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JP2018073931A - 面発光レーザ素子、原子発振器 - Google Patents

面発光レーザ素子、原子発振器 Download PDF

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JP2018073931A JP2016210485A JP2016210485A JP2018073931A JP 2018073931 A JP2018073931 A JP 2018073931A JP 2016210485 A JP2016210485 A JP 2016210485A JP 2016210485 A JP2016210485 A JP 2016210485A JP 2018073931 A JP2018073931 A JP 2018073931A
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Hiroshi Motomura
寛 本村
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Abstract

【課題】発振波長を調整する波長調整層を備えた面発光レーザ素子において、波長調整層に起因する電気抵抗の増大を抑制する。【解決手段】本面発光レーザ素子は、基板上に形成された下部ブラッグ反射鏡と、前記下部ブラッグ反射鏡上に形成された活性層を含む共振器と、前記共振器上に形成された上部ブラッグ反射鏡と、を有し、前記上部ブラッグ反射鏡内又は前記下部ブラッグ反射鏡内又は前記共振器内に、1層以上の波長調整層を備え、前記波長調整層は、互いに異なる材料により形成された2つの調整層が積層されてなり、前記2つの調整層のうち一方の調整層の厚さは、トンネル効果を得ることができる厚さとされている。【選択図】図2

Description

本発明は、面発光レーザ素子、及び原子発振器に関する。
面発光レーザ素子(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting LASER)は、基板面に対し垂直方向に光を出射する半導体レーザであり、端面発光型の半導体レーザと比較して、低価格、低消費電力、小型で高性能、2次元的に集積化しやすい等の特徴を有している。
面発光レーザ素子は、有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法や分子線エピタキシャル成長(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法等を用いて製造される。例えば、MOCVDを用いてウェハ上に複数の面発光レーザ素子を製造する場合、ガス分布やウェハの加熱分布により、ウェハ上で膜厚が不均一になり、面発光レーザ素子を構成するブラッグ反射鏡や共振器がウェハ上で不均一な光学膜厚になる場合がある。この場合、ウェハ上に形成された各々の面発光レーザ素子の発振波長が不均一になる。
このような問題を解決するために、半導体基板上に下部ブラッグ反射鏡、活性層を含む共振器、上部ブラッグ反射鏡を形成した面発光レーザ素子において、上部ブラッグ反射鏡又は下部ブラッグ反射鏡内に波長調整層を設け、波長調整層の層数を変えることで、同一チップ内で発振波長を調整可能とする構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、波長調整層が適切な膜厚で、適切なドーピングがなされていない場合、波長調整層の層数の違いにより、面発光レーザ素子毎に電気抵抗のばらつきを生じる。電気抵抗が大きくなるほど消費電力が増加し、更には、発熱の増加により面発光レーザ素子が短寿命化してしまう。従って、波長調整層に起因する電気抵抗の増大を抑制する必要がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、発振波長を調整する波長調整層を備えた面発光レーザ素子において、波長調整層に起因する電気抵抗の増大を抑制することを目的とする。
本面発光レーザ素子は、基板上に形成された下部ブラッグ反射鏡と、前記下部ブラッグ反射鏡上に形成された活性層を含む共振器と、前記共振器上に形成された上部ブラッグ反射鏡と、を有し、前記上部ブラッグ反射鏡内又は前記下部ブラッグ反射鏡内又は前記共振器内に、1層以上の波長調整層を備え、前記波長調整層は、互いに異なる材料により形成された2つの調整層が積層されてなり、前記2つの調整層のうち一方の調整層の厚さは、トンネル効果を得ることができる厚さとされていることを要件とする。
開示の技術によれば、発振波長を調整する波長調整層を備えた面発光レーザ素子において、波長調整層に起因する電気抵抗の増大を抑制することができる。
第1の実施の形態に係る面発光レーザ素子を例示する平面図である。 第1の実施の形態に係る面発光レーザ素子を例示する部分断面図である。 第1の実施の形態に係る面発光レーザ素子の波長調整領域の構造図である。 第1の実施の形態に係る面発光レーザ素子の製造工程を例示する図(その1)である。 第1の実施の形態に係る面発光レーザ素子の製造工程を例示する図(その2)である。 波長調整領域のバンドダイヤグラムを例示する図である。 第2の実施の形態に係る面発光レーザ素子を例示する部分断面図である。 第3の実施の形態に係る原子発振器を例示する模式図である。 CPTに関連する原子エネルギー準位の説明図である。 面発光レーザ変調時における出力波長の説明図である。 変調周波数と透過光量との相関図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1の実施の形態〉
(面発光レーザ素子の概要)
図1は、第1の実施の形態に係る面発光レーザ素子を例示する平面図である。図2は、第1の実施の形態に係る面発光レーザ素子を例示する部分断面図であり、図1のA−A線に沿う断面を示している。
図1及び図2に示すように、面発光レーザ素子10は、第1の面発光レーザ11、第2の面発光レーザ12、第3の面発光レーザ13、及び第4の面発光レーザ14の4つの面発光レーザを備えている。但し、面発光レーザ素子10は1つ以上の面発光レーザを備えていればよく、面発光レーザの個数は4つには限定されない。
面発光レーザ素子10において、第1の面発光レーザ11、第2の面発光レーザ12、第3の面発光レーザ13、及び第4の面発光レーザ14は、それぞれメサ構造となっている。面発光レーザ素子10の上部から視たメサ構造の形状は、円形であってもよく、楕円形、正方形、長方形等であってもよい。面発光レーザ素子10では、基板101と反対側(図2の矢印方向)にレーザ光が出射される。第1の面発光レーザ11、第2の面発光レーザ12、第3の面発光レーザ13、及び第4の面発光レーザ14の発振波長λは、例えば、894.6nmとすることができる。
面発光レーザ素子10は、例えば、約300μm角の基板101上に形成されている。基板101上に形成された第1の面発光レーザ11、第2の面発光レーザ12、第3の面発光レーザ13、及び第4の面発光レーザ14は、各々に対応して設けられた電極パッド21〜24に接続されている。
具体的には、第1の面発光レーザ11には電極パッド21が、第2の面発光レーザ12には電極パッド22が、第3の面発光レーザ13には電極パッド23が、第4の面発光レーザ14には電極パッド24が接続されている。
面発光レーザ素子10において、基板101上には、下部ブラッグ反射鏡102(以下、下部DBR102とする)が形成されている。なお、DBRとは、Distributed Bragg Reflectorの略である。
基板101としては、例えば、n−GaAs基板を用いることができる。下部DBR102は、屈折率の異なる半導体材料を交互に積層形成したものであり、具体的には、例えば、n−Al0.1Ga0.9As高屈折率層とn−Al0.9Ga0.1As低屈折率層とを各々の層の光学膜厚がλ/4となるように35.5ペア積層することにより形成することができる。
下部DBR102上には、Al0.2Ga0.8Asからなる下部スペーサ層103を介し、GaInAs量子井戸層/GaInPAs障壁層からなる活性層104が形成されている。活性層104上には、Al0.2Ga0.8Asからなる上部スペーサ層105が形成されている。なお、下部スペーサ層103、活性層104、上部スペーサ層105により1波長の光学膜厚となる共振器120が形成されている。
上部スペーサ層105上には、上部ブラッグ反射鏡106が形成されている。上部DBR106は、屈折率の異なる半導体材料を交互に積層形成したものであり、具体的には、例えば、p−Al0.1Ga0.9As高屈折率層とp−Al0.9Ga0.1As低屈折率層とを各々の層の光学膜厚がλ/4となるように5ペア積層することにより形成することができる。
上部DBR106の低屈折率層の一つは、AlAsからなる電流狭窄層108により形成されており、電流狭窄層108の周辺部分は選択酸化されて選択酸化領域108aが形成されており、中心部分は酸化されていない電流狭窄領域108bが形成されている。
上部DBR106中には、上部DBR106の高屈折率層を置き換える形で、波長調整層140を備えた波長調整領域160が設けられている。波長調整領域160の詳細については、後述する。
上部DBR106上には、コンタクト層109が形成されている。コンタクト層109は、例えば、p−GaAsから形成することができる。
コンタクト層109上には、p側電極となる上部電極111が形成されている。又、基板101の裏面にはn側電極(共通電極)となる下部電極112が形成されている。
更に、面発光レーザ素子10のメサ構造の周囲には、SiN等からなる保護膜170が形成されている。そして、保護膜170上にはポリイミド等の樹脂材料からなる樹脂層171が形成されている。保護膜170は、メサ構造を形成する際のエッチングで現れた、腐食しやすいAlを含む層の側面や底面を保護する誘電体膜であり、面発光レーザ素子10の信頼性向上に寄与する。
図3は、第1の実施の形態に係る面発光レーザ素子の波長調整領域の構造図である。面発光レーザ素子10では、上部ブラッグ反射鏡106内に、波長調整領域160が設けられている。波長調整領域160は、活性層104に近い側から、第2の位相調整層130、波長調整層140、第1の位相調整層150の順で設けることができる。
但し、波長調整層140は、第1の面発光レーザ11、第2の面発光レーザ12、第3の面発光レーザ13、第4の面発光レーザ14のうち少なくとも1つの面発光レーザにおいて、上部ブラッグ反射鏡106内に1層以上設けられていればよい。
なお、波長調整領域160は、上部DBR106内ではなく、下部DBR102内に形成してもよい。
第2の位相調整層130は、例えば、p−Al0.1Ga0.9Asから形成することができる。第1の位相調整層150は、例えば、GaInPから形成することができる。第2の位相調整層130及び第1の位相調整層150は、上部ブラッグ反射鏡106の反射率を均一にするために設けられている。
波長調整層140は、互いに異なる材料により形成された2つの調整層140a及び140bが積層されてなる。例えば、各々の波長調整層140を構成する調整層140a及び140bの一方はGaInP層、他方はGaAsP層とすることができる。この際、GaInP層及びGaAsP層は、比較的不純物濃度の高いp型の層とすることができる。
少なくとも一方の調整層の厚さは、量子力学的なトンネル効果を得ることができる厚さとされている。ここでは、量子力学的なトンネル効果を得ることができる厚さは、5nm以下である。なお、調整層140aと調整層140bとは、同一の厚さであっても構わない。
図3では、一例として、第1の面発光レーザ11では、第2の位相調整層130上に3層の波長調整層140が積層されている。又、第2の面発光レーザ12では、第2の位相調整層130上に2層の波長調整層140が積層されている。又、第3の面発光レーザ13では、第2の位相調整層130上に1層の波長調整層140が積層されている。又、第4の面発光レーザ14は、波長調整層140が設けられていない。
このように、面発光レーザ素子10の各々の面発光レーザでは、上部DBR106内に、最大で3層の波長調整層140が設けられている。波長調整層140の層数を面発光レーザ毎に変えることにより、波長調整層140トータルの光学膜厚を面発光レーザ毎に変えることができる。但し、波長調整層140の最大の層数は、4層以上としてもよい。
例えば、各々の波長調整層140を構成する調整層140a及び140bの一方を膜厚5nmのGaInP層、他方を膜厚10nmのGaAsP層とすることで、波長調整層140の1層当たり(15nm)の発振波長の差を1nm程度とすることができる。これにより、面発光レーザ毎の発振波長を調整し、面発光レーザ毎の発振波長のばらつきを低減することができる。
但し、『波長調整層140の層数を異ならせて波長調整層140のトータルの光学膜厚を変える』には、波長調整層140の光学膜厚がゼロの場合(すなわち、波長調整層140を設けない場合)も含む。すなわち、複数の面発光レーザには、波長調整層140を全く有していない面発光レーザが含まれていてもよい(図3の例では、面発光レーザ14)。
(面発光レーザ素子の製造方法)
まず、n−GaAsからなる基板101(ウェハ)上に、半導体材料からなる下部DBR102、下部スペーサ層103、活性層104、上部スペーサ層105、上部DBR106の一部、第2の位相調整層130、及び3層の波長調整層140を積層形成する。このように基板101上に複数の層が積層されたものを、以下では、便宜上「積層体」と称する場合がある。積層体の形成は、例えば、有機金属気相成長(MOCVD)法で行うことができる。又、分子線エピタキシャル成長(MBE)法等を用いて行ってもよい。
図4(a)は、3層の波長調整層140を積層後の状態を示している。図4(a)に示す状態で、ウェハ上の共振波長を計測する。
共振波長を計測した結果、領域Aは、共振波長が狙い通りの波長でできている領域であったとする。又、領域Bは、共振波長が狙いより1nmだけ長波長でできている領域であったとする。又、領域Cは、共振波長が狙いより2nmだけ長波長でできている領域であったとする。又、領域Dは、共振波長が狙いより3nmだけ長波長でできている領域であったとする。
次に、レジストパターニングと選択的なエッチングを繰り返して、ウェハ全体の共振波長が狙いの波長となるように、波長調整層140の層数を変える。なお、波長調整層140は1層(調整層140a及び140bの1ペア)あたり1nmの変化が生じるように設計されている。
具体的には、図4(b)に示すように、まず、ウェハ上の領域A(面発光レーザ11となる領域)を被覆し、領域B(面発光レーザ12となる領域)、領域C(面発光レーザ13となる領域)、及び領域D(面発光レーザ14となる領域)を露出するようにレジスト900をパターニングする。そして、レジスト900から露出する最上層の波長調整層140を選択的にウェットエッチングして除去する。エッチング後、レジスト900を除去する。
次に、図4(c)に示すように、ウェハ上の領域A及び領域Bを被覆し、領域C及び領域Dを露出するようにレジスト910をパターニングする。そして、レジスト910から露出する2層目の波長調整層140を選択的にウェットエッチングして除去する。エッチング後、レジスト910を除去する。
次に、図4(d)に示すように、ウェハ上の領域A、領域B、及び領域Cを被覆し、領域Dを露出するようにレジスト920をパターニングする。そして、レジスト920から露出する最下層の波長調整層140を選択的にウェットエッチングして除去する。エッチング後、レジスト920を除去する。これにより、図4(e)の構造体が作製される。
例えば、各々の波長調整層140を構成する調整層140a及び140bの一方がGaInP層、他方がGaAsP層である場合、図4(b)〜図4(d)におけるウェットエッチングでは、例えば、GaAsPのエッチング液には、硫酸、過酸化水素、水の混合液を用いることができ、GaInPのエッチング液には、塩酸、水の混合液を用いることができる。
次に、図5(a)に示すように、波長調整層140より上部の層、すなわち第1の位相調整層150、残りの上部ブラッグ反射鏡106、コンタクト層109を、MOCVD法又はMBE法による再結晶成長により形成する。そして、共振器120の深さまで半導体層からなる積層体をエッチングすることによりメサ構造を形成し、その後、電流狭窄層108を選択的に酸化して選択酸化領域108a及び電流狭窄領域108bを形成する。
メサ構造を形成する際のエッチングは、ドライエッチング法を用いることができる。メサ構造は、円形の他に、楕円形や、正方形、長方形の矩形等の任意の形状とすることができる。エッチング工程により側面が露出したAlAsからなる電流狭窄層108を、水蒸気中で熱処理し周辺を酸化させて選択酸化領域108aを形成することによりAlからなる絶縁物に変える。これにより、駆動電流の経路を中心部分の酸化されていないAlAsからなる電流狭窄領域108bだけに制限することのできる電流狭窄構造を形成することができる。
次に、図5(b)に示すように、各々の面発光レーザのメサ構造の外側及びメサ構造の間に、SiN等からなる保護膜170を形成し、更に各々の面発光レーザのメサ構造の間をポリイミド等の樹脂材料で埋め込んで平坦化し樹脂層171を形成する。保護膜170は、メサ構造を形成する際のエッチングにより露出した腐食されやすいAlを含む層の側面や底面を誘電体で保護しているため、信頼性を向上させることができる。
そして、コンタクト層109上の保護膜170及び樹脂層171を除去し、コンタクト層109上のコンタクトを取る部分にp側電極となる上部電極111を形成する。そして、基板101の裏面にn側電極(共通電極)となる下部電極112を形成する。以上の工程により、面発光レーザ素子10が完成する。
面発光レーザ素子10において、波長調整層140より上側の上部ブラッグ反射鏡106が半導体である場合、波長調整層140に電気伝導性を持たせるためにドーピングが必要となる。この場合、波長調整層140を構成する2つの調整層140a及び140bの材料が互いに異なるため、ドーピング効率が大きく異なる。2種の材料とも適切にドーピングされていない場合、2つの調整層140a及び140bのうち何れか一方の調整層が高抵抗化し、波長調整層140の積層数の違いにより電気抵抗のばらつきを生じることになる。
面発光レーザ素子10では、波長調整層140を構成する2つの調整層140a及び140bはエッチングの選択性に優れたGaInP層とGaAsP層との組み合わせとすることができる。図6は、波長調整領域160のバンドダイヤグラムを例示する図であり、調整層140aをGaInP層、調整層140bをGaAsP層とした場合のバンドダイヤグラムである。
図6において、波長調整層140は、バンドギャップの広いGaInP層からなる調整層140aと、バンドギャップの狭いGaAsP層からなる調整層140bとのヘテロ界面からなる超格子構造とみなすことができる。超格子を構成する層の膜厚を薄くしていくことでトンネル確率が増大し、ホールが超格子構造を通り抜けるようになる。例えば、超格子を構成する層の膜厚が5nm以下では、超格子構造の抵抗率が減少していく。この場合、波長調整層140を構成する2つの調整層140a及び140bが適切にドーピングされていない場合であっても、トンネル効果により超格子構造の電気抵抗の増大を抑制できる。
面発光レーザ素子10では、GaInP層からなる調整層140aの厚さが、量子力学的なトンネル効果を得ることができる厚さとされている。例えば、GaInP層からなる調整層140aを5nm以下の厚さとすることで、量子力学的なトンネル効果により、波長調整層140に起因する電気抵抗の増大を抑制できる。
つまり、各々の面発光レーザの有する波長調整層140の層数に依存する電気抵抗のばらつきを抑制でき、波長調整層140の層数に関係なく電気抵抗を低い値にすることが可能となる。これにより、面発光レーザ素子10の消費電力を低減でき、更には、発熱の増加により面発光レーザ素子10が短寿命化することを抑制できる。
又、面発光レーザ素子毎に電気抵抗がばらつくと、面発光レーザ素子を駆動する駆動回路側で補正する必要があり、回路が複雑化し駆動回路のコスト増大の原因となる。面発光レーザ素子10は、電気抵抗が低い値であり、電気抵抗のばらつきも小さいため、素子毎に駆動回路側で補正する必要がなく、回路を簡略化できるため駆動回路のコスト低減が可能となる。
なお、以上の説明では、波長調整層140を構成する2つの調整層140a及び140bのうち、一方の材料をGaInP、他方の材料をGaAsPとして説明したが、一方の材料をGaInP、他方の材料をGaAsとしてもよい。
又、調整層140aと調整層140bの材料の組み合わせは、GaInP/GaAsP、GaInP/GaAs以外に、AlGaInP/GaAs、AlGaInP/GaAsP等としてもよい。
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、第1の実施の形態とは異なる位置に波長調整領域を設ける例を示す。なお、第2の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図7は、第2の実施の形態に係る面発光レーザ素子を例示する部分断面図であり、図2に相当する断面を示している。
図7に示すように、第2の実施の形態に係る面発光レーザ素子20は、波長調整領域160が共振器120の内部に設けられている点が、面発光レーザ素子10(図2等参照)と相違する。すなわち、面発光レーザ素子20では、波長調整領域160の下側は、上部スペーサ層105に隣接し、波長調整領域160の上側は上部ブラッグ反射鏡106と隣接している。面発光レーザ素子20において、波長調整領域160の層構成は図3と同様である。
面発光レーザ素子20では、下部スペーサ層103、活性層104、上部スペーサ層105、及び波長調整領域160の膜厚を合わせて7波長(7λ)の光学膜厚となる共振器120を構成している。このような構成により、波長調整層140の1層当たりの膜厚を確保することが容易となる。
面発光レーザ素子20において、例えば、各々の波長調整層140を構成する調整層140a及び140bの一方を膜厚3nmのGaInP層、他方を膜厚5nmのGaAsP層とすることで、波長調整層140の1層当たり(8nm)の発振波長の差を1nm程度とすることができる。
面発光レーザ素子20のように、波長調整領域160を共振器120の内部に設けても、面発光レーザ素子10と同様に、波長調整層140に起因する電気抵抗の増大を抑制できる。
〈第3の実施の形態〉
第3の実施の形態では、第1又は第2の実施の形態に係る面発光レーザ素子を用いた原子発振器の例を示す。なお、第3の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図8は、第3の実施の形態に係る原子発振器を例示する模式図である。図8に示す原子発振器400は、CPT方式の小型原子発振器であり、光源410、コリメートレンズ420、λ/4波長板430、アルカリ金属セル440、光検出器450、変調器460を有している。原子発振器400は、面発光レーザより出射したサイドバンドを含む光のうち、2つの異なる波長の光をアルカリ金属セル440に入射させることにより、2種類の共鳴光による量子干渉効果による光吸収特性により発振周波数を制御する原子発振器である。
光源410には、第1の形態に係る面発光レーザ素子10又は第2の形態に係る面発光レーザ素子20を用いることができるが、以下では、面発光レーザ素子10を用いる場合を例に説明する。アルカリ金属セル440には、アルカリ金属としてCs(セシウム)原子ガスが封入されており、D1ラインの遷移を用いるものである。光検出器450は、フォトダイオードが用いられている。
原子発振器400では、光源410より出射された光をセシウム原子ガスが封入されたアルカリ金属セル440に照射し、セシウム原子における電子を励起する。アルカリ金属セル440を透過した光は光検出器450において検出され、光検出器450において検出された信号は変調器460にフィードバックされ、変調器460により光源410における面発光レーザ素子10を変調する。
図9に、CPTに関連する原子エネルギー準位の構造を示す。2つの基底準位から励起準位に電子が同時に励起されると光の吸収率が低下することを利用する。面発光レーザ素子10を構成する面発光レーザには、搬送波波長が894.6nmに近い素子を用いている。搬送波の波長は面発光レーザの温度、もしくは出力を変化させてチューニングすることができる。
図10に示すように、変調をかけることで搬送波の両側にサイドバンドが発生し、その周波数差がCs原子の固有振動数である9.2GHzに一致するように4.6GHzで変調させている。
図11に示すように、励起されたCsガスを通過するレーザ光はサイドバンド周波数差がCs原子の固有周波数差に一致した時に最大となる。そこで、光検出器450の出力が最大値を保持するように変調器460においてフィードバックして光源410における面発光レーザ素子10の変調周波数を調整する。原子の固有振動数が極めて安定なので変調周波数は安定した値となり、この情報がアウトプットとして取り出される。なお、波長が894.6nmの場合では、±1nmの範囲の波長の光源が必要となる。±0.3nmの範囲の波長の光源を用いることが、より望ましい。
一般に、面発光レーザは、結晶成長での膜厚のバラツキにより上記±1nmの範囲の均一な発振波長を得ることが困難である。しかし、第1の形態に係る面発光レーザ素子10又は第2の形態に係る面発光レーザ素子20では、ウェハ面内で発振波長を揃えることで、894.6nmに近い発振波長を得ることができる。これにより、発振波長に関する歩留まりを向上することができ、原子発振器400を低コストで作製し提供することができる。
又、本実施の形態ではアルカリ金属としてCsを用い、そのD1ラインの遷移を用いるために波長が894.6nmの面発光レーザを用いたが、CsのD2ラインを利用する場合は852.3nmの面発光レーザを用いることができる。
又、アルカリ金属としてRb(ルビジウム)を用いることもでき、D1ラインを利用する場合は795.0nmの面発光レーザ、D2ラインを利用する場合は780.2nmの面発光レーザを用いることができる。
活性層の材料組成などは波長に応じて設計することができる。又、Rbを用いる場合の変調周波数は、87Rbでは3.4GHz、85Rbでは1.5GHzで変調させる。なお、これらの波長においても、±1nmの範囲の波長の光源が必要となる。
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、第1及び第2の実施の形態では、波長調整層140の層数を面発光レーザ毎に変えることにより、面発光レーザ毎の発振波長を調整し、面発光レーザ毎の発振波長のばらつきを低減する例を示した。しかし、例えば、複数の面発光レーザを備えた面発光レーザ素子において、波長調整層140の層数を面発光レーザ毎に変えることにより、面発光レーザ毎の発振波長を調整し、所望の波長間隔の面発光レーザを作製することも可能である。
例えば、895nm前後の所望の波長間隔の複数の面発光レーザを備えた面発光レーザ素子を作製し、原子発振器に用いることが考えられる。この場合、面発光レーザ素子を構成する発振波長の異なる面発光レーザのうち、894.6nmに近い発振波長の面発光レーザを選んで動作させることで、発振波長に関する歩留まりを向上できる。その結果、原子発振器を低コストで作製することができる。
又、第3の実施の形態では、面発光レーザ素子を原子発振器に用いた場合について説明したが、第1及び第2の実施の形態に係る面発光レーザ素子は、ガスセンサー等の所定の波長の光が必要な他の装置等に用いることができる。この場合、これらの装置等においても、用途に応じた所定の波長の面発光レーザ素子を用いることにより、同様の効果を得ることができる。
10、20 面発光レーザ素子
11 第1の面発光レーザ
12 第2の面発光レーザ
13 第3の面発光レーザ
14 第4の面発光レーザ
21、22、23、24 電極パッド
101 基板
102 下部ブラッグ反射鏡
103 下部スペーサ層
104 活性層
105 上部スペーサ層
106 上部ブラッグ反射鏡
108 電流狭窄層
108a 選択酸化領域
108b 電流狭窄領域
109 コンタクト層
111 上部電極
112 下部電極
120 共振器
130 第2の位相調整層
140 波長調整層
140a、140b 調整層
150 第1の位相調整層
160 波長調整領域
170 保護膜
171 樹脂層
400 原子発振器
410 光源
420 コリメートレンズ
430 λ/4波長板
440 アルカリ金属セル
450 光検出器
460 変調器
特開2013−138176号公報

Claims (7)

  1. 基板上に形成された下部ブラッグ反射鏡と、
    前記下部ブラッグ反射鏡上に形成された活性層を含む共振器と、
    前記共振器上に形成された上部ブラッグ反射鏡と、を有し、
    前記上部ブラッグ反射鏡内又は前記下部ブラッグ反射鏡内又は前記共振器内に、1層以上の波長調整層を備え、
    前記波長調整層は、互いに異なる材料により形成された2つの調整層が積層されてなり、
    前記2つの調整層のうち一方の調整層の厚さは、トンネル効果を得ることができる厚さとされていることを特徴とする面発光レーザ素子。
  2. 複数の面発光レーザを備えた面発光レーザ素子であって、
    それぞれの前記面発光レーザは、
    基板上に形成された下部ブラッグ反射鏡と、
    前記下部ブラッグ反射鏡上に形成された活性層を含む共振器と、
    前記共振器上に形成された上部ブラッグ反射鏡と、を有し、
    前記複数の面発光レーザのうち少なくとも1つの面発光レーザは、前記上部ブラッグ反射鏡内又は前記下部ブラッグ反射鏡内又は前記共振器内に、1層以上の波長調整層を備え、
    前記波長調整層は、互いに異なる材料により形成された2つの調整層が積層されてなり、
    前記2つの調整層のうち一方の調整層の厚さは、トンネル効果を得ることができる厚さとされ、
    前記複数の面発光レーザは、前記波長調整層の層数が異なる面発光レーザを含むことを特徴とする面発光レーザ素子。
  3. 前記一方の調整層の厚さは、5nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の面発光レーザ素子。
  4. 前記一方の調整層の材料はGaInPであり、他方の調整層の材料はGaAsP又はGaAsであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の面発光レーザ素子。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の面発光レーザ素子と、
    アルカリ金属を封入したアルカリ金属セルと、
    前記面発光レーザ素子における面発光レーザより前記アルカリ金属セルに照射した光のうち、前記アルカリ金属セルを透過した光を検出する光検出器と、を有し、
    前記面発光レーザより出射したサイドバンドを含む光のうち、2つの異なる波長の光を前記アルカリ金属セルに入射させることにより、2種類の共鳴光による量子干渉効果による光吸収特性により発振周波数を制御することを特徴とする原子発振器。
  6. 前記2つの異なる波長の光は、ともに前記面発光レーザより出射したサイドバンドの光であることを特徴とする請求項5に記載の原子発振器。
  7. 前記アルカリ金属は、ルビジウム、又は、セシウムであることを特徴とする請求項5又は6に記載の原子発振器。
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