以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の図面では、同一の各構成要素には同一の符号を付してある。同一の符号が付されている各構成要素の名称および機能は同じである。したがって、同一の符号が付されている各構成要素の一部についての詳細な説明を省略する場合がある。
なお、実施の形態において例示される各構成要素の寸法、材質、形状、当該各構成要素の相対配置などは、本発明が適用される装置の構成、各種条件等により適宜変更されてもよい。また、各図における各構成要素の寸法は、実際の寸法と異なる場合がある。
<実施の形態1>
(1.1 プリンタ)
図1は、本発明の実施の形態1に係るプリンタ100における制御に関する構成を示すブロック図である。なお、図1には、後述の説明のために、プリンタ100と通信する情報処理装置50を示している。プリンタ100は、熱転写型のプリンタである。プリンタ100は、通信部2、記憶部3、画像処理部4、制御部5および印画機構40を備える。
図2は、本発明の実施の形態1に係るプリンタ100が備える印画機構40を示す断面図である。なお、図2に示される各構成要素の位置は、正確ではない。図3は、本発明の実施の形態1に係るプリンタ100に含まれる印画機構40の一部を示す拡大断面図である。なお、図3は、後述の印画処理Pが1回以上行われた後の、後述のローラー離れ状態における、印画機構40の一部を示す。
図1、図2および図3を参照して、印画機構40は、ロール紙16r、搬送部9、用紙搬送部10、サーマルヘッド8、プラテンローラー17、ボビンBna,Bnb(図示せず)、インクリボン15、ボビン駆動部11a,11b、カッター6、排紙部7、センサSN1およびローラー駆動部30および剥離板18を備える。
なお、プリンタ100は、図1に示す構成以外の構成を備えてもよい。
ロール紙16rは、長尺状の用紙16aがロール状に巻かれて構成される。用紙16aは、画像の形成対象となる複数の印画領域を有する。印画機構40は、ロール紙16rから用紙16aを引き出す機能を有する。
以下においては、イエローのインクを、「Yインク」ともいう。また、以下においては、マゼンダのインクを、「Mインク」ともいう。また、以下においては、シアンのインクを、「Cインク」ともいう。また、以下においては、インクを保護するための部材を、「オーバーコート」ともいう。また、以下においては、オーバーコートを構成する材料を、「OP材料」または「OP」ともいう。OP材料は、例えば、耐摩耗性樹脂材料である。
また、以下においては、Yインク、Mインク、CインクおよびOP材料の各々を、「被転写物」ともいう。被転写物は、用紙16aに転写するための材料である。
インクリボン15は、長尺状のシートである。インクリボン15には、複数の長尺状の被転写領域が、当該インクリボン15の長手方向に並ぶように設けられている。各被転写領域は、印画面TrY,TrM,TrC,TrPを含む。各被転写領域には、印画面TrY,TrM,TrC,TrPが、印画面TrY,TrM,TrC,TrPの順で、当該インクリボン15の長手方向に並ぶように設けられている。
印画面TrYは、Yインクを含む。印画面TrMは、Mインクを含む。印画面TrCは、Cインクを含む。印画面TrPは、OP材料(オーバーコート)を含む。以下においては、印画面TrY,TrM,TrC,TrPの各々を、単に、「印画面Tr」ともいう。
本実施の形態において、印画面Trの種類とは、当該印画面Trに含まれる被転写物の種類を意味する。本実施の形態では、一例として、インクリボン15の各被転写領域には、4種類の印画面Trが設けられる。なお、各被転写領域には、印画面TrY,TrM,TrC,TrPと異なる種類の印画面が設けられてもよい。また、インクリボン15の各被転写領域に設けられる印画面Trの数は、4に限定されず、1、2、3または5以上であってもよい。
インクリボン15の一方側の端部がロール状に巻かれることにより、インクロール15raが構成される。インクロール15raは、インクリボン15を供給するためのロールである。インクロール15raは、ボビンBna(図示せず)に取付けられる。
インクリボン15の他方側の端部がロール状に巻かれることにより、インクロール15rbが構成される。インクロール15rbは、インクリボン15を巻き取るためのロールである。インクロール15rbは、ボビンBnb(図示せず)に取付けられる。
通信部2は、外部の情報処理装置50と通信する。通信部2は、情報処理装置50から、例えば、画像データ、印画に関する情報等を受信する。
記憶部3は、一時的に情報等を記憶する不揮発性メモリである。記憶部3は、例えば、通信部2が受信した画像データを記憶する。記憶部3は、制御プログラム、各種の設定値等を記憶する。
制御部5は、例えば、プリンタ100内の各構成要素を制御する機能を有する。制御部5は、例えば、バス等を介して、プリンタ100内の各構成要素(例えば、記憶部3、画像処理部4等)と通信可能なように構成される。
制御部5は、記憶部3に記憶されている、制御プログラム、設定値等にしたがって、プリンタ100の各構成要素を制御する。また、制御部5は、印画機構40の各構成要素(例えば、用紙搬送部10等)を制御する。また、制御部5は、例えば、印画に関するデータの処理を行う。
画像処理部4は、制御部5の制御に従って、画像データを、印画データに変換する。印画データは、印画機構40へ送信される。印画機構40は、印画データにより表現される画像を、用紙16aに形成する処理を行う。すなわち、用紙16aは、当該用紙16aに画像が形成されることにより、当該画像を記録するための記録媒体である。当該記録媒体の形状は、長尺状であり、かつ、シート状である。
サーマルヘッド8は、用紙16aに、インクリボン15の被転写物の転写を行うための熱を発する。以下においては、用紙16aに被転写物を転写するための処理を、「印画処理P」ともいう。
プリンタ100は、詳細は後述するが、インクリボン15を、サーマルヘッド8で加熱して、記録媒体(用紙16a)に対し、印画処理Pを行う機能を有する。サーマルヘッド8は、熱を発する機能を有するヒーターHt1(ヒーターライン)と、ガイド部材8aとを含む。
ガイド部材8aは、用紙16aにインクリボン15を重ねあわすための部材である。以下においては、ガイド部材8aの下端が存在する位置を、「位置Lc1」ともいう。
なお、プリンタ100では、記録媒体としての用紙16aの代わりに、他の種類の記録媒体が使用されてもよい。プリンタ100では、例えば、用紙16aの代わりに、樹脂シート、布シート等の記録媒体が使用されてもよい。
プラテンローラー17は、移動自在に構成される。プラテンローラー17は、印画処理Pが行われる際に、用紙16a(記録媒体)に接触する。ローラー駆動部30は、制御部5の制御に従って、プラテンローラー17を移動させる機能を有する。
以下においては、プラテンローラー17が、サーマルヘッド8のヒーターHt1から離れている状態を、「ローラー離れ状態」ともいう。また、以下においては、ローラー離れ状態における、ヒーターHt1とプラテンローラー17との間隙を、「間隙Gp」ともいう(図3参照)。プラテンローラー17が移動することにより、間隙Gpのサイズが調整される。
また、以下においては、用紙16aが搬送される経路を、「用紙搬送経路」ともいう。用紙搬送経路には、排紙部7およびカッター6が設けられる。なお、用紙搬送経路の複数個所には、用紙16aの搬送を補助するための用紙搬送ガイド(図示せず)が設けられる。用紙搬送ガイドには、用紙16aが通過するための空間が設けられる。
用紙搬送部10は、制御部5の制御に従って、搬送部9を制御する。搬送部9は、用紙搬送部10の制御にしたがって、用紙16aを搬送する機能を有する。搬送部9は、グリップローラー9aと、ピンチローラー9bとを含む。なお、グリップローラー9aは、用紙搬送部10の制御に従って、回転する。搬送部9は、用紙16aが用紙搬送経路に沿って搬送されるように、当該用紙16aを搬送する。
ヒーターHt1およびプラテンローラー17により、インクリボン15および用紙16aが挟まれた状態において、サーマルヘッド8の動作により、印画処理Pが行われる。これにより、用紙16aの一部に画像が形成される。以下においては、用紙16aのうち、画像が形成されている部分を、「印刷物」ともいう。印刷物は、例えば、写真である。
カッター6は、用紙16aから印刷物が切り離されるように、当該用紙16aを切断する。排紙部7は、印刷物をプリンタ100の外部へ排出させる。
ボビン駆動部11a,11bの各々は、直流(DC)モーターを含む。なお、ボビン駆動部11a,11bの各々に含まれるDCモーターは、他の種類のトルク発生機構に置き換えられてもよい。ボビン駆動部11aは、ボビンBna(インクロール15ra)を回転させる機能を有する。ボビン駆動部11bは、ボビンBnb(インクロール15rb)を回転させる機能を有する。
ボビンBna,Bnb(図示せず)の回転により、インクロール15raから、インクリボン15が引き出される。そして、例えば、ローラー離れ状態において、インクリボン15は、間隙Gpを通過し、当該インクリボン15は、インクロール15rbに巻き取られる。これにより、インクリボン15が、インクロール15raからインクロール15rbまで搬送される。
ボビンBna,Bnbおよびボビン駆動部11a,11bにより、インクリボン15を搬送するためのインクリボン搬送機構が構成される。なお、インクリボン搬送機構は、他の種類のインクリボン搬送機構に置き換えられてもよい。
図3を参照して、インクロール15raから引き出されたインクリボン15は、位置Lc1において、用紙16aに重ねあわされる。以下においては、用紙16aにインクリボン15が重ねあわされて構成される部材を、「重ね合わせ体16X」ともいう。
なお、後述の印画処理Pが行われた直後の重ね合わせ体16Xは、融着部を含む。融着部とは、熱により、用紙16aにインクリボン15が融着している部分である。すなわち、重ね合わせ体16Xの融着部は、熱により、用紙16aにインクリボン15が貼り付けられた部分である。重ね合わせ体16Xの融着部は、例えば、図3の重ね合わせ体16Xのうち、プラテンローラー17と接触している部分から、当該重ね合わせ体16Xの右端までに相当する。
また、図3の重ね合わせ体16Xのうち、プラテンローラー17と接触している部分より左側に存在する部分では、用紙16aにインクリボン15は融着していない。
サーマルヘッド8には、剥離板18が設けられる。具体的には、サーマルヘッド8の端部には、剥離板18が設けられる。剥離板18は、重ね合わせ体16Xの融着部に含まれる用紙16aからインクリボン15が剥離されている状態において、当該インクリボン15に接触する部材である。
以下においては、剥離板18の先端が存在する位置を、「剥離位置Lc2」ともいう。例えば、ローラー離れ状態において、重ね合わせ体16Xは、位置Lc1から、間隙Gpを経由して、剥離板18の近傍まで搬送される。そして、重ね合わせ体16Xの融着部に含まれる用紙16aからインクリボン15が剥離される。なお、ローラー離れ状態において、剥離されたインクリボン15は、剥離板18の先端(剥離位置Lc2)に接触する。
なお、印画処理Pが一度も行われていない場合、融着部は存在しないため、インクリボン15の一部は、直線状に、位置Lc1および剥離位置Lc2に接触している。以下においては、インクリボン15の一部が、直線状に、位置Lc1および剥離位置Lc2に接触している状態を、「初期状態Stn」ともいう。
初期状態Stnは、図3において、インクリボン15の一部の配置を変更した状態に相当する。初期状態Stnでは、位置Lc1から剥離位置Lc2までに存在する、インクリボン15の一部の形状は、直線状である。また、初期状態Stnでは、重ね合わせ体16Xは存在しない。
印画処理Pが行われる場合、図4のように、サーマルヘッド8のヒーターHt1およびプラテンローラー17により、重ね合わせ体16Xは挟まれる。これにより、重ね合わせ体16Xに含まれる、インクリボン15および用紙16aは、互いに圧接される。この状態において、印画処理Pが行われる。
印画処理Pでは、サーマルヘッド8のヒーターHt1がインクリボン15を加熱する。これにより、インクリボン15の被転写物が用紙16aに転写され、かつ、重ね合わせ体16Xにおいて前述の融着部が生成される。なお、サーマルヘッド8およびプラテンローラー17により、インクリボン15の被転写物を、用紙16aに転写する転写機構が構成される。
なお、サーマルヘッド8およびプラテンローラー17からなる転写機構は、他の種類の転写機構に置き換えられてもよい。
インクリボン搬送機構がインクリボン15および用紙16aを搬送している際に、印画処理Pが行われる。これにより、用紙16aに対し、印画面TrYのYインクの転写、印画面TrMのMインクの転写、印画面TrCのCインクの転写、印画面TrPのOP材料(オーバーコート)の転写が、順に、行われる。
(1.2 インクリボン供給体)
図2および図3を参照して、インクリボン15の両端部にインクロール15ra,15rbが存在する当該インクリボン15は、インクロール15raからインクリボン15を供給するためのインクリボン供給体21である。
プリンタ100は、当該プリンタ100に対し、インクリボン供給体21が着脱自在なように構成される。図2および図3は、プリンタ100にインクリボン供給体21が装着されている状態を示す。インクリボン供給体21は、インクリボンカートリッジ、インクリボンカセット等とも呼ばれる。
インクロール15raには、IC(Integrated Circuit)タグ22が取り付けられる。ICタグ22は、情報を記憶するための集積回路等で構成される。なお、ICタグ22は、インクロール15ra以外の、インクリボン供給体21の構成物に取り付けられてもよい。
ICタグ22は、インクリボン15に関する情報であるインクリボン情報を保持(記憶)する保持媒体である。インクリボン情報は、例えば、インクリボン15の種類に関する情報、製造ばらつきの補正用の情報、インクサイズ(画像のサイズ)等を含む。
ICタグ22は、例えば、特開2004−322403号公報に開示されているICタグと同様な機能を有するICタグである。なお、ICタグ22は、他の種類の保持媒体に置き換えられてもよい。例えば、ICタグ22は、バーコード、2次元コード、接続端子を有する記憶回路等に置き換えられてもよい。
(1.3 センサ)
センサSN1は、制御部5の制御に従って、インクリボン供給体21に設けられるICタグ22からインクリボン情報を読み出す機能を有するICタグリーダー(読み出し機構)である。ICタグ22が他の種類の保持媒体に置き換えられる場合、ICタグリーダー(読み出し機構)が他の種類の読み出し機構に置き換えられる。
例えば、ICタグ22がバーコードに置き換えられる場合、ICタグリーダーがバーコードリーダーに置き換えられる。また、ICタグ22が2次元コードに置き換えられる場合、ICタグリーダーは、2次元コードリーダーに置き換えられる。また、ICタグ22が、接続端子を有する記憶回路に置き換えられる場合、ICタグリーダーは、当該接続端子に接続される接続端子を有する読み出し回路に置き換えられる。
(1.4 印画動作)
ボビン駆動部11bは、制御部5の制御にしたがって、例えば、正方向の巻き取りトルクを発生し、当該正方向の巻き取りトルクを、ボビンBnb(図示せず)に伝える。ボビン駆動部11bは、例えば、ボビンBnbに正方向の巻き取りトルクが発生するように、当該ボビンBnbを、時計回り方向に回転させる。
ボビン駆動部11aは、制御部5の制御にしたがって、例えば、逆方向の巻き取りトルクを発生し、当該逆方向の巻き取りトルクを、ボビンBna(図示せず)に伝える。ボビン駆動部11aは、例えば、ボビンBnaに逆方向の巻き取りトルクが発生するように、当該ボビンBnaを、反時計回り方向に回転させる。
これにより、インクリボン15には張力が加わる。ボビン駆動部11bが発生する巻き取りトルク、および、ボビン駆動部11aが発生する巻き取りトルクは、インクリボン15に加わる張力が、予め設定された張力になるように、制御部5により制御される。
したがって、ボビン駆動部11a,11bと、制御部5とにより、インクリボン15に加わる張力を調整する張力調整機構が構成する。印画処理、または、剥離処理が行われる際、当該張力調整機構によりインクリボン15に一定のトルクが与えられる。
(1.5 剥離が不十分である場合に生じる問題)
図4は、重ね合わせ体16Xの融着部に含まれる用紙16aからインクリボン15が剥離されている状態を示す図である。図5は、用紙16aからインクリボン15が剥離された直後における、当該インクリボン15および用紙16aの状態を示す斜視図である。なお、図5は、インクリボン15の被転写物の一部が、用紙16aに転写された状態も示す。
図5において、領域Rxは、被転写物の一部が用紙16aに転写されることにより、インクリボン15から当該被転写物の一部が除去された領域である。図6は、用紙16aからインクリボン15が剥離された直後における、用紙16aおよびインクリボン15の状態を示す平面図である。図6(a)は、図5の用紙16aの状態を示す平面図である。図6(b)は、図5のインクリボン15の状態を示す平面図である。
以下においては、用紙16aからインクリボン15が剥離されている状態における、当該インクリボン15と当該用紙16aとが成す角度を、「剥離角α」ともいう。
剥離角αが小さい場合、用紙16aに被転写物を転写するための印画処理が行われた後における用紙16aの印画領域の端部に、図6(a)のようなカス20が残る場合がある。カス20とは、被転写物のうち、用紙16aに転写される必要のない、当該被転写物の一部である。カス20は、例えば、OP材料のうち、用紙16aに転写される必要のない、当該OP材料の一部である。そこで、カス20が残らないようにするために、用紙16aからインクリボン15が剥離される場合、剥離角αを調整するタイミングが制御されることが望ましい。
(1.6 剥離角の調整タイミングの制御)
詳細は後述するが、剥離角αは、印画処理Pが行われる際に、ローラー駆動部30によって、調整される。すなわち、ローラー駆動部30は、印画処理Pが行われる際に、剥離角αを調整する機能を有する調整機構である。本実施の形態では、剥離角αを調整するタイミングが制御される。
詳細は後述するが、本実施の形態のプリンタ100は、印画制御処理を行う。印画制御処理は、印画処理Pおよび後述のタイミング制御処理を含む。
記憶部3において、印画面TrY,TrM,TrC,TrPには、それぞれ、基準角度KY,KM,KC,KPが対応づけられている。すなわち、Yインク,Mインク,Cインク,OP材料に、それぞれ、基準角度KY,KM,KC,KPが対応づけられている。基準角度KY,KM,KC,KPは、記憶部3に記憶されている。
基準角度KY,KM,KC,KPの各々は、対応する被転写物(印画面Tr)の種類に応じた角度に設定される。例えば、基準角度KY,KM,KC,KPの各々は、対応する被転写物の剥離特性に対応する角度に設定される。被転写物の剥離特性とは、例えば、インクリボン15から、当該インクリボン15に含まれる被転写物が剥離される場合における、当該被転写物を剥離するために必要な力を数値等で示す特性である。
例えば、基準角度KYは、Yインクの剥離特性に対応する角度に設定される。また、例えば、基準角度KPは、OP材料(オーバーコート)の剥離特性に対応する角度に設定される。
本実施の形態では、基準角度KY,KM,KC,KPの各々は、一例として、同じ角度である。基準角度KY,KM,KC,KPの各々は、例えば、60度から90度の範囲に含まれる角度である。
以下においては、基準角度KY,KM,KC,KPの各々を、単に、「基準角度K」ともいう。各基準角度Kは、予め定められた角度である。
また、ICタグ22には、一例として、インクリボン情報JY,JM,JC,JPが記憶されている。インクリボン情報JY,JM,JC,JPは、それぞれ、印画面TrY,TrM,TrC,TrPに対応付けられている。すなわち、インクリボン情報JY,JM,JC,JPは、それぞれ、Yインク,Mインク,Cインク,OP材料に対応づけられている。つまり、インクリボン情報JY,JM,JC,JPは、それぞれ、基準角度KY,KM,KC,KPに対応づけられている。
以下においては、インクリボン情報JY,JM,JC,JPの各々を、単に、「インクリボン情報J」ともいう。すなわち、ICタグ22には、一例として、4種類のインクリボン情報Jが記憶されている。インクリボン情報Jは、インクリボンの情報である。
図7は、プラテンローラー17の位置を説明するためのタイミング図である。図7(a)は、剥離角αを調整するタイミングが制御されない場合のタイミング図である。図7(b)は、被転写物の種類に基づいて、剥離角αを調整するタイミングが制御される場合のタイミング図である。以下においては、剥離角αを調整するタイミングを、「調整タイミングTα」または「Tα」ともいう。
図7(a)および図7(b)の横軸は、時間を示す。印画処理Pを含む印画制御処理は、時刻t0に開始され、時刻t9に終了する。図7(a)および図7(b)の縦軸は、位置Lpを示す。位置Lpは、プラテンローラー17の位置である。
図7(a)および図7(b)において、位置Lp0は、間隙Gpが存在する状態における、プラテンローラー17の位置である(図3参照)。位置Lp1は、間隙Gpが存在しない状態における、プラテンローラー17の位置である(図4参照)。
図7(a)および図7(b)において、期間T1y,T1m,T1c,T1pの各々は、印画処理Pが行われることにより、印画面Trの被転写物が用紙16aに転写される転写期間である。期間T1y,T1m,T1c,T1pでは、それぞれ、Yインク、Mインク、Cインク、OP材料が用紙16aに転写される。
以下においては、期間T1yに行われる印画処理Pを、「印画処理Pry」ともいう。また、以下においては、期間T1mに行われる印画処理Pを、「印画処理Prm」ともいう。また、以下においては、期間T1cに行われる印画処理Pを、「印画処理Prc」ともいう。また、以下においては、期間T1pに行われる印画処理Pを、「印画処理Prp」ともいう。すなわち、印画制御処理は、4種類の印画処理Pを含む。
印画処理Pry,Prm,Prc,Prpでは、それぞれ、Yインク、Mインク、Cインク、OP材料が、用紙16aに転写される。以下においては、期間T1y,T1m,T1c,T1pの各々を、単に、「期間T1」ともいう。
本実施の形態では、図7(b)に示す図に従って、印画制御処理が行われる。なお、図7(b)の期間T1pは、期間T1y,T1m,T1cのいずれかの期間よりも長い。また、本実施の形態では、各インクリボン情報Jは、タイミング情報を含む。タイミング情報は、目標タイミングTαxを示す。目標タイミングTαxは、調整タイミングTαが制御される場合における、目標となるタイミングである。
なお、印画制御処理が開始される時点における、印画機構40の一部の状態は、前述の初期状態Stnである。
前述したように、初期状態Stnは、図3において、インクリボン15の一部の配置を変更した状態に相当する。初期状態Stnでは、プラテンローラー17は用紙16aに接触している。
なお、図3は、重ね合わせ体16Xの融着部に含まれる用紙16aから、インクリボン15が剥離されている状態を示す。また、図3では、ローラー離れ状態において、用紙16aから剥離された、インクリボン15の一部が、剥離板18の先端(剥離位置Lc2)に接触している状態の剥離角αが示されている。なお、図4の剥離角αは、図3の剥離角αより大きい。
ここで、以下の前提Pm1を考慮する。前提Pm1では、印画処理Pry,Prm,Prcが行われる際には、調整タイミングTαが制御されない。また、前提Pm1では、印画処理Prpが行われる際に、調整タイミングTαが制御される。
図7(b)を参照して、前提Pm1における印画制御処理では、まず、情報取得処理が行われる。情報取得処理では、センサSN1が、ICタグ22から、インクリボン情報JY,JM,JC,JPを取得する。そして、センサSN1は、インクリボン情報JY,JM,JC,JPを、制御部5へ送信する。
次に、期間T1yに対しては、以下の処理が行われる。まず、印画処理Pryの開始直前に、ローラー駆動部30は、制御部5の制御に従って、プラテンローラー17が、重ね合わせ体16Xを介して、ヒーターHt1と接触するように、当該プラテンローラー17を移動させる(図4参照)。以下においては、プラテンローラー17が、重ね合わせ体16Xを介して、ヒーターHt1と接触している状態を、「ローラー接触状態」ともいう。
そして、印画処理Pryが行われる。印画処理Pryでは、図4の状態において、サーマルヘッド8のヒーターHt1がインクリボン15の印画面TrYを加熱する。これにより、Yインクが用紙16aに転写され、かつ、前述の融着部が生成される。
また、印画処理Pryの終了直後に、ローラー駆動部30は、プラテンローラー17の状態が、図3のローラー離れ状態になるように、プラテンローラー17を移動させる。
なお、期間T1m,T1cに対しては、期間T1yに対する処理と同様な処理が行われる。
次に、印画処理Prpの開始直前に、ローラー駆動部30は、制御部5の制御に従って、プラテンローラー17の状態が、図4のローラー接触状態になるように、プラテンローラー17を移動させる。
そして、印画処理Prpが行われる。印画処理Prpでは、図4の状態において、サーマルヘッド8のヒーターHt1がインクリボン15の印画面TrPを加熱する。これにより、OP材料が用紙16aに転写され、かつ、前述の融着部が生成される。そして、印画処理Prpが終了する。
次に、前提Pm1におけるタイミング制御処理が行われる。前提Pm1におけるタイミング制御処理では、制御部5は、インクリボン情報JPに基づいて、ローラー駆動部30(調整機構)が剥離角αを調整するタイミング(Tα)を制御する。
また、ローラー駆動部30は、制御部5により制御された、剥離角αを調整するタイミングにおいて、プラテンローラー17を移動させることにより、剥離角を調整する。
具体的には、前提Pm1におけるタイミング制御処理では、制御部5は、インクリボン情報JPのタイミング情報に従って、ローラー駆動部30がプラテンローラー17を移動させるタイミングを制御する。
前提Pm1では、制御部5により制御される前における、調整タイミングTαは、一例として、時刻t5である。また、前提Pm1では、インクリボン情報JPのタイミング情報は、目標タイミングTαxとして、一例として、時刻t8を示す。すなわち、前提Pm1では、制御部5により制御された、調整タイミングTαは、一例として、時刻t8(目標タイミングTαx)である。
さらに詳細には、前提Pm1におけるタイミング制御処理では、制御部5が、調整タイミングTαを、目標タイミングTαx(時刻t8)に設定する。すなわち、制御部5は、調整タイミングTαを制御する。
印画処理Prpの終了時点(時刻t5)から、期間T1pの終了時点(時刻t8)の直前までの間に相当する期間T1pbにおいて、ローラー駆動部30は、制御部5の制御に従って、プラテンローラー17を移動させない。
そして、ローラー駆動部30は、制御部5の制御に従って、調整タイミングTαである、期間T1pの終了時点(時刻t8)に、プラテンローラー17の状態が、図3のローラー離れ状態になるように、プラテンローラー17を移動させる。すなわち、ローラー駆動部30は、プラテンローラー17を移動させることにより、剥離角αを調整する。これにより、前提Pm1におけるタイミング制御処理は終了し、前提Pm1における印画制御処理が終了する。
なお、前述のタイミング制御処理は、印画処理Pry,Prm,Prcが行われる際にも行われてもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ローラー駆動部30(調整機構)は、剥離角αを調整する機能を有する。制御部5は、インクリボン情報Jに基づいて、ローラー駆動部30が剥離角αを調整するタイミングを制御する。これにより、剥離角αを調整するタイミングを制御することができる。
また、本実施の形態によれば、印画処理Prpが終了してから、期間T1pの終了までの間、プラテンローラー17は移動されない。そのため、用紙16aの印画領域の端部に、OP材料のカスが付着することを抑制することができる。その結果、用紙16aにおける印画品位を良くすることができる。
なお、本実施の形態では、ローラー駆動部30がプラテンローラー17を移動させる構成としたがこれに限定されない。例えば、サーマルヘッド駆動部を設け、サーマルヘッドを移動させる構成としてもよい。また、プリンタ100に、ローラー駆動部30およびサーマルヘッド駆動部の両方を設けてもよい。
なお、写真の印刷を行う、一般的な熱転写型のプリンタでは、4種類の印画面を有するインクリボンが使用される。4種類の印画面は、例えば、前述の印画面TrY,TrM,TrC,TrPである。インクリボンには、4種類の印画面を有する被転写領域が、当該インクリボンの長手方向に沿って、複数設けられる。
なお、用紙に印画が行われる場合、インクリボンに加わる張力が、あらかじめ設定された張力となるような制御が行われる。これにより、インクリボンの局所的な熱収縮による印画不良、インクリボンが用紙から完全に剥離されないという剥離不良等が回避される。
なお、オーバーコートを含む印画面の剥離特性は、インクを含む印画面の剥離特性と大きく異なる。このため、上記の制御が行われた場合においても、用紙の印画領域の端部にオーバーコートのカスが残ることがある。これにより、用紙における印画品位が悪くなるという問題がある。
この問題は、被転写物が、Yインク、Mインク、Cインク、オーバーコート等の材料と異なる材料である状況においても生じる可能性がある。また、この問題は、インクリボンの被転写物が転写される対象となる記録媒体が、用紙と異なる部材である場合にも生じるという問題がある。
そこで、本実施の形態のプリンタ100は、上記のように構成される。そのため、本実施の形態のプリンタ100により、上記の各問題を解決することができる。
<実施の形態2>
実施の形態1では、プラテンローラー17を使用して、調整タイミングTαを制御していた。本実施の形態の構成は、剥離板18を使用して、調整タイミングTαを制御し、かつ、被転写物の種類に基づいて、剥離角αを調整する構成(以下、「構成Ct2」ともいう)である。以下においては、構成Ct2が適用されたプリンタを「プリンタ100A」ともいう。
図8は、本発明の実施の形態2に係るプリンタ100Aにおける制御に関する構成を示すブロック図である。プリンタ100Aは、プリンタ100と比較して、印画機構40の代わりに印画機構40Aを備える点が異なる。プリンタ100Aのそれ以外の構成は、プリンタ100と同様なので、詳細な説明は繰り返さない。
プリンタ100Aの記憶部3には、実施の形態1と同様の基準角度KY,KM,KC,KPが記憶されている。なお、本実施の形態では、基準角度KY,KM,KCの各々は、同じまたは同等である。また、本実施の形態では、基準角度KY,KM,KCの各々は、基準角度KPと異なる。基準角度KPは、一例として、基準角度KY,KM,KCの各々より大きい。
本実施の形態の各基準角度Kは、事前に行われる実験等に基づいて、印画処理Pによりインクリボン15の被転写物が転写された用紙16aから、当該インクリボン15を安定して剥離できる角度に予め設定される。例えば、基準角度KPは、印画処理Pによりインクリボン15のOP材料が転写された用紙16aから、当該インクリボン15を安定して剥離できる角度に設定される。
また、ICタグ22には、一例として、実施の形態1と同様のインクリボン情報JY,JM,JC,JPが記憶されている。インクリボン情報JY,JM,JC,JPは、それぞれ、基準角度KY,KM,KC,KPに対応づけられている。
図9は、本発明の実施の形態2に係るプリンタ100Aが備える印画機構40Aを示す断面図である。印画機構40Aは、図1の印画機構40と比較して、ローラー駆動部30の代わりに剥離板駆動部30Aを備える点が異なる。印画機構40Aのそれ以外の構成は、印画機構40と同様なので、詳細な説明は繰り返さない。
本実施の形態では、剥離板18は、当該剥離板18が移動自在なように、サーマルヘッド8に設けられている。具体的には、剥離板18は、当該剥離板18(剥離位置Lc2)がインクリボン15と接触した状態で、移動自在なように構成されている。剥離板駆動部30Aは、剥離板18を移動させる機能を有する。剥離板駆動部30Aは、印画処理Pが行われる際に、剥離角αを調整する機能を有する調整機構である。
詳細は後述するが、本実施の形態のプリンタ100Aは、印画制御処理Aを行う。印画制御処理Aは、実施の形態1の印画制御処理と比較して、タイミング制御処理の代わりにタイミング制御処理Aを含む点が異なる。印画制御処理Aのそれ以外の処理は、印画制御処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。すなわち、印画制御処理Aは、印画処理Pおよびタイミング制御処理Aを含む。
図10は、本発明の実施の形態2に係るプリンタ100Aに含まれる印画機構40Aの一部を示す拡大断面図である。また、図10は、重ね合わせ体16Xの融着部に含まれる用紙16aからインクリボン15が剥離されている状態を示す図である。また、図10は、プラテンローラー17が、重ね合わせ体16Xを介して、ヒーターHt1と接している状態を示す。すなわち、図10は、間隙Gpが存在しない状態を示す。
図11は、剥離板18の移動により、剥離角αが調整された状態を示す図である。
図12は、剥離板18の位置を説明するためのタイミング図である。図12は、図7と比較して、位置Lpの代わりに位置Lhが示される点が異なる。それ以外は、図7と同様なので詳細な説明は繰り返さない。図12(a)は、剥離角αを調整するタイミングが制御されない場合のタイミング図である。図12(b)は、被転写物の種類に基づいて、剥離角αを調整するタイミングが制御される場合のタイミング図である。
印画処理Pを含む印画制御処理Aは、時刻t0に開始され、時刻t9に終了する。図12(a)および図12(b)の縦軸は、位置Lhを示す。位置Lhは、剥離板18の位置である。図12(a)および図12(b)において、位置Lh0は、剥離角αが調整されない場合の、剥離板18の位置である(図10参照)。位置Lh1は、剥離角αが調整された後における、剥離板18の位置である(図11参照)。
本実施の形態では、図12(b)に示す図に従って、印画制御処理Aが行われれる。なお、図12(b)の期間T1pは、期間T1y,T1m,T1cのいずれかの期間よりも長い。また、本実施の形態では、実施の形態1同様に、各インクリボン情報Jは、前述のタイミング情報を含む。
なお、印画制御処理Aの開始直前における、図10のプラテンローラー17の状態は、図3のようなローラー離れ状態である。
ここで、以下の前提Pm2を考慮する。前提Pm2では、印画処理Pry,Prm,Prcが行われる際には、調整タイミングTαが制御されない。また、前提Pm2では、印画処理Prpが行われる際に、調整タイミングTαが制御される。
図12(b)を参照して、前提Pm2における印画制御処理Aでは、まず、実施の形態1と同様に、情報取得処理が行われる。情報取得処理では、センサSN1が、ICタグ22から、インクリボン情報JY,JM,JC,JPを取得する。そして、センサSN1は、インクリボン情報JY,JM,JC,JPを、制御部5へ送信する。
次に、実施の形態1の、前提Pm1における印画制御処理と同様、期間T1y,T1m,T1cの各々に対する処理が行われる。
次に、印画処理Prpの開始直前に、ローラー駆動部30は、制御部5の制御に従って、プラテンローラー17の状態が、図10のローラー接触状態になるように、プラテンローラー17を移動させる。そして、実施の形態1と同様に、印画処理Prpが行われる。これにより、OP材料が用紙16aに転写され、かつ、前述の融着部が生成される。
次に、前提Pm2におけるタイミング制御処理Aが行われる。タイミング制御処理Aでは、制御部5は、インクリボン情報JPに基づいて、剥離板駆動部30A(調整機構)が剥離角αを調整するタイミング(Tα)を制御する。
また、剥離板駆動部30Aは、制御部5により制御された、剥離角αを調整するタイミングにおいて、剥離角αがインクリボン情報JPに対応する基準角度KPになるように、剥離板18を移動させる。
具体的には、前提Pm2におけるタイミング制御処理Aでは、制御部5は、インクリボン情報JPのタイミング情報に従って、剥離板駆動部30Aが剥離板18を移動させるタイミングを制御する。
前提Pm2では、インクリボン情報JPのタイミング情報は、目標タイミングTαxとして、一例として、時刻t5を示す。すなわち、前提Pm2では、制御部5により制御された、調整タイミングTαは、時刻t5(目標タイミングTαx)である。
さらに詳細には、前提Pm2におけるタイミング制御処理Aでは、制御部5が、調整タイミングTαを、目標タイミングTαx(時刻t5)に設定する。すなわち、制御部5は、調整タイミングTαを制御する。
そして、剥離板駆動部30Aが、制御部5により制御された調整タイミングTα(時刻t5)において、剥離角αがインクリボン情報JPに対応する基準角度KPになるように、剥離板18を移動させる。
なお、剥離板18の移動させる上記の処理において、剥離板駆動部30Aが剥離板18を移動させる距離は、基準角度KPに対応する距離として、予め設定されている。すなわち、剥離板駆動部30Aは、制御部5により制御された調整タイミングTα(時刻t5)において、基準角度KPに対応する予め設定された距離だけ、剥離板18を移動させる。本実施の形態では、剥離板18は、一例として、上方向に移動する(図11参照)。これにより、剥離角αは、印画面TrP(OP材料)に適した角度(基準角度KP)に設定される。
そして、印画処理Prpの終了時刻(時刻5)から、期間T1pbが経過した時刻t8において、剥離板駆動部30Aは、剥離板18の位置が、図10に示す位置になるように、剥離板18を移動させる。また、ローラー駆動部30は、制御部5の制御に従って、プラテンローラー17の状態が、図3のローラー離れ状態になるように、プラテンローラー17を移動させる。これによりタイミング制御処理Aは終了し、前提Pm2における印画制御処理Aが終了する。
以上の印画制御処理Aのタイミング制御処理Aにより、調整タイミングTαが制御され、かつ、被転写物の種類に基づいて、剥離角αが調整される。また、剥離角αは、被転写物の種類に対応する基準角度Kに設定される。
なお、前述のタイミング制御処理Aは、印画処理Pry,Prm,Prcが行われる際にも行われてもよい。これにより、例えば、剥離角αは、印画面TrY(Yインク)に適した角度(基準角度KY)に設定される。また、例えば、剥離角αは、印画面TrM(Mインク)に適した角度(基準角度KM)に設定される。また、例えば、剥離角αは、印画面TrC(Cインク)に適した角度(基準角度KC)に設定される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、調整タイミングTαが制御されるのに加え、剥離板駆動部30Aが、被転写物の種類に基づいて、剥離板18を移動させることにより、剥離角αを調整する。すなわち、剥離角αが、被転写物の種類に対応する基準角度Kに設定される。
換言すれば、剥離角αが、インクリボンの剥離に適した角度になるように制御される。そのため、記録媒体(用紙16a)からインクリボンを、安定して剥離することができる。そのため、記録媒体(用紙16a)の印画領域の端部に、被転写物のカスが残ることを抑制することができる。したがって、用紙16aにおける印画品位を良くすることができる。
また、本実施の形態によれば、剥離角αが被転写物に適した角度に設定される。すなわち、印画面Trごとに、剥離角αが被転写物に適した角度に調整される。これにより、用紙16aからインクリボン15を安定して剥離できる。
また、本実施の形態によれば、剥離角αは、印画面TrP(OP材料)に適した角度(基準角度KP)に設定される。本実施の形態の基準角度KPは、基準角度KY,KM,KCの各々より大きい。そのため、用紙16aの印画領域の端部に、被転写物であるOP材料のカスが付着することを抑制することができる。その結果、用紙16aにおける印画品位を良くすることができる。
なお、制御部5により制御された調整タイミングTαは、時刻t5に限定されず、例えば、期間T1pbに含まれる時刻であってもよい。
なお、本実施の形態では、剥離板18の位置を、印画面Trに応じて、制御するとした。なお、剥離板18の代わりに、インクリボンとの摩擦が少ない剥離ローラーを用いて同様の制御を行っても良い。これにより、さらに、効果的に印画物のシワ、傷等を抑制することができる。
<変形例1>
本変形例の構成は、インクリボンの製造に関する情報、画像のサイズ、インクリボン(被転写物)の材料等を考慮して、調整タイミングTαの制御、および、剥離角αの調整の両方または一方を行う構成(以下、「構成Cth1」ともいう)である。構成Cth1は、実施の形態1および実施の形態2の両方または一方に適用される。
構成Cth1における各インクリボン情報Jは、インクリボン15の製造時の情報を含む。具体的には、構成Cth1における各インクリボン情報Jは、インクリボンの製造に関する情報、画像のサイズ、および、被転写物(材料)の情報の少なくとも1つまたは全てを含む。
なお、構成Cth1における各インクリボン情報Jは、インクリボンの製造に関する情報を必ず含むようにしてもよい。
「インクリボンの製造に関する情報」とは、例えば、被転写物の製造ばらつきによる、被転写物の剥離特性のばらつきを補正するための情報(数値)等である。ここで、被転写物がOP材料(オーバーコート)であると仮定する。OP材料は、耐摩耗性樹脂材料であるため、製造時のぱらつきにより、OP材料(インクリボン)の剥離特性が大きく変化する。そのため、本変形例では、剥離特性のばらつき等も考慮して、調整タイミングTαの制御、および、剥離角αの調整の両方または一方が行われる。
なお、「インクリボンの製造に関する情報」は、上記に限定されず、例えば、インクリボン製造時における、被転写物(例えば、OP材料)の材質のばらつきを補正するための情報(数値)等であってもよい。「画像のサイズ」とは、記録媒体である用紙16aに形成される対象となる画像のサイズ(印画サイズ)である。「被転写物の情報」とは、例えば、被転写物を構成する材料を示す情報(例えば、Yインク、OP材料(耐摩耗性樹脂材料)等を示す情報)である。
具体的には、構成Cth1では、ICタグ22に記憶されるインクリボン情報JY,JM,JC,JPの各々は、インクリボンの製造に関する情報、画像のサイズ、被転写物(材料)の情報の情報の少なくとも1つまたは全てを含む。
なお、インクリボン情報JY,JM,JC,JPは、それぞれ、基準角度KY,KM,KC,KPに対応づけられている。なお、各インクリボン情報Jに対応するタイミング情報の目標タイミングTαx、および、各インクリボン情報Jに対応する基準角度Kは、当該インクリボン情報Jに含まれる情報(インクリボンの製造に関する情報、画像のサイズ、被転写物の情報等)に基づき、事前に行われる実験等に基づいて、予め設定される。
そして、実施の形態1の前述の印画制御処理、または、実施の形態2の前述の印画制御処理Aが行われる。
以上説明したように、本変形例によれば、印画面Trごとに、インクリボン15の製造時の情報を考慮して、調整タイミングTαの制御、および、剥離角αの調整の両方または一方が行われる。
これにより、製造時のバラツキにより、インクリボンの剥離特性が変わり、インクリボンの最適な張力が変化しても、インクリボンを安定して剥離できる。そのため、印画不良の発生を防ぐことができる。また、例えば、用紙16aの印画領域の端部にオーバーコートのカスが残ることを抑制することができる。これにより、用紙16aにおける印画品位を良くすることができる。
(機能ブロック図)
図13は、プリンタBL10の特徴的な機能構成を示すブロック図である。プリンタBL10は、プリンタ100およびプリンタ100Aのいずれかに相当する。つまり、図13は、プリンタBL10の有する機能のうち、本発明に関わる主要な機能を示すブロック図である。
プリンタBL10は、インクリボンを、サーマルヘッドで加熱して、記録媒体に対し、印画処理を行う機能を有する、熱転写型のプリンタである。
プリンタBL10は、機能的には、センサBL1と、調整機構BL2と、制御部BL3とを備える。
センサBL1は、前記インクリボンの情報を取得する。センサBL1は、センサSN1に相当する。
調整機構BL2は、前記印画処理が行われる際に、前記記録媒体から前記インクリボンが剥離されている状態における、当該インクリボンと当該記録媒体とが成す角度である剥離角を調整する機能を有する。調整機構BL2は、ローラー駆動部30または剥離板駆動部30Aに相当する。
制御部BL3は、前記インクリボンの情報に基づいて、前記調整機構が前記剥離角を調整するタイミングを制御する。制御部BL3は、制御部5に相当する。
(その他の変形例)
以上、本発明に係るプリンタについて、各実施の形態および変形例に基づいて説明したが、本発明は、当該各実施の形態および変形例に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、当業者が思いつく変形を各実施の形態および変形例に施したものも、本発明に含まれる。つまり、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態、変形例を自由に組み合わせたり、各実施の形態、変形例を適宜、変形、省略することが可能である。
以下においては、本発明に係るプリンタを、「プリンタhzs」ともいう。プリンタhzsは、プリンタ100およびプリンタ100Aのいずれかである。
また、プリンタhzsは、図で示される全ての構成要素を含まなくてもよい。すなわち、プリンタhzsは、本発明の効果を実現できる最小限の構成要素のみを含めばよい。
また、プリンタhzsに含まれる、制御部5の機能は、処理回路により実現されてもよい。当該処理回路は、前記インクリボンの情報に基づいて、前記調整機構が前記剥離角を調整するタイミングを制御するための回路である。
処理回路は、専用のハードウエアであってよい。また、処理回路は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。当該プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)等である。
以下においては、処理回路が専用のハードウエアである構成を、「構成Cs1」ともいう。また、以下においては、処理回路が、プロセッサである構成を、「構成Cs2」ともいう。
構成Cs1では、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
なお、プリンタhzsに含まれる各構成要素の全てまたは一部を、ハードウエアで示した構成は、例えば、以下のようになる。以下においては、プリンタhzsに含まれる各構成要素の全てまたは一部を、ハードウエアで示したプリンタを、「プリンタhd10」ともいう。
図14は、プリンタhd10のハードウエア構成図である。図14を参照して、プリンタhd10は、プロセッサhd1と、メモリhd2と、調整機構hd3とを備える。メモリhd2は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリである。また、例えば、メモリhd2は、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
調整機構hd3は、ローラー駆動部30または剥離板駆動部30Aに相当する。
構成Cs2では、処理回路は、プロセッサhd1である。構成Cs2では、制御部5の機能は、ソフトウエア、ファームウエア、またはソフトウエアとファームウエアとの組み合わせにより実現される。ソフトウエアまたはファームウエアは、プログラムとして記述され、メモリhd2に格納される。
また、構成Cs2では、処理回路(プロセッサhd1)が、メモリhd2に記憶されたプログラムを読み出して、当該プログラムを実行することにより、制御部5の機能は実現される。すなわち、メモリhd2は、以下のプログラムを格納する。
当該プログラムは、前記インクリボンの情報に基づいて、前記調整機構が前記剥離角を調整するタイミングを制御するステップを、処理回路(プロセッサhd1)に実行させるためのプログラムである。
また、当該プログラムは、制御部5が行う処理の手順、当該処理を実行する方法等をコンピュータに実行させるものでもある。
以上の構成Cs1および構成Cs2のように、処理回路は、ハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア等によって、上述の各機能を実現することができる。
また、本発明は、プリンタhzsが備える特徴的な構成部の動作をステップとする調整タイミング制御方法として実現してもよい。また、本発明は、そのような調整タイミング制御方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現してもよい。また、本発明は、そのようなプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現されてもよい。また、当該プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して配信されてもよい。
上記実施の形態で用いた全ての数値は、本発明を具体的に説明するための一例の数値である。すなわち、本発明は、上記実施の形態で用いた各数値に制限されない。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態、変形例を自由に組み合わせたり、各実施の形態、変形例を適宜、変形、省略することが可能である。