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JP2018008410A - 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 Download PDF

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勇治 田丸
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直子 辻内
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紗綾香 関
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Abstract

【課題】基板からの吐出口形成部材の剥離をより軽減することが可能な液体吐出ヘッドを提供する。【解決手段】液体吐出ヘッドは、液体が供給される供給口21が少なくとも4つ並設された基板20と、供給口21に供給された液体を吐出する吐出口が形成され、基板20に設けられた吐出口形成部材とを有する。各供給口21は、第1の方向に沿って形成され、かつ、第1の方向とは交差する第2の方向Yに並設される。互いに隣接する供給口21に狭まれた複数の狭領域は、互いに隣接する供給口21の間の距離が異なる少なくとも2種類の領域からなり、狭領域のうち基板20の両端部に位置する領域は、供給口21の間の距離が最も短い領域とは異なる。【選択図】図5

Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置に関する。
インクジェット記録装置のような液体吐出装置で使用される液体吐出ヘッドは、一般的に、液体を吐出するための記録素子基板を有する。記録素子基板は、液体が供給される供給口を有する基板と、液体を吐出する吐出口を有する吐出口形成部材とを備え、基板上に吐出口形成部材が設けられている。
上記のような液体吐出ヘッドでは、基板と吐出口形成部材との界面に応力が生じると、吐出口形成部材が基板から剥離することがあるという課題があった。この課題に対して、特許文献1には、吐出口形成部材における基板上の供給口に対向した位置に、その供給口の長手方向に沿って設けられた梁状突起を備えた液体吐出ヘッドが開示されている。この液体吐出ヘッドは、梁状突起と一体に形成され、基板に接続された補強リブを有する。また、この液体吐出ヘッドでは、梁状突起に供給口の長手方向に沿ってスリットが設けられている。
特許文献1に開示された液体吐出ヘッドでは、補強リブにより基板と吐出口形成部材との密着面積が増加しており、さらに上記の応力の一部をスリットの変形により吸収することができるため、吐出口形成部材の基板からの剥離を軽減することが可能になる。
特開2012−51235号公報
近年、液体吐出ヘッドでは、記録の高品質化や高速化のために、吐出口の数を増やすことが求められており、その結果、吐出口列の長尺化やそれに伴う基板のさらなる長尺化が進んでいる。また、製造コストの低減化の観点からは、基板製造における歩留りを向上させるために、複数の供給口を備える液体吐出ヘッドにおいて供給口間の距離を縮めて基板の幅を縮小させることが求められている。
しかしながら、基板の長尺化が進むほど、基板の縦横比が大きくなるため、基板の剛性が低下する。また、供給口間の距離が縮むほど、供給口間の基板部材の容積が減少するため、基板の剛性が低下する。このように基板の剛性が低下すると、基板と吐出口形成部材との界面に生じる応力によって基板が変形しやすくなり、その結果、基板と吐出口形成部材とが剥離しやすくなる。このため、長尺化した基板や供給口間の距離が縮んだ基板では、基板と吐出口形成部材とが剥離しやすくなるという問題がある。
このように複数の供給口を備える液体吐出ヘッドにおいて、基板のさらなる長尺化および供給口間の距離の縮小化に伴い、基板と吐出口形成部材との剥離の課題がますます大きくなってきている。
本発明の目的は、上記課題を鑑みてなされたものであり、基板からの吐出口形成部材の剥離をより軽減することが可能な液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置を提供することである。
本発明による第1の液体吐出ヘッドは、液体が供給される供給口が少なくとも4つ並設された基板と、前記基板に設けられ、前記供給口に供給された液体を吐出する吐出口が形成された吐出口形成部材とを有する液体吐出ヘッドにおいて、各供給口は、第1の方向に沿って形成され、かつ、前記第1の方向とは交差する第2の方向に並設され、互いに隣接する前記供給口で狭まれた複数の狭領域は、互いに隣接する前記供給口の間の距離が異なる少なくとも2種類の領域からなり、前記狭領域のうち前記第2の方向における前記基板の両端部側に位置する領域は、前記距離が最も短い領域とは異なる。
本発明による第2の液体吐出ヘッドは、液体が供給される供給口が少なくとも4つ並設された基板と、前記供給口に供給された液体を吐出する吐出口が形成され、前記基板に設けられた吐出口形成部材とを有する液体吐出ヘッドにおいて、各供給口は、第1の方向に沿って形成され、かつ、前記第1の方向とは交差する第2の方向に並設され、互いに隣接する前記供給口で狭まれた複数の狭領域は、互いに隣接する前記供給口の間の距離が異なる少なくとも3種類の領域からなり、前記距離が最も長い狭領域と前記距離が最も短い狭領域とが互いに隣接していない。
本発明による第3の液体吐出ヘッドは、液体が供給される供給口が少なくとも4つ並設された基板と、前記基板に設けられ、前記供給口に供給された液体を吐出する吐出口が形成された吐出口形成部材とを有する液体吐出ヘッドにおいて、各供給口は、第1の方向に沿って形成され、かつ、前記第1の方向とは交差する第2の方向に並設され、互いに隣接する前記供給口で狭まれた複数の狭領域は、互いに隣接する前記供給口の間の距離が異なる少なくとも2種類の領域からなり、前記狭領域のうち前記距離が最も短い領域は、前記狭領域のうち前記第2の方向における前記基板の両端部側以外の領域に位置する。
本発明による液体吐出装置は、上記の液体吐出ヘッドを備える。
本発明によれば、供給口の間の距離が最も短い狭領域が基板の両端部に位置しないため、最も剛性の低い狭領域を最も応力が強くなる場所から外すことが可能になる。あるいは、供給口間の距離が最も長い狭領域と供給口間の距離が最も短い狭領域とが互いに隣接していないため、互いに隣接する狭領域における基板が占める容積の差に起因する変形を緩和することが可能になる。したがって、基板からの吐出口形成部材の剥離をより軽減することが可能になる。
本発明の第1の実施形態の液体吐出装置の要部を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態の液体吐出ヘッドを模式的に示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態の記録素子基板を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態の記録素子基板を模式的に示す上面図である。 本発明の第1の実施形態の基板を模式的に示す上面図である。 図4の領域Aを拡大した拡大図である。 図6のB−B線に沿った断面図である。 本発明の第2の実施形態の記録素子基板を模式的に示す上面図である。 本発明の第2の実施形態の基板を模式的に示す上面図である。 記録素子基板の変形をより詳細に説明するための図である。 本発明の第3の実施形態の記録素子基板を模式的に示す上面図である。 本発明の第3の実施形態の基板を模式的に示す上面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同じ機能を有するものには同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の液体吐出装置の要部を模式的に示す斜視図である。図1に示す液体吐出装置1は、液体としてインクを記録媒体Pに吐出して記録媒体P上に画像を記録するインクジェット記録装置であるが、本発明は、インクジェット記録装置に限らず、液体を吐出する一般の液体吐出装置に適用することができる。
図1に示す液体吐出装置1は、液体を吐出する液体吐出ヘッド2を備える。液体吐出ヘッド2は、液体を吐出する面が記録媒体Pと対向するように設けられる。液体吐出装置1は、図中の矢印で示される方向に液体吐出ヘッド2を往復移動させながら、液体吐出ヘッド2から液体を吐出させる。そして液体吐出装置1は、液体の吐出に合わせて、液体吐出ヘッド2が往復移動する方向とは交差する方向に記録媒体Pを間欠的に移動させることで、記録媒体Pに画像を記録する。
図2は、液体吐出ヘッド2の一例を模式的に示す斜視図である。図2に示す液体吐出ヘッド2は、筐体11と、電気接続基板12と、電気配線基板13と、記録素子基板14aおよび14bとを有する。電気接続基板12、電気配線基板13、記録素子基板14aおよび14bは、筐体11に取り付けられている。
電気接続基板12には、外部(具体的には、液体吐出装置1本体)から電気信号が入力される。電気信号は、液体を吐出するための電力や、液体の吐出を制御するための論理信号などを含む。電気配線基板13は、可撓性を有し、筐体11に対して折り曲げられて取り付けられている。電気配線基板13は、電気接続基板12と記録素子基板14aおよび14bのそれぞれとを電気的に接続し、電気接続基板12に入力された電気信号を記録素子基板14aおよび14bに供給する。記録素子基板14aおよび14bは、液体を貯留するタンク(図示せず)と接続され、電気接続基板12からの電気信号に従って、タンク内の液体を吐出する。
図3は、記録素子基板14aを模式的に示す斜視図である。図3では、記録素子基板14aは一部破断した状態で示されている。図3に示す記録素子基板14aは、基板20と、基板20上に設けられた吐出口形成部材30とを有する。本実施形態では、基板20としてSi基板が用いられ、吐出口形成部材30は、エポキシ系の樹脂材料で形成されている。
基板20には、タンクから液体が供給される供給口21が形成されている。供給口21は、基板20上の第1の方向Xに沿って複数形成され、その複数の供給口21は、第1の方向Xとは交差する第2の方向Yに並設されている。本実施形態では、複数の供給口21は、基板20の一辺(具体的には、基板20の長手方向に沿った辺)と平行な方向に沿って形成され、その一辺とは直交する方向に並設される。また、供給口21は、少なくとも4つある。
各供給口21は、基板20における吐出口形成部材30が設けられた第1の面から、基板20における第1の面とは反対側の第2の面まで貫通し、第2の面から第1の面に向かうにつれて徐々に開口幅が狭くなるように形成される。
さらに基板20には、各供給口21に沿って複数のエネルギー発生素子22が所定のピッチで形成されている。エネルギー発生素子22は、液体を吐出するためのエネルギーを発生させる。エネルギー発生素子22の種類は特に限定されないが、本実施形態では、熱エネルギーを発生させるヒータである。
エネルギー発生素子22およびエネルギー発生素子22を駆動するための駆動回路(不図示)は、基板20と一体形成される。駆動回路は、スイッチング素子や選択回路などを含む。基板20には、吐出口形成部材30との界面に窒化ケイ素からなる保護膜(不図示)が形成され、エネルギー発生素子22周辺を含む一部の領域にタンタルからなる耐キャビテーション膜(不図示)が形成されてもよい。
また、基板20には、図2に示した電気配線基板13から電気信号が供給される接続端子23が形成される。接続端子23は、基板20上の吐出口形成部材30が設けられない箇所に配置される。具体的には、吐出口形成部材30は基板20の長手方向の中央付近に配置され、接続端子23は、基板20の長手方向の両端部付近に、基板20の短手方向に沿って複数配置されている。
吐出口形成部材30には、基板20の各エネルギー発生素子22に対応する箇所に、液体を吐出する吐出口31が設けられる。具体的には、吐出口形成部材30は、各エネルギー発生素子22と対向する箇所のそれぞれに、吐出口31から吐出する液体を貯留する発泡室32を備え、吐出口31は、発泡室32を挟んでエネルギー発生素子22に対向するように形成される。
また、吐出口形成部材30には、各発泡室32と連通する複数の流路33と、基板20の供給口21から供給される液体を各流路33に分配する共通液室34とが形成される。流路33の一方の端部は、共通液室34と接続され、他方の端部が発泡室32と接続されている。
上記構成では、タンクからの液体は、基板20の供給口21を介して吐出口形成部材30の共通液室34に供給される。共通液室34に供給された液体は、流路33を介して発泡室32に供給され、発泡室32に貯留される。エネルギー発生素子22が接続端子23に入力された電気信号に従ってエネルギーを発生させると、そのエネルギーは発泡室32に貯留された液体に伝わる。そのエネルギーにより発泡室32内の液体が膜沸騰し、発泡室32内に気泡が生成される。その気泡による発泡圧によって発泡室32内の圧力が高まり、それにより発泡室32内の液体に運動エネルギーが付与され、吐出口31から液体が吐出される。吐出された液体が図1に示した記録媒体Pに対して画像の画素(ドット)を形成する。これにより、記録媒体Pに画像が記録される。
以下、記録素子基板14aについてより詳細に説明する。
図4は、本実施形態の記録素子基板14aを模式的に示した上面図であり、図5は、本実施形態の基板20を模式的に示した上面図である。
図4および図5に示すように、記録素子基板14aでは、図3でも示したように基板20上に吐出口形成部材30が形成されている。本実施形態では、基板20の厚さは0.725mm、吐出口形成部材30の厚さは0.03mmである。記録素子基板14a(基板20)の幅である基板幅CW1は5.3mmであり、記録素子基板14a(基板20)の長さである基板長CL1は15mmである。
吐出口形成部材30には、基板20の長手方向に沿って共通液室34が形成されている。また、共通液室34の両側に沿って吐出口31および発泡室32が複数形成されており、さらに発泡室32ごとに発泡室32と共通液室34とを連通する流路33が形成されている。
基板20には、供給口21として、供給口21a〜21dが形成されている。供給口21a〜21dは、基板20の一辺から供給口21a、供給口21b、供給口21c、供給口21dの順に設けられている。また、供給口21a〜21dは互いに同じ形状を有し、その幅SWは0.15mm、長さSLは11.5mmである。
また、基板20には、エネルギー発生素子22としてヒータ22aが設けられ、複数のヒータ22aからなるヒータ列25a1〜25d2が供給口21a〜21dの両側に沿って形成されている。各ヒータ列25a1〜25d2には、図5では、簡略化のために7個のヒータ22aが配置されているように記載されているが、実際には、600dpiの密度(約0.0423mmピッチ)で256個のヒータ22aが配列されている。図4に示す吐出口31および発泡室32は、それぞれヒータ22aに対向して形成され、共通液室34は、供給口21a〜dに対向して形成されている。
互いに隣接する供給口21に狭まれた領域を供給口21a側から順に狭領域R1〜R3とする。狭領域R1〜R3は、互いに隣接する供給口21の間の距離である供給口間距離が異なる少なくとも2種類の領域からなる。また、狭領域R1〜R3のうち第2の方向における基板20の両端部側に位置する狭領域R1およびR3は、供給口間距離が最も短い領域とは異なる。換言すれば、狭領域R1〜R3のうち供給口間距離が最も短い領域は、狭領域R1〜R3のうち第2の方向における基板20の両端部側以外の領域に位置する。
本実施形態では、供給口21aと供給口21bとの間、および、供給口21cと供給口21dとの間の供給口間距離D11は1.3mmであり、供給口21bと供給口21cの間の供給口間距離D12は1.1mmである。このため、供給口間距離が最も短い領域は、供給口21bと供給口21cとで狭まれた狭領域R2となる。ここで、供給口間距離は、互いに隣接する供給口21のそれぞれの長手方向に延びる中心線同士の距離である。
図6は、図4における領域Aを拡大した拡大図である。図7は、図6におけるB−B線に沿った断面を示す断面図である。
図7に示すように、基板20上には、酸化ケイ素からなる蓄熱層41が形成されている。蓄熱層41上には、TaSiNからなるヒータ層42と窒化ケイ素からなる保護膜層43とが形成されている。ヒータ層42およびヒータ電極層(不図示)によってヒータ22aが形成される。保護膜層43上のヒータ22aに対応する領域には、タンタルからなる耐キャビテーション層44が形成されている。本実施形態では、蓄熱層41、ヒータ層42、保護膜層43、耐キャビテーション層44は基板20上に半導体製造プロセスによって一体的に形成される。さらに保護膜層43および耐キャビテーション層44上に吐出口形成部材30が形成されている。
上記構成において、記録素子基板14aに温度変化などが生じると、記録素子基板14aに応力が発生し、その応力によって記録素子基板14aが変形することがある。この応力は、通常、基板20の中央部から基板20の外周部に向かいほど強くなる。また、狭領域R1〜R3では、供給口間距離が短いほど、基板20における供給口21の割合が大きくなるので、剛性が低くなり、応力の影響を受けやすくなる。
本実施形態では、供給口間距離が最も短い狭領域R2が、基板20の両端部とは異なる場所に配置される。このため、狭領域R1〜R3のうち最も剛性が低い狭領域R2が、応力の影響を最も受けやすい基板20の両端部から離れて配置される。したがって、応力の影響を低減化することが可能になり、基板20と吐出口形成部材30との剥離を低減することが可能になる。
第1の比較例の液体吐出ヘッドとして、狭領域R1の供給口間距離が1.1mm、狭領域R2およびR3の供給口間距離が1.3mmの液体吐出ヘッドを用意し、本実施形態の液体吐出ヘッド2と比較した。第1の比較例の液体吐出ヘッドの供給口間距離以外の構成は、本実施形態の液体吐出ヘッド2と同様である。
第1の比較例の液体吐出ヘッドに対して−20℃と80℃の温度サイクルを100回施した。この場合、供給口21aに対応するヒータ列25a2の中央付近において、基板20からの吐出口形成部材30の剥離が、10サンプルのうち8サンプルで発生した。一方、本実施形態の液体吐出ヘッド2に対して同一の温度サイクルを100回施した場合、供給口21aに対応するヒータ列25a2の中央付近において、基板20からの吐出口形成部材30の剥離が、10サンプルのうち2サンプルでしか発生しなかった。この結果からも、本実施形態の液体吐出ヘッド2では、基板20からの吐出口形成部材30の剥離をより軽減することが可能であることが示された。
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態の記録素子基板14aを模式的に示す上面図であり、図9は、本発明の第2の実施形態の基板20を模式的に示した上面図である。図8および図9の例では、記録素子基板14a(基板20)の幅である基板幅CW2は6.9mmであり、記録素子基板14a(基板20)の長さである基板長CL2は15mmである。基板20の厚さおよび吐出口形成部材30の厚さは第1の実施形態と同様である。
基板20には、供給口21として、供給口21a〜21eが形成されている。供給口21a〜21eは、基板20の一辺に沿って形成され、その一辺から供給口21a、供給口21b、供給口21c、供給口21d、供給口21eの順に設けられている。複数のヒータ22aからなるヒータ列25a1〜25e2が供給口21a〜21eに沿って形成されている。供給口21の形状は、第1の実施形態と同様である。
互いに隣接する供給口21に狭まれた領域を供給口21a側から順に狭領域R1〜R4とする。本実施形態では、狭領域R1〜R4は、供給口間距離が互いに異なる少なくとも3種類の領域からなり、供給口間距離が最も長い狭領域と供給口間距離が最も短い狭領域とが互いに隣接していない。
具体的には、狭領域R1およびR3の供給口間距離D22は1.3mm、狭領域R2の供給口間距離D21は1.1mm、狭領域R4の供給口間距離D23は1.6mmである。このため、供給口間距離が最も長い狭領域は狭領域R4であり、供給口間距離が最も短い狭領域は狭領域R2であり、狭領域R2およびR4は互いに隣接していない。
上記構成において記録素子基板14aに温度変化などが生じると、記録素子基板14aに応力が発生し、その応力によって記録素子基板14aが変形することがある。
図10は、記録素子基板14aの変形をより詳細に説明するための図である。図10(a)は、図9のC−Cに沿った断面図である。図10(b)および図10(c)は、図10(a)の領域Dを拡大した拡大図である。
記録素子基板14aに応力が生じると、供給口21が形成されていることにより基板20の剛性低下や、基板20および吐出口形成部材30のそれぞれに生じる応力の差などにより、記録素子基板14aは変形する。具体的には、第1の実施形態で説明したように、応力が基板20の中央部から基板20の外周部に向かいほど強くなるため、記録素子基板14a全体としては、図10(a)に示すようにお椀状に変形する。
狭領域では、供給口間距離が長いほど、基板20における供給口21の割合が小さくなるため、狭領域における基板20が占める容積は大きくなる。このため、互いに隣接する狭領域の供給口間距離の差が大きいほど、それらの狭領域における基板20が占める容積の差が大きくなる。この容積の差が小さいほど、図10(b)に示すように互いに隣接する狭領域間の相対的な変形量が小さく、この容積の差が大きいほど、図10(c)に示すように互いに隣接する狭領域間の相対的な変形量が大きくなる。したがって、互いに隣接する狭領域の供給口間距離の差が大きいほど、吐出口形成部材30は基板20から剥離しやすくなる。
本実施形態では、供給口間距離が最も長い狭領域R4と、供給口間距離が最も短い狭領域R2とが隣接していないため、互いに隣接する狭領域における基板20が占める容積の差に起因する変形を緩和することが可能になる。したがって、基板20からの吐出口形成部材30と剥離を低減することが可能になる。
第2の比較例の液体吐出ヘッドとして、狭領域R1およびR4の供給口間距離が1.3mm、狭領域R2の供給口間距離が1.1mm、狭領域R3の供給口間距離が1.6mmの液体吐出ヘッドを用意し、本実施形態の液体吐出ヘッド2と比較した。第2の比較例の液体吐出ヘッドの供給口間距離以外の構成は、本実施形態の液体吐出ヘッド2と同様である。
第2の比較例の液体吐出ヘッドに対して−20℃と80℃の温度サイクルを100回施した。この場合、供給口21aに対応するヒータ列25a2の中央付近において、基板20に対する吐出口形成部材30の剥離が、10サンプルのうち8サンプルで発生した。一方、本実施形態の液体吐出ヘッド2に対して同一の温度サイクルを100回施した場合、供給口21aに対応するヒータ列25a2の中央付近において、基板20に対する吐出口形成部材30の剥離が、10サンプルのうち2サンプルでしか発生しなかった。この結果からも、本実施形態の液体吐出ヘッド2では、基板20からの吐出口形成部材30の剥離をより軽減することが可能であることが示された。
以上説明した第2の実施形態では、供給口21が5つあったが、実際には、少なくとも4つあればよい。
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態の記録素子基板14aを模式的に示す上面図であり、図12は、本発明の第3の実施形態の基板20を模式的に示した上面図である。図11および図12の例では、記録素子基板14a(基板20)の幅である基板幅CW3は10.4mmであり、記録素子基板14a(基板20)の長さである基板長CL3は15mmである。基板20の厚さおよび吐出口形成部材30の厚さは第1の実施形態と同様である。
基板20には、供給口21として、供給口21a〜21hが形成されている。供給口21a〜21hは、基板20の一辺に沿って形成され、その一辺から供給口21a、供給口21b、供給口21c、供給口21d、供給口21e、供給口21f、供給口21g、供給口21hの順に設けられている。複数のヒータ22aからヒータ列25a1〜25h2が供給口21a〜21hに沿って形成されている。
ヒータ列25a1、25b1、25d1、25d2、25e1、25e2、25f1、25f2、25g2および25h2には、600dpiの密度(約0.0423mmピッチ)で256個のヒータ22aが配列されている。また、ヒータ列25a2、25b2、25c1、25c2、25g1、25h1には、1200dpiの密度(約0.0211mmピッチ)で512個のヒータ22aが配列されている。
互いに隣接する供給口21に狭まれた領域を供給口21a側から順に狭領域R1〜R7とする。狭領域R1〜R7は、供給口間距離が異なる少なくとも3種類の領域からなる。第1の実施形態と同様に、狭領域R1〜R7のうち第2の方向Yにおける基板20の両端部側に位置する狭領域R1およびR7は、供給口間距離が最も短い領域とは異なる。また、第2の実施形態と同様に、供給口間距離が最も長い狭領域と供給口間距離が最も短い狭領域とが互いに隣接していない。
具体的には、狭領域R4およびR5の供給口間距離D31は1.1mm、狭領域R2の供給口間距離D33は1.6mm、その他の狭領域R1、R3、R6およびR7の供給口間距離D32は1.3mmである。このため、狭領域R4およびR5が供給口間距離の最も短い領域となり、狭領域R2が供給口間距離の最も長い領域となる。したがって、基板20の両端部に位置する狭領域R1およびR7は、供給口間距離が最も短い領域とは異なり、供給口間距離が最も長い狭領域R2と供給口間距離が最も短い狭領域R4およびR5とは互いに隣接していない。したがって、本実施形態では、液体吐出ヘッド2においては基板20と吐出口形成部材30の剥離を低減することができる。
第3の比較例の液体吐出ヘッドとして、狭領域R1およびR7の供給口間距離が1.1mm、狭領域R2の供給口間距離が1.6mm、その他の狭領域R3〜R6の供給口間距離が1.3mmの液体吐出ヘッド2とを用意した。第3の比較例の液体吐出ヘッドの供給口間距離以外の構成は、本実施形態の液体吐出ヘッド2と同様である。
第3の比較例の液体吐出ヘッドに対して−20℃と80℃の温度サイクルを100回施した。この場合、供給口21aに対応するヒータ列25a2の中央付近において、基板20からの吐出口形成部材30の剥離が、10サンプルのうち9サンプルで発生した。一方、本実施形態の液体吐出ヘッド2に対して同一の温度サイクルを100回施した場合、供給口21aに対応するヒータ列25a2の中央付近において、基板20からの吐出口形成部材30の剥離が、10サンプルのうち2サンプルでしか発生しなかった。また、同様な結果が供給口21bに対応するヒータ列25b1の中央付近でも得られた。この結果からも、本実施形態の液体吐出ヘッド2では、基板20からの吐出口形成部材30の剥離をより軽減することが可能であることが示された。
第4の比較例の液体吐出ヘッドとして、ヒータ22aが、ヒータ列25a2、25b1、25e2、25f1、25g2、25h1に相当するヒータ列に1200dpiの密度で512個配置されている液体吐出ヘッドを用意した。第4の比較例の液体吐出ヘッドのヒータ22aの密度の以外の構成は、本実施形態の液体吐出ヘッド2と同様である。
第4の比較例の液体吐出ヘッドに対して−20℃と80℃の温度サイクルを100回施した。この場合、供給口21fに対応するヒータ列25f1の中央付近において、基板20からの吐出口形成部材30の剥離が、10サンプルのうち2サンプルで発生した。一方、本実施形態の液体吐出ヘッド2に対して同一の温度サイクルを100回施した場合、供給口21fに対応するヒータ列25f1の中央付近において、基板20に対する吐出口形成部材30の剥離が、10サンプルのうち1サンプルでしか発生しなかった。この結果からも、本実施形態の液体吐出ヘッド2では、基板20からの吐出口形成部材30の剥離をより軽減することが可能であることが示された。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。例えば、各実施形態で説明した記録素子基板14aの構成は、記録素子基板14bに対しても適用できる。
1 液体吐出装置
2 液体吐出ヘッド
20 基板
21 供給口
30 吐出口形成部材
31 吐出口

Claims (8)

  1. 液体が供給される供給口が少なくとも4つ並設された基板と、前記基板に設けられ、前記供給口に供給された液体を吐出する吐出口が形成された吐出口形成部材とを有する液体吐出ヘッドにおいて、
    各供給口は、第1の方向に沿って形成され、かつ、前記第1の方向とは交差する第2の方向に並設され、
    互いに隣接する前記供給口で狭まれた複数の狭領域は、互いに隣接する前記供給口の間の距離が異なる少なくとも2種類の領域からなり、前記狭領域のうち前記第2の方向における前記基板の両端部側に位置する領域は、前記距離が最も短い領域とは異なる、液体吐出ヘッド。
  2. 液体が供給される供給口が少なくとも4つ並設された基板と、前記供給口に供給された液体を吐出する吐出口が形成され、前記基板に設けられた吐出口形成部材とを有する液体吐出ヘッドにおいて、
    各供給口は、第1の方向に沿って形成され、かつ、前記第1の方向とは交差する第2の方向に並設され、
    互いに隣接する前記供給口で狭まれた複数の狭領域は、互いに隣接する前記供給口の間の距離が異なる少なくとも3種類の領域からなり、前記距離が最も長い狭領域と前記距離が最も短い狭領域とが互いに隣接していない、液体吐出ヘッド。
  3. 液体が供給される供給口が少なくとも4つ並設された基板と、前記基板に設けられ、前記供給口に供給された液体を吐出する吐出口が形成された吐出口形成部材とを有する液体吐出ヘッドにおいて、
    各供給口は、第1の方向に沿って形成され、かつ、前記第1の方向とは交差する第2の方向に並設され、
    互いに隣接する前記供給口で狭まれた複数の狭領域は、互いに隣接する前記供給口の間の距離が異なる少なくとも2種類の領域からなり、前記狭領域のうち前記距離が最も短い領域は、前記狭領域のうち前記第2の方向における前記基板の両端部側以外の領域に位置する、液体吐出ヘッド。
  4. 前記複数の狭領域は、前記距離が異なる少なくとも3種類の領域からなり、前記距離が最も長い狭領域と前記距離が最も短い狭領域とが互いに隣接していない、請求項1または3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 第1の方向は、前記基板の一辺と平行な方向である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記一辺は、前記基板の長手方向に沿った辺である、請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記第2の方向は、前記第1の方向とは直交する方向である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項の液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置。
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