JP2018044068A - 速硬化性2液型ウレタン防水材組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
2液型ウレタン防水材は、施工現場で主剤、硬化剤の2液を攪拌機で数分間混合した後、金コテ、くしベラ、ゴムベラ、ローラー、刷毛などで塗布し施工されるが、2液の混合開始と同時に硬化反応は始まり、徐々に粘度が上昇し、ある程度の時間施工しやすい低粘度状態(以下、可使時間と称す。)を経た後、施工が困難なほどの高粘度となり硬化していく。可使時間は実際の施工温度で少なくとも30分程度以上が好ましいとされており、便宜上23℃での粘度が60,000mPa・sになるまでの時間を指標として用いる。
夏季の施工においては材料の温度は35℃程度まで上昇し反応性が高まるため、30分の可使時間を確保するには23℃での可使時間で50分程度以上であることが好ましく、そのためには相応の配合技術が必要とされる。一方、冬季においては、材料温度は5℃程度まで下がり反応性が低下するため、可使時間の確保は比較的容易となり、23℃での可使時間で25分程度以上あれば問題ないが、翌朝までに施工可能な硬化性とするには、やはり相応の配合技術が必要となる。従って、2液型ウレタン防水材は、夏用と冬用の少なくとも二種類の配合を用意し、各季節に応じた可使時間と施工可能時間を確保するのが一般的である。
また、2−エチルヘキサン酸のようなカルボン酸を促進剤として用いる方法もあるが、MOCAとイソシアナートとの反応は促進されるが、併用するポリオールとの反応は促進されないため、低温硬化性を改善するにはやはり限界がある。
また、主剤に用いられているTDIも特定化学物質に指定されており、汎用品の主剤には遊離TDIが上限値の1%を超えて存在するため、主剤も特化則該当品となってしまい、製造時および施工時に種々の制約を受けることとなる。さらに、促進剤として用いるカルボン酸鉛は、世界的に使用が厳しく制限されている材料であり、化学物質排出把握管理促進法(通称、化管法)の特定第1種指定化学物質に指定されており、環境面からは使用を避けたい材料である。
DETDA架橋型防水材の可使時間を確保する方法としては、特殊なTDIを用いる方法(特許文献1)、低反応性のポリイソシアナートであるイソホロンジイソシアナート(以下、IPDIと称す。)をTDIと併用する方法(特許文献2)、反応性の穏やかな芳香族2級アミンである4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)をDETDAと併用する方法(特許文献3)等が提案されているが、まだ各々の方法に問題が残されており、汎用化されるには至っていない。
また、DETDA架橋型防水材はMOCA架橋型防水材とは異なり、冬季に硬化促進剤を用いることにより硬化性をさらに良くすることはできるが、可使時間はやはり短くなるため施工性は悪くなってしまう。そのため、通常は硬化促進剤を用いないが、2−エチルヘキサン酸鉛のようなカルボン酸鉛化合物や2−エチルヘキサン酸のような低分子カルボン酸により硬化を速くすることはできる。
なお、硬化促進剤は貯蔵安定性に問題が起こらないことより硬化剤側に配合するのが一般的であるが、第3成分として施工現場で添加することも行われている。施工現場で添加する場合は、施工時の気温に合わせて添加量を調整することができるという利便性はあるが、添加量が少量であるため配合ミスが発生しやすいという問題や保管・管理が難しいという問題もある。
現状ではウレタン防水材を1層塗布すると、当日中には硬化しないため、翌日に2層目のウレタン防水材の塗布あるいはトップコートの塗布といった次工程を行うのが通例であり、完成までの工期が長くなってしまうのがウレタン防水材の欠点とされている。さらに近年、気候の変動が激しくなる傾向があり、ウレタン防水材塗布後数時間で降雨に見舞われ未硬化のウレタン防水層が損傷を受けるという問題も多発している。
さらに、夜間に降雨が予想される場合は日中が好天であってもウレタン防水材を塗布することができず、また無理して降雨前に施工したため降雨により塗膜が損傷してしまい、補修に多大な時間と労力を費やしてしまうという問題もある。
また、DETDA架橋型防水材には、プライマーとの接着性や防水材同士の接着性が十分でないという問題も残されている。
汎用のMOCA架橋型防水材には、低温時の硬化性が悪くなるという問題と環境対応が不十分であるという問題があり、年間を通して当日中に硬化させることができ、しかも汎用防水材とほぼ同等の可使時間を有し、接着性および施工性が良好で環境にも優しい速硬化性ウレタン防水材が望まれている。
一方、主剤において、TDIとIPDIを併用することで可使時間をある程度延長することはできるが、物性低下や硬化性の低下となることが指摘されている。
[1]ポリイソシアナートとポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と芳香族ポリアミンおよび可塑剤を含む硬化剤とからなる2液型ウレタン防水材組成物であって、主剤はトリレンジイソシアナート骨格とイソホロンジイソシアナート骨格を50/50〜97/3のモル比で含み、硬化剤は芳香族ポリアミンとしてジエチルトルエンジアミンと4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)を40/60〜97/3の当量比で含む、2液型ウレタン防水材組成物。
[2]硬化剤中の活性水素成分の80当量%以上が芳香族ポリアミンである、[1]に記載の2液型ウレタン防水材組成物。
[3]硬化促進剤として酸無水物を含む、[1]または[2]に記載の2液型ウレタン防水材組成物。
[4]ポリイソシアナートとポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と芳香族ポリアミンおよび可塑剤を含む硬化剤とからなる2液型ウレタン防水材組成物の製造方法であって、該方法は、
トリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナートおよびポリオールを、トリレンジイソシアナートとイソホロンジイソシアナートのモル比が50/50〜97/3の範囲で、同一容器内で反応させてイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤を調製する工程、および、
ジエチルトルエンジアミン、4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)および可塑剤を、ジエチルトルエンジアミンと4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)の当量比が40/60〜97/3の範囲で、混合して硬化剤を調製する工程を含む、方法。
[5]前記主剤を調製する工程が、イソホロンジイソシアナートとポリオールを容器内で反応させる工程、次いで前記容器内にトリレンジイソシアナートを添加してさらに反応させる工程を含む、[4]に記載の方法。
また、耐熱性や耐アルカリ性が良好であり、プライマーとの接着性や防水材同士の接着性にも優れた、生産性の良い環境対応型速硬化性ウレタン防水材である。
一方、DETDA架橋型防水材は、施工可能時間は5〜7時間程度の速硬化性を示すが、可使時間を50分以上とすることが難しい。特に、主剤のポリイソシアナートとして、2,4−TDIと2,6−TDIを80/20(当量比)で含有するT−80と称される汎用品を用いた場合には可使時間を確保することが難しくなる。なお、2,4−TDIを100%含有するT−100と称される特殊品は可使時間の確保には有利であるが供給量が限定されるため、汎用性のある防水材の原料には適していないという面がある。
また、硬化性についてはIPDIの併用により遅延される傾向とはなるが、DETDA架橋型の特徴である速硬化性は維持されるため、夏季において可使時間を保持した速硬化性防水材となり、30℃前後の気温であれば5時間前後で施工可能となり、一日2工程が可能となる。
また、主剤にIPDIを併用することで、プライマーとの接着性や防水材同士の接着性を向上させることができ、この点においてもDETDA架橋型防水材の弱点を改善することができる。
本発明で主剤は、TDI骨格とIPDI骨格を50/50〜97/3のモル比で含む必要があり、60/40〜95/5のモル比が好ましく、70/30〜90/10のモル比であることがより好ましい。IPDI骨格のモル比が、50超では速硬化性の防水材とはなり難く、3未満では可使時間を確保した耐熱性・耐アルカリ性の良好な接着性の良い速硬化性防水材にはなり難い。
主剤にTDI骨格を導入するためのポリイソシアナートとしては、工業的に入手できる2,4−TDIと2,6−TDIの当量比が65/35であるT−65、80/20であるT−80、100/0であるT−100が使用でき、各々のブレンド品も使用することができる。ただし、T−100およびT−65は、工業的に汎用品であるT−80からの分離・精製によりに製造されるため生産量に限界がある。可使時間確保の面からはT−100が有利な面もあるが、汎用性のあるウレタン防水材に用いるには、T−80を主成分として用いることが好ましい。また、一部であればTDIのダイマー体、ヌレート体、アロファネート体等の誘導体を用いることができる。好ましくは、TDI骨格のすべてがTDIモノマーに由来する。
主剤のイソシアナート含有量は、1.5質量%〜4.5質量%であることが好ましく、1.7質量%〜4.0質量%であることがより好ましい。イソシアナート含有量が1.5質量%未満では硬化性が低下し防水材に必要とされる物性が得難くなり、4.5質量%超では可使時間の確保が難しくなる。
主剤に用いるポリオールとしては、通常ウレタン防水材の主剤に用いられるポリオールを用いることができるが、低粘度で施工性のよい主剤とするためには、分子量が300〜8000のポリオキシプロピレンポリオールやポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールといったポリエーテル系ポリオールを用いることが好ましい。また、ポリエステル系などその他の高分子量ポリオールも一部であれば使用することができる。
さらに、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールといった短鎖ポリオールも使用することができる。
主剤のNCO基とOH基との当量比、NCO基/OH基は、1.5〜2.3の範囲となるようにポリイソシアナートとポリオールを配合することが好ましい。NCO基/OH基が、1.5未満では主剤の粘度が上昇し、また物性の良い防水材になり難く、2.3超では遊離のTDIあるいはIPDIが多くなり可使時間確保が難しくなる。
さらに、NCO基/OH基を1.5〜2.1にすることがより好ましく、主剤中の遊離TDIの含有量を1%以下とすることができ、遊離TDIと遊離IPDIの総量も1%以下とすることができるため環境対応型の防水材にもなりうる。
TDIとIPDIには反応性に大きな違いがあるため、TDIプレポリマーとIPDIプレポリマーを別々に製造し、各々をブレンドする「混合」法が一般的であり、プライマーとの接着性や防水材同士の接着性を向上させる効果が高く、可使時間を延長させる効果もあり、さらに耐熱性や耐アルカリ性を向上させる効果も確認することができる。ただし、この方法は2回の別々の合成工程とさらにブレンドする工程が必要となるため、多くの生産設備と時間を必要とし経済性を損ねてしまう。
ウレタン化触媒としては、3級アミン類、酸、カルボン酸金属塩、錫化合物といった一般的なウレタン化触媒を用いることができるが、特に有機第2錫化合物である、ジオクチル錫ジラウレートやジブチル錫ジラウレートが好ましく、1段目の反応時間を短縮させることができ、さらには60℃前後の低温においても反応を速やかに進行させることができる。有機第2錫の使用量は、IPDIとポリオールの合計量に対し、0.0001〜0.1質量%であることが好ましく、反応温度としては40〜110℃が好ましい。
ウレタン化触媒の失活剤としては、無機酸、ベンゾイルクロライドやフタル酸クロライド等の塩素系酸性物質等が挙げられるが、中でもリン酸が効果的であり好ましい。リン酸の使用量は使用したウレタン化触媒量により異なり、ウレタン化触媒に対して50〜200当量%であることが好ましい。
上記の「二段仕込」法は、TDIとIPDIを同時に仕込む「一括仕込」法よりも可使時間の確保やプライマーとの接着性や防水材同士の接着性向上に有効であり耐熱性や耐アルカリ性も良好であるため、本発明ではより好ましい生産方法となる。
主剤のイソシアナート基と硬化剤の芳香族ポリアミンのアミノ基との当量比である、主剤NCO/硬化剤NH2は0.9〜1.8とすることが好ましい。2液混合時の主剤NCO/硬化剤NH2が0.9未満では高分子量化が不十分となるため物性が低下し、1.8超となると硬化性が低下し物性も不十分となる。
本願は、芳香族ポリアミンとしてDETDAと4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)を当量比で40/60〜97/3の範囲で含む必要があり、50/50〜95/5の範囲が好ましく、60/40〜90/10の範囲であることがより好ましい。DETDAに対する4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)の当量比が60超となると、速硬化性ではなくなると同時に物性および耐熱性・耐アルカリ性を保持することが難しくなり、3未満では可使時間延長効果が不十分となる。
なお、DETDAには、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミンなどの異性体が存在するが、本願ではいずれの異性体を用いてもよく、またそれらの混合物を用いてもよい。工業用としては例えばアルベマール社製のエタキュア100(2,4−異性体/2,6−異性体の質量比80/20)などが入手できる。4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)としては、アルベマール社製のエタキュア420などが入手できる。
使用できるポリオールとしては、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、ポリエステルポリオールといった比較的高分子量ポリオールや、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリンといった短鎖ポリオールも使用することができる。
可使時間時間確保のためには可塑剤を使用することが必要であり、主剤中のプレポリマー100質量部に対し、20〜90質量部の可塑剤を使用することが好ましく、25〜80質量部使用することがより好ましい。可塑剤を使用しないと可使時間を確保することはできない。可塑剤は硬化剤に配合することが好ましいが、一部主剤側に配合することもできる。
本願では無機系充填剤を用いることが好ましい。無機系充填剤を配合することで、十分な可使時間を有した速硬化性防水材をJIS規格に適合した物性にすることができ、経済性のある防水材とすることができる。充填剤は、硬化剤中に配合することが好ましいが、一部主剤側にも配合することができる。無機充填剤の配合量は硬化剤中に、20質量部〜80質量部であることが好ましい。充填剤が20質量部未満では補強効果が不十分になりやすく、80質量部超では樹脂分が少なくなることによる物性低下や高粘度化が起こりやすくなる。
次に、以上のような可使時間を確保した速硬化性防水材を、年間を通して使用することについて詳細な検討を行った。従来のDETDA架橋型防水材は、低温硬化性は比較的良好であるが、10℃前後の低温時に5時間程度で施工可能にさせようとすると可使時間は30分以下となってしまい、作業性が悪化してしまう。なお、従来のDETDA架橋型防水材の硬化性を良くするには、DETDAの使用量を多くする方法、可塑剤を少なくする方法、促進剤として2−エチルヘキサン酸鉛等のカルボン酸金属塩や2−エチルヘキサン酸等のカルボン酸を用いる方法等が挙げられるが、いずれの方法も可使時間を大幅に短縮させてしまう。
酸無水物は、硬化剤中のDETDA等のアミノ基、ポリオールの水酸基、水分等の活性水素基と付加反応することでカルボン酸基を発生させ、硬化促進作用を発現するものと思われる。その際、酸無水物と活性水素基との付加反応は瞬間的ではなく、適度の反応速度を有するようで、その結果、カルボン酸基は徐々に増加するため、数十分程度である可使時間への影響は少ないが、数時間後である硬化性には有効に作用し、潜在性促進剤的な効果が発揮されると推察される。
主剤に酸無水物を添加した場合、主剤には活性水素基がないため酸無水物は安定な状態を保つことができ、硬化剤と混合することで酸無水物の付加反応がスタートするため、潜在性促進剤としての効果を発揮できる。また、第3成分として施工現場で主剤と硬化剤を混合するときに添加する場合は、小分け・軽量といった煩雑な作業が伴うため、主剤に酸無水物を配合することがより好ましい。
酸無水物は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
その他の硬化促進剤としては、有機第2錫系化合物、3級アミン、カルボン酸金属塩、カルボン酸などが挙げられる。有機第2錫系化合物としては、例えばジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ2−エチルへキサノエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメルカプタイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトネート、ジブチル錫オキシラウレート、ジオクチル錫ジネオデカネート、ジブチル錫ビスブチルマレート、ジオクチル錫2−エチルヘキシルマレートなどが挙げられ、中でもジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートが好ましい。有機第2錫系化合物は硬化剤中に0.001〜0.1質量%使用することが好ましい。
その他、硬化剤には、湿潤剤、消泡剤、顔料、耐候性付与剤などの添加剤類を必要に応じて配合することができる。
以下の実施例および比較例で用いた原材料は、次のとおりである。
〔イソシアナート〕
IPDI: VESTANAT(登録商標)IPDI、イソホロンジイソシアナート単体、NCO含有量37.8質量%、NCO官能基数約2.0、エボニック・ジャパン株式会社製
T−80: コロネートT−80、2,4−トリレンジイソシアナート/2,6−トリレンジイソシアナート=80/20(質量比)の混合物、NCO含有量48.3質量%、日本ポリウレタン工業株式会社製
〔ポリオール〕
サンニックスPP−2000: ポリオキシプロピレンジオール、平均分子量2000、OH価56.1mgKOH/g、三洋化成工業株式会社製
サンニックスGH−3000: ポリオキシプロピレントリオール、平均分子量3000、OH価:56.1mgKOH/g、三洋化成工業株式会社製
〔溶剤〕
MC−2000ソルベント: ノルマルパラフィン、イソパラフィン混合物、三協化学株式会社製
〔ポリアミン〕
DETDA: エタキュア100、ジエチルトルエンジアミン、アルベマール日本株式会社製
エタキュア420: 4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)、芳香族二級ジアミン、アルベマール社製
〔触媒〕
ジオクチル錫ジラウレート: KS−1200A−1、共同薬品株式会社製
1−イソブチル−2−メチルイミダゾール: DABCO NC−IM、エアープロダクツジャパン株式会社製
リン酸: 85%リン酸、ナカライテスク株式会社製
HN−2200: 3−または4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、日立化成株式会社製
〔可塑剤〕
DINP: サンソサイザーDINP、ジイソノニルフタレート、新日本理化株式会社製
〔無機充填剤〕
炭酸カルシウム NS#100: NS#100、炭酸カルシウム、日東粉化工業株式会社製
〔添加剤〕
添加剤類: 楠本化成株式会社製
〔プライマー〕
OTプライマーM: 1成分湿気硬化型仲介プライマー、田島ルーフィング株式会社製
OTプライマーA: 1成分湿気硬化型プライマー、田島ルーフィング株式会社製
〔二段仕込〕法
表1〜3および5の配合に従って、四つ口フラスコにポリオールと溶剤、IPDIおよび必要に応じて触媒を仕込んだ。その後攪拌しながら所定温度で所定時間反応させ、反応終了後必要に応じてリン酸を添加した。さらに、T−80を仕込み再び所定温度で所定時間反応させてプレポリマーを得た。
〔一括仕込〕法
表4の配合に従って、四つ口フラスコにポリオールと溶剤およびポリイソシアナート類を仕込んだ。その後攪拌しながら所定温度で所定時間反応させてプレポリマーを得た。
〔混合〕法
表4の配合に従って、四つ口フラスコにポリオールと溶剤、IPDIおよび必要に応じて触媒を仕込んだ。その後攪拌しながら所定温度で所定時間反応させてIPDIプレポリマーを得た。IPDIの代わりにT−80を使用して同様にT−80プレポリマーを得た。IPDIプレポリマーとT−80プレポリマーを所定の割合で混合して主剤として使用した。
なお、各プレポリマーは必要に応じて可塑剤、触媒等を加えて主剤として使用した。
表1〜5の配合に従って、金属容器に液物を仕込み、攪拌機(ディゾルバー羽根)で低速混合し均一にした後、炭酸カルシウムを配合し1500rpmで15分間混合して各硬化剤を得た。
ポリイソシアナートとしてIPDIとT−80を使用し、「二段仕込」法で合成した主剤と、DETDAとエタキュア420の当量比を70/30とした硬化剤を用いた夏用配合の例である。IPDIとT−80の当量比が20/80の実施例1は防水材として良好な塗膜物性を示しかつ夏用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。層間接着試験では層間剥離せずにウレタン材料破壊が起こるほどの強い層間接着強度を示した。また、プライマーとの接着試験では実用に十分な接着強度を示した。IPDIとT−80の当量比が10/90の実施例2は防水材として良好な塗膜物性を示しかつ十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験およびプライマー接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
実施例1、2と同じ配合の硬化剤に対して、主剤のポリイソシアナートとしてT−80のみを使用した夏用配合の例である。可使時間は45分と夏用配合としては不十分であった。層間接着強度およびプライマー接着強度は実施例1、2に比べて低く実用上問題があると思われた。また、加熱処理後あるいはアルカリ処理後の引張強さ比は実施例1、2に比べて低くなる傾向が見られた。特に、アルカリ処理後の引張強さ比は71%と低く実用上問題があると思われた。
ポリイソシアナートとしてIPDIとT−80を使用し、「二段仕込」法で合成した主剤と、DETDAとエタキュア420の当量比を60/40とした硬化剤を用いた夏用配合の例である。IPDIとT−80の当量比が各々20/80、10/90の実施例3、4は防水材として良好な塗膜物性を示しかつ夏用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
実施例3、4と同じ配合の硬化剤に対して、主剤のポリイソシアナートとしてT−80のみを使用した夏用配合の例である。可使時間は64分と夏用配合として十分であったが、層間接着強度は実施例3、4に比べて低く実用上問題があると思われた。また、加熱処理後あるいはアルカリ処理後の引張強さ比は実施例3、4に比べて低くなる傾向が見られた。特に、アルカリ処理後の引張強さ比は65%と低く実用上問題があると思われた。
ポリイソシアナートとしてIPDIとT−80を使用し、「二段仕込」法で合成したプレポリマーに酸無水物触媒HN−2200を1.00質量%添加した主剤と、DETDAとエタキュア420の当量比を80/20とした硬化剤を用いた冬用配合の例である。IPDIとT−80の当量比が各々30/70、20/80、10/90の実施例5、6,7は防水材として良好な塗膜物性を示しかつ冬用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
実施例5、6、7と同じ配合の硬化剤に対して、主剤のポリイソシアナートとしてT−80のみを使用した冬用配合の例である。可使時間は24分と冬用配合として不十分であった。層間接着強度は実施例5、6、7に比べて低く実用上問題があると思われた。また、加熱処理後あるいはアルカリ処理後の引張強さ比は実施例5、6、7に比べて低くなる傾向が見られた。
実施例7と同じ配合の主剤を「一括仕込」法で合成した冬用配合の例である。実施例8は防水材として良好な塗膜物性を示しかつ冬用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
IPDIプレポリマーとT−80プレポリマーを別々に合成し、IPDIとT−80の当量比が実施例7と同じ10/90となるように「混合」した主剤を使用した冬用配合の例である。実施例9は防水材として良好な塗膜物性を示しかつ冬用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
実施例6と同じ配合で「二段仕込」法によりプレポリマーを合成する際に、触媒を使用した冬用配合の例である。一段目のIPDIとの反応において触媒としてジオクチル錫ジラウレート0.0015質量%を使用した実施例10では、一段目の反応は実施例6より低い60℃で速やかに進行した。その後、リン酸0.0015質量%を加え触媒を失活させた後に、二段目のT−80との反応を実施したところ100℃で速やかに進行した。得られたプレポリマーを使用して実施例6と同様に防水材組成物を作製したところ、良好な塗膜物性を示しかつ冬用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
一段目のIPDIとの反応において触媒としてリン酸0.04質量%を使用した実施例11では、一段目の反応は100℃で速やかに進行し実施例6より短い反応時間で所望の転化率まで達した。更に二段目のT−80との反応も100℃で速やかに進行した。得られたプレポリマーを使用して実施例6と同様に防水材組成物を作製したところ、良好な塗膜物性を示しかつ冬用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
一段目のIPDIとの反応において触媒として1−イソブチル−2−メチルイミダゾール0.10質量%を使用した実施例12では、一段目の反応は100℃で速やかに進行し実施例6より短い反応時間で所望の転化率まで達した。更に二段目のT−80との反応は実施例6より低い40℃で速やかに進行した。得られたプレポリマーを使用して実施例6と同様に防水材組成物を作製したところ、良好な塗膜物性を示しかつ冬用配合として十分な可使時間を確保しながら、当日中に次工程の施工が可能であった。また、層間接着試験では実用に十分な接着強度を示した。
200mLの三角フラスコに主剤約1gを精秤し、これに0.5Nジ−n−ブチルアミン(トルエン溶液)10mL、トルエン10mLおよび適量のブロムフェノールブルーを加えた後メタノール約100mLを加え溶解する。この混合液を0.25N塩酸溶液で滴定する。NCO(質量%)は以下の式によって求められる。
NCO(質量%)=(ブランク滴定値−0.5N塩酸溶液滴定値)×4.202×0.25N塩酸溶液のファクター×0.25÷サンプル重量
23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、主剤と硬化剤を所定の割合で攪拌・混合開始から、BH型粘度計で2rpmにおける粘度が60,000mPa・sになるまでの時間を測定した。
23℃、湿度50%の空気循環式型環境試験室内において、主剤と硬化剤を所定の割合で攪拌・混合した防水材を2kg/m2塗布し、完全には硬化していないが、塗膜上を靴で歩行が可能となり、次工程の作業を開始できるまでの時間を測定した。
養生条件を23℃で7日とした試験片について、JIS A 6021に基づいて測定を行った(JIS A 6021のウレタンゴム系高伸長形(旧1類)では引張強さは2.3N/mm2以上)。
養生条件を23℃で7日とした試験片について、JIS A 6021に基づいて測定を行った(JIS A 6021のウレタンゴム系高伸長形(旧1類)では破断時の伸び率は450%以上)。
養生条件を23℃で7日とした試験片について、JIS A 6021に基づいて測定を行った(JIS A 6021のウレタンゴム系高伸長形(旧1類)では引裂き強さは14N/mm以上)。
80℃の乾燥機に7日間入れて加熱処理した試験片について、JIS A 6021に基づいて行い、処理前に対する引張強さ比(%)を求めた。
処理条件を60℃、1週間(JIS A 6021では23℃)に変えた以外は、JIS A 6021に基づいて行い、処理前に対する引張強さ比(%)を求めた。
23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、スレート板にプライマーを塗布し一日乾燥後、主剤と硬化剤を所定の割合で攪拌・混合した防水材組成物を2kg/m2塗布した。3日後、一層目と同じ防水材組成物を1kg/m2塗布し、その上に補強布としてサラシを被せさらに同じ防水材組成物を1kg/m2塗布し、23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、7日間養生した。養生後、防水層を25mmの幅にカットし、180度剥離試験(ピール速度100mm/min)により防水材組成物一層目と二層目の層間接着強度(N/cm)を測定した。
23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、スレート板にOTプライマーMを塗布し、その上にOTプライマーAを0.15kg/m2塗布した。3日後、主剤と硬化剤を所定の割合で攪拌・混合した防水材組成物を1kg/m2塗布し、その上に補強布としてサラシを被せさらに同じ防水材組成物を1kg/m2塗布し、23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、7日間養生した。養生後、防水層を25mmの幅にカットし、180度剥離試験(ピール速度100mm/min)によりプライマーAと防水材組成物との接着強度(N/cm)を測定した。
Claims (5)
- ポリイソシアナートとポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と芳香族ポリアミンおよび可塑剤を含む硬化剤とからなる2液型ウレタン防水材組成物であって、主剤はトリレンジイソシアナート骨格とイソホロンジイソシアナート骨格を50/50〜97/3のモル比で含み、硬化剤は芳香族ポリアミンとしてジエチルトルエンジアミンと4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)を40/60〜97/3の当量比で含む、2液型ウレタン防水材組成物。
- 硬化剤中の活性水素成分の80当量%以上が芳香族ポリアミンである、請求項1に記載の2液型ウレタン防水材組成物。
- 硬化促進剤として酸無水物を含む、請求項1または2に記載の2液型ウレタン防水材組成物。
- ポリイソシアナートとポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と芳香族ポリアミンおよび可塑剤を含む硬化剤とからなる2液型ウレタン防水材組成物の製造方法であって、該方法は、
トリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナートおよびポリオールを、トリレンジイソシアナートとイソホロンジイソシアナートのモル比が50/50〜97/3の範囲で、同一容器内で反応させてイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤を調製する工程、および、
ジエチルトルエンジアミン、4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)および可塑剤を、ジエチルトルエンジアミンと4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)の当量比が40/60〜97/3の範囲で、混合して硬化剤を調製する工程を含む、方法。 - 前記主剤を調製する工程が、イソホロンジイソシアナートとポリオールを容器内で反応させる工程、次いで前記容器内にトリレンジイソシアナートを添加してさらに反応させる工程を含む、請求項4に記載の方法。
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