JP2018052017A - 金属/樹脂複合構造体および金属/樹脂複合構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
微細凹凸表面を有する金属部材(M)と、
上記金属部材(M)に接合し、かつ、ポリフェニレンスルフィド(a)を主成分として含む樹脂組成物(A)および上記樹脂組成物(A)に無機フィラー(F)を含有させたフィラー含有樹脂組成物(B)(ただし、上記樹脂組成物(A)は上記無機フィラー(F)を含まない)から選択される樹脂組成物(P)により構成されたポリフェニレンスルフィド系樹脂部材と、
を備える金属/樹脂複合構造体であって、
上記ポリフェニレンスルフィド系樹脂部材は上記金属部材(M)の上記微細凹凸表面に固着しており、
上記樹脂組成物(P)が以下の要件1と要件2を同時に満たす金属/樹脂複合構造体。
〔要件1〕示差走査熱量計(DSC)を用いて観測される融点(Tm)が250℃以上である。
〔要件2〕DSCを用いて観測される融解エンタルピーΔHf(J/g)と、245℃での等温結晶化における半結晶化時間(τ1/2)とが下記式(1)の関係を満たす。なお下記式(1)中、rは上記金属部材(M)に固着する固着体が上記樹脂組成物(A)である場合は100であり、上記固着体が上記フィラー含有樹脂組成物(B)である場合は、上記フィラー含有樹脂組成物(B)中に占める上記樹脂組成物(A)の質量%を示す。
上記[1]に記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記フィラー含有樹脂組成物(B)中の上記無機フィラー(F)の含有量が、上記樹脂組成物(A)の含有量を100質量部としたとき、0質量部超過100質量部以下である金属/樹脂複合構造体。
[3]
上記[1]または[2]に記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記式(1)の分母である(100×ΔHf/r)の値が15J/g以上100J/g未満である金属/樹脂複合構造体。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記樹脂組成物(A)が変性ポリオレフィン樹脂(b)をさらに含み、
上記樹脂組成物(A)に含まれる上記ポリフェニレンスルフィド(a)と上記変性ポリオレフィン樹脂(b)との合計を100質量部としたとき、上記ポリフェニレンスルフィド(a)の含有量が70質量部以上100質量部未満であり、上記変性ポリオレフィン樹脂(b)の含有量が0質量部超過30質量部以下である金属/樹脂複合構造体。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記金属部材(M)が、鉄、高張力鋼、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金から選択される一種または二種以上を含む金属/樹脂複合構造体。
[6]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記金属部材(M)の上記微細凹凸表面には、間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部が林立している金属/樹脂複合構造体。
[7]
上記[6]に記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記金属部材(M)の上記微細凹凸表面には、間隔周期が500nm未満の超微細凹凸構造が観測される金属/樹脂複合構造体。
[8]
上記[6]に記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記金属部材(M)の上記微細凹凸表面には、間隔周期が500nm未満の超微細凹凸構造が観測されず、かつ、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が0.5μm以上500μm以下の凸部が林立した微細凹凸構造が形成されている金属/樹脂複合構造体。
[9]
上記[8]に記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記金属部材(M)の上記微細凹凸表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(1)および(2)を同時に満たす金属/樹脂複合構造体。
(1)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が30%以下である直線部を1直線部以上含む。
(2)すべての直線部の、評価長さ4mmにおける十点平均粗さ(Rz)が2μmを超える。
[10]
上記[1]乃至[9]のいずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体を製造するための製造方法であって、
微細凹凸表面を有する金属部材(M)を金型にインサートするインサート工程と、
インサートされた上記金属部材(M)の少なくとも上記微細凹凸表面に、ポリフェニレンスルフィド(a)を主成分として含む樹脂組成物(A)および上記樹脂組成物(A)に無機フィラー(F)を含有させたフィラー含有樹脂組成物(B)(ただし、上記樹脂組成物(A)は上記無機フィラー(F)を含まない)から選択される樹脂組成物(P)を射出し、上記樹脂組成物(P)の一部分が上記微細凹凸表面の微細凹凸に侵入した後に上記樹脂組成物(P)を固化することによって上記金属部材(M)の表面にポリフェニレンスルフィド系樹脂部材を接合する接合工程と、
を含む金属/樹脂複合構造体の製造方法。
本実施形態の金属/樹脂複合構造体106は、微細凹凸表面を有する金属部材(M)103と、金属部材(M)103に接合し、かつ、ポリフェニレンスルフィド(a)を主成分として含む樹脂組成物(A)および樹脂組成物(A)に無機フィラー(F)を含有させたフィラー含有樹脂組成物(B)(ただし、樹脂組成物(A)は無機フィラー(F)を含まない)から選択される樹脂組成物(P)により構成されたポリフェニレンスルフィド系樹脂部材(以下、樹脂部材105とも呼ぶ。)と、を備える。そして、樹脂部材105は金属部材(M)103の微細凹凸表面に固着しており、樹脂組成物(P)が以下の要件1と要件2を同時に満たす。
〔要件1〕示差走査熱量計(DSC)を用いて観測される融点(Tm)が250℃以上である。
〔要件2〕DSCを用いて観測される融解エンタルピーΔHf(J/g)と、245℃での等温結晶化における半結晶化時間(τ1/2)とが下記式(1)の関係を満たす。なお下記式(1)中、rは金属部材(M)103に固着する固着体が樹脂組成物(A)である場合は100であり、上記固着体がフィラー含有樹脂組成物(B)である場合は、フィラー含有樹脂組成物(B)中に占める樹脂組成物(A)の質量%を示す。
樹脂組成物(A)はポリフェニレンスルフィド(a)を主成分として含む。なお、本実施形態において「主成分」とは50質量%を超える構成成分として定義される。樹脂組成物(A)に占めるポリフェニレンスルフィド(a)は好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。樹脂組成物(A)に占めるポリフェニレンスルフィド(a)の上限は特に限定されないが、例えば、100質量%以下である。
また、本実施形態に係るポリフェニレンスルフィド(a)とは、PPSと称される範疇に属するものであればよく、その中でも樹脂組成物部品とする際の成形加工性に優れることから直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターにて、測定温度315℃、荷重98N(10kgf)の条件下、測定した溶融粘度が100〜30000ポイズであるものが好ましい。また、PPSはアミノ基やカルボキシル基等で置換したものや、重合時にトリクロロベンゼン等で共重合したものであってもよい。
また、樹脂組成物(A)が、耐衝撃性を改良する観点から、樹脂組成物(A)に含まれるポリフェニレンスルフィド(a)と変性ポリオレフィン樹脂(b)との合計を100質量部としたとき、ポリフェニレンスルフィド(a)を70質量部以上100質量部未満と変性ポリオレフィン樹脂(b)を0質量部超過30質量部以下含むことが好ましく、ポリフェニレンスルフィド(a)を70質量部以上99質量部以下と変性ポリオレフィン樹脂(b)を1質量部以上30質量部以下含むことがより好ましく、ポリフェニレンスルフィド(a)を70質量部以上97質量部以下と変性ポリオレフィン樹脂(b)を3質量部以上30質量部以下含むことがさらに好ましい。
変性ポリオレフィン樹脂(b)としては、ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン系共重合体、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル部分鹸化物系共重合体等のポリオレフィン樹脂に対して、不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト重合させた重合体等を挙げることができる。
変性ポリオレフィン樹脂(b)の酸変性量は特に制限されないが、接着性向上の観点から、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部であり、より好ましくは0.1〜3質量部である。
また、変性ポリオレフィン樹脂(b)は、公知の製造方法、例えば、未変性ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類とを溶融状態で反応させる方法、溶液状態で反応させる方法、スラリー状態で反応させる方法、気相状態で反応させる方法等により製造することができる。
無機フィラー(F)としては繊維状充填剤、粒状充填剤、板状充填剤等の充填剤を挙げることができる。該繊維状充填剤としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が挙げられる。ガラス繊維の具体的な例示としては、平均繊維径が6〜14μmのチョップドストランド等が挙げられる。また、該板状、粒状充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、マイカ、ガラスフレーク、ガラスバルーン、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、粘土、ガラス繊維、炭素繊維やアラミド繊維の粉砕物等が挙げられる。
〔要件1〕後述する示差走査熱量計(DSC)を用いて観測される融点(Tm)が250℃以上、好ましくは260℃以上、より好ましくは270℃以上である。このような融点を有する樹脂組成物(P)を用いることによって高耐熱化の要求が強い分野、例えば、自動車エンジンルーム内の部品、駆動系部品、あるいは表面実装(SMT)ハンダの鉛フリー化に対応可能な高融点ハンダ周辺の部材への適用が可能となる。
〔要件2〕後述するDSCを用いて観測される融解エンタルピーΔHf(J/g)と、245℃での等温結晶化における半結晶化時間(τ1/2)とが、通常は下記式(1)の関係を満たし、好ましくは下記式(2)の関係を満たし、より好ましくは下記式(3)の関係を満たし、特に好ましくは下記式(4)の関係を満たす。このような範囲にすることで、金属部材(M)103の表面と該表面上に固着した樹脂部材105の接合強度が飛躍的に向上することを本発明者らは見出したのである。なお式(1)〜式(4)において、rは金属部材(M)103に固着する固着体が樹脂組成物(A)である場合は100であり、固着体がフィラー含有樹脂組成物(B)である場合は、該組成物(B)中に占める樹脂組成物(A)の質量%を示す。
ポリフェニレンスルフィド等の結晶性樹脂では、金型内の冷却過程において、固化速度は樹脂の結晶化に支配される。結晶化が起こりやすい樹脂は固化も早く、結晶化を起こりにくくすることが、固化を遅らせ、金属微細孔への樹脂侵入を促進する手段である。結晶化の起こりにくさは、結晶化度と結晶化速度で表すことができ、ΔHfが結晶化度、τ1/2が結晶化速度に対応する。結晶化を起こりにくくするためには、ΔHfを小さくし、τ1/2を大きくすることが重要である。
以下、本実施形態に係る金属部材(M)103について説明する。
金属部材(M)103を構成する金属材料は特に限定されないが、例えば、鉄、高張力鋼、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、軽量かつ高強度の点から、アルミニウム(アルミニウム単体)およびアルミニウム合金が好ましく、アルミニウム合金がより好ましい。また、高強度の観点から、鉄および高張力鋼が好ましい。
アルミニウム合金としては、JIS H4000に規定された合金番号1050、1100、2014、2024、3003、5052、6061、6063、7075等が好ましく用いられる。
また、樹脂部材105と接合する接合部表面104の形状は、特に限定されないが、平面、曲面等が挙げられる。
必要な形状に加工された金属部材(M)103は、長期間の自然放置で表面に酸化皮膜である錆の存在が明らかなものは研磨、化学処理等でこれを取り除くことが好ましい。
これにより、本実施形態に係る樹脂部材105が、金属部材(M)103表面の上記微細凹凸に入り込むため、金属部材(M)103と樹脂部材105との接合強度をより向上させることができる。凸部の間隔周期が上記下限値以上であると、上記微細凹凸表面の凹部に樹脂部材105が十分に進入することができ、その結果、金属部材(M)103と樹脂部材105との接合強度をより向上させることができる。また、凸部の間隔周期が上記上限値以下であると、得られる金属/樹脂複合構造体106の金属―樹脂界面に隙間が生じるのをより抑制できる。その結果、金属―樹脂界面の隙間から水分等の不純物が浸入することを抑制できるため、金属/樹脂複合構造体106を高温、高湿下で用いた際、強度が低下することをより抑制できる。
具体的には、間隔周期が500nm未満の超微細な凹凸構造については電子顕微鏡により測定することが可能であり、間隔周期が500nmを超える微細凹凸構造についてはレーザー顕微鏡または表面粗さ測定装置を用いることによって求めるがこの限りではない。なお、電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡で撮影した写真から間隔周期を求める場合は、具体的には、金属部材(M)103の表面110を撮影する。その写真から、任意の凸部を50個選択し、それらの凸部から隣接する凸部までの距離をそれぞれ測定する。凸部から隣接する凸部までの距離の全てを積算して50で除したものを間隔周期とする。
本実施形態に係る金属部材(M)103は、金属部材(M)103の微細凹凸表面(接合部表面104)上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(1)および(2)を同時に満たすことが好ましい。このような要件を満たす表面形状を有する金属部材(M)103は、上記した置換晶析法によって得られ、その詳細な方法については後述する。
(1)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が30%以下である直線部を1直線部以上含む。
(2)すべての直線部の、評価長さ4mmにおける十点平均粗さ(Rz)が2μmを超える。
上記6直線部は、例えば、図2に示すような6直線部B1〜B6を選択することができる。まず、基準線として、金属部材(M)103の接合部表面104の中心部Aを通る中心線B1を選択する。次いで、中心線B1と平行関係にある直線B2およびB3を選択する。次いで、中心線B1と直交する中心線B4を選択し、中心線B1と直交し、中心線B4と並行関係にある直線B5およびB6を選択する。ここで、各直線間の垂直距離D1〜D4は、例えば、2〜5mmである。
なお、通常、金属部材(M)103の表面110中の接合部表面104だけでなく、金属部材(M)103の表面110全体に対し、表面粗化処理が施されているため、例えば、図3に示すように、金属部材(M)103の接合部表面104と同一面で、接合部表面104以外の箇所から6直線部を選択してもよい。
本発明者らは、金属部材と、樹脂部材との接合強度を向上させるために、金属部材の表面の十点平均粗さ(Rz)を調整することを検討した。
しかし、金属部材の表面の十点平均粗さ(Rz)を単に調整するだけでは金属部材と樹脂部材との接合強度を十分に向上させることができないことが明らかとなった。
ここで、本発明者らは、負荷長さ率という尺度が金属部材表面の凹凸形状の鋭利性を表す指標として有効であると考えた。負荷長さ率が小さい場合は、金属部材表面の凹凸形状の鋭利性が大きいことを意味し、負荷長さ率が大きい場合は、金属部材表面の凹凸形状の鋭利性が小さいことを意味する。
そこで、本発明者らは、金属部材と、樹脂部材との接合強度を向上させるための設計指針として、金属部材表面の粗さ曲線の負荷長さ率という尺度に注目し、さらに鋭意検討を重ねた。その結果、金属部材表面の負荷長さ率を特定値以下に調整することにより、金属部材(M)103と樹脂部材105との間にアンカー効果がより効果的に発現し、その結果、接合強度により一層優れた金属/樹脂複合構造体106が実現できることを見出した。
(1A)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が30%以下である直線部を好ましくは2直線部以上、より好ましくは3直線部以上、最も好ましくは6直線部含む
(1B)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が20%以下である直線部を好ましくは1直線部以上、より好ましくは2直線部以上、さらに好ましくは3直線部以上、最も好ましくは6直線部含む
(1C)切断レベル40%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が60%以下である直線部を好ましくは1直線部以上、より好ましくは2直線部以上、さらに好ましくは3直線部以上、最も好ましくは6直線部含む
なお、上記負荷長さ率(Rmr)の平均値は、前述の任意の6直線部の負荷長さ率(Rmr)を平均したものを採用することができる。
本実施形態においては、とくにエッチング剤の種類および濃度、粗化処理の温度および時間、エッチング処理のタイミング等が、上記各負荷長さ率(Rmr)を制御するための因子として挙げられる。
(2A)すべての直線部の、評価長さ4mmにおける十点平均粗さ(Rz)が好ましくは5μm超、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上である
なお、上記十点平均粗さ(Rz)の平均値は、前述の任意の6直線部の十点平均粗さ(Rz)を平均したものを採用することができる。
(3)すべての直線部の、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が10μmを超え300μm未満であり、より好ましくは20μm以上200μm以下である。
なお、上記粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値は、前述の任意の6直線部のRSmを平均したものを採用することができる。
本実施形態においては、とくに粗化処理の温度および時間、エッチング量等が、上記十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を制御するための因子として挙げられる。
このような金属部材(M)103は、例えば、エッチング剤を用いて粗化処理することにより形成することができる。
ここで、エッチング剤を用いて金属部材の表面を粗化処理すること自体は従来技術においても行われてきた。しかし、本実施形態では、エッチング剤の種類および濃度、粗化処理の温度および時間、エッチング処理のタイミング、等の因子を高度に制御している。上記要件(1)〜(3)、(1A)〜(1C)、(2A)等を満たす金属部材(M)103を得るためには、これらの因子を高度に制御することが重要となる。
以下、上記要件(1)〜(3)、(1A)〜(1C)、(2A)等を満たす金属部材(M)103を得るための金属部材表面の粗化処理方法である置換晶析法の一例を示す。ただし、本実施形態に係る金属部材表面の粗化処理方法は、以下の例に限定されない。
まず、金属部材(M)103は、樹脂部材105との接合側の表面に酸化膜や水酸化物等からなる厚い被膜がないことが望ましい。このような厚い被膜を除去するため、次のエッチング剤で処理する工程の前に、サンドブラスト加工、ショットブラスト加工、研削加工、バレル加工等の機械研磨や、化学研磨により表面層を研磨してもよい。また、樹脂部材105との接合側の表面に機械油等の著しい汚染がある場合は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性水溶液による処理や、脱脂を行なうことが好ましい。
本実施形態において金属部材の表面粗化処理方法としては、後述する酸系エッチング剤による処理を特定のタイミングで行うことが好ましい。具体的には、該酸系エッチング剤による処理を表面粗化処理工程の最終段階で行うことが好ましい。
本実施形態では、上記表面粗化処理工程の後、通常、水洗および乾燥を行うことが好ましい。水洗の方法については特に制限はないが浸漬または流水にて所定時間洗浄することが好ましい。
本実施形態において、金属部材表面の粗化処理に用いられるエッチング剤としては、後述する特定の酸系エッチング剤が好ましい。上記特定のエッチング剤で処理することにより、金属部材の表面に、密着性向上に適した凹凸形状が形成され、そのアンカー効果により金属部材(M)103と樹脂部材105との間の接合強度がより一層向上するものと考えられる。
上記第二鉄イオンは、金属部材を酸化する成分であり、第二鉄イオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該第二鉄イオンを含有させることができる。上記第二鉄イオン源としては、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄等が挙げられる。上記第二鉄イオン源のうちでは、塩化第二鉄が溶解性に優れ、安価であるという点から好ましい。
上記第二銅イオンは金属部材を酸化する成分であり、第二銅イオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該第二銅イオン含有させることができる。上記第二銅イオン源としては、硫酸第二銅、塩化第二銅、硝酸第二銅、水酸化第二銅等が挙げられる。上記第二銅イオン源のうちでは、硫酸第二銅、塩化第二銅が安価であるという点から好ましい。
上記酸系エッチング剤には、金属部材表面をむらなく一様に粗化するために、マンガンイオンが含まれていてもよい。マンガンイオンは、マンガンイオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該マンガンイオンを含有させることができる。上記マンガンイオン源としては、硫酸マンガン、塩化マンガン、酢酸マンガン、フッ化マンガン、硝酸マンガン等が挙げられる。上記マンガンイオン源のうちでは、硫酸マンガン、塩化マンガンが安価である等の点から好ましい。
上記酸は、第二鉄イオンおよび/または第二銅イオンにより酸化された金属を溶解させる成分である。上記酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸や、スルホン酸、カルボン酸等の有機酸が挙げられる。上記カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸等が挙げられる。上記酸系エッチング剤には、これらの酸を一種または二種以上配合することができる。上記無機酸のうちでは、臭気がほとんどなく、安価である点から硫酸が好ましい。また、上記有機酸のうちでは、粗化形状の均一性の観点から、カルボン酸が好ましい。
本実施形態において使用できる酸系エッチング剤には、指紋等の表面汚染物による粗化のむらを防ぐために界面活性剤を添加してもよく、必要に応じて他の添加剤を添加してもよい。他の添加剤としては、深い凹凸を形成するために添加されるハロゲン化物イオン源、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム等を例示できる。あるいは、粗化処理速度を上げるために添加されるチオ硫酸イオン、チオ尿素等のチオ化合物や、より均一な粗化形状を得るために添加されるイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール等のアゾール類や、粗化反応を制御するために添加されるpH調整剤等も例示できる。これら他の成分を添加する場合、その合計含有量は、酸系エッチング剤中に0.01〜10質量%程度であることが好ましい。
つづいて、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106の製造方法について説明する。
金属/樹脂複合構造体106の製造方法は、以下の(i)〜(ii)の工程を含む。
(i)微細凹凸表面を有する金属部材(M)103を金型にインサートするインサート工程
(ii)インサートされた金属部材(M)103の少なくとも微細凹凸表面に、ポリフェニレンスルフィド(a)を主成分として含む樹脂組成物(A)および樹脂組成物(A)に無機フィラー(F)を含有させたフィラー含有樹脂組成物(B)から選択される樹脂組成物(P)を射出し、樹脂組成物(P)の一部分が微細凹凸表面の微細凹凸に侵入した後に樹脂組成物(P)を固化することによって金属部材(M)103の表面にポリフェニレンスルフィド系樹脂部材を接合する接合工程
以下、具体的に説明する。なお、微細凹凸表面を有する金属部材(M)103の調製方法は前述したため、ここでは説明を省略する。
これにより、樹脂組成物(P)が流動できる状態に保ちながら、樹脂組成物(P)を高圧でより長い時間接触させることができる。
その結果、金属表面の凹凸に樹脂を流動・侵入させることができ、金属部材(M)103の表面と樹脂部材105との間の接着性を向上でき、その結果、接合強度により一層優れた金属/樹脂複合構造体106をより安定的に得ることができる。
上記時間が上記下限値以上であると樹脂組成物(P)を溶融させた状態に保ちながら、金属部材(M)103の上記微細凹凸表面に樹脂組成物(P)を高圧でより長い時間接触させることができる。これにより、接合強度により一層優れた金属/樹脂複合構造体106をより安定的に得ることができる。
また、上記時間が上記上限値以下であると、金属/樹脂複合構造体106の成形サイクルを短縮できるため、金属/樹脂複合構造体106をより効率よく得ることができる。
さらに、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、高い耐熱性、機械特性、耐摩擦性、摺動性、気密性、水密性が発現するので、これらの特性に応じた用途に好適に用いられる。
ポリフェニレンスルフィドを含む樹脂組成物(P)(東レ社製A503−X05、PPS含有量:70質量%、ガラス繊維(以下、GFとも呼ぶ。)含有量:30質量%)をベースとし、以下に述べる方法で調製した変性ポリオレフィンを所定量配合することにより、樹脂組成物(P−1)、(P−2)および(P−3)を得た。
高密度ポリエチレン(密度:0.95g/cm3、MFR=5g/10min)100質量部、無水マレイン酸0.8質量部、および有機過酸化物(日本油脂社製、パーヘキシン−25B)0.07質量部、をヘンシェルミキサーで混合し、得られた混合物を230℃に設定した65mmφの一軸押出機で溶融グラフト変性することによって、変性ポリオレフィン(以下、変性POとも呼ぶ。)を調製した。
ベースとなる樹脂組成物(P)に対して、上記で調製した変性ポリオレフィンをそれぞれ、10質量%、5質量%、0質量%で配合し、二軸押出機((株)日本製鋼所製TEX30α)にて、シリンダー温度320℃で混合物を溶融混錬した。その後、混練物をストランド状に押出し、水槽で冷却させ、ペレタイザーでストランドを引き取り、カットすることでペレット状の樹脂組成物(P−1)、(P−2)および(P−3)をそれぞれ得た。表1に樹脂組成物(P)の構成成分種と量を示した。
〔樹脂組成物(P)のDSC測定〕
樹脂組成物(P)ペレットを真空オーブンにて110℃、12時間真空乾燥後、示差走査熱量計(SII社製 X−DSC7000)を用いて、融点(Tm)および融解エンタルピー(ΔHf)をそれぞれ測定した。具体的には、30℃から昇温速度10℃/minにて350℃まで昇温(第一昇温)後、降温速度10℃/minにて30℃まで冷却し、再び10℃/minにて350℃まで昇温(第2昇温)した時の、第2昇温時の融解ピークを融点(Tm)として測定した。Tm測定時に、ピークが2つ以上存在する場合は、高温側のピークをTmとして決定した。また、第2昇温過程における融解ピーク面積からΔHfを算出した。ピークが二つ以上存在する場合は、ポリフェニレンスルフィド由来のピークすべての合計面積をΔHfとして算出した。得られたTmおよびΔHfを下記表2に示した。
得られた樹脂組成物(P)ペレットを真空オーブンにて110℃、12時間真空乾燥後、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 Diamond DSC)を用いて、半結晶化時間τ1/2を測定した。30℃から500℃/minの設定速度で350℃まで昇温し、5分間保持した後、245℃まで降温速度500℃/minの設定速度で一気に降温し、等温下での結晶化ピークを測定した。測定した結晶化ピークから、結晶化が始まった時点から、結晶化が半分促進する時点(全体の結晶化ピーク面積に対して、面積が1/2になる時点)での時間をτ1/2として測定した。得られたτ1/2を下記表2に示した。
次に、微細凹凸構造が形成された金属部材(M)103の表面上の間隔周期の測定方法について述べる。既に述べたように、間隔周期が500nm未満の超微細な凹凸構造については電子顕微鏡により測定する。本実施例・比較例ではレーザー顕微鏡(KEYENCE社製VK−X100)または走査型電子顕微鏡(JEOL社製JSM−6701F)を用いて測定した。なお、電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡で撮影した写真から間隔周期を求める場合は、具体的には、金属部材(M)103の微細凹凸表面を撮影する。その写真から、任意の凸部を50個選択し、それらの凸部から隣接する凸部までの距離をそれぞれ測定する。凸部から隣接する凸部までの距離の全てを積算して50で除したものを間隔周期とする。
一方で、間隔周期が500nmを超える微細凹凸面についてはレーザー顕微鏡または表面粗さ測定装置を用いる。表面粗さ測定装置を用いる方法では具体的には次の方法によって凹凸に係る各種パラメーターを求めた。
表面粗さ測定装置「サーフコム1400D(東京精密社製)」を使用し、JIS B0601(対応ISO4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を測定した。なお、測定条件は以下のとおりである。
・触針先端半径:5μm
・基準長さ:0.8mm
・評価長さ:4mm
・測定速度:0.06mm/sec
測定は、金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部についておこなった(図3参照)。なお、本実施例・比較例では、金属部材(M)103の全面について粗化処理をおこなっているため、金属/樹脂複合構造体106の接合部表面104について粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の測定をおこなっても、図3に示す測定箇所と同様の評価結果が得られることが理解される。
引張試験機「モデル1323(アイコーエンジニヤリング社製)」を使用し、引張試験機に専用の治具を取り付け、室温(23℃)にて、チャック間距離60mm、引張速度10mm/minの条件にて測定をおこなった。破断荷重(N)を金属/樹脂接合部分の面積で除することにより接合強度(MPa)を得た。
(NMT法による金属部材1の調製)
JIS H4000に規定された合金番号5052のアルミニウム板(厚み:2.0mm)を、長さ45mm、幅18mmに切断した。このアルミニウム板を特開2005−119005号公報の実施例1に記載の処理をおこなった。具体的には、市販のアルミニウム脱脂剤「NE−6(メルテックス社製)」を15%濃度で水に溶かし75℃とした。この水溶液が入ったアルミニウム脱脂槽に上記アルミニウム板を5分間浸漬し水洗し、40℃の1%塩酸水溶液が入った槽に1分浸漬し水洗した。つづいて、40℃の1%水酸化ナトリウム水溶液が入った槽に1分浸漬し水洗した。次いで40℃の1%塩酸水溶液を入れた槽に1分浸漬し水洗し、60℃の2.5%濃度の1水和ヒドラジン水溶液を入れた第1ヒドラジン処理槽に1分浸漬し、40℃の0.5%濃度の1水和ヒドラジン水溶液を入れた第2ヒドラジン処理槽に0.5分浸漬し水洗した。これを40℃で15分間、60℃で5分程度温風乾燥させることにより、表面処理済みの金属部材1を得た。
また、エッチング処理前後の金属部材の質量比から求めたエッチング率を算出した。得られた結果を以下に示す。
エッチング率[質量%]:0.3
JIS H4000に規定された合金番号5052のアルミニウム板(厚み:2.0mm)を、長さ45mm、幅18mmに切断した。このアルミニウム板を酸系エッチング剤(硫酸:8.2質量%、塩化第二鉄:7.8質量%(Fe3+:2.7質量%)、塩化第二銅:0.4質量%(Cu2+:0.2質量%)、イオン交換水:残部)(30℃)中に80秒間浸漬し、揺動させることによってエッチングした。次いで、流水で超音波洗浄(水中、1分)を行い、乾燥させることにより表面処理済みの金属部材2を得た。
また、得られた金属部材2の表面粗さを、表面粗さ測定装置「サーフコム1400D(東京精密社製)」を使用して測定し、6直線部について、切断レベル10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%および80%における負荷長さ率(Rmr)、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を求めた。このうち、切断レベル20%におけるRmr(20%)値、上記Rmr(20%)値が30%以下となる直線部の本数、切断レベル40%におけるRmr(40%)値、上記Rmr(40%)値が60%以下となる直線部の本数、6直線部のRz値、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)、エッチング処理前後の金属部材の質量比から求めたエッチング率を算出した。得られた結果を以下に示す。
切断レベル20%におけるRmr(20%)値:17.5、10.3、13.4、10.6、3.8、7.4
Rmr(20%)値が30%以下となる直線部の本数:6
切断レベル40%におけるRmr(40%)値:43.6、26.1、48.0、46.7、33.5、34.2
Rmr(40%)値が60%以下となる直線部の本数:6
6直線部のRz値[μm]:17.8、18.1、19.6、17.8、17.2、18.0
6直線部のRSm値[μm]:104.0、83.0、85.6、98.7、106.6、103.1
エッチング率[質量%]:2.6
日本製鋼所社製の射出成形機J85ADに小型ダンベル金属インサート金型102を装着し、表2に示す温度に加熱した金型102内(図4)に金属部材1を設置した。
次いで、その金型102内に、樹脂組成物(P−1)を、シリンダー温度315℃、射出速度25mm/sec、保圧80MPa、保圧時間5秒、金型温度135℃または155℃の条件にて射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体106をそれぞれ得た。得られた金属/樹脂接合体106を用いて、引張試験を実施し、接合強度をそれぞれ測定した。得られた接合強度を表2に示す。
金属部材2を用いた以外は実施例1と同様の条件で実施した。得られた接合強度を表2に示す。
樹脂組成物(P−2)を用いた以外は実施例1と同様の条件で実施した。得られた接合強度を表2に示す。
金属部材2を用いた以外は実施例3と同様の条件で実施した。得られた接合強度を表2に示す。
樹脂組成物(P−3)を用いた以外は実施例1と同様の条件で実施した。得られた接合強度を表2に示す。
金属部材2を用いた以外は比較例1と同様の条件で実施した。得られた接合強度を表2に示す。
102 金型
103 金属部材(M)
104 接合部表面
105 樹脂部材
106 金属/樹脂複合構造体
107 ゲート/ランナー
110 表面
Claims (10)
- 微細凹凸表面を有する金属部材(M)と、
前記金属部材(M)に接合し、かつ、ポリフェニレンスルフィド(a)を主成分として含む樹脂組成物(A)および前記樹脂組成物(A)に無機フィラー(F)を含有させたフィラー含有樹脂組成物(B)(ただし、前記樹脂組成物(A)は前記無機フィラー(F)を含まない)から選択される樹脂組成物(P)により構成されたポリフェニレンスルフィド系樹脂部材と、
を備える金属/樹脂複合構造体であって、
前記ポリフェニレンスルフィド系樹脂部材は前記金属部材(M)の前記微細凹凸表面に固着しており、
前記樹脂組成物(P)が以下の要件1と要件2を同時に満たす金属/樹脂複合構造体。
〔要件1〕示差走査熱量計(DSC)を用いて観測される融点(Tm)が250℃以上である。
〔要件2〕DSCを用いて観測される融解エンタルピーΔHf(J/g)と、245℃での等温結晶化における半結晶化時間(τ1/2)とが下記式(1)の関係を満たす。なお下記式(1)中、rは前記金属部材(M)に固着する固着体が前記樹脂組成物(A)である場合は100であり、前記固着体が前記フィラー含有樹脂組成物(B)である場合は、前記フィラー含有樹脂組成物(B)中に占める前記樹脂組成物(A)の質量%を示す。
- 請求項1に記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記フィラー含有樹脂組成物(B)中の前記無機フィラー(F)の含有量が、前記樹脂組成物(A)の含有量を100質量部としたとき、0質量部超過100質量部以下である金属/樹脂複合構造体。 - 請求項1または2に記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記式(1)の分母である(100×ΔHf/r)の値が15J/g以上100J/g未満である金属/樹脂複合構造体。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記樹脂組成物(A)が変性ポリオレフィン樹脂(b)をさらに含み、
前記樹脂組成物(A)に含まれる前記ポリフェニレンスルフィド(a)と前記変性ポリオレフィン樹脂(b)との合計を100質量部としたとき、前記ポリフェニレンスルフィド(a)の含有量が70質量部以上100質量部未満であり、前記変性ポリオレフィン樹脂(b)の含有量が0質量部超過30質量部以下である金属/樹脂複合構造体。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記金属部材(M)が、鉄、高張力鋼、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金から選択される一種または二種以上を含む金属/樹脂複合構造体。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記金属部材(M)の前記微細凹凸表面には、間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部が林立している金属/樹脂複合構造体。 - 請求項6に記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記金属部材(M)の前記微細凹凸表面には、間隔周期が500nm未満の超微細凹凸構造が観測される金属/樹脂複合構造体。 - 請求項6に記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記金属部材(M)の前記微細凹凸表面には、間隔周期が500nm未満の超微細凹凸構造が観測されず、かつ、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が0.5μm以上500μm以下の凸部が林立した微細凹凸構造が形成されている金属/樹脂複合構造体。 - 請求項8に記載の金属/樹脂複合構造体において、
前記金属部材(M)の前記微細凹凸表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(1)および(2)を同時に満たす金属/樹脂複合構造体。
(1)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が30%以下である直線部を1直線部以上含む。
(2)すべての直線部の、評価長さ4mmにおける十点平均粗さ(Rz)が2μmを超える。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体を製造するための製造方法であって、
微細凹凸表面を有する金属部材(M)を金型にインサートするインサート工程と、
インサートされた前記金属部材(M)の少なくとも前記微細凹凸表面に、ポリフェニレンスルフィド(a)を主成分として含む樹脂組成物(A)および前記樹脂組成物(A)に無機フィラー(F)を含有させたフィラー含有樹脂組成物(B)(ただし、前記樹脂組成物(A)は前記無機フィラー(F)を含まない)から選択される樹脂組成物(P)を射出し、前記樹脂組成物(P)の一部分が前記微細凹凸表面の微細凹凸に侵入した後に前記樹脂組成物(P)を固化することによって前記金属部材(M)の表面にポリフェニレンスルフィド系樹脂部材を接合する接合工程と、
を含む金属/樹脂複合構造体の製造方法。
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