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JP2018006919A - 弾性波デバイス - Google Patents

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Tokihiro Nishihara
時弘 西原
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良夫 佐藤
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Shinji Taniguchi
眞司 谷口
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Yasunari Irie
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Abstract

【課題】積層膜等の破壊等を抑制する。【解決手段】基板10と、前記基板内または上に設けられ、空隙30、または音響特性の異なる少なくとも2種類の層が積層された音響反射膜、を含む音響反射層と、前記基板および前記音響反射層上に設けられた圧電膜14と、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み下部電極と上部電極とが対向する複数の共振領域50が平面視において前記音響反射層内共通に設けられるように、前記下部電極12および前記上部電極16のいずれか一方が分断され前記下部電極および前記上部電極の他方は分断されず、前記基板および前記音響反射層上に前記圧電膜を挟むように設けられた下部電極および上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に設けられ、平面視において前記複数の共振領域の各々の外周領域において少なくとも一部に設けられ、前記複数の共振領域の各々の中央領域には設けられていない挿入膜28と、を具備する弾性波デバイス【選択図】図15

Description

本発明は、弾性波デバイスに関し、例えば圧電薄膜共振器を有する弾性波デバイス関する。
圧電薄膜共振器を用いた弾性波デバイスは、例えば携帯電話等の無線機器のフィルタおよびマルチプレクサとして用いられている。圧電薄膜共振器は、圧電膜を挟み下部電極と上部電極が対向する構造を有している(特許文献1)。圧電膜を挟み下部電極と上部電極が対向する領域が共振領域である。共振領域の下には振動を制限しないように空隙または音響反射膜が設けられる。空隙または音響反射膜は平面視において共振領域を含むように設けられる。
平面視において、単一の空隙に複数の圧電薄膜共振器が含まれるように配置することが知られている(例えば特許文献1)。空隙を共有しない隣接する圧電薄膜共振器同士で下部電極を共有することが知られている(例えば特許文献2)。圧電膜内の外周領域に挿入膜を設けることが知られている(例えば特許文献3)圧電膜の分極方向が2次歪を抑制するように共振器を分割することが知られている(例えば特許文献4、5)。
特開2001−244776号公報 特開2013−38658号公報 特開2014−161001号公報 特開2008−85989号公報 特開2009−10932号公報
例えば特許文献4、5のように2次歪を抑制するように共振器を分割する場合、特許文献2のように隣接する圧電薄膜共振器の下部電極を共有することが考えられる。しかし、隣接する圧電薄膜共振器を接続する下部電極等が長くなると分割した共振器間で2次歪みが完全にキャンセルされない。特許文献1のように、単一の空隙に複数の圧電薄膜共振器を設けると圧電薄膜共振器間を短くできる。しかし、単一の空隙に複雑な構造を設けるため、積層膜等にクラック等の破壊が生じることがある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、積層膜等の破壊等を抑制することを目的とする。
本発明は、基板と、前記基板内または上に設けられ、空隙、または音響特性の異なる少なくとも2種類の層が積層された音響反射膜、を含む音響反射層と、前記基板および前記音響反射層上に設けられた圧電膜と、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み下部電極と上部電極とが対向する複数の共振領域が平面視において前記音響反射層内に共通に設けられるように、前記下部電極および前記上部電極のいずれか一方が分断され前記下部電極および前記上部電極の他方は分断されず、前記基板および前記音響反射層上に前記圧電膜を挟むように設けられた下部電極および上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に設けられ、平面視において前記複数の共振領域の各々の外周領域において少なくとも一部に設けられ、前記複数の共振領域の各々の中央領域には設けられていない挿入膜と、を具備する弾性波デバイスである。
上記構成において、前記挿入膜は、前記複数の共振領域の各々の中央領域を囲む閉ループ状に設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記複数の共振領域に対応する挿入膜は一体として設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記挿入膜は、平面視において前記下部電極および前記上部電極のいずれか一方が分断された分断領域に重なる構成とすることができる。
上記構成において、前記音響反射層は前記空隙であり、前記挿入膜は、平面視において前記空隙の中心と重なる構成とすることができる。
上記構成において、前記下部電極および前記上部電極のいずれか一方が分断された分断領域において、前記下部電極が分断されている構成とすることができる。
上記構成において、前記下部電極および前記上部電極のいずれか一方が分断された分断領域において、前記上部電極が分断されている構成とすることができる。
上記構成において、前記圧電膜は、下部圧電膜と前記下部圧電膜上に設けられた上部圧電膜とを備え、前記挿入膜は前記下部圧電膜と前記上部圧電膜との間に設けられ、前記分断領域において、前記上部電極および前記上部圧電膜が分断されている構成とすることができる。
上記構成において、前記複数の共振領域内における前記挿入膜の幅は略等しい構成とすることができる。
本発明は、基板と、前記基板と、前記基板内または上に設けられた空隙と、の上に設けられた圧電膜と、平面視において下部電極および上部電極の少なくとも一方の電極が設けられた領域は平面視において前記空隙の略全てと重なり、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と前記上部電極とが対向する複数の共振領域が平面視において前記空隙内に共通に設けられるように前記下部電極および前記上部電極のいずれか一方が分断され前記下部電極および前記上部電極の他方は分断されず、前記基板および前記空隙上に前記圧電膜を挟むように設けられた下部電極および上部電極と、を具備する弾性波デバイスである。
上記構成において、前記複数の共振領域にそれぞれ対応する複数の圧電薄膜共振器を含むフィルタを具備する構成とすることができる。
上記構成において、入力端子と出力端子との間に直列に接続された1または複数の直列共振器と、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された1または複数の並列共振器と、を具備し、前記1または複数の直列共振器および前記1または複数の並列共振器の少なくとも1つは複数の分割共振器に分割されており、前記複数の共振領域はそれぞれ前記複数の分割共振器に対応する構成とすることができる。
上記構成において、入力端子と出力端子との間に直列に接続された1または複数の直列共振器と、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された1または複数の並列共振器と、を具備し、前記複数の共振領域は、前記1または複数の直列共振器の少なくとも1つと前記1または複数の並列共振器の少なくとも1つを含む構成とすることができる。
本発明によれば、積層膜等の破壊等を抑制することができる。
図1(a)および図1(b)は、は圧電薄膜共振器の断面図を示す図である。 図2(a)および図2(b)は、圧電薄膜共振器を並列に分割した図、図2(c)は直列分割した図である。 図3(a)は、比較例1に係る弾性波デバイスの平面図、図3(b)および図3(c)は、のA−A断面図である。 図4は、周波数に対する2次歪電圧を示す図である。 図5(a)は、実施例1に係る弾性波デバイスの平面図、図5(b)は、共振領域付近の平面図、図5(c)および図5(d)は、図5(a)のA−A断面図である。 図6(a)から図6(c)は、実施例1において共振領域付近を拡大した平面図である。 図7は、実施例1の効果を説明するための断面図である。 図8(a)は、実施例1の変形例1に係る弾性波デバイスの平面図、図8(b)は、共振領域付近の平面図、図8(c)および図8(d)は、図8(a)のA−A断面図である。 図9(a)は、実施例1の変形例2に係る弾性波デバイスの平面図、図9(b)は、共振領域付近の平面図、図9(c)および図9(d)は、図9(a)のA−A断面図である。 図10(a)は、実施例1の変形例3に係る弾性波デバイスの平面図、図10(b)は、共振領域付近の平面図、図10(c)および図10(d)は、図10(a)のA−A断面図である。 図11(a)は、実施例1の変形例4に係る弾性波デバイスの平面図、図11(b)は、共振領域付近の平面図、図11(c)および図11(d)は、図11(a)のA−A断面図である。 図12(a)は、実施例1の変形例5に係る弾性波デバイスの平面図、図12(b)は、共振領域付近の平面図である。 図13(a)は、実施例1の変形例6に係る弾性波デバイスの平面図、図13(b)は、共振領域付近の平面図である。 図14(a)は、実施例1の変形例7に係る弾性波デバイスの平面図、図14(b)は、共振領域付近の平面図である。 図15(a)は、実施例1の変形例8に係る弾性波デバイスの平面図、図15(b)は、共振領域付近の平面図である。 図16(a)は、実施例1の変形例9に係る弾性波デバイスの平面図、図16(b)は、共振領域付近の平面図である。 図17(a)は、実施例1の変形例10に係る弾性波デバイスの平面図、図17(b)は、共振領域付近の平面図である。 図18(a)は、実施例1の変形例11に係る弾性波デバイスの平面図、図18(b)は、共振領域付近の平面図である。 図19(a)および図19(b)は、実施例1の変形例12および13における共振領域近傍の断面図である。 図20は、実施例2に係るデュプレクサの回路図である。 図21(a)は、実施例2における送信フィルタの平面図、図21(b)は、空隙の平面図である。 図22(a)は、実施例3および比較例2に係るフィルタの回路図、図22(b)は、比較例2に係るフィルタの平面図である。 図23は、実施例3に係るフィルタの平面図である。 図24(a)は、実施例3の変形例1に係るフィルタの平面図、図24(b)は、共振領域付近の平面図である。 図25(a)は、実施例3の変形例2に係るフィルタの回路図、図25(b)は、平面図、図25(c)は、共振領域付近の平面図である。
まず、圧電薄膜共振器の2次歪みを抑制する例について説明する。図1(a)および図1(b)は、圧電薄膜共振器の断面図を示す図である。図1(a)に示すように、圧電膜14は下部電極12と上部電極16との間に挟まれている。圧電薄膜共振器80では、共振周波数の波長λの1/2がほぼ圧電膜14の厚さに相当する。つまり。圧電薄膜共振器80は、1/2λ厚み共振を用いている。このため、例えば下部電極12が−のとき、上部電極16は+となる。圧電膜14内の上下の面はそれぞれ+および−のいずれかとなる。
図1(b)に示すように、2次歪の周波数の波長はほぼ圧電膜14の厚さに相当する。このため、圧電膜14の上下の面が+または−となり、圧電膜14の中心が−または+となるように弾性波が励振する。圧電膜14が上下に対称であれば、2次歪は上部電極16と下部電極12とで同電位となる。このため、2次歪成分は生じない。しかしながら、圧電膜14として例えば窒化アルミニウム(AlN)または酸化亜鉛(ZnO)等を用いる場合、良好な特性を得るために、c軸に配向させる。矢印はc軸配向方向34を示している。このとき、圧電膜14内でc軸方向の対称性が崩れ、電界の分布に偏りが生じる。このため、上部電極16と下部電極12とに電位差が生じる。このように2次歪により発生する電圧を2次歪電圧という。下部電極12から上部電極16の方向がc軸配向方向34のとき、c軸配向方向34の同じ方向に2次歪電圧36が発生する。
図2(a)および図2(b)は、圧電薄膜共振器を並列に分割した図、図2(c)は直列分割した図である。図2(a)および図2(b)では、圧電薄膜共振器80は端子T1とT2との間で並列に圧電薄膜共振器80aおよび80bに分割されている。圧電薄膜共振器80aおよび80bは同じ静電容量を有するように分割されている。
図2(a)では、圧電薄膜共振器80aと80bとで上部電極16が端子T1に接続され、下部電極12が端子T2に接続されている。これにより、端子T1およびT2に加わる2次歪電圧36の方向が同じとなる。このため、端子T1とT2の間には、圧電薄膜共振器80aと80bとの2次歪電圧36の和の2次歪電圧が加わる。図2(b)では、圧電薄膜共振器80aの上部電極16と圧電薄膜共振器80bの下部電極12とが端子T1に接続され、圧電薄膜共振器80aの下部電極12と圧電薄膜共振器80bの上部電極16が端子T2に接続されている。つまり、c軸配向方向34の逆方向の電極同士が接続されている。これにより、圧電薄膜共振器80aと80bとで2次歪電圧36の方向が逆方向で端子T1およびT2に接続さる。このため、圧電薄膜共振器80aと80bとの2次歪電圧36が相殺される。よって、端子T1およびT2に加わる2次歪電圧を抑制できる。
図2(c)に示すように、圧電薄膜共振器80は端子T1とT2との間で直列に圧電薄膜共振器80aおよび80bに分割されている。圧電薄膜共振器80aおよび80bの上部電極16がそれぞれ端子T1およびT2に接続され、圧電薄膜共振器80aおよび80bの下部電極12が接続されている。つまり、c軸配向方向34の同じ方向の電極が接続されている。このため、圧電薄膜共振器80aと80bとの2次歪電圧36が相殺される。よって、端子T1およびT2に加わる2次歪電圧を抑制できる。なお、圧電膜14のc軸配向方向34は圧電膜14の分極方向でもよい。
図2(b)および図2(c)のように、2次歪電圧36を相殺する比較例1を説明する。
(比較例1)
図3(a)は、比較例1に係る弾性波デバイスの平面図、図3(b)および図3(c)は、図3(a)のA−A断面図である。図3(b)は、例えばラダー型フィルタの直列共振器を、図3(c)は例えばラダー型フィルタの並列共振器を示している。
図3(a)から図3(c)に示すように、基板10上に下部電極12、圧電膜14、上部電極16および周波数調整膜24が積層されている。下部電極12は下層12aおよび上層12bを含む。上部電極16は下層16aおよび上層16bを含む。圧電膜14は下部圧電膜14aおよび上部圧電膜14bを含む。下部圧電膜14aと上部圧電膜14bとの間に挿入膜28が設けられている。挿入膜28は、共振領域50の外周領域に設けられている。基板10と下部電極との間には空隙30が形成されている。図3(c)の並列共振器では、上部電極16の下層16aと上層16bとの間に質量負荷膜20が設けられている。直列共振器Sでは、積層膜18は、主に下部電極12、圧電膜14、上部電極16および周波数調整膜24から形成される。並列共振器Pの積層膜18は直列共振器Sの積層膜18に加え、質量負荷膜20を有する。
2つの圧電薄膜共振器80aおよび80bが下部電極12を介し接続されている。2つの圧電薄膜共振器80aおよび80bは各々空隙30を有している。1つの空隙30内に1つの共振領域50が設けられている、共振領域50間の上部電極16、圧電膜14および挿入膜28は分断され、分断領域62が形成されている。
比較例1では、圧電薄膜共振器80aの共振領域50と圧電薄膜共振器80bの共振領域50との間の下部電極12が空隙30を介さずに基板10上に設けられている。このため、下部電極12とグランドパターン(例えば、圧電薄膜共振器80aおよび80bが形成されたチップに形成されているグランド端子およびグランド配線等のグランドパターン、チップの側面または裏面に形成された半田等の金属層、並びにチップが実装されたパッケージのグランドパターン)との間に寄生容量C0が生じる。
図2(c)のように、圧電薄膜共振器を直列に分割した場合の2次歪電圧をシミュレーションした。2次歪電圧は、圧電薄膜共振器80aおよび80bの圧電膜14に加わる「電界強度の2乗」、「電界強度と歪みの積」および「歪みの2乗」に比例した非線形電流を元に算出した。圧電膜14をc軸に配向した窒化アルミニウム膜とし、圧電薄膜共振器80aおよび80bの同じ静電容量および同じ積層膜18の構造を有するとした。端子T1およびT2のうち一端に28dBmの高周波信号を入力し、他端から出力される2次歪の大きさを算出した。
図4は、周波数に対する2次歪電圧を示す図である。図4において「分割なし」は分割していない圧電薄膜共振器の2次歪を示している。「分割」は圧電薄膜共振器80aおよび80bに分割した圧電薄膜共振器の2次歪みを示している。「分割」では、圧電薄膜共振器80aおよび80bの間の下部電極12とグランドとの寄生容量C0を0pFから0.01pFまで変化させた。
図4に示すように、分割していない圧電薄膜共振器では、共振周波数frである1895MHzにおける2次歪みは−21.45dBm、反共振周波数faである1953MHzにおける2次歪は−27.83dBm、1913MHzのとき、2次歪は−18.29dBmと最も大きい。分割した圧電薄膜共振器では、寄生容量C0が0pFのとき、2次歪は−65.37dBと非常に小さい。寄生容量C0を0.001pF、0.005pFおよび0.01pFとすると、2次歪は反共振周波数付近で最大となり、それぞれ−54.52dB、−41.4dBおよび−35.4dBとなる。このように、寄生容量C0が大きくなると、反共振周波数付近に発生する2次歪電圧のピークが大きくなる。
比較例1では、共振領域50の間の下部電極12が基板10上に接している。このため、下部電極12とグランドとの間の寄生容量C0が大きくなる。寄生容量C0が大きくなると、圧電薄膜共振器80aと80bとで反共振周波数が異なってしまう。このように、圧電薄膜共振器80aと80bとで反共振周波数faが異なると、2次歪は完全にはキャンセルされず、反共振周波数fa付近に2次歪のピークが生じる。よって、2次歪を抑制することが難しい。
さらに、2次歪を抑制するためには、圧電薄膜共振器80aと80bの特性は同じであることが好ましい。しかし、比較例1では、圧電薄膜共振器80aと80bとの間の距離が長くなる。このため、圧電薄膜共振器80aと80bとで積層膜18内の各層の膜厚が異なることが生じる。これにより、2次歪が劣化する。
以下、実施例1について説明する。
図5(a)は、実施例1に係る弾性波デバイスの平面図、図5(b)は、共振領域付近の平面図、図5(c)および図5(d)は、図5(a)のA−A断面図である。図5(c)は、例えばラダー型フィルタの直列共振器を、図5(d)は例えばラダー型フィルタの並列共振器を示している。
図5(a)、図5(b)および図5(d)に示すように、直列共振器Sの構造について説明する。シリコン(Si)基板である基板10および空隙30上に、下部電極12が設けられている。下部電極12はCr(クロム)膜である下層12aおよびRu(ルテニウム)膜である上層12bを含む。基板10の平坦主面と下部電極12との間にドーム状の膨らみを有する空隙30(空気層)が形成されている。ドーム状の膨らみとは、例えば空隙30の周辺では空隙30の高さが小さく、空隙30の内部ほど空隙30の高さが大きくなるような形状の膨らみである。
下部電極12上に、(002)方向を主軸とする窒化アルミニウム(AlN)を主成分とする圧電膜14が設けられている。圧電膜14は下部圧電膜14aおよび上部圧電膜14bを含む。下部圧電膜14aと上部圧電膜14bとの間に挿入膜28が設けられている。圧電膜14上に上部電極16が設けられている。上部電極16が分断された分断領域62が設けられている。上部電極16はRu膜である下層12aとCr膜である上層16bとを含む。
圧電膜14の少なくとも一部を挟み下部電極12と上部電極16が対向する領域が共振領域50である。上部電極16が分断されている領域が分断領域62である。分断領域62のため、単一の空隙30内に2つの共振領域50が形成されている。共振領域50は、半楕円形状を有し、厚み縦振動モードの弾性波が共振する領域である。共振領域50は、平面視において空隙30と同じまたは空隙30より小さくかつ空隙30と重なるように設けられている。
上部電極16上には周波数調整膜24として酸化シリコン膜が形成されている。共振領域50内の積層膜18は、下部電極12、圧電膜14、上部電極16および周波数調整膜24を含む。周波数調整膜24はパッシベーション膜として機能してもよい。
図5(a)のように、圧電膜14および下部電極12には孔部35が設けられている。孔部35は、下部電極12下の導入路33を介し空隙30に通じている。孔部35および導入路33は、空隙30を形成するときに用いる犠牲層をエッチングするときに、犠牲層にエッチング液を導入するためのものである。
図5(d)を参照し、並列共振器Pの構造について説明する。並列共振器Pは直列共振器Sと比較し、上部電極16の下層16aと上層16bとの間に、Ti(チタン)層からなる質量負荷膜20が設けられている。よって、積層膜18は直列共振器Sの積層膜に加え、共振領域50内の全面に形成された質量負荷膜20を含む。その他の構成は直列共振器Sの図5(c)と同じであり説明を省略する。
直列共振器Sと並列共振器Pとの共振周波数の差は、質量負荷膜20の膜厚を用い調整する。直列共振器Sと並列共振器Pとの両方の共振周波数の調整は、周波数調整膜の膜厚を調整することにより行なう。
図6(a)から図6(c)は、実施例1において共振領域付近を拡大した平面図である。図6(a)は、上部電極16、共振領域50および空隙30の位置関係を示す平面図であり、上部電極16をクロスで示している。図6(b)は、下部電極12、共振領域50および空隙30の位置関係を示す平面図であり、下部電極12をクロスで示している。図6(c)は、挿入膜28、共振領域50および空隙30の位置関係を示す平面図である。
図6(a)に示すように、空隙30は楕円形状であり、上部電極16は短軸方向に引き出し領域64を有する。引き出し領域64は上部電極16が共振領域50から引き出される領域である。空隙30の楕円形状の長軸に沿って上部電極16が分割されている。上部電極16が設けられていない領域が分断領域62である。分断領域62は楕円形状の中心60を含む。引き出し領域64以外では、上部電極16が共振領域50を規定する
図6(b)に示すように、下部電極12は引き出し領域を有していない。下部電極12は空隙30の長軸方向に幅広部66を有する。幅広部66は空隙30の外側まで設けられている。下部電極12は分断領域62にも設けられている。幅広部66および分断領域62以外では、下部電極12が共振領域50を規定する。
共振領域50は、分断領域62の両側に設けられ、共振領域50と分断領域62を合わせた平面形状は空隙30と相似する形状であり、空隙30に含まれる。平面視において、共振領域50と分断領域62を合わせた平面形状は空隙30と合同であり、重なっていてもよい。
図6(c)に示すように、挿入膜28は、共振領域50内の外周領域52に設けられ中央領域54に設けられていない。分断領域62は挿入膜28に含まれる。外周領域52は、共振領域50内の領域であって、共振領域50の外周を含み外周に沿った領域である。外周領域52は、例えば帯状である。中央領域54は、共振領域50内の領域であって、共振領域50の中央を含む領域である。中央は幾何学的な中心でなくてもよい。挿入膜28は、外周領域52から共振領域50外まで連続して設けられている。図6(c)のように挿入膜28の外周は空隙30の外周の外側でもよいし、図5(b)のように内側でもよい。
2GHzの共振周波数を有する圧電薄膜共振器の場合、下部電極12の下層12aは膜厚が100nmのCr膜、上層12bは膜厚が250nmのRu膜である。圧電膜14、膜厚が1100nmのAlN膜である。挿入膜28は膜厚が150nmの酸化シリコン(SiO)膜である。上部電極16の下層16aは、膜厚が250nmのRu膜、上層16bは膜厚が50nmのCr膜である。周波数調整膜24は、膜厚が50nmの酸化シリコン膜である。質量負荷膜20は膜厚が120nmのTi膜である。各層の膜厚は、所望の共振特性を得るため適宜設定することができる。
基板10としては、Si基板以外に、サファイア基板、スピネル基板、アルミナ基板、石英基板、ガラス基板、セラミック基板またはGaAs基板等を用いることができる。下部電極12および上部電極16としては、RuおよびCr以外にもAl、Ti、Cu、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ta、Pt、Rh(ロジウム)またはIr(イリジウム)等の単層膜またはこれらの積層膜を用いることができる。例えば、上部電極16の下層16aをRu、上層16bをMoとしてもよい。
圧電膜14は、窒化アルミニウム以外にも、ZnO(酸化亜鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、PbTiO3(チタン酸鉛)等を用いることができる。また、例えば、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、共振特性の向上または圧電性の向上のため他の元素を含んでもよい。例えば、添加元素として、Sc(スカンジウム)、2族元素と4族元素との2つの元素、または2族元素と5族元素との2つの元素を用いることにより、圧電膜14の圧電性が向上する。このため、圧電薄膜共振器の実効的電気機械結合係数を向上できる。2族元素は、例えばCa(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Sr(ストロンチウム)またはZn(亜鉛)である。4族元素は、例えばTi、Zr(ジルコニウム)またはHf(ハフニウム)である。5族元素は、例えばTa、Nb(ニオブ)またはV(バナジウム)である。さらに、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、B(ボロン)を含んでもよい。
周波数調整膜24としては、酸化シリコン膜以外にも窒化シリコン膜または窒化アルミニウム等を用いることができる。質量負荷膜20としては、Ti以外にも、Ru、Cr、Al、Cu、Mo、W、Ta、Pt、RhもしくはIr等の単層膜を用いることができる。また、例えば窒化シリコンまたは酸化シリコン等の窒化金属または酸化金属からなる絶縁膜を用いることもできる。質量負荷膜20は、上部電極16の層間(Ru膜とCr膜との間)以外にも、下部電極12の下、下部電極12の層間、上部電極16の上、下部電極12と圧電膜14との間または圧電膜14と上部電極16との間に形成することができる。質量負荷膜20は、共振領域50を含むように形成されていれば、共振領域50より大きくてもよい。
特許文献3に記載されているように、挿入膜28のヤング率は圧電膜14より小さいことが好ましい。密度がほぼ同じであれば、ヤング率は音響インピーダンスと相関することから、挿入膜28の音響インピーダンスは圧電膜14より小さいことが好ましい。これにより、Q値を向上できる。また、挿入膜28を金属膜とすることにより実効的電気機械結合係数を向上できる。さらに、挿入膜28の音響インピーダンスを圧電膜14より小さくするため、圧電膜14が窒化アルミニウムを主成分とする場合、挿入膜28は、Al膜、Au(金)膜、Cu(銅)膜、Ti膜、Pt(白金)膜、Ta(タンタル)膜、Cr膜または酸化シリコン膜であることが好ましい。特に、ヤング率の観点から挿入膜28は、Al膜または酸化シリコン膜であることが好ましい。
図7は、実施例1の効果を説明するための断面図である。図7に示すように、実施例1によれば、複数の共振領域50が平面視において空隙30内に共通に設けられるように、上部電極16が分断され下部電極12は分断されていない。これにより、共振領域50間を接続する下部電極12と基板10との間に空隙30が設けられ。よって、寄生容量C0を小さくできる。例えば、図2(b)および図2(c)のように分割した圧電薄膜共振器80aおよび80bに適用することで、2次歪を抑制できる。2次歪を抑制するため、共振領域50の面積は略等しいことが好ましい。
また、挿入膜28が下部電極12と上部電極16との間に設けられ、平面視において複数の共振領域50の各々の外周領域52において少なくとも一部に設けられ、複数の共振領域50の各々の中央領域54には設けられていない。これにより、共振領域50から外部への弾性波の漏洩70aを抑制できる。さらに、共振領域50間の弾性波の漏洩70bを抑制できる。よって、圧電薄膜共振器のQ値等の特性劣化を抑制できる。
挿入膜28は、分断領域62に重なり、複数の共振領域50の各々の中央領域54には設けられていない。これにより、共振領域50間の弾性波の漏洩70bを抑制し、Q値等の圧電薄膜共振器の特性の劣化を抑制できる。分断領域62では、積層膜18が薄くなっており、積層膜18にクラック72等が入りやすい。挿入膜28を分断領域62に重ねることにより、分断領域62における積層膜18の強度を大きくできる。挿入膜28は、分断領域62より大きく、分断領域62に重なるように設けることが好ましい。
空隙30の中心60は、積層膜18に大きな応力が加わる。例えばドーム型の空隙30を形成しようとすると、空隙30の中心60が最も積層膜18の変位74が大きくなる。このため、クラック72が入りやすい。そこで、平面視において積層膜18を空隙30の中心60を含むように設ける。これにより、積層膜18のクラック72等の機械的破壊を抑制できる。なお、空隙30の中心60は、例えば空隙30の平面形状の重心である。
挿入膜28は、外周領域52の一部に設けられていればよいが、挿入膜28は、複数の共振領域50の各々の中央領域54を囲む閉ループ状に設けられていることが好ましい。これにより、共振領域50から外部への弾性波の漏洩、および共振領域50間の弾性波の漏洩を抑制でき、圧電薄膜共振器のQ値等の特性劣化をより抑制できる。
共振領域50外への弾性波の漏洩を抑制するためには、共振領域50内における挿入膜28の幅は漏洩する弾性波の波長の1/2程度が好ましい。このように、共振領域50内の挿入膜28の幅には好ましい値がある。よって、共振領域50内における挿入膜28の幅は略等しいことが好ましい。
さらに、複数の共振領域50に対応する挿入膜28は一体として設けられていることが好ましい。これにより、弾性波デバイスを小型化できる。
挿入膜28が圧電膜14内に設けられる例を説明したが、挿入膜28は、圧電膜14内、圧電膜14と上部電極16との間、および圧電膜14と下部電極12との間、の少なくとも1つに設けられていればよい。
図6(a)および図6(b)のように、平面視において下部電極および上部電極の少なくとも一方の電極が設けられた領域(図6(a)の上部電極16と図6(b)の下部電極12のいずれかがまたは両方が設けられた領域)は空隙30の略全てと重なる。これにより、積層膜18の強度を大きくできる。略全て重なるとは、製造ばらつきによる誤差、および/または、引き出し領域64と幅広部66の間の領域を除外した程度にほぼ全て重なることである。空隙30は、共振領域50と分断領域62とを合わせた領域と略同じでもよい。
(実施例1の変形例1)
図8(a)は、実施例1の変形例1に係る弾性波デバイスの平面図、図8(b)は、共振領域付近の平面図、図8(c)および図8(d)は、図8(a)のA−A断面図である。図8(a)から図8(d)に示すように、分断領域62において上部電極16および上部圧電膜14bが除去されていてもよい。その他の構造は実施例1と同じであり説明を省略する。
分断領域62における圧電膜14を全て除去すると、共振領域50を下部電極12で支持することなる。よって、下部電極12が破損されやすくなる。そこで、分断領域62の圧電膜14の一部を除去する。これにより、共振領域50間の弾性波の漏洩をより抑制できる。分断領域62に挿入膜28が設けられている。挿入膜28をストッパに分断領域62の上部電極16および上部圧電膜14bを除去することができる。これにより、圧電膜14の一部を制御よく除去できる。
(実施例1の変形例2)
図9(a)は、実施例1の変形例2に係る弾性波デバイスの平面図、図9(b)は、共振領域付近の平面図、図9(c)および図9(d)は、図9(a)のA−A断面図である。図9(a)から図9(d)に示すように、分断領域62において下部電極12が分断され、圧電膜14および上部電極16は分断されていない。その他の構造は実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1およびその変形例2のように、分断領域62では、下部電極12および上部電極16のいずれか一方が分断され下部電極12および上部電極16の他方が分断されていなければよい。
(実施例1の変形例3)
図10(a)は、実施例1の変形例3に係る弾性波デバイスの平面図、図10(b)は、共振領域付近の平面図、図10(c)および図10(d)は、図10(a)のA−A断面図である。図10(a)から図10(d)に示すように、挿入膜28が設けられていない。その他の構造は実施例1と同じであり説明を省略する。
特許文献1のように、平面視において空隙内に複数の共振領域を設けるときに、空隙内に下部電極および上部電極のいずれも設けられていない領域が存在すると、圧電膜が機械的に破壊され易くなる。実施例1の変形例3によれば、平面視において下部電極12および上部電極16の少なくとも一方の電極が設けられた領域が空隙30の略全てと重なっている。これにより、下部電極12および上部電極16の少なくとも一方が圧電膜14を補強する。このため、積層膜18の機械的破損を抑制できる。
(実施例1の変形例4)
図11(a)は、実施例1の変形例4に係る弾性波デバイスの平面図、図11(b)は、共振領域付近の平面図、図11(c)および図11(d)は、図11(a)のA−A断面図である。図11(a)から図11(d)に示すように、挿入膜28は分断領域62に設けられその他の領域には設けられていない。その他の構造は実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1の変形例4のように、挿入膜28は、分断領域62以外に設けられていなくてもよい。挿入膜28が分断領域62に設けられていれば、共振領域50間の弾性波の漏洩70bを抑制することにより、Q値等の圧電薄膜共振器の特性の劣化を抑制できる。また、分断領域62における積層膜18の強度を大きくできる。
(実施例1の変形例5)
図12(a)は、実施例1の変形例5に係る弾性波デバイスの平面図、図12(b)は、共振領域付近の平面図である。図12(a)および図12(b)に示すように、空隙30の平面形状は円形状であり、共振領域50と分断領域62を合成した領域の平面形状は円形状である。その他の構造は実施例1と同じであり説明を省略する。
(実施例1の変形例6)
図13(a)は、実施例1の変形例6に係る弾性波デバイスの平面図、図13(b)は、共振領域付近の平面図である。図13(a)および図13(b)に示すように、空隙30の平面形状は四角形状であり、共振領域50と分断領域62を合成した領域の平面形状は四角形状である。その他の構造は実施例1と同じであり説明を省略する。
(実施例1の変形例7)
図14(a)は、実施例1の変形例7に係る弾性波デバイスの平面図、図14(b)は、共振領域付近の平面図である。図14(a)および図14(b)に示すように、空隙30の平面形状は五角形状であり、共振領域50と分断領域62を合成した領域の平面形状は五角形状である。その他の構造は実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1の変形例5から7のように、空隙30および共振領域50と分断領域62とを合成した領域の平面形状は円形状または多角形状でもよい。実施例1の変形例1から4においても空隙30および共振領域50と分断領域62とを合成した領域の平面形状は円形状または多角形状としてもよい。空隙30と、共振領域50と分断領域62とを合成した領域と、が相似形である例を説明したが、相似形でなくてもよい。
(実施例1の変形例8)
図15(a)は、実施例1の変形例8に係る弾性波デバイスの平面図、図15(b)は、共振領域付近の平面図である。図15(a)および図15(b)に示すように、空隙30および共振領域50と分断領域62とを合成した領域の平面形状は楕円形状であり、分断領域62は短軸に沿って設けられていてもよい。その他の構造は実施例1と同じであり説明を省略する。楕円形状を2分割する場合、短軸で2分割すると、共振領域50の縦横比が1に近くなる。このため、スプリアスを抑制できる。
(実施例1の変形例9)
図16(a)は、実施例1の変形例9に係る弾性波デバイスの平面図、図16(b)は、共振領域付近の平面図である。図16(a)および図16(b)に示すように、分断領域62と共振領域50との境界は波状である。分断領域62における挿入膜28の輪郭は波状である。その他の構造は実施例1と同じであり説明を省略する。分断領域62と共振領域50との境界を波状とすることでスプリアスを抑制できる。
(実施例1の変形例10)
図17(a)は、実施例1の変形例10に係る弾性波デバイスの平面図、図17(b)は、共振領域付近の平面図である。図17(a)および図17(b)に示すように、分断領域62は曲線状である。分断領域62に沿った挿入膜28は曲線状である。その他の構造は実施例1と同じであり説明を省略する。分断領域62を曲線状とすることで、スプリアスを抑制できる。また、空隙30の中心60が分断領域62に含まれない場合、中心60は挿入膜28と重ならなくてもよい。
(実施例1の変形例11)
図18(a)は、実施例1の変形例11に係る弾性波デバイスの平面図、図18(b)は、共振領域付近の平面図である。図18(a)および図18(b)に示すように、分断領域62は長軸および短軸から傾いている。分断領域62に沿った挿入膜28は長軸および短軸から傾いている。その他の構造は実施例1と同じであり説明を省略する。分断領域62を曲線譲渡することで、スプリアスを抑制できる。
実施例1の変形例8から11の分断領域62の形状を実施例1およびその変形例1から7に適用してもよい。
(実施例1の変形例12)
実施例1の変形例12および13は、空隙の構成を変えた例である。図19(a)および図19(b)は、実施例1の変形例12および13における共振領域近傍の断面図である。図19(a)に示すように、基板10の上面に窪みが形成されている。下部電極12は、基板10上に平坦に形成されている。これにより、空隙30が、基板10の窪みに形成されている。空隙30は共振領域50を含むように形成されている。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。空隙30は、基板10を貫通するように形成されていてもよい。なお、下部電極12の下面に絶縁膜が接して形成されていてもよい。すなわち、空隙30は、基板10と下部電極12に接する絶縁膜との間に形成されていてもよい。絶縁膜としては、例えば窒化アルミニウム膜を用いることができる。
(実施例1の変形例13)
図19(b)に示すように、共振領域50の下部電極12下に音響反射膜31が形成されている。音響反射膜31は、音響インピーダンスの低い膜31aと音響インピーダンスの高い膜31bとが交互に設けられている。膜31aおよび31bの膜厚は例えばそれぞれ略λ/4(λは弾性波の波長)である。膜31aと膜31bの積層数は任意に設定できる。例えば、音響反射膜31は、基板10中に音響インピーダンスの異なる膜が一層設けられている構成でもよい。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1およびその変形例1から11において、実施例1の変形例12と同様に空隙30を形成してもよく、実施例1の変形例13と同様に空隙30の代わりに音響反射膜31を形成してもよい。
実施例1およびその変形例1から12のように、圧電薄膜共振器は、共振領域50において空隙30が基板10と下部電極12との間に形成されているFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)でもよい。また、実施例1の変形例13のように、圧電薄膜共振器は、共振領域50において下部電極12下に圧電膜14を伝搬する弾性波を反射する音響反射膜31を備えるSMR(Solidly Mounted Resonator)でもよい。このように、基板10内または上に設けられる音響反射層は、空隙30、または音響特性の異なる少なくとも2種類の層が積層された音響反射膜31を含めばよい。
実施例2は、デュプレクサの例である。図20は、実施例2に係るデュプレクサの回路図である。図20に示すように、共通端子Antはアンテナ44に接続される。共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ40が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ42が接続されている。共通端子Antとグランドとの間に整合回路としてインダクタL1が接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。インダクタL1は、送信フィルタ40を通過した送信信号が受信フィルタ42に漏れず共通端子Antから出力されるようにインピーダンスを整合させる。
送信フィルタ40は、ラダー型フィルタである。共通端子Antと送信端子Txとの間に1または複数の直列共振器S1からS4が直列に接続されている。共通端子Antと送信端子Txとの間に1または複数の並列共振器P1からP3が並列に接続されている。並列共振器P1からP3の一端は共通にインダクタL2を介し接地されている。並列共振器P1は共振器P1aおよびP1bに直列に分割されている。
図21(a)は、実施例2における送信フィルタの平面図、図21(b)は、空隙の平面図である。図21(a)に示すように、基板10上に直列共振器S1からS4、並列共振器P1からP3、配線45および端子46が形成されている。直列共振器S1からS4、および並列共振器P1からP3は共振領域50を有する。配線45は共振領域50同士を接続、および共振領域50と端子46とを接続する、端子46は入力端子Tin、出力端子Toutおよびグランド端子Tgを含む。配線45および端子46は、下部電極12または上部電極16により形成されている。
図21(a)および図21(b)に示すように、並列共振器P1以外の共振器は、単一の空隙30に単一の共振領域50が設けられている。共振器P1aおよびP1bは実施例1およびその変形例に係る圧電薄膜共振器であり、単一の空隙30aに2つの共振領域50と分断領域62が設けられている。共振器P1aおよびP1bが設けられた空隙30aと他の空隙30とは楕円形状を有している。このように、空隙30aと30とが同様の形状であるため、空隙30aおよび30上に積層膜18を形成する応力条件をほぼ同一にできる。よって、空隙30aおよび30と積層膜18とを容易に形成することができる。
実施例2のように、送信フィルタ40は、実施例1およびその変形例の単一の空隙30に設けられた複数の共振領域50にそれぞれ対応する複数の圧電薄膜共振器を含む。これにより、共振器P1aとP1bとの間の配線の寄生容量C0を小さくできる。よって、2次歪を抑制できる。また、積層膜の機械的な破壊を抑制できる。
実施例2では、送信フィルタ40に実施例1およびその変形例を用いる例を説明したが、受信フィルタ42に実施例1およびその変形例を用いてもよい。また、ラダー型フィルタに実施例1およびその変形例を用いる例を説明したがラティス型フィルタまたは多重モードフィルタでもよい。マルチプレクサの例としてデュプレクサを説明したが。マルチプレクサはトリプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
また、並列共振器P1が複数の共振器P1aおよびP1b(分割共振器)に分割されており、共振器P1aおよびP1bに対応する複数の共振領域50は空隙30aに共通に設けられている。これにより、2次歪を抑制できる。分割される共振器は、1または複数の直列共振器および1または複数の並列共振器の少なくとも1つの共振器であればよい。2次歪を抑制する観点から出力端子に最も近い直列共振器S1および/または並列共振器P1が分割されていることが好ましい。
分割は、図2(b)のような並列分割でもよい。直列共振器および並列共振器の数は任意に設定できる。
実施例3は、ラダー型フィルタに実施例1およびその変形例を用いる例である。図22(a)は、実施例3および比較例2に係るフィルタの回路図、図22(b)は、比較例2に係るフィルタの平面図である。
図22(a)に示すように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に直列に直列共振器S1およびS2が接続され、並列に並列共振器P1が接続されている。図22(b)に示すように、基板10上に共振領域50、配線45および端子46が設けられている。配線45および端子46は下部電極12または上部電極16により形成されている。比較例2においては、基板10上に共振器に対応する3つの共振領域50が形成されている。3つの共振領域50はそれぞれ単一の空隙30上に設けられている。
図23は、実施例3に係るフィルタの平面図である。図23に示すように、実施例3では、直列共振器S1およびS2に対応する共振領域50は空隙30に共通に設けられている。直列共振器S1およびS2の上部電極16は分断領域62で分断されている。直列共振器S1およびS2の上部電極16は共通に並列共振器P1に接続されている。
実施例3のように、複数の直列共振器S1およびS2は単一の空隙30を共有する実施例1およびその変形例でもよい。
図24(a)は、実施例3の変形例1に係るフィルタの平面図、図24(b)は、共振領域付近の平面図である。図24(a)および図24(b)に示すように、空隙30に共通に直列共振器S1およびS2並びに並列共振器P1に対応する3つの共振領域50が設けられている。上部電極16は分断領域62で分断されている。下部電極12は分断領域62に設けられている。3つの共振器は下部電極12により電気的に接続されている。その他の構成は実施例3と同じであり説明を省略する。
図25(a)は、実施例3の変形例2に係るフィルタの回路図、図25(b)は、平面図、図25(c)は、共振領域付近の平面図である。図25(a)に示すように、直列共振器S1とS2との間のノードとグランドと間に2つの並列共振器P1およびP2が並列に接続されている。図25(b)および図25(c)に示すように、空隙30に共通に直列共振器S1およびS2並びに並列共振器P1およびP2に対応する4つの共振領域50が設けられている。上部電極16は分断領域62で分断されている。下部電極12は分断領域62に設けられている。4つの共振器は下部電極12により電気的に接続されている。その他の構成は実施例3と同じであり説明を省略する。
実施例3の変形例1および2のように、複数の直列共振器S1およびS2並びに並列共振器P1、P2は単一の空隙30を共有する実施例1およびその変形例でもよい。
実施例3の変形例のように、1または複数の直列共振器の少なくとも1つと1または複数の並列共振器の少なくとも1つに対応する共振領域50が空隙30に共通に設けられている。これにより、直列共振器と並列共振器との間の配線の寄生容量を抑制できる。また、積層膜の機械的な破壊を抑制できる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12 下部電極
14 圧電膜
16 上部電極
18 積層膜
28 挿入膜
30 空隙
50 共振領域
52 外周領域
54 中央領域
60 空隙の中心
62 分断領域

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板内または上に設けられ、空隙、または音響特性の異なる少なくとも2種類の層が積層された音響反射膜、を含む音響反射層と、
    前記基板および前記音響反射層上に設けられた圧電膜と、
    前記圧電膜の少なくとも一部を挟み下部電極と上部電極とが対向する複数の共振領域が平面視において前記音響反射層内に共通に設けられるように、前記下部電極および前記上部電極のいずれか一方が分断され前記下部電極および前記上部電極の他方は分断されず、前記基板および前記音響反射層上に前記圧電膜を挟むように設けられた下部電極および上部電極と、
    前記下部電極と前記上部電極との間に設けられ、平面視において前記複数の共振領域の各々の外周領域において少なくとも一部に設けられ、前記複数の共振領域の各々の中央領域には設けられていない挿入膜と、
    を具備する弾性波デバイス。
  2. 前記挿入膜は、前記複数の共振領域の各々の中央領域を囲む閉ループ状に設けられている請求項1記載の弾性波デバイス。
  3. 前記複数の共振領域に対応する挿入膜は一体として設けられている請求項2記載の弾性波デバイス。
  4. 前記挿入膜は、平面視において前記下部電極および前記上部電極のいずれか一方が分断された分断領域に重なる請求項1記載の弾性波デバイス。
  5. 前記音響反射層は前記空隙であり、
    前記挿入膜は、平面視において前記空隙の中心と重なる請求項1記載の弾性波デバイス。
  6. 前記下部電極および前記上部電極のいずれか一方が分断された分断領域において、前記下部電極が分断されている請求項1から5のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
  7. 前記下部電極および前記上部電極のいずれか一方が分断された分断領域において、前記上部電極が分断されている請求項1から5のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
  8. 前記圧電膜は、下部圧電膜と前記下部圧電膜上に設けられた上部圧電膜とを備え、
    前記挿入膜は前記下部圧電膜と前記上部圧電膜との間に設けられ、
    前記分断領域において、前記上部電極および前記上部圧電膜が分断されている請求項7記載の弾性波デバイス。
  9. 前記複数の共振領域内における前記挿入膜の幅は略等しい請求項1から8のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
  10. 基板と、
    前記基板と、前記基板内または上に設けられた空隙と、の上に設けられた圧電膜と、
    平面視において下部電極および上部電極の少なくとも一方の電極が設けられた領域は平面視において前記空隙の略全てと重なり、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と前記上部電極とが対向する複数の共振領域が平面視において前記空隙内に共通に設けられるように前記下部電極および前記上部電極のいずれか一方が分断され前記下部電極および前記上部電極の他方は分断されず、前記基板および前記空隙上に前記圧電膜を挟むように設けられた下部電極および上部電極と、
    を具備する弾性波デバイス。
  11. 前記複数の共振領域にそれぞれ対応する複数の圧電薄膜共振器を含むフィルタを具備する請求項1から10のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
  12. 入力端子と出力端子との間に直列に接続された1または複数の直列共振器と、
    前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された1または複数の並列共振器と、
    を具備し、
    前記1または複数の直列共振器および前記1または複数の並列共振器の少なくとも1つは複数の分割共振器に分割されており、
    前記複数の共振領域はそれぞれ前記複数の分割共振器に対応する請求項11記載の弾性波デバイス。
  13. 入力端子と出力端子との間に直列に接続された1または複数の直列共振器と、
    前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された1または複数の並列共振器と、
    を具備し、
    前記複数の共振領域は、前記1または複数の直列共振器の少なくとも1つと前記1または複数の並列共振器の少なくとも1つを含む請求項11記載の弾性波デバイス。
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