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JP2018059965A - 表示装置 - Google Patents

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JP2018059965A
JP2018059965A JP2016195169A JP2016195169A JP2018059965A JP 2018059965 A JP2018059965 A JP 2018059965A JP 2016195169 A JP2016195169 A JP 2016195169A JP 2016195169 A JP2016195169 A JP 2016195169A JP 2018059965 A JP2018059965 A JP 2018059965A
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杉山 仁英
Hitohide Sugiyama
仁英 杉山
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

【課題】 ウインドシールド(例えば、フロントガラス)やコンバイナ等を通して表示装置内に所定の角度で入射された外光の影響を十分に低減させながら、コントラスト向上、画像ボケ防止、輝度及び視野角が良好、であることにより、十分な視認性を有する表示装置を提供する。
【解決手段】 表示画像を表す表示光を透光性部材に向かって照射し、前記表示画像を虚像として視認可能に表示する表示装置であって、前記透光性部材の下方に配置される筐体と、前記筐体内に設けられた前記表示光を照射する光照射部と前記筐体に配置され、前記表示光或いは外光の入射光角度により直線透過率が変化する異方性光拡散層であって、マトリックス領域と複数の柱状構造体である柱状領域とを有する異方性光拡散層を少なくとも備えた異方性光学フィルムと、を少なくとも備え、前記異方性光学フィルムが、前記光照射部と前記透光性部材との間の前記表示光光路上に位置する前記筐体の一部に配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動体等に搭載可能であって、移動体等のウインドシールド等に表示画像を照射することにより、表示画像の虚像を視認可能にする表示装置に関する。
従来から、車両等の移動体の乗員に対して経路案内や障害物の警告等の運転情報を提供する情報提供手段として、様々な手段が用いられている。例えば、移動体に設置された液晶ディスプレイによる表示や、スピーカから出力する音声等である。そして、近年、このような情報提供手段の一つとして、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置が車両等に搭載されている。
ヘッドアップディスプレイ装置は、一般的に車両のインストルメントパネル内部に装置本体が配置される。そして、この装置本体内部の表示部上に表示される表示画像を表す表示光を、拡大系ミラー等の反射部材を含む光路を経由して、車両のウインドシールド(フロントガラス)、又はコンバイナと呼ばれる光学部材(ハーフミラー)等の照射エリアに向けて照射(投射、投影)し、運転者の視点位置から見て所定距離の位置に虚像を結像させる。
これにより、運転者は、通常の運転姿勢で前方を見る時に、ウインドシールドを通して見える前方の風景や自車の車体の一部分と共に、ヘッドアップディスプレイ装置によって照射(投射、投影)された表示画像を視認することができる。運転者が視認する表示画像は、ウインドシールドの面よりも前方の、例えば視点から数m程度の距離の位置に虚像として結像されるので、運転者は運転中に目の焦点調節を行うことなく前方の風景と共にヘッドアップディスプレイの表示画像を同時に認識できる。
車両用のヘッドアップディスプレイ装置に関連する従来技術が、例えば特許文献1に開
示されている。特許文献1においては、外光が明るい条件下でも視認性のよいヘッドアップディスプレイ装置を提供するために、反射ミラー上に反射指向性を有する拡散層を積層した技術が開示されている。
特開2010−256867号公報
車両のヘッドアップディスプレイ装置は、一般的に、運転者の視点の位置から見える虚像が、車両のウインドシールド(例えば、フロンドガラス)やコンバイナ等の前方に結像するように表示光の表示画像を照射(投射、投影)する。従って、車両を運転する運転者は、ウインドシールド(例えば、フロントガラス)やコンバイナ等を通して前方を見る際に、前方の風景や自車の車体の一部分(例えば、ボンネット)等の対象物を重なった状態で、ヘッドアップディスプレイ装置の表示画像を虚像として視認することができる。
しかしながら、例えば、晴天時の昼間のように太陽からの強い外光が到来するような状況においては、ヘッドアップディスプレイ装置が表示する虚像の光量と比べて、外光の光量が大きくなるため、外光の影響を受けて虚像の表示を視認しにくい状態になる。そのため、例えば、特許文献1に開示されているように、反射ミラー上に反射指向性を有する拡散層を積層することで、外光の影響を抑えることが有効である場合もある。
しかし、ヘッドアップディスプレイ装置は照射(投射、投影)した虚像により表示を行うので、例えば、晴天時の昼間のように外光の強度が非常に大きい時であり、ウインドシールド(例えば、フロントガラス)やコンバイナ等を通してヘッドアップディスプレイ装置内(例えば、反射ミラー)に所定の角度で外光が入射された場合には、仮に、反射ミラー上に反射指向性を有する拡散層を積層していたとしても、外光の影響が大きすぎるために十分な視認性を確保できないという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウインドシールド(例えば、フロントガラス)やコンバイナ等を通して表示装置内に所定の角度で入射された外光の影響を十分に低減させながら、コントラスト向上、画像ボケ防止、輝度及び視野角が良好、であることにより、十分な視認性を有する表示装置を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明の表示装置は、
表示画像を表す表示光を透光性部材に向かって照射し、前記表示画像を虚像として視認可能に表示する表示装置であって、
前記透光性部材の下方に配置される筐体と、
前記筐体内に設けられた前記表示光を照射する光照射部と、
前記筐体に配置され、前記表示光或いは外光の入射光角度により直線透過率が変化する異方性光拡散層であって、マトリックス領域と複数の柱状構造体である柱状領域とを有する異方性光拡散層を少なくとも備えた異方性光学フィルムと、
を少なくとも備え、
前記異方性光学フィルムが、前記光照射部と前記透光性部材との間の前記表示光光路上に位置する前記筐体の一部に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、ウインドシールド(例えば、フロントガラス)やコンバイナ等を通して表示装置内に所定の角度で入射された外光の影響を十分に低減させながら、コントラスト向上、画像ボケ防止、輝度及び視野角が良好、であることにより、十分な視認性を有する表示装置を提供することができる。
本実施の形態(第1の実施形態)による車両の側方から見た表示装置の車両への設置状態及び光路を示す車両の側方から見た概略構成図である。 本実施の形態によるピラー構造及びルーバー構造の複数の柱状構造体を有する異方性光学フィルム(異方性光拡散層単層)の構造と、これらの異方性光学フィルムに入射した透過光の様子の一例を示す模式図である。 本実施の形態による異方性光学フィルム(異方性光拡散層)の光拡散性の評価方法を示す説明図である。 本実施の形態による図2に示したピラー構造及びルーバー構造の異方性光学フィルム(異方性光拡散層単層)への入射光角度と直線透過率との関係を示すグラフである。 本実施の形態による異方性光学フィルム(異方性光拡散層単層)の拡散領域と非拡散領域を説明するためのグラフである。 本実施の形態による異方性光学フィルムにおけるピラー構造とルーバー構造を有する異方性光拡散層の構成例を示す模式図であり、(a)がルーバー構造、(b)がピラー構造である。 異方性光拡散層における散乱中心軸を説明するための3次元極座標図である。 本実施の形態による光照射部から照射される表示光が異方性光学フィルム(異方性光拡散層)に入射される入射光角度と、その入射された光が異方性光学フィルム(異方性光拡散層)より出射される出射光角度との関係を説明する図である。 本実施の形態(第1の実施形態)における図1において、HUD装置の筐体の一部に設けられた開口部に配置された異方性光フィルム(異方性光拡散層)によって、外光が拡散される様子を説明する車両の側方から見た概略構成図である。 本実施の形態(第2の実施形態)において、第1の実施形態における偏光部材を、異方性光学フィルム(異方性光拡散層)表面上に設けた構成を示す車両の側方から見た概略構成図である。 本実施の形態(第2の実施形態)において、偏光部材と、光照射部が偏光板を有する場合に光照射部が有する第2偏光板(表示光出射側偏光板)との関係を示す車両の側方から見た概略構成図である。 本実施の形態(第3の実施形態)において、車両の側方から見た表示装置の車両への設置状態を示す概略構成図であって、ウインドシールド運転者側表面に異方性光学フィルム(異方性光拡散層)が設けられた構成を示す概略構成図である。 本実施の形態(第4の実施形態)において、車両の側方から見た表示装置の車両への設置状態を示す概略構成図であって、コンバイナが設けられた構成を示す図である。 本実施の形態(第5の実施形態)において、車両の側方から見た表示装置の車両への設置状態を示す概略構成図であって、第1の実施形態に対し、反射部材を構成要素より除いた構成を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面においては、同一の符号が付された構成要素は、実質的に同一の構造又は機能を有するものとする。また、図面における本表示装置は、本発明の必須構成要素のみを示したものであり、状況に応じ、他の構成要素を構成図内に設置する等、適宜調整可能であるものとする。
(第1の実施形態)
<<表示装置(ヘッドアップディスプレイ)3の配置及び虚像50と光路の説明>>
まず、本実施の形態に係る表示装置としてのヘッドアップディスプレイ装置3(以下、HUD装置と称する)について説明する。HUD装置3は、一般的な車両に搭載されて用いられる。図1は、本発明第1の実施形態による車両の側方から見たHUD装置3の車両への設置状態及び光路を示す概略構成図である。なお、以下の説明では、静止状態にある車両において、重力に沿う方向を下方向とし、下方向とは反対の方向を上方向とする。
図1に示すように、第1の実施形態におけるHUD装置3は、光照射部31と、反射部材32と、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)と、筐体30と、を主な構成要素として備えている。
<虚像50と表示光Lの光路>
HUD装置3は、ウインドシールド40の投射エリア41上に光照射部31から照射される表示画像を表す表示光Lを、反射部材32、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)を介して照射(投射、投影)して光路を経由させる。そして、運転者のアイポイント(視点)EPと投射エリア41とを結ぶ線の車両前方延長線上に、表示画像を結像させ、表示画像を虚像50として形成する。この結果、運転者のアイポイント(視点)EPからウインドシールド40を通じて車両前方の景色と虚像50とを運転者に同時に視認させるものである。
従って、運転者は視点をほとんど動かす必要がなく、目の焦点調節も不要であるため非常に良好な視認性が得られる。但し、朝、昼、夕方における太陽光等の外光が強い場合には、虚像50の光量が外光に比べて小さくなるため、視認性が極端に低下する可能性がある。
<ウインドシールド40>
ウインドシールド40(透光性部材)は、車両のフロント側のウインドシールド(フロントガラス)であり、例えば2枚のガラスとその中間に設けられる中間膜とから形成された合わせガラスが使用されている。ウインドシールド40は、車両上下方向に対する左右方向と、車両側方に対するウインドシールド40のラインに沿う方向と、にわずかな曲率を有しており、凹面鏡と同一の効果により、運転者のアイポイント(視点)EPからでは、虚像が遠くに見えるようになっている。ウインドシールド40は、車両前方から入射する光を透過する透光性を有するので、運転者は車両前方の景色と虚像50とを同時に視認することができる。なお、本実施形態において、ウインドシールド40は、コンバイナの役割をなすための処理がなされていることが好適である。
なお、図1では、表示光Lを照射(投射、投影)する投射エリア41をウインドシールド40とし、ウインドシールド40で反射した表示光Lを運転者が視認する例について説明しているが、ウインドシールド40の代わりに透光性を有する透光性部材(例えば、コンバイナや異方性光学フィルム等)を用いる構成としてもよい(具体的な実施形態に関しては後述する)。
<表示画像>
光照射部31から照射される表示画像としては、例えば、車両用ナビゲーションシステムにおける地図情報、地図上における自車の現在位置情報、或いは目的地への案内情報等とすることができる。また、表示画像としては、車両走行時における車両情報としての、車速、エンジン回転数、エンジン冷却水温、及びバッテリ電圧等の情報としても良い。
<HUD装置3の配置例>
図1に示すように、HUD装置3は、ウインドシールド40の下方向のインストルメントパネル42の内部に収容されている。HUD装置3は、筐体30と、筐体30の一部に設けられた開口部33とを有し、この開口部33から、インストルメントパネル42の外側のウインドシールド40に向けて表示画像を表す表示光Lを照射することができる。また、インストルメントパネル42には、表示光Lをウインドシールド40に通すために、例えば、開口部33と同じ大きさの開口窓が設けられている。
なお、開口部33又は開口窓には、塵や埃がHUD装置3内へ侵入するのを防止するために、例えば、ガラス等からなる透明性カバー(防塵カバー)を設けてもよい。
HUD装置3は、車両のウインドシールド40の下方向に設けられる筐体30を有しており、この筐体30内に、光照射部31と、反射部材32とが設けられている。また、筐体30の一部に設けられた開口部33に、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)が配置されている。
<光照射部31>
光照射部31は、表示画像を表す表示光Lを照射する部材である。例えば、映像投射装置である。映像投射装置は具体的に例えば、図示しないプロジェクターやバックライト付きの液晶ディスプレイ等から構成される。
バックライトは、光源として、例えば、LED光源等が使用されている。バックライトは、液晶ディスプレイに対する光軸に沿うように光を照射するようになっている。液晶ディスプレイは、表示画像を表す表示光Lを照射する表示器としての機能を有する。
液晶ディスプレイは、バックライトから照射される光によって、表面に形成した表示画像を表示光Lとして、バックライトとは反対側となる反射部材32に向けて照射するようになっている。液晶ディスプレイの表示光Lを照射する面は、例えば、図1の上下方向(図1の車両前後方向に対して垂直方向)を向いており、また、表示光の光軸が車両の前後方向を向くように(照射方向が車両の前方側を向くように)配置されている。
なお、光照射部31は、液晶ディスプレイのみならず、反射型液晶パネルを使用したLCoS方式や、LEDから照射した光をマイクロミラーでスキャンして表示画像を生成するDLP方式や、レーザー光源から照射した光をスキャンして表示画像を生成するレーザー方式で構成してもよい。
<反射部材32>
反射部材32は、光照射部31からの表示画像を表す表示光Lを、開口部33を通して、ウインドシールド40の投射エリア41に向け、反射させて光路を変更する部材である。
反射部材32は、例えば、樹脂(例えば、ポリカーボネート、ガラス、ポリエステル等)に金属(例えば、アルミニウム等)を蒸着させ反射面を形成させたものであり、表示光Lを単に反射する通常のミラーである。
また、反射部材32は、表示光Lを反射及び虚像拡大する非球面ミラー(例えば、凹面鏡)であってもよい。反射部材32は、筐体30内側の所定位置に固定されたものであり、筐体30に対して着脱可能とされている。
なお、反射部材32の個数や種類は、上述した構成に制限されるものではなく、用途に応じて適宜調整された個数及び種類の反射部材32を用いることができる。例えば、反射部材32を1つだけでなく、光照射部31からの表示光Lの光路を変更するための反射鏡と、反射鏡によって反射された表示光Lを拡大する凹面鏡との2つによって構成してもよい。
また、反射部材32を、2つの非球面ミラー(第1非球面ミラーと第2非球面ミラー)で構成してもよい。この場合、第1非球面ミラーが光照射部31からの表示光Lを第2非球面ミラーに向けて反射し、第2非球面ミラーが第1非球面ミラーからの表示光Lをウインドシールド40に向けて反射する。これらの第1非球面ミラー及び第2非球面ミラーは、光路変更作用、及び表示光の虚像拡大作用を有する。
<異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)>
筐体30には、反射部材32の反射面側に入射した表示光或いは外光の入射光角度により直線透過率が変化する、すなわち入射光角度依存性を有する異方性光学フィルム(異方性光拡散層)100が設けられている。
具体的には図1に示す様に、筐体30の内側に設けられた反射部材32と、筐体30の外側のウインドシールド40(透光性部材)との間であり、かつ光照射部31から照射された表示光Lが反射部材32で反射され開口部33を介してウインドシールド40(透光性部材)に向かう表示光Lの光路上である。或いは別の観点からは、後述する図9に示すように、筐体30の内側に設けられた反射部材32と、筐体30の外側のウインドシールド40(透光性部材)との間であり、かつ、太陽光等の外光Mがウインドシールド40(透光性部材)を通り、開口部33を介して筐体30内側に向かう外光Mの光路上である。
より具体的には、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)は、筐体30の一部分であると言え、例えば筐体30の開口部33を閉塞するように設けられる。ここで、筐体30の一部分とは、筐体30を構成する一つの面に形成される開口部の領域を示し、例えば、筐体30を構成する一つの面の半分、或いは一つの面全体が開口部として形成されている場合も一部分に含まれるものとする。また、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の設置に関しては、上述の構成に制限されるものではなく、例えば、筐体30の開口部33に相当する位置(場所)に異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)を設ける構成、すなわち、筐体30と異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)とを一体的に形成する構成であってもよい。
なお、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)については、以下に詳述する。
<<<主な用語の定義>>>
ここで、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)に関して、主な用語の定義をしておく。
「異方性光学フィルム」とは、異方性光拡散層が単層(一層のみ)の場合、異方性光拡散層が2層以上積層されて構成された場合(その際、異方性光拡散層は粘着層等を介して積層されていてもよい)等を含むことを意味する。従って、例えば、異方性光拡散層が単層の場合には、単層の異方性光拡散層が異方性光学フィルムであることを意味する。
「異方性光拡散層」は、光の拡散、透過及び拡散分布が、光の入射角度によって変化する入射光角度依存性を有する異方性及び指向性を有するものである(詳細は後述する)。従って、入射光角度依存性が無い指向性拡散フィルム、等方性拡散フィルム、特定方位に配向する拡散フィルムとは異なるものである。
「低屈折率領域」と「高屈折率領域」は、本発明に係る異方性光学フィルムを構成する材料の局所的な屈折率の高低差により形成される領域であって、他方に比べて屈折率が低いか高いかを示した相対的なものである。これらの領域は、異方性光学フィルムを形成する材料が硬化する際に形成される。
「散乱中心軸」とは、異方性光学フィルムへの入射光角度を変化させた際に光拡散性がその入射光角度を境に略対称性を有する光の入射光角度と一致する方向を意味する。「略対称性を有する」としたのは、散乱中心軸がフィルムの法線方向(フィルムの膜厚方向)に対して傾きを有する場合には、光拡散性に関する光学プロファイル(後述する光学プロファイル)が厳密には対称性を有しないためである。散乱中心軸は、異方性光学フィルムの断面の傾きを光学顕微鏡によって観察することや、異方性光学フィルムを介した光の投影形状を入射光角度を変化させて観察することにより確認することができる。
また、「直線透過率」とは、一般に、異方性光学フィルムに対して入射した光の直線透過性に関し、ある入射光角度から光が異方性光学フィルムに入射した際の入射光に対して平行な直線方向の透過光量(直線透過光量)と、入射した光の光量との比率であり、下記式で表される。
直線透過率(%)=(直線透過光量/入射光量)×100
また、本発明においては、「散乱」と「拡散」の両者を区別せずに使用しており、両者は同じ意味を示す。更に、「光重合」及び「光硬化」の意味を、光重合性化合物が光により重合反応することとし、両者を同義語で用いることとする。
<<<異方性光学フィルムの構造と特性>>>
図2〜図5を参照しながら、本実施形態に係る単層の異方性光学フィルム(本形態で言う「異方性光拡散層」が一層のみの場合の異方性光学フィルム)の構造と特性について説明する。
図2は、ピラー構造及びルーバー構造の複数の柱状構造体(柱状領域)を有する異方性光学フィルム(異方性光拡散層単層)の構造と、これらの異方性光学フィルムに入射した透過光の様子の一例を示す模式図である。図3は、異方性光学フィルム(異方性光拡散層)の光拡散性の評価方法を示す説明図である。図4は、図2に示したピラー構造及びルーバー構造の異方性光学フィルム(異方性光拡散層単層)への入射光角度と直線透過率との関係を示すグラフである。図5は、異方性光学フィルム(異方性光拡散層単層)の拡散領域と非拡散領域を説明するためのグラフである。
<<異方性光拡散層の基本的な構造>>
異方性光拡散層とは、フィルムの膜厚方向に、フィルムのマトリックス領域とは屈折率の異なる領域が形成された層である。屈折率の異なる領域の形状は、特に制限されるものではないが、例えば、図2(a)に示すように、マトリックス領域11中に、短径と長径のアスペクト比の小さな柱状(例えば、棒状)に形成された屈折率の異なる複数の柱状構造体13(柱状領域)が形成された異方性光拡散層(ピラー構造の異方性光拡散層)10や、図2(b)に示すように、マトリックス領域21中に、アスペクト比の大きな柱状(例えば、略板状)に形成された屈折率の異なる複数の柱状構造体23(柱状領域)が形成された異方性光拡散層(ルーバー構造の異方性光拡散層)20等がある。
<<異方性光学フィルムの特性>>
上述した構造を有する異方性光学フィルムは、当該フィルムへの入射光角度により光拡散性が異なる、すなわち入射光角度依存性を有する光拡散フィルムである。この異方性光学フィルムに所定の入射光角度で入射した光は、屈折率の異なる領域の配向方向(例えば、ピラー構造における複数の柱状構造体13の延在方向(異方性光学フィルムの膜厚方向、又は法線方向)やルーバー構造における複数の柱状構造体23の高さ方向(異方性光学フィルムの膜厚方向、又は法線方向))と略平行である場合には拡散が優先され、当該方向に平行でない場合には透過が優先される。
ここで、図3及び4を参照しながら、異方性光学フィルムの光拡散性についてより具体的に説明する。ここでは、上述したピラー構造の異方性光拡散層10と、ルーバー構造の異方性光拡散層20の光拡散性を例に挙げて説明する。
光拡散性の評価方法は、以下のようにして直線透過率の測定にて行う。まず、図3に示すように、サンプル(この場合は異方性光拡散層10又は20、異方性光学フィルムであっても構わない)を、光源1と検出器2との間に配置する。本実施形態においては、光源1からの照射光Iが、サンプル10、20の平面法線方向(膜厚方向)から入射する場合を入射光角度0°とした。また、サンプル10、20は、サンプル表面の直線Vを回転中心として、任意に回転させることができるように配置され、光源1及び検出器2は固定されている。すなわち、この方法によれば、光源1と検出器2との間にサンプル10、20を配置し、サンプル表面の直線Vを中心軸としてサンプル角度を変化させながらサンプル10、20を直進透過(入射光に対して平行)して検出器2に入る光量(直線透過光量)より、直線透過率を測定することができる。
異方性光拡散層10、20を、それぞれ、図2のTD方向(異方性光拡散層の幅方向)における軸を、図3に示す回転中心の直線Vに選んだ場合における光拡散性を評価し、得られた光拡散性の評価結果を図4に示した。図4は、図3に示す方法を用いて測定した図2に示す異方性光学フィルム(異方性光拡散層単層)10、20が有する光拡散性(光散乱性)の入射光角度依存性を示すものである。図4の縦軸は、散乱の程度を示す指標である直線透過率(本形態では、所定の光量の平行光線を入射させたときに、入射方向と同じ方向に出射された平行光線の光量の割合、より具体的には、直線透過率=(異方性光学フィルムがある場合の検出器の検出光量(入射した光の直線方向の透過光量)/異方性光学フィルムがない場合の検出器の検出光量(入射した光の光量))×100を示し、横軸は異方性光学フィルムへの入射光角度を示す。図4中の実線は、ピラー構造の異方性光拡散層10の光拡散性を示し、破線は、ルーバー構造の異方性光拡散層20の光拡散性を示している。なお、入射光角度の正負は、異方性光拡散層10、20を回転させる方向が反対であることを示している。
図4に示すように、異方性光学フィルム(異方性光拡散層)10、20は、入射光角度によって直線透過率が変化する光拡散性の入射光角度依存性を有するものである。ここで、図4のように光拡散性の入射光角度依存性を示す曲線を以下、「光学プロファイル」と称する。光学プロファイルは、光拡散性を直接的に表現しているものではないが、直線透過率が低下することで逆に拡散透過率が増加(増大)していると解釈すれば、概ね光拡散性を示しているといえる。言い換えると、直線透過率が低下するほど入射した光の拡散透過率が増加することになる。通常の等方的な光拡散フィルムでは、0°付近をピークとするほぼ一定の直線透過率である光学プロファイルを示すが、異方性光学フィルム(異方性光拡散層)10、20では、複数の柱状構造体13、23の中心軸方向、すなわち、散乱中心軸方向(この方向の入射光角度を0°とする。)で入射する場合の直線透過率と比較して、−20°〜+20°の入射光角度で一旦直線透過率が最小値になり、その入射光角度(の絶対値)が大きくなるにつれて直線透過率が大きくなり、−60°〜−30°又は+30°〜+60°の入射光角度で直線透過率が最大値となる谷型の光学プロファイルを示す。このように、異方性光学フィルム(異方性光拡散層)10、20は、入射光が散乱中心軸方向に近い−20°〜+20°の入射光角度範囲では強く拡散されるが、入射光角度の絶対値がそれよりも大きい入射光角度範囲(具体的には−60°〜−30°又は+30°〜+60°)では拡散が弱まり直線透過率が高まるという性質を有する。
ここで、図4に示されるように、所定の角度範囲で入射した光(表示光或いは外光)に対して拡散性が増加(増大)し直線透過率が最小値を示す性質(光学プロファイル)、すなわち所定の角度範囲では、光の拡散が優先される性質(光学プロファイル)を有しており、更に、図4に示されるように、所定の角度範囲以外の角度で入射した光(表示光或いは外光)に対して拡散性が減少し直線透過率が最大値を示す性質(光学プロファイル)、すなわち所定の角度範囲以外では、光の透過が優先される性質(光学プロファイル)を有しているような性質を「異方性」と称する。すなわち、光の入射光角度に依存して光の拡散及び透過が変化することを意味している。光の拡散が優先される前記所定の角度範囲とは、上述したように、散乱中心軸方向(この方向の入射光角度を0°とする。)で入射する場合の直線透過率と比較して、例えば、−20°〜+20°の入射光角度の範囲をいう。更に、光の透過が優先される前記所定の角度範囲以外とは、上述したように、散乱中心軸方向(この方向の入射光角度を0°とする。)で入射する場合の直線透過率と比較して、例えば、−60°〜−30°又は+30°〜+60°の入射光角度の範囲をいう。
また、光の拡散分布が、拡散角度により異なる性質を「指向性」と称するが、本発明の場合、光の拡散分布が、拡散角度により異なるだけでなく、光の入射光角度によって変化する入射光角度依存性を更に有した拡散分布を示す。つまり、光の拡散、透過及び拡散分布が、光の入射角度によって変化する入射光角度依存性を有する異方性及び指向性を有するものである。
また、以下、最大直線透過率と最小直線透過率との中間値の直線透過率に対する2つの入射光角度の角度範囲を拡散領域(この拡散領域の幅を「拡散幅」)と称し、それ以外の入射光角度範囲を非拡散領域(透過領域)と称する。
ここで、図5を参照しながら、ルーバー構造の異方性光拡散層20を例に挙げて拡散領域と非拡散領域について説明する。図5は、図4のルーバー構造の異方性光学フィルム(異方性光拡散層単層)20の光学プロファイルを示したものであるが、図5に示すように、最大直線透過率(図5の例では、直線透過率が約78%)と最小直線透過率(図5の例では、直線透過率が約6%)との中間値の直線透過率(図5の例では、直線透過率が約42%)に対する2つの入射光角度の間(図5に示す光学プロファイル上の2つの黒点の位置の2つの入射光角度の内側)の入射光角度範囲が拡散領域となり、それ以外(図5に示す光学プロファイル上の2つの黒点の位置の2つの入射光角度の外側)の入射光角度範囲が非拡散領域となる。
ピラー構造の異方性光拡散層10では、図2(a)の透過光の様子を見ればわかるように、透過光は略円形状となっており、MD方向とTD方向とで略同一の光拡散性を示している。すなわち、ピラー構造の異方性光拡散層10では、拡散は方位的に見れば等方性を有する。また、図4の実線で示すように、入射光角度を変えても光拡散性(特に、非拡散領域と拡散領域との境界付近における光学プロファイル)の変化が比較的緩やかであるため、輝度の急激な変化による違和感を生じないという効果がある。しかしながら、異方性拡散層10では、図4の破線で示されたルーバー構造の異方性光拡散層20の光学プロファイルと比較すれば理解できるように、非拡散領域における直線透過率が低いため、表示特性(輝度やコントラスト等)がやや低下してしまうという問題もある。また、ピラー構造の異方性光拡散層10は、ルーバー構造の異方性光拡散層20と比較して、拡散領域の幅も狭い、という問題もある。尚、ピラー構造とすることで、方位角による拡散の指向性はないが、拡散の分布に対しては指向性を有する特性となる。
他方、ルーバー構造の異方性光拡散層20では、図2(b)の透過光の様子を見ればわかるように、透過光は、略針状となっており、MD方向とTD方向とで光拡散性が大きく異なる。すなわち、ルーバー構造の異方性光拡散層20では、拡散は方位角によって大きく拡散特性が異なる指向性を有する。具体的には、図2(b)に示す例では、MD方向ではピラー構造の場合よりも拡散が広がっているが、TD方向ではピラー構造の場合よりも拡散が狭まっている。また、図4の破線で示すように、入射光角度を変えると、(本形態の場合、TD方向において)光拡散性(特に、非拡散領域と拡散領域との境界付近における光学プロファイル)の変化が極めて急峻であるため、異方性光拡散層20を表示装置に適用した場合、輝度の急激な変化となって現れ、違和感を生じさせるおそれがあった。加えて、ルーバー構造の異方性光拡散層は光の干渉(虹)が生じやすい、という問題もある。しかしながら、異方性光拡散層20では、非拡散領域における直線透過率が高く、表示特性を向上させることができるという効果がある。特に、優先される拡散の方位(図2(b)ではMD方向)の視野角を広げたい方向と一致させることで、意図する特定方向に視野角を広げることが可能となる。
<<<本形態に係る異方性光学フィルムの構成>>>
図6を参照しながら、本形態に係る異方性光学フィルム100の構成について説明する。図6は、本形態に係る異方性光学フィルム100における異方性光拡散層110及び120の構成の一例を示す図である。なお、以下においては、異方性光学フィルム100とした場合、単に、異方性光拡散層110又は120の各単層を有する異方性光拡散層を示す場合がある。
<<全体構成>>
図6に示すように、異方性光学フィルム100は、入射光角度により直線透過率が変化する異方性光拡散層110又は120を少なくとも有する異方性光学フィルムである。
異方性光拡散層110は、マトリックス領域111と、マトリックス領域111とは屈折率が異なる複数の柱状構造体113(柱状領域)とを有する。異方性光拡散層120は、マトリックス領域121と、マトリックス領域121とは屈折率が異なる複数の柱状構造体123(柱状領域)とを有する。ここで、単に、柱状領域と表現する場合には、柱状領域には、ピラー領域とルーバー領域のいずれか、又は両者を含むものとする。また、単に柱状構造体と表現する場合には、柱状構造体には、ピラー構造体とルーバー構造体のいずれか、又は両者を含むものとする。
ここで、複数の柱状構造体113及び123の、異方性光拡散層110又は120の表面(又は、配向方向に垂直な断面)における平均短径と平均長径のアスペクト比(=平均長径/平均短径)は異なることが好適である。より具体的には、本発明に係る異方性光学フィルムは、好適形態においては、異方性光拡散層内部に、上述したピラー構造とルーバー構造のいずれか、又は両者を有する。
以下、このような、異方性光拡散層110、120を有する異方性光学フィルム100について詳述する。
<<異方性光拡散層110>>
異方性光拡散層110は、上述したルーバー構造(図2(b)の異方性光拡散層20と同様の構成)を有しており、入射光角度により直線透過率が変化する光拡散性を有している。また、異方性光拡散層110は、光重合性化合物を含む組成物の硬化物からなり、図6Aに示すように、マトリックス領域111と、当該マトリックス領域111とは屈折率の異なる複数の柱状構造体113(柱状領域)を有している。この柱状構造体113の配向方向(延在方向)Pは、散乱中心軸と平行になるように形成されており、異方性光拡散層110が所望の直線透過率及び拡散性を有するように適宜定められている。なお、散乱中心軸と柱状領域の配向方向とが平行であるとは、屈折率の法則(Snellの法則)を満たすものであればよく、厳密に平行である必要はない。Snellの法則は、屈折率nの媒質から屈折率nの媒質の界面に対して光が入射する場合、その入射光角度θと屈折角θとの間に、nsinθ=nsinθの関係が成立するものである。例えば、n=1(空気)、n=1.51(異方性光学フィルム)とすると、入射光角度が30°の場合、柱状構造体の配向方向(屈折角)は約19°となるが、このように入射光角度と屈折角が異なっていてもSnellの法則を満たしていれば、本形態においては平行の概念に包含される。
なお、異方性光拡散層110としては、柱状構造体113の配向方向がフィルムの膜厚方向(法線方向)と一致しないものであってもよい。この場合、異方性光拡散層110においては、入射光が異方性光拡散層110の法線方向から所定角度傾いた方向(すなわち、柱状構造体113の配向方向)に近い入射光角度範囲(拡散領域)では強く拡散されるが、それ以上の入射光角度範囲(非拡散領域)では拡散が弱まり直線透過率が高まるという性質を有する。
<柱状構造体113>
本形態に係る柱状構造体113は、マトリックス領域111中に、複数の柱状の硬化領域として設けられており、各々の柱状構造体113は、それぞれ配向方向が散乱中心軸と平行になるように形成されたものである。従って、同一の異方性光拡散層110における複数の柱状構造体113は、互いに平行となるように形成されている。
マトリックス領域111の屈折率は、柱状構造体113の屈折率と異なっていればよいが、屈折率がどの程度異なるかは特に限定されず、相対的なものである。マトリックス領域111の屈折率が柱状構造体113の屈折率よりも低い場合、マトリックス領域111は低屈折率領域となる。逆に、マトリックス領域111の屈折率が柱状構造体113の屈折率よりも高い場合、マトリックス領域111は高屈折率領域となる。ここで、マトリックス領域111と柱状構造体113の界面における屈折率は漸増的に変化するものであることが好適である。漸増的に変化させることで、入射光角度を変えた場合の拡散性の変化が極めて急峻となりギラツキを生じやすくなる問題が発生し難くなる。マトリックス領域111と柱状構造体113を光照射に伴う相分離によって形成することで、マトリックス領域111と柱状構造体113の界面の屈折率を漸増的に変化させることができる。
柱状構造体113の配向方向に垂直な断面形状は、図6Aに示すように、短径SAと長径LAを有する。短径SAと長径LAは異方性光拡散層110を光学顕微鏡で観察することによって確認することができる(詳細は後述する)。柱状構造体113の断面形状は、後述するアスペクト比の範囲(2以上)を満足するものが好適である。例えば、図6Aでは、柱状構造体113の断面形状を楕円形状に示しているが、柱状構造体113の断面形状は、特に限定されるものではない。
<<異方性光拡散層120>>
異方性光拡散層120は、ピラー構造(図2(a)の異方性光拡散層10と同様の構成)を有しており、入射光角度により直線透過率が変化する光拡散性を有している。また、図6Bに示すように、異方性光拡散層120は、光重合性化合物を含む組成物の硬化物からなり、マトリックス領域121と、当該マトリックス領域121とは屈折率の異なる複数の柱状構造体123(柱状領域)を有している。複数の柱状構造体123並びにマトリックス領域121は、不規則な分布や形状を有するが、異方性光拡散層120の全面にわたって形成されることで、得られる光学特性(例えば、直線透過率等)は略同じとなる。複数の柱状構造体123並びにマトリックス領域121が不規則な分布や形状を有するため、本形態に係る異方性光拡散層120は、光の干渉(虹)が発生することが少ない。
<柱状構造体123>
本形態に係る柱状構造体123は、マトリックス領域121中に、複数の柱状の硬化領域として設けられており、各々の柱状構造体123は、それぞれ配向方向が散乱中心軸と平行になるように形成されたものである。従って、同一の異方性光拡散層120における複数の柱状構造体123は、互いに平行となるように形成されている。
マトリックス領域121の屈折率は、柱状構造体123の屈折率と異なっていればよいが、屈折率がどの程度異なるかは特に限定されず、相対的なものである。マトリックス領域121の屈折率が柱状構造体123の屈折率よりも低い場合、マトリックス領域121は低屈折率領域となる。逆に、マトリックス領域121の屈折率が柱状構造体123の屈折率よりも高い場合、マトリックス領域121は高屈折率領域となる。
柱状構造体123の配向方向に垂直な断面形状は、図6Bに示すように、短径SAと長径LAを有する。短径SAと長径LAは異方性光拡散層110を光学顕微鏡で観察することによって確認することができる(詳細は後述する)。柱状構造体123の断面形状は、後述するアスペクト比の範囲(2未満)を満足することが好適である。例えば、図6Bでは、柱状構造体123の断面形状を円形状に示しているが、柱状構造体123の断面形状は、円形状に限定されるものではなく、楕円形状、多角形状、不定形状、これらの入り混じっているもの等、特に限定されるものではない。
<<柱状構造体の形状>>
<柱状構造体113、123のアスペクト比>
複数の柱状構造体113は、短径SAの平均値(平均短径)と長径LAの平均値(平均長径)のアスペクト比(=平均長径/平均短径)が2以上であることが好ましく、2以上50未満であることがより好ましく、2〜10であることが更に好ましく、2〜5であることが特に好ましい。
複数の柱状構造体123は、短径SAの平均値(平均短径)と平均長径LAの平均値(平均長径)のアスペクト比(=平均長径/平均短径)が2未満であることが好ましく、1.5未満であることがより好ましく、1.2未満であることが更に好ましい。
本形態に係る異方性光学フィルム100は、複数の柱状構造体113、123の平均短径と平均長径のアスペクト比を共に上述の好適範囲とすることにより、より高いレベルにて各種特性をバランス良く有する異方性光学フィルムとすることができる。
<柱状構造体113、123の平均短径及び平均長径>
また、複数の柱状構造体113の短径SAの平均値(平均短径)は0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましく、1.5μm以上であることが更に好ましい。一方、複数の柱状構造体113の短径SAの平均値(平均短径)は5.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以下であることがより好ましく、3.0μm以下であることが更に好ましい。これら複数の柱状構造体113の平均短径の下限値及び上限値は、適宜組み合わせることができる。
更に、複数の柱状構造体113の長径LAの平均値(平均長径)は0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましく、1.5μm以上であることが更に好ましい。一方、複数の柱状構造体113の長径LAの平均値(平均長径)は100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることが更に好ましい。これら複数の柱状構造体113の平均長径の下限値及び上限値は、適宜組み合わせることができる。
また、複数の柱状構造体123の短径SAの平均値(平均短径)は0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましく、1.5μm以上であることが更に好ましい。一方、複数の柱状構造体123の短径SAの平均値(平均短径)は5.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以下であることがより好ましく、3.0μm以下であることが更に好ましい。これら複数の柱状構造体123の平均短径の下限値及び上限値は、適宜組み合わせることができる。
更に、複数の柱状構造体123の長径LAの平均値(平均長径)は0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましく、1.5μm以上であることが更に好ましい。一方、複数の柱状構造体123の長径LAの平均値(平均長径)は8.0μm以下であることが好ましく、5.0μm以下であることがより好ましく、3.0μm以下であることが更に好ましい。これら複数の柱状構造体123の平均長径の下限値及び上限値は、適宜組み合わせることができる。
本形態に係る異方性光学フィルム100は、複数の柱状構造体113、123の平均短径及び平均長径を共に上述の好適範囲とすることにより、より高いレベルにて各種特性をバランス良く有する異方性光学フィルムとすることができる。
なお、本形態における複数の柱状構造体113、123の、短径SAの平均値(平均短径)及び長径LAの平均値(平均長径)は、異方性光拡散層110、120の表面を顕微鏡で観察し、任意に選択した100個の柱状構造体113、123の短径SA、長径LAを計測し、これらの平均値を求めればよい。また、柱状構造体のアスペクト比としては、上述で求めた長径LAの平均値(平均長径)を短径SAの平均値(平均短径)で除した値を用いる。
<柱状構造体113、123が形成される領域の厚み>
複数の柱状構造体113、123の厚さTは、10μm〜200μmであるのが好ましく、20μm以上100μm未満であることがより好ましく、20μm以上50μm未満であることが更に好ましい。厚さTが200μmを超える場合、材料費がよりかかるだけでなく、UV照射にかかる費用も増すため、コストがかかるだけなく、厚さT方向での拡散性増加により、画像ボケやコントラスト低下が起こりやすくなる。また、厚さTが10μm未満の場合、光の拡散性及び集光性を十分なものとすることが難しい場合がある。本発明では、厚さTを該規定範囲内とすることにより、コストの問題を少なくし、光の拡散性及び集光性に優れ、かつ、厚さT方向での光拡散性低下により、画像ボケが発生し難くなり、コントラストも向上させることができる。
<<異方性光学フィルム100の性質>>
上述したように、異方性光学フィルム100は、異方性光拡散層110と120とのいずれか、又は両者を有する。より具体的には、異方性光拡散層110は、ルーバー構造(好適にはアスペクト比が2以上の複数の柱状構造体を有する構造)を有する。異方性光拡散層120は、ピラー構造(好ましくはアスペクト比が2未満の複数の柱状構造体を有する構造)を有する。以下、このような異方性光学フィルム100の性質に関して説明する。
<直線透過率>
ここで、直線透過率が最大となる入射光角度で異方性光学フィルム100(異方性光拡散層110、120)に入射した光の直線透過率を「最大直線透過率」と定義すると、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層110、120)は、最大直線透過率が20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましく、70%以上であることが特に好ましく、90%未満であることが尚特に好ましい。
なお、直線透過率が最小となる入射光角度で異方性光学フィルム100(異方性光拡散層110、120)に入射した光の直線透過率を「最小直線透過率」と定義すると、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層110、120)は、最小直線透過率が10%以下であることが好ましい。
異方性光学フィルム100(異方性光拡散層110、120)の最大直線透過率を上述の範囲とすることにより、適度な異方性とすることができるため、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層110、120)の適用範囲を広くすることができる。例えば、表示装置に異方性光学フィルムを使用した際、異方性が強すぎると、MD方向への光の拡散・集光性に極めて優れるものの、TD方向への光の拡散・集光性が不十分となりやすい場合がある。本形態に係る異方性光学フィルム100(異方性光拡散層110、120)は、上述の最大直線透過率及び最小直線透過率を有することで、MD方向への優れた光の拡散・集光性を維持した上で、TD方向への光の拡散・集光性を十分に備えるものである。
ここで、直線透過光量及び直線透過率は、図3に示す方法によって測定することができる。すなわち、図3に示す回転中心の直線Vと、図6A及び図6Bに示すC−C軸を一致させるようにして、入射光角度毎の直線透過光量及び直線透過率を測定する(膜厚方向、つまり法線方向を0°とする)。得られたデータより光学プロファイルが得られ、この光学プロファイルから最大直線透過率及び最小直線透過率を求めることができる。
また、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層110、120)における最大直線透過率及び最小直線透過率は、製造時の設計パラメータによって調整することができる。パラメータの例としては、塗膜の組成、塗膜の膜厚、構造形成時に与える塗膜への温度等が挙げられる。塗膜の組成は構成成分を適宜選択し調合することで、最大直線透過率及び最小直線透過率は変化する。設計パラメータでは、膜厚が厚いほど最大直線透過率及び最小直線透過率は低くなりやすく、薄いほど高くなりやすい。また、温度が高いほど最大直線透過率及び最小直線透過率は低くなりやすく、低いほど高くなりやすい。これらのパラメータの組み合わせにより、最大直線透過率及び最小直線透過率のそれぞれを適宜調節することが可能である。
<拡散幅>
上述の方法により、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層110、120)の最大直線透過率及び最小直線透過率を求め、最大直線透過率と最小直線透過率との中間値の直線透過率を求める。続いてこの中間値の直線透過率に対する2つの入射光角度の交点を読み取る。光学プロファイルにおいては、異方性光学フィルムの法線方向を0°とし、入射光角度をマイナス方向及びプラス方向で示している。従って、入射光角度及び上述の2つの交点に対応する入射光角度は、マイナスの値を有する場合がある。上述の2つの入射光角度の交点の値がプラスの入射光角度値と、マイナスの入射光角度値を有するものであれば、マイナスの入射光角度値の絶対値とプラスの入射光角度値の和が入射光の拡散領域の角度範囲である拡散幅となる。上述の2つの入射光角度の交点の値が両方ともプラスである場合、より大きい値からより小さい値を引いた差が拡散幅となる。上述の2つの入射光角度の交点の値が両方ともマイナスである場合、それぞれの絶対値をとり、より大きい値からより小さい値を引いた差が拡散幅となる。
異方性光学フィルム100(異方性光拡散層110、120)においては、最大直線透過率と最小直線透過率との中間値の直線透過率に対する2つの交点に対応する入射光角度の角度範囲である拡散領域の幅(拡散幅)が、MD方向において、10°以上70°未満であることが好ましく、30°以上50°未満であることがより好ましい。また、TD方向において、5°以上50°未満であることが好ましく、20°以上30°未満であることがより好ましい。該規定範囲外である場合、すなわち拡散幅が広くなりすぎる場合には、集光性が弱まってしまい、拡散幅が狭くなりすぎる場合には、拡散性が弱まることで表示性や視認性が低下してしまう。すなわち本発明は、拡散幅が該規定の範囲内であることにより、拡散性及び集光性のバランスが取れ、更に輝度の急激な変化の抑制効果を高めることが可能となるのである。
<散乱中心軸>
次に、図7を参照しながら、異方性光拡散層における散乱中心軸Pについて説明する。図7は、異方性光拡散層における散乱中心軸Pを説明するための3次元極座標図である。
異方性光拡散層は、少なくとも1つの散乱中心軸を有するが、この散乱中心軸は、上述したように、異方性光拡散層への入射光角度を変化させた際に光拡散性がその入射光角度を境に略対称性を有する光の入射光角度と一致する方向を意味する。なお、このときの入射光角度である散乱中心軸角度は、異方性光拡散層の光拡散性における入射光角度依存性を示す曲線である光学プロファイルを作成し、この光学プロファイル中における最小値に挟まれた略中央部(拡散領域の中央部)となる。
また、上述の散乱中心軸は、図7に示すような3次元極座標図によれば、異方性光拡散層の平面方向(表面方向)の平表面をxy平面とし、法線方向(膜厚方向)をz軸とすると、極角θと方位角φとによって表現することができる(P)。つまり、図7中のPxyが、上述の異方性光拡散層の表面に投影した散乱中心軸の長さ方向ということができる。
ここで、異方性光拡散層110は、複数の柱状構造体113を有し、異方性光拡散層120は、複数の柱状構造体123を有する。異方性光拡散層110、120の法線(異方性光拡散層の膜厚方向、図7に示すz軸)と、それぞれに対応する柱状構造体113又は柱状構造体123とのなす極角θ(−90°<θ<90°)を本形態における散乱中心軸角度(光拡散性がその入射光角度を境に略対称性を有する入射光角度と一致する方向における角度)と定義すると、柱状構造体113の散乱中心軸角度と、柱状構造体123の散乱中心軸角度との差の絶対値が、0°〜30°であることが好ましい。散乱中心軸角度の差の絶対値を上述の範囲とすることで、本発明の効果をより高めることが可能となる。この効果をより効果的に実現するためには、柱状構造体113の散乱中心軸角度と柱状構造体123の散乱中心軸角度との差の絶対値が0°〜20°であることがより好ましく、10°〜20°であることが更に好ましい。なお、柱状構造体113及び柱状構造体123の散乱中心軸角度は、これらを製造する際に、シート状の光重合性化合物を含む組成物に照射する光線の方向を変えることで、所望の角度に調整することができる。
また、上述した差の絶対値が上述の範囲を満たすことに加えて、柱状構造体113の散乱中心軸の方位角と柱状構造体123の散乱中心軸の方位角との差の絶対値が0°〜20°であることが好ましい。これにより、異方性光拡散層の非拡散領域における直線透過率を低下させることなく、拡散領域の幅を更に拡大することが可能となる。
ここで、異方性光拡散層110、120の各々は、単一層中に、傾きの異なる柱状領域群(同一の傾きを有する複数の柱状構造体の集合、柱状領域)を複数有していてもよい。この場合、各柱状領域群における散乱中心軸角度の差の絶対値の下限は5°であることが好ましい。一方、散乱中心軸角度の差の絶対値の上限は、20°であることが好ましく、15°であることがより好ましい。
また、柱状構造体113、123の散乱中心軸Pの極角θ(すなわち、散乱中心軸角度)が−60°〜0°又は0°〜+60°であることが好ましく、−30°〜0°又は0°〜+30°であることがより好ましい。散乱中心軸角度が+60°より大きい、又は−60°未満では、コントラストや輝度を十分に向上させることができない。
<屈折率>
異方性光拡散層110、120は、光重合性化合物を含む組成物を硬化したものであるが、この組成物としては、次のような組み合わせが使用可能である。
(1)単独の光重合性化合物を使用するもの
(2)複数の光重合性化合物を混合使用するもの
(3)単独又は複数の光重合性化合物と、光重合性を有しない高分子化合物とを混合して使用するもの
上述のいずれの組み合わせにおいても、光照射により異方性光拡散層110、120中に、屈折率の異なるミクロンオーダーの微細な構造が形成されると推察されており、これにより、本実施形態に示される特異な異方性光拡散特性が発現されるものと思われる。従って、上述の(1)では、光重合の前後における屈折率変化が大きい方が好適であり、また、(2)、(3)では屈折率の異なる複数の材料を組み合わせることが好適である。なお、ここでの屈折率変化や屈折率の差とは、具体的には、0.01以上が好ましく、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.10以上の変化や差を示すものである。
図8は、HUD装置3内に設けられた光照射部31から照射される表示光Lが上述した異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)に入射する入射光角度と、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)に入射した表示光Lが異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)から出射する出射光角度、すなわち、表示光の、異方性光学フィルム(異方性光拡散層)への入射光角度と、異方性光学フィルム(異方性光拡散層)からの出射光角度との関係を説明する図である。
まず、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)は、散乱中心軸方向(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向。例えば、図8で示すP)で入射する場合の直線透過率と比較して、上述の光学プロファイルにおいて説明した様に、−60°〜−30°、又は、+30°〜+60°の入射光角度で直線透過率が最大値となり、−20〜+20°の入射光角度で直線透過率が最小値となる。つまり、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)は、入射光角度が−20°よりも小さい、又は+20°よりも大きい程、拡散が弱まり直線透過率が高まっていき(光の透過が優先されていく)、入射光角度が散乱中心軸方向に近い−20°〜20°では拡散が強まり直線透過率が弱まる(光の拡散が優先される)。
このような異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の性質を踏まえ、HUD装置3内に設けられる光照射部31と、反射部材32と、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)との配置関係を規定する必要がある。
図8に示すように、散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)で入射する入射光角度に対して、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の直線透過率が最大値となる入射光角度範囲(上述の光学プロファイル及び図4参照)と、光照射部31から照射され、反射部材32によって反射された表示光Lが異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)に入射される入射光角度範囲が、共に−60°〜−30°、又は、+30°〜+60°の範囲内であることが必要である。
或いは、散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)で入射する入射光角度に対して、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の直線透過率が最大値となる入射光角度範囲(上述の光学プロファイル及び図4参照)と、光照射部31から照射され、反射部材32によって反射された表示光Lが異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)に入射された入射光に対して出射される出射光角度範囲が、共に−60°〜−30°、又は、+30°〜+60°の範囲内であることが必要である。
つまり、図8で示すように散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)に対し、入射光角度側と出射光角度側それぞれに符号を付与した場合、散乱中心軸方向Pに対して、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の直線透過率が最大値となる入射光角度範囲と、光照射部31から照射され、反射部材32によって反射された表示光Lが異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)に入射される入射光角度範囲と、入射された入射光に対して異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)より出射される出射光角度範囲とが、−60°〜−30°、又は、+30°〜+60°の範囲内であることが必要である。
このように、上述の関係に基づいてHUD装置3内に設けられる光照射部31と、反射部材32と、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)と、の配置関係を規定することにより、画像ボケが発生し難くなり、コントラストを向上させ、輝度及び視野角も実用レベルとして良好、とすることができる。
一方、上述の配置関係に対し、外光の入射光角度との関係も規定することが好ましい。図9は、本実施の形態(第1の実施形態)における図1において、HUD装置3の筐体30の一部に設けられた開口部33に配置された異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)によって、太陽光等の外光Mが拡散される様子を説明する車両の側方から見た概略構成図である。
その際、外光Mが、ウインドシールド40を通して異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)入射される入射光角度が、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)に対し、上述の光学プロファイルにおいて説明した様に(図4も参照)、−60°〜−30°、又は、+30°〜+60°の入射光角度で入射した場合、直線透過率が最大値となり、−20〜+20°の入射光角度で入射した場合、直線透過率が最小値となる。
ここで外光Mが、ウインドシールド40を通して異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)入射される入射光角度範囲が、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)に対し、−20°〜+20°の範囲内から入射された場合、外光Mは、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)では光の拡散が優先されることになるため、拡散された出射光である出射外光Nは、反射部材32で正反射され、それぞれ異なる方向へ導かれることとなる。つまり、外光Mは、その大部分の光が光照射部31には到達せず、光照射部31へは入射されにくいこととなる。
しかし外光Mからの入射光角度が、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)に対し、上述の−20°〜+20°とは異なる角度から入射された場合、外光Mは、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)では光の透過が優先されることになるため、拡散されずに透過された出射光は、反射部材32で正反射されることとなるが、ここで例えば、1日の中で最も外光の影響を受ける時間帯(例として正午)に対し、HUD装置3内の異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)を、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)に対し、外光Mの入射光角度範囲が−20°〜+20°となるような配置関係としておけば、外光Mの影響を受ける大部分の光が拡散される配置となっているため、外光の影響を十分に低減させることができる。
つまり、HUD装置3内の異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)を外光に対し、上述の外光を考慮した配置関係としておくことで、ウインドシールド40の外側から入射して来る外光Mが反射部材32で反射されて光照射部31まで達してしまい、表示画像が相対的に薄くなくなってしまう結果、虚像50が見えにくくなる現象(いわゆるウオッシュアウト)の影響を十分に低減させることにより、コントラストを高めることとなり、十分な視認性を確保することができる。
従って、指向性と異方性とを兼ね備えた入射光角度依存性を有する異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)を使用することで、コントラスト向上、画像ボケ防止、輝度及び視野角が良好、とできるだけでなく外光の影響を十分に低減させることにより、十分な視認性を確保することができる。なお、外光を考慮した配置関係に関しては、上述の配置関係に限定されるものではなく、居住地域、気候、車種等の条件により、適宜調整をすることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態のHUD装置4について、図10を用いて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態に対して、偏光部材70を異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)表面上(平面上、図10においては外光の入射側又は透光性部材側)に設けたものである。ここで偏光部材70の配置は、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の表面上であれば良く、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)と接していなくても構わなく、また、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の表面より小さい面積で、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の一部分の表面上に設けたものであっても構わない。なお、第1の実施形態と同一構成要素は、同一符号を付与して説明をする。
なお、第1の実施形態と同様に、開口部33又は開口窓には、塵や埃がHUD装置4内へ侵入するのを防止するために、例えば、ガラス等からなる透明性カバー(防塵カバー)を設けてもよい。
上述したように、例えば、晴天時の昼間のように太陽からの強い外光が到来するような状況においては、ウインドシールド40の外側から入射して来る外光Mが、反射部材32で反射されて光照射部31まで達してしまい、表示画像が相対的に薄くなくなってしまう結果、虚像51が見えにくくなる現象(いわゆるウオッシュアウト)の影響を起こすという問題がある。
そこで、第2の実施形態のように、偏光部材70を異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)表面上に設けることで、ウインドシールド40を通して入射された太陽光等の外光Mの光量は、原則として、約半分程度の光量が、偏光部材70で吸収されるので、上述の第1の実施形態における作用効果に加えて、光照射部31の前面に入射される外光Mをより入射されにくくするため、外光により虚像51が見えにくくなる現象(いわゆるウオッシュアウト)の影響を第1の実施形態よりも低減させることにより、第1の実施形態よりもコントラストを高めることとなり、十分な視認性を確保することができる。
ここで偏光部材70は、偏光板や偏光フィルム等のことであり、自然光(非偏光)から直線偏光を作り出す偏光子のことを指す。具体的に例えば、ガラスの表面上に微細な金属のグリッド(スリット状)を形成することで偏光特性を得る、無機材料で構成されたワイヤグリッドタイプの偏光子や、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等の2色性色素を含浸させたフィルムを一定方向に引き伸ばすことによって作製された樹脂シートタイプの偏光子や、雲母や水晶等の結晶性材料を用いた結晶タイプの偏光子や、光学多層膜による偏光子である、PBS(Polarizing Beam Splitter)タイプの偏光子や、複屈折結晶である方解石(カルサイト)のプリズムを組み合わせて、一方向の直線偏光成分を全反射によって除去する高純度の直線偏光を得るための偏光子であるグラントムソンプリズムタイプの偏光子や、無機材料で構成された無機吸収型タイプの偏光子等を適用することができる。なお、偏光部材70はこれに限られず、太陽光等の外光を、ある一方向に振動する光と、それに直交した振動を持つ光を吸収・透過させるものであればよい。また、特にその形状や構成は限定されない。
<偏光部材70の偏光軸(吸収軸)と光照射部31が有する第2偏光板39の偏光軸(吸収軸)との関係>
次に、図11を用いて、偏光部材70と、光照射部31が偏光板を有する場合に光照射部31が有する第2偏光板(表示光出射側偏光板)39との関係について説明する。
まず光照射部31は、表示光Lを照射するものとして、バックライト付きの液晶ディスプレイ類が使用される場合がある。この場合例えば図11に示すように、光照射部31は、車両前後方向の後方(図11の右側:アイポイントEP側)から前方(図11の左側:虚像51側)に向かって順に、バックライト34と、液晶ディスプレイを構成する第1偏光板(バックライト入射側偏光板)35と、第1電極基板(バックライト入射側電極基板)36と、液晶層37と、第2電極基板(表示光出射側電極基板)38と、第2偏光板(表示光出射側偏光板)39とを備えている。
ここで図11においては、第2偏光板(表示光出射側偏光板)39の吸収軸方向と、偏光部材70の吸収軸方向とが一致する(平行となる)ように配置されている。
つまり、第2偏光板(表示光出射側偏光板)39と、偏光部材70とが、例えば、同じ吸収軸に沿った偏光成分の光(例えば、図11においてはP波と称する)を吸収し、同じ透過軸に沿った偏光成分の光(例えば、図11においてはS波と称する)を透過するように構成されている。
なお図11では、P波とS波を両矢印で示す。図11に示す様に、太陽光等の外光Mに含まれるP波とS波がウインドシールド40を通して入射された場合、P波とS波のうち、P波は偏光部材70により吸収され、S波のみが透過されることとなる。これにより、ウインドシールド40を通して入射された太陽光等の外光Mの光量は、偏光部材70により吸収(遮断)され,原則として、約半分の光量に低減することができる。
一方で、第2偏光板(表示光出射側偏光板)39を透過した表示光LのS波は、反射部材32と、異方性光拡散層100とを介して偏光部材70に入射されることになる。そして、偏光部材70は、第2偏光板(表示光出射側偏光板)39と同じ透過軸をもっているため、S波を透過させることができる。
従って、第2偏光板(表示光出射側偏光板)39の吸収軸方向と、偏光部材70の吸収軸方向とを一致する(平行となる)ように配置した場合、外光により虚像51が見えにくくなる現象(いわゆるウオッシュアウト)の影響を第1の実施形態よりも低減させることができ、コントラストを第1の実施形態よりも高めることとなり、十分な視認性を確保することができる。
なお、外光を考慮した配置関係に関しては、上述の配置関係に限定されるものではなく、居住地域、気候、車種等の条件により、適宜調整をすることができる。
また上述した、第1の実施形態における各構成要素は、本実施形態においても同様に適用及び応用することが可能である。
(第3の実施形態)
第3の実施形態のHUD装置3について、図12を用いて説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態に対し、異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)をウインドシールド40の運転者側表面に設けたものである。なお、第1、2の実施形態と同一構成要素は、同一符号を付与して説明をする。また異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)は、上述した異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)と同様の異方性光学フィルム(異方性光拡散層)を適用するものとする。
なお、第1の実施形態と同様に、開口部33又は開口窓には、塵や埃がHUD装置3内へ侵入するのを防止するために、例えば、ガラス等からなる透明性カバー(防塵カバー)を設けてもよい。
上述したように、HUD装置3の筐体30内側には光照射部31が設けられている。光照射部31からの表示光Lがウインドシールド40に照射されるとき、表示光Lは、2重虚像光が生じることがある。従って、このような場合、表示画像の視認性を低下させる要因となっていた。
そこで図12に示すように、上述した異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)をウインドシールド40の運転者側表面に設けることによって、表示光Lは、異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)により、適度な拡散及び集光のバランスを取ることが可能となるため、2重虚像光を防止することができると共にコントラストを第1の実施形態より向上させることもできる。更に外光Mに対しても、第1の実施形態と同様に、視認性に最も影響の大きい外光Mからの入射光角度が、異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)の散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)に対し、光の拡散が優先される、−20°〜+20°となりうる様な散乱中心軸角度を有する異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)としておけば、外光Mの光照射部31への入射をより抑制させることができるため、虚像52が見えにくくなる現象(いわゆるウオッシュアウト)の影響を第1の実施形態よりも低減させることができ、コントラストを第1の実施形態よりも高めることとなり、十分な視認性を確保することができる。
加えて図12に示す様に、外光Mからの入射光角度が、異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)の散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)に対し、光の透過が優先される、−60°〜−30°、又は、+30°〜+60°となりうる様な散乱中心軸角度を有する異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)であった場合、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)を、光の拡散が優先される、−20°〜+20°となりうる様な散乱中心軸角度を有する異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)としておけば、外光Mは、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)で拡散されることとなるため、外光Mの光照射部31への入射を、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)による外光Mの拡散を主として、抑制させることができることとなる。
反対に、外光Mからの入射光角度が、異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)の散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)に対し、光の拡散が優先される、−20°〜+20°となりうる様な散乱中心軸角度を有する異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)であった場合には、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)が、光の透過が優先される、−60°〜−30°、又は、+30°〜+60°となりうる様な散乱中心軸角度を有する異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)であったとしても、外光Mは、異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)で拡散されることとなるため、外光Mの光照射部31への入射を、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)による外光Mの拡散を主として、抑制させることができることとなる。
つまり、異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)をウインドシールド40の運転者側表面に設置することで、異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)及び異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の散乱中心軸角度の設計に対し、自由度を増すことができるという利点を有することができる。
なお、異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)は、ウインドシールド40の運転者側表面の一部の領域に設けてもよいし、又は、ウインドシールド40運転者側表面の全域に設けてもよい。なお、ウインドシールド40の運転者側表面の一部の領域に設ける際は、表示光Lの光路上であることが必須であり、更に上述した、外光Mの拡散を考慮した異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)の散乱中心軸角度としておくことが好適である。
また、異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)は、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)と同時に使用する必要は必ずしもなく、異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)だけの構成としてもよい。
更に、外光を考慮した配置関係に関しては、上述の配置関係に限定されるものではなく、居住地域、気候、車種等の条件により、適宜調整をすることができる。
また、上述した、第1の実施形態における各構成要素は、本実施形態においても同様に適用及び応用することが可能である。
(第4の実施形態)
第4の実施形態のHUD装置5について、図13を用いて説明する。第4の実施形態は、第1の実施形態に対し、光照射部31から照射される表示光Lの投射エリア43を、ウインドシールド40ではなく、コンバイナ44としたものである。なお、第1〜3の実施形態と同一構成要素は、同一符号を付与して説明をする。
なお、第1の実施形態と同様に、開口部33又は開口窓には、塵や埃がHUD装置5内へ侵入するのを防止するために、例えば、ガラス等からなる透明性カバー(防塵カバー)を設けてもよい。
HUD装置5は、インストルメントパネル42の内部に収容されている。HUD装置5は、筐体30と、筐体30の一部に設けられた開口部33とを有し、この開口部33から、インストルメントパネル42の外側に向けて表示画像を表す表示光Lを照射することができる。
ここでコンバイナ44は、開口部33とウインドシールド40との間、表示光L光路上に設置される。図13においては、開口部33近傍のインストルメントパネル42上に、静止状態にある車両において、重力に沿う方向を下方向とし、下方向とは反対の方向を上方向とした際の上下方向に対し、傾斜した状態で薄板形状のコンバイナ44が設置された状態を示しているが、設置の状態は特に限定されるものでなく、例えばポータブルカーナビで使用される、スタンドやホルダー等を、コンバイナ44を固定する部品として、インストルメントパネル42やウインドシールド40の他、図示しないサンバイザー上に設置し、使用することも好適である。要するに、開口部33とウインドシールド40との間、表示光L光路上にコンバイナ44が設置されるのであれば、その構成及び設置方法は限定されるものではない。
コンバイナ44は光学素子であり、入射した光の一部を反射し、一部を透過させる機能を有したハーフミラーである。すなわちコンバイナ44は、運転者側の面より入射した光を反射してアイポイント(視点)EPに導き、ウインドシールド側の面より入射した光を透過してアイポイント(視点)EPに導く。
HUD装置5内には、光照射部31が設けられている。光照射部31は、表示画像を表す表示光Lを照射する部材、例えば映像投射装置のことであり、具体的に例えば、図示しないバックライト付きの液晶ディスプレイ等から構成される。バックライト付きの液晶ディスプレイの場合、液晶ディスプレイの表示画像はバックライトにより照射され、表示光Lとして、バックライトとは反対側となる反射部材32に向けて照射されるようになっている。この表示光Lは、反射部材32の表面で反射され、開口部33の外側に配置されているコンバイナ44の運転者側表面に向かい、その後アイポイント(視点)EPに向かうこととなる。
本実施形態は第1の実施形態に対し、光照射部31から照射される表示光Lの投射エリア43を、ウインドシールド40ではなく、コンバイナ44としたものであるが、上述した様に設置の状態は特に限定されるものではないため、本実施形態は、第1の実施形態と同様に、コントラスト向上、画像ボケ防止、輝度及び視野角が良好であり、外光の影響を十分に低減させることで、十分な視認性を確保することができるだけでなく、HUD装置5内の構成要素の構成の自由度(異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の散乱中心軸角度の設計を含む)を増すことができるという利点を有することができる。
なお、第1の実施形態と同様に、開口部33又は開口窓には、塵や埃がHUD装置5内へ侵入するのを防止するために、例えば、ガラス等からなる透明性カバー(防塵カバー)を設けてもよい。
更に、外光を考慮した配置関係に関しては、居住地域、気候、車種等の条件により、適宜調整をすることができる。
また、上述した、第1の実施形態における各構成要素は、本実施形態においても同様に適用及び応用することが可能である。
(第5の実施形態)
第5の実施形態のHUD装置6について、図14を用いて説明する。第5の実施形態は、第1の実施形態に対し、反射部材を構成要素より除いたものである。なお、第1〜4の実施形態と同一構成要素は、同一符号を付与して説明をする。
なお、第1の実施形態と同様に、開口部35又は開口窓には、塵や埃がHUD装置6内へ侵入するのを防止するために、例えば、ガラス等からなる透明性カバー(防塵カバー)を設けてもよい。
HUD装置6は、インストルメントパネル42の内部に収容されている。HUD装置6は、筐体34と、筐体34の一部に設けられた開口部35とを有し、この開口部35から、インストルメントパネル42の外側に向けて表示画像を表す表示光Lを照射することができる。
HUD装置6内には、光照射部31が設けられている。光照射部31は、表示画像を表す表示光Lを照射する部材、例えば映像投射装置のことであり、具体的に例えば、図示しないバックライト付きの液晶ディスプレイ等から構成される。バックライト付きの液晶ディスプレイの場合、液晶ディスプレイの表示画像はバックライトにより照射され、表示光Lとして、バックライトとは反対側となる異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)に向けて照射されるようになっている。この表示光Lは、ウインドシールド40の運転者側表面における、投射エリア45に向かい、その後アイポイント(視点)EPに向かうこととなる。
図14に示す様に、第5の実施形態は反射部材を構成要素より除いたものであるため、HUD装置6の大きさを、他の実施形態と比較して小さくすることができ、HUD装置6の車内における設置自由度を高めることができ、かつ、費用も削減することができる。
また本実施形態においては、必要に応じてHUD装置6内の光照射部31と、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)との間の表示光Lの光路上に、虚像を拡大することのできるレンズ(例えば非球面上のもの)を設置しても良い。
本実施形態は第1の実施形態に対し、反射部材を構成要素より除いたものであるが、指向性と異方性とを兼ね備えた入射光角度依存性を有する異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)をHUD装置6内の構成要素としているため、第1の実施形態と同様に、コントラスト向上、画像ボケ防止、輝度及び視野角が良好であり、外光の影響を十分に低減させることで、十分な視認性を確保することができるだけでなく、HUD装置6の車内における設置自由度を高めることができ、かつ、費用も削減することができる。なお、外光を考慮した配置関係に関しては、居住地域、気候、車種等の条件により、適宜調整をすることができる。また上述した、第1の実施形態における各構成要素は、本実施形態においても同様に適用及び応用することが可能である。
なお、上述した各実施の形態は、図示した構成のみに適用されるもの、と限定的に解釈すべきではなく、各構成要素は様々に組み合わせることが可能である。
例えば、図10で示した第2の実施形態における、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)及び偏光部材70と、図12で示した第3の実施形態における、ウインドシールド40の運転者側表面に設けた異方性光学フィルム400(異方性光拡散層)と、を組み合わせ、表示光Lの入射側より順に、異方性光学フィルム(異方性光拡散層)/偏光部材/異方性光学フィルム(異方性光拡散層)、となるような配置関係で、HUD装置の構成要素としても構わない。
また、図10で示した第2の実施形態における、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)及び偏光部材70と、図13で示した第4の実施形態における、コンバイナ44と、を組み合せてもよい。
また、本実施形態における異方性光学フィルム100は、上述した異方性光学フィルムの定義にあるように、異方性光拡散層単層だけでなく、異方性光拡散層が2層以上積層されて構成されたものであってもよい(その際、異方性光拡散層は粘着層等を介して積層されていてもよい)。
上述したように、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)は、外光からの入射光角度が、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)に対し、−20°〜+20°である場合、光の拡散が優先される。
その際の出射光の拡散範囲(出射光角度範囲)は、具体的には入射光角度の符号が変わった値(例えば、−20°であれば、+20°)を基準値として、基準値に入射光角度値の絶対値のプラスマイナス分を加えた範囲となる(例えば、+20°が基準値であれば、20°が絶対値となり、+20°の基準値に+20°と、−20°を加えた範囲、つまり0°〜40°が、出射光の拡散範囲(出射光角度範囲)となる)ので、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)の散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)に対し、入射光角度が−20°〜+20°である場合、出射光の拡散範囲(出射光角度範囲)は、−40°〜+40°となる。
この性質を有する異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)を、例えば異方性光拡散層が2層積層された異方性光学フィルムとした場合、外光入射側の1層目の異方性光拡散層によって拡散された外光は、2層目の異方性光拡散層でより拡散されることになる。加えて、各異方性光拡散層の散乱中心軸方向P(層の法線方向を、散乱中心軸角度0°及び入射光角度0°と仮定した場合の方向)を、光の透過が優先される、−60°〜−30°、又は、+30°〜+60°となりうる様な散乱中心軸角度を有する異方性光拡散層の配置としておけば、表示光Lは透過されることとなるため、表示光Lに対する影響はない。このため外光の影響をより低減させることが可能となる。
また、HUD装置を自動車に適用する際、ウインドシールド40と、HUD装置内構成要素と、コンバイナ44(用途に応じて)と、の配置関係が固定される。配置関係が固定されるということは、表示光Lの光路が固定される、ということである。
このような状況下で、入射光角度依存性を有する光拡散フィルムである、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)を使用することに意義がある。すなわち、異方性及び指向性を兼ね備えた異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)を使用することで、外光からの入射光角度が、異方性光学フィルム(異方性光拡散層)の散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)に対し、散乱中心軸方向に近い−20°〜+20°の入射光角度範囲で入射される様な構成としておけば、外光は拡散が優先され、かつ、その出射光の拡散範囲(出射光角度範囲)は、入射光角度範囲に対応した所定の範囲(この場合、−40°〜+40°)となる。つまり、外光の影響を低減させることができる。結果、外光の大部分の光が光照射部31へは入射されにくいこととなり、虚像が見えにくくなる現象(いわゆるウォッシュアウト)の影響を十分に低減させて、コントラストを高めることとなり、十分な視認性を確保することができる。
更に、光照射部31から照射された表示画像を表す表示光Lについては、外光からの入射光角度が、異方性光学フィルム(異方性光拡散層)の散乱中心軸方向P(フィルム又は層の法線方向を、散乱中心軸角度を0°及び入射光角度を0°とした場合の方向)に対し、散乱中心軸方向から離れた−60°〜−30°又は+30°〜+60°の入射光角度で入射される様な構成としておけば、表示光Lは透過が優先されて異方性光学フィルム(異方性光拡散層)を透過することとなるので、画像ボケ及びホットスポット(輝点)が発生し難くなり、かつ、コントラストを向上させることができる。
また本実施の形態では、異方性光学フィルム100(異方性光拡散層)は、ルーバー構造の異方性光拡散層110(20)と、ピラー構造の異方性光拡散層120(10)と、があることについて説明した。上述した様に、HUD装置を自動車に適用する際、ウインドシールド40もしくはコンバイナ44からの虚像の表示位置は、HUD装置を自動車に適用する際、配置関係が固定されるので、虚像の表示位置も固定されることとなる。このとき、運転者のアイポイント(視点)EP高さ位置の変動に対しては、対応することが困難となる場合がある。なお、運転者のアイポイント(視点)EPの高さ位置の変動は、例えば、車両を複数の利用者で使用する場合、運転する利用者の身長の高低によって生じる場合が考えられる。
ここで、ルーバー構造の異方性光拡散層110(20)は、図2(b)の透過光の様子を見ればわかるように、透過光は、略針状となっており、MD方向とTD方向とで光拡散性が大きく異なる。すなわち、ルーバー構造の異方性光拡散層20では、拡散は方位角によって大きく拡散特性が異なる指向性を有する。具体的には、図2に示す例では、MD方向ではピラー構造の場合よりも拡散が広がっているが、TD方向ではピラー構造の場合よりも拡散が狭まっている。
この性質を利用し、例えば車両の前後方向とルーバー構造の異方性光拡散層110のMD方向(図2(b)MD方向と同方向、図6A柱状構造体113の短径SA側方向)とを一致させ、車両の車幅方向とルーバー構造の異方性光拡散層110のTD方向(図2(b)TD方向と同方向、図6A柱状構造体113の長径LA側方向)とを一致させるようにして、第1の実施形態であるならば、図1のHUD装置3において、筐体30の一部である開口部33を閉塞する様に、ルーバー構造の異方性光拡散層110を設ける。
このような構成とすれば、ウインドシールド40からの虚像50はこの場合、MD方向での拡散により、視野角が広がることとなり、MD方向は、運転者のアイポイント(視点)EPの高さ位置の変動方向と同方向となることから、虚像50を視認する際、運転者負担を極力少なくすることが可能となる。また、ウインドシールド40ではなく、コンバイナからの虚像を利用する構成であっても、上述と同様の効果を得ることが可能である。
また本実施の形態では、HUD装置がインストルメントパネル42内部に収容されているものとして説明したが、計器盤(インストルメントクラスター)内部に設置されていても構わない。なお、この場合、開口部(開口窓)は、計器盤内に用途に応じて適宜設置することができる。
また、本実施の形態では、HUD装置を自動車に適用した形態にて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、航空機、電車、工事用車両、遊技装置(例えば、パチンコやスロット等の表示)、ゲーム装置、医療装置等においても適用できる可能性がある。
次に、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
<<異方性光学フィルムの製造>>
本発明の異方性光学フィルム(異方性光拡散層)は、以下に示す既存の方法(例えば、特開2006−119241)により製造した。
<ピラー構造>
厚さ75μm、76×26mmサイズのPETフィルム(東洋紡社製、商品名:A4300)の縁部全周に、ディスペンサーを使い、硬化性樹脂で高さ200μmの隔壁を形成した。この中に下記の紫外線硬化樹脂組成物を滴下し、別のPETフィルムでカバーした。
・2−(パーフルオロオクチル)−エチルアクリレート 50重量部(フッ素含有率61%、共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレートFA−108)
・1,9−ノナンジオールジアクリレート 50重量部(フッ素不含、共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレート1.9ND−A)
・2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン 4重量部(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名:Darocure1173)
この両面をPETフィルムで挟まれた200μmの厚さの液膜に対して、UVスポット光源(浜松ホトニクス社製、商品名:L2859−01)の落射用照射ユニットから垂直に、照射強度30mW/cmの平行光線である紫外線を1分間照射して、図2(a)又は図6(b)に示すような屈折率の異なる棒状の微小な柱状構造体を多数有するピラー構造の異方性光拡散層を得た。
<ルーバー構造>
上述のピラー構造と同じPETフィルムに挟まれた状態の紫外線硬化樹脂組成物に、上述のUVスポット光源の落射用照射ユニットから出射される平行光線の紫外線を、透過光線のアスペクト比が25となる指向性拡散要素を介して変換した線状光線である紫外線を、上述のピラー構造と同じ照射強度にて1分間垂直に照射し、図2(b)又は図6(a)に示すような屈折率の異なる略板状の微小な柱状構造体を多数有するルーバー構造の異方性光拡散層を得た。
ここで、以下説明する実施例に用いた異方性光拡散層は、上述したピラー構造とルーバー構造の2種類であり、それぞれ、図4に示す直線透過率を有する光拡散性を示した。また、それぞれの散乱中心軸角度は、層の法線方向に対して約0°であり、拡散幅は散乱中心軸角度を基準として、約−20°〜+20°であった。
またウインドシールドの運転者側表面に異方性光拡散層を用いる場合には、上述したルーバー構造の異方性光拡散層を用いた。
<評価装置>
以下説明する実施例の評価に用いたHUD装置について、光照射部としては、液晶プロジェクターを、反射部材は市販のミラーを、偏光部材は透過率42%及び偏光度99.9%の透明ハードコート処理された液晶ディスプレイ向け偏光板を用いて、上述の異方性光拡散層と共に車内のインストルメントパネル内に実施形態と同様に構成した。またコンバイナは、凹面側がビームスプリッターコートで覆われ、凸面側が反射防止コートで覆われた反射率が40%のハーフミラーを用い、カーナビで使用されるホルダーにて、傾斜させて固定させた状態で設けた。
加えて車にHUD装置及びコンバイナを設置する際、HUD装置の筐体の一部に設けられた開口部に閉塞する様に設けた異方性光拡散層に対し、液晶プロジェクターから照射される表示光の入射光角度が、異方性光拡散層の平面(層)法線方向から約45°の位置となる様な位置関係として配置した。
(実施例1)
上述した評価装置により、HUD装置の筐体の一部に設けられた開口部に閉塞する様、作製したピラー構造の異方性光拡散層を設け、第1の実施形態と同様の構成とし、評価を行った。なお、実施例1の構成要素を表1に示し、光学特性(輝度、コントラスト、ボケ感、視野角)評価結果を表2に示した。
(実施例2)
上述した評価装置により、HUD装置の筐体の一部に設けられた開口部に閉塞する様、作製したルーバー構造の異方性光拡散層を設け、第1の実施形態と同様の構成とし、評価を行った。なお、実施例2の構成要素を表1に示し、光学特性(輝度、コントラスト、ボケ感、視野角)評価結果を表2に示した。
(実施例3)
上述した評価装置により、HUD装置の筐体の一部に設けられた開口部に閉塞する様、作製したピラー構造の異方性光拡散層を設け、ピラー構造の異方性光拡散層の外光入射側表面上(透光性部材側)に、上述の偏光部材(透過率が42%及び偏光度が99.9%の透明ハードコート処理された液晶ディスプレイ向け偏光板)を設け第2の実施形態と同様の構成とし、評価を行った。なお、実施例3の構成要素を表1に示し、光学特性(輝度、コントラスト、ボケ感、視野角)評価結果を表2に示した。
(実施例4)
上述した評価装置により、HUD装置の筐体の一部に設けられた開口部に閉塞する様、作製したルーバー構造の異方性光拡散層を設け、ルーバー構造の異方性光拡散層の外光入射側表面上に上述の偏光部材(透過率が42%及び偏光度が99.9%の透明ハードコート処理された液晶ディスプレイ向け偏光板)を設け、第2の実施形態と同様の構成とし、評価を行った。なお、実施例4の構成要素を表1に示し、光学特性(輝度、コントラスト、ボケ感、視野角)評価結果を表2に示した。
(実施例5)
上述した評価装置により、HUD装置の筐体の一部に設けられた開口部に閉塞する様、作製したルーバー構造の異方性光拡散層を設け、ルーバー構造の異方性光拡散層の外光入射側表面上(透光性部材側)に上述の偏光部材(透過率が42%及び偏光度が99.9%の透明ハードコート処理された液晶ディスプレイ向け偏光板)を設け、また、ウインドシールドの運転者側表面にルーバー構造の異方性光拡散層を設け、第2の実施形態と第3の実施形態との複合構成とし、評価を行った。なお、実施例5の構成要素を表1に示し、光学特性(輝度、コントラスト、ボケ感、視野角)評価結果を表2に示した。
(実施例6)
上述した評価装置により、HUD装置の筐体の一部に設けられた開口部に閉塞する様、作製したピラー構造の異方性光拡散層を設け、開口部近傍のインストルメントルパネル上にコンバイナをカーナビで使用されるホルダーにて、傾斜させた状態で固定させて設け、第4の実施形態同様の構成とし、評価を行った。なお、実施例6の構成要素を表1に示し、光学特性(輝度、コントラスト、ボケ感、視野角)評価結果を表2に示した。
(実施例7)
上述した評価装置により、HUD装置の筐体の一部に設けられた開口部に閉塞する様、作製したピラー構造の異方性光拡散層を設け、第5の実施形態同様の構成とし、評価を行った。なお、実施例7の構成要素を表1に示し、光学特性(輝度、コントラスト、ボケ感、視野角)評価結果を表2に示した。
(比較例1)
上述した評価装置により、HUD装置の筐体の一部に設けられた開口部に閉塞する様、異方性光拡散層の代わりに透明のガラス板(ヘイズ約1%)を設けた他は、実施例1と同様の構成とし、評価を行った。なお、比較例1の構成要素を表1に示し、光学特性(輝度、コントラスト、ボケ感、視野角)評価結果を表2に示した。
(比較例2)
上述した評価装置により、HUD装置の筐体の一部に設けられた開口部に閉塞する様、異方性光拡散層の代わりに微粒子を分散した等方性光拡散層(ヘイズ約29%、全光線透過率約90%)を設けた他は、実施例1と同様の構成とし、評価を行った。なお、比較例2の構成要素を表1に示し、光学特性(輝度、コントラスト、ボケ感、視野角)評価結果を表2に示した。
(比較例3)
上述した評価装置により、HUD装置の筐体の一部に設けられた開口部に閉塞する様、異方性光拡散層の代わりに微粒子を分散した等方性光拡散層(ヘイズ約29%、全光線透過率約90%)を設け、等方性光拡散層の外光入射側表面上に、上述の偏光部材(透過率が42%及び偏光度が99.9%の透明ハードコート処理された液晶ディスプレイ向け偏光板)を設けた他は、実施例3と同様の構成とし、評価を行った。なお、比較例3の構成要素を表1に示し、光学特性(輝度、コントラスト、ボケ感、視野角)評価結果を表2に示した。
<<評価方法>>
上述の実施例及び比較例の各評価装置に関し、以下の様にして光学特性の評価を行った。
輝度(明所及び暗所)、コントラスト(暗所)、ボケ感、視野角(視点における)について、視認性の観点から目視評価にて光学特性の評価を行った。具体的には、5種類の異なる表示画像を用意し、各画像を10人の運転者が視認し、各運転者が得た所感を、各評価項目毎に設けられた得点基準により得点化(各項目5点満点)し、その各評価項目毎の全合計に対する平均値を算出し、本評価結果とした。
<評価項目の得点基準>
表2における各評価項目の得点基準は以下の通りである。また、数値としては、3以上が評価項目として良好であり、3未満が不良であるものとした。
「輝度(明所及び暗所)」
1(暗い)〜5(明るい)
「コントラスト(明所)」
1(薄い)〜5(濃い)
「ボケ感」
1(強い)〜5(弱い)
「視野角(視点における)」
1(狭い)〜5(広い)
「総合(合計点)」
13.0以上:HUD装置として十分な視認性を有する。
13.0未満:HUD装置として視認性が十分でない。
また上述の評価とは別に、虚像における2重虚像の度合いを、各実施例及び比較例に対し、上述の評価と同様に目視にて10人の運転者により確認をしたところ、実施例5が、2重虚像の度合いにおいて、最も良好な結果となった。
<<評価結果>>
表2に示される様に、本発明実施例においては、輝度、コントラスト、ボケ感、視野角において、全体的にバランス良く、良好な特性を示し、HUD装置として十分な視認性を有することができたのに対し、比較例では、上述の評価項目のいずれかにおいて、本発明の実施例に対し、劣り、HUD装置として視認性が十分でないものであった。特に、実施例3〜5においては、実施例の中でも高いコントラストを得ることができ、加えて実施例5においては、総合(合計点)が最も高くなり、HUD装置としては本実施例中、最も高い視認性を得られた。
加えて、実施例5は、ウインドシールドの運転者側表面に異方性光拡散層を使用しているため、車内のインストルメントパネル内に設置する際、各箇所において使用される異方性光学フィルムの選択性に大変有利であった。
また実施例6は、ウインドシールドの代わりにコンバイナを使用したため、HUD装置内の各構成要素の構成の自由度が増し、設置に大変有利であった。
そして実施例7は、反射部材を構成要素より除いたものであるため、HUD装置の車内設置自由度が高く、かつ、費用も他の実施例と比較して最も少なかった。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述した形態に限定されるものではない。すなわち、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、当業者が想到し得る他の形態、又は各種の変更例に関しても、本発明の技術的範囲に属するものである。
3、4〜6 HUD装置(表示装置、ヘッドアップディスプレイ)
30、34 筐体
31 光照射部
32 反射部材
33、35 開口部
44 コンバイナ(透光性部材)
40 ウインドシールド(透光性部材)
41、43、45 投射エリア
42 インストルメントパネル
50〜54 虚像
70 偏光部材
EP アイポイント(視点)
100 異方性光学フィルム(異方性光拡散層)
400 異方性光学フィルム(異方性光拡散層)
L 表示光
M 外光(太陽光等)
N 出射外光
P 散乱中心軸方向

Claims (8)

  1. 表示画像を表す表示光を透光性部材に向かって照射し、前記表示画像を虚像として視認可能に表示する表示装置であって、
    前記透光性部材の下方に配置される筐体と、
    前記筐体内に設けられた前記表示光を照射する光照射部と、
    前記筐体に配置され、前記表示光或いは外光の入射光角度により直線透過率が変化する異方性光拡散層であって、マトリックス領域と複数の柱状構造体である柱状領域とを有する異方性光拡散層を少なくとも備えた異方性光学フィルムと、
    を少なくとも備え、
    前記異方性光学フィルムが、前記光照射部と前記透光性部材との間の前記表示光光路上に位置する前記筐体の一部に配置されていることを特徴とする表示装置。
  2. 前記筐体は、前記表示光を前記筐体内から前記筐体外の前記透光性部材へ向けて通過させる開口部を有し、
    前記異方性光学フィルムが、前記開口部を閉塞するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記表示装置が、前記光照射部から照射される前記表示光を前記筐体外の前記透光性部材へ反射させる反射部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
  4. 前記異方性光学フィルムの前記透光性部材側に偏光部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3に記載の表示装置。
  5. 前記光照射部は、前記表示光が出射される側に配置された出射側偏光板を備え、
    前記出射側偏光板と前記偏光部材とは、
    前記出射側偏光板の偏光軸と、前記偏光部材の偏光軸とが一致するように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
  6. 前記異方性光拡散層は、少なくとも1つの散乱中心軸を有し、
    前記異方性光拡散層は、所定の角度範囲で入射した前記表示光或いは外光に対して拡散性が増加し直線透過率が最小値を示すと共に、前記所定の角度範囲以外の角度範囲で入射した前記表示光或いは外光に対して拡散性が減少し直線透過率が最大値を示し、
    前記所定の角度範囲は、前記異方性光拡散層の法線方向を、散乱中心軸角度及び入射光角度を基準とした場合、−20°〜+20°であり、
    前記所定の角度範囲以外の角度範囲は、前記異方性光拡散層の法線方向を、散乱中心軸角度及び入射光角度を基準とした場合、−30°〜−60°又は+30°〜+60°であることを特徴とする請求項1〜5に記載の表示装置。
  7. 前記複数の柱状構造体は、前記異方性光拡散層の一方の表面から他方の表面にかけて配向して構成され、平均短径と平均長径とのアスペクト比が2未満であることを特徴とする請求項1〜6に記載の表示装置。
  8. 前記複数の柱状構造体は、前記異方性光拡散層の一方の表面から他方の表面にかけて配向して構成され、平均短径と平均長径とのアスペクト比が2以上であることを特徴とする請求項1〜7に記載の表示装置。
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