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JP2018001490A - 記録装置 - Google Patents

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JP2018001490A
JP2018001490A JP2016128663A JP2016128663A JP2018001490A JP 2018001490 A JP2018001490 A JP 2018001490A JP 2016128663 A JP2016128663 A JP 2016128663A JP 2016128663 A JP2016128663 A JP 2016128663A JP 2018001490 A JP2018001490 A JP 2018001490A
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泰雄 須永
Yasuo Sunaga
泰雄 須永
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Abstract

【課題】記録処理のスループットの向上や製品の小型化を図る。【解決手段】今回の記録から次回の記録までの遷移過程における媒体の搬送時間が第1のしきい値を超える場合に、今回の記録の終端および次回の記録の始端において記録部の定速記録を実行する記録装置であって、今回の記録の終端から主走査方向における移動部の移動可能範囲の両端位置のうち当該終端側の端位置(終端側端位置)までの距離である減速側距離が第2のしきい値未満である場合に、今回の記録の終端において記録部の減速記録を実行し、終端側端位置から次回の記録の始端までの距離である加速側距離が第2のしきい値未満である場合に、次回の記録の始端において記録部の加速記録を実行する。【選択図】図4

Description

本発明は、記録装置に関する。
液体を吐出するヘッドを搭載したキャリッジが所定の速度で移動する定速領域における記録動作である定速記録を実行する記録装置や、定速記録だけでなく、キャリッジが停止状態から所定速度まで加速する加速領域における記録動作である加速記録やキャリッジが所定速度から停止状態まで減速する減速領域における記録動作である減速記録も併せて行う記録装置が知られている。
また、今回の記録のためのキャリッジの移動を延長することにより次の記録の移動開始位置までキャリッジを移動させて、キャリッジの移動効率を向上させるアルゴリズム(スーパーロジカルシーク)が知られている(特許文献1参照)。
特開2001‐138590号公報
従来技術においては、上述のようにキャリッジの移動効率を高めたりする工夫がなされているものの、記録処理のスループットを向上する上でなお改善の余地を残していたと言える。また、製品の小型化の為の工夫も必要とされていた。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、記録処理のスループットの向上や製品の小型化を図ることのできる記録装置を提供する。
本発明の態様の1つは、媒体を搬送する搬送部と、記録データに基づき前記媒体に記録を行う記録部と、前記媒体への記録時に前記記録部を前記媒体の搬送方向と交差する主走査方向へ移動させる移動部と、前記搬送部、前記記録部、及び前記移動部の動作を制御する制御部と、今回の記録から次回の記録までの遷移過程における前記搬送部による前記媒体の搬送時間を取得する搬送時間取得部と、を備え、前記制御部は、前記搬送時間が第1のしきい値を超える場合に、前記今回の記録の終端および前記次回の記録の始端において前記移動部の定速での移動を伴った前記記録部の定速記録を実行する記録装置であって、前記制御部は、前記主走査方向における前記移動部の移動可能な範囲の両端位置のうち前記今回の記録の終端の側の端位置を終端側端位置とするとき、前記今回の記録の終端から前記終端側端位置までの距離である減速側距離が第2のしきい値未満である場合に、前記今回の記録の終端において前記移動部の減速を伴った前記記録部の減速記録を実行し、前記終端側端位置から前記次回の記録の始端までの距離である加速側距離が前記第2のしきい値未満である場合に、前記次回の記録の始端において前記移動部の加速を伴った前記記録部の加速記録を実行する。
当該構成によれば、制御部は、前記搬送時間が長い場合には基本的に定速記録を実行する。ただし、物理的に制限されている移動部の移動可能な範囲の中で第2のしきい値以上の減速側距離や加速側距離が残されていなければ、今回の記録の終端よりも手前で定速記録から減速記録に切替えたり、次回の記録の始端を過ぎてから加速記録から定速記録に切替えたりする。これにより、前記搬送時間が長い場合には出来るだけ定速記録の比率を高めて記録処理のスループット(例えば、記録装置による所定時間あたりの記録枚数)を向上させ、同時に記録品質を高めることができる。また、このような前記物理的制限に適した制御を行うことで、記録装置の主走査方向へのサイズの大型化を回避し、結果的に、製品の小型化に貢献することができる。
また、前記制御部は、前記搬送時間が前記第1のしきい値以下である場合は、前記今回の記録の終端において前記減速記録を実行するとしてもよい。また、前記制御部は、前記搬送時間が前記第1のしきい値以下である場合は、前記次回の記録の始端において前記加速記録を実行するとしてもよい。つまり制御部は、前記搬送時間が短い場合には、定速記録を実行することで却って生じる時間の損失を無くすために減速記録や加速記録を実行し、記録処理のスループットを向上させる。
本発明の技術的思想は、記録装置という物以外によっても実現される。例えば、記録装置の各部が実行する工程を含んだ方法(記録方法)を発明として捉えることができる。
また、このような方法をコンピューターに実行させるプログラムや、当該プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記憶媒体も夫々に発明として成り立つ。
記録装置の主要構成を示すブロック図。 キャリッジおよび壁部を含む一部構成を示す図。 図3AはCR加速テーブルを示す図、図3BはCR減速テーブルを示す図。 記録制御処理を示すフローチャート。 フローチャートの結果として印刷されたパターンの一例を示す図。 フローチャートの結果として印刷されたパターンの一例を示す図。 フローチャートの結果として印刷されたパターンの一例を示す図。 図8Aは図5の例に対応させてキャリッジ速度とPFモーター速度との関係を示す図、図8Bは図6の例に対応させてキャリッジ速度とPFモーター速度との関係を示す図、図8Cは図7の例に対応させてキャリッジ速度とPFモーター速度との関係を示す図、図8DはステップS120で“No”と判定された場合の処理に対応させてキャリッジ速度とPFモーター速度との関係を示す図。
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。また各図は、適宜簡略化されていたり互いに整合していなかったりすることもある。
図1は、本実施形態にかかる記録装置40の主要な構成を概略的に示している。記録装置40は、例えば、プリンターや、プリンター、スキャナー、ファクシミリ等の複数の機能を含んだ複合機、等といった製品として把握される。記録装置を、印刷装置、印字装置、液体吐出(噴射)装置、等と呼んでもよい。また、記録装置40の一部分を指して記録装置と呼んでもよい。
記録装置40は、例えば、紙送り(PF)モーター1と、PFモーター1を駆動するPFモータードライバー2と、キャリッジ3と、キャリッジ3を所定の主走査方向D1に沿って移動させるキャリッジ(CR)モーター4と、CRモーター4を駆動するCRモータードライバー5と、コントローラー20とを含んでいる。
さらに記録装置40は、例えば、記録ヘッド9と、記録ヘッド9を駆動制御するヘッドドライバー10と、キャリッジ3に固定されたリニア式エンコーダー11と、主走査方向D1に所定の間隔でスリットが形成された符号板12と、PFモーター1の回転を計測するためのロータリー式エンコーダー13と、外部機器(例えば、ホストコンピューター18)との間でデータの送受信を行うインターフェース部(IF)19と、を含んでいる。さらに記録装置40は、例えば、記録中の媒体を支持するプラテン25と、PFモーター1によって回転して媒体を所定の搬送方向D2(図2参照)へ搬送する搬送ローラー27と、CRモーター4の回転軸に取付けられたプーリ30と、プーリ30によって駆動されるタイミングベルト31と、を含んでいる。
コントローラー20は、例えば、主制御部21、搬送制御部22、CR制御部23および記録制御部24を含んで構成される。コントローラー20のこれら各機能(主制御部21、搬送制御部22、CR制御部23および記録制御部24)は、プログラムを実行するCPUによりソフトウェアとして実現してもよいし、ASIC等の集積回路によりハードウェアとして実現してもよいし、さらにソフトウェアとハードウェアとの協働により実現してもよい。
主制御部21は、例えば、ホストコンピューター18からIF19を介して送られてくる印刷ジョブ中のコマンドを解釈し、コマンドに従って搬送制御部22やCR制御部23に媒体の搬送の要求やキャリッジ3の移動の要求を含む各種要求を行う。また、主制御部21は、印刷ジョブのうちコマンド以外のラスタデータ(ビットマップデータ)を記録制御部24に送る。
キャリッジ3は、記録ヘッド9を搭載しており、コントローラー20による制御下で主走査方向D1に沿って双方向へ移動可能である。記録ヘッド9は、インクやインク以外の液体を吐出するための孔(ノズル)を複数有している。記録ヘッド9を、印刷ヘッド、印字ヘッド、液体吐出(噴射)ヘッド、等と呼んでもよい。
PFモーター1は、コントローラー20による制御下で媒体の搬送を行う。PFモーター1や搬送ローラー27を含む、媒体を搬送(給紙、紙送り、排出等)するための構成を搬送部とも呼ぶ。以下では、搬送部が搬送する媒体は用紙(例えば、用紙50)であるとして説明を続けるが、紙以外の素材も媒体(被記録媒体)として用いられ得る。搬送部は、不図示の原稿トレイやカセット等から用紙50を連続的に搬送する自動給紙装置(ADF:auto document feeder)を含んでいるとしてもよい。搬送方向D2は、主走査方向D1に対して交差(直交)している。
記録ヘッド9は、例えば、インクを保持する不図示のカートリッジ等からインクの供給を受け、ヘッドドライバー10を通じてコントローラー20による制御に従い、各ノズルからインクを吐出する。各ノズルから吐出されたインクが用紙50に着弾することで記録が実現される。記録ヘッド9は、記録データ(前記ラスタデータ)に基づき媒体に記録を行う記録部に該当する。
キャリッジ3は、タイミングベルト31によりプーリ30を介してCRモーター4に接続され、不図示のガイド部材に案内されて主走査方向D1に沿って移動する。キャリッジ3は、媒体への記録時に記録部を媒体の搬送方向D2と交差する主走査方向D1へ移動させる移動部に該当する。知られているように、エンコーダー11から出力されるパルス信号に基づいて、キャリッジ3の移動の向きや速度、主走査方向D1におけるキャリッジ3の位置、といった各種情報を取得、演算できる。CR制御部23は、例えば、主制御部21から送られたキャリッジ3の速度(加速、定速、減速)の指令およびエンコーダー11からの出力に基づいて、キャリッジ3が指定された速度で移動するようにCRモーター4の駆動をCRモータードライバー5を介してフィードバック制御する。フィードバック制御とは、いわゆるPID制御やPI制御等である。
また、知られているように、エンコーダー13から出力されるパルス信号に基づいて、用紙50の搬送の向きや速度、搬送量(距離)、といった各種情報を取得、演算できる。搬送制御部22は、例えば、主制御部21から送られた紙送りの速度(加速、定速、減速)の指令およびエンコーダー13からの出力に基づいて、用紙50が指令された速度で紙送りされるようにPFモーター1の駆動をPFモータードライバー2を介してフィードバック制御する。コントローラー20は、搬送部、記録部及び移動部の動作を制御する制御部に該当する。
図2は、キャリッジ3および壁部60,61を含む記録装置40内の一部構成を記録装置40の上方からの視点により簡易的に示している。図2に示すように、キャリッジ3の下方には、キャリッジ3が移動可能な範囲に対応してプラテン25が設けられている。主走査方向D1におけるキャリッジ3の両側には、壁部60,61が存在する。壁部60,61は、記録媒体40の筐体の内壁の一部分、あるいは当該筐体内に固定された何らかの部材である。いずれにしてもキャリッジ3は、移動可能な範囲が両側の壁部60,61によって物理的に制限されている。図2の符号SP1,SP2は、主走査方向D1におけるキャリッジ3が移動可能な範囲の両端位置を示している。つまり、端位置SP1は、図2における左側の壁部60にキャリッジ3が当接したときのキャリッジ3の位置であり、端位置SP2は、図2における右側の壁部61にキャリッジ3が当接したときのキャリッジ3の位置である。
主走査方向D1における壁部60と壁部61との距離は、例えば、記録装置40が記録の対象とする媒体の最大幅と、キャリッジ3の最小助走距離とに基づいて決められている。媒体の最大幅は、製品(記録装置40)の設計上、決まった値である。キャリッジ3は、停止(速度0)の状態から加速を開始し、加速期間を経て所定の定速(第1速度)に達した後、第1速度で移動し、この定速期間の後、減速して停止する。キャリッジ3の移動開始と同時に記録ヘッド9に記録(液体吐出)を開始させ、キャリッジ3が停止するまで記録ヘッド9に記録を続けさせることも不可能ではない。しかし、キャリッジ3の加速期間の初期(および減速期間の終期)に液体吐出をすると、記録品質がかなり悪くなる。そのため、キャリッジ3の速度が記録品質がある程度安定する速度(第2速度。ただし、第1速度>第2速度。)に達していない状況では記録ヘッド9に記録を実行させるべきではない。そこで、停止状態から第2速度に達するまでに必要なキャリッジ3の移動距離と、第2速度から停止するまでに必要なキャリッジ3の移動距離と、のいずれも満足する最小値を最小助走距離とする。最小助走距離は、実験等により予め決められた値であり、一例として、10mm程度の距離である。
図3Aは、CRモーター4の速度制御に用いられるCR加速テーブルDcr1を示し、図3Bは、CRモーター4の速度制御に用いられるCR減速テーブルDcr2を示している。これらテーブルは、コントローラー20が予め所定のメモリーに保持している。CR加速テーブルDcr1は、キャリッジ3が移動開始する位置を起点とした位置xの変化に対するキャリッジ3の速度Vcrの変化(0→Vcr1)を規定している。位置xは、例えば、エンコーダー11から出力されるパルスのエッジを計数することで把握される主走査方向D1におけるキャリッジ3の相対的な位置である。速度Vcr1は、上述の第1速度を示し、速度Vcr2は、上述の第2速度を示している。CR減速テーブルDcr2は、キャリッジ3が速度Vcr1から減速を開始する位置を起点とした位置xの変化に対するキャリッジ3の速度Vcrの変化(Vcr1→0)を規定している。なお、テーブルDcr1,Dcr2は、速度Vcrの代わりに、位置x毎のエンコーダー11のパルスの周期を規定するものであってもよい。このパルスの周期は速度Vcrの逆数に比例する値である。CR制御部23は、このようなテーブルDcr1,Dcr2に従って、CRモーター4(キャリッジ3)の加速制御、減速制御を行う。また、このような周期を積算することで、キャリッジ3の加速期間中の移動距離に対応する移動時間や、キャリッジ3の減速期間中の移動距離に対応する移動時間を得ることができる。
説明を簡単にするため、CR加速テーブルDcr1に従って停止状態から第2速度Vcr2に達するまでに必要なキャリッジ3の移動距離と、CR減速テーブルDcr2に従って第2速度Vcr2から停止するまでに必要なキャリッジ3の移動距離とは等しく、このような移動距離が最小助走距離であるとする。図3A,3Bの符号Lminは、最小助走距離を例示している。このような状況において、主走査方向D1における端位置SP1から端位置SP2までの距離(最大移動範囲Rmax)は、例えば、前記媒体の最大幅に最小助走距離Lmin×2を加えた距離である。そして、最大移動範囲Rmaxを両側から物理的に確定する位置に壁部60,61が設けられている。このような構成によれば、端位置SP1(又は端位置SP2)からキャリッジ3の移動を開始して端位置SP2(又は端位置SP1)でキャリッジ3を停止させたとき、前記媒体の最大幅に亘って適切に記録を行うことができる。
本実施形態では、キャリッジ3の移動が開始してから記録ヘッド9による記録が開始されるまでのキャリッジ3の移動だけでなく、記録ヘッド9による記録が終了してからキャリッジ3の移動が停止するまでのキャリッジ3の移動も“助走”という言葉を用いて表現する。このような“助走”は、記録ヘッド9による記録を伴わないキャリッジ3の移動なので、非記録移動と呼んでもよい。
図4は、コントローラー20によって実現される記録制御処理(記録方法)をフローチャートにより示している。
ステップS100では、主制御部21は、記録データや、記録データに付随して前記コマンド等により指示されている設定情報等に基づいて、キャリッジ3の今回のパス(キャリッジ3の移動)および次回のパスそれぞれでキャリッジ3が移動すべき範囲(CR移動範囲)を算出する。今回のパスとは、現時点を基準として最初に実行する(あるいは実行中の)パスを意味し、次回のパスとは、今回のパスの次に実行するパスを意味する。今回のパスを第1のパス、次回のパスを第2のパスとも表現する。
ステップS100で算出するパス毎のCR移動範囲は、各パスで記録すべき画像の前後(キャリッジ3の移動の向きにおける前後)それぞれに上述の最小助走距離を加えた範囲である。画像の内容は、文字、CG、写真等様々でありここでは問わない。主制御部21は、記録データや、用紙50のサイズ、印刷の拡大/縮小率、縁(余白)無し/有り、縁(余白)の幅、といった各種設定情報に基づいて、パス毎の用紙50上に実際に記録される画像の範囲を特定する。次に、当該特定した画像の主走査方向D1における範囲(記録範囲)の前後に最小助走距離Lminを加えた範囲を、1つのパスに対応したCR移動範囲とする。CR移動範囲の始点をCR移動開始位置、CR移動範囲の終点をCR停止位置、と呼ぶ。また、CR移動範囲に含まれる記録範囲の、CR移動開始位置に近い端の位置を記録開始位置、CR移動範囲に含まれる記録範囲の、CR停止位置に近い端の位置を記録終了位置、と呼ぶ。主制御部21は、これらCR移動開始位置、CR停止位置、記録開始位置および記録終了位置を、主走査方向D1における所定位置(例えば、ホームポジション等と呼ばれるキャリッジ3の待機位置)を基準点とした距離により把握することができる。
次に、ステップS110では、主制御部21は、今回のパスから次回のパスまでの遷移過程における搬送部による用紙50の搬送時間(紙送り時間Tpf)を算出する。ステップS110を実行する点で、コントローラー20(主制御部21)は、搬送時間取得部に該当すると言える。主制御部21は、ステップS100で既に、今回のパスで記録すべき画像および次回のパスで記録すべき画像の用紙50上での位置を特定している。そこで、主制御部21は、搬送方向D2における今回のパスで記録すべき画像から次回のパスで記録すべき画像までの用紙50上での距離(紙送り距離Lpf)を算出し、次に、当該紙送り距離Lpfを時間(紙送り時間Tpf)に換算する。
PFモーター1の駆動による用紙50の紙送りの速度は、予めコントローラー20が保持するテーブル(紙送り速度テーブル)により制御される。紙送り速度テーブルも、上述したようなテーブルDcr1,Dcr2と同様に、例えば、PFモーター1の加速、減速それぞれのために、位置変化に応じた速度変化や、定速移動のための速度等を規定している。そのため、紙送り速度テーブルを参照することにより、主制御部21は、紙送り距離Lpf分の紙送りに必要な時間(紙送り時間Tpf)を容易に算出することができる。
次に、ステップS120では、主制御部21は、ステップS110で算出した紙送り時間Tpfが最少加減速助走時間Tminを超えるか否かを判定する。紙送り時間Tpfが最少加減速助走時間Tminを超える場合には(ステップS120において“Yes”)、ステップS130へ進み、紙送り時間Tpfが最少加減速助走時間Tmin以下である場合には(ステップS120において“No”)、ステップS150へ進む。
最少加減速助走時間Tminは、上述した最小助走距離Lmin×2をキャリッジ3が移動するための時間である。より詳しくは、最少加減速助走時間Tminは、CR加速テーブルDcr1に従ってキャリッジ3が停止状態から加速しながら最小助走距離Lminを移動する(第2速度Vcr2に達する)ために必要な時間Tmin1と、CR減速テーブルDcr2に従ってキャリッジ3が第2速度Vcr2から減速しながら最小助走距離Lminを移動する(停止する)ために必要な時間Tmin2との和である。最少加減速助走時間Tminは、最小助走距離Lminと同様に予め決められた値である。あるいは、主制御部21は、テーブルDcr1,Dcr2を参照して時間Tmin1,Tmin2を算出することにより、最少加減速助走時間Tminを取得してもよい。最少加減速助走時間Tminは、第1のしきい値の一例に該当する。時間Tmin1,Tmin2は必ずしも等しくないが、ここでは説明を簡単にするため等しいと仮定する。
ステップS130では、主制御部21は、加減速助走距離Lxを算出する。加減速助走距離Lxとは、ステップS100で算出したCR移動範囲を修正するための情報である。
当該ステップS130では、主制御部21は、下記のポリシー1〜3に従って加減速助走時間Txを決定し、加減速助走時間Txに対応するキャリッジ3の移動距離として加減速助走距離Lxを算出する。
ポリシー:
1.加減速助走時間Tx=紙送り時間Tpfとする。
2.ただし、紙送り時間Tpf≧最大加減速助走時間Tmaxである場合は、加減速助走時間Tx=最大加減速助走時間Tmaxとする。
3.最大加減速助走時間Tmaxは、
CR加減速テーブルに従った加減速距離≦物理的制限に基づく距離、であれば、CR加減速テーブルに従った加減速距離に対応する時間Tmax1とし、一方、
CR加減速テーブルに従った加減速距離>物理的制限に基づく距離、であれば、物理的制限に基づく距離に対応する時間Tmax2とする。
ポリシー1は、紙送り時間Tpfをそのまま今回のパスにおける減速を伴う助走と次回のパスにおける加速を伴う助走との時間(加減速助走時間Tx)に充てる思想である。ポリシー1に従うことにより、主制御部21は、例えば、紙送り時間Tpfの半分(前半)の時間を、キャリッジ3を停止するためにCR減速テーブルDcr2に従ってキャリッジ3を減速する助走時間とし、紙送り時間Tpfの残り(後半)の時間を、停止状態のキャリッジ3をCR加速テーブルDcr1に従って加速する助走時間とする。具体的には、CR減速テーブルDcr2に従って速度Vcr=0の位置から紙送り時間Tpfの半分の時間を遡ったときの速度Vcrに対応する位置までの距離と、CR加速テーブルDcr1に従って速度Vcr=0の位置から紙送り時間Tpfの半分の時間を進めたときの速度Vcrに対応する位置までの距離との和を、加減速助走時間Txに対応する加減速助走距離Lxとする。
ただし、テーブルDcr1,Dcr2によれば、キャリッジ3の加速期間、減速期間の長さにはともに限度があるため、紙送り時間Tpfがかなり長い場合には、紙送り時間Tpfの全てを加減速助走時間Txにすることはできない。そこで、ポリシー2,3が必要となってくる。
上述の“CR加減速テーブルに従った加減速距離”とは、CR加速テーブルDcr1によって定められている加速期間のキャリッジ3の移動距離(停止状態から第1速度Vcr1に達するまでに必要なキャリッジ3の移動距離)と、CR減速テーブルDcr2によって定められている減速期間のキャリッジ3の移動距離(第1速度Vcr1から停止するまでに必要なキャリッジ3の移動距離)との和である。停止状態から第1速度Vcr1に達するまでに必要なキャリッジ3の移動距離と、第1速度Vcr1から停止するまでに必要なキャリッジ3の移動距離とは、必ずしも等しくないが、ここでは説明を簡単にするため等しいと仮定する。図3A,3Bの符号Lstは、基準助走距離を例示している。つまり、基準助走距離Lst=停止状態から第1速度Vcr1に達するまでに必要なキャリッジ3の移動距離=第1速度Vcr1から停止するまでに必要なキャリッジ3の移動距離、としている。従って、CR加減速テーブルに従った加減速距離は、基準助走距離Lst×2である。基準助走距離Lstは、第2のしきい値の一例に該当する。
上述の“物理的制限に基づく距離”とは、今回の記録(今回のパスで記録する画像)の終端から両端位置(端位置SP1,SP2)のうち当該終端側の端位置(以下、終端側端位置)までの距離である減速側距離Lr2と、当該終端側端位置から次回の記録(次回のパスで記録する画像)の始端までの距離である加速側距離Lr1との和である。つまり、今回の記録後から次回の記録前までにキャリッジ3が移動可能な、画像と壁部(壁部60あるいは壁部61)との間に残された距離である。例えば、今回のパスが、壁部60側(便宜上、主走査方向D1の一端側とも呼ぶ。)から壁部61側(便宜上、主走査方向D1の他端側とも呼ぶ。)へのキャリッジ3の移動であるとする。この場合、主制御部21は、今回のパスの記録終了位置から壁部61側の端位置SP2までの距離を減速側距離Lr2として把握し、端位置SP2から次回のパスの記録開始位置までの距離を加速側距離Lr1として把握する。
“CR加減速テーブルに従った加減速距離に対応する時間Tmax1”とは、CR加速テーブルDcr1に従ってキャリッジ3が停止状態から第1速度Vcr1に達するまでに必要なキャリッジ3の移動時間Tst1と、CR減速テーブルDcr2に従ってキャリッジ3が第1速度Vcr1から停止状態に達するまでに必要なキャリッジ3の移動時間Tst2との和である。時間Tst1,Tst2は、基準助走距離Lstと同様に、予め決められた値である。あるいは、主制御部21は、テーブルDcr1,Dcr2を参照して時間Tst1,Tst2を算出することにより時間Tmax1を取得してもよい。時間Tst1,Tst2は必ずしも等しくないが、ここでは説明を簡単にするため等しいと仮定する。
“物理的制限に基づく距離に対応する時間Tmax2”とは、CR加速テーブルDcr1に従ってキャリッジ3が停止状態から加速しながら加速側距離Lr1を移動するために必要な移動時間Tr1と、キャリッジ3が停止位置よりも減速側距離Lr2だけ離れた位置からCR減速テーブルDcr2に従って減速しながら減速側距離Lr2を移動する(停止する)ために必要な移動時間Tr2との和である。時間Tr1も、例えば、加速側距離Lr1とCR加速テーブルDcr1とに基づいて算出することができ、時間Tr2も、例えば、減速側距離Lr2とCR減速テーブルDcr2とに基づいて算出することができる。
ポリシー2,3によれば、紙送り時間Tpf≧最大加減速助走時間Tmaxである場合は、加減速助走時間Tx=最大加減速助走時間Tmaxとする。仮に、Tmax=Tmax1であれば、主制御部21は、加減速助走距離Lx=CR加減速テーブルに従った加減速距離、すなわち基準助走距離Lst×2、とする。一方、仮にTmax=Tmax2であれば、主制御部21は、加減速助走距離Lx=物理的制限に基づく距離、すなわち減速側距離Lr2+加速側距離Lr1、とする。
ステップS140では、主制御部21は、ステップS130で算出した加減速助走距離Lxを用いて、ステップS100で算出済みのCR移動範囲を修正する。具体的には、主制御部21は、今回のパスのCR移動範囲の記録終了位置からCR停止位置までの距離(現在の設定は、最小助走距離Lmin)と、次回のパスのCR移動範囲のCR移動開始位置から記録開始位置までの距離(現在の設定は、最小助走距離Lmin)を、加減速助走距離Lxに置き換える。つまり、今回のパスのCR停止位置や次回のCR移動開始位置を修正することにより、今回のパスによる記録後のキャリッジ3の助走と、次回のパスにおける記録前のキャリッジ3の助走とを延長する。
ステップS150では、主制御部21は、CR移動範囲に従ったキャリッジ3の移動を実行させる。むろん、ステップS120からステップS150へ進んだ場合には、ステップS100で算出したCR移動範囲に従ったキャリッジ3の移動を実行させ、ステップS130,S140を経てステップS150へ進んだ場合には、ステップS140による修正後のCR移動範囲に従ったキャリッジ3の移動を実行させる。主制御部21は、今回のパスのCR移動範囲と次回のパスのCR移動範囲をCR制御部23に指示する。CR制御部23は、指示された今回のパスのCR移動範囲と次回のパスのCR移動範囲とをキャリッジ3が移動するように、CRモータードライバー5を介してCRモーター4を駆動制御する。むろん、パス毎のキャリッジ3の移動は、CR移動開始位置を基準にしてCR加速テーブルDcr1に基づいて加速制御が開始され、加速期間の後、定速(第1速度Vcr1)で定速移動するように制御され、その後、CR停止位置で速度Vcr=0となるようにCR減速テーブルDcr2に基づいて逆算したタイミングで減速期間に入って減速制御される。
主制御部21は、ステップS150におけるキャリッジ3の移動だけでなく、当然、記録ヘッド9による記録やPFモーター1による紙送りも、記録制御部24や搬送制御部22に指示して実行させる。記録制御部24は、エンコーダー11から出力されるパルスに基づいて把握されるキャリッジ3の位置がパス毎の記録開始位置に到達したタイミングで、ヘッドドライバー10を介して記録ヘッド9に記録(液体吐出)を開始させる。また、記録制御部24は、キャリッジ3の位置がパス毎の記録終了位置に到達したタイミングで、ヘッドドライバー10を介して記録ヘッド9の記録(液体吐出)を終了させる。
本実施形態では、原則的に、紙送りの終了と同時に記録ヘッド9による記録を開始し、記録ヘッド9による記録の終了と同時に次の紙送りを開始するように制御する。このような制御を、PF・CR重ね合わせ制御とも呼ぶ。例えば、CR制御部23は、キャリッジ3の位置がCR移動範囲における記録終了位置に到達したタイミングで搬送制御部22に指示を出力する。搬送制御部22は、当該指示に応じて、PFモーター1の回転による用紙50の紙送り(紙送り距離Lpf分の紙送り)を開始する。また、搬送制御部22が紙送りを開始した場合、当該紙送りの開始後、紙送り時間Tpfが経過したタイミングが次のパスにおける記録開始のタイミングとなる。そのため、CR制御部23は、次のパスにおける記録開始タイミングにキャリッジ3が当該次のパスにおける記録開始位置に到達するために必要な、キャリッジ3の当該次のパスの移動開始タイミングを、当該次のパスにおけるCR移動開始位置から記録開始位置までの距離とCRモーター4の速度とに応じて算出する。そして、当該算出した移動開始タイミングでキャリッジ3の当該次のパスの移動を開始させる。
上述したフローチャート(図4)は繰り返し実行される。つまり、これまで説明した“次のパス(第2のパス)”が、新たな“今回のパス(第1のパス)”となり、当該新たな“今回のパス(第1のパス)”のCR停止位置や、新たな“次のパス(第2のパス)”のCR移動開始位置が修正される(ただし、結果的に修正されないこともある)。
フローチャート(図4)の実行結果を幾つかの具体例を用いて説明する。
図5,6,7は、記録装置40により用紙50に印刷された画像(パターンPT1,PT2)等を例示している。図5〜7における用紙50の左右と、図2における左右は一致しているとする。パターンPT1は、キャリッジ3の第1のパスにより記録された画像であり、パターンPT2は、キャリッジ3の第2のパスにより記録された画像である。ステップS100では、主制御部21は、上述したように記録データや各種設定情報に基づいて、パターンPT1を記録するためのCR移動範囲(第1のパスのCR移動範囲)と、パターンPT2を記録するためのCR移動範囲(第2のパスのCR移動範囲)とを算出する。図5〜7の例では、共通して、例えば、用紙50のサイズ=A4、印刷の拡大/縮小率=100%、縁無し/有り=縁有り、縁の幅=所定のデフォルト値、といった各種設定が採用されたとする。
図5〜7において、パターンPT1,PT2それぞれの近傍に記載した破線の矢印は、パターンPT1,PT2それぞれを記録する際のキャリッジ3の移動の向きを示している。符号PEは、パターンPT1の記録終了位置を示し、符号PSは、パターンPT2の記録開始位置を示している。符号CEは、パターンPT1を記録する第1のパスの修正前のCR停止位置を示し、符号CE´は、パターンPT1を記録する第1のパスの修正後のCR停止位置を示している。符号CSは、パターンPT2を記録する第2のパスの修正前のCR移動開始位置を示し、符号CS´は、パターンPT2を記録する第2のパスの修正後のCR移動開始位置を示している。従って、主走査方向D1における、記録終了位置PE〜CR停止位置CEの距離、および、CR移動開始位置CS〜記録開始位置PSの距離は、いずれも最小助走距離Lminである。図5〜7では、説明を簡単にするため、パターンPT1の記録終了位置PEと、パターンPT2の記録開始位置PSは、主走査方向D1において一致し、パターンPT1の記録終了後のCR停止位置CE´と、パターンPT2の記録開始前のCR移動開始位置CS´は、主走査方向D1において一致しているとする。さらに図5〜7では、ステップS110〜S130の過程で得られた各種情報を併せて記載している。
図5の例では、ステップS110で算出される紙送り距離Lpfは33mm、紙送り時間Tpfは112ms、である。なお、図5(図6,7も同様)に記載した“CR移動範囲(修正前)”は、便宜上、パターンPT1の記録開始位置から記録終了位置までの距離に、パターンPT1の記録終了位置からCR停止位置までの距離(最小助走距離Lmin)と、パターンPT2のCR移動開始位置から記録開始位置までの距離(最小助走距離Lmin)とを加えた値であるとする。同様に、図5(図6,7も同様)に記載した“CR移動範囲(修正後)”は、便宜上、パターンPT1の記録開始位置から記録終了位置までの距離に、ステップS130で算出した加減速助走距離Lxを加えた値であるとする。
図5の例では、CR移動範囲(修正前)と、助走距離(Lmin×2)との差(148mm−18mm)から、パターンPT1の用紙50上での主走査方向D1における長さは130mmであることが判る。図5の例における、紙送り時間Tpf(112ms)は、ステップS120で比較される最少加減速助走時間Tminより長く、かつ、上述の時間Tmaxより短い時間であるとする。従って、図5の例では、ステップS130において、加減速助走時間Tx=紙送り時間Tpf(112ms)とされる。この加減速助走時間Tx(112ms)に対応する加減速助走距離Lxは、例えば44mmと算出された。上述したように、パターンPT1の用紙50上での主走査方向D1における長さは130mmであるため、これに加減速助走距離Lx(44mm)を加えることで、CR移動範囲(修正後)が174mmとなる。すなわち、図5の例では、記録終了位置PEからCR停止位置CE´までの距離と、CR移動開始位置CS´から記録開始位置PSまでの距離との和が44mmとなるように、CR停止位置CEがCE´へ修正され、CR移動開始位置CSがCS´へ修正された。
図6の例では、ステップS110で算出される紙送り距離Lpfは167mm、紙送り時間Tpfは422ms、である。また、CR移動範囲(修正前)と、助走距離(Lmin×2)との差(178mm−18mm)から、パターンPT1の用紙50上での主走査方向D1における長さは160mmであることが判る。図6の例における、紙送り時間Tpf(422ms)は、ステップS120で比較される最少加減速助走時間Tminより長く、かつ、上述の時間Tmaxより長い時間であるとする。また、図6の例では、パターンPT1の記録終了位置PE、パターンPT2の記録開始位置PSはともに、壁部(主走査方向D1の他端側の壁部61)から十分に離れているとする。そのため、CR加減速テーブルに従った加減速距離<物理的制限に基づく距離、が成り立つ。従って、図6の例では、ステップS130において、加減速助走時間Tx=CR加減速テーブルに従った加減速距離に対応する時間Tmax1(=Tst1+Tst2)となり、例えば、212msである。加減速助走距離Lxは、CR加減速テーブルに従った加減速距離とされ、例えば、118mmである。この118mmは、基準助走距離Lst×2に該当する。
上述したように、図6の例では、パターンPT1の用紙50上での主走査方向D1における長さは160mmであるため、これに加減速助走距離Lx(118mm)を加えることで、CR移動範囲(修正後)が278mmとなる。すなわち、図6の例では、記録終了位置PEからCR停止位置CE´までの距離と、CR移動開始位置CS´から記録開始位置PSまでの距離との和が118mmとなるように、CR停止位置CEがCE´へ修正され、CR移動開始位置CSがCS´へ修正された。
図7の例では、図6の例と同じく、ステップS110で算出される、紙送り距離Lpfは167mm、紙送り時間Tpfは422ms、である。CR移動範囲(修正前)と、助走距離(Lmin×2)との差(226mm−18mm)から、パターンPT1の用紙50上での主走査方向D1における長さは208mmであることが判る。図7の例における、紙送り時間Tpf(422ms)は、ステップS120で比較される最少加減速助走時間Tminより長く、かつ、上述の時間Tmaxより長い時間であるとする。また、図7の例では、パターンPT1の記録終了位置PE、パターンPT2の記録開始位置PSはともに、壁部(主走査方向D1の他端側の壁部61)にかなり近いため、CR加減速テーブルに従った加減速距離≧物理的制限に基づく距離、が成り立つとする。
上述したように、図7の例では、パターンPT1の用紙50上での主走査方向D1における長さは208mmである。また、壁部60,61の存在により、上述の最大移動範囲Rmaxは、例えば290mmであるとする。パターンPT1,PT2ともに用紙50の中心に記録される画像であるとすると、パターンPT1の記録終了位置PE(パターンPT2の記録開始位置PS)と主走査方向D1の他端側の壁部61との間に残された距離は41mmであり、これの2倍の82mmが、物理的制限に基づく距離、つまり加減速助走距離Lxとなる。この82mmは、減速側距離Lr2+加速側距離Lr1に該当する。また、加減速助走時間Tx=物理的制限に基づく距離に対応する時間Tmax(=Tr1+Tr2)となり、例えば、166msである。図7の例では、記録終了位置PEからCR停止位置CE´までの距離と、CR移動開始位置CS´から記録開始位置PSまでの距離との和が82mmとなるように、CR停止位置CEがCE´へ修正され、CR移動開始位置CSがCS´へ修正された。CR停止位置CE´およびCR移動開始位置CS´は、主走査方向D1の他端側の壁部61にキャリッジ3が接触するときの端位置SP2に等しい。
図8Aは、図5の例に対応させて、キャリッジ3の速度VcrとPFモーター1の速度Vpfとの関係性を示している。
図8Bは、図6の例に対応させて、キャリッジ3の速度VcrとPFモーター1の速度Vpfとの関係性を示している。
図8Cは、図7の例に対応させて、キャリッジ3の速度VcrとPFモーター1の速度Vpfとの関係性を示している。
図8A,8B,8C(および図8D)はいずれも、時間に対する速度Vcr,Vpfの変化を示し、また、パターンPT1,PT2がそれぞれ記録される期間も併せて示している。速度Vcrが変化している期間は、キャリッジ3の減速期間、加速期間であり、テーブルDcr1,Dcr2が定まっている以上は、この減速期間、加速期間の長さは変わらない。速度Vpfが変化している期間(PFモーター1の減速期間、加速期間)も同様に長さは変わらない。また、時間Tαは、第1のパスにおけるパターンPT1の記録後の助走時間、時間Tβは、第2のパスにおけるパターンPT2の記録前の助走時間である。従って、時間Tα+Tβが、加減速助走時間Txに該当する。図8A,8B,8Cから明らかなように、パターンPT1の記録終了と同時に紙送りが開始され、紙送りの終了と同時にパターンPT2の記録が開始されている(PF・CR重ね合わせ制御が実施されている)。
図5の例では、加減速助走時間Tx=紙送り時間Tpfである。そのため、図8Aに示すように、時間Tαの後に時間Tβが連続し、かつ、Tα+Tβ=Tpfとなっている。また、図5の例では、紙送り時間Tpfは上述の時間Tmaxより短い時間であるため、紙送り時間Tpfに、キャリッジ3の減速期間および加速期間、つまりCR加減速テーブルに従った加減速距離に対応する時間Tmax1(=Tst1+Tst2)が収まらない。従って、図5の例では、図8Aに示すように、パターンPT1の記録の終端においてキャリッジ3の減速を伴った記録(減速記録)を実行し、パターンPT2の記録の始端においてキャリッジ3の加速を伴った記録(加速記録)を実行している。なお、図8Aに示す時間Tα,Tβはそれぞれ、時間Tmin1(=Tmin2)よりは長い時間である。
図6の例では、加減速助走時間Tx=CR加減速テーブルに従った加減速距離に対応する時間Tmax1(=Tst1+Tst2)であり、これは紙送り時間Tpfの中に十分に収まる。従って、図6の例では、図8Bに示すように、パターンPT1の記録の終端およびパターンPT2の記録の始端においてキャリッジ3の定速(速度Vcr1)での移動を伴った記録(定速記録)を実行する。
図7の例では、加減速助走時間Tx=物理的制限に基づく距離に対応する時間Tmax2(=Tr1+Tr2)であり、これは紙送り時間Tpfの中に十分に収まるものの、上述の物理的制限により、キャリッジ3の減速期間および加速期間の全てを紙送り時間Tpfの中に収めることはできない。従って、図7の例では、図8Cに示すように、パターンPT1の記録の終端においてキャリッジ3の減速を伴った減速記録を実行し、パターンPT2の記録の始端においてキャリッジ3の加速を伴った加速記録を実行している。
図8Dは、ステップS120(図4)において“No”の判定がされた場合の処理に対応して、キャリッジ3の速度VcrとPFモーター1の速度Vpfとの関係性を示している。図8Dの例では、紙送り時間Tpfが非常に短い。そのため、最小限の助走、つまりパターンPT1の記録後に最小助走距離Lminの助走(キャリッジ3の速度Vcr2から速度0への減速)をし、続けてパターンPT2の記録前の最小助走距離Lminの助走(キャリッジ3の速度0から速度Vcr2への加速)をすると、これら最小限の助走が終わる前に紙送り時間Tpfが終わる。従って、ステップS120(図4)において“No”の判定がされた場合のステップS150では、図8Dに示すように、パターンPT1の記録の終端においてキャリッジ3の減速を伴った減速記録を実行し、パターンPT2の記録の始端においてキャリッジ3の加速を伴った加速記録を実行している。また図8Dでは、前記最小限の助走が終わる前に紙送り時間Tpfが終わるため、PF・CR重ね合わせ制御を実施することができない。
このように本実施形態によれば、制御部(コントローラー20)は、今回の記録から次回の記録までの遷移過程における媒体の搬送時間(紙送り時間Tpf)が第1のしきい値(例えば、最少加減速助走時間Tmin)を超える場合に、今回の記録の終端(記録終了位置)および次回の記録の始端(記録開始位置)においてキャリッジ3の定速での移動を伴った定速記録を実行する(図6、図8Bに関する説明参照)。ただし、物理的制限に基づく距離(減速側距離Lr2+加速側距離Lr1)が、CR加減速テーブルに従った加減速距離(基準助走距離Lst×2)よりも短い場合は、少なくとも、今回の記録の終端においてキャリッジ3の減速を伴った減速記録を実行するか、次回の記録の始端においてキャリッジ3の加速を伴った加速記録を実行する(図7、図8Cに関する説明参照)。なお、物理的制限に基づく距離(減速側距離Lr2+加速側距離Lr1)が、CR加減速テーブルに従った加減速距離(基準助走距離Lst×2)よりも短い場合は、減速側距離Lr2と加速側距離Lr1との少なくとも一方は、第2のしきい値(基準助走距離Lst)未満であると言える。そのため、減速側距離Lr2と加速側距離Lr1との少なくとも一方が、第2のしきい値未満である場合に、少なくとも今回の記録の終端においてキャリッジ3の減速を伴った減速記録を実行するか、次回の記録の始端においてキャリッジ3の加速を伴った加速記録を実行する、とも言える。また本発明は、結果的に、減速側距離Lr2が第2のしきい値(基準助走距離Lst)未満である場合に今回の記録の終端においてキャリッジ3の減速を伴った減速記録を実行し、加速側距離Lr1が第2のしきい値(基準助走距離Lst)未満である場合に次回の記録の始端においてキャリッジ3の加速を伴った加速記録を実行する(図8C参照)、とも言える。
このように、制御部(コントローラー20)は、紙送り時間Tpfが長い場合(Tpf>Tmin)に定速記録を実行する。つまり、紙送り時間Tpfが長い場合には、キャリッジ3の減速期間および加速期間を全て紙送り時間Tpfの中に収め、画像の記録は定速記録で実行することにより、記録処理のスループットを向上させる。ただし、紙送り時間Tpfが長い場合であっても、物理的に制限されているキャリッジ3の移動可能な範囲の中で、第2のしきい値(基準助走距離Lst)以上の減速側距離や加速側距離が残されていなければ、今回の記録の終端よりも手前で定速記録から減速記録に切替えたり、次回の記録の始端を過ぎてから加速記録から定速記録に切替えたりする。これにより、紙送り時間Tpfが長い場合には出来るだけ定速記録の比率を高めて記録処理のスループットを向上させ、同時に記録品質を高めることができる。また、このような物理的制限に応じた制御を行うことで、記録装置40の主走査方向D1へのサイズの大型化を回避し(最大移動範囲Rmaxの拡大を招かず)、結果的に、製品の小型化に貢献することができる。
また、制御部(コントローラー20)は、紙送り時間Tpfが前記第1のしきい値以下である場合は、今回の記録の終端において減速記録を実行し、次回の記録の始端において加速記録を実行する(図8Dに関する説明参照)。つまり制御部は、紙送り時間Tpfが短い場合には、定速記録を実行することで却って生じる時間の損失を無くすために減速記録や加速記録を実行し、記録処理のスループットを向上させている。
なお、上述の実施形態においては、CR加減速テーブルに従った加減速距離に対応する時間Tmax(=Tst1+Tst2)を第1のしきい値としてもよい。
また本実施形態によれば、ステップS100(図4)で、記録データや、用紙50のサイズ、印刷の拡大/縮小率、縁無し/有り、縁の幅、といった各種設定情報に基づいてパス毎のCR移動範囲が算出され、このCR移動範囲はステップS140において修正される。そのため、様々であるパターン(PT1,PT2)や前記設定において、最速のスループットを実現するため助走距離が設定されると言える。
言うまでもないが、図5〜7に示した具体的数値は、実施形態の説明のために使用した値に過ぎず、本発明の開始範囲を限定するものではない。
1…PFモーター、2…PFモータードライバー、3…キャリッジ、4…CRモーター、5…CRモータードライバー、9…記録ヘッド、10…ヘッドドライバー、11…リニア式エンコーダー、12…符号板、13…ロータリー式エンコーダー、19…IF、20…コントローラー、21…主制御部、22…搬送制御部、23…CR制御部、24…記録制御部、25…プラテン、27…搬送ローラー、30…プーリ、31…タイミングベルト、40…記録装置、50…用紙、60,61…壁部、D1…主走査方向、D2…搬送方向、Dcr1…CR加速テーブル、Dcr2…CR減速テーブル、Lpf…紙送り距離、Lx…加減速助走距離、PT1,PT2…パターン、SP1,SP2…端位置、Tpf…紙送り時間、Tmin…最少加減速助走時間、Tx…加減速助走時間、Tmax…最大加減速助走時間

Claims (3)

  1. 媒体を搬送する搬送部と、
    記録データに基づき前記媒体に記録を行う記録部と、
    前記媒体への記録時に前記記録部を前記媒体の搬送方向と交差する主走査方向へ移動させる移動部と、
    前記搬送部、前記記録部、及び前記移動部の動作を制御する制御部と、
    今回の記録から次回の記録までの遷移過程における前記搬送部による前記媒体の搬送時間を取得する搬送時間取得部と、を備え、
    前記制御部は、前記搬送時間が第1のしきい値を超える場合に、前記今回の記録の終端および前記次回の記録の始端において前記移動部の定速での移動を伴った前記記録部の定速記録を実行する記録装置であって、
    前記制御部は、前記主走査方向における前記移動部の移動可能な範囲の両端位置のうち前記今回の記録の終端の側の端位置を終端側端位置とするとき、前記今回の記録の終端から前記終端側端位置までの距離である減速側距離が第2のしきい値未満である場合に、前記今回の記録の終端において前記移動部の減速を伴った前記記録部の減速記録を実行し、前記終端側端位置から前記次回の記録の始端までの距離である加速側距離が前記第2のしきい値未満である場合に、前記次回の記録の始端において前記移動部の加速を伴った前記記録部の加速記録を実行する、ことを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御部は、前記搬送時間が前記第1のしきい値以下である場合は、前記今回の記録の終端において前記減速記録を実行することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記制御部は、前記搬送時間が前記第1のしきい値以下である場合は、前記次回の記録の始端において前記加速記録を実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録装置。
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WO2019138992A1 (ja) 2018-01-09 2019-07-18 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂複合シート、及びプリント配線板

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