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JP2018052890A - 術後の創傷治癒過程における炎症期の創傷治癒を促進するための栄養組成物 - Google Patents

術後の創傷治癒過程における炎症期の創傷治癒を促進するための栄養組成物 Download PDF

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JP2018052890A JP2016192773A JP2016192773A JP2018052890A JP 2018052890 A JP2018052890 A JP 2018052890A JP 2016192773 A JP2016192773 A JP 2016192773A JP 2016192773 A JP2016192773 A JP 2016192773A JP 2018052890 A JP2018052890 A JP 2018052890A
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亮治 福島
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Abstract

【課題】 術後の創傷治癒過程における炎症期の創傷治癒を促進するための栄養組成物を提供すること。
【解決手段】 コラーゲンペプチドを含有する、術後の創傷治癒過程における炎症期の創傷治癒を促進するための栄養組成物。さらに、微量元素やビタミン類を含有してもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、術後の創傷治癒過程における炎症期の創傷治癒を促進するための栄養組成物に関する。
一般に、手術を受ける際には手術に先だって麻酔が投与され、その麻酔の作用で体温が低下する。この体温低下は細胞の活動低下等を伴い、患者の回復を遅らせる原因にもなる。また術後に残された創傷に対しては、抗生物質の投与や消毒剤の塗布などにより創感染を防御する措置は施されるが、創傷自体の治癒は患者が持つ自然治癒力に頼っている。
従来では、周術期(手術の前後)における対応として栄養管理が重要であると言われている(非特許文献1:術前術後の栄養管理;東口高志, 伊藤彰博、藤田保健衛生大学医学部外科学・緩和ケア講座 MEDICAMENT NEWS (1912): 1-4, 2007.)。
その中でも免疫力を高めて、術後の早期回復を目指すためグルタミン、ω-3系脂肪酸、ビタミン、微量元素などの栄養素が必要であると報告されているが、コラーゲンペプチドについては報告されていない。
術前術後の栄養管理;東口高志, 伊藤彰博、藤田保健衛生大学医学部外科学・緩和ケア講座 MEDICAMENT NEWS (1912): 1-4, 2007.
本発明は、術後の創傷治癒過程における炎症期の創傷治癒を促進するための栄養組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、コラーゲンペプチドを含有する栄養組成物を切創モデル動物に与えることにより、血清CRPにおいて6日摘出群で有意な低値が認められ,創傷部位のコラーゲンの生成の指標であるコラーゲンI及びIIIの遺伝子発現に高値傾向が認められることを見出した。このことは、コラーゲンペプチド摂取により炎症期が短縮する可能性を示唆している。
創傷部では、コラーゲン合成を発現させることにより、組織の再構築が行われる。このコラーゲンの合成能を上げるために、コラーゲンペプチドを経口投与することにより、吸収されたコラーゲン分解物によりコラーゲン合成能が向上すると考えられる。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)コラーゲンペプチドを含有する、術後の創傷治癒過程における炎症期の創傷治癒を促進するための栄養組成物。
(2)1日あたり、10±3 gのコラーゲンペプチドが投与されるように用いられる、(1)記載の組成物。
(3)1投与単位あたり、10±3 gのコラーゲンペプチドを含み、1日あたり1投与単位で投与されるように用いられる、(2)記載の組成物。
(4)さらに、微量元素も投与されるように用いられる、(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)微量元素が、鉄、亜鉛及びセレンからなる群より選択される少なくとも1種である、(4)記載の組成物。
(6)1日あたり、5.0±3.0mgの鉄、12±6mgの亜鉛及び50±25μgのセレンからなる群より選択される少なくとも1種の微量元素が投与されるように用いられる、(5)記載の組成物。
(7)1投与単位あたり、5.0±3.0mgの鉄、12±6mgの亜鉛及び50±25μgのセレンを含み、1日あたり1投与単位で投与されるように用いられる、(6)記載の組成物。
(8)さらに、ビタミン類も投与されるように用いられる、(1)〜(7)のいずれかに記載の組成物。
(9)ビタミン類が、ビタミンA及び/又はβ−カロテン、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ナイアシン、葉酸、ビタミンD、ビタミンE、ビオチン、並びにパントテン酸からなる群より選択される少なくとも1種である、(8)記載の組成物。
(10)1日あたり、300±250μg(レチノール活性等量)のビタミンA及び/又はβ−カロテン、3.0±1.5mgのビタミンB、3.0±1.5mgのビタミンB、5.0±2.5mgのビタミンB、10±5μgの-ビタミンB12、500±250mgのビタミンC、15±7.5mgのナイアシン、550±275μgの葉酸、5.5±2.75μgのビタミンD、20±10mgのビタミンE、50±25μgのビオチン、並びに10±5mgのパントテン酸からなる群より選択される少なくとも1種のビタミン類が投与されるように用いられる、(9)記載の組成物。
(11)1投与単位あたり、300±250μg(レチノール活性等量)のビタミンA及び/又はβ−カロテン、3.0±1.5mgのビタミンB、3.0±1.5mgのビタミンB、5.0±2.5mgのビタミンB、10±5μgの-ビタミンB12、500±250mgのビタミンC、15±7.5mgのナイアシン、550±275μgの葉酸、5.5±2.75μgのビタミンD、20±10mgのビタミンE、50±25μgのビオチン、並びに10±5mgのパントテン酸を含み、1日あたり1投与単位で投与されるように用いられる、(10)記載の組成物。
(12)剤形が、液状、ゲル状、粉末、顆粒又は錠剤であり、経口投与される、(1)〜(11)のいずれかに記載の組成物。
本発明の組成物により、術後の創傷治癒過程における炎症期の創傷治癒を促進することが可能となる。
ラットにおけるコラーゲンペプチド経口摂取の皮膚切創部創傷治癒促進効果の評価(摂餌量)。 ラットにおけるコラーゲンペプチド経口摂取の皮膚切創部創傷治癒促進効果の評価(体重)。 ラットにおけるコラーゲンペプチド経口摂取の皮膚切創部創傷治癒促進効果の評価(血清CRP)。 ラットにおけるコラーゲンペプチド経口摂取の皮膚切創部創傷治癒促進効果の評価(コラーゲンIの遺伝子発現解析(Actb))。 ラットにおけるコラーゲンペプチド経口摂取の皮膚切創部創傷治癒促進効果の評価(コラーゲンIIIの遺伝子発現解析(Actb))。 ラットにおけるコラーゲンペプチド経口摂取の皮膚切創部創傷治癒促進効果の評価(コラーゲンIの遺伝子発現解析(Gapdh))。 ラットにおけるコラーゲンペプチド経口摂取の皮膚切創部創傷治癒促進効果の評価(コラーゲンIIIの遺伝子発現解析(Gapdh))。 ラットにおけるコラーゲンペプチド経口摂取の皮膚切創部創傷治癒促進効果の評価(ヒドロキシプロリン)。
以下、本発明の実施の形態についてより詳細に説明する。
本発明は、コラーゲンペプチドを含有する、術後の創傷治癒過程における炎症期の創傷治癒を促進するための栄養組成物を提供する。
コラーゲンペプチドは、吸収される際にジペプチドレベル(プロリルヒドロキシプロリン(以下、Pro-Hyp)、ヒドロキシプロリルグリシン(以下、Hyp-Gly))まで分解されて吸収される。
術後に皮膚、吻合部が損傷を受けた「炎症期」には、吸収されたPro-HypやHyp-Glyは損傷部位周辺の繊維芽細胞を刺激し、刺激を受けた繊維芽細胞は損傷部位へ遊走が促進される。損傷部位に集まった繊維芽細胞は細胞外マトリクス(コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸)を形成する。
「増殖期」には同時に細胞外マトリクスの形成と同時に血管新生がもたらされ肉芽組織を形成し、組織の欠損部を充てんする。
「成熟期」になると一旦、形成されたコラーゲンは分解され、より抗張力の強いコラーゲンへと再構築されていき、損傷部位の組織は修復される。
コラーゲンペプチドは、ゼラチンを加水分解し低分子化することにより得られるが、ゼラチンと比べ水分に溶解した際にゲル化する作用は低く、水溶性に優れ冷水にも容易に溶解する特性を持っている。また、コラーゲンペプチドの素となるコラーゲンは、ブタ、ウシ、トリ、魚の皮や骨などから抽出することが出来る。
本発明の組成物を用いてコラーゲンペプチドを投与する場合、一日あたりの投与量として、コラーゲンペプチドは、3〜20 gが適当であり、5〜15 gが好ましく、例えば、1日あたりの投与量を1投与単位として含む組成物を1日1回投与するように用いるとよい。本発明の組成物の好ましい使用態様では、1日あたり、10±3 gのコラーゲンペプチドが投与されるように用いられ、例えば、1投与単位あたり、10±3 gのコラーゲンペプチドを含む組成物が、1日あたり1投与単位で投与されるように用いられるとよい。
本発明の組成物は、さらに、微量元素も投与されるように用いられるとよい。微量元素は、鉄、亜鉛及びセレンからなる群より選択される少なくとも1種であるとよい。術後患者では、鉄欠乏などが生じることもあるので、組成物に鉄を添加するとよい。術後患者の創傷部及び/又は吻合部の回復を促進するためには、核酸・タンパク質合成補助因子、例えば、亜鉛を添加することが好ましい。亜鉛は、体内では、アルブミンやグロブリンなどと結合し、生体をくまなく流通する。低亜鉛血症では、皮膚や消化管などの上皮細胞、骨などから亜鉛が肝臓に動員され、これら上皮組織への欠乏がいち早く起こることが知られている。また、細胞の分化、増殖を促し得る細胞成長促進因子として、亜鉛を添加してもよい。亜鉛を用いる場合には、食品添加物として許可され又生物学的利用率の高い酵母が産生する亜鉛成分(ジンクイースト)を用いることが好ましい。また硫酸亜鉛を用いても良い。亜鉛は抗酸化酵素であるスーパーオキシドジスムターゼの構成物質であり、セレンは、抗酸化酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼの構成物質であるので、これらの微量元素の抗酸化剤としての作用を期待して、組成物に添加してもよい。抗酸化剤は、手術に伴う酸化的ストレスに対して強力な還元作用を有する。
本発明の組成物を用いて微量元素を投与する場合、1日あたりの投与量として、鉄は、1.0〜50.0 mgが適当であり、2.0〜10.0 mgが好ましく、亜鉛は、1.0〜45.0 mgが適当であり、1.5〜20.0 mgが好ましく、セレンは、5.0〜440 μgが適当であり、10〜120μgが好ましく、例えば、1日あたりの投与量を1投与単位として含む組成物を1日1回投与するように用いるとよい。本発明の組成物の好ましい使用態様では、1日あたり、5.0±3.0 mgの鉄、12±6 mgの亜鉛及び50±25μgのセレンからなる群より選択される少なくとも1種の微量元素が投与されるように用いられ、例えば、1投与単位あたり、5.0±3.0 mgの鉄、12±6 mgの亜鉛及び50±25μgのセレンを含む組成物が、1日あたり1投与単位で投与されるように用いられるとよい。
本発明の組成物は、さらに、ビタミン類も投与されるように用いられるとよい。ビタミン類は、ビタミンA、β−カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ナイアシン、葉酸、ビタミンD3、ビタミンE、ビオチン、並びにパントテン酸からなる群より選択される少なくとも1種であるとよい。
ビタミンA、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化ビタミンは、手術に伴う酸化的ストレスに対して強力な還元作用を有する抗酸化剤としての作用が期待される。これら抗酸化ビタミンは、作用するステージが異なることから、いずれか単独で使用するのではなく、同時に使用することが好ましい。また、上記抗酸化ビタミンの一つであるビタミンCは、抗酸化剤として作用するのみならず、cAMP亢進、脂質可溶化作用に直接関与し、また、コラーゲン形成、生体異物解毒、インタフェロン産生誘導、抗ヒスタミン作用、免疫機能増強、抗ウイルス、抗細菌などの種々の作用を有することから、抗酸化ビタミンとして、少なくともビタミンCを含めることが好ましい。ビタミンAは、抗酸化ビタミンとしての機能のほか、細胞分化・増殖を促す機能をも有する。細胞増殖・分化を促進させることにより、T細胞などの免疫細胞の増殖をも促すことが可能となるため、免疫力を向上させ、感染に対する防御力を高めることが可能となる。
ビタミンB、B、B、B12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸は、代謝補助因子としての作用が期待される。これら代謝を補助するビタミン群は、糖質、脂質、アミノ酸の代謝に関する補酵素としての役割を有し、生命活動に重要な成分である。例えば、ビタミンBはTPP(チアミンピロリン酸)として、BはFMN(フラビンモノヌクレオチド)、FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)として、解糖系、TCA回路、β酸化の調節に関与する。ビタミンBはピリドキサールリン酸などとしてアミノ酸代謝に関与する。ナイアシンは、NAD、NADPとして、解糖系、脂質代謝に関与する。また、パントテン酸はCoAとして、TCA回路、アミノ酸代謝、脂質代謝に関与する。葉酸はFH4として、アミノ酸代謝、核酸代謝に携わる。ビタミンB12はCoB12として、アミノ酸代謝に関与する。従って、これらビタミン群は、それぞれ異なる補酵素を構成する成分であることから、上記代謝補助因子として、上述したビタミン群の全てを用いることが好ましい。特に、これらビタミン群の摂取量は、エネルギー、蛋白質摂取の量により依存的に左右され、食物摂取量の少ない術後患者において全体的に不足する傾向がある。そのため、術後患者において必要となる細胞内のエネルギー供給を効率的に行わせるためには、上記全てのビタミン群を組成物に添加することが好ましい。
また、葉酸、ビタミンB12、β−カロテン、亜鉛などは、細胞の分化、増殖を促し得る細胞成長促進因子としての作用も期待できる。細胞増殖・分化を促進させることにより、リンパ球の一つであるT細胞などの免疫細胞の増殖をも促すことが可能となるため、免疫力を向上させ、手術による創傷や吻合からの治癒力や感染に対する防御力を高めることが可能となる。
また、上記ビタミン以外にも、カルシウムの吸収を促進するためのビタミンD(例えば、ビタミンD3)などを添加することもできる。その他にも、ビオチンを添加してもよい。ビオチンは脂肪酸代謝作用を有する補酵素であり、欠乏すると皮膚炎や脱毛が生じることがある。
本発明の組成物を用いてビタミン類を投与する場合、1日あたりの投与量として、ビタミンA及び/又はβ−カロテンは、20〜2,700μg(レチノール活性等量)が適当であり(例えば、ビタミンAが0〜2,700 μg、β−カロテンが0〜32.4mg)、50〜850μg(レチノール活性等量)が好ましく(例えば、ビタミンAが0〜850 μg、β−カロテンが0〜10.2mg)、ビタミンBは、0.1〜20 mgが適当であり、0.5〜10 mgが好ましく、ビタミンBは、0.1〜20 mgが適当であり、0.5〜10 mg が好ましく、ビタミンBは、1.0〜55 mgが適当であり、1.5〜20 mgが好ましく、ビタミンB12は、2.0〜100 μgが適当であり、5.0〜30μgが好ましく、ビタミンCは、40〜1,500 mgが適当であり、60〜1,000 mgが好ましく、ナイアシンは、2.0〜350 mgが適当であり、5.0〜30 mgが好ましく、葉酸は、100〜1,000 μgが適当であり、150〜900μgが好ましく、ビタミンD3は、0.2〜100μgが適当であり、0.5〜50μgが好ましく、ビタミンEは、5〜850 mgが適当であり、10〜500 mgが好ましく、ビオチンは、5.0〜200 μgが適当であり、10〜150μgが好ましく、パントテン酸は、2.0〜100 mgが適当であり、5.0〜30 mgが好ましく、例えば、1日あたりの投与量を1投与単位として含む組成物を1日1回投与するように用いられるとよい。本発明の組成物の好ましい使用態様では、1日あたり、300±250μg(レチノール活性等量)のビタミンA及び/又はβ−カロテン(例えば、ビタミンAが0〜550 μg、β−カロテンが0〜6.6 mg)、3.0±1.5mgのビタミンB、3.0±1.5mgのビタミンB、5.0±2.5mgのビタミンB、10±5μgの-ビタミンB12、500±250mgのビタミンC、15±7.5mgのナイアシン、550±275μgの葉酸、5.5±2.75μgのビタミンD、20±10mgのビタミンE、50±25μgのビオチン、並びに10±5mgのパントテン酸からなる群より選択される少なくとも1種のビタミン類が投与されるように用いられ、例えば、1投与単位あたり、300±250μg(レチノール活性等量)のビタミンA及び/又はβ−カロテン(例えば、ビタミンAが0〜550 μg、β−カロテンが0〜6.6 mg)、3.0±1.5mgのビタミンB、3.0±1.5mgのビタミンB、5.0±2.5mgのビタミンB、10±5μgの-ビタミンB12、500±250mgのビタミンC、15±7.5mgのナイアシン、550±275μgの葉酸、5.5±2.75μgのビタミンD、20±10mgのビタミンE、50±25μgのビオチン、並びに10±5mgのパントテン酸を含む組成物が、1日あたり1投与単位で投与されるように用いられるとよい。
さらに、本発明の組成物は、コエンザイムQ10、ガラクトオリゴ糖などを含有させてよい。コエンザイムQ10は、強い抗酸化作用を有するため、手術に伴う酸化的ストレスに対して強力な還元作用を有する抗酸化剤としての作用を期待できる。また、ATP産生に関与する成分であるため、補充することで栄養素の代謝が円滑に行われる効果も期待できる。ガラクトオリゴ糖は、消化管内でビフィズス菌を増加させ、整腸作用を示す機能性のオリゴ糖であり、補充することで消化管の状態を正常に保ち円滑な栄養素の吸収が期待できる。
本発明の組成物を用いて投与する場合、一日あたりの投与量として、コエンザイムQ10は、3〜30 mgが適当であり、5〜25 mgが好ましく、ガラクトオリゴ糖は、0〜10 gが適当であり、0〜5 gが好ましく、例えば、1日あたりの投与量を1投与単位として含む組成物を1日1回投与するように用いられるとよい。
本発明の組成物の投与は、経口で行われるとよい。場合によっては経鼻経管、胃瘻、腸瘻など経腸的な投与方法でも構わない。
本発明の組成物は、上記各成分を混合し、粉末、顆粒、錠剤、液剤などの剤形に構成することもできるが、術後患者が容易に摂取可能とするためには、液状(ドリンクタイプ)もしくはゲル状(ゼリータイプ)、粉末製品とすることが好ましい。液状もしくはゲル状、粉末製品とすれば、経口で摂取できる術後患者は経口にて、摂取することが可能となる。
また、ゲル状製品とする場合に、水にゲル化剤を溶解し、これに組成物の各成分を配合した後、容器に充填して、冷却するとよい。必要により、ゲル化剤を水に溶解させるために加熱をしたり、容器を密封したり、組成物を加熱等により殺菌するとよい。
経口で摂取する際の味覚を向上させるためには、水の代わりに果汁や野菜汁などを用いることができる。本発明の組成物への添加量は、一投与単位あたりの含有量として、水、果汁又は野菜汁は、10〜500 gが適当であり、35〜250 gが好ましい。果汁または野菜汁としては、ブルーベリー果汁、ぶどう果汁、グレープフルーツ果汁、レモン果汁、みかん(オレンジ)果汁、キャロット汁、リンゴ果汁、パイナップル果汁、桃果汁、バナナ果汁などを挙げることができ、ビタミンC、ビタミンB群の酸味、臭いを和らげることができるという点から、キャロット汁、ブルーベリー果汁やぶどう果汁が好ましい。液状製品の場合、一投与単位あたりの容量は、20〜250 mlが適当であり、30〜150 mlが好ましく、125±25 mLがより好ましい。また、液状製品の場合の水分含量は、例えば、一投与単位あたり、110±22.0 g程度とすることができる。ゲル状製品の場合、一投与単位あたりの質量は、20〜250 gが適当であり、30〜150 gが好ましく、80±16 gがより好ましい。また、ゲル状製品の場合の水分含量は、例えば、一投与単位あたり、53±10.6 g程度とすることができる。
ゲル化剤としては、デキストリン、寒天、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ペクチンなどの増粘多糖類、ジェランガム、サイリュームシードガム、タラガム、グアガム、グルコマンナンアルギン酸、タマリンドシードガム、セルロースなどを用いることができ、1種又は2種以上の増粘多糖類を用いることが好ましい。本発明の組成物への添加量は、一投与単位あたりの含有量として、ゲル化剤は、0.5〜5.0 gが適当であり、0.75〜2.0 gが好ましく、0.82±0.16gがより好ましい。
ゲル状製品のゲル強度は、術後患者が摂取できる限り、特に限定されるわけではないが、20℃におけるゲル強度が7,200±2,000 N/m2であることが好ましい。
また、ゲル強度が7,200±2,000 N/m2のとき、付着エネルギーが50.3±40 J/m3であり、凝集性が0.23±0.5 J/m3であることがより好ましい。このように付着性が低く、凝集性が高いゲルは優れた嚥下適性を有する。
ゲル強度は、以下のようにして測定することができる。ゲル強度測定機器としては、山電テクスチュロメーター及びφ20mm×8mmのプランジャーを用い、測定温度20℃、圧縮速度(プランジャーを押し込む速度)10mm/s、プランジャーを押し込む回数2回にて測定を行う。
付着エネルギーは上記ゲル強度測定において、1回押し込んだ後、プランジャーを引き抜くときの負のエネルギーとして測定する。
凝集性は上記ゲル強度測定において、2回押し込んだ時に1回目と2回目のエネルギーの比率として測定する。
さらに、本発明の組成物には、ブドウ糖、砂糖、香料、酸味料、甘味料(アセスルファムK、スクラロースなど)などを添加してもよい。また、必要に応じて、賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、防腐剤、コーティング剤、保存剤、着色剤、可塑剤などを添加してもよい。
本発明の組成物のエネルギー量は、一投与単位あたり、10〜200kcalが適当であり、20〜125kcalが好ましい。また、一般成分については、例えば、一投与単位当たり、たんぱく質の含有量は5〜50 g程度、炭水化物の含有量は3〜30 g程度、ナトリウムの含有量は1〜500 mg程度、水分の含有量は30〜150 g程度とするとよい。
本発明の組成物の標準成分表(ドリンクタイプ1本125mL±25 mL又はゼリータイプ1個80 g±16 g中)の例を下記の表1に示す。
原材料としては、コラーゲンペプチド(ゼラチン)、ガラクトオリゴ糖、砂糖、ブドウ糖、果汁(オレンジ、リンゴ、パインアップル、ピーチ、バナナ)、乾燥酵母、コエンザイムQ10、ビタミンC、乳酸Ca、香料、酸味料、ビタミンE、増粘多糖類、クエン酸鉄Na,甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、ナイアシン、パントテン酸Ca、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、β-カロテン、葉酸、ビタミンB12などを挙げることができる。
本発明の組成物は、原材料に由来するカリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどの電解質を含有してもよい。カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどの電解質成分は、日本人の食事摂取基準(男性の50〜59歳レベル)を超えないような量で含むことが望ましい。
ナトリウム(目標量(塩化ナトリウム相当量):8 g未満)
カリウム(目安量:2500 mg、目標量:3000 mg以上)
カルシウム(推奨量:700 mg)
マグネシウム(推奨量:350 mg)
リン(耐容上限量:3000 mg、目安量:1000 mg)
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
要約
本試験では,周術期の術後早期回復への臨床的応用を目指し,創傷治癒作用について,ラットの切創モデルを用いて,創傷部位のコラーゲンの生成を指標に検討を行った.
切創モデルは8週齢のSlc:SD (SPF)ラットの背部正中に約7cmの切創を作製し,スポンジを挿入後縫合し作製した.
群構成は,2日摘出群,4日摘出群及び6日摘出群それぞれに被験物質であるCP10群,比較対照物質として注射用水群及びアルジネード群を設定した.
その結果, CP10群の血清CRPにおいて6日摘出群で有意な低値が認められ,創傷部位のコラーゲンの生成の指標であるコラーゲンI及びIIIの遺伝子発現に高値傾向が認められた.また,ヒドロキシプロリン含量に有意差又は増加傾向は認められなかったが,炎症期に観察される既存コラーゲンの分解によるヒドロキシプロリンの速やかな減少が認められた.
炎症期にはコラーゲンが炎症細胞によって分解され減少を示し,その後の線維化期にコラーゲンが増加を示すことが知られており,コラーゲンI及びIIIの遺伝子発現において2及び4日摘出群と比較し6日摘出群でいずれの投与群においても増加を示している.よって,ヒドロキシプロリンについては,炎症期のためコラーゲンが分解され減少した結果である可能性が考えられた.
CP10群では,上述のとおり血清CRPが6日摘出群で有意な低値を示した.これはCP10を投与することによりコラーゲンI及びIIIの遺伝子発現が増加し,炎症期の創傷治癒が促進した結果,注射用水及びアルジネード群よりも早期に炎症が治まった可能性が考えられた.
炎症が早期に治まる場合,速やかに線維化期に移行すると考えられ,線維芽細胞の増殖により早期にコラーゲン量の増加を示す可能性が示唆された.
以上のことを総括すると,本試験条件下においてコラーゲンペプチド摂取により炎症期が短縮する可能性が示唆された.その結果,速やかに線維化期に移行し創傷治癒作用を示す可能性が示唆された.
試験目的
周術期の術後早期回復への臨床的応用を目指し,創傷治癒作用について,ラットの切創モデルを用いて,創傷部位のコラーゲンの生成(遺伝子発現及びタンパク質量)を指標に検討を行った.
適用した基準
当該試験は厚生労働省における医薬品GLP省令の対象外とした.
本試験は以下の法律,基準及び指針を準用した.
・ 動物の愛護及び管理に関する法律
〔法律第105号,昭和48年10月1日(平成26年5月30日最終改正:法律第46号)〕
・ 実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準
〔環境省告示第88号,平成18年4月28日(平成25年8月30日最終改正:環境省告示第84号)〕
・ 動物の殺処分方法に関する指針
〔総理府告示第40号,平成7年7月4日(平成19年11月12日一部改正:環境省告示第105号)〕
なお,当該試験は試験実施施設内の動物実験委員会が規定する動物実験計画書(審議No. 151201B)の審議・承認を得た後に実施した.
試験材料及び器材
1.被験物質,比較対照物質及び試薬
被験物質であるCP10(ロット番号:4E31/STB)は,1本(125 mL)中にコラーゲンペプチドを10 g含有する液体(30本入手)であった.
比較対照物質であるアルジネード(ロット番号:5281/0856)は,1本(125 mL)中にアルギニンを2.5 g含有する液体(24本入手)であった.
被験物質及び比較対照物質はいずれも2015年12月21日にニュートリー株式会社より入手し,試験期間を通じて被験物質保存庫IVにて常温・暗所(許容範囲:許容温度:10〜30℃,実測値:22〜25℃)で保存した.
試薬である注射用水(大塚蒸留水)「ロット番号:K4I72,(株)大塚製薬工場」,塩酸メデトミジン(ドルベネ注)「ロット番号:310906,共立製薬(株)」,ミダゾラム(ミダゾラム注射液)「ロット番号:C14037,テバ製薬(株)」,ブトルファノール(べトルファール)「ロット番号:36,Meiji Seikaファルマ(株)」はいずれも室温保存した.
2.使用動物
7週齢(モデル作製時週齢:8週齢)のSlc:SD (SPF)ラット,雄性63匹(発注数:雄性60匹)を日本エスエルシー(株)(引佐支所)より,2016年1月19日に入手した.
動物は入荷から群分け日までは馴化を行った.ただし,入荷日を0日として5日までの期間は検疫を行った.一般状態観察は毎日行い,体重はパーソナル電子天秤(EW-12Ki,(株)エー・アンド・デイ)を使用して,入荷1(入荷翌日),3及び5日に測定した.
動物は入荷日に耳パンチ法により個体を識別した.各ケージには試験番号,性別及び個体識別番号(耳パンチ番号)を記入したカードを付けた.群分け後は群及び動物番号を追記した.
3.飼育方法
動物は111動物室に温度22±3℃(実測値:19.8〜22.0℃),湿度50±20%(実測値:40.5〜52.7%),換気回数13〜17回/時間(HEPAフィルターでろ過したオールフレッシュ方式),照明時間8:00〜20:00(明12時間,暗12時間)の飼育環境下で,ステンレス製可動ラック(1790W×470D×1650H mm)に装着したステンレス製金網2連ケージの1区画(255W×185D×200H mm)に個別に収容した.
飼料はステンレス製固型飼料給餌器により固型飼料ラボMRストック(ロット番号:20151081,日本農産工業(株))を,試験期間を通じ自由に与えた.
飲料水はポリサルフォン製給水器(先管ステンレス製)により水道水を,試験期間を通じ自由に与えた.
器材はいずれも使用に先立ってオートクレーブで高圧蒸気滅菌し,汚物受け皿は3回/週以上,給水器は2回/週,その他は2回/月の頻度で交換した.
飼料については,ロットごとに有害物質は(一財)東京顕微鏡院で,栄養分析及び微生物検査はオリエンタル酵母工業(株)で分析した成績書を,いずれも日本農産工業(株)より入手し,標準操作手順書に定めた基準値の許容範囲内であることを確認した.また,飲料水については,水道水の一般検査を隔月ごとに(一財)北海道薬剤師会公衆衛生検査センターに依頼し,成績書を入手して検査結果が標準操作手順書に定めた基準値の許容範囲内であることを確認した.また,上記一般検査実施月以外には残留塩素(遊離残留塩素濃度)測定を実施し,標準操作手順書に定めた基準値の許容範囲内であることを確認した.
試験方法
1.投与物質の調製
被験物質及び比較対照物質は,そのまま使用した.
2.動物の選択及び群分け法
検疫・馴化期間が終了し,一般状態に異常のみられなかった7週齢のラット(個体識別番号37の動物は,左上切歯破折のため,群分けから除外した.)を使用した.検疫期間の最終日に測定した体重を指標として,層別連続無作為化法を用いて,下記に記載した群構成表に基づき群分けを行った.
3.被験物質の投与
被験物質及び比較対照物質は,群分け後より,1日1回,摘出日まで,胃ゾンデを用いて胃内に強制投与を行った.
投与液量は,5 mL/kg/dayとして,最新体重を基に算出し,小数点以下2桁を四捨五入し,小数点以下1桁で表示した.
投与量については,有効性が期待される投与量に設定した.
4.切創モデルの作製
被験物質及び比較対照物質投与開始4日目の投与翌日にモデル作製を行った.
ラットを塩酸メデトミジン0.15 mg/kg,ミダゾラム2 mg/kg,ブトルファノール2.5 mg/kg混合液麻酔下(腹腔内投与)(麻酔が浅い場合は,麻酔の追加投与を実施した)で腹臥位に固定し,背部をシェーバーで剃毛した.肩甲骨直下より背部正中に約7cmの切創を作製し,スポンジ(セルローススポンジ,富士ケミカル(株),長さ6cm,幅0.2cm,高さ0.5cm)を挿入後,中央部を縫合し,更に頭部側及び尾部側をそれぞれ約0.5cm間隔で縫合した.創面に防水シートを貼付し,ガーゼ及び粘着包帯で固定した.
切創の作製条件及び用いるスポンジについては,事前の検討試験[「ラット切創モデルを用いたCP-10の創傷治癒作用の評価(検討試験)」,試験番号:15064,株式会社新薬リサーチセンター]により確認を行った.なお,検討試験において,切創作製及びスポンジ挿入による動物への悪影響は認められなかった.
モデル作製後も被験物質及び比較対照物質の投与は継続した.
5.摘出及び採血
切創モデル作製日を0日とし,2,4あるいは6日のそれぞれ,被験物質及び比較対照物質の投与後に採血及びスポンジの摘出を実施した.すなわち,ガーゼ及び粘着包帯を除去後,塩酸メデトミジン0.15 mg/kg,ミダゾラム2 mg/kg,ブトルファノール2.5 mg/kg混合液麻酔下(腹腔内投与)(麻酔が浅かったため,全例について麻酔の追加投与を実施した)で腹大動脈より注射針(テルモ(株))及び注射筒(テルモ(株))を用いて全採血を行った.得られた血液は,血清を分取し,CRPの測定に用いた.採血終了後,腹大動脈より放血安楽死させ,縫合糸を外してスポンジを摘出した.
摘出したスポンジは,上下に2等分して,一方を遺伝子解析用に,一方をヒドロキシプロリン定量用に使用した.なお,解析に使用するまでのスポンジは,-80℃以下で保存した.
6.一般状態観察
一般状態観察は,1日1回,摘出日までを行った.
7.摂餌量測定
摂餌量は,投与開始より摘出日まで,1日あたり摂餌量を毎日測定した.
8.体重測定
体重測定は,被験物質投与開始日,切創作製当日の術前及び解剖前に行った.
9.血清CRPの測定
得られた血清を用いて,ELISA法によりCRPの測定を行った.(Rat High-sensitive CRP ELISA Kit(KAMIYA BIOMEDICAL COMPANY))
10.コラーゲンI及びIIIの遺伝子発現解析
摘出したスポンジは長さ約0.5cmにトリミング後,コラーゲンI及びIII型の遺伝子発現解析を行った.
11.ヒドロキシプロリンの定量
摘出したスポンジより細胞の抽出を行い,ELISA法により,ヒドロキシプロリンの定量を行った.
12.試験スケジュール
13.動物の愛護/動物実験計画書(審議No. 151201B)
人道的エンドポイント(実験動物を激しい苦痛から解放するための安楽死のタイミング)について,適用した動物は発生しなかった.
14.統計処理
得られた数値は各群で平均値及び標準誤差を算出した.
統計処理は,A〜C群(2日摘出群),D〜F群(4日摘出群)及びG〜I群間(6日摘出群)で,それぞれ行った.
A(注射用水群「Control」)とB(CP10群)及びC群(アルジネード群「Arg」),D(注射用水群「Control」)とE(CP10群)及びF群(アルジネード群「Arg」),G(注射用水群「Control」)とH(CP10群)及びI群(アルジネード群「Arg」)間の比較は,Bartlett法により等分散性の検定を行い,等分散の場合は更に一元配置分散分析を行い,有意な場合はTukey法により平均値の比較を行った.不等分散の場合はKruskal-WallisのH検定を行い,有意な場合はTukey法により平均順位の比較を行った.
Bartlett法,一元配置分散分析及びKruskal-WallisのH検定については有意水準を危険率5%,Tukey法については有意水準を危険率5%及び1%とした.
15.群分けから除外された動物の処置
群分け後の残余動物については,群分け終了後に試験から除外し,塩酸メデトミジン0.15 mg/kg,ミダゾラム2 mg/kg,ブトルファノール2.5 mg/kg混合液麻酔下(腹腔内投与)で腹大動脈より放血安楽死させた.
試験結果
1.一般状態観察
いずれの群においても試験期間を通じて異常は認められなかった.
2.摂餌量
結果を図1,表1に示した.
2日摘出群,4日摘出群及び6日摘出群間いずれもほぼ同様に推移し試験期間を通じて有意差は認められなかった.
3.体重
結果を図2,表2に示した.
2日摘出群,4日摘出群及び6日摘出群間いずれもほぼ同様に推移し試験期間を通じて有意差は認められなかった.
4.血清CRP
結果を図3,表3に示した.
6日摘出注射用水群と比較し,CP10群で有意な低値が認められた.
2日摘出群及び4日摘出群では,有意差は認められなかった.
5.コラーゲンI及びIIIの遺伝子発現解析
結果を図4〜7,表4に示した.
リアルタイムPCRの実施基準をRNA Integrity Number(RIN)値7.0以上とし,品質確認を実施した結果,いずれの検体においてもRIN値7.0以上(実測値:7.8〜9.8)を満たしていた.
内部標準遺伝子はActb及びGapdhとし,コラーゲンI(Col1a1)及びコラーゲンIII(Col3a1)のRQ(相対値)を算出した.
なお,2日摘出注射用水群の平均相対値を1とし,それぞれの摘出日における検体の相対値を算出した.
その結果,2日摘出群,4日摘出群及び6日摘出群間,いずれの項目においても有意差は認められなかった.しかし,CP10群の4日摘出群及び6日摘出群において高値傾向が認められた.
また,参考データとするためAとB及びC群,DとE及びF群,GとH及びI群間の比較をMann-WhitneyのU検定で行ったが,いずれの群間も有意差は認められなかった.
6.ヒドロキシプロリンの定量
結果を図8,表5に示した.
2日摘出群,4日摘出群及び6日摘出群間,いずれも有意差は認められなかった.



考察
本試験では,周術期の術後早期回復への臨床的応用を目指し,創傷治癒作用について,ラットの切創モデルを用いて,創傷部位のコラーゲンの生成(遺伝子発現及びタンパク質量)を指標に検討を行った.
切創モデルは8週齢のSlc:SD (SPF)ラットに肩甲骨直下より背部正中に約7cmの切創を作製し,スポンジを挿入後,中央部,頭部側及び尾部側をそれぞれ約0.5cm間隔で縫合し作製した.
群構成は,2日摘出群,4日摘出群及び6日摘出群それぞれに被験物質であるCP10(コラーゲンペプチドとして400 mg/kg/day)群,比較対照物質として注射用水群及びアルジネード(アルギニンとして100 mg/kg/day)群を設定した.
その結果, CP10群の血清CRPにおいて6日摘出群で有意な低値が認められ,創傷部位のコラーゲンの生成の指標であるコラーゲンI及びIIIの遺伝子発現に高値傾向が認められた.しかし,ヒドロキシプロリン含量に有意差又は増加傾向は認められなかったが,炎症期に観察される既存コラーゲンの分解によるヒドロキシプロリンの速やかな減少が認められた.
丸山らの報告(丸山 圭一, 伊藤 一二, 三輪 潔, 北島 政樹, 橋本 正夫, 田畑 健久ら. 消化管吻合の原理からみた縫合不全の対策微細血管像Collagen量などによる検討. 日消外会誌. 1974; 7(1): 18-25.)において炎症期にはコラーゲンが炎症細胞によって分解され減少を示すが,その後の線維化期に線維芽細胞の増殖によりコラーゲンが産生され増加を示すとあり,コラーゲン量の指標であるヒドロキシプロリンは一旦減少を示し,その後増加を示すというデータが示されている.また,コラーゲンI及びIIIの遺伝子発現において2及び4日摘出群と比較し6日摘出群でいずれの投与群においても増加を示している.よって,ヒドロキシプロリンについては,炎症期のためコラーゲンが分解され減少した結果である可能性が考えられた.以上の結果から,本試験では炎症期の治癒反応が観察されたと考えられた.
CP10群では,上述のとおり血清CRPが6日摘出群で有意な低値を示した.これはCP10を投与することにより炎症期の速やかなコラーゲンの分解及びコラーゲンI及びIIIの遺伝子発現が増加し,炎症期の創傷治癒が促進した結果,注射用水及びアルジネード群よりも早期に炎症が治まった可能性が考えられた.
炎症が早期に治まる場合,速やかに線維化期に移行すると考えられ,線維芽細胞の増殖により早期にコラーゲン量の増加を示す可能性が示唆された.
以上のことを総括すると,本試験条件下においてコラーゲンペプチド摂取により炎症期が短縮する可能性が示唆された.その結果,速やかに線維化期に移行し創傷治癒作用を示す可能性が示唆された.
本発明は、術後の創傷部の回復促進に利用可能である。

Claims (12)

  1. コラーゲンペプチドを含有する、術後の創傷治癒過程における炎症期の創傷治癒を促進するための栄養組成物。
  2. 1日あたり、10±3 gのコラーゲンペプチドが投与されるように用いられる、請求項1記載の組成物。
  3. 1投与単位あたり、10±3 gのコラーゲンペプチドを含み、1日あたり1投与単位で投与されるように用いられる、請求項2記載の組成物。
  4. さらに、微量元素も投与されるように用いられる、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 微量元素が、鉄、亜鉛及びセレンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4記載の組成物。
  6. 1日あたり、5.0±3.0mgの鉄、12±6mgの亜鉛及び50±25μgのセレンからなる群より選択される少なくとも1種の微量元素が投与されるように用いられる、請求項5記載の組成物。
  7. 1投与単位あたり、5.0±3.0mgの鉄、12±6mgの亜鉛及び50±25μgのセレンを含み、1日あたり1投与単位で投与されるように用いられる、請求項6記載の組成物。
  8. さらに、ビタミン類も投与されるように用いられる、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
  9. ビタミン類が、ビタミンA及び/又はβ−カロテン、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ナイアシン、葉酸、ビタミンD、ビタミンE、ビオチン、並びにパントテン酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項8記載の組成物。
  10. 1日あたり、300±250μg(レチノール活性等量)のビタミンA及び/又はβ−カロテン、3.0±1.5mgのビタミンB、3.0±1.5mgのビタミンB、5.0±2.5mgのビタミンB、10±5μgの-ビタミンB12、500±250mgのビタミンC、15±7.5mgのナイアシン、550±275μgの葉酸、5.5±2.75μgのビタミンD、20±10mgのビタミンE、50±25μgのビオチン、並びに10±5mgのパントテン酸からなる群より選択される少なくとも1種のビタミン類が投与されるように用いられる、請求項9記載の組成物。
  11. 1投与単位あたり、300±250μg(レチノール活性等量)のビタミンA及び/又はβ−カロテン、3.0±1.5mgのビタミンB、3.0±1.5mgのビタミンB、5.0±2.5mgのビタミンB、10±5μgの-ビタミンB12、500±250mgのビタミンC、15±7.5mgのナイアシン、550±275μgの葉酸、5.5±2.75μgのビタミンD、20±10mgのビタミンE、50±25μgのビオチン、並びに10±5mgのパントテン酸を含み、1日あたり1投与単位で投与されるように用いられる、請求項10記載の組成物。
  12. 剤形が、液状、ゲル状、粉末、顆粒又は錠剤であり、経口投与される、請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
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