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JP2018004804A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

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JP2018004804A JP2016128730A JP2016128730A JP2018004804A JP 2018004804 A JP2018004804 A JP 2018004804A JP 2016128730 A JP2016128730 A JP 2016128730A JP 2016128730 A JP2016128730 A JP 2016128730A JP 2018004804 A JP2018004804 A JP 2018004804A
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Abstract

【課題】耐熱保存性、低温定着性、転写性、及びクリーニング性に優れる静電潜像現像用トナーを提供する。【解決手段】静電潜像現像用トナーは、ポリエステル樹脂を含有するトナーコア11と、シェル層12とを備えるトナー粒子を、複数含む。シェル層12は、ガラス転移点50℃以上100℃以下の樹脂粒子12aの集合体から主に構成される樹脂膜を含む。樹脂粒子12aは、アルコール性水酸基を有する繰返し単位を0.5質量%以上20質量%以下の割合で含む樹脂から実質的に構成される。平均付着力F50は0.1nN以上40nN以下である。移送量300mgから移送量600mgまでの平均移送速度は5.0mg/秒以上10mg/秒以下である。外添剤がない状態のトナーを、濃度5質量%RuO4水溶液の蒸気中に20分間暴露した場合に、外添剤がない状態のトナー粒子の表面領域のうち50%以上70%以下の領域が、Ruで染色される。【選択図】図2

Description

本発明は、静電潜像現像用トナーに関し、特にカプセルトナーに関する。
特許文献1には、トナーコア(トナー母体粒子)の表面に付着した重合体微粒子に機械的衝撃力又は圧縮剪断力を加えて、トナーコアの表面にシェル層(被覆層)を形成する方法が開示されている。
特開平9−179336号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、耐熱保存性、低温定着性、転写性、及びクリーニング性に優れる静電潜像現像用トナーを提供することは困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、耐熱保存性、低温定着性、転写性、及びクリーニング性に優れる静電潜像現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明に係る静電潜像現像用トナーは、ポリエステル樹脂を含有するコアと、前記コアの表面を覆うシェル層とを備えるトナー粒子を、複数含む。前記シェル層は、ガラス転移点50℃以上100℃以下の樹脂粒子の集合体から主に構成される樹脂膜を含む。前記樹脂粒子は、アルコール性水酸基を有する繰返し単位を0.5質量%以上20質量%以下の割合で含む樹脂から実質的に構成される。遠心法付着力測定によるトナー残留率50個数%時の平均付着力は、0.1nN以上40nN以下である。トナー投入量1gかつ加振周波数120Hzの条件での加振移送式流動性測定における、移送量300mgから移送量600mgまでの平均移送速度は、5.0mg/秒以上10mg/秒以下である。外添剤がない状態の前記トナーを、濃度5質量%RuO4水溶液の蒸気中に20分間暴露した場合に、外添剤がない状態の前記トナー粒子の表面領域のうち50%以上70%以下の領域が、Ruで染色される。
本発明によれば、耐熱保存性、低温定着性、転写性、及びクリーニング性に優れる静電潜像現像用トナーを提供することが可能になる。
本発明の実施形態に係る静電潜像現像用トナーに含まれるトナー粒子(特に、トナー母粒子)の断面構造の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る静電潜像現像用トナーについて、シェル層の断面構造の第1の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る静電潜像現像用トナーについて、シェル層の断面構造の第2の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る静電潜像現像用トナーについて、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてトナー母粒子を撮影した写真である。 Ru染色率の測定方法を説明するための図である。 シェル層を構成する樹脂のガラス転移点(Tg)の調整方法を説明するための図である。
本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、粉体(より具体的には、トナーコア、トナー母粒子、外添剤、又はトナー等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から平均的な粒子を相当数選び取って、それら平均的な粒子の各々について測定した値の個数平均である。
また、粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された1次粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、ベックマン・コールター株式会社製の「コールターカウンターマルチサイザー3」を用いてコールター原理(細孔電気抵抗法)に基づき測定した値である。また、円形度(=粒子の投影面積と等しい円の周囲長/粒子の周囲長)の測定値は、何ら規定していなければ、フロー式粒子像分析装置(シスメックス株式会社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、相当数(例えば、3000個)の粒子について測定した値の個数平均である。また、酸価及び水酸基価の各々の測定値は、何ら規定していなければ、「JIS(日本工業規格)K0070−1992」に従って測定した値である。また、数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)の各々の測定値は、何ら規定していなければ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。また、アクリロイル(CH2=CH−CO−)及びメタクリロイル(CH2=C(CH3)−CO−)を包括的に「(メタ)アクリロイル」と総称する場合がある。また、各化学式中の繰返し単位の添え字「n」は、各々独立して、その繰返し単位の繰返し数(モル数)を示している。何ら規定していなければ、n(繰返し数)は任意である。
本実施形態に係るトナーは、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態のトナーは、複数のトナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)を含む粉体である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(より具体的には、ボールミル等)を用いてトナーとキャリアとを混合して2成分現像剤を調製してもよい。高画質の画像を形成するためには、キャリアとしてフェライトキャリアを使用することが好ましい。また、長期にわたって高画質の画像を形成するためには、キャリアコアと、キャリアコアを被覆する樹脂層とを備える磁性キャリア粒子を使用することが好ましい。キャリア粒子に磁性を付与するためには、磁性材料(例えば、フェライト)でキャリアコアを形成してもよいし、磁性粒子を分散させた樹脂でキャリアコアを形成してもよい。また、キャリアコアを被覆する樹脂層中に磁性粒子を分散させてもよい。高画質の画像を形成するためには、2成分現像剤におけるトナーの量は、キャリア100質量部に対して、5質量部以上15質量部以下であることが好ましい。なお、2成分現像剤に含まれる正帯電性トナーは、キャリアとの摩擦により正に帯電する。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、コア(以下、トナーコアと記載する)と、トナーコアの表面を覆うシェル層(カプセル層)とを備える。トナーコアは結着樹脂を含有する。また、トナーコアは、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含有してもよい。シェル層の表面(又は、シェル層で覆われていないトナーコアの表面領域)に外添剤が付着していてもよい。なお、必要がなければ外添剤を割愛してもよい。以下、外添剤が付着する前のトナー粒子を、トナー母粒子と記載する。また、トナーコアを形成するための材料を、トナーコア材料と記載する。また、シェル層を形成するための材料を、シェル材料と記載する。
本実施形態に係るトナーは、例えば電子写真装置(画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。以下、電子写真装置による画像形成方法の一例について説明する。
まず、画像データに基づいて感光体(例えば、感光体ドラムの表層部)に静電潜像を形成する。次に、形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いて現像する。現像工程では、感光体の近傍に配置された現像スリーブ(例えば、現像装置内の現像ローラーの表層部)上のトナー(例えば、キャリア又はブレードとの摩擦により帯電したトナー)を静電潜像に付着させて、感光体上にトナー像を形成する。そして、続く転写工程では、感光体上のトナー像を中間転写体(例えば、転写ベルト)に転写した後、さらに中間転写体上のトナー像を記録媒体(例えば、紙)に転写する。その後、定着装置(定着方式:加熱ローラー及び加圧ローラーによるニップ)によりトナーを加熱及び加圧して、記録媒体にトナーを定着させる。その結果、記録媒体に画像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの4色のトナー像を重ね合わせることで、フルカラー画像を形成することができる。なお、転写方式は、感光体上のトナー像を、中間転写体を介さず、記録媒体に直接転写する直接転写方式であってもよい。また、定着方式は、ベルト定着方式であってもよい。
本実施形態に係るトナーは、次に示す構成(以下、基本構成と記載する)を有する静電潜像現像用トナーである。
(トナーの基本構成)
静電潜像現像用トナーが、トナーコア及びシェル層を備えるトナー粒子を、複数含む。トナーコアは、ポリエステル樹脂を含有する。シェル層は、ガラス転移点50℃以上100℃以下の樹脂粒子の集合体から主に構成される樹脂膜を含む。樹脂膜が2種以上の樹脂粒子を含む場合には、それら樹脂粒子のうち、50質量%以上の樹脂粒子が、ガラス転移点50℃以上100℃以下の樹脂粒子(以下、耐熱粒子と記載する)である。耐熱粒子は、アルコール性水酸基を有する繰返し単位を0.5質量%以上20質量%以下の割合で含む樹脂から実質的に構成される。遠心法付着力測定によるトナー残留率50個数%時の平均付着力は、0.1nN以上40nN以下である。トナー投入量1gかつ加振周波数120Hzの条件での加振移送式流動性測定における、移送量300mgから移送量600mgまでの平均移送速度は、5.0mg/秒以上10mg/秒以下である。また、外添剤がない状態のトナーを、濃度5質量%RuO4(四酸化ルテニウム)水溶液の蒸気中に20分間暴露した場合に、トナー母粒子(外添剤がない状態のトナー粒子)の表面領域のうち50%以上70%以下の領域が、Ruで染色される。
以下、遠心法付着力測定によるトナー残留率50個数%時の平均付着力を、「平均付着力F50」と記載することがある。また、トナー投入量1gかつ加振周波数120Hzの条件での加振移送式流動性測定における、移送量300mgから移送量600mgまでの平均移送速度を、単に「平均移送速度」と記載することがある。また、外添剤がない状態のトナーを、濃度5質量%RuO4水溶液の蒸気中に20分間暴露した場合に、Ru(ルテニウム)で染色されるトナー母粒子の表面領域の割合を、「Ru染色率」と記載することがある。また、トナーコアの表面を覆う樹脂膜を構成する樹脂粒子を、「シェル粒子」と記載することがある。
上記基本構成を有するトナーは、耐熱保存性、低温定着性、転写性、及びクリーニング性に優れる。以下、上記基本構成の作用及び効果について詳述する。
十分なトナーの耐久性を維持しつつトナーの低温定着性を向上させるためには、トナーのRu染色率が50%以上70%以下であって、シェル粒子のガラス転移点が50℃以上100℃以下であることが有効であることを、発明者が見出した。詳しくは、耐熱粒子(ガラス転移点50℃以上100℃以下の樹脂粒子)の集合体から主に構成される樹脂膜(以下、耐熱粒子集合膜と記載する)でトナーコアの表面を覆うことによって、トナーの耐熱保存性及び低温定着性を両立させることが可能になる。また、現像装置内でのストレスに対する十分な耐性をトナーに付与し易くなる。シェル粒子のうち、70質量%以上の粒子が耐熱粒子であることが好ましく、100質量%の粒子が耐熱粒子であることがより好ましい。なお、シェル粒子のガラス転移点が高過ぎると、シェル粒子の集合体を膜化しにくくなり、シェル粒子1つ1つが分離してしまう傾向がある。
濃度5質量%RuO4水溶液の蒸気中に20分間暴露した場合にRuで染色される樹脂(以下、Ru染色樹脂と記載する)は、スチレン骨格又はエチレン骨格を有する非結晶状態の樹脂(結晶化していない樹脂)であると考えられる(例えば、下記文献A参照)。
文献A:甲本忠史、ゴム協会誌、1995年、第68巻、第12号
上記Ru染色樹脂は、トナーコア材料(例えば、ポリエステル樹脂)と比べて、表面自由エネルギーが低く、相転位し易い傾向がある。上記Ru染色樹脂の膜でトナーコアの表面を適度に覆うことにより、定着装置の加熱ローラーに対する十分なトナーの離型性を確保しつつ、記録媒体(例えば、紙)に対するトナーの定着性を高めることが可能になる。記録媒体に対するトナーの投錨効果で、記録媒体とトナーとの接着力が強くなると考えられる。
以下、図1〜図3を参照して、上記基本構成を有するトナーに含まれるトナー粒子の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子(特に、トナー母粒子)の構成の一例を示す図である。図2及び図3はそれぞれ、トナー母粒子の表面を拡大して示す図である。
図1に示されるトナー母粒子10は、トナーコア11と、トナーコア11の表面に形成されたシェル層12とを備える。シェル層12は、樹脂膜(詳しくは、樹脂粒子の集合体から主に構成される膜)を含む。シェル層12は、トナーコア11の表面を部分的に覆っている。
シェル層12に含まれる樹脂膜は、例えば図2に示すように、楕円体状の樹脂粒子12aの集合体のみからなってもよい。樹脂粒子12aは、耐熱粒子(ガラス転移点50℃以上100℃以下の樹脂粒子)である。また、樹脂粒子12aは、Ru染色樹脂から構成される。
また、シェル層12に含まれる樹脂膜は、例えば図3に示すように、互いに異なるモノマー組成を有する2種類の樹脂粒子12a及び12bを含んでいてもよい。例えば、樹脂粒子12aが、Ru染色樹脂から構成される耐熱粒子である場合、樹脂粒子12bは、耐熱粒子であってもよいし、耐熱粒子でなくてもよい。また、樹脂粒子12bは、Ru染色樹脂から構成される粒子であってもよいし、Ru染色樹脂から構成される粒子でなくてもよい。樹脂粒子12aの形状は、例えば楕円体状である。樹脂粒子12bの形状は、球状であってもよいし、楕円体状であってもよい。樹脂粒子12bとしては、例えば、樹脂粒子12a(耐熱粒子)よりも正帯電し易い樹脂粒子が好ましい。
前述の基本構成において、シェル粒子のTg(ガラス転移点)及びRu染色率の各々の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。トナー粒子が外添剤を備える場合には、外添剤を除去してからRu染色率を測定する。トナー母粒子に付着した外添剤を除去する方法の例としては、溶剤(より具体的には、アルカリ溶液等)を用いて外添剤を溶解させる方法、又は超音波洗浄機を用いてトナー粒子から外添剤を取り除く方法が挙げられる。
以下、図4及び図5を参照して、Ru染色率の測定方法について説明する。まず、トナー母粒子(粉体)を、濃度5質量%RuO4水溶液の蒸気中に20分間暴露することで、トナー母粒子をRu(ルテニウム)で染色する。続けて、染色されたトナー母粒子を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影し、例えば図4に示すようなトナー母粒子の反射電子像を得る。続けて、画像解析ソフトウェアを用いて反射電子像の画像解析を行って、画像データの輝度値分布を示す輝度値ヒストグラム(縦軸:頻度(個数)、横軸:輝度値)を得る。詳しくは、画像解析により、例えば図5に示すような波形L0〜L2を得る。図5において、波形L1は、トナー母粒子の表面領域のうち非染色領域(Ruで染色されなかった領域)の輝度値の分布(正規分布)を示す非染色波形に相当する。波形L2は、トナー母粒子の表面領域のうち染色領域(Ruで染色された領域)の輝度値の分布(正規分布)を示す染色波形に相当する。波形L0は、波形L1と波形L2との合成波形に相当する。波形L1の面積をRCと、波形L2の面積をRSと、それぞれ表す場合、Ru染色率(単位:%)は、式「Ru染色率=100×RS/(RC+RS)」で表される。
次に、図6を参照して、シェル粒子を構成する樹脂のガラス転移点(Tg)の調整方法について説明する。樹脂のガラス転移点(Tg)は、例えば、樹脂の成分(モノマー)の種類又は量(配合比)を変更することで、調整することができる。例えば、S−BA共重合体(S:スチレン、BA:アクリル酸n−ブチル)の合成に使用する原料モノマーのうちアクリル酸n−ブチル(BA)の量だけを変更した場合には、図6に示すように、得られる樹脂のガラス転移点(Tg)とBA比率(=BAの質量/原料モノマー全部の質量)とが概ね比例関係になることが、発明者によって確認された。詳しくは、BA比率が大きくなるほど樹脂のガラス転移点(Tg)が小さくなる傾向がある。
前述の基本構成を有するトナーでは、平均付着力F50(遠心法付着力測定によるトナー残留率50個数%時の平均付着力)が0.1nN以上40nN以下であり、平均移送速度(トナー投入量1gかつ加振周波数120Hzの条件での加振移送式流動性測定における、移送量300mgから移送量600mgまでの平均移送速度)が5.0mg/秒以上10mg/秒以下である。トナーの転写性及びクリーニング性を両立させるためには、平均付着力F50及び平均移送速度をそれぞれ上記範囲(前述の基本構成で規定される範囲)内にすることが有効であることを、発明者が見出した。平均移送速度が小さいほどトナーの流動性が良くなる傾向がある。ただし、平均移送速度が小さ過ぎると、トナーのクリーニング性が悪くなる傾向がある。十分なトナーのクリーニング性を確保するためには、平均付着力F50が10nN以上であることが好ましい。また、平均移送速度が大き過ぎると、トナーの転写性が悪くなる傾向がある。また、平均付着力F50が大き過ぎると、トナーの転写性が悪くなる傾向がある。また、平均付着力F50が小さ過ぎると、トナーの帯電立ち上がり特性及びクリーニング性が悪くなる傾向がある。
前述の基本構成において、平均付着力F50及び平均移送速度の各々の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。平均付着力F50及び平均移送速度はそれぞれ、例えば、シェル材料の種類、添加量、又は成膜条件を変えることによって調整できる。また、外添剤の種類、添加量、又は外添条件を変えることによっても、平均付着力F50及び平均移送速度を調整することは可能である。シェル層が、耐熱粒子の集合体から主に構成される樹脂膜を含む場合には、平均付着力F50及び平均移送速度の各々を上記範囲(前述の基本構成で規定される範囲)内に調整し易くなると考えられる。
上記基本構成において、耐熱粒子は、1種以上のビニル化合物を含む単量体の重合体(樹脂)から実質的に構成されることが好ましい。1種以上のビニル化合物を含む単量体の重合体は、ビニル化合物に由来する繰返し単位を有する。なお、ビニル化合物は、ビニル基(CH2=CH−)、又はビニル基中の水素が置換された基を有する化合物(より具体的には、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニル、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、又はスチレン等)である。ビニル化合物は、上記ビニル基等に含まれる炭素二重結合「C=C」により付加重合して、高分子(樹脂)になり得る。
耐熱粒子を構成する樹脂は、例えば、窒素含有ビニル化合物(より具体的には、4級アンモニウム化合物又はピリジン化合物等)に由来する繰返し単位を有することが好ましく、下記式(1)で表される繰返し単位を有することが特に好ましい。
式(1)中、R11及びR12は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。また、R31、R32、及びR33は、各々独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアルコキシ基を表す。また、R2は、置換基を有してもよいアルキレン基を表す。R11及びR12としては、各々独立して、水素原子又はメチル基が好ましく、R11が水素原子を表し、かつ、R12が水素原子又はメチル基を表す組合せが特に好ましい。また、R31、R32、及びR33としては、各々独立して、炭素数1以上8以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、又はiso−ブチル基が特に好ましい。R2としては、炭素数1以上6以下のアルキレン基が好ましく、メチレン基又はエチレン基が特に好ましい。なお、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライドに由来する繰返し単位では、R11が水素原子を、R12がメチル基を、R2がエチレン基を、R31〜R33の各々がメチル基を、それぞれ表す。
耐熱粒子を構成する樹脂は、例えば、スチレン系モノマーに由来する繰返し単位を有することが好ましく、下記式(2)で表される繰返し単位を有することが特に好ましい。
式(2)中、R41〜R45は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、又は置換基を有してもよいアリール基を表す。また、R46及びR47は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。R41〜R45としては、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、又は炭素数(詳しくは、アルコキシとアルキルとの合計炭素数)2以上6以下のアルコキシアルキル基が好ましい。R46及びR47としては、各々独立して、水素原子又はメチル基が好ましく、R47が水素原子を表し、かつ、R46が水素原子又はメチル基を表す組合せが特に好ましい。なお、2−(エトキシメチル)スチレンに由来する繰返し単位では、R41がエトキシメチル基(C25OCH2−)を、R42〜R47の各々が水素原子を、それぞれ表す。
シェル層が十分強い疎水性と適度な強度とを有するためには、耐熱粒子を構成する樹脂に含まれる繰返し単位のうち最も高い質量割合を有する繰返し単位が、スチレン系モノマーに由来する繰返し単位であることが好ましい。
前述の基本構成を有するトナーでは、トナーコアがポリエステル樹脂を含有し、耐熱粒子が、アルコール性水酸基を有する繰返し単位を0.5質量%以上20質量%以下の割合で含む樹脂から実質的に構成される。トナーコアがポリエステル樹脂を含有する場合には、耐熱粒子を構成する樹脂が、アルコール性水酸基を有する繰返し単位を適量有することで、トナー粒子からのシェル層の脱離を抑制できることを、発明者が見出した。樹脂中の、アルコール性水酸基を有する繰返し単位の量が多過ぎる場合には、トナー粒子の吸水性が強くなってトナーの帯電安定性が悪くなったり、トナー粒子の付着性が強くなってフィルミング(感光体にトナー成分等が固着する現象)が起き易くなったりする傾向がある。
耐熱粒子を構成する樹脂は、アルコール性水酸基を有する繰返し単位として、例えば下記式(3)で表される繰返し単位を有することが好ましい。
式(3)中、R51及びR52は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。また、R6は、置換基を有してもよいアルキレン基を表す。R51及びR52としては、各々独立して、水素原子又はメチル基が好ましく、R51が水素原子を表し、かつ、R52が水素原子又はメチル基を表す組合せが特に好ましい。R6としては、炭素数1以上6以下のアルキレン基が好ましく、炭素数1以上4以下のアルキレン基がより好ましい。なお、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)に由来する繰返し単位では、R51が水素原子を、R52がメチル基を、R6がエチレン基(−(CH22−)を、それぞれ表す。
シェル層の脱離を抑制しつつ、空気中の水分がシェル層の表面に吸着することを十分抑制するためには、耐熱粒子を構成する樹脂が、アルコール性水酸基を有する繰返し単位以外には、酸基、水酸基、及びこれらの塩の少なくとも1つを有する繰返し単位を含まないことが好ましい。
トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図るためには、耐熱粒子を構成する樹脂が、式(1)で表される繰返し単位と、式(2)で表される繰返し単位と、式(3)で表される繰返し単位とからなる群より選択される1種以上の繰返し単位を有することが好ましい。
トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図るためには、耐熱粒子集合膜において、樹脂粒子同士が物理的な力で結合していることが好ましい。膜中に圧壊し易い部位(圧壊点)が形成されることで、トナーの耐久性を維持しつつトナーの低温定着性を向上させることが可能になる。こうした構造を有する耐熱粒子集合膜は、例えば、シェル材料として樹脂粒子を使用し、乾式の機械的な処理により材料(樹脂粒子)を膜化することで得られる。
トナーの耐熱保存性及び低温定着性を両立させるためには、上記基本構成を有するトナーにおいて、シェル層が、円形度0.55以上0.75以下の耐熱粒子を含むことが好ましい。シェル層が円形度0.55以上0.75以下の耐熱粒子を含む場合、シェル層において耐熱粒子の集合体による膜化が適度に進んでいるためであると考えられる。耐熱粒子の集合体による膜化が進み過ぎたり不十分であったりすると、十分なトナーの耐熱保存性を確保できなくなると考えられる。シェル粒子の円形度を0.55以上0.75以下にするためには、例えば機械的な処理によりトナーコア上の樹脂粒子に物理的な力(より具体的には、圧縮剪断力又は機械的衝撃力等)を付与して、樹脂粒子同士を物理的な力で結合させることが好ましい。
トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図るためには、トナーコアを主に(詳しくは、50質量%以上の割合で)構成する結着樹脂のガラス転移点(Tg)が、20℃以上60℃以下であることが好ましい。トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図るためには、トナーコアを主に(詳しくは、50質量%以上の割合で)構成する結着樹脂の軟化点(Tm)が80℃以上145℃以下であることが好ましい。なお、Tg及びTmの各々の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。
画像形成に適したトナーを得るためには、トナーの体積中位径(D50)が3μm以上10μm未満であることが好ましい。
次に、トナー粒子を形成するために適した材料について説明する。トナーコア材料及びシェル材料として適した樹脂は、以下のとおりである。
<好適な熱可塑性樹脂>
熱可塑性樹脂の好適な例としては、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)を使用してもよい。
熱可塑性樹脂は、1種以上の熱可塑性モノマーを、付加重合、共重合、又は縮重合させることで得られる。なお、熱可塑性モノマーは、単独重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(より具体的には、アクリル酸系モノマー又はスチレン系モノマー等)、又は縮重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(例えば、縮重合によりポリエステル樹脂になる多価アルコール及び多価カルボン酸の組合せ)である。
スチレン−アクリル酸系樹脂は、1種以上のスチレン系モノマーと1種以上のアクリル酸系モノマーとの共重合体である。スチレン−アクリル酸系樹脂を合成するためには、例えば以下に示すような、スチレン系モノマー及びアクリル酸系モノマーを好適に使用できる。カルボキシル基を有するアクリル酸系モノマーを用いることで、スチレン−アクリル酸系樹脂にカルボキシル基を導入できる。また、水酸基を有するモノマー(より具体的には、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等)を用いることで、スチレン−アクリル酸系樹脂に水酸基を導入できる。アクリル酸系モノマーの使用量を調整することで、得られるスチレン−アクリル酸系樹脂の酸価を調整できる。また、水酸基を有するモノマーの使用量を調整することで、得られるスチレン−アクリル酸系樹脂の水酸基価を調整できる。
スチレン系モノマーの好適な例としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、又はハロゲン化スチレンが挙げられる。
アクリル酸系モノマーの好適な例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、又は(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが挙げられる。
ポリエステル樹脂は、1種以上の多価アルコールと1種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、ジオール類又はビスフェノール類等)又は3価以上のアルコールを好適に使用できる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸を好適に使用できる。また、ポリエステル樹脂を合成する際に、アルコールの使用量とカルボン酸の使用量とをそれぞれ変更することで、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価を調整することができる。ポリエステル樹脂の分子量を上げると、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価は低下する傾向がある。
ジオール類の好適な例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノール類の好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、又はイソドデシルコハク酸等)、又はアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、又はイソドデセニルコハク酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
次に、トナーコア(結着樹脂及び内添剤)、シェル層、及び外添剤について、順に説明する。トナーの用途に応じて必要のない成分(例えば、内添剤又は外添剤)を割愛してもよい。
[トナーコア]
(結着樹脂)
トナーコアでは、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、水酸基価、酸価、Tg、又はTm等)を調整することができる。結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナーコアはアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合には、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。トナーコアとシェル層との結合性(反応性)を高めるためには、結着樹脂の水酸基価及び酸価の少なくとも一方が10mgKOH/g以上であることが好ましい。
トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立を図るためには、トナーコアが、結着樹脂として、前述の「好適な熱可塑性樹脂」を含有することが好ましく、結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂を含有することが特に好ましい。結晶性ポリエステル樹脂は、固体状態で加熱された場合に、ガラス転移点(Tg)で溶融して急激に粘度が低下する特性を有する。また、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂とは相溶し易い。トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立を図るためには、トナーコアが、結着樹脂として、溶融混練された1種以上の結晶性ポリエステル樹脂と1種以上の非結晶性ポリエステル樹脂とを含有することが特に好ましい。
トナーコアの結着樹脂として非結晶性ポリエステル樹脂を使用する場合、トナーコアの強度及びトナーの定着性を向上させるためには、非結晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が1000以上2000以下であることが好ましい。非結晶性ポリエステル樹脂の分子量分布(数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比率Mw/Mn)は9以上21以下であることが好ましい。
(着色剤)
トナーコアは、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナーコアは、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナーコアは、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを好適に使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を好適に使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを好適に使用できる。
(離型剤)
トナーコアは、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーコアのアニオン性を強めるためには、アニオン性を有するワックスを用いてトナーコアを作製することが好ましい。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素ワックス;酸化ポリエチレンワックス又はそのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物性ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物性ワックス;オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムのような鉱物ワックス;モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような、脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを好適に使用できる。1種類の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナーコアに添加してもよい。
(電荷制御剤)
トナーコアは、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナーコアに負帯電性の電荷制御剤(より具体的には、有機金属錯体又はキレート化合物等)を含有させることで、トナーコアのアニオン性を強めることができる。また、トナーコアに正帯電性の電荷制御剤(より具体的には、ピリジン、ニグロシン、又は4級アンモニウム塩等)を含有させることで、トナーコアのカチオン性を強めることができる。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナーコアに電荷制御剤を含有させる必要はない。
(磁性粉)
トナーコアは、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれら金属の1種以上を含む合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)を好適に使用できる。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
磁性粉からの金属イオン(例えば、鉄イオン)の溶出を抑制するためには、磁性粉を表面処理することが好ましい。酸性条件下でトナーコアの表面にシェル層を形成する場合に、トナーコアの表面に金属イオンが溶出すると、トナーコア同士が固着し易くなる。磁性粉からの金属イオンの溶出を抑制することで、トナーコア同士の固着を抑制することができると考えられる。
[シェル層]
本実施形態に係るトナーは、前述の基本構成を有する。シェル層は、耐熱粒子(ガラス転移点50℃以上100℃以下の樹脂粒子)の集合体から主に構成される樹脂膜を含む。耐熱粒子を構成する樹脂中には、アルコール性水酸基を有する1種以上の繰返し単位が含まれる。耐熱粒子を構成する樹脂中に、アルコール性水酸基を有する繰返し単位を導入するためのモノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシアルキルエステルが好ましく、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル(HPA)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、又はメタクリル酸2−ヒドロキシプロピルを好適に使用できる。
帯電性、耐熱保存性、及び低温定着性に優れるトナーを得るためには、耐熱粒子を構成する樹脂が、スチレン系モノマーに由来する1種以上の繰返し単位と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する1種以上の繰返し単位と、窒素含有ビニル化合物に由来する1種以上の繰返し単位とを含み、耐熱粒子を構成する樹脂に含まれる繰返し単位のうち最も高い質量割合を有する繰返し単位が、スチレン系モノマーに由来する繰返し単位であることが好ましい。スチレン系モノマーの好適な例としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ブロモスチレン、又は3−クロロスチレンが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、又は(メタ)アクリル酸iso−ブチルが好ましく、アクリル酸n−ブチルが特に好ましい。窒素含有ビニル化合物としては、(メタ)アクリロイル基含有4級アンモニウム化合物が特に好ましい。(メタ)アクリロイル基含有4級アンモニウム化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミドアルキルトリメチルアンモニウム塩(より具体的には、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド等)、又は(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリメチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド等)を好適に使用できる。
[外添剤]
トナー母粒子の表面に、外添剤として無機粒子を付着させてもよい。例えば、トナー母粒子(詳しくは、複数のトナー母粒子を含む粉体)と外添剤(詳しくは、複数の外添剤粒子を含む粉体)とを一緒に攪拌することで、物理的な力でトナー母粒子の表面に外添剤が付着(物理的結合)する。外添剤は、例えばトナーの流動性又は取扱性を向上させるために使用される。トナー粒子からの外添剤の脱離を抑制しながら外添剤の機能を十分に発揮させるためには、外添剤の量(複数種の外添剤を使用する場合には、それら外添剤の合計量)が、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
外添剤粒子としては、無機粒子が好ましく、シリカ粒子、又は金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)の粒子が特に好ましい。ただし、外添剤粒子として、脂肪酸金属塩(より具体的には、ステアリン酸亜鉛等)のような有機酸化合物の粒子、又は樹脂粒子を使用してもよい。また、外添剤粒子として、複数種の材料の複合体である複合粒子を使用してもよい。1種類の外添剤を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤を併用してもよい。
トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤粒子として、粒子径0.005μm以上1.000μm以下の無機粒子を使用することが好ましい。
[トナーの製造方法]
以下、上記基本構成を有するトナーを製造する方法の一例について説明する。まず、トナーコアを準備する。続けて、液中にトナーコアとシェル材料とを入れる。均質なシェル層を形成するためには、シェル材料を含む液を攪拌するなどして、シェル材料を液に溶解又は分散させることが好ましい。続けて、液中でシェル材料を反応させて、トナーコアの表面にシェル層(硬化した樹脂層)を形成する。シェル層形成時におけるトナーコア成分(特に、結着樹脂及び離型剤)の溶解又は溶出を抑制するためには、水性媒体中でシェル層を形成することが好ましい。水性媒体は、水を主成分とする媒体(より具体的には、純水、又は水と極性媒体との混合液等)である。水性媒体は溶媒として機能してもよい。水性媒体中に溶質が溶けていてもよい。水性媒体は分散媒として機能してもよい。水性媒体中に分散質が分散していてもよい。水性媒体中の極性媒体としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール又はエタノール等)を使用できる。水性媒体の沸点は約100℃である。
以下、より具体的な例に基づいて、本実施形態に係るトナーの製造方法についてさらに説明する。
(トナーコアの準備)
好適なトナーコアを容易に得るためには、凝集法又は粉砕法によりトナーコアを製造することが好ましく、粉砕法によりトナーコアを製造することがより好ましい。
以下、粉砕法の一例について説明する。まず、結着樹脂と、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)とを混合する。続けて、得られた混合物を溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕及び分級する。その結果、所望の粒子径を有するトナーコアが得られる。
以下、凝集法の一例について説明する。まず、結着樹脂、離型剤、及び着色剤の各々の微粒子を含む水性媒体中で、これらの粒子を所望の粒子径になるまで凝集させる。これにより、結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含む凝集粒子が形成される。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含まれる成分を合一化させる。その結果、トナーコアの分散液が得られる。その後、トナーコアの分散液から、不要な物質(界面活性剤等)を除去することで、トナーコアが得られる。
(シェル層の形成)
イオン交換水に酸性物質(例えば、塩酸)を加えて、弱酸性(例えば、3以上5以下から選ばれるpH)の水性媒体を調製する。続けて、pHが調整された水性媒体に、トナーコアと、樹脂粒子のサスペンションとを添加する。樹脂粒子のサスペンションは、シェル材料に相当する。サスペンションに含まれる樹脂粒子は、例えば、1種以上のビニル化合物を含む単量体(例えば、スチレン、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、及び2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド)の重合体から実質的に構成される。樹脂粒子を構成する重合体のガラス転移点は50℃以上100℃以下である。サスペンションに含まれる樹脂粒子の円形度は0.75を超えていてもよい。
上記トナーコア等は、室温の水性媒体に添加してもよいし、所定の温度に調整した水性媒体に添加してもよい。シェル材料の適切な添加量は、トナーコアの比表面積に基づいて算出できる。また、上記トナーコア等に加えて、重合促進剤を水性媒体中に添加してもよい。
樹脂粒子(シェル材料)は、液中でトナーコアの表面に付着する。トナーコアの表面に均一に樹脂粒子を付着させるためには、樹脂粒子を含む液中にトナーコアを高度に分散させることが好ましい。液中にトナーコアを高度に分散させるために、液中に界面活性剤を含ませてもよいし、強力な攪拌装置(例えば、プライミクス株式会社製「ハイビスディスパーミックス」)を用いて液を攪拌してもよい。界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩、又は石鹸を使用できる。
続けて、上記トナーコア及び樹脂粒子を含む液を攪拌しながら液の温度を所定の速度(例えば、0.1℃/分以上3℃/分以下から選ばれる速度)で所定の温度(例えば、40℃以上85℃以下から選ばれる温度)まで上昇させる。さらに、液を攪拌しながら液の温度をその温度に所定の時間(例えば、30分間以上4時間以下から選ばれる時間)保つ。その結果、後述する機械的処理を行う前のトナー母粒子(以下、処理前粒子と記載する)の分散液が得られる。
続けて、処理前粒子の分散液を、例えば常温(約25℃)まで冷却する。続けて、例えばブフナー漏斗を用いて、処理前粒子の分散液をろ過する。これにより、処理前粒子が液から分離(固液分離)され、ウェットケーキ状の処理前粒子が得られる。続けて、得られたウェットケーキ状の処理前粒子を洗浄する。続けて、洗浄された処理前粒子を乾燥する。
続けて、例えば混合機(より具体的には、株式会社奈良機械製作所製の「ハイブリダイゼーションシステム(登録商標)」、又はホソカワミクロン株式会社製の「メカノフュージョン(登録商標)」等)を用いて、処理前粒子に機械的処理を施して、トナーコアの表面に存在する樹脂粒子に物理的な力を加える。各樹脂粒子は物理的な力を受けて変形し、樹脂粒子同士は物理的な力で結合する。機械的処理により、トナーコアの表面で樹脂粒子の集合体が膜化される。その結果、シェル層として、樹脂粒子が2次元的に連なった形態を有する膜(粒状感のある膜)が形成され、トナー母粒子の粉体が得られる。
その後、必要に応じて、混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー)を用いてトナー母粒子と外添剤とを混合して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。
なお、上記トナーの製造方法の内容及び順序はそれぞれ、要求されるトナーの構成又は特性等に応じて任意に変更することができる。例えば、液中で材料(例えば、シェル材料)を反応させる場合、液に材料を添加した後、所定の時間、液中で材料を反応させてもよいし、長時間かけて液に材料を添加して、液に材料を添加しながら液中で材料を反応させてもよい。また、シェル材料を、一度に液に添加してもよいし、複数回に分けて液に添加してもよい。外添工程の後で、トナーを篩別してもよい。また、必要のない工程は割愛してもよい。例えば、市販品をそのまま材料として用いることができる場合には、市販品を用いることで、その材料を調製する工程を割愛できる。また、液のpHを調整しなくても、シェル層を形成するための反応が良好に進行する場合には、pH調整工程を割愛してもよい。また、外添剤が不要であれば、外添工程を割愛してもよい。トナー母粒子の表面に外添剤を付着させない(外添工程を割愛する)場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。樹脂を合成するための材料としては、必要に応じて、モノマーに代えてプレポリマーを使用してもよい。また、所定の化合物を得るために、原料として、その化合物の塩、エステル、水和物、又は無水物を使用してもよい。効率的にトナーを製造するためには、多数のトナー粒子を同時に形成することが好ましい。同時に製造されたトナー粒子は、互いに略同一の構成を有すると考えられる。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係るトナーTA−1〜TA−8及びTB−1〜TB−8(それぞれ静電潜像現像用トナー)を示す。また、表2には、表1に示される各トナーの製造に用いられるシェル材料(サスペンションA−1〜A−11)を示す。
以下、トナーTA−1〜TA−8及びTB−1〜TB−8の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。また、Tg(ガラス転移点)、Mp(融点)、及びTm(軟化点)の測定方法はそれぞれ、何ら規定していなければ、次に示すとおりである。
<Tgの測定方法>
測定装置として、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いた。測定装置を用いて試料の吸熱曲線を測定することにより、試料のTg(ガラス転移点)を求めた。具体的には、試料(例えば、樹脂)約10mgをアルミ皿(アルミニウム製の容器)に入れて、そのアルミ皿を測定装置の測定部にセットした。また、リファレンスとして空のアルミ皿を使用した。吸熱曲線の測定では、測定部の温度を、測定開始温度25℃から200℃まで10℃/分の速度で昇温させた(RUN1)。その後、測定部の温度を200℃から25℃まで10℃/分の速度で降温させた。続けて、測定部の温度を再び25℃から200℃まで10℃/分の速度で昇温させた(RUN2)。RUN2により、試料の吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)を得た。得られた吸熱曲線から、試料のTgを読み取った。吸熱曲線中、比熱の変化点(ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点)の温度(オンセット温度)が試料のTg(ガラス転移点)に相当する。
<Tmの測定方法>
高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)に試料(例えば、樹脂)をセットし、ダイス細孔径1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、昇温速度6℃/分の条件で、1cm3の試料を溶融流出させて、試料のS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)を求めた。続けて、得られたS字カーブから試料のTmを読み取った。S字カーブにおいて、ストロークの最大値をS1とし、低温側のベースラインのストローク値をS2とすると、S字カーブ中のストロークの値が「(S1+S2)/2」となる温度が、試料のTm(軟化点)に相当する。
<Mpの測定方法>
測定装置として、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いた。測定装置を用いて試料の吸熱曲線を測定することにより、試料のMp(融点)を求めた。具体的には、試料(例えば、離型剤又は樹脂)約15mgをアルミ皿(アルミニウム製の容器)に入れて、そのアルミ皿を測定装置の測定部にセットした。また、リファレンスとして空のアルミ皿を使用した。吸熱曲線の測定では、測定部の温度を、測定開始温度30℃から170℃まで10℃/分の速度で昇温させた。昇温中、試料の吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)を測定した。得られた吸熱曲線から、試料のMpを読み取った。吸熱曲線中、融解熱による最大ピーク温度が試料のMp(融点)に相当する。
[材料の準備]
(結晶性ポリエステル樹脂の合成)
温度計(熱電対)、脱水管、窒素導入管、及び攪拌装置を備えた容量5Lの4つ口フラスコ内に、1,4−ブタンジオール990g(84モル部)、1,6−ヘキサンジオール242g(11モル部)、フマル酸1480g(100モル部)、及び1,4−ベンゼンジオール2.5gを入れた。続けて、フラスコ内容物を攪拌しながらフラスコ内容物の温度を170℃まで昇温させて、その温度(170℃)で5時間、フラスコ内容物を反応させた。続けて、フラスコ内容物を昇温させて、温度210℃でさらに1.5時間(90分間)反応させた。続けて、減圧雰囲気(圧力8kPa)かつ温度210℃の条件で、フラスコ内容物を1時間反応させた。
続けて、フラスコ内を常圧雰囲気に戻し、そのフラスコ内に、スチレン69g(2.8モル部)と、メタクリル酸n−ブチル54g(2.2モル部)とを入れた。続けて、フラスコ内容物を昇温させて、温度210℃で1.5時間(90分間)反応させた。続けて、減圧雰囲気(圧力8kPa)かつ温度210℃の条件で、フラスコ内容物を1時間反応させた。その結果、Tm(軟化点)88.8℃、Mp(融点)82℃、酸価3.1mgKOH/g、水酸基価19mgKOH/g、Mw(質量平均分子量)27500、Mn(数平均分子量)3620の結晶性ポリエステル樹脂が得られた。
(非結晶性ポリエステル樹脂の合成)
温度計(熱電対)、脱水管、窒素導入管、及び攪拌装置を備えた容量5Lの4つ口フラスコ内に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物1700gと、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物650gと、n−ドデセニル無水コハク酸500gと、テレフタル酸400gと、酸化ジブチル錫4gとを入れた。続けて、温度220℃で9時間、フラスコ内容物を反応させた。続けて、減圧雰囲気(圧力8.3kPa)で、反応生成物(樹脂)のTmが所定の温度(124.8℃)になるまで、フラスコ内容物を反応させた。その結果、Tm(軟化点)124.8℃、Tg(ガラス転移点)57.2℃、酸価6mgKOH/g、水酸基価41mgKOH/g、Mw(質量平均分子量)109475、Mn(数平均分子量)3737の非結晶性ポリエステル樹脂が得られた。
(シェル材料:サスペンションA−1〜A−11の調製)
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコを温度30℃のウォーターバスにセットし、フラスコ内に、イオン交換水875mLと、アニオン界面活性剤(花王株式会社製「ラテムル(登録商標)WX」、成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、固形分濃度:26質量%)75mLとを入れた。その後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を80℃に昇温させた。続けて、80℃のフラスコ内容物に2種類の液(第1の液及び第2の液)をそれぞれ5時間かけて滴下した。
第1の液は、表2に示すモノマー(S、BA、METAC、及びアルコール性水酸基を有するモノマー)の混合液であった。表2中、「S」はスチレンを、「BA」はアクリル酸n−ブチルを、「METAC」は2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド(Alfa Aesar社製)を、「HEMA」はメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを、「HEA」はアクリル酸2−ヒドロキシエチルを、「HPA」はアクリル酸2−ヒドロキシプロピルをそれぞれ示す。例えば、サスペンションA−1の調製では、第1の液が、スチレン(S)18gと、アクリル酸n−ブチル(BA)2gと、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド(METAC)0.5gと、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)0.103gとの混合液であった。アルコール性水酸基を有するモノマー(HEMA、HEA、又はHPA)の添加量は、後述する重合反応により生成する樹脂において、そのモノマーに由来する繰返し単位(アルコール性水酸基を有する繰返し単位)の割合が、図2に示す割合(単位:質量%)になるように定めた。樹脂中の、アルコール性水酸基を有する繰返し単位の割合は、式「100×アルコール性水酸基を有するモノマーの質量/全てのモノマー原料の質量」で表すことができる。サスペンションA−1に含まれる樹脂粒子を構成する樹脂中の、アルコール性水酸基を有する繰返し単位の割合(0.5質量%)は、「100×0.103/(18+2+0.5+0.103)=0.5」のように算出される。
第2の液は、過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水30mLに溶かした溶液であった。
続けて、フラスコ内の温度を80℃にさらに2時間保って、フラスコ内容物を重合させた。その結果、樹脂微粒子のサスペンションA−1〜A−11が得られた。
上記のようにして調製したサスペンションA−1〜A−11の各々に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均1次粒子径及びガラス転移点(Tg)は、表2に示すとおりであった。表2において、「粒子径」は個数平均1次粒子径を意味する。個数平均1次粒子径の測定には、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた。例えば、サスペンションA−1に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均1次粒子径は35nmであり、ガラス転移点(Tg)は74℃であった。なお、サスペンションA−1〜A−11の各々の固形分濃度は2質量%であった。
[トナーの製造方法]
(トナーコアの作製)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、第1結着樹脂(前述の手順で合成した結晶性ポリエステル樹脂)20質量部と、第2結着樹脂(前述の手順で合成した非結晶性ポリエステル樹脂)80質量部と、カーボンブラック(三菱化学株式会社製「MA100」)6質量部と、離型剤(エステルワックス:日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」)4質量部とを混合した。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度6kg/時、軸回転速度160rpm、設定温度(シリンダー温度)120℃の条件で溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、冷却された混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS型」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)7μmのトナーコアが得られた。
(シェル層形成工程)
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内にイオン交換水300mLを入れた。その後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。続けて、フラスコ内に希塩酸を加えて、フラスコ内容物のpHを4に調整した。続けて、フラスコ内に、シェル材料(各トナーに定められた、表1に示されるサスペンション)を、表1に示される量だけ加えた。例えば、トナーTA−1の製造では、シェル材料として、サスペンションA−1を200g、フラスコ内に添加した。
続けて、フラスコ内にトナーコア(前述の手順で作製したトナーコア)300gを添加した。続けて、フラスコ内容物を回転速度100rpmで攪拌しながら、フラスコ内の温度を1℃/分の速度で70℃まで上げた。続けて、温度70℃、回転速度100rpmの条件でフラスコ内容物を2時間攪拌した。
続けて、フラスコ内に水酸化ナトリウムを加えて、フラスコ内容物のpHを7に調整した。続けて、フラスコ内容物をその温度が常温(約25℃)になるまで冷却して、処理前粒子(後述する機械的処理を行う前のトナー母粒子)を含む分散液を得た。
(洗浄工程)
上記のようにして得られた処理前粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状の処理前粒子を得た。その後、得られたウェットケーキ状の処理前粒子をイオン交換水に再分散させた。さらに、分散とろ過とを5回繰り返して、処理前粒子を洗浄した。
(乾燥工程)
続けて、得られた処理前粒子を、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、処理前粒子のスラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中の処理前粒子を乾燥させた。
(機械的処理)
続けて、流動式混合機(日本コークス工業株式会社製「FM−20C/I」)を用いて、回転速度3000rpm、ジャケット温度20℃の条件で、処理前粒子に機械的処理(より詳しくは、剪断力を与える処理)を10分間施した。処理前粒子に機械的処理を施すことにより、トナー母粒子の粉体が得られた。
(外添工程)
続けて、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転速度3000rpm、ジャケット温度20℃の条件で、トナー母粒子100質量部と、疎水性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」、内容:トリメチルシリル基とアミノ基とで表面修飾した乾式シリカ粒子、個数平均1次粒子径:約12nm)1.2質量部と、導電性酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製「EC−100」、基体:TiO2粒子、被覆層:SbドープSnO2膜、個数平均1次粒子径:約0.35μm)0.8質量部とを、2分間混合した。これにより、トナー母粒子の表面に外添剤が付着した。その後、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別を行った。その結果、多数のトナー粒子を含むトナー(表1に示されるトナーTA−1〜TA−8及びTB−1〜TB−8)が得られた。
上記のようにして得たトナーTA−1〜TA−8及びTB−1〜TB−8に関して、平均付着力F50、平均移送速度、及びRu染色率を測定した結果は、表1に示すとおりであった。例えば、トナーTA−1に関して、平均付着力F50は21nNであり、平均移送速度は6.2mg/秒であり、Ru染色率は58%であった。平均付着力F50、平均移送速度、及びRu染色率の各々の測定方法は、下記のとおりであった。
<平均付着力F50の測定方法>
測定装置としては、遠心法付着力測定装置(株式会社ナノシーズ製「NS−C200」、最高回転速度:15000rpm、最高加速度:16000G)を用いた。測定装置(NS−C200)は、画像解析部(撮影装置、画像解析装置、及び映像モニター)と遠心分離部(高速遠心機)とを備えていた。画像解析には、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を使用した。
平均付着力F50の測定においては、温度22℃かつ湿度50%RHの環境下、基板(測定装置の標準基板:鏡面ステンレス鋼製プレート)上に試料(トナー)0.05gを散布させた。詳しくは、水平な台の上に基板を置き、基板を覆い隠すように箱(詳しくは、基板側の面が開口した開口箱)を設置した。箱の側面には、トナーを箱内に導入するための穴が形成されていた。続けて、圧縮エアーを用いて、トナーを箱の側面の穴から箱内に散布させて、自然落下により基板の表面にトナーを付着させた。その結果、測定用基板(トナーを付着させた基板)が得られた。
得られた測定用基板を、高速遠心機の遠心ローターの回転中心から所定の距離(回転半径6.6cm)だけ離れた位置に、トナーが付着した面を外側(回転中心とは反対側)に向けてセットした。続けて、遠心ローターを回転させる遠心分離処理を行った。遠心ローターの回転速度を徐々に上げて、基板上のトナー残留率が50個数%未満になるまで、遠心分離処理を行った。遠心ローターの回転速度が大きくなるほど、基板上のトナー残留率は小さくなる傾向があった。トナー残留率は、式「トナー残留率=100×遠心分離処理後に基板上に存在するトナーの個数/遠心分離処理前に基板上に存在するトナーの個数」で表すことができる。
上記遠心分離の処理中、測定装置の画像解析部が、粒子の分離状態(より具体的には、トナー残留率等)を記録し、粒子密度、粒子径、回転速度、及び回転半径から、粒子の分離力(粒子の付着力)を自動的に算出した。詳しくは、トナー残留率50個数%時の平均付着力(平均付着力F50)は、次に示す式から算出された。
式:F50[nN]=(π/6)×ρ×d3×r×(2×n50×π/60)2
ρ:トナーの密度(単位:kg/m3
d:トナーの円相当径(単位:m)
r:回転半径(単位:m)
50:トナー残留率50個数%時の回転速度(単位:rpm)
<平均移送速度の測定方法>
測定装置としては、加振移送式流動性測定装置(ディーアイティー株式会社製)を用いた。この測定装置は、アルミニウム製の容器(ボウル)と、ボウルを振動させるための加振装置(駆動源)と、データ記録装置とを備える。ボウルの内面には、ボウルの中心部(底部)からボウルの上端縁にかけてスパイラル状のスロープ(坂路)が形成されている。ボウルの中心部が試料の投入位置(坂路のスタート位置)に相当する。また、ボウルの上端縁における坂路の頂上(坂路のゴール位置)には、排出口が設けられている。測定装置は、排出口から排出された試料を受けるための受け皿と、受け皿に入った試料の質量(移送量)を測定するための天秤とをさらに備える。加振装置は、ボウルを振動させて、ボウルに投入された試料に対して進行波振動を加える。この振動により、試料が、坂路に沿ってボウルの内面を周方向に移動して(すなわち、スパイラル状の坂路を上って)ボウルの上端縁(坂路の頂上)に到達し、受け皿に入るようになっている。データ記録装置は、移送量(受け皿に到達した試料の量)の推移などを記録する。データ記録装置で記録されたデータから、移送量と加振時間(駆動開始からの経過時間)との関係などを把握することができる。
平均移送速度の測定においては、温度22℃かつ湿度50%RHの環境下、ボウルの中心部に試料(トナー)1gを投入し、周波数120Hz、電圧100Vの条件で、加振装置を駆動して、ボウルを振動させた。加振装置の駆動を開始した時から移送量(受け皿に到達したトナーの量)が300mgとなった時までの時間T1と、加振装置の駆動を開始した時から移送量(受け皿に到達したトナーの量)が600mgとなった時までの時間T2とを、それぞれ測定し、下記式に基づいて平均移送速度(単位:mg/秒)を算出した。
式:平均移送速度=(600−300)/(T2−T1
<Ru染色率の測定方法>
ノニオン界面活性剤(花王株式会社製「エマルゲン(登録商標)120」、成分:ポリオキシエチレンラウリルエーテル)の濃度2質量%水溶液100g中に試料(トナー)2.0gを分散させて、トナー分散液を得た。続けて、得られたトナー分散液に、超音波分散機(超音波工業株式会社製「ウルトラソニックミニウェルダーP128」、出力:100W、発振周波数:28kHz)を用いて超音波処理を施し、トナー母粒子から外添剤を除去した。続けて、超音波処理されたトナー分散液を、定性ろ紙(アドバンテック社製「FILTER PAPER 1号」)を用いて吸引濾過した。その後、イオン交換水50mLを加えるリスラリーと、吸引濾過とを、3回繰り返して、試料(トナー)のトナー母粒子(外添剤が除去されたトナー)を得た。
続けて、得られたトナー母粒子(粉体)を、常温(25℃)の大気雰囲気下で、濃度5質量%RuO4水溶液2mLの蒸気中に20分間暴露することで、トナー母粒子をRu(ルテニウム)で染色した。そして、染色されたトナー母粒子を、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)(日本電子株式会社製「JSM−7600F」)を用いて撮影し、トナー母粒子の反射電子像を得た。トナー母粒子の表面領域のうち、Ruで染色された領域(染色領域)は、Ruで染色されなかった領域(非染色領域)よりも明るく表示された。FE−SEMの撮影条件は、加速電圧10.0kV、照射電流95pA、倍率5000倍、コントラスト4800、明るさ(ブライトネス)550であった。
続けて、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、反射電子像の画像解析を行った。詳しくは、反射電子像をjpg形式の画像データに変換し、3×3ガウシアンフィルター処理を行った。続けて、フィルター処理した画像データの輝度値ヒストグラム(縦軸:頻度(画素の個数)、横軸:輝度値)を得た。輝度値ヒストグラムは、トナー母粒子の表面領域(染色領域及び非染色領域)の輝度値の分布を示していた。その輝度値ヒストグラムに関して、最小二乗法による正規分布へのフィッティング及び波形分離を行い、非染色領域の輝度値の分布(正規分布)を示す非染色波形と、染色領域の輝度値の分布(正規分布)を示す染色波形とを得た。続けて、得られた2つの波形の面積(非染色波形の面積RC、及び染色波形の面積RS)から、下記式に基づいてRu染色率(単位:%)を求めた。
Ru染色率=100×RS/(RC+RS
[評価方法]
各試料(トナーTA−1〜TA−8及びTB−1〜TB−8)の評価方法は、以下のとおりである。
(耐熱保存性)
試料(トナー)2gを容量20mLのポリエチレン製容器に入れて、その容器を、温度65℃に設定された恒温器内に3時間静置した。その後、恒温器から取り出したトナーを室温まで冷却して、評価用トナー(加熱処理されたトナー)を得た。
続けて、得られた評価用トナーを、質量既知の100メッシュ(目開き150μm)の篩に載せた。そして、トナーを含む篩の質量を測定し、篩上のトナーの質量(篩別前のトナーの質量)を求めた。続けて、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)に篩をセットし、パウダーテスターのマニュアルに従い、レオスタッド目盛り5の条件で30秒間、篩を振動させ、評価用トナーを篩別した。そして、篩別後に、トナーを含む篩の質量を測定することで、篩上に残留したトナーの質量(篩別後のトナーの質量)を求めた。篩別前のトナーの質量と篩別後のトナーの質量とから、次の式に基づいて凝集度(単位:質量%)を求めた。
凝集度=100×篩別後のトナーの質量/篩別前のトナーの質量
凝集度が20質量%以下であれば○(良い)と評価し、凝集度が20質量%を超えれば×(良くない)と評価した。
(2成分現像剤の調製)
現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「TASKalfa5550ci」用キャリア)100質量部と、試料(トナー)10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、2成分現像剤を調製した。得られた2成分現像剤を用いて、以下に示す手順で、最低定着温度、転写効率、及びクリーニング性を評価した。
(最低定着温度)
上述のようにして調製した2成分現像剤を用いて画像を形成して、最低定着温度を評価した。評価機としては、Roller−Roller方式の加熱加圧型の定着装置を備えるプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5250DN」を改造して定着温度を変更可能にした評価機)を用いた。上述のようにして調製した2成分現像剤を評価機の現像装置に投入し、試料(補給用トナー)を評価機のトナーコンテナに投入した。
上記評価機を用いて、温度25℃かつ湿度50%RHの環境下、坪量90g/m2の紙(A4サイズの印刷用紙)に、線速200mm/秒、トナー載り量1.0mg/cm2の条件で、大きさ25mm×25mmのソリッド画像(詳しくは、未定着のトナー像)を形成した。続けて、画像が形成された紙を評価機の定着装置に通した。
最低定着温度の評価では、定着温度の設定範囲が100℃以上200℃以下であった。詳しくは、定着装置の定着温度を100℃から5℃ずつ(ただし、最低定着温度付近では2℃ずつ)上昇させて、ソリッド画像(トナー像)を紙に定着できる最低温度(最低定着温度)を測定した。トナーを定着させることができたか否かは、以下に示すような折擦り試験で確認した。詳しくは、定着装置に通した評価用紙を、画像を形成した面が内側となるように折り曲げ、布帛で被覆した1kgの分銅を用いて、折り目上の画像を5往復摩擦した。続けて、紙を広げ、紙の折り曲げ部(ソリッド画像が形成された部分)を観察した。そして、折り曲げ部のトナーの剥がれの長さ(剥がれ長)を測定した。剥がれ長が1mm以下となる定着温度のうちの最低温度を、最低定着温度とした。最低定着温度が150℃以下であれば○(良い)と評価し、最低定着温度が150℃を超えれば×(良くない)と評価した。
(転写効率、クリーニング性)
転写効率の評価には、評価機として、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550ci」)を使用した。前述のようにして調製した2成分現像剤を評価機にセットし、試料(トナー)を補給しながら印字率5%の画像を温度32℃、湿度80%RHの環境下で1万枚出力した。そして、消費トナーの質量と回収トナーの質量とをそれぞれ測定して、下記式から転写効率(単位:%)を算出した。なお、消費トナーは、トナーコンテナにセットされた試料(トナー)のうち、トナーコンテナから排出されたトナーである。また、回収トナーは、消費トナーのうち、記録媒体に転写されなかったトナーである。
転写効率=100×(消費トナーの質量−回収トナーの質量)/(消費トナーの質量)
転写効率が90%以上であれば○(良い)と評価し、転写効率が90%未満であれば×(良くない)と評価した。
さらに、クリーニング性を評価するために、上記1万枚出力により、感光体ドラムの表面にトナーによる着色が生じたか否か、及び形成されたソリッド画像にダッシュマークが生じたか否かを観察した。感光体ドラムの表面にトナーによる着色が観察されず、かつ、形成されたソリッド画像にダッシュマークが観察されなかった場合には、クリーニング性は○(良い)と評価した。○に該当しない場合には、クリーニング性は×(良くない)と評価した。なお、ダッシュマークは、トナーが感光体ドラムの表面に付着することに起因して生じ得る画像欠陥である。
[評価結果]
トナーTA−1〜TA−8及びTB−1〜TB−8の各々について、耐熱保存性(凝集度)、低温定着性(最低定着温度)、転写効率、及びクリーニング性を評価した結果を、表3に示す。
トナーTA−1〜TA−8(実施例1〜8に係るトナー)はそれぞれ、前述の基本構成を有していた。詳しくは、トナーTA−1〜TA−8ではそれぞれ、表1及び表2に示されるように、シェル層が、耐熱粒子(ガラス転移点50℃以上100℃以下の樹脂粒子)の集合体から主に構成される樹脂膜を含んでいた。表1及び表2に示されるように、耐熱粒子は、アルコール性水酸基を有する繰返し単位を0.5質量%以上20質量%以下の割合で含む樹脂から実質的に構成されていた。表1に示されるように、遠心法付着力測定によるトナー残留率50個数%時の平均付着力F50が0.1nN以上40nN以下であった。表1に示されるように、トナー投入量1gかつ加振周波数120Hzの条件での加振移送式流動性測定における、移送量300mgから移送量600mgまでの平均移送速度は、5.0mg/秒以上10mg/秒以下であった。表1に示されるように、外添剤がない状態のトナーを、濃度5質量%RuO4(四酸化ルテニウム)水溶液の蒸気中に20分間暴露した場合に、トナー母粒子(外添剤がない状態のトナー粒子)の表面領域のうち50%以上70%以下の領域が、Ruで染色された。
表3に示されるように、トナーTA−1〜TA−8はそれぞれ、耐熱保存性、低温定着性、転写性、及びクリーニング性に優れていた。
本発明に係る静電潜像現像用トナーは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
10 トナー母粒子
11 トナーコア
12 シェル層
12a 樹脂粒子
12b 樹脂粒子

Claims (5)

  1. ポリエステル樹脂を含有するコアと、前記コアの表面を覆うシェル層とを備えるトナー粒子を、複数含む静電潜像現像用トナーであって、
    前記シェル層は、ガラス転移点50℃以上100℃以下の樹脂粒子の集合体から主に構成される樹脂膜を含み、
    前記樹脂粒子は、アルコール性水酸基を有する繰返し単位を0.5質量%以上20質量%以下の割合で含む樹脂から実質的に構成され、
    遠心法付着力測定によるトナー残留率50個数%時の平均付着力は、0.1nN以上40nN以下であり、
    トナー投入量1gかつ加振周波数120Hzの条件での加振移送式流動性測定における、移送量300mgから移送量600mgまでの平均移送速度は、5.0mg/秒以上10mg/秒以下であり、
    外添剤がない状態の前記トナーを、濃度5質量%RuO4水溶液の蒸気中に20分間暴露した場合に、外添剤がない状態の前記トナー粒子の表面領域のうち50%以上70%以下の領域が、Ruで染色される、静電潜像現像用トナー。
  2. 前記樹脂粒子を構成する前記樹脂は、スチレン系モノマーに由来する1種以上の繰返し単位と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する1種以上の繰返し単位と、窒素含有ビニル化合物に由来する1種以上の繰返し単位とを含み、
    前記樹脂粒子を構成する前記樹脂に含まれる繰返し単位のうち最も高い質量割合を有する繰返し単位が、スチレン系モノマーに由来する繰返し単位である、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 前記樹脂膜を構成する前記樹脂粒子の前記集合体において、前記樹脂粒子同士は物理的な力で結合している、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 前記コアは、前記ポリエステル樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
  5. 前記トナー粒子は、外添剤として無機粒子をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
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