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JP2018061447A - 希少細胞回収方法 - Google Patents

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JP2018061447A
JP2018061447A JP2016199910A JP2016199910A JP2018061447A JP 2018061447 A JP2018061447 A JP 2018061447A JP 2016199910 A JP2016199910 A JP 2016199910A JP 2016199910 A JP2016199910 A JP 2016199910A JP 2018061447 A JP2018061447 A JP 2018061447A
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明子 伊藤
Akiko Ito
明子 伊藤
上原 寿茂
Toshishige Uehara
寿茂 上原
大平 小田切
Taihei Odagiri
大平 小田切
正文 金友
Masabumi Kanetomo
正文 金友
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Abstract

【課題】希少細胞含有液から希少細胞を高収率で回収することを可能とする。
【解決手段】希少細胞回収方法は、流入口と流出口とを有する筐体と、流入口と流出口との間の筐体の内部の流路上に複数の貫通孔を有するフィルターが設けられた細胞捕捉デバイスを用いた希少細胞回収方法であって、流入口から希少細胞含有液を導入し、流出口から排出することで、フィルターによって当該希少細胞含有液をろ過することで希少細胞を捕捉する捕捉工程S01と、細胞捕捉デバイス内の流路をバッファで満たすバッファ置換工程S03と、細胞捕捉デバイス内の流路のバッファを光硬化性樹脂に置換する樹脂置換工程S04と、細胞捕捉デバイス内の光硬化性樹脂を硬化させることで、希少細胞をフィルターから光硬化性樹脂に転写する転写工程S05と、転写工程において硬化された光硬化性樹脂を細胞捕捉デバイスから取り出して回収する回収工程S06と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、希少細胞回収方法に関する。
癌は世界各国で死因の上位を占め、わが国においては年間30万人以上が癌によって死亡している。癌による死亡のほとんどが、癌の転移再発によるものである。癌の転移再発は、癌細胞が原発巣から血管又はリンパ管を経由して、別の臓器組織の血管壁に定着し、血管壁を浸潤して、血管壁に微細転移層を形成することで起こる。このように、血管又はリンパ管を介して体内を循環する癌細胞は、血中循環癌細胞(Circulating Tumor Cell、CTC)と呼ばれる。
一方、末梢血液中には循環内皮細胞(Circulating Endothelial Cell、CEC)が存在する。CECは、内皮細胞が代謝によって血管壁から剥がれ落ちた成熟細胞であり、循環器疾患、感染症、免疫疾患及び癌等の多くの疾患によってCECの数が増加することが知られている。
以上のように、CTC及びCEC等の希少細胞から疾患に関する多くの情報を得られるため、これら希少細胞の存在及びその増加の早期発見が期待される。
しかしながら、血液には、赤血球、白血球及び血小板等の血球成分が多く含まれ、その数は、血液1mL中に3.5×10〜9×10個ともいわれている。これに対し、希少細胞は、血液1mL中に僅か数個程度しか存在しないため、希少細胞の検出及び観察は非常に困難である。血球成分が多く存在する中、希少細胞を効率的に検出するには、希少細胞と血球成分とを分離する必要がある。
血液中の希少細胞を分離する方法として、フィルターを用いる方法がある(例えば、特許文献1〜3)。この方法は、細胞のサイズ及び変形能の違いで希少細胞を分離する方法である。
特開2013−42689号公報 特開2011−163830号公報 国際公開第2015/012315号
近年の動向として、分離した希少細胞の遺伝子解析結果を、例えば、最適な薬剤の選定及び予後診断に利用することへの期待が高まっている。遺伝子解析に用いられるPCR及び次世代シーケンサー(Next Generation Sequencer、NGS)等では、解析の基となる希少細胞の量及び純度が重要となる。
しかしながら、特許文献1〜3のような従来の方法を用いても、フィルター上に捕捉された希少細胞を回収するのが難しく、十分な収率で希少細胞を単離することができなかった。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、希少細胞含有液から希少細胞を高収率で回収することが可能な希少細胞回収方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る希少細胞回収方法は、液体を内部へ導入するための流入口と、液体を外部へ排出するための流出口と、を有する筐体と、前記流入口と前記流出口との間の前記筐体の内部の流路上に、厚さ方向に複数の貫通孔を有するフィルターが設けられた細胞捕捉デバイスを用いた希少細胞回収方法であって、前記流入口から希少細胞含有液を導入し、前記流出口から排出することで、前記フィルターによって当該希少細胞含有液をろ過することにより、前記フィルターの一方の面上に前記希少細胞含有液に含まれる希少細胞を捕捉する捕捉工程と、前記流入口からバッファを導入することで、前記細胞捕捉デバイス内の流路をバッファで満たすバッファ置換工程と、前記流入口から光硬化性樹脂を導入することで、前記細胞捕捉デバイス内の流路の前記バッファを前記光硬化性樹脂に置換する樹脂置換工程と、前記細胞捕捉デバイス内の前記光硬化性樹脂を硬化させることで、前記希少細胞を前記フィルターの一方の面上から前記光硬化性樹脂に転写する転写工程と、前記転写工程において硬化された前記光硬化性樹脂を前記細胞捕捉デバイスから取り出す回収工程と、を含む。
上記の希少細胞回収方法によれば、細胞捕捉デバイス内に希少細胞含有液を導入することで希少細胞をフィルターにより捕捉した後に、細胞捕捉デバイス内に光硬化性樹脂を導入し、これを硬化させることで、希少細胞を光硬化性樹脂に転写し、回収することができる。このように、希少細胞の周囲に光硬化性樹脂を導入して硬化させることで、希少細胞の移動を抑制しながら、希少細胞を回収することができるため、希少細胞の紛失等を防ぎながら希少細胞を回収することができる。さらに、上記の希少細胞回収方法では、細胞捕捉デバイス内の流路をバッファで満たした後に、バッファと光硬化性樹脂とを置換することで、細胞捕捉デバイス内に光硬化性樹脂が導入される。このような手順とすることで、光硬化性樹脂を導入した際に希少細胞がフィルターの面上から貫通孔内へ移行することが防がれるため、希少細胞の収率をさらに高めることができる。
ここで、前記光硬化性樹脂は、硬化後の可視光の透過率が20%以上である態様とすることができる。
上記のように、硬化後の可視光の透過率が20%以上である光硬化性樹脂を用いると、回収工程で回収した光硬化性樹脂に希少細胞が保持された状態で、希少細胞を観察することが可能となる。
また、前記回収工程において、前記フィルターの一方の面側に相当する前記光硬化性樹脂を他の前記光硬化性樹脂と区別して回収する態様とすることができる。
上記のように、前記フィルターの一方の面側に相当する前記光硬化性樹脂を他の前記光硬化性樹脂と区別して回収する構成とすることで、希少細胞の観察又は光硬化性樹脂から取り出した希少細胞の解析等の後段の作業を好適に行うことができる。
また、前記回収工程において、前記細胞捕捉デバイスから取り出した前記光硬化性樹脂から前記希少細胞を個別に回収する工程をさらに含む態様とすることができる。
上記のように、希少細胞を個別に回収する工程を含むことで、遺伝子解析等の希少細胞に係るより詳細な解析を行うことが可能となる。
本発明によれば、希少細胞含有液から希少細胞を高収率で回収することが可能な希少細胞回収方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る希少細胞回収方法を含む一連の操作手順を説明するフロー図である。 細胞捕捉デバイスの構成を示す模式図である。 樹脂置換工程、転写工程及び回収工程を示す模式図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本発明の一実施形態に係る希少細胞回収方法は、細胞捕捉デバイスに保持されたフィルターにより、希少細胞含有液をろ過することで、希少細胞をフィルターに捕捉した後、この希少細胞を光硬化性樹脂に転写して回収することを特徴とする。細胞捕捉デバイスを用いて光硬化性樹脂に対して転写して回収をする構成とすることで、フィルター上に捕捉された希少細胞の紛失等を防ぎながら希少細胞を回収することができるため、より高い収率での回収を可能とする。
本実施形態に係る希少細胞の回収方法における回収の対象となる「希少細胞」とは、生体試料に含まれる特定種類の細胞のことであり、通常、その細胞数の割合が希少細胞含有液に含有される全細胞の総数に対して極めて小さいものをいう。希少細胞は、例えば、CTC(Circulating Tumor Cell)等の癌細胞及びCEC(Circulating Endothelial Cell)等の内皮細胞であることができるが、これらに限定されない。
希少細胞含有液は、上記の希少細胞が含まれる液であり、例えば、血液、腹水、胸水及びその他の細胞懸濁液であることができる。細胞懸濁液は、例えば、白血球を含有する液であることができる。なお、希少細胞含有液には、緩衝液又は添加剤がさらに含まれていてもよい。
本実施形態における「捕捉」とは、希少細胞含有液をフィルターでろ過して、希少細胞をフィルター上に残留させることをいう。
また、本実施形態における「転写」とは、フィルターに希少細胞が捕捉された状態から、光硬化性樹脂に希少細胞が保持された状態へと移行することをいう。すなわち、フィルターから光硬化性樹脂に対して希少細胞を転写することで、光硬化性樹脂に希少細胞が保持されている状態となる。
また、本実施形態における「回収」とは、希少細胞を回収することをいう。ただし、希少細胞を単体で回収することに限定されず、希少細胞を保持した状態の光硬化性樹脂を回収することについても、本実施形態における「回収」に該当する。
以下、本実施形態に係る希少細胞回収方法について図1〜3を参照しながら、説明する。本実施形態に係る希少細胞回収方法は、図1に示すように、捕捉工程(ステップS01)、洗浄工程(ステップS02)、置換工程(バッファ置換工程:ステップS04)、樹脂置換工程(ステップS04)、転写工程(ステップS05)、回収工程(ステップS06)、及び、解析工程(ステップS07)を含む。
捕捉工程S01は、希少細胞含有液を細胞捕捉デバイスに取り付けられたフィルターによりろ過して、希少細胞をフィルターの一方の面上に捕捉する工程である。洗浄工程S02は、フィルター表面を洗浄液(ウォッシュバッファ)により洗浄する工程である。
置換工程S03は、細胞捕捉デバイス内のフィルター周辺の領域を洗浄液等のバッファに置換する工程である。また、樹脂置換工程S04は、細胞捕捉デバイス内のフィルター周辺の領域に対して硬化前の光硬化性樹脂を導入する工程である。転写工程S05は、フィルター表面上の光硬化性樹脂を硬化させることで、フィルターの面上の希少細胞を、光硬化性樹脂が保持している状態に移行させる工程である。回収工程S06は、希少細胞が保持された光硬化性樹脂を回収し、必要に応じて光硬化性樹脂から希少細胞を回収する工程である。解析工程S07は、回収された希少細胞に係る解析を行う工程である。各工程の詳細は後述する。
まず、捕捉工程S01について説明する。捕捉工程S01は、希少細胞含有液をフィルターでろ過して希少細胞をフィルターの面上に捕捉する工程である。希少細胞含有液とは、捕捉対象の希少細胞が含まれている液体であり、例えば、血液又は血液由来の液体等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ろ過を行う際には、細胞捕捉デバイスが用いられる。細胞捕捉デバイスについて、図2を参照しながら説明する。
図2は細胞捕捉デバイスの構成を示す模式図である。細胞捕捉デバイス100は、液体が流入する流入管125が接続された流入口130と、液体が流出する流出管135が接続された流出口140とを有する筐体120と、フィルター105とを備える。筐体120の形状は直方体又は円筒等であってよく、特に制約はない。フィルター105は、上部部材110及び下部部材115から構成される筐体120により固定されていて、流入口130と流出口140との間に形成される筐体120の内部の流路上に配置される。
上部部材110及び下部部材115は、例えばクリップ(図示せず)で互いに固定されており、クリップを外して筐体120を解体することで、フィルター105を取り出すことができる。本実施形態に係る希少細胞回収方法では、上部部材110及び下部部材115に挟まれた空間に光硬化性樹脂が導入されるので、硬化後の光硬化性樹脂を回収することが可能な構成とされていることが好ましい。なお、図2に示すように、上部部材110及び下部部材115に挟まれた空間とは、上部部材110とフィルター105とにより形成される上部空間A1と、下部部材115とフィルター105とにより形成される下部空間A2と、のことをいう。
流入管125の上流には、例えば、希少細胞含有液又は洗浄液等の処理液が入ったリザーバーが接続される。リザーバーに入った液体は、流入管125から筐体120の内部に流れ、フィルター105を通って、流出管135から外部に排出される。このような液体の流れは、流出管135の下流に接続されたポンプPの駆動により作り出すことができる。また、ポンプPの駆動により、細胞捕捉デバイス100内での液体の移動速度(流速)を制御することができる。ポンプPとしては、例えばペリスタルティックポンプ等を利用することができる。
フィルター105には厚さ方向に貫通する複数の貫通孔106が形成されている。例えば、希少細胞含有液として癌細胞を含む血液を細胞捕捉デバイス100内に導入すると、血液の血小板及び赤血球等の成分は貫通孔106を通過するが、希少細胞及び一部の白血球は貫通孔106を通過できず、フィルター105上の一方側の表面(流入管125側の面)に残留する。
フィルター105は、プラスチック又は金属等の薄膜に、多数の貫通孔が形成されている構造を有するものであれば特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。フィルター105は、希少細胞含有液から希少細胞以外の成分をろ液とともに取り除き、貫通孔106を通過しなかった希少細胞をその表面に捕捉する。例えば、希少細胞含有液として癌細胞を含む血液を使用する場合には、8μm(短辺)×100μm(長辺)程度の大きさの略矩形状の貫通孔106を有するフィルターを用いることによって、赤血球、白血球、及び血小板等の血液成分をろ液として取り除き、希少細胞である癌細胞をフィルター105に捕捉することができる。なお、フィルター105に設けられる貫通孔106の孔径は、捕捉対象の細胞の種類等に応じて適宜変更することができる。また、貫通孔106の形状についても適宜変更することができる。貫通孔106形状としては、楕円、正方形、長方形、角丸長方形、多角形等が例示できる。なお、細胞の捕捉効率の観点からは、円、長方形又は角丸長方形が好ましい。角丸長方形とは2つの等しい長さの長辺と2つの半円形からなる形状である。
希少細胞含有液及び洗浄液等の液体が流入管125を通過するときの流速は、100μL/分〜800μL/分であることが好ましく、200μL/分〜600μL/分であることがより好ましい。液体の流速が上記範囲以内であると、希少細胞に対するダメージをより低減することができ、希少細胞の回収率を向上させることができる。
フィルター105の貫通孔106に対して希少細胞含有液を通過させることが可能であれば、細胞捕捉デバイス100の具体的な構成は特に限定されない。
次に、洗浄工程(ステップS02)について説明する。洗浄工程S02は、フィルター表面を洗浄液で洗浄する工程である。洗浄工程S02は、必要に応じて実施される工程であり、省略してもよい。
まず、細胞捕捉デバイス100の流入管125から洗浄液を導入し、希少細胞を捕捉したフィルター105を洗浄液で洗浄する。洗浄液としては、フィルター105上に残留した希少細胞以外の成分を洗い流せるものであれば特に限定されない。洗浄液としては、例えば、リン酸緩衝液等が挙げられる。洗浄液の量は特に制限されないが、希少細胞含有液の量の倍量程度とすることができる。
洗浄液でフィルター105を洗浄する場合、洗浄液の流速は特に限定されないが、洗浄液の移動に伴って希少細胞が貫通孔106内へ移動することを抑制可能な流速とすることが好ましい。すなわち、流入管125から導入する洗浄液の流速が、100μL/分〜800μL/分であることが好ましく、200μL/分〜600μL/分であることがより好ましい。
なお、洗浄液でフィルター105を洗浄した後、フィルター105の表面から洗浄液が除去されない状態を維持することが好ましい。フィルター105の表面に洗浄液が残存している状態とし、フィルター105表面の希少細胞が露出しない状態を維持することで、希少細胞の乾燥等を防ぐことができる。また、洗浄液の移動に伴って希少細胞が貫通孔106内へ移動することを防ぐこともできる。なお、フィルター105の表面から洗浄液が除去されない状態を作るためには、細胞捕捉デバイス100のポンプPの駆動により洗浄液の流速を制御し、洗浄液の移動を止めればよい。
置換工程(ステップS03)、樹脂置換工程(ステップS04)及び転写工程(ステップS05)については、図3を参照しながら説明する。
置換工程(ステップS03)は、細胞捕捉デバイス100内の上部空間A1、下部空間A2、及び貫通孔106内をバッファで満たす工程である。図3(A)は、希少細胞Cがフィルター105の表面に捕捉されている状態を示している。希少細胞Cは、フィルター105の貫通孔106上又はフィルター105の表面上に存在した状態でフィルター105に捕捉される。この状態で、細胞捕捉デバイス100内の空間がバッファで満たされるように、細胞捕捉デバイス100内にバッファを導入する。バッファとしては、リン酸緩衝液等の希少細胞Cに影響を与えない緩衝液等が用いられるが、洗浄液(ウォッシュバッファ)をバッファとして用いてもよい。また、バッファとして水を用いてもよい。
バッファを細胞捕捉デバイス100に対して供給する際のバッファの流速は特に限定されないが、バッファの移動に伴って希少細胞が貫通孔106内へ移動することを抑制可能な流速とすることが好ましい。すなわち、流入管125から導入するバッファの流速が、100μL/分〜800μL/分であることが好ましく、200μL/分〜600μL/分であることがより好ましい。
図3(A)では、上部部材110及び下部部材115は省略し、上部空間A1及び下部空間A2を示している。上部空間A1、下部空間A2、及びフィルター105により形成される領域は、細胞捕捉デバイス100内の流入口130と流出口140との間に形成される流路に相当する領域である。また、図3(A)では、置換工程S03を経ることで、細胞捕捉デバイス100内の上部空間A1、下部空間A2、及びフィルター105の貫通孔106内をバッファBで満たした状態を示している。このように、細胞捕捉デバイス100内をバッファBにより置換することで、細胞捕捉デバイス100内に残存する気泡等を減らすことができる。
樹脂置換工程S04は、細胞捕捉デバイス100内の流路に流動性を有する光硬化性樹脂を導入し、内部のバッファと置換するする工程である。本実施形態では、光硬化性樹脂を導入する前に、細胞捕捉デバイス100内はバッファBにより満たされている。したがって、樹脂置換工程S03は、細胞捕捉デバイス100内のバッファBを光硬化性樹脂Rに置換することで、細胞捕捉デバイス100内を光硬化性樹脂Rで満たす工程である。細胞捕捉デバイス100内に光硬化性樹脂を導入した状態を図3(B)に示す。図3(B)に示すように、細胞捕捉デバイス100内の上部空間A1、下部空間A2、及び貫通孔106内が光硬化性樹脂Rで満たされる。この結果、フィルター105の表面に存在する希少細胞Cの周囲が光硬化性樹脂Rで覆われた状態となる。なお、フィルター105及びその周辺が空気に触れることなく、バッファから光硬化性樹脂Rへ置換することが好ましい。
本実施形態における光硬化性樹脂とは、光エネルギーの作用で液状から固体に変化する樹脂を指す。光硬化性樹脂としては、例えば、紫外線の照射により固体に変化する紫外線硬化型樹脂等が挙げられるが、これに限定されるものではない。光硬化性樹脂としては、例えば、生体適合性のあるポリエチレングリコールを有するアクリル樹脂を用いることができる。具体的には、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、エトキシ化エチルヘキシルポリエチレングリコール、ブトキシ化ポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート等が挙げることができる。また、これらの光硬化性樹脂は、光重合性開始剤を含むことが好ましい。
なお、本実施形態に係る光硬化性樹脂は、硬化後の樹脂について、可視光(波長範囲380nm〜780nmの光)の透過率が20%以上であることが好ましい。硬化後の樹脂における可視光の透過率が20%以上であると、光硬化性樹脂に保持された状態であっても希少細胞Cの視認率が向上する。したがって、光硬化性樹脂に保持された状態での可視光を利用した希少細胞Cの観察等を行うことが可能となる。また、波長範囲380nm〜780nmに含まれる特定波長の光の透過率が20%以上であると、当該波長の光に対しては高い透過性を有しているので、当該波長の光を利用した観察等に好適に用いられる。
光硬化性樹脂Rを細胞捕捉デバイス100に対して供給する際の光硬化性樹脂Rの流速は特に限定されないが、光硬化性樹脂Rの移動に伴って希少細胞が貫通孔106内へ移動することを抑制可能な流速とすることが好ましい。すなわち、光硬化性樹脂Rの流速は100μL/分〜800μL/分であることが好ましく、200μL/分〜600μL/分であることがより好ましく、40μL/分〜80μL/分であることが更に好ましい。
転写工程S05は、細胞捕捉デバイス100内に導入した光硬化性樹脂を硬化させる工程である。光硬化性樹脂Rに対して所定の光を照射することで、光硬化性樹脂Rが硬化する。この結果、希少細胞Cの一部が硬化した光硬化性樹脂Rにより保持された状態となる。すなわち、光硬化性樹脂Rと希少細胞Cとが一体的な状態となる。光硬化性樹脂Rに対して照射する光の光量等は、光硬化性樹脂Rが硬化可能な条件に応じて適宜設定される。なお、光硬化性樹脂Rに対して過剰に光を照射することは、希少細胞Cに対しても同等の光を照射することにつながるため、希少細胞Cに対して何らかの影響を与える可能性がある。したがって、光硬化性樹脂Rが硬化可能な範囲であり且つ光量を少なく設定することが好ましい。具体的には、光硬化性樹脂Rに対して照射する光の光量(積算光量)は10〜1000mJ/cmであることが好ましく、50〜500mJ/cmであることがより好ましく、100〜300mJ/cmであることが更に好ましい。
回収工程S06は、光硬化性樹脂Rを回収する工程である。本実施形態では、光硬化性樹脂Rを細胞捕捉デバイス100内で硬化させているので、細胞捕捉デバイス100から光硬化性樹脂Rを取り出す必要がある。また、図3(B)に示すように、光硬化性樹脂Rは、上部空間A1、下部空間A2及び貫通孔106を満たした状態で硬化するので、光硬化性樹脂Rは、フィルター105とも一体化した状態で硬化する。したがって、細胞捕捉デバイス100を分解して、硬化した光硬化性樹脂Rを取り出すと共に、必要に応じて上部空間A1に相当する部分の光硬化性樹脂Rが個別に取りだされる。
図3(C)では、上部空間A1に相当する部分の光硬化性樹脂Rを取り出した状態を示している。図3(C)に示すように、希少細胞Cは、フィルター105から外れ、上部空間A1に相当する部分の光硬化性樹脂R側に移動している(転写)。なお、上部空間A1に相当する部分の光硬化性樹脂Rを細胞捕捉デバイス100及びフィルター105と離間させる方法は特に限定されない。例えば、光硬化性樹脂Rが硬化した後に筐体120を上部部材110及び下部部材115に分離すると、光硬化性樹脂R及びフィルター105が上部部材110側に付着した状態で下部部材115と分離される。このとき、光硬化性樹脂Rとフィルター105とは表面張力で吸着しているので、光硬化性樹脂Rとフィルター105とは簡単に分離することができる。フィルターを外すと、光硬化性樹脂Rから細胞が露出し、取り出しやすくなっている。また、上記のプロセスの場合には、光硬化性樹脂Rが上部部材110に付着した状態で後述の回収工程を行ってもよい。また、光硬化性樹脂Rとフィルター105との境界部分が密着している場合には、細胞捕捉デバイス100の上部部材110及び下部部材115を外した後に、上部空間A1に相当する光硬化性樹脂Rとフィルター105との境界部分の端部に治具等を挿入することで、両者を離間させることができる。また、細胞捕捉デバイス100の上部部材110及び下部部材115を外した後に、上部空間A1に相当する光硬化性樹脂Rの上面(フィルター105側の面とは逆側の面)に対してテープ等を貼付し、このテープを利用して光硬化性樹脂Rをフィルター105から離間させる方法を用いてもよい。なお、フィルター105から離間させた光硬化性樹脂Rは、例えばスライドガラス上に移動してもよく、この場合、後述の回収工程における作業性が向上する。
さらに、回収工程S06においては、必要に応じて、光硬化性樹脂Rから希少細胞Cを取り出して個別に回収してもよい。具体的には、必要に応じて顕微鏡を使用しながら、光硬化性樹脂Rに保持されている希少細胞Cを別容器等へ移動させることで、希少細胞Cを個別に回収することができる。希少細胞Cを回収する方法としては、特に限定されないが、マイクロダイセクタ又はマイクロマニピュレーターを用いる方法が好ましい。マイクロダイセクタ又はマイクロマニピュレーターを用いることで、希少細胞Cを一つ一つ個別に回収することができるため、個別に回収した希少細胞Cについて遺伝子解析等を行うことができる。なお、マイクロダイセクタは、細胞を上に飛ばして単離する技術である。また、マイクロマニピュレーターは、微細なピンセットのようなもので細胞をつまみ出す技術である。希少細胞の単離に用いるマイクロダイセクタ及びマイクロマニピュレーター300としては、公知のものを利用することができる。
その後、必要に応じて、解析工程(ステップS07)を実施する。解析工程S07は、捕捉工程S01から回収工程S06までの一連の工程によって単離された希少細胞Cに係る解析を行う工程である。
回収工程S06において、光硬化性樹脂Rに保持された状態の希少細胞Cを回収した場合、解析工程では、例えば、希少細胞Cを光硬化性樹脂Rに保持された状態のまま観察することができる。特に、光硬化性樹脂Rにおける可視光の透過率が20%以上であると、希少細胞Cを光硬化性樹脂Rに保持された状態であっても、光硬化性樹脂Rの観察を好適に行うことができる。
単離された希少細胞Cを解析する方法として遺伝子解析を行うこともできる。この場合、単離された希少細胞Cに、NGS(Next Generation Sequencer)等公知の遺伝子解析法を用いて、希少細胞Cの遺伝子情報を得る。得られた遺伝子情報は、各種研究、検査又は診断に利用することができる。また、希少細胞Cは、得られた遺伝子情報に基づいて、遺伝子型によって分類されることができる。遺伝子型別に分類された癌細胞を培養して、所定濃度の癌細胞サンプルとして提供することも可能である。このように、本発明は医学及び生物学の分野において幅広く応用可能である。
なお、本実施形態の希少細胞回収方法は、希少細胞とその他の細胞とを判別する観点から、以上の工程の他に、希少細胞を染色する工程をさらに含むこともできる。希少細胞Cを染色する工程は、希少細胞Cを光硬化性樹脂Rから単離して回収するより前であれば特に限定されず、例えば、捕捉工程S01の前、洗浄工程S02の前、置換工程S03の前、樹脂置換工程S04の前等に行うことができる。希少細胞Cの染色の方法は、特に限定されないが、例えば、蛍光染色及びギムザ染色であることができる。
本実施形態の希少細胞Cの回収方法によれば、細胞捕捉デバイス100におけるフィルター105によるろ過によって、希少細胞含有液から希少細胞Cを収率良く、且つ、希少細胞Cが転写されやすいように平面的に分布された状態で捕捉することができる。そして、フィルター105の表面に光硬化性樹脂Rを導入して硬化させることにより光硬化性樹脂Rに対して希少細胞Cを転写することで、希少細胞Cへの影響及び希少細胞Cの紛失を最小限に抑えながら、希少細胞Cを回収することができるため、希少細胞を高収率で回収することが可能となる。また、光硬化性樹脂Rを希少細胞Cの周囲に導入し、これを硬化させることで、希少細胞Cの移動を規制することができる。したがって、希少細胞の紛失を抑制することができ、収率を高めることができる。
さらに、本実施形態に係る希少細胞Cの回収方法では、細胞捕捉デバイス100内をバッファで置換した後に、バッファと光硬化性樹脂とを置換することで、フィルター105の表面を含む細胞捕捉デバイス100内に光硬化性樹脂Rが導入される。このように細胞捕捉デバイス100内をバッファで満たした後に、光硬化性樹脂Rと置換する手順とすることで、光硬化性樹脂Rを導入した際に希少細胞Cがフィルター105の表面から貫通孔106内へ移行することが防がれる。したがって、希少細胞Cの収率をさらに高めることができる。なお、バッファから光硬化性樹脂Rへ置換することで、希少細胞Cが貫通孔106に入りにくくなる理由としては、例えば、バッファからの置換により、バッファの表面張力によりフィルター105の厚み方向への力が加わることを防ぐことができることが考えられる。また、希少細胞Cは気相(乾燥状態)では扁平等の形状に変形しやすくなるのに対して、水環境(湿潤環境)では、球状の形状を保持しやすいこと、及び、バッファからの置換により、希少細胞Cが空気(気相)に触れて細胞膜が変質することを抑制することができること、等が考えられる。
また、従来から、フィルターによる捕捉後の希少細胞を回収する方法として、アガロースゲル法、又は、パラフィン固定法のようにフィルター上の細胞を取り巻く液体を固化させて回収する方法が用いられていたが、光硬化性樹脂を用いる方法は、上記の方法と比較して様々な利点がある。例えば、低融点アガロースを用いて液体全体を凝固させるアガロースゲル法は、簡便で細胞紛失のリスクの低い方法であるが、アガロースの融点が高いために、取扱いが難しく、回収率も低い。また、パラフィン固定法は、古くから用いられているパラフィンを用いることで信用性が高いが、融点が高いため、細胞への影響が懸念される。これに対して、本実施形態に係る希少細胞Cの回収方法では、光照射のみにより、希少細胞Cを光硬化性樹脂Rに対する転写を実現することができる。したがって、操作が簡便であり、且つ細胞紛失のリスクが低くなる。また、希少細胞Cへのダメージも抑えることができる。
また、上記実施形態のように、硬化後の可視光の透過率が20%以上である光硬化性樹脂Rを用いると、回収工程で回収した光硬化性樹脂Rに希少細胞Cが保持された状態で、希少細胞を観察することが可能となる。
さらに、上記実施形態のように、フィルター105の一方の面側に相当する上部空間A1側の光硬化性樹脂Rを他の領域の光硬化性樹脂と区別して回収する構成とすることで、希少細胞Cの観察又は光硬化性樹脂Rから取り出した希少細胞Cの解析等の後段の作業を好適に行うことができる。
また、上記実施形態のように、希少細胞Cを個別に回収する工程を含むことで、遺伝子解析等の希少細胞に係るより詳細な解析を行うことが可能となる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、様々な変形態様が可能である。上記実施形態では、細胞捕捉デバイス100におけるフィルター105の一方の面側に相当する領域、すなわち、上部空間A1の光硬化性樹脂Rを、下部空間A2等の他の領域の光硬化性樹脂と区別して回収する場合について説明したが、細胞捕捉デバイス100内に導入されて硬化した光硬化性樹脂Rを一体的に回収してもよい。この場合、細胞捕捉デバイス100内では、光硬化性樹脂Rとフィルター105とが一体的になっていることが考えられるため、フィルター105も一緒に回収されることが考えられる。ただし、光硬化性樹脂Rが硬化した際に希少細胞Cが光硬化性樹脂Rにより保持された状態に移行していると考えられるので、フィルター105を光硬化性樹脂Rから取り外した後に、希少細胞Cを回収することで、希少細胞の紛失等を防ぎながら好適に回収することができる。
<実施例1>
(希少細胞含有液サンプルの調製)
希少細胞含有液のサンプルとして、真空採血管(cfDNA採血管、Streck社製)に採血した健常者の血液に、血液1mLあたり1000個のヒト非小細胞肺癌細胞株NCI−H358を含有させた血液サンプルを用いた。なお、血液は採血後6時間のものを用いた。また、NCI−H358はあらかじめCellTracker Green(タカラバイオ株式会社製)で蛍光染色されたものを用いた。
(癌細胞の捕捉、転写及び回収)
細胞捕捉デバイスにフィルターを取り付けた後、CTC回収装置:MC6100(日立化成株式会社製)にセットし、以下の実験を行った。使用したフィルターは、20mm×20mm×20μm大のニッケル薄膜に、厚み0.2μmの金めっきを施したもので、7.8μm×100μm大の開口部(貫通孔)を、開口率6.7%で有する。ここで、開口率とは、フィルター全体の面積に対する貫通孔が占める面積をいう。この細胞捕捉デバイスは、上記実施形態で説明したものに相当する。CTC回収装置は、血液サンプル及び試薬を導入する流路を備える。この流路の入り口に、10mLシリンジを加工して作製したリザーバーを接続した。
CTC回収装置内を蒸留水で満たし、装置のプライミングを行った。リザーバーに、2mM EDTA−10.0%FBS(牛胎児血清)−PBS(リン酸緩衝液、pH7.4、Gibco社製)(以下、「洗浄液」ともいう。)を7mL入れ、リザーバーの下部に血液サンプルを、血液サンプルと洗浄液が層をなすように加えた。
CTC回収装置を作動させ、流速200μL/分でリザーバー中の血液サンプル及び洗浄液をフィルターに送液し、癌細胞をフィルターで捕捉した。これにより、リザーバー下層の血液が先に流れ、その後、リザーバー上層の洗浄液が流れた。洗浄液が細胞捕捉デバイス内に満たされた状態を確認し、送液を停止した。
次に、リザーバー内の液体を光硬化性樹脂Rに変更した。実施例で用いた光硬化性樹脂Rとは、ポリエチレングリコールジメタクリレート(14G、新中村化学工業株式会社)であり、光重合性開始剤として、Irgacure2959(BASF社製)を添加、混合し、溶解させたものである。流速200μL/分でリザーバー中の光硬化性樹脂Rを細胞捕捉デバイス内に導入し、内部の空間が光硬化性樹脂Rにより置換されるまで十分送液を行った後、光硬化性樹脂の送液を停止した。
次に、細胞捕捉デバイス内の光硬化性樹脂に対して紫外線(波長365nm)を10秒間、積算光量が100mJ/cmとなるように照射し、光硬化性樹脂を硬化させた。その後、細胞捕捉デバイス内部の光硬化性樹脂を取り出し、ピンセットによって上部空間A1に相当する光硬化性樹脂、下部空間A2に相当する光硬化性樹脂、フィルター部分に分解した。
<実施例2>
ポリエチレングリコールジメタクリレート(14G、新中村化学工業株式会社)を、ポリエチレングリコールジアクリレート(A−600、新中村化学工業株式会社)に代えた他は、実施例1と同様に行った。
(細胞数の計測)
上記の上部空間A1に相当する光硬化性樹脂、下部空間A2に相当する光硬化性樹脂、フィルター部分に残存した細胞を、電動ステージ(ProScan II、Prior社製)を装備した蛍光顕微鏡(Axio Imager 2、Zeiss社製)を用いて、蛍光観察した。CellTracker Green由来の蛍光を観察するために、蛍光顕微鏡に38フィルタ(Zeiss社製)を使用した。観察視野の画像を取得し、フィルターに捕捉された癌細胞の数を計測した。画像の取得及び解析にはLumina Vision(三谷商事株式会社製)を用いた。
上部空間A1に相当する光硬化性樹脂、下部空間A2に相当する光硬化性樹脂、フィルター部分のそれぞれに存在する細胞数を比較したところ、上部空間A1に相当する光硬化性樹脂には全体の細胞数の9割の細胞が存在することが確認された。また、下部空間A2に相当する光硬化性樹脂に存在する細胞数はゼロであり、フィルター部分には全体の細胞数の1割の細胞が存在することが確認された。フィルター部分に存在する細胞は、フィルターの貫通孔に入り込んだ細胞であると推測される。
<フィルターからの直接の回収との比較>
上記の実施例1及び2で説明した方法と同様の方法をフィルター上に捕捉された癌細胞を、マニュピュレータを用いて直接回収する場合と、上記実施例1及び2のように光硬化性樹脂を用いて回収する場合と、の回収成功率について比較した。いずれの場合にも複数の癌細胞を対象としてマニュピュレータを用いて回収操作を行った。フィルター上に捕捉された癌細胞を直接回収する場合、1つの癌細胞の回収に係る所要時間が10分程度であり、回収対象とした29個の癌細胞のうち、無事に回収できたのは1個であった。一方、実施例1及び2で説明したように上部空間A1に相当する光硬化性樹脂から癌細胞を回収する場合、1つの癌細胞の回収に係る所要時間が1分程度であり、回収対象とした30個の癌細胞全てを無事に回収することができた。このように、光硬化性樹脂を用いた回収を行うことで、回収効率が向上することが確認できた。
100…細胞捕捉デバイス、105…フィルター、106…貫通孔、110…上部部材、115…下部部材、120…筐体、125…流入管、130…流入口、135…流出管、140…流出口、A1…上部空間、A2…下部空間、B…バッファ、C…希少細胞、R…光硬化性樹脂。

Claims (4)

  1. 液体を内部へ導入するための流入口と、液体を外部へ排出するための流出口と、を有する筐体と、前記流入口と前記流出口との間の前記筐体の内部の流路上に、厚さ方向に複数の貫通孔を有するフィルターが設けられた細胞捕捉デバイスを用いた希少細胞回収方法であって、
    前記流入口から希少細胞含有液を導入し、前記流出口から排出することで、前記フィルターによって当該希少細胞含有液をろ過することにより、前記フィルターの一方の面上に前記希少細胞含有液に含まれる希少細胞を捕捉する捕捉工程と、
    前記流入口からバッファを導入することで、前記細胞捕捉デバイス内の流路をバッファで満たすバッファ置換工程と、
    前記流入口から光硬化性樹脂を導入することで、前記細胞捕捉デバイス内の流路の前記バッファを前記光硬化性樹脂に置換する樹脂置換工程と、
    前記細胞捕捉デバイス内の前記光硬化性樹脂を硬化させることで、前記希少細胞を前記フィルターの一方の面上から前記光硬化性樹脂に転写する転写工程と、
    前記転写工程において硬化された前記光硬化性樹脂を前記細胞捕捉デバイスから取り出して回収する回収工程と、
    を含む希少細胞回収方法。
  2. 前記光硬化性樹脂は、硬化後の可視光の透過率が20%以上である請求項1に記載の希少細胞回収方法。
  3. 前記回収工程において、前記フィルターの一方の面側に相当する前記光硬化性樹脂を他の前記光硬化性樹脂と区別して回収する請求項1に記載の希少細胞回収方法。
  4. 前記回収工程において、前記細胞捕捉デバイスから取り出した前記光硬化性樹脂から前記希少細胞を個別に回収する工程をさらに含む請求項1又は2に記載の希少細胞回収方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024106089A1 (ja) * 2022-11-14 2024-05-23 東京応化工業株式会社 ウェルアレイフィルター、粒子整列デバイスおよび粒子捕獲方法

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