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JP2018062551A - 潤滑油組成物 - Google Patents

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JP2018062551A JP2016200459A JP2016200459A JP2018062551A JP 2018062551 A JP2018062551 A JP 2018062551A JP 2016200459 A JP2016200459 A JP 2016200459A JP 2016200459 A JP2016200459 A JP 2016200459A JP 2018062551 A JP2018062551 A JP 2018062551A
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Kenji Sunahara
賢二 砂原
和志 田村
Kazushi Tamura
和志 田村
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

【課題】温度及び圧力等の使用環境に制限がなく、表面粗さが低減され、クリアランスが数nmの摺動部材間で使用した場合においても、安定して優れた摩擦低減効果を発現し得る潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】鉱油(A)及び無灰系摩擦調整剤(B)を含有し、下記条件(I)を満たす、潤滑油組成物。
条件(I):鉱油(A)と共に、無灰系摩擦調整剤(B)を1質量%、ポリブテニルコハク酸イミドを5質量%含有する試料油(α)を調製し、試料油(α)に対して、共振ずり測定装置で用いて、所定の表面力における粘性係数の値を測定した際、下記式(i)
式(i):μ(0)×5≦μ(x)
〔上記式(i)中、μ(0)は、表面力0[mN/m]における粘性係数[Ns/m]の値を示す。μ(x)は、表面力x[mN/m]における粘性係数の値である。〕
を満たすxが5.0[mN/m]以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油組成物に関する。
地球温暖化対策のため、エネルギー効率を向上させることを目的として、機械要素の摩擦損失の低減が求められている。
例えば、自動車の場合、エンジンで発生するエネルギーのうちの16.5%がエンジン内部やトランスミッション内部の摩擦によって失われているともいわれており、摩擦損失の低減による自動車の燃費改善も期待されている。
また、近年は二酸化炭素排出規制を課す国が現れており、エネルギー効率向上のための規制は、その質・範囲ともに拡大の一途を辿っており、機械要素の摩擦損失の低減が必要である。
ところで、機械要素の摩擦低減のために、潤滑油組成物には、摩擦調整剤が添加されることが多い。一般的に、摩擦調整剤は、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)のような金属系摩擦調整剤と、金属原子を含有しない無灰系摩擦調整剤とに大別される。
例えば、特許文献1には、特定構造を有する有機モリブデン化合物を含有する潤滑油組成物が開示されている。
また、特許文献2には、無灰系摩擦調整剤である、炭素数12〜20の炭化水素基を有する脂肪族アミン及びそのエチレンオキサイド付加物の少なくとも一方を有する潤滑油が開示されている。
特開2015−010177号公報 国際公開2011/062282号
しかしながら、特許文献1に記載の潤滑油組成物に用いられている有機モリブデン化合物等の金属系摩擦調整剤は、摩擦面に反応被膜を形成するためには、温度や圧力が一定以上とする必要があり、また、摩擦表面材料によっては腐食を引き起こす点も懸念される。
一方で、特許文献2に記載の潤滑油に用いられている脂肪族アミン等の無灰系摩擦調整剤は、上記の金属系摩擦調整剤で懸念されるような制約は比較的緩いが、金属系摩擦調整剤に比べると、摩擦低減効果は低い。
また、近年、ピストンやシリンダーライナー等のエンジン部材の摺動面を平滑化やコーティングし、表面粗さを低減し、境界潤滑や金属接触を防ぐことで、2つの摺動部材間の摩擦低減が図られている。摺動面の表面粗さを低減することで、2つの摺動部材間では、潤滑油組成物が侵入するクリアランスは数nmほどに調整することができる。そのため、2つの摺動部材間のクリアランスが数nmほどであっても、摩擦低減効果を発揮し得る潤滑油組成物が求められている。
クリアランスが数nmの摺動部材間では、潤滑油組成物が入り込み難く、潤滑油組成物中の成分の動きが制限されてしまうことから、特有の物性を示すことが予想される。
本発明者らの検討によれば、クリアランスが数nmの場合において、弱い荷重が加わった場合に粘性が増大し、摩擦が増加してしまう潤滑油組成物が存在することが分かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、温度及び圧力等の使用環境に制限がなく、表面粗さが低減され、クリアランスが数nmの摺動部材間で使用した場合においても、安定して優れた摩擦低減効果を発現し得る潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、潤滑油組成物中に含まれる鉱油と無灰系摩擦調整剤との組み合わせに着目した。そして、共振ずり測定装置を用いて測定した、表面力が0[mN/m]での粘性係数と比べて、5倍の粘性係数となる表面力が所定値以上となるような、組み合わせの鉱油と無灰系摩擦調整剤とを含む潤滑油組成物が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、下記[1]を提供する。
[1]鉱油(A)及び無灰系摩擦調整剤(B)を含有し、下記条件(I)を満たす、潤滑油組成物。
条件(I):鉱油(A)と共に、無灰系摩擦調整剤(B)を1質量%、ポリブテニルコハク酸イミドを5質量%含有する試料油(α)を調製し、試料油(α)に対して、共振ずり測定装置で用いて、所定の表面力における粘性係数の値を測定した際、下記式(i)
式(i):μ(0)×5=μ(x)
〔上記式(i)中、μ(0)は、表面力0[mN/m]における粘性係数[Ns/m]の値を示す。μ(x)は、表面力x[mN/m]における粘性係数の値である。〕
を満たすxが5.0[mN/m]以上である。
本発明の潤滑油組成物は、温度及び圧力等の使用環境に制限がなく、表面粗さが低減され、クリアランスが数nmの摺動部材間で使用した場合においても、安定して優れた摩擦低減効果を発現し得る。
実施例で調製した試料油(α1)、(α4)、及び(α6)に対して、それぞれ共振ずり測定装置を用いて測定した、表面間距離と表面力との関係を示すグラフである。 実施例で調製した試料油(α1)、(α4)、及び(α6)に対して、それぞれ共振ずり測定装置を用いて測定した、表面力と粘性係数との関係を示すグラフである。 ピストンリングとライナーとの間の摩擦エネルギーを測定する浮動ライナー試験機の概略を示す模式図である。
〔潤滑油組成物〕
本発明の潤滑油組成物は、鉱油(A)及び無灰系摩擦調整剤(B)を含有し、下記条件(I)を満たす。
条件(I):鉱油(A)と共に、無灰系摩擦調整剤(B)を1質量%、ポリブテニルコハク酸イミドを5質量%含有する試料油(α)を調製し、試料油(α)に対して、共振ずり測定装置で用いて、所定の表面力における粘性係数の値を測定した際、下記式(i)
式(i):μ(0)×5=μ(x)
〔上記式(i)中、μ(0)は、表面力0[mN/m]における粘性係数[Ns/m]の値を示す。μ(x)は、表面力x[mN/m]における粘性係数の値である。〕
を満たすxが5.0[mN/m]以上である。
上記条件(I)は、表面粗さが低減され、クリアランスが数nmの摺動部材間に試料油(α)を供給した際の、試料油(α)の粘性の増加が見られた際の表面力について規定したものである。
上記条件(I)を満たす試料油(α)の構成成分である、鉱油(A)と無灰系摩擦調整剤(B)とを組み合わせて含有する潤滑油組成物は、表面力が5.0[mN/m]未満での低い表面力(弱い荷重)が加わった場合においても、粘性が増加する現象を抑え、その結果として、安定して優れた摩擦低減効果を維持できると考えられる。
試料油(α)においては、無灰系摩擦調整剤(B)の含有量は、試料油(α)の全量(100質量%)基準で、1質量%と定量であり、無灰系摩擦調整剤(B)の種類によっては分散状態に違いが出る可能性がある。
そこで、定量(1質量部)の無灰系摩擦調整剤(B)の鉱油(A)中での分散状態を一定にすべく、試料油(α)中に「ポリブテニルコハク酸イミド」を、試料油(α)の全量(100質量%)基準で、5質量%添加している。
つまり、本発明では、鉱油(A)に一定量の無灰系摩擦調整剤(B)を加えた場合における、成分(A)と(B)との組み合わせによる評価をより正確に行うため、試料油(α)において「ポリブテニルコハク酸イミド」を所定量配合し、成分(B)の分散状態を一定にしている。
なお、この「ポリブテニルコハク酸イミド」の存在は、表面力や粘性係数の値に与える影響は、鉱油(A)と無灰系摩擦調整剤(B)とを組み合わせの違いによって生じる影響に比べると小さい。
固体表面に挟まれた液体は、表面間距離がナノメートル単位まで減少すると、閉じ込め及び界面の効果により、規則構造の形成や粘度の劇的な上昇等のバルクとは大きく異なる性質を示すことが知られている。
条件(I)に記載の「共振ずり測定装置」は、対向する2面に対して垂直方向に発生する表面力(斥力・引力)を表面間距離と同時に測定する表面力測定装置としての機能に加えて、共振ずり応答により、表面間に挟み込んだ液体の特性(構造化挙動、粘度、摩擦、潤滑、せん断抵抗)を評価する機能を有する装置である。
まず、共振ずり測定装置を使用し、対向する二面間に試料油(α)をはさみ、表面同士を接近させた際の表面間距離を徐々に小さくした際の表面力の変化を考える。
図1に示すように、表面間距離がある程度大きい範囲においては表面力に大きな変動は生じない。しかし、表面間距離が5〜10nm程度となった際には、表面力が増大する傾向が高い。
本発明者らの検討によれば、この表面力が増大する表面間距離は、鉱油(A)や無灰系摩擦調整剤(B)の種類による影響は小さいと考えられる。
次に、条件(I)で規定するように、共振ずり測定装置で用いて、対向する二面間に試料油(α)をはさみ、表面力を変化させた際の、それぞれの表面力に対する粘性係数の値の変化を測定すると、試料油(α)を構成する鉱油(A)と無灰系摩擦調整剤(B)との組み合わせによって、違いがあることが分かった。
例えば、図2に示すように、鉱油と、分散剤であるポリブテニルコハク酸イミドとからなる試料油(α6)においては、表面力を0[mN/m]から徐々に増加していくと、微少な表面力の値を境に粘性係数は著しく上昇し、所定の表面力以上になると、粘性係数はほぼ一定となる。これは、当該試料油に対して、ある一定値以上の表面力が付加されると、試料油の粘度が急激に増加することを示している。
つまり、この試料油においては、表面力が5.0[mN/m]に到達する前の微少な表面力にて、表面力が0である際の粘性係数μ(0)の値の5倍に増粘するため、上記条件(I)を満たすものではない。
なお、例えば、特許文献2で使用されているような、上記の試料油に、無灰系摩擦調整剤を配合したものについても、同様の傾向が見られることが確認された。
このような試料油においては、小さな荷重の印加によっても、鉱油を構成する成分が容易に固体的な接着構造を形成するために、粘度が急激に増加してしまうのではないかと考えられる。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、ある特定の鉱油(A)と無灰系摩擦調整剤(B)とを組み合わせて調製した試料油(α)については、図2の試料油(α1)のグラフのように、表面力を徐々に増加させても、粘性係数の急上昇は生じず、緩やかな上昇に留まることが確認された。
つまり、図2に示された試料油(α1)においては、表面力が0[mN/m]である際の粘性係数μ(0)の値の5倍に達する表面力xは、少なくとも5.0[mN/m]以上となり、上記条件(I)を満たすものである。
このような試料油(α)においては、小さな荷重の印加においては、鉱油中の成分による固体的な接着構造の形成が、所定の無灰系摩擦調整剤の存在によって抑制されているものと考えられる。
試料油(α)が条件(I)を満たすか否かは、鉱油(A)と無灰系摩擦調整剤(B)との組み合わせによって定まる。
以下、その観点にて、鉱油(A)と無灰系摩擦調整剤(B)の詳細について説明する。
なお、本発明の一態様の潤滑油組成物において、さらにアルケニルコハク酸イミド(C1)及びホウ素変性アルケニルコハク酸イミド(C2)から選ばれる1種以上の無灰系分散剤(C)を含有することが好ましい。
また、本発明の一態様の潤滑油組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、鉱油(A)と共に合成油を含有してもよく、また、成分(B)及び(C)以外の潤滑油用添加剤を含有してもよい。
本発明の一態様の潤滑油組成物において、成分(A)及び成分(B)の合計含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは75質量%以上である。
本発明の一態様の潤滑油組成物において、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは65質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは75質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上である。
<鉱油(A)>
本発明の潤滑油組成物に含まれる鉱油(A)としては、例えば、パラフィン系鉱油、中間基系鉱油、ナフテン系鉱油等の原油を常圧蒸留して得られる常圧残油;これらの常圧残油を減圧蒸留して得られる留出油;当該留出油を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等の精製処理を1つ以上施した鉱油;フィッシャー・トロプシュ法等により製造されるワックス(GTLワックス(Gas To Liquids WAX))を異性化することで得られる鉱油等が挙げられる。
これらの鉱油は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記条件(I)を満たす潤滑油組成物とする観点から、以下の要件の少なくとも1つ以上に適合する鉱油であることが好ましい。なお、これらの要件を複数満たす鉱油であるほど、前記条件(I)を満たす潤滑油組成物を調製し易くなる。
(1)溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等の精製処理を1つ以上施した鉱油及びGTLワックスを異性化することで得られる鉱油であること。
(2)米国石油協会(API:American Petroleum institute)基油カテゴリーのグループ2又はグループ3に分類される鉱油、もしくは、GTLワックスを異性化することで得られる鉱油であること。(更に好ましくは、グループ3に分類される鉱油、もしくは、GTLワックスを異性化することで得られる鉱油であること。)
(3)パラフィン系鉱油である。なお、本明細書において、パラフィン系鉱油とは、パラフィン分(%C)が60以上(より好ましくは65以上、更に好ましくは70以上)の鉱油を意味する。
(4)ナフテン分(%C)が5〜40(より好ましくは10〜35、更に好ましくは15〜30)の鉱油であること。
(5)芳香族分(%C)が1.0以下(より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.1以下、より更に好ましくは0)の鉱油であること。
なお、上記のパラフィン分(%C)、ナフテン分(%C)、及び芳香族分(%C)の値は、ASTM D−3238環分析(n−d−M法)により測定した、パラフィン分、ナフテン分、及び芳香族分の割合(百分率)を意味する。
基油(A)の100℃における動粘度としては、好ましくは2.0〜20.0mm/s、より好ましくは2.0〜15.0mm/s、更に好ましくは2.0〜12.0mm/s、より更に好ましくは2.0〜5.0mm/sである。
基油(A)の100℃における動粘度が2.0mm/s以上であれば、蒸発損失が少ないため好ましい。一方、基油(A)の100℃における動粘度が20.0mm/s以下であれば、粘性抵抗による動力損失を抑えることができ、燃費改善効果が得られるため好ましい。
基油(A)の粘度指数としては、温度変化による粘度変化を抑えると共に、省燃費性の向上の観点から、好ましくは80以上、より好ましくは95以上、更に好ましくは105以上である。
なお、本明細書において、「100℃における動粘度」及び「粘度指数」は、JIS K 2283に準拠して測定された値を意味する。
また、基油(A)が、鉱油及び合成油から選ばれる2種以上の混合油である場合、当該混合油の動粘度及び粘度指数が上記範囲であることが好ましい。
本発明の一態様の潤滑油組成物において、鉱油(A)の含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは65質量%以上、より更に好ましくは70質量%以上であり、また、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。
<合成油>
本発明の一態様の潤滑油組成物において、本発明の効果を損なわない範囲で、鉱油(A)と共に、合成油を含有してもよい。
当該合成油としては、例えば、α−オレフィン単独重合体、又はα−オレフィン共重合体(例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体等の炭素数8〜14のα−オレフィン共重合体)等のポリα−オレフィン;イソパラフィン;ポリオールエステル、二塩基酸エステル等の各種エステル;ポリフェニルエーテル等の各種エーテル;ポリアルキレングリコール;アルキルベンゼン;アルキルナフタレン;等が挙げられる。
これらの合成油は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
ただし、前記条件(I)を満たす潤滑油組成物とする観点から、合成油の含有量は少ない方が好ましく、合成油を含有しないことがより好ましい。
具体的には、本発明の一態様の潤滑油組成物において、合成油の含有量としては、当該潤滑油組成物中に含まれる鉱油(A)の全量100質量部に対して、好ましくは0〜60質量部、より好ましくは0〜40質量部、更に好ましくは0〜20質量部、より更に好ましくは0〜15質量部である。
<無灰系摩擦調整剤(B)>
本発明の潤滑油組成物に含まれる無灰系摩擦調整剤(B)としては、摩擦調整剤としての機能を備え、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、及びリン原子から選ばれる1以上の原子を含む極性基と、親油基とを有する無灰系化合物が好ましく、具体的には、アミン化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル、ウレア系化合物、ヒドラジド系化合物等が挙げられる。
なお、本発明の一態様の潤滑油組成物において、無灰系摩擦調整剤(B)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様の潤滑油組成物において、無灰系摩擦調整剤(B)の含有量は、前記潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜8質量%、更に好ましくは0.10〜5質量%、より更に好ましくは0.30〜3質量%である。
前記条件(I)を満たす潤滑油組成物とする観点から、無灰系摩擦調整剤(B)が、以下の要件の少なくとも1つ以上に適合する化合物であることが好ましい。
なお、無灰系摩擦調整剤(B)が、これらの要件を複数満たす化合物であるほど、前記条件(I)を満たす潤滑油組成物を調製し易くなる。
(1)炭素数10〜30の無置換のアルキル基又は炭素数10〜30の無置換のアルケニル基を有する化合物であること。なお、より好ましくは、炭素数10〜30の無置換の直鎖アルキル基又は炭素数10〜30の無置換の直鎖アルケニル基を有する化合物であること、より更に好ましくは、炭素数10〜30の無置換の直鎖アルケニル基を有する化合物であること。
(2)水酸基を1つ以上有する化合物であること。より好ましくは、水酸基を2つ以上有する化合物であること、更に好ましくは、極性基に水酸基を1つ以上有する化合物であること。
(3)上記(1)及び(2)に記載の化合物が、脂肪酸エステル、脂肪族アミン、脂肪酸アミド、及び脂肪族エーテルから選ばれる化合物であり、より好ましくは、脂肪酸エステル又は脂肪酸アミンであり、更に好ましくは、脂肪酸エステルであること。
上記(1)〜(3)を満たす化合物は、極性基である水酸基を介して固体表面に吸着し、親油基である無置換のアルキル基又は無置換のアルケニル基が固体表面に対して垂直方向に配向することで、基油を流動させると考えられる。ここで、接触圧力によって鉱油の一部が固体状と変化する場合があるが、親油基である無置換のアルキル基又は無置換のアルケニル基が、固体状に変化途中の鉱油を溶解させ、鉱油による固体的な接着構造の形成を抑制しているものと考えられる。
例えば、親油基であるアルキル基やアルケニル基が、置換基として水酸基を有するものであった場合、この水酸基が固体表面に吸着してしまい、親油基であるアルキル基やアルケニル基が固体表面に対して垂直方向に配向できず、接触圧力による鉱油の固体化の抑制効果が阻害されてしまうと推測される。
また、上記(1)に記載のとおり、炭素数10〜30の無置換のアルケニル基を有する化合物は、二重結合を有するため、固体表面に対して垂直方向に配向し易く、接触圧力による鉱油の固体化の抑制効果が向上すると考えられるため好ましい。
さらに、上記(2)に記載のとおり、水酸基の数が2つ以上であると、固体表面に対する吸着量が多くなり、鉱油の流動性が向上すると考えられるため好ましい。
前記条件(I)を満たす潤滑油組成物とする観点から、上記(1)〜(3)の事項を備えた、無灰系摩擦調整剤(B)として好適な、脂肪酸エステル、脂肪族アミン、脂肪酸アミド、及び脂肪族エーテルについて、以下、具体的に説明する。
(脂肪酸エステル)
無灰系摩擦調整剤(B)として好適な脂肪酸エステルとしては、脂肪酸と脂肪族多価アルコールとの反応により得られる部分エステル化合物等の水酸基を1つ以上有する部分エステル化合物が挙げられる。
脂肪酸エステルを構成する上記脂肪酸は、炭素数10〜30の無置換のアルキル基又は無置換のアルケニル基を有する脂肪酸が好ましく、炭素数10〜30の無置換の直鎖アルキル基又は無置換の直鎖アルケニル基を有する脂肪酸がより好ましい。
当該脂肪酸が有するアルキル基及びアルケニル基の炭素数としては、10〜30であるが、好ましくは12〜24、より好ましくは14〜20である。
具体的な脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、及びリグノセリン酸等の飽和脂肪酸;ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、及びリノレン酸等の不飽和脂肪酸;が挙げられる。
また、脂肪酸エステルを構成する上記脂肪族多価アルコールとしては、2〜6価の多価アルコールが好ましく、具体的には、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
これらの中でも、当該脂肪族多価アルコールとしては、グリセリンが好ましい。
グリセリンと前記脂肪酸との反応で得られる、水酸基を1つ以上有する脂肪酸部分エステル化合物(以下、「グリセリンエステル化合物」ともいう)としては、グリセリンモノミリストレート、グリセリンモノパルミトレアート、グリセリンモノオレアート等のモノエステルや、グリセリンジミリストレート、グリセリンジパルミトレアート、グリセリンジオレアート等のジエステルが挙げられる。
これらの中でも、グリセリンエステル化合物としては、モノエステルが好ましく、下記一般式(b−1)で表される化合物がより好ましい。
前記一般式(b−1)中、R11は炭素数10〜30の無置換のアルキル基又は炭素数10〜30の無置換のアルケニル基を表し、炭素数10〜30の無置換の直鎖アルキル基又は炭素数10〜30の無置換の直鎖アルケニル基であることが好ましい。
11として選択し得る、アルキル基及びアルケニル基の炭素数としては、それぞれ独立に、10〜30であるが、好ましくは12〜24、より好ましくは14〜20である。
また、前記一般式(b−1)中、R12〜R16は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基を表す。
12〜R16として選択し得る、炭化水素基の炭素数としては、それぞれ独立に、1〜18であるが、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6、より更に好ましくは1〜3である。
12〜R16として選択し得る、炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アルキルアリール基等が挙げられる。
これらの中でも、R12〜R16としては、水素原子、アルキル基、又はアルケニル基が好ましく、水素原子、又はアルキル基がより好ましく、すべて水素原子であることが更に好ましい。
(脂肪族アミン)
無灰系摩擦調整剤(B)として好適な脂肪族アミンとしては、下記一般式(b−2)で表される化合物が好ましい。
前記一般式(b−2)中、R21は、炭素数10〜30の無置換のアルキル基又は炭素数10〜30の無置換のアルケニル基を表し、炭素数10〜30の無置換の直鎖アルキル基又は炭素数10〜30の無置換の直鎖アルケニル基であることが好ましい。
21として選択し得る、アルキル基及びアルケニル基の炭素数としては、それぞれ独立に、10〜30であるが、好ましくは12〜24、より好ましくは14〜20である。
前記一般式(b−2)中、R22〜R29は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又は、エーテル結合若しくはエステル結合を含有する酸素含有炭化水素基を表す。
a及びbは、それぞれ独立に、1〜20の整数であり、好ましくは1〜10の整数、より好ましくは1〜5の整数、更に好ましくは1又は2、より更に好ましくは1である。
なお、aが2以上である場合、例えば、R22は複数存在するが、複数のR22は、同一であってもよく、互いに異なるものであってもよい。R22以外のR23〜R29が複数存在する場合も同様である。
また、a及びbの合計としては、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜4、より更に好ましくは2である。
22〜R29として選択し得る、炭化水素基の炭素数としては、それぞれ独立に、1〜18であるが、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6、より更に好ましくは1〜3である。
22〜R29として選択し得る、炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アルキルアリール基等が挙げられる。
22〜R29として選択し得る、酸素含有炭化水素基の炭素数としては、それぞれ独立に、1〜18であるが、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6、より更に好ましくは1〜3である。
22〜R29として選択し得る、酸素含有炭化水素基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、ヘキシルオキシメチル基、オクチルオキシメチル基、2−エチルヘキシルオキシメチル基、デシルオキシメチル基、ドデシルオキシメチル基、2−ブチルオクチルオキシメチル基、テトラデシルオキシメチル基、ヘキサデシルオキシメチル基、2−ヘキシルドデシルオキシメチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、1,1−ビスメトキシプロピル基、1,2−ビスメトキシプロピル基、エトキシプロピル基、(2−メトキシエトキシ)プロピル基、(1−メチル−2−メトキシ)プロピル基、アセチルオキシメチル基、プロパノイルオキシメチル基、ブタノイルオキシメチル基、ヘキサノイルオキシメチル基、オクタノイルオキシメチル基、2−エチルヘキサノイルオキシメチル基、デカノイルオキシメチル基、ドデカノイルオキシメチル基、2−ブチルオクタノイルオキシメチル基、テトラデカノイルオキシメチル基、ヘキサデカノイルオキシメチル基、2−ヘキシルドデカノイルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基が挙げられる。
これらの中でも、R22〜R29としては、水素原子、又は炭化水素基が好ましく、水素原子、アルキル基、又はアルケニル基がより好ましく、水素原子、又はアルキル基が更に好ましく、すべて水素原子であることがより更に好ましい。
(脂肪酸アミド)
無灰系摩擦調整剤(B)として好適な脂肪酸アミドとしては、下記一般式(b−3)で表される化合物が好ましい。
前記一般式(b−3)中、R31は、炭素数10〜30の無置換のアルキル基又は炭素数10〜30の無置換のアルケニル基を表し、炭素数10〜30の無置換の直鎖アルキル基又は炭素数10〜30の無置換の直鎖アルケニル基であることが好ましい。
31として選択し得る、アルキル基及びアルケニル基の炭素数としては、それぞれ独立に、10〜30であるが、好ましくは12〜24、より好ましくは14〜20である。
前記一般式(b−3)中、R32〜R39は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又は、エーテル結合若しくはエステル結合を含有する酸素含有炭化水素基を表す。
c及びdは、それぞれ独立に、1〜20の整数であり、好ましくは1〜10の整数、より好ましくは1〜5の整数、更に好ましくは1又は2、より更に好ましくは1である。
なお、aが2以上である場合、例えば、R32は複数存在するが、複数のR32は、同一であってもよく、互いに異なるものであってもよい。R32以外のR33〜R39が複数存在する場合も同様である。
また、c及びdの合計としては、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜4、より更に好ましくは2である。
32〜R39として選択し得る、炭化水素基の炭素数としては、それぞれ独立に、1〜18であるが、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6、より更に好ましくは1〜3である。
32〜R39として選択し得る、炭化水素基は、上述のR22〜R29として選択し得る炭化水素基と同じものが挙げられる。
32〜R39として選択し得る、酸素含有炭化水素基の炭素数としては、それぞれ独立に、1〜18であるが、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6、より更に好ましくは1〜3である。
32〜R39として選択し得る、酸素含有炭化水素基は、上述のR22〜R29として選択し得る酸素含有炭化水素基と同じものが挙げられる。
(脂肪族エーテル)
無灰系摩擦調整剤(B)として好適な脂肪族エーテルとしては、(ポリ)グリセリンエーテル化合物が好ましく、下記一般式(b−4)で表される化合物がより好ましい。
前記一般式(b−4)中、R41は、炭素数10〜30の無置換のアルキル基又は炭素数10〜30の無置換のアルケニル基を表し、炭素数10〜30の無置換の直鎖アルキル基又は炭素数10〜30の無置換の直鎖アルケニル基であることが好ましい。
41として選択し得る、アルキル基及びアルケニル基の炭素数としては、それぞれ独立に、10〜30であるが、好ましくは12〜24、より好ましくは14〜20である。
また、eは、0〜10の整数であり、好ましくは0〜6の整数、より好ましくは0〜4の整数である。
<無灰系分散剤(C)>
本発明の一態様の潤滑油組成物は、さらにアルケニルコハク酸イミド(C1)及びホウ素変性アルケニルコハク酸イミド(C2)から選ばれる1種以上の無灰系分散剤(C)を含有することが好ましい。
無灰系分散剤(C)を含有することで、鉱油(A)中での無灰系摩擦調整剤(B)の分散性が良好となり、摩擦低減効果をより向上させることができる。
アルケニルコハク酸イミド(C1)としては、下記一般式(c−1)で表されるアルケニルコハク酸モノイミド、もしくは下記一般式(c−2)で表されるアルケニルコハク酸ビスイミドが挙げられる。
上記一般式(c−1)、(c−2)中、R、RA1及びRA2は、それぞれ独立に、質量平均分子量(Mw)が500〜3000(好ましくは1000〜3000)のアルケニル基である。
、RB1及びRB2は、それぞれ独立に、炭素数2〜5のアルキレン基である。
は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は−(AO)−Hで表される基(但し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜10の整数を示す。)である。
x1は1〜10の整数であり、好ましくは2〜5の整数、より好ましくは3又は4である。
x2は0〜10の整数であり、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2又は3である。
、RA1及びRA2として選択し得るアルケニル基としては、例えば、ポリブテニル基、ポリイソブテニル基、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられ、これらの中でも、ポリブテニル基又はポリイソブテニル基が好ましい。
アルケニルコハク酸イミド(C1)は、例えば、ポリオレフィンと無水マレイン酸との反応で得られるアルケニルコハク酸無水物を、ポリアミンと反応させることで製造することができる。
上記ポリオレフィンは、例えば、炭素数2〜8のα−オレフィンから選ばれる1種又は2種以上を重合して得られる重合体が挙げられるが、イソブテンと1−ブテンとの共重合体が好ましい。
また、上記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン等の単一ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジ(メチルエチレン)トリアミン、ジブチレントリアミン、トリブチレンテトラミン、及びペンタペンチレンヘキサミン等のポリアルキレンポリアミン;アミノエチルピペラジン等のピペラジン誘導体;等が挙げられる。
さらに、アルケニルコハク酸イミド(D1)としては、前記一般式(1)及び(2)で示される化合物と、アルコール、アルデヒド、ケトン、アルキルフェノール、環状カーボネート、エポキシ化合物、有機酸等とを反応させた変性アルケニルコハク酸イミドを用いることもできる。
本発明の一態様の潤滑油組成物において、アルケニルコハク酸イミド系化合物(C1)の窒素原子換算での含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは10〜3000質量ppm、より好ましくは50〜2000質量ppm、更に好ましくは100〜1400質量ppm、より更に好ましくは200〜1200質量ppmである。
ホウ素変性アルケニルコハク酸イミド(C2)としては、上述の下記一般式(c−1)又は(c−2)で表されるアルケニルコハク酸イミドのホウ素変性体が挙げられる。
ホウ素変性アルケニルコハク酸イミド(C2)は、例えば、上述のポリオレフィンと無水マレイン酸との反応で得られるアルケニルコハク酸無水物を、上述のポリアミン及びホウ素化合物と反応させることで製造することができる。
上記ホウ素化合物としては、例えば、酸化ホウ素、ハロゲン化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸無水物、ホウ酸エステル、ホウ酸のアンモニウム塩等が挙げられる。
本発明の一態様において、ホウ素変性アルケニルコハク酸イミド(C2)を構成するホウ素原子と窒素原子の比率〔B/N〕としては、清浄性を向上させる観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.8以上、より更に好ましくは0.9以上である。
本発明の一態様の潤滑油組成物において、ホウ素変性アルケニルコハク酸イミド(C2)のホウ素原子換算での含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは10〜1000質量ppm、より好ましくは30〜700質量ppm、更に好ましくは50〜500質量ppm、より更に好ましくは100〜400質量ppmである。
また、ホウ素変性アルケニルコハク酸イミド(C2)の窒素原子換算での含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは10〜1000質量ppm、より好ましくは30〜700質量ppm、更に好ましくは50〜500質量ppm、より更に好ましくは100〜400質量ppmである。
なお、本発明の一態様の潤滑油組成物において、無灰系分散剤(C)としては、成分(C1)及び(C2)以外の他の無灰系分散剤を用いてもよい。
このような他の無灰系分散剤としては、例えば、ベンジルアミン類、ホウ素含有ベンジルアミン類、コハク酸エステル類、脂肪酸あるいはコハク酸で代表される一価又は二価カルボン酸アミド類
ただし、本発明の一態様の潤滑油組成物において、無灰系分散剤(C)中の成分(C1)及び(C2)の合計含有量としては、当該潤滑油組成物に含まれる無灰系分散剤(C)の全量(100質量%)に対して、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%、より更に好ましくは95〜100質量%である。
また、本発明の一態様の潤滑油組成物において、成分(C1)及び(C2)の窒素原子換算での合計含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、通常10〜4000質量ppm、好ましくは30〜3000質量ppm、より好ましくは50〜2500質量ppm、更に好ましくは100〜2000質量ppm、より更に好ましくは150〜1500質量ppmである。
成分(C)の含有量(配合量)としては、潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜10.0質量%、より好ましくは0.1〜8.0質量%、更に好ましくは0.5〜6.0質量%、より更に好ましくは0.8〜4.0質量%である。
<他の潤滑油用添加剤>
本発明の一態様の潤滑油組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、上記成分(B)及び(C)以外の潤滑油用添加剤を含有してもよい。
このような潤滑油用添加剤としては、例えば、極圧剤、耐摩耗剤、酸化防止剤、金属系清浄分散剤、金属不活性化剤、防錆剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、消泡剤等が挙げられる。
これらの潤滑油用添加剤は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
これらの潤滑油用添加剤の各含有量は、本発明の効果を損なわない範囲内で、適宜調整することができるが、潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、通常0.001〜15質量%、好ましくは0.005〜10質量%、より好ましくは0.01〜8質量%である。
なお、本発明の一態様の潤滑油組成物において、これらの潤滑油用添加剤の合計含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0〜15質量%、更に好ましくは0〜10質量%である。
〔潤滑油組成物の各種性状〕
本発明の一態様の潤滑油組成物の100℃における動粘度は、好ましくは3.0〜20mm/s、より好ましくは3.5〜15mm/s、更に好ましくは4.0〜10mm/sである。
本発明の一態様の潤滑油組成物の粘度指数は、好ましくは80以上、より好ましくは95以上、更に好ましくは105以上である。
本発明の一態様の潤滑油組成物について、浮動ライナー試験機を用いて、ライナー温度75℃、回転数900rpmの測定条件にて算出された摩擦エネルギーとしては、好ましくは5.0J/回転以下、より好ましくは4.8J/回転以下、更に好ましくは4.5J/回転以下である。
本明細書において、上記の摩擦エネルギーの測定に用いる浮動ライナー試験機としては、図3に示すような構成を有する浮動ライナー試験機1が例示される。また、浮動ライナー試験機の仕様条件に関しては、実施例に記載のとおりである。
図3に示す浮動ライナー試験機1は、ピストン運動路2a及びクランクシャフト収容部2bを有するブロック2、ピストン運動路2aの内壁に沿って配置されたライナー12、ライナー12内に収容されたピストン4、ピストン4に外嵌されたピストンリング6、クランクシャフト収容部2b内に収容されたクランクシャフト10、クランクシャフト10とピストン4とを連結するコンロッド9、並びに、ライナー12とピストン運動路2aとによって挟まれており、ピストン4のピストン往復運動によってピストンリング6とライナー12との間に加わる摩擦力を測定する荷重測定センサ14を有する。
クランクシャフト10は、モータによって回転駆動され、コンロッド9を介してピストン4を往復運動させる。
荷重測定センサ14は、固定ねじ18を介してライナー12に固定されている。
浮動ライナー試験機1は、図3に示すように、ライナー12の温度を測定するための温度計16を備えていてもよい。
浮動ライナー試験機1において、ピストン4の運動によりピストンリング6とライナー12との間に加わる摩擦力が、荷重測定センサ14によって測定される。
このように構成を有する浮動ライナー試験機1において、潤滑油組成物20は、クランクシャフト収容部2b内に、クランクシャフト10の中心軸の中心よりも上位かつ中心軸の最上端よりも下位の液位になるまで充填される。そして、クランクシャフト収容部2b内の潤滑油組成物20が、回転するクランクシャフト10によるはねかけ式で、ライナー12とピストンリング6との間に供給される。
〔潤滑油組成物の用途〕
本発明の一態様の潤滑油組成物は、上記作用効果を有することから、平滑化やコーティング等によって摺動面の表面粗さを低減され、クリアランスが数nmほどに調整された2つの摺動部材間の潤滑用途に好適である。本発明の潤滑油組成物においては、このような2つの摺動部材間に使用しても、粘性の増加が効果的に抑制され、安定して優れた摩擦低減効果を発現されることができる。
より具体的な用途してしては、平滑化やコーティング等によって摺動面の表面粗さを低減され、クリアランスが数nmほどに調整された、ピストンリング及びライナーを備えた摺動機構を有する装置におけるピストンリング及びライナーを備えた摺動機構用の潤滑油組成物として適しており、特に、内燃機関におけるピストンリング及びライナーを備えた摺動機構用の潤滑油組成物として、より適するものである。
本発明の一態様の潤滑油組成物を適用するピストンリング及びシリンダーライナーの材質については特に制限はなく、通常、アルミニウム合金のほかに、鋳鉄合金がシリンダライナーの材料として採用される。
また、ピストンリングの材料としては、Si−Cr鋼や11〜17質量%Crのマルテンサイト系ステンレス鋼が用いられている。ピストンリングは、このような素材に、さらにクロムめっき処理、窒化クロム処理又は窒化処理及びこれらの組合せに係る下地処理をすることが好ましい。
特に、優れた摩擦低減効果、密着性、及び耐久性の観点から、本発明の一態様の潤滑油組成物を、窒化クロム処理を施したピストンリングを用いたピストンリング及びライナーを備えた摺動機構に適用すると、本発明の効果を更に増大させることができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた各成分及び得られた潤滑油組成物の各種物性値は、下記に方法に準拠して測定した。
<40℃及び100℃における動粘度>
JIS K 2283に準拠して測定した。
<粘度指数>
JIS K 2283に準拠して算出した。
実施例1〜3、比較例1〜3
(1)試料油(α1)〜(α6)の調製
表1に示す種類及び配合量の鉱油、摩擦調整剤、及びポリブテニルコハク酸イミドを添加し、試料油(α1)〜(α6)をそれぞれ調製した。
試料油(α1)〜(α6)の調製で使用した鉱油、摩擦調整剤、ポリブテニルコハク酸イミドの詳細は以下のとおりである。
<鉱油>
・「鉱油(1)」:100℃動粘度=3.0mm/s、粘度指数=109、API基油カテゴリーのグループ2に分類されるパラフィン系鉱油。%C=77、%C=23、%C=0。
・「鉱油(2)」:100℃動粘度=4.0mm/s、粘度指数=107API基油カテゴリーのグループ1に分類されるパラフィン系鉱油。%C=72、%C=27、%C=4。
・「鉱油(3)」:100℃動粘度=11mm/s、粘度指数=109、API基油カテゴリーのグループ2に分類されるパラフィン系鉱油。%C=72、%C=28、%C=0。
<摩擦調整剤>
・「摩擦調整剤(1)」:脂肪酸グリセリド。前記一般式(b−1)中、R11がオレイル基、R12〜R16が水素原子である化合物。
・「摩擦調整剤(2)」:オレイン酸ジエタノールアミン。前記一般式(b−2)中、R21が「CH(CHCH=CH(CH−」で表される炭素数17の直鎖アルケニル基、R22〜R29が水素原子である化合物。
・「摩擦調整剤(3)」:グリセリルエーテル。前記一般式(b−4)中、R41が「C1835−」で表される炭素数18の直鎖アルケニル基、eが0〜4の整数である化合物。
・「摩擦調整剤(4)」:1−[N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアミノ]ヘキサデシル−2−オール。下記式で表される化合物。

<ポリブテニルコハク酸イミド>
・前記一般式(c−2)中、RA1及びRA2が数平均分子量2000のポリブテニル基、RB1及びRB2が−CHCH−、Rが−(CHCHO)−Hである化合物、窒素原子の含有量=0.99質量%。
(2)表面力の測定
共振ずり測定装置(アドバンス理工株式会社、製品名「RSM−1」)を用いて、試料油の表面力と粘性係数の値との関係を測定した。
具体的には、下記参考文献1に記載の方法に基づき、上記の共振ずり測定装置を用いて、室温(25℃)にて、清浄で平滑な雲母劈開面を対向させた二面間に、試料油(α1)〜(α6)のいずれかを約200μl滴下し、直行円筒形式で接触させた。表面力は、固体表面間距離を等色次数干渉縞法にて測定し、固体表面間距離の実測値から、板バネの変位量を計算して、バネばかり法によって算出した。
また、共振ずり応答については、共振ずりユニットに、電圧Uinを印加して水平方向の振動を発生させ、その振幅を静電容量計にて電圧Uoutを測定し、振動の強度〔Uout/Uin〕として評価した。得られた共振ずり応答(振動の強度〔Uout/Uin〕)を、下記参考文献1に記載の方法で解析することで、粘性係数を算出した。
・参考文献1:A new physical model for resonance shear measurement of confined liquids between solid surfaces, REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS 79, 113705 2008
そして、表面力の変化に伴う粘性係数の値の変化をグラフ化すると共に、前記式(i)を満たす表面力x[mN/m]を算出した。結果を表1に示す。
(3)潤滑油組成物の調製
表2に示す種類及び配合量にて、鉱油、摩擦調整剤、ポリブテニルコハク酸イミド、及び下記に示す各種添加剤を添加し、潤滑油組成物をそれぞれ調製した。
なお、使用した鉱油、摩擦調整剤、ポリブテニルコハク酸イミドは、上記のものと同じものであり、各種添加剤は、以下に示すものを使用した。
・ZnDTP(1):第1級アルキル型ジアルキルジチオリン酸亜鉛、亜鉛原子の含有量=8.9質量%、リン原子の含有量=7.4質量%。
・酸化防止剤(1):アミン系酸化防止剤
・酸化防止剤(2):フェノール系酸化防止剤
・金属系清浄剤(1):過塩基性カルシウムサリシレート、塩基価(過塩素酸法)=350mgKOH/g、カルシウム原子の含有量;12.1質量%。
・他の添加剤:金属不活性化剤、消泡剤。
調製した潤滑油組成物について、以下の浮動ライナー試験を行い、ピストンリングとライナー間の摩擦エネルギーを測定した。結果を表2に示す。
<浮動ライナー試験>
図3に示す構成を有し、下記の仕様のピストンリングとライナー間のクリアランスが数nmとなるよう調整した浮動ライナー試験機を用いて、下記に示す測定条件にて、ピストンリングとライナー間の摩擦力から測定される1回転当たりの摩擦エネルギー(単位:J/回転)を算出した。
(1)浮動ライナー試験機の仕様
・試験装置:電動モータ駆動の浮動ライナー試験機
・排気量:315cm(単気筒)
・リング材質:鋼材(表面処理CrNコーティング)
・ライナー材質:FC250鋳鉄
(2)浮動ライナー試験機の測定条件
・ライナー温度:75℃
・回転数:900rpm
1 浮動ライナー試験機
2 ブロック
2a ピストン運動路
2b クランクシャフト収容部
4 ピストン
6 ピストンリング
8 ピストンリング
9 コンロッド
10 クランクシャフト
12 ライナー
14 荷重測定センサ
16 温度計
18 固定ねじ
20 潤滑油組成物

Claims (5)

  1. 鉱油(A)及び無灰系摩擦調整剤(B)を含有し、下記条件(I)を満たす、潤滑油組成物。
    条件(I):鉱油(A)と共に、無灰系摩擦調整剤(B)を1質量%、ポリブテニルコハク酸イミドを5質量%含有する試料油(α)を調製し、試料油(α)に対して、共振ずり測定装置で用いて、所定の表面力における粘性係数の値を測定した際、下記式(i)
    式(i):μ(0)×5≦μ(x)
    〔上記式(i)中、μ(0)は、表面力0[mN/m]における粘性係数[Ns/m]の値を示す。μ(x)は、表面力x[mN/m]における粘性係数の値である。〕
    を満たすxが5.0[mN/m]以上である。
  2. 無灰系摩擦調整剤(B)が、炭素数10〜30の無置換のアルキル基又は炭素数10〜30の無置換のアルケニル基を有する化合物である、請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 無灰系摩擦調整剤(B)が、水酸基を1つ以上有する化合物である、請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
  4. 無灰系摩擦調整剤(B)の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で、0.01〜10質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
  5. さらにアルケニルコハク酸イミド(C1)及びホウ素変性アルケニルコハク酸イミド(C2)から選ばれる1種以上の無灰系分散剤(C)を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
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