JP2018010888A - 電磁波シールド材 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば特許文献1には、絶縁層と、導電層と、接着剤層を含む電磁波シールドシートであって、導電層は、樹脂と導電性フィラーを含有し、表面抵抗が100mΩ/□以下、導電率が1×106S/m以上である電磁波シールドシートが記載されている。
また、特許文献2には、層厚が0.5μm〜12μmの金属層と、異方導電性接着剤層とを積層状態で備えた電磁波シールドフィルムが記載されている。
前記導電性ペースト層が、粒径1μm未満の銀ナノ粒子を含むことが好ましい。
前記基材の引張伸度が100%以上300%以下であることが好ましい。
前記基材が、炭素数が3個以上の脂肪族ユニットを、芳香族ユニット間に有するポリイミド材料を用いて形成されたポリイミドフィルムからなることが好ましい。
前記導電性接着剤層が、異方導電性接着剤層であることが好ましい。
前記導電性接着剤層が、ポリウレタンを含むことが好ましい。
前記基材が、前記導電性ペースト層および前記導電性接着剤層が積層された側とは反対の面において、前記基材から剥離可能な支持体フィルムにより支持されていることが好ましい。
また、本発明は、前記電磁波シールド材を備える電子機器を提供する。
図1に、本実施形態の電磁波シールド材の概略断面図を示す。この電磁波シールド材10は、誘電体の樹脂フィルムからなる基材11の片面上に、導電性ペースト層13と、導電性接着剤層14とが、この順で前記基材の厚み方向に積層された構成を有する。電磁波シールド材10を被着体であるプリント基板などに貼着したときに、外表面が誘電体の基材11であるため、更にその外表面に、電気絶縁被覆材を設ける必要がない。
基材11は、誘電体の樹脂フィルムからなる絶縁層である。基材11を構成する樹脂フィルムとしては、ポリイミド樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム等が挙げられる。基材11がポリイミド樹脂フィルムからなる場合、ポリイミド樹脂の特徴である高い機械的強度、耐熱性、絶縁性、耐溶剤性を有し、260℃程度までは化学的に安定であるとされているので、好適である。
支持体フィルム21を用いないで、薄いポリイミドフィルムのみからなる基材11を用いる場合の厚みは、約1〜9μmであることが好ましい。
支持体フィルム21は、電磁波シールド材10の使用時に、基材11から剥離することが可能である。支持体フィルム21の基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。支持体フィルム21の厚みは、プリント基板に被覆して使用する際の電磁波シールド材10の全体の厚みからは除外されるので、特に限定されないが、通常12〜150μm程度である。
本実施形態の電磁波シールド材10においては、基材11と導電性ペースト層13との密着力の向上を図るため、アンカー層12を用いることができる。アンカー層12は、基材11と導電性ペースト層13とを接着する薄膜の接着剤層である。基材11に対する導電性ペースト層13の密着性が十分である場合には、アンカー層12を省略することも可能である。アンカー層12の上に導電性ペーストの塗布および加熱焼成をして導電性ペースト層13を形成する場合には、アンカー層12の材料として耐熱性に優れた接着性樹脂を用いる必要がある。
導電性ペースト層13の形成には、導電性フィラーをバインダーとなる樹脂組成物に混ぜ込んだ導電性ペーストが用いられる。導電性ペーストとしては、導電性金属微粒子、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーからなる導電性フィラー群の中から選択された1つ以上と、バインダー樹脂組成物とを含むことが好ましい。導電性金属微粒子としては、銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の金属微粉末が用いられるが、導電性能が高く、価格が安価であることから銅または銀の微粉末や、粒径が1μm未満のナノ粒子(銅ナノ粒子、銀ナノ粒子など)を用いるのが好ましい。また、導電性を有するカーボンナノ粒子である、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーも使用することができる。導電性ペースト層13の焼成後の体積抵抗率は、1.5×10−5Ω・cm以下が望ましい。また、導電性ペースト層13の焼成後の表面抵抗率は、0.3Ω/□以下であることが望ましい。
導電性ペーストの加熱焼成は、例えば、150〜250℃程度に加熱することにより、金属微粒子の表面を被覆している有機分子層を離脱させ、蒸散させて除去するため、焼成温度を有機分子層の沸点範囲にするのが好ましい。
導電性ペーストの焼成時に、支持体フィルム21または剥離フィルム22を用いる場合は、これらの樹脂フィルムの熱劣化を抑制するため、焼成温度をより低温、好ましくは150〜180℃とすることが好ましい。
導電性ペーストは、これらのバインダー樹脂組成物に、導電性金属微粒子、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどの導電性フィラーを混ぜ込んだ後に、必要に応じてアルコールやエーテルなどの有機溶剤を加えて粘度調整を行う。粘度調整は、有機溶剤の添加量(配合比)によって行うことができる。導電性ペーストにバインダー樹脂組成物を混ぜ込むことにより、FPC用電磁波シールド材を段差に追従させて貼り付けた場合に引き延ばされても、亀裂が入ったりして導電性を損なうことを防ぐことができる。
導電性ペースト層13の焼成後の厚みは、0.1〜2μm程度が好ましく、0.3〜1μm程度がより望ましい。導電性ペースト層13の焼成後の厚みが0.1μmよりも薄い場合は、高い電磁波シールド性能を得ることが困難である。一方、導電性ペースト層13の焼成後の厚みが2μmより厚いと、コストが増大するので好ましくない。
導電性接着剤層14は、プリント基板等の被着体に電磁波シールド材10を貼着するための接着剤層である。導電性接着剤層14としては、常温で感圧接着性を示す粘着剤層ではなく、加熱加圧による熱硬化性接着剤層が好ましい。これにより、プリント基板が繰り返し屈曲された場合にでも接着力が低下しにくい。
また、上記の導電性接着剤においては、導電性粒子相互の接触、および該導電性粒子と導電性ペースト層および被着体であるプリント基板との接触により、導電性が発現される。このため、導電性物質を多量に含有させると、優れた導電性を得ることができるが、接着力が低下し、導電性物質の含有量を低減すると、接着力は向上するが、導電性が低下するという、相反する問題がある。このため、導電性微粒子の配合量は、接着剤(固形分)100重量部に対して、通常、10〜100重量部程度、より好ましくは30〜80重量部である。
電磁波シールド材10に遮光性を付与するため、支持体フィルム21及び剥離フィルム22を除いた、電磁波シールド材10を構成するいずれかの層に光吸収材を含んでいてもよい。この目的で光吸収材を含むことができる層は、例えば、基材11、アンカー層12、導電性ペースト層13、導電性接着剤層14のいずれか1層又は2層以上が挙げられる。光吸収剤としては、非導電性カーボンブラック、黒鉛、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラック、黒色酸化鉄、酸化クロム、酸化マンガンからなる群より選択される1種以上の黒色顔料又は着色顔料が挙げられる。電磁波シールド材10をプリント基板等の被着体に貼着した状態における外観を改善する目的では、電磁波シールド材10の外側となる基材11またはアンカー層12のいずれか一方または両方が光吸収材を含むことが好ましい。
導電性接着剤層14の表面には、導電性接着剤層14を保護するため、剥離フィルム22を設けることができる。剥離フィルム22は、電磁波シールド材10の使用時に、導電性接着剤層14から剥離することが可能である。剥離フィルム22の基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。これらの基材フィルムに、アミノアルキッド樹脂やシリコーン樹脂等の剥離剤を塗布した後、加熱乾燥することにより、剥離処理が施される。剥離フィルム22に施される剥離剤には、シリコーン樹脂を使用しないことが望ましい。シリコーン樹脂を剥離剤として用いると、導電性接着剤層14の接着力を弱めるおそれがある。剥離フィルム22の厚みは、プリント基板に貼着して使用する際の電磁波シールド材10の全体の厚みからは除外されるので、特に限定されないが、通常12〜150μm程度である。
本発明の電磁波シールドが使用されるプリント基板としては、絶縁基板が硬質であるリジッド基板、絶縁基板が柔軟性であるフレキシブル基板、柔軟性がある部分と硬質の部分を含むリジッドフレキシブル基板(フレックスリジッド基板)等が挙げられる。段差としては、例えば50μm以上、更には300μm以上が例示できる。
片面に剥離処理を施した、厚みが50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを、支持体フィルムとして用いた。その支持体フィルムの片面の上に、光吸収材の黒色顔料として非導電性カーボンブラックを、乾燥後の引張伸度が140%の溶剤可溶性ポリイミドの固形分に対して1重量%配合した溶剤可溶性ポリイミドの塗布液を、乾燥後の厚みが4μmになるように流延塗布、乾燥させて、誘電体の薄膜樹脂フィルムからなる基材を積層した。なお、基材の引張伸度を測定するため、電磁波シールド材の製造用と同様にして、引張伸度の測定用の基材を作製し、支持体フィルムから基材を引き剥がし、IPC−TM−650 2.4.19の方法に従い、引張伸度を測定したところ、140%であった。
支持体フィルムの片面の上に積層されている基材の上に、導電性フィラーとして、粒子径が10〜40nmの銀粒子とバインダー樹脂とを混ぜて調製した導電性ペーストを用いて、乾燥後の厚みが0.25μmとなるように塗布した後、温度150℃にて焼成して導電性ペースト層を形成した。乾燥した導電性ペースト層の体積抵抗率を測定した値は、1.5×10−5Ω・cm以下であった。
別途、リン含有ポリウレタン樹脂の40%溶液(東洋紡製:UR3575)100重量部に対して、多官能エポキシ樹脂70%溶液(東洋紡製:HY−30)を3.9重量部、平均粒子径16nmのフュームドシリカ(日本アエロジル(株)製:R972)を2.1重量部、添加剤としてシランカップリング剤(信越化学工業製:KBM−403)を0.42重量部、銀ハイブリッド銅(戸田工業製:RD−MS3)26重量部を、順次加え、メチルエチルケトン及びトルエンで希釈し、撹拌混練して導電性接着剤溶液を得た。リン含有ポリウレタン樹脂と多官能エポキシ樹脂とを合計した接着剤(固形分)100重量部に対する銀ハイブリッド銅の割合は、約60.8重量部である。得られた導電性接着剤溶液を、導電性ペースト層の上に乾燥後の厚みが4μmとなるように導電性接着剤層を積層して、実施例1の電磁波シールド材を得た。
乾燥後の引張伸度が120%の溶剤可溶性ポリイミドの塗布液に非導電性カーボンブラックを添加して基材を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の電磁波シールド材を得た。
乾燥後の引張伸度が170%の溶剤可溶性ポリイミドの塗布液に非導電性カーボンブラックを添加することなく、基材を乾燥後の厚みが4μmになるように形成し、形成された基材の上に、光吸収材の黒色顔料として非導電性カーボンブラックと、耐熱温度が260〜280℃のポリエステル系樹脂組成物とを混ぜた、アンカー層を形成するための塗工液を用いて、乾燥後の厚みが0.5μmとなるように塗布してアンカー層を積層した後、アンカー層上に導電性ペースト層と導電性接着剤層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の電磁波シールド材を得た。
導電性ペースト層の厚みを0.8μmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例4の電磁波シールド材を得た。
乾燥後の引張伸度が50%の溶剤可溶性ポリイミドの塗布液に非導電性カーボンブラックを添加して基材を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の電磁波シールド材を得た。
導電性ペースト層を積層する代わりに、厚みが0.08μmの銀蒸着膜を設けた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の電磁波シールド材を得た。
アンカー層上に導電性ペースト層を積層する代わりに、厚みが12μmの電解銅箔を設けた以外は、実施例3と同様にして、比較例3の電磁波シールド材を得た。
支持体フィルムを用いず、基材として厚みが10μm、引張伸度が62%の熱硬化型ポリイミドからなるポリイミドフィルムを用いた以外は、実施例3と同様にして、比較例4の電磁波シールド材を得た。
図2に示すように、柔軟性基板部32の上に、硬質基板部33及び端子部31が設けられたテスト用基板30を用意し、その上に電磁波シールド材10を重ねた。柔軟性基板部32の両端上に形成される、端子部31間の長さが50mmである。柔軟性基板部32に対して硬質基板部33により形成される段差は、高さ0.3mm(300μm)、幅30mmである。硬質基板部33の長さは30mmであり、端子部31と硬質基板部33との間の開口部35の長さは左右各10mmである。
段差追従性の評価方法で得られたサンプルの両端の端子間抵抗をデジタルマルチメーター(TFFケースレーインスツルメンツ社製、型式:2100/100)で測定し、1Ω未満を「〇」、1Ω以上2Ω未満を「△」、2Ω以上を「×」とした。
得られた電磁波シールド材を、厚みが25μmのポリイミドフィルムに、160℃、2.5MPa、65分の条件で熱プレスし、耐熱性の評価用サンプルを得た。2.5cm×5cmの寸法に試験片を切り出し、290℃のはんだ浴に10秒間浸漬した後引き上げた。はんだ浴浸漬後の電磁波シールド材の外観に、目視で変形や縮れ等の異常がないかを観察し、異常がなく良好な場合を「〇」とし、異常が見られた場合を「×」とした。
実施例1〜4、及び比較例1〜4について、上記の評価方法にて、電磁波シールド材の評価を行い、得られた評価結果を表1〜2に示した。厚みの欄に「無し」と記入されているのは、その層を有しないことを意味する。また、ポリイミド基材のポリイミド材料の欄で、「PI1」、「PI2」、「PI3」、「PI4」、「PI5」は、それぞれ実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較例4で用いたポリイミドを意味する。
さらに比較例2のように蒸着膜を導電層とした場合、導電層が柔軟性に乏しいため、基材の引張伸度が100%以上であるにもかかわらず、テスト用基板の段差に追従しきれず、テスト用基板との間に隙間ができたり、導電層に亀裂が入ったり、破断したりして、追従性と導電性が悪化した。
また、比較例3のように金属箔を導電層とした場合、導電層が伸びに乏しいため、基材の引張伸度が100%以上であるにもかかわらず、テスト用基板の段差に追従しきれず、テスト用基板との間に隙間ができたり、導電層に亀裂が入ったり、破断したりして、追従性と導電性が悪化した。
実施例1〜4の場合は、導電層に導電性ペースト層を採用することにより、焼成されたナノ銀粒子の空隙に充填されるバインダーにより柔軟性が生じ、導電層が段差に追従するために、基材のポリイミドフィルムが引き延ばされても導通性を失わない、段差追従性が良好な電磁波シールド材が得られた。
なお、厚みが大きく、引張伸度が100%以下のポリイミドフィルムを基材としている比較例4でも、耐熱性が悪化したが、これは、厚みの大きい基材からのガスの発生量が多く、またガス透過性が低いためと考えられる。
Claims (12)
- 誘電体の樹脂フィルムからなる基材の片面上に、導電性ペースト層と、導電性接着剤層とが、この順で前記基材の厚み方向に積層されており、前記基材の引張伸度が100%以上であることを特徴とする電磁波シールド材。
- 前記導電性ペースト層が、粒径1μm未満の銀ナノ粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールド材。
- 前記基材の引張伸度が100%以上300%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波シールド材。
- 前記基材が、溶剤可溶性ポリイミドフィルムからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
- 前記基材が、炭素数が3個以上の脂肪族ユニットを、芳香族ユニット間に有するポリイミド材料を用いて形成されたポリイミドフィルムからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
- 前記導電性接着剤層の厚みが15μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
- 前記導電性接着剤層が、異方導電性接着剤層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
- 前記導電性接着剤層が、ポリウレタンを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
- 前記基材から前記導電性接着剤層までの厚みの合計が、6〜15μmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
- 前記基材が、前記導電性ペースト層および前記導電性接着剤層が積層された側とは反対の面において、前記基材から剥離可能な支持体フィルムにより支持されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の電磁波シールド材を備える携帯電話。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の電磁波シールド材を備える電子機器。
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