JP2018013091A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械圧縮比を高圧縮比側に変化させることで所望の燃費向上効果を得ることができるようにする。【解決手段】内燃機関100の制御装置200が、機械圧縮比を目標圧縮比に制御する圧縮比制御部を備える。圧縮比制御部は、機関運転状態に基づいて、当該機関運転状態での最適圧縮比を算出する最適圧縮比算出部と、最適圧縮比が目標圧縮比よりも高いときに、モータを駆動することによって消費される燃料量を考慮しても燃費向上効果が得られる変更許可圧縮比を算出する変更許可圧縮比算出部と、最適圧縮比が目標圧縮比よりも高い場合は、最適圧縮比が変更許可圧縮比以上となったときに、目標圧縮比を当該変更許可圧縮比に変更する目標圧縮比変更部と、を備えるように構成されている。【選択図】図1
Description
本発明は内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1には、モータを駆動することによって機関本体の機械圧縮比を変更可能に構成された可変圧縮比機構を備える内燃機関が開示されている。そして特許文献1には、この従来の内燃機関の制御装置として、機械圧縮比を高圧縮比側に変化させるときには、最適圧縮比(要求圧縮比)に向けて機械圧縮比を制御する際の目標となる目標圧縮比を、最適圧縮比に向かって意図的に遅らせて変化させるように構成されたものが開示されている。これにより、最適圧縮比が頻繁に変化したとしても、目標圧縮比の変化を抑制することができるので、圧縮比の変更操作に伴うモータ駆動損失に起因する燃費悪化を抑制することができるとされている。
しかしながら、前述した従来の内燃機関の制御装置では、目標圧縮比を最適圧縮比に向かって意図的に遅らせて変化させているだけなので、最適圧縮比がわずかに増加した場合であっても、結局は最適圧縮比が目標圧縮比となり、機械圧縮比を最適圧縮比に向けて変更するためにモータが駆動されることになる。そのため、機械圧縮比を最適圧縮比に変更したことによって得られる燃費向上効果が、モータを駆動することによって消費される燃料量(モータ駆動損失)に見合わない場合であっても、機械圧縮比を最適圧縮比に向けて変更するためにモータが駆動されることになる。したがって、機械圧縮比を高圧縮比側に変化させても所望の燃費向上効果を得ることができないおそれがある。
本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、機械圧縮比を高圧縮比側に変化させることによって所望の燃費向上効果を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、機関本体と、モータを駆動することによって機関本体の機械圧縮比を変更可能に構成された可変圧縮比機構と、を備える内燃機関を制御するための内燃機関の制御装置が、機械圧縮比を目標圧縮比に制御する圧縮比制御部を備える。そして圧縮比制御部は、機関運転状態に基づいて、当該機関運転状態での最適圧縮比を算出する最適圧縮比算出部と、最適圧縮比が目標圧縮比よりも高いときに、モータを駆動することによって消費される燃料量を考慮しても燃費向上効果が得られる目標圧縮比よりも高い変更許可圧縮比を算出する変更許可圧縮比算出部と、最適圧縮比が目標圧縮比よりも高い場合は、最適圧縮比が変更許可圧縮比以上となったときに、目標圧縮比を当該変更許可圧縮比に変更する目標圧縮比変更部と、を備えるように構成されている。
本発明のこの態様によれば、モータを駆動することによって消費される燃料量を考慮しても燃費向上効果が得られる場合に限り、目標圧縮比を変更して機械圧縮比を高圧縮比側に変化させることができる。そのため、機械圧縮比を高圧縮比側に変化させることで所望の燃費向上効果を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による内燃機関100及び内燃機関100を制御する電子制御ユニット200の概略構成図である。
図1は、本発明の第1実施形態による内燃機関100及び内燃機関100を制御する電子制御ユニット200の概略構成図である。
図1に示すように、内燃機関100は、機関本体1と、吸気装置20と、排気装置30と、を備える。
機関本体1は、シリンダブロック2と、シリンダブロック2の上部に取り付けられたシリンダヘッド3と、シリンダブロック2の下部に取り付けられたクランクケース4と、クランクケース4の下部に取り付けられたオイルパン5と、を備える。
シリンダブロック2には、複数のシリンダ(気筒)6が形成される。シリンダ6の内部には、燃焼圧力を受けてシリンダ6の内部を往復運動するピストン7が収められる。ピストン7は、コンロッド8を介してクランクケース4内に回転可能に支持されたクランクシャフト9と連結されており、クランクシャフト9によってピストン7の往復運動が回転運動に変換される。シリンダヘッド3、シリンダ6及びピストン7によって区画された空間が燃焼室10となる。
シリンダヘッド3には、シリンダヘッド3の一方の側面(図中右側)に開口すると共に燃焼室10に開口する吸気ポート11と、シリンダヘッド3の他方の側面(図中左側)に開口すると共に燃焼室10に開口する排気ポート12と、が形成される。
またシリンダヘッド3には、後述する吸気マニホールド23の各吸気枝管23bに取り付けられた燃料噴射弁17から噴射された燃料と、空気と、の混合気を燃焼室10内で点火するための点火プラグ18が、燃焼室10に臨むように取り付けられる。なお、燃料噴射弁17は、燃焼室10内に直接燃料を噴射することができるようにシリンダヘッド3に取り付けてもよい。
またシリンダヘッド3には、燃焼室10と吸気ポート11との開口を開閉するための吸気弁13と、吸気弁13を開閉駆動するための吸気動弁装置40と、が設けられる。吸気動弁装置40は、気筒列方向に延びる吸気カムシャフト41と、吸気カムシャフト41に固定された吸気カム42と、吸気カム42と接触して吸気弁を押し下げるタペット43と、吸気カムシャフト41の一端部に設けられて吸気弁13の閉弁時期(以下「吸気弁閉時期」という。)を変更することができる可変バルブタイミング機構Bと、を備える。可変バルブタイミング機構Bの詳細については、図5及び図6を参照して後述する。
さらにシリンダヘッドには、燃焼室10と排気ポート12との開口を開閉するための排気弁14と、排気弁14を開閉駆動するための排気動弁装置90と、が設けられる。排気動弁装置90は、気筒列方向に延びる排気カムシャフト91と、排気カムシャフト91に固定された排気カム92と、排気カム92と接触して吸気弁を押し下げるタペット93と、を備える。
また本実施形態による機関本体1は、シリンダブロック2とクランクケース4との連結部に可変圧縮比機構Aを備える。本実施形態による可変圧縮比機構Aは、シリンダブロック2とクランクケース4とのシリンダ軸線方向の相対位置を変化させることによって、ピストン7が圧縮上死点に位置するときの燃焼室10の容積を変更するものである。シリンダブロック2とクランクケース4との連結部には、シリンダブロック2とクランクケース4との相対位置関係を検出するための相対位置センサ211が取り付けられており、この相対位置センサ211からはシリンダブロック2とクランクケース4との間隔の変化を示す出力信号が出力される。相対位置センサ211の出力信号は、対応するAD変換器207を介して電子制御ユニット200に入力されている。電子制御ユニット200は、相対位置センサ211の出力信号に基づいて、機関本体1の機械圧縮比を検出する。可変圧縮比機構Aの詳細については、図2及び図3を参照して後述する。
吸気装置20は、吸気ポート11を介してシリンダ6内に空気を導くための装置であって、エアクリーナ21と、吸気管22と、吸気マニホールド23と、電子制御式のスロットル弁24と、スロットルセンサ212と、エアフローメータ213と、吸気圧センサ214と、を備える。
エアクリーナ21は、空気中に含まれる砂などの異物を除去する。
吸気管22は、一端がエアクリーナ21に連結され、他端が吸気マニホールド23のサージタンク23aに連結される。
吸気マニホールド23は、サージタンク23aと、サージタンク23aから分岐してシリンダヘッド側面に形成されている各吸気ポート11の開口に連結される複数の吸気枝管23bと、を備える。サージタンク23aに導かれた空気は、吸気枝管23bを介して各シリンダ6内に均等に分配される。このように、吸気管22、吸気マニホールド23及び吸気ポート11が、各シリンダ6内に空気を導くための吸気通路を形成する。
スロットル弁24は、吸気管22内に設けられる。スロットル弁24は、スロットルアクチュエータ(図示せず)によって駆動され、吸気管22の通路断面積を連続的又は段階的に変化させる。スロットルアクチュエータによってスロットル弁24の開度(以下「スロットル開度」という。)を調整することで、各シリンダ6内に吸入される空気の流量を調整することができる。スロットル開度は、スロットルセンサ212によって検出される。
エアフローメータ213は、スロットル弁24よりも上流側の吸気管22内に設けられる。エアフローメータ213は、吸気管22内を流れる空気の流量(以下「吸入吸気量」という。)を検出する。
吸気圧センサ214は、サージタンク23a内に設けられる。吸気圧センサ214は、サージタンク23a内の圧力を検出する。
排気装置30は、燃焼室10内で生じた燃焼ガス(排気)を浄化して外気に排出するための装置であって、排気マニホールド31と、排気後処理装置32と、排気管33と、空燃比センサ215と、を備える。
排気マニホールド31は、シリンダヘッド側面に形成されている各排気ポート12の開口と連結される複数の排気枝管と、排気枝管を集合させて1本にまとめた集合管と、を備える。
排気後処理装置32は、排気マニホールド31の集合管に連結される。排気後処理装置32は、排気を浄化した上で外気に排出するための装置であって、有害物質を浄化する各種の触媒(例えば三元触媒)を担体に担持させたものである。
排気管33は、一端が排気後処理装置32に連結され、他端が開口端となっている。各シリンダ6から排気ポート12を介して排気マニホールド31に排出された排気は、排気後処理装置32及び排気管33を流れて外気に排出される。
空燃比センサ215は、排気マニホールド31の集合管に設けられ、排気の空燃比を検出する。
電子制御ユニット200は、デジタルコンピュータから構成され、双方性バス201によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)202、RAM(ランダムアクセスメモリ)203、CPU(マイクロプロセッサ)204、入力ポート205及び出力ポート206を備える。
入力ポート205には、前述した相対位置センサ211やスロットルセンサ212、エアフローメータ213、吸気圧センサ214、空燃比センサ215などの出力信号の他、機関本体1を冷却する冷却水の温度を検出するための水温センサ216などからの出力信号が、対応する各AD変換器207を介して入力される。また入力ポート205には、アクセルペダル220の踏み込み量(以下「アクセル踏込量」という。)に比例した出力電圧を発生する負荷センサ217の出力電圧が、対応するAD変換器207を介して入力される。また入力ポート205には、機関回転速度などを算出するための信号として、機関本体1のクランクシャフト9が例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ218の出力信号が入力される。さらに入力ポート205には、吸気カムシャフトの回転角度を表す信号を発生するカムポジションセンサ219の出力信号が入力される。このように入力ポート205には、内燃機関100を制御するために必要な各種センサの出力信号が入力される。
出力ポート206には、対応する駆動回路208を介して燃料噴射弁17や点火プラグ18、可変圧縮比機構A、可変バルブタイミング機構Bなどの各制御部品が電気的に接続される。
電子制御ユニット200は、入力ポート205に入力された各種センサの出力信号に基づいて、各制御部品を制御するための制御信号を出力ポート206から出力して内燃機関100を制御する。
図2は、本実施形態による可変圧縮比機構Aの分解斜視図である。
図2に示すように、シリンダブロック2の両側壁の下方には互いに間隔を隔てた複数個の突出部50が形成されており、各突出部50には断面円形のカム挿入孔51が形成されている。一方、クランクケース4の上壁面上には互いに間隔を隔ててそれぞれ対応する突出部50の間に嵌合する複数個の突出部52が形成されており、これらの各突出部52にもそれぞれ断面円形のカム挿入孔53が形成されている。
また可変圧縮比機構Aは、一対のカムシャフト54,55を備えており、各カムシャフト54,55上には、所定の間隔を空けて各カム挿入孔53内に回転可能に挿入される円形カム58が固定されている。これらの円形カム58は各カムシャフト54,55の回転軸線と共軸をなす。一方、各円形カム58の両側には各カムシャフト54,55の回転軸線に対して偏心配置された偏心軸57(図3A〜図3C参照)が延びており、この偏心軸57上に別の円形カム56が偏心して回転可能に取付けられている。図2に示されるようにこれら円形カム56は各円形カム58の両側に配置されており、これら円形カム56は対応する各カム挿入孔51内に回転可能に挿入されている。
各カムシャフト54,55の一端部には、制御軸60に設けられた一対のウォーム61,62とそれぞれ噛み合うウォームホイール63,64が取り付けられている。一対のウォーム61,62は、各カムシャフト54,55をそれぞれ反対方向に回転させることができるように、螺旋方向が逆向きとなっている。制御軸60は、モータ65によって回転させられ、モータ65を回転させて各カムシャフト54,55をそれぞれ反対方向に回転させることで、図3Aから図3Cに示すように、ピストン7が圧縮上死点に位置するときの燃焼室10の容積が変更させられる。カムシャフト55にはカムシャフト55の回転角度を表す出力信号を発生するカム回転角度センサ221が取付けられており、カム回転角度センサ221の出力信号は対応するAD変換器207を介して電子制御ユニット200に入力されている。以下、図3Aから図3Cを参照して可変圧縮比機構Aの動作について説明する。
図3Aから図3Cは、可変圧縮比機構Aの動作について説明する図である。
図3Aは、可変圧縮比機構Aによって、ピストン7が圧縮上死点に位置するときの燃焼室10の容積が最大にされている状態、すなわち機械圧縮比が最小にされている状態の図である。図3Bは、可変圧縮比機構Aによって、ピストン7が圧縮上死点に位置するときの燃焼室10の容積が最大と最少との間にされている状態、すなわち機械圧縮比が最小と最大との間にされている状態の図である。図3Cは、可変圧縮比機構Aによって、ピストン7が圧縮上死点に位置するときの燃焼室10の容積が最少にされている状態、すなわち機械圧縮比が最大にされている状態の図である。
図3Aに示す状態から各カムシャフト54,55上に固定された円形カム58を、図3Aにおいて矢印で示されるように互いに反対方向に回転させると、偏心軸57が互いに離れる方向に移動するために円形カム56がカム挿入孔51内において円形カム58とは反対方向に回転する。これにより図3Bに示すように、偏心軸57の位置が高い位置から中間高さ位置となる。次いで更に円形カム58を矢印で示される方向に回転させると、図3(C)に示すように偏心軸57は最も低い位置となる。
なお図3Aから図3Cには、それぞれの状態における円形カム58の中心aと偏心軸57の中心bと円形カム56の中心cとの位置関係が示されている。
図3Aから図3Cを比較するとわかるように、クランクケース4とシリンダブロック2の相対位置は円形カム58の中心aと円形カム56の中心cとの距離によって定まり、円形カム58の中心aと円形カム56の中心cとの距離が大きくなるほどシリンダブロック2はクランクケース4から離間側に移動する。すなわち、本実施形態による可変圧縮比機構Aは、回転するカムを用いたクランク機構によりクランクケース4とシリンダブロック2間の相対位置を変化させていることになる。シリンダブロック2がクランクケース4から離れるとピストン7が圧縮上死点に位置するときの燃焼室10の容積は増大する。このように、各カムシャフト54,55を回転させることによってピストン7が圧縮上死点に位置するときの燃焼室10の容積を変更することができる。
なお、図1及び図2に示す可変圧縮比機構Aは一例を示すものであって、例えば前述した従来の内燃機関(特開2006−52697号公報に記載された内燃機関)のように、一端がピストンピンを介してピストンに連結されるアッパリンクと、アッパリンクの他端及びクランクシャフトのクランクピンに連結されるロアリンクと、クランクシャフトと略平行に配置した制御軸と、一端が制御軸に揺動可能に連結されるとともに、他端がロアリンクに連結されるコントロールリンクと、を備え、制御軸をモータによって回転させることでピストン上死点位置を変化させ、機械圧縮比を変更することができるような構成としても良い。
図4は、吸気カムシャフト41の一端部に設けられている本実施形態による可変バルブタイミング機構Bの概略構成図である。
図4に示すように、可変バルブタイミング機構Bは、クランクシャフト9によってタイミングベルトを介して矢印方向に回転させられるタイミングプーリ71と、タイミングプーリ71と一緒に回転する円筒状ハウジング72と、吸気カムシャフト41と一緒に回転し、かつ円筒状ハウジング72に対して相対回転可能な回転軸73と、円筒状ハウジング72の内周面から回転軸73の外周面まで延びる複数個の仕切壁74と、各仕切壁74の間で回転軸73の外周面から円筒状ハウジング72の内周面まで延びるベーン75と、を備える。各ベーン75の両側にはそれぞれ進角用油圧室76と遅角用油圧室77とが形成されている。
各油圧室76,77への作動油の供給制御は、電子制御ユニット200によって駆動される作動油供給制御弁78によって行われる。作動油供給制御弁78は、各油圧室76,77にそれぞれ連結された油圧ポート79,80と、油圧ポンプ81から吐出された作動油の供給ポート82と、一対のドレインポート83,84と、各ポート79,80,82,83,84間の連通遮断制御を行うスプール弁85と、を備える。
吸気カムシャフト41の吸気カム42の位相を進角すべきときは、図4においてスプール弁85が右方に移動させられ、供給ポート82から供給された作動油が油圧ポート79を介して進角用油圧室76に供給されると共に、遅角用油圧室77内の作動油がドレインポート84から排出される。このとき回転軸73は円筒状ハウジング72に対して矢印方向に相対回転させられる。
これに対し、吸気カムシャフト41の吸気カム42の位相を遅角すべきときは、図4においてスプール弁85が左方に移動させられ、供給ポート82から供給された作動油が油圧ポート80を介して遅角用油圧室77に供給されると共に、進角用油圧室76内の作動油がドレインポート83から排出される。このとき回転軸73は円筒状ハウジング72に対して矢印と反対方向に相対回転させられる。
回転軸73が円筒状ハウジング72に対して相対回転させられているときにスプール弁85が図4に示される中立位置に戻されると回転軸73の相対回転動作は停止させられ、回転軸73はそのときの相対回転位置に保持される。このようにして、可変バルブタイミング機構Bによって吸気カムシャフト41の吸気カム42の位相を所望の量だけ進角又は遅角させることができる。
図5は、可変バルブタイミング機構Bの動作について説明する図である。
図5の実線は、可変バルブタイミング機構Bによって吸気カムシャフト41の吸気カム42の位相が最も進角されているときのリフトカーブを示しており、図4の破線は、吸気カムシャフト41の吸気カム42の位相が最も遅角されているときのリフトカーブを示している。従って吸気弁13の開弁期間は図4において実線で示す範囲と破線で示す範囲との間で任意に設定することができ、吸気弁閉時期も図4において矢印Cで示す範囲内の任意のクランク角に設定することができる。
すなわち可変バルブタイミグ機構Bによって、吸気弁閉時期を、吸気カムシャフト41の吸気カム42の位相が最も進角されているときの閉弁時期(以下「進角側限界閉時期」という。)から吸気カムシャフト41の吸気カム42の位相が最も遅角されているときの閉弁時期(以下「遅角側限界閉時期」という。)までの任意の時期に変更することができる。
なお、図1及び図4に示す可変バルブタイミング機構Bは一例を示すものであって、例えば吸気弁開時期を一定に維持したまま吸気弁閉時期のみを変えることのできる可変バルブタイミング機構等、種々の形式の可変バルブタイミング機構を用いることができる。
次に図6Aから図6Cを参照して、本明細書で使用する機械圧縮比、実圧縮比及び膨張比という各用語の意味について説明する。なお、図6Aから図6Cには、各用語の説明のために燃焼室容積が50mlでピストン7の行程容積が500mlである機関本体1が示されており、これら図6Aから図6Cにおいて燃焼室容積とはピストン7が圧縮上死点に位置するときの燃焼室10の容積を表している。
図6Aは機械圧縮比について説明する図である。
機械圧縮比は、圧縮行程時のピストン7の行程容積と燃焼室容積のみから機械的に定まる値であって、(燃焼室容積+行程容積)/燃焼室容積で表される。図6Aに示される例では、機械圧縮比は(50ml+500ml)/50ml=11となる。
図6Bは実圧縮比について説明する図である。
実圧縮比は、実際に圧縮作用が開始されたときからピストン7が上死点に達するまでの実際のピストン行程容積と燃焼室容積から定まる値であって、(燃焼室容積+実際の行程容積)/燃焼室容積で表される。すなわち図6Bに示すように、圧縮行程においてピストン7が上昇を開始しても吸気弁13が開弁している間は、圧縮作用は行われず、吸気弁13が閉弁したときから実際の圧縮作用が開始される。従って実圧縮比は実際の行程容積を用いて上記の通り表される。図6Bに示される例では、実圧縮比は(50ml+450ml)/50ml=10となる。
図6Cは膨張比について説明する図である。
膨張比は、膨張行程時のピストン7の行程容積と燃焼室容積から定まる値であって、(燃焼室容積+行程容積)/燃焼室容積で表される。図6Cに示される例では、膨張比は(50ml+500ml)/50ml=11となる。
図7は、理論熱効率と膨張比との関係を示す図である。
図7における実線は実圧縮比と膨張比とがほぼ等しい通常のサイクルにおける理論熱効率の変化を示している。この場合には膨張比が大きくなるほど、すなわち実圧縮比が高くなるほど理論熱効率が高くなることがわかる。したがって、通常のサイクルにおいて理論熱効率を高めるには実圧縮比を高くすればよいことになる。しかしながら機関高負荷運転時におけるノッキングの発生の制約により実圧縮比はある程度までしか高くすることができず、斯くして通常のサイクルにおいては理論熱効率を十分に高くすることはできない。
一方、このような状況下で機械圧縮比と実圧縮比とを厳密に区分しつつ理論熱効率を高めることが検討され、その結果、理論熱効率は膨張比が支配し、理論熱効率に対して実圧縮比が与える影響は比較的小さいことがわかった。すなわち、実圧縮比を高くすると爆発力は高まるが、圧縮に必要なエネルギが大きくなり、結果として実圧縮比を高めても理論熱効率はほとんど高くならないことがわかった。
これに対し、膨張比を大きくすると膨張行程時にピストン7に対し押下げ力が作用する期間が長くなり、ピストン7がクランクシャフト9に回転力を与えている期間が長くなる。したがって、膨張比を大きくするほど理論熱効率が高くなる。図7の破線ε=10は実圧縮比を10に固定した状態で膨張比を高くしていった場合の理論熱効率を示している。このように実圧縮比εを低い値に維持した状態で膨張比を高くしたときの理論熱効率の上昇量と、図7に実線で示す実圧縮比が膨張比と共に増大していく場合の理論熱効率の上昇量とは大きな差がないことがわかる。
このように実圧縮比が低い値に維持されているとノッキングが発生することがなく、従って実圧縮比を低い値に維持した状態で膨張比を高くするとノッキングの発生を阻止しつつ理論熱効率を大幅に高めることができる。そして一般的に、内燃機関は機関負荷が低いときほど熱効率が悪くなる傾向にあるので、機関運転時における熱効率を向上させて燃費を向上させるためには、機関負荷が低いときの熱効率を向上させることが有効である。
以下、図8及び図9を参照して、本実施形態による可変圧縮比機構A及び可変バルブタイミング機構Bの基本的な制御について説明する。
図8は、機関本体1の運転領域を示す図である。以下では便宜上、機関本体1の運転領域を第1負荷ラインと第2負荷ラインとによって三等分したときの第1負荷ライン以下の領域を低負荷領域という。第2負荷ライン以下の領域であって低負荷領域を除く領域を中負荷領域という。第2負荷ラインよりも機関負荷の高い領域を高負荷領域という。図9は、図8において機関回転速度を一定とした場合の機関負荷に応じた吸入空気量、吸気弁閉時期、機械圧縮比、膨張比、実圧縮比、及びスロットル開度の各変化を示す図である。
電子制御ユニット200は、機関回転速度と機関負荷とに基づいて定まる機関運転状態が、図8に示す中負荷領域内のやや第1負荷ライン側に存在する負荷ラインL1以下の領域にあるときは、図9に示すように吸気弁閉時期を吸気下死点から最も遅角させた遅角側限界閉時期に固定し、スロットル弁24によって吸入空気量を制御すると共に、機械圧縮比を上限機械圧縮比に固定する。なお上限機械圧縮比とは、燃焼室容積が最少にされているとき(図3Cの状態)の機械圧縮比である。
このように電子制御ユニット200は、機関運転状態が負荷ラインL1以下の領域にあるときは、機械圧縮比を上限機械圧縮比に固定することで膨張比を最大膨張比に維持し、吸気弁閉時期を遅角側限界閉時期に固定することで実圧縮比をノッキングやプレイグニッションが発生しない所定の基準圧縮比(本実施形態では11)に維持する。
図6Aから図6Cに示した機関本体1に適用した場合、吸気弁閉時期を遅角側限界閉時期に固定することで、例えば実際のピストン行程容積が500mlから200mlになっており、機械圧縮比を上限機械圧縮比に固定することで、例えば燃焼室容積が50mlから20mlになっている。したがって、図6Aから図6Cに示した機関本体1では、機関運転状態が低負荷領域にあるときは、実圧縮比が(20ml+200ml)/20ml=11となっており、膨張比が(20ml+500ml)/20ml=26となっている。
これにより負荷ラインL1以下の領域内においては、実圧縮比をノッキングが発生しない基準圧縮比に維持しつつ、膨張比を最大膨張比に維持することができるので、ノッキングの発生を抑制しつつ理論熱効率を大幅に高めることができる。
そして電子制御ユニット200は、機関運転状態が負荷ラインL1以下の領域にあるときは、吸入空気量が機関負荷に応じた目標吸入空気量となるようにスロットル弁24を制御している。具体的には図9に示すように、機関回転速度が一定であるとすると、機関負荷が図8に示す負荷ラインL1上のA点に存在するときにスロットル弁24が全開となるように、機関負荷が高くなるほどスロットル開度を大きくしている。そのため、機関負荷が負荷ラインL1よりも高くなると、もはやスロットル弁24で吸入空気量を制御できなくなる。そこで機関負荷が負荷ラインL1よりも高くなったときは、吸気弁閉時期を遅角側限界閉時期から吸気下死点側に進角させることで、吸入空気量を増大させる。
すなわち電子制御ユニット200は、機関運転状態が負荷ラインL1よりも高い領域にあるときは、スロットル弁24を全開に固定し、可変バルブタイミング機構Bによって吸入空気量を制御すると共に、実圧縮比が基準圧縮比に維持されるように機械圧縮比を上限機械圧縮比から低下させる。
具体的には、図9に示すように電子制御ユニット200は、機関回転速度が一定であるとすると、機関負荷が図8に示す全負荷ライン上のB点に存在するときに吸気弁閉時期が進角側限界閉時期となるように、機関負荷が高くなるほど吸気弁閉時期を遅角側限界閉時期から吸気下死点側に進角させることで吸入空気量を増大させる。そして電子制御ユニット200は、実圧縮比が基準圧縮比に維持されるように、機関負荷が高くなるほど機械圧縮比を上限機械圧縮比から低下させる。
図6Aから図6Cに示した機関本体1において、吸気弁閉時期を遅角側限界閉時期から吸気下死点側に進角させることで、例えば実際のピストン行程容積が500mlから400mlになったとすると、実圧縮比を所定の基準圧縮比(本実施形態では11)に維持するために、電子制御ユニット200は燃焼室容積が40mlとなるように機械圧縮比を低下させる。
このように、負荷ラインL1よりも高い領域内においては、吸気弁閉時期が進角側限界閉時期に向けて制御され、吸気弁閉時期に応じて変化する実圧縮比を基準圧縮比に維持するために、機械圧縮比が上限機械圧縮比よりも小さくされる。そのため、負荷ラインL1よりも高い領域内においても、膨張比が最大膨張比よりも小さくなるものの、引き続き膨張比を実圧縮比よりも高い値に維持した状態で機関本体1を運転させることができる。よって、負荷ラインL1よりも高い領域内においても、ノッキングの発生を抑制しつつ理論熱効率を高めることができる。また、負荷ラインL1よりも高い領域ではスロットル弁24が全開に固定されているので、ポンピング損失をほぼゼロにすることができる。
このように本実施形態では、機関運転状態に基づいて可変圧縮比機構Aと可変バルブタイミング機構Bとを協調的に制御することで、全運転領域で実圧縮比をノッキングが発生しない基準圧縮比に維持しつつ、実圧縮比よりも膨張比を高めた状態で機関本体1を運転させている。
続いて、本実施形態による可変圧縮比機構Aの詳細な制御について説明する。
可変圧縮比機構Aを備える内燃機関100の場合、ノッキングの発生を抑制しつつ、理論熱効率を最も高めた状態で機関本体1を運転させることができる機械圧縮比(以下「最適圧縮比」という。)が、機関運転状態ごとに存在する。この最適圧縮比は、換言すれば、或る機関運転状態において、燃費が最も良くなると考えられる機械圧縮比である。
ここで電子制御ユニット200は、機械圧縮比が目標圧縮比となるように、可変圧縮比機構Aを制御している。したがって、目標圧縮比を最適圧縮比に設定して、機械圧縮比が機関運転状態に応じた最適圧縮比となるように可変圧縮比機構Aを制御するのが望ましいとも考えられる。
しかしながら、可変圧縮比機構Aによって機械圧縮比を変更するためには、モータ65を駆動して制御軸60を回転させる必要があり、その際にはモータ65を駆動するための電力が消費される。このモータ65を駆動するときに消費される電力は、機関本体1の動力によって発電されてバッテリに蓄えられた電力である。したがってモータ65を駆動したときは、その際に消費される電力を発電するために必要な動力分の燃料が消費されたということができる。
機関運転状態の変化に伴って最適圧縮比が高圧縮比側に変化した場合において、最適圧縮比の変化量(増加量)が少ないときは、機械圧縮比を最適圧縮比に制御して理論熱効率を高めたとしても理論熱効率の上昇量は小さく、したがって理論熱効率を高めたことによって得られる燃費向上効果も小さい。そのため、最適圧縮比の増加量が少ないときは、機械圧縮比を最適圧縮比に制御して理論熱効率を高めたとしても、理論熱効率を高めたことによって得られる燃費向上効果が、モータ65を駆動することによって消費される燃料量に見合わないことがある。すなわち、最適圧縮比の変化量が少ないにもかかわらず、そのたびに機械圧縮比を最適圧縮比に制御すると、例えば最適圧縮比が頻繁に上下動したときなどは、機械圧縮比を最適圧縮比に制御して理論熱効率を高めたとしても、モータ65を駆動することによって消費される燃料量の影響が大きくなってかえって燃費が悪化し、所望の燃費向上効果を得られないことがある。
そこで本実施形態では、機関運転状態の変化に伴って最適圧縮比が高圧縮比側に変化した場合には、モータ65を駆動することによって消費される燃料量を考慮しても燃費向上効果が得られる場合に限り、目標圧縮比を変更して機械圧縮比を高圧縮比側に変化させることとした。
以下、図10から図13を参照して、この本実施形態による圧縮比制御の内容について説明する。
図10は、本実施形態による圧縮比制御について説明するフローチャートである。電子制御ユニット200は、本ルーチンを所定の演算周期Δt(例えば10[ms])で繰り返し実行する。
ステップS1において、電子制御ユニット200は、負荷センサ217によって検出された機関負荷と、クランク角センサ218の出力信号に基づいて算出された機関回転速度と、を読み込み、機関運転状態を検出する。
ステップS2において、電子制御ユニット200は、予め実験等によって作成されたマップ等を参照し、機関運転状態に基づいて最適圧縮比を算出する。本実施形態では、機関運転状態が図8の負荷ラインL1以下の運転領域内にあるときは、上限機械圧縮比が最適圧縮比とされる。また機関運転状態が図8の負荷ラインL1より高い運転領域内にあるときは、上限機械圧縮比よりも低い機械圧縮比が最適圧縮比とされる。
ステップS3において、電子制御ユニット200は、本ルーチンとは別途に機関運転中に随時設定しているフラグF1の値を読み込み、フラグF1が1に設定されているか否かを判定する。フラグF1は、初期値が0に設定されているフラグであって、機関運転状態の変化に伴って最適圧縮比が増加し始めたときに1に設定され、最適圧縮比が減少し始めたときに0に戻される。電子制御ユニット200は、フラグF1が1に設定されていれば、ステップS4の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、フラグF1が0に設定されていれば、ステップS9の処理に進む。なお、フラグF1の設定制御については、図13を参照して後述する。
ステップS4において、電子制御ユニット200は、変更許可圧縮比算出処理を実施する。変更許可圧縮比算出処理は、目標圧縮比を現在の目標圧縮比(以下「現状目標圧縮比」という。)よりも高い目標圧縮比に変更する場合において、モータ65を駆動することによって消費される燃料量を考慮しても燃費向上効果が得られる、現状目標圧縮比よりも高圧縮比側の機械圧縮比(以下「変更許可圧縮比」という。)を算出するための処理である。変更許可圧縮比算出処理の詳細な内容については、図11を参照して後述する。
ステップS5において、電子制御ユニット200は、最適圧縮比が変更許可圧縮比以上か否かを判定する。電子制御ユニット200は、最適圧縮比が変更許可圧縮比以上であれば、モータ65を駆動することによって消費される燃料量を考慮しても燃費向上効果が得られると判断してステップS6の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、最適圧縮比が変更許可圧縮比未満であれば、機械圧縮比を最適圧縮比に制御しても所期の燃費向上効果が得られないと判断してステップS7の処理に進む。
ステップS6において、電子制御ユニット200は、目標圧縮比を変更許可圧縮比に設定する。
ステップS7において、電子制御ユニット200は、目標圧縮比を変化させず、目標圧縮比を現状目標圧縮比のままとする。
ステップS8において、電子制御ユニット200は、機械圧縮比が目標圧縮比となるように、可変圧縮比機構Aを制御する。このとき本実施形態では、モータ65の回転速度(以下「モータ回転速度」という。)が最高回転速度となるようにモータ65を制御している。これにより、モータ65を駆動することによって消費される燃料量を考慮しても燃費向上効果が得られると判断された場合には、機械圧縮比を目標圧縮比に向けて素早く制御することができるので、理論熱効率を高めることによる燃費向上効果を素早く得ることができる。
ステップS9において、電子制御ユニット200は、最適圧縮比が現状目標圧縮比未満か否かを判定する。電子制御ユニット200は、最適圧縮比が現状目標圧縮比未満であれば、ステップS10の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、最適圧縮比が現状目標圧縮比よりも高ければ、ステップS11の処理に進む。
ステップS10において、電子制御ユニット200は、目標圧縮比を最適圧縮比に設定する。
ステップS11において電子制御ユニット200は、目標圧縮比を変化させず、目標圧縮比を現状目標圧縮比のままとする。
図11は、本実施形態による変更許可圧縮比算出処理の内容について説明するフローチャートである。
ステップS21において、電子制御ユニット200は、図12の加算値マップを参照し、機関回転速度と、現状目標圧縮比と、に基づいて、現状目標圧縮比に加算して変更許可圧縮比を算出するための加算値Aを算出する。
加算値マップは、機関回転速度が同じであれば、現状目標圧縮比が高いときほど加算値Aが大きくなるように構成されている。すなわち加算値マップは、現状目標圧縮比が高いときほど、目標圧縮比の変更が行われ難くなるように構成されている。
これは、仮に機械圧縮比を高圧縮比側に変化させる際の変化量が同じであるとすると、機械圧縮比が相対的に低い状態から機械圧縮比を高圧縮比側に変化させた際の理論熱効率の上昇量に対して、機械圧縮比が相対的に高い状態から機械圧縮比を高圧縮比側に変化させた際の理論熱効率の上昇量は小さくなるためである。すなわち、現状目標圧縮比から高圧縮比側に目標圧縮比を変更する場合には、現状目標圧縮比が高いときほど、現状目標圧縮比から高圧縮比側に大きく圧縮比を変化させなければ、モータ65を駆動することによって消費される燃料量に見合う燃費向上効果を得ることができないためである。
また加算値マップは、現状目標圧縮比が同じであれば、機関回転速度が高いときほど加算値Aが大きくなるように構成されている。すなわち加算値マップは、機関回転速度が高いときほど、目標圧縮比の変更が行われ難くなるように構成されている。
これは、機関回転速度が高い状態のまま機関本体1の運転が行われる時間は短い場合が多く、機関回転速度が高くなったために機械圧縮比を高圧縮比側に変更したときは、短時間で機械圧縮比を低圧縮比側に変更しなければならない場合が多いためである。すなわち、機械圧縮比を高圧縮比に維持して機関本体1の運転を行う時間が短いと、機械圧縮比を一時的に高くして理論熱効率を高めたとしても、モータ65を駆動することによって消費される燃料量に見合う燃費向上効果を得ることができないためである。
なお本実施形態では、機関回転速度と現状目標圧縮比とに基づいて加算値Aを算出しているが、機関回転速度及び現状目標圧縮比の一方に基づいて加算値Aを算出するようにしても良い。
ステップS22において、電子制御ユニット200は、現状目標圧縮比に加算値Aを加算して変更許可圧縮比を算出する。
図13は、フラグF1の設定制御について説明するフローチャートである。電子制御ユニット200は、本ルーチンを機関運転中に所定の演算周期Δt(例えば10[ms])で繰り返し実行する。
ステップS31において、電子制御ユニット200は、負荷センサ217によって検出された機関負荷と、クランク角センサ218の出力信号に基づいて算出された機関回転速度と、を読み込み、機関運転状態を検出する。
ステップS32において、電子制御ユニット200は、前述した図10のステップS2と同様に、予め実験等によって作成されたマップ等を参照し、機関運転状態に基づいて最適圧縮比を算出する。
ステップS33において、電子制御ユニット200は、フラグF1が0に設定されているか否かを判定する。電子制御ユニット200は、フラグF1が0に設定されていれば、ステップS34の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、フラグF1が1に設定されていれば、ステップS36の処理に進む。
ステップS34において、電子制御ユニット200は、最適圧縮比が増加し始めたか否かを判定する。本実施形態では電子制御ユニット200は、今回の処理で算出された最適圧縮比が、前回の処理で算出された最適圧縮比よりも高くなっていれば、最適圧縮比が増加し始めたと判定する。電子制御ユニット200は、最適圧縮比が増加し始めていればステップS35の処理に進む。電子制御ユニット200は、最適圧縮比が増加し始めていなければ今回の処理を終了する。
ステップS35において、電子制御ユニット200は、フラグF1を1に設定する。
ステップS36において、電子制御ユニット200は、最適圧縮比が低下し始めたか否かを判定する。本実施形態では電子制御ユニット200は、今回の処理で算出された最適圧縮比が、前回の処理で算出された最適圧縮比よりも低くなっていれば、最適圧縮比が低下し始めたと判定する。電子制御ユニット200は、最適圧縮比が低下し始めていればステップS37の処理に進む。電子制御ユニット200は、最適圧縮比が低下し始めていなければ今回の処理を終了する。
ステップS37において、電子制御ユニット200は、フラグF1を0に戻す。
以下、図14及び図15を参照して、この本実施形態による圧縮比制御の動作について説明する。図14は、本実施形態による圧縮比制御の動作について説明するタイムチャートである。図15は、図14において破線で囲まれた部分の拡大図である。
図14において、時刻t1以前は、機関本体1を始動させた後のアイドル運転状態であるものとする。なお本実施形態では、機関本体1の停止時に機械圧縮比が上限機械圧縮比となるように可変圧縮機構Aを制御しており、機関本体1を始動するときには目標圧縮比を上限機械圧縮比に設定して機関本体1を始動させている。
図14に示すように、時刻t1でアクセルペダルが踏み込まれた後は、アクセル踏込量に応じて機関運転状態が変化し、機関運転状態に応じて最適圧縮比が変化する。
具体的には、時刻t2までは、アクセル踏込量が少なく(機関負荷が低く)、機関運転状態が図8の負荷ラインL1以下の領域にあるため、最適圧縮比は上限機械圧縮比となる。時刻t2以降、機関運転状態が負荷ラインL1よりも高い領域に入ると、時刻t3でアクセル踏込量が一定となって機関運転状態が一定となるまで、アクセル踏込量の増加(機関負荷の増加)に伴って、最適圧縮比が上限機械圧縮比から低下していく。
このとき、機関本体1を始動してから最適圧縮比が増加し始める時刻t4までは、フラグF1は初期値の0に設定されている。フラグF1が0に設定されているときは、最適圧縮比が現状目標圧縮比よりも高くなっているとき以外は、最適圧縮比が目標圧縮比となる。そのため、図14に示すように時刻t4までは、実際の機械圧縮比(以下「実機械圧縮比」という。)が最適圧縮比に一致するように可変圧縮比機構Aが制御される。
時刻t4以降、アクセル踏込量が減少すると、機関負荷の低下に伴って最適圧縮比が増加していく。これにより、フラグF1が1に設定される。
フラグF1が1に設定されると、図15に示すように、最適圧縮比が変更許可圧縮比以上となるまで、目標圧縮比が現状目標圧縮比に維持される。
すなわち、図15において、時刻t4で最適圧縮比が増加し始めてフラグF1が1に設定されると、現状目標圧縮比tε1等に基づいて加算値A1が算出される。そして、最適圧縮比が現状目標圧縮比tε1に加算値A1を加算した変更許可圧縮比εlim1以上になるまで、目標圧縮比が現状目標圧縮比tε1に維持される。
時刻t41で、最適圧縮比が変更許可圧縮比εlim1以上になると、目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim1に変更され、実機械圧縮比が変更許可圧縮比εlim1となるように可変圧縮比機構Aが制御される。
また時刻t41で、目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim1に変更されると、時刻t41以降は、現状目標圧縮比tε2(=εlim1)等に基づいて加算値A2が算出される。そして、最適圧縮比が現状目標圧縮比tε2に加算値A2を加算した変更許可圧縮比εlim2以上になるまで、目標圧縮比が現状目標圧縮比tε2に維持される。
時刻t42で、最適圧縮比が変更許可圧縮比εlim2以上になると、目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim2に変更され、実機械圧縮比が変更許可圧縮比εlim2となるように可変圧縮比機構Aが制御される。なお、現状目標圧縮比tε2は現状目標圧縮比tε1よりも高いので、加算値A2は基本的に加算値A1よりも大きい値となる。
また時刻t42で、目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim2に変更されると、時刻t42以降は、現状目標圧縮比tε3(=εlim2)等に基づいて加算値A3が算出される。そして、最適圧縮比が現状目標圧縮比tε3に加算値A3を加算した変更許可圧縮比εlim3以上になるまで、目標圧縮比が現状目標圧縮比tε3に維持される。
時刻t43で、最適圧縮比が変更許可圧縮比εlim3以上になると、目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim3に変更され、実機械圧縮比が変更許可圧縮比εlim3となるように可変圧縮比機構Aが制御される。なお、現状目標圧縮比tε3は現状目標圧縮比tε2よりも高いので、加算値A3は基本的に加算値A2よりも大きい値となる。
時刻t43で、目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim3に変更されると、現状目標圧縮比tε4(=εlim3)等に基づいて加算値A4が算出される。そして、最適圧縮比が現状目標圧縮比tε4に加算値A4を加算した変更許可圧縮比εlim4以上になるまで、目標圧縮比が現状目標圧縮比tε4に維持される。
このとき図14及び図15に示す例では、時刻t5で、アクセル踏込量が一定となって機関運転状態が一定となる。そのため、時刻t5で最適圧縮比の増加が止まり、最適圧縮比が一定となる。その結果、最適圧縮比が変更許可圧縮比εlim4以上とならないので、目標圧縮比は現状目標圧縮比tε4(=εlim3)に維持されたままとなる。
このように、本実施形態による圧縮比制御では、機関運転状態の変化に伴って最適圧縮比が高圧縮比側に変化したときは、最適圧縮比が変更許可圧縮比以上となったときに限り目標圧縮比が変更許可圧縮比に変更される。これにより、モータ65を駆動することによって消費される燃料量を考慮しても燃費向上効果が得られる場合に限り、目標圧縮比を変更して実機械圧縮比を高圧縮比側に変化させることができる。
時刻t6以降、アクセル踏込量が増加すると、機関負荷の増加に伴って最適圧縮比が低下していく。これにより、フラグF1が0に戻される。
これにより、時刻t6以降は、時刻t61において最適圧縮比が現状目標圧縮比tε4に低下するまでは、目標圧縮比は現状目標圧縮比tε4に維持される。そして、時刻t61以降は、最適圧縮比が目標圧縮比となり、実機械圧縮比が最適圧縮比に一致するように可変圧縮比機構Aが制御される。
以上説明した本実施形態によれば、機関本体1と、モータ65を駆動することによって機関本体1の機械圧縮比を変更可能に構成された可変圧縮比機構Aと、を備える内燃機関100を制御するための電子制御ユニット200(制御装置)が、機械圧縮比を目標圧縮比に制御する圧縮比制御部を備える。そして圧縮比制御部は、機関運転状態に基づいて、当該機関運転状態での最適圧縮比を算出する最適圧縮比算出部と、最適圧縮比が目標圧縮比よりも高いときに、モータ65を駆動することによって消費される燃料量を考慮しても燃費向上効果が得られる目標圧縮比よりも高い変更許可圧縮比を算出する変更許可圧縮比算出部と、最適圧縮比が目標圧縮比よりも高い場合は、最適圧縮比が前記変更許可圧縮比以上となったときに、目標圧縮比を当該変更許可圧縮比に変更する目標圧縮比変更部と、を備えるように構成されている。
これにより、機関運転状態の変化に伴って最適圧縮比が高圧縮比側に変化したときは、最適圧縮比が変更許可圧縮比以上となったときに限り目標圧縮比が変更許可圧縮比に変更される。そのため、モータ65を駆動することによって消費される燃料量を考慮しても燃費向上効果が得られる場合に限り、目標圧縮比を変更して機械圧縮比を高圧縮比側に変化させることができる。そのため、機械圧縮比を高圧縮比側に変化させることで所望の燃費向上効果を得ることができる。また、モータ65が頻繁に駆動されることによって生じるモータ65の劣化も抑制することができる。
また本実施形態では、変更許可圧縮比算出部が、目標圧縮比に加算して変更許可圧縮比を算出するための加算値Aを算出する加算値算出部を備えるように構成されている。そして加算値算出部が、目標圧縮比が低いときに比べて高いときほど加算値Aを大きくするように構成されている。
現状目標圧縮比から高圧縮比側に目標圧縮比を変更する場合には、現状目標圧縮比が高いときほど、現状目標圧縮比から高圧縮比側に大きく圧縮比を変化させなければ、モータ65を駆動することによって消費される燃料量に見合う燃費向上効果を得ることができない。すなわち、現状目標圧縮比が高いときほど、現状目標圧縮比対して変更許可圧縮比が高くなる傾向にある。したがって、本実施形態のように目標圧縮比に加算値Aを加算した変更許可圧縮比を算出するにあたって、目標圧縮比が低いときに比べて高いときほど加算値を大きくすることで、このような傾向に合わせた適切な変更許可圧縮比を算出することができる。したがって、目標圧縮比を変更許可圧縮比に変更することで、燃費向上効果を確実に得ることができる。
また本実施形態では、加算値算出部が、機関回転速度が低いときに比べて高いときほど、加算値Aを大きくするようにさらに構成されている。
機関回転速度が高い状態のまま機関本体1の運転が行われる時間は短い場合が多く、機関回転速度の上昇に伴って最適圧縮比が高圧縮比側に変化したとしても、短時間で最適圧縮比が低圧縮比側に変化する場合が多い。機械圧縮比を高圧縮比に維持して機関本体1の運転を行う時間が短いと、機械圧縮比を一時的に高くして理論熱効率を高めたとしても、モータ65を駆動することによって消費される燃料量に見合う燃費向上効果を得ることができない場合がある。したがって、本実施形態のように目標圧縮比に加算値Aを加算した変更許可圧縮比を算出するにあたって、機関回転速度が低いときに比べて高いときほど加算値Aを大きくすることで、機関回転速度が高いときには目標圧縮比の変更が行われ難くすることができる。そのため、機関回転速度の一時的な上昇によって目標圧縮比が変更されるのを抑制できるので、燃費の悪化を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、機械圧縮比を高圧縮比側に変更するときのモータ65の回転速度(モータ回転速度)を、機械圧縮比が目標圧縮比にある程度まで近づいたら低下させる点で、第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
次に本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、機械圧縮比を高圧縮比側に変更するときのモータ65の回転速度(モータ回転速度)を、機械圧縮比が目標圧縮比にある程度まで近づいたら低下させる点で、第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
前述した第1実施形態では、目標圧縮比が高圧縮比側に変更されて、機械圧縮比を高圧縮比側に変更するときは、モータ回転速度を最高回転速度として、機械圧縮比を目標圧縮比(変更許可圧縮比)に向けて制御していた。
しかしながら、最適圧縮比が変更許可圧縮比以上となったときに目標圧縮比を変更許可圧縮比に変更するようにすると、図15に示されるように目標圧縮比が段階的に変更される場合がある。そのため、機械圧縮比を高圧縮比側に変更する際のモータ回転速度を最高回転速度とすると、機械圧縮比が最終的な目標圧縮比に制御される前の段階において、駆動モータの停止、及び再駆動が繰り返される場合がある。図15に示した例では、機械圧縮比が最終的な目標圧縮比(=変更許可圧縮比εlim3)に制御される前の段階において、機械圧縮比が変更許可圧縮比εlim1、及び変更許可圧縮比εlim2に一旦制御され、モータ65の停止、及び再駆動が繰り返されている。
ここで、駆動中のモータ65を完全に停止させるモータ停止時や、停止中のモータ65を駆動させるモータ再駆動時には、一時的に多量の電力が消費される。そのため、機械圧縮比を最終的な目標圧縮比に制御する前の段階において、モータ65の停止、及び再駆動が繰り返されることは、燃費向上及びモータ65の劣化抑制の観点から可能な限り回避することが望ましい。
そこで本実施形態では、機械圧縮比を高圧縮比側に変更する際には、機械圧縮比が目標圧縮比にある程度近づくまではモータ回転速度を最高回転速度とし、機械圧縮比が目標圧縮比にある程度まで近づいた後はモータ回転速度を最高回転速度よりも低い所定の低回転速度まで低下させることとした。以下、この本実施形態によるモータ制御について説明する。
図16は、本実施形態によるモータ制御について説明するフローチャートである。電子制御ユニット200は、本ルーチンを所定の演算周期Δt(例えば10[ms])で繰り返し実行する。
ステップS41において、電子制御ユニット200は、フラグF1を読み込み、フラグF1が1に設定されているか否かを判定する。電子制御ユニット200は、フラグF1が1に設定されていればステップS42の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、フラグF1が0に設定されていれば今回の処理を終了する。
ステップS42において、電子制御ユニット200は、速度切替圧縮比算出処理を実施する。速度切替圧縮比算出処理は、機械圧縮比を高圧縮比側に変更する際にモータ回転速度を最高回転速度から低回転速度に切り替える圧縮比(以下「速度切替圧縮比」という。)を算出するための処理である。速度切替圧縮比算出処理の詳細な内容については、図17を参照して後述する。
ステップS43において、電子制御ユニット200は、目標圧縮比と実機械圧縮比とが一致しているか否かを判定する。電子制御ユニット200は、目標圧縮比を実機械圧縮比とが一致していればステップS44の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、目標圧縮比と実機械圧縮比とが一致していなければステップS45の処理に進む。
ステップS44において、電子制御ユニット200は、モータ65を停止させる。
ステップS45において、電子制御ユニット200は、実機械圧縮比が速度切替圧縮比未満か否かを判定する。電子制御ユニット200は、実機械圧縮比が速度切替圧縮比未満であればステップS46の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、実機械圧縮比が速度切替圧縮比以上であればステップS47の処理に進む。
ステップS46において、電子制御ユニット200は、モータ回転速度が最高回転速度となるように、モータ65を制御する。
ステップS47において、電子制御ユニット200は、モータ回転速度を低回転速度となるように、モータ65を制御する。
図17は、速度切替圧縮比算出処理の内容について説明するフローチャートである。
ステップS51において、電子制御ユニット200は、図18の減算値マップを参照し、機関回転速度と、現状目標圧縮比と、に基づいて、現状目標圧縮比から減算して速度切替圧縮比を算出するための減算値Bを算出する。
図18の減算値マップは、加算値マップと同様に、機関回転速度が同じであれば、現状目標圧縮比が高くなるほど減算値Bが大きくなるように構成されている。逆を言えば、現状目標圧縮比が低いときほど、減算値Bが小さくなるように構成されている。
これは、前述した通り、機械圧縮比が相対的に高い状態から機械圧縮比を高圧縮比側に変化させた際の理論熱効率の上昇量に対して、機械圧縮比が相対的に低い状態から機械圧縮比を高圧縮比側に変化させた際の理論熱効率の上昇量は大きくなる。そのため、現状目標圧縮比が低いときほど減算値Bを小さくして機械圧縮比を素早く目標圧縮比に近づけた方が、燃費向上効果が高くなるためである。
また図18の減算値マップは、加算値マップと同様に、現状目標圧縮比が同じであれば、機関回転速度が高くなるほど減算値Bが大きくなるように構成されている。
これは前述したように機関回転速度が高い状態のまま機関本体1の運転が行われる時間は短い場合が多く、機関回転速度が高くなったために機械圧縮比を高圧縮比側に変更したときは、短時間で機械圧縮比を低圧縮比側に変更しなければならない場合が多い。そのため、機関回転速度が高いときに機械圧縮比を素早く高圧縮比側の目標圧縮比に到達させても、機械圧縮比をすぐに低圧縮比側に変化させなければならなくなるおそれがある。そうすると、モータ65の停止、及び再駆動を行う必要があり、燃費が悪化してしまう。
これに対し、機関回転速度が高いときには所定値Bを大きくして、機械圧縮比が目標圧縮比に到達するまでの時間を長くすることで、機械圧縮比が高圧縮比側の目標圧縮比に到達してモータ65を停止させる前に、機械圧縮比を低圧縮比側に変化させることができる場合がある。この場合には、モータ65の停止、及び再駆動を行う必要がなくなるので、燃費の悪化を防止できる。そこで本実施形態では、現状目標圧縮比が同じであれば、機関回転速度が高くなるほど減算値Bが大きくなるように減算値マップを構成しているのである。
なお本実施形態では、機関回転速度と現状目標圧縮比とに基づいて減算値Bを算出しているが、機関回転速度及び現状目標圧縮比の一方に基づいて減算値Bを算出するようにしても良い。
ステップS52において、電子制御ユニット200は、現状目標圧縮比から減算値Bを減算して速度切替圧縮比を算出する。
図19は、本実施形態によるモータ制御の動作について説明するタイムチャートである。
図15を参照して前述した第1実施形態のときと同様に、図19において、時刻t4で最適圧縮比が増加し始めてフラグF1が1に設定されると、最適圧縮比が現状目標圧縮比tε1に加算値A1を加算した変更許可圧縮比εlim1以上になるまで、目標圧縮比が現状目標圧縮比tε1に維持される。
時刻t41で、最適圧縮比が変更許可圧縮比εlim1以上になると、目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim1に変更され、機械圧縮比が変更許可圧縮比εlim1となるように可変圧縮比機構Aが制御される。
また時刻t41で目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim1に変更されると、変更後の目標圧縮比、すなわち現状目標圧縮比tε2(=εlim1)等に基づいて減算値B1が算出され、現状目標圧縮比tε2から所定値B1を減算した速度切替圧縮比εsw1が算出される。
そして時刻t41以降、機械圧縮比が変更許可圧縮比εlim1となるように可変圧縮比機構Aを制御する際には、時刻t42で実機械圧縮比が速度切替圧縮比εsw1以上となるまでは、モータ回転速度が最高回転速度となるようにモータ65が制御される。そして、時刻t42で実機械圧縮比が速度切替圧縮比εsw1以上になった後は、モータ回転速度が所定の低回転速度となるようにモータ65が制御される。
時刻t43で、最適圧縮比が現状目標圧縮比tε2に加算値A2を加算した変更許可圧縮比εlim2以上になると、目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim2に変更され、機械圧縮比が変更許可圧縮比εlim2となるように可変圧縮比機構Aが制御される。
また時刻t43で目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim2に変更されると、変更後の目標圧縮比、すなわち現状目標圧縮比tε3(=εlim2)等に基づいて減算値B2が算出され、現状目標圧縮比tε3から所定値B2を減算した速度切替圧縮比εsw2が算出される。
そして時刻t43以降、機械圧縮比が変更許可圧縮比εlim2となるように可変圧縮比機構Aを制御する際には、時刻t44で実機械圧縮比が速度切替圧縮比εsw2以上となるまでは、モータ回転速度が最高回転速度となるようにモータ65が制御される。そして、時刻t44で実機械圧縮比が速度切替圧縮比εsw2以上になった後は、モータ回転速度が所定の低回転速度となるようにモータ65が制御される。
時刻t45で、最適圧縮比が現状目標圧縮比tε3に加算値A3を加算した変更許可圧縮比εlim3以上になると、目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim3に変更され、機械圧縮比が変更許可圧縮比εlim3となるように可変圧縮比機構Aが制御される。
また時刻t45で目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim3に変更されると、変更後の目標圧縮比、すなわち現状目標圧縮比tε4(=εlim3)等に基づいて減算値B3が算出され、現状目標圧縮比tε4から所定値B3を減算した速度切替圧縮比εsw3が算出される。
そして時刻t45以降、機械圧縮比が変更許可圧縮比εlim3となるように可変圧縮比機構Aを制御する際には、時刻t51で実機械圧縮比が速度切替圧縮比εsw3以上となるまでは、モータ回転速度が最高回転速度となるようにモータ65が制御される。そして、時刻t51で実機械圧縮比が速度切替圧縮比εsw3以上になった後は、モータ回転速度が所定の低回転速度となるようにモータ65が制御される。
時刻t52で、目標圧縮比と実機械圧縮比とが一致すると、モータ65が停止される。
以上説明した本実施形態によれば、電子制御ユニット200(制御装置)は、前述した圧縮比制御部に加え、モータ65の回転速度を制御するモータ制御部をさらに備える。そしてモータ制御部は、機械圧縮比を目標圧縮比に向けて高くする場合において、機械圧縮比が当該目標圧縮比よりも低い速度切替圧縮比まで高くなった後は、機械圧縮比が当該速度切替圧縮比まで高くなる前と比べてモータ65の回転速度を遅くするように構成されている。
これにより、目標圧縮比が段階的に変更されたとしても、機械圧縮比が最終的な目標圧縮比に制御される前の段階において、モータ65の停止、及び再駆動が繰り返されることを抑制できる。そのため、モータ65の停止、及び再駆動が繰り返されることによる燃費の悪化、及び駆動モータ自体の劣化を抑制できる。
また本実施形態では、モータ制御部が、目標圧縮比から減算して速度切替圧縮比を算出するための減算値Bを算出する減算値算出部を備えるように構成されている。そして減算値算出部が、目標圧縮比が低いときに比べて高いときほど、減算値Bを大きくするように構成されている。
機械圧縮比が相対的に高い状態から機械圧縮比を高圧縮比側に変化させた際の理論熱効率の上昇量に対して、機械圧縮比が相対的に低い状態から機械圧縮比を高圧縮比側に変化させた際の理論熱効率の上昇量は大きくなる。したがって、本実施形態のように目標圧縮比が低いときほど減算値Bを小さくして機械圧縮比を素早く目標圧縮比に近づけることで、効果的に燃費向上効果を得ることができる。
また本実施形態では、減算値算出部が、機関回転速度が低いときに比べて高いときほど、減算値Bを大きくするようにさらに構成されている。
これにより、機関回転速度が高いときには、機械圧縮比が目標圧縮比に到達するまでの時間を長くして、機械圧縮比が高圧縮比側の目標圧縮比に到達してモータ65を停止させる前に、機械圧縮比を低圧縮比側に変化させることができる場合がある。この場合には、モータ65の停止、及び再駆動を行う必要がなくなるので、燃費の悪化を防止できる。
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、変更許可圧縮比算出処理の内容が第1実施形態及び第2実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
次に本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、変更許可圧縮比算出処理の内容が第1実施形態及び第2実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図20は、前述した第1実施形態による圧縮比制御の問題点について説明する図である。
前述した第1実施形態による圧縮比制御では、最適圧縮比が現状目標圧縮比に加算値Aを加算した変更許可圧縮比以上にならないと目標圧縮比が変更されないため、例えば図20に示すように、時刻t43で最適圧縮比が変更許可圧縮比εlim3よりもやや低い圧縮比で一定になってしまうと、最適圧縮比と現状目標圧縮比tε3との差分が比較的大きい状態で機関本体1の運転が長時間行われる可能性がある。そうすると、相対的に理論熱効率の低い状態で機関本体1の運転が長時間行われることになるため、燃費が悪化する。
そこで本実施形態では、最適圧縮比と現状目標圧縮比との差分が大きい状態で機関本体1の運転が長時間行われるのを抑制するために、加算値Aを適切な値に修正していくことができるようにした。
図21は、本実施形態による変更許可圧縮比算出処理の内容について説明するフローチャートである。なお、本実施形態による圧縮比制御の内容は第1実施形態と同様であり、図10のフローチャートと同様なので、ここでは説明を省略する。
ステップS61において、電子制御ユニット200は、目標圧縮比が変更されたか否かを判定する。電子制御ユニット200は、目標圧縮比が変更されていればステップS62の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、目標圧縮比が変更されていなければステップS63の処理に進む。
ステップS62において、電子制御ユニット200は、後述する損失燃料量Q1及び圧縮比変更燃料量Q2をゼロに戻す。
ステップS63において、電子制御ユニット200は、最適圧縮比で機関本体1を運転させた場合における現在の機関運転状態での単位燃料消費量(以下「最適燃料消費量」という。)Qx[g/s]を算出する。本実施形態では、図22に示すような単位燃料消費量マップが圧縮比ごとに用意されており、電子制御ユニット200は、最適圧縮比に対応する圧縮比の単位燃料消費量マップを読み込み、読み込んだ単位燃料消費量マップを参照して、機関運転状態に基づき最適燃料消費量を算出する。
ステップS64において、電子制御ユニット200は、現状目標圧縮比で機関本体1を運転させた場合における現在の機関運転状態での単位燃料消費量(以下「現状燃料消費量」という。)Qyを算出する。本実施形態では電子制御ユニット200は、現状目標圧縮比に対応する圧縮比の単位燃料消費量マップを読み込み、読み込んだ単位燃料消費量マップを参照して、機関運転状態に基づき現状燃料消費量を算出する。
ステップS65において、電子制御ユニット200は、最適圧縮比で機関本体1を運転させた場合と比較して、現状目標圧縮比で機関本体1を運転させたことで余分に消費される燃料量(以下「損失燃料量」という。)Q1を算出する。本実施形態では電子制御ユニット200は、以下の(1)式に基づいて、損失燃料量を算出する。なお(1)式において、Q1zは損失燃料量の前回値であり、Δtは本ルーチンの演算周期である。
Q1=Q1z+(Qy−Qx)×Δt …(1)
Q1=Q1z+(Qy−Qx)×Δt …(1)
ステップS66において、電子制御ユニット200は、機械圧縮比を現状目標圧縮比から最適圧縮比に変更したときに、モータ65を駆動することによって消費される燃料量に係数K(例えば1.5〜2.5程度)を掛けた圧縮比変更燃料量Q2を算出する。なお、係機械圧縮比を現状目標圧縮比から最適圧縮比に変更したときに、モータ65を駆動することによって消費される燃料量を圧縮比変更燃料量Q2としても良い。すなわち必ずしも係数Kを掛ける必要はない。
本実施形態では電子制御ユニット200は、まず予め実験等によって作成された圧縮比の変化量とモータ65の駆動電力とを関連付けたマップ等を参照し、機械圧縮比を現状目標圧縮比から最適圧縮比に変更するために必要なモータ65の駆動電力を算出する。そして電子制御ユニット200は、次に予め実験等によって作成されたモータ65の駆動電力と、駆動電力を発電するために必要な燃料量と、を関連付けたマップ等を参照し、算出したモータ65の駆動電力に基づいて、当該駆動電力を発電するために必要な燃料量を算出する。そして電子制御ユニット200は、最後にこの算出した燃料量に係数Kを掛けることで、圧縮比変更燃料量Q2を算出する。
ステップS67において、電子制御ユニット200は、損失燃料量Q1が圧縮比変更燃料量Q2以上となったか否かを判定する。電子制御ユニット200は、損失燃料量Q1が圧縮比変更燃料量Q2以上となっていればステップS68の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、損失燃料量Q1が圧縮比変更燃料量Q2未満であればステップS70の処理に進む。
ステップS68において、電子制御ユニット200は、図12の加算値マップを更新する。具体的には、図12のマップにおいて、現在の機関回転速度及び現状目標圧縮比に対応する加算値Aの値を小さくしたものを、これまでの加算値マップに替えた新しい加算値マップとする。これにより、機関運転中に損失燃料量Q1が圧縮比変更燃料量Q2以上となるたびに、現在の機関回転速度及び現状目標圧縮比に対応する加算値Aの値を適切な値に修正していくことができる。換言すれば、現在の機関回転速度及び現状目標圧縮比に対応する加算値Aの値として適切な値を、機関運転中に学習していくことができる。
なお、現在の機関回転速度及び現状目標圧縮比に対応する加算値Aの値を小さく方法としては、加算値Aから所定値を減算する方法や、加算値Aを所定割合だけ小さくする方法などが挙げられる。また本実施形態では、加算値Aに下限値を設定しており、その下限値より小さくならないようにしている。
ステップS69において、電子制御ユニット200は、損失燃料量Q1及び圧縮比変更燃料量Q2をゼロに戻す。
ステップS70において、電子制御ユニット200は、加算値マップを参照し、機関回転速度と、現状目標圧縮比と、に基づいて、加算値Aを算出する。本ステップで参照される加算値マップは、ステップS68で加算値マップの更新が行われていた場合は、更新後の加算値マップとなる。
ステップS71において、電子制御ユニット200は、現状目標圧縮比に加算値Aを加算して変更許可圧縮比を算出する。
図23は、本実施形態による圧縮比制御の動作について説明するタイムチャートである。
図15を参照して前述した第1実施形態のときと同様に、図23において、時刻t4で最適圧縮比が増加し始めてフラグF1が1に設定されると、本実施形態では、損失燃料量Q1及び圧縮比変更燃料量Q2の算出が開始される。そして、損失燃料量Q1が圧縮比変更燃料Q2未満の間は、現状目標圧縮比に現在の加算値マップに基づいて算出された加算値を加算して変更許可圧縮比が算出され、最適圧縮比が変更許可圧縮比以上になるまで目標圧縮比が現状目標圧縮比に維持される。
図23に示す例では、時刻t4以降、最適圧縮比と現状目標圧縮比tε1との差分が大きくなるに従って、損失燃料量Q1及び圧縮比変更燃料量Q2が徐々に増加していくが、損失燃料量Q1は圧縮比変更燃料Q2未満なので、図15を参照して前述した第1実施形態のときと同様に、現状目標圧縮比tε1に現在の加算値マップに基づいて算出された加算値A1を加算して変更許可圧縮比εlim1が算出され、最適圧縮比が変更許可圧縮比εlim1以上になるまで目標圧縮比が現状目標圧縮比tε1に維持される。
時刻t41で、最適圧縮比が変更許可圧縮比εlim1以上になると、目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim1に変更され、現状目標圧縮比tε2(=εlim1)に現在の加算値マップに基づいて算出された加算値A2を加算して変更許可圧縮比εlim2が算出される。また本実施形態では、時刻t41で目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim1に変更されると、損失燃料量Q1及び圧縮比変更燃料量Q2が一旦ゼロに戻される。
時刻t41以降、最適圧縮比と現状目標圧縮比tε2との差分が大きくなるのに従って、損失燃料量Q1及び圧縮比変更燃料量Q2が再び徐々に増加していくが、損失燃料量Q1は圧縮比変更燃料Q2未満なので、加算値マップの修正が行われることなく、最適圧縮比が変更許可圧縮比εlim2以上になるまで目標圧縮比が現状目標圧縮比tε2に維持される。
時刻t42で、最適圧縮比が変更許可圧縮比εlim2以上になると、目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim2に変更され、現状目標圧縮比tε3(=εlim2)に現在の加算値マップに基づいて算出された加算値A3を加算して変更許可圧縮比εlim3が算出される。また本実施形態では、時刻t42で目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim2に変更されると、損失燃料量Q及び圧縮比変更燃料量が一旦ゼロに戻される。
時刻t42以降、最適圧縮比と現状目標圧縮比との差分が大きくなるのに従って、損失燃料量Q1及び圧縮比変更燃料量Q2が再び徐々に増加していく。そして時刻t5で、最適圧縮比の増加が止まると、圧縮比変更燃料量Q2の増加も止まり、時刻t5以降、圧縮比変更燃料量Q2は一定となる。
その結果、時刻t51で、損失燃料量Q1が圧縮比変更燃料量Q2以上になると、加算値マップの修正が行われ、現状目標圧縮比tε3に対して、修正された加算値マップに基づいて算出された加算値A3’を加算したものが変更許可圧縮比εlim3’として新たに設定される。これにより、図23に示す例では最適圧縮比が変更許可圧縮比εlim3’以上となり、目標圧縮比が変更許可圧縮比εlim3’に変更され、機械圧縮比が変更許可圧縮比εlim3’となるように可変圧縮比機構Aが制御される。
以上説明した本実施形態による電子制御ユニット200(制御装置)の圧縮比制御部は、前述した最適圧縮比算出部、変更許可圧縮比算出、及び目標圧縮比変更部を備えるように構成されている。そして本実施形態では、変更許可圧縮比算出部が、機械圧縮比を最適圧縮比に制御して機関本体1を運転させた場合と比較して、機械圧縮比を変更許可圧縮比に制御して機関本体1を運転させた場合に余分に消費される損失燃料量Q1を算出する損失燃料量算出部と、機械圧縮比を目標圧縮比から最適圧縮比に変更したときに、モータ65を駆動することによって消費される圧縮比変更燃料量Q2を算出する圧縮比変更燃料量算出部と、損失燃料量Q1が圧縮比変更燃料量Q2以上となったときに、加算値を小さくする学習を行う加算値学習部と、を備えるように構成されている。
これにより、機関運転中に損失燃料量Q1が圧縮比変更燃料量Q2以上となるたびに、現在の機関回転速度及び現状目標圧縮比に対応する加算値Aの値を適切な値に修正していくことができる。換言すれば、現在の機関回転速度及び現状目標圧縮比に対応する加算値Aの値として適切な値を、機関運転中に学習していくことができる。そのため、最適圧縮比と現状目標圧縮比との差分が大きい状態で機関本体1の運転が長時間行われるのを抑制することができるので、燃費の悪化を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1 機関本体
65 モータ
100 内燃機関
200 電子制御ユニット(制御装置)
65 モータ
100 内燃機関
200 電子制御ユニット(制御装置)
Claims (9)
- 機関本体と、
モータを駆動することによって前記機関本体の機械圧縮比を変更可能に構成された可変圧縮比機構と、
を備える内燃機関を制御するための内燃機関の制御装置であって、
前記機械圧縮比を目標圧縮比に制御する圧縮比制御部を備え、
前記圧縮比制御部は、
機関運転状態に基づいて、当該機関運転状態での最適圧縮比を算出する最適圧縮比算出部と、
前記最適圧縮比が前記目標圧縮比よりも高いときに、前記モータを駆動することによって消費される燃料量を考慮しても燃費向上効果が得られる前記目標圧縮比よりも高い変更許可圧縮比を算出する変更許可圧縮比算出部と、
前記最適圧縮比が前記目標圧縮比よりも高い場合は、前記最適圧縮比が前記変更許可圧縮比以上となったときに、前記目標圧縮比を当該変更許可圧縮比に変更する目標圧縮比変更部と、
を備える内燃機関の制御装置。 - 前記変更許可圧縮比算出部は、
前記目標圧縮比に加算して前記変更許可圧縮比を算出するための加算値を算出する加算値算出部を備え、
前記加算値算出部は、
前記目標圧縮比が低いときに比べて高いときほど、前記加算値を大きくするように構成される、
請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記加算値算出部は、
機関回転速度が低いときに比べて高いときほど、前記加算値を大きくするようにさらに構成される、
請求項2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記変更許可圧縮比算出部は、
前記目標圧縮比に加算して前記変更許可圧縮比を算出するための加算値を算出する加算値算出部を備え、
前記加算値算出部は、
機関回転速度が低いときに比べて高いときほど、前記加算値を大きくするように構成される、
請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記変更許可圧縮比算出部は、
前記機械圧縮比を前記最適圧縮比に制御して前記機関本体を運転させた場合と比較して、前記機械圧縮比を前記変更許可圧縮比に制御して前記機関本体を運転させた場合に余分に消費される損失燃料量を算出する損失燃料量算出部と、
前記機械圧縮比を前記目標圧縮比から前記最適圧縮比に変更したときに、前記モータを駆動することによって消費される圧縮比変更燃料量を算出する圧縮比変更燃料量算出部と、
前記損失燃料量が前記圧縮比変更燃料量以上となったときに、前記加算値を小さくする学習を行う加算値学習部と、
をさらに備える請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記モータの回転速度を制御するモータ制御部をさらに備え、
前記モータ制御部は、
前記機械圧縮比を前記目標圧縮比に向けて高くする場合において、前記機械圧縮比が当該目標圧縮比よりも低い速度切替圧縮比まで高くなった後は、前記機械圧縮比が当該速度切替圧縮比まで高くなる前と比べて前記モータの回転速度を遅くするように構成される、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記モータ制御部は、
前記目標圧縮比から減算して前記速度切替圧縮比を算出するための減算値を算出する減算値算出部を備え、
前記減算値算出部は、
前記目標圧縮比が低いときに比べて高いときほど、前記減算値を大きくするように構成される、
請求項6に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記減算値算出部は、
機関回転速度が低いときに比べて高いときほど、前記減算値を大きくするようにさらに構成される、
請求項7に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記モータ制御部は、
前記目標圧縮比から減算して前記速度切替圧縮比を算出するための減算値を算出する減算値算出部を備え、
前記減算値算出部は、
機関回転速度が低いときに比べて高いときほど、前記減算値を大きくするように構成される、
請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
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| US15/654,285 US20180023486A1 (en) | 2016-07-21 | 2017-07-19 | Control device for internal combustion engine |
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