱性に優れた波長変換部材を得ることができる。具体的には、樹脂接着剤は励起光の照射熱により劣化して黒化するため、発光強度が経時的に低下しやすいが、上記構成によればそのような問題が生じにくい。また、樹脂接着剤は熱伝導性が低いため、蛍光体層と第1の多孔質セラミック層を樹脂接着剤で接着した場合は、蛍光体層で発生した熱が第1の多孔質セラミック層側に放熱されにくい。一方、蛍光体層が、第1の多孔質セラミック層に融着または無機接合層を介して接合していれば、蛍光体層で発生した熱が第1の多孔質セラミック層側に効率良く放熱されやすい。
本発明の波長変換部材において、第1の多孔質セラミック層は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び酸化ジルコニウムから選択される少なくとも1種からなることが好ましい。
本発明の波長変換部材において、第1の多孔質セラミック層の、蛍光体層が形成された主面とは反対側の主面に、放熱層が形成されていることが好ましい。
蛍光体層で発生した熱は、第1の多孔質セラミック層に伝達されるが、第1の多孔質セラミック層には多数の気孔が存在するため熱伝導性が不十分な場合がある。このような場合に、上記構成を採用すれば、蛍光体層で発生し、第1のセラミック層に伝導した熱が放熱層を通じて外部に放出されやすくなる。よって、蛍光体層における発熱をより一層抑制することが可能となる。
本発明の波長変換部材において、放熱層が、気孔率が20体積%未満の緻密質セラミック層であることが好ましい。
緻密質セラミック層は、断熱性を有する気孔の割合が20体積%未満と低いため、比較的熱伝導性に優れる。また、第1の多孔質セラミック層で反射されずに透過した光を緻密質セラミック層で反射することができるため、波長変換部材全体として光反射率を向上させることが可能となる。
本発明の波長変換部材において、緻密質セラミック層が、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び酸化ジルコニウムから選択される少なくとも1種からなることが好ましい。
本発明の波長変換部材において、放熱層の、第1の多孔質セラミック層が形成された主面とは反対側の主面に、気孔率20体積%以上の第2の多孔質セラミック層が形成されていることが好ましい。
後述するように、第1の多孔質セラミック層は、例えば原料となるグリーンシートの焼成により作製される。ここで、グリーンシートは焼成により収縮しやすいため、第1の多孔質セラミック層及び放熱層を含む積層体に反りが発生する場合がある。特に、各層の厚みが小さい場合は、反りが発生しやすい。そこで、放熱層の、第1の多孔質セラミック層が形成された主面とは反対側の主面に、気孔率20体積%以上の第2の多孔質セラミック層を形成することにより、放熱層と第1のセラミック層の間に発生する応力と、放熱層と第2のセラミック層の間に発生する応力のバランスがとれ、焼成時における反りが発生しにくくなる。
本発明の波長変換部材において、第1の多孔質セラミック層と第2の多孔質セラミック層の気孔率、厚み及び/または材質が実質的に同一であることが好ましい。このようにすれば、本発明の波長変換部材の製造時のグリーンシートの焼成工程における反りの問題を効果的に抑制することができる。なお「実質的に同一」とは、グリーンシートの焼成工程における反りに影響を与えるほどに気孔率、厚み、材質が相違していないことを意味する。具体的には、気孔率については、相違が5%以下であることを意味する。また、厚みについては、各層の厚みの相違の割合(各層のうち厚みが大きいほうの層に対する、各層の厚みの相違の割合)が10%以下であることを意味する。
本発明の波長変換部材において、蛍光体層が、無機バインダー中に蛍光体が分散してなることが好ましい。このようにすれば、蛍光体層の耐熱性が向上しやすくなり、励起光照射による蛍光体層の破損等の不具合が生じにくくなる。
本発明の波長変換部材において、低屈折率層がガラスからなることが好ましい。
本発明の波長変換部材は、ホイール形状であってもよい。この場合、プロジェクター光源の構成部材として好適となる。
本発明の発光デバイスは、上記の波長変換部材と、波長変換部材における蛍光体層に励起光を照射する光源とを備えることを特徴とする。
本発明の発光デバイスは、プロジェクター光源として使用することができる。
本発明によれば、セラミック層を反射層として有し、発光強度に優れた波長変換部材及びそれを用いた発光デバイスを提供することができる。
以下、本発明の波長変換部材の実施形態を図面を用いて説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
(1)第1の実施形態に係る波長変換部材
図1の(a)は、本発明の第1の実施形態に係る波長変換部材を示す模式的斜視図であり、(b)は(a)の波長変換部材の側断面の一部を示す図である。
図1の(a)は、本発明の第1の実施形態に係る波長変換部材を示す模式的斜視図であり、(b)は(a)の波長変換部材の側断面の一部を示す図である。
波長変換部材10は、第1の多孔質セラミック層1と、その上に形成された、蛍光体を含む蛍光体層2と、さらにその上に形成された低屈折率層3とを備えている。第1の多孔質セラミック層1、蛍光体層2、低屈折率層3は外径が略同一であり、かつ同心となるように形成されたホイール形状を有している。励起光は低屈折率層3の上面(蛍光体層2が形成された面とは反対側の面)から入射し、蛍光体層2に含まれる蛍光体により波長変換されて蛍光を発する。蛍光は第1の多孔質セラミック層1で反射され、低屈折率層3の上面から外部に出射される。ここで、第1の多孔質セラミック層1は蛍光体層2よりも熱伝導率が高いことが好ましく、これにより蛍光体層2で発生した熱を外部に効率良く放出しやすくなる。
第1の多孔質セラミック層1の気孔率は20体積%以上であり、30体積%以上、特に40体積%以上であることが好ましい。第1の多孔質セラミック層1は20体積%以上の気孔率を有することにより、既述の理由から高い光反射率を示す。第1の多孔質セラミック層1の気孔率の上限は80体積%以下、75体積%以下、特に70体積%以下であることが好ましい。第1の多孔質セラミック層1の気孔率が高すぎると、機械的強度が低下したり、あるいは熱伝導率が低下して蛍光体層2で発生した熱を外部に放出しにくくなる。
第1の多孔質セラミック層1は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ニオビウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化イットリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素等からなるものが挙げられる。これらは単独であっても良く、2種以上を複合して用いても良い。なかでも酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムは、熱伝導率が高く、また安価であるため好ましい。特に、酸化アルミニウムであることが好ましい。
第1の多孔質セラミック層1の厚みは0.05〜2mm、0.1〜1.5mm、特に0.2〜1mmであることが好ましい。第1の多孔質セラミック層1の厚みが小さすぎると、機械的強度が低下して、使用時に破損しやすくなる。また、十分な光反射率が得られにくくなる。一方、第1の多孔質セラミック層1の厚みが大きすぎると、波長変換部材10、さらにはそれを用いた発光デバイスの質量が大きくなる傾向がある。また、ホイール状の波長変換部材10をプロジェクター用光源に使用した場合、波長変換部材10を回転させるモーターへの負荷が大きくなる、あるいは回転による振動が大きくなり破損のおそれがある。
蛍光体層2としては、例えば無機バインダー中に蛍光体が分散してなるものが挙げられる。このようにすれば、第1の多孔質セラミック層1との熱膨張係数も整合させやすくなり、励起光照射により高温になった場合であっても、熱膨張係数差に起因する破損が生じにくくなる。無機バインダーとしてはガラス等が挙げられる。
無機バインダーとして使用するガラスとしては、ホウ珪酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラスなどを用いることができる。ガラスの軟化点は250〜1000℃、特に300〜850℃であることが好ましい。ガラスの軟化点が低すぎると、蛍光体層2の機械的強度が低下したり、励起光の照射により融解しやすくなる。一方、ガラスの軟化点が高すぎると、製造時における焼成工程で蛍光体が劣化して、蛍光体層2の発光強度が低下しやすくなる。
蛍光体は、励起光の入射により蛍光を出射するものであれば、特に限定されるものではない。蛍光体の具体例としては、例えば、酸化物蛍光体、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、塩化物蛍光体、酸塩化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、カルコゲン化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、ハロリン酸塩化物蛍光体、ガーネット系化合物蛍光体から選ばれた1種以上等が挙げられる。励起光として青色光を用いる場合、例えば、緑色光、黄色光または赤色光を蛍光として出射する蛍光体を混合して用いればよい。
蛍光体の平均粒子径(D50)は1〜50μm、特に5〜25μmであることが好ましい。蛍光体の平均粒子径が小さすぎると、発光強度が低下しやすくなる。一方、蛍光体の平均粒子径が大きすぎると、発光色が不均一になる傾向がある。
蛍光体層2中における蛍光体の含有量は5〜80体積%、10〜75体積%、特に20〜70体積%であることが好ましい。蛍光体の含有量が少なすぎると、発光強度が不十分になる傾向がある。一方、蛍光体の含有量が多すぎると、蛍光体層2の機械的強度が不十分になる傾向がある。
蛍光体層2の厚みは、励起光が確実に蛍光体に吸収されるような厚みである範囲において、薄い方が好ましい。蛍光体層2が厚すぎると、蛍光体層2における光の散乱や吸収が大きくなりすぎ、蛍光の出射効率が低くなってしまう場合があるためである。具体的には、蛍光体層2の厚みは1mm以下、0.5mm以下、特に0.3mm以下であることが好ましい。蛍光体層2の厚みの下限値は、通常、0.03mm程度である。
低屈折率層3は例えばガラスからなる。ガラスとしては、ホウ珪酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラスなどを用いることができる。ガラスの軟化点は250〜1000℃、特に300〜850℃であることが好ましい。ガラスの軟化点が低すぎると、低屈折率層3の機械的強度が低下したり、励起光の照射により融解しやすくなる。一方、ガラスの軟化点が高すぎると、製造時における焼成工程で蛍光体が劣化して、蛍光体層2の発光強度が低下しやすくなる。
低屈折率層3の屈折率(nd)は1.9以下、1.85以下、1.8以下、1.7以下、特に1.6以下であることが好ましい。低屈折率層3の屈折率が高すぎると、上述したような発光強度を向上させる効果が得にくくなる。一方、低屈折率層3の屈折率の下限は特に限定されないが、現実的には1.4以上、さらには1.45以上である。
例えば低屈折率層3は蛍光体層2に融着している。蛍光体層2と低屈折率層3の密着強度を高める観点からは、蛍光体層2と低屈折率層3の熱膨張係数差(30〜380℃)が100×10−7/℃以下、80×10−7/℃以下、60×10−7/℃以下、特に40×10−7/℃以下であることが好ましい。また、蛍光体層2に含まれる無機バインダーの軟化点と、低屈折率層3の軟化点との差が200℃以下、150℃以下、特に100℃以下であることが好ましい。
低屈折率層3の厚みが大きすぎると、励起光や蛍光が吸収されたり、外部への散乱ロスが大きくなる傾向がある。このため、低屈折率層3の厚みは0.1mm以下、0.05mm以下、0.03mm以下、特に0.02mm以下であることが好ましい。ガラス層20の厚みの下限値は特に限定されないが、現実的には0.003mm以上、さらには0.01mm以上である。
低屈折率層3において励起光や蛍光が吸収されにくくする観点から、低屈折率層3の全光線透過率は50%以上、65%以上、特に80%以上であることが好ましい。
蛍光体層2は、融着または無機接合層を介して第1の多孔質セラミック層1に接合していることが好ましい。このようにすれば、波長変換部材10の耐熱性を高めることができる。また、蛍光体層2で発生した熱を第1の多孔質セラミック層1側に効率良く放熱することができる。
蛍光体層2を第1の多孔質セラミック層1に融着する方法としては、例えば蛍光体層2を第1の多孔質セラミック層1の主面1a上に積層して加熱圧着し、焼成する方法が挙げられる。例えば、ガラスマトリクス中に蛍光体が分散してなる蛍光体層2の場合は、第1の多孔質セラミック層1と、蛍光体層2におけるガラスマトリクスが融着する。
蛍光体層2を第1の多孔質セラミック層1に無機接合層により接合する方法としては、多孔質セラミック層1の主面1a上にゾルゲル法による透明無機材料を塗布し、その上に蛍光体層2を積層して加熱する方法が挙げられる。ゾルゲル法による透明無機材料としてはポリシラザン等があげられる。ポリシラザンは空気中の水分と反応し、アンモニアを発生して縮合することにより、SiO2の被膜を形成する。このように、透明無機材料として、比較的低温(室温〜200℃)で無機質のガラス膜を形成する接合剤を使用することができる。その他にも、アルコール可溶型有機ケイ素化合物や、その他金属化合物(有機または無機)を含み、触媒の存在下、比較的低温でガラスと同様のSiO2ネットワークを形成する接合剤を使用することができる。当該接合剤は、有機金属化合物として金属アルコキシド、触媒としてアルコールを用いた場合、加水分解及び脱水反応が促進される結果、SiO2ネットワークが形成される。
波長変換部材10は以下のようにして作製することができる。
第1の多孔質セラミック層1の原料であるセラミック粉末と、バインダー樹脂、溶剤、可塑剤等の有機成分とを含むスラリーを、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム上にドクターブレード法等により塗布し、加熱乾燥することにより、第1の多孔質セラミック層1用グリーンシートを作製する。ここで、第1の多孔質セラミック層1の原料であるセラミック粉末の平均粒子径(D50)は0.1〜10μmであることが好ましい。セラミック粉末の平均粒子径が小さすぎると、第1の多孔質セラミック層1の気孔率が低下しやすくなる。一方、セラミック粉末の平均粒子径が大きすぎると、焼結が不十分となり、第1の多孔質セラミック層1の機械的強度が低下しやすくなる。次に、第1の多孔質セラミック層1用グリーンシートを約1200〜1500℃で焼成する。このようにして、第1の多孔質セラミック層1を得る。ここで、焼成温度が低すぎると、焼結が不十分になる傾向がある。一方、焼成温度が高すぎると、気孔率が低下しやすくなる。
また蛍光体層2のガラスマトリクスとなるガラス粉末と、蛍光体と、バインダー樹脂、溶剤、可塑剤等の有機成分とを含むスラリーを、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム上にドクターブレード法等により塗布し、加熱乾燥することにより、蛍光体層2用グリーンシートを作製する。
さらに低屈折率層3となるガラス粉末と、バインダー樹脂、溶剤、可塑剤等の有機成分とを含むスラリーを、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム上にドクターブレード法等により塗布し、加熱乾燥することにより、低屈折率層3用グリーンシートを作製する。
得られた多孔質セラミック層1、蛍光体層2用グリーンシート、低屈折率層3用グリーンシートを積層し、焼成することにより、多孔質セラミック層1、蛍光体層2、低屈折率層3が融着接合されてなる波長変換部材10が得られる。ここで、焼成温度は蛍光体層2及び低屈折率層3におけるガラス粉末の軟化温度±100℃の範囲内、特にガラス粉末の軟化点±50℃の範囲内であることが好ましい。焼成温度が低すぎると、多孔質セラミック層1と蛍光体層2、あるいは、蛍光体層2と低屈折率層3が融着しにくくなる。また、ガラス粉末の焼結が不十分となって、蛍光体層2、低屈折率層3の機械的強度が低下しやすくなる。一方、焼成温度が高すぎると、蛍光体層2における蛍光体が劣化して発光強度が低下するおそれがある。
なお、上記方法では多孔質セラミック層1、蛍光体層2用グリーンシート、低屈折率層3用グリーンシートを積層して同時に焼成を行ったが、これに限定されない。例えば、まず多孔質セラミック層1と蛍光体層2用グリーンシートを積層して焼成した後、得られた蛍光体層2の上に低屈折率層3用グリーンシートを積層してさらに焼成することにより低屈折率層3を形成しても良い。
あるいは、多孔質セラミック層1用グリーンシート、蛍光体層2用グリーンシート、低屈折率層3用グリーンシートをそれぞれ別々に焼成して多孔質セラミック層1、蛍光体層2、低屈折率層3を得た後、それらを無機接合剤を用いて接合することにより、多孔質セラミック層1、蛍光体層2、低屈折率層3が無機接合層により接合されてなる波長変換部材10を得ることもできる。
上記方法以外にも、多孔質セラミック層1の表面に蛍光体層2用スラリーを塗布し、焼成することより、多孔質セラミック層1上に蛍光体層2を形成した後、蛍光体層2の表面に低屈折率層3用スラリーを塗布し、さらに焼成することにより低屈折率層3を形成しても良い。ここで使用する蛍光体層2用スラリー及び低屈折率層3用スラリーは、それぞれ蛍光体層2用グリーンシート及び低屈折率層3用グリーンシートの作製に使用したものを利用できる。
なお、上記の各製造方法において、グリーンシートまたはスラリーの焼成前に、有機物を除去するための脱脂工程を行ってもよい。また、グリーンシートを含む各層の積層時において、互いの密着性を高めるため、適宜加熱圧着してもよい。
(2)第2の実施形態に係る波長変換部材
図2は、本発明の第2の実施形態に係る波長変換部材の側断面の一部を示す図である。本実施形態に係る波長変換部材20では、多孔質セラミック層1の蛍光体層2が形成された主面とは反対側の主面上に放熱層4が設けられている点で、第1の実施形態に係る波長変換部材10と異なる。放熱層4は、第1の多孔質セラミック層1と外径が略同一かつ同心であるリング状である。その他の構成は第1の実施形態に係る波長変換部材10と同じである。多孔質セラミック層1の主面に放熱層4を設けることにより、既述の理由から、蛍光体層2で発生し、第1の多孔質セラミック層1に伝導した熱が放熱層4を通じて外部に放出されやすくなる。放熱層4の熱伝導率は5W/m・K以上、10W/m・K以上、特に20W/m・K以上であることが好ましい。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る波長変換部材の側断面の一部を示す図である。本実施形態に係る波長変換部材20では、多孔質セラミック層1の蛍光体層2が形成された主面とは反対側の主面上に放熱層4が設けられている点で、第1の実施形態に係る波長変換部材10と異なる。放熱層4は、第1の多孔質セラミック層1と外径が略同一かつ同心であるリング状である。その他の構成は第1の実施形態に係る波長変換部材10と同じである。多孔質セラミック層1の主面に放熱層4を設けることにより、既述の理由から、蛍光体層2で発生し、第1の多孔質セラミック層1に伝導した熱が放熱層4を通じて外部に放出されやすくなる。放熱層4の熱伝導率は5W/m・K以上、10W/m・K以上、特に20W/m・K以上であることが好ましい。
放熱層4としては、例えば、緻密質セラミック層が挙げられる。緻密質セラミック層の気孔率は20体積%未満であり、15体積%以下、特に10体積%以下であることが好ましい。緻密質セラミック層の気孔率が高すぎると、熱伝導率が低下して、放熱性が低下しやすくなる。一方、緻密質セラミック層の気孔率の下限は特に限定されないが、現実的には0.2体積%以上である。
緻密質セラミック層は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ニオビウム、酸化亜鉛、酸化イットリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素等からなるものが挙げられる。これらは単独であっても良く、2種以上を複合して用いても良い。なかでも酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムは、熱伝導率が高く、また安価であるため好ましい。
放熱層4としては、上記以外にもサファイアや、アルミニウム、銀、銅等の金属からなるものであってもよい。
放熱層4の厚みは0.2〜2mm、0.3〜1.5mm、特に0.5〜1mmであることが好ましい。放熱層4の厚みが小さすぎると、十分な放熱効果が得られにくくなる。一方、放熱層4の厚みが大きすぎると、波長変換部材20、さらにはそれを用いた発光デバイスの質量が大きくなる傾向がある。また、ホイール状の波長変換部材20をプロジェクター用光源に使用した場合、波長変換部材20を回転させるモーターへの負荷が大きくなる、あるいは回転による振動が大きくなり破損のおそれがある。
波長変換部材20は以下のようにして作製することができる。
波長変換部材10における方法と同様にして、第1の多孔質セラミック層1用グリーンシートを作製する。
次に、放熱層4を準備する。放熱層4として緻密質セラミック層を用いる場合は、波長変換部材10における多孔質セラミック層1用グリーンシートの作製方法と同様にして、緻密質セラミック層用グリーンシートを得る。緻密質セラミック層用グリーンシートを比較的高温で焼結することにより、気孔率の低い緻密質セラミック層を得る。具体的には、緻密質セラミック層用グリーンシートを約1500℃以上、好ましくは1600℃以上で焼成することが好ましい。また、原料であるセラミック粉末の平均粒子径(D50)が小さいほど、緻密質セラミック層の気孔率を低減しやすい。
続いて、第1の多孔質セラミック層1用グリーンシートと、放熱層4を積層し、焼成することにより第1の多孔質セラミック層1と放熱層4が接合してなる積層体を得る。
波長変換部材10における方法と同様にして、得られた積層体における第1の多孔質セラミック層1上に蛍光体層2、さらに蛍光体層2上に低屈折率層3を接合することにより、波長変換部材20を得る。
なお、先に蛍光体層2、低屈折率層3を第1の多孔質セラミック層1に接合した後に放熱層4を接合してもよい。
(3)第3の実施形態に係る波長変換部材
図3は、本発明の第3の実施形態に係る波長変換部材の側断面の一部を示す図である。本実施形態に係る波長変換部材30では、放熱層4の、第1の多孔質セラミック層1が形成された主面と反対側の主面に、第1の多孔質セラミック層1と略同一形状の第2の多孔質セラミック層1’が設けられている。その他の構成は第2の実施形態に係る波長変換部材20と同じである。このような構成とすることにより、製造工程におけるグリーンシート焼成時に波長変換部材30に反りが発生しにくくなる。
(3)第3の実施形態に係る波長変換部材
図3は、本発明の第3の実施形態に係る波長変換部材の側断面の一部を示す図である。本実施形態に係る波長変換部材30では、放熱層4の、第1の多孔質セラミック層1が形成された主面と反対側の主面に、第1の多孔質セラミック層1と略同一形状の第2の多孔質セラミック層1’が設けられている。その他の構成は第2の実施形態に係る波長変換部材20と同じである。このような構成とすることにより、製造工程におけるグリーンシート焼成時に波長変換部材30に反りが発生しにくくなる。
第2の多孔質セラミック層1’の気孔率及び厚みの範囲、及び材質の具体例については、第1の多孔質セラミック層1と同様のものを選択することができる。製造時の焼成工程における波長変換部材30の反りの問題を効果的に抑制する観点からは、第1の多孔質セラミック層1と第2の多孔質セラミック層1’の気孔率、厚み及び材質の少なくとも1つが実質的に同一であることが好ましく、それら全てが実質的に同一であることがより好ましい。
(4)第4の実施形態に係る波長変換部材
図4の(a)は、本発明の第4の実施形態に係る波長変換部材40の平面図であり、(b)は(a)のA−A’断面図である。本実施形態に係る波長変換部材40では、蛍光体層2、低屈折率層3が形成されている領域の一部において切り欠き部Cが設けられている点で波長変換部材30と異なっている。各層の構成は波長変換部材30と同じである。切り欠き部Cにおいては、第1の多孔質セラミック層1、第2の多孔質セラミック層1’、蛍光体層2、低屈折率層3及び放熱層4のいずれも形成されておらず、ホイール外周の一部が完全に欠損した形態となっており、励起光が透過できるようになっている。よって、波長変換部材40を用いることにより、励起光を蛍光体層2で波長変換させて蛍光を取り出す場合と、励起光をそのまま取り出す場合の両者を適宜使い分けることができる発光デバイスを得ることができる。
図4の(a)は、本発明の第4の実施形態に係る波長変換部材40の平面図であり、(b)は(a)のA−A’断面図である。本実施形態に係る波長変換部材40では、蛍光体層2、低屈折率層3が形成されている領域の一部において切り欠き部Cが設けられている点で波長変換部材30と異なっている。各層の構成は波長変換部材30と同じである。切り欠き部Cにおいては、第1の多孔質セラミック層1、第2の多孔質セラミック層1’、蛍光体層2、低屈折率層3及び放熱層4のいずれも形成されておらず、ホイール外周の一部が完全に欠損した形態となっており、励起光が透過できるようになっている。よって、波長変換部材40を用いることにより、励起光を蛍光体層2で波長変換させて蛍光を取り出す場合と、励起光をそのまま取り出す場合の両者を適宜使い分けることができる発光デバイスを得ることができる。
(発光デバイス)
本発明の発光デバイスは、上記の波長変換部材(波長変換部材10〜40のいずれか)と、波長変換部材に励起光を照射する光源とを備えてなる。光源としてはLEDやLD等を使用することができる。光源から出射された励起光は波長変換部材における蛍光体層で波長変換されて蛍光を発し、当該蛍光は第1の多孔質セラミック層で反射されて、励起光照射側と同じ側から蛍光が出射される。
本発明の発光デバイスは、上記の波長変換部材(波長変換部材10〜40のいずれか)と、波長変換部材に励起光を照射する光源とを備えてなる。光源としてはLEDやLD等を使用することができる。光源から出射された励起光は波長変換部材における蛍光体層で波長変換されて蛍光を発し、当該蛍光は第1の多孔質セラミック層で反射されて、励起光照射側と同じ側から蛍光が出射される。
以下、本発明の波長変換部材を実施例により詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
表1は本発明の実施例及び比較例を示す。
(実施例1)
(多孔質セラミック層用グリーンシートの作製)
Al2O3粉末(平均粒子径(D50):1μm)に対して、結合剤としてポリブチルメタクリレート、可塑剤としてメチルエチルケトン、溶剤としてブチルベンジルフタレートを適宜添加し、24時間混練することによりスラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法を用いてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、乾燥させることにより、多孔質セラミック層用グリーンシート(厚み0.32mm)を得た。
(多孔質セラミック層用グリーンシートの作製)
Al2O3粉末(平均粒子径(D50):1μm)に対して、結合剤としてポリブチルメタクリレート、可塑剤としてメチルエチルケトン、溶剤としてブチルベンジルフタレートを適宜添加し、24時間混練することによりスラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法を用いてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、乾燥させることにより、多孔質セラミック層用グリーンシート(厚み0.32mm)を得た。
(蛍光体層用グリーンシートの作製)
モル%で、SiO2:58%、Al2O3:6%、B2O3:17%、Li2O:8%、Na2O:8%、K2O:3%のガラス組成となるよう原料を調合し、溶融急冷法によってフィルム状ガラスを得た。得られたフィルム状ガラスをボールミルを用いて粉砕し、平均粒子径(D50)が1μmのガラス粉末を得た。
モル%で、SiO2:58%、Al2O3:6%、B2O3:17%、Li2O:8%、Na2O:8%、K2O:3%のガラス組成となるよう原料を調合し、溶融急冷法によってフィルム状ガラスを得た。得られたフィルム状ガラスをボールミルを用いて粉砕し、平均粒子径(D50)が1μmのガラス粉末を得た。
得られたガラス粉末と、YAG(Y3Al5O12)蛍光体粉末(平均粒子径(D50):15μm)とを、ガラス粉末 30体積%、YAG(Y3Al5O12)蛍光体粉末 70体積%となるように調合し、振動混合機を用いて混合した。得られた混合粉末50gに結合剤、可塑剤、溶剤等を適宜添加し、24時間混練することによりスラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法を用いてPETフィルム上に塗布し、乾燥させることにより、蛍光体層用グリーンシート(厚み0.12mm)を得た。
(低屈折率層用グリーンシートの作製)
蛍光体層用グリーンシートの作製に使用したガラス粉末50gに結合剤、可塑剤、溶剤等を適宜添加し、24時間混練することによりスラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法を用いてPETフィルム上に塗布し、乾燥させることにより、低屈折率層用グリーンシート(厚み0.03mm)を得た。
蛍光体層用グリーンシートの作製に使用したガラス粉末50gに結合剤、可塑剤、溶剤等を適宜添加し、24時間混練することによりスラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法を用いてPETフィルム上に塗布し、乾燥させることにより、低屈折率層用グリーンシート(厚み0.03mm)を得た。
(波長変換部材の作製)
多孔質セラミック層用グリーンシートと、放熱層として緻密質セラミック層(株式会社MARUWA製Al2O3シート 製品名HA−96−2;厚み0.8mm、熱伝導率23W/m・K)を重ね合わせ、熱圧着機を用いて、100℃で5分、10MPaの圧力を印加して両者を密着させた後、大気中にて600℃で8時間脱脂処理を行い、さらに1400℃で5時間焼成することにより、多孔質セラミック層と緻密質セラミック層の2層からなるセラミック層積層体を作製した。
多孔質セラミック層用グリーンシートと、放熱層として緻密質セラミック層(株式会社MARUWA製Al2O3シート 製品名HA−96−2;厚み0.8mm、熱伝導率23W/m・K)を重ね合わせ、熱圧着機を用いて、100℃で5分、10MPaの圧力を印加して両者を密着させた後、大気中にて600℃で8時間脱脂処理を行い、さらに1400℃で5時間焼成することにより、多孔質セラミック層と緻密質セラミック層の2層からなるセラミック層積層体を作製した。
セラミック層積層体において、多孔質セラミック層用と緻密質セラミック層の気孔率は、断面の反射電子画像を二値化した後に、気孔部分の面積割合を算出することにより求めた。また、セラミック層積層体の光反射率は、島津製作所製UV−2500PCを用いて波長400〜800nmの各波長の反射光強度の平均値より求めた。
次に、セラミック層積層体の多孔質セラミック層上に蛍光体層用グリーンシート、さらにその上に低屈折率層用グリーンシートを重ね合わせ、熱圧着機を用いて、100℃で5分、10MPaの圧力を印加することにより両者を密着させた後、大気中にて500℃で7時間脱脂処理を行い、さらに700℃で1時間焼成することにより波長変換部材を作製した。
(実施例2)
実施例1と同様にして多孔質セラミック層用グリーンシート(厚み0.26mm)を作製した。多孔質セラミック層用グリーンシートを4層重ねて熱圧着機を用いて100℃で5分、10MPaの圧力を印可することにより密着させた後、大気中にて600℃で8時間脱脂処理を行い、1400℃で5時間焼成することにより多孔質セラミック層を得た。多孔質セラミック層の光反射率を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
実施例1と同様にして多孔質セラミック層用グリーンシート(厚み0.26mm)を作製した。多孔質セラミック層用グリーンシートを4層重ねて熱圧着機を用いて100℃で5分、10MPaの圧力を印可することにより密着させた後、大気中にて600℃で8時間脱脂処理を行い、1400℃で5時間焼成することにより多孔質セラミック層を得た。多孔質セラミック層の光反射率を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
多孔質セラミック層の上に実施例1で得られた蛍光体層用グリーンシート、さらにその上に低屈折率層用グリーンシートを重ね合わせ、熱圧着機を用いて100℃で5分、10MPaの圧力を印加することにより密着させた後、大気中にて500℃で7時間脱脂処理を行い、さらに700℃で1時間焼成することにより波長変換部材を作製した。
(比較例)
緻密質セラミック層(株式会社MARUWA製Al2O3シート 製品名HA−96−2;厚み0.635mm)の上に、実施例1で得られた蛍光体層用グリーンシート、さらにその上に低屈折率層用グリーンシートを重ね合わせ、熱圧着機を用いて、100℃で5分、10MPaの圧力を印加することにより密着させた後、大気中にて500℃で7時間脱脂処理を行い、さらに700℃で1時間焼成することにより波長変換部材を得た。なお、緻密質セラミック層の光反射率を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
緻密質セラミック層(株式会社MARUWA製Al2O3シート 製品名HA−96−2;厚み0.635mm)の上に、実施例1で得られた蛍光体層用グリーンシート、さらにその上に低屈折率層用グリーンシートを重ね合わせ、熱圧着機を用いて、100℃で5分、10MPaの圧力を印加することにより密着させた後、大気中にて500℃で7時間脱脂処理を行い、さらに700℃で1時間焼成することにより波長変換部材を得た。なお、緻密質セラミック層の光反射率を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
(特性評価)
上記のようにして作製した各波長変換部材につき、蛍光ピーク強度と、蛍光体層の表面温度を下記のようにして測定した。結果を表1に示す。なお、測定には図5に示すサイズのもの(各層の厚みは表1に示す通り)を用いた。
上記のようにして作製した各波長変換部材につき、蛍光ピーク強度と、蛍光体層の表面温度を下記のようにして測定した。結果を表1に示す。なお、測定には図5に示すサイズのもの(各層の厚みは表1に示す通り)を用いた。
8000rpmで回転させた波長変換部材の表面(蛍光体層、低屈折率層が形成された表面)に、波長440nmの青色レーザー光源から出力30Wでレーザー光を照射した。得られた蛍光を光ファイバーを通して小型分光器(USB−4000 オーシャンオプティクス社製)で受光し、発光スペクトルを得た。発光スペクトルから蛍光ピーク強度を読み取った。また蛍光体層の表面温度をFLIR製サーモグラフィーi5を用いて測定した。
表1から明らかなように、実施例1、2の波長変換部材は蛍光ピーク強度が1279(a.u.)以上であったのに対し、比較例の波長変換部材は蛍光ピーク強度が1112(a.u.)と劣っていた。なお、実施例1と実施例2を比較すると、光反射層として多孔質セラミック層と緻密質セラミック層の積層体を用いた場合、光反射率が向上することわかる。また多孔質セラミック層に緻密質セラミック層を積層した場合、蛍光体層の温度も低下しており、これにより蛍光体の温度消光が軽減されるものと考えられる。これら2つの要因により、実施例1の波長変換部材は、実施例2の波長変換部材と比較して蛍光ピーク強度が高くなっていると考察される。
1 第1の多孔質セラミック層
1’ 第2の多孔質セラミック層
2 蛍光体層
3 低屈折率層
4 放熱層
10、20、30、40 波長変換部材
C 切り欠き部
1’ 第2の多孔質セラミック層
2 蛍光体層
3 低屈折率層
4 放熱層
10、20、30、40 波長変換部材
C 切り欠き部
Claims (13)
- 気孔率が20体積%以上の第1の多孔質セラミック層と、
第1の多孔質セラミック層上に形成された、蛍光体を含む蛍光体層と、
蛍光体層上に形成された、蛍光体の屈折率以下の屈折率を有する低屈折率層と、
を備えることを特徴とする波長変換部材。 - 蛍光体層が、第1の多孔質セラミック層に融着または無機接合層を介して接合していることを特徴とする請求項1に記載の波長変換部材。
- 第1の多孔質セラミック層が、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び酸化ジルコニウムから選択される少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換部材。
- 第1の多孔質セラミック層の、蛍光体層が形成された主面とは反対側の主面に、放熱層が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換部材。
- 放熱層が、気孔率が20体積%未満の緻密質セラミック層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の波長変換部材。
- 緻密質セラミック層が、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び酸化ジルコニウムから選択される少なくとも1種からなることを特徴とする請求項5に記載の波長変換部材。
- 放熱層の、第1の多孔質セラミック層が形成された主面とは反対側の主面に、気孔率20体積%以上の第2の多孔質セラミック層が形成されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の波長変換部材。
- 第1の多孔質セラミック層と第2の多孔質セラミック層の気孔率、厚み及び/または材質が実質的に同一であることを特徴とする請求項7に記載の波長変換部材。
- 蛍光体層が、無機バインダー中に蛍光体が分散してなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の波長変換部材。
- 低屈折率層がガラスからなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の波長変換部材。
- ホイール形状であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の波長変換部材。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の波長変換部材と、
波長変換部材における蛍光体層に励起光を照射する光源と、
を備えることを特徴とする発光デバイス。 - プロジェクター光源として使用されることを特徴とする請求項12に記載の発光デバイス。
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