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JP2018050093A - 無線受信装置、無線送信装置、通信方法および通信システム - Google Patents

無線受信装置、無線送信装置、通信方法および通信システム Download PDF

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JP2018050093A JP2015018911A JP2015018911A JP2018050093A JP 2018050093 A JP2018050093 A JP 2018050093A JP 2015018911 A JP2015018911 A JP 2015018911A JP 2015018911 A JP2015018911 A JP 2015018911A JP 2018050093 A JP2018050093 A JP 2018050093A
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Abstract

【課題】CSMA/CAを前提とし、既存の端末装置が共存する通信システムにおいて、複数の端末装置によるOFDMA伝送を実現する。【解決手段】無線送信装置より送信されるリソース確保信号を受信するステップと、リソース確保信号を受信した無線リソースの少なくとも一つを用いて、無線送信装置に、第1のリソース確保応答信号と、第2のリソース確保応答信号を送信するステップを備える。第1のリソース確保応答信号に含まれる情報は、他の前記無線受信装置が送信する第1のリソース確保応答信号に含まれる情報と、同一である。【選択図】図2

Description

本発明は、無線受信装置、無線送信装置、通信方法および通信システムに関する。
広く実用化されている無線LAN(Local area network)規格であるIEEE802.11nの発展規格として、IEEE802.11ac規格がIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)により策定された。現在、IEEE802.11n/acの後継規格として、IEEE802.11axの標準化活動が行われている。現在の無線LANシステムでは、面積当たりの端末数の増加による干渉が大きな問題となりつつあり、IEEE802.11ax規格では、そのような過密環境を考慮する必要がある。一方で、IEEE802.11ax規格では、これまでの無線LAN規格とは異なり、ピークスループットの改善だけではなく、ユーザスループットの改善が主な要求条件として挙げられている。ユーザスループットの改善には、高効率な同時多重伝送方式(アクセス方式)の導入が不可欠である。
IEEE802.11nまでの規格では、アクセス方式としてCSMA/CA(Carrier sense multiple access with collision avoidance)と呼ばれる自律分散制御方式のアクセス方式が採用されていた。IEEE802.11acでは、新たにマルチユーザ多重入力多重出力(Multi-user multiple-input multiple-output:MU−MIMO)技術による空間分割多重アクセス(Space division multiple access:SDMA)が追加された。
IEEE802.11ax規格においては、ユーザスループットの改善に向けて、更なるアクセス方式の改善が求められている。高効率なアクセス方式として直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:OFDMA)がある。OFDMAは、直交する多数のサブキャリアを信号周期の逆数の間隔で密に配置することで周波数利用効率を高められる直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)の特徴を生かして、マルチパス環境下での無線受信装置毎に異なる受信特性に応じて、各無線受信装置に特性の良い任意の数のサブキャリア(若しくは連続するサブキャリアの組からなる周波数バンド)を割り当てることにより、さらに実質的な周波数利用効率を高める方式である。IEEE802.11ax規格に対して、OFDMAを導入することによりユーザスループットが改善されることが期待されている(非特許文献1)。
しかし、IEEE802.11ax規格では、IEEE802.11n/ac等の既存のIEEE802.11規格との共存を保つ必要がある。そのため、IEEE802.11ax規格にOFDMAが導入され、仮想キャリアセンスが用いられる場合、該キャリアセンスは既存のIEEE802.11規格にも認識されるものでなければならない。しかし、既存のIEEE802.11規格の仮想キャリアセンスを単純にIEEE802.11ax規格に導入した場合、オーバーヘッドが増加してしまい、スループットの改善に限界を与えてしまう。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、CSMA/CAを前提としながら、共存すべき既存通信システムに導入されていない新しいアクセス方式が導入される通信システムにおいて、既存通信システムの通信装置との共存が可能な、無線送信装置、無線受信装置、無線通信システムおよび通信方法を提供することにある。
上述した課題を解決するための本発明に係る無線送信装置、無線受信装置、通信システム、および通信方法は、次の通りである。
(1)すなわち、本発明の無線受信装置は、自律分散的に送信機会を制御する通信システムにおいて、複数の無線受信装置との間でマルチユーザ伝送を行なう無線送信装置と通信を行なう無線受信装置であって、前記無線送信装置より送信されるリソース確保信号を受信する受信部と、前記リソース確保信号を受信した無線リソースの少なくとも一つを用いて、前記無線送信装置に、第1のリソース確保応答信号と、第2のリソース確保応答信号を送信する送信部を備え、前記第1のリソース確保応答信号に含まれる情報の少なくともは、他の前記無線受信装置が送信する前記第1のリソース確保応答信号に含まれる情報と、同一であることを特徴とする。
(2)また、本発明の無線受信装置は、前記送信部が前記第2のリソース確保応答信号を送信する無線リソースは、前記送信部が前記第1のリソース確保応答信号を送信する無線リソースの一部であり、前記無線送信装置より、前記送信部が前記第2のリソース確保応答信号を送信する無線リソースを示す情報がシグナリングされる、上記(1)に記載の無線受信装置であることを特徴とする。
(3)また、本発明の無線受信装置は、前記送信部は前記第2のリソース確保応答信号に、巡回シフトを与え、前記無線送信装置より、前記送信部が前記第2のリソース確保応答信号に与える巡回シフトの巡回シフト量を示す情報がシグナリングされる、上記(1)に記載の無線受信装置であることを特徴とする。
(4)また、本発明の無線受信装置は、前記第2のリソース確保応答信号には、前記送信部が、前記第1のリソース確保応答信号を送信した無線リソースを示す情報が含まれている、上記(1)から上記(3)のいずれかに記載の無線受信装置であることを特徴とする。
(5)また、本発明の無線受信装置は、前記リソース確保信号には、前記無線送信装置が、前記マルチユーザ伝送を開始することを示す情報が含まれている、上記(1)から上記(3)のいずれかに記載の無線受信装置であることを特徴とする。
(6)また、本発明の無線受信装置は、前記受信部は、前記送信部が前記第2のリソース確保信号を送信したのち、受信動作を開始し、前記受信動作を開始したのち、一定の時間区間の間、前記無線送信装置より送信された信号を受信しなかった場合、前記受信動作を停止する、上記(1)から上記(3)のいずれかに記載の無線受信装置であることを特徴とする。
(7)また、本発明の無線送信装置は、自律分散的に送信機会を制御する通信システムにおいて、複数の無線受信装置との間でマルチユーザ伝送を行なう無線送信装置であって、リソース確保信号を、前記複数の無線受信装置に送信する送信部と、前記複数の無線受信装置より送信される、第1のリソース確保応答信号と、第2のリソース確保応答信号を受信する受信部を備え、前記第2のリソース確保応答信号に基づいて、前記複数の無線受信装置が前記第1のリソース確保応答信号を送信した無線リソースを示す情報を取得することを特徴とする。
(8)また、本発明の無線送信装置は、前記複数の無線受信装置が前記第2のリソース確保応答信号を送信する無線リソースを、前記複数の無線受信装置にシグナリングする、上記(7)に記載の無線送信装置であることを特徴とする。
(9)また、本発明の無線送信装置は、前記複数の無線受信装置が前記第2のリソース確保応答信号に与える巡回シフトのシフト量を、前記複数の無線受信装置にシグナリングする、上記(7)に記載の無線送信装置であることを特徴とする。
(10)また、本発明の無線送信装置は、前記リソース確保信号に、前記マルチユーザ伝送を開始することを示す情報を含める、上記(7)から上記(9)のいずれかに記載の無線送信装置であることを特徴とする。
(11)また、本発明の無線送信装置は、前記マルチユーザ伝送を開始することを示す情報は、前記マルチユーザ伝送に参加する前記複数の無線受信装置のグループを示す情報である、上記(10)に記載の無線送信装置であることを特徴とする。
(12)また、本発明の通信方法は、自律分散的に送信機会を制御する通信システムにおいて、複数の無線受信装置との間でマルチユーザ伝送を行なう無線送信装置と通信を行なう無線受信装置が備える通信方法であって、前記無線送信装置より送信されるリソース確保信号を受信するステップと、前記リソース確保信号を受信した無線リソースの少なくとも一つを用いて、前記無線送信装置に、第1のリソース確保応答信号と、第2のリソース確保応答信号を送信するステップを備え、前記第1のリソース確保応答信号に含まれる情報は、他の前記無線受信装置が送信する前記第1のリソース確保応答信号に含まれる情報と、同一であることを特徴とする。
(13)また、本発明の通信方法は、自律分散的に送信機会を制御する通信システムにおいて、複数の無線受信装置との間でマルチユーザ伝送を行なう無線送信装置が備える通信方法であって、リソース確保信号を、前記複数の無線受信装置に送信するステップと、前記複数の無線受信装置より送信される、第1のリソース確保応答信号と、第2のリソース確保応答信号を受信するステップと、前記第2のリソース確保応答信号に基づいて、前記複数の無線受信装置が前記第1のリソース確保応答信号を送信した無線リソースを示す情報を取得するステップと、を備えることを特徴とする。
(14)また、本発明の通信システムは、自律分散的に送信機会を制御し、複数の無線受信装置と、前記複数の無線受信装置との間でマルチユーザ伝送を行なう無線送信装置を備える通信システムであって、前記無線受信装置は、前記無線送信装置より送信されるリソース確保信号を受信する受信部と、前記リソース確保信号を受信した無線リソースの少なくとも一つを用いて、前記無線送信装置に、第1のリソース確保応答信号と、第2のリソース確保応答信号を送信する送信部を備え、前記第1のリソース確保応答信号に含まれる情報は、他の前記無線受信装置が送信する前記第1のリソース確保応答信号に含まれる情報と同一であり、前記無線送信装置は、前記リソース確保信号を、前記複数の無線受信装置に送信する送信部と、前記複数の無線受信装置より送信される、前記第1のリソース確保応答信号と、前記第2のリソース確保応答信号を受信する受信部を備え、前記第2のリソース確保応答信号に基づいて、前記複数の無線受信装置が前記第1のリソース確保応答信号を送信した無線リソースを示す情報を取得することを特徴とする。
本発明によれば、既存通信システムの通信装置との共存を可能としつつ、新しいアクセスアクセス方式を新たな通信システムに導入できるから、ユーザスループットを大幅に改善することが可能となる。
本発明に係る通信システムの一例を示す図である。 本発明の通信の一例を示すシーケンスチャートである。 本発明の信号のフレーム構成の一構成例を示す図である。 本発明の係る通信システムの干渉の様子の一例を示す図である。 本発明の信号のフレーム構成の一構成例を示す図である。 本発明の通信の様子の一例を示す図である。 本発明の通信の様子の一例を示す図である。 本発明に係る無線送信装置の一構成例を示す概略ブロック図である。 本発明の信号のフレーム構成の一構成例を示す図である。 本発明に係る無線送信装置の通信方法の一例を示すフローチャートである。 本発明に係る無線受信装置の一構成例を示す概略ブロック図である。 本発明に係る無線受信装置の通信方法の一例を示すフローチャートである。
[1.第1の実施形態]
本実施形態における通信システムは、無線送信装置(アクセスポイント、Access point(AP))、および複数の無線受信装置(ステーション、Station(STA))を備える。また、APとSTAとで構成されるネットワークを基本サービスセット(Basic service set:BSS)と呼ぶ。
BSS内のAPおよびSTAは、それぞれCSMA/CA(Carrier sense multiple access with collision avoidance)に基づいて、通信を行なうものとする。本実施形態においては、APが複数のSTAと通信を行なうインフラストラクチャモードを対象とするが、本実施形態の方法は、STA同士が通信を直接行なうアドホックモードでも実施可能である。
IEEE802.11システムでは、各装置は、共通のフレームフォーマットを持った複数のフレームタイプの送信フレームを送信することが可能である。送信フレームは、物理(Physical:PHY)層、媒体アクセス制御(Medium access control:MAC)層、論理リンク制御(Logical Link Control:LLC)層でそれぞれ定義されている。
PHY層の送信フレームは、物理プロトコルデータユニット(PHY protocol data unit:PPDU)と呼ばれる。PPDUは、物理層での信号処理を行なうためのヘッダ情報等が含まれる物理層ヘッダ(PHYヘッダ)と、物理層で処理されるデータユニットである物理サービスデータユニット(PHY service data unit:PSDU)等から構成される。PSDUは無線区間における再送単位となるMACプロトコルデータユニット(MAC protocol data unit:MPDU)が複数集約された集約MPDU(Aggregated MPDU:A−MPDU)で構成されることが可能である。
PHYヘッダには、信号の検出・同期等に用いられるショートトレーニングフィールド(Short training field:STF)、データ復調のためのチャネル情報を取得するために用いられるロングトレーニングフィールド(Long training field:LTF)などの参照信号と、データ復調のための制御情報が含まれているシグナル(Signal:SIG)などの制御信号が含まれる。また、STFは、対応する規格に応じて、レガシーSTF(Legacy-STF:L−STF)や、高スループットSTF(High throughput-STF:HT−STF)や、超高スループットSTF(Very high throughput-STF:VHT−STF)等に分類され、LTFやSIGも同様にL−LTF、HT−LTF、VHT−LTF、L−SIG、HT−SIG、VHT−SIGに分類される。VHT−SIGは更にVHT−SIG−AとVHT−SIG−Bに分類される。
PPDUは対応する規格に応じて変調される。例えば、IEEE802.11n規格であれば、直交周波数分割多重(Orthogonal frequency division multiplexing:OFDM)信号に変調される。
MPDUはMAC層での信号処理を行なうためのヘッダ情報等が含まれるMAC層ヘッダ(MAC header)と、MAC層で処理されるデータユニットであるMACサービスデータユニット(MAC service data unit:MSDU)もしくはフレームボディ、ならびにフレームに誤りがないかをどうかをチェックするフレーム検査部(Frame check sequence:FCS)で構成されている。また、複数のMSDUは集約MSDU(Aggregated MSDU:A−MSDU)として集約されることも可能である。
MAC層の送信フレームのフレームタイプは、装置間の接続状態などを管理するマネージメントフレーム、装置間の通信状態を管理するコントロールフレーム、および実際の送信データを含むデータフレームの3つに大きく分類され、それぞれは更に複数種類のサブフレームタイプに分類される。コントロールフレームには、受信完了通知(Acknowledge:ACK)フレーム、送信要求(Request to send:RTS)フレーム、受信準備完了(Clear to send:CTS)フレーム等が含まれる。マネージメントフレームには、ビーコン(Beacon)フレーム、プローブ要求(Probe request)フレーム、プローブ応答(Probe response)フレーム、認証(Authentication)フレーム、接続要求(Association request)フレーム、接続応答(Association response)フレーム等が含まれる。データフレームには、データ(Data)フレーム、ポーリング(CF-poll)フレーム等が含まれる。各装置は、MACヘッダに含まれるフレームコントロールフィールドの内容を読み取ることで、受信したフレームのフレームタイプおよびサブフレームタイプを把握することができる。
ビーコンフレームには、ビーコンが送信される周期(Beacon interval)やAPを識別する情報(Service set identifier(SSID)等)を記載するフィールド(Field)が含まれる。APは、ビーコンフレームを周期的にBSS内に報知することが可能であり、STAはビーコンフレームを受信することで、STA周辺のAPを把握することが可能である。STAがAPより報知される信号に基づいてAPを把握することを受動的スキャニング(Passive scanning)と呼ぶ。一方、STAがプローブ要求フレームをBSS内に報知することで、APを探査することを能動的スキャニング(Active scanning)と呼ぶ。APは該プローブ要求フレームへの応答としてプローブ応答フレームを送信することが可能であり、該プローブ応答フレームの記載内容は、ビーコンフレームと同等である。
STAはAPを認識したあとに、該APに対して接続処理を行なう。接続処理は認証(Authentication)手続きと接続(Association)手続きに分類される。STAは接続を希望するAPに対して、認証フレームを送信する。APは、認証フレームを受信すると、該STAに対する認証の可否などを示すステータスコードを含んだ認証フレームを該STAに送信する。STAは、該認証フレームに記載されたステータスコードを読み取ることで、自装置が該APに認証を許可されたか否かを判断することができる。なお、APとSTAは認証フレームを複数回やり取りすることが可能である。
STAは認証手続きに続いて、APに対して接続手続きを行なうために、接続要求フレームを送信する。APは接続要求フレームを受信すると、該STAの接続を許可するか否かを判断し、その旨を通知するために、接続応答フレームを送信する。接続応答フレームには、接続処理の可否を示すステータスコードに加えて、STAを識別するためのアソシエーション識別番号(Association identifier:AID)が記載されている。APは接続許可を出したSTAにそれぞれ異なるAIDを設定することで、複数のSTAを管理することが可能となる。
接続処理が行われたのち、APとSTAは実際のデータ伝送を行なう。IEEE802.11システムでは、分散制御機構(Distributed Coodination Function:DCF)と集中制御機構(Point Coodination Function:PCF)、およびこれらが拡張された機構(ハイブリッド制御機構(Hybrid coordination function:HCF)等)が定義されている。以下では、APがSTAにDCFで信号を送信する場合を例にとって説明する。
DCFでは、APおよびSTAは、通信に先立ち、自装置周辺の無線チャネルの使用状況を確認するキャリアセンス(Carrier sense:CS)を行なう。例えば、送信局であるAPは予め定められたクリアチャネル評価レベル(Clear channel assessment level:CCAレベル)よりも高い信号を該無線チャネルで受信した場合、該APは受信動作に入るため、該無線チャネルでの送信フレームの送信を延期する。以下では、該無線チャネルにおいて、CCAレベル以上の信号が検出される状態をビジー(Busy)状態、CCAレベル以上の信号が検出されない状態をアイドル(Idle)状態と呼ぶ。このように、各装置が実際に受信した信号の電力に基づいて行なうCSを物理キャリアセンス(物理CS)と呼ぶ。なおCCAレベルをキャリアセンスレベル(CS level)、もしくはCCA閾値(CCA threshold:CCAT)とも呼ぶ。なお、APおよびSTAは、CCAレベル以上の信号を検出した場合は、少なくともPHY層の信号を復調する動作に入る。
APは送信する送信フレームに種類に応じたフレーム間隔(Inter frame space:IFS)だけキャリアセンスを行ない、無線チャネルがビジー状態かアイドル状態かを判断する。APがキャリアセンスする期間は、これからAPが送信する送信フレームのフレームタイプおよびサブフレームタイプによって異なる。IEEE802.11システムでは、期間の異なる複数のIFSが定義されており、最も高い優先度が与えられた送信フレームに用いられる短フレーム間隔(Short IFS:SIFS)、優先度が比較的高い送信フレームに用いられるポーリング用フレーム間隔(PCF IFS:PIFS)、最も優先度の低い送信フレームに用いられる分散制御用フレーム間隔(DCF IFS:DIFS)などがある。APがDCFでデータフレームを送信する場合、APはDIFSを用いる。
APはDIFSだけ待機したあとで、フレームの衝突を防ぐためのランダムバックオフ時間だけ更に待機する。IEEE802.11システムにおいては、コンテンションウィンドウ(Contention window:CW)と呼ばれるランダムバックオフ時間が用いられる。CSMA/CAでは、ある送信局が送信した送信フレームは、他送信局からの干渉が無い状態で受信局に受信されることを前提としている。そのため、送信局同士が同じタイミングで送信フレームを送信してしまうと、フレーム同士が衝突してしまい、受信局は正しく受信することができない。そこで、各送信局が送信開始前に、ランダムに設定される時間だけ待機することで、フレームの衝突が回避される。APはキャリアセンスによって無線チャネルがアイドル状態であると判断すると、CWのカウントダウンを開始し、CWが0となって初めて送信権を獲得し、STAにデータフレームを送信できる。なお、CWのカウントダウン中にAPがキャリアセンスによって無線チャネルをビジー状態と判断した場合は、CWのカウントダウンを停止する。そして、無線チャネルがアイドル状態となった場合、先のIFSに続いて、APは残留するCWのカウントダウンを再開する。
受信局であるSTAは、送信フレームを受信し、該送信フレームのPHYヘッダを読み取り、受信した送信フレームを復調する。そして、STAは復調した信号のMACヘッダを読み取ることで、該送信フレームが自装置宛てのものか否かを認識することができる。なお、STAは、PHYヘッダに記載の情報(例えばVHT-SIG-Aの記載されるグループ識別番号(Group identifier:Group ID))に基づいて、該送信フレームの宛先を判断することも可能である。
STAは、受信した送信フレームが自装置宛てのものと判断し、そして誤りなく送信フレームを復調できた場合、フレームを正しく受信できたことを示すACKフレームを送信局であるAPに送信しなければならない。ACKフレームは、SIFS期間の待機だけ(ランダムバックオフ時間は取られない)で送信される最も優先度の高い送信フレームの一つである。APはSTAから送信されるACKフレームの受信をもって、一連の通信を終了する。なお、STAがフレームを正しく受信できなかった場合、STAはACKを送信しない。よってAPは、フレーム送信後、一定期間(SIFS+ACKフレーム長)の間、受信局からのACKフレームを受信しなかった場合、通信は失敗したものとして、通信を終了する。このように、IEEE802.11システムの1回の通信(バーストとも呼ぶ)の終了は、ビーコンフレームなどの報知信号の送信の場合や、送信データを分割するフラグメンテーションが用いられる場合などの特別な場合を除き、必ずACKフレームの受信の有無で判断されることになる。
STAは、受信した送信フレームが自装置宛てのものではないと判断した場合、PHYヘッダ等に記載されている該送信フレームの長さ(Length)に基づいて、ネットワークアロケーションベクタ(Network allocation vector:NAV)を設定する。STAは、NAVに設定された期間は通信を試行しない。つまり、STAは物理CSによって無線チャネルがビジー状態と判断した場合と同じ動作をNAVに設定された期間行なうことになるから、NAVによる通信制御は仮想キャリアセンス(仮想CS)とも呼ばれる。NAVは、PHYヘッダに記載の情報に基づいて設定される場合に加えて、隠れ端末問題を解消するために導入される送信要求(Request to send:RTS)フレームや、受信準備完了(Clear to send:CTS)フレームによっても設定される。RTSフレームおよびCTSフレームのMAC層のフレームは、該フレームの宛先を示す受信機アドレスフィールドと、NAVの期間を示すデュレーションフィールドを備える。RTSフレームや、CTSフレームを送信する端末装置は、これから無線リソースを占有する期間を、該デュレーションフィールドに記載することが出来る。RTSフレームを受信した端末装置は、該RTSフレームが自装置宛てで無かった場合、デュレーションフィールドに記載の長さだけNAVを設定する。一方、該RTSフレームが自装置宛てであった場合、該RTSフレームを受信した後、SIFS後に、該RTSフレームに記載のデュレーションフィールドの値より、RTSフレームを送信した端末装置が、該無線リソースを占有する期間を推定し、その値をデュレーションフィールドに書き込んだCTSフレームを送信する。
各装置がキャリアセンスを行ない、自律的に送信権を獲得するDCFに対して、PCFは、ポイントコーディネータ(Point coordinator:PC)と呼ばれる制御局が、BSS内の各装置の送信権を制御する。一般にAPがPCとなり、BSS内のSTAの送信権を獲得することになる。
PCFによる通信期間には、非競合期間(Contention free period:CFP)と競合期間(Contention period:CP)が含まれる。CPの間は、前述してきたDCFに基づいて通信が行われ、PCが送信権を制御するのはCFPの間となる。PCであるAPは、CFPの期間(CFP Max duration)などが記載されたビーコンフレームをPCFの通信に先立ちBSS内に報知する。なお、PCFの送信開始時に報知されるビーコンフレームの送信にはPIFSが用いられ、CWを待たずに送信される。該ビーコンフレームを受信したSTAは、該ビーコンフレームに記載されたCFPの期間をNAVに設定する。以降、NAVが経過する、もしくはCFPの終了をBSS内に報知する信号(例えばCF-endを含んだデータフレーム)が受信されるまでは、STAはPCより送信される送信権獲得をシグナリングする信号(例えばCF-pollを含んだデータフレーム)を受信した場合のみ、送信権を獲得可能である。なお、CFPの期間内では、同一BSS内でのパケットの衝突は発生しないから、各STAはDCFで用いられるランダムバックオフ時間を取らない。
本実施形態に係る通信システムが備えるAPおよびSTAは、以上説明してきたCSMA/CAに基づいた一連の通信を行なう機能を備えているものとするが、必ずしもすべての機能を備えている必要はない。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信システムの下り回線(ダウンリンク)の一例を示す概略図である。図1の通信システムでは、AP1が存在し、1aは、AP1が管理可能な範囲(カバレッジ範囲、Basic service set(BSS))を示す。BSS1aにはAP1と接続するSTA2−1〜4と、既存の端末装置(従来の端末装置、レガシー端末装置)であるSTA3−1〜4が存在する。以下では、STA2−1〜4を単にSTA2または第1の無線受信装置とも呼称する。同様に、STA3−1〜4を単にSTA3または第2の無線受信装置とも呼称する。AP1、STA2、およびSTA3は、それぞれ対応可能な規格が異なる。例えば、AP1およびSTA2は、本発明を適用可能な装置であり、STA3は本発明が適用されない装置である。なお、STA3は必ずしもAP1と接続している必要はなく、他のAPと接続していても構わない。また、BSS1aの周辺に、BSS1aが用いる周波数の少なくとも一部を用いる他のBSS(Overlapping BSS:OBSS)が存在していても構わない。
AP1、STA2、およびSTA3は、それぞれCSMA/CAに基づいて、通信を行なうものとする。本実施形態においては、各STA2およびSTA3がAP1と通信を行なうインフラストラクチャモードを対象とするが、本実施形態の方法は、STA同士が通信を直接行なうアドホックモードでも実施可能である。
図2は、本実施形態に係るBSS1aの通信の様子を示すシーケンスチャートである。本実施形態においては、AP1はSTA2−1〜4に対して、各STA2宛てのパケットを同時伝送するマルチユーザ伝送を行なう。以下では、マルチユーザ伝送は、直交周波数分割多重アクセス(Orthogonal frequency Division Multiple Access:OFDMA)であるものとして説明を行なう。なお、AP1は複数の空間リソースを用いた、空間分割多重アクセス(Space Division Multiple Access:SDMA)によって、マルチユーザ伝送を実現しても構わない。
今、BSS1aでは、少なくとも4つの周波数チャネル(Channel:ch)が利用可能であるものとし、それぞれ20MHzの帯域であるものとする。AP1は、この4つのチャネルを用いて、OFDMA伝送を行なうものとする。なお、AP1は20MHzのチャネルを、さらに複数のサブチャネルに分割し、該サブチャネルを複数の周波数チャネルとみなして、OFDMA伝送を行なうことも可能である。なお、AP1がOFDMA伝送に用いるチャネルおよびサブチャネル数は4つに限られず、任意のチャネル数でもよい。また、AP1がOFDMA伝送に用いる周波数チャネルは、必ずしも連続していなくてもよい。
初めに、AP1は、OFDMA伝送に用いる4つのチャネルに対してキャリアセンスを行ない、各チャネルがアイドルであることを確認する(ステップS201)。なお、AP1は利用可能な周波数チャネルすべてに対してキャリアセンスを行ない、その結果、アイドルと判断可能なチャネルを用いて、以下に説明する発明を実施しても構わない。以下では、該4チャネルは1ch、2ch、3ch、4chの4つのチャネルであるものとして説明する。
次いで、AP1は該4チャネルをこれから使用する旨、すなわち、該4チャネルを一定期間の間確保する旨をAP1の周辺の端末装置にシグナリングするために、リソース確保信号を送信する(ステップS202)。以下ではリソース確保信号として、AP1は、IEEE802.11規格で規定されているRTSフレームを応用する。
図3は本実施形態に係るRTSフレームのフレーム構成を示す図である。フレーム構成はPHY層およびMAC層ともに、IEEE802.11規格で規定されているフレーム構成と同一である。MAC層においては、RTSフレームはフレーム制御(Frame Control)、デュレーション(Duration)、受信機アドレス(Receiver address:RA)、送信機アドレス(Transmitter address:TA)、およびFCSフィールドを備える。ここで、従来のRTSフレームでは、AP1は、RAに、RTSフレームの送信先の端末装置のアドレス情報(例えばMACアドレス)を記載していた。本実施形態においては、AP1は、RAには、送信先の端末装置のアドレス情報ではなく、ある特定のアドレス情報を記載する。
例えばAP1は、RAフィールドに送信機アドレスと同じ情報、すなわち、自装置のアドレス情報(MACアドレス)を記載して送信することができる。このようにして生成されたRTSフレームをAP1が送信することで、BSS1a内のSTA3−1〜4は、該RTSフレームを受信した場合、他装置宛てのRTSフレームと認識するため、NAVを設定することになる。一方で、STA2−1〜4は、AP1がOFDMA伝送の前に送信するRTSフレームは、RAがTAと同一となっていることを予め把握しておけば、該RTSフレームは、自装置宛てのRTSフレームであると認識することが可能である。また、AP1はRTSフレームのRAにブロードキャストアドレス等の、特定のアドレスを記載することも出来る。
また、AP1は、RAに、アドレス情報以外の情報を記載することも可能である。例えば、AP1は、RAに、OFDMA伝送に参加するSTAの組み合わせを示す情報を記載することが出来る。STAの組み合わせを示す情報として、例えば、IEEE802.11acに用いられているグループ識別番号(Group identifier:グループID)情報を記載することができる。
BSS内のAPおよびSTAは、予めSTAの組み合わせ(STAグループ)が複数記載されたテーブルを共有しておくことができる。グループIDは,該テーブルに記載の各STAグループに割り当てられている。各STAは,グループIDをAPよりシグナリングされることで、自装置がSTAグループに含まれているか否かを把握することが可能となる。
本実施形態に係るAP1が、RTSフレームのRAに、あるグループIDを記載すれば、STA2−1〜4は、自装置が含まれるグループIDがRAに記載されたRTSフレームを、自装置宛てのRTSフレームと認識することが可能である。一方、STA3−1〜4は、該RTSフレームは他装置宛てのRTSフレームと認識するから、NAVを設定することになる。なお、グループIDの長さが、RAフィールドの長さ(IEEE802.11規格では6オクテット)よりも短い場合、AP1はグループIDの後ろに適当な情報(例えばすべて0)をつけることで、RAに記載する情報の長さを調整することが出来る。このとき、STA2は、事前のAP1との間で取り決めた情報長だけ、RAフィールドの情報を読み取ることができる。なお、AP1がRTSフレームのRAにグループIDを記載する場合、RAの内容が、STA3のMACアドレスに一致してしまう可能性がある。この場合、AP1は、グループIDの後ろに付ける情報を変更することができる。
なお、AP1はRAフィールドに記載する情報にスクランブリング処理を施すことも可能である。例えば、AP1とSTA2は、予めランダム符号を共有しておくことができる。AP1は該ランダム符号をRAフィールドに記載する情報に乗算する(もしくは排他的論理和を取る)ことで、該RAフィールドの情報を、STA2だけが読み取れるようにしても良い。
上記で説明してきたように、AP1がRTSフレームを送信する方法は、複数考えられる。以下では、AP1が送信するRTSフレームを、STA3−1〜4は他装置宛てのRTSフレームと認識できる一方で、OFDMA伝送に参加するSTA2−1〜4の少なくとも1つは、自装置宛てのRTSフレームと認識できるような場合、該RTSフレームのことを、第1のRTSフレーム(第1のリソース確保信号、もしくは単にリソース確保信号)と呼ぶこととする。以下では、AP1は、第1のRTSフレームをSTA2−1〜4宛てに送信するものとして説明する。
AP1は、第1のRTSフレームを、OFDMA伝送に用いるチャネルに対して送信することができる。例えば、AP1は、20MHz帯域幅の該RTSフレームを、1ch〜4chにそれぞれ送信すれば良い。もしAP1がサブチャネルを用いてOFDMA伝送を行なう場合は、AP1は第1のRTSフレームを該サブチャネルの帯域幅で送信しても良いし、該サブチャネルが属するチャネルに対して、第1のRTSフレームを送信しても良い。
STA3−1〜4は、受信局アドレスに、自装置のアドレス情報が記載されていないRTSフレームを受信するため、前述したように、NAVを設定する。
一方、OFDMA伝送に参加するSTA2−1〜4は、AP1が送信する第1のRTSフレームを自装置宛てのRTSフレームと認識するから、RTSフレームを受信した1ch〜4chに対して、該チャネルが、アイドルかビジーかを判断する。基本的には、STA2は、第1のRTSフレームを受信できている時点で、該第1のRTSフレームが受信されたチャネルはアイドルと判断することは可能であるが、必ずしもアイドルと判断する必要はなく、受信品質等に応じて、ビジーと判断しても構わない。
なお、STA2は、必ずしも、AP1が第1のRTSフレームを送信しているすべてのチャネルに対して、受信動作を行なう必要はない。STA2は、自装置の性能や、これまでのBSS1aのトラフィック量の状況や、自装置の消費電力等に応じて、受信動作を行なうチャネルを変更しても良い。また、STA2は、RTSフレームを受信したすべてのチャネルに対して、該チャネルがアイドルかどうかを判断しなくても構わない。例えば、STA2−1が、1chと2chで受信動作を行なっており、両方のチャネルで第1のRTSフレームを受信した場合、両方のチャネルの状態を判断しても良いし、片方のチャネルの状態のみを判断し、一方のチャネルについては、常にビジーであると判断しても良い。
また、AP1は、第1のRTSフレームに、自装置が第1のRTSフレームを送信するチャネルを示す情報を含めて送信することもできる。例えば、AP1は、第1のRTSフレームのRAフィールドにグループIDを記載する場合、グループIDに続いて、第1のRTSフレームを送信するチャネルを示す情報を記載することが出来る。この場合、STA2は、一つのチャネルに対してのみ受信動作を行ない、受信した第1のRTSフレームから、自装置が受信した第1のRTSフレームが送信されたチャネル以外で、AP1が第1のRTSフレームを送信したチャネルを把握することができる。よって、STA2は、AP1が第1のRTSフレームを送信したチャネルをすべて把握することができるから、それぞれのチャネルがアイドルかビジーかを判断することが可能となる。
また、AP1は、第1のRTSフレームに、自装置がOFDMA伝送を開始することを示す情報を記載することもできる。例えば、AP1は、第1のRTSフレームのRAフィールドにグループIDを記載する場合、グループIDに続いて、OFDMA伝送を開始することを示す情報(例えば、フラグビット)を記載することができる。
以下では、STA2は、AP1が第1のRTSフレームを送信しているすべてのチャネルに対して、受信動作を行なっており、また、STA2は、干渉電力等に応じて、全てのチャネルの状態(アイドルもしくはビジー)を判断しているものとする。
図4は、本実施形態に係る通信システムの、チャネルの様子を示す図である。以下では、図4に示すチャネル状態であるものとして説明を行なっていく。図4は、AP1、STA2、STA3、BSS1aは、図1と同様であり、干渉範囲4−1〜4は、それぞれ他のBSS(Overlapping BSS:OBSS)からの干渉の様子を示しており、干渉範囲4−Nは、チャネルN(Nch)における干渉信号が届く範囲を示している。すなわち、STA2−1はOBSSからの干渉を一切観測しない。また、STA2−2はOBSSからの干渉を2chで観測する。また、STA2−3はOBSSからの干渉を2chと3chで観測する。また、STA2−4はOBSSからの干渉を1chと3chと4chで観測する。
図2に戻り、第1のRTSフレームを受信したSTA3は、該第1のRTSフレームのデュレーションフィールドの記載に基づいてNAVを設定する(ステップS203−2)。一方、STA2は第1のRTSフレームを受信し、該第1のRTSフレームを受信したチャネルがアイドルかビジーかを判断する(ステップS203−1)。STA2は、該チャネルの状態をアイドルと判断した場合、該アイドルと判断したチャネルに対してリソース確保応答信号を送信する。本実施形態において、STA2は、リソース確保応答信号として、IEEE802.11規格で規定されているCTSフレームを応用することができる。
図5は本実施形態に係るCTSフレームのフレーム構成を示す図である。フレーム構成はIEEE802.11規格で規定されているフレーム構成と同一であり、フレーム制御、デュレーション、RA、およびFCSフィールドを備える。ここで、従来のCTSフレームでは、STA2は、RAに、対応するRTSフレームのTAの内容をコピーして記載する。本実施形態に係るCTSフレームにおいては、従来のCTSフレームと同様に、対応するRTSフレームのTAの内容をコピーしてRAに記載しても良いし、事前にAP1との間で取り決めた値を記載するようにしても良い。以下では、本実施形態において、STA2−1〜4が送信するCTSフレームを第1のCTSフレーム(第1のリソース確保応答信号、CTS1)と称する。
本実施形態に係るSTA2−1〜4は、全て同一の第1のCTSフレームをAP1に対して送信する。ここで、同一とは、AP1が同じ第1のCTSフレームであると認識できることを指す。よって、AP1が2つのCTSフレームを受信した際に、仮に2つのCTSフレームの一部の信号波形が異なるような場合でも、AP1が該2つのCTSフレームを同じフレームと認識できるのであれば、該2つのCTSフレームは同一であるとする。つまり、該2つのCTSフレームに含まれる情報は、その少なくとも一部が共通であるといえる。
STA2は、チャネルの状態に応じて、第1のCTSフレームを送信する(ステップS204)。例えば、図4の状態であれば、STA2−1は、1〜4chのすべてのチャネルに対して第1のCTSフレームを送信する。STA2−2は、1ch、3chおよび4chに対して第1のCTSフレームを送信する。STA2−3は、1chおよび4chに対して第1のCTSフレームを送信する。STA2−4は、2chで第1のCTSフレームを送信する。なお、STA2は、第1のRTSフレームの受信終了後、予め決められた期間(例えばSIFS)だけ待機したのち、第1のCTSフレームを送信する。よって、STA2−1〜4は、同時に第1のCTSフレームを送信することになる。
AP1が送信したリソース確保信号を観測できない一方で、第1のCTSフレームを観測可能なSTA3は、第1のCTSフレームを受信した場合、自分あてのCTSフレームではないことを認識できるから、NAVを設定することができる(ステップS203−3)。よって、第1のRTSフレームと第1のCTSフレームをAP1とSTA2が交換することで、AP1は、OFDMA伝送に用いるチャネルを確保することが可能となる。
図6は、本実施形態に係る、STA2の第1のCTSフレームの送信の様子と、AP1の第1のCTSフレームの受信の様子の一例を示す概要図である。本実施形態に係るSTA2は、第1のCTSフレームは、他のSTA2と同時に送信する。よって、AP1では、各STA2より送信された第1のCTSフレームが合成されて受信される。そのため、AP1は、第1のCTSフレームを受信したチャネルについては、BSS1a内の少なくとも一部では、確保することができたと判断することができる。よって、本実施形態に係るAP1は、該チャネルを用いたOFDMA伝送を行なうことができる。
しかし、AP1が第1のCTSフレームを受信したとしても、必ずしもBSS1a内全体で、該チャネルを確保できたわけではないため、仮にAP1が該チャネルを用いたOFDMA伝送を行なうと、伝送品質が低下してしまう。AP1が高効率なOFDMA伝送を実現するためには、AP1は、各STA2が、どのチャネルに対して第1のCTSフレームを送信したかを高精度に認識する必要がある。そこで、本実施形態に係るSTA2は、第1のCTSフレームを送信後、一定期間(例えばSIFS)だけ待機したのち、自装置がどのチャネルで第1のCTSフレームを送信したかを示す、第2のリソース確保応答信号(第2のCTSフレーム、CTS2)を送信する(ステップS205)。
各STA2が、正しく第2のCTSフレームを送信するために、本実施形態に係る通信システムにおいては、20MHzの帯域幅を有する1〜4chを更に複数のサブチャネルに分解することが可能である。そして、AP1はSTA2−1〜4に対して、予め該サブチャネルを割り当てておくことが出来る。STA2は自装置が第1のCTSフレームを送信したチャネルにおける、自装置に割り当てられたサブチャネルより、第2のCTSフレームを送信することで、AP1に、自装置が該チャネルにおいて第1のCTSフレームを送信したことをシグナリングすることができる。
図7は本実施形態に係る、STA2の第2のCTSフレームの送信の様子と、AP1の第2のCTSフレームの受信の様子の1例を示す概要図である。図7においては、本実施形態に係る通信システムでは、20MHzの1ch〜4chをそれぞれ5MHzのサブチャネルに分割し、各サブチャネルを低い周波数より順番に、STA2−1、STA2−2、STA2−3、STA2−4に割り当てているものとする。図7に示すように、各STA2が送信する第2のCTSフレームは、STA2の間では直交する周波数を用いて送信されるから、AP1は、各STA2が、第2のCTSフレームを同時に送信したとしても、第2のCTSフレームが観測されたサブチャネルを把握することで、各STA2が第2のCTSフレームを送信しているか否かを認識することができる。よって、AP1は、第2のCTSフレームを受信したサブチャネルが属するチャネルにおいて、該第2のCTSフレームを送信したSTA2が第1のCTSフレームを送信していたことを認識することができる。
第2のCTSフレームは、レガシー端末装置であるSTA3が認識可能である必要はないので、必ずしも既存のIEEE802.11規格との互換性を保つ必要が無いが、例えば、CTSフレームをサブチャネルの帯域幅のモードで送信することが考えられる。また、第2のCTSフレームは、AP1が該第2のCTSフレームを受信したか否かだけ判断できれば良いから、STA2は単なるダミー信号なり、何かしらの参照信号なりを送信するだけでも良い。また、第2のCTSフレームは、第1のCTSフレームとは異なり、必ずしも、各STA2で共通である必要もない。
STA2は、自装置が第1のCTSフレームを送信したチャネルを示す情報を第2のCTSフレームに、含めることも可能である。例えば、STA2は、第2のCTSフレームに、新たにフィールドを備え、自装置が第1のCTSフレームを送信したチャネルを示す情報を該フィールドに記載することができる。この場合、STA2は、第2のCTSフレームを、自装置が第1のCTSフレームを送信したチャネルの全てから第2のCTSフレームを送信する必要はない。また、この際に、AP1は各STA2に対して、第2のCTSフレームを送信するチャネルの優先順位を予めシグナリングしておくこともできるし、共通の優先順位を各STA2に報知することもできる。
なお、通信システムがサブチャネルを設定しない場合でも、STA2は第2のCTSフレームを送信することができる。この場合、各STA2は信号フレームの少なくとも一部は共通の第2のCTSフレームを送信することを前提とする。はじめに、AP1は、予めSTA2−1〜4に対して、それぞれ固有の巡回シフト量を予め通知しておくことができる。巡回シフト量は、例えばOFDM信号に挿入されるサイクリックプレフィクス(Cyclic prefix:CP)長の整数倍であることが好適であるが、何かの値に限定されるものではない。
AP1とSTA2は、お互いに第2のCTSフレームに用いる信号系列を予め取り決めておくことができる。STA2−1〜4は、第2のCTSフレームに対して事前に割り当てられた固有の巡回シフト量だけ巡回シフトを与えたのち、第1のCTSフレームを送信したチャネルより送信する。AP1は、第1のCTSフレームを受信したチャネルで受信した信号に対して、離散フーリエ変換(Discrete Fourier transform:DFT)を施す。そして、AP1は該第2のCTSフレームに用いる信号系列に基づいて逆変調を施したのち、逆DFT(Inverse DFT:IDFT)処理を施す。該IDFT出力は、AP1とSTA2との間のチャネルのインパルス応答(Channel impulse response:CIR)となるが、各STAのCIRは、各STA2が固有信号に事前に与えた巡回シフト量だけシフトされた状態で出力される。よって、AP1は、該CIRのシフト量と、予め取り決めた巡回シフト量に基づいて、該チャネルにおいて、どのSTA2が第1のCTSフレームを送信したかを認識することができる。
AP1は、前述したような方法に基づいて、第1のCTSフレーム受信後に受信される信号に基づいて、各STA2が、どのチャネルに対して第1のCTSフレームを受信したかを認識することが出来る。また、AP1は、第2のCTSフレームについては、どのSTA2から送信されたかを認識することができるから、該第2のCTSフレームに基づいて、AP1とSTA2との間の伝搬路情報(Channel state information:CSI)を推定することができる。よって、AP1は、各STA2との間で、どのチャネルが利用可能であるかを示す情報と、各STA2との間のCSIに基づいて、各STA2に割り当てる無線リソースを決定することが出来る(S206)。具体的には、AP1は、あるSTA2が第1のCTSフレームを送ったチャネルを該STA2に割り当てることができる。また、複数のSTA2が第1のCTSフレームを送ったチャネルについては、該複数のSTA2の中で、最も通信品質の良いSTA2に割り当てることができる。他にも、AP1は、各STA2宛てのデータトラフィック量等に応じて各STA2にチャネルを割り当てることが可能であり、また、AP1は、複数のチャネルを1つのSTA2に割り当てることも可能である。なお、STA2は、第2のCTSフレームに、AP1との間のCSIに関連付けられた情報を記載することも可能である。
AP1は、各STA2への無線リソース割り当てを決定後、各STA2宛てのデータ信号を含んだOFDMA信号を生成し、各STA2に同時送信する(ステップS207)。
STA2は、AP1より送信されたOFDMA信号より所望信号を復調し(ステップS208)、もし誤り無く復調できたのであれば、その旨を示す応答信号(ACKフレーム)をAP1に送信する(ステップS209)。なお、各STA2のACKフレームの送信方法については、予めAP1とSTA2との間で取り決めた方法に従うのであれば、どのような方法では、本実施形態には含まれる。
なお、第1のRTSフレームおよび第1のCTSフレームに含まれるデュレーションフィールドには、該第1のRTSフレームおよび該第1のCTSフレームの送信時点(もしくは受信完了時点)から、前述したACKフレームの受信が完了するまでに、AP1およびSTA2が必要とする時間期間を、AP1もしくはSTA2が記載することができる。
なお、本実施形態に係るAP1は、第2のCTSフレームを受信せずに、各STA2が、どのチャネルに対して第1のCTSフレームを送信したかを判断しても良い。例えば、AP1は、OFDMA伝送の前に行われた各STA2とのデータ伝送などによって、各STA2との間の伝搬路情報を予め把握しておくことができる。AP1は、図6のように合成されて受信される第1のCTSフレームを復調する際に、当然ながらチャネル推定を行なう必要がある。AP1が該チャネル推定によって推定するチャネル推定値は、当然ながら、第1のCTSを送信したSTA2とAP1との間の伝搬路が合成されたものとなる。よって、AP1は、予め把握しておいた各STA2との間の伝搬路情報と、該チャネル推定値とを比較することで、該第1のCTSフレームを送信したSTA2を個別に認識することが可能である。
図8は、本発明の第1の実施形態に係るAP1の構成の一例を示すブロック図である。図3に示す通り、AP1は、上位層部101と、制御部102と、送信部103と、受信部104と、アンテナ105と、を備える。
上位層部101は、媒体アクセス制御(MAC;Medium Access Control)層等の処理を行う。また、上位層部101は、送信部103と、受信部104の制御を行なうための情報を生成し、制御部102に出力する。制御部102は、上位層部101と送信部103と受信部104を制御する。
送信部103は、更に物理チャネル信号生成部1031と、フレーム構成部1032と、制御信号生成部1033と、無線送信部1034を備える。物理チャネル信号生成部1031は、AP1が各STAに送信するベースバンド信号を生成する。物理チャネル信号生成部1031が生成する信号は、各STAがチャネル推定に用いるTF(Training field)や、MSDU(MAC service data unit)で送信されるデータが含まれる。なお、図1においてSTA数を8としたため、STA2−1〜4およびSTA3−1〜4に送信するベースバンド信号を生成する例を示すが、本実施形態はこれに限定されない。
フレーム構成部1032は、物理チャネル信号生成部1031が生成する信号と、制御信号生成部1033が生成する信号とを多重し、実際にAP1が送信するベースバンド信号の送信フレームを構成する。
図9は、本実施形態に係るフレーム構成部1032が生成する送信フレームの物理層の一例を示す概略図である。送信フレームは、L−STF、L−LTF、VHT−STF、VHT−LTF等の参照信号を含む。また送信フレームは、L−SIG、VHT−SIG−A、VHT−SIG−B等の制御情報を含む。また送信フレームは、Data部分を含む。フレーム構成部1032が生成する送信フレームの構成は、図9に限るものではなく、他の制御情報(例えば、HT-SIG)や参照信号(例えば、HT-LTF)等を含んでも良い。また、フレーム構成部1032が生成する送信フレームはL−STFやVHT−SIG−Aなどの信号をすべて含む必要もない。なお、L−SIGやL−STFなどが含む情報は、AP1やSTA2がData部分を復調するために必要となる情報であるから、以下ではデータ部分を除くフレームを物理層ヘッダ(PHYヘッダ)とも記載する。
フレーム構成部1032が生成する送信フレームは、いくつかのフレームタイプに分類される。例えば、フレーム構成部1032は、装置間の接続状態などを管理するマネージメントフレーム、装置間の通信状態を管理するコントロールフレーム、および実際の送信データを含むデータフレームの三つのフレームタイプの送信フレームを生成することができる。フレーム構成部1032は、生成する送信フレームが属するフレームタイプを示す情報を、Data部分で送信する媒体アクセス制御層ヘッダ(MACヘッダ)に含めることができる。
無線送信部1034は、フレーム構成部1032が生成するベースバンド信号を無線周波数(Radio frequency(RF))帯の信号に変換する処理を行なう。無線送信部1034が行なう処理には、デジタル・アナログ変換、フィルタリング、ベースバンド帯からRF帯への周波数変換等が含まれる。
アンテナ105は、送信部103が生成した信号を、各STAに対して送信する。
AP1は、各STAから送信された信号を受信する機能も備える。アンテナ105は、各STAから送信された信号を受信し、受信部104に出力する。
受信部104は、物理チャネル信号復調部1041と無線受信部1042を備える。無線受信部1042は、アンテナ105から入力されたRF帯の信号をベースバンド帯の信号に変換する。無線受信部1042が行なう処理には、RF帯からベースバンド帯への周波数変換、フィルタリング、アナログ・デジタル変換等が含まれる。また、受信部104が行なう処理には、特定の周波数バンドにおいて周辺の干渉を測定し、該周波数バンドを確保する(キャリアセンス)機能が含まれていても良い。
物理チャネル信号復調部1041は、無線受信部1042が出力するベースバンド帯の信号を復調する。物理チャネル信号復調部1041が復調する信号は、STA2およびSTA3が上り回線(上りリンク)で送信する信号であり、そのフレーム構成は、フレーム構成部1032が生成するデータフレームと同様である。よって、物理チャネル信号復調部1041は、データフレームの制御チャネルで送信される制御情報に基づいて、データチャネルより上りリンクデータを復調することができる。また、物理チャネル信号復調部1041には、キャリアセンス機能が含まれていても良い。なお、受信部104は、該周波数バンドにおける信号電力を、制御部102を介して上位層部101に入力し、上位層部101がキャリアセンスに関連する処理を行なっても良い。
図10は、本実施形態に係るAP1の信号処理の流れを示すフローチャートである。以下では、図8および図10を参照しながら、AP1の動作について説明する。
AP1は、上位層部101が、STA2−1〜4に対するOFDMA伝送を行なうことを判断した場合、はじめに受信部104が、OFDMA伝送に利用可能なチャネルに対して、キャリアセンスを行なう(ステップS1001)。受信部104は、キャリアセンスから得られた情報を上位層部101に通知する。例えば、受信部104は、各チャネルがアイドルかビジーかを判断し、上位層部101に通知する。
次いで、上位層部101は、受信部104から通知される情報に基づいて、第1のRTSフレームを送信するチャネルを決定し、送信部103に通知する(ステップS1002)。
次いで、送信部103は、上位層部101からの通知に従って、第1のRTSフレームを生成する(ステップS1003)。例えば、物理チャネル信号生成部101が第1のRTSフレームのベースバンド信号を生成する。そして制御信号生成部1033が、該第1のRTSフレームを、STA2およびSTA3が復調するのに必要な制御信号を生成する。フレーム構成部1032は、物理チャネル信号生成部1031および制御信号生成部1033が生成した信号に基づいて、例えば図9に示すような信号フレームを生成する。
次いで、送信部103は、生成した第1のRTSフレームを、アンテナ105を介して送信する(ステップS1004)。
AP1が送信するリソース確保信号は、非競合期間(Contention free period:CFP)を示す信号でも構わない。通常、CFPはビーコン信号等によって、AP1より、BSS1a内に報知される。しかし、本実施形態では、リソース確保信号によって、STA3には、CFPの開始を通知する一方で、STA2にはCFP内でOFDMA伝送を開始する旨を通知することも可能である。
次いで、受信部104は、送信部104が第1のRTSフレームを送信し、さらに、一定の待機期間の後に、STA2から送信される第1のCTSフレームの受信動作に入る(ステップS1005)。一定の待機期間とは、例えば、第1のRTSフレームの送信完了からSIFSだけ待機することを指す。受信部104は、送信部104が第1のRTSフレームを送信したチャネルの少なくとも一つのチャネルに対して、受信動作に入ればよい。
次いで、受信部104は、第1のCTSフレームを受信したチャネルの少なくとも一つに対して、第2のCTSフレームの受信動作に入る(ステップS1006)。そして、受信部104は、第1のCTSフレームおよび第2のCTSフレームに関する情報を上位層部101に対して通知する。なお、前述したように、AP1は、第2のCTSフレームの受信を行なわなくても構わない。
次いで、上位層部101は、受信部104より通知される情報に基づいて、OFDMA伝送に参加するSTA2と、それぞれに割り当てる無線リソースを決定し、送信部103に通知する(ステップS1007)。
次いで、送信部103は、上位層部101から通知される情報に基づいて、OFDMA信号を生成し、アンテナ105を介して、送信する(ステップS1008)。
なお、受信部104は、送信部103がOFDMA信号を送信したのち、OFDMA伝送に参加したSTA2が送信するACKフレームを受信する機能も備えている。本実施形態に係るSTA2は、IEEE802.11acのマルチユーザ多重入力多重出力(Multi-user multiple-input multiple-output:MU−MIMO)伝送と同様に、AP1が送信するACKフレーム要求信号に基づいて、該ACKフレームを送信することが出来る。また、各STA2が、OFDMA伝送時に割り当てられたチャネルでACKフレームを同時送信する、すなわち、上りリンクのOFDMA伝送によってACKフレームを送信することが出来る。この場合、各STA2は、OFDMA信号受信を完了したあと、SIFSだけ待機したのちACKフレームを送信する。受信部104は、前述したような方法によって送信された各STA2からのACKフレームを受信することで、各STA2に正しくデータ伝送が出来たか否かを判断することが可能である。
なお、本実施形態に係るAP1は、第1のRTSフレームを送信した後で、受信動作に入る。もしAP1が受信動作に入ってから一定期間の間、各STA2からの第1のCTSフレームが受信しなかった場合、AP1は動作を終了しても構わない。
また、AP1がOFDMA伝送に参加させる各STA宛てのデータ量が異なる場合、一部のSTA2宛てのOFDMA信号が、他のSTA2宛てのOFDMA信号より、先に終了してしまう可能性がある。この場合、AP1は、先にOFDMA信号伝送が終了したチャネルをBSS1a内の他のSTA2およびSTA3に開放するために、第1のRTSフレームおよび第1のCTSフレームで設定したNAVをクリアしても良い旨をシグナリングするフレームを送信しても良い。
図11は、本実施形態に係るSTA2の一構成例を示すブロック図である。図11に示すように、STA2は、上位層部201と、制御部202と、送信部203と、受信部204と、アンテナ205を備える。
上位層部201は、MAC層等の処理を行う。また、上位層部201は、送信部203と、受信部204の制御を行なうための情報を生成し、制御部202に出力する。
アンテナ205は、AP1が送信した信号を受信し、受信部204に出力する。
受信部204は、物理チャネル信号復調部2041と制御情報モニタリング部2042と無線受信部2043を備える。無線受信部2043は、アンテナ205から入力されたRF帯の信号をベースバンド帯の信号に変換する。無線受信部2043が行なう処理には、RF帯からベースバンド帯への周波数変換、フィルタリング、アナログ・デジタル変換等が含まれる。
制御情報モニタリング部2042は、無線受信部2043が出力するベースバンド帯の信号からAP1が送信する送信フレームのPHYヘッダ(例えばL-SIGやVHT-SIG-A)に記載されている情報を読み取り、物理チャネル信号復調部2041に入力する。
物理チャネル信号復調部2041は、制御情報モニタリング部2042が取得した制御情報に基づいて、AP1が送信した送信フレームを復調し、復調結果を、制御部202を介して、上位層部201に入力する。
上位層部201は、物理チャネル信号復調部2041が復調したデータを、MAC層、LLC(Logical Link Control)層およびトランスポート層で、それぞれ解釈する。上位層部201のMAC層の処理として、AP1が送信した送信フレームから、様々な情報を取得できる。例えば、上位層部201はAP1が送信した送信フレームが、ビーコンフレームであると解釈した場合、該ビーコンフレームに記載されているAP1の機能(Capability)を示す情報等を取得することが可能である。
受信部204が行なう処理には、特定の周波数バンドにおいて周辺の干渉を測定(キャリアセンス)し、該周波数バンドを確保する機能が含まれていても良い。
STA2は、信号を送信する機能も備える。アンテナ205は、送信部203が生成したRF帯の信号を、AP1に対して送信する。
送信部203は、物理チャネル信号生成部2031と、制御信号生成部2033と、フレーム構成部2032と、無線送信部2034を備える。物理チャネル信号生成部2031は、STA2がAP1に送信するベースバンド帯の信号を生成する。制御信号生成部2033は、物理チャネル信号生成部2031が生成した信号を、AP1が復調するための制御信号を生成する。そして、フレーム構成部2032は、物理チャネル信号生成部2031と、制御信号生成部2032が生成した信号に基づいて、例えば図9に示すような信号フレームを生成する。
無線送信部2034は、フレーム構成部2032が生成したベースバンド帯の信号をRF帯の信号に変換する。無線送信部2034が行なう処理には、デジタル・アナログ変換、フィルタリング、ベースバンド帯からRF帯への周波数変換等が含まれる。
図12は、本実施形態に係るSTA2の信号処理を説明するフローチャートである。以下では、図11および図12を参照しながら、STA2の動作について説明する。
はじめに、受信部204は、AP1が送信するRTSフレームを受信した場合、その復調結果を上位層部201に通知する(ステップS1201)。上位層部201は、該RTSフレームが第1のRTSフレームか既存のRTSフレームかどうかを判断する(ステップS1102)
該RTSフレームが第一のRTSフレームでなかった場合(ステップS1202/N)、STA2は、既存のIEEE802.11規格と同様の動作を行なう(ステップS1211、説明は割愛)。一方、該RTSフレームが第1のRTSフレームであった場合(ステップS1202/Y)、上位層部201は、自装置が接続しているAP1が、自装置を含む可能性のあるOFDMA伝送を行なおうとしていることを認識することができる。
次いで、上位層部201は、該第1のRTSフレームが自装置宛ての第1のRTSフレームか否かを判断する(ステップS1203)。該RTSフレームが自装置宛てのRTSフレームではない場合(ステップS1203/N)、上位層部201は、NAVを設定し、送信部203の送信動作、および受信部204の受信動作を停止する(ステップS1212)。一方、該RTSフレームが自装置宛てのRTSフレームであった場合(ステップS1203/Y)、STA2は後述する第1のCTSフレームの送信動作に移る。
次いで、上位層部201は、第1のRTSフレームを受信したチャネルの状態(アイドルかビジーか)を判断するように受信部204に指示し、受信部204は、該チャネルの状態を判断する(ステップS1204)。上位層部201は、受信部204に対して、該第一のRTSフレームを受信したすべてのチャネルの状態を判断するように制御しても良いし、一部のチャネルに対してのみ、その状態を判断するように制御しても良い。
次いで、上位層部201は、受信部204から通知される情報に基づいて、第1のCTSフレームを送信するチャネルを決定する(ステップS1205)なお、上位層部201は受信部204から状態報告が通知されなかったチャネルについては、全てビジーと判断することができる。上位層部201は、第1のCTSフレームを送信するチャネルを送信部203に通知する。上位層部201は、受信部204からに情報によって、アイドルと判断可能なすべてのチャネルに対して第1のCTSフレームを送信するように送信部203を制御しても良いし、一部のチャネルに対して第1のCTSフレームを送信するように送信部203を制御しても良い。
次いで、送信部203は、上位層部201からの指示に基づいて、第1のCTSフレームを生成し、AP1に対して送信する(ステップS1206)。例えば、物理チャネル信号生成部2031が該第1のCTSフレームのベースバンド信号を生成する。制御信号生成部2033が該第1のCTSフレームを、AP1が復調可能な制御信号を生成する。そして、フレーム構成部2032が、第1のCTSフレームを生成し、無線送信部2034が第1のCTSフレームをアンテナ105に出力する。
次いで、送信部203は、第1のCTSフレーム送信後に、第1のCTSフレームを送信したチャネルに対して第2のCTSフレームを送信する(ステップS1207)。既に説明したように、STA2は第2のCTSフレームは必ずしも送信する必要はない。また、STA2は、必ずしも第1のCTSフレームを送信したすべてのチャネルに対して、第2のCTSフレームを送信しなくてもよい。
なお、送信部203は、第1のCTSフレーム送信後、一定期間の待機ののち(例えば、送信部203は、第1のCTSフレーム送信後にSIFSだけ待機する)、第2のCTSフレームを送信することができる。また、送信部203のフレーム構成部2032は、該第1のCTSフレームの後ろに、該第2のCTSフレームを付与して、一つの信号フレームとして、信号フレーム(以下では第3のCTSフレームと呼ぶ)を構成しても良い。この際に、レガシー端末であるSTA3が、第3のCTSフレームを正しくCTSフレームと認識するために、制御信号生成部2033は、該第3のCTSフレームに付けるPHYヘッダのデュレーションフィールドには、第3のCTSフレームのフレーム長から第2のCTSフレームに関するフレーム長を差し引いた期間を記載することができる。
そして、送信部203が第一のCTSフレームおよび第一の指示フレームを送信したのち、受信部204は、AP1より送信されるOFDMA信号を受信する(ステップS1208)。AP1は該OFDMA信号に、各STA2に対する無線リソースの割り当て情報を含めることができる。該割り当て情報は該OFDMA信号のPHY層の情報(例えばPHYヘッダの情報)に含まれている場合と、MAC層の情報(例えばMACヘッダヘッダ)に含まれている場合が考えられるが、いずれの信号に該割り当て情報が含まれているからは、事前にAP1とSTA2との間で取り決めておけばよい。
受信部204は、割り当て情報に基づいて、AP1より送信された信号を復調し、その情報を上位層部201に通知する。上位層部201は、自装置宛ての信号が正しく復号できたか否かを判断する(ステップS1209)。上位層部201は、誤り無く自装置宛ての信号が復号できたと判断した場合(ステップS1209/Y)、送信部203にACKフレームをAP1に送信するように指示し、送信部203は、上位層部201の指示に従って、ACKフレームをAP1に送信する(ステップS1210)。以上で、STA2の動作は終了となる。送信部203がACKフレームを送信する方法は、事前にAP1との間で取り決めた方法(例えば前述した方法)であれば、どのような方法でも本実施形態には含まれる。なお、上位層部201は、自装置宛ての信号の復号結果に誤りを認識した場合(ステップS1209/N)、その時点でSTA2の動作は終了となる。
なお、STA2は、第1のCTSフレームもしくは第2のCTSフレームをAP1に送信した後、一定期間の間、AP1から送信される信号を受信しなかった場合、STA2は、AP1がOFDMA伝送を行なわなかったと判断し、受信動作を停止しても良いし、新たに、別の通信動作に入っても構わない。また、STA2は、第1のCTSフレームを送信したチャネルに対して、該第1のCTSフレームで設定したNAVを解消可能とする旨を記載した信号フレームを送信しても良い。
以上説明してきたAP1とSTA2を含む通信システムによれば、CSMA/CAを前提とし、かつ、既存のIEEE802.11規格のレガシー端末(本実施形態の例によればSTA3)が存在する通信システムにおいて、レガシー端末との共存を実現しつつ、効率的に無線チャネルを確保し、なおかつ、オーバーヘッドを小さくしながら、OFDMA伝送を実現することが出来るから、通信システムの周波数利用効率の改善に大きく寄与することが可能となる。
[2.全実施形態共通]
本発明に係るAP1、STA2およびSTA3で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態におけるAP1、STA2およびSTA3の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。AP1、STA2およびSTA3の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。各機能ブロックを集積回路化した場合に、それらを制御する集積回路制御部が付加される。
また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本願発明のAP1、STA2およびSTA3は、移動局装置への適用に限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などに適用出来ることは言うまでもない。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
本発明は、無線送信装置、無線受信装置、通信システムおよび通信方法に用いて好適である。
1 AP
2、2−1、2−2、2−3、2−4、3、3−1、3−2、3−3、3−4 STA
101、201 上位層部
102、202 制御部
103、203 送信部
104、204 受信部
105、205 アンテナ
1031、2031 物理チャネル信号生成部
1032、2032 フレーム構成部
1033、2033 制御信号生成部
1034、2034 無線送信部
1041、2041 物理チャネル信号復調部
1042、2043 無線受信部
2042 制御情報モニタリング部

Claims (14)

  1. 自律分散的に送信機会を制御する通信システムにおいて、複数の無線受信装置との間でマルチユーザ伝送を行なう無線送信装置と通信を行なう無線受信装置であって、
    前記無線送信装置より送信されるリソース確保信号を受信する受信部と、
    前記リソース確保信号を受信した無線リソースの少なくとも一つを用いて、前記無線送信装置に、第1のリソース確保応答信号と、第2のリソース確保応答信号を送信する送信部を備え、
    前記第1のリソース確保応答信号に含まれる情報の少なくとも一部は、他の前記無線受信装置が送信する前記第1のリソース確保応答信号に含まれる情報と、同一であることを特徴とする無線受信装置。
  2. 前記送信部が前記第2のリソース確保応答信号を送信する無線リソースは、前記送信部が前記第1のリソース確保応答信号を送信する無線リソースの一部であり、
    前記無線送信装置より、前記送信部が前記第2のリソース確保応答信号を送信する無線リソースを示す情報がシグナリングされることを特徴とする、請求項1に記載の無線受信装置。
  3. 前記送信部は前記第2のリソース確保応答信号に、巡回シフトを与え、
    前記無線送信装置より、前記送信部が前記第2のリソース確保応答信号に与える巡回シフトの巡回シフト量を示す情報がシグナリングされることを特徴とする、請求項1に記載の無線受信装置。
  4. 前記第2のリソース確保応答信号には、前記送信部が、前記第1のリソース確保応答信号を送信した無線リソースを示す情報が含まれていることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線受信装置。
  5. 前記リソース確保信号には、前記無線送信装置が、前記マルチユーザ伝送を開始することを示す情報が含まれていることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線受信装置。
  6. 前記受信部は、
    前記送信部が前記第2のリソース確保応答信号を送信したのち、受信動作を開始し、
    前記受信動作を開始したのち、一定の時間区間の間、前記無線送信装置より送信された信号を受信しなかった場合、前記受信動作を停止することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線受信装置。
  7. 自律分散的に送信機会を制御する通信システムにおいて、複数の無線受信装置との間でマルチユーザ伝送を行なう無線送信装置であって、
    リソース確保信号を、前記複数の無線受信装置に送信する送信部と、
    前記複数の無線受信装置より送信される、第1のリソース確保応答信号と、第2のリソース確保応答信号を受信する受信部を備え、
    前記第2のリソース確保応答信号に基づいて、前記複数の無線受信装置が前記第1のリソース確保応答信号を送信した無線リソースを示す情報を取得することを特徴とする無線送信装置。
  8. 前記複数の無線受信装置が前記第2のリソース確保応答信号を送信する無線リソースを、前記複数の無線受信装置にシグナリングすることを特徴とする、請求項7に記載の無線送信装置。
  9. 前記複数の無線受信装置が前記第2のリソース確保応答信号に与える巡回シフトのシフト量を、前記複数の無線受信装置にシグナリングすることを特徴とする、請求項7に記載の無線送信装置。
  10. 前記リソース確保信号に、前記マルチユーザ伝送を開始することを示す情報を含めることを特徴とする、請求項7から請求項9の何れか1項に記載の無線送信装置。
  11. 前記マルチユーザ伝送を開始することを示す情報は、前記マルチユーザ伝送に参加する前記複数の無線受信装置のグループを示す情報であることを特徴とする、請求項10に記載の無線送信装置。
  12. 自律分散的に送信機会を制御する通信システムにおいて、複数の無線受信装置との間でマルチユーザ伝送を行なう無線送信装置と通信を行なう無線受信装置が備える通信方法であって、
    前記無線送信装置より送信されるリソース確保信号を受信するステップと、
    前記リソース確保信号を受信した無線リソースの少なくとも一つを用いて、前記無線送信装置に、第1のリソース確保応答信号と、第2のリソース確保応答信号を送信するステップを備え、
    前記第1のリソース確保応答信号に含まれる情報の少なくとも一部は、他の前記無線受信装置が送信する前記第1のリソース確保応答信号に含まれる情報と、同一であることを特徴とする通信方法。
  13. 自律分散的に送信機会を制御する通信システムにおいて、複数の無線受信装置との間でマルチユーザ伝送を行なう無線送信装置であって、
    リソース確保信号を、前記複数の無線受信装置に送信するステップと、
    前記複数の無線受信装置より送信される、第1のリソース確保応答信号と、第2のリソース確保応答信号を受信するステップと、
    前記第2のリソース確保応答信号に基づいて、前記複数の無線受信装置が前記第1のリソース確保応答信号を送信した無線リソースを示す情報を取得するステップと、を備えることを特徴とする通信方法。
  14. 自律分散的に送信機会を制御し、複数の無線受信装置と、前記複数の無線受信装置との間でマルチユーザ伝送を行なう無線送信装置を備える通信システムであって、
    前記無線受信装置は、
    前記無線送信装置より送信されるリソース確保信号を受信する受信部と、
    前記リソース確保信号を受信した無線リソースの少なくとも一つを用いて、前記無線送信装置に、第1のリソース確保応答信号と、第2のリソース確保応答信号を送信する送信部を備え、
    前記第1のリソース確保応答信号に含まれる情報の少なくとも一部は、他の前記無線受信装置が送信する前記第1のリソース確保応答信号に含まれる情報と同一であり、
    前記無線送信装置は、
    前記リソース確保信号を、前記複数の無線受信装置に送信する送信部と、
    前記複数の無線受信装置より送信される、前記第1のリソース確保応答信号と、前記第2のリソース確保応答信号を受信する受信部を備え、
    前記第2のリソース確保応答信号に基づいて、前記複数の無線受信装置が前記第1のリソース確保応答信号を送信した無線リソースを示す情報を取得することを特徴とする通信システム。
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