以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態における地下構造物の部分上面図である。尚、図1では、後述するコンクリート打設用シース管81,82の上端部及びバイブレータ用シース管91,92の上端部の図示を省略している。
本実施形態では、図1に示すように前後左右を規定して以下説明する。
地下構造物1は、左右一対の側壁2,3と、側壁2,3間に位置する中仕切り壁4と、底部5とを有しており、上面が開口している。ここで、側壁2,3及び中仕切り壁4の各々が本発明の「コンクリート躯体」に対応する。すなわち、側壁2,3及び中仕切り壁4については、構築予定の側壁2,3及び中仕切り壁4の各々を上下方向に複数のロットに分け、上から下に向かって順番にロットごとに型枠を盛り替えてコンクリートを打設することにより、コンクリート躯体である側壁2,3及び中仕切り壁4の各々が構築される。尚、本実施形態では、構築予定の側壁2,3及び中仕切り壁4の各々を上下方向に3つのロットに分けているが、この他、2つのロットに分けてもよく、又は、4つ以上の任意の個数のロットに分けてもよい。また、1ロットの高さ(上下方向の長さ)は、3〜5m程度である。
左側の側壁2の左側には山留6が構築されており、側壁2と山留6とは面接触して一体化されている。右側の側壁3の右側には山留7が構築されており、側壁3と山留7とは面接触して一体化されている。山留6,7の上下方向の長さは、側壁2,3の上下方向の長さよりも長い。換言すれば、山留6,7の下端は側壁2,3の下端よりも下方に位置する(後述する図12(a)参照)。
側壁2と中仕切り壁4と底部5とによって囲まれる空間8は地面10より下方に位置する。側壁3と中仕切り壁4と底部5とによって囲まれる空間9は地面10より下方に位置する。
次に、右側の側壁3の構築方法について、図2〜図12を用いて説明する。図2〜図12は側壁3の構築方法を示す図である。ここで、図2及び図3(a)は図1のA−A断面に対応し、後述する支持杭12の設置位置に対応する。図4(a)〜図12(a)は図1のB−B断面に対応し、後述するコンクリート打設用シース管82の設置位置に対応する。図3(b)〜図12(b)は、図1のC−C断面に対応する。尚、図4(a)〜図12(a)については、図示簡略化のため、後述する支持杭12の図示を省略している。図4(b)〜図12(b)については、図示簡略化のため、後述する吊り鋼材14,14a,14bの図示を省略している。
本実施形態における側壁3の構築方法では、まず、構築予定の側壁3を上下方向の3つのロット(第1ロット31、第2ロット32、及び、第3ロット33)に分ける(後述する図12(a)参照)。
地盤11に山留6,7を構築する。ここで、図2は、地盤11に構築された右側の山留7を示している。
次に、図3(a)及び(b)に示すように、山留6,7間の地盤11aを数m程度掘り下げる。この掘り下げ深さは、第1ロット31の上下方向の長さよりも大きい。
また、図3(a)及び(b)に示すように、山留7の左側には、複数の支持杭12が、前後方向に間隔を空けて設置される。支持杭12は、第1ロット31、第2ロット32、及び、第3ロット33を支持するものである。尚、支持杭12の設置については、山留6,7の構築前に行ってもよく、又は、前述の地盤11aの掘り下げ後に行ってもよい。
次に、山留7の露出部分の左側面、及び、支持杭12の外周面に、スタッドボルトなどの、第1ロット31と一体化するための部材(図示せず)を取り付ける。
次に、第1ロット31を構成する主鉄筋(縦筋及び横筋)及びせん断補強鉄筋(いずれも図示せず)を設置する。これら鉄筋は例えば支持杭12に直接的又は間接的に取り付けられて、支持杭12によって支持され得る。
次に、図4(a)に示すように、各々が上下方向に延びる複数の吊り鋼材14を設置する。吊り鋼材14は例えばゲビンデ(登録商標)鋼棒である。吊り鋼材14の上端は、支持杭12によって支保される。
次に、図4(a)及び(b)に示すように、第1ロット31の構築予定領域を山留7と共に囲むように第1ロット構築用型枠50を設置する。
第1ロット構築用型枠50は、前後方向に延びる板状の床型枠51と、前後方向に延びる板状の側部型枠52とにより構成されている。
床型枠51は、前述の吊り鋼材14によって吊られる吊り型枠である。床型枠51は、固定具53を介して、吊り鋼材14に着脱可能に固定される。
床型枠51は、右側端が山留7に接触しており、左側に向かうほど上方に向かうように傾斜している。床型枠51の左側端部には、側部型枠52の下端部と連結するための埋め込みアンカー(図示せず)が設けられている。
側部型枠52は、その右側面が、山留7の露出部分の左側面に対向するように、山留7と間隔を空けて設置されている。側部型枠52は、その下端部で、前述の埋め込みアンカーを介して、床型枠51の左側端部に固定される。
次に、図4(a)及び(b)に示すように、コンクリート打設用シース管81,82と、バイブレータ用シース管91,92とを、側部型枠52と山留7との間の中央位置に設置する。ここで、コンクリート打設用シース管81,82と、バイブレータ用シース管91,92との各々が、本発明の「コンクリート打設作業用の第1管状部材」に対応するものであり、上下方向に延びている。コンクリート打設用シース管81,82と、バイブレータ用シース管91,92との各々の下端は、床型枠51の上面の近傍に位置している。
側壁3の構築において、コンクリート打設用シース管81とバイブレータ用シース管91とは、第2ロット32を構築するときのコンクリート打設作業に用いられるものである。コンクリート打設用シース管82とバイブレータ用シース管92とは、第3ロット33を構築するときのコンクリート打設作業に用いられるものである。
本実施形態において、コンクリート打設用シース管81,82の直径は250mmであり、バイブレータ用シース管91,92の直径は100mmであるが、各シース管の直径はこれらに限らない。
本実施形態において、複数のコンクリート打設用シース管81は、前後方向に例えば5mの間隔を空けて1列に並んでいる。隣り合うコンクリート打設用シース管81同士の間には、3つのバイブレータ用シース管91が、前後方向に例えば1.25mの間隔を空けて1列に並んでいる。
本実施形態において、複数のコンクリート打設用シース管82は、前後方向に例えば5mの間隔を空けて1列に並んでいる。隣り合うコンクリート打設用シース管82同士の間には、3つのバイブレータ用シース管92が、前後方向に例えば1.25mの間隔を空けて1列に並んでいる。
コンクリート打設用シース管81,82と、バイブレータ用シース管91,92とは、例えば主鉄筋に直接的又は間接的に取り付けられて、主鉄筋によって支持され得る。
コンクリート打設用シース管81,82と、バイブレータ用シース管91,92とについては、各々の下面開口を塞ぐようにキャップなどの第1蓋部材(図示せず)が着脱可能に取り付けられている。尚、この第1蓋部材については、床型枠51に取り付けられて、床型枠51と一体的に着脱可能に構成されていてもよい。
従って、山留7の露出部分の左側面と、第1ロット構築用型枠50の内面(床型枠51の上面及び側部型枠52の右側面)とによって区画される(囲まれる)空間内に、主鉄筋、せん断補強鉄筋、吊り鋼材14、コンクリート打設用シース管81,82、及び、バイブレータ用シース管91,92が配置される。
尚、本実施形態では、第1ロット構築用型枠50の設置後にコンクリート打設用シース管81,82及びバイブレータ用シース管91,92を設置しているが、これに代えて、コンクリート打設用シース管81,82及びバイブレータ用シース管91,92を設置した後に第1ロット構築用型枠50の設置を設置してもよい。
次に、山留7の露出部分の左側面と、第1ロット構築用型枠50の内面(床型枠51の上面及び側部型枠52の右側面)と、コンクリート打設用シース管81,82の外面(外周面)と、バイブレータ用シース管91,92の外面(外周面)とによって区画される(囲まれる)空間内に上方からコンクリートを打設して、鉄筋コンクリート製の第1ロット31を構築する。このときには、コンクリート打設用シース管81,82内とバイブレータ用シース管91,92内とにコンクリートが入ることはない。
次に、第1ロット31のコンクリートが硬化して強度が発現すると、図5(a)及び(b)に示すように、固定具53を取り外して、第1ロット構築用型枠50を撤去する。
次に、図6(a)及び(b)に示すように、山留6,7間の地盤11aを数m程度掘り下げる。この掘り下げ深さは、第2ロット32の上下方向の長さよりも大きい。
次に、山留7の露出部分の左側面、及び、支持杭12の外周面に、スタッドボルトなどの、第2ロット32と一体化するための部材(図示せず)を取り付ける。
次に、図6(a)及び(b)に示すように、構築された第1ロット31のうち、コンクリート打設用シース管81,82及びバイブレータ用シース管91,92の各々の下端より下方のコンクリートを除去して、各シース管から第1蓋部材を取り外す。これにより、コンクリート打設用シース管81,82及びバイブレータ用シース管91,92の各々が、第1ロット31の上端部から下端部まで延びて第1ロット31を貫通する。また、コンクリート打設用シース管81,82及びバイブレータ用シース管91,92の各々が、第1ロット31の上方と第1ロット31の下方とを連通する。
また、このときに、構築された第1ロット31の下端では、吊り鋼材14の下端と縦筋の下端とが継手長分露出している。
次に、図7(a)及び(b)に示すように、コンクリート打設用シース管82の下端部に新たなシース管82aの上端部を連結することにより、コンクリート打設用シース管82を下方に延長する。ここで、管状部材であるシース管82aが、本発明の「第1管状部材の延長部」に対応すると共に、コンクリート打設用シース管82の延長部に対応する。尚、コンクリート打設用シース管82の下端部とシース管82aの上端部との連結については、コンクリート打設用シース管82の下端部の内周面又は外周面にシース管82aの上端部の外周面又は内周面が螺合可能なようにスパイラルシース管を用いる。本実施形態では、コンクリート打設用シース管82の直径とシース管82aの直径とを異ならせてもよい。又は、コンクリート打設用シース管82の直径とシース管82aの直径とが同等である場合には、適宜の連結手段を用いて、コンクリート打設用シース管82の下端部とシース管82aの上端部とを連結してもよい。
また、図7(b)に示すように、バイブレータ用シース管92の下端部に新たなシース管92aの上端部を連結することにより、バイブレータ用シース管92を下方に延長する。ここで、管状部材であるシース管92aが、本発明の「第1管状部材の延長部」に対応すると共に、バイブレータ用シース管92の延長部に対応する。尚、バイブレータ用シース管92の下端部とシース管92aの上端部との連結については、バイブレータ用シース管92の下端部の内周面又は外周面にシース管92aの上端部の外周面又は内周面が螺合可能なようにスパイラルシース管を用いる。本実施形態では、バイブレータ用シース管92の直径とシース管92aの直径とを異ならせてもよい。又は、バイブレータ用シース管92の直径とシース管92aの直径とが同等である場合には、適宜の連結手段を用いて、バイブレータ用シース管92の下端部とシース管92aの上端部とを連結してもよい。
ここで、シース管82a,92aについては、各々の下面開口を塞ぐようにキャップなどの第2蓋部材(図示せず)が着脱可能に取り付けられている。尚、この第2蓋部材については、床型枠51に取り付けられて、床型枠51と一体的に着脱可能に構成されていてもよい。
次に、図8(a)に示すように、吊り鋼材14の下端部に新たな吊り鋼材14aの上端部を連結することにより、吊り鋼材14を下方に延長する。この吊り鋼材14,14aの連結にはカップラーなどの適宜の連結手段が用いられる。
次に、図8(a)及び(b)に示すように、前述と同様に傾斜した状態の床型枠51を、固定具53を介して、吊り鋼材14aの下端部に着脱可能に取り付ける。
次に、第1ロット31を構成する縦筋の下端部に、第2ロット32を構成する縦筋の上端部を接続しつつ、第2ロット32を構成する主鉄筋(縦筋及び横筋)及びせん断補強鉄筋(いずれも図示せず)を設置する。
次に、図8(a)及び(b)に示すように、側部型枠62を、その下端部で、前述の埋め込みアンカーを介して、床型枠51の左側端部に固定する。ここで、側部型枠62は、その右側面が、山留7の露出部分の左側面に対向するように、山留7と間隔を空けて設置されている。
ここで、第2ロット構築用型枠60は、床型枠51と、前後方向に延びる板状の側部型枠62とにより構成されている。第2ロット構築用型枠60は、第2ロット32の構築予定領域を囲むように設置される。また、第1ロット31の下面と、山留7の露出部分の左側面と、第2ロット構築用型枠60の内面(床型枠51の上面及び側部型枠62の右側面)とによって区画される(囲まれる)空間内に、主鉄筋、せん断補強鉄筋、吊り鋼材14a、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)、及び、バイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)が位置する。
次に、図8(a)及び(b)に示すように、第1ロット31の下面と、山留7の露出部分の左側面と、第2ロット構築用型枠60の内面(床型枠51の上面及び側部型枠62の右側面)と、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)の外面(外周面)と、バイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)の外面(外周面)とによって区画される(囲まれる)空間内にコンクリートを打設して、鉄筋コンクリート製の第2ロット32を構築する。このときには、コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)内とバイブレータ用シース管92及びその延長部(シース管92a)内とにコンクリートが入ることはない。
ここで、第2ロット32の構築時のコンクリート打設作業について、図23〜図26を用いて説明する。
図23は、コンクリート打設用シース管81に挿入されたコンクリート打設配管85を示す。図24は、バイブレータ95の配置状況を示す。図25及び図26は、第2ロット構築時におけるコンクリートの打設方法を示す。尚、図23は図8の部分Pに対応する。図24は図8の部分Qに対応する。
図23に示すように、第2ロット32の構築時のコンクリート打設作業では、例えば5B(5インチ)の鋼管からなるコンクリート打設配管85をコンクリート打設用シース管81に挿入して、コンクリート打設配管85の上端部(第1ロット31の上方)にコンクリートの供給源からのコンクリートホースを接続する。コンクリート打設配管85の下端部が、第1ロット31の下面と、山留7の露出部分の左側面と、第2ロット構築用型枠60の内面(床型枠51の上面及び側部型枠62の右側面)と、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)の外面(外周面)と、バイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)の外面(外周面)とによって区画される(囲まれる)空間内に位置した状態で、コンクリートの供給源から、コンクリートホース及びコンクリート打設配管85を介して、図23に示すように、当該空間内にコンクリートが供給される。ある1つのコンクリート打設用シース管81に挿入されたコンクリート打設配管85を用いて所定層厚のコンクリートの打設が完了すると、コンクリート打設配管85を当該コンクリート打設用シース管81から引き抜いて、隣の別の1つのコンクリート打設用シース管81に挿入して、コンクリートを打設する。このようにしてコンクリート打設配管85の移設とコンクリートの打設とを繰り返して、第1ロット31の下面にコンクリートが達したら、いわゆる片押し打設を行う。
ここで、片押し打設について図25及び図26を用いて説明する。
コンクリート打設用シース管81−1に挿入されたコンクリート打設配管85を用いて打設されたコンクリートが第1ロット31の下面に達した状態でコンクリートの打設を継続すると(図25(a)及び(b)参照)、やがて、コンクリート打設用シース管81−1の隣の別のコンクリート打設用シース管81−2内にコンクリートが流入して、このコンクリートがコンクリート打設用シース管81−2内を上昇する(図25(c)参照)。このコンクリートの上昇を作業員が確認した後に、図26(a)に示すように、コンクリート打設配管85を、コンクリート打設用シース管81−1から引き抜いて、コンクリート打設用シース管81−2に挿入して、コンクリートの打設を再開する(図26(a)及び(b)参照)。このようにして、第2ロット32の構築時のコンクリート打設作業の終盤で、前から後に向かって順番にコンクリートを打設することにより、第1ロット31の下面と第2ロット32の上面との間に確実にコンクリートを充填できる。
尚、前述のように、コンクリート打設用シース管81にはコンクリート打設配管85が挿入され得るので、コンクリート打設用シース管81の内部をコンクリートが流通可能である。
第2ロット32の構築時のコンクリートの締固めは、コンクリート打設に用いられている最中のコンクリート打設用シース管81に近く、かつ、当該コンクリート打設用シース管81より前方に位置する2つのバイブレータ用シース管91と、当該コンクリート打設用シース管81より後方に位置する2つのバイブレータ用シース管91との各々にバイブレータ95を吊り降ろして行う(図24参照)。ここで、バイブレータ95は、打設されたコンクリートに挿入されて、コンクリートに振動を与えて、コンクリートを締固めるものである。
従って、本実施形態では、バイブレータ95を第1ロット31の上方からバイブレータ用シース管91に挿入可能である。
以上のようにして、第2ロット32の構築時のコンクリート打設作業が行われる。
次に、第2ロット32のコンクリートが硬化して強度が発現すると、図9(a)及び(b)に示すように、固定具53を取り外して、第2ロット構築用型枠60を撤去する。
次に、図10(a)及び(b)に示すように、山留6,7間の地盤11aを数m程度掘り下げる。この掘り下げ深さは、第3ロット33の上下方向の長さよりも大きい。
次に、山留7の露出部分の左側面、及び、支持杭12の外周面に、スタッドボルトなどの、第3ロット33と一体化するための部材(図示せず)を取り付ける。
次に、図10(a)及び(b)に示すように、構築された第2ロット32のうち、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)及びバイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)の各々の下端より下方のコンクリートを除去して、各シース管から第2蓋部材を取り外す。これにより、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)及びバイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)の各々が、第2ロット32の上端部から下端部まで延びて第2ロット32を貫通する。また、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)及びバイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)の各々が、第2ロット32の上方と第2ロット32の下方とを連通する。また、コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)と、バイブレータ用シース管92及びその延長部(シース管92a)と、の双方が、それぞれ、第1ロット31の上方と第2ロット32の下方とを連通する。
また、このときに、構築された第2ロット32の下端では、吊り鋼材14aの下端と縦筋の下端とが継手長分露出している。
次に、図11(a)に示すように、吊り鋼材14aの下端部に新たな吊り鋼材14bの上端部を連結することにより、吊り鋼材14,14aを下方に延長する。この吊り鋼材14a,14bの連結にはカップラーなどの適宜の連結手段が用いられる。
次に、図11(a)及び(b)に示すように、前述と同様に傾斜した状態の床型枠51を、固定具53を介して、吊り鋼材14bの下端部に着脱可能に取り付ける。
次に、第2ロット32を構成する縦筋の下端部に、第3ロット33を構成する縦筋の上端部を接続しつつ、第3ロット33を構成する主鉄筋(縦筋及び横筋)及びせん断補強鉄筋(いずれも図示せず)を設置する。
次に、図11(a)及び(b)に示すように、側部型枠72を、その下端部で、前述の埋め込みアンカーを介して、床型枠51の左側端部に固定する。ここで、側部型枠72は、その右側面が、山留7の露出部分の左側面に対向するように、山留7と間隔を空けて設置されている。
尚、第3ロット構築用型枠70は、床型枠51と、前後方向に延びる板状の側部型枠72とにより構成されている。第3ロット構築用型枠70は、第3ロット33の構築予定領域を囲むように設置される。また、第2ロット32の下面と、山留7の露出部分の左側面と、第3ロット構築用型枠70の内面(床型枠51の上面及び側部型枠72の右側面)とによって区画される(囲まれる)空間内に、主鉄筋、せん断補強鉄筋、及び、吊り鋼材14bが位置する。
次に、図11(a)及び(b)に示すように、第2ロット32の下面と、山留7の露出部分の左側面と、第3ロット構築用型枠70の内面(床型枠51の上面及び側部型枠72の右側面)とによって区画される(囲まれる)空間内に、コンクリートを打設して、鉄筋コンクリート製の第3ロット33を構築する。
第3ロット33の構築時のコンクリート打設作業では、コンクリート打設配管85をコンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)に挿入して、コンクリート打設配管85の上端部(第1ロット31の上方)にコンクリートの供給源からのコンクリートホースを接続する。コンクリート打設配管85の下端部が、第2ロット32の下面と、山留7の露出部分の左側面と、第3ロット構築用型枠70の内面(床型枠51の上面及び側部型枠72の右側面)とによって区画される(囲まれる)空間内に位置した状態で、コンクリートの供給源から、コンクリートホース及びコンクリート打設配管85を介して、当該空間内にコンクリートが供給される。ある1つのコンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)に挿入されたコンクリート打設配管85を用いて所定層厚のコンクリートの打設が完了すると、コンクリート打設配管85を当該コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)から引き抜いて、隣の別の1つのコンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)に挿入して、コンクリートを打設する。このようにしてコンクリート打設配管85の移設とコンクリートの打設とを繰り返して、第2ロット32の下面にコンクリートが達したら、前述の第2ロット32の構築時のコンクリート打設作業と同様に、片押し打設を行う(前述の図25及び図26参照)。
尚、前述のように、コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)にはコンクリート打設配管85が挿入され得るので、コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)の内部をコンクリートが流通可能である。
第3ロット33の構築時のコンクリートの締固めは、コンクリート打設に用いられている最中のコンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)に近く、かつ、当該コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)より前方に位置する2つのバイブレータ用シース管92及びその延長部(シース管92a)と、当該コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)より後方に位置する2つのバイブレータ用シース管92及びその延長部(シース管92a)との各々にバイブレータ95を吊り降ろして行う。
従って、本実施形態では、バイブレータ95をバイブレータ用シース管92及びその延長部(シース管92a)に挿入可能である。
以上のようにして、第3ロット33の構築時のコンクリート打設作業が行われる。
次に、第3ロット33のコンクリートが硬化して強度が発現すると、図12(a)及び(b)に示すように、固定具53を取り外して、第3ロット構築用型枠70を撤去する。
尚、第2ロット32の構築時のコンクリート打設作業が完了した後の任意の時期に、コンクリート打設用シース管81の内部及びバイブレータ用シース管91の内部に、コンクリート又はモルタルを充填する。また、第3ロット33の構築時のコンクリート打設作業が完了した後の任意の時期に、コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)の内部と、バイブレータ用シース管92及びその延長部(シース管92a)の内部とに、コンクリート又はモルタルを充填する。
そして、底部5の構築時に、第3ロット33の下端部と底部5とが連結される。このようにして、上から下に向かって順番に第1ロット31、第2ロット32、及び、第3ロット33が構築されることにより、側壁3が構築される。
左側の側壁2の構築方法については、前述の右側の側壁3の構築方法において左右を入れ替えたものと同様であるので、その説明を省略する。
次に、中仕切り壁4の構築方法について、図13〜図22を用いて説明する。図13〜図22は中仕切り壁4の構築方法を示す図である。ここで、図13(a)は図1のD−D断面に対応し、支持杭12の設置位置に対応する。図14(a)〜図22(a)は図1のE−E断面に対応し、コンクリート打設用シース管82の設置位置に対応する。図13(b)〜図22(b)は、図1のF−F断面に対応する。尚、図14(a)〜図22(a)については、図示簡略化のため、後述する支持杭13の図示を省略している。図14(b)〜図22(b)については、図示簡略化のため、吊り鋼材14,14a,14bの図示を省略している。
本実施形態における中仕切り壁4の構築方法では、まず、構築予定の中仕切り壁4を上下方向の3つのロット(第1ロット41、第2ロット42、及び、第3ロット43)に分ける(後述する図22(a)参照)。
次に、前述の図3(a)及び(b)に示したように、山留6,7間の地盤11aを数m程度掘り下げる(図13(a)及び(b)参照)。この掘り下げ深さは、第1ロット41の上下方向の長さよりも大きい。
また、図13(a)及び(b)に示すように、複数の支持杭13が、前後方向に間隔を空けて設置される。支持杭13は、第1ロット41、第2ロット42、及び、第3ロット43を支持するものである。尚、支持杭13の設置については、山留6,7の構築前に行ってもよく、又は、前述の地盤11aの掘り下げ後に行ってもよい。
次に、支持杭13の外周面に、スタッドボルトなどの、第1ロット41と一体化するための部材(図示せず)を取り付ける。
次に、第1ロット41を構成する主鉄筋(縦筋及び横筋)及びせん断補強鉄筋(いずれも図示せず)を設置する。これら鉄筋は例えば支持杭13に直接的又は間接的に取り付けられて、支持杭13によって支持され得る。
次に、図14(a)に示すように、各々が上下方向に延びる複数の吊り鋼材14を設置する。吊り鋼材14の上端は、支持杭13によって支保される。
次に、図14(a)及び(b)に示すように、第1ロット41の構築予定領域を囲むように第1ロット構築用型枠50’を設置する。
第1ロット構築用型枠50’は、上に凸の山形状の断面を有して前後方向に延びる板状の床型枠51’と、前後方向に延びる左右一対の板状の側部型枠52とにより構成されている。
床型枠51’は、前述の吊り鋼材14によって吊られる吊り型枠である。床型枠51’は、固定具53を介して、吊り鋼材14に着脱可能に固定される。
床型枠51’は、左右両端から中央側(頂部51a’側)に向かうほど上方に向かうように傾斜している。床型枠51’の左右両端部には、それぞれ、側部型枠52の下端部と連結するための埋め込みアンカー(図示せず)が設けられている。
左右一対の側部型枠52は、互いに間隔を空けて対向するように設置されている。左右一対の側部型枠52は、各々の下端部で、前述の埋め込みアンカーを介して、床型枠51’の左右側端部にそれぞれ固定される。
次に、図14(a)及び(b)に示すように、コンクリート打設用シース管81,82と、バイブレータ用シース管91,92とを、左右一対の側部型枠52間の中央位置に設置する。コンクリート打設用シース管81,82と、バイブレータ用シース管91,92との各々の下端は、床型枠51’の中央の頂部51a’の近傍に位置して、当該頂部51a’に対向している。
中仕切り壁4の構築において、コンクリート打設用シース管81とバイブレータ用シース管91とは、第2ロット42を構築するときのコンクリート打設作業に用いられるものである。コンクリート打設用シース管82とバイブレータ用シース管92とは、第3ロット43を構築するときのコンクリート打設作業に用いられるものである。
本実施形態において、複数のコンクリート打設用シース管81は、前後方向に例えば5mの間隔を空けて1列に並んでいる。隣り合うコンクリート打設用シース管81同士の間には、3つのバイブレータ用シース管91が、前後方向に例えば1.25mの間隔を空けて1列に並んでいる。
本実施形態において、複数のコンクリート打設用シース管82は、前後方向に例えば5mの間隔を空けて1列に並んでいる。隣り合うコンクリート打設用シース管82同士の間には、3つのバイブレータ用シース管92が、前後方向に例えば1.25mの間隔を空けて1列に並んでいる。
コンクリート打設用シース管81,82と、バイブレータ用シース管91,92とは、例えば,第1ロット41を構成する主鉄筋に直接的又は間接的に取り付けられて、当該主鉄筋によって支持され得る。
コンクリート打設用シース管81,82と、バイブレータ用シース管91,92とについては、各々の下面開口を塞ぐようにキャップなどの第1蓋部材(図示せず)が着脱可能に取り付けられている。尚、この第1蓋部材については、床型枠51’に取り付けられて、床型枠51’と一体的に着脱可能に構成されていてもよい。
従って、第1ロット構築用型枠50’の内面(床型枠51’の上面、左側の側部型枠52の右側面、及び、右側の側部型枠52の左側面)によって区画される(囲まれる)空間内に、主鉄筋、せん断補強鉄筋、吊り鋼材14、コンクリート打設用シース管81,82、及び、バイブレータ用シース管91,92が配置される。
尚、本実施形態では、第1ロット構築用型枠50’の設置後にコンクリート打設用シース管81,82及びバイブレータ用シース管91,92を設置しているが、これに代えて、コンクリート打設用シース管81,82及びバイブレータ用シース管91,92を設置した後に第1ロット構築用型枠50’の設置を設置してもよい。
次に、第1ロット構築用型枠50’の内面(床型枠51’の上面、左側の側部型枠52の右側面、及び、右側の側部型枠52の左側面)と、コンクリート打設用シース管81,82の外面(外周面)と、バイブレータ用シース管91,92の外面(外周面)とによって区画される(囲まれる)空間内に上方からコンクリートを打設して、鉄筋コンクリート製の第1ロット41を構築する。このときには、コンクリート打設用シース管81,82内とバイブレータ用シース管91,92内とにコンクリートが入ることはない。
次に、第1ロット41のコンクリートが硬化して強度が発現すると、図15(a)及び(b)に示すように、固定具53を取り外して、第1ロット構築用型枠50’を撤去する。
次に、前述の図6(a)及び(b)に示したように、山留6,7間の地盤11aを数m程度掘り下げる(図16(a)及び(b)参照)。この掘り下げ深さは、第2ロット42の上下方向の長さよりも大きい。
次に、支持杭13の外周面に、スタッドボルトなどの、第2ロット42と一体化するための部材(図示せず)を取り付ける。
次に、図16(a)及び(b)に示すように、構築された第1ロット41のうち、コンクリート打設用シース管81,82及びバイブレータ用シース管91,92の各々の下端より下方のコンクリートを除去して、各シース管から第1蓋部材を取り外す。これにより、コンクリート打設用シース管81,82及びバイブレータ用シース管91,92の各々が、第1ロット41の上端部から下端部まで延びて第1ロット41を貫通する。また、コンクリート打設用シース管81,82及びバイブレータ用シース管91,92の各々が、第1ロット41の上方と第1ロット41の下方とを連通する。
また、このときに、構築された第1ロット41の下端では、吊り鋼材14の下端と縦筋の下端とが継手長分露出している。
次に、図17(a)及び(b)に示すように、コンクリート打設用シース管82の下端部に新たなシース管82aの上端部を連結することにより、コンクリート打設用シース管82を下方に延長する。
また、図17(b)に示すように、バイブレータ用シース管92の下端部に新たなシース管92aの上端部を連結することにより、バイブレータ用シース管92を下方に延長する。
ここで、シース管82a,92aについては、各々の下面開口を塞ぐようにキャップなどの第2蓋部材(図示せず)が着脱可能に取り付けられている。尚、この第2蓋部材については、床型枠51’に取り付けられて、床型枠51’と一体的に着脱可能に構成されていてもよい。
次に、図18(a)に示すように、吊り鋼材14の下端部に新たな吊り鋼材14aの上端部を連結することにより、吊り鋼材14を下方に延長する。
次に、図18(a)及び(b)に示すように、山形状の断面を有する床型枠51’を、固定具53を介して、吊り鋼材14aの下端部に着脱可能に取り付ける。
このときに、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)と、バイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)との各々の下端は、床型枠51’の中央の頂部51a’の近傍に位置して、当該頂部51a’に対向している。
次に、第1ロット41を構成する縦筋の下端部に、第2ロット42を構成する縦筋の上端部を接続しつつ、第2ロット42を構成する主鉄筋(縦筋及び横筋)及びせん断補強鉄筋(いずれも図示せず)を設置する。
次に、図18(a)及び(b)に示すように、左右一対の側部型枠62を、各々の下端部で、前述の埋め込みアンカーを介して、床型枠51’の左右両端部にそれぞれ固定する。ここで、左右一対の側部型枠62は、互いに間隔を空けて対向するように設置されている。
尚、第2ロット構築用型枠60’は、床型枠51’と、前後方向に延びる左右一対の板状の側部型枠62とにより構成されている。第2ロット構築用型枠60’は、第2ロット42の構築予定領域を囲むように設置される。また、第1ロット41の下面と、第2ロット構築用型枠60’の内面(床型枠51’の上面、左側の側部型枠62の右側面、及び、右側の側部型枠62の左側面)とによって区画される(囲まれる)空間内に、主鉄筋、せん断補強鉄筋、吊り鋼材14a、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)、及び、バイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)が位置する。
次に、図18(a)及び(b)に示すように、第1ロット41の下面と、第2ロット構築用型枠60’の内面(床型枠51’の上面、左側の側部型枠62の右側面、及び、右側の側部型枠62の左側面)と、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)の外面(外周面)と、バイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)の外面(外周面)とによって区画される(囲まれる)空間内にコンクリートを打設して、鉄筋コンクリート製の第2ロット42を構築する。このときには、コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)内とバイブレータ用シース管92及びその延長部(シース管92a)内とにコンクリートが入ることはない。
第2ロット32の構築時のコンクリート打設作業では、コンクリート打設配管85をコンクリート打設用シース管81に挿入して、コンクリート打設配管85の上端部(第1ロット41の上方)にコンクリートの供給源からのコンクリートホースを接続する。コンクリート打設配管85の下端部が、第1ロット41の下面と、第2ロット構築用型枠60’の内面(床型枠51’の上面、左側の側部型枠62の右側面、及び、右側の側部型枠62の左側面)と、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)の外面(外周面)と、バイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)の外面(外周面)とによって区画される(囲まれる)空間内に位置した状態で、コンクリートの供給源から、コンクリートホース及びコンクリート打設配管85を介して、当該空間内にコンクリートが供給される。ある1つのコンクリート打設用シース管81に挿入されたコンクリート打設配管85を用いて所定層厚のコンクリートの打設が完了すると、コンクリート打設配管85を当該コンクリート打設用シース管81から引き抜いて、隣の別の1つのコンクリート打設用シース管81に挿入して、コンクリートを打設する。このようにしてコンクリート打設配管85の移設とコンクリートの打設とを繰り返して、第1ロット41の下面にコンクリートが達したら、前述の第2ロット32の構築時のコンクリート打設作業と同様に、片押し打設を行う(前述の図25及び図26参照)。
第2ロット42の構築時のコンクリートの締固めは、コンクリート打設に用いられている最中のコンクリート打設用シース管81に近く、かつ、当該コンクリート打設用シース管81より前方に位置する2つのバイブレータ用シース管91と、当該コンクリート打設用シース管81より後方に位置する2つのバイブレータ用シース管91との各々にバイブレータ95を吊り降ろして行う。
以上のようにして、第2ロット42の構築時のコンクリート打設作業が行われる。
次に、第2ロット42のコンクリートが硬化して強度が発現すると、図19(a)及び(b)に示すように、固定具53を取り外して、第2ロット構築用型枠60’を撤去する。
次に、図10(a)及び(b)に示したように、山留6,7間の地盤11aを数m程度掘り下げる(図20(a)及び(b)参照)。この掘り下げ深さは、第3ロット43の上下方向の長さよりも大きい。
次に、支持杭13の外周面に、スタッドボルトなどの、第3ロット43と一体化するための部材(図示せず)を取り付ける。
次に、図20(a)及び(b)に示すように、構築された第2ロット42のうち、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)及びバイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)の各々の下端より下方のコンクリートを除去して、各シース管から第2蓋部材を取り外す。これにより、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)及びバイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)の各々が、第2ロット42の上端部から下端部まで延びて第2ロット32を貫通する。また、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)及びバイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)の各々が、第2ロット42の上方と第2ロット42の下方とを連通する。また、コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)と、バイブレータ用シース管92及びその延長部(シース管92a)と、の双方が、それぞれ、第1ロット41の上方と第2ロット42の下方とを連通する。
また、このときに、構築された第2ロット42の下端では、吊り鋼材14aの下端と縦筋の下端とが継手長分露出している。
次に、図21(a)に示すように、吊り鋼材14aの下端部に新たな吊り鋼材14bの上端部を連結することにより、吊り鋼材14,14aを下方に延長する。
次に、図21(a)及び(b)に示すように、山形状の断面を有する床型枠51’を、固定具53を介して、吊り鋼材14bの下端部に着脱可能に取り付ける。
次に、第2ロット42を構成する縦筋の下端部に、第3ロット43を構成する縦筋の上端部を接続しつつ、第3ロット43を構成する主鉄筋(縦筋及び横筋)及びせん断補強鉄筋(いずれも図示せず)を設置する。
次に、図21(a)及び(b)に示すように、左右一対の側部型枠72を、各々の下端部で、前述の埋め込みアンカーを介して、床型枠51’の左右両端部にそれぞれ固定する。ここで、左右一対の側部型枠72は、互いに間隔を空けて対向するように設置されている。
尚、第3ロット構築用型枠70’は、床型枠51’と、前後方向に延びる左右一対の板状の側部型枠72とにより構成されている。第3ロット構築用型枠70’は、第3ロット43の構築予定領域を囲むように設置される。また、第2ロット42の下面と、第3ロット構築用型枠70’の内面(床型枠51’の上面、左側の側部型枠72の右側面、及び、右側の側部型枠72の左側面)とによって区画される(囲まれる)空間内に、主鉄筋、せん断補強鉄筋、及び、吊り鋼材14bが位置する。
次に、図21(a)及び(b)に示すように、第2ロット42の下面と、第3ロット構築用型枠70’の内面(床型枠51’の上面、左側の側部型枠72の右側面、及び、右側の側部型枠72の左側面)とによって区画される(囲まれる)空間内に、コンクリートを打設して、鉄筋コンクリート製の第3ロット43を構築する。
第3ロット43の構築時のコンクリート打設作業では、コンクリート打設配管85をコンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)に挿入して、コンクリート打設配管85の上端部(第1ロット41の上方)にコンクリートの供給源からのコンクリートホースを接続する。コンクリート打設配管85の下端部が、第2ロット42の下面と、第3ロット構築用型枠70’の内面(床型枠51’の上面、左側の側部型枠72の右側面、及び、右側の側部型枠72の左側面)とによって区画される(囲まれる)空間内に位置した状態で、コンクリートの供給源から、コンクリートホース及びコンクリート打設配管85を介して、当該空間内にコンクリートが供給される。ある1つのコンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)に挿入されたコンクリート打設配管85を用いて所定層厚のコンクリートの打設が完了すると、コンクリート打設配管85を当該コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)から引き抜いて、隣の別の1つのコンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)に挿入して、コンクリートを打設する。このようにしてコンクリート打設配管85の移設とコンクリートの打設とを繰り返して、第2ロット42の下面にコンクリートが達したら、前述の第2ロット32の構築時のコンクリート打設作業と同様に、片押し打設を行う(前述の図25及び図26参照)。
第3ロット43の構築時のコンクリートの締固めは、コンクリート打設に用いられている最中のコンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)に近く、かつ、当該コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)より前方に位置する2つのバイブレータ用シース管92及びその延長部(シース管92a)と、当該コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)より後方に位置する2つのバイブレータ用シース管92及びその延長部(シース管92a)との各々にバイブレータ95を吊り降ろして行う。
以上のようにして、第3ロット43の構築時のコンクリート打設作業が行われる。
次に、第3ロット43のコンクリートが硬化して強度が発現すると、図22(a)及び(b)に示すように、固定具53を取り外して、第3ロット構築用型枠70’を撤去する。
尚、第2ロット42の構築時のコンクリート打設作業が完了した後の任意の時期に、コンクリート打設用シース管81の内部及びバイブレータ用シース管91の内部に、コンクリート又はモルタルを充填する。また、第3ロット43の構築時のコンクリート打設作業が完了した後の任意の時期に、コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)の内部と、バイブレータ用シース管92及びその延長部(シース管92a)の内部とに、コンクリート又はモルタルを充填する。
そして、底部5の構築時に、第3ロット43の下端部と底部5とが連結される。このようにして、上から下に向かって順番に第1ロット41、第2ロット42、及び、第3ロット43が構築されることにより、中仕切り壁4が構築される。
次に、本実施形態におけるコンクリート躯体の構築方法の効果について、側壁3の構築方法(第2ロット32の構築方法)をその一例として挙げて、図27を用いて説明する。
図27(a)及び(b)は、従来の地下構造物1の側壁3の構築方法(第2ロット32の構築方法)を示しており、前述の図8(a)及び図9(a)に対応するものである。
図27(a)及び(b)に示すように、従来の側壁3の構築方法では、コンクリート打設用シース管81及びバイブレータ用シース管91を用いることなく、側部型枠62の上部に、第1ロット31の下端部の側方に位置するように、前後方向に4〜5m程度の間隔で複数のホッパー(コンクリート投入口)64が設けられていた。そして、ホッパー64から、第1ロット31の下面と、山留7の露出部分の左側面と、床型枠51の上面と、側部型枠62の右側面とによって囲まれた空間内に、コンクリートを打設すると共に、ホッパー64から当該空間内にバイブレータ(図示せず)を挿入して、コンクリートの締固めを行っていた。ここで、コンクリートの充填の確認は、ホッパー64の上部までコンクリートが溢れることで行っていた。更に、ホッパー64箇所のコンクリート64aは硬化後に斫って平らにして、表面仕上げを行っていた。
従来の側壁3の構築方法では、以下の問題点(1)〜(5)があった。
(1)ホッパー64の間隔が4〜5m程度であり、通常1.2m程度とされるバイブレータ間隔に対し、ホッパー64から挿入するバイブレータの間隔が空き過ぎていることから、隣り合うホッパー64同士の中間部に空洞やジャンカができやすい。それゆえ、別途、バイブレータ挿入孔の形成や型枠バイブレータの使用が必要となる。
(2)第2ロット32の構築の終盤におけるホッパー64からのコンクリート投入では、コンクリートの高低差が30cm程度であり、圧力がかからないことから、コンクリートの流れが悪く、隣り合うホッパー64同士の中間部へのコンクリートの充填が難しい。この対策として、高流動コンクリートの使用が必要となることもあり、コストアップにつながる。
(3)ホッパー64からコンクリートを打設すると、主鉄筋及びせん断補強鉄筋を含む格子状鉄筋の外からコンクリートを打設することから、コンクリートが鉄筋にぶつかり、分離しやすく、ひいては、ジャンカができやすい。
(4)第2ロット32の構築の終盤においてホッパー64からコンクリートを打設すると、圧がかからない状態でのコンクリート打設となり、第1ロット31の下面との間に隙間ができやすく、コンクリートの硬化後に打継目にセメントミルクの注入が必要となることもある。
(5)コンクリートの強度発現後、ホッパー64の撤去、コンクリート斫り、及び、表面仕上げの作業が必要となる。
この点、本実施形態における側壁3の構築方法によれば、以下の効果がある。
前記問題点(1)については、バイブレータ用シース管91が1.25m間隔で配置されることにより、1.25m間隔でバイブレータ95をかけることができるので、コンクリートの確実な締固めを実現することができる。それゆえ、別途、バイブレータ挿入孔を形成したり、型枠バイブレータを使用したりする必要がない。
前記問題点(2)及び(4)については、コンクリート打設中の第2ロット32に関して、そのコンクリートの最上層は前述の片押し打設が行われることにより、第1ロット31の上下方向の長さ分(コンクリート打設用シース管81の上下方向の長さ分)、すなわち、3〜5m程度のコンクリート打設圧をかけながらコンクリートを打設することができ、ひいては、コンクリートの確実な打設及び充填を行うことができる。
前記問題点(3)については、コンクリート打設用シース管81及びバイブレータ用シース管91をせん断補強鉄筋に重ならない位置に配置することができるので、打設コンクリートが鉄筋にぶつかって材料分離が発生することを抑制することができる。また、バイブレータがせん断補強鉄筋に絡むことも抑制することができる。
前記問題点(5)については、コンクリート打設用シース管81及びバイブレータ用シース管91を用いることにより、ホッパー64が不要となる。それゆえ、側部型枠62をホッパー64なしの平らな形状とすることができるので、通常の金属製又は木製の平板状の型枠を使用することができる。また、ホッパー64が不要となることにより、前述のような余分なコンクリートの斫り作業や表面仕上げ作業を省略することができる。
尚、本実施形態には以下の効果(ア)〜(エ)がある。
(ア)床型枠51’はコンクリート打設用シース管81の下端近傍にて上に凸の形状になっており、第1ロット41の下面がその形状で仕上がるので、第2ロット42の構築時にコンクリート打設用シース管81の下端開口(コンクリートの排出口)の近傍までコンクリートを確実に充填することができる。また、床型枠51’はコンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)の下端近傍にて上に凸の形状になっており、第2ロット42の下面がその形状で仕上がるので、第3ロット43の構築時にコンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)の下端開口(コンクリートの排出口)の近傍までコンクリートを確実に充填することができる。
(イ)前述のコンクリート打設用シース管81,82及びバイブレータ用シース管91,92を用いることにより、ピッチが300mm以下(ctc300以下)で配置された主鉄筋においても、鉄筋の切断、復旧の必要が無く、配筋の自由度が高くなる。
(ウ)側部型枠52,62,72の各々の少なくとも一部を透明又は半透明なアクリル板などで構成することにより、コンクリートの打設高や締固め状況を目視しながら、コンクリートの確実な打設・締固めを行うことができる。
(エ)コンクリート打設作業に用いていないコンクリート打設用シース管81,82及びバイブレータ用シース管91,92を用いて、いわゆるレッドで、コンクリートの打設高や締固め状況を確認しながら、コンクリートの確実な打設・締固めを行うことができる。
本実施形態によれば、コンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)の構築方法は、構築予定のコンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)を上下方向に複数のロット(第1ロット31,41、第2ロット32,42、第3ロット33,43)に分け、上から下に向かって順番にロットごとに型枠を盛り替えてコンクリートを打設することにより(例えば、第1ロット構築用型枠50,50’の設置、第1ロット構築用型枠50,50’内へのコンクリートの打設、第1ロット構築用型枠50,50’の撤去、第2ロット構築用型枠60,60’の設置、第2ロット構築用型枠60,60’内へのコンクリートの打設、第2ロット構築用型枠60,60’の撤去、第3ロット構築用型枠70,70’の設置、第3ロット構築用型枠70,70’内へのコンクリートの打設、第3ロット構築用型枠70,70’の撤去をこの順に行うことにより)、コンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)を構築する方法である。このコンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)の構築方法は、上下方向に延びるコンクリート打設作業用の第1管状部材を、第1ロット構築用型枠50,50’の内面によって囲まれる空間内に配置する第1工程(図4及び図14参照)と、第1ロット構築用型枠50,50’の内面によって囲まれる空間内にコンクリートを打設することにより第1ロット31,41を構築する第2工程(図4及び図14参照)と、第1ロット構築用型枠50,50’を撤去する第3工程(図5及び図15参照)と、を含む。第1管状部材(コンクリート打設用シース管81,82、バイブレータ用シース管91,92)は、第1ロット31,41の上方と第1ロット31,41の下方とを連通する(図6及び図16参照)。これにより、第1ロット31,41の下方に隣接して構築される第2ロット32,42へのコンクリートの打設に第1管状部材(コンクリート打設用シース管81、バイブレータ用シース管91)を用いることができるので、前述のホッパー64が不要となる。それゆえ、側部型枠62をホッパー64なしの平らな形状とすることができるので、通常の平板状の型枠を使用することができる。また、ホッパー64が不要となることにより、前述のような余分なコンクリートの斫り作業や表面仕上げ作業を省略することができるので、コンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)を効率良く構築することができる。
また本実施形態によれば、前記第2工程にて第1ロット構築用型枠50,50’内にコンクリートを打設するに先立って、第1管状部材(コンクリート打設用シース管81,82、バイブレータ用シース管91,92)の下面開口を塞ぐ第1蓋部材を第1管状部材(コンクリート打設用シース管81,82、バイブレータ用シース管91,92)に取り付け、前記第3工程にて第1ロット構築用型枠50,50’を撤去した後に、前記第1蓋部材を第1管状部材(コンクリート打設用シース管81,82、バイブレータ用シース管91,92)から取り外す(図6及び図16参照)。これにより、第1ロット31,41の構築時におけるコンクリート打設作業中に第1管状部材(コンクリート打設用シース管81,82、バイブレータ用シース管91,92)の下面開口から内部にコンクリートが流入することを抑制することができる。
また本実施形態によれば、コンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)の構築方法は、前記第3工程にて第1ロット構築用型枠50,50’を撤去した後に、第1管状部材(コンクリート打設用シース管82、バイブレータ用シース管92)の下端部に新たな管状部材(シース管82a,92a)の上端部を連結することにより、第1管状部材(コンクリート打設用シース管82、バイブレータ用シース管92)を下方に延長する第4工程(図7及び図17参照)と、第1ロット31,41の下方に第2ロット構築用型枠60,60’を設置して、第2ロット構築用型枠60,60’の内面によって囲まれる空間内に第1管状部材の延長部(シース管82a,92a)を位置させる第5工程(図8及び図18参照)と、第2ロット構築用型枠60,60’の内面と第1ロット31,41の下面とによって囲まれる空間内にコンクリートを打設することにより第2ロット32,42を構築する第6工程(図8及び図18参照)と、第2ロット構築用型枠60,60’を撤去する第7工程(図9及び図19参照)と、を更に含む。第1管状部材(コンクリート打設用シース管82、バイブレータ用シース管92)及びその延長部(シース管82a,92a)は、第1ロット31,41の上方と第2ロット32,42の下方とを連通する(図10及び図20参照)。これにより、第2ロット32,42の下方に隣接して構築される第3ロット33,43へのコンクリートの打設に第1管状部材(コンクリート打設用シース管82、バイブレータ用シース管92)及びその延長部(シース管82a,92a)を用いることができるので、前述のホッパーが不要となる。それゆえ、側部型枠72をホッパーなしの平らな形状とすることができるので、通常の平板状の型枠を使用することができる。また、ホッパーが不要となることにより、前述のような余分なコンクリートの斫り作業や表面仕上げ作業を省略することができるので、コンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)を効率良く構築することができる。
また本実施形態によれば、前記第6工程にて第2ロット構築用型枠60,60’内にコンクリートを打設するに先立って、第1管状部材の延長部(シース管82a,92a)の下面開口を塞ぐ第2蓋部材を第1管状部材の延長部(シース管82a,92a)に取り付け、前記第7工程にて第2ロット構築用型枠60,60’を撤去した後に、前記第2蓋部材を第1管状部材の延長部(シース管82a,92a)から取り外す(図10及び図20参照)。これにより、第2ロット32,42の構築時におけるコンクリート打設作業中に第1管状部材の延長部(シース管82a,92a)の下面開口から内部にコンクリートが流入することを抑制することができる。
また本実施形態によれば、コンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)の構築方法は、前記第7工程にて第2ロット構築用型枠60,60’を撤去した後に、第2ロット32,42の下方に第3ロット構築用型枠70,70’を設置する第8工程(図11及び図21参照)と、第3ロット構築用型枠70,70’の内面と第2ロット32,42の下面とによって囲まれる空間内にコンクリートを打設することにより第3ロット33,43を構築する第9工程(図11及び図21参照)と、第3ロット構築用型枠70,70’を撤去する第10工程(図12及び図22参照)と、を更に含む。これにより、第3ロット構築用型枠70,70’内へのコンクリートの打設に第1管状部材(コンクリート打設用シース管82、バイブレータ用シース管92)及びその延長部(シース管82a,92a)を用いることができる。
また本実施形態によれば、各々が延長部(シース管82a)を有する複数の第1管状部材(コンクリート打設用シース管82)が水平一方向(前後方向)に間隔を空けて配置されており(図11及び図21参照)、前記第9工程では、1つの第1管状部材(コンクリート打設用シース管82)から第3ロット構築用型枠70,70’内にコンクリートを打設し、この打設されたコンクリートの一部が別の1つの第1管状部材の延長部(シース管82a)内に流入して前記別の1つの第1管状部材の延長部(シース管82a)内を上昇してきたことを確認した後に、前記別の1つの第1管状部材(コンクリート打設用シース管82)から第3ロット構築用型枠70,70’内にコンクリートを打設する(つまり、前述の片押し打設を行う)。これにより、第1ロット31,41及び第2ロット32,42の上下方向の長さ分(つまり、コンクリート打設用シース管82及びその延長部(シース管82a)の上下方向の長さ分)、コンクリート打設圧をかけながら、コンクリートの確実な打設及び充填を水平一方向(前後方向)に進めることができる。
また本実施形態によれば、第3ロット構築用型枠70,70’内へのコンクリートの打設が完了した後に、第1管状部材(コンクリート打設用シース管81、バイブレータ用シース管91)及びその延長部(シース管82a,92a)の内部にコンクリート又はモルタルを充填する。これにより、第1ロット31,41及び第2ロット32,42を中実構造とすることができる。
また本実施形態によれば、コンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)の構築方法は、前記第3工程にて第1ロット構築用型枠50,50’を撤去した後に、第1ロット31,41の下方に第2ロット構築用型枠60,60’を設置する第4工程(図8及び図18参照)と、第2ロット構築用型枠60,60’の内面と第1ロット31,41の下面とによって囲まれる空間内にコンクリートを打設することにより第2ロット32,42を構築する第5工程(図8及び図18参照)と、第2ロット構築用型枠60,60’を撤去する第6工程(図9及び図19参照)と、を更に含む。これにより、第2ロット構築用型枠60,60’内へのコンクリートの打設に第1管状部材(コンクリート打設用シース管81、バイブレータ用シース管91)を用いることができる。
また本実施形態によれば、複数の第1管状部材(コンクリート打設用シース管81−1,81−2,…)が水平一方向(前後方向)に間隔を空けて配置されており(図25及び図26参照)、前記第5工程では、1つの第1管状部材(コンクリート打設用シース管81−1)から第2ロット構築用型枠60,60’内にコンクリートを打設し(図25(a)〜(c)参照)、この打設されたコンクリートの一部が別の1つの第1管状部材(コンクリート打設用シース管81−2)内に流入して前記別の1つの第1管状部材(コンクリート打設用シース管81−2)内を上昇してきたこと(図25(c)参照)を確認した後に、前記別の1つの第1管状部材(コンクリート打設用シース管81−2)から第2ロット構築用型枠60,60’内にコンクリートを打設する(図26(a)及び(b)参照)。これにより、第1ロット31,41の長さ分(つまり、コンクリート打設用シース管81の上下方向の長さ分)、コンクリート打設圧をかけながら、コンクリートの確実な打設及び充填を水平一方向(前後方向)に進めることができる。
また本実施形態によれば、第2ロット構築用型枠60,60’内へのコンクリートの打設が完了した後に、第1管状部材(コンクリート打設用シース管81、バイブレータ用シース管91)の内部にコンクリート又はモルタルを充填する。これにより、第1ロット31,41を中実構造とすることができる。
また本実施形態によれば、第1管状部材(コンクリート打設用シース管81,82)の内部をコンクリートが流通可能である(図23参照)。これにより、第2ロット構築用型枠60,60’内へのコンクリートの供給をコンクリート打設用シース管81を用いて行うことができ、また、第3ロット構築用型枠70,70’内へのコンクリートの供給をコンクリート打設用シース管82を用いて行うことができる。
また本実施形態によれば、コンクリートを締固めるためのバイブレータ95を第1管状部材(バイブレータ用シース管91,92)に挿入可能である(図24参照)。これにより、バイブレータ用シース管91にバイブレータ95に挿入して、第2ロット構築用型枠60,60’内のコンクリートの締固めを行うことができ、また、バイブレータ用シース管92にバイブレータ95に挿入して、第3ロット構築用型枠70,70’内のコンクリートの締固めを行うことができる。
また本実施形態によれば、第1ロット31,41を構築するに先立って、各ロットを支持するための支持杭12,13を地盤に設置する(図3及び図13参照)。これにより、支持杭12,13は、コンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)の構築後には、当該コンクリート躯体を支持する支持杭として機能し得る。
また本実施形態によれば、第1ロット構築用型枠50,50’の設置に先立って、地盤11aの掘削が行われる(図3及び図13参照)。また、第1ロット31,41の構築後(第1ロット構築用型枠50,50’の撤去後)であって、かつ、第2ロット構築用型枠60,60’の設置に先立って、地盤11aの掘削が行われる(図6及び図16参照)。また、第2ロット32,42の構築後(第2ロット構築用型枠60,60’の撤去後)であって、かつ、第3ロット構築用型枠70,70’の設置に先立って、地盤11aの掘削が行われる(図10及び図20参照)。それゆえ、コンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)の全体をカバーするような地盤の掘削を行ったあとに順巻き工法でコンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)を構築するのに比べて短期間でコンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)を構築することができる。
次に、本発明の第2実施形態における側壁3及び中仕切り壁4の構築方法について、図28〜図31を用いて説明する。
図28及び図29は、本実施形態における側壁3の構築方法を示す図であり、前述の図4及び図8に対応するものである。図30及び図31は、本実施形態における仕切り壁4の構築方法を示す図であり、前述の図14及び図18に対応するものである。
前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
図28に示すように、床型枠51には複数の貫通孔55が形成されており、コンクリート打設用シース管81,82と、バイブレータ用シース管91,92とについては、各々の下端部が、床型枠51の貫通孔55を貫通している。この状態で、第1ロット構築用型枠50内にコンクリートが打設される。尚、各貫通孔55の内周面とコンクリート打設用シース管81,82及びバイブレータ用シース管91,92の各々の外周面との間には、コンクリートの漏洩を抑制するためのシール材(図示せず)が介装されている。
図29に示すように、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)と、バイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)とについては、各々の下端部が、床型枠51の貫通孔55を貫通している。この状態で、第2ロット構築用型枠60内にコンクリートが打設される。尚、各貫通孔55の内周面とシース管82a,92aの各々の外周面との間には、コンクリートの漏洩を抑制するためのシール材(図示せず)が介装されている。
図30に示すように、床型枠51’には複数の貫通孔55’が形成されており、コンクリート打設用シース管81,82と、バイブレータ用シース管91,92とについては、各々の下端部が、床型枠51’の貫通孔55’を貫通している。この状態で、第1ロット構築用型枠50’内にコンクリートが打設される。尚、各貫通孔55’の内周面とコンクリート打設用シース管81,82及びバイブレータ用シース管91,92の各々の外周面との間には、コンクリートの漏洩を抑制するためのシール材(図示せず)が介装されている。
図31に示すように、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)と、バイブレータ用シース管92の延長部(シース管92a)とについては、各々の下端部が、床型枠51’の貫通孔55’を貫通している。この状態で、第2ロット構築用型枠60’内にコンクリートが打設される。尚、各貫通孔55’の内周面とシース管82a,92aの各々の外周面との間には、コンクリートの漏洩を抑制するためのシール材(図示せず)が介装されている。
特に本実施形態によれば、第1ロット構築用型枠50,50’を構成する床型枠51,51’には貫通孔55,55’が形成されており、前記第1工程では、第1管状部材(コンクリート打設用シース管81,82、バイブレータ用シース管91,92)の下端部が第1ロット構築用型枠50,50’の床型枠51,51’の貫通孔55,55’を貫通する。これにより、前述の第1蓋部材が不要となるので、コンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)を効率良く構築することができる。
また本実施形態によれば、第2ロット構築用型枠60,60’を構成する床型枠51,51’には貫通孔55,55’が形成されており、前記第5工程では、第1管状部材の延長部(シース管82a,92a)の下端部が第2ロット構築用型枠60,60’の床型枠51,51’の貫通孔55,55’を貫通する。これにより、前述の第2蓋部材が不要となるので、コンクリート躯体(側壁2,3、中仕切り壁4)を効率良く構築することができる。
尚、前述の第1及び第2実施形態では、中仕切り壁4の構築に用いられる床型枠51’の最上部(頂部51a’の先端部)を、上に凸の線形(前後方向に直線状に延びる形状)としたが、コンクリート打設用シース管81の下端や、コンクリート打設用シース管82の延長部(シース管82a)の下端が当該最上部に隣接して対向する限りにおいて、床型枠51’の最上部の形状はこれに限らず、例えば、当該最上部の形状が、円錐形状の頂点に対応する点状であってもよい。
また、前述の第1及び第2実施形態では、コンクリート打設配管85が鋼管である例を示したが、コンクリート打設配管85の構成はこれに限らず、例えば、コンクリート打設配管85がゴムホースであってもよい。また、コンクリート打設配管85の上端部にホッパーを付けてコンクリートの打設を行ってもよい。
また、前述の第1及び第2実施形態では、コンクリート打設配管85をコンクリート打設用シース管81,82内に挿入してコンクリートを打設する例を示したが、この他、コンクリート打設配管85をコンクリート打設用シース管81,82内に挿入することなく、コンクリート打設用シース管81,82自体をコンクリート打設配管として使用してもよい。つまり、コンクリート打設用シース管81,82の内面にコンクリートが接触しつつ流通するようにしてもよい。
また、前述の第1及び第2実施形態では、前述の片押し打設に用いられるコンクリートとして、スランプが12cm以下である普通のコンクリートを使用することができる。この点、前述の片押し打設に用いられるコンクリートとして高流動コンクリートを使用して、コンクリート打設用シース管81,82内(及びシース管82a内)にコンクリートを満たすことで、更に高圧でのコンクリート打設が可能となり、充填性を増すことができる。
また、前述の第1及び第2実施形態では、バイブレータ用シース管91,92の各々について、平面視で1列に配置する例を示したが、側壁2,3及び中仕切り壁4の厚さ(左右方向の長さ)が1.5m以上である場合には、バイブレータ用シース管91,92の各々について、平面視で2列に配置してもよく、又は、いわゆる千鳥配置としてもよい。
また、前述の第1及び第2実施形態では、構築予定のコンクリート躯体(側壁2,3及び中仕切り壁4)を上下方向に3つのロットに分けているが、この他、2つのロットに分けてもよく、又は、4つ以上の任意の個数のロットに分けてもよい。ロット数の増減に応じて、コンクリート打設用シース管及びバイブレータ用シース管の本数が増減し得る。例えば、4つのロットに分ける場合には、前述の第3ロット33,43の下方に隣接して第4ロットが構築される。この場合には、第4ロットの構築のための、コンクリート打設用シース管とバイブレータ用シース管とを新たに第1ロット31の構築時に設置し、第2ロット32及び第3ロット33の構築時に、当該コンクリート打設用シース管とバイブレータ用シース管との各々について、新たなシース管を前述のように下方に継ぎ足して延長すればよい。
また、前述の第1及び第2実施形態では、本発明に係るコンクリート躯体の構築方法を地下構造物1の側壁2,3及び中仕切り壁4に適用した例を説明したが、本発明に係るコンクリート躯体の構築方法の適用例はこれに限らない。例えば立坑や地下タンクなどの円筒形地下構造物の側壁(側壁コンクリート)の構築に、本発明に係るコンクリート躯体の構築方法を適用してもよいことはいうまでもない。
また、前述の第1及び第2実施形態では、本発明に係るコンクリート躯体の構築方法を、側壁2,3及び中仕切り壁4などの壁状のコンクリート躯体の構築に適用したが、この他、柱状のコンクリート躯体に適用してもよいことは明らかである。
また、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。