JP2018097012A - スポットサイズ変換器、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サイズの異なる光導波路同士を高効率、低損失で結合し、かつ高い軸ずれ耐性と設計自由度を有するスポットサイズ変換器を提供する。
【解決手段】異なるコアサイズの光配線間でビーム径を変換するスポットサイズ変換器10において、第1のサイズの第1光配線101に光学的に接続される第1の面11と、第1のサイズより大きい第2のサイズの第2光配線102に光学的に接続される第2の面12と、第1の面から第2の面に向かって円錐状に径が小さくなるテーパ型のポリマー導波路と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】異なるコアサイズの光配線間でビーム径を変換するスポットサイズ変換器10において、第1のサイズの第1光配線101に光学的に接続される第1の面11と、第1のサイズより大きい第2のサイズの第2光配線102に光学的に接続される第2の面12と、第1の面から第2の面に向かって円錐状に径が小さくなるテーパ型のポリマー導波路と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、スポットサイズ変換器とその製造方法に関し、特に、ポリマー光導波路型のスポットサイズ変換器と製造方法に関する。
近年、クラウドコンピューティングサービスの急速な進展に伴い、データセンター内のトラフィック量が上昇し、1レーンあたり40Gbps以上のデータレートが要求されつつある。このような要求に対して、光インターコネクト技術、特にCMOSプロセスを適用したシリコンフォトニクス技術を用いることで、システム全体のさらなる広帯域化、高密度化、低消費電力化が期待されている。主としてオンチップ領域での使用が想定されるシリコンフォトニクス技術では、高屈折率のシリコン(Si)をコアに用いることで、ナノスケールの光導波路が作製可能である。一方、オフチップ領域では、既存のシングルモード光ファイバ(SMF:Single Mode Fiber)をSiフォトニクスチップと接続することが想定されている。Si光導波路が300〜500nmのコアサイズを有するのに対し、汎用SMFのコアサイズは8〜10μmが一般的である。両者を直接バット接続するとモードフィールド径(MFD:Mode Field Diameter)の違いにより結合損失が生じてしまう。その解決策として、スポットサイズ変換器(SSC:Spot Size Converter)が用いられている。SSCは、面内接続が可能であるため省スペース化に適しており、また、波長依存性が低いという利点がある。
光ファイバとSi細線導波路の低コストのインタフェースとして、ポリマー導波路を用いる構成が提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。この文献で、ポリマー導波路はフォトリソグラフィ法によりSi導波路からSMFに向かって徐々に導波路幅が狭くなる形状に平面加工されている。
また、Si導波路とマルチコアファイバ(MCF)をフォトニックワイヤボンティングで接続する構成が提案されている(たとえば、非特許文献2参照)。フォトニックワイヤボンディングはレーザ直接描画法を用いて作製され、先端部にMCFのコアに向かって径が広がっていくテーパ構造を有する。
他方、未硬化のクラッドに吐出針を刺し入れて、針先端からコア材料を吐出しながらクラッド内を移動させ、コア材料を硬化させてポリマー光導波路を形成する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。この方法は、「モスキート法」とも呼ばれている。
Tymon Barwicz and Yoichi Taira, "Low-Cost Interfacing of Fibers to Nanophotonic Waveguides; Design for Fabrication and Assembly Tolerances", IEEE Photonics Journal, Vol. 6 No. 4, August 2014
Nicole Lindermann, et al., "Connecting Silicon Photonic Circuits to Multicore Fibers by Photonic Wire Bonding", Journal of Lightwave Technology, Vol. 33, No. 4, February 15, 2015
フォトリソグラフィ法やフォトニックワイヤボンディングを用いたSSCの作製は多く報告されているが、汎用SMFと高効率、低損失で結合でき、かつ軸ずれ耐性と設計自由度の高いSSCは未だに実現されていない。
本発明は、サイズの異なる光伝送路同士を高効率、低損失で結合し、かつ高い軸ずれ耐性と設計自由度を有するスポットサイズ変換器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、径方向のサイズが光軸に対して対称に変化する円錐台または立体テーパ形状のポリマー光導波路型のSSCを実現する。本発明の第1の側面では、異なるコアサイズの光配線間でビーム径を変換するスポットサイズ変換器は、
第1のサイズの第1光配線に光学的に接続される第1の面と、
前記第1のサイズより大きい第2のサイズの第2光配線に光学的に接続される第2の面と、
前記第1の面から前記第2の面に向かって円錐状に径が小さくなるテーパ型のポリマー導波路と、
を有する。
第1のサイズの第1光配線に光学的に接続される第1の面と、
前記第1のサイズより大きい第2のサイズの第2光配線に光学的に接続される第2の面と、
前記第1の面から前記第2の面に向かって円錐状に径が小さくなるテーパ型のポリマー導波路と、
を有する。
本発明の第2の側面では、スポットサイズ変換器の製造方法を提供する。この製造方法は、
第1光配線が形成された基板の上に未硬化のクラッド層を形成するステップと、
前記クラッド層に注入針を指し込み、前記注入針から前記クラッド層の中に未硬化のコア材料を注入しながら、前記注入針を所定の方向に移動速度と吐出量の少なくとも一方を変化させて移動するステップと、
所定の位置で前記クラッド層から前記注入針を抜き取った後に前記コア材料を硬化させて、一方の端部が前記第1光配線と接続されているテーパ型のポリマー導波路を形成するステップと、
前記ポリマー導波路の前記第1光配線と反対側の端部を、前記第1光配線よりもコアサイズの大きい第2光配線と光学的に接続するステップと、
を含む。
第1光配線が形成された基板の上に未硬化のクラッド層を形成するステップと、
前記クラッド層に注入針を指し込み、前記注入針から前記クラッド層の中に未硬化のコア材料を注入しながら、前記注入針を所定の方向に移動速度と吐出量の少なくとも一方を変化させて移動するステップと、
所定の位置で前記クラッド層から前記注入針を抜き取った後に前記コア材料を硬化させて、一方の端部が前記第1光配線と接続されているテーパ型のポリマー導波路を形成するステップと、
前記ポリマー導波路の前記第1光配線と反対側の端部を、前記第1光配線よりもコアサイズの大きい第2光配線と光学的に接続するステップと、
を含む。
上記の構成と手法により、サイズの異なる光導波路間を高効率、低損失で結合でき、かつ高い軸ずれ耐性と設計自由度を有するスポットサイズ変換器が実現される。
図1は、実施形態のスポットサイズ変換器(SSC)10の概略図である。SSC10は、サイズの異なる光導波路間を光接続するポリマー光導波路型のSSCである。図1の例では、SSC10はシリコン(Si)光導波路101と汎用のSMF102の間を結合する。本発明の特徴として、SSC10は、Si光導波路101の出力端からSMF102のコアに向かって径が小さくなる円錐台またはテーパ型の形状を有する。Si光導波路101のコアサイズは一般に300〜500nmであり、汎用のSMF102のコア径は8〜10μmである。SSC10は、Si光導波路101の出射位置での断面11の径D1の方が、SMF102との接続側の断面12の径よりも大きい。径の小さいSi光導波路102側でSSC10の径が大きくなるという意味で、SSC10の形状を「逆テーパ」と呼んでもよい。
一例として、Si光導波路101の出力端でのSSC10の径は4〜5μm、SMF102との接続面での径は1.5〜2.5μmである。断面11から断面12までのSSC10の長さLは4.0cm以下、好ましくは1.0〜3.5cmである。SSC10は、Si光導波路101の端部を覆っていてもよいが、MFDの変換機能を果たすのは断面11から断面12までの間である。また、図1では図示の便宜上、下側のクラッド105のみが描かれているが、Si光導波路101とSSC10の周囲全体がクラッドで覆われていてもよい。
図1の形状のSSC10で、伝搬光のモードフィールド径(MFD)は、SMF102との接続面12に向かって大きく広がる。たとえば、波長が1.3μm〜1.5μmの光に対して、Si導波路101の出射位置でのSSC10のMFDは3.8〜3.9μmであるのに対し、SMF102との接続面でのMFDは5.6〜8.0μmにまで広がる。これは、後述するように、エバネッセント光の漏れ出しの効果によるものと考えられる。光軸に対して径が対称に変化する円錐台型のSSC10によりSMF102との接続面でMFDを広げているので、高い軸ずれ耐性を有する。
このようなSSC10の特性と効果を詳細に説明する前に、ポリマー光導波路型のSSC10の設計と作製について説明する。
<ポリマー光導波路型SSCの設計と作製>
両端側でMFDが異なるような逆テーパ状のポリマー光導波路型SSCの作製に向けて、最適な設計を行う。MFDは、波長、コアとクラッドの屈折率差、コア径等に依存する。そこでまず、モードソルバツール(FIMMWAVE, FIMMPROP)を用いて、ポリマー光導波路型SSCの理論的設計を行う。実施に作製したSSCの概念図は、図1に示すとおりである。
<ポリマー光導波路型SSCの設計と作製>
両端側でMFDが異なるような逆テーパ状のポリマー光導波路型SSCの作製に向けて、最適な設計を行う。MFDは、波長、コアとクラッドの屈折率差、コア径等に依存する。そこでまず、モードソルバツール(FIMMWAVE, FIMMPROP)を用いて、ポリマー光導波路型SSCの理論的設計を行う。実施に作製したSSCの概念図は、図1に示すとおりである。
SSC10は円錐状のテーパ形状を有し、その断面はほぼ円形である。光軸方向の径の変化は、光軸に対して対称である。SMF102側に向かって徐々に径を小さくすることで、高次モードの発生を抑制することができる。
SSC10を構成するポリマー導波路材料として、日産化学工業株式会社製の有機−無機ハイブリッド樹脂SUNCONNECT(登録商標)シリーズを使用する。この材料は耐熱性が高く、半田リフロープロセスへの適合性が高い。また、Siフォトニクス技術での使用が想定される波長1550nmでの吸収損失が低い。具体的には、コア材料として、SUNCONNECT(登録商標)シリーズのNP−005(比屈折率nd=1.60)を使用する。一方、クラッド材料については、最適なクラッド材料をシミュレーションにより決定する。
図2は、コア径と、波長1550nmでのLP01導波モードのMFDの関係を示す。クラッド材料として、屈折率が1.59の材料(四角でプロット)と、屈折率が1.52の材料(丸でプロット)を比較する。屈折率1.59のクラッド材料は、日産化学工業株式会社製のNP−211、比屈折率1.52のクラッド材料は、Micro Resist Technology GmbH製のORMOCLAD(登録商標)である。屈折率1.59の材料は、コアとの屈折率差が小さいため、コア径(SSC径)をいくら縮小してもMFDを7μm以下にすることができない。他方、屈折率1.52の材料は、コアとの屈折率差が確保できるため、コア径(SSC径)を3μmまで低減したときに、MFDが3.9μmまで縮小する。コア径(SSC径)をさらに小さく2μm前後まで縮小すると、MFDは汎用SMFと同等の7μmまで拡大する。これは、コア径(SSC径)の著しい縮小により、光が十分にコア(SSC)内に閉じ込められなくなり、エバネッセント光としてクラッドまで漏れ出ているためと考えられる。
このシミュレーション結果から、Si光導波路101の出力端(サイド(a))でのSSC10の径を4〜5μm、SMF102との接続端(サイド(b))でのSSC10の径を1.75μmとするテーパ形状とすることで、MFDを3.8μmから8μmに変換することができる。
図3は、実際にSi光導波路101からSSC10に光を結合し、さらに汎用のSMF102へと接続することを想定して、伝搬シミュレーションを行った結果を示す。上段は上面図、中段はNFP(Near Field Pattern:近視野像)、下段は側面図である。SSCのテーパ形状を白の破線で示す。
位置P1からP2にかけてSi光導波路(WG)は平行に延びており、Si光導波路に閉じ込められた光だけが観察される。位置P2からP3にかけて、Si光導波路は先細りに加工されており、光のしみ出しが始まる。位置P3はSi光導波路の出力端におけるSSCの断面位置である。この位置をサイド(a)とする。サイド(a)でのMFDは3.9μmである。位置4はSMFとの接続面におけるSSCの断面位置である。この位置をサイド(b)とする。サイド(b)でのMFDは6.2μmである。サイド(a)とサイド(b)において、LP01モードのMFDが断熱的に変化している様子が見て取れる。後述するように、SSC10の作製条件を調整することで、MFDをさらに拡大することが可能である。
図4は、ポリマー光導波路型のSSC10の評価用のサンプルの作製工程を説明する模式図である。まず、図4(A)に示すように、ベース42上に取り外し可能なフレーム43を有する支持体41を準備し、フレーム43内にクラッド材料44を配置する。クラッド材料44は、粘性を有するペースト状の樹脂前駆体を主成分とし、コア材料との屈折率差の大きい材料を適宜選択することができる。一例として、上述したMicro Resist Technology GmbH製のORMOCLAD(登録商標)を、ディスペンサ等を用いてフレーム43内に塗布する。
次に、図4(B)に示すように、吐出装置30のニードル31をクラッド材料44に差し込んで、本体32を移動させながらニードル31の先端からコア材料(重合前の前駆体またはモノマー)を注入して、クラッド材料44の中にコア層45を形成する。本体32の移動速度を加速することで形成されるコア層45の径を連続的に小さくすることができる。加速度を調整することで、コア層45の径の変化の度合いを制御することができる。所望の長さと径変化を有するコア層45が形成されたら、ニードル31をクラッド材料44から抜き取る。なお、ニードルの速度変化の方向と移動方向は任意であり、ニードルの移動速度を加速することによっても、減速することによってもテーパ形状を作製することができる。また、ニードルの走査方向は基板と水平な面内に限定されず、垂直方向に走査してもよい。さらに、走査速度を一定にしてコアの吐出量(または吐出圧力)を変えることによって、あるいは移動速度と吐出量の変化を組み合わせることによってテーパ形状を実現してもよい。
次に、図4(C)に示すように、コア層45とクラッド材料44を硬化させる。この例では、クラッド材料44とコア材料に紫外線硬化樹脂を用いており、紫外線の照射により硬化させているが、熱硬化性樹脂を用いることも可能である。
最後に、図4(D)に示すように、フレーム43を取り外し、ベース42から硬化後の層を剥離することで、クラッド105内の円錐台または3次元的なテーパ形状のSSC10のサンプルが得られる。実際のSSC10の作製では支持体41を用いる必要はなく、たとえばSi光導波路が形成された光配線基板にスリットや凹部を形成して、スリット(または凹部)内にクラッド材料を塗布する。Si光導波路の端部の近傍で重合前のクラッド材料にニードルを差し込み、コア材料を注入しながらニードルを所定の方向に加速しながら移動する。その後、ニードルを抜いてコア材料とクラッド材料を硬化させ、端面を研磨することでSSCを形成することができる。
この方法では、未硬化のクラッド材料44にコア材料が注入されると、コア材料がクラッド材料の中に等方的に拡散して、ガウス分布形状のGI(Graded Index)型の屈折率分布を有するコア層45を形成することができる。一般的なGI型の屈折率分布は、屈折率がコア中心から減少してプロファイルが上に凸のままで、低屈折率で均一屈折率であるクラッドとつながる。これに対し、本発明のモスキート法による導波路の屈折率分布プロファイルは、上に凸から下に凸へと変化し(変曲点を有し)、テールを引く形でクラッドとつながるガウス分布状のプロファイルとなる。光の速度は屈折率に反比例するため、硬化したコアの外側を蛇行(屈折)しながら通る光の光路長と、コアの中心部を通る光の光路長が相殺されて入射光はほぼ同時に出射することができる。
図5は、ニードル31の走査速度とコア径の関係を示すグラフである。図4の円錐台またはテーパ形状のSSC10の作製に先立って、径が一定の直線状のコアを作製し、コア径制御を検討した。内径が80μmのニードルを使用し、コア材料の吐出圧力を50kPaに固定し、ニードル31の走査速度を一回ごとに変えてコア径を測定した結果をプロットした。図5から、コア径はニードルの走査速度の1/2乗に反比例する傾向を有する。ニードル31の走査速度を100mm/sとしたときに、コア径を約2μmまで低減できることが確認できる。
図2と図5の結果に基づき、100ミリ秒(ms)の間にニードル走査速度を8mm/sから40mm/sに加速することで、円錐台または立体テーパ形状のSSCサンプルを作製した。SSCサンプルの光軸方向の長さは3.5cmである。ニードル内径は80μm、コア材料の吐出圧力は50kPaである。
図6は、作製したSSCサンプルのサイド(a)とサイド(b)の断面顕微鏡写真である。サイド(a)からサイド(b)に向かって、ニードル31の走査速度は加速されている。サイド(a)でのコア径(SSC径)が4.6μmであるのに対し、サイド(b)では2.8μmまで径が縮小されている。サイド(a)をSi光導波路側に配置し、サイド(b)をSMF側に配置することで、サイド(b)に向かってMFDを拡大することができる。このSSCサンプルを用いて光学特性を評価する。
図7は、実施例1のSSCサンプルの波長1550nmにおける強度プロファイルとNFP及びMFDを示す。図7(A)の実線は、SSCサンプルのサイド(a)での強度プロファイルであり、対応するNFPとMFDをともに示す。図7(A)の破線は、Si光導波路の代替としての超高NAを有するSMF(UHNA)の強度プロファイルであり、対応するNFPとMFDをともに示す。図7(B)の実線は、SSCサンプルのサイド(b)での強度プロファイルであり、対応するNFPとMFDをともに示す。図7(B)の破線は、汎用SMFの強度プロファイルであり、対応するNFPとMFDをともに示す。
図7から、高次のモードが発生することなく、SSCの両端でMFDが3.8μmから5.6μmまで大きく変化していることがわかる。図7(A)において、SSCのサイド(a)とUHNAの強度プロファイルが非常に近接しており、MFDも近い。同様に、図7(B)において、SSCのサイド(b)と汎用SMFの強度プロファイルが良く似ており、MFDも近づいている。
図8は、図7の評価結果を模式的に示す図である。立体テーパ形状のSSCサンプルの大径側と小径側の双方でMFDがよくマッチしており、挿入損失(結合損失と伝搬損失を含む)が低減されていることがわかる。
図9は、実施例1のSSCサンプルの光軸方向に対する光伝搬特性の評価結果を示す図である。まず、3.5cmの長さのSSCサンプルの両端の1550nm波長でのNFP(Near Field Pattern)を測定し、MFDを算出する。その後、SSCサンプルを1cmずつ短くしていき、サンプルの長さが3.5cm、2.5cm、1.5cm、0cmの各場合でのMFDを計算する。
SSCサンプルの大径側のサイド(a)から小径側のサイド(b)に向かって、長さが1.5cm、2.5cm、3.5cmと増えるにつれて、断面でのコア径は4.7μm、3.9μm、3.2μm、2.9μmと減少する。これに対し、1550nmでのNFPは徐々に大きくなる。MFDも同様に3.7μm、4.5μm、5.3μm、5.7μmと増大する。
これは、前述の通り、SSC径が小さくなるにつれてSSC内に閉じ込められなくなった光がエバネッセント光としてクラッド部に漏れ出ていくためであると考えられる。このように、図4の方法で作製した実施例1のSSCサンプルは、設計どおりスポットサイズ変換機能を実現できていることがわかる。
図10は、各SSC長における強度プロファイルを示す図である。各SSC長さで強度プロファイルの傾向は同じであり、強度がピークからe-2に落ちる位置でのMFDは、SSCの長さが増すほど、大きくなっている。
図11は、実施例1のSSCサンプルを用いた損入損失特性の評価結果を示す。作製した3.5cm長のSSCサンプルを用いて、波長1550nmにおける挿入損失を測定する。LD側の励振プローブと、パワーメータ側の受光プローブの配置を2種類(コンフィギュレーション1とコンフィギュレーション2)準備する。双方の配置構成で、SMFとSSCの間、及びSSCとUHNAの間はバット接続をしており、マッチングオイルを使用していない。
図11(A)のコンフィギュレーション1では、励振プローブとなるUHNAを、MFDの小さいサイド(a)に接続し、MFDの大きいサイド(b)からの光を汎用SMFで受光する。コンフィギュレーション1は、本発明の配置構成でSi光導波路からSMFへの信号光の伝搬を想定している。
図11(B)のコンフィギュレーション2では、コンフィギュレーション1と接続関係を逆にして、汎用SMFをMFDの小さいサイド(a)に接続し、UHNAをMFDの大きいサイド(b)に接続してUHNA側で受光する。コンフィギュレーション2は、異なる径の光配線間を光接続する際に一般に採用される配置構成である。
図11(C)に示すように、コンフィギュレーション1でのSSCの挿入損失は十分に低い。SM光導波路とSMFの結合損失は理論的に両者の電磁界分布の重なり積分によって定まる。図7の強度プロファイルからわかるように、SSCの両端の強度プロファイルが励振プローブと受光プローブの強度プロファイルと大きく重なっているものと考えられる。実施例で用いたポリマー光導波路の材料(「SUNCONNECT(登録商標)」)の波長1.55μmでの伝搬損失が0.45dB/cmであることから、3.5cm長の光導波路の1550nmにおける伝搬損失は1.58dBと見積もられる。SSCサンプルの両端での結合損失は、フレネル反射を含めて5.36dBであると見積もられる。
これに対して、大径のSMFにMFDの小さいサイド(a)を、小径のUHNAにMFDの大きいサイド(b)を接続したコンフィギュレーション2では、挿入損失が大きい。
図12は、実施例1のSSCサンプルを用いたミスアライメントトレランスの評価結果を示す。実施形態の立体テーパ形状のSSCは、SMFとの接続側でMFDが大きくなっているのでSMFとの接続時に高い軸ずれ耐性を持つと考えられる。そこで、作製したSSCサンプルを用いてSMFとの軸ずれ耐性を評価する。
図12(A)と図12(B)は、測定系の構成を示し、図12(C)はミスアライメント測定結果を示す。光源に波長1550nmのレーザダイオード(LD)を使用し、励振プローブと受光プローブに、それぞれ汎用SMFを使用する。図12(A)において、MFDの小さいサイド(a)を受光プローブのSMFと接続し、受光側SMFの位置をSSCの径方向に変化させたときの損失変化量を、ミスアライメントトレランスとして測定する。図12(B)において、MFDの大きいサイド(b)を受光プローブのSMFと接続し、受光側SMFの位置をSSCの径方向に変化させたときの損失変化量を、ミスアライメントトレランスとして測定する。
図12(C)に示すように、サイド(a)での−0.5dBミスアライメントトレランスは±1.3μmであったのに対し、サイド(b)では±2.1μmという広いトレランス幅が得られる。これは、汎用SMFとSM光導波路とのミスアライメントトレランスと同等の値である。このような広いトレランス幅が得荒れた要因として、立体テーパ状のSSCサンプルのサイド(b)でのMFDを、SMFのMFDに近づけることができたためと考えられる。このように、実施例1の立体テーパ状のSSCサンプルは、高い軸ずれ耐性を有する。
図13は、実施例2のSSCサンプルの概略構成と断面顕微写真、及び伝搬光のNFPとMFDを示す。実施例2では、ニードル31の走査速度の変化の割合を大きくすることで、MFDの最適化を行う。ニードル内径は80μm、コア材料の吐出圧力を50kPaに固定して、100ミリ秒(ms)の間にニードル走査速度を8mm/sから100mm/sに加速して、光軸方向の長さが1.5cmの円錐台または立体テーパ形状のSSCサンプルを作製した。
実施例2のSSCサンプルのサイド(a)でのコア径は4.64μm、サイド(b)でのコア径は2.78μmである。サイド(a)でのMFDは3.8μm、サイド(b)でのMFDは7.2μmに拡大されている。汎用SMFのMFDは7.4μmであることから、ニードル走査速度を変化させることで所望のMFDを達成できることが確認された。
図14は、実施例2のSSCサンプルを用いた損入損失特性の評価結果を示す。作製した1.5cm長のSSCサンプルを用いて、波長1550nmにおける挿入損失を測定する。LD側の励振プローブと、パワーメータ側の受光プローブの配置を2種類準備する。
図14(A)のコンフィギュレーション1では、励振プローブのUHNAをMFDの小さいサイド(a)に接続し、MFDの大きいサイド(b)からの光を汎用SMFで受光する。コンフィギュレーション1は、実施形態の配置構成でSi光導波路からSMFへの信号光の伝搬を想定している。
図14(B)のコンフィギュレーション2では、コンフィギュレーション1と接続関係を逆にして、汎用SMFをサイド(a)に接続し、UHNAをサイド(b)に接続してUHNA側で受光する。コンフィギュレーション2は、径の異なる光配線間をSSCで接続するときに一般に採用される構成である。
図14(C)に示すように、コンフィギュレーション1でのSSCの挿入損失は、実施例1よりもさらに低減されている。これに対し、大径のSMFをMFDの小さいサイド(a)に接続し、小径のUHNAをMFDの大きいサイド(b)に接続したコンフィギュレーション2では、挿入損失が大きい。
図15は、実施例2のSSCサンプルの両サイドでの強度プロファイルとNFP及びMFDを示す。図15(A)の実線は、SSCサンプルのサイド(a)での強度プロファイルであり、対応するNFPとMFDをともに示す。図15(A)の破線は、Si光導波路の代替としてのUHNAの強度プロファイルであり、対応するNFPとMFDをともに示す。図15(B)の実線はSSCサンプルのサイド(b)での強度プロファイルであり、対応するNFPとMFDをともに示す。図15(B)の破線は汎用SMFの強度プロファイルであり、対応するNFPとMFDをともに示す。
図15から、実施例2のSSCでは高次のモードが発生することなく、両端の間でMFDが3.9μmから7.2μmまで大きく変化していることがわかる。図15(A)において、SSCのサイド(a)とUHNAの強度プロファイルが非常に近接しており、MFDも近い。図15(B)において、SSCのサイド(b)と汎用SMFの強度プロファイルはほとんど同じであり、MFDも非常に近似している。
図16は、実施例2の構成の挿入損失低減効果を示す図である。図の左側のチャートは実施例1の3.5cm長のSSCサンプルの挿入損失を示し、右側のチャートは実施例2の1.5cm長のSSCサンプルの挿入損失を示す。挿入損失を、伝搬損失とフレネル反射損失と結合損失の和で表すと、フレネル反射損失は実施例1と2で同じである。伝搬損失はSSCの光軸方向の長さを短くしたことにより約半分に低減している。
低減効果が最も大きいのが、結合損失である。実施例2では、1dB以下の結合損失を実現している。これは、サイド(a)とサイド(b)の双方で強度プロファイルの重なり合いを最適化したことによると考えられる。
また、実施例2のSSCサンプルは、実施例1と同様に光軸方向の径の変化が光軸と垂直な面内で光軸に対して対称であり、高い軸ずれ耐性を有する。また、SMF側のサイド(b)での強度プロファイルとMFDの一致性により、サイド(b)側で実施例1以上に広いトレランス幅が得られる。
図17は、実施形態の立体テーパ形状のSSCと、比較例としてフォトリソグラフィ法による平面テーパ形状のSSCの構成の相違を示す模式図である。図17(A)に示すように、実施形態では図4の方法(モスキート法)により、ガウス型の屈折率分布を有するSSCを実現している。
これに対し、図17(B)のように一般的なフォトリソグラフィ法でテーパ形状のポリマー光導波路型のSSCを作製すると、幅方向だけが縮小され、高さは一定の平面テーパ型のSSCとなる。フォトリソグラフィ法では、均一屈折率のコアとなり、ガウス分布状の屈折率分布を得ることは困難である。
図18は、実施形態の立体テーパ形状のSSCと、従来法による平面テーパ形状のSSCの比較結果を示す図である。図18(A)は、実施形態の方法で作製されたSSCの強度プロファイルと結合損失のシミュレーション結果を示す。図18(B)は、一般的なフォトリソグラフィ法で作製されたSSCの強度プロファイルと結合損失のシミュレーション結果を示す。
図18(A)と図18(B)で、MFDに着目すると、SSCのサイド(b)とSMFでMFDのサイズは一致している。この結果だけをみると、SSCのサイド(b)側でMFDの大きをSMFに揃えるという効果は同じようにもみえる。
しかし、強度プロファイルの全体を比較すると、実施形態では、強度分布の傾向がSSCとSMFでほぼ一致しているのに対し、従来法では、強度分布の傾向がMFDを境に反転している。この違いが、結合損失の低減効果の差になって現れている。実施形態の方法ではGI型の(特にガウス型の屈折率分布を持つ)SSCが得られ、光の強度分布が重なり合う面積が大きくなって結合損失を低減することができる。これに対し、従来のフォトリソグラフィ法によると、SSCの径方向に屈折率が一定なSI(Step Index)型の分布になる。SSCの強度分布とSMFの強度分布特性がMFDを境に反転しており、光の強度分布が重なり合う部分の面積が小さくなり、結合損失が大きくなる。このように、図4のモスキート法により作製したSSCの優位性が確認された。
以上、まとめると、実施形態の方法により作製した立体テーパ(または円錐台)のSSCでは、両端の間でMFDが断熱的に大きく変化し、特に実施例2では、MFDが3.9μmから7.2μmまで拡大される。未硬化のクラッド内で、所定の時間内にニードルを8mm/s以下の速度から40〜100mm/sまで加速することで、所望の立体テーパ形状のポリマー導波路を形成して、エバネッセント光の漏れ出しの効果を達成することができる。
実施形態のSSCと汎用SMFとのミスアライメントトレランスは±2.1μm以上であり、SM光導波路と汎用SMFの軸ずれ特性と同等の値が得られる。
実施形態のSSCの挿入損失は十分に低く、特に実施例2では1550nm波長において2.34dBという低い値に抑えることができる。
実施形態のSSCとその作製方法は、サイズの異なる光伝送路同士を高効率、低損失で結合することができ、かつ高い軸ずれ耐性と設計自由度を有する。このようなSSCは、多チャンネルの光通信にも適用できる。たとえば、光トランシーバの送受信フロントエンドで、4チャンネル、8チャンネル等のSi光導波路が形成されたシリコンチップのエッジに、実施形態のポリマー導波路で形成されたSSCを各チャネルに対応して配置し、外部光配線であるSMFに接続することができる。実施形態のSSCは、特に光送信フロントエンドに適用されたときに非常に高効率かつ低損失の光結合を実現することができる。
10 SSC(スポットサイズ変換器)
11 断面(第1の面)
12 断面(第2の面)
14 ポリマー導波路
30 吐出装置
31 ニードル
44 未硬化のクラッド材料
45 コア層
11 断面(第1の面)
12 断面(第2の面)
14 ポリマー導波路
30 吐出装置
31 ニードル
44 未硬化のクラッド材料
45 コア層
Claims (9)
- 異なるコアサイズの光配線間でビーム径を変換するスポットサイズ変換器において、
第1のサイズの第1光配線に光学的に接続される第1の面と、
前記第1のサイズより大きい第2のサイズの第2光配線に光学的に接続される第2の面と、
前記第1の面から前記第2の面に向かって円錐状に径が小さくなるテーパ型のポリマー導波路と、
を有することを特徴とするスポットサイズ変換器。 - 前記第1の面での前記ポリマー導波路の径は4〜5μm、前記第2の面での前記ポリマー導波路の径は1.8〜2.8μmであることを特徴とする請求項1に記載のスポットサイズ変換器。
- 波長1550nmで前記第1の面でのモードフィールド径は3.8〜3.9μm、前記第2の面でのモードフィールド径は、5.6〜8.0μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のスポットサイズ変換器。
- 前記ポリマー導波路の前記第1の面はシリコン細線導波路に接続され、前記第2の面は光ファイバに接続されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスポットサイズ変換器。
- 前記ポリマー導波路のコア部はガウス分布形状の屈折率分布を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスポットサイズ変換器。
- 第1光配線が形成された基板の上に未硬化のクラッド層を形成するステップと、
前記クラッド層に注入針を指し込み、前記注入針から前記クラッド層の中に未硬化のコア材料を注入しながら、前記注入針を所定の方向に移動速度と吐出量の少なくとも一方を変化させて移動するステップと、
所定の位置で前記クラッド層から前記注入針を抜き取った後に前記コア材料を硬化させて、一方の端部が前記第1光配線と接続されているテーパ型のポリマー導波路を形成するステップと、
前記ポリマー導波路の前記第1光配線と反対側の端部を、前記第1光配線よりもコアサイズの大きい第2光配線と光学的に接続するステップと、
を含むことを特徴とするスポットサイズ変換器の製造方法。 - 前記第2光配線との接続面における前記ポリマー導波路の径が、前記第1光配線の光出射位置での前記ポリマー導波路の径よりも小さくなるように、前記注入針の移動速度及び/または吐出量を変化させることを特徴とする請求項6に記載のスポットサイズ変換器の製造方法。
- 前記注入針の移動速度を、所定の時間内に8mm/秒以下の速度から40〜100mm/秒の速度に加速することを特徴とする請求項6または7に記載のスポットサイズ変換器の製造方法。
- 前記未硬化のクラッド層は、シリコン細線導波路が形成された基板上に形成され、
前記ポリマー導波路の前記シリコン細線導波路と反対側の端部は、光ファイバに接続されることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のスポットサイズ変換器の製造方法。
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