JP2018097121A - 複合フィルム、製造方法、偏光板、及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造又は使用におけるハンドリングを円滑に行うことができる複合フィルム;そのような複合フィルムを容易に製造することができる製造方法;並びに、容易に低コストで製造することができる偏光板及び表示装置を提供する。【解決手段】一対の熱可塑性樹脂Bの側部領域(B)121,122と、前記一対の熱可塑性樹脂Bの側部領域(B)121,122の間に設けられた、熱可塑性樹脂Aの中央部領域(A)111とを備え、前記熱可塑性樹脂A及び前記熱可塑性樹脂Bは、脂環式構造含有重合体を含む樹脂であり、前記熱可塑性樹脂A、前記熱可塑性樹脂B、前記中央部領域(A)111及び前記側部領域(B)121,122が、特定の関係を満たす、複合フィルム10、その製造方法、並びにその一部を含む偏光板及び表示装置。【選択図】図1
Description
本発明は、複合フィルム、その製造方法、偏光板及び表示装置に関する。
表示装置等の光学的な装置において、樹脂製のフィルムを用いることは広く行われており、そのようなフィルムを供給する材料として、長尺の形状のフィルムを連続的に製造することも広く行われている。
そのような長尺のフィルムの製造において、フィルムの幅方向中央部の領域と、その両側の側部の領域において、材質が異なる複合フィルムを採用することが知られている(例えば特許文献1)。そのような複合フィルムを採用することにより、フィルムのハンドリングを円滑に行うことができる等の効果が得られる可能性がある。
しかしながら、従来知られている複合フィルムでは、フィルムのハンドリングの円滑性の問題の低減は、依然不十分である。特に、長尺のフィルムの幅方向端部をクリップで把持して搬送、加熱及び延伸等のハンドリングを行う際に、フィルムがクリップに貼りつく問題の解決は依然不十分である。そのような貼りつきの発生は、フィルムの製造コストを上昇させうる。したがって、そのような貼りつきを、さらに低減することができる複合フィルムが求められている。
したがって、本発明の目的は、製造又は使用におけるハンドリングを円滑に行うことができる複合フィルム;そのような複合フィルムを容易に製造することができる製造方法;並びに、容易に低コストで製造することができる偏光板及び表示装置を提供することにある。
本発明者は、前記の課題を解決するべく検討した。その結果、本発明者は、複合フィルムの中央部領域を構成する樹脂の材料及び側部領域を構成する樹脂の材料として、特定の材料を組み合わせて採用することにより、かかる課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
〔1〕 一対の熱可塑性樹脂Bの側部領域(B)と、前記一対の熱可塑性樹脂Bの側部領域(B)の間に設けられた、熱可塑性樹脂Aの中央部領域(A)とを備え、
前記熱可塑性樹脂A及び前記熱可塑性樹脂Bは、脂環式構造含有重合体を含む樹脂であり、
前記熱可塑性樹脂A、前記熱可塑性樹脂B、前記中央部領域(A)及び前記側部領域(B)が、下記式(1)〜(3)を満たす、複合フィルム:
Ea<Eb 式(1)
Ts[B]−Ts[A]≧−10℃ 式(2)
|RthB−RthA|≧1nm 式(3)
但し、Eaは前記熱可塑性樹脂Aの引張弾性率、Ebは前記熱可塑性樹脂Bの引張弾性率、Ts[A]は前記熱可塑性樹脂Aの熱軟化温度、Ts[B]は前記熱可塑性樹脂Bの熱軟化温度、RthAは前記中央部領域(A)の厚み方向位相差、RthBは前記側部領域(B)の厚み方向位相差を表す。
〔2〕 前記熱可塑性樹脂A及び前記熱可塑性樹脂Bの一方又は両方は、
環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]を主成分とする、1分子あたり2つ以上の重合体ブロック[D]と、
鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]、又は前記単位[I]及び前記単位[II]の組み合わせを主成分とする、1分子あたり1つ以上の重合体ブロック[E]
を含む水素化ブロック共重合体[G]を、前記脂環式構造含有重合体として含む、〔1〕に記載の複合フィルム。
〔3〕 前記環式炭化水素基含有化合物単位[I]が芳香族ビニル化合物の重合により得られる構造単位であり、前記鎖状炭化水素化合物単位[II]が鎖状共役ジエン化合物の重合により得られる構造単位である、〔2〕に記載の複合フィルム。
〔4〕 前記複合フィルム全体の幅方向広さLに対する前記側部領域(B)の幅方向広さLBの割合の百分率Lb(%)が、下記式(4)を満たす、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の複合フィルム。
0.5%≦Lb≦8% 式(4)
〔5〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の複合フィルムの製造方法であって、
熱可塑性樹脂Bの流路(B1)、熱可塑性樹脂Aの流路(A)及び熱可塑性樹脂Bの流路(B2)を、この順に、前記複合フィルムの幅方向に対応する方向に配列した状態で備える押出装置から、前記熱可塑性樹脂A及び前記熱可塑性樹脂Bを押し出し、フィルム状の押出成形物を得る、押出工程を含む、製造方法。
〔6〕 前記押出工程の後に、前記押出成形物を1以上の方向に延伸する延伸工程をさらに含む、〔5〕に記載の複合フィルムの製造方法。
〔7〕 前記延伸工程が、前記押出成形物の幅方向端部をクリップで把持し、幅方向又は斜め方向に延伸することを含む、〔6〕に記載の複合フィルムの製造方法。
〔8〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の複合フィルムの中央部領域(A)と偏光子とを備える偏光板。
〔9〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の複合フィルムの中央部領域(A)を備える表示装置。
前記熱可塑性樹脂A及び前記熱可塑性樹脂Bは、脂環式構造含有重合体を含む樹脂であり、
前記熱可塑性樹脂A、前記熱可塑性樹脂B、前記中央部領域(A)及び前記側部領域(B)が、下記式(1)〜(3)を満たす、複合フィルム:
Ea<Eb 式(1)
Ts[B]−Ts[A]≧−10℃ 式(2)
|RthB−RthA|≧1nm 式(3)
但し、Eaは前記熱可塑性樹脂Aの引張弾性率、Ebは前記熱可塑性樹脂Bの引張弾性率、Ts[A]は前記熱可塑性樹脂Aの熱軟化温度、Ts[B]は前記熱可塑性樹脂Bの熱軟化温度、RthAは前記中央部領域(A)の厚み方向位相差、RthBは前記側部領域(B)の厚み方向位相差を表す。
〔2〕 前記熱可塑性樹脂A及び前記熱可塑性樹脂Bの一方又は両方は、
環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]を主成分とする、1分子あたり2つ以上の重合体ブロック[D]と、
鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]、又は前記単位[I]及び前記単位[II]の組み合わせを主成分とする、1分子あたり1つ以上の重合体ブロック[E]
を含む水素化ブロック共重合体[G]を、前記脂環式構造含有重合体として含む、〔1〕に記載の複合フィルム。
〔3〕 前記環式炭化水素基含有化合物単位[I]が芳香族ビニル化合物の重合により得られる構造単位であり、前記鎖状炭化水素化合物単位[II]が鎖状共役ジエン化合物の重合により得られる構造単位である、〔2〕に記載の複合フィルム。
〔4〕 前記複合フィルム全体の幅方向広さLに対する前記側部領域(B)の幅方向広さLBの割合の百分率Lb(%)が、下記式(4)を満たす、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の複合フィルム。
0.5%≦Lb≦8% 式(4)
〔5〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の複合フィルムの製造方法であって、
熱可塑性樹脂Bの流路(B1)、熱可塑性樹脂Aの流路(A)及び熱可塑性樹脂Bの流路(B2)を、この順に、前記複合フィルムの幅方向に対応する方向に配列した状態で備える押出装置から、前記熱可塑性樹脂A及び前記熱可塑性樹脂Bを押し出し、フィルム状の押出成形物を得る、押出工程を含む、製造方法。
〔6〕 前記押出工程の後に、前記押出成形物を1以上の方向に延伸する延伸工程をさらに含む、〔5〕に記載の複合フィルムの製造方法。
〔7〕 前記延伸工程が、前記押出成形物の幅方向端部をクリップで把持し、幅方向又は斜め方向に延伸することを含む、〔6〕に記載の複合フィルムの製造方法。
〔8〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の複合フィルムの中央部領域(A)と偏光子とを備える偏光板。
〔9〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の複合フィルムの中央部領域(A)を備える表示装置。
本発明の複合フィルムは、製造又は使用におけるハンドリングを円滑に行うことができる。本発明の製造方法では、そのような複合フィルムを容易に製造することができる。本発明の偏光板及び表示装置は、容易に低コストで製造することができる。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、環式炭化水素基とは、芳香族環、シクロアルカン、シクロアルケン等の、環状の構造を含む炭化水素の基である。また、鎖状炭化水素化合物とは、かかる環式炭化水素基を含まない炭化水素化合物である。
以下の説明において、フィルムの面内レターデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx−ny)×dで表される値である。フィルムの厚み方向のレターデーションRthは、別に断らない限り、Rth={(nx+ny)/2−nz}×dで表される値である。ここで、nxは、フィルムの厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、フィルムの前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。nx及びnyにかかる方向は、中央部領域(A)及び側部領域(B)のそれぞれにおいて、別々に規定される。nzはフィルムの厚み方向の屈折率を表す。dは、フィルムの厚みを表す。レターデーションの測定波長は、別に断らない限り、550nmである。
以下の説明において、「偏光板」とは、別に断らない限り、剛直な部材だけでなく、例えば樹脂製のフィルムのように可撓性を有する部材も含む。
以下の説明において、「長尺」のフィルムとは、幅に対して、5倍以上の長さを有するフィルムをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するフィルムをいう。長尺のフィルムの長さの上限は、特に制限は無く、例えば、幅に対して10万倍以下としうる。
〔1.複合フィルム〕
本発明の複合フィルムは、一対の熱可塑性樹脂Bの側部領域(B)と、前記一対の熱可塑性樹脂Bの側部領域(B)の間に設けられた、熱可塑性樹脂Aの中央部領域(A)とを備える。本発明の複合フィルムは、通常、一定の幅を有する長尺のフィルムである。複合フィルムの中央部領域とは、複合フィルムの幅方向における中央部の領域であり、側部領域とは、複合フィルムの幅方向における、中央部より外側の領域である。複合フィルムは、通常、中央部領域(A)及び側部領域(B)のそれぞれにおいて、1のみの層を有する単層フィルムである。
本発明の複合フィルムは、一対の熱可塑性樹脂Bの側部領域(B)と、前記一対の熱可塑性樹脂Bの側部領域(B)の間に設けられた、熱可塑性樹脂Aの中央部領域(A)とを備える。本発明の複合フィルムは、通常、一定の幅を有する長尺のフィルムである。複合フィルムの中央部領域とは、複合フィルムの幅方向における中央部の領域であり、側部領域とは、複合フィルムの幅方向における、中央部より外側の領域である。複合フィルムは、通常、中央部領域(A)及び側部領域(B)のそれぞれにおいて、1のみの層を有する単層フィルムである。
図1は、本発明の複合フィルムを、長手方向に垂直な面で切断した断面を概略的に示す断面図である。図1において、複合フィルム10は、中央部領域(A)111と、その両側の側部に設けられた側部領域(B)121及び122を備える。複合フィルムの中央部領域(A)は、熱可塑性樹脂Bのみからなるものとしうる。一方、複合フィルムの側部領域(B)は、熱可塑性樹脂Aのみからなるものとしうる。
本発明の複合フィルムにおいては、中央部領域(A)及び側部領域(B)及びそれを構成する熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bが、下記式(1)〜(3)を満たす。
Ea<Eb 式(1)
Ts[B]−Ts[A]≧−10℃ 式(2)
|RthB−RthA|≧1nm 式(3)
但し、Eaは熱可塑性樹脂Aの引張弾性率、Ebは熱可塑性樹脂Bの引張弾性率、Ts[A]は熱可塑性樹脂Aの熱軟化温度、Ts[B]は熱可塑性樹脂Bの熱軟化温度、RthAは中央部領域(A)の厚み方向位相差、RthBは側部領域(B)の厚み方向位相差を表す。
Ea<Eb 式(1)
Ts[B]−Ts[A]≧−10℃ 式(2)
|RthB−RthA|≧1nm 式(3)
但し、Eaは熱可塑性樹脂Aの引張弾性率、Ebは熱可塑性樹脂Bの引張弾性率、Ts[A]は熱可塑性樹脂Aの熱軟化温度、Ts[B]は熱可塑性樹脂Bの熱軟化温度、RthAは中央部領域(A)の厚み方向位相差、RthBは側部領域(B)の厚み方向位相差を表す。
引張弾性率Ea及びEbに関し、EbとEaの差(Eb−Ea)は、好ましくは300MPa以上、より好ましくは400MPa以上である。また熱軟化温度Ts[A]及びTs[B]に関し、これらの差(Ts[B]−Ts[A])は、−10℃以上、好ましくは−5℃以上である。Ea、Eb、Ts[A]及びTs[B]がこのような範囲であることにより、複合フィルムを、所望の光学的及び機械的特性を有する中央部領域(A)を有し、且つハンドリング中のフィルムのクリップへの貼りつきの発生が少ないフィルムとすることができる。このようなEa、Eb、Ts[A]及びTs[B]を有する複合フィルムは、それを構成する熱可塑性樹脂A及びBを適宜選択することにより得うる。熱可塑性樹脂A及びBの具体例については後述する。
EbとEaの差(Eb−Ea)の上限は、特に限定されないが、例えば好ましくは2000MPa以下、より好ましくは1800MPa以下としうる。Ea及びEbのそれぞれの値は、特に限定されないが、Eaは好ましくは500MPa以上、より好ましくは700MPa以上であり、好ましくは3000MPa以下、より好ましくは2500MPa以下である。Ebは好ましくは2000MPa以上、より好ましくは2100MPa以上であり、好ましくは4000MPa以下、より好ましくは3500MPa以下である。
引張弾性率Ea及びEbの測定は、測定対象の樹脂を100μmのフィルムに成形し、これをJIS K7127に準拠して測定することにより行いうる。具体的には、フィルムを試験片タイプ1Bのダンベル形状に打ち抜き測定試料とし、引張速度20mm/min、引張ひずみ0.3%〜1%の範囲で測定を行いうる。測定装置としては、恒温恒湿槽付の引張試験機(例えばインストロン社製「5564型」)を用いうる。
Ts[A]及びTs[B]の差(Ts[B]−Ts[A])の上限は、特に限定されないが、例えば好ましくは30℃以下、より好ましくは25℃以下としうる。Ts[A]及びTs[B]のそれぞれの値は、特に限定されないが、Ts[A]は好ましくは100℃以上、より好ましくは105℃以上であり、好ましくは155℃以下、より好ましくは150℃以下である。Ts[B]は好ましくは115℃以上、より好ましくは120℃以上であり、好ましくは160℃以下、より好ましくは155℃以下である。
熱軟化温度Tsは、TMA(熱機械的分析)測定により測定しうる。具体的には、測定対象の樹脂を5mm×20mm×50μmのフィルムに成形し試料とし、TMA/SS7100(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用いて、試料の長手方向に50mNの張力を加えた状態で、温度を変化させ、試料長さが3%変化した時の温度(℃)を、熱軟化温度として計測しうる。
厚み方向位相差RthA及びRthBに関し、|RthB−RthA|の値は、1nm以上、好ましくは1.2nm以上である。|RthB−RthA|の値がかかる範囲であることにより、中央部領域(A)に所望の光学的特性を与えつつ、且つ、中央部領域(A)と側部領域(B)との境界を光学的測定により容易に認識することができる。|RthB−RthA|の値の上限は、特に限定されないが、例えば好ましくは150nm以下、より好ましくは100nm以下としうる。このような要件を満たすRthA及びRthBを有する複合フィルムは、それを構成する熱可塑性樹脂A及びBを適宜選択し、製造条件を適宜調節することにより得うる。
RthA及びRthBのそれぞれの値は、特に限定されないが、|RthA|は好ましくは0nm以上、より好ましくは0.1nm以上であり、好ましくは5nm以下、より好ましくは3nm以下である。|RthB|は好ましくは0nm以上、より好ましくは0.1nm以上であり、好ましくは10nm以下、より好ましくは9nm以下である。
RthA及びRthBは、市販の位相差測定装置(例えば大塚電子社製 製品名「RE」)を用いて、中央部領域(A)及び側部領域(B)における厚み方向位相差を測定することにより測定しうる。
本発明の複合フィルムは、その全体の幅方向広さLに対する側部領域(B)の幅方向広さLBの割合の百分率Lb(%)が、下記式(4)を満たすことが好ましい。
0.5%≦Lb≦8% 式(4)
0.5%≦Lb≦8% 式(4)
再び図1を参照して説明すると、複合フィルム10の全体の幅方向広さLは、複合フィルム10の幅方向の一方の縁101から、他方の縁102までの距離である。
また、側部領域(B)の幅方向広さLBは、側部領域(B)121の幅及び122の幅の合計である。即ち、LBは、複合フィルム10の幅方向の一方の縁101から、当該縁101に近いほうの、側部領域(B)と中央部領域(A)との境界131までの距離と、もう一方の側部領域(B)と中央部領域(A)との境界132から複合フィルム10の他方の縁102までの距離の合計である。
また、側部領域(B)の幅方向広さLBは、側部領域(B)121の幅及び122の幅の合計である。即ち、LBは、複合フィルム10の幅方向の一方の縁101から、当該縁101に近いほうの、側部領域(B)と中央部領域(A)との境界131までの距離と、もう一方の側部領域(B)と中央部領域(A)との境界132から複合フィルム10の他方の縁102までの距離の合計である。
幅方向広さの百分率Lbは、好ましくは0.5%以上、より好ましくは0.7%以上であり、好ましくは8%以下、より好ましくは7%以下である。また、幅方向広さLBは、好ましくは15mm以上、より好ましくは20mm以上である。Lb又はLBが前記下限以上である場合、長尺の複合フィルムの幅方向端部をクリップで把持してのハンドリングを円滑に行うことができる。また、Lbが前記上限以下である場合、ハンドリング中の膜厚ムラの発生等の不具合を低減することができる。幅方向広さLBの上限は、特に限定されないが、好ましくは500mm以下、より好ましくは200mm以下である。
複合フィルムの一方の側部の側部領域(B)の幅方向広さは、他方の側部の側部領域(B)の幅方向の広さと、同じ幅であってもよく、異なる幅であってもよい。ハンドリング性の向上及び膜厚ムラの発生の低減の観点からは、両側部の側部領域(B)の幅方向広さは、同じであるか、相違が小さいことが好ましい。具体的には、一方の側部領域(B)の幅方向広さLBLと、他方の側部領域(B)の幅方向広さLBRとの差|LBL−LBR|は、好ましくは50mm以下、より好ましくは30mm以下である。
さらに、複合フィルムの一方の側部の側部領域(B)についての特徴(引張弾性率、熱軟化温度、厚み方向位相差、材質等)と、他方の側部の側部領域(B)の特徴とは、両方の側部領域(B)が本発明の要件を満たす限りにおいて、同じであっても、異なっていてもよい。例えば、一方の側部の側部領域(B)の厚み方向位相差及び他方の側部の側部領域(B)の厚み方向位相差は、これらの両方が式(3)を満たす限りにおいて、同一であってもよく、異なっていてもよい。
さらに、複合フィルムの一方の側部の側部領域(B)についての特徴(引張弾性率、熱軟化温度、厚み方向位相差、材質等)と、他方の側部の側部領域(B)の特徴とは、両方の側部領域(B)が本発明の要件を満たす限りにおいて、同じであっても、異なっていてもよい。例えば、一方の側部の側部領域(B)の厚み方向位相差及び他方の側部の側部領域(B)の厚み方向位相差は、これらの両方が式(3)を満たす限りにおいて、同一であってもよく、異なっていてもよい。
複合フィルムの側部領域(B)と中央部領域(A)との境界は、必ずしも明確で無い場合がある。例えば、図1に示す複合フィルム10を、熱可塑性樹脂A及びBの押出成形により製造した場合、境界131及び132において、熱可塑性樹脂A及びBの混合物により構成される遷移領域が形成されうる。そのような遷移領域においては、熱可塑性樹脂A及びBの濃度の勾配が形成されうる。その場合、熱可塑性樹脂A及びBの濃度が勾配の中央の値を示す位置を、境界としうる。かかる勾配は、熱可塑性樹脂A及びBの物性値であって、熱可塑性樹脂AとBとで異なる値を示すものを指標に決定しうる。
図2は、図1に示す複合フィルム10における、熱可塑性樹脂A及びBの遷移領域を示すグラフである。図2では、複合フィルム10の幅方向に沿って、その厚み方向位相差を連続的に測定した際の測定結果の例を示している。図2において、横軸は複合フィルム10の一方の縁101から測定点までの幅方向の距離を示し、縁101に対応する値x101はゼロである。一方縦軸は、当該測定点における厚み方向位相差を示している。この例において、側部領域(B)の厚み方向位相差RthBはy121で示される値であり、中央部領域(A)の厚み方向位相差RthAはy111で示される値である。また、RthA及びRthBの平均は、yPで示される値である。熱可塑性樹脂A及びBの濃度の勾配が存在する領域は、グラフの曲線部分により示される。ここで、熱可塑性樹脂A及びBの濃度の勾配の中央の値は、yPで示される厚み方向位相差を示す位置となるので、かかるyPを与える横軸の値x131に相当する位置を、複合フィルムの側部領域(B)と中央部領域(A)との境界としうる。
複合フィルムの厚みは、特に限定されず、用途に応じた所望の厚みとしうる。具体的には、複合フィルムの厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは60μm以下である。中央部領域(A)の厚みと側部領域(B)の厚みは、同じであっても相違があってもよいが、いずれも上に述べた範囲内であることが好ましい。
複合フィルムの厚みは、既知の任意の測定方法により測定しうる。例えば、干渉式膜厚計(例えばフィルメトリクス社製 製品名「F20−EXR」)を用いて測定しうる。
複合フィルムは、その中央部領域(A)において、膜厚ムラが少ないことが好ましい。膜厚ムラが少ないと、中央部領域(A)を用いて偏光板等の製品を製造することにより、高品質な製品を得ることができる。具体的には、中央部領域(A)を幅方向全体にわたり100mm間隔で厚みを測定した際の標準偏差が、1.5μm未満であることが好ましく、0.8μm未満であることがより好ましい。
本発明の複合フィルムは、通常、透明な層であり可視光線を透過させる。特に、中央部領域(A)は、光線透過率が高いことが好ましい。具体的な光線透過率は複合フィルムの用途に応じて適宜選択しうる。例えば、波長420nm〜780nmにおける中央部領域(A)の光線透過率は、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上である。このように高い光線透過率を有することにより、中央部領域(A)を液晶表示装置などの表示装置に実装した場合に、良好な表示品質を得ることができる。
〔2.熱可塑性樹脂A及びB〕
本発明の複合フィルムを構成する熱可塑性樹脂A及びBは、いずれも、脂環式構造含有重合体を含む樹脂である。熱可塑性樹脂A及びBがいずれも脂環式構造含有重合体を含む樹脂であることにより、中央部領域(A)及び側部領域(B)の境界における、これらの領域を構成する材料の高い親和性を得ることができる。
本発明の複合フィルムを構成する熱可塑性樹脂A及びBは、いずれも、脂環式構造含有重合体を含む樹脂である。熱可塑性樹脂A及びBがいずれも脂環式構造含有重合体を含む樹脂であることにより、中央部領域(A)及び側部領域(B)の境界における、これらの領域を構成する材料の高い親和性を得ることができる。
〔2.1.水素化ブロック共重合体[G]〕
好ましい例において、熱可塑性樹脂A及びBの一方又は両方は、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]を有する、2つ以上の重合体ブロック[D]と、鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]、又は単位[I]及び単位[II]の組み合わせを有する1つ以上の重合体ブロック[E]を含む水素化ブロック共重合体[G]を、脂環式構造含有重合体として含む。より好ましくは、熱可塑性樹脂Aのみが水素化ブロック共重合体[G]を含む樹脂であり、熱可塑性樹脂Bはその他の脂環式構造含有重合体含有樹脂である。
好ましい例において、熱可塑性樹脂A及びBの一方又は両方は、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]を有する、2つ以上の重合体ブロック[D]と、鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]、又は単位[I]及び単位[II]の組み合わせを有する1つ以上の重合体ブロック[E]を含む水素化ブロック共重合体[G]を、脂環式構造含有重合体として含む。より好ましくは、熱可塑性樹脂Aのみが水素化ブロック共重合体[G]を含む樹脂であり、熱可塑性樹脂Bはその他の脂環式構造含有重合体含有樹脂である。
〔2.1.1.環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]〕
環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]は、環式炭化水素基含有化合物を重合し、さらに、かかる重合により得られた単位が不飽和結合を有していればその不飽和結合を水素化して得られる構造を有する構造単位である。ただし、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]は、当該構造を有する限りにおいて、どのような製造方法で得られた単位をも含む。
環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]は、環式炭化水素基含有化合物を重合し、さらに、かかる重合により得られた単位が不飽和結合を有していればその不飽和結合を水素化して得られる構造を有する構造単位である。ただし、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]は、当該構造を有する限りにおいて、どのような製造方法で得られた単位をも含む。
環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]は、好ましくは、芳香族ビニル化合物の重合により得られる構造単位である。より具体的には、芳香族ビニル化合物を重合し、その不飽和結合を水素化して得られる構造を有する構造単位(芳香族ビニル化合物水素化物単位[I])である。ただし、芳香族ビニル化合物水素化物単位[I]は、当該構造を有する限りにおいて、どのような製造方法で得られた単位をも含む。
同様に、本願においては、例えばスチレンを重合し、その不飽和結合を水素化して得られる構造を有する構造単位を、スチレン水素化物単位と呼ぶことがある。スチレン水素化物単位も、当該構造を有する限りにおいて、どのような製造方法で得られた単位をも含む。
芳香族ビニル化合物水素化物単位[I]の例としては、以下の構造式(1)で表される構造単位が挙げられる。
同様に、本願においては、例えばスチレンを重合し、その不飽和結合を水素化して得られる構造を有する構造単位を、スチレン水素化物単位と呼ぶことがある。スチレン水素化物単位も、当該構造を有する限りにおいて、どのような製造方法で得られた単位をも含む。
芳香族ビニル化合物水素化物単位[I]の例としては、以下の構造式(1)で表される構造単位が挙げられる。
構造式(1)において、Rcは脂環式炭化水素基を表す。Rcの例を挙げると、シクロヘキシル基等のシクロヘキシル基類;デカヒドロナフチル基類等が挙げられる。
構造式(1)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、鎖状炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、又は、極性基(ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、又はシリル基)で置換された鎖状炭化水素基を表す。中でもR1、R2及びR3としては、耐熱性、低複屈折性及び機械強度等の観点から水素原子及び炭素原子数1〜6個の鎖状炭化水素基であることが好ましい。鎖状炭化水素基としては飽和炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
芳香族ビニル化合物水素化物単位[I]の好ましい具体例としては、下記式(1−1)で表される構造単位が挙げられる。式(1−1)で表される構造単位は、スチレン水素化物単位である。
環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]の例示物において立体異性体を有するものは、そのいずれの立体異性体も使用することができる。環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]は、1種類だけ用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
〔2.1.2.鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]〕
鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]は、鎖状炭化水素化合物を重合し、さらに、かかる重合により得られた単位が不飽和結合を有していればその不飽和結合を水素化して得られる構造を有する構造単位である。ただし、鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]は、当該構造を有する限りにおいて、どのような製造方法で得られた単位をも含む。
鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]は、鎖状炭化水素化合物を重合し、さらに、かかる重合により得られた単位が不飽和結合を有していればその不飽和結合を水素化して得られる構造を有する構造単位である。ただし、鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]は、当該構造を有する限りにおいて、どのような製造方法で得られた単位をも含む。
鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]は、好ましくは、ジエン化合物の重合により得られる構造単位である。より具体的には、ジエン化合物を重合し、さらに、かかる重合により得られた単位が不飽和結合を有していればその不飽和結合を水素化して得られる構造を有する構造単位(ジエン化合物水素化物単位[II])である。但し、ジエン化合物水素化物単位[II]は、当該構造を有する限りにおいて、どのような製造方法で得られた単位をも含む。
同様に、本願においては、例えばイソプレンを重合し、その不飽和結合を水素化して得られる構造を有する構造単位を、イソプレン水素化物単位と呼ぶことがある。イソプレン水素化物単位も、当該構造を有する限りにおいて、どのような製造方法で得られた単位をも含む。
同様に、本願においては、例えばイソプレンを重合し、その不飽和結合を水素化して得られる構造を有する構造単位を、イソプレン水素化物単位と呼ぶことがある。イソプレン水素化物単位も、当該構造を有する限りにおいて、どのような製造方法で得られた単位をも含む。
ジエン化合物水素化物単位[II]は、共役ジエン化合物の重合により得られる構造単位であることが好ましい。より具体的には、鎖状共役ジエン化合物等の共役ジエン化合物を重合し、その不飽和結合を水素化して得られる構造を有することが好ましい。その例としては、以下の構造式(2)で表される構造単位、及び構造式(3)で表される構造単位が挙げられる。
構造式(2)において、R4〜R9は、それぞれ独立に、水素原子、鎖状炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、又は、極性基(ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、又はシリル基)で置換された鎖状炭化水素基を表す。中でもR4〜R9としては、耐熱性、低複屈折性及び機械強度等の観点から水素原子及び炭素原子数1〜6個の鎖状炭化水素基であることが好ましい。鎖状炭化水素基としては飽和炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
構造式(3)において、R10〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、鎖状炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、又は、極性基(ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、又はシリル基)で置換された鎖状炭化水素基を表す。中でもR10〜R15としては、耐熱性、低複屈折性及び機械強度等の観点から水素原子及び炭素原子数1〜6個の鎖状炭化水素基であることが好ましい。鎖状炭化水素基としては飽和炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
ジエン化合物水素化物単位[II]の好ましい具体例としては、下記式(2−1)〜(2−3)で表される構造単位が挙げられる。式(2−1)〜(2−3)で表される構造単位は、イソプレン水素化物単位である。
鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]の例示物において立体異性体を有するものは、そのいずれの立体異性体も使用することができる。鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]は、1種類だけ用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
〔2.1.3.水素化ブロック共重合体[G]の詳細〕
水素化ブロック共重合体[G]は、1分子あたり1つのブロック[E]と、その両端に連結された1分子当たり2つのブロック[D]とを有するトリブロック分子構造を有することが好ましい。すなわち、水素化ブロック共重合体[G]は、1分子あたり1つのブロック[E]と;ブロック[E]の一端に連結され、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]を有する、1分子あたり1つのブロック[D1]と;ブロック[E]の他端に連結され、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]を有する、1分子あたり1つのブロック[D2]と;を含むトリブロック共重合体であることが好ましい。
水素化ブロック共重合体[G]は、1分子あたり1つのブロック[E]と、その両端に連結された1分子当たり2つのブロック[D]とを有するトリブロック分子構造を有することが好ましい。すなわち、水素化ブロック共重合体[G]は、1分子あたり1つのブロック[E]と;ブロック[E]の一端に連結され、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]を有する、1分子あたり1つのブロック[D1]と;ブロック[E]の他端に連結され、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]を有する、1分子あたり1つのブロック[D2]と;を含むトリブロック共重合体であることが好ましい。
上述したトリブロック共重合体としての水素化ブロック共重合体[G]においては、好ましい特性を有する複合フィルムを容易に得る観点から、ブロック[D1]及びブロック[D2]の合計と、ブロック[E]との重量比(D1+D2)/Eが、特定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、重量比(D1+D2)/Eは、好ましくは45/55以上、より好ましくは50/50以上であり、好ましくは89/11以下、より好ましくは86/14以下である。
また、上述したトリブロック共重合体としての水素化ブロック共重合体[G]においては、上記特性を有する複合フィルムを容易に得る観点から、ブロック[D1]とブロック[D2]との重量比D1/D2が、特定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、重量比D1/D2は、好ましくは1以上、より好ましくは3以上、特に好ましくは5以上であり、好ましくは15以下、より好ましくは14以下、特に好ましくは13以下である。
水素化ブロック共重合体[G]の重量平均分子量Mwは、好ましくは50000以上、より好ましくは55000以上、特に好ましくは60000以上であり、好ましくは85000以下、より好ましくは80000以下、特に好ましくは75000以下である。重量平均分子量Mwが前記範囲にあることにより、上記特性を有する複合フィルムを容易に得ることができる。特に、重量平均分子量を小さくすることにより、レターデーションの発現性を効果的に小さくできる。
水素化ブロック共重合体[G]の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.7以下、特に好ましくは1.5以下であり、好ましくは1.0以上である。重量平均分子量Mwが前記範囲にあることにより、重合体粘度を低めて成形性を高めることができる。また、レターデーションの発現性を効果的に小さくできる。
水素化ブロック共重合体[G]の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、テトラヒドロフランを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによって、ポリスチレン換算の値として測定しうる。
ブロック[D1]及びブロック[D2]は、それぞれ独立に、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]のみからなることが好ましいが、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]以外に任意の単位を含みうる。任意の構造単位の例としては、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]以外のビニル化合物に基づく構造単位が挙げられる。ブロック[D]における任意の構造単位の含有率は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
ブロック[E]は、鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]のみからなるか、又は環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]及び鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]のみからなることが好ましいが、単位[I]及び[II]以外に任意の単位を含みうる。任意の構造単位の例としては、単位[I]及び[II]以外のビニル化合物に基づく構造単位が挙げられる。ブロック[E]における任意の構造単位の含有率は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
ブロック[E]が、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]及び鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]を含む場合、ブロック[E]中の単位[I]及び[II]の重量比[I]/[II]は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、特に好ましくは0.3以上であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.4以下、特に好ましくは1.3以下である。
また、水素化ブロック共重合体[G]の分子における、単位[I]及び[II]の重量比[I]/[II]は、好ましくは70/30以上、より好ましくは72/28以上、特に好ましくは74/26以上であり、好ましくは89/11以下、より好ましくは87/13以下、特に好ましくは86/14以下である。単位[I]及び[II]の比率が前記範囲にあることにより、上記特性を有する複合フィルムを容易に得ることができる。
また、水素化ブロック共重合体[G]の分子における、単位[I]及び[II]の重量比[I]/[II]は、好ましくは70/30以上、より好ましくは72/28以上、特に好ましくは74/26以上であり、好ましくは89/11以下、より好ましくは87/13以下、特に好ましくは86/14以下である。単位[I]及び[II]の比率が前記範囲にあることにより、上記特性を有する複合フィルムを容易に得ることができる。
〔2.1.4.水素化ブロック共重合体[G]の製造方法〕
水素化ブロック共重合体[G]の製造方法は、特に限定されず任意の製造方法を採用しうる。水素化ブロック共重合体[G]は、例えば、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]及び鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]に対応する単量体を用意し、これらを重合させ、得られた重合体[F]を水素化することにより製造しうる。
水素化ブロック共重合体[G]の製造方法は、特に限定されず任意の製造方法を採用しうる。水素化ブロック共重合体[G]は、例えば、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]及び鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]に対応する単量体を用意し、これらを重合させ、得られた重合体[F]を水素化することにより製造しうる。
環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]を与えうる単量体としては、芳香族ビニル化合物を用いうる。その例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−プロピルスチレン、α−イソプロピルスチレン、α−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン、及び4−フェニルスチレン等のスチレン類;ビニルシクロヘキサン、及び3−メチルイソプロペニルシクロヘキサン等のビニルシクロヘキサン類;並びに4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、及び2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン等のビニルシクロヘキセン類が挙げられる。これらの単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]を与えうる単量体の例としては、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、及び1,3−ヘキサジエン等の鎖状共役ジエン類が挙げられる。これらの単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合の反応様式としては、通常、アニオン重合を採用しうる。また、重合は、塊状重合や、溶液重合等のいずれで行ってもよい。中でも、重合反応と水素化反応とを連続して行うためには、溶液重合が好ましい。
重合反応に際し用いる溶媒の例としては、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、及びイソオクタン等の脂肪族炭化水素溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、及びデカリン等の脂環式炭化水素溶媒;並びにベンゼン及びトルエン等の芳香族炭化水素溶媒;が挙げられる。中でも脂肪族炭化水素溶媒及び脂環式炭化水素溶媒を用いると、水素化反応にも不活性な溶媒としてそのまま使用することができ、好ましい。
溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
溶媒は、通常、全単量体100重量部に対して200〜10,000重量部となるような割合で用いられる。
溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
溶媒は、通常、全単量体100重量部に対して200〜10,000重量部となるような割合で用いられる。
重合の際、通常は重合開始剤を使用する。重合開始剤の例としては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、及びフェニルリチウム等のモノ有機リチウム;並びにジリチオメタン、1,4−ジオブタン、及び1,4−ジリチオー2−エチルシクロヘキサン等の多官能性有機リチウム化合物が挙げられる。重合開始剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
水素化ブロック共重合体[G]として、ブロック[D1]、ブロック[D2]及びブロック[E]を含むトリブロック共重合体を製造する場合における、水素化前の重合体[F]の製造方法の例としては、下記の第一工程〜第三工程を含む製造方法が挙げられる。ここで、「モノマー組成物」と称する材料は、2種類以上の物質の混合物のみならず、単一の物質のみからなる材料をも包含する。
第一工程:環式炭化水素基含有化合物を含有するモノマー組成物(d1)を重合させて、ブロック[D1]に対応するブロック[d1]を形成する工程。
第二工程:かかるブロック[d1]の一端において、鎖状炭化水素化合物を含有するか、又は環式炭化水素基含有化合物及び鎖状炭化水素化合物を含有するモノマー組成物(e)を重合させて、ブロック[E]に対応するブロック[e]を形成し、ジブロックの重合体を形成する工程。
第三工程:かかるジブロックの重合体の、ブロック[e]側の末端において、環式炭化水素基含有化合物を含有するモノマー組成物(d2)を重合させて、トリブロック共重合体[F]を得る工程。ただし、モノマー組成物(d1)とモノマー組成物(d2)とは、同一でも異なっていてもよい。
第二工程:かかるブロック[d1]の一端において、鎖状炭化水素化合物を含有するか、又は環式炭化水素基含有化合物及び鎖状炭化水素化合物を含有するモノマー組成物(e)を重合させて、ブロック[E]に対応するブロック[e]を形成し、ジブロックの重合体を形成する工程。
第三工程:かかるジブロックの重合体の、ブロック[e]側の末端において、環式炭化水素基含有化合物を含有するモノマー組成物(d2)を重合させて、トリブロック共重合体[F]を得る工程。ただし、モノマー組成物(d1)とモノマー組成物(d2)とは、同一でも異なっていてもよい。
それぞれの重合体ブロックを重合する際には、各ブロック内で、ある1成分の連鎖が過度に長くなることを防止するために、重合促進剤及びランダマイザーを使用しうる。例えば重合をアニオン重合により行う場合には、ルイス塩基化合物をランダマイザーとして使用しうる。ルイス塩基化合物の具体例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、及びエチレングリコールメチルフェニルエーテル等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、及びピリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミルオキシド、及びカリウム−t−ブチルオキシド等のアルカリ金属アルコキシド化合物;並びにトリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合温度は重合が進行する限り制限は無いが、通常0℃以上、好ましくは20℃以上であり、通常200℃以下、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下である。
重合後は、必要であれば任意の方法により反応混合物から重合体[F]を回収しうる。回収方法の例としては、スチームストリッピング法、直接脱溶媒法、及びアルコール凝固法が挙げられる。また、重合時に水素化反応に不活性な媒体を溶媒として用いた場合は、重合溶液から重合体を回収せず、そのまま水素化工程に供することができる。
重合体[F]を水素化し重合体[G]とする方法に制限は無く、任意の方法を採用しうる。水素化は、例えば、適切な水素化触媒を用いて行いうる。より具体的には、有機溶媒中で、ニッケル、コバルト、鉄、ロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、及びレニウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属を含む水素化触媒を用いて、水素化を行いうる。水素化触媒は、不均一系触媒であってもよく、均一系触媒であってもよい。水素化触媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
不均一系触媒は、金属または金属化合物のままで用いてもよく、適切な担体に担持させて用いてもよい。担体の例としては、活性炭、シリカ、アルミナ、炭化カルシウム、チタニア、マグネシア、ジルコニア、ケイソウ土、及び炭化珪素が挙げられる。担体における触媒の担持量は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上であり、通常80重量%以下、好ましくは60重量%以下である。
均一系触媒の例としては、ニッケル、コバルト、又は鉄の化合物と有機金属化合物(例えば、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物)とを組み合わせた触媒;並びにロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、及びレニウム等の有機金属錯体触媒が挙げられる。ニッケル、コバルト、又は鉄の化合物の例としては、これらの金属のアセチルアセトン塩、ナフテン酸塩、シクロペンタジエニル化合物、及びシクロペンタジエニルジクロロ化合物が挙げられる。有機アルミニウム化合物の例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等のハロゲン化アルミニウム;並びにジイソブチルアルミニウムハイドライド等の水素化アルキルアルミニウムが挙げられる。
有機金属錯体触媒の例としては、例えば、上記各金属のγ−ジクロロ−π−ベンゼン錯体、ジクロロ−トリス(トリフェニルホスフィン)錯体、ヒドリド−クロロ−トリフェニルホスフィン)錯体等の金属錯体が挙げられる。
水素化触媒の使用量は、重合体100重量部に対して、通常0.01重量部以上、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上であり、通常100重量部以下、好ましくは50重量部以下、より好ましくは30重量部以下である。
均一系触媒の例としては、ニッケル、コバルト、又は鉄の化合物と有機金属化合物(例えば、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物)とを組み合わせた触媒;並びにロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、及びレニウム等の有機金属錯体触媒が挙げられる。ニッケル、コバルト、又は鉄の化合物の例としては、これらの金属のアセチルアセトン塩、ナフテン酸塩、シクロペンタジエニル化合物、及びシクロペンタジエニルジクロロ化合物が挙げられる。有機アルミニウム化合物の例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等のハロゲン化アルミニウム;並びにジイソブチルアルミニウムハイドライド等の水素化アルキルアルミニウムが挙げられる。
有機金属錯体触媒の例としては、例えば、上記各金属のγ−ジクロロ−π−ベンゼン錯体、ジクロロ−トリス(トリフェニルホスフィン)錯体、ヒドリド−クロロ−トリフェニルホスフィン)錯体等の金属錯体が挙げられる。
水素化触媒の使用量は、重合体100重量部に対して、通常0.01重量部以上、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上であり、通常100重量部以下、好ましくは50重量部以下、より好ましくは30重量部以下である。
水素化反応の際の反応温度は、通常10℃〜250℃であるが、水素化率を高くでき、且つ、重合体鎖切断反応を小さくできるという理由から、好ましくは50℃以上、より好ましくは80℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。また、反応時の圧力は、通常0.1MPa〜30MPaであるが、上記理由に加え、操作性の観点から、好ましくは1MPa以上、より好ましくは2MPa以上であり、好ましくは20MPa以下、より好ましくは10MPa以下である。
水素化率は、通常90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上である。水素化率を高くすることにより、水素化ブロック共重合体[G]の低複屈折性及び熱安定性等を高めることができる。水素化率は1H−NMRにより測定できる。
水素化率は、通常90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上である。水素化率を高くすることにより、水素化ブロック共重合体[G]の低複屈折性及び熱安定性等を高めることができる。水素化率は1H−NMRにより測定できる。
〔2.2.水素化ブロック共重合体[G]以外の任意の成分〕
熱可塑性樹脂A及び/又はBは、水素化ブロック共重合体[G]等の脂環式構造含有重合体のみからなってもよいが、それ以外に任意の成分を含んでいてもよい。
任意の成分としては、例えば、無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;及び帯電防止剤が挙げられる。これらの任意の成分としては、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。ただし、本発明の効果を顕著に発揮させる観点からは、任意の成分の含有割合は少ないことが好ましい。例えば、任意の成分の合計の割合は、脂環式構造含有重合体の100重量部に対して、10重量部以下が好ましく、5重量部以下がより好ましく、3重量部以下が更に好ましい。
熱可塑性樹脂A及び/又はBは、水素化ブロック共重合体[G]等の脂環式構造含有重合体のみからなってもよいが、それ以外に任意の成分を含んでいてもよい。
任意の成分としては、例えば、無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;及び帯電防止剤が挙げられる。これらの任意の成分としては、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。ただし、本発明の効果を顕著に発揮させる観点からは、任意の成分の含有割合は少ないことが好ましい。例えば、任意の成分の合計の割合は、脂環式構造含有重合体の100重量部に対して、10重量部以下が好ましく、5重量部以下がより好ましく、3重量部以下が更に好ましい。
〔2.3.その他の脂環式構造含有重合体〕
熱可塑性樹脂Bは、少なくともフィルムにした際の引裂強度が異なる点において、熱可塑性樹脂Aとは異なる材料である。熱可塑性樹脂Bとしては、脂環式構造含有重合体を含む樹脂のうち、本発明の要件を満たす複合フィルムを与えうるものを採用しうる。
熱可塑性樹脂Bは、少なくともフィルムにした際の引裂強度が異なる点において、熱可塑性樹脂Aとは異なる材料である。熱可塑性樹脂Bとしては、脂環式構造含有重合体を含む樹脂のうち、本発明の要件を満たす複合フィルムを与えうるものを採用しうる。
熱可塑性樹脂A及び/又はBが上に述べた水素化ブロック共重合体[G]を含む樹脂以外の樹脂である場合における熱可塑性樹脂の具体例としては、以下に説明する脂環式構造含有重合体含有樹脂が挙げられる。
脂環式構造含有重合体は、繰り返し単位中に脂環式構造を有する重合体であり、主鎖中に脂環式構造を含有する重合体及び側鎖に脂環式構造を含有する重合体のいずれも用いることができる。脂環式構造含有重合体は、結晶性の樹脂及び非晶性の樹脂を含むが、本発明の所望の効果を得る観点及び製造コストの観点からは、非晶性の樹脂が好ましい。
脂環式構造含有重合体は、繰り返し単位中に脂環式構造を有する重合体であり、主鎖中に脂環式構造を含有する重合体及び側鎖に脂環式構造を含有する重合体のいずれも用いることができる。脂環式構造含有重合体は、結晶性の樹脂及び非晶性の樹脂を含むが、本発明の所望の効果を得る観点及び製造コストの観点からは、非晶性の樹脂が好ましい。
脂環式構造としては、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造等が挙げられるが、熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。
1つの脂環式構造の繰り返し単位を構成する炭素数に特に制限はないが、通常4個〜30個、好ましくは5個〜20個、より好ましくは6個〜15個である。
脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は使用目的に応じて適宜選択されるが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位をこのように多くすることで、基材フィルムの耐熱性を高めることができる。
脂環式構造含有重合体は、具体的には、(1)ノルボルネン重合体、(2)単環の環状オレフィン重合体、(3)環状共役ジエン重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物などが挙げられる。これらの中でも、透明性及び成形性の観点から、ノルボルネン重合体及びこれらの水素化物がより好ましい。
ノルボルネン重合体としては、例えば、ノルボルネンモノマーの開環重合体、ノルボルネンモノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素化物;ノルボルネンモノマーの付加重合体、ノルボルネンモノマーと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、ノルボルネンモノマーの開環重合体水素化物が特に好ましい。
上記の脂環式構造含有重合体は、例えば特開2002−321302号公報に開示されている重合体から選ばれる。
上記の脂環式構造含有重合体は、例えば特開2002−321302号公報に開示されている重合体から選ばれる。
脂環式構造含有重合体は、そのガラス転移温度が、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃〜250℃である。ガラス転移温度がこのような範囲にある脂環式構造含有重合体は、高温下での使用における変形及び応力が生じ難く、耐久性に優れる。
脂環式構造含有重合体の分子量は、溶媒としてシクロヘキサン(樹脂が溶解しない場合にはトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)で測定したポリイソプレン換算(溶媒がトルエンのときは、ポリスチレン換算)の重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜100,000、好ましくは25,000〜80,000、より好ましくは25,000〜50,000である。重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、基材フィルムの機械的強度及び成形加工性が高度にバランスされる。
脂環式構造含有重合体の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、通常1〜10、好ましくは1〜4、より好ましくは1.2〜3.5である。
脂環式構造含有重合体を含む樹脂は、脂環式構造含有重合体のみからなってもよいが、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意の配合剤を含んでもよい。樹脂中の、脂環式構造含有重合体の割合は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。
脂環式構造含有重合体を含む樹脂としては、様々な商品が市販されているので、それらのうち、所望の特性を有するものを適宜選択し、樹脂A及び/又はBとして使用しうる。かかる市販品の例としては、商品名「ZEONOR」(日本ゼオン株式会社製)の製品群が挙げられる。
〔3.複合フィルムの製造方法〕
本発明の複合フィルムの製造方法は、特に限定されず、任意の製造方法を採用しうる。例えば、樹脂A〜樹脂Bを調製し、これらを所望の形状に成形することにより、本発明の複合フィルムを製造しうる。樹脂A〜樹脂Bを成形するための成形方法の好ましい例としては、共押出による押出成形が挙げられる。押出成形を行うことにより、所望の領域寸法を有する複合フィルムを効率的に製造することができる。
本発明の複合フィルムの製造方法は、特に限定されず、任意の製造方法を採用しうる。例えば、樹脂A〜樹脂Bを調製し、これらを所望の形状に成形することにより、本発明の複合フィルムを製造しうる。樹脂A〜樹脂Bを成形するための成形方法の好ましい例としては、共押出による押出成形が挙げられる。押出成形を行うことにより、所望の領域寸法を有する複合フィルムを効率的に製造することができる。
共押出成形を行う際の樹脂の温度(以下、適宜「押出温度」ということがある。)は、特に限定されず、それぞれの樹脂を溶融させうる温度であって、成形に適した温度を適宜設定しうる。具体的には、Ts[A]及びTs[B]のうちの高い方Ts[H]を基準に設定しうる。より具体的には、好ましくは(Ts[H]+90)℃以上、より好ましくは(Ts[H]+100)℃以上であり、一方、好ましくは(Ts[H]+170)℃以下、より好ましくは(Ts[H]+160)℃以下である。
押出成形を行うための押出装置としては、熱可塑性樹脂Aの流路(A1)、熱可塑性樹脂Bの流路(B)及び熱可塑性樹脂Aの流路(A2)を、この順に、複合フィルムの幅方向に対応する方向に配列した状態で備える押出装置を用いうる。このような押出装置から、熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bを押し出すことにより、熱可塑性樹脂Bの中央部領域(A)と、その両側の側部に設けられた熱可塑性樹脂Aの側部領域(B)とを備える、長尺フィルム状の押出成形物を得ることができる。押出装置の具体例としては、特開2014−177004号公報に記載される装置が挙げられる。
得られた押出成形物は、そのまま本発明の複合フィルムとしうる。又は、この樹脂フィルムを、さらに任意の処理に供し、それにより得られたものを本発明の複合フィルムとしうる。任意の処理としては、押出成形物の側部領域の一部又は全部のトリミング、延伸等の操作が挙げられる。
本発明の複合フィルムは、その製造又は使用において、任意の処理として、押出成形物の幅方向端部をクリップで把持して、搬送、加熱及び延伸等のハンドリングを行う処理を行う場合、本発明の利益を特に良好に享受することができる。そのようなハンドリングを行うためのクリップは、装置使用による衝撃等のためその把持面に変形が生じることがあり、かかる変形により把持面に突起が生じる場合がある。押出成形物が、かかる突起により接触すると、押出成形物に孔が空き、かかる孔を起点として破断が生じる場合がある。しかしながら、本発明の複合フィルムの製造又は使用においては、特定の中央部領域(A)及び側部領域(B)の構造に起因し、そのような破断の発生を抑制することができる。したがって、本発明の複合フィルムは、その製造及び使用におけるコストを低減することができ有用である。
延伸フィルムである複合フィルムは、具体的には、上に述べた方法等の方法により得た押出成形物を、必要に応じてトリミング等の操作に供した後、少なくとも1の方向に延伸する延伸工程を含む製造方法により製造しうる。水素化ブロック共重合体[G]が含む構造単位の割合を適切に調整することにより、延伸によりフィルムに発現するレターデーションを小さくすることが可能である。よって、好ましいReA及びReBの関係を満たす複合フィルムを容易に製造することが可能となるので、製造の効率を向上させることができる。
複合フィルムとして延伸フィルムを製造する場合の押出成形物の延伸条件は、上述した複合フィルムが得られるよう適切に調整しうる。延伸処理において行う延伸は、一軸延伸、二軸延伸、又はその他の延伸としうる。延伸方向は、任意の方向に設定しうる。例えば、延伸方向は、押出成形物の長手方向、幅方向、及びそれ以外の斜め方向のいずれであってもよい。二軸延伸を行う場合の2の延伸方向がなす角度は、通常は互いに直交する角度としうるが、それに限らず任意の角度としうる。二軸延伸は、逐次二軸延伸であってもよく、同時二軸延伸であってもよい。
好ましい例において、押出成形物の延伸は、押出成形物の幅方向端部をクリップで把持し、幅方向又は斜め方向に延伸することを含む。このような延伸を行う場合、上に述べた理由により、本発明の利益を特に良好に享受することができる。
押出成形物の延伸を行う際の延伸温度は、Ts[A]を基準に設定しうる。具体的には、好ましくは(Ts[A]+15)℃以上、より好ましくは(Ts[A]+20)℃以上であり、一方、好ましくは(Ts[A]+90)℃以下、より好ましくは(Ts[A]+70)℃以下である。延伸温度が前記の温度範囲に収まることにより、上記特性を有する複合フィルムとしての延伸フィルムを容易に得ることができる。
押出成形物の延伸を行う際の延伸倍率は、好ましくは1.01倍以上、より好ましくは1.05倍以上、特に好ましくは1.10倍以上であり、好ましくは2.00倍以下、より好ましくは1.70倍以下、特に好ましくは1.50倍以下である。延伸倍率が前記の温度範囲に収まることにより、上記特性を有する複合フィルムとしての延伸フィルムを容易に得ることができる。二軸延伸の場合は、2の延伸方向それぞれの倍率をこの範囲内としうる。
〔4.複合フィルムの用途:偏光板及び表示装置〕
本発明の複合フィルムは、表示装置等の光学的な装置の材料として用いうる。具体的には、複合フィルムから、その中央部領域(A)を切り出し、これを、他の部材と組み合わせて、偏光板等の光学的な部品を構成しうる。
本発明の複合フィルムは、表示装置等の光学的な装置の材料として用いうる。具体的には、複合フィルムから、その中央部領域(A)を切り出し、これを、他の部材と組み合わせて、偏光板等の光学的な部品を構成しうる。
長尺の複合フィルムから中央部領域(A)を切り出す態様は、特に限定されず、どのような態様であってもよい。例えば、長尺のフィルムの中央部領域(A)から、表示装置の表示面の形状に適合した矩形のフィルムを直接切り出しうる。又は、長尺のフィルムの側部領域(B)をトリミングして、中央部領域(A)のみからなるか又は中央部領域(A)及び細い側部領域(B)を備える長尺のフィルムとし、これをフィルムロールとして保存し、このフィルムロールから、表示装置の表示面の形状に適合した矩形のフィルムを切り出してもよい。フィルムロールにおいては、中央部領域(A)を含むフィルムに、必要に応じてマスキングフィルムを重ね合わせて、フィルムのブロッキングを抑制してもよい。
複合フィルムの使用に先立って、複合フィルムの表面には、任意の層を設けうる。任意の層の例としては、フィルムの表面硬度を高めるハードコート層、フィルムの滑り性を良くするマット層、及び反射防止層が挙げられる。
本発明の複合フィルムは、液晶表示装置などの表示装置において他の層を保護する保護フィルムを形成する材料として好適に用いうる。中でも、本発明の複合フィルムの中央部領域(A)は、偏光子保護フィルムとして好適であり、表示装置の最外表面に位置する偏光子保護フィルムとして特に好適である。
本発明の偏光板は、前記本発明の複合フィルムの中央部領域(A)と偏光子とを備える。本発明の偏光板において、複合フィルムの中央部領域(A)は、偏光子保護フィルムとして機能しうる。複合フィルムの中央部領域(A)は、複合フィルムから切り出された任意の形状のフィルムとしうる。切り出されたフィルムは、通常は中央部領域(A)のみからなるが、偏光板として用いうる限りにおいて、側部領域(B)を含んでいてもよい。本発明の偏光板はさらに、複合フィルムから切り出されたフィルムと偏光子との間に、これらを接着するための接着剤層を備えてもよい。
偏光子は、特に限定されず、任意の偏光子を用いうる。偏光子の例としては、ポリビニルアルコールフィルムに、ヨウ素、二色性染料等の材料を吸着させた後、延伸加工したものが挙げられる。接着剤層を構成する接着剤としては、各種の重合体をベースポリマーとしたものが挙げられる。かかるベースポリマーの例としては、例えば、アクリル重合体、シリコーン重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、及び合成ゴムが挙げられる。
偏光板が備える偏光子と保護フィルムの数は任意であるが、本発明の偏光板は、通常は、1層の偏光子と、その両面に設けられた2層の保護フィルムを備えうる。かかる2層の保護フィルムのうち、両方が本発明の複合フィルムから切り出されたフィルムであってもよく、どちらか一方のみが本発明の複合フィルムから切り出されたフィルムであってもよい。
本発明の表示装置は、前記本発明の複合フィルムの中央部領域(A)を備える。本発明の表示装置は、好ましくは、複合フィルムの中央部領域(A)として、前記本発明の偏光板を備えうる。
本発明の表示装置は、好ましくは液晶表示装置である。液晶表示装置としては、例えば、インプレーンスイッチング(IPS)モード、バーチカルアラインメント(VA)モード、マルチドメインバーチカルアラインメント(MVA)モード、コンティニュアスピンホイールアラインメント(CPA)モード、ハイブリッドアラインメントネマチック(HAN)モード、ツイステッドネマチック(TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(STN)モード、オプチカルコンペンセイテッドベンド(OCB)モードなどの駆動方式の液晶セルを備える液晶表示装置が挙げられる。
本発明の表示装置が液晶表示装置である場合、偏光板は、液晶セルに入射する光及び液晶セルから出射する光のうち、所望の特定の偏光のみを透過させるための層として設けうる。偏光板はまた、外光の反射防止のための構成要素の一部として設けうる。
本発明の表示装置は、好ましくは液晶表示装置である。液晶表示装置としては、例えば、インプレーンスイッチング(IPS)モード、バーチカルアラインメント(VA)モード、マルチドメインバーチカルアラインメント(MVA)モード、コンティニュアスピンホイールアラインメント(CPA)モード、ハイブリッドアラインメントネマチック(HAN)モード、ツイステッドネマチック(TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(STN)モード、オプチカルコンペンセイテッドベンド(OCB)モードなどの駆動方式の液晶セルを備える液晶表示装置が挙げられる。
本発明の表示装置が液晶表示装置である場合、偏光板は、液晶セルに入射する光及び液晶セルから出射する光のうち、所望の特定の偏光のみを透過させるための層として設けうる。偏光板はまた、外光の反射防止のための構成要素の一部として設けうる。
本発明の表示装置はまた、有機エレクトロルミネッセンス表示装置であってもよい。この場合においては、例えば、前記本発明の複合フィルムの中央部領域(A)を備える偏光板が、外光の反射防止のための構成要素の一部として設けられる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温及び常圧の条件において行った。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温及び常圧の条件において行った。
〔評価方法〕
〔重量平均分子量及び数平均分子量〕
重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)システム(東ソー社製「HLC−8320」)を用いて、ポリスチレン換算値として測定した。測定の際、カラムとしてはHタイプカラム(東ソー社製)を用い、溶媒としてはテトラヒドロフランを用いた。また、測定時の温度は、40℃であった。
また、重合体の合成途中の重合添加率の測定は、GPC及びガスクロマトグラフィーにより適宜行った。
〔重量平均分子量及び数平均分子量〕
重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)システム(東ソー社製「HLC−8320」)を用いて、ポリスチレン換算値として測定した。測定の際、カラムとしてはHタイプカラム(東ソー社製)を用い、溶媒としてはテトラヒドロフランを用いた。また、測定時の温度は、40℃であった。
また、重合体の合成途中の重合添加率の測定は、GPC及びガスクロマトグラフィーにより適宜行った。
〔水素化ブロック共重合体の水素化率〕
重合体の水素添加率は、オルトジクロロベンゼン−d4を溶媒として、145℃で、1H−NMR測定により測定した。
重合体の水素添加率は、オルトジクロロベンゼン−d4を溶媒として、145℃で、1H−NMR測定により測定した。
〔熱軟化温度Ts〕
測定対象の樹脂を5mm×20mm×50μmのフィルムに成形し試料とした。測定装置として、TMA/SS7100(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用いた。TMA(熱機械的分析)測定において、試料の長手方向に50mNの張力を加えた状態で、温度を変化させた。試料長さが3%変化した時の温度(℃)を、熱軟化温度とした。
測定対象の樹脂を5mm×20mm×50μmのフィルムに成形し試料とした。測定装置として、TMA/SS7100(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用いた。TMA(熱機械的分析)測定において、試料の長手方向に50mNの張力を加えた状態で、温度を変化させた。試料長さが3%変化した時の温度(℃)を、熱軟化温度とした。
〔面内位相差、厚み方向位相差及び側部領域(B)の幅方向広さ〕
位相差測定装置(大塚電子社製 製品名「RE」)を用いて、連続的に搬送されるフィルムの面内位相差Re及び厚み方向位相差Rthを測定した。測定波長は550nmとした。測定は、測定点を複合フィルム幅方向の全幅にわたり5mm間隔で移動させ、多数の測定点において行った。中央部領域(A)と側部領域(B)との間の遷移領域においてRthの勾配が存在する領域において、勾配の中央の値を示す測定点に相当する位置を求め、かかる位置を、複合フィルムの側部領域(B)と中央部領域(A)との境界とし、これに基づき、側部領域(B)の幅方向広さLB、及び複合フィルム全体の幅方向広さLに対するLBの割合の百分率Lb(%)を求めた。中央部領域(A)内の測定点における測定結果の平均をReA及びRthA、側部領域(B)内の測定点における測定結果の平均をReB及びRthBとした。
位相差測定装置(大塚電子社製 製品名「RE」)を用いて、連続的に搬送されるフィルムの面内位相差Re及び厚み方向位相差Rthを測定した。測定波長は550nmとした。測定は、測定点を複合フィルム幅方向の全幅にわたり5mm間隔で移動させ、多数の測定点において行った。中央部領域(A)と側部領域(B)との間の遷移領域においてRthの勾配が存在する領域において、勾配の中央の値を示す測定点に相当する位置を求め、かかる位置を、複合フィルムの側部領域(B)と中央部領域(A)との境界とし、これに基づき、側部領域(B)の幅方向広さLB、及び複合フィルム全体の幅方向広さLに対するLBの割合の百分率Lb(%)を求めた。中央部領域(A)内の測定点における測定結果の平均をReA及びRthA、側部領域(B)内の測定点における測定結果の平均をReB及びRthBとした。
〔引張弾性率〕
JIS K7127に準拠して引張弾性率を測定した。測定対象の樹脂を100μmの延伸前フィルムに成形し、試験片タイプ1Bのダンベル形状に打ち抜き測定試料とした。測定装置として、恒温恒湿槽付の引張試験機(インストロン社製「5564型」)を用いた。また、引張速度は、20mm/min、引張ひずみ0.3%〜1%の範囲で弾性率を算出した。
JIS K7127に準拠して引張弾性率を測定した。測定対象の樹脂を100μmの延伸前フィルムに成形し、試験片タイプ1Bのダンベル形状に打ち抜き測定試料とした。測定装置として、恒温恒湿槽付の引張試験機(インストロン社製「5564型」)を用いた。また、引張速度は、20mm/min、引張ひずみ0.3%〜1%の範囲で弾性率を算出した。
〔クリップへの貼りつきの評価〕
実施例4〜6及び比較例1〜2では、延伸前フィルムを延伸して複合フィルムを得る工程における、フィルムのクリップへの貼りつきの程度を評価した。
一方実施例1〜3では、得られた複合フィルムをさらに延伸する工程における、フィルムのクリップへの貼りつきの程度を評価した。延伸にはテンター式横延伸機を用い、複合フィルムの両端部をクリップで把持して、複合フィルムを連続的に延伸した。延伸に際し、延伸倍率は1.2倍とした。延伸はオーブン中で行い、延伸温度は170℃とした。
オーブン中で、フィルムのクリップへの貼りつきが発生したものを「不良」、発生しなかったものを「良」と評価した。
実施例4〜6及び比較例1〜2では、延伸前フィルムを延伸して複合フィルムを得る工程における、フィルムのクリップへの貼りつきの程度を評価した。
一方実施例1〜3では、得られた複合フィルムをさらに延伸する工程における、フィルムのクリップへの貼りつきの程度を評価した。延伸にはテンター式横延伸機を用い、複合フィルムの両端部をクリップで把持して、複合フィルムを連続的に延伸した。延伸に際し、延伸倍率は1.2倍とした。延伸はオーブン中で行い、延伸温度は170℃とした。
オーブン中で、フィルムのクリップへの貼りつきが発生したものを「不良」、発生しなかったものを「良」と評価した。
〔製造例1〕
(P1−1.ブロック共重合体[F1]の製造)
十分に乾燥し窒素置換した、攪拌装置を備えたステンレス鋼製反応器に、脱水シクロヘキサン320部、スチレン55部、及びジ−n−ブチルエーテル0.38部を仕込み、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム溶液(15重量%含有ヘキサン溶液)0.56部を添加して第1段階の重合反応を開始した。さらに、撹拌しながら60℃で60分反応させた。この時点での重合転化率は99.5%であった。反応温度は、反応停止まで60℃を維持した。
次に、反応溶液中に、スチレン20部及びイソプレン20部からなる混合モノマー40部を添加し、引き続き第2段階の重合反応を開始した。第2段階の重合反応開始後1時間の時点で、重合転化率は99.5%であった。
(P1−1.ブロック共重合体[F1]の製造)
十分に乾燥し窒素置換した、攪拌装置を備えたステンレス鋼製反応器に、脱水シクロヘキサン320部、スチレン55部、及びジ−n−ブチルエーテル0.38部を仕込み、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム溶液(15重量%含有ヘキサン溶液)0.56部を添加して第1段階の重合反応を開始した。さらに、撹拌しながら60℃で60分反応させた。この時点での重合転化率は99.5%であった。反応温度は、反応停止まで60℃を維持した。
次に、反応溶液中に、スチレン20部及びイソプレン20部からなる混合モノマー40部を添加し、引き続き第2段階の重合反応を開始した。第2段階の重合反応開始後1時間の時点で、重合転化率は99.5%であった。
その後、さらに、反応混合物にスチレン5部を添加し、引き続き第3段階の重合反応を開始した。第3段階の重合反応開始後1時間の時点で、反応混合物から、試料をサンプリングし分析した結果、重合転化率はほぼ100%であった。その後直ちに、反応混合物にイソプロピルアルコール0.2部を添加して反応を停止させた。これにより、D1−E−D2のトリブロック分子構造を有するブロック共重合体[F1]を含む混合物を得た。
以上の反応では重合反応を十分に進行させたことから、重合転化率は略100%であり、したがってブロックEにおけるSt/Ipの重量比は20/20であると考えられる。
これらの値から、得られたブロック共重合体[F1]は、St−(St/Ip)−St=55−(20/20)−5のトリブロック分子構造を有する重合体であることが分かった。
これらの値から、得られたブロック共重合体[F1]は、St−(St/Ip)−St=55−(20/20)−5のトリブロック分子構造を有する重合体であることが分かった。
(P1−2.水素化ブロック共重合体[G1])
(P1−1)で得られたブロック共重合体[F2]を含む混合物を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として珪藻土担持型ニッケル触媒(製品名「E22U」、ニッケル担持量60%、日揮触媒化成社製)8.0部及び脱水シクロヘキサン100部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度190℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。水素化反応により得られた反応溶液には、水素化ブロック共重合体[G1]が含まれていた。水素化ブロック共重合体[G1]の重量平均分子量(Mw)は76,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.05であった。
(P1−1)で得られたブロック共重合体[F2]を含む混合物を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として珪藻土担持型ニッケル触媒(製品名「E22U」、ニッケル担持量60%、日揮触媒化成社製)8.0部及び脱水シクロヘキサン100部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度190℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。水素化反応により得られた反応溶液には、水素化ブロック共重合体[G1]が含まれていた。水素化ブロック共重合体[G1]の重量平均分子量(Mw)は76,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.05であった。
水素化反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去した後、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名「AO60」、ADEKA社製)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加して溶解し、溶液とした。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で処理し、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去し、溶融した樹脂を得た。これをダイからストランド状に押出し、冷却し、ペレタイザーによりペレットに成形した。これにより、水素化ブロック共重合体[G1]を含む、樹脂[G1]のペレット95部を製造した。
得られた樹脂[G1]における水素化ブロック共重合体[G1]の重量平均分子量(Mw)は77,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.06、水素化率はほぼ100%であった。熱軟化温度Tsは128℃であった。樹脂[G1]について測定した引張弾性率は、1600MPaであった。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で処理し、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去し、溶融した樹脂を得た。これをダイからストランド状に押出し、冷却し、ペレタイザーによりペレットに成形した。これにより、水素化ブロック共重合体[G1]を含む、樹脂[G1]のペレット95部を製造した。
得られた樹脂[G1]における水素化ブロック共重合体[G1]の重量平均分子量(Mw)は77,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.06、水素化率はほぼ100%であった。熱軟化温度Tsは128℃であった。樹脂[G1]について測定した引張弾性率は、1600MPaであった。
〔製造例2〕
(P2−1)ブロック共重合体[F2]の製造
攪拌装置を備え、内部が十分に窒素置換された反応器に、脱水シクロヘキサン270部、脱水スチレン75部及びジ−n−ブチルエーテル7.0部を入れた。全容を60℃で攪拌しながら、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)5.6部を加えて重合を開始させた。引続き全容を60℃で60分間攪拌した。反応温度は、反応停止まで60℃を維持した。
この時点(重合第1段階)での重合転化率は99.4%であった。
(P2−1)ブロック共重合体[F2]の製造
攪拌装置を備え、内部が十分に窒素置換された反応器に、脱水シクロヘキサン270部、脱水スチレン75部及びジ−n−ブチルエーテル7.0部を入れた。全容を60℃で攪拌しながら、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)5.6部を加えて重合を開始させた。引続き全容を60℃で60分間攪拌した。反応温度は、反応停止まで60℃を維持した。
この時点(重合第1段階)での重合転化率は99.4%であった。
次に、反応液に、脱水イソプレン15部を40分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま30分間攪拌を続けた。この時点(重合第2段階)での重合転化率は99.8%であった。
その後、更に、反応液に脱水スチレン10部を、30分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま30分攪拌した。この時点(重合第3段階)での重合転化率はほぼ100%であった。
その後、更に、反応液に脱水スチレン10部を、30分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま30分攪拌した。この時点(重合第3段階)での重合転化率はほぼ100%であった。
ここで、イソプロピルアルコール1.0部を加えて反応を停止させることによって、[D1]−[E]−[D2]型のブロック共重合体[F2]を含む重合体溶液を得た。得られたブロック共重合体[F2]においては、Mw[F4]=82,400、Mw/Mnは1.32、wA:wB=85:15であった。
(P2−2)水素化ブロック共重合体[G2]の製造
(P2−1)で得た重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、珪藻土担持型ニッケル触媒(製品名「E22U」、ニッケル担持量60%、日揮触媒化成社製)4.0部、及び脱水シクロヘキサン30部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度190℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。
水素化反応により得られた反応溶液には、水素化ブロック共重合体[G2]が含まれていた。水素化ブロック共重合体[G2]のMw[G4]は71,800、分子量分布Mw/Mnは1.30、水素化率はほぼ100%であった。
(P2−1)で得た重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、珪藻土担持型ニッケル触媒(製品名「E22U」、ニッケル担持量60%、日揮触媒化成社製)4.0部、及び脱水シクロヘキサン30部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度190℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。
水素化反応により得られた反応溶液には、水素化ブロック共重合体[G2]が含まれていた。水素化ブロック共重合体[G2]のMw[G4]は71,800、分子量分布Mw/Mnは1.30、水素化率はほぼ100%であった。
水素化反応終了後、反応溶液を濾過して水素化触媒を除去した後、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名「AO60」、ADEKA社製)0.3部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加して溶解し、溶液とした。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で処理し、溶液からシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去し、溶融した樹脂を得た。これをダイからストランド状に押出し、冷却し、ペレタイザーによりペレットに成形した。これにより、水素化ブロック共重合体[G2]を含む、樹脂[G2]のペレット95部を製造した。
得られた樹脂[G2]における水素化ブロック共重合体[G2]は、Mw[G2]=68,500、Mw/Mn=1.30、Ts=139℃であった。樹脂[G2]について測定した引張弾性率は、1860MPaであった。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で処理し、溶液からシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去し、溶融した樹脂を得た。これをダイからストランド状に押出し、冷却し、ペレタイザーによりペレットに成形した。これにより、水素化ブロック共重合体[G2]を含む、樹脂[G2]のペレット95部を製造した。
得られた樹脂[G2]における水素化ブロック共重合体[G2]は、Mw[G2]=68,500、Mw/Mn=1.30、Ts=139℃であった。樹脂[G2]について測定した引張弾性率は、1860MPaであった。
〔製造例3〕
(P3−1.ブロック共重合体[F3]の製造)
十分に乾燥し窒素置換した、攪拌装置を備えたステンレス鋼製反応器に、脱水シクロヘキサン256部、脱水スチレン25.0部、及びジ−n−ブチルエーテル0.65部を仕込み、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.82部を添加して重合反応を開始した。さらに、攪拌しながら60℃で60分反応させた。この時点での重合転化率は99.5%であった。反応温度は、反応停止まで60℃を維持した。
次に、反応溶液中に、スチレンモノマー25部とイソプレンモノマー25部からなる混合モノマー50部を150分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま20分間攪拌を続けた。この時点での重合転化率は99.5%であった。その後、更に、脱水スチレンを25.0部加え、60分攪拌した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。次いで、反応液にイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止させ、ブロック共重合体[F3]を含む重合反応溶液を得た。得られたブロック共重合体[F3]の重量平均分子量(Mw)は58,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.03であった。
(P3−1.ブロック共重合体[F3]の製造)
十分に乾燥し窒素置換した、攪拌装置を備えたステンレス鋼製反応器に、脱水シクロヘキサン256部、脱水スチレン25.0部、及びジ−n−ブチルエーテル0.65部を仕込み、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.82部を添加して重合反応を開始した。さらに、攪拌しながら60℃で60分反応させた。この時点での重合転化率は99.5%であった。反応温度は、反応停止まで60℃を維持した。
次に、反応溶液中に、スチレンモノマー25部とイソプレンモノマー25部からなる混合モノマー50部を150分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま20分間攪拌を続けた。この時点での重合転化率は99.5%であった。その後、更に、脱水スチレンを25.0部加え、60分攪拌した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。次いで、反応液にイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止させ、ブロック共重合体[F3]を含む重合反応溶液を得た。得られたブロック共重合体[F3]の重量平均分子量(Mw)は58,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.03であった。
(P3−2.水素化ブロック共重合体[G3]の製造)
(P3−1)で得た重合反応溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒としてシリカ−アルミナ担持型ニッケル触媒(E22U、ニッケル担持量60%;日揮化学工業社製)4.0部及び脱水シクロヘキサン350部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度170℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。
水素化反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去した。ろ液に、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名「AO60」、ADEKA社製)0.1部を溶解したキシレン溶液1.0部を添加して溶解し、溶液とした。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製、製品名「コントロ」)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で処理し、溶液から溶媒であるシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去し、溶融した樹脂を得た。これを濃縮乾燥器に連結した孔径20μmのステンレス製焼結フィルターを備えたポリマーフィルター(富士フィルター社製)により、温度260℃でろ過した後、ダイから溶融ポリマーをストランド状に押出し、冷却し、ペレタイザーによりペレットに成形した。これにより、水素化ブロック共重合体[G3]を含む、樹脂[G3]のペレットを得た。
得られた樹脂[G3]における水素化ブロック共重合体[G3]は、Stと、スチレン由来の繰り返し単位とイソプレン由来の繰り返し単位とが共存するブロック(以下、適宜「St/Ip」という。)と、Ipとからなる3元ブロック共重合体であり、それぞれのブロックの重量比は、St:St/Ip:St=25:25/25:25であった。該ブロック共重合体のMwは59,000、Mw/Mnは1.05、水素化率はほぼ100%、熱軟化温度Tsは110℃であった。樹脂[G3]について測定した引張弾性率は、800MPaであった。
(P3−1)で得た重合反応溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒としてシリカ−アルミナ担持型ニッケル触媒(E22U、ニッケル担持量60%;日揮化学工業社製)4.0部及び脱水シクロヘキサン350部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度170℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。
水素化反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去した。ろ液に、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名「AO60」、ADEKA社製)0.1部を溶解したキシレン溶液1.0部を添加して溶解し、溶液とした。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製、製品名「コントロ」)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で処理し、溶液から溶媒であるシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去し、溶融した樹脂を得た。これを濃縮乾燥器に連結した孔径20μmのステンレス製焼結フィルターを備えたポリマーフィルター(富士フィルター社製)により、温度260℃でろ過した後、ダイから溶融ポリマーをストランド状に押出し、冷却し、ペレタイザーによりペレットに成形した。これにより、水素化ブロック共重合体[G3]を含む、樹脂[G3]のペレットを得た。
得られた樹脂[G3]における水素化ブロック共重合体[G3]は、Stと、スチレン由来の繰り返し単位とイソプレン由来の繰り返し単位とが共存するブロック(以下、適宜「St/Ip」という。)と、Ipとからなる3元ブロック共重合体であり、それぞれのブロックの重量比は、St:St/Ip:St=25:25/25:25であった。該ブロック共重合体のMwは59,000、Mw/Mnは1.05、水素化率はほぼ100%、熱軟化温度Tsは110℃であった。樹脂[G3]について測定した引張弾性率は、800MPaであった。
〔実施例1〕
(1−1.押出成形物)
目開き3μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを備える、ダブルフライト型単軸押出機(スクリューの直径D=50mm、スクリューの長さLとスクリューの直径Dとの比L/D=28)を用意した。この単軸押出機に、熱可塑性樹脂Aとして、製造例1で得た樹脂[G1]を導入し、溶融させて、フィードブロックの幅方向両端部に供給し、その後単層ダイに供給した。単軸押出機への樹脂[G1]の導入は、単軸押出機に装填されたホッパーを介して行った。また、前記の単層ダイのダイスリップの表面粗さ(算術平均粗さRa)は、0.1μmであった。
(1−1.押出成形物)
目開き3μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを備える、ダブルフライト型単軸押出機(スクリューの直径D=50mm、スクリューの長さLとスクリューの直径Dとの比L/D=28)を用意した。この単軸押出機に、熱可塑性樹脂Aとして、製造例1で得た樹脂[G1]を導入し、溶融させて、フィードブロックの幅方向両端部に供給し、その後単層ダイに供給した。単軸押出機への樹脂[G1]の導入は、単軸押出機に装填されたホッパーを介して行った。また、前記の単層ダイのダイスリップの表面粗さ(算術平均粗さRa)は、0.1μmであった。
他方、目開き3μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを備える単軸押出機(スクリューの直径D=50mm、スクリューの長さLとスクリューの直径Dとの比L/D=30)1台を用意した。この単軸押出機に、熱可塑性樹脂Bとして、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂[Z1](日本ゼオン社製、商品名「ゼオノア」、熱軟化温度128℃、引張弾性率2300MPa)を導入し、溶解させて、フィードブロックの幅方向中央部に供給し、前記の単層ダイに供給した。
熱可塑性樹脂A及びBを、250℃の溶融状態で単層ダイから吐出させ(共押出成形工程)、それにより、フィルム状の形状を有し、熱可塑性樹脂Aの中央部領域(A)と、中央部領域(A)の両側の側部に設けられた熱可塑性樹脂Bの側部領域(B)を備える溶融樹脂を連続的に成形した。
フィルム状の溶融樹脂を、冷却ロールにキャストして冷却した。キャストに際しては、エアギャップ量は40mmに設定した。また、キャストの方法としては、エッジピニングを採用した。これにより、長尺のフィルム状の押出成形物を得た。得られた押出成形物は、熱可塑性樹脂Aの中央部領域(A)と、中央部領域(A)の両側の側部に設けられた熱可塑性樹脂Bの側部領域(B)を備える、幅方向広さ2300mmのフィルムであった。
フィルム状の溶融樹脂を、冷却ロールにキャストして冷却した。キャストに際しては、エアギャップ量は40mmに設定した。また、キャストの方法としては、エッジピニングを採用した。これにより、長尺のフィルム状の押出成形物を得た。得られた押出成形物は、熱可塑性樹脂Aの中央部領域(A)と、中央部領域(A)の両側の側部に設けられた熱可塑性樹脂Bの側部領域(B)を備える、幅方向広さ2300mmのフィルムであった。
(1−2.複合フィルム)
(1−1)で得た押出成形物の両端をトリミングして、幅方向広さ2200mmの長尺の複合フィルムを得て、これについて評価を行った。この複合フィルムの厚みは、50μmであった。(側部領域(B))/(中央部領域(A))/(側部領域(B))の幅方向広さは、10mm/2180mm/10mmであった。中央部領域(A)の面内位相差ReAは1.1nm、厚み方向位相差RthAは0.2nmであった。側部領域(B)の面内位相差ReBは1.2nm、厚み方向位相差RthBは7.3nmであった。複合フィルムの、クリップへの貼りつきの評価結果は、表1に示す通りであった。
(1−1)で得た押出成形物の両端をトリミングして、幅方向広さ2200mmの長尺の複合フィルムを得て、これについて評価を行った。この複合フィルムの厚みは、50μmであった。(側部領域(B))/(中央部領域(A))/(側部領域(B))の幅方向広さは、10mm/2180mm/10mmであった。中央部領域(A)の面内位相差ReAは1.1nm、厚み方向位相差RthAは0.2nmであった。側部領域(B)の面内位相差ReBは1.2nm、厚み方向位相差RthBは7.3nmであった。複合フィルムの、クリップへの貼りつきの評価結果は、表1に示す通りであった。
〔実施例2〕
(2−1.押出成形物)
下記の変更点の他は、実施例1の(1−1)と同じ操作を行い、押出成形物を得た。
・製造例1で得た樹脂[G1]に代えて、製造例2で得た樹脂[G2]を用いた。
・樹脂[Z1]に代えて、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂[Z2](日本ゼオン社製、商品名「ゼオノア」、熱軟化温度136℃、引張弾性率2350MPa)を用いた。
・フィードブロック内の樹脂の流路の寸法を変更し、それにより、押出成形物全体の幅方向広さに対する側部領域(B)の幅方向広さの割合を変更した。その結果、複合フィルムにおける(側部領域(B))/(中央部領域(A))/(側部領域(B))の幅方向広さは、表1に示す通りとなった。
(2−1.押出成形物)
下記の変更点の他は、実施例1の(1−1)と同じ操作を行い、押出成形物を得た。
・製造例1で得た樹脂[G1]に代えて、製造例2で得た樹脂[G2]を用いた。
・樹脂[Z1]に代えて、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂[Z2](日本ゼオン社製、商品名「ゼオノア」、熱軟化温度136℃、引張弾性率2350MPa)を用いた。
・フィードブロック内の樹脂の流路の寸法を変更し、それにより、押出成形物全体の幅方向広さに対する側部領域(B)の幅方向広さの割合を変更した。その結果、複合フィルムにおける(側部領域(B))/(中央部領域(A))/(側部領域(B))の幅方向広さは、表1に示す通りとなった。
(2−2.複合フィルム)
実施例1の(1−1)で得た押出成形物に代えて、(2−1)で得た押出成形物を用いた他は、実施例1の(1−2)と同じ操作を行い、複合フィルムを得て評価した。
実施例1の(1−1)で得た押出成形物に代えて、(2−1)で得た押出成形物を用いた他は、実施例1の(1−2)と同じ操作を行い、複合フィルムを得て評価した。
〔実施例3〕
(3−1.押出成形物)
下記の変更点の他は、実施例1の(1−1)と同じ操作を行い、押出成形物を得た。
・製造例1で得た樹脂[G1]に代えて、製造例3で得た樹脂[G3]を用いた。
・フィードブロック内の樹脂の流路の寸法を変更し、それにより、押出成形物全体の幅方向広さに対する側部領域(B)の幅方向広さの割合を変更した。その結果、複合フィルムにおける(側部領域(B))/(中央部領域(A))/(側部領域(B))の幅方向広さは、表1に示す通りとなった。
(3−1.押出成形物)
下記の変更点の他は、実施例1の(1−1)と同じ操作を行い、押出成形物を得た。
・製造例1で得た樹脂[G1]に代えて、製造例3で得た樹脂[G3]を用いた。
・フィードブロック内の樹脂の流路の寸法を変更し、それにより、押出成形物全体の幅方向広さに対する側部領域(B)の幅方向広さの割合を変更した。その結果、複合フィルムにおける(側部領域(B))/(中央部領域(A))/(側部領域(B))の幅方向広さは、表1に示す通りとなった。
(3−2.複合フィルム)
実施例1の(1−1)で得た押出成形物に代えて、(3−1)で得た押出成形物を用いた他は、実施例1の(1−2)と同じ操作を行い、複合フィルムを得て評価した。
実施例1の(1−1)で得た押出成形物に代えて、(3−1)で得た押出成形物を用いた他は、実施例1の(1−2)と同じ操作を行い、複合フィルムを得て評価した。
〔実施例4〕
(4−1.複合フィルム)
実施例1の(1−1)で得た押出成形物の両端をトリミングして、幅方向広さ2200mmの長尺の延伸前フィルムを得た。テンター式横延伸機を用いて、この延伸前フィルムの両端部をクリップで把持して、延伸前フィルムを連続的に延伸し、延伸された複合フィルムを得た。延伸に際し、延伸倍率は1.2倍とした。また、延伸はオーブン中で行い、延伸温度は170℃とした。得られた複合フィルムの厚みは、42μmであった。複合フィルムにおいて、(側部領域(B))/(中央部領域(A))/(側部領域(B))の幅方向広さは、10mm/2620mm/10mmであった。中央部領域(A)及び側部領域(B)の面内位相差、厚み方向位相差、並びにクリップへの貼りつきの評価結果は、表1に示す通りであった。
(4−1.複合フィルム)
実施例1の(1−1)で得た押出成形物の両端をトリミングして、幅方向広さ2200mmの長尺の延伸前フィルムを得た。テンター式横延伸機を用いて、この延伸前フィルムの両端部をクリップで把持して、延伸前フィルムを連続的に延伸し、延伸された複合フィルムを得た。延伸に際し、延伸倍率は1.2倍とした。また、延伸はオーブン中で行い、延伸温度は170℃とした。得られた複合フィルムの厚みは、42μmであった。複合フィルムにおいて、(側部領域(B))/(中央部領域(A))/(側部領域(B))の幅方向広さは、10mm/2620mm/10mmであった。中央部領域(A)及び側部領域(B)の面内位相差、厚み方向位相差、並びにクリップへの貼りつきの評価結果は、表1に示す通りであった。
(4−2.複層フィルム)
得られた複合フィルムの左右両端の部分を、フィルム幅方向広さが2400mmになるように裁断した。裁断された複合フィルムと、ポリエチレン樹脂からなるマスキングフィルムとを貼り合せて複層フィルムとした。複層フィルムの左右両端の部分を、フィルム幅方向広さが2260mmになるよう裁断し、巻取り、長尺のフィルムロールを得た。得られたフィルムロールは、偏光板等の製造において有用に用いうるものであった。
得られた複合フィルムの左右両端の部分を、フィルム幅方向広さが2400mmになるように裁断した。裁断された複合フィルムと、ポリエチレン樹脂からなるマスキングフィルムとを貼り合せて複層フィルムとした。複層フィルムの左右両端の部分を、フィルム幅方向広さが2260mmになるよう裁断し、巻取り、長尺のフィルムロールを得た。得られたフィルムロールは、偏光板等の製造において有用に用いうるものであった。
〔実施例5〜6〕
実施例1の(1−1)で得た押出成形物に代えて、実施例2の(2−1)で得た押出成形物(実施例5)又は実施例3の(3−1)で得た押出成形物(実施例6)を用いた他は、実施例4の(4−1)と同じ操作を行い、複合フィルムを得て評価した。
実施例1の(1−1)で得た押出成形物に代えて、実施例2の(2−1)で得た押出成形物(実施例5)又は実施例3の(3−1)で得た押出成形物(実施例6)を用いた他は、実施例4の(4−1)と同じ操作を行い、複合フィルムを得て評価した。
〔比較例1〕
(C1−1.複合フィルム)
下記の変更点の他は、実施例1と同じ操作を行い、複合フィルムを得て評価した。
・樹脂[G1]と樹脂[Z1]を入れ替えた。即ち、製造例1で得た樹脂[G1]に代えて、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂[Z1]を用い、樹脂[Z1]に代えて、樹脂[G1]を用いた。
(C1−1.複合フィルム)
下記の変更点の他は、実施例1と同じ操作を行い、複合フィルムを得て評価した。
・樹脂[G1]と樹脂[Z1]を入れ替えた。即ち、製造例1で得た樹脂[G1]に代えて、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂[Z1]を用い、樹脂[Z1]に代えて、樹脂[G1]を用いた。
(C1−2.複合フィルムの延伸)
(C1−1)で得た複合フィルムを延伸前フィルムとして、実施例4の(4−1)と同じ操作により延伸を行うことを試みたが、オーブン中でフィルムのクリップへの貼りつきが発生し、延伸を行うことができなかった。
(C1−1)で得た複合フィルムを延伸前フィルムとして、実施例4の(4−1)と同じ操作により延伸を行うことを試みたが、オーブン中でフィルムのクリップへの貼りつきが発生し、延伸を行うことができなかった。
〔比較例2〕
(C2−1.複合フィルム)
下記の変更点の他は、実施例3と同じ操作を行い、複合フィルムを得て評価した。
・樹脂[G3]と樹脂[Z1]を入れ替えた。即ち、製造例3で得た樹脂[G3]に代えて、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂[Z1]を用い、樹脂[Z1]に代えて、樹脂[G3]を用いた。
(C2−1.複合フィルム)
下記の変更点の他は、実施例3と同じ操作を行い、複合フィルムを得て評価した。
・樹脂[G3]と樹脂[Z1]を入れ替えた。即ち、製造例3で得た樹脂[G3]に代えて、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂[Z1]を用い、樹脂[Z1]に代えて、樹脂[G3]を用いた。
(C2−2.複合フィルムの延伸)
(C2−1)で得た複合フィルムを延伸前フィルムとして、実施例4の(4−1)と同じ操作により延伸を行うことを試みたが、オーブン中でフィルムのクリップへの貼りつきが発生し、延伸を行うことができなかった。
(C2−1)で得た複合フィルムを延伸前フィルムとして、実施例4の(4−1)と同じ操作により延伸を行うことを試みたが、オーブン中でフィルムのクリップへの貼りつきが発生し、延伸を行うことができなかった。
実施例及び比較例の結果を、表1〜表2に示す。
表中における略号の意味は、下記の通りである。
環式wG:水素化ブロック共重合体[G]における、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]の割合(%)。
鎖状wG:水素化ブロック共重合体[G]における、鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]の割合(%)。
環式wE:水素化ブロック共重合体[G]のブロック[E]における、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]の割合(%)。
鎖状wE:水素化ブロック共重合体[G]のブロック[E]における、鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]の割合(%)。
G1:製造例1で製造した樹脂[G1]。
G2:製造例2で製造した樹脂[G2]。
G3:製造例3で製造した樹脂[G3]。
Z1:脂環式構造含有重合体を含む樹脂、熱軟化温度128℃、日本ゼオン社製「ZEONOR」の製品群の一つ。
Z2:脂環式構造含有重合体を含む樹脂、熱軟化温度136℃、日本ゼオン社製「ZEONOR」の製品群の一つ。
Re及びRthに関するA〜Cの符号は、Re及びRthの評価の分類である。A:絶対値3nm以下、B:絶対値3nm超10nm未満、C:絶対値10nm以上。
環式wG:水素化ブロック共重合体[G]における、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]の割合(%)。
鎖状wG:水素化ブロック共重合体[G]における、鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]の割合(%)。
環式wE:水素化ブロック共重合体[G]のブロック[E]における、環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]の割合(%)。
鎖状wE:水素化ブロック共重合体[G]のブロック[E]における、鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]の割合(%)。
G1:製造例1で製造した樹脂[G1]。
G2:製造例2で製造した樹脂[G2]。
G3:製造例3で製造した樹脂[G3]。
Z1:脂環式構造含有重合体を含む樹脂、熱軟化温度128℃、日本ゼオン社製「ZEONOR」の製品群の一つ。
Z2:脂環式構造含有重合体を含む樹脂、熱軟化温度136℃、日本ゼオン社製「ZEONOR」の製品群の一つ。
Re及びRthに関するA〜Cの符号は、Re及びRthの評価の分類である。A:絶対値3nm以下、B:絶対値3nm超10nm未満、C:絶対値10nm以上。
実施例及び比較例の結果から明らかな通り、中央部領域(A)及び側部領域(B)が本発明の要件を満たす実施例の複合フィルムは、フィルムのクリップへの貼りつきが少なく、したがって、容易に製造することができ、且つ有用な中央部領域(A)を含むフィルムとすることができる。
10:複合フィルム
111:中央部領域(A)
121:側部領域(B)
122:側部領域(B)
101:複合フィルムの幅方向の一方の縁
102:複合フィルムの幅方向の他方の縁
131:側部領域(B)と中央部領域(A)との境界
111:中央部領域(A)
121:側部領域(B)
122:側部領域(B)
101:複合フィルムの幅方向の一方の縁
102:複合フィルムの幅方向の他方の縁
131:側部領域(B)と中央部領域(A)との境界
Claims (9)
- 一対の熱可塑性樹脂Bの側部領域(B)と、前記一対の熱可塑性樹脂Bの側部領域(B)の間に設けられた、熱可塑性樹脂Aの中央部領域(A)とを備え、
前記熱可塑性樹脂A及び前記熱可塑性樹脂Bは、脂環式構造含有重合体を含む樹脂であり、
前記熱可塑性樹脂A、前記熱可塑性樹脂B、前記中央部領域(A)及び前記側部領域(B)が、下記式(1)〜(3)を満たす、複合フィルム:
Ea<Eb 式(1)
Ts[B]−Ts[A]≧−10℃ 式(2)
|RthB−RthA|≧1nm 式(3)
但し、Eaは前記熱可塑性樹脂Aの引張弾性率、Ebは前記熱可塑性樹脂Bの引張弾性率、Ts[A]は前記熱可塑性樹脂Aの熱軟化温度、Ts[B]は前記熱可塑性樹脂Bの熱軟化温度、RthAは前記中央部領域(A)の厚み方向位相差、RthBは前記側部領域(B)の厚み方向位相差を表す。 - 前記熱可塑性樹脂A及び前記熱可塑性樹脂Bの一方又は両方は、
環式炭化水素基含有化合物水素化物単位[I]を主成分とする、1分子あたり2つ以上の重合体ブロック[D]と、
鎖状炭化水素化合物水素化物単位[II]、又は前記単位[I]及び前記単位[II]の組み合わせを主成分とする、1分子あたり1つ以上の重合体ブロック[E]
を含む水素化ブロック共重合体[G]を、前記脂環式構造含有重合体として含む、請求項1に記載の複合フィルム。 - 前記環式炭化水素基含有化合物単位[I]が芳香族ビニル化合物の重合により得られる構造単位であり、前記鎖状炭化水素化合物単位[II]が鎖状共役ジエン化合物の重合により得られる構造単位である、請求項2に記載の複合フィルム。
- 前記複合フィルム全体の幅方向広さLに対する前記側部領域(B)の幅方向広さLBの割合の百分率Lb(%)が、下記式(4)を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合フィルム。
0.5%≦Lb≦8% 式(4) - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合フィルムの製造方法であって、
熱可塑性樹脂Bの流路(B1)、熱可塑性樹脂Aの流路(A)及び熱可塑性樹脂Bの流路(B2)を、この順に、前記複合フィルムの幅方向に対応する方向に配列した状態で備える押出装置から、前記熱可塑性樹脂A及び前記熱可塑性樹脂Bを押し出し、フィルム状の押出成形物を得る、押出工程を含む、製造方法。 - 前記押出工程の後に、前記押出成形物を1以上の方向に延伸する延伸工程をさらに含む、請求項5に記載の複合フィルムの製造方法。
- 前記延伸工程が、前記押出成形物の幅方向端部をクリップで把持し、幅方向又は斜め方向に延伸することを含む、請求項6に記載の複合フィルムの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合フィルムの中央部領域(A)と偏光子とを備える偏光板。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合フィルムの中央部領域(A)を備える表示装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016240604A JP2018097121A (ja) | 2016-12-12 | 2016-12-12 | 複合フィルム、製造方法、偏光板、及び表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016240604A JP2018097121A (ja) | 2016-12-12 | 2016-12-12 | 複合フィルム、製造方法、偏光板、及び表示装置 |
Publications (1)
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|---|---|
| JP2018097121A true JP2018097121A (ja) | 2018-06-21 |
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ID=62631461
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016240604A Pending JP2018097121A (ja) | 2016-12-12 | 2016-12-12 | 複合フィルム、製造方法、偏光板、及び表示装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2018097121A (ja) |
-
2016
- 2016-12-12 JP JP2016240604A patent/JP2018097121A/ja active Pending
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