JP2018048136A - 錠剤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば特許文献1には、カフェイン類、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、アセトアミノフェン類およびエテンザミドより選ばれる1種または2種以上の薬剤と、ロキソプロフェンナトリウム二水和物とを含有する、経口投与用の医薬組成物が開示されている。
杵付着が抑えられた錠剤として、例えば特許文献2には、ロキソプロフェン(塩)と特定量の着色剤とを含有する錠剤が開示されている。
しかし、コーティング剤を用いて錠剤を被覆する方法の場合、コーティング中に摩損が生じることがある。摩損を抑制するために硬度の高い錠剤とすると、溶出性が低下する場合がある。さらに、製造工程が増えるため、製造コストが高い。
一般用医薬品において服用性は重要な因子であり、服用を妨げる要因となり得る不快な臭いをより簡便な方法により抑制する技術が求められる。
[1] 下記(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分を含有する、錠剤。
(A)成分:ロキソプロフェンおよびその塩からなる群より選ばれる1種以上
(B)成分:アセトアミノフェン
(C)成分:着色剤
(D)成分:結晶セルロース、デンプンおよびリン酸水素カルシウムからなる群より選ばれる1種以上
[2] 前記(C)成分が三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選ばれる1種以上である、[1]に記載の錠剤。
[3] 10000×(C)成分/((A)成分+(B)成分)で表される質量比が0.11〜20である、[1]または[2]に記載の錠剤。
[4] (D)成分/((A)成分+(B)成分)で表される質量比が0.005〜5である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の錠剤。
[5] 前記(A)成分の含有量が、錠剤の総質量に対して3〜85質量%である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の錠剤。
[6] 前記(B)成分の含有量が、錠剤の総質量に対して3〜85質量%である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の錠剤。
[7] 10000×(C)成分/錠剤で表される質量比が、0.01〜3である、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の錠剤。
[8] 前記(D)成分の含有量が、錠剤の総質量に対して1〜85質量%である、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の錠剤。
[9] (B)成分/(A)成分で表される質量比が0.25〜15である、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の錠剤。
[10] カフェイン、無水カフェイン、アリルイソプロピルアセチル尿素および低置換度ヒドロキシプロピルセルロースからなる群より選ばれる1種以上をさらに含有する、[1]〜[9]のいずれか1つに記載の錠剤。
[11] 下記(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分を含む薬物含有粉体を打錠成形して錠剤を得る工程を有する、錠剤の製造方法。
(A)成分:ロキソプロフェンおよびその塩からなる群より選ばれる1種以上
(B)成分:アセトアミノフェン
(C)成分:着色剤
(D)成分:結晶セルロース、デンプンおよびリン酸水素カルシウムからなる群より選ばれる1種以上
[12] 下記(A)成分を含む粉体Aと、下記(B)成分を含む粉体B(ただし、下記(C)成分および(D)成分のそれぞれが、粉体Aおよび粉体Bの少なくとも一方に含まれる)とを臼に充填し、打錠成形して錠剤を得る工程を有する、錠剤の製造方法。
(A)成分:ロキソプロフェンおよびその塩からなる群より選ばれる1種以上
(B)成分:アセトアミノフェン
(C)成分:着色剤
(D)成分:結晶セルロース、デンプンおよびリン酸水素カルシウムからなる群より選ばれる1種以上
錠剤の寸法は特に限定されないが、錠剤の取り扱いやすさと嚥下性の観点から錠剤の径として5〜14mmφが好ましく、6〜13mmφがより好ましく、7〜12mmφがさらに好ましい。また1錠あたりの錠剤質量は、150mg〜550mgが好ましい。
また、錠剤の形状としては特に限定されないが、スミ角平錠、スミ丸平錠、丸みを帯びたR錠もしくは2段階R錠が好ましい。
(A)成分は、ロキソプロフェンおよびその塩(ロキソプロフェン(塩))からなる群より選ばれる1種以上である。
ロキソプロフェン(塩)は、日本薬局方に収載されている解熱鎮痛成分である。
ロキソプロフェン(塩)は、水和物の状態で存在していてもよい。水和物の状態のロキソプロフェン(塩)の好適例としては、ロキソプロフェンナトリウム二水和物が挙げられる。ロキソプロフェンナトリウム二水和物の場合、原末の水分量は約12質量%である。
なお、(A)成分が水和物の場合、後述する(A)成分の含有量、1回当たりの服用量および他の成分との質量比には、(A)成分中の水分量も含まれるものとする。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
錠剤が積層錠であって、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分が同一層に存在する場合、(A)成分の含有量は、薬物層の総質量に対して3〜90質量%が好ましく、5〜55質量%がより好ましい。
錠剤が積層錠であって、(A)成分と(B)成分とが別々の層に存在する場合、(A)成分の含有量は、A層の総質量に対して3〜90質量%が好ましく、10〜65質量%がより好ましい。
(A)成分の含有量が多くなるほど保存後の不快な臭いが顕著となるため、(D)成分の添加による本発明の効果が発揮されやすい。加えて、解熱鎮痛効果が十分に得られる。(A)成分の含有量が上記上限値以下であれば製造工程における製造機への付着をより抑制できる。
なお、錠剤が単層錠の場合、薬物層の総質量に対する(A)成分の含有量は、錠剤の総質量に対する(A)成分の含有量と同じである。
(B)成分は、アセトアミノフェンである。
アセトアミノフェン(N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド)は、別名パラセタモールとも呼ばれ、日本薬局方に収載されている解熱鎮痛成分である。
錠剤が積層錠であって、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分が同一層に存在する場合、(B)成分の含有量は、薬物層の総質量に対して5〜90質量%が好ましく、20〜85質量%がより好ましい。
錠剤が積層錠であって、(A)成分と(B)成分とが別々の層に存在する場合、(B)成分の含有量は、B層の総質量に対して5〜90質量%が好ましく、20〜85質量%がより好ましい。
(B)成分の含有量が多くなるほど保存後の不快な臭いが顕著となるため、(D)成分の添加による本発明の効果が発揮されやすい。加えて、解熱鎮痛効果が十分に得られる。(B)成分の含有量が上記上限値以下であれば、錠剤硬度を良好に維持できる。
なお、錠剤が単層錠の場合、薬物層の総質量に対する(B)成分の含有量は、錠剤の総質量に対する(B)成分の含有量と同じである。
(C)成分は、着色剤である。
(A)成分および(B)成分の組み合わせにおいて、(C)成分を併用することで、錠剤を製造する際に生じる打錠時の杵付着を抑制できる。
食用着色剤としては、例えばオレンジエッセンス、カラメル、カルミン、β−カロテン、食用青色1号、食用黄色4号、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄色5号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号などが挙げられる。
有機顔料としては、例えば銅クロロフイリンナトリウム、銅クロロフィル、リボフラビンなどが挙げられる。
無機顔料としては、例えば三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、金箔、薬用炭などが挙げられる。
動植物抽出物としては、例えばカンゾウエキス、アセンヤクタンニン末、ウコン抽出液、緑茶末などが挙げられる。
これらの中でも、打錠成形時における杵付着がより抑えられる点から、無機顔料が好ましく、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄等の鉄を主成分とする無機顔料、酸化亜鉛、酸化チタンが好ましく、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛がより好ましく、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄がさらに好ましい。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
錠剤が積層錠であって、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分が同一層に存在する場合、(C)成分の含有量は、薬物層の総質量に対して0.002〜0.4質量%が好ましく、0.01〜0.3質量%がより好ましい。
錠剤が積層錠であって、(A)成分と(B)成分とが別々の層に存在する場合、A層中の(C)成分の含有量は、A層の総質量に対して0〜0.3質量%が好ましく、0.01〜0.2質量%がより好ましい。また、B層中の(C)成分の含有量は、B層の総質量に対して0〜0.4質量%が好ましく、0.01〜0.3質量%がより好ましい。ただし、A層中の(C)成分の含有量の合計と、B層中の(C)成分の含有量の合計が、錠剤の総質量に対して0.001〜0.2質量%を満たすことが好ましい。
(C)成分の含有量が、上記下限値以上であれば錠剤を製造する際に生じる打錠時の杵付着をより抑制でき、上記上限値以下であれば(C)成分同士の凝集が生じにくくなり、錠剤の外観を良好に維持できる。
なお、錠剤が単層錠の場合、薬物層の総質量に対する(C)成分の含有量は、錠剤の総質量に対する(C)成分の含有量と同じである。
(D)成分は、結晶セルロース、デンプンおよびリン酸水素カルシウムからなる群より選ばれる1種以上である。
結晶セルロースは、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロースを酸で部分的に解重合し、精製したものである(日本薬局方に収載)。
デンプンとしては特に制限されないが、例えばトウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、α化デンプン、部分α化デンプンなどが挙げられる。
リン酸水素カルシウムは、水和物の状態で存在していてもよい。水和物の状態のリン酸水素カルシウムの好適例としては、リン酸水素カルシウム二水和物が挙げられる。リン酸水素カルシウム二水和物の場合、原末の水分量は約21質量%である。なお、(D)成分としてリン酸水素カルシウムの水和物を用いる場合、後述する(D)成分の含有量、1回当たりの服用量および他の成分との質量比には、(D)成分中の水分量も含まれるものとする。
(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
錠剤が積層錠であって、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分が同一層に存在する場合、(D)成分の含有量は、薬物層の総質量に対して1〜85質量%が好ましく、1〜60質量%がより好ましく、2〜50質量%がさらに好ましい。
錠剤が積層錠であって、(A)成分と(B)成分とが別々の層に存在する場合、A層中の(D)成分の含有量は、A層の総質量に対して0〜85質量%が好ましく、1〜60質量%がより好ましく、2〜50質量%がさらに好ましい。また、B層中の(D)成分の含有量は、B層の総質量に対して0〜85質量%が好ましく、1〜60質量%がより好ましく、2〜50質量%がさらに好ましい。ただし、A層中の(D)成分の含有量の合計と、B層中の(D)成分の含有量の合計が、1〜85質量%となることが好ましく、より好ましくは1〜60質量%であり、さらに好ましくは3〜50質量%である。
(D)成分の含有量が、上記下限値以上であれば保存後の不快な臭いをより効果的に抑制でき、上記上限値以下であれば他の有効成分を十分に含有させることができるため、1回当たりの服用量を抑えることができる。
なお、錠剤が単層錠の場合、薬物層の総質量に対する(D)成分の含有量は、錠剤の総質量に対する(D)成分の含有量と同じである。
また、錠剤が積層錠であって、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分が同一層に存在する場合、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の含有量の合計は、薬物層の総質量に対して10〜100質量%が好ましく、40〜100質量%がより好ましい。
(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の含有量の合計が、上記下限値以上であれば杵付着や保存後の不快な臭いを抑制しつつ解熱鎮痛効果が十分に得られ、上記上限値以下であれば服用性に優れた錠剤とすることができる。
また、1回当たりの服用量は、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の合計で、42〜1170mgが好ましく、82〜713mgがより好ましい。(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の合計の1回当たりの服用量が、上記下限値以上であれば杵付着や保存後の不快な臭いを抑制しつつ解熱鎮痛効果が十分に得られ、上記上限値以下であれば服用性に優れた錠剤とすることができる。
本発明の錠剤は、本発明の効果や保存安定性等の物性を損なわない範囲内であれば、(A)成分、(B)成分および(C)成分以外の成分(任意成分)を含有してもよい。
任意成分としては、(A)成分および(B)成分以外の生理活性成分、(C)成分および(D)成分以外の添加剤などが挙げられる。
また、解熱鎮痛成分以外の生理活性成分も配合可能である。解熱鎮痛成分以外の生理活性成分としては、例えば鎮静催眠成分(アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素等)、抗ヒスタミン成分(塩酸イソチペンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェテロール、塩酸トリプロリジン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジフェテロール等)、中枢興奮成分(安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン、無水カフェイン等)、鎮咳去痰成分(コデインリン酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、ジメモルファンリン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩、カルボシステイン、アセチルシステイン、エチルシステイン、dl−メチルエフェドリン、ブロムヘキシン塩酸塩、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、アンブロキソール、テオフィリン、アミノフィリン等)、ビタミン成分(ビタミンB1およびその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB2およびその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンCおよびその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジンおよびその誘導体並びにそれらの塩類等)、制酸剤(乾燥水酸化アルミニウムゲル、アルミニウムグリシネート、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等)などが挙げられる。
これら生理活性成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、錠剤がカフェイン、無水カフェインおよびアリルイソプロピルアセチル尿素からなる群より選ばれる1種以上をさらに含めば、保存後の不快な臭いをより抑制でき、保存安定性のより高い錠剤が得られる。特に、効果が得られる点で、カフェインおよび無水カフェインと、アリルイソプロピルアセチル尿素とを組み合わせて用いることが好ましい。
結合剤としては、例えばショ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム末、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、ヒプロメロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコールポリエチレングリコールなどが挙げられる。
賦形剤としては、例えば乳糖、乳糖造粒物、マンニトール、コーンスターチ、L−システイン、メチルエチルセルロース、キシリトール、エリスリトール、トレハロース、マルチロール、ラクチトール、ソルビトール、マルチトール、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えば低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが挙げられる。
香料としては、例えばメントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等)などが挙げられる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、タルクなどが挙げられる。
甘味剤としては、例えばサッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロースなどが挙げられる。
酸味剤としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸およびこれらの塩などが挙げられる。
これら添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、錠剤が低置換度ヒドロキシプロピルセルロースをさらに含めば、保存後の不快な臭いをより抑制でき、保存安定性のより高い錠剤が得られる。
錠剤が積層錠であって、(A)成分と(B)成分とが別々の層に存在する場合、任意成分はA層およびB層の少なくとも一方に含まれていてもよいし、A層およびB層以外の層に含まれていてもよい。
錠剤中の水分量は、錠剤の総質量に対して1〜15質量%が好ましく、1.5〜13質量%がより好ましく、1.5〜7質量%がより好ましい。
錠剤中の水分量が上記下限値以上であれば、製造直後の錠剤硬度を良好に維持できる。一方、錠剤中の水分量が上記上限値以下であれば、保存後の不快な臭いをより効果的に抑制できる。加えて、錠剤を構成する粉体の流動性が向上し、打錠前の臼への粉体の充填性が良好となり、錠剤の質量偏差が小さくなる。
錠剤中の水分量は、錠剤の製造時における加水または乾燥により調整できる。なお、(A)成分としてロキソプロフェンナトリウム二水和物等の水和物を用いる場合、錠剤中の水分量には、この水和物により持ち込まれる水分量も含まれる。
本発明の錠剤は、例えば薬物層を構成する粉体(以下、「薬物含有粉体」という。)を打錠成形して薬物層を形成することで得られる。このようにして得られる錠剤は、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分が同一錠剤中に存在する。各成分は、公知の製造方法により得られたものでもよく、市販のものを用いてもよい。また、各成分は、原末がそのまま用いられてもよく、造粒されたものでもよい。
錠剤の製造方法としては、例えば、臼と杵とを有する打錠機を用いて、薬物含有粉体を打錠成形して錠剤を得る工程(打錠工程)を有するものが挙げられる。
薬物含有粉体は、例えば粉体の(A)成分と、粉体の(B)成分と、粉体の(C)成分と、粉体の(D)成分との粉体混合物でもよいし、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分を含む造粒物でもよい。
粉体調製工程における混合方法としては特に限定されず、従来公知の粉体混合方法が挙げられる。
造粒したものを用いる場合、造粒方法は公知の造粒方法を採用できる。
打錠圧、回転盤の回転速度等の打錠条件は適宜設定される。
なお、錠剤が積層錠である場合、薬物含有粉体は、臼に最初に充填されてもよく、任意層を構成する成分よりも後に充填されてもよい。
粉体Aは、臼に最初に充填されてもよく、粉体Bよりも後に充填されてもよい。
粉体Aは、粉体の(A)成分や他の粉体の成分との粉体混合物でもよいし、(A)成分を含む造粒物でもよい。粉体Bは、粉体の(B)成分や他の粉体の成分との粉体混合物でもよいし、(B)成分を含む造粒物でもよい。
コーティング剤としては、崩壊性を著しく損なわないものを選択することが好ましく、中でも水溶性高分子化合物や可塑剤が好ましい。
水溶性高分子化合物としては、例えばカルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類;アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、ポビドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、単糖類、二糖類以上の多糖類(砂糖(グラニュー糖等)、乳糖、麦芽糖、キシロース、異性化乳糖等)、糖アルコール(パラチニット、ソルビトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、還元澱粉糖化物、マルチトール、マンニトール等)、水飴、異性化糖類、オリゴ糖、スクロース、トレハロース、還元澱粉糖化物(還元澱粉分解物等)などが挙げられる。特に、製造性および防湿性に優れる点からヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、ポリビニルアルコールが好ましい。
可塑剤としては、例えばクエン酸トリエチル、トリアセチン、カルナウバロウ等の日本薬局方(広川書店)および医薬品添加物規格(株式会社薬事日報社)等の公定書に記載されているものが挙げられる。
これらコーティング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明によれば、(A)成分と(B)成分との組み合わせにおいて(C)成分を併用するので、錠剤を製造する際に生じる打錠時の杵付着が抑えられる。しかも、これらの組み合わせにおいて、(D)成分をさらに用いるので、高温多湿下で保存しても不快な臭いを抑制できる。
このように、本発明によれば、(A)成分と(B)成分とを含有する錠剤を製造する際に生じる打錠時の杵付着が抑えられ、しかも簡便な方法により不快な臭いが抑制された錠剤を提供できる。
各実施例および比較例で使用した原料、打錠条件および評価方法は、以下の通りである。
(A)成分またはその代替品((A’)成分)として、以下に示す化合物を用いた。
・ロキソプロフェンナトリウム二水和物:大和薬品工業株式会社製、「日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物」
・イブプロフェン:BASF社製、「Ibuprofen」
・アセトアミノフェン:岩城製薬株式会社製、「ピレチノール」
・三二酸化鉄:癸巳化成株式会社製、「三二酸化鉄」
・黄色三二酸化鉄:癸巳化成株式会社製、「黄色三二酸化鉄」
・酸化チタン:堺化学工業株式会社製、「酸化チタン」
・酸化亜鉛:堺化学工業株式会社製、「酸化亜鉛」
・結晶セルロース:旭化成ケミカルズ株式会社製、「CEOLUS UF−702」(登録商標)
・トウモロコシデンプン:松谷化学工業株式会社製、「局方松谷コーンスターチ」
・リン酸水素カルシウム:協和化学工業株式会社製、「日本薬局方無水リン酸水素カルシウムGSH」
・ヒドロキシプロピルセルロース:日本曹達株式会社製、「NISSO HPC SSL」
・無水カフェイン:白鳥製薬株式会社製、「無水カフェイン0.2/0.5」
・アリルイソプロピルアセチル尿素:金剛化学株式会社製、「アリプロナール コンゴー」
・低置換度ヒドロキシプロピルセルロース:信越化学工業株式会社製、「L−HPC LH−31」(登録商標)
・乳糖造粒物:フロイント産業株式会社製、「乳糖G」
・ステアリン酸マグネシウム:太平化学産業株式会社製、「ステアリン酸マグネシウム」
・打錠機:ロータリー式打錠機(株式会社菊水製作所製、「リブラ3L」)
・盤回転速度:15rpm
・臼杵(実施例1〜23、比較例1〜3、参考例A):直径9.0mm(2段R)×12本立て、刻印無し(キャップ高さ0.1mm、R1=3.6、R2=10.5)
・臼杵(実施例24、25):直径9.5mm(2段R)×12本立て、刻印無し(キャップ高さ0.1mm、R1=3.8、R2=10)
・予圧:2kN(約20MPa、約200kg/cm2)
・本圧:10kN(約100MPa、約1000kg/cm2)
<杵付着試験>
各実施例および比較例において連続打錠した際の杵付着を目視にて確認し、下記評価基準にて評価した。2点以上を合格とした。
5点:2時間連続打錠しても、杵付着を生じない。
4点:1時間30分以上2時間未満の連続打錠で、杵付着を生じる。
3点:1時間以上1時間30分未満の連続打錠で、杵付着を生じる。
2点:30分以上1時間未満の連続打錠で、杵付着を生じる。
1点:30分未満の打錠で、杵付着を生じる。
得られた錠剤をガラス瓶(4K規格瓶)に入れ、密閉した状態で50℃75%RH条件下にて6週間保存した。
保存前と保存後の錠剤について、臭いセンサー(相互薬工株式会社製、「Fragarance Sensor SF−105」)を用いて臭いの強度を測定し、保存後の臭いの強度から保存前の臭いの強度を差し引くことで、保存前後における臭いの強度の変化量を求め、以下の評価基準にて評価した。5点以上を合格とする。
7:変化量が41Hz未満。
6:変化量が41Hz以上、55Hz未満。
5:変化量が55Hz以上、70Hz未満。
4:変化量が70Hz以上、85Hz未満。
3:変化量が85Hz以上、100Hz未満。
2:変化量が100Hz以上、115Hz未満。
1:変化量が115Hz以上。
定量評価と同様にして錠剤を保存した。
保存後の錠剤について、成人男性5名による官能評価を実施し、以下の評価基準にて評価し、5名の平均値を求めた。4点以上を合格とする。
6:臭いを感じない。
5:ほとんど臭いを感じない。
4:やや臭いが感じられるが、服用には問題ない。
3:やや不快な臭いが感じられる。
2:不快な臭いを感じる。
1:極めて不快な臭いに変化しており、服用が憚られる。
混合容器に、1錠当たりの組成が表1〜3に示す配合組成となるように、(A)成分と(B)成分と(C)成分と(D)成分と任意成分とを投入して混合した後、前記打錠条件にて打錠成形し、薬物層からなる錠剤(単層錠)を得た。
打錠時の杵付着を評価し、得られた錠剤について臭い評価を行った。結果を表1〜3に示す。
混合容器に、1錠当たりの組成が表4に示す配合組成となるように、(A)成分と(B)成分と(C)成分と(D)成分または(D’)成分とを投入して混合した後、前記打錠条件にて打錠成形し、薬物層からなる錠剤(単層錠)を得た。
打錠時の杵付着を評価し、得られた錠剤について臭い評価を行った。結果を表4に示す。
混合容器に、1錠当たりの組成が表4に示す配合組成となるように、(A’)成分と(B)成分と(C)成分とを投入して混合した後、前記打錠条件にて打錠成形し、薬物層からなる錠剤(単層錠)を得た。
打錠時の杵付着を評価し、得られた錠剤について臭い評価を行った。結果を表4に示す。
混合容器に、1錠当たりの組成が表5に示す配合組成となるように、(A)成分と(B)成分と(C)成分と(D)成分と任意成分とを投入して混合した後、前記打錠条件にて打錠成形し、薬物層からなる錠剤(単層錠)を得た。
打錠時の杵付着を評価し、得られた錠剤について臭い評価を行った。結果を表5に示す。
また、各実施例で得られた錠剤は、保存後の不快な臭いが抑制されたものであった。
(D)成分を含まない比較例2の錠剤および(D)成分の代わりにヒドロキシプロピルセルロースを含む比較例3の錠剤は、保存すると不快な臭いが感じられた。
なお、(A’)成分としてイブプロフェンと(B)成分と(C)成分との組み合わせの場合は、(D)成分を配合しなくても保存後の不快な臭いは感じられなかった(参考例A)。
これらの結果からも明らかなように、保存後の不快な臭いは、(A)成分と(B)成分との組み合わせにおいて(C)成分を添加すると発生する。
このように、本発明によれば、(A)成分、(B)成分および(C)成分に(D)成分を添加するという簡便な方法により、保存後の錠剤の不快な臭いを抑制できた。
Claims (5)
- 下記(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分を含有する、錠剤。
(A)成分:ロキソプロフェンおよびその塩からなる群より選ばれる1種以上
(B)成分:アセトアミノフェン
(C)成分:着色剤
(D)成分:結晶セルロース、デンプンおよびリン酸水素カルシウムからなる群より選ばれる1種以上 - 前記(C)成分が三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1に記載の錠剤。
- 10000×(C)成分/((A)成分+(B)成分)で表される質量比が0.11〜20である、請求項1または2に記載の錠剤。
- (D)成分/((A)成分+(B)成分)で表される質量比が0.005〜5である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の錠剤。
- 下記(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分を含む薬物含有粉体を打錠成形して錠剤を得る工程を有する、錠剤の製造方法。
(A)成分:ロキソプロフェンおよびその塩からなる群より選ばれる1種以上
(B)成分:アセトアミノフェン
(C)成分:着色剤
(D)成分:結晶セルロース、デンプンおよびリン酸水素カルシウムからなる群より選ばれる1種以上
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