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JP2018098430A - R−t−b系焼結磁石の製造方法 - Google Patents

R−t−b系焼結磁石の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】R−T−B系焼結磁石にRHを拡散させるための拡散源として、コストダウンとHcJ向上効果を両立したRH拡散源を用いてR−T−B系焼結磁石を製造する。【解決手段】本開示のR−T−B系焼結磁石の製造方法は、R−T−B系焼結磁石を用意する工程と、前記R−T−B系焼結磁石の表面にRLM1M2合金(RLは、Nd、Prから選ばれる1種以上、M1、M2はCu、Fe、Ga、Co、Ni、Alから選ばれる1種以上、M1=M2でもよい)の粉末と、RHフッ化物(RHはDyおよび/またはTb)の粉末とR−T−B系磁石のリサイクル工程によって製造されたRH化合物の粉末の混合粉末とを存在させた状態において、前記R−T−B系焼結磁石の焼結温度以下で熱処理を行う工程とを含む。【選択図】なし

Description

本開示は、R−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素、TはFeまたはFeとCo)の製造方法に関する。
14B型化合物を主相とするR−T−B系焼結磁石は、永久磁石の中で最も高性能な磁石として知られており、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)や、電気自動車用(EV、HV、PHVなど)モータ、産業機器用モータなどの各種モータや家電製品等に使用されている。
R−T−B系焼結磁石は、高温で固有保磁力HcJ(以下、単に「HcJ」と表記する)が低下するため、不可逆熱減磁が起こる。不可逆熱減磁を回避するため、モータ用等に使用する場合、高温下でも高いHcJを維持することが要求されている。
R−T−B系焼結磁石は、R14B型化合物相中のRの一部を重希土類元素RH(Dy、Tb)で置換すると、HcJが向上することが知られている。高温で高いHcJを得るためには、R−T−B系焼結磁石中に重希土類元素RHを多く添加することが有効である。しかし、R−T−B系焼結磁石において、Rとして軽希土類元素RL(Nd、Pr)を重希土類元素RHで置換すると、HcJが向上する一方、残留磁束密度B(以下、単に「B」と表記する)が低下してしまうという問題がある。
そこで、Bを低下させないように、より少ない重希土類元素RHによってR−T−B系焼結磁石のHcJを向上させることが検討されている。例えば、重希土類元素RHのフッ化物または酸化物や、各種の金属MまたはM合金をそれぞれ単独、または混合して焼結磁石の表面に存在させ、その状態で熱処理することにより、保磁力向上に寄与する重希土類元素RHを磁石内に拡散させることが提案されている。特許文献1は、Rフッ化物、R酸フッ化物、R酸化物の粉末をR−T−B系焼結磁石の表面に接触させて熱処理を行うことによりそれらを磁石内に拡散させる方法を開示している。また、出願人は特許文献2において、RLM合金(MはCu、Fe、Ga、Co、Niから選ばれる1種以上)の粉末と、RHフッ化物の粉末をR−T−B系焼結磁石の表面に存在させて熱処理を行うことにより、RLMによってRHフッ化物を還元し、RHのみを磁石内に拡散させる方法を提案した。
国際公開第2006/043348号 国際公開第2015/163397号
近年、R−T−B系焼結磁石のコストダウンの要求に伴い、RH拡散源にはコストダウンとHcJ向上効果の両立が望まれている。
本開示は、R−T−B系焼結磁石にRHを拡散させるための拡散源に対して、コストダウンが可能であり、かつ、HcJ向上効果の高いRH拡散源を用いてR−T−B系焼結磁石を製造する方法を提供する。
本開示によるR−T−B系焼結磁石の製造方法は、例示的な実施形態において、R−T−B系焼結磁石を用意する工程と、前記R−T−B系焼結磁石の表面にRLM1M2合金(RLは、Nd、Prから選ばれる1種以上、M1、M2はCu、Fe、Ga、Co、Ni、Alから選ばれる1種以上、M1=M2でもよい)の粉末と、RHフッ化物(RHはDyおよび/またはTb)の粉末およびR−T−B系磁石のリサイクル工程によって製造されたRH化合物の粉末の混合粉末(拡散源粉末)とを存在させた状態において、前記R−T−B系焼結磁石の焼結温度以下で熱処理を行う工程とを含む。
ある実施形態において、前記RH化合物の粉末は、R−T−B系磁石のリサイクル工程によって製造された中間生成物である。
ある実施形態において、前記R−T−B系磁石のリサイクル工程によって製造されたRH化合物の粉末はRH炭酸塩、RHシュウ酸塩、RH硫酸塩、RHりん酸塩、RH酢酸塩、RH酸化物から選ばれる1種以上である。
ある実施形態において、前記混合粉末中の前記R−T−B系磁石のリサイクル工程によって製造されたRH化合物の粉末の割合は5〜50質量%である。
ある実施形態において、前記RLM1M2合金はRLを50原子%以上含み、かつ、前記RLM1M2合金の融点は前記熱処理の温度以下である。
ある実施形態において、前記熱処理は、前記RLM1M2合金の粉末と前記混合粉末とが、RLM1M2合金:混合粉末=96:4〜50:50の質量比率で前記R−T−B系焼結磁石の表面に存在する状態で行われる。
ある実施形態では、前記R−T−B系焼結磁石の表面において、前記混合粉末に含まれるRH元素の質量は、R−T−B系焼結磁石に対して0.2〜1.5質量%である。
ある実施形態において、前記RH化合物の粉末をR−T−B系磁石のリサイクルによって製造する工程を更に包含する。
本開示の実施形態によると、還元作用のあるRLM1M2合金の粉末とともに、RH拡散源として、HcJ向上効果の高いRHフッ化物にリサイクル工程によって生成され得るRH化合物の粉末を混合して用いるため、希少資源を効率的に利用してコストダウンが可能であり、高温下でも高いHcJを維持することができるR−T−B系焼結磁石を製造することができる。
希土類元素R、特に重希土類元素RHは資源存在量が少ない上、産出地が限定されているなどの理由から、供給が安定しておらず、価格が大きく変動するなどの問題を有している。そのため、近年、使用済みの廃磁石や、生産工程中に不良物として排出される磁石スクラップ、切削屑や研削屑として排出される磁石加工屑などから希土類元素Rを分離・回収して磁石原料として再利用するリサイクル技術が発展している。発明者は、拡散源として、リサイクル工程内で生成するRH化合物を用いれば、希少なRHを有効活用でき、かつ、拡散源においてコストダウンが可能となると考えた。そこで、HcJ向上効果の高いRHフッ化物にリサイクル工程内で生成するRH化合物を混合し、これを拡散源として使用する方法を検討したところ、還元能力に優れるRLM1M2合金をともに磁石表面に存在させて熱処理することにより、RHフッ化物およびリサイクル工程内で生成したRH化合物が還元され、RHを磁石内に拡散させることができることを見出して本発明を完成した。なお、本明細書において、RHを含有する物質を「拡散剤」、拡散剤のRHを還元して拡散し得る状態にする物質を「拡散助剤」と称する。
[R−T−B系焼結磁石母材の準備]
重希土類元素RHの拡散の対象とするR−T−B系焼結磁石母材を準備する。本明細書では、わかりやすさのため、重希土類元素RHの拡散の対象とするR−T−B系焼結磁石をR−T−B系焼結磁石母材と厳密に称することがあるが、「R−T−B系焼結磁石」の用語はそのような「R−T−B系焼結磁石母材」を含むものとする。このR−T−B系焼結磁石母材は公知のものが使用でき、例えば以下の組成を有する。
希土類元素R:12〜17原子%
B(B(ボロン)の一部はC(カーボン)で置換されていてもよい):5〜8原子%
添加元素M´(Al、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Pb、およびBiからなる群から選択された少なくとも1種):0〜2原子%
T(Feを主とする遷移金属元素であって、Coを含んでもよい)および不可避不純物:残部
ここで、希土類元素Rは、主として軽希土類元素RL(Nd、Prから選択される少なくとも1種の元素)であるが、重希土類元素を含有していてもよい。なお、重希土類元素を含有する場合は、DyおよびTbの少なくとも一方を含むことが好ましい。
上記組成のR−T−B系焼結磁石母材は、任意の製造方法によって製造される。R−T−B系焼結磁石母材は焼結上がりでもよいし、切削加工や研磨加工が施されていてもよい。
[拡散剤]
拡散剤としては、RHフッ化物(RHはDyおよび/又はTb)の粉末にR−T−B系磁石のリサイクル工程内で生成したRH化合物を混合して用いる。以下、わかりやすさのため、この混合粉末を拡散源粉末と称する。具体的には、例えば、RH炭酸塩、RHシュウ酸塩、RH硫酸塩、RHりん酸塩、RH酢酸塩、RH酸化物から選ばれる1種以上である。中でもRH炭酸塩、RHシュウ酸塩、RH酸化物が好ましい。また、RHフッ化物のRHとリサイクル工程内で生成したRH化合物のRHは同種であることが好ましい。
R−T−B系磁石の廃磁石、磁石スクラップ、磁石加工屑等から、希土類元素Rを回収する技術が開発されている(国際公開第2013/018710号)。このような回収技術によれば、上記のR−T−B系磁石の廃磁石等に種々の処理を行うことにより、FeおよびCoから分離された希土類酸化物を得ることができる。こうして得た希土類酸化物を酸に溶解して溶媒抽出を行うと、重希土類RHの溶液(RH溶液)を他の希土類元素Rから分離して得ることができる。RH溶液に沈殿剤として炭酸塩、シュウ酸、硫酸、硫酸塩、燐酸、燐酸塩を添加すると、それぞれRH炭酸塩、RHシュウ酸塩、RH硫酸塩、RH燐酸塩が沈殿する。また、これらの沈殿物を焼成するとRH酸化物が生成する。こうして得られたRH化合物の粉末は、本開示におけるRH拡散源としてRHフッ化物と混合して好適に用いられる。通常のリサイクル工程においては、この後、これらのRH化合物は溶融塩電解等によってRH金属に還元され、R−T−B系磁石の原料として用いられる。従来、このようなリサイクル工程における中間生成物の状態で磁石原料(拡散剤)として用いられることはなかった。このような中間生成物をRH拡散源として用いることにより、拡散工程においては原料を安価で調達できるというメリットがあり、また、リサイクル工程においては後の還元工程を省略できるというメリットがある。すなわち、本開示の方法を採用することによって、拡散工程およびリサイクル工程で二重にコストダウンが可能である。
なお、R−T−B系磁石に対して重希土類元素を外部から拡散させるために使用されたDy−Fe合金またはTb−Fe合金は、拡散工程中にR−T−B系磁石と接触して磁石中のNdなどの軽希土類元素Rを含有した状態で廃棄されることがある。このような使用済みのRH拡散用合金からも、重希土類元素RHを回収する技術が開発されている(国際公開第2014/115876号)。したがって、使用済みのRH拡散用合金からも、同様にしてRH化合物を得ることができる。
リサイクルに供されるR−T−B系磁石は焼結磁石に限らず、ボンド磁石や熱間加工磁石、それらに使用される磁石粉末などでもよい。R−T−B系磁石のリサイクル工程内で生成したものを用いれば希少なRHを有効活用でき、かつ、拡散源においてコストダウンが可能である。RH化合物の粉末の粒度は、例えば20μm以下であり、小さいものは数μm程度である。なお、本開示において粉末の粒度は、例えば顕微鏡観察によって測定すればよい。また、市販の粒度分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル社製レーザー回折・散乱式 粒子径分布測定装置等)を用いて測定することもできる。
RHフッ化物の粉末は、工業的に製造されたものであればどのようなものでも良い。RHフッ化物の粉末の粒度は100μm以下が好ましい。なお、本発明におけるRHフッ化物には、RHフッ化物の製造工程における中間物質であるRH酸フッ化物が含まれていてもよい。
拡散源粉末中の前記R−T−B系磁石のリサイクル工程によって製造されたRH化合物の粉末の割合は5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。5質量%未満では、希少資源の効率的利用と言う点では一定の効果があるが、コストダウンの効果は低い。また、50質量%を超えると、多くの拡散源をリサイクル工程で生成する必要があり、原料供給が不安定になる可能性がある。また、化合物の種類によっては、HcJ向上効果が低くなる可能性がある。
上記のRH化合物は、第三者がR−T−B系磁石のリサイクル工程によって製造したRH化合物を当該第三者から購入して準備したものであってもよいし、R−T−B系磁石のリサイクル工程を自ら実行して製造したものであってもよい。
[拡散助剤]
拡散助剤としては、RLM1M2合金の粉末を用いる。RLは、Nd、Prから選ばれる1種以上、M1、M2はCu、Fe、Ga、Co、Ni、Alから選ばれる1種以上であり、M1=M2でもよい。RLM1M2合金の典型例は、NdCu合金、NdFe合金、NdCuAl合金、NdCuCo合金、NdCoGa合金、NdPrCu合金、NdPrFe合金などである。これらの合金の粉末は、上述の拡散源粉末と混合して用いられる。複数種のRLM1M2合金粉末と拡散源粉末を混合して用いてもよい。RLM1M2合金の粉末の作製方法は特に限定されない。急冷法または鋳造法で作製される場合、粉砕性を良くするために、M1≠M2とし、例えば、NdCuAl合金、NdCuCo合金、NdCoGa合金などの3元系以上の合金を採用することが好ましい。RLM1M2合金粉末の粒度は、例えば500μm以下であり、小さいものは10μm程度である。
本開示における、リサイクル工程によって製造されたRH化合物は、拡散助剤としてRLM1M2合金をともにR−T−B系焼結磁石表面に存在させて熱処理することによって、RLM1M2合金がRH化合物を効率よく還元し、十分に還元されたRHがR−T−B系焼結磁石母材中に拡散する。このことにより、拡散源としてRHフッ化物と同様、少ないRH量でHcJを大きく向上させることができる。
[塗布]
RLM1M2合金の粉末と拡散源粉末とをR−T−B系焼結磁石の表面に存在させる方法はどのようなものであってもよい。例えば、RLM1M2合金の粉末と拡散源粉末をR−T−B系焼結磁石の表面に散布する方法や、RLM1M2合金の粉末と拡散源粉末とを純水や有機溶剤などの溶媒に分散させ、これにR−T−B系焼結磁石を浸漬して引き上げる方法、RLM1M2合金の粉末と混合粉末とをバインダや溶媒と混合してスラリーを作製し、このスラリーをR−T−B系焼結磁石の表面に塗布する方法、RLM1M2合金の粉末と拡散源粉末をバインダと共に造粒して造粒粉末を作製し、この造粒粉末をR−T−B系焼結磁石の表面に付着させる方法、等が挙げられる。バインダや溶媒は、その後の熱処理の昇温過程において、拡散助剤の融点以下の温度で熱分解や蒸発などでR−T−B系焼結磁石の表面から実質的に除去されるものであればよく、特に限定されるものではない。バインダの例としては、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、ポリエステルなどがあげられる。またRLM1M2合金の粉末と拡散源粉末は、それらが混合した状態でR−T−B系焼結磁石の表面に存在させてもよいし、別々に存在させてもよい。なお、本開示の方法においては、RLM1M2合金はその融点が熱処理温度以下であるため熱処理の際に溶融し、R−T−B系焼結磁石の表面は還元されたRHがR−T−B系焼結磁石内部に拡散しやすい状態になる。したがって、RLM1M2合金の粉末と拡散源粉末とをR−T−B系焼結磁石の表面に存在させる前にR−T−B系焼結磁石の表面に対して酸洗などの特段の清浄化処理を行う必要はない。もちろん、そのような清浄化処理を行うことを排除するものではない。また、RLM1M2合金粉末粒子の表面が多少酸化されていても拡散源粉末を還元する効果にほとんど影響はない。
粉末状態にあるRLM1M2合金および拡散源粉末のR−T−B系焼結磁石の表面における存在比率(熱処理前)は、質量比率でRLM1M2合金:拡散源粉末=96:4〜50:50であることが好ましく、存在比率はRLM1M2合金:拡散源粉末=95:5〜60:40であることがより好ましい。
本開示の製造方法によれば、少ない量のRHで、効率的にR−T−B系焼結磁石のHcJを向上させることが可能である。R−T−B系焼結磁石の表面に存在させる粉末中のRH元素の量は、R−T−B系焼結磁石に対して0.2〜1.5質量%であることが好ましい。
[拡散熱処理]
熱処理温度はR−T−B系焼結磁石の焼結温度以下(具体的には例えば1000℃以下)であり、かつ、RLM1M2合金の粉末の融点よりも高い温度であるが、具体的には、500℃以上が好ましい。熱処理時間は例えば10分〜72時間である。また前記熱処理の後必要に応じてさらに400〜700℃で10分〜72時間の熱処理を行ってもよい。
まず、公知の方法で、組成比Nd=13.4、B=5.8、Al=0.5、Cu=0.1、Co=1.1、残部=Fe(原子%)のR−T−B系焼結磁石を作製した。これを機械加工することにより、6.5mm×7.4mm×7.4mmのR−T−B系焼結磁石母材を得た。得られたR−T−B系焼結磁石母材の磁気特性をB−Hトレーサーによって測定したところ、HcJは1035kA/m、Bは1.45Tであった。なお、後述の通り、熱処理後のR−T−B系焼結磁石の磁気特性は、R−T−B系焼結磁石の表面を機械加工によって除去してから測定するので、R−T−B系焼結磁石母材もそれに合わせて、表面をさらに機械加工によって除去し、大きさ6.3mm×7.0mm×7.0mmとしてから測定した。拡散剤としてTbF、炭酸Tb、シュウ酸Tb、酸化Tbを用意した。TbFは市販のものを用いた。炭酸Tb、シュウ酸Tb、酸化TbはR−T−B系磁石のリサイクル工程で生成した各化合物を想定して実験的に作製したものを用いた。具体的には、炭酸Tbとシュウ酸Tbは、R−T−B系磁石のリサイクル工程において、Tbを含有するR−T−B系磁石やRH拡散源をTと分離して得たTb酸化物から得られる炭酸Tb、シュウ酸Tbを想定し、Tb試薬から模擬的に作製した。10vol%塩酸にTb試薬を添加して60℃で溶解後、濾過した。こうして得た濾液に炭酸ナトリウム、またはシュウ酸二水和物を添加し、60℃で2時間放置した後、濾過して沈殿物を得た。この沈殿物を60℃で6時間真空乾燥して炭酸Tb粉末、またはシュウ酸Tb粉末を得た。さらに、得られた炭酸Tb粉末を大気中、900℃で2時間焼成し、酸化Tb粉末を得た。これらの粉末の粒度は数μmであった。また、得られた炭酸Tb、シュウ酸Tb、酸化TbをICP分析により分析したところ、Tbの含有率はそれぞれ58.5mass%、42.7mass%、14.2mass%であった。次に組成がNd70Cu30(原子%)の拡散助剤を用意した(融点520℃:Nd−Cuの二元系状態図で示される値)。拡散助剤は遠心アトマイズ法で作製し、粒度106μm以下とした。得られた拡散剤の粉末と拡散助剤の粉末を表1に示す混合比でポリビニルアルコールおよび純水と混合してスラリーを得た。このスラリーを、R−T−B系焼結磁石母材の7.4mm×7.4mmの1面に、RH量がR−T−B系焼結磁石母材に対する質量比で0.25%となるように塗布した。なお、本実施例は前記スラリーをR−T−B系焼結磁石母材の1つの拡散面のみに塗布してHcJの向上効果を確認した実験である。実際には、1面でもよいし、2面〜全面の複数面でもよい。このR−T−B系焼結磁石母材を処理容器に収容して蓋をした。(この蓋は容器内外のガスの出入りを妨げるものではない。)これを熱処理炉に収容し、100PaのAr雰囲気中、400℃で2時間の熱処理後900℃に昇温して10時間の熱処理を行った。熱処理は、室温から真空排気しながら昇温し、雰囲気圧力および温度が上記条件に達してから上記条件で行った。その後いったん室温まで降温してからR−T−B系焼結磁石を回収した。回収したR−T−B系焼結磁石を処理容器に戻して再び熱処理炉に収容し、10Pa以下の真空中、490℃で3時間の熱処理を行った。この熱処理も室温から真空排気しながら昇温し、雰囲気圧力および温度が上記条件に達してから上記条件で行った。その後いったん室温まで降温してからR−T−B系焼結磁石を回収した。
得られたR−T−B系焼結磁石の表面を機械加工にて除去し、6.3mm×7.0mm×7.0mmのサンプル1〜10を得た。得られたサンプル1〜10の磁気特性をB−Hトレーサーによって測定し、HcJの変化量を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2018098430
表1からわかるように、本開示の製造方法によるR−T−B系焼結磁石はBがほとんど低下することなくHcJが大きく向上している。すなわち、拡散源としてRHフッ化物にリサイクル工程で生成したRH化合物を混合して使用しても、拡散助剤としてRLM1M2合金をともにR−T−B系焼結磁石表面に存在させて熱処理すれば、RLM1M2合金がRHフッ化物とリサイクル工程で生成したRH化合物を効率よく還元し、十分に還元されたRHがR−T−B系焼結磁石母材中に拡散することにより、拡散源としてRHフッ化物のみを使用した場合と同様、少ないRH量でHcJを大きく向上させることができたことがわかった。これに対し、拡散助剤を用いなかった場合はHcJを大きく向上させることができなかったことから、RH化合物は、RLM1M2合金と共にR−T−B系焼結磁石表面に存在させて熱処理した場合のみ、磁石中に拡散してHcJを大きく向上させる効果を発揮することがわかった。
本開示の製造方法は、希少資源を効率的に利用して、高温下でも高いHcJを維持することができるR−T−B系焼結磁石を製造できるため、当該製造方法によって得られる磁石を電気自動車(EV、HV、PHVなど)のモータなどに好適に用いることが可能になる。

Claims (8)

  1. R−T−B系焼結磁石を用意する工程と、
    前記R−T−B系焼結磁石の表面にRLM1M2合金(RLは、Nd、Prから選ばれる1種以上、M1、M2はCu、Fe、Ga、Co、Ni、Alから選ばれる1種以上、M1=M2でもよい)の粉末と、RHフッ化物(RHはDyおよび/またはTb)の粉末およびR−T−B系磁石のリサイクル工程によって製造されたRH化合物の粉末の混合粉末とを存在させた状態において、前記R−T−B系焼結磁石の焼結温度以下で熱処理を行う工程と、
    を含むR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  2. 前記RH化合物の粉末は、R−T−B系磁石のリサイクル工程によって製造された中間生成物である、請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  3. 前記R−T−B系磁石のリサイクル工程によって製造されたRH化合物の粉末は、RH炭酸塩、RHシュウ酸塩、RH硫酸塩、RHりん酸塩、RH酢酸塩、RH酸化物から選ばれる1種以上である、請求項1または2に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  4. 前記混合粉末中の前記R−T−B系磁石のリサイクル工程によって製造されたRH化合物の粉末の割合は5〜50質量%である、請求項1から3のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  5. 前記RLM1M2合金はRLを50原子%以上含み、かつ、前記RLM1M2合金の融点は前記熱処理の温度以下である、請求項1から4のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  6. 前記熱処理は、前記RLM1M2合金の粉末と前記混合粉末とが、RLM1M2合金:混合粉末=96:4〜50:50の質量比率で前記R−T−B系焼結磁石の表面に存在する状態で行われる、請求項1から5のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  7. 前記R−T−B系焼結磁石の表面において、前記混合粉末に含まれるRH元素の質量は、R−T−B系焼結磁石に対して0.2〜1.5質量%である、請求項1から6のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  8. 前記RH化合物の粉末をR−T−B系磁石のリサイクルによって製造する工程を更に包含する、請求項1から7のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
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