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JP2018048297A - コークス強度の推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】劣質炭を配合した配合炭を用いて製造するコークスの表面破壊強度を正確に推定する方法を提供する。【解決手段】コークスの表面破壊強度の推定方法において、用いる配合炭は、ビトリニット平均反射率0.8%以上、全膨張率0%超の粘結炭と、ビトリニット平均反射率0.8%未満、全膨張率0%超の非微粘結炭と、全膨張率0%の劣質炭とからなり、粘結炭の空隙充填度を用いて粘結炭に基づく表面破壊強度を推定し、劣質な石炭の空隙充填度を用いて劣質な石炭に基づく表面破壊強度を推定し、劣質炭の高速昇温膨張比容積と配合率を求め、高速昇温膨張比容積及び配合率を強度発現阻害要因とする劣質炭に関する粒子間接着影響の関係から補正値を求め、粘結炭に基づく表面破壊強度の推定値と補正値で補正した劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値とを粘結炭と劣質な石炭の配合率で加重平均することを特徴とするコークス表面破壊強度の推定方法。【選択図】図5

Description

本発明は、膨張性を有さない劣質炭が配合された配合炭を用いて製造される高炉用コークスの強度を推定する方法に関する。
高炉の通気性を確保し、安定的に操業するために、高炉で用いられるコークスには、所要の強度が求められる。近年、高炉容積の大型化やCO2削減を目指して低還元材比で操業するために、益々高強度のコークスが求められている。
高炉用コークスを製造する際には、多種多様な銘柄の石炭を配合した原料石炭(配合炭)をコークス炉内に装入し、乾留する。コークス炉の中で加熱された配合炭は、350〜500℃の温度域で一旦軟化溶融・膨張して、石炭粒子同士が結合した後、再度固化することで、コークスを生成する。
石炭が軟化溶融する性質のことを粘結性といい、配合炭は、通常、粘結性の高い石炭(粘結炭)と粘結性の低い石炭(非微粘結炭)が十数種類配合された構成となっている。なお、粘結炭は高石炭化度炭であり、非微粘結炭は全てが低石炭化度炭とは限らないが、低石炭化度炭が多い。
強度の高いコークスを製造するには、配合炭に一定の粘結性が必要とされることから、粘結炭を多く配合することが必要である。しかし、良質な粘結炭は高価であり、また資源的に枯渇状態にあるのに対して、粘結性の劣る非微粘結炭は、埋蔵量が豊富であり、安価に入手できることから、非微粘結炭の配合率を高くすることが望まれている。更に、より劣質な非微粘結炭を配合する傾向が近年強まっている。
しかし、粘結性に乏しい非微粘結炭を配合すると、上記のコークス化機構から理解されるように、石炭粒子の膨張及び結合が不十分となり、コークス強度の低下を招く。コークス強度の低下は、高炉操業に多大なる影響を及ぼすため、配合する石炭の性状から事前にコークス強度を予測する技術は、粘結性に乏しい非微粘結炭を配合する、現在の石炭配合事情において非常に重要である。
一方、コークス強度の指標として、JIS K2151に記載のドラム強度が使用されている。ドラム強度は、所定量のコークス(10kg)を装入した回転ドラムを150回転させた後、篩目15mmの篩でふるい分けた篩上(粒径15mm超)のコークス質量の全装入コークス質量に対する百分率(15mm指数)で評価するものであり、DI150 15と表記している。
また、ドラム回転時に発生する篩目15mmの篩でふるい分けた篩下(粒径15mm以下)の粉には、表面破壊により生成する粉(表面破壊粉:粒径6mm以下)及び体積破壊により生成する粉(体積破壊粉:粒径6−15mm)が混在していることも明らかにされている。
表面破壊は、平均粒度1mm程度に粉砕された原料石炭の軟化溶融・膨張が不十分なことに起因し、原料石炭の粒子同士の不完全な接着や、装炭時の原料石炭の粒子間空隙の不十分な充填が、欠陥としてコークス中に残存することにより生じる。また、体積破壊は、コークス全体の収縮の不均一さから発生する熱応力によって生成する亀裂により生じ、その生成量は、コークス炉内の温度分布やコークス収縮係数(単位温度あたりの収縮量の大小)に影響される。
このような、表面破壊に関する強度(表面破壊強度)及び体積破壊に関する強度(体積破壊強度)を個々に求めることで、コークス強度DI150 15を推定する方法が知られている。
例えば、特許文献1には、石炭の膨張比容積と装入嵩密度から石炭軟化溶融時の空隙充填度を求め、この空隙充填度からコークスの表面破壊強度を推定する方法が開示されている。また、コークスの表面破壊強度を推定するに際し、石炭軟化時の膨張比容積は、配合炭の場合、各石炭の実測値の加重平均値を用いればよいとされている。
なお、表面破壊強度とは、ドラム強度の6mm指数(DI150 6)、すなわちドラムを150回転させた後の篩目6mmの篩でふるい分けた篩上(粒径6mm超)のコークス質量の全装入コークス質量に対する百分率である。以下では、表面破壊強度をDI150 6と表記することがある。
しかしながら、非微粘結炭の配合割合が増大すると、石炭の膨張比容積には加成性が成立しないため、特許文献1に開示の方法では、十分な正確性で表面破壊強度を推定できないことがあった。
そこで、特許文献2では、高石炭化度炭(粘結炭)と、低石炭化度炭(非微粘結炭)のそれぞれに基づく表面破壊強度を、それぞれの膨張比容積と装入嵩密度から推定し、これらを高石炭化度炭と低石炭化度炭の配合割合で加重平均することにより、コークスの表面破壊強度を推定する方法が開示されている。
また、特許文献3では、膨張性を有しない低石炭化度炭を配合炭の一部に用いて製造するコークスの表面破壊強度の推定をするにあたり、3℃/分以上の昇温速度で測定した低石炭化度炭の膨張比容積の値を用いて粘結炭の表面破壊強度に関するイナートファクターを求め、これを用いて粘結炭の表面破壊強度の推定値を算出し、低石炭化度炭の表面破壊強度の推定値を用いて、配合炭中の粘結炭と低石炭化度炭の配合割合で加重平均することにより、コークスの表面破壊強度を推定する方法が開示されている。
特許第3971563号公報 特許第4299680号公報 特開2016−69469号公報
特許文献2に開示の方法は、コークスの表面破壊強度の推定において有効な技術である。しかし、JIS 8801に規定されているジラトメータにより測定される全膨張率が0%である粘結性を僅かしか有さない非微粘結炭(以下、「劣質炭」という)を配合した配合炭において、膨張比容積と装入嵩密度の積から求められた空隙充填度を用いて、コークスの表面破壊強度を推定したところ、十分な正確性で推定できないことがあった。
特許文献3に開示の手法は、JIS 8801に規定されているジラトメータにより測定される全膨張率が0%である低石炭化度炭、所謂劣質炭を配合炭の一部に用いる際のコークス表面破壊強度推定において有効な手法であるが、劣質炭の配合率が多い場合や3℃/分以上の昇温速度で測定した膨張比容積が著しく低い銘柄を用いた場合などは、十分な正確性で推定できないことがあった。
本発明は、このような実情に鑑み、劣質炭を多く配合した配合炭や、膨張比容積が著しく低い劣質炭を配合した配合炭を用いて製造するコークスであっても、その表面破壊強度を正確に推定する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決する手段について鋭意検討した。劣質炭は、全膨張率が0%であるため、膨張性では劣質炭同士を区別することができない。そこで、3℃/分よりも高い昇温速度で劣質炭の膨張比容積(以下、「高速昇温膨張比容積」という)を測定して、劣質炭同士を区別した。
そして、非微粘結炭と劣質炭とを配合した劣質な石炭中の劣質炭の配合率及び劣質炭の高速昇温膨張比容積に対する、表面破壊強度の実測値と推定値との誤差について調査したところ、高速昇温膨張比容積が低いほど、また劣質炭の配合率が高いほど、誤差が大きくなることを知見し、その誤差を解消する手段についてさらに検討した。
そこで、高速昇温膨張比容積が後述の閾値(T)よりも大きい石炭を用いた場合は、予め、劣質炭の高速昇温膨張比容積及び劣質な石炭中の劣質炭の配合率を強度発現阻害要因とする劣質炭に関する粒子間接着影響(補正値)の関係を求めておき、用いる劣質炭の高速昇温膨張比容積及び劣質な石炭中の劣質炭の配合率と、該関係から補正値を求め、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値から該補正値を減じたところ、コークスの表面破壊強度を正確に推定できることを見出した。
また、高速昇温膨張比容積が閾値(T)以下の低い石炭を用いた場合は、上記の補正値でも誤差が生じることが判明した。このため、前記の閾値(T)よりも低い石炭を用いた場合は、劣質炭の粘結力指数(CI)及び劣質な石炭中の劣質炭の配合率を強度発現阻害要因とする劣質炭に関する粒子間接着影響(補正値)の関係を求めておき、用いる劣質炭の粘結力指数(CI)及び劣質な石炭中の劣質炭の配合率と、該関係から補正値を求め、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値から該補正値を減じたところ、コークスの表面破壊強度を正確に推定できることを見出した。
このような検討を通してなされた本発明の要旨は、以下の通りである。
[1] 劣質炭を配合した配合炭を用いて製造するコークスの表面破壊強度の推定方法において、
前記配合炭は、ビトリニット平均反射率Roが0.8%以上、JIS M 8801で規定される方法によって測定される全膨張率が0%超の粘結炭、及び、劣質な石炭として、ビトリニット平均反射率Roが0.8%未満で当該全膨張率が0%超の非微粘結炭と当該全膨張率が0%の劣質炭からなり、
(a)予め、複数の粘結炭の膨張比容積と装入嵩密度との積から求められる空隙充填度と、得られるコークスの表面破壊強度との関係を求め、
(b)予め、複数の非微粘結炭と劣質炭とを配合した劣質な石炭の膨張比容積と装入嵩密度との積から求められる空隙充填度と、得られるコークスの表面破壊強度との関係を求め、
(c)予め、劣質炭の強度発現阻害要因と粒子間接着影響の補正値との関係を以下のようにして求め、
(c1)劣質炭を3℃/分よりも高い所定の昇温速度で昇温したときの膨張比容積を高速昇温膨張比容積SV’として測定し、
(c2)測定した劣質炭の膨張比容積SV’が閾値Tよりも大きい場合、予め、当該膨張比容積SV’と劣質な石炭中の当該劣質炭の配合率とを強度発現阻害要因とし、その要因に基づく劣質炭に関する粒子間接着影響を表す補正値1との関係を求め、
(c3)測定した劣質炭の膨張比容積SV’が前記閾値T以下の場合、さらに当該劣質炭の粘結力指数CIを測定し、予め、測定した粘結力指数CIと劣質な石炭中の当該劣質炭の配合率とを強度発現阻害要因とし、その要因に基づく劣質炭に関する粒子間接着影響を補正値2との関係を求め、
コークスの表面破壊強度の推定にあたり、
(d)用いる配合炭中の粘結炭の空隙充填度を同様に求め、前記(a)の関係から当該粘結炭に基づく表面破壊強度の推定値を求め、
(e)用いる配合炭中の劣質な石炭の空隙充填度を同様に求め、前記(b)の関係から当該劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値を求め、
(f)用いる配合炭中の劣質炭の膨張比容積SV’を求め、前記閾値Tとの関係に応じて、以下のようにして補正値を求め、
(f1)用いる配合炭中の劣質炭の膨張比容積SV’が前記閾値Tよりも大きい場合は、当該膨張比容積SV’と劣質な石炭中の当該劣質炭の配合率を求め、前記(c2)の関係から補正値1を求め、
(f2)用いる配合炭中の劣質炭の膨張比容積SV’が前記閾値T以下の場合は、当該膨張比容積SV’と劣質な石炭中の当該劣質炭の配合率を求め、前記(c3)の関係から補正値2を求め、
(g)前記(e)で求めた劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値から、劣質炭の膨張比容積SV’に応じて、前記(f1)または(f2)で求めた補正値1または補正値2を減じて劣質な石炭に基づく表面破壊強度の補正推定値を求め、
(h)前記(d)で求めた粘結炭に基づく表面破壊強度の推定値と、前記(g)で求めた劣質な石炭に基づく表面破壊強度の補正推定値とを、用いる配合炭中の粘結炭と劣質な石炭の配合率で加重平均する
ことを特徴とするコークス表面破壊強度の推定方法。
[2]前記の3℃/分よりも高い所定の昇温速度が12℃/分であり、その場合の高速昇温膨張比容積SV’の閾値Tが1.20であることを特徴とする上記[1]に記載のコークス表面破壊強度の推定方法。
本発明によれば、劣質炭に関する粒子間接着影響を補正値として、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値から減じるので、劣質炭を配合した配合炭を用いて製造するコークスの表面破壊強度を正確に推定することができる。
非微粘結炭単味及び非微粘結炭と劣質炭からなる劣質な石炭の空隙充填度(SV×BD)に対する、表面破壊強度(DI150 6)の関係を示す図である。 銘柄B3の劣質炭を配合して得られたコークスのSEM写真の撮像である。(a)は粒子間の状態を示す撮像であり、(b)は粒子表面の撮像である。 劣質炭の配合率Xに対するDI150 6実計差の関係を示す図である。 劣質炭の高速昇温膨張比容積SV’に対するDI150 6実計差の関係を示す図である。 DI150 6実測値とDI150 6推定値との関係を示す図である。 比較例のDI150 6実測値とDI150 6推定値との関係を示す図である。 発明例のDI150 6実測値とDI150 6推定値との関係を示す図である。
本発明のコークスの表面破壊強度の推定方法(以下、「本発明の推定法」という)は、粘結炭、非微粘結炭、及び、劣質炭とからなる配合炭を用いて製造するコークスの表面破壊強度の推定方法であり、
(i)粘結炭に基づく表面破壊強度の推定値を求め、
(ii)非微粘結炭と劣質炭とを配合した劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値を求め、
(iii)劣質炭の高速昇温膨張比容積(SV’)が閾値(T)よりも大きい場合、劣質炭の高速昇温膨張比容積及び劣質な石炭中の配合率を求め、高速昇温膨張比容積及び劣質な石炭中の配合率を強度発現阻害要因とする劣質炭に関する粒子間接着影響の関係から補正値1を求め、
劣質炭の高速昇温膨張比容積(SV’)が閾値(T)以下の場合、劣質炭の粘結力指数(CI)及び劣質な石炭中の配合率を求め、劣質炭の粘結力指数(CI)及び劣質な石炭中の配合率を強度発現阻害要因とする劣質炭に関する粒子間接着影響の関係から補正値2を求め、
(iv)劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値から補正値を減じて補正推定値を求め、
(v)粘結炭に基づく表面破壊強度の推定値と劣質な石炭に基づく表面破壊強度の補正推定値とを、粘結炭と劣質な石炭の配合率で加重平均する
ものである。
以下、本発明の推定法に至った検討の経緯について説明するとともに、本発明の推定法について説明する。
従来、表面破壊強度は、粘結炭と非微粘結炭のそれぞれについて、膨張比容積と装入嵩密度の積から求められた空隙充填度を用いて、それぞれに基づく表面破壊強度を推定し、粘結炭と非微粘結炭の配合率で加重平均することにより、推定されていた。石炭軟化時の膨張比容積SVは、JIS M8801の膨張性試験に用いるジラトメータ装置を用いた試験(昇温速度3℃/分)により、以下の(1)式で算出される。
膨張比容積SV[cm3/g]=最大膨張時の石炭体積[cm3]/石炭装入量[g]
・・・(1)
また、石炭軟化時の空隙充填度は、(1)式により求めた膨張比容積SVと装入嵩密度BDを用い、以下の(2)式から算出することができる。
空隙充填度[−]=膨張比容積SV[cm3/g]×装入嵩密度BD[g/cm3
・・・(2)
しかしながら、全膨張率が0%の劣質炭を配合した配合炭に対して、粘結炭と非微粘結炭(劣質炭を含む)のそれぞれに基づく表面破壊強度を推定し、粘結炭と非微粘結炭の配合率で加重平均することによりコークスの表面破壊強度を推定したところ、正確に推定できないことがあった。
これは、全膨張率が0%の同じ劣質炭の括りの中でも、実際には僅かな粘結性の違いが存在し、接着不良の度合いが異なるためと考えた。すなわち、劣質炭の性状により、同一の配合率でも強度低下への影響が異なると考えた。
そこで、3℃/分よりも高い昇温速度で劣質炭の高速昇温膨張比容積を求め、劣質炭同士を区別し、劣質炭間の性状の違いによる強度低下への影響について次のような試験を行った。
まず、非微粘結炭及び4種の劣質炭を準備した。非微粘結炭のビトリニット平均反射率Roは0.7%である。表1に、非微粘結炭及び劣質炭の揮発分量VM、全膨張率TD、及び、高速昇温膨張比容積(SV’)を示す。
以下、揮発分VMは、JIS M8812で規定される方法、全膨張率TDは、JIS M 8801で規定される方法により測定したものを示す。高速昇温膨張比容積の測定法については、以下に簡潔に説明する。
高速昇温膨張比容積(SV’)は、JIS M8801で規定される膨張性試験方法に用いる細管に、劣質炭を粒度1mm篩下100%及び嵩密度0.85g/cm3で充填し、少なくとも400℃に達した時点から500℃に達するまでの平均昇温速度が3℃/分よりも高い昇温速度(ここでは、12℃/min)になるように昇温させ、その際のピストンの変位量を測定し、この変位量から膨張率を求め、この膨張率から求めた。
表2に示す配合率及び装入嵩密度の条件において、石炭約50kgを有効寸法W240mm×L540mm×H500mmのSUS製乾留容器に充填し、石炭中部の昇温パターンが実コークス炉のそれとほぼ対応するよう、初期炉温820℃−最終炉温1040℃で昇温し18時間乾留を行った。乾留後のコークスは窒素冷却後、表面破壊強度(DI150 6)を測定した。
図1に、非微粘結炭単味及び非微粘結炭と劣質炭からなる劣質な石炭の空隙充填度(SV×BD)に対する、表面破壊強度(DI150 6)の関係を示す。なお、膨張比容積SV[cm3/g]は、通常測定時の昇温速度である3℃/分で昇温することにより測定したものである。
図1に点線で示す関係線は、別途に複数の非微粘結炭を用いて求められた、空隙充填度(SV×BD)と表面壊強度(DI150 6)との関係であり、空隙充填度(SV×BD)の低下に伴って、表面破壊強度(DI150 6)は低下する。一方、劣質炭は、膨張性を有さないため、膨張性を有する非微粘結炭に配合すると、膨張比容積SVは低下する。
図1において、銘柄B3の劣質炭を配合した場合に、15質量%、30質量%と配合するに従い、つまり、空隙充填度(SV×BD)が低下するに従い、関係線から乖離する現象が確認された。また、銘柄B4の劣質炭を配合した場合は、15質量%、30質量%と配合するに従い、関係線から乖離する現象が確認された。すなわち、銘柄B3およびB4の劣質炭において、膨張性以外の強度影響因子が顕在化することを知見した。
図2に、銘柄B3の劣質炭を配合して得られたコークスのSEM写真の撮像を示す。図2(a)は、粒子間の状態を示す撮像であり、図2(b)は、粒子表面の撮像である。図2(a)に示すように、劣質炭粒子を配合して得られたコークスの粒子同士は、接触しているが融着していない部分があり、図2(b)に示すように、コークスの表面から剥がれ落ちた形跡がみられ、劣質炭粒子間の接着不良が示唆される。
そこで、本発明者らは、非微粘結炭単味および劣質炭からなる配合炭中の、劣質炭配合率及び劣質炭の性状(昇温速度12℃/分での高速昇温膨張比容積)に対する、表面破壊強度(DI150 6)の実測値と推定値(図1の関係線)との誤差(DI150 6実計差)について調査した。図3に、劣質炭の配合率Xに対するDI150 6実計差の関係を示す。図4に、劣質炭の高速昇温膨張比容積SV’に対するDI150 6実計差の関係を示す。
図3及び図4に示すように、配合率Xが高いほど、高速昇温膨張比容積SV’が低いほど、DI150 6実計差が大きくなった。そこで、本発明者らは、この知見に基づき、劣質炭の配合率Xと高速昇温膨張比容積SV’とを強度発現阻害要因とし、その要因と劣質炭の粒子間接着影響の相互の関係を求め、この関係を用いて劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値を補正することに着想した。そして、それを実現するために劣質炭の粒子間接着影響(補正値)を以下のように式化した。
粒子間接着影響=a×(X/b)×(d/SV’) ・・・(3)
X:劣質炭の配合率[質量%]
SV’:劣質炭の高速昇温膨張比容積SV’[g/cm3
この(3)式において定数a、b、c、d及びeは、試行錯誤的に決定することができ、劣質な石炭の膨張比容積SVの測定時の昇温速度が12℃/分の条件において、a=0.4、b=15、c=3、d=1.24、e=20であった。
図4中の点線は、(3)式における計算値(上側の点線:Xが15質量%、下側の点線:Xが30質量%)であり、劣質炭B3(SV’=1.24)は、配合率15%、30%ともDI150 6実計差をよく推定できているが、劣質炭B4(SV’=1.18)については、いずれの配合率とも推定できないことが確認された。
そこで、発明者らは劣質炭B4に関しては、強度発現阻害要因を劣質炭の粘結力指数(CI)と配合率として粒子間接着影響を(4)式のように式化した。
なお、粘結力指数CIとは、石炭1g(粒度0.25mm以下)に粉コークス9g(粒度0.25〜0.3mm)を配合したものを磁性るつぼ内に入れ900℃で7分間乾留して得られたコークスを0.42mmの篩にかけて、その篩上に溜まった質量を百分率で表した値である。
粒子間接着影響=f+g×CI+h×X ・・・(4)
X:劣質炭の配合率[質量%]
CI:劣質炭の粘結力指数[−]
この(4)式において、定数f、g、hは試行錯誤的に求めることができ、本実験結果からは、f=−13.97、g=0.35、h=−0.39であった。
次に、この粒子間接着影響を加味したコークスの表面破壊強度の推定値と、コークスの表面破壊強度の実測値との関係を調査した。
まず、粘結炭Xと、表1に示す非微粘結炭及び劣質炭を準備した。粘結炭のビトリニット平均反射率Roは1.24%で、全膨張率は101%である。表3に示す配合率の配合炭とした。そして、配合炭を前述と同様の条件により乾留容器で乾留し、表面破壊強度(DI150 6)を測定した。
また、粘結炭Xと、表3に示す配合率で、非微粘結炭Aと、劣質炭B1、B3、B4のいずれかとが配合された劣質な石炭について、それぞれの膨張比容積と装入嵩密度を求め、それらの積から求められた空隙充填度と、予め求められた空隙充填度と表面破壊強度の関係とから、粘結炭と劣質な石炭それぞれに基づく表面破壊強度の推定値を得た。そして、コークスの表面破壊強度の推定値は、次のようにして求めた。
従来の推定値1として、粘結炭に基づく表面破壊強度の推定値を膨張比容積にイナートファクターを加味して求め、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値とを配合炭中の粘結炭と劣質な石炭の配合率で加重平均して求めた。
従来の推定値2として、粘結炭に基づく表面破壊強度の推定において、膨張比容積に加味するイナートファクターを、劣質炭についてはSV’の関数から求め(特許文献3の手法による)、その粘結炭に基づく表面破壊強度の推定と、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値とを配合炭中の粘結炭と劣質な石炭の配合率で加重平均して求めた。
一方、粒子間接着影響を加味した推定値1として、(3)式を用い、劣質炭の粒子間接着影響(補正値1)を求め、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値から補正値1を減じて補正推定値とし、粘結炭に基づく表面破壊強度の推定値と、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の補正推定値とを配合炭中の粘結炭と劣質な石炭の配合率で加重平均して求めた。
また、粒子間接着影響を加味した推定値2として、劣質炭B4については(4)式を用い、劣質炭の粒子間接着影響(補正値2)を求め、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値から補正値2を減じて補正推定値とし、粘結炭に基づく表面破壊強度の推定値と、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の補正推定値とを配合炭中の粘結炭と劣質な石炭の配合率で加重平均して求めた。
図5に、DI150 6実測値とDI150 6推定値との関係を示す。このように、従来の推定値1、従来の推定値2では、実測値との誤差が大きくなる場合があったが、(3)式により粒子間接着影響を加味した推定値1では、No.1〜5のいずれの配合炭においても実測値とほぼ一致した。また、(4)式により粒子間接着影響を加味した推定値2では、No.6〜7の配合炭においても推定値は実測値とほぼ一致した。
このように、粒子間接着影響を、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値からから減ずることで、コークスの表面破壊強度を正確に推定することができることを見出した。
本発明は、以上のような検討過程を経て上記(1)に記載の発明に至ったものであり、そのような本発明について、本発明の推定法の流れを説明するとともに、必要な要件や好ましい要件について順次説明する。
まず、表面破壊強度を推定するコークスを製造する配合炭は、次の石炭とする。
粘結炭:ビトリニット平均反射率Roが0.8%以上、全膨張率が0%超
非微粘結炭:ビトリニット平均反射率Roが0.8%未満、全膨張率が0%超
劣質炭:全膨張率が0%
なお、ビトリニット反射率Roは、JIS M8816で規定される方法によって測定されるものである。
そして、粘結炭と、非微粘結炭及び劣質炭を配合した劣質な石炭とに分けて、それぞれに関する表面破壊強度を推定する。これは、上記の性状の非微粘結炭及び劣質炭の場合、粘結炭の膨張を阻害するため、膨張比容積の加成性が成立せず、表面破壊強度の推定に影響を与えるためである。また、劣質な石炭を、非微粘結炭と劣質炭とに分けることで、非微粘結炭に基づく表面破壊強度の推定に影響する劣質炭による粒子間接着影響を補正する。
<(a)予め求める粘結炭の空隙充填度とコークスの表面破壊強度との関係>
複数種の粘結炭の膨張比容積を、JIS M8801に規定されている測定法により測定し、複数種の粘結炭をコークス炉に装入する時の装入嵩密度を求め、上記(2)式で定義される石炭軟化時の空隙充填度を求めるとともに、乾留して表面破壊強度DI150 15を測定し、空隙充填度と粘結炭に基づく表面破壊強度との関係を予め求める。なお、粘結炭が複数銘柄の石炭を含む場合には、粘結炭の膨張比容積は、各石炭の膨張比容積を配合比率で加重平均して求めることができる。
<(b)予め求める劣質な石炭の空隙充填度とコークスの表面破壊強度との関係>
上述の予め求める粘結炭の空隙充填度とコークスの表面破壊強度との関係の求め方と同様に、複数種の劣質な石炭の膨張比容積を測定し、複数種の劣質な石炭をコークス炉に装入する時の装入嵩密度を求め、空隙充填度を求めるとともに、乾留して表面破壊強度DI150 15を測定し、空隙充填度と劣質な石炭に基づく表面破壊強度との関係を予め求める。なお、非微粘結炭が複数銘柄の石炭を含む場合には、非微粘結炭の膨張比容積は、各石炭の膨張比容積を配合比率で加重平均して求めることができる。
<(c)予め求める劣質炭の強度発現阻害要因と粒子間接着影響の関係>
[(c1)劣質炭の高速昇温膨張比容積(SV’)の測定]
劣質炭を3℃/分よりも高い所定の昇温速度(v’)で昇温して、その比容積を高速昇温膨張比容積(SV’)として測定する。測定した劣質炭の膨張比容積(SV’)と閾値(T)を比較する。
ここで、閾値(T)は、3℃/分よりも高い所定の昇温温度(例えば12℃/分)で測定した劣質炭の膨張比容積を用いて、上記(3)式により粒子間接着影響を加味した推定値1が、実測値とほぼ一致する領域と、推定値1と実測値が乖離する領域とを区分する値である。
この閾値(T)は、全膨張率が0%の複数の劣質炭を対象として、3℃/minよりも高い所定の昇温温度(例えば12℃/分)で測定した劣質炭の膨張比容積を用いて、前記の推定値1と実測値とを比較することで、求めることができる。
ちなみに、昇温温度が12℃/分であれば、閾値(T)は1.20であることを、本発明者は実験的に確認している。
[(c2)予め求める高速昇温膨張比容積と配合率とを強度発現阻害要因とする粒子間接着影響の関係]
膨張比容積(SV’)が閾値(T)よりも大きい場合、当該膨張比容積SV’と劣質な石炭中の劣質炭の配合率Xとを強度発現阻害要因とし、その要因と劣質炭に関する粒子間接着影響(補正値)の関係を予め求める。
まず、複数種の劣質炭を用い、図3及び図4に示すような、劣質な石炭中の劣質炭の配合率X及び膨張比容積SV’に対する、表面破壊強度(DI150 6)の実測値と推定値と誤差(DI150 6実計差)の関係を求める。
次に、劣質炭の配合率Xに対するDI150 6実計差の関係及び劣質炭の膨張比容積SV’に対するDI150 6実計差の関係において、該関係を表現できる粒子間接着影響(補正値)の式の関数形を決める。関数形は任意であり、上記(3)式の形に限定されるものではない。ここでは、上記(3)式の関数形を選択し、説明する。
次に、(3)式において、定数a、b、c、d及びeを求める。
まず、図3及び図4に示すような、関係を求める試験を行った中で、最も高速昇温膨張比容積SV’の値が小さい銘柄の石炭、図3では、銘柄B3の石炭(SV’=1.24)について、a×(X/b)の定数を決める。試験条件の中で任意の配合率の数値を定数bとすると、X=bのときのDI150 6実計差が定数aとなる。次に、他の配合率において、先述のa及びbを適用した場合、配合率の影響を説明できる乗数cを試行錯誤的に決定する。
次に、劣質炭の配合率Xを固定した場合に、図4の変化を説明できるd及びeを試行錯誤的に決定する。これらは、劣質炭の配合率Xと高速昇温膨張比容積SV’のDI150 6実計差に及ぼす影響感度がひとつの乗数で説明できないために行うのであり、式中の定数a、b、c、d、及びeは、図3及び図4に示す関係を求める試験の条件により異なる。
図3の例では、劣質な石炭の膨張比容積SVの測定時の昇温速度は12℃/minとし、その条件においては、a=0.4、b=15、c=3、d=1.24、e=20となった。
[(c3)予め求める石炭粘結力指数と配合率とを強度発現阻害要因とする粒子間接着影響の関係]
膨張比容積(SV’)が閾値(T)以下の場合、さらに劣質炭の粘結力指数CIを測定しておき、該粘結力指数CIと劣質な石炭中の劣質炭の配合率Xとを強度発現阻害要因とし、その要因と劣質炭に関する粒子間接着影響(補正値)の関係を予め求める。
配合炭中の膨張比容積(SV’)が閾値(T)以下の劣質炭について、上記(c2)と同様に、配合率X及び粘結力指数CIに対する表面破壊強度(DI150 6)の実測値と推定値と誤差(DI150 6実計差)の関係を求め、次に、劣質炭の配合率Xに対するDI150 6実計差の関係及び劣質炭の粘結力指数CIに対するDI150 6実計差の関係において、該関係を表現できる粒子間接着影響(補正値)の式の関数形を決める。そして、その関数を用いて補正値を求める。
用いる関数形は任意であり、前記(4)式の形に限定されるものではないが、(4)式を用いる場合は、定数f、g、hは試行錯誤的に求めることができ、本実験結果からはf=−13.97、g=0.35、h=−0.39であった。
上記のように、実際に使用を想定している劣質炭の性状範囲において、上記関係を求める試験を実施し、粒子間接着影響を式化しておけば、使用に際して劣質炭の膨張比容積SV’を(3)式を導出する際の条件にて測定し、膨張比容積SV’の閾値Tに応じて(3)式あるいは(4)式を選択し用いるのみで、粒子間接着影響を評価することができる。
<(d)用いる配合炭中の粘結炭に基づく表面破壊強度の推定>
用いる配合炭中の粘結炭に基づく表面破壊強度を、その膨張比容積と装入嵩密度との積から空隙充填度を求め、該空隙充填度と(a)の関係から推定する。なお、粘結炭が複数銘柄の石炭を含む場合には、粘結炭の膨張比容積は、各石炭の膨張比容積を配合比率で加重平均して求めることができる。
また、非微粘結炭及び劣質炭は、粘結炭よりも再固化温度が低いものが多く、粘結炭が軟化溶融しているときには、非微粘結炭及び劣質炭は既に再固化しており、粘結炭の膨張が抑制される。そこで、特許文献2に開示されるように、非微粘結炭及び劣質炭の配合率に対して、粘結炭の膨張抑制効果をイナートファクターIFとして式化しておき、粘結炭の膨張比容積にイナートファクターIFを掛けて、空隙充填度を求める際の膨張比容積としてもよい。これにより、粘結炭に基づく表面破壊強度の推定値の正確性を向上させることができるため好ましい。
<(e)用いる配合炭中の劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定>
劣質な石炭に基づく表面破壊強度を、その膨張比容積と装入嵩密度との積から空隙充填度を求め、該空隙充填度と(b)の関係から推定する。なお、非微粘結炭が複数銘柄の石炭を含む場合には、非微粘結炭の膨張比容積は、各石炭の膨張比容積を配合比率で加重平均して求めることができる。
<(f)用いる配合炭中の劣質炭について補正値の導出>
(f1)用いる劣質炭について、3℃/分よりも高い所定の昇温速度(v’)で測定した高速昇温膨張比容積(SV’)が閾値(T)よりも大きい場合、当該膨張比容積SV’と劣質な石炭中の当該劣質炭の配合率を求める。そして、膨張比容積及び劣質炭の配合率と、前記(c2)の関係とから、粒子間接着影響(補正値1)を求める。なお、3℃/分よりも高い昇温速度としては、6℃/分が好ましく、12℃/分がより好ましい。
また、12℃/分でも劣質炭間の高速昇温膨張比容積の差が大きくない場合は、さらに高速で昇温してもよく、例えば、50℃/分、さらには100℃/分が例示できる。
この様に、大きな昇温速度として、例えば、100℃/分で高速昇温膨張比容積を測定する場合は、特開2014−019814号公報に開示されている方法が推奨される。すなわち、劣質炭を細管に入れ、この細管にピストンを挿入し、少なくとも400℃に達した時点から500℃に達するまでの間の平均昇温速度が100℃/分になるように、550℃に保持した加熱炉に細管を装入し、その際のピストンの変位量を測定し、この変位量から膨張率を求め、この膨張率から求める方法が、推奨される。
なお、3℃/分よりも高い所定の昇温速度(v’)で測定した高速昇温膨張比容積(SV’)が閾値(T)よりも大きい劣質炭として、高速昇温膨張比容積(SV’)の上限は特に限定されない。但し、例えば、12℃/分で測定した場合に1.35よりも大きい劣質炭は、従来推定値との差があまり大きくないことから、高速昇温膨張比容積(SV’)の12℃/分での好ましい上限値としては1.35が例示される。
(f2)一方、用いる劣質炭について、3℃/分よりも高い所定の昇温速度(v’)で測定した高速昇温膨張比容積(SV’)が閾値(T)以下の場合、当該劣質炭について、粘結力指数(CI)を求め、また、劣質な石炭中の劣質炭の配合率を求める。そして、粘結力指数(CI)及び劣質炭の配合率と、前記(c3)の関係とから、粒子間接着影響(補正値2)を求める。
<(g)劣質な石炭に基づく表面破壊強度の補正推定値の導出>
(e)で求めた劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値から、(f)で求めた補正値1または補正値2を減じて、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の補正推定値を求める。
<(h)コークス表面破壊強度の推定>
(d)で求めた粘結炭に基づく表面破壊強度の推定値と、(g)で求めた劣質な石炭に基づく表面破壊強度の補正推定値とを、用いる配合炭中の粘結炭と劣質な石炭の配合率で加重平均して、コークス表面破壊強度を推定する。
なお、求められたコークス表面破壊強度と、例えば、特許文献2に記載された方法に従い求められる体積破壊強度とから、ドラム強度DI150 15を推定してもよい。
(粘結炭と劣質な石炭との配合比)
粘結炭と劣質な石炭との配合比は、特に限定されるものでないが、粘結炭と劣質な石炭に分けずに表面破壊強度を推定していた場合、配合炭中の劣質な石炭の配合率が30質量%以上の場合、推定値の正確性が低かったため、本発明の推定法において、配合炭中の劣質な石炭の配合率を30質量%以上としてもよい。より好ましくは配合率を45質量%以上としてもよい。
(劣質な石炭中の劣質炭の配合率)
劣質な石炭中の劣質炭の配合率は、特に限定されるものでないが、劣質な石炭中の劣質炭の配合率が10質量%以上の場合、劣質な石炭の表面強度の推定値の正確性が低くなることがあるため、本発明の推定法において、劣質な石炭中の劣質炭の配合率を10質量%以上としてもよい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
まず、粘結炭、非微粘結炭及び4種の劣質炭を準備した。表4に、粘結炭、非微粘結炭及び劣質炭の揮発分量VM、全膨張率TD、及び、高速昇温膨張比容積SV’を示す(ここで、高速昇温膨張比容積SV’は12℃/分の昇温速度で測定した。また、膨張比容積SV´の閾値(T)は1.20である。)。粘結炭Yのビトリニット平均反射率Roは1.24%で、非微粘結炭Cのビトリニット平均反射率Roは0.70%である。
表5に示す配合率において、石炭約90kgを有効寸法W420×L610×H400mmの焼成缶に充填し、0.85t/m3(実機0.80t/m3相当)の嵩密度で装入した後、試験コークス炉にて乾留した。そして、乾留後のコークスについて、表面破壊強度(DI150 6)を測定した。
予め粘結炭の空隙充填度とコークスの表面破壊強度との関係及び劣質な石炭の空隙充填度とコークスの表面破壊強度との関係を求めた。そして、粘結炭Yと、表5に示す配合率で、非微粘結炭Cと、劣質炭D1、D2、D3、D4、D5とが配合された劣質な石炭の膨張比容積と装入嵩密度を求め、それから求められた空隙充填度と、前記関係から、粘結炭と劣質な石炭それぞれに基づく表面破壊強度の推定値を得た。そして、コークスの表面破壊強度の推定値を次のように求めた。
比較例では、粘結炭に基づく表面破壊強度を、劣質な石炭による粘結炭の膨張抑制効果を考慮して、すなわちイナートファクターIFを粘結炭の膨張比容積に掛けたものから推定し、この粘結炭に基づく表面破壊強度の推定値と、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値とを、配合炭中の粘結炭と劣質な石炭の配合率で加重平均して、コークスの表面破壊強度の推定値を求めた。図6に、比較例のDI150 6実測値とDI150 6推定値との関係を示す。
発明例では、12℃/分で測定した膨張比容積SV’が1.20超である劣質炭D1〜D4を配合したケースNo.1〜No.7については上記(3)式を、12℃/分で測定したSV’が1.20以下である劣質炭D5を配合したケースNo.8については(4)式を用い、劣質炭の粒子間接着影響(補正値)を求め、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値から補正値を減じて補正推定値とし、劣質な石炭による粘結炭の膨張抑制効果を考慮、すなわちイナートファクターIFを粘結炭の膨張比容積に掛けたものから求めた粘結炭の表面破壊強度とを、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の補正推定値とを配合炭中の粘結炭と劣質な石炭の配合率で加重平均して、コークスの表面破壊強度の推定値を求めた。図7に、発明例のDI150 6実測値とDI150 6推定値との関係を示す。
図6に示すように、比較例の表面破壊強度のDI150 6推定値は、DI150 6実測値と大きく乖離している。それに対して、図7に示すように、発明例の表面破壊強度のDI150 6推定値は、粒子間接着影響項を反映しているため、DI150 6実測値と非常に良く一致しており、劣質炭配合時の表面破壊強度急落に対する推定値の正確性が大幅に向上した。
本発明によれば、劣質炭に関する粒子間接着影響を補正値として、劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値から減じるので、劣質炭を配合した配合炭を用いて製造するコークスの表面破壊強度を正確に推定することができる。よって、本発明は、産業上の利用可能性が高いものである。

Claims (2)

  1. 劣質炭を配合した配合炭を用いて製造するコークスの表面破壊強度の推定方法において、
    前記配合炭は、ビトリニット平均反射率Roが0.8%以上、JIS M 8801で規定される方法によって測定される全膨張率が0%超の粘結炭、及び、劣質な石炭として、ビトリニット平均反射率Roが0.8%未満で当該全膨張率が0%超の非微粘結炭と当該全膨張率が0%の劣質炭からなり、
    (a)予め、複数の粘結炭の膨張比容積と装入嵩密度との積から求められる空隙充填度と、得られるコークスの表面破壊強度との関係を求め、
    (b)予め、複数の非微粘結炭と劣質炭とを配合した劣質な石炭の膨張比容積と装入嵩密度との積から求められる空隙充填度と、得られるコークスの表面破壊強度との関係を求め、
    (c)予め、劣質炭の強度発現阻害要因と粒子間接着影響の補正値との関係を以下のようにして求め、
    (c1)劣質炭を3℃/分よりも高い所定の昇温速度で昇温したときの膨張比容積を高速昇温膨張比容積SV’として測定し、
    (c2)測定した劣質炭の膨張比容積SV’が閾値Tよりも大きい場合、予め、当該膨張比容積SV’と劣質な石炭中の当該劣質炭の配合率とを強度発現阻害要因とし、その要因に基づく劣質炭に関する粒子間接着影響を補正値1とする相互の関係を求め、
    (c3)測定した劣質炭の膨張比容積SV’が前記閾値T以下の場合、さらに当該劣質炭の粘結力指数CIを測定し、予め、測定した粘結力指数CIと劣質な石炭中の当該劣質炭の配合率とを強度発現阻害要因とし、その要因に基づく劣質炭に関する粒子間接着影響を補正値2とする相互の関係を求め、
    コークスの表面破壊強度の推定にあたり、
    (d)用いる配合炭中の粘結炭の空隙充填度を同様に求め、前記(a)の関係から当該粘結炭に基づく表面破壊強度の推定値を求め、
    (e)用いる配合炭中の劣質な石炭の空隙充填度を同様に求め、前記(b)の関係から当該劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値を求め、
    (f)用いる配合炭中の劣質炭の膨張比容積SV’を求め、前記閾値Tとの関係に応じて、以下のようにして補正値を求め、
    (f1)用いる配合炭中の劣質炭の膨張比容積SV’が前記閾値Tよりも大きい場合は、当該膨張比容積SV’と劣質な石炭中の当該劣質炭の配合率を求め、前記(c2)の関係から補正値1を求め、
    (f2)用いる配合炭中の劣質炭の膨張比容積SV’が前記閾値T以下の場合は、当該膨張比容積SV’と劣質な石炭中の当該劣質炭の配合率を求め、前記(c3)の関係から補正値2を求め、
    (g)前記(e)で求めた劣質な石炭に基づく表面破壊強度の推定値から、劣質炭の膨張比容積SV’に応じて、前記(f1)または(f2)で求めた補正値1または補正値2を減じて劣質な石炭に基づく表面破壊強度の補正推定値を求め、
    (h)前記(d)で求めた粘結炭に基づく表面破壊強度の推定値と、前記(g)で求めた劣質な石炭に基づく表面破壊強度の補正推定値とを、用いる配合炭中の粘結炭と劣質な石炭の配合率で加重平均する
    ことを特徴とするコークス表面破壊強度の推定方法。
  2. 前記の3℃/分よりも高い所定の昇温速度が12℃/分であり、その場合の高速昇温膨張比容積SV’の閾値Tが1.20であることを特徴とする請求項1に記載のコークス表面破壊強度の推定方法。
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