JP2018088741A - モータ駆動装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力変換効率の低下をできるだけ押さえながら高調波電流を抑制できるモータ駆動装置およびその制御方法を提供する。【解決手段】PWMコンバータのスイッチングの開始に際し、第1設定値V1を目標値Vsとして初期設定し、PWMコンバータの出力電圧Vdcがその目標値VsとなるようにPWMコンバータをスイッチングする。スイッチング中、PWMコンバータから流出する高調波電流Haが設定値Hs以上であれば目標値Vsを上昇させ、高調波電流Haが設定値Hs未満であれば前記目標値Vsを下降させ、この下降に際し、変更後の目標値Vsが第2設定値V2(>V1)より低い領域に入った場合、第1設定値V1を新たな目標値Vsとして設定し、PWMコンバータの出力電圧Vdcが制限値Evを下限とした新たな目標値VsとなるようにPWMコンバータをスイッチングする。【選択図】図1
Description
本発明は、交流電源の電圧を直流に変換し、その直流電圧を所定周波数の交流電圧に変換し、その交流電圧を直流モータへの駆動電力として出力するモータ駆動装置およびその制御方法に関する。
交流電源の電圧をコンバータで直流に変換し、その直流電圧をインバータで所定周波数の交流電圧に変換し、その交流電圧を直流モータへの駆動電力として出力するモータ駆動装置が知られている。
このモータ駆動装置は、受電設備(キュービクルともいう)から電力の供給を受ける。受電設備は、商用三相交流電源の電圧をモータ駆動装置などの機器の運転に適したレベルの電圧に変換する。この受電設備には、商用三相交流電源へ流出する高調波電流の流出量を制限するための規制値が設定される。この規制値の大きさは、受電設備の受電容量に比例する。
このような高調波電流の規制に対処し、モータ駆動装置のコンバータとして昇圧型のPWMコンバータが採用され、そのPWMコンバータのスイッチング制御によって高調波電流の発生量が抑制される。
PWMコンバータはスイッチングによる電力損失が大きい。このため、PWMコンバータの採用に伴い電力変換効率の低下を招くという課題がある。
実施形態の目的は、電力変換効率の低下をできるだけ押さえながら高調波電流を抑制できるモータ駆動装置およびその制御方法を提供することである。
請求項1のモータ駆動装置は、交流電源の電圧を三相正弦波でパルス幅変調された所定周期のPWM信号によりスイッチング素子を断続的にスイッチングすることにより昇圧および直流変換し、スイッチング停止により全波整流するPWMコンバータと、このPWMコンバータの出力電圧Vdcをスイッチングにより交流電圧に変換しその交流電圧を直流モータの駆動電力として出力するインバータと、前記PWMコンバータの出力電圧Vdcが目標値Vsとなるように前記PWMコンバータをスイッチングするコントローラとを備える。前記コントローラは、前記PWMコンバータのスイッチングの開始に際し、第1設定値V1を前記目標値Vsとして初期設定し、前記PWMコンバータの出力電圧Vdcがその目標値Vs(=V1)となるように前記PWMコンバータをスイッチングする。また、前記コントローラは、前記スイッチング中、前記PWMコンバータから流出する高調波電流Haが設定値Hs以上の場合に前記目標値Vsを上昇方向に変更し、前記PWMコンバータから流出する高調波電流Haが設定値Hs未満の場合に前記目標値Vsを下降方向に変更し、この下降方向に変更する目標値Vsが第2設定値V2(>V1)より低い領域に入った場合は前記第1設定値V1を新たな目標値Vs(=V1)として設定する。そして、前記コントローラは、前記変更後の目標値Vsまたは前記新たな目標値Vs(=V1)が制限値Evより高ければ前記PWMコンバータの出力電圧Vdcが前記変更後の目標値Vsまたは前記新たな目標値Vs(=V1)となるように前記PWMコンバータをスイッチングし、前記変更後の目標値Vsまたは前記新たな目標値Vs(=V1)が前記制限値Ev以下であればその制限値Evを新たな目標値Vs(=Ev)として設定し、前記PWMコンバータの出力電圧Vdcがその新たな目標値Vs(=Ev)となるように前記PWMコンバータをスイッチングする。
請求項7は、交流電源の電圧を三相正弦波でパルス幅変調された所定周期のPWM信号によりスイッチング素子を断続的にスイッチングすることにより昇圧および直流変換し、スイッチング停止により全波整流するPWMコンバータと、このPWMコンバータの出力電圧Vdcをスイッチングにより交流電圧に変換しその交流電圧を直流モータの駆動電力として出力するインバータと、前記PWMコンバータの出力電圧Vdcが目標値Vsとなるように前記PWMコンバータをスイッチングするコントローラとを備えたモータ駆動装置の制御方法であって、前記PWMコンバータのスイッチングの開始に際し、第1設定値V1を前記目標値Vsとして初期設定し、前記PWMコンバータの出力電圧Vdcがその目標値Vs(=V1)となるように前記PWMコンバータをスイッチングする。このスイッチング中、前記PWMコンバータから流出する高調波電流Haが設定値Hs以上の場合に前記目標値Vsを上昇方向に変更し、前記PWMコンバータから流出する高調波電流Haが設定値Hs未満の場合に前記目標値Vsを下降方向に変更し、この下降方向に変更する目標値Vsが第2設定値V2(>V1)より低い領域に入った場合は前記第1設定値V1を新たな目標値Vs(=V1)として設定する。そして、前記変更後の目標値Vsまたは前記新たな目標値Vs(=V1)が制限値Evより高ければ前記PWMコンバータの出力電圧Vdcが前記変更後の目標値Vsまたは前記新たな目標値Vs(=V1)となるように前記PWMコンバータをスイッチングし、前記変更後の目標値Vsまたは前記新たな目標値Vs(=V1)が前記制限値Ev以下であればその制限値Evを新たな目標値Vs(=Ev)として設定し、前記PWMコンバータの出力電圧Vdcがその新たな目標値Vs(=Ev)となるように前記PWMコンバータをスイッチングする。
[1]本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、商用三相交流電源1に受電設備2が接続され、その受電設備2に本実施形態のモータ駆動装置3が接続されている。そして、モータ駆動装置3の出力端に、直流モータたとえばブラシレスDCモータ5が接続されている。受電設備2には、商用三相交流電源1側へ流出する高調波電流の流出量を制限するための規制値が設定されている。この規制値の大きさは、受電設備2の受電容量に比例する。ブラシレスDCモータ5は、設備機器である例えばヒートポンプ式熱源機の圧縮機を駆動するもので、複数の相巻線Lu,Lv,Lwを有するステータ(電機子)5a、および複数の永久磁石が埋設されたロータ(回転子)5bを含む。ロータ5bは、相巻線Lu,Lv,Lwに電流が流れることにより生じる磁界とステータ5aの各永久磁石が作る磁界との相互作用により、回転する。
図1に示すように、商用三相交流電源1に受電設備2が接続され、その受電設備2に本実施形態のモータ駆動装置3が接続されている。そして、モータ駆動装置3の出力端に、直流モータたとえばブラシレスDCモータ5が接続されている。受電設備2には、商用三相交流電源1側へ流出する高調波電流の流出量を制限するための規制値が設定されている。この規制値の大きさは、受電設備2の受電容量に比例する。ブラシレスDCモータ5は、設備機器である例えばヒートポンプ式熱源機の圧縮機を駆動するもので、複数の相巻線Lu,Lv,Lwを有するステータ(電機子)5a、および複数の永久磁石が埋設されたロータ(回転子)5bを含む。ロータ5bは、相巻線Lu,Lv,Lwに電流が流れることにより生じる磁界とステータ5aの各永久磁石が作る磁界との相互作用により、回転する。
モータ駆動装置3は、PWMコンバータ10、平滑コンデンサ30、インバータ40、コントローラ(MCU)70を含む。インバータ40の出力端に、ブラシレスDCモータ5の相巻線Lu,Lv,Lwが接続されている。
PWMコンバータ10は、リアクタ11,12,13、これらリアクタ11,12,13(および受電設備2)を介して受電設備2に接続されるダイオード21a〜26aの3相ブリッジ回路、この3相ブリッジ回路のダイオード21a〜26aに並列接続されたスイッチング素子たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)21〜26を含み、受電設備2から供給される三相交流電源電圧Vacをコントローラ70から供給されるPWM信号に応じたIGBT21〜26のスイッチング(断続的なオン)により昇圧および直流変換する。また、PWMコンバータ10は、IGBT21〜26のスイッチング停止により、受電設備2から供給される三相交流電源電圧Vacをダイオード21a〜26aで全波整流する。このPWMコンバータ10の出力電圧Vdcは、PWMコンバータ10に入力される三相交流電源電圧Vacが200Vで、かつPWMコンバータ10がスイッチング停止により全波整流した場合に、無負荷状態であれば約282Vとなる。このPWMコンバータ10の出力電圧Vdcが平滑コンデンサ30に印加される。なお、ダイオード21a〜26aは、IGBT21〜26の回生用ダイオードである。
インバータ40は、IGBT41,42を直列接続し、そのIGBT41,42の相互接続点がブラシレスDCモータ5の相巻線Luに接続されるU相用直列回路、IGBT43,44を直列接続し、そのIGBT43,44の相互接続点がブラシレスDCモータ5の相巻線Lvに接続されるV相用直列回路、IGBT45,46を直列接続し、そのIGBT45,46の相互接続点がブラシレスDCモータ5の相巻線Lwに接続されるW相用直列回路を含み、PWMコンバータ10の出力電圧(平滑コンデンサ30の電圧)Vdcを各IGBTのスイッチングにより所定周波数の三相交流電圧に変換しそれを各IGBTの相互接続点から出力する。なお、IGBT41〜46には、回生用ダイオード(フリー・ホイール・ダイオード)41a〜46aが逆並列接続されている。
インバータ40の出力端とブラシレスDCモータ5との間の通電路に、モータ電流(相巻線電流)検知用の電流センサ51,52,53が配置されている。この電流センサ51〜53の検知結果がコントローラ70に供給される。受電設備2とPWMコンバータ10との間の各相の通電路に、入力電流検知用の電流センサ61,62,63が配置されている。この電流センサ61〜63の検知結果がコントローラ70に供給される。なお、電流センサ61〜63を相ごとに設けているが、3つの相のうち2つの相にのみ電流センサを設け、この2つの相の検知結果から残りの1つの相の電流値を計算で求めてもよい。
コントローラ70は、コンバータ制御部71、インバータ制御部72、入力電圧検出部73、高調波電流検出部74、出力電圧検出部75、負荷検出部76、逆起電圧検出部77を含む。
入力電圧検出部73は、PWMコンバータ10へ入力される三相交流電源電圧(実効値)Vacを検出する。高調波電流検出部74は、電流センサ61〜63の検知結果の電流変化をフーリエ展開することにより、PWMコンバータ10から受電設備2(および商用三相交流電源1)側へ流出する所定次数(例えば5次、7次等)の高調波電流Haを検出する。出力電圧検出部75は、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcを検出する。
負荷検出部76は、ブラシレスDCモータ5により駆動される負荷の大きさLをインバータ制御部72で推定されるブラシレスDCモータ5の回転数(回転速度ともいう)ωestに基づいて検出する。モータにより駆動される負荷の大きさLは、一般的にモータのトルクと回転数との積で表わされる動力(=トルク×回転数)に相当する。ブラシレスDCモータ5により駆動される負荷が、圧縮機を含む冷凍サイクルなどの空調負荷である場合、その空調負荷の大きさは、ブラシレスDCモータ5の回転数ωestやブラシレスDCモータ5に流れる電流(相巻線電流)などとほぼ比例する関係にある。したがって、負荷検出部76は、インバータ制御部72の推定回転数ωestに限らず、電流センサ51,52,53の検知結果(相巻線電流)に基づいて負荷の大きさLを検出してもよい。ブラシレスDCモータ5の回転数は過渡期を除けば目標回転数ωrefとほぼ一致するため、目標回転数ωrefに基づいて負荷の大きさLを検出してもよい。
逆起電圧検出部77は、電流センサ51,52,53の検知結果をインバータ制御部72から取込み、その検知結果からブラシレスDCモータ5の逆起電圧Eeを検出する。なお、逆起電圧EeはブラシレスDCモータ5の回転数に比例するものなので、インバータ制御部72の推定回転数ωestを逆起電圧検出部77に取込み、その推定回転数ωestに基づく逆起電圧検出部77の演算により逆起電圧Eeを算出してもよい。
インバータ制御部72は、いわゆるセンサレス・ベクトル制御部であり、電流センサ51,52,53の検知結果に基づいてブラシレスDCモータ5の回転数ωestを推定し、その推定回転数ωestが外部から指定される目標回転数ωrefとなるようにインバータ40におけるIGBT41〜46のスイッチングのオン,オフデューティを制御する。具体的には、インバータ制御部72は、目標回転数ωrefが低い低速度運転域ではオン,オフデューティを小さく設定してインバータ40の出力電圧を低くし、目標回転数ωrefが低くない中速度運転域から高速度運転域ではオン,オフデューティを大きく設定してインバータ40の出力電圧を高める。また、インバータ制御部72は、設定しようとするオン,オフデューティが制御上の上限値に達した場合、負の界磁成分電流−Idを注入する弱め界磁制御によりブラシレスDCモータ5のロータ位置に対する通電タイミングを速める(進み角θを増す)。この弱め界磁制御により、ブラシレスDCモータ5における逆起電力に打ち勝つようにブラシレスDCモータ5に電流が流れ込み、ブラシレスDCモータ5の回転数ωestが上昇する。
後述する三相正弦波変調を行うPWMコンバータ10から受電設備2(および商用三相交流電源1)側へ流出する所定次数の高調波電流Haは、図2に示すように、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcおよび負荷の大きさLに応じて変化する。この図2の高調波電流Haは、三相交流電源電圧Vacが200Vの場合の値を示している。
負荷の大きさLが大きいいわゆる高負荷時の高調波電流Haは、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcの上昇に伴い、まず下降し、出力電圧Vdcが280Vに達したところで上昇に転じる。この上昇後、高調波電流Haは、出力電圧Vdcが294Vに達したところで下降に転じ、そのまま下降を続ける。高調波電流Haが最初の下降から上昇に転じるときの高調波電流Haの値を第1変曲点Ha1と称し、この上昇から下降に転じるときの高調波電流Haの値(ピーク値)を第2変曲点Ha2と称す。この第2変曲点Ha2からの下降に際し、高調波電流Haは、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが307Vのところで、第1変曲点Ha1と同じ値になる。換言すると、高負荷時の高調波電流Haは、出力電圧Vdcが三相交流電源電圧Vacの√2(ルート2)倍の値またはそれに近い値のとき、より厳密には三相交流電源電圧Vacの√2倍の値の99%(=Vac×√2×0.99)のときに、第1変曲点Ha1となる。また、高負荷時の高調波電流Haは、出力電圧Vdcが三相交流電源電圧Vacの√2倍の値の104%(=Vac×√2×1.04)のときに第2変曲点Ha2となり、出力電圧Vdcが三相交流電源電圧Vacの√2倍の値の109%(=Vac×√2×1.09)のときに第1変曲点Ha1と同じ値になる。
中負荷時の高調波電流Haは、高負荷時の高調波電流Haより低い値にシフトした状態で、その高負荷時の高調波電流Haと相似の形で変化する。また、低負荷時の高調波電流Haは、中負荷時の高調波電流Haよりさらに低い側にシフトした状態で、その高負荷時および中負荷時の高調波電流Haと相似の形で変化する。すなわち、出力電圧Vdcと高調波電流Haの関係は、出力電圧Vdcに対する高調波電流Haの増加及び減少傾向は負荷にかかわらず同じで、その絶対値は負荷に比例している。
コンバータ制御部71は、負荷検出部76で検出される負荷の大きさLと所定値Lsとを比較し、負荷の大きさLが所定値Ls未満の場合は昇圧が不要との判断の下にPWMコンバータ10におけるIGBT21〜26のスイッチングを停止し(全波整流)、負荷の大きさLが所定値Ls以上の場合は昇圧が必要との判断の下にPWMコンバータ10の出力電圧Vdcが目標値VsとなるようにIGBT21〜26をスイッチングする。このスイッチングに際し、コンバータ制御部71は、いわゆる三相正弦波変調を用いており、所定周期のキャリア信号を上記目標値Vsに応じて電圧レベルが変化する三相正弦波信号でパルス幅変調(電圧比較)することによりスイッチング用の所定周期のPWM信号(パルス状の駆動信号)を生成し、このPWM信号でIGBT21〜26をオン,オフ駆動(断続的にオン)する。
とくに、コンバータ制御部71は、目標値Vsを次のように可変制御する。まず、IGBT21〜26のスイッチングの開始に際し、予め定めた第1設定値V1を目標値Vsとして初期設定し、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcがその目標値Vs(=V1)となるようにPWMコンバータ10をスイッチングする(昇圧モード)。スイッチング中(昇圧モード)は、高調波電流検出部74で検出される高調波電流Haが設定値Hs以上であれば目標値Vsを所定値ΔVずつ上昇方向に変更し(Vs=Vs+ΔV)、高調波電流検出部74で検出される高調波電流Haが設定値Hs未満であれば目標値Vsを所定値ΔVずつ下降方向に変更する(V=Vs−ΔV)。この下降方向に変更する目標値Vsが予め定めた第2設定値V2(>V1)より低い領域に入った場合は、最初の第1設定値V1を新たな目標値Vs(=V1)として設定する。そして、変更後の目標値Vsまたは新たな目標値Vs(=V1)が制限値Evより高ければPWMコンバータ10の出力電圧Vdcが上記変更後の目標値Vsまたは上記新たな目標値Vs(=V1)となるようにPWMコンバータ10をスイッチングし、上記変更後の目標値Vsまたは上記新たな目標値Vs(=V1)が制限値Ev以下であればその制限値Evを新たな目標値Vs(=Ev)として設定し、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcがその新たな目標値Vs(=Ev)となるようにPWMコンバータ10をスイッチングする。
上記設定値Hsは、PWMコンバータ10から受電設備2(および商用三相交流電源1)側へ流出する高調波電流Haの流出量を制限するべく予め定められている制限値の範囲に含まれる値であり(例えば3A)、図2のように中負荷時の高調波電流Haの第1変曲点と第2変曲点との間に存する。
第1設定値V1は、高調波電流Haが第1変曲点Ha1にあるときのPWMコンバータ10の出力電圧Vdcの値たとえば280Vである。第2設定値V2は、高調波電流Haが第2変曲点Ha2にあるときのPWMコンバータ10の出力電圧Vdcの値たとえば294Vである。なお、第2変曲点Ha2を過ぎた高調波電流Haが第1変曲点Ha1と同じ値になるときの出力電圧Vdcの値“307V”を、説明の便宜上、第3設定値V3という。
上述したように、高調波電流Haは、出力電圧Vdcが三相交流電源電圧Vacの√2(≒1.414)倍の値またはそれに近い値のとき、より厳密には三相交流電源電圧Vacの√2倍の値の99%(=Vac×√2×0.99)のときに、第1変曲点Ha1となる。したがって、入力電圧検出部73で検出される三相交流電源電圧Vacの√2倍の値、あるいは入力電圧検出部73で検出される三相交流電源電圧Vacの√2倍の値の99%を、第1設定値V1と定めてもよい。また、上述したように、高調波電流Haは、出力電圧Vdcが三相交流電源電圧Vacの√2倍の値の104%(=Vac×√2×1.04)のときに第2変曲点Ha2となる。したがって、入力電圧検出部73で検出される三相交流電源電圧Vacの√2倍の値の104%を第2設定値V2と定めてもよいし、第1設定値V1の1.05倍(=104%/99%)の値またはそれに近い値を第2設定値V2と定めてもよい。第3設定値V3は、第1設定値V1の1.1倍(=109%/99%)の値またはそれに近い値である。
つぎに、コントローラ70が実行する制御を図3および図4を参照しながら説明する。図3は負荷の大きさLと目標値Vsとの関係(一例)を示し、図4は制御のフローチャートを示している。
インバータ制御部72は、外部から運転開始指令を受けた場合(ステップS1のYES)、インバータ40の駆動を開始する(ステップS2)。この駆動により、インバータ40から所定周波数の交流電圧が出力され、その出力によりブラシレスDCモータ5の運転が開始される。
この運転開始に伴い、コンバータ制御部71は、負荷検出部76で検出される負荷の大きさLおよび高調波電流検出部74で検出される高調波電流Haに基づき、昇圧が必要であるか否かを判定する(ステップS3)。すなわち、負荷の大きさLが所定値Ls以上の場合、あるいは高調波電流Haが設定値Hs以上の場合、昇圧が必要と判定する(ステップS3のYES)。一方、負荷の大きさLが所定値Ls未満かつ高調波電流Haが設定値Hs未満の場合は、昇圧が不要と判定する(ステップS3のNO)。起動時や負荷が軽い状況下で、昇圧が不要と判定した場合(ステップS3のNO)、コンバータ制御部71は、PWMコンバータ10をスイッチングしない(ステップS4)。スイッチングしないので、受電設備2から供給される三相交流電源電圧VacがPWMコンバータ10で全波整流される(昇圧停止モード)。続いて、コンバータ制御部71は、外部から運転停止指令を受けているか否かを判定する(ステップS5)。運転停止指令を受けていない場合(ステップS5のNO)、ステップS3からの処理を繰り返す。なお、この運転停止指令は、インバータ40の運転停止指令である。
一方、負荷の大きさLや高調波電流Haの値から昇圧が必要と判定した場合(ステップS3のYES)、コンバータ制御部71は、その時点で既にPWMコンバータ10が昇圧モードに入っているか否かを判定する(ステップS6)。まだ昇圧モードに入っていない場合(ステップS6のNO)、コンバータ制御部71は、昇圧を開始するべく、第1設定値V1(=280V)を目標値Vsとして初期設定する(ステップS7)。なお、この状態では、すでにインバータ40の動作による負荷が発生しているため、全波整流における出力電圧は280Vよりも低下している状態にある。続いて、コンバータ制御部71は、初期設定した目標値Vs(=V1)が逆起電圧検出部77で検出される逆起電圧Eに基づき定まる制限値Ev(=Ee+ΔE)より高い状態にあるかを判定する(ステップS8)。
昇圧モードの開始時には、初期設定した目標値Vs(=V1)は制限値Evより高い状態にあるので(ステップS8のYES)、コンバータ制御部71は、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが初期設定した目標値Vs(=V1)となるようにPWMコンバータ10をスイッチングする(ステップS9)。そして、コンバータ制御部71は、運転停止指令を受けていなければ(ステップS5のNO)、ステップS3からの処理を繰り返す。
こうして、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが目標値Vs(=V1)に保たれている状態でブラシレスDCモータ5の回転数ωestが増加すると、ブラシレスDCモータ5の逆起電圧Eeが上昇し、そのうちにインバータ制御部72による弱め界磁制御が働くようになる。弱め界磁制御が働くと、逆起電圧Eeに打ち勝つようにブラシレスDCモータ5に電流が流れ込み、ブラシレスDCモータ5の回転数ωestの上昇が可能となる。ただし、出力電圧Vdcが目標値Vs(=V1)のままでは、やがて弱め界磁制御が頭打ちになって逆起電圧Eeが目標値Vsに近づくと、ブラシレスDCモータ5の回転数ωestを上昇させることができなくなる。
上記ステップS8の判定において、逆起電圧Eeが目標値Vs(=V1)に近くなり、逆起電圧Eeより所定値ΔE(例えば20V)だけ高い制限値Ev(=Ee+ΔE)が目標値Vs(=V1)以上となった場合(ステップS8のNO)、インバータ40によるブラシレスDCモータ5の回転数を目標値に到達させるため、コンバータ制御部71は、その制限値Ev(=Ee+ΔE)を新たな目標値Vs(=Ev)として設定する(ステップS10)。そして、コンバータ制御部71は、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが新たな目標値Vs(=Ev)となるようにPWMコンバータ10をスイッチングする(ステップS9)。これにより、出力電圧Vdcが逆起電圧Eeを超えて上昇する。そして、コンバータ制御部71は、運転停止指令を受けていなければ(ステップS5のNO)、ステップS3からの処理を繰り返す。
一方、PWMコンバータ10のスイッチングが始まって昇圧モードに入った段階で(ステップS6のYES)、コンバータ制御部71は、高調波電流検出部74で検出される高調波電流Haと設定値Hsとを比較する(ステップS11)。高調波電流Haが設定値Hs以上の場合(ステップS11のYES)、コンバータ制御部71は、高調波電流Haを第2変曲点Ha2より先の下降方向の変化へと至らせるべく、現時点の目標値Vsを所定値ΔV、例えば0.5V、だけ上昇方向に変更する(ステップS12)。そして、コンバータ制御部71は、変更後の目標値Vs(=Vs+ΔV)と制限値Ev(=Ee+ΔE)とを比較する(ステップS8)。
変更後の目標値Vs(=Vs+ΔV)が制限値Evより高い場合(ステップS8のYES)、コンバータ制御部71は、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcがその変更後の目標値Vs(=Vs+ΔV)となるようにPWMコンバータ10をスイッチングする(ステップS9)。変更後の目標値Vs(=Vs+ΔV)が制限値Ev以下の場合(ステップS8のNO)、コンバータ制御部71は、制限値Evを新たな目標値Vs(=Ev)として設定し(ステップS10)、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが新たな目標値Vs(=Ev)となるようにPWMコンバータ10をスイッチングする(ステップS9)。
続いて、コンバータ制御部71は、運転停止指令を受けていなければ(ステップS5のNO)、ステップS3からの処理を繰り返す。この繰り返しにより、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが徐々に上昇していく。この出力電圧Vdcの上昇に伴い、高調波電流検出部74で検出される高調波電流Haは、第1設定値V1と第2設定値V2との間の領域で一旦は上昇方向に変化して、やがて第2変曲点Ha2を乗り越えて下降方向へと変化していく。
そして、高調波電流検出部74で検出される高調波電流Haは、高負荷状態では、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが第3設定値V3(=307V)を超えた辺りで、設定値Hs未満となる。
なお、本実施形態では、高調波電流Haが設定値Hs以上の場合(ステップS11のYES)、現時点の目標値Vsを所定値ΔVだけ上昇させる(ステップS12)ことを繰り返して最終的に高調波電流Haが設定値Hs以下となる領域まで目標値Vsを増加させたが、出力電圧が第1設定値V1の状態で高調波電流Haが設定値Hs以上となった場合には、目標値Vsを必ず第3設定値V3以上に増加させなければならないため、目標値Vsを第1設定値V1から所定値ΔVずつ徐々に増加させることなく、第3設定値V3まで目標電圧を一気に増加させ、その後徐々に目標電圧Vsを増加させても良い。こうすることで、高調波電流を早く抑えることができるようになる。
また、低負荷状態では、高調波電流Haは、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが第1設定値V1以上のすべての領域で設定値Hs未満となることから、ステップS11でYESとなることはない。一方、中負荷状態では、高調波電流Haは、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが第2設定値V2付近で設定値Hsを超える部分があるため、制限値Ev(=Ee+ΔE)が目標値Vs(=V1)以上となって(ステップS8のNO)、ステップS10で新たに設定された目標値Vs(=Ev+ΔE)が第2設定値V2近傍となった場合には、次回のステップS11で高調波電流Haが設定値Hs以上と判断される(ステップS11のYES)。そこで、コンバータ制御部71は、高調波電流Haを低減させるべく、現時点の目標値Vsを所定値ΔVだけ上昇方向に変更し(ステップS12)、これを繰り返す。その結果、最終的に目標値Vsは制限値Evよりも高く、かつ、高調波電流Haが設定値Hs未満となる値に変更される。高調波電流検出部74で検出される高調波電流Haが設定値Hs未満になると(ステップS11のNO)、コンバータ制御部71は、現時点の目標値Vsを所定値ΔVだけ下降方向に変更する(ステップS13)。そして、コンバータ制御部71は、変更後の目標値Vs(=Vs−ΔV)と第2設定値V2とを比較する(ステップS14)。
変更後の目標値Vs(=Vs−ΔV)が第2設定値V2以上であれば(ステップS14のYES)、コンバータ制御部71は、変更後の目標値Vs(=Vs−ΔV)と制限値Evとを比較する(ステップS8)。変更後の目標値Vs(=Vs−ΔV)が制限値Evより高い場合(ステップS8のYES)、コンバータ制御部71は、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcがその変更後の目標値Vs(=Vs−ΔV)となるようにPWMコンバータ10をスイッチングする(ステップS9)。変更後の目標値Vs(=Vs−ΔV)が制限値Ev以下の場合(ステップS8のNO)、コンバータ制御部71は、制限値Evを新たな目標値Vs(=Ev)として設定し(ステップS10)、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが新たな目標値Vs(=Ev)となるようにPWMコンバータ10をスイッチングする(ステップS9)。続いて、コンバータ制御部71は、運転停止指令を受けていなければ(ステップS5のNO)、ステップS3からの処理を繰り返す。
負荷の大きさLの減少により高調波電流Haが設定値Hs未満の状態のまま(ステップS11のNO)、目標値Vsを下降方向に変更するステップS13の処理が繰り返されると、変更後の目標値Vs(=Vs−ΔV)が第2設定値V2より低い領域に入る。
変更後の目標値Vs(=Vs−ΔV)が第2設定値V2より低い領域に入った場合(ステップS14のNO)、コンバータ制御部71は、最初の第1設定値V1を新たな目標値Vs(=V1)として設定する(ステップS7)。そして、新たな目標値Vs(=V1)が制限値Evより高ければ(ステップS8のYES)、コンバータ制御部71は、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが新たな目標値Vs(=V1)となるようにPWMコンバータ10をスイッチングする(ステップS9)。新たな目標値Vs(=V1)が制限値Ev以下であれば(ステップS8のNO)、コンバータ制御部71は、制限値Evを新たな目標値Vs(=Ev)として設定し(ステップS10)、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが新たな目標値Vs(=Ev)となるようにPWMコンバータ10をスイッチングする(ステップS9)。
続いて、コンバータ制御部71は、運転停止指令を受けていなければ(ステップS5のNO)、ステップS3からの処理を繰り返す。運転停止指令を受けた場合(ステップS5のYES)、コンバータ制御部71は、PWMコンバータ10のスイッチングを停止し、インバータ制御部72はインバータ40の駆動を停止する。また、ステップS3の判定で昇圧が不要になった場合(ステップS3のNO)、コンバータ制御部71は、PWMコンバータ10のスイッチングを停止してPWMコンバータ10を全波整流させる。
上記のように、下降方向に変更した目標値Vs(=Vs−ΔV)が設定値V2未満に下降したところで、目標値Vsを最初の第1設定値V1にシフトすることにより、目標値Vs(=V1)が制限値Evより高い状態であれば、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが第2設定値V2と第1設定値V1との間の領域を辿ることがない。PWMコンバータ10は、昇圧電圧が低いほどスイッチング素子のオン期間が減少し、効率が良い。このため、電力変換効率の低下をできるだけ押さることができる。また、下降方向に変更した目標値Vs(=Vs−ΔV)が設定値V2未満に下降したところで目標値Vsを最初の第1設定値V1にシフトするので、そのシフト後の出力電圧Vdcでは、高調波電流Haは必ず設定値Hs未満に抑制された状態となるため、シフトした途端に高調波電流Haが設定値Hsを越えて出力電圧を増加させなければならなくなるようなことはない。
[2]本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態では、コンバータ制御部71は、通常のPWMコンバータ10の運転前に、インバータ4が運転している状態で、目標値Vsを第1設定値V1から徐々に上昇させてPWMコンバータ10の出力電圧Vdcがその目標値VsとなるようにPWMコンバータ10をスイッチングし、このスイッチングによりPWMコンバータ10から流出する高調波電流Haが上昇方向の変化から下降方向の変化に転じる第2変曲点Ha2にあるときの目標値VsまたはPWMコンバータ10の出力電圧Vdcを第2設定値V2として設定する。
第2実施形態では、コンバータ制御部71は、通常のPWMコンバータ10の運転前に、インバータ4が運転している状態で、目標値Vsを第1設定値V1から徐々に上昇させてPWMコンバータ10の出力電圧Vdcがその目標値VsとなるようにPWMコンバータ10をスイッチングし、このスイッチングによりPWMコンバータ10から流出する高調波電流Haが上昇方向の変化から下降方向の変化に転じる第2変曲点Ha2にあるときの目標値VsまたはPWMコンバータ10の出力電圧Vdcを第2設定値V2として設定する。
具体的には、コンバータ制御部71は、図5のフローチャートに示すように、運転開始指令に応じたインバータ40の駆動開始後(運転中)に(ステップS1のYES、ステップS2)、全波整流動作を行っているPWMコンバータ10の出力電圧Vdcが所定値Vdcs(例えば275V)以下であるか否かを判定する(ステップS2a)。PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが所定値Vdcs以下の場合(ステップS2aのYES)、コンバータ制御部71は、第2設定値V2を設定するためのV2設定ルーチンを実行する(ステップS20)。そして、コンバータ制御部71は、このV2設定ルーチンで設定した第2設定値V2を用いて、第1実施形態で説明したステップS3〜S12の処理を実行する。
PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが所定値Vdcsより高い場合(ステップS2aのNO)、コンバータ制御部71は、V2設定ルーチンを実行することなく、ステップS3〜S12の処理に移行する。この場合、コンバータ制御部71は、前回のV2設定ルーチンで設定した第2設定値V2を用いる。但し、通常は、昇圧必要を判別するステップS3がYESとなる前に、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが所定値Vdcs以下(ステップS2aのYES)となるので、前回のV2設定ルーチンで設定した第2設定値V2を用いる可能性は極めて低い。
V2設定ルーチンを図6に示す。すなわち、コンバータ制御部71は、予め内部メモリに記憶している第1設定値V1(=280V)を最初の目標値Vsとして設定し(ステップS21)、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcがその目標値Vs(=V1)となるようにPWMコンバータ10をスイッチングする(ステップS22)。続いて、コンバータ制御部71は、今回の制御ループのタイミングにおいて高調波電流検出部74で検出される高調波電流Haと、前回の制御ループのタイミングにおいて高調波電流検出部74で検出された高調波電流Haとを比較する(ステップS23)。以下、今回の制御ループのタイミングにおいて検出される高調波電流Haを今回の高調波電流Haといい、前回の制御ループのタイミングにおいて検出される高調波電流Haを前回の高調波電流Haという。
今回の高調波電流Haが前回の高調波電流Haと同じまたはそれより大きい場合(ステップS23のNO)、コンバータ制御部71は、現時点の目標値Vsを所定値ΔVだけ上昇方向に変更する(ステップS24)。そして、コンバータ制御部71は、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが変更後の目標値Vs(=Vs+ΔV)となるようにPWMコンバータ10をスイッチングする(ステップS22)。このステップS22〜S24の処理が繰り返されることにより、高調波電流検出部74で検出される高調波電流Haが図2の第2変曲点Ha2へ向かって上昇していく。
高調波電流検出部74で検出される高調波電流Haが上昇方向の変化から下降方向の変化に転じる第2変曲点Ha2を越えたとき、今回の高調波電流Haが前回の高調波電流Haより小さくなる。今回の高調波電流Haが前回の高調波電流Haより小さくなったとき(ステップS23のYES)、コンバータ制御部71は、直前の目標値Vs(または出力電圧Vdc)を第2設定値V2として内部メモリに更新記憶し(ステップS25)、かつPWMコンバータ10のスイッチングを停止する(ステップS26)。以後、コンバータ制御部71は、上記更新記憶した第2設定値V2を用いて第1実施形態と同様のステップS3〜S12の処理を実行する。直前の目標値Vs(または出力電圧Vdc)とは、高調波電流検出部74で検出される高調波電流Haが第2変曲点Ha2にあるときの目標値Vs(または出力電圧Vdc)である。
このように、高調波電流Haの実際の変化を見ながら、その変化に対応する第2設定値V2をインバータ40の運転開始ごとに検出して設定することにより、電力変換効率の低下および高調波電流Haの抑制に関してより精度の高い制御が可能となる。
この実施形態では、出力電圧の目標値VsをΔVづつ増加させていき、今回の高調波電流Haが前回の高調波電流Haより小さくなったとき(ステップS23のYES)に直前の目標値Vsを第2設定値V2として内部メモリに記憶し(ステップS25)、PWMコンバータ10のスイッチングを停止させている(ステップS26)が、ステップS25の後もスイッチングを停止させることなく、継続して目標値VsをΔVづつ増加させて、高調波電流検出部74で検出される高調波電流Haが、最初に第1設定値V1(=280V)を目標値Vsとして設定した時に検出された高調波電流Haと一致したところで、その時の目標値Vsまたは出力電圧Vdcを第3設定値V3として記憶し、その後、PWMコンバータ10のスイッチングを停止させても良い。
さらには、PWMコンバータ10の最初の目標値Vsをより低い値、すなわち第1設定値V1よりも低い値から開始し、徐々に電圧を増加させることで高調波電流が減少から増加へと転じた時(変曲点)またはその直前の目標値Vsまたは出力電圧Vdcを第1設定値V1として記憶させることも可能である。
[3]変形例
上記各実施形態では、高調波電流Haに対する設定値Hsを受電設備2に設定される規制値の範囲に含まれる値としたが、受電設備2に設定される規制値とは関係なく独自に設定してもよい。さらに、電源が商用三相交流電源1である場合を例に説明したが、電源が自家発電設備である場合にも同様に実施が可能である。
上記各実施形態では、高調波電流Haに対する設定値Hsを受電設備2に設定される規制値の範囲に含まれる値としたが、受電設備2に設定される規制値とは関係なく独自に設定してもよい。さらに、電源が商用三相交流電源1である場合を例に説明したが、電源が自家発電設備である場合にも同様に実施が可能である。
上記各実施形態において、高調波電流Haが上昇方向に変化するときの設定値Hsと、高調波電流Haが下降方向に変化するときの設定値Hsとの間に、チャタリング防止用のヒステリシス値ΔHsを設けてもよい。
上記第2実施形態では、V2設定ルーチンを実行する条件として、PWMコンバータ10の出力電圧Vdcが所定値Vdcs以下という条件を用いたが、電流センサ61,62,63で検知される当該モータ駆動装置3への入力電流が所定値以下という条件を用いてもよい。あるいは、電流センサ61,62,63の検知電流(入力電流)と入力電圧検出部73で検出される三相交流電源電圧(入力電圧)Vacとの積である当該モータ駆動装置3の消費電力を算出し、その消費電力が所定値以下という条件を用いてもよい。
その他、上記各実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態や変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…商用三相交流電源、2…受電設備、3…モータ駆動装置、5…ブラシレスDCモータ、10…PWMコンバータ、21a〜26a…ダイオード、21〜26…IGBT、30…平滑コンデンサ、40…インバータ、41〜46…IGBT、51〜53,61〜63…電流センサ、70…コントローラ、71…コンバータ制御部、72…インバータ制御部、73…入力電圧検出部、74…高調波電流検出部、75…出力電圧検出部、76…負荷検出部、77…逆起電圧検出部
Claims (8)
- 交流電源の電圧を三相正弦波でパルス幅変調された所定周期のPWM信号によりスイッチング素子を断続的にスイッチングすることにより昇圧および直流変換し、スイッチング停止により全波整流するPWMコンバータと、
前記PWMコンバータの出力電圧Vdcをスイッチングにより交流電圧に変換しその交流電圧を直流モータの駆動電力として出力するインバータと、
前記PWMコンバータの出力電圧Vdcが目標値Vsとなるように前記PWMコンバータをスイッチングするコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記PWMコンバータのスイッチングの開始に際し、第1設定値V1を前記目標値Vsとして初期設定し、前記PWMコンバータの出力電圧Vdcがその目標値Vs(=V1)となるように前記PWMコンバータをスイッチングし、
前記スイッチング中、前記PWMコンバータから流出する高調波電流Haが設定値Hs以上の場合に前記目標値Vsを上昇方向に変更し、前記PWMコンバータから流出する高調波電流Haが設定値Hs未満の場合に前記目標値Vsを下降方向に変更し、この下降方向に変更する目標値Vsが第2設定値V2(>V1)より低い領域に入った場合は前記第1設定値V1を新たな目標値Vs(=V1)として設定し、
前記変更後の目標値Vsまたは前記新たな目標値Vs(=V1)が制限値Evより高ければ前記PWMコンバータの出力電圧Vdcが前記変更後の目標値Vsまたは前記新たな目標値Vs(=V1)となるように前記PWMコンバータをスイッチングし、前記変更後の目標値Vsまたは前記新たな目標値Vs(=V1)が前記制限値Ev以下であればその制限値Evを新たな目標値Vs(=Ev)として設定し、前記PWMコンバータの出力電圧Vdcがその新たな目標値Vs(=Ev)となるように前記PWMコンバータをスイッチングする、
ことを特徴とするモータ駆動装置。 - 前記設定値V1は、前記高調波電流Haが前記PWMコンバータの出力電圧Vdcの上昇に伴い下降から上昇に転じる第1変曲点Ha1にあるときの同PWMコンバータの出力電圧Vdcの値であり、
前記第2設定値V2は、前記高調波電流Haが前記PWMコンバータの出力電圧Vdcの上昇に伴い前記第1変曲点で上昇してから下降に転じる第2変曲点Ha2にあるときの同PWMコンバータの出力電圧Vdcの値である、
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。 - 前記設定値V1は、前記交流電源の電圧の√2倍×0.99の値またはそれに近い値であり、
前記第2設定値V2は、前記交流電源の電圧の√2*1,04倍の値またはそれに近い値である、
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。 - 前記コントローラは、
前記インバータの運転中に、前記目標値Vsを第1設定値V1から徐々に上昇させながら前記PWMコンバータの出力電圧Vdcがその目標値Vsとなるように前記PWMコンバータをスイッチングし、このスイッチングにより前記PWMコンバータから流出する高調波電流Haが上昇方向の変化から下降方向の変化に転じる変曲点にあるときの前記目標値Vsまたは前記PWMコンバータの出力電圧Vdcを前記第2設定値V2として設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。 - 前記コントローラは、
前記インバータの運転中に、前記目標値Vsを低い値から徐々に上昇させながら前記コンバータの出力電圧Vdcがその目標値Vsとなるように前記コンバータをスイッチングし、このスイッチングにより前記コンバータから流出する高調波電流Haが下降方向の変化から上昇方向の変化に転じる変曲点にあるときの前記目標値Vsまたは前記コンバータの出力電圧Vdcを前記第1設定値V1として設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。 - 前記制限値Evは、前記直流モータの逆起電圧Eeに基づき決定される、
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のモータ駆動装置。 - 交流電源の電圧を三相正弦波でパルス幅変調された所定周期のPWM信号によりスイッチング素子を断続的にスイッチングすることにより昇圧および直流変換し、スイッチング停止により全波整流するPWMコンバータと、
前記PWMコンバータの出力電圧Vdcをスイッチングにより交流電圧に変換しその交流電圧を直流モータの駆動電力として出力するインバータと、
前記PWMコンバータの出力電圧Vdcが目標値Vsとなるように前記PWMコンバータをスイッチングするコントローラと、
を備えたモータ駆動装置の制御方法であって、
前記PWMコンバータのスイッチングの開始に際し、第1設定値V1を前記目標値Vsとして初期設定し、前記PWMコンバータの出力電圧Vdcがその目標値Vs(=V1)となるように前記PWMコンバータをスイッチングし、
前記スイッチング中、前記PWMコンバータから流出する高調波電流Haが設定値Hs以上の場合に前記目標値Vsを上昇方向に変更し、前記PWMコンバータから流出する高調波電流Haが設定値Hs未満の場合に前記目標値Vsを下降方向に変更し、この下降方向に変更する目標値Vsが第2設定値V2(>V1)より低い領域に入った場合は前記第1設定値V1を新たな目標値Vs(=V1)として設定し、
前記変更後の目標値Vsまたは前記新たな目標値Vs(=V1)が制限値Evより高ければ前記PWMコンバータの出力電圧Vdcが前記変更後の目標値Vsまたは前記新たな目標値Vs(=V1)となるように前記PWMコンバータをスイッチングし、前記変更後の目標値Vsまたは前記新たな目標値Vs(=V1)が前記制限値Ev以下であればその制限値Evを新たな目標値Vs(=Ev)として設定し、前記PWMコンバータの出力電圧Vdcがその新たな目標値Vs(=Ev)となるように前記PWMコンバータをスイッチングする、
ことを特徴とするモータ駆動装置の制御方法。 - 前記制限値Evは、前記直流モータの逆起電圧Eeに基づき決定される、
ことを特徴とする請求項7に記載のモータ駆動装置の制御方法。
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- 2016-11-28 JP JP2016230158A patent/JP2018088741A/ja active Pending
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