[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。本願の受光素子は、受光面を有する半導体層と、半導体層上に配置される電極と、を備える。受光面に垂直な方向から平面的に見て、上記電極は上記受光面の外周に沿って延在する。受光面に垂直な方向から平面的に見て、上記電極には、上記電極を幅方向に貫通する第1切欠き部が形成されている。
本願の受光素子では、受光面の外周に沿って延在する電極に、当該電極を幅方向に貫通する第1切欠き部が形成されている。そのため、受光素子に対する光の入射方向(光路)が一定である場合、受光面に垂直な方向から平面的に見て光路と第1切欠き部とが重なるように受光素子を配置することにより、電極による光の反射が低減される。その結果、迷光の発生が抑制される。このように、本願の受光素子によれば、迷光の発生を抑制することができる。
上記受光素子において、受光面に垂直な方向から平面的に見て、上記電極には、受光面を挟んで第1切欠き部に対向するように位置し、上記電極を幅方向に貫通する第2切欠き部が形成されていてもよい。第2切欠き部を形成し、光路と第1切欠き部および第2切欠き部とが重なるように受光素子を配置することにより、電極による光の反射がさらに低減される。
本願の光モジュールは、光を形成する光形成部と、光形成部からの光を透過する出射窓を有し、光形成部を取り囲むように配置される保護部材と、を備える。光形成部は、ベース部材と、ベース部材上に搭載される半導体発光素子と、ベース部材上に搭載され、半導体発光素子から出射される光のスポットサイズを変換するレンズと、ベース部材上に搭載され、半導体発光素子の出射方向において半導体発光素子とレンズとの間に配置され、半導体発光素子からの光を直接受光する上記本願の受光素子と、を含む。受光素子は、受光面に垂直な方向から平面的に見て、半導体発光素子からの光の光路が第1切欠き部に重なる状態で、半導体発光素子からの光が受光面に入射するように配置される。
本願の光モジュールでは、受光素子が、受光面に垂直な方向から平面的に見て、半導体発光素子からの光の光路が第1切欠き部に重なる状態で、半導体発光素子からの光が受光面に入射するように配置される。そのため、受光素子の上記電極による光の反射が低減される。その結果、本願の光モジュールによれば、迷光の発生を抑制することができる。
上記光モジュールにおいて、光形成部は、ベース部材上に搭載される複数の半導体発光素子と、ベース部材上に搭載され、上記複数の半導体発光素子のそれぞれに対応して配置される複数のレンズと、ベース部材上に搭載され、上記複数の半導体発光素子のうち、少なくとも1つの半導体発光素子に対応して配置される上記受光素子と、ベース部材上に搭載され、上記複数の半導体発光素子からの光を合波するフィルタと、を含んでいてもよい。
このように、単一のパッケージ内に複数の半導体発光素子を配置し、これらからの光を当該パッケージ内において合波可能とすることで、複数のパッケージからの光を合波する場合に比べて、光モジュールが用いられる装置のコンパクト化を達成することができる。なお、フィルタとしては、たとえば波長選択性フィルタ、偏波合成フィルタなどを採用することができる。
上記光モジュールにおいて、上記複数の半導体発光素子は、赤色の光を出射する半導体発光素子、緑色の光を出射する半導体発光素子および青色の光を出射する半導体発光素子を含んでいてもよい。このようにすることにより、これらの光を合波し、所望の色の光を形成することができる。
上記光モジュールにおいて、上記受光素子は、少なくとも1つの半導体発光素子から出射された光のうち、当該少なくとも1つの半導体発光素子に対応する上記レンズによりスポットサイズを変換される領域以外の領域の光を受光可能な位置に配置されてもよい。
このように、レンズによってスポットサイズが変換されない光、すなわち光モジュールから出射される光として利用されない領域の光を受光素子により受光する構造を採用することにより、光モジュールからの出射光の光量を減少させることなく、半導体発光素子から出射された光の強度を把握することができる。また、上記単一のパッケージ内に複数の半導体発光素子を配置し、これらからの光を当該パッケージ内において合波する構造において、このような構造を採用することにより、半導体発光素子から出射される光の強度をより精度よく調整することができる。これは、以下のような理由による。
単一のパッケージ内に複数の半導体発光素子を配置し、これらからの光を当該パッケージ内において合波する構造を採用した場合、一の半導体発光素子から出射された光を受光すべき受光素子に他の半導体発光素子から出射された光が混入する現象、すなわち光のクロストークが発生する。そして、このクロストークに起因して、受光素子において本来把握されるべき半導体発光素子からの光の強度が精度よく把握できないという問題が発生する。
本発明者の検討によれば、このクロストークの最大の原因は、一の半導体発光素子から出射された光を受光すべき受光素子に、他の半導体発光素子から出射され、保護部材の内部において反射した光(反射光)が一の半導体発光素子を出射した光が通るべき光路を通って侵入することである。この反射光は、一の半導体発光素子を出射した光が通るべき光路を通るため、一の半導体発光素子に対応するレンズによってスポットサイズを変換される領域を進行する。つまり、上記少なくとも1つの半導体発光素子と、それに対応するレンズとの間において、上記少なくとも1つの半導体発光素子に対応するレンズによりスポットサイズを変換される領域以外の領域には、他の半導体発光素子からの上記反射光は侵入しない。そのため、受光素子を、上記少なくとも1つの半導体発光素子から出射された光のうち、上記少なくとも1つの半導体発光素子に対応するレンズによりスポットサイズを変換される領域以外の領域の光を受光可能な位置に配置することにより、クロストークの発生を抑制することができる。その結果、半導体発光素子から出射される光の強度をより精度よく調整することができる。
上記光モジュールにおいて、受光素子は、上記少なくとも1つの半導体発光素子から出射された光を受光して得られる光電流が1μA以上となる位置に配置されてもよい。このようにすることにより、半導体発光素子からの光の強度を精度よく把握することができる。半導体発光素子からの光の強度をより精度よく把握するためには、上記光電流が10μA以上となる位置に上記受光素子が配置されてもよい。
上記光モジュールにおいて、上記半導体発光素子はレーザダイオードであってもよい。このようにすることにより、波長のばらつきの少ない出射光を得ることができる。
上記光モジュールにおいて、光形成部は、ベース部材に接触して配置される電子冷却モジュールをさらに含んでいてもよい。このようにすることにより、温度が高くなる環境下においても光モジュールを使用することが可能となる。
[本願発明の実施形態の詳細]
(実施の形態1)
次に、本発明にかかる受光素子の一実施の形態について、図1および図2を参照して説明する。図1は、図2の線分I−Iに沿う断面図である。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
図1を参照して、第1受光素子としての第1フォトダイオード94は、高濃度n型層3と、n型層4と、p型領域5と、p側電極6と、n側電極7と、を備える。
高濃度n型層3は、n型不純物を含むことにより、n型の導電型を有している。n型層4は、高濃度n型層の第1主面3A上に接触して配置される。n型層4は、高濃度n型層3よりも低い濃度でn型不純物を含むことにより、n型の導電型を有している。p型領域5は、n型層4の第1の主面4Aを含むように、n型層4の内部に形成されている。p型領域5は、p型不純物を含むことにより導電型がp型となっている。高濃度n型層3、n型層4およびp型領域5は、半導体層を構成する。半導体層のn側電極7とは反対側の主面に、半導体層に外部から光が入射するための受光面94Aが形成されている。
n側電極7は、高濃度n型層3の第2主面3B上に接触して配置される。n側電極7は、金属などの導電体からなっている。n側電極7は、高濃度n型層3とオーミック接触している。p側電極6は、半導体層のn側電極7とは反対側の主面上に接触して配置されている。p側電極6は、半導体層の当該主面において露出するp型領域5に接触して配置される。p側電極6は、金属などの導電体からなっている。p側電極6は、p型領域5とオーミック接触している。
受光面94Aから光が入射すると、p型領域5およびn型層4内に入射した光量に応じた量のキャリアが生成する。これをp側電極6およびn側電極7を介して電流として取り出すことで、入射した光の光量を把握することができる。
図2は、図1に示す第1フォトダイオード94を受光面94A垂直な方向から見た平面図である。図2を参照して、p側電極6は、受光面94Aの外周に沿って延在する。p側電極6は、受光面94Aの外周を取り囲むように配置される。p側電極6は、環状(円環状)の形状を有している。p側電極6は、電気的接合を形成するためのボンディング領域6Eを有している。そして、p側電極6には、p側電極6を幅方向に貫通する第1切欠き部6Aが形成されている。つまり、p側電極6は、第1切欠き部6Aにおいて途切れた環状の形状を有している。
第1フォトダイオード94は、第1フォトダイオード94に対する光の入射方向(光路)が一定である場合、受光面94Aに垂直な方向から平面的に見て、入射光の光路と第1切欠き部6Aとが重なるように配置されることにより、p側電極6による光の反射を低減し、迷光の発生を抑制することが可能な受光素子(半導体受光素子)となっている。
図3は、第1フォトダイオード94の構造の変形例を示す。図3は、図2と同様の視点から第1フォトダイオード94を見た平面図である。図3を参照して、変形例における第1フォトダイオード94は、基本的には上記図1および図2を参照して説明した第1フォトダイオード94と同様の構造を有し、同様の効果を奏する。しかし、本件変形例における第1フォトダイオード94は、一対の切欠き部を有する点において、上記図1および図2を参照して説明した第1フォトダイオード94とは異なっている。
具体的には、変形例における第1フォトダイオード94では、受光面94Aに垂直な方向から平面的に見て、p側電極6に、受光面94Aを挟んで第1切欠き部6Aに対向するように位置し、p側電極6を幅方向に貫通する第2切欠き部6Bが形成されている。すなわち、受光面94Aに垂直な方向から平面的に見て、第1切欠き部6Aと第2切欠き部6Bとは、同一直線上に位置する。p側電極6は、2つの領域に分離している。p側電極6の一方の領域にはボンディング領域6Eが形成されており、他方の領域にはボンディング領域6Fが形成されている。
このように、第2切欠き部6Bを形成し、光路と第1切欠き部6Aおよび第2切欠き部6Bとが重なるように第1フォトダイオード94を配置することにより、p側電極6による光の反射がさらに低減される。
次に、本発明にかかる光モジュールの一実施の形態を、図4〜図10を参照しつつ説明する。図5は、図4のキャップ40を取り外した状態に対応する図である。
図4および図5を参照して、本実施の形態における光モジュール1は、平板状の形状を有するステム10と、ステム10の一方の主面10A上に配置され、光を形成する光形成部20と、光形成部20を覆うようにステム10の一方の主面10A上に接触して配置されるキャップ40と、ステム10の他方の主面10B側から一方の主面10A側まで貫通し、一方の主面10A側および他方の主面10B側の両側に突出する複数のリードピン51とを備えている。ステム10とキャップ40とは、たとえば溶接されることにより気密状態とされている。すなわち、光形成部20は、ステム10とキャップ40とによりハーメチックシールされている。ステム10とキャップ40とにより取り囲まれる空間には、たとえば乾燥空気などの水分が低減(除去)された気体が封入されている。キャップ40には、光形成部20からの光を透過する出射窓41が形成されている。出射窓41は主面が互いに平行な平板状の形状を有していてもよいし、光形成部20からの光を集光または拡散させるレンズ形状を有していてもよい。ステム10およびキャップ40は、保護部材を構成する。
図5および図6を参照して、光形成部20は、板状の形状を有するベース部材であるベース板60を含む。ベース板60は、平面的に見て長方形形状を有する一方の主面60Aを有している。ベース板60は、ベース領域61と、チップ搭載領域62とを含んでいる。チップ搭載領域62は、一方の主面60Aの一の短辺と、当該短辺に接続された一の長辺を含む領域に形成されている。チップ搭載領域62の厚みは、ベース領域61に比べて大きくなっている。その結果、ベース領域61に比べて、チップ搭載領域62の高さが高くなっている。チップ搭載領域62において上記一の短辺の上記一の長辺に接続される側とは反対側の領域に、隣接する領域に比べて厚みの大きい(高さが高い)領域である第1チップ搭載領域63が形成されている。チップ搭載領域62において上記一の長辺の上記一の短辺に接続される側とは反対側の領域に、隣接する領域に比べて厚みの大きい(高さが高い)領域である第2チップ搭載領域64が形成されている。
第1チップ搭載領域63上には、平板状の第1サブマウント71が配置されている。そして、第1サブマウント71上に、第1半導体発光素子としての赤色レーザダイオード81が配置されている。一方、第2チップ搭載領域64上には、平板状の第2サブマウント72および第3サブマウント73が配置されている。第2サブマウント72から見て、上記一の長辺と上記一の短辺との接続部とは反対側に、第3サブマウント73が配置される。そして、第2サブマウント72上には、第2半導体発光素子としての緑色レーザダイオード82が配置されている。また、第3サブマウント73上には、第3半導体発光素子としての青色レーザダイオード83が配置されている。赤色レーザダイオード81、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83の光軸の高さ(ベース板60の一方の主面60Aを基準面とした場合の基準面と光軸との距離;Z軸方向における基準面との距離)は、第1サブマウント71、第2サブマウント72および第3サブマウント73により調整されて一致している。
ベース板60のベース領域61上には、第4サブマウント74、第5サブマウント75および第6サブマウント76が配置されている。そして、第4サブマウント74、第5サブマウント75および第6サブマウント76上には、それぞれ第1受光素子としての第1フォトダイオード94、第2受光素子としての第2フォトダイオード95および第3受光素子としての第3フォトダイオード96が配置されている。第1フォトダイオード94は、たとえば上記図1および図2を参照して説明した構造、または図3を参照して説明した変形例の構造を有している。第2フォトダイオード95および第3フォトダイオード96は、第1フォトダイオード94と同様の構造を有している。
第4サブマウント74、第5サブマウント75および第6サブマウント76により、それぞれ第1フォトダイオード94、第2フォトダイオード95および第3フォトダイオード96の高さ(赤色レーザダイオード81、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83の光軸までの距離;Z軸方向における距離)が調整される。第1フォトダイオード94、第2フォトダイオード95および第3フォトダイオード96の高さの調整の詳細については後述する。第1フォトダイオード94、第2フォトダイオード95および第3フォトダイオード96は、それぞれ赤色レーザダイオード81、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83からの光を直接受光する位置に設置される。本実施の形態においては、全ての半導体発光素子のそれぞれに対応して受光素子が配置される。第1フォトダイオード94、第2フォトダイオード95および第3フォトダイオード96は、それぞれ赤色、緑色および青色の光を受光可能なフォトダイオードである。第1フォトダイオード94は、赤色レーザダイオード81の出射方向において、赤色レーザダイオード81と第1レンズ91との間に配置される。第2フォトダイオード95は、緑色レーザダイオード82の出射方向において、緑色レーザダイオード82と第2レンズ92との間に配置される。第3フォトダイオード96は、青色レーザダイオード83の出射方向において、青色レーザダイオード83と第3レンズ93との間に配置される。
ベース板60のベース領域61上には、凸部である第1レンズ保持部77、第2レンズ保持部78および第3レンズ保持部79が形成されている。そして、第1レンズ保持部77、第2レンズ保持部78および第3レンズ保持部79上には、それぞれ第1レンズ91、第2レンズ92および第3レンズ93が配置されている。第1レンズ91、第2レンズ92および第3レンズ93は、表面がレンズ面となっているレンズ部91A,92A,93Aを有している。第1レンズ91、第2レンズ92および第3レンズ93は、レンズ部91A,92A,93Aとレンズ部91A,92A,93A以外の領域とが一体成型されている。第1レンズ保持部77、第2レンズ保持部78および第3レンズ保持部79により、第1レンズ91、第2レンズ92および第3レンズ93のレンズ部91A,92A,93Aの中心軸、すなわちレンズ部91A,92A,93Aの光軸は、それぞれ赤色レーザダイオード81、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83の光軸に一致するように調整されている。第1レンズ91、第2レンズ92および第3レンズ93は、それぞれ赤色レーザダイオード81、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83から出射される光のスポットサイズを変換する。第1レンズ91、第2レンズ92および第3レンズ93により、赤色レーザダイオード81、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83から出射される光のスポットサイズが一致するようにスポットサイズが変換される。
ベース板60のベース領域61上には、第1フィルタ97と第2フィルタ98とが配置される。第1フィルタ97および第2フィルタ98は、それぞれ互いに平行な主面を有する平板状の形状を有している。第1フィルタ97および第2フィルタ98は、たとえば波長選択性フィルタである。第1フィルタ97および第2フィルタ98は、誘電体多層膜フィルタである。より具体的には、第1フィルタ97は、赤色の光を透過し、緑色の光を反射する。第2フィルタ98は、赤色の光および緑色の光を透過し、青色の光を反射する。このように、第1フィルタ97および第2フィルタ98は、特定の波長の光を選択的に透過および反射する。その結果、第1フィルタ97および第2フィルタ98は、赤色レーザダイオード81、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83から出射された光を合波する。第1フィルタ97および第2フィルタ98は、それぞれベース領域61上に形成された凸部である第1突出領域88および第2突出領域89上に配置される。
図6を参照して、赤色レーザダイオード81、第1フォトダイオード94の受光面94A、第1レンズ91のレンズ部91A、第1フィルタ97および第2フィルタ98は、赤色レーザダイオード81の光の出射方向に沿う一直線上に並んで(X軸方向に並んで)配置されている。緑色レーザダイオード82、第2フォトダイオード95の受光面95A、第2レンズ92のレンズ部92Aおよび第1フィルタ97は、緑色レーザダイオード82の光の出射方向に沿う一直線上に並んで(Y軸方向に並んで)配置されている。青色レーザダイオード83、第3フォトダイオード96の受光面96A、第3レンズ93のレンズ部93Aおよび第2フィルタ98は、青色レーザダイオード83の光の出射方向に沿う一直線上に並んで(Y軸方向に並んで)配置されている。すなわち、赤色レーザダイオード81の出射方向と、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83の出射方向とは交差する。より具体的には、赤色レーザダイオード81の出射方向と、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83の出射方向とは直交する。緑色レーザダイオード82の出射方向は、青色レーザダイオード83の出射方向に沿った方向である。より具体的には、緑色レーザダイオード82の出射方向と青色レーザダイオード83の出射方向とは平行である。第1フィルタ97および第2フィルタ98の主面は、赤色レーザダイオード81の光の出射方向に対して傾斜している。より具体的には、第1フィルタ97および第2フィルタ98の主面は、赤色レーザダイオード81の光の出射方向(X軸方向)に対して45°傾斜している。
次に、本実施の形態における光モジュール1の動作について説明する。図6を参照して、赤色レーザダイオード81から出射された赤色の光は、光路L1に沿って進行する。このとき、第1フォトダイオード94の受光面94Aに赤色の光の一部が直接入射する。これにより赤色レーザダイオード81から出射された赤色の光の強度が把握され、把握された光の強度と出射されるべき目標の光の強度との差に基づいて赤色の光の強度が調整される。第1フォトダイオード94上を通過した赤色の光は、第1レンズ91のレンズ部91Aに入射し、光のスポットサイズが変換される。具体的には、たとえば赤色レーザダイオード81から出射された赤色の光がコリメート光に変換される。第1レンズ91においてスポットサイズが変換された赤色の光は、光路L1に沿って進行し、第1フィルタ97に入射する。第1フィルタ97は赤色の光を透過するため、赤色レーザダイオード81から出射された光は光路L2に沿ってさらに進行し、第2フィルタ98に入射する。そして、第2フィルタ98は赤色の光を透過するため、赤色レーザダイオード81から出射された光は光路L3に沿ってさらに進行し、キャップ40の出射窓41を通って光モジュール1の外部へと出射する。
緑色レーザダイオード82から出射された緑色の光は、光路L4に沿って進行する。このとき、第2フォトダイオード95の受光面95Aに緑色の光の一部が直接入射する。これにより緑色レーザダイオード82から出射された緑色の光の強度が把握され、把握された光の強度と出射されるべき目標の光の強度との差に基づいて緑色の光の強度が調整される。第2フォトダイオード95上を通過した緑色の光は、第2レンズ92のレンズ部92Aに入射し、光のスポットサイズが変換される。具体的には、たとえば緑色レーザダイオード82から出射された緑色の光がコリメート光に変換される。第2レンズ92においてスポットサイズが変換された緑色の光は、光路L4に沿って進行し、第1フィルタ97に入射する。第1フィルタ97は緑色の光を反射するため、緑色レーザダイオード82から出射された光は光路L2に合流する。その結果、緑色の光は赤色の光と合波され、光路L2に沿って進行し、第2フィルタ98に入射する。そして、第2フィルタ98は緑色の光を透過するため、緑色レーザダイオード82から出射された光は光路L3に沿ってさらに進行し、キャップ40の出射窓41を通って光モジュール1の外部へと出射する。
青色レーザダイオード83から出射された青色の光は、光路L5に沿って進行する。このとき、第3フォトダイオード96の受光面96Aに青色の光の一部が直接入射する。これにより青色レーザダイオード83から出射された青色の光の強度が把握され、把握された光の強度と出射されるべき目標の光の強度との差に基づいて青色の光の強度が調整される。第2フォトダイオード95上を通過した青色の光は、第3レンズ93のレンズ部93Aに入射し、光のスポットサイズが変換される。具体的には、たとえば青色レーザダイオード83から出射された青色の光がコリメート光に変換される。第3レンズ93においてスポットサイズが変換された青色の光は、光路L5に沿って進行し、第2フィルタ98に入射する。第2フィルタ98は青色の光を反射するため、青色レーザダイオード83から出射された光は光路L3に合流する。その結果、青色の光は赤色の光および緑色の光と合波され、光路L3に沿って進行し、キャップ40の出射窓41を通って光モジュール1の外部へと出射する。
このようにして、キャップ40の出射窓41から、赤色、緑色および青色の光が合波されて形成された光が出射する。ここで、本実施の形態における光モジュール1では、赤色レーザダイオード81、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83から出射された光の一部が、それぞれ第1レンズ91、第2レンズ92および第3レンズ93との間に配置される第1フォトダイオード94、第2フォトダイオード95および第3フォトダイオード96により直接受光される。そのため、光の強度を精度よく把握し、当該光の強度を高い精度で調整することが可能となっている。その結果、赤色、緑色および青色の光が所望の強度の割合で精度よく合波され、所望の色の光を精度よく形成することができる。
次に、第1フォトダイオード94、第2フォトダイオード95および第3フォトダイオード96の高さの調整の詳細について、第2フォトダイオード95を例に説明する。第1フォトダイオード94および第3フォトダイオード96の赤色レーザダイオード81および青色レーザダイオード83に対する位置関係は、以下に説明する第2フォトダイオード95の緑色レーザダイオード82に対する位置関係と同様である。
図7および図8を参照して、緑色レーザダイオード82から出射された緑色の光2は、光軸に垂直な断面(図8の断面)において、ベース板60の一方の主面60Aに垂直な方向(Z軸方向)を長径とする楕円形状を有している。第2レンズ92のレンズ部92Aは、光軸に垂直な断面において円形状を有している。そのため、図8に示すように、光軸に垂直な断面においてレンズ部92Aの外周面を構成する円が、光2に対応する楕円に内接するように第2レンズ92を配置することが好ましい。この場合、光2は、第2レンズ92によりスポット変換される領域2Aと、スポット変換されない領域2Bとを含む。
そして、図7を参照して、第2フォトダイオード95の受光面95Aが、第2レンズ92によりスポットサイズを変換される領域2A以外の領域2Bの光を受光可能となるように、第2フォトダイオード95は配置される。より具体的には、受光面95Aが、第2レンズ92によりスポットサイズを変換される領域2A以外の領域2Bの光を受光可能となるように、緑色レーザダイオード82の出射部82Aと第2フォトダイオード95の受光面95Aとを結ぶ直線と、緑色レーザダイオード82の光軸2Cとのなす角θが調整される。角θの調整は、第5サブマウント75の厚みおよび第5サブマウント75上における第2フォトダイオード95の搭載位置を変更することにより実施することができる。このように、第2レンズ92によってスポットサイズ変換されない光、すなわち光モジュール1から出射される光として利用されない領域2Bの光を第2フォトダイオード95により受光する構造を採用することにより、光モジュール1からの出射光の光量を減少させることなく、緑色レーザダイオード82から出射された光の強度を把握することができる。
また、上述のように第2フォトダイオード95を配置することにより、緑色レーザダイオード82から出射される光の強度を精度よく把握することができる。この理由について以下に説明する。上述のように、単一のパッケージ内に複数の半導体発光素子(赤色レーザダイオード81、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83)を配置してこれらからの光を合波する構造を採用した場合、光のクロストークにより光の強度が精度よく把握できないという問題が発生する場合がある。この問題について、緑色レーザダイオード82からの光の強度を把握する場合について説明する。
図6を参照して、赤色レーザダイオード81を出射した赤色の光は、上述のように光路L1に沿って進行し、本来第1フィルタ97を透過する。しかし、赤色の光の一部が第1フィルタ97において反射され光路L6に沿って進行する。この光はキャップ40の内壁面40Aにおいて反射し、光路L6に沿って第1フィルタ97に入射し、透過する。そして、光路L7に沿って進行し、第2レンズ92を通って第2フォトダイオード95へと到達する。このようにして、本来緑色の光の強度を受光すべき第2フォトダイオード95に赤色の光の反射光が混入し得る。これが、クロストークの最大の要因となっている。
ここで、混入する赤色の光の反射光は、緑色レーザダイオード82を出射した光が第1フィルタ97へと向かう経路を通るため、第2レンズ92のレンズ部92Aによりスポットサイズを変換される領域2Aを通る(図7参照)。つまり、第2フォトダイオード95が第2レンズ92によりスポットサイズを変換される領域2A以外の領域2Bの光を受光可能となるように配置された本実施の形態の光モジュール1においては、上記経路を通った赤色の反射光が第2フォトダイオード95により受光されない。そのため、クロストークの発生を抑制し、緑色レーザダイオード82から出射される光の強度を精度よく把握し、調整することができる。クロストークの発生は、上記角度θを適切に調整することによって有効に低減することができる。具体的には、角度θを第2レンズ92の有効角θ0以上に調整することにより、クロストークの発生を有効に低減することができる。一方、角度θが大き過ぎると、第2フォトダイオード95が受光する反射光(赤色の光)の量は十分に抑制されるものの、第2フォトダイオード95からの光(緑色の光)を受光して得られる光電流が小さくなり、第2フォトダイオード95からの光の強度を精度よく把握することが困難となる。角度θは、第2フォトダイオード95からの光を受光して得られる光電流の値が1μA以上となるように設定されることが好ましい。このようにすることにより、第2フォトダイオード95からの光の強度を精度よく把握することができる。第2フォトダイオード95からの光の強度をより精度よく把握するためには、第2フォトダイオード95からの光を受光して得られる光電流の値が10μA以上となるように角度θを調整して、第2フォトダイオード95を配置することが好ましい。
また、本実施の形態における光モジュール1においては、赤色レーザダイオード81に対応する第1フォトダイオード94、および青色レーザダイオード83に対応する第3フォトダイオード96についても、上記緑色レーザダイオード82に対応する第2フォトダイオード95と同様に配置される。そのため、クロストークの発生が抑制され、赤色、緑色および青色の光の強度が適切に調整される。その結果、所望の色を有する光を精度よく形成することができる。
次に、第1フォトダイオード94、第2フォトダイオード95および第3フォトダイオード96の配置態様の詳細について、第1フォトダイオード94を例に説明する。第2フォトダイオード95および第3フォトダイオード96は、それぞれ緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83との関係において、以下に説明する赤色レーザダイオード81との関係における第1フォトダイオード94の配置態様と同様の配置態様にて配置される。
図9を参照して、第1フォトダイオード94は、受光面94Aに垂直な方向から平面的に見て、赤色レーザダイオード81からの光の光路L1が第1切欠き部6Aに重なる状態で、赤色レーザダイオード81からの光が受光面94Aに入射するように配置される。また、図10を参照して、上記変形例の構造が採用される場合、第1フォトダイオード94は、受光面94Aに垂直な方向から平面的に見て、赤色レーザダイオード81からの光の光路L1が第1切欠き部6Aおよび第2切欠き部6Bに重なる状態で、赤色レーザダイオード81からの光が受光面94Aに入射するように配置される。
本願の光モジュール1においては、第1フォトダイオード94、第2フォトダイオード95および第3フォトダイオード96が、受光面に垂直な方向から平面的に見て、それぞれ赤色レーザダイオード81、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83からの光の光路が第1切欠き部(および第2切欠き部)に重なる状態で、赤色レーザダイオード81、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83からの光が受光面に入射するように配置されている。そのため、第1フォトダイオード94、第2フォトダイオード95および第3フォトダイオード96の上記電極(たとえば第1フォトダイオード94のp側電極6)による光の反射が低減される。その結果、本実施の形態の光モジュール1は、迷光の発生が抑制された光モジュールとなっている。
(実施の形態2)
次に、本発明にかかる光モジュールの他の実施の形態である実施の形態2を説明する。図11および図5を参照して、本実施の形態における光モジュール1は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構造を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態2における光モジュール1は、電子冷却モジュール30をさらに含んでいる点において、実施の形態1の場合とは異なっている。
具体的には、図11を参照して、実施の形態2における光モジュール1は、ステム10と光形成部20との間に、電子冷却モジュール30をさらに含んでいる。電子冷却モジュール30は、吸熱板31と、放熱板32と、電極を挟んで吸熱板31と放熱板32との間に並べて配置される半導体柱33とを含む。吸熱板31および放熱板32は、たとえばアルミナからなっている。吸熱板31がベース板60の他方の主面60Bに接触して配置される。放熱板32は、ステム10の一方の主面10Aに接触して配置される。本実施の形態において、電子冷却モジュール30はペルチェモジュール(ペルチェ素子)である。そして、電子冷却モジュール30に電流を流すことにより、吸熱板31に接触するベース板60の熱がステム10へと移動し、ベース板60が冷却される。その結果、赤色レーザダイオード81、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83の温度上昇が抑制される。これにより、たとえば自動車に搭載される場合など、温度が高くなる環境下においても光モジュール1を使用することが可能となる。また、赤色レーザダイオード81、緑色レーザダイオード82および青色レーザダイオード83の温度を適正な範囲に維持することで、所望の色の光を精度よく形成することが可能となる。
なお、上記サブマウントは、サブマウント上に搭載される素子等に熱膨張係数が近い材料からなるものとされ、たとえばAlN、SiC、Si、ダイヤモンドなどからなるものとすることができる。また、ステムおよびキャップを構成する材料としては、たとえば熱伝導率の高い材料である鉄、銅などを採用してもよいし、AlN、CuW、CuMoなどを採用してもよい。
上記実施の形態においては、3個の出射波長の異なる半導体発光素子からの光が合波される場合について説明したが、半導体発光素子は1個または2個であってもよく、4個以上であってもよい。また、上記実施の形態においては、半導体発光素子としてレーザダイオードが採用される場合について説明したが、半導体発光素子として、たとえば発光ダイオードが採用されてもよい。また、上記実施の形態においては、第1フィルタ97および第2フィルタ98として波長選択性フィルタが採用される場合を例示したが、これらのフィルタは、たとえば偏波合成フィルタであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。