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JP2018006290A - イオン伝導性組成物およびイオン伝導膜 - Google Patents

イオン伝導性組成物およびイオン伝導膜 Download PDF

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JP2018006290A
JP2018006290A JP2016135929A JP2016135929A JP2018006290A JP 2018006290 A JP2018006290 A JP 2018006290A JP 2016135929 A JP2016135929 A JP 2016135929A JP 2016135929 A JP2016135929 A JP 2016135929A JP 2018006290 A JP2018006290 A JP 2018006290A
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cationic
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圭祐 太田
Keisuke Ota
圭祐 太田
洋平 立石
Yohei Tateishi
洋平 立石
重孝 早野
Shigetaka Hayano
重孝 早野
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

【課題】蒸気圧が極めて低く引火性が抑えられており、しかも、形状保持性および溶媒に対する再溶解性に優れたイオン伝導膜を与えることのできるイオン伝導性組成物の提供。
【解決手段】カチオン性基を有するポリエーテル化合物100重量部に対し、アルカリ金属塩を3重量部以上の割合で含有するイオン伝導性組成物。前記カチオン性基を有するポリエーテル化合物が、式(1)で表される単量体単位からなるものであることが好ましいイオン伝導性組成物。
Figure 2018006290

(Aはカチオン性基又はカチオン性基含有基;Xは任意の対アニオン;Rは非イオン性基;nは1以上の整数;mは0以上の整数)
【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ金属塩を含むイオン伝導性組成物に関し、さらに詳しくは、蒸気圧が極めて低く引火性が抑えられており、しかも、形状保持性および溶媒に対する再溶解性に優れたイオン伝導膜を与えることのできるイオン伝導性組成物に関する。
二次電池などの電気化学デバイスにおいては、電極間のイオン伝導を得るために、通常、電解質塩を溶媒に溶解してなる液状の電解質が用いられている。一方で、溶媒を用いた液状の電解質においては、溶媒の揮発による液量の経時的な減少や、溶媒が有機溶媒である場合には引火のおそれがあることから、これに代わる電解質の開発が検討されている。
このような有機溶媒を用いた電解質の代替として、ポリエーテルなどのポリマー電解質が検討されている。一方で、ポリマー電解質は、揮発性の成分をほとんど含有しないため、蒸気圧が極めて低く引火性を抑えることや、液漏れを防止することができるものの、通常の使用環境下において形状安定性に劣る場合があった。特に、形状安定性に劣る材料をポリマー電解質として用いると、電気化学デバイスの信頼性が低下してしまうという問題があり、このような問題に対して、化学架橋可能なポリマー電解質が提案されている(たとえば、特許文献1)。
このような化学架橋可能なポリマー電解質においては、化学架橋させるため形状安定性に優れたポリマー電解質が得られる一方で、化学架橋させるとゲル状となるため、溶媒などに再溶解させることが出来なくなるため、電気化学デバイスを製造する際に製造条件が制約されてしまうという課題や、電気化学デバイスとしての使用条件が制約されてしまうという問題があった。特に、電気化学デバイスには、電極活物質等として、希少金属が使用される場合があり、このような希少金属等の回収という観点より、形状保持性等に優れることに加え、溶媒などに再溶解可能である電解質材料が求められていた。
特開平5−47210号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、蒸気圧が極めて低く引火性が抑えられており、しかも、形状保持性および溶媒に対する再溶解性に優れたイオン伝導膜を与えることのできるイオン伝導性組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、このようなイオン伝導性組成物を用いて得られるイオン伝導膜を提供することも目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、カチオン性基を有するポリエーテル化合物100重量部に対し、アルカリ金属塩を3重量部以上の割合で含有するイオン伝導性組成物によれば、蒸気圧が極めて低く引火性が抑えられており、しかも、形状保持性および溶媒に対する再溶解性に優れたイオン伝導膜を与えることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、カチオン性基を有するポリエーテル化合物100重量部に対し、アルカリ金属塩を3重量部以上の割合で含有するイオン伝導性組成物が提供される。
本発明のイオン伝導性組成物において、前記カチオン性基を有するポリエーテル化合物が、下記一般式(1)で表される単量体単位からなるものであることが好ましい。
Figure 2018006290
(上記一般式(1)中、Aは、カチオン性基またはカチオン性基含有基を表し、Xは、任意の対アニオンを表し、Rは非イオン性基を表し、nは1以上の整数であり、mは0以上の整数である。)
また、本発明のイオン伝導性組成物において、前記アルカリ金属塩が、LiBF、LiPF、LiClO、LiN(SOF)、およびLiN(SOCFから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
さらに、本発明によれば、上記本発明のイオン伝導性組成物からなるイオン伝導膜が提供される。
本発明によれば、蒸気圧が極めて低く引火性が抑えられており、しかも、形状保持性および溶媒に対する再溶解性に優れたイオン伝導膜を与えることのできるイオン伝導性組成物、およびこのようなイオン伝導性組成物を用いて得られるイオン伝導膜を提供することができる。
<イオン伝導性組成物>
本発明のイオン伝導性組成物は、カチオン性基を有するポリエーテル化合物と、アルカリ金属塩とを含有するイオン伝導性の組成物であって、カチオン性基を有するポリエーテル化合物100重量部に対して、アルカリ金属塩を3重量部以上の割合で含有するものである。
<アルカリ金属塩>
アルカリ金属塩としては、カチオンとアニオンから構成される塩化合物であって、カチオンとしてアルカリ金属カチオンを含有するものであればよく、特に限定されないが、カチオンとして、正の電荷を1つのみ有するアルカリ金属カチオンと、負の電荷を1つのみ有する対アニオンとを有する塩化合物であることが好ましい。
アルカリ金属塩を形成するアルカリ金属カチオンの具体例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、フランシウムイオン等が挙げられる。これらのなかでも、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオンがより好ましく、リチウムイオンが特に好ましい。
アルカリ金属塩を形成するアニオンの具体例としては、Cl、Br、I等のハロゲン化物イオン、(FSO、(CFSO、(CFCFSO等のスルホンイミド化物イオン、OH、SCN、BF 、PF 、ClO 、CHSO 、CFSO 、CFCOO、PhCOO等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのなかでも、(CFSO、(FSO、BF 、PF 、ClO が好ましく、(CFSO、BF 、PF がより好ましく、(CFSOが特に好ましい。
本発明で用いるアルカリ金属塩としては、カチオンおよびアニオンの全てが同一のイオン種からなるものであってもよいし、カチオンおよびアニオンのいずれか一方、あるいは両方として、2種以上のイオン種が混在したものであってもよい。すなわち、アルカリ金属塩としては、単一のものであってもよく、2種以上が混合されたものであってもよい。
本発明で用いるアルカリ金属塩の具体例としては、LiBF、LiPF、LiClO、LiN(SOF)、LiN(SOCF、NaBF、NaPF、NaClO、NaN(SOF)、NaN(SOCFなどが挙げられる。これらのなかでも、LiBF、LiPF、LiClO、LiN(SOF)、LiN(SOCFが好ましく、LiBF、LiPF、LiN(SOCFがより好ましく、LiN(SOCFが特に好ましい。
<カチオン性基を有するポリエーテル化合物>
本発明で用いるカチオン性基を有するポリエーテル化合物は、オキシラン構造を含有する化合物のオキシラン構造部分が開環重合することにより得られる単位である、オキシラン単量体単位を含んでなるポリエーテル化合物であって、その分子中にカチオン性基を有するものである。
本発明によれば、カチオン性基を有するポリエーテル化合物100重量部に対し、アルカリ金属塩を3重量部以上の割合で含有させることにより、蒸気圧が極めて低く引火性が抑えられており、しかも、形状保持性および溶媒に対する再溶解性に優れたイオン伝導膜を与えることのできるイオン伝導性組成物を提供することができるものである。
特に、本発明者等が、アルカリ金属塩を含有するイオン伝導性組成物において、形状保持性および溶媒に対する再溶解性を両立させるという課題を解決するために鋭意検討を行ったところ、カチオン性基を有するポリエーテル化合物に対し、所定量以上のアルカリ金属塩を配合してなる組成物によれば、化学架橋をしなくても、形状保持性に優れたイオン伝導膜を得ることができること、また、得られるイオン伝導膜は、化学架橋をしなくても形状保持性を有するため、溶媒に対する再溶解性をも備えること、を見出し、このような知見に基づき、本発明を完成させるに至ったものである。
本発明で用いるカチオン性基を有するポリエーテル化合物を形成する、オキシラン単量体単位の具体例としては、エチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位、1,2−ブチレンオキシド単位などのアルキレンオキシド単量体単位;エピクロロヒドリン単位、エピブロモヒドリン単位、エピヨードヒドリン単位などのエピハロヒドリン単量体単位;アリルグリシジルエーテル単位などのアルケニル基含有オキシラン単量体単位;フェニルグリシジルエーテル単位などの芳香族エーテル基含有オキシラン単量体単位;グリシジルアクリレート単位、グリシジルメタクリレート単位などの(メタ)アクリロイル基含有オキシラン単量体単位;などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いるカチオン性基を有するポリエーテル化合物は、2種以上のオキシラン単量体単位を含有するものであってもよく、この場合においては、それら複数の繰り返し単位の分布様式は特に限定されないが、ランダムな分布を有していることが好ましい。
また、本発明で用いるカチオン性基を有するポリエーテル化合物は、オキシラン単量体単位のうち少なくとも一部として、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位を含有する。
本発明で用いるカチオン性基を有するポリエーテル化合物に含有させることのできるカチオン性基としては、特に限定されないが、得られるイオン伝導膜の形状保持性をより高めることができるという観点から、周期表第15族または第16族の原子がオニウムカチオン構造を形成したカチオン性基であることが好ましく、窒素原子がオニウムカチオン構造を形成したカチオン性基であることがより好ましく、窒素原子含有芳香族複素環中の窒素原子がオニウムカチオン構造を形成したカチオン性基であることがさらに好ましく、イミダソリウム環中の窒素原子がオニウムカチオン構造を形成したカチオン性基であることが特に好ましい。
カチオン性基の具体例としては、アンモニウム基、メチルアンモニウム基、ブチルアンモニウム基、シクロヘキシルアンモニウム基、アニリニウム基、ベンジルアンモニウム基、エタノールアンモニウム基、ジメチルアンモニウム基、ジエチルアンモニウム基、ジブチルアンモニウム基、ノニルフェニルアンモニウム基、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、n−ブチルジメチルアンモニウム基、n−オクチルジメチルアンモニウム基、n−ステアリルジメチルアンモニウム基、トリブチルアンモニウム基、トリビニルアンモニウム基、トリエタノールアンモニウム基、N,N−ジメチルエタノールアンモニウム基、トリ(2−エトキシエチル)アンモニウム基等のアンモニウム基;ピペリジニウム基、1−ピロリジニウム基、1−メチルピロリジニウム基、イミダゾリウム基、1−メチルイミダゾリウム基、1−エチルイミダゾリウム基、ベンズイミダゾリウム基、ピロリウム基、1−メチルピロリウム基、オキサゾリウム基、ベンズオキサゾリウム基、ベンズイソオキサゾリウム基、ピラゾリウム基、イソオキサゾリウム基、ピリジニウム基、2,6−ジメチルピリジニウム基、ピラジニウム基、ピリミジニウム基、ピリダジニウム基、トリアジニウム基、N,N−ジメチルアニリニウム基、キノリニウム基、イソキノリニウム基、インドリニウム基、イソインドリウム基、キノキサリウム基、イソキノキサリウム基、チアゾリウム基等のカチオン性の窒素原子を含有する複素環を含んでなる基;トリフェニルホスホニウム塩、トリブチルホスホニウム基等のカチオン性のリン原子を含んでなる基;等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、1−メチルピロリジニウム基、イミダゾリウム基、1−メチルイミダゾリウム基、1−エチルイミダゾリウム基、ベンズイミダゾリウム基等のカチオン性の窒素原子を含有する複素環を含んでなる基が好ましい。
また、カチオン性基は、通常対アニオンを有するものであるが、その対アニオンとしては特に限定されないが、たとえば、Cl、Br、Iなどのハロゲン化物イオンや(FSO、(CFSO、(CFCFSOなどのスルホンイミド化物イオン、さらには、OH、SCN、BF 、PF 、ClO 、CHSO 、CFSO 、CFCOO、PhCOOなどを挙げることができる。これら対アニオンは、得ようとするイオン伝導膜の特性に応じて適宜選択すればよい。
本発明で用いるカチオン性基を有するポリエーテル化合物においては、ポリエーテル化合物を構成するオキシラン単量体単位のうち、その少なくとも一部がカチオン性基を有するオキシラン単量体単位であればよく、たとえば、ポリエーテル化合物を構成するオキシラン単量体単位の全てがカチオン性基を有するものであってもよく、あるいは、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位およびカチオン性基を有しないオキシラン単量体単位が混在するものであってもよい。本発明で用いるカチオン性基を有するポリエーテル化合物において、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位が占める割合は、特に限定されず、カチオン性基を有するポリエーテル化合物を構成するオキシラン単量体単位全体に対して、0.1モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、10モル%以上が特に好ましい。なお、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位が占める割合の上限は、特に限定されない。カチオン性基を有するオキシラン単量体単位が占める割合を上記範囲とすることにより、得られるイオン伝導膜の形状保持性をより優れたものとすることができる。
本発明で用いるカチオン性基を有するポリエーテル化合物の構造としては特に限定されないが、下記一般式(1)で表される単量体単位からなるものであることが好ましい。
Figure 2018006290
(上記一般式(1)中、Aは、カチオン性基またはカチオン性基含有基を表し、Xは、任意の対アニオンを表し、Rは非イオン性基を表し、nは1以上の整数であり、mは0以上の整数である。)
上記一般式(1)中、Aは、カチオン性基またはカチオン性基含有基を表し、カチオン性基の具体例としては、上述したものが挙げられ、また、カチオン性基含有基としては、上述したカチオン性基を含有する基が挙げられる。
上記一般式(1)中、Xは、任意の対アニオンを表し、たとえば、対アニオンの具体例としては、上述したものが挙げられる。
上記一般式(1)中、Rは、非イオン性基であり、非イオン性の基であれば特に限定されない。Rとしては、たとえば、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等の炭素数2〜10のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等の炭素数2〜10のアルキニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基;等が挙げられる。
これらのうち、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および炭素数6〜20のアリール基は、任意の位置に置換基を有していてもよい。
置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基等の炭素数2〜6のアルケニルオキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−メトキシフェニル基等の置換基を有していてもよいアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等の炭素数1〜6のアルキルカルボニル基;アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等の(メタ)アクリロイルオキシ基;等が挙げられる。
また、上記一般式(1)中、nは1以上の整数であり、mは0以上の整数であればよいが、nは、1〜10,000の整数であることが好ましく、2〜9,000の整数であることがより好ましく、5〜8000の整数であることがさらに好ましい。また、mは、0〜9,999の整数であることが好ましく、0〜8,998の整数であることがより好ましく、0〜7,995の整数であることがさらに好ましい。また、n+mは、1〜10,000の整数であることが好ましく、2〜9,000の整数であることがより好ましく、5〜8,000の整数であることがさらに好ましい。
なお、本発明で用いるカチオン性基を有するポリエーテル化合物の構造が、上記一般式(1)で表される単量体単位からなるものである時、重合体鎖末端は、特に限定されず、任意の基とすることができる。重合体鎖末端基としては、例えば、上述したカチオン性基、水酸基、または水素原子などが挙げられる。
本発明で用いるカチオン性基を有するポリエーテル化合物の数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、500〜2,000,000であることが好ましく、1000〜1,000,000であることがより好ましい。また、本発明で用いるカチオン性基を有するポリエーテル化合物の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、500〜6,000,000であることが好ましく、1,000〜3,000,000であることがより好ましく、分子量分布(Mw/Mw)は、好ましくは1.0〜3.0、より好ましくは1.0〜2.0である。なお、カチオン性基を有するポリエーテル化合物の数平均分子量、重量平均分子量および分子量分布は、後述する実施例に記載の方法で求めることができる。
また、本発明で用いるカチオン性基を有するポリエーテル化合物の鎖構造は特に限定されず、直鎖状のものであってもよいし、グラフト状、放射状などの分岐を有する鎖構造のものであってもよい。
本発明で用いるカチオン性基を有するポリエーテル化合物の合成方法は、特に限定されず、目的とする化合物を得られるものである限りにおいて、任意の合成方法を採用することができる。合成方法の一例を示すと、まず、以下の(A)または(B)の方法により、ベースポリマー(カチオン性基を有しないポリエーテル化合物)を得る。
(A)エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリンなどのエピハロヒドリンを少なくとも含む、オキシラン単量体を含有する単量体を、触媒として、特開2010−53217号公報に開示されている、周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩と、含有されるアルキル基が全て直鎖状アルキル基であるトリアルキルアルミニウムとを含んでなる触媒との存在下で開環重合することにより、ベースポリマーを得る方法。
(B)エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリンなどのエピハロヒドリンを少なくとも含む、オキシラン単量体を含有する単量体を、特公昭46−27534号公報に開示されている、トリイソブチルアルミニウムにリン酸とトリエチルアミンを反応させた触媒の存在下で開環重合することにより、ベースポリマーを得る方法。
そして、上記(A)または(B)の方法において得られたベースポリマーに、イミダゾール化合物などのアミン化合物を反応させることにより、ベースポリマーのエピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン基をオニウムハライド基に変換して、さらに必要に応じて、オニウムハライド基を構成するハロゲン化物イオンを、アニオン交換反応を行うことにより、カチオン性基を有するポリエーテル化合物を得ることができる。
本発明のイオン伝導性組成物中における、カチオン性基を有するポリエーテル化合物100重量部に対する、アルカリ金属塩の含有割合は、3重量部以上であり、好ましくは4重量部以上、より好ましくは5重量部以上、さらに好ましくは8重量部以上、特に好ましくは10重量部以上である。アルカリ金属塩の含有割合が少なすぎると、得られるイオン伝導膜の形状保持性が不十分となってしまう。なお、本発明のイオン伝導性組成物中における、アルカリ金属塩の含有割合の上限は、特に限定されず、カチオン性基を有するポリエーテル化合物に溶解可能な量であればよいが、好ましくは500重量部以下、より好ましくは400重量部以下、さらに好ましくは300重量部以下、特に好ましくは200重量部以下である。
<イオン伝導性組成物の製造方法>
本発明のイオン伝導性組成物は、上述したカチオン性基を有するポリエーテル化合物に、アルカリ金属塩を混合することにより製造することができる。混合方法としては、特に限定されず、公知の方法を制限なく用いることできる。また、混合に際しては、溶媒中で混合を行ってもよい。用いる溶媒としては、特に限定されないが、テトラヒドロフラン、アニソールなどのエーテル;酢酸エチル、安息香酸エチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、アセトフェノンなどのケトン;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒;エタノール、メタノール、水などのプロトン性極性溶媒;などが挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
<その他成分>
また、本発明のイオン伝導性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、カチオン性基を有するポリエーテル化合物、およびアルカリ金属塩に加えて、その他の成分を含有するものであってもよい。その他の成分の具体例としては、水、メタノール、エタノール、トルエン、アセトン、THF、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどの低分子化合物;常温溶融塩(イオン性液体、イオン液体ともいう)などのアルカリ金属塩以外の塩化合物;カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、酸化グラフェンなどのナノカーボン;酸化亜鉛、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化ガリウムなどの金属酸化窒化物;等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<イオン伝導膜>
本発明のイオン伝導膜は、上述した本発明のイオン伝導性組成物からなるイオン伝導性を有する膜状成形体である。
本発明のイオン伝導膜は、たとえば、上述した本発明のイオン伝導性組成物を構成する各成分(カチオン性基を有するポリエーテル化合物、およびアルカリ金属塩、ならびに必要に応じて用いられるその他の成分)を溶媒に溶解させることで、イオン伝導性組成物の溶液を調製し、これを膜状に成形し、乾燥させることにより製造することができる。
本発明のイオン伝導膜の厚みは、好ましくは1〜2000μm、より好ましくは5〜1500μm、さらに好ましくは10〜1000μmである。厚みを上記範囲とすることにより、信頼性を十分に確保しながら、イオン伝導性の膜として好適に機能させることができる。
本発明のイオン伝導膜は、上述した本発明のイオン伝導性組成物を用いて得られるものであるため、蒸気圧が極めて低く引火性が抑えられており、しかも、形状保持性および溶媒に対する再溶解性に優れたものである。特に、本発明のイオン伝導膜は、化学架橋をしなくても、優れた形状保持性を実現できるものであるため、溶媒に対する再溶解性に優れるものであり、溶媒に溶解可能なことからリユース性に優れるものである。具体的には、各種デバイス等を製造するための製造工程において、本発明のイオン伝導膜を他の部材上に形成した際において、何らかの不具合があった場合でも、本発明のイオン伝導膜は、溶媒に溶解させることで除去可能であるため、他の部材を好適に再利用することが可能であり、さらには、イオン伝導膜自体も、イオン伝導性組成物として再利用することが可能である。
そのため、本発明のイオン伝導膜は、このような特性を活かし、二次電池、燃料電池、色素増感太陽電池、アクチュエーターなどの電気化学デバイスなどの用途において好適に用いることができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。なお、以下において、「部」および「%」は、特に断りのない限り重量基準である。また、試験および評価は下記に従った。
(1)数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)
ベースポリマー(カチオン性基を有しないポリエーテル化合物)の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算値として測定した。なお、測定器としてはHLC−8320(東ソー社製)を用い、カラムはTSKgel SuperMultiporeHZ−H(東ソー社製)4本を直列に連結して用い、検出器は示差屈折計RI−8320(東ソー社製)を用いた。
また、カチオン性基を有するポリエーテル化合物の数平均分子量(Mn)は、次のように求めた。すなわち、まず、ベースポリマー(カチオン性基を有しないポリエーテル化合物)の繰り返し単位の平均分子量と、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位の平均分子量、および下記(2)により求めたカチオン性基を有するオキシラン単量体単位の含有率とから、カチオン性基を有するポリエーテル化合物を構成する、全ての繰り返し単位の平均分子量を求めた。そして、ベースポリマー(カチオン性基を有しないポリエーテル化合物)の繰り返し単位数と、カチオン性基を有するポリエーテル化合物を構成する、全ての繰り返し単位の平均分子量とを乗じることにより得られた値を、カチオン性基を有するポリエーテル化合物の数平均分子量とした。
(2)カチオン性基を有するポリエーテル化合物の構造およびカチオン性基を有するオキシラン単量体単位の含有率
カチオン性基を有するポリエーテル化合物の構造、およびカチオン性基を有するポリエーテル化合物中の、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位の含有率は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて、以下のように測定した。すなわち、まず、試料となるカチオン性基を有するポリエーテル化合物30mgを、1.0mLの重クロロホルムまたは重ジメチルスルホキシドに加え、1時間振蕩することにより均一に溶解させた。そして、得られた溶液についてNMR測定を行って、H−NMRスペクトルを得て、定法に従いポリエーテル化合物の構造を帰属した。
また、カチオン性基を有するポリエーテル化合物中の、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位の含有率は、次の方法により算出した。すなわち、まず、主鎖のオキシラン単量体単位に由来するプロトンの積分値から全オキシラン単量体単位のモル数B1を算出した。次に、カチオン性基に由来するプロトンの積分値から、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位のモル数B2を算出した。そして、B1に対するB2の割合(百分率)を、カチオン性基を有するポリエーテル化合物中の、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位の含有率として求めた。
(3)形状保持性
イオン伝導膜(膜成形体)が形成されたガラス板を、垂直に保持し、24時間静置した後、24時間経過後においても、イオン伝導膜(膜成形体)が自重で変形しないか確認することで、形状保持性の評価を行った。24時間経過後においても、イオン伝導膜(膜成形体)が自重で変形しておらず、厚さの均一性が保たれていた場合は、「形状保持性有り」と判断し、一方、24時間経過後において、イオン伝導膜(膜成形体)が自重で流れて、厚さの均一性が失われていた場合は、「形状保持性無し」と判断した。
〔製造例1〕
(エピクロロヒドリンとグリシジルメタクリレートとのリビングアニオン共重合)
アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に、テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド0.322gおよびトルエン5mlを添加し、これを0℃に冷却した。次いで、トリエチルアルミニウム0.137g(テトラノルマルブチルアンモニウムブロミドに対して1.2当量)をノルマルヘキサン0.25mlに溶解したものを添加して、15分間反応させることで触媒組成物を得た。得られた触媒組成物に、エピクロロヒドリン9.5gおよびグリシジルメタクリレート0.5gを添加し、0℃において重合反応を行った。重合反応開始後、徐々に溶液の粘度が上昇した。1時間反応後、重合反応液に少量の2−プロパノールを添加し、反応を停止した。次いで、得られた重合反応液をトルエンで希釈した後、2−プロパノールに注ぎ、白色のゴム状物質9.8gを得た。得られたゴム状物質のGPC測定による数平均分子量(Mn)は10,100、分子量分布は1.20であった。さらに得られたゴム状物質について、H‐NMR測定を行ったところ、このゴム状物質は、エピクロロヒドリン単位97.0モル%およびグリシジルメタクリレート単位3.0モル%を含むものであることが確認できた。以上より、得られたゴム状物質は、重合開始末端にブロモメチル基を持ち、重合停止末端に水酸基を持つ、エピクロロヒドリン単位およびグリシジルメタクリレート単位により構成されたポリエーテル化合物A(平均でエピクロロヒドリン単位106個とグリシジルメタクリレート単位4個とからなる110量体)であるといえる。
〔製造例2〕
(ポリエーテル化合物A中のエピクロロヒドリン単位の1−メチルイミダゾールによる4級化)
製造例1で得られたポリエーテル化合物A 8.0gと、1−メチルイミダゾール22.0gと、N, N−ジメチルホルムアミド16.0gとを、アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に添加し、80℃に加熱した。80℃で144時間反応させた後、室温に冷却し反応を停止し、得られた反応溶液を一部抜き取り、50℃で120時間減圧乾燥をしたところ、赤褐色の樹脂状の物質15.0gが得られた。この樹脂状物質について、H‐NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料の製造例1で得られたポリエーテル化合物A中の全てのエピクロロヒドリン単位におけるクロロ基が、1−メチルイミダゾリウムクロリド基に、全ての重合開始末端のブロモメチル基のブロモ基が、1−メチルイミダゾリウムブロミド基に、それぞれ置換された、1−メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル化合物Bであると同定された。
〔製造例3〕
(1−メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル化合物Bのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドによるアニオン交換)
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド26.0gを溶解させた蒸留水300mlを攪拌機付きガラス反応器に添加した。これとは別に、製造例2で得られた1−メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル化合物B 5.0gを蒸留水50mlに溶解し、これを、上記ガラス反応器に滴下し室温で30分間反応させた。反応後、沈殿したゴム状物質を回収し、アセトンに溶解させた後、そのアセトン溶液を蒸留水300mlに滴下し、ポリマー凝固により無機塩を除去した。凝固により得られたゴム状物質を50℃で12時間減圧乾燥したところ、薄褐色のゴム状物質11.5gを得た。得られたゴム状物質についてH‐NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料である製造例2で得られた1−メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル化合物Bの繰り返し単位中の1−メチルイミダゾリウムクロリド基の塩化物イオンと重合開始末端の1−メチルイミダゾリウムブロミド基の臭化物イオンの全てがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンに交換された、対アニオンとしてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンを有するイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Cであると同定された。なお、得られたポリエーテル化合物Cの数平均分子量(Mn)は45,000であった。
〔製造例4〕
(1−メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル化合物Bのヘキサフルオロリン酸カリウムによるアニオン交換)
ヘキサフルオロリン酸カリウム9.7gを溶解させたアセトニトリル50mlを攪拌機付きガラス反応器に添加した。これとは別に、製造例2で得られた1−メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル化合物B 5.0gをメタノール100mlに溶解し、これを、上記ガラス反応器に滴下し室温で30分間反応させた。沈殿した薄褐色ゴム状物質を回収し、アセトンに溶解させた後、そのアセトン溶液を蒸留水300mlに滴下し、ポリマー凝固により無機塩を除去した。凝固により得られたゴム状物質を50℃で12時間減圧乾燥したところ、褐色のゴム状物質8.0gが得られた。得られたゴム状物質についてH‐NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料である製造例2で得られた1−メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル化合物Bの繰り返し単位中の1−メチルイミダゾリウムクロリド基の塩化物イオンと重合開始末端の1−メチルイミダゾリウムブロミド基の臭化物イオンの全てがヘキサフルオロフォスフェートアニオンに交換された、対アニオンとしてヘキサフルオロフォスフェートアニオンを有するイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Dであると同定された。得られたポリエーテル化合物Dの数平均分子量(Mn)は30,600であった。
〔製造例5〕
(ポリエーテル化合物A中のエピクロロヒドリン単位の1−メチルピロリジンによる4級化)
製造例1と同様にして得られたポリエーテル化合物A 4.0gと、1−メチルピロリジン11.4gと、N, N−ジメチルホルムアミド8.0gとを、アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に添加し、80℃に加熱した。80℃で144時間反応させた後、室温に冷却し反応を停止した。得られた反応溶液を一部抜き取り、50℃で120時間減圧乾燥をしたところ、薄褐色の樹脂状の物質7.7gが得られた。この樹脂状物質について、H‐NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料のポリエーテル化合物A中の全てのエピクロロヒドリン単位におけるクロロ基が、1−メチルピロリジニウムクロリド基に、全ての重合開始末端のブロモメチル基のブロモ基が、1−メチルピロリジニウムブロミド基に、それぞれ置換された、1−メチルピロリジニウムハライド基を有するポリエーテル化合物Eであると同定された。
〔製造例6〕
(1−メチルピロリジニウムハライド基を有するポリエーテル化合物Eのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドによるアニオン交換)
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド26.0gを溶解させた蒸留水300mlを攪拌機付きガラス反応器に添加した。これとは別に、製造例5で得られた1−メチルピロリジニウムハライド基を有するポリエーテル化合物E 7.7gを蒸留水100mlに溶解し、これを、上記ガラス反応器に滴下し室温で30分間反応させた。反応後、沈殿した薄褐色ゴム状物質を回収し、アセトンに溶解させた後、そのアセトン溶液を蒸留水300mlに滴下し、ポリマー凝固により無機塩を除去した。凝固により得られたゴム状物質を50℃で12時間減圧乾燥したところ、薄褐色ゴム状物質18.0gが得られた。得られた薄褐色ゴム状物質についてH‐NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料である製造例5で得られた1−メチルピロリジニウムハライド基を有するポリエーテル化合物Eの繰り返し単位中の1−メチルピロリジニウムクロリド基の塩化物イオンと重合開始末端の1−メチルピロリジニウムブロミド基の臭化物イオンの全てがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンに交換された、対アニオンとしてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンを有するピロリジニウム構造含有ポリエーテル化合物Fであると同定された。得られたポリエーテル化合物Fの数平均分子量(Mn)は45,100であった。
〔実施例1〕
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)5部と、製造例3で得られた対アニオンとしてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンを有するイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物C 100部とを、アセトンに溶解・混合することで、透明なイオン伝導性組成物の溶液を得た。得られたイオン伝導性組成物の溶液を、乾燥窒素雰囲気下、ガラス板に塗布した後、十分にアセトンを乾燥することで、厚さ200μmのイオン伝導膜を、30mm×30mmのサイズにて得た。そして、イオン伝導膜が形成されたガラス板について、上記方法に従って、形状保持性試験を行ったところ、「形状保持性有り」と評価できることが確認された。また、24時間経過後のイオン伝導膜をアセトン中に浸漬させたところ、アセトンに良好に溶解することも確認された。
〔実施例2〕
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)の配合量を5部から10部に変更した以外は、実施例1と同様にして、イオン伝導性組成物の溶液およびイオン伝導膜を得た。得られたイオン伝導膜を用いて、上記方法に従って、形状保持性試験を行ったところ、「形状保持性有り」と評価できることが確認された。また、24時間経過後のイオン伝導膜をアセトン中に浸漬させたところ、アセトンに良好に溶解することも確認された。
〔実施例3〕
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)の配合量を5部から20部に変更した以外は、実施例1と同様にして、イオン伝導性組成物の溶液およびイオン伝導膜を得た。得られたイオン伝導膜を用いて、上記方法に従って、形状保持性試験を行ったところ、「形状保持性有り」と評価できることが確認された。また、24時間経過後のイオン伝導膜をアセトン中に浸漬させたところ、アセトンに良好に溶解することも確認された。
〔実施例4〕
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)の配合量を5部から50部に変更した以外は、実施例1と同様にして、イオン伝導性組成物の溶液およびイオン伝導膜を得た。得られたイオン伝導膜を用いて、上記方法に従って、形状保持性試験を行ったところ、「形状保持性有り」と評価できることが確認された。また、24時間経過後のイオン伝導膜をアセトン中に浸漬させたところ、アセトンに良好に溶解することも確認された。
〔実施例5〕
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)の配合量を5部から80部に変更した以外は、実施例1と同様にして、イオン伝導性組成物の溶液およびイオン伝導膜を得た。得られたイオン伝導膜を用いて、上記方法に従って、形状保持性試験を行ったところ、「形状保持性有り」と評価できることが確認された。また、24時間経過後のイオン伝導膜をアセトン中に浸漬させたところ、アセトンに良好に溶解することも確認された。
〔実施例6〕
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)5部に代えて、リチウムヘキサフルオロフォスフェート(LiPF)5部を使用した以外は、実施例1と同様にして、イオン伝導性組成物の溶液およびイオン伝導膜を得た。得られたイオン伝導膜を用いて、上記方法に従って、形状保持性試験を行ったところ、「形状保持性有り」と評価できることが確認された。また、24時間経過後のイオン伝導膜をアセトン中に浸漬させたところ、アセトンに良好に溶解することも確認された。
〔実施例7〕
リチウムヘキサフルオロフォスフェート(LiPF)の配合量を5部から20部に変更した以外は、実施例6と同様にして、イオン伝導性組成物の溶液およびイオン伝導膜を得た。得られたイオン伝導膜を用いて、上記方法に従って、形状保持性試験を行ったところ、「形状保持性有り」と評価できることが確認された。また、24時間経過後のイオン伝導膜をアセトン中に浸漬させたところ、アセトンに良好に溶解することも確認された。
〔実施例8〕
リチウムヘキサフルオロフォスフェート(LiPF)の配合量を5部から80部に変更した以外は、実施例6と同様にして、イオン伝導性組成物の溶液およびイオン伝導膜を得た。得られたイオン伝導膜を用いて、上記方法に従って、形状保持性試験を行ったところ、「形状保持性有り」と評価できることが確認された。また、24時間経過後のイオン伝導膜をアセトン中に浸漬させたところ、アセトンに良好に溶解することも確認された。
〔実施例9〕
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)5部に代えて、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF)5部を使用した以外は、実施例1と同様にして、イオン伝導性組成物の溶液およびイオン伝導膜を得た。得られたイオン伝導膜を用いて、上記方法に従って、形状保持性試験を行ったところ、「形状保持性有り」と評価できることが確認された。また、24時間経過後のイオン伝導膜をアセトン中に浸漬させたところ、アセトンに良好に溶解することも確認された。
〔実施例10〕
製造例3で得られた対アニオンとしてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンを有するイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物C 100部に代えて、製造例4で得られた対アニオンとしてヘキサフルオロフォスフェートアニオンを有するイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物D 100部を使用した以外は、実施例4と同様にして、イオン伝導性組成物の溶液およびイオン伝導膜を得た。得られたイオン伝導膜を用いて、上記方法に従って、形状保持性試験を行ったところ、「形状保持性有り」と評価できることが確認された。また、24時間経過後のイオン伝導膜をアセトン中に浸漬させたところ、アセトンに良好に溶解することも確認された。
〔実施例11〕
製造例3で得られた対アニオンとしてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンを有するイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物C 100部に代えて、製造例6で得られた対アニオンとしてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンを有するピロリジニウム構造含有ポリエーテル化合物F 100部を使用した以外は、実施例4と同様にして、イオン伝導性組成物の溶液およびイオン伝導膜を得た。得られたイオン伝導膜を用いて、上記方法に従って、形状保持性試験を行ったところ、「形状保持性有り」と評価できることが確認された。また、24時間経過後のイオン伝導膜をアセトン中に浸漬させたところ、アセトンに良好に溶解することも確認された。
〔比較例1〕
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、組成物の溶液および膜成形体を得た。得られた膜成形体を用いて、上記方法に従って、形状保持性試験を行ったところ、24時間経過後において、膜成形体が自重で流れて、厚さの均一性が失われてしまい、「形状保持性無し」と判断される結果となった。また、24時間経過後の膜成形体をアセトン中に浸漬させたところ、アセトンに良好に溶解することも確認された。
表1に、実施例1〜11、比較例1の結果をまとめて示す。
Figure 2018006290
表1に示すように、カチオン性基を有するポリエーテル化合物100重量部に対し、アルカリ金属塩を3重量部以上の割合で含有するイオン伝導性組成物を用いて得られるイオン伝導膜は、いずれも形状保持性に優れ、しかも、アセトンに良好に溶解するものであり、再溶解性にも優れるものであった(実施例1〜11)。
一方、アルカリ金属塩を含有しない場合には、得られる膜成形体は、形状保持性を有しないものであった(比較例1)。

Claims (4)

  1. カチオン性基を有するポリエーテル化合物100重量部に対し、アルカリ金属塩を3重量部以上の割合で含有するイオン伝導性組成物。
  2. 前記カチオン性基を有するポリエーテル化合物が、下記一般式(1)で表される単量体単位からなる請求項1に記載のイオン伝導性組成物。
    Figure 2018006290
    (上記一般式(1)中、Aは、カチオン性基またはカチオン性基含有基を表し、Xは、任意の対アニオンを表し、Rは非イオン性基を表し、nは1以上の整数であり、mは0以上の整数である。)
  3. 前記アルカリ金属塩が、LiBF、LiPF、LiClO、LiN(SOF)、およびLiN(SOCFから選択される少なくとも一種である請求項1または2に記載のイオン伝導性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のイオン伝導性組成物からなるイオン伝導膜。
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