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JP2018090050A - 車両の電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源失陥の発生時に第2の蓄電装置からの給電により電動機を適正に稼働させ、車両を発進させることが可能な車両の電源装置を提供する。【解決手段】電源装置1は、電気エネルギーの充放電が可能で、電気エネルギーを放電して電動機2を稼働させる第1の蓄電装置41、第1の蓄電装置よりも急速な充放電が可能な第2の蓄電装置42、第2の蓄電装置の電圧を昇降制御する電圧可変装置5、内燃機関3を始動させてその駆動力によって発電する発電機6、これらの動作を制御する制御装置9を備える。第2の蓄電装置は、+側が電動機、第1の蓄電装置、発電機と並列接続され、−側が電圧可変装置に直列接続される。制御装置は、第1の蓄電装置から電動機への電気エネルギーの失陥有無を判定し、失陥の発生時に、第2の蓄電装置の電圧を電圧可変装置に昇降制御させ、第2の蓄電装置から電動機へ、電動機の要求トルクに応じて電気エネルギーを放電させる。【選択図】 図1

Description

本発明は、電動機(モータ)および内燃機関(エンジン)の少なくとも一方を稼働させて走行可能な車両、例えばプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)などのハイブリッド自動車に搭載される電源装置に関する。
PHEVは、モータとエンジンを適宜組み合わせて稼働させて走行する。モータは、電源装置によって駆動されている。電源装置においては、蓄電装置(例えば、車両駆動用のバッテリ)とモータとの間で絶えず電気エネルギーの出し入れが行われている。車両の構造上、モータは、駆動力の伝達効率を上げるべく、前後輪の近くに配置される。これに対し、車両駆動用バッテリは、サイズが大きく、温度により性能や寿命が影響を受け易いため、前後輪やエンジンルームから離れてレイアウトが容易な箇所に配置される。モータと車両駆動用バッテリが互いに離れて配置されるため、回路(電気エネルギーの伝達経路)において両者を繋ぐ接続部材(例えば、ワイヤハーネス)が長くなる。したがって、回路ではワイヤハーネスの長さの分だけ抵抗が増すため、伝達時のエネルギー損失が増大してしまう。
回路における伝達時のエネルギー損失は、電流の二乗に比例する(W=I・R)。このため、同じエネルギー量を伝達する場合、電圧を高める方が電流を大きくするよりもエネルギー損失の低減になる。したがって、電圧可変装置(例えば、DC/DCコンバータ)を用いて電圧を高め、電流を小さくすることで伝達時のエネルギー損失を低減させる方法が考えられている(特許文献1参照)。
一方で、電圧を高める場合、それに伴って回路全体の耐圧性も高める必要がある。例えば、回路を構成する各種機器内の素子の高耐圧化や内部の絶縁距離の延長などが必要となる。このため、機器のコストアップや大型化などを招くという問題があった。また、電圧可変装置を用いることで回路上のエネルギー損失は低減できるが、電圧変換を行うことによる電圧可変装置自体でのエネルギー損失が生じてしまう。
モータなどの誘導負荷が稼働する際には、突入電流が発生する。これにより、回路には瞬間的に大きな電流変化が生じるので、回路上の抵抗の影響が大きくなり、エネルギー損失は増大する。
電圧可変装置などのエネルギー損失を伴う機器を用いずに、回路上でのワイヤハーネスなどによるエネルギー損失を緩和する方策として、駆動用バッテリとモータとの間にキャパシタなどの第2の蓄電装置を設ける方法が挙げられる。例えば、キャパシタは、回路を構成する各種機器と比べて一般的にサイズが小さいので、モータの近くに配置することが可能である。このため、モータとキャパシタとの間を繋ぐワイヤハーネスが短くて済み、両者間の抵抗を小さくすることができる。また、キャパシタの内部抵抗は、駆動用バッテリよりも小さい。したがって、キャパシタから電気エネルギーをモータへ放電(供給)する場合、駆動用バッテリから電気エネルギーを放電(供給)するよりも、エネルギー損失を抑えることができる。
このような抵抗の特性によれば、モータなどの誘導負荷により突入電流が生じた場合であっても、モータとキャパシタの間の抵抗自体が小さいため、エネルギー損失を低減させることができる。
特許第4960407号公報
ここで、例えばPHEVにおける走行時の走行モードとしては、モータのみを稼働させて走行するEV走行モードと、モータおよびエンジンの双方を稼働させて走行するHV走行モードがある。また、HV走行モードには、エンジンの駆動力を用いて発電機で発電し、駆動用バッテリを充電しながらモータの駆動力で走行するモードや、高速走行時にエンジンの駆動力で走行し、モータが駆動力をアシストして走行するモードなどがある。
したがって、車両が停止している状態からの発進がEV走行モードで行われる場合、モータが稼働しないと車両を発進させることができない。モータが稼働しない状況としては、例えば電源失陥が想定される。電源失陥とは、原因や理由の如何を問わず、駆動用バッテリからモータへの給電(電気エネルギーの供給)が遮断されている状態を指す。具体的には、モータや駆動用バッテリの故障、モータと車両駆動用バッテリとを接続するワイヤハーネスの断線、コネクタの外れや緩みなどが該当する。
このような電源失陥が発生して車両が停止した場合であっても、キャパシタから電気エネルギーをモータへ供給できれば、車両を発進させることは可能である。しかしながら、車両の停止場所によっては、停止した車両を迅速に移動させ、安全を確保せねばならない。例えば、踏切内で車両が立往生した場合、直ちに車両を踏切内から脱出させる必要がある。その際には、踏切内の段差や溝、勾配などによるモータへの要求トルクも考慮して、車両を緊急脱出させねばならない。
本発明は、これを踏まえてなされたものであり、その目的は、電源失陥の発生時に第2の蓄電装置(キャパシタ)からの給電により電動機(モータ)を適正トルクで稼働させ、車両を発進させることが可能な車両の電源装置を提供することにある。
本発明の車両の電源装置は、電動機および内燃機関の少なくとも一方を稼働させて走行可能な車両に搭載される。電源装置は、第1の蓄電装置と、第2の蓄電装置と、電圧可変装置と、発電機と、制御装置とを備える。第1の蓄電装置は、電気エネルギーの充放電が可能で、電気エネルギーを放電して電動機を稼働させる。第2の蓄電装置は、第1の蓄電装置よりも急速な充放電が可能に構成され、+側が前記電動機、前記第1の蓄電装置および前記発電機と並列接続され、−側が前記電圧可変装置に直列接続される。電圧可変装置は、第2の蓄電装置の電圧を昇降制御する。発電機は、内燃機関を始動させるとともに、始動させた前記内燃機関の駆動力によって発電する。制御装置は、電動機、第1の蓄電装置、第2の蓄電装置、電圧可変装置、および発電機の動作をそれぞれ制御する。具体的には、制御装置は、第1の蓄電装置から電動機への電気エネルギーの失陥有無を判定する。失陥の発生時に、制御装置は、第2の蓄電装置の電圧を電圧可変装置に昇降制御させる。そして、制御装置は、第2の蓄電装置から電動機へ、電動機の要求トルクに応じて電気エネルギーを放電させる。
また、制御装置は、発電機によって発電された電気エネルギーを、第2の蓄電装置の充電量が電動機の要求トルクを充足可能となるように第2の蓄電装置に充電させる。
この場合、電圧可変装置は、第2の蓄電装置の−側の電位を上昇させて+側との電位差を縮小する第1の状態と、第2の蓄電装置の−側の電位を低下させて+側との電位差を拡大する第2の状態とに第2の蓄電装置の電圧を遷移させる。制御装置は、第1の状態において、第2の蓄電装置から電動機へ電気エネルギーを放電させる。また、制御装置は、第2の状態において、発電機によって発電された電気エネルギーを第2の蓄電装置に充電させる。
また、制御装置は、電動機の要求トルクと、第2の蓄電装置の充電状態とを判定する。電圧可変装置は、制御装置により判定された要求トルクおよび充電状態に基づいて、第1の状態と第2の状態とを遷移させる。
さらに、電源装置は、報知部を備えている。報知部は、第1の蓄電装置から電動機への電気エネルギーの失陥の発生を車両の運転者に報知するとともに、運転者に報知に対する応答を促す。制御装置は、報知に対する運転者の応答時に、第2の蓄電装置から電動機へ電気エネルギーを放電させる。
本発明の車両の電源装置によれば、電源失陥の発生時に第2の蓄電装置(キャパシタ)からの給電により電動機(モータ)を適正トルクで稼働させ、車両を発進させることができる。これにより、電源失陥が発生した場合であっても、車両を停止場所から緊急脱出させ、安全の確保を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る車両の電源装置の概略構成を示すブロック図。 本発明の一実施形態に係る車両の電源装置の制御フロー図(電源失陥の発生判定から発電開始まで)。 本発明の一実施形態に係る車両の電源装置の制御フロー図(第2の蓄電装置の充電から車両の走行終了まで)。
以下、本発明の一実施形態に係る車両の電源装置(以下、単に電源装置という)について、図1から図3を参照して説明する。本実施形態の電源装置1は、電動機(以下、モータという)2および内燃機関(以下、エンジンという)3の少なくとも一方を稼働させることで走行可能な車両に搭載される。車両は、駆動力を生じさせる動力源としてモータ2とエンジン3の双方を備え、適宜これらを組み合わせて(選択して)稼働させて走行するハイブリッド自動車が該当する。本実施形態では、家庭用の商用電源から蓄電装置を充電することが可能なプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)を、車両の一例として想定する。
図1は、電源装置1のブロック図である。図1に示すように、電源装置1は、3つの蓄電装置4(第1の蓄電装置41、第2の蓄電装置42および第3の蓄電装置43)と、電圧可変装置5と、発電機6と、インバータ7とを備えて構成されている。これらの蓄電装置4、電圧可変装置5、発電機6、インバータ7、およびモータ2は、接続部材(一例として、ワイヤハーネス)により接続され、接続部材とともに回路8を形成している。
モータ2は、蓄電装置4(具体的には、後述する第1の蓄電装置41もしくは第2の蓄電装置42)から電気エネルギーを受けて稼働する。ただし、モータ2は、第1の蓄電装置41および第2の蓄電装置42の少なくとも一方から電気エネルギーを受けて稼働すればよい。したがって、両方の蓄電装置41,42から電気エネルギーを受けてモータ2が稼働する態様も想定可能である。例えば、モータ2は、インバータ7から供給される三相交流電流により稼働する三相交流誘導モータである。稼働したモータ2は、車両の駆動輪を駆動させる。
エンジン3は、高速走行時に車両に駆動力を供給する。車両の通常走行時には、エンジン3の駆動力により作動された発電機6で発電を行う。発電された電気エネルギーは、第1の蓄電装置41に蓄積(充電)される。これにより、エンジン3は、車両の通常走行時にモータ2による駆動力をアシストする。エンジン3としては、例えばディーゼルエンジンもしくはガソリンエンジンを適用することができる。
なお、モータ2は、車両の減速時(回生時)に発電する発電機として機能する。また、エンジン3は、発電機6を発電させる際の動力源として機能する(詳細は後述)。このため、本実施形態では一例として、電源装置1は、モータ2およびエンジン3を含んで構成されるものとする。ただし、電源装置1は、モータ2およびエンジン3を含まないものとして構成することも可能である。
第1の蓄電装置41は、モータ2を駆動させるための電気エネルギーを蓄積(充電)、供給(放電)する車両駆動用のバッテリである。第1の蓄電装置41は、例えば複数の扁平形状の電池(二次電池)を並べて構成されている。これら電池の集合体は、電極列に電線が取り付けられ、直列に配線されている。二次電池としては、リチウムイオン電池を適用することができるがこれに限定されない。
第2の蓄電装置42は、モータ2の電源失陥時に第1の蓄電装置41を補助し、モータ2を駆動させるための電気エネルギーを蓄積(充電)、供給(放電)する。このため、第2の蓄電装置42は、第1の蓄電装置41よりも急速な充放電が可能に構成されている。本実施形態では、電池集合体である第1の蓄電装置41に対し、第2の蓄電装置42としてキャパシタを適用している。キャパシタは、例えば電気二重層キャパシタであり、電池に比べて内部抵抗が小さく、+側の電位(以下、V1という)と−側の電位(同、V2という)との電位差(V1−V2;以下適宜、第2の蓄電装置42の電圧という)に応じて電気エネルギーを蓄積することができる。ただし、第1の蓄電装置41よりも急速な充放電が可能であれば、他の種類のキャパシタや大容量のコンデンサなどであっても構わない。
第3の蓄電装置43は、電圧可変装置5やインバータ7などを動作させるための電気エネルギー(通常12ボルト)を蓄積(充電)、供給(放電)する電装品駆動用のバッテリである。第3の蓄電装置43は、極板群および電解液が樹脂ケースで密閉されて構成されている。極板群は、プラス極板およびマイナス極板と、これらの極板を短絡しないように離間させるセパレータとを交互に並べて構成されている。
電圧可変装置5は、第2の蓄電装置42の電圧、具体的には−側の電位(V2)を昇降制御している。本実施形態では、電圧可変装置5としてDC/DCコンバータを適用している。この場合、電圧可変装置5は、第2の蓄電装置42の電圧を第1の状態と第2の状態に遷移させる。第1の状態では、第2の蓄電装置42のV2を上昇させてV1との電位差を縮小させる。したがって、第1の状態では、第2の蓄電装置42の蓄積可能電気エネルギー(以下、エネルギー容量という)が小さくなる。これに対し、第2の状態では、第2の蓄電装置42のV2を低下させてV1との電位差を拡大させる。したがって、第2の状態では、第2の蓄電装置42のエネルギー容量が大きくなる。
発電機6は、例えば、第1の蓄電装置41の充電率(SOC:State Of Charge)が低下した場合、エンジン3を始動させ、始動させたエンジン3の駆動力によって発電する。発電機6の入力軸61は、エンジン3のクランクシャフト31に連結されている。エンジン3が稼働してクランクシャフト31が回転すると、これに伴って発電機6の入力軸61が回転する。これにより、入力軸61に取り付けられたロータがステータ(いずれも図示省略)に対して回転し、発電機6が発電する。このように、発電機6は、エンジン3の始動機能(スタータ)と発電機能(オルタネータ)を併せ持つモータジェネレータに相当する。発電機6とエンジン3は、変速比が一定となるように接続されている。なお、発電機6により発電された電気エネルギーは、第1の蓄電装置41もしくは第2の蓄電装置42に蓄積(充電)される。これにより、発電機6で発電された電気エネルギーの電位を安定させて、モータ2へ給電することができる。
インバータ7は、第1の蓄電装置41および第2の蓄電装置42と、モータ2および発電機6との間に介在し、これらの蓄電装置41,42と、モータ2および発電機6とを接続している。例えば、インバータ7は、第1の蓄電装置41および第2の蓄電装置42に蓄積された電気エネルギー、具体的には直流電流を三相交流電流に変換して、該三相交流電流をモータ2に供給する。
回路8において、第2の蓄電装置42は、+側が第1の蓄電装置41、発電機6およびモータ2と並列接続され、−側が電圧可変装置5に直列接続されている。したがって、第1の蓄電装置41および発電機6と第2の蓄電装置42との間の電気エネルギーの移動(充放電)が直接可能となっている。例えば、第1の蓄電装置41が満充電状態である場合や発電機6が発電した場合、第2の蓄電装置42の−側の電位(V2)を第1の蓄電装置41や発電機6の電位からグランド(GND)電位に近似すると、第2の蓄電装置42のエネルギー容量が増大する。これにより、第1の蓄電装置41や発電機6から第2の蓄電装置42へ電気エネルギーを移動(充電)させることができる。これに対し、例えば第2の蓄電装置42が満充電状態である場合、第2の蓄電装置42の−側の電位(V2)を第1の蓄電装置41や発電機6の電位と同程度まで上昇させると、第2の蓄電装置42からモータ2へ電気エネルギーを移動(放電)させることができる。
電源装置1は、制御装置9によってその動作が制御されている。制御装置9は、CPU、メモリ、入出力回路、タイマ、各種のセンサやレーダ、カメラなどを備えたマイクロコンピュータとして構成されている。制御装置9は、センサやレーダ、カメラなどで検出した各種データを入出力回路により読み込み、メモリから読み出したプログラムを用いてCPUで演算処理する。そして、処理結果に基づいて、制御装置9は、モータ2、エンジン3、第1の蓄電装置41、第2の蓄電装置42、電圧可変装置5、発電機6、およびインバータ7の動作をそれぞれ制御する。この場合、制御装置9は、例えばエンジンコントロールユニット(ECU)に含めた構成とすることができる。あるいは、ECUとは別途に、制御装置9を構成してもよい。
例えば、制御装置9は、車速、加速度、アクセルペダルおよびブレーキペダルの踏込角、車体の傾斜角、モータ2の回転数などをセンサやレーダ、カメラなどで検出し、検出値に基づいて車両の走行状態を判定する。
また、制御装置9は、第1の蓄電装置41からモータ2への電気エネルギーの失陥(電源失陥)の有無を判定する。例えば、第1の蓄電装置41とモータ2とを接続するワイヤハーネスの断線、コネクタの外れや緩みなどが生じた場合であっても、電圧可変装置5やインバータ7は、停止することなく、第3の蓄電装置43からの給電により継続して稼働させ、第1の蓄電装置41とモータ2との間が導通不能である旨の信号(以下、失陥信号という)を制御装置9に送信する。そして、制御装置9は、失陥信号の送信有無により、電源失陥が発生しているか否かを判定し、電源失陥が発生していると判定された場合、電圧可変装置5に第2の蓄電装置42からモータ2へ電気エネルギーを放電(供給)させる。これにより、電源失陥時においても、モータ2を稼働させて車両を発進させることが可能となる。
制御装置9は、報知部90を含んで構成されている。報知部90は、電源失陥が発生している場合、その旨を運転者に報知する。報知部90による報知の方法は特に限定されない。ただし、車両の停止原因が電源失陥によるものであることを確実に運転者に認知可能で、かつ報知に対して運転者が応答可能であることを要する。例えば、警告灯の点灯(点滅)や警告メッセージの表示、あるいは警告音の鳴動などの警告が可能なインパネやカーナビのモニタ(ディスプレイ)などを報知部90として適用できる。これらの警告に対し、運転者は、例えば警告灯の消灯、警告メッセージへの応答、警告音の停止などの意思表示を、インパネやカーナビのモニタ(ディスプレイ)などに対して行う。
図2および図3には、電源装置1によって行われる制御、具体的には電源失陥時の対応処理のフローを示す。以下、図2および図3に示すフローに従って電源装置1による制御とその作用について説明する。図2は、電源失陥時の対応処理の前半(電源失陥の発生判定から発電開始まで)の制御フロー図であり、図3は、電源失陥時の対応処理の後半(第2の蓄電装置42の充電から車両の走行終了まで)の制御フロー図である。
車両が停止している状態において、制御装置9は、図2に示すように、第1の蓄電装置41からモータ2への電気エネルギーの失陥(電源失陥)が生じているか否かを判定する(S201)。すなわち、制御装置9は、電源失陥によって車両が発進不可能な状態となっているか否かを判定する。かかる判定時における車両の停止は、運転者の意思に反して走行中に車両が停止した状態(異常停止)と、運転者の意思によって車両が駐停車している状態(正常停止)のいずれかに大別される。S201では、異常停止の一例として、電源失陥による車両の停止を想定し、電源失陥の発生有無を判定している。なお、正常停止には、例えば駐車場への駐車や停止信号による一時停止などが含まれる。
判定にあたって、制御装置9は、失陥信号(第1の蓄電装置41とモータ2との間が導通不能である旨の信号)の送信有無を判定する。電源失陥が発生している場合、失陥信号が電圧可変装置5やインバータ7から制御装置9に送信されている。
失陥信号が送信されていない場合、制御装置9は、電源失陥が発生しておらず、車両の停止は電源失陥を原因とするものではないと判定する。この場合、制御装置9は、車両が電源失陥によって停止している車両の停止が電源失陥によるものである場合に実行される以降の処理(図2および図3に示すS202〜S212)を実行せず、制御を終了する。その際、制御装置9は、報知部90から運転者に対して警告を報知させる必要もない。例えば、車両が正常停止している場合であれば、車両は、第1の蓄電装置41からの給電によりモータ2を稼働させて発進することが可能である。
これに対し、失陥信号が送信されている場合、制御装置9は、報知部90に電源失陥が発生している旨を報知させる(S202)。報知部90は、例えばインパネやカーナビのモニタ(ディスプレイ)などへの警告灯の点灯(点滅)や警告メッセージの表示、あるいは警告音の鳴動などを行うとともに、運転者へこれらの警告に対する応答(意思表示)を促す。この場合、運転者は、例えばインパネやカーナビのモニタ(ディスプレイ)などを操作し、警告灯の消灯、警告メッセージへの応答、警告音の停止などの応答(意思表示)を行う。
かかる報知がなされると、制御装置9は、これに対して運転者の応答がなされたか否かを判定する(S203)。かかる判定は、報知に対する運転者の応答がなされるまで繰り返される。すなわち、制御装置9は、運転者によって応答がなされるまで、報知(警告灯の点灯など)を継続する。報知(警告)に対して運転者の応答がなされた場合、報知部90は、例えば警告灯の消灯、応答メッセージの表示、警告音の停止などにより、報知を終了する。
なお、電源失陥時にその旨の報知(警告)をするとともに、報知に対する意思表示を運転者に手動で行わせるのは、車両が電源失陥により発進不可能となっていることを運転者に確実に認知させた上で、以降の処理(図2および図3に示すS204〜S212)を運転者の意思で行うためである。これにより、電源失陥時の対応処理が運転者の意思に反していきなりなされることを抑止している。
報知(警告)に対して運転者の応答がなされると、制御装置9は、発電機6に発電を開始させる(S204)。発電を開始するにあたって、発電機6は、エンジン3を始動させる。その後、始動させたエンジン3の駆動力によって、発電機6は発電する。
発電を開始すると、発電機6は、発電した電気エネルギーを第2の蓄電装置42に移動させる。これにより、第2の蓄電装置42が充電される(S205)。
なお、本実施形態では、報知(警告)に対する運転者の応答後、直ちに発電機6による発電(S204)と、第2の蓄電装置42の充電(S205)を行っている。すなわち、第2の蓄電装置42の充電量(蓄積電気エネルギーの量)を確認することなく、これらの発電と充電が行われる。これは、第2の蓄電装置42の充電にはさほど時間を要しないため、車両を迅速かつ確実に発進させることを優先しているためである。ただし、例えば第2の蓄電装置42が満充電状態の場合や後述するS206の閾値以上の充電量である場合などは、発電機6による発電(S204)と第2の蓄電装置42の充電(S205)を省略するような制御とすることも可能である。
第2の蓄電装置42が充電されている状態で、制御装置9は、第2の蓄電装置42の充電量(蓄積電気エネルギーの量)を所定の閾値と比較する(S206)。所定の閾値は、停止した車両を発進させる際のモータ2に対する要求トルクを充足可能な第2の蓄電装置42の充電量の最小値として設定される。車両発進時の要求トルクは、段差や溝、勾配など、実際の路面状況に応じて異なる。したがって、制御装置9は、アクセルペダルの踏込角、車体の傾斜角などをセンサで検出し、検出値に基づいて路面状況に応じた車両発進時のモータ2の要求トルクを演算する。そして、制御装置9は、演算した要求トルクに対応する第2の蓄電装置42の充電量の閾値を設定する。なお、路面状況は、例えばカーナビのGPSによる車両の現在位置と車載カメラによる撮影画像によって検出してもよい。
車両発進時のモータ2の要求トルクに対応する閾値の値は、例えばマップとして制御装置9のメモリに格納されている。制御装置9は、かかる閾値をプログラムの読み込みパラメータの一つとしてメモリから適宜読み出す。なお、例えばかかるマップをプログラムとともにクラウド上に格納し、制御装置9をクラウドと適宜通信させてプログラムおよびマップを利用可能とする構成であってもよい。この場合、制御装置9は、クラウドとの通信モジュールなどを備えた構成とする。
閾値との比較により、制御装置9は、第2の蓄電装置42の充電量がモータ2の要求トルクを充足し、車両を発進させることが可能か否かを判定する。
第2の蓄電装置42の充電量が閾値に達していない場合、制御装置9は、発電機6に発電と第2の蓄電装置42への充電を継続させる。すなわち、第2の蓄電装置42の充電量が閾値以上となるまで、発電機6は、発電および第2の蓄電装置42への充電を継続する(S205〜S207)。したがって、第2の蓄電装置42の充電量は、閾値以上となる。これにより、第2の蓄電装置42の充電量でモータ2に発生させ得るトルクによって、モータ2の要求トルクを充足でき、車両を発進させることが可能となる。
この場合、制御装置9は、電圧可変装置5に第2の蓄電装置42の−側の電位(V2)を調整させる(S207)。電圧可変装置5は、第2の蓄電装置42のV2を低下(一例として、グランド(GND)電位に近似)させ、第2の蓄電装置42のエネルギー容量を増大させる。これにより、閾値以上の充電可能容量を第2の蓄電装置42に確保することができる。このように第2の蓄電装置42のエネルギー容量が増大されている状態で、発電機6は、発電した電気エネルギーを第2の蓄電装置42に移動させ、第2の蓄電装置42を充電する。
第2の蓄電装置42の充電量が閾値以上となった場合(S206)、制御装置9は、報知部90に車両が発進(走行開始)可能となった旨を報知させる(S208)。報知部90による具体的な報知の方法は、特に限定されない。ただし、電源失陥が発生している旨の報知(S202)と同様の方法であることが好ましい。例えば、報知部90は、インパネやカーナビのモニタ(ディスプレイ)などへの通知灯の点灯(点滅)、確認メッセージの表示、通知音の鳴動などを行えばよい。
かかる通知後、制御装置9は、車両を発進させる(S209)。具体的には、制御装置9は、運転者のアクセルペダルの操作に応じて、第2の蓄電装置42に電気エネルギーのモータ2への放電(供給)を開始させ、モータ2を稼働させる。第2の蓄電装置42は、電気エネルギーをモータ2へ供給することにより、モータ2と接続されている+側の電位(V1)が低下していく。また、例えば段差や溝、勾配など、発進後の路面状況によってモータ2の要求トルクは変動し、それに応じて第2の蓄電装置42のV1も変動する。加えて、エンジン3の駆動状況によって発電機6の発電量が変動するので、これによっても第2の蓄電装置42のV1は変動する。
したがって、制御装置9は、第2の蓄電装置42のV1(モータ2との接続側電位)が安定しているか否かを判定する(S210)。例えば、制御装置9は、単位時間あたりの第2の蓄電装置42のV1の変動を検出し、その変動量が所定範囲内に止まっているか否かでV1の安定有無を判定する。
第2の蓄電装置42のV1が安定していない(変動が大きい)場合、制御装置9は、電圧可変装置5に第2の蓄電装置42のV2を調整させる(S211)。電圧可変装置5は、車両が走行を終了する(例えば、立往生した車両が踏切内から脱出する)まで、第2の蓄電装置42のV2を適宜調整し、V1を安定状態に維持させる。これにより、第2の蓄電装置42からモータ2への電気エネルギーの供給が安定し、車両を安定走行させることが可能となる。
この場合、制御装置9は、電圧可変装置5に第2の蓄電装置42のV2を上昇させつつ、第2の蓄電装置42からモータ2へ電気エネルギーを供給する。これにより、第2の蓄電装置42のV1の低下が抑止され、V1をモータ2の電位よりも大きく保つことができる。この結果、第2の蓄電装置42からモータ2への電気エネルギーの継続供給が可能となる。このように第2の蓄電装置42からモータ2へ電気エネルギーを安定して継続供給させた状態で、制御装置9は、車両の走行を継続させる。すなわち、車両は、モータ2から適正なトルク(駆動力)を受けて走行し続ける。
そして、制御装置9は、車両の走行が終了されたか否かを判定する(S212)。その際、制御装置9は、車速、アクセルペダルおよびブレーキペダルの踏込角、モータ2の回転数などをセンサやレーダ、カメラなどで検出し、検出値に基づいて車両の走行が終了された(つまり車両が停止した)か否かを判定する。かかる判定は、車両の走行が終了する(車両が停止する)まで繰り返される。したがって、例えば立往生した車両が踏切内から脱出して安全が確保できるまで、制御装置9は車両を走行させる。その際、車両の走行態様は、運転者のアクセルペダルの操作に応じて制御装置9により制御される。
車両の走行が終了されていない(車両の走行が継続されている)場合、制御装置9は、第2の蓄電装置42のV1が安定しているか否かを再度判定し(S210)、以降の処理(S211〜S212)を継続して実行する。
車両の走行が終了した場合、制御装置9は、電源失陥時の対応処理を終了する。この状態においては、電源失陥によって発進不可能となった車両が発進され、所望の場所まで移動されている。例えば、車両が踏切内で立往生した場合であっても、立往生した車両が踏切内を脱出し、安全確保が可能な場所まで移動した状態となっている。この状態に至れば、制御装置9は、エンジン3を停止させ、発電機6による発電および第2の蓄電装置42への充電を終了させても構わない。ただし、その際には、例えば報知部90でこれらの発電および充電の終了可否を報知し、運転者に判断させた上で行う必要がある。
このように、本実施形態の電源装置1によれば、電源失陥の発生時であっても、第2の蓄電装置42からモータ2へ給電することができる。このため、モータ2を稼働させて、車両を直ちに発進させることができる。その際、モータ2を適正なトルクで稼働させることができる。したがって、電源失陥によって発進不可能となった車両を発進させて、所望の場所まで移動させることができる。これにより、例えば、踏切内で電源失陥が発生し、車両が立往生したような非常事態であっても、車両を踏切内から脱出させて、安全確保が可能な場所まで直ちに移動させることができる。この結果、車両に対する安全性のより一層の向上を図ることが可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。このような新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電源装置、2…電動機(モータ)、3…内燃機関(エンジン)、4…蓄電装置、5…電圧可変装置、6…発電機、7…インバータ、8…回路、9…制御装置、41…第1の蓄電装置、42…第2の蓄電装置、43…第3の蓄電装置、V1…第2の蓄電装置の+側の電位、V2…第2の蓄電装置の−側の電位。

Claims (5)

  1. 電動機および内燃機関の少なくとも一方を稼働させて走行可能な車両に搭載される電源装置であって、
    電気エネルギーの充放電が可能で、電気エネルギーを放電して前記電動機を稼働させる第1の蓄電装置と、
    前記第1の蓄電装置よりも急速な充放電が可能な第2の蓄電装置と、
    前記第2の蓄電装置の電圧を昇降制御する電圧可変装置と、
    前記内燃機関を始動させるとともに、始動させた前記内燃機関の駆動力によって発電する発電機と、
    前記電動機、前記第1の蓄電装置、前記第2の蓄電装置、前記電圧可変装置、および前記発電機の動作をそれぞれ制御する制御装置と、を備え、
    前記第2の蓄電装置は、+側が前記電動機、前記第1の蓄電装置および前記発電機と並列接続され、−側が前記電圧可変装置に直列接続され、
    前記制御装置は、前記第1の蓄電装置から前記電動機への電気エネルギーの失陥有無を判定し、失陥の発生時に、前記第2の蓄電装置の電圧を前記電圧可変装置に昇降制御させ、前記第2の蓄電装置から前記電動機へ、前記電動機の要求トルクに応じて電気エネルギーを放電させる
    ことを特徴とする車両の電源装置。
  2. 前記制御装置は、前記発電機によって発電された電気エネルギーを、前記第2の蓄電装置の充電量が前記電動機の要求トルクを充足可能となるように前記第2の蓄電装置に充電させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の電源装置。
  3. 前記電圧可変装置は、
    前記第2の蓄電装置の−側の電位を上昇させて+側との電位差を縮小する第1の状態と、
    前記第2の蓄電装置の−側の電位を低下させて+側との電位差を拡大する第2の状態と、に前記第2の蓄電装置の電圧を遷移させ、
    前記制御装置は、
    前記第1の状態において、前記第2の蓄電装置から前記電動機へ電気エネルギーを放電させ、
    前記第2の状態において、前記発電機によって発電された電気エネルギーを前記第2の蓄電装置に充電させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両の電源装置。
  4. 前記制御装置は、前記電動機の要求トルクと、前記第2の蓄電装置の充電状態と、を判定し、
    前記電圧可変装置は、前記制御装置により判定された要求トルクおよび充電状態に基づいて、前記第1の状態と前記第2の状態とを遷移させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両の電源装置。
  5. 前記第1の蓄電装置から前記電動機への電気エネルギーの失陥の発生を車両の運転者に報知するとともに、運転者に前記報知に対する応答を促す報知部を備え、
    前記制御装置は、前記報知に対する運転者の応答時に、前記第2の蓄電装置から前記電動機へ電気エネルギーを放電させる
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両の電源装置。
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