[go: up one dir, main page]

JP2018044068A - 速硬化性2液型ウレタン防水材組成物およびその製造方法 - Google Patents

速硬化性2液型ウレタン防水材組成物およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018044068A
JP2018044068A JP2016179680A JP2016179680A JP2018044068A JP 2018044068 A JP2018044068 A JP 2018044068A JP 2016179680 A JP2016179680 A JP 2016179680A JP 2016179680 A JP2016179680 A JP 2016179680A JP 2018044068 A JP2018044068 A JP 2018044068A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curing
curing agent
ipdi
polyol
pot life
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016179680A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6839947B2 (ja
Inventor
裕也 後藤
Yuya Goto
裕也 後藤
尚人 谷澤
Naohito Tanizawa
尚人 谷澤
恒 藤田
Hisashi Fujita
恒 藤田
直親 青山
Naochika Aoyama
直親 青山
石井 明
Akira Ishii
明 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ICK Corp
Original Assignee
ICK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ICK Corp filed Critical ICK Corp
Priority to JP2016179680A priority Critical patent/JP6839947B2/ja
Publication of JP2018044068A publication Critical patent/JP2018044068A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6839947B2 publication Critical patent/JP6839947B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】環境に優しく、年間を通して十分な施工性を確保しながら速硬化性および接着性にも優れた、JIS A 6021(建築用塗膜防水材)のウレタンゴム系高伸長形に該当する、ウレタン防水材組成物を提供する。【解決手段】本発明のウレタン防水材組成物は、ポリイソシアナートとポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と、芳香族ポリアミンおよび可塑剤を含む硬化剤とからなり、主剤がトリレンジイソシアナート骨格とイソホロンジイソシアナート骨格を50/50〜97/3のモル比で含み、硬化剤は芳香族ポリアミンとしてジエチルトルエンジアミンと4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)を40/60〜97/3の当量比で含む。【選択図】なし

Description

本発明は、速硬化性2液型ウレタン防水材組成物およびその製造方法に関する。
2液型ウレタン防水材は、不定形状および狭小部分の施工に適し経済性にも優れているため、ベランダ、庇の防水をはじめコンクリート系建築物の屋上防水にも幅広く採用されており、我が国独自の発展を遂げてきた。
2液型ウレタン防水材は、施工現場で主剤、硬化剤の2液を攪拌機で数分間混合した後、金コテ、くしベラ、ゴムベラ、ローラー、刷毛などで塗布し施工されるが、2液の混合開始と同時に硬化反応は始まり、徐々に粘度が上昇し、ある程度の時間施工しやすい低粘度状態(以下、可使時間と称す。)を経た後、施工が困難なほどの高粘度となり硬化していく。可使時間は実際の施工温度で少なくとも30分程度以上が好ましいとされており、便宜上23℃での粘度が60,000mPa・sになるまでの時間を指標として用いる。
塗布作業において可使時間は長いほど好ましいが、一般的には可使時間を長くしようとすると硬化性が悪くなり、次工程を実施するために塗膜上に作業員が乗れるまでの時間(以下、施工可能時間と称す。)も長くなってしまう。通常の作業では、ウレタン防水材を夕方に塗布し終わり、翌日朝には施工可能状態となることが望まれており、施工可能時間は年間を通して17時間程度以内に調整できることが好ましいとされている。
夏季の施工においては材料の温度は35℃程度まで上昇し反応性が高まるため、30分の可使時間を確保するには23℃での可使時間で50分程度以上であることが好ましく、そのためには相応の配合技術が必要とされる。一方、冬季においては、材料温度は5℃程度まで下がり反応性が低下するため、可使時間の確保は比較的容易となり、23℃での可使時間で25分程度以上あれば問題ないが、翌朝までに施工可能な硬化性とするには、やはり相応の配合技術が必要となる。従って、2液型ウレタン防水材は、夏用と冬用の少なくとも二種類の配合を用意し、各季節に応じた可使時間と施工可能時間を確保するのが一般的である。
現在汎用化されている2液型ウレタン防水材は、トリレンジイソシアナート(以下、TDIと称す。)とポリオキシプロピレンポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを主剤とし、一方の硬化剤中に、活性水素成分として比較的反応が穏やかな芳香族ポリアミンである、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(以下MOCAと称す。)を主成分として用い、低反応性の2級ポリオールであるポリオキシプロピレンポリオールを併用している。その際、硬化剤中には、促進剤として、水分よりもポリオールとの反応を選択的に促進することで発泡防止効果があるとされるカルボン酸鉛を用いるのが一般的であり、このような防水材はMOCA架橋型防水材と称されている。
MOCA架橋型防水材は反応性が穏やかであるため、特に可使時間が必要とされる夏季の施工性に優れており、また比較的機械的強度も良好であるため、今でも汎用防水材として用いられている。一方、MOCA架橋型防水材は低温時の硬化性が悪いため、冬季は促進剤のカルボン酸鉛を多目に配合するのが一般的であるが、低温硬化性の改善には限界があり、さらに鉛化合物を多く配合することで耐熱劣化が促進されるという問題点も発現する。
また、2−エチルヘキサン酸のようなカルボン酸を促進剤として用いる方法もあるが、MOCAとイソシアナートとの反応は促進されるが、併用するポリオールとの反応は促進されないため、低温硬化性を改善するにはやはり限界がある。
なお、MOCA架橋型防水材には環境面での大きな問題もある。硬化剤に用いられているMOCAは労働安全衛生法で特定化学物質第2類物質に指定されており、硬化剤には上限値の1%を超えて使用されているため、特定化学物質等障害予防規則(以下、特化則と称す。)該当品となってしまう。また、MOCAは、IARC(国際がん研究機関)による発がん性評価でグループ1(ヒトに対して発がん性を示す。)に分類されている。
また、主剤に用いられているTDIも特定化学物質に指定されており、汎用品の主剤には遊離TDIが上限値の1%を超えて存在するため、主剤も特化則該当品となってしまい、製造時および施工時に種々の制約を受けることとなる。さらに、促進剤として用いるカルボン酸鉛は、世界的に使用が厳しく制限されている材料であり、化学物質排出把握管理促進法(通称、化管法)の特定第1種指定化学物質に指定されており、環境面からは使用を避けたい材料である。
2液型ウレタン防水材において、TDIプレポリマーに対し、MOCAより反応性が高く、環境面でも安全性が高いジエチルトルエンジアミン(以下、DETDAと称す。)を用いるDETDA架橋型防水材と称されるタイプも商品化されている。DETDA架橋型防水材は低温時にも硬化性が良いという特徴を持っているが、夏季の可使時間を確保するためには可塑剤を多く配合する必要がある。但し、可塑剤を多く使用し過ぎるとトップコートとの接着性低下や可塑剤の移行性増大といった問題が発生するため、使用量には限界があり、夏場の可使時間確保が難しいとされている。
DETDA架橋型防水材の可使時間を確保する方法としては、特殊なTDIを用いる方法(特許文献1)、低反応性のポリイソシアナートであるイソホロンジイソシアナート(以下、IPDIと称す。)をTDIと併用する方法(特許文献2)、反応性の穏やかな芳香族2級アミンである4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)をDETDAと併用する方法(特許文献3)等が提案されているが、まだ各々の方法に問題が残されており、汎用化されるには至っていない。
なお、DETDAは水分よりもかなり反応性が高いため、DETDAを主反応成分とする塗膜は、カルボン酸鉛なしでも発泡現象を抑制することができるという長所があり、環境面でさらに有利となる。
また、DETDA架橋型防水材はMOCA架橋型防水材とは異なり、冬季に硬化促進剤を用いることにより硬化性をさらに良くすることはできるが、可使時間はやはり短くなるため施工性は悪くなってしまう。そのため、通常は硬化促進剤を用いないが、2−エチルヘキサン酸鉛のようなカルボン酸鉛化合物や2−エチルヘキサン酸のような低分子カルボン酸により硬化を速くすることはできる。
なお、硬化促進剤は貯蔵安定性に問題が起こらないことより硬化剤側に配合するのが一般的であるが、第3成分として施工現場で添加することも行われている。施工現場で添加する場合は、施工時の気温に合わせて添加量を調整することができるという利便性はあるが、添加量が少量であるため配合ミスが発生しやすいという問題や保管・管理が難しいという問題もある。
なお、ウレタン防水材の塗膜性能は、JIS A 6021において機械的強度のみならず、耐候性、耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性などについても詳細が規定されており、このJIS規格を満たしたものでないと、官公庁などには採用されないのは勿論、商品として認められないのが現状である。
また、一般的なウレタン防水工法では、コンクリートなどの無機質系下地に対し、接着性を確保するためのプライマーを施し、プライマーが硬化した後にウレタン防水層の施工を行い、その後耐候性を確保するためにトップコートを塗布するのが一般的である。なお、比較的大面積の無機質系下地に対しては、各種通気緩衝シートを施工し、その上にウレタン防水材を塗布し、その後トップコートを塗布するという通気緩衝工法が普及している。
いずれの工法においても、ウレタン防水層は塗膜の欠陥を補い均一性を確保するために2回に分けて塗布し、最終的に2mm〜3mmの膜厚にするのが一般的であるが、ウレタン防水層を1回で1〜2mm施工した後にトップコートを塗布するという簡易工法もベランダ、庇、幅木といった施工部位に対してある程度普及している。
現状ではウレタン防水材を1層塗布すると、当日中には硬化しないため、翌日に2層目のウレタン防水材の塗布あるいはトップコートの塗布といった次工程を行うのが通例であり、完成までの工期が長くなってしまうのがウレタン防水材の欠点とされている。さらに近年、気候の変動が激しくなる傾向があり、ウレタン防水材塗布後数時間で降雨に見舞われ未硬化のウレタン防水層が損傷を受けるという問題も多発している。
特許第3114557号公報 特許第3957779号公報 特許第3445364号公報
最近、建設労働者の不足が顕著となってきており、防水業界においてもより効率的で省力化のできる防水工法および防水材料が望まれている。特に、ウレタン防水材においては、小面積の施工でさえ3〜5日の工期が必要となり、天候が不順であればさらに大幅に工期が延長されてしまうという大きな課題が残されている。
さらに、夜間に降雨が予想される場合は日中が好天であってもウレタン防水材を塗布することができず、また無理して降雨前に施工したため降雨により塗膜が損傷してしまい、補修に多大な時間と労力を費やしてしまうという問題もある。
施工後5時間程度で硬化し(施工可能)、当日中に次工程に移ることのできる防水材についてもDETDA架橋型防水材を中心に検討はされてきたが、施工可能時間を短くすると可使時間も同時に短くしてしまい施工が難しくなるため、極小面積あるいは補修用といった特殊な用途に限定されてしまい、汎用化するには至っていない。
また、DETDA架橋型防水材には、プライマーとの接着性や防水材同士の接着性が十分でないという問題も残されている。
汎用のMOCA架橋型防水材には、低温時の硬化性が悪くなるという問題と環境対応が不十分であるという問題があり、年間を通して当日中に硬化させることができ、しかも汎用防水材とほぼ同等の可使時間を有し、接着性および施工性が良好で環境にも優しい速硬化性ウレタン防水材が望まれている。
DETDA架橋型防水材において、DETDAよりも反応性の穏やかな芳香族2級アミンである4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)を併用すると、硬化性をあまり損ねずに可使時間を延長することができ比較的速硬化性の防水材とすることができるが、4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)を用いることで、耐熱性や耐アルカリ性を極端に低下させるため実用性に乏しいという問題が発生する。
一方、主剤において、TDIとIPDIを併用することで可使時間をある程度延長することはできるが、物性低下や硬化性の低下となることが指摘されている。
本願は、上記の点についてさらに詳細な検討を行った結果、主剤として特定の範囲でTDIとIPDIを用い、硬化剤として可塑剤の存在下で特定の範囲のDETDAと4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)を用いることで、可使時間を保持した上で速硬化性となり、耐熱性や耐アルカリ性にも優れ、プライマーとの接着性や防水材同士との接着性が良好な、環境対応型速硬化性防水材となることを見出した。さらに、上記組成物は可使時間を必要とする夏用配合の速硬化性防水材に適しているが、この組成物に酸無水物を硬化促進剤として用いることで、低温においても可使時間を保持した速硬化性防水材となることが分かった。
また、主剤の製造方法において、従来技術ではTDIとIPDIの反応速度が大きく異なるため、TDIプレポリマーとIPDIプレポリマーとを別々に製造し、両者をブレンドする方法(特許文献2)が知られているが、本発明においてはTDIとIPDIを同時に仕込むかあるいは、IPDIとポリオールを先に仕込んである程度反応を先行させた後にTDIを仕込むという1バッチ生産を行うことができ、生産性を大きく向上できることが分かった。
本発明は、次の態様を含む。
[1]ポリイソシアナートとポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と芳香族ポリアミンおよび可塑剤を含む硬化剤とからなる2液型ウレタン防水材組成物であって、主剤はトリレンジイソシアナート骨格とイソホロンジイソシアナート骨格を50/50〜97/3のモル比で含み、硬化剤は芳香族ポリアミンとしてジエチルトルエンジアミンと4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)を40/60〜97/3の当量比で含む、2液型ウレタン防水材組成物。
[2]硬化剤中の活性水素成分の80当量%以上が芳香族ポリアミンである、[1]に記載の2液型ウレタン防水材組成物。
[3]硬化促進剤として酸無水物を含む、[1]または[2]に記載の2液型ウレタン防水材組成物。
[4]ポリイソシアナートとポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と芳香族ポリアミンおよび可塑剤を含む硬化剤とからなる2液型ウレタン防水材組成物の製造方法であって、該方法は、
トリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナートおよびポリオールを、トリレンジイソシアナートとイソホロンジイソシアナートのモル比が50/50〜97/3の範囲で、同一容器内で反応させてイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤を調製する工程、および、
ジエチルトルエンジアミン、4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)および可塑剤を、ジエチルトルエンジアミンと4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)の当量比が40/60〜97/3の範囲で、混合して硬化剤を調製する工程を含む、方法。
[5]前記主剤を調製する工程が、イソホロンジイソシアナートとポリオールを容器内で反応させる工程、次いで前記容器内にトリレンジイソシアナートを添加してさらに反応させる工程を含む、[4]に記載の方法。
本発明の2液型ウレタン防水材組成物は、夏季においては十分な可使時間を保持した速硬化性防水材であり、冬季においても可使時間を保持した上で低温硬化性に優れた速硬化性防水材となり、年間を通して工期短縮および施工の効率化を可能とする。
また、耐熱性や耐アルカリ性が良好であり、プライマーとの接着性や防水材同士の接着性にも優れた、生産性の良い環境対応型速硬化性ウレタン防水材である。
一般的に、夏用防水材の可使時間は、23℃の測定において50分以上であることが望ましく、施工可能時間については23℃において20時間程度であることが望ましいとされており、MOCA架橋型防水材はこの目標をクリアーするのは比較的容易である。
一方、DETDA架橋型防水材は、施工可能時間は5〜7時間程度の速硬化性を示すが、可使時間を50分以上とすることが難しい。特に、主剤のポリイソシアナートとして、2,4−TDIと2,6−TDIを80/20(当量比)で含有するT−80と称される汎用品を用いた場合には可使時間を確保することが難しくなる。なお、2,4−TDIを100%含有するT−100と称される特殊品は可使時間の確保には有利であるが供給量が限定されるため、汎用性のある防水材の原料には適していないという面がある。
主剤のイソシアナート基末端プレポリマーとして、TDIプレポリマーとIPDIプレポリマーを併用することで可使時間をある程延長することができるが(特許文献2)、この方法は硬化性の低下および物性の低下が指摘されており、また2種類のプレポリマーをブレンドし製造する必要があるため生産性を低下させてしまうという問題もある。
一方の硬化剤では、低反応性の芳香族2級アミンである4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)をDETDAと併用することが可使時間延長には有効な方法であり(特許文献3)、しかもある範囲の4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)の併用は硬化性をあまり損ねないとういう特性を示すため、速硬化性をあまり損ねずに可使時間延長を可能にすることができる。しかし、4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)の使用は、物性の低下と同時に耐熱性や耐アルカリ性を極端に低下させてしまうという実用上の大きな問題を発生させてしまう。
本発明は、DETDA架橋型防水材について再度詳細な検討を行った結果、トリレンジイソシアナート骨格(以下、「TDI骨格」ともいう。)とイソホロンジイソシアナート骨格(以下、「IPDI骨格」ともいう。)を特定の範囲で含む主剤を用い、硬化剤の芳香族ポリアミン成分としてDETDAと4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)を特定の範囲で用いることで、夏用防水材として、従来よりも可使時間を確保することのできる速硬化性防水材となることを見出した。
なお、TDI骨格とは式(1)に示す分子構造を言い、
Figure 2018044068
IPDI骨格とは式(2)に示す分子構造を言う。
Figure 2018044068
主剤にIPDIを併用し、同時に硬化剤に4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)を併用することで、可使時間が延長されることは予測されるが、同時に4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)を使用することでの最大の問題点である耐熱性や耐アルカリ性が改善傾向となることが分かった。
また、硬化性についてはIPDIの併用により遅延される傾向とはなるが、DETDA架橋型の特徴である速硬化性は維持されるため、夏季において可使時間を保持した速硬化性防水材となり、30℃前後の気温であれば5時間前後で施工可能となり、一日2工程が可能となる。
また、主剤にIPDIを併用することで、プライマーとの接着性や防水材同士の接着性を向上させることができ、この点においてもDETDA架橋型防水材の弱点を改善することができる。
(主剤)
本発明で主剤は、TDI骨格とIPDI骨格を50/50〜97/3のモル比で含む必要があり、60/40〜95/5のモル比が好ましく、70/30〜90/10のモル比であることがより好ましい。IPDI骨格のモル比が、50超では速硬化性の防水材とはなり難く、3未満では可使時間を確保した耐熱性・耐アルカリ性の良好な接着性の良い速硬化性防水材にはなり難い。
(ポリイソシアナート)
主剤にTDI骨格を導入するためのポリイソシアナートとしては、工業的に入手できる2,4−TDIと2,6−TDIの当量比が65/35であるT−65、80/20であるT−80、100/0であるT−100が使用でき、各々のブレンド品も使用することができる。ただし、T−100およびT−65は、工業的に汎用品であるT−80からの分離・精製によりに製造されるため生産量に限界がある。可使時間確保の面からはT−100が有利な面もあるが、汎用性のあるウレタン防水材に用いるには、T−80を主成分として用いることが好ましい。また、一部であればTDIのダイマー体、ヌレート体、アロファネート体等の誘導体を用いることができる。好ましくは、TDI骨格のすべてがTDIモノマーに由来する。
主剤にIPDI骨格を導入するためのポリイソシアナートについては、IPDIモノマーやヌレート体、アダクト体、アロファネート体等のIPDI誘導体を用いることができる。好ましくは、IPDI骨格はIPDIモノマーに由来する。
本発明では、TDIプレポリマーに対しIPDIモノマーやIPDI誘導体を添加することもできるが、プライマーとの接着性や防水材同士の接着性を向上させる効果および可使時間を延長させる効果については、TDIおよびIPDIをプレポリマーにして用いるのが有効である。そのため、本発明の主剤は、TDIおよびIPDIをプレポリマーとして用いることが好ましい。
また、その他のポリイソシアナート類も一部併用することはできるが、イソシアナート基として30当量%未満であることが好ましく、20当量%未満であることがより好ましく、10当量%未満であることがさらに好ましい。その他のポリイソシアナートが30当量%以上では可使時間を有した速硬化性防水材にはなり難い。その他のポリイソシアナートとしては、ヘキサメチレンジイソシアナート、ノルボルネンジイソシアナート、水添化トリレンジイソシアナート、水添化キシリレンジイソシアナート、水添加ジフェニルメタンジイソシアナート、水添加テトラメチルキシリレンジイソシアナートなどの反応性の低いポリイソシアナート類や、キシリレンジイソシアナート、テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナートなど比較的反応性の高いポリイソシアナートなどが挙げられる。
(イソシアナート含有量)
主剤のイソシアナート含有量は、1.5質量%〜4.5質量%であることが好ましく、1.7質量%〜4.0質量%であることがより好ましい。イソシアナート含有量が1.5質量%未満では硬化性が低下し防水材に必要とされる物性が得難くなり、4.5質量%超では可使時間の確保が難しくなる。
(主剤に用いるポリオール)
主剤に用いるポリオールとしては、通常ウレタン防水材の主剤に用いられるポリオールを用いることができるが、低粘度で施工性のよい主剤とするためには、分子量が300〜8000のポリオキシプロピレンポリオールやポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールといったポリエーテル系ポリオールを用いることが好ましい。また、ポリエステル系などその他の高分子量ポリオールも一部であれば使用することができる。
さらに、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールといった短鎖ポリオールも使用することができる。
また、ポリオールとしては、ジオールのみでは耐熱性や耐アルカリ性が不十分となる傾向があり、トリオール以上の官能基数のポリオールが80当量%以上となると可使時間や伸び率を確保することが難しくなるため、トリオール以上の官能基数のポリオールを3〜80当量%の範囲で用いることが好ましい。
(主剤NCO基/OH基当量比)
主剤のNCO基とOH基との当量比、NCO基/OH基は、1.5〜2.3の範囲となるようにポリイソシアナートとポリオールを配合することが好ましい。NCO基/OH基が、1.5未満では主剤の粘度が上昇し、また物性の良い防水材になり難く、2.3超では遊離のTDIあるいはIPDIが多くなり可使時間確保が難しくなる。
さらに、NCO基/OH基を1.5〜2.1にすることがより好ましく、主剤中の遊離TDIの含有量を1%以下とすることができ、遊離TDIと遊離IPDIの総量も1%以下とすることができるため環境対応型の防水材にもなりうる。
(主剤の製造方法)
TDIとIPDIには反応性に大きな違いがあるため、TDIプレポリマーとIPDIプレポリマーを別々に製造し、各々をブレンドする「混合」法が一般的であり、プライマーとの接着性や防水材同士の接着性を向上させる効果が高く、可使時間を延長させる効果もあり、さらに耐熱性や耐アルカリ性を向上させる効果も確認することができる。ただし、この方法は2回の別々の合成工程とさらにブレンドする工程が必要となるため、多くの生産設備と時間を必要とし経済性を損ねてしまう。
そこでさらに検討を進めた結果、同一反応容器によるバッチ製造が可能であることを見出した。まず、TDIとIPDIをほぼ同時に仕込む「一括仕込」法では、例えば100℃近辺での反応を行ったところ、低反応性であるIPDIも一部は反応するためか、TDIプレポリマー製造後にIPDIモノマーを添加する方法よりも、可使時間の延長効果やプライマーあるいは防水材同士の接着性向上効果が明確となり、耐熱性や耐アルカリ性も良好となった。但し、IPDIのモノマー残量が多くなると、可使時間の確保や物性の確保が難しくなる傾向となる。
次に、IPDIを先に仕込みある程度ポリオールとの反応を先行させた後に、TDIを仕込むという「二段仕込」法について検討を行った。1段目のIPDIとポリオールの反応は水酸基が大過剰であるため、例えば無触媒、100℃の反応温度では8〜10時間程度でIPDIの全イソシアナート基の50%程度が反応した。この方法により、IPDIモノマーを減少させることができる。また、ポリオールは分けて配合することもできる。その後、2段目としてTDIを仕込み、例えば100℃で反応を始めると、IPDIより反応性の高いTDIのイソシアナート基が優先的にポリオールと反応すると思われ、数時間後には目的のNCO含有量まで反応させることができる。この方法では、最終的に低反応性であるIPDIの2級イソシアナート基は相当量残存していると思われ、従来の「混合」法とほぼ同等の可使時間延長効果やプライマーあるいは防水材同士の接着性改善効果が得られ、耐熱性や耐アルカリ性も良好となることが分かった。
さらに上記の「二段仕込」法について検討を行った結果、1段目のIPDIとポリオールとの反応の際にウレタン化触媒を用いることで、反応時間の短縮あるいは反応温度を低下させることが可能となり、しかも1段目の反応率を十分にコントロールできることが分かった。
ウレタン化触媒としては、3級アミン類、酸、カルボン酸金属塩、錫化合物といった一般的なウレタン化触媒を用いることができるが、特に有機第2錫化合物である、ジオクチル錫ジラウレートやジブチル錫ジラウレートが好ましく、1段目の反応時間を短縮させることができ、さらには60℃前後の低温においても反応を速やかに進行させることができる。有機第2錫の使用量は、IPDIとポリオールの合計量に対し、0.0001〜0.1質量%であることが好ましく、反応温度としては40〜110℃が好ましい。
また、1段目の反応が任意の反応率に達したところで、リン酸のようなウレタン化触媒を失活させる材料を添加することでほぼ反応を停止させることができ、しかもこの失活剤の添加により、2段目のTDIとの反応時にアロファネート化等の副反応による暴走反応を防止する効果があり、反応を安全で円滑に進行させることができる。
ウレタン化触媒の失活剤としては、無機酸、ベンゾイルクロライドやフタル酸クロライド等の塩素系酸性物質等が挙げられるが、中でもリン酸が効果的であり好ましい。リン酸の使用量は使用したウレタン化触媒量により異なり、ウレタン化触媒に対して50〜200当量%であることが好ましい。
なお、1段目の反応はIPDIの全イソシアナート基の10〜75%の範囲で反応させることが好ましく、20〜60%の範囲で反応させることがより好ましい。反応率が10%未満では、最終的にIPDIモノマーが多く残存するため、可使時間の延長効果や接着性の改善効果が不十分となり、75%以上反応させると最終的に残存するIPDIのイソシアナート基が減少するため、可使時間の延長効果や接着性の改善効果、さらには耐熱性や耐アルカリ性の改善効果も不十分となる。
上記の「二段仕込」法は、TDIとIPDIを同時に仕込む「一括仕込」法よりも可使時間の確保やプライマーとの接着性や防水材同士の接着性向上に有効であり耐熱性や耐アルカリ性も良好であるため、本発明ではより好ましい生産方法となる。
(主剤NCO/硬化剤NH当量比)
主剤のイソシアナート基と硬化剤の芳香族ポリアミンのアミノ基との当量比である、主剤NCO/硬化剤NHは0.9〜1.8とすることが好ましい。2液混合時の主剤NCO/硬化剤NHが0.9未満では高分子量化が不十分となるため物性が低下し、1.8超となると硬化性が低下し物性も不十分となる。
(硬化剤活性水素化合物)
本願は、芳香族ポリアミンとしてDETDAと4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)を当量比で40/60〜97/3の範囲で含む必要があり、50/50〜95/5の範囲が好ましく、60/40〜90/10の範囲であることがより好ましい。DETDAに対する4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)の当量比が60超となると、速硬化性ではなくなると同時に物性および耐熱性・耐アルカリ性を保持することが難しくなり、3未満では可使時間延長効果が不十分となる。
なお、DETDAには、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミンなどの異性体が存在するが、本願ではいずれの異性体を用いてもよく、またそれらの混合物を用いてもよい。工業用としては例えばアルベマール社製のエタキュア100(2,4−異性体/2,6−異性体の質量比80/20)などが入手できる。4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)としては、アルベマール社製のエタキュア420などが入手できる。
また、その他の芳香族アミンも一部であれば使用することができるが、DETDAと4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)の総量に対し、30当量%以下であることが好ましく、20当量%以下であることがより好ましい。その他の芳香族ポリアミンが30当量%超となると、可使時間を保持した速硬化性防水材にはなり難い。
その他の使用できる芳香族ポリアミンとしては、DETDAと同様に高反応性であるイハラケミカル工業株式会社製のキュアハードMED(4,4′−メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン))、日本化薬株式会社製のカヤハードAA(4,4′−メチレンビス(2−エチルアニリン))、日本化薬株式会社製のカヤボンドC−300(4,4′−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン))、日本化薬株式会社製のカヤボンドC−400(4,4′−メチレンビス(2,6−ジiso−プロピルアニリン))などがあげられるが、結晶性が高いか溶解性が悪い場合が多いため、芳香族ポリアミン中の30当量%未満にすることが好ましい。
また、低反応性の芳香族ポリアミンとしてはアルベマール社製のエタキュア300(ジメチルチオトルエンジアミン)、イハラケミカル株式会社製のエラスマー650P(ポリテトラメチレングリコールビス(p−アミノベンゾエート))、イハラケミカル株式会社製のポレアSL−100A(ポリ(テトラメチレン/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート))などが挙げられるが、使用量が多くなると速硬化性が損なわれる傾向となるため、やはり芳香族ポリアミン中の30当量%未満にすることが好ましい。
本願では、硬化剤中の活性水素成分の80当量%以上が芳香族ポリアミンであることが好ましく、90当量%以上であることがより好ましい。その他の活性水素成分を20当量%超にすると十分な可使時間と速硬化性は得られない。
硬化剤中の活性水素成分としてポリオールも20当量%以下であれば、可使時間の調整や粘度調整、湿潤調整、物性調整、接着性向上などのために使用することはできる。
使用できるポリオールとしては、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、ポリエステルポリオールといった比較的高分子量ポリオールや、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリンといった短鎖ポリオールも使用することができる。
(可塑剤)
可使時間時間確保のためには可塑剤を使用することが必要であり、主剤中のプレポリマー100質量部に対し、20〜90質量部の可塑剤を使用することが好ましく、25〜80質量部使用することがより好ましい。可塑剤を使用しないと可使時間を確保することはできない。可塑剤は硬化剤に配合することが好ましいが、一部主剤側に配合することもできる。
可塑剤としては、ウレタン樹脂に一般的に配合できる可塑剤を使用することができる。例として、ジイソノニルフタラート(DINP)、ジオクチルフタラート(DOP)、ブチルベンジルフタラート(BBP)などのフタル酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、リン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、セバシン酸エステル類、エポキシ脂肪酸エステル類、グリコールエステル類、動植物油系脂肪酸エステル類、石油・鉱物油系可塑剤、アルキレンオキサイド重合系可塑剤などが挙げられる。中でも、引火点が200℃以上である、ジイソノニルフタラート(DINP)、ジオクチルフタラート(DOP)は長期的にも重量減少を起こし難く、芳香族ポリエステルであり加水分解も起こし難いため、好ましく使用することができる。
(無機充填剤)
本願では無機系充填剤を用いることが好ましい。無機系充填剤を配合することで、十分な可使時間を有した速硬化性防水材をJIS規格に適合した物性にすることができ、経済性のある防水材とすることができる。充填剤は、硬化剤中に配合することが好ましいが、一部主剤側にも配合することができる。無機充填剤の配合量は硬化剤中に、20質量部〜80質量部であることが好ましい。充填剤が20質量部未満では補強効果が不十分になりやすく、80質量部超では樹脂分が少なくなることによる物性低下や高粘度化が起こりやすくなる。
充填剤としては、例えば炭酸カルシウムが挙げられ、製造時の分散性が良好であり、配合量を多くしても比較的低粘度の状態を保つことも容易であり、コストダウン効果も高い。炭酸カルシウムには、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、コロイダル炭酸カルシウム、各種表面処理炭酸カルシウムなどあるが、いずれの炭酸カルシウムも使用することができる。また、表面処理コロイダル炭酸カルシウムを配合することで適度の揺変性が得られるため、立面用防水材を製造することもできる。その他の無機充填剤としては、シリカ系、カオリンクレー系、タルク系、ベントナイト系などが使用できるが、使用量が多くなると増粘性が激しくなり、また水分量の管理が難しいという問題があるため、炭酸カルシウムが主成分であることが好ましい。また、有機系充填剤も一部であれば使用することはできる。
なお、硬化剤中に溶剤を使用することもできるが、施工後の揮発により収縮を起こす危険性や無機充填剤を沈降しやすくする傾向があり、環境面での問題もあるため、5質量%以内で用いることが好ましく、使用しないことがより好ましい。また、硬化剤側に可塑剤を配合することで、無機充填剤を多く配合することができ、経済性のある防水材とすることができる。
本願のウレタン防水材は、レベリング性を有する平場用防水材はもとより、ノンサグ性を有し立面部や傾斜部等にも施工できる立面用防水材にも適している。立面用防水材は表面処理コロイダル炭酸カルシウム等のノンサグ性付与剤を多く配合したもので、複雑部位を施工するため平場用防水材よりも長い可使時間が必要とされるが、本願の方法により十分に対応することができ、速硬化性を発揮することもできる。
以上により、気温が30℃前後の夏場においても、30分以上の可使時間を有し、しかも5時間前後で次工程が可能となる速硬化性防水材とすることができ、耐熱性や耐アルカリ性が良好であると同時に、プライマーとの接着性や防水材同士の接着性を向上させることができる。なお、汎用のMOCA架橋型防水材の夏用については30℃での可使時間は30分以上とすることはでき、直射日光の当たる部分については5時間程度で施工可能となるが、日陰部分においては7〜10時間程度の施工可能時間であるものが多く、本願ほどの速硬化性とはなり難いため、1日2工程を行うことが難しい。
(硬化促進剤)
次に、以上のような可使時間を確保した速硬化性防水材を、年間を通して使用することについて詳細な検討を行った。従来のDETDA架橋型防水材は、低温硬化性は比較的良好であるが、10℃前後の低温時に5時間程度で施工可能にさせようとすると可使時間は30分以下となってしまい、作業性が悪化してしまう。なお、従来のDETDA架橋型防水材の硬化性を良くするには、DETDAの使用量を多くする方法、可塑剤を少なくする方法、促進剤として2−エチルヘキサン酸鉛等のカルボン酸金属塩や2−エチルヘキサン酸等のカルボン酸を用いる方法等が挙げられるが、いずれの方法も可使時間を大幅に短縮させてしまう。
しかし、種々の可能性を検討した結果、本発明の組成物に対し酸無水物を硬化促進剤として用いると、可使時間をあまり短縮させずに硬化性を促進させる役割を果たし、低温においても速硬化性を示すことを見出した。
酸無水物は、硬化剤中のDETDA等のアミノ基、ポリオールの水酸基、水分等の活性水素基と付加反応することでカルボン酸基を発生させ、硬化促進作用を発現するものと思われる。その際、酸無水物と活性水素基との付加反応は瞬間的ではなく、適度の反応速度を有するようで、その結果、カルボン酸基は徐々に増加するため、数十分程度である可使時間への影響は少ないが、数時間後である硬化性には有効に作用し、潜在性促進剤的な効果が発揮されると推察される。
本発明は、従来からの硬化促進剤である2−エチルヘキサン酸のような低分子カルボン酸あるいは、2−エチルヘキサン酸亜鉛や2−エチルヘキサン酸鉛のようなカルボン酸金属塩を硬化促進剤として用いることもできるが、従来の促進剤よりも可使時間を確保したうえで速硬化性を示すことのできる酸無水物を硬化促進剤として用いることが好ましい。なお、酸無水物は夏用防水材に用いることもでき、可使時間はやや短くなるが春秋季においては作業性の良い速硬化性防水材とすることができる。
酸無水物はあらかじめ硬化剤側に配合することもできるが、その場合は経時により硬化剤中の活性水素基と反応しカルボン酸基が発生した状態となってしまうため、従来の2−エチルヘキサン酸などと同様の効果となり可使時間を短縮してしまう。従って、本願においては、酸無水物は、主剤に、または主剤と硬化剤を混合するときに、添加する方法が好ましい。主剤と硬化剤を混合するときに酸無水物を添加する方法としては、イソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤パーツと、芳香族ポリアミンおよび可塑剤を含む硬化剤パーツと、酸無水物を含む硬化促進剤パーツからなるキットを用意し、施工現場でそれらのパーツを混合する方法を例示できる。
主剤に酸無水物を添加した場合、主剤には活性水素基がないため酸無水物は安定な状態を保つことができ、硬化剤と混合することで酸無水物の付加反応がスタートするため、潜在性促進剤としての効果を発揮できる。また、第3成分として施工現場で主剤と硬化剤を混合するときに添加する場合は、小分け・軽量といった煩雑な作業が伴うため、主剤に酸無水物を配合することがより好ましい。
本発明で用いる酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビスアンヒドロトリメリテートモノアセテート、テトラプロペニル無水コハク酸、オクテニルコハク酸無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
酸無水物は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
なお、2液型ウレタン防水材は施工現場で主剤と硬化剤を混合して塗布するため、常温で固体の酸無水物は混合液中に溶けきらずに結晶化する恐れがある。酸無水物が結晶化した場合十分な硬化促進効果を得られない可能性があるため、常温で液状の酸無水物が好ましい。常温で液状の酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水コハク酸、日立化成株式会社製のHN−2200(3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸と4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸の混合物)、新日本理化株式会社製のリカシッドHH(ヘキサヒドロ無水フタル酸)、新日本理化株式会社製のリカシッドMH−700(3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30の混合物)、新日本理化株式会社製のリカシッドMH(4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸)、新日本理化株式会社製のリカシッドHNA−100(メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物とビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物の混合物)、日立化成株式会社製のMHAC−P(メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸)、三洋化成工業株式会社製のDSA(テトラプロペニル無水コハク酸)、新日本理化株式会社製のリカシッドOSA(オクテニルコハク酸無水物)などが挙げられ、その中でも特に日立化成株式会社製のHN−2200(3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸と4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸の混合物)、日立化成株式会社製のMHAC−P(メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸)、新日本理化株式会社製のリカシッドMH−700(3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30の混合物)、三洋化成工業株式会社製のDSA(テトラプロペニル無水コハク酸)などがより好ましい。
酸無水物の使用量は、主剤100gに対して0.05〜10.0g使用することが望ましく、0.1〜5.0g使用することが更に望ましい。酸無水物の使用量が少なすぎると速硬化性が十分に得られず、一方多すぎれば十分な可使時間を確保できず物性が低下してしまう。
本発明では、硬化促進剤として酸無水物を用いることが好ましいが、その他の硬化促進剤を用いることができ、また酸無水物と併用することもできる。
その他の硬化促進剤としては、有機第2錫系化合物、3級アミン、カルボン酸金属塩、カルボン酸などが挙げられる。有機第2錫系化合物としては、例えばジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ2−エチルへキサノエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメルカプタイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトネート、ジブチル錫オキシラウレート、ジオクチル錫ジネオデカネート、ジブチル錫ビスブチルマレート、ジオクチル錫2−エチルヘキシルマレートなどが挙げられ、中でもジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートが好ましい。有機第2錫系化合物は硬化剤中に0.001〜0.1質量%使用することが好ましい。
3級アミンとしては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン、ビス(2−モルホリノエチル)エーテル、ジアザビシクロウンデセンなどの一般的な3級アミンを使用することができるが、特殊な3級アミンであるイミダゾール化合物が好ましく、イミダゾール化合物としては、例えば1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールのような1位と2位に置換基を有する化合物や、1−メチルイミダゾール、1−アリルイミダゾールのような1位に置換基を有する化合物が使用できる。中でも、1位と2位に置換基を有するイミダゾール化合物が好ましい。3級アミンは、硬化剤中に0.01〜2.0質量%使用することが好ましい。
また、一般的にウレタン硬化促進剤であるカルボン酸金属塩も使用することができる。カルボン酸金属塩としては、例えば2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ナフテン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、樹脂酸の鉛塩、亜鉛塩、ビスマス塩、ジルジルコニウム塩、錫塩、銅塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩などが挙げられ、カルボン酸金属塩は硬化剤中に0.1〜4.0質量%使用することが好ましい。
カルボン酸としては、例えばプロピオン酸、2−メチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、ナフテン酸などが挙げられ、中でも2−エチルヘキサン酸が好ましい。カルボン酸は、硬化剤中に0.05〜2.0質量%使用することが望ましく、その一部或いは全量を主剤側に配合しても構わない。
(その他添加剤)
その他、硬化剤には、湿潤剤、消泡剤、顔料、耐候性付与剤などの添加剤類を必要に応じて配合することができる。
原材料
以下の実施例および比較例で用いた原材料は、次のとおりである。
〔イソシアナート〕
IPDI: VESTANAT(登録商標)IPDI、イソホロンジイソシアナート単体、NCO含有量37.8質量%、NCO官能基数約2.0、エボニック・ジャパン株式会社製
T−80: コロネートT−80、2,4−トリレンジイソシアナート/2,6−トリレンジイソシアナート=80/20(質量比)の混合物、NCO含有量48.3質量%、日本ポリウレタン工業株式会社製
〔ポリオール〕
サンニックスPP−2000: ポリオキシプロピレンジオール、平均分子量2000、OH価56.1mgKOH/g、三洋化成工業株式会社製
サンニックスGH−3000: ポリオキシプロピレントリオール、平均分子量3000、OH価:56.1mgKOH/g、三洋化成工業株式会社製
〔溶剤〕
MC−2000ソルベント: ノルマルパラフィン、イソパラフィン混合物、三協化学株式会社製
〔ポリアミン〕
DETDA: エタキュア100、ジエチルトルエンジアミン、アルベマール日本株式会社製
エタキュア420: 4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)、芳香族二級ジアミン、アルベマール社製
〔触媒〕
ジオクチル錫ジラウレート: KS−1200A−1、共同薬品株式会社製
1−イソブチル−2−メチルイミダゾール: DABCO NC−IM、エアープロダクツジャパン株式会社製
リン酸: 85%リン酸、ナカライテスク株式会社製
HN−2200: 3−または4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、日立化成株式会社製
〔可塑剤〕
DINP: サンソサイザーDINP、ジイソノニルフタレート、新日本理化株式会社製
〔無機充填剤〕
炭酸カルシウム NS#100: NS#100、炭酸カルシウム、日東粉化工業株式会社製
〔添加剤〕
添加剤類: 楠本化成株式会社製
〔プライマー〕
OTプライマーM: 1成分湿気硬化型仲介プライマー、田島ルーフィング株式会社製
OTプライマーA: 1成分湿気硬化型プライマー、田島ルーフィング株式会社製
主剤の調製
〔二段仕込〕法
表1〜3および5の配合に従って、四つ口フラスコにポリオールと溶剤、IPDIおよび必要に応じて触媒を仕込んだ。その後攪拌しながら所定温度で所定時間反応させ、反応終了後必要に応じてリン酸を添加した。さらに、T−80を仕込み再び所定温度で所定時間反応させてプレポリマーを得た。
〔一括仕込〕法
表4の配合に従って、四つ口フラスコにポリオールと溶剤およびポリイソシアナート類を仕込んだ。その後攪拌しながら所定温度で所定時間反応させてプレポリマーを得た。
〔混合〕法
表4の配合に従って、四つ口フラスコにポリオールと溶剤、IPDIおよび必要に応じて触媒を仕込んだ。その後攪拌しながら所定温度で所定時間反応させてIPDIプレポリマーを得た。IPDIの代わりにT−80を使用して同様にT−80プレポリマーを得た。IPDIプレポリマーとT−80プレポリマーを所定の割合で混合して主剤として使用した。
なお、各プレポリマーは必要に応じて可塑剤、触媒等を加えて主剤として使用した。
硬化剤の調製
表1〜5の配合に従って、金属容器に液物を仕込み、攪拌機(ディゾルバー羽根)で低速混合し均一にした後、炭酸カルシウムを配合し1500rpmで15分間混合して各硬化剤を得た。
実施例1、2(表1)
ポリイソシアナートとしてIPDIとT−80を使用し、「二段仕込」法で合成した主剤と、DETDAとエタキュア420の当量比を70/30とした硬化剤を用いた夏用配合の例である。IPDIとT−80の当量比が20/80の実施例1は防水材として良好な塗膜物性を示しかつ夏用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。層間接着試験では層間剥離せずにウレタン材料破壊が起こるほどの強い層間接着強度を示した。また、プライマーとの接着試験では実用に十分な接着強度を示した。IPDIとT−80の当量比が10/90の実施例2は防水材として良好な塗膜物性を示しかつ十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験およびプライマー接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
比較例1(表1)
実施例1、2と同じ配合の硬化剤に対して、主剤のポリイソシアナートとしてT−80のみを使用した夏用配合の例である。可使時間は45分と夏用配合としては不十分であった。層間接着強度およびプライマー接着強度は実施例1、2に比べて低く実用上問題があると思われた。また、加熱処理後あるいはアルカリ処理後の引張強さ比は実施例1、2に比べて低くなる傾向が見られた。特に、アルカリ処理後の引張強さ比は71%と低く実用上問題があると思われた。
実施例3、4(表2)
ポリイソシアナートとしてIPDIとT−80を使用し、「二段仕込」法で合成した主剤と、DETDAとエタキュア420の当量比を60/40とした硬化剤を用いた夏用配合の例である。IPDIとT−80の当量比が各々20/80、10/90の実施例3、4は防水材として良好な塗膜物性を示しかつ夏用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
比較例2(表2)
実施例3、4と同じ配合の硬化剤に対して、主剤のポリイソシアナートとしてT−80のみを使用した夏用配合の例である。可使時間は64分と夏用配合として十分であったが、層間接着強度は実施例3、4に比べて低く実用上問題があると思われた。また、加熱処理後あるいはアルカリ処理後の引張強さ比は実施例3、4に比べて低くなる傾向が見られた。特に、アルカリ処理後の引張強さ比は65%と低く実用上問題があると思われた。
実施例5、6、7(表3)
ポリイソシアナートとしてIPDIとT−80を使用し、「二段仕込」法で合成したプレポリマーに酸無水物触媒HN−2200を1.00質量%添加した主剤と、DETDAとエタキュア420の当量比を80/20とした硬化剤を用いた冬用配合の例である。IPDIとT−80の当量比が各々30/70、20/80、10/90の実施例5、6,7は防水材として良好な塗膜物性を示しかつ冬用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
比較例3(表3)
実施例5、6、7と同じ配合の硬化剤に対して、主剤のポリイソシアナートとしてT−80のみを使用した冬用配合の例である。可使時間は24分と冬用配合として不十分であった。層間接着強度は実施例5、6、7に比べて低く実用上問題があると思われた。また、加熱処理後あるいはアルカリ処理後の引張強さ比は実施例5、6、7に比べて低くなる傾向が見られた。
実施例8(表4)
実施例7と同じ配合の主剤を「一括仕込」法で合成した冬用配合の例である。実施例8は防水材として良好な塗膜物性を示しかつ冬用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
実施例9(表4)
IPDIプレポリマーとT−80プレポリマーを別々に合成し、IPDIとT−80の当量比が実施例7と同じ10/90となるように「混合」した主剤を使用した冬用配合の例である。実施例9は防水材として良好な塗膜物性を示しかつ冬用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
実施例10、11、12(表5)
実施例6と同じ配合で「二段仕込」法によりプレポリマーを合成する際に、触媒を使用した冬用配合の例である。一段目のIPDIとの反応において触媒としてジオクチル錫ジラウレート0.0015質量%を使用した実施例10では、一段目の反応は実施例6より低い60℃で速やかに進行した。その後、リン酸0.0015質量%を加え触媒を失活させた後に、二段目のT−80との反応を実施したところ100℃で速やかに進行した。得られたプレポリマーを使用して実施例6と同様に防水材組成物を作製したところ、良好な塗膜物性を示しかつ冬用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
一段目のIPDIとの反応において触媒としてリン酸0.04質量%を使用した実施例11では、一段目の反応は100℃で速やかに進行し実施例6より短い反応時間で所望の転化率まで達した。更に二段目のT−80との反応も100℃で速やかに進行した。得られたプレポリマーを使用して実施例6と同様に防水材組成物を作製したところ、良好な塗膜物性を示しかつ冬用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
一段目のIPDIとの反応において触媒として1−イソブチル−2−メチルイミダゾール0.10質量%を使用した実施例12では、一段目の反応は100℃で速やかに進行し実施例6より短い反応時間で所望の転化率まで達した。更に二段目のT−80との反応は実施例6より低い40℃で速やかに進行した。得られたプレポリマーを使用して実施例6と同様に防水材組成物を作製したところ、良好な塗膜物性を示しかつ冬用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
なお、各評価項目の測定方法は次のとおりである。
[NCO(質量%)]
200mLの三角フラスコに主剤約1gを精秤し、これに0.5Nジ−n−ブチルアミン(トルエン溶液)10mL、トルエン10mLおよび適量のブロムフェノールブルーを加えた後メタノール約100mLを加え溶解する。この混合液を0.25N塩酸溶液で滴定する。NCO(質量%)は以下の式によって求められる。
NCO(質量%)=(ブランク滴定値−0.5N塩酸溶液滴定値)×4.202×0.25N塩酸溶液のファクター×0.25÷サンプル重量
[23℃可使時間(分)]
23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、主剤と硬化剤を所定の割合で攪拌・混合開始から、BH型粘度計で2rpmにおける粘度が60,000mPa・sになるまでの時間を測定した。
[23℃施工可能時間(時間)]
23℃、湿度50%の空気循環式型環境試験室内において、主剤と硬化剤を所定の割合で攪拌・混合した防水材を2kg/m2塗布し、完全には硬化していないが、塗膜上を靴で歩行が可能となり、次工程の作業を開始できるまでの時間を測定した。
[引張強さ(N/mm2)]
養生条件を23℃で7日とした試験片について、JIS A 6021に基づいて測定を行った(JIS A 6021のウレタンゴム系高伸長形(旧1類)では引張強さは2.3N/mm2以上)。
[破断時の伸び率(%)]
養生条件を23℃で7日とした試験片について、JIS A 6021に基づいて測定を行った(JIS A 6021のウレタンゴム系高伸長形(旧1類)では破断時の伸び率は450%以上)。
[引裂き強さ(N/mm)]
養生条件を23℃で7日とした試験片について、JIS A 6021に基づいて測定を行った(JIS A 6021のウレタンゴム系高伸長形(旧1類)では引裂き強さは14N/mm以上)。
[耐熱性 引張強さ比(%)]
80℃の乾燥機に7日間入れて加熱処理した試験片について、JIS A 6021に基づいて行い、処理前に対する引張強さ比(%)を求めた。
[アルカリ処理後の引張強さ比(%)]
処理条件を60℃、1週間(JIS A 6021では23℃)に変えた以外は、JIS A 6021に基づいて行い、処理前に対する引張強さ比(%)を求めた。
[層間接着強度]
23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、スレート板にプライマーを塗布し一日乾燥後、主剤と硬化剤を所定の割合で攪拌・混合した防水材組成物を2kg/m塗布した。3日後、一層目と同じ防水材組成物を1kg/m塗布し、その上に補強布としてサラシを被せさらに同じ防水材組成物を1kg/m塗布し、23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、7日間養生した。養生後、防水層を25mmの幅にカットし、180度剥離試験(ピール速度100mm/min)により防水材組成物一層目と二層目の層間接着強度(N/cm)を測定した。
[プライマー接着強度]
23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、スレート板にOTプライマーMを塗布し、その上にOTプライマーAを0.15kg/m塗布した。3日後、主剤と硬化剤を所定の割合で攪拌・混合した防水材組成物を1kg/m塗布し、その上に補強布としてサラシを被せさらに同じ防水材組成物を1kg/m塗布し、23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、7日間養生した。養生後、防水層を25mmの幅にカットし、180度剥離試験(ピール速度100mm/min)によりプライマーAと防水材組成物との接着強度(N/cm)を測定した。
Figure 2018044068
Figure 2018044068
Figure 2018044068
Figure 2018044068
Figure 2018044068

Claims (5)

  1. ポリイソシアナートとポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と芳香族ポリアミンおよび可塑剤を含む硬化剤とからなる2液型ウレタン防水材組成物であって、主剤はトリレンジイソシアナート骨格とイソホロンジイソシアナート骨格を50/50〜97/3のモル比で含み、硬化剤は芳香族ポリアミンとしてジエチルトルエンジアミンと4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)を40/60〜97/3の当量比で含む、2液型ウレタン防水材組成物。
  2. 硬化剤中の活性水素成分の80当量%以上が芳香族ポリアミンである、請求項1に記載の2液型ウレタン防水材組成物。
  3. 硬化促進剤として酸無水物を含む、請求項1または2に記載の2液型ウレタン防水材組成物。
  4. ポリイソシアナートとポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と芳香族ポリアミンおよび可塑剤を含む硬化剤とからなる2液型ウレタン防水材組成物の製造方法であって、該方法は、
    トリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナートおよびポリオールを、トリレンジイソシアナートとイソホロンジイソシアナートのモル比が50/50〜97/3の範囲で、同一容器内で反応させてイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤を調製する工程、および、
    ジエチルトルエンジアミン、4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)および可塑剤を、ジエチルトルエンジアミンと4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)の当量比が40/60〜97/3の範囲で、混合して硬化剤を調製する工程を含む、方法。
  5. 前記主剤を調製する工程が、イソホロンジイソシアナートとポリオールを容器内で反応させる工程、次いで前記容器内にトリレンジイソシアナートを添加してさらに反応させる工程を含む、請求項4に記載の方法。
JP2016179680A 2016-09-14 2016-09-14 速硬化性2液型ウレタン防水材組成物およびその製造方法 Active JP6839947B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016179680A JP6839947B2 (ja) 2016-09-14 2016-09-14 速硬化性2液型ウレタン防水材組成物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016179680A JP6839947B2 (ja) 2016-09-14 2016-09-14 速硬化性2液型ウレタン防水材組成物およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018044068A true JP2018044068A (ja) 2018-03-22
JP6839947B2 JP6839947B2 (ja) 2021-03-10

Family

ID=61694455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016179680A Active JP6839947B2 (ja) 2016-09-14 2016-09-14 速硬化性2液型ウレタン防水材組成物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6839947B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021107467A (ja) * 2018-09-19 2021-07-29 保土谷化学工業株式会社 主剤及び硬化剤のセット、防水材並びにその施工方法
JP2022540688A (ja) * 2019-07-16 2022-09-16 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 一液型のポリウレタン分散体、その製造及び使用

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58134160A (ja) * 1982-02-03 1983-08-10 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト 被覆形成方法
JPS6369873A (ja) * 1986-09-08 1988-03-29 ダブリユー・アール・グレイス・アンド・カンパニー−コネチカツト ポリウレタン塗料組成物
JPH07330855A (ja) * 1994-06-10 1995-12-19 Hodogaya Chem Co Ltd 常温硬化性塗膜防水材の製造方法
JPH09183942A (ja) * 1995-12-28 1997-07-15 Hodogaya Chem Co Ltd 常温硬化型ポリウレタン塗膜材
WO2005035612A1 (en) * 2003-10-02 2005-04-21 Bayer Materialscience Llc Polyurethane dispersion (pud) with improved isopropanol resistance, flexibility and softness
JP2013139559A (ja) * 2011-12-07 2013-07-18 I C K Kk 2液型環境対応ウレタン防水材組成物
JP2015021021A (ja) * 2013-07-16 2015-02-02 アイシーケイ株式会社 速硬化性2液型環境対応ウレタン防水材組成物
CN105461896A (zh) * 2016-01-19 2016-04-06 黎明化工研究设计院有限责任公司 一种桥梁用高硬度聚氨酯弹性体承压支座材料及其制备方法和使用方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58134160A (ja) * 1982-02-03 1983-08-10 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト 被覆形成方法
JPS6369873A (ja) * 1986-09-08 1988-03-29 ダブリユー・アール・グレイス・アンド・カンパニー−コネチカツト ポリウレタン塗料組成物
JPH07330855A (ja) * 1994-06-10 1995-12-19 Hodogaya Chem Co Ltd 常温硬化性塗膜防水材の製造方法
JPH09183942A (ja) * 1995-12-28 1997-07-15 Hodogaya Chem Co Ltd 常温硬化型ポリウレタン塗膜材
WO2005035612A1 (en) * 2003-10-02 2005-04-21 Bayer Materialscience Llc Polyurethane dispersion (pud) with improved isopropanol resistance, flexibility and softness
JP2007511621A (ja) * 2003-10-02 2007-05-10 バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 改良されたイソプロパノール耐性、柔軟性及び柔らかさを有するポリウレタン分散体
JP2013139559A (ja) * 2011-12-07 2013-07-18 I C K Kk 2液型環境対応ウレタン防水材組成物
JP2015021021A (ja) * 2013-07-16 2015-02-02 アイシーケイ株式会社 速硬化性2液型環境対応ウレタン防水材組成物
CN105461896A (zh) * 2016-01-19 2016-04-06 黎明化工研究设计院有限责任公司 一种桥梁用高硬度聚氨酯弹性体承压支座材料及其制备方法和使用方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021107467A (ja) * 2018-09-19 2021-07-29 保土谷化学工業株式会社 主剤及び硬化剤のセット、防水材並びにその施工方法
JP2021107466A (ja) * 2018-09-19 2021-07-29 保土谷化学工業株式会社 主剤及び硬化剤のセット、防水材並びにその施工方法
JP7398228B2 (ja) 2018-09-19 2023-12-15 保土谷化学工業株式会社 主剤及び硬化剤のセット、防水材並びにその施工方法
JP7398229B2 (ja) 2018-09-19 2023-12-15 保土谷化学工業株式会社 主剤及び硬化剤のセット、防水材並びにその施工方法
JP2022540688A (ja) * 2019-07-16 2022-09-16 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 一液型のポリウレタン分散体、その製造及び使用
JP7433411B2 (ja) 2019-07-16 2024-02-19 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 一液型のポリウレタン分散体、その製造及び使用

Also Published As

Publication number Publication date
JP6839947B2 (ja) 2021-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6706887B2 (ja) 高強度2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物およびウレタン防水工法
JP5669813B2 (ja) 2液型環境対応ウレタン防水材組成物
JP6799390B2 (ja) 高抗張積2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物およびウレタン防水工法
US9080087B2 (en) Reduction in modulus of polyurethane sealants and adhesives
KR101478307B1 (ko) 바이오 폴리올을 이용한 콘크리트 바탕조정용 프라이머 및 이를 이용한 콘크리트 구조물의 폴리우레아 방수공법
JP6213954B2 (ja) 速硬化性2液型環境対応ウレタン防水材組成物
JP6820787B2 (ja) 2液型手塗り用ウレタン防水材組成物
JP6735598B2 (ja) 速硬化性ウレタン防水材組成物および施工方法
JP6839947B2 (ja) 速硬化性2液型ウレタン防水材組成物およびその製造方法
JP6914127B2 (ja) 2液常温硬化型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物およびウレタン防水工法
KR100663186B1 (ko) 실란 변성 폴리우레탄 도막 방수재 조성물 및 그 제조 방법
JP6991036B2 (ja) 手塗り用速硬化性ウレタン防水材組成物、キットおよび施工方法
JPH09183942A (ja) 常温硬化型ポリウレタン塗膜材
JP2021123633A (ja) 2液常温硬化型手塗り用ウレタン防水材組成物
JP6879712B2 (ja) 2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物およびウレタン防水工法
JP7510580B1 (ja) 2液型手塗り用ウレタン塗膜組成物およびウレタン防水塗膜層の施工方法
JP6187964B2 (ja) 速硬化性2液型環境対応ウレタン防水材組成物
JP2002194281A (ja) 二液型ポリウレタン系塗膜防水材組成物
JP7653296B2 (ja) 2液常温硬化型手塗り用ウレタン防水材組成物
KR102816216B1 (ko) 에폭시화 오일 및 이소시아네이트를 포함하는 수용성 우레탄 조성물
JP6083705B2 (ja) 2液型ジフェニルメタンジイソシアナート系ウレタン防水材組成物
JP2003113217A (ja) 二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物
JP2009046627A (ja) 二液硬化型ウレタン組成物及び防水構造体の施工方法
JP2024069016A (ja) 2液型手塗り用ウレタン防水材組成物およびウレタン防水塗膜層の施工方法
JP6305097B2 (ja) 2液型環境対応ウレタン防水材組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6839947

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250