JP2018006942A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子機器の構造上の制約を受けることなく、より高い通信性能を確保する。【解決手段】電子機器に組み込まれ、外部機器と電磁界信号を介して通信するアンテナ装置1であって、その開口部12bを介して幅方向に対向する導線12aが互いに近接するように巻回して設けられ、外部機器と誘導結合されるアンテナコイル12と、アンテナコイルの一端側に重畳するように設けられる環状の導電体からなる導電体枠5と、を備え、アンテナコイルは、開口部を縦断する中心線L1を介して導線が一方向に周回する一方側部12a1と導線が他方向に周回する他方側部12a2に二分され、一方側部の何れかに導電体枠が重畳される。【選択図】図2
Description
本発明は、電子機器に組み込まれ、発信器等の外部機器と電磁界信号を介して通信するアンテナ装置に関する。
携帯電話機等の電子機器において、近距離非接触通信の機能を搭載するため、RFID(Radio Frequency Identification)用のアンテナモジュールが用いられている。このアンテナモジュールは、リーダライタ等の発信器に搭載されたアンテナコイルと誘導結合を利用して通信を行っている。すなわち、このアンテナモジュールは、リーダライタからの磁界をアンテナコイルが受けることによって、それを電力に変換して通信処理部として機能するICを駆動させることができる。
アンテナモジュールは、確実に通信を行うため、リーダライタからのある値以上の磁束をアンテナコイルで受ける必要がある。そのために、従来例に係るアンテナモジュールでは、携帯電話機等の筐体にループコイルを設け、このコイルでリーダライタからの磁束を受けている。携帯電話機等の電子機器に組み込まれたアンテナモジュールは、機器内部の基板やバッテリパック等の金属板がリーダライタからの磁界を受けることによって発生する渦電流のために、リーダライタからの磁束が跳ね返されてしまう。基板や金属板によって跳ね返された磁束は、基板や金属板を迂回するように外周部に向かって流れるので、当該外周部の磁界が強くなり、基板や金属板の真ん中付近が弱くなる傾向にある。
特許文献1では、かかる性質を利用して電子機器に内蔵して用いるNFC(Near Field Communication)アンテナモジュールの通信効率を高めるために、機器内部の基板やバッテリパック等の金属板(第1の導電体)の端部にアンテナコイルを配置することが提案されている。また、特許文献2では、レイアウト上の制約によって基板の近くにアンテナコイルを配置出来ない場合に、基板(第1の導電体)とアンテナコイルを橋渡しするように、シート状の第2の導電体を配置することが提案されている。
しかしながら、NFCアンテナを金属板の端部に実装したり、第2の導電体をNFCアンテナに貼り付けてから第1の導電体と連結するためには、設置先の電子機器の構造上の制約を回避する必要があり、実施に困難を伴う場合があった。特に、小型化・多機能化が進んでいる携帯通信端末等の電子機器では、その構造上の制約を回避して、設計自由度を高める要請が大きい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電子機器の構造上の制約を受けることなく、より高い通信性能を確保することの可能な、新規かつ改良されたアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、電子機器に組み込まれ、外部機器と電磁界信号を介して通信するアンテナ装置であって、その開口部を介して幅方向に対向する導線が互いに近接するように巻回して設けられ、前記外部機器と誘導結合されるアンテナコイルと、前記アンテナコイルの一端側に重畳するように設けられる環状の導電体からなる導電体枠と、を備え、前記アンテナコイルは、前記開口部を縦断する中心線を介して前記導線が一方向に周回する一方側部と前記導線が他方向に周回する他方側部に二分され、前記一方側部の何れかに前記導電体枠が重畳される。
本発明の一態様によれば、導電体枠による磁気シールド効果を利用することによって、電子機器の構造上の制約を受けることなく、より高い通信性能を確保できる。
このとき、本発明の一態様では、前記導電体枠は、前記電子機器に備わる金属板の内側に開口孔を設けることによって構成されることしてもよい。
このようにすれば、電子機器に備わる金属板を利用して作成した導電体枠による磁気シールド効果を利用することによって、電子機器の構造上の制約を受けることなく、より高い通信性能を確保できる。
また、本発明の一態様では、前記導電体枠は、前記アンテナコイルの前記一方側部の長辺側の導線群のみと重畳することとしてもよい。
このようにすれば、アンテナコイルの導電体枠と重畳しない部分をより多く確保することによって、外部機器からの磁束をアンテナコイルの開口部に導入し易くなるので、より高い通信性能を確保できる。
また、本発明の一態様では、前記導電体枠は、導電性のワイヤを環状に設けることによって構成されることとしてもよい。
このようにすれば、より簡素な構成の導電体枠による磁気シールド効果を利用することによって、電子機器の構造上の制約を受けることなく、より高い通信性能を確保できる。
また、本発明の一態様では、前記導電体枠は、前記ワイヤが前記アンテナコイルの前記開口部と重畳するように設けられることとしてもよい。
このようにすれば、ワイヤから構成される導電体枠による磁気シールド効果を確実に利用して、電子機器の構造上の制約を受けることなく、より高い通信性能を確保できる。
また、本発明の一態様では、前記アンテナコイルの前記導電体枠との対向面側には、金属箔が重畳されることとしてもよい。
このようにすれば、導電体枠をワイヤで構成する場合でも、より確実に導電体枠による磁気シールド効果を利用して高い通信性能を確保できる。
また、本発明の一態様では、前記導電体枠は、前記電子機器に備わる金属板からなる第1の導電体と前記アンテナコイルとを架橋する第2の導電体であることとしてもよい。
このようにすれば、電子機器の内部構造物を利用することによって、より高い通信性能を確保できる。
また、本発明の一態様では、前記アンテナコイルの前記開口部には、磁性体から形成される磁性シートが挿入され、該磁性シートが少なくとも前記一方側部の前記外部機器との対向面側から前記開口部にかけて重畳するように設けられることとしてもよく、特に、前記導電体枠は、前記アンテナコイルの前記外部機器に対向する面と反対側の面に設けられることとしてもよい。
このようにすれば、外部機器からの磁束をアンテナコイルの開口部に直接導入し易くなるので、より高い通信性能を確保できる。
以上説明したように本発明によれば、導電体枠による磁気シールド効果を利用することによって、電子機器の構造上の制約を受けることなく、より高い通信性能を確保できる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
まず、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の構成について、図面を使用しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置が適用される無線通信システムの概略構成を示す斜視図である。
本実施形態に係るアンテナ装置1は、電子機器30に組み込まれ、外部機器と電磁界信号を介して通信する装置であって、例えば、図1に示すようなRFID用の無線通信システム100に組み込まれて使用される。
無線通信システム100は、図1に示すように、電子機器30に備わるアンテナ装置1と、アンテナ装置1に対するアクセスを行う外部機器となるリーダライタ40とを含む。ここで、アンテナ装置1とリーダライタ40とは、図1に示す三次元直交座標系XYZのXY平面において互いに対向するように配置されているものとする。
リーダライタ40は、XY平面において互いに対向するアンテナ装置1に対して、Z軸方向に磁界を発信する発信器として機能し、具体的には、アンテナ装置1に向けて磁界を発信するアンテナ41と、アンテナ41を介して誘導結合されたアンテナ装置1と通信を行う制御基板42とを備える。
すなわち、リーダライタ40は、アンテナ41と電気的に接続された制御基板42が配設されている。この制御基板42には、一又は複数の集積回路チップ等の電子部品からなる制御回路43が実装されている。この制御回路43は、アンテナ装置1から受信されたデータに基づいて、各種の処理を実行する。
例えば、制御回路43は、アンテナ装置1に対してデータを送信する場合、データを符号化し、符号化したデータに基づいて、所定の周波数(例えば、13.56MHz)の搬送波を変調し、変調した変調信号を増幅し、増幅した変調信号でアンテナ41を駆動する。また、制御回路43は、アンテナ装置1からデータを読み出す場合、アンテナ41で受信されたデータの変調信号を増幅し、増幅したデータの変調信号を復調し、復調したデータを復号する。
なお、制御回路43では、一般的なリーダライタで用いられる符号化方式及び変調方式が用いられ、例えば、マンチェスタ符号化方式やASK(Amplitude Shift Keying)変調方式が用いられている。また、以下では、非接触通信システムにおけるアンテナ装置等について説明をするが、Qi(チー)等の非接触充電システムについても同様に適用することができるものとする。
アンテナ装置1は、例えば、リーダライタ40とXY平面において対向するように配置される携帯電話機等の電子機器30の筐体内部に組み込まれる。本実施形態では、アンテナ装置は、誘導結合されたリーダライタ40との間で通信可能となるアンテナコイル12が実装されたアンテナ基板11を有するアンテナモジュール2と、アンテナコイル12に流れる電流により駆動し、リーダライタ40との間で通信を行う通信処理部13と、金属板3とを備える。
アンテナモジュール2は、電子機器30の筐体内部に設けられ、誘導結合されたリーダライタ40との間で通信を行う。本実施形態では、図1に示すように、アンテナモジュール2は、アンテナ基板11と、通信処理部13と、接続部14とを備える。
アンテナ基板11には、例えば、フレキシブルフラットケーブルなどの可撓性の導線12a(図2(A)参照)がパターンニング処理などをすることによって形成されるアンテナコイル12と、アンテナコイル12と通信処理部13とを電気的に接続する端子部14とが実装されている。
アンテナコイル12は、リーダライタ40から発信される磁界を受けると、リーダライタ40と誘導結合によって磁気的に結合され、変調された電磁波を受信して、端子部14を介して受信信号を通信処理部13に供給する機能を有する。なお、アンテナコイル12の構成の詳細な説明については、後述する。
通信処理部13は、アンテナコイル12に流れる電流により駆動し、リーダライタ40との間で通信を行う。具体的に、通信処理部13は、受信された変調信号を復調し、復調したデータを復号して、復号したデータを、当該通信処理部13が有する内部メモリに書き込む。また、通信処理部13は、リーダライタ40に送信するデータを内部メモリから読み出し、読み出したデータを符号化し、符号化したデータに基づいて搬送波を変調し、誘導結合によって磁気的に結合されたアンテナコイル12を介して変調された電波をリーダライタ40に送信する。なお、通信処理部13は、アンテナコイル12に流れる電力ではなく、電子機器内に組み込まれたバッテリパックや外部電源などの電力供給手段から供給された電力によって駆動してもよい。
金属板3は、電子機器30の筐体内に設けられ、外部機器となるリーダライタ40に対向する第1の導電体となる。金属板3は、例えば、携帯電話やスマートフォン、又はタブレットPC等の電子機器の筐体内に設けられ、アンテナモジュール2の通信時にリーダライタ40に対向する第1の導電体を構成するものである。当該第1の導電体として、例えば、スマートフォンの筐体の内面に貼付されたメタルカバーや、スマートフォン内に収納されたバッテリパックの金属筐体、あるいは、タブレットPCの液晶モジュールの裏面に設けられた金属板等の内部構造物が相当する。
このような内部構造物である金属板3は、電気を比較的よく流すので、外部から交流磁界が加わると渦電流が発生し、磁界を跳ね返してしまう。このような外部から交流磁界が加わるときの磁界分布を調べると、リーダライタ40と対向した金属板3の外縁側の磁界が強いという特性を有する。このため、従来では、携帯電話機等の電子機器30に組み込んだ際に当該電子機器30の小型化を図りつつ、リーダライタ40との間で良好な通信特性を確保するために、アンテナモジュール2のアンテナコイル12を携帯電話機30の筐体内に設けられた金属筐体等の金属板3の外縁側に設けることが行われていた。
しかしながら、携帯端末装置等の電子機器30の小型化や多機能化に伴い、筐体内において金属板3の外縁側にアンテナコイル12を設置するスペースが十分に確保されないために、金属板3の外縁側にアンテナコイル12を設置できない場合がある。また、電子機器30の小型化や多機能化に伴い、筐体内に磁気シールド効果を利用するための金属板3の面積を十分に確保したものを設置できない場合がある。すなわち、電子機器30の小型化や多機能化に伴って、当該電子機器の構成上の制約を受けることによって、金属板3による磁気シールド効果を利用したアンテナの通信特性を十分に高められないことが懸念される。特に、小型化・多機能化が進んでいる携帯端末装置等の電子機器では、その構造上の制約を回避して、アンテナの良好な通信特性を確保できるように、設計自由度を高める要請が大きい。
本発明者は、前述した本発明の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、電子機器に備わる基板等の金属板の磁気シールド効果による磁束の集中を利用して特性を上げるNFCアンテナモジュールにおいて、その特性を高める目的の金属板に代わって、閉ループ状に形成された環状の導電体枠となるショートリングを用いても、より良好な磁気シールド効果によるアンテナ通信特性を確保できることを見出し、かかる知見に基づき更に研究を行った結果、本発明を完成するに至った。
次に、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の構成について、図面を使用しながら説明する。図2(A)は、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の概略構成の一例を示す斜視図であり、図2(B)は、図2(A)のA−A断面図である。
本実施形態のアンテナ装置1は、図2(A)及び図2(B)に示すように、その開口部12bを介して幅方向(X方向)に対向する導線12aが互いに近接するように巻回して設けられるアンテナコイル12と、アンテナコイル12の外部機器40(図1参照)に対向する面と反対側の面に設けられる環状の導電体枠5と、を備える。
本実施形態では、アンテナコイル12は、中央側に有する開口部12bを縦断する中心線L1を介して導線12aが一方向に周回する一方側部12a1と、導線12aが他方向に周回する他方側部12a2に二分される細長い略短冊形状のコイルである。また、アンテナコイル12は、導線12aが周回する主面が通信時にリーダライタ40と図1に示すXY平面において対向するように配置される。さらに、アンテナコイル12の開口部12bには、外部機器からの磁束をアンテナコイル12の開口部12bに直接誘導し易くするために、磁性体から形成される磁性シート20が少なくともアンテナコイル12の一方側部12a1の外部機器との対向面側から開口部12bにかけて重畳するように、当該開口部12bに挿入されるようにして設けられている。
そして、アンテナコイル12は、一方側部12a1の何れかに導電体枠5が重畳するようにして、当該導電体枠5の端部側に設けられている。すなわち、導電体枠5は、アンテナコイル12の一端側に重畳するように設けられている。導電体枠5は、銅やアルミニウム等の導電性材質から閉ループ状に形成された環状のショートリングである。本実施形態では、導電体枠5は、電子機器に備わる金属板3(図1参照)の内側に開口孔6を設けることによって構成される。
このように、本実施形態では、電子機器に備わる金属板3を利用して作成した導電体枠5による磁気シールド効果を利用することによって、細長い短冊形状のアンテナコイル12でも良好な通信性能を確保できる。このため、小型化が進み、かつ、カメラや録音機等の各種機能素子を備えることによって、設置スペース等の構造上の制約を受ける場合でも、当該各種機能素子を設置可能な開口孔6を内側に備えた導電体枠5の何れかの端部側にアンテナコイル12を重畳させて設けることによって、より高い通信性能を確保できる。
すなわち、金属のシールド効果を発揮させるためのショートリングとなる導電体枠5をアンテナコイル12と重畳するように配置することによって、等価的に金属板3のエッジ部がアンテナコイル12と重なる位置に配置される構造が実現できる。このように、導電体枠5による磁気シールド効果を利用することによって、実装制約の少ない高性能のNFCアンテナモジュールを実現できる。
なお、本実施形態では、アンテナ装置1は、磁性シート20がアンテナコイル12の開口部12bに挿入されることによって、外部機器からの磁束をアンテナコイル12の開口部12bに直接誘導し易くして、通信性能を高めているが、磁性シート20を設けていない場合にも適用可能である。
例えば、図3(A)及び(B)に示すように、内側に開口孔106を有する導電体枠105の何れかの端部側に、開口部112bに磁性シートが挿入されていないアンテナコイル112を重畳させる構成としても、上述した作用・効果を奏する。本実施形態では、導電体枠105は、アンテナコイル112の一方側部112a1の長辺側の導線群のみと重畳する構成としている。このような構成とすることによって、アンテナコイル112の導電体枠105と重畳しない部分をより多く確保できるので、外部機器からの磁束をアンテナコイル112の開口部112bに導入し易くすることによって、より高い通信性能を確保できるようになる。
次に、本発明の他の一実施形態に係るアンテナ装置の構成について、図面を使用しながら説明する。図4(A)は、本発明の他の一実施形態に係るアンテナ装置の概略構成の一例を示す斜視図であり、図4(B)は、図4(A)のC−C断面図である。
本実施形態のアンテナ装置201は、図4(A)及び図4(B)に示すように、その開口部212bを介して幅方向(X方向)に対向する導線212aが互いに近接するように巻回して設けられるアンテナコイル212と、アンテナコイル212の外部機器40(図1参照)に対向する面と反対側の面に設けられる環状の導電体枠205と、を備える。
本実施形態では、アンテナコイル212は、中央側に有する開口部212bを縦断する中心線を介して導線212aが一方向に周回する一方側部212a1と、導線212aが他方向に周回する他方側部212a2に二分される細長い略短冊形状のコイルである。また、アンテナコイル212は、導線212aが周回する主面が通信時にリーダライタ40と図1に示すXY平面において対向するように配置される。さらに、アンテナコイル212の開口部212bには、外部機器からの磁束をアンテナコイルの開口部に直接誘導し易くするために、磁性体から形成される磁性シート220が少なくともアンテナコイル12の一方側部212a1の外部機器との対向面側から開口部212bにかけて重畳するように、当該開口部212bに挿入されるようにして設けられている。
そして、アンテナコイル212は、一方側部212a1の何れかに導電体枠205が重畳するようにして、当該導電体枠205の端部側に設けられている。すなわち、導電体枠205は、アンテナコイル212の一端側に重畳するように設けられている。本実施形態では、導電体枠205は、銅やアルミニウム等の導電性材質からなるワイヤを環状に設けることによって形成されたショートリングである。ワイヤから構成される導電体枠205による磁気シールド効果を確実に利用して、電子機器の構造上の制約を受けることなく、より高い通信性能を確保するために、導電体枠5は、ワイヤがアンテナコイル212の開口部212bと重畳するように設けられることが好ましい。
このように、本実施形態では、より簡素な構成の導電体枠205による磁気シールド効果を利用することによって、電子機器の構造上の制約を受けることなく、より高い通信性能を確保できる。このため、小型化が進み、かつ、カメラや録音機等の各種機能素子を備えることによって、設置スペース等の構造上の制約を受ける場合でも、これら各種機能素子を設置可能な開口孔206を内側に備えるようにワイヤを環状にして形成した導電体枠205の何れかの端部側にアンテナコイル212を重畳させて設けることによって、より高い通信性能を確保できる。
すなわち、金属のシールド効果を発揮させるためのショートリングとなる導電体枠205をワイヤで形成した場合でも、導電体枠205をアンテナコイル212と重畳するように配置することによって、等価的に金属板3(図1参照)のエッジ部がアンテナコイル212と重なる位置に配置される構造が実現できる。このように、ワイヤから形成される導電体枠205による磁気シールド効果を利用することによって、さらに実装制約の少ない設計自由度の高い高性能のNFCアンテナモジュールを実現できる。
なお、本実施形態では、導電体枠205が外径の細いワイヤで形成されているため、アンテナコイル212との重畳がずれることによって、導電体枠205による磁気シールド効果を十分に得られないことが懸念される。このため、図5(A)及び図5(B)に示すように、アンテナコイル312の導電体枠305との対向面側に、銅やアルミニウム等の導電体からなる金属箔313が重畳されるように設ける構成としてもよい。
具体的には、図5(B)に示すように、アンテナコイル312が実装されたアンテナ基板311と導電体枠305との間に金属箔313を介在させるようにして設ける。このように、アンテナ基板311と導電体枠305との間に金属箔313を介在させることによって、導電体枠305を細いワイヤで構成する場合でも、アンテナコイル312との重畳がずれても、金属箔313を介して導電体枠305との導通が図れるので、より確実に導電体枠305による磁気シールド効果を利用して、高い通信性能を確保できるようになる。
また、導電体枠405は、図6(A)及び図6(B)に示すように、電子機器に備わるメタルカバーやバッテリパックの金属筐体等の金属板403からなる第1の導電体と、アンテナコイル412とを架橋する第2の導電体に適用してもよい。すなわち、金属板403(第1の導電体)に直接開口孔を設けなくても、第1の導電体の端部側にアンテナコイル412を重畳させた導電体枠405を重畳させることによって、同様にして、導電体枠405による磁気シールド効果を利用して、電子機器の構造上の制約を受けることなく、より高い通信性能を確保できる。このように、電子機器の内部構造物を利用することによって、より高い通信性能を確保できる。
特に、本実施形態では、電子機器30の内部構造物となる金属板403に直接、開口孔を設けずに、金属板403とアンテナコイル412とを架橋する第2導電体を導電体枠405とする構成としている。このため、電子機器30の内部構造物となる金属板403に直接、開口孔を設けないので、これら内部構造物の強度を低下させることなく、より高い通信性能を確保できるようになる。
なお、前述した本発明の一実施形態及び他の一実施形態では、アンテナコイル12、212、412には、それぞれ磁性シート20、220、420が設けられているが、当該磁性シート20、220、420が設けられていない場合でも、上述した作用・効果を奏する。すなわち、金属のシールド効果を発揮させるためのショートリングとなる導電体枠5、205、405をアンテナコイル12、212、412と重畳するように配置する構成となっていれば、同様にして、導電体枠5、205、405による磁気シールド効果を利用した実装制約が少なく、かつ、高い通信性能を確保した高性能なNFCアンテナモジュールを実現できる。
次に、本発明の各実施形態に係るアンテナ装置の検討評価の実施例について、図面を使用しながら説明する。本発明の一実施形態に係るアンテナ装置における作用・効果を以下の実施例、参考例、及び比較例を用いて検証した。なお、本発明は、本実施例に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係るアンテナ装置のリーダライタとの結合係数の変動に係る効果の確認をするための基礎検討評価について、図面を使用しながら説明する。
図7(A)は、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の作用・効果を確認するための検証実験結果を示す斜視図であり、図7(B)は、当該検証実験結果を示す平面図である。図8(A)は、比較例となる従来のアンテナ装置の作用・効果を確認するための評価方法を示す斜視図であり、図8(B)は、当該評価方法を示す平面図である。図9(A)は、参考例となるアンテナ装置の作用・効果を確認するための評価方法を示す斜視図であり、図9(B)は、当該評価方法を示す平面図である。図10(A)は、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の実施例の作用・効果を確認するための評価方法を示す斜視図であり、図10(B)は、当該評価方法を示す平面図である。図11は、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の作用・効果を確認するための通信性能の評価結果を示すグラフである。
まず、図7(A)に示すように、対向する外部機器(リーダライタ)40のアンテナ41の磁界により、金属板505に誘起される電流を観察した。具体的には、直径70mmの2ターン円形コイルに13.56MHz、 0.6Wの電力を印加して、40mmの距離にある40mm×40mm×0.05mmのアルミ箔上の表面電流密度を電磁界シミュレーションで評価した。その結果、図7(A)及び図7(B)に示すように、金属板505となるアルミ箔上の電流は、外周部に集中して、金属板505の中央部には、電流が流れていないことが分かった。
次に、この検証実験結果に基づいて、本発明の一実施形態のアンテナ装置に適用した導電体枠であるショートリングの効果について、金属板の場合と比較して評価した。
具体的には、図8(A)及び図8(B)に示すように、アンテナコイル512に重畳させる金属板もショートリングもない従来例と、図9(A)及び図9(B)に示すように、金属板603の端部側にアンテナコイル612を重畳させた参考例と、図10(A)及び図10(B)に示すように、導電体枠5の端部側にアンテナコイル12を重畳させた本発明の一実施形態のアンテナ装置1に対応する実施例について、それぞれリーダライタとの通信特性の指標となる結合係数の変動を評価した。
これらの評価試験では、それぞれのアンテナコイル512、612、12に対して、図8(B)、図9(B)、図10(B)に示すように、リーダライタ40をX軸方向に移動させて、その際におけるリーダライタとの結合係数の変動を評価した。なお、本評価試験における実施例、参考例、及び比較例のNFCアンテナは、30mm×10mmの4巻のアンテナコイルを使用し、当該NFCアンテナとリーダライタ40との結合係数を20mmの距離で評価した。
これらの評価試験における評価結果を図11に示す。図11に示すように、従来例に対して、実施例及び参考例とも大幅に結合係数kが増加したことが分かった。また、実施例と参考例では、図11に示すように、結合係数kのピークに多少のずれがあるものの、結合係数kの値の大きさには、大差がないことから、磁気シールド効果に基づく改善効果に差がないことが分かった。このことから、内側に開口孔を有する導電体枠でも、金属板と同様に磁気シールド効果による通信性能の改善が見られることから、より良好な通信性能を確保できることが分かった。
なお、上記のように本発明の各実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、アンテナ装置の構成、動作も本発明の各実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
1 アンテナ装置、2 アンテナモジュール、3、403、603 金属板(第1の導電体)、5、105、205、305、405 導電体枠(ショートリング)、6、106、206、306、406 開口孔、11、111、211、311、411 アンテナ基板、12、112、212、312、412、512、612 アンテナコイル、12a、112a、212a、312a、412a 導線、12a1、112a1、212a1、312a1、412a1 一方側部、12a2、112a2、212a2、312a2、412a2 他方側部、12b、112b、212b、312b、412b 開口部、13 通信処理部、14 端子部、20、220、420、 磁性シート、30 電子機器、40 リーダライタ(外部機器)、41 アンテナ、42 制御基板、43 制御回路、L1 中心線
Claims (9)
- 電子機器に組み込まれ、外部機器と電磁界信号を介して通信するアンテナ装置であって、
その開口部を介して幅方向に対向する導線が互いに近接するように巻回して設けられ、前記外部機器と誘導結合されるアンテナコイルと、
前記アンテナコイルの一端側に重畳するように設けられる環状の導電体からなる導電体枠と、を備え、
前記アンテナコイルは、前記開口部を縦断する中心線を介して前記導線が一方向に周回する一方側部と前記導線が他方向に周回する他方側部に二分され、前記一方側部の何れかに前記導電体枠が重畳されるアンテナ装置。 - 前記導電体枠は、前記電子機器に備わる金属板の内側に開口孔を設けることによって構成される請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記導電体枠は、前記アンテナコイルの前記一方側部の長辺側の導線群のみと重畳する請求項2に記載のアンテナ装置。
- 前記導電体枠は、導電性のワイヤを環状に設けることによって構成される請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記導電体枠は、前記ワイヤが前記アンテナコイルの開口部と重畳するように設けられる請求項4に記載のアンテナ装置。
- 前記アンテナコイルの前記導電体枠との対向面側には、金属箔が重畳される請求項4に記載のアンテナ装置。
- 前記導電体枠は、前記電子機器に備わる金属板からなる第1の導電体と前記アンテナコイルとを架橋する第2の導電体である請求項1乃至6の何れか1項に記載のアンテナ装置。
- 前記アンテナコイルの前記開口部には、磁性体から形成される磁性シートが挿入され、該磁性シートが少なくとも前記一方側部の前記外部機器との対向面側から前記開口部にかけて重畳するように設けられる請求項1乃至7の何れか1項に記載のアンテナ装置。
- 前記導電体枠は、前記アンテナコイルの前記外部機器に対向する面と反対側の面に設けられる請求項8に記載のアンテナ装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2016129646A JP2018006942A (ja) | 2016-06-30 | 2016-06-30 | アンテナ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016129646A JP2018006942A (ja) | 2016-06-30 | 2016-06-30 | アンテナ装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2018006942A true JP2018006942A (ja) | 2018-01-11 |
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ID=60948144
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016129646A Pending JP2018006942A (ja) | 2016-06-30 | 2016-06-30 | アンテナ装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2018006942A (ja) |
-
2016
- 2016-06-30 JP JP2016129646A patent/JP2018006942A/ja active Pending
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