以下、本発明の実施形態に係る研磨液、研磨液セット、及び、これらを用いた基体の研磨方法について詳細に説明する。
<定義>
本明細書において、「研磨液」(abrasive)とは、研磨時に被研磨面に触れる組成物として定義される。「研磨液」という語句自体は、研磨液に含有される成分をなんら限定しない。後述するように、本実施形態に係る研磨液は砥粒(abrasive grain)を含有する。砥粒は、「研磨粒子」(abrasive particle)ともいわれるが、本明細書では「砥粒」という。砥粒は、一般的には固体粒子であって、研磨時に、砥粒が有する機械的作用及び砥粒(主に砥粒の表面)の化学的作用によって、除去対象物が除去(remove)されると考えられるが、これに限定されない。
<研磨液>
本実施形態に係る研磨液は、例えばCMP用研磨液である。具体的には、本実施形態に係る研磨液は、液状媒体と、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒と、芳香環及びポリオキシアルキレン鎖を有する高分子化合物(以下、「芳香族ポリオキシアルキレン化合物」という。)と、ポリカルボン酸及びポリカルボン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を含有する。
以下、必須成分、及び、任意に添加できる成分について説明する。
(砥粒)
砥粒は、4価金属元素の水酸化物を含む。「4価金属元素の水酸化物」とは、本明細書において、4価の金属(M4+)と、少なくとも1つの水酸化物イオン(OH−)とを含む化合物である。4価金属元素の水酸化物は、水酸化物イオン以外の陰イオン(例えば硝酸イオンNO3 −及び硫酸イオンSO4 2−)を含んでいてもよい。例えば、4価金属元素の水酸化物は、4価金属元素に結合した陰イオン(例えば硝酸イオンNO3 −及び硫酸イオンSO4 2−)を含んでいてもよい。
4価金属元素の水酸化物を含む砥粒は、シリカ、セリア等からなる砥粒と比較して、絶縁材料(例えば酸化珪素)との反応性が高く、絶縁材料を更に高い研磨速度で研磨することができる。砥粒は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。4価金属元素の水酸化物を含む砥粒は、例えば、4価金属元素の水酸化物以外の成分(シリカ、アルミナ、セリア等)を更に含んでいてもよい。例えば、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒として、4価金属元素の水酸化物とシリカとを含む複合粒子等を用いることもできる。
4価金属元素の水酸化物は、希土類元素の水酸化物及びジルコニウムの水酸化物からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。4価金属元素の水酸化物は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、希土類元素の水酸化物を含むことがより好ましい。4価をとり得る希土類元素としては、セリウム、プラセオジム、テルビウム等のランタノイドなどが挙げられ、中でも、絶縁材料の研磨速度に更に優れる観点から、ランタノイドが好ましく、セリウムがより好ましい。4価金属元素の水酸化物は、希土類元素の水酸化物とジルコニウムの水酸化物とを含む形態であってもよく、希土類元素の水酸化物を2種以上含む形態であってもよい。
4価金属元素の水酸化物の含有量は、砥粒全体を基準として、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、98質量%以上が特に好ましく、99質量%以上が極めて好ましい。研磨液の調製が容易であると共に研磨特性にも更に優れる観点から、砥粒が4価金属元素の水酸化物からなる(砥粒の100質量%が4価金属元素の水酸化物の粒子である)ことが最も好ましい。
研磨液、又は、後述する研磨液セットにおけるスラリ中の砥粒の平均粒径の下限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、1nm以上が好ましく、2nm以上がより好ましく、3nm以上が更に好ましく、5nm以上が特に好ましい。砥粒の平均粒径の上限は、被研磨面に傷がつくことを更に抑制する観点から、300nm以下が好ましく、250nm以下がより好ましく、200nm以下が更に好ましく、100nm以下が特に好ましく、50nm以下が極めて好ましい。前記観点から、砥粒の平均粒径は、1nm以上300nm以下であることがより好ましい。
砥粒の「平均粒径」とは、砥粒の平均二次粒径を意味する。砥粒の平均粒径は、例えば、研磨液、又は、後述する研磨液セットにおけるスラリについて、光回折散乱式粒度分布計(例えば、ベックマンコールター株式会社製、商品名:N5、又は、マルバーンインスツルメンツ社製、商品名:ゼータサイザー3000HSA)を用いて測定することができる。
本実施形態に係る研磨液の構成成分中において、4価金属元素の水酸化物は研磨特性に与える影響が大きいものと考えられる。そのため、4価金属元素の水酸化物の含有量を調整することにより、砥粒と被研磨面との化学的な相互作用が向上し、研磨速度を更に向上させることができる。このことから、4価金属元素の水酸化物の含有量は、研磨液の全質量を基準として、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上が更に好ましく、0.05質量%以上が特に好ましい。また、4価金属元素の水酸化物の含有量は、砥粒の凝集を避けることが容易になると共に、被研磨面との化学的な相互作用が良好となり、砥粒の特性を有効に活用できる観点から、研磨液の全質量を基準として、8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が特に好ましく、0.5質量%以下が極めて好ましく、0.3質量%以下が非常に好ましい。
砥粒の含有量の下限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、研磨液の全質量を基準として、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上が更に好ましく、0.03質量%以上が特に好ましく、0.04質量%以上が極めて好ましく、0.05質量%以上が非常に好ましい。砥粒の含有量の上限は、研磨液の保存安定性を高くする観点から、研磨液の全質量を基準として、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。前記観点から、砥粒の含有量は、研磨液の全質量を基準として0.005質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
また、砥粒の含有量を更に少なくすることにより、コスト及び研磨傷を更に低減できる点で好ましい。砥粒の含有量が少なくなると、絶縁材料等の研磨速度も低下する傾向がある。一方、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒は、少量でも所定の研磨速度を得ることができるため、研磨速度と、砥粒の含有量を少なくすることによる利点とのバランスをとりつつ、砥粒の含有量を更に低減することができる。このような観点から、砥粒の含有量は、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以下が特に好ましく、0.3質量%以下が極めて好ましい。
[吸光度]
砥粒は、下記条件(a)及び(b)の少なくとも一方の条件を満たすことが好ましい。なお、砥粒の含有量を所定量に調整した「水分散液」とは、所定量の砥粒と水とを含む液を意味する。
(a)砥粒が、当該砥粒の含有量を1.0質量%に調整した水分散液において波長400nmの光に対して吸光度1.00以上を与える。
(b)砥粒が、当該砥粒の含有量を0.0065質量%に調整した水分散液において波長290nmの光に対して吸光度1.000以上を与える。
前記条件(a)に関して、砥粒の含有量を1.0質量%に調整した水分散液において波長400nmの光に対する吸光度1.00以上を与える砥粒を用いることにより、研磨速度を更に向上させることができる。この理由は必ずしも明らかではないが、本発明者は次のように考えている。すなわち、4価金属元素の水酸化物の製造条件等に応じて、4価の金属(M4+)、1〜3個の水酸化物イオン(OH−)及び1〜3個の陰イオン(Xc−)からなるM(OH)aXb(式中、a+b×c=4である)を含む粒子が砥粒の一部として生成するものと考えられる(なお、このような粒子も「4価金属元素の水酸化物を含む砥粒」である)。M(OH)aXbでは、電子吸引性の陰イオン(Xc−)が作用して水酸化物イオンの反応性が向上しており、M(OH)aXbの存在量が増加するに伴い研磨速度が向上するものと考えられる。そして、M(OH)aXbを含む粒子が波長400nmの光を吸光するため、M(OH)aXbの存在量が増加して波長400nmの光に対する吸光度が高くなるに伴い、研磨速度が向上するものと考えられる。
4価金属元素の水酸化物を含む砥粒は、M(OH)aXbだけでなく、M(OH)4、MO2等も含み得ると考えられる。陰イオン(Xc−)としては、例えばNO3 −、SO4 2−が挙げられる。
なお、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒がM(OH)aXbを含むことは、砥粒を純水でよく洗浄した後にFT−IR ATR法(Fourier transform Infra Red Spectrometer Attenuated Total Reflection法、フーリエ変換赤外分光光度計全反射測定法)で陰イオン(Xc−)に該当するピークを検出する方法により確認できる。XPS法(X−ray Photoelectron Spectroscopy、X線光電子分光法)により、陰イオン(Xc−)の存在を確認することもできる。
ここで、M(OH)aXb(例えばM(OH)3X)の波長400nmの吸収ピークは、後述する波長290nmの吸収ピークよりもはるかに小さいことが確認されている。これに対し、本発明者は、砥粒含有量が比較的多く、吸光度が大きく検出されやすい砥粒含有量1.0質量%の水分散液を用いて吸光度の大きさを検討した結果、当該水分散液において波長400nmの光に対する吸光度1.00以上を与える砥粒を用いる場合に、研磨速度の向上効果に優れることを見出した。なお、前記のとおり波長400nmの光に対する吸光度は砥粒に由来するものと考えられるため、波長400nmの光に対して吸光度1.00以上を与える砥粒に代えて、波長400nmの光に対して1.00以上の吸光度を与える物質(例えば黄色を呈する色素成分)を含む研磨液では、研磨速度の前記向上効果が得られ難い。
波長400nmの光に対する吸光度は、更に優れた研磨速度で絶縁材料を研磨しやすくなる観点から、1.50以上が好ましく、1.55以上がより好ましく、1.60以上が更に好ましい。
前記条件(b)に関して、砥粒の含有量を0.0065質量%に調整した水分散液において波長290nmの光に対する吸光度1.000以上を与える砥粒を用いることにより、研磨速度を更に向上させることができる。この理由は必ずしも明らかではないが、本発明者は次のように考えている。すなわち、4価金属元素の水酸化物の製造条件等に応じて生成するM(OH)aXb(例えばM(OH)3X)を含む粒子は、計算上、波長290nm付近に吸収のピークを有し、例えばCe4+(OH−)3NO3 −からなる粒子は波長290nmに吸収のピークを有する。そのため、M(OH)aXbの存在量が増加して波長290nmの光に対する吸光度が高くなるに伴い、研磨速度が向上するものと考えられる。
ここで、波長290nm付近の光に対する吸光度は、測定限界を超えるほど大きく検出される傾向がある。これに対し、本発明者は、砥粒の含有量が比較的少なく、吸光度が小さく検出されやすい砥粒含有量0.0065質量%の水分散液を用いて吸光度の大きさを検討した結果、当該水分散液において波長290nmの光に対する吸光度1.000以上を与える砥粒を用いる場合に、研磨速度の向上効果に優れることを見出した。また、本発明者は、吸光物質に吸収されると当該吸光物質が黄色を呈する傾向のある波長400nm付近の光とは別に、波長290nm付近の光に対する砥粒の吸光度が高いほど、このような砥粒を用いた研磨液及びスラリの黄色味が濃くなることを見出し、研磨液及びスラリの黄色味が濃くなるほど研磨速度が向上することを見出した。そして、本発明者は、砥粒含有量0.0065質量%の水分散液における波長290nmの光に対する吸光度と、砥粒含有量1.0質量%の水分散液における波長400nmの光に対する吸光度とが相関することを見出した。
波長290nmの光に対する吸光度の下限は、更に優れた研磨速度で絶縁材料を研磨する観点から、1.050以上がより好ましく、1.100以上が更に好ましく、1.130以上が特に好ましく、1.150以上が極めて好ましい。波長290nmの光に対する吸光度の上限は、特に制限はないが、例えば10.00が好ましい。
波長400nmの光に対する吸光度1.00以上を与える砥粒が、砥粒の含有量を0.0065質量%に調整した水分散液において波長290nmの光に対して吸光度1.000以上を与える場合には、更に優れた研磨速度で絶縁材料を研磨することができる。
また、4価金属元素の水酸化物(例えばM(OH)aXb)は、波長450nm以上(特に波長450〜600nm)の光を吸光しない傾向がある。したがって、不純物を含むことにより研磨に対して悪影響が生じることを抑制して更に優れた研磨速度で絶縁材料を研磨する観点から、砥粒は、当該砥粒の含有量を0.0065質量%(65ppm)に調整した水分散液において波長450〜600nmの光に対して吸光度0.010以下を与えるものであることが好ましい。すなわち、砥粒の含有量を0.0065質量%に調整した水分散液において波長450〜600nmの範囲における全ての光に対する吸光度が0.010を超えないことが好ましい。波長450〜600nmの光に対する吸光度の上限は、0.010未満がより好ましい。波長450〜600nmの光に対する吸光度の下限は、0が好ましい。
水分散液における吸光度は、例えば、株式会社日立製作所製の分光光度計(装置名:U3310)を用いて測定できる。具体的には例えば、砥粒の含有量を1.0質量%又は0.0065質量%に調整した水分散液を測定サンプルとして調製する。この測定サンプルを1cm角のセルに約4mL入れ、装置内にセルを設置する。次に、波長200〜600nmの範囲で吸光度測定を行い、得られたチャートから吸光度を判断する。
砥粒の含有量が1.0質量%より少なくなるよう過度に希釈して波長400nmの光に対する吸光度を測定した場合に、吸光度が1.00以上を示すようであれば、砥粒の含有量を1.0質量%とした場合にも吸光度が1.00以上であるとして吸光度をスクリーニングしてもよい。砥粒の含有量が0.0065質量%より少なくなるよう過度に希釈して波長290nmの光に対する吸光度を測定した場合に、吸光度が1.000以上を示すようであれば、砥粒の含有量を0.0065質量%とした場合にも吸光度が1.000以上であるとして吸光度をスクリーニングしてもよい。砥粒の含有量が0.0065質量%より多くなるように希釈して波長450〜600nmの光に対する吸光度を測定した場合に、吸光度が0.010以下を示すようであれば、砥粒の含有量を0.0065質量%とした場合にも吸光度が0.010以下であるとして吸光度をスクリーニングしてもよい。
[光透過率]
本実施形態に係る研磨液は、可視光に対する透明度が高い(目視で透明又は透明に近い)ことが好ましい。具体的には、本実施形態に係る研磨液に含まれる砥粒は、当該砥粒の含有量を1.0質量%に調整した水分散液において波長500nmの光に対して光透過率50%/cm以上を与えるものであることが好ましい。これにより、添加剤の添加に起因する研磨速度の低下を更に抑制することができるため、研磨速度を維持しつつ他の特性を得ることが容易になる。この観点から、前記光透過率の下限は、60%/cm以上がより好ましく、70%/cm以上が更に好ましく、80%/cm以上が特に好ましく、90%/cm以上が極めて好ましく、92%/cm以上が非常に好ましい。光透過率の上限は100%/cmである。
このように砥粒の光透過率を調整することで研磨速度の低下を抑制することが可能な理由は詳しくはわかっていないが、本発明者は以下のように考えている。4価金属元素(セリウム等)の水酸化物を含む砥粒では、機械的作用よりも化学的作用の方が支配的になると考えられる。そのため、砥粒の大きさよりも砥粒の数の方が、より研磨速度に寄与すると考えられる。
砥粒の含有量が1.0質量%である水分散液において光透過率が低い場合、その水分散液に存在する砥粒は、粒径の大きい粒子(以下「粗大粒子」という。)が相対的に多く存在すると考えられる。このような砥粒を含む研磨液に添加剤(例えばポリビニルアルコール(PVA))を添加すると、図1に示すように、粗大粒子を核として他の粒子が凝集する。その結果として、単位面積当たりの被研磨面に作用する砥粒数(有効砥粒数)が減少し、被研磨面に接する砥粒の比表面積が減少するため、研磨速度の低下が引き起こされると考えられる。
一方、砥粒の含有量が1.0質量%である水分散液において光透過率が高い場合、その水分散液に存在する砥粒は、「粗大粒子」が少ない状態であると考えられる。このように粗大粒子の存在量が少ない場合は、図2に示すように、研磨液に添加剤(例えばポリビニルアルコール)を添加しても、凝集の核になるような粗大粒子が少ないため、砥粒同士の凝集が抑えられるか、又は、凝集粒子の大きさが図1に示す凝集粒子と比べて小さくなる。その結果として、単位面積当たりの被研磨面に作用する砥粒数(有効砥粒数)が維持され、被研磨面に接する砥粒の比表面積が維持されるため、研磨速度の低下が生じ難くなると考えられる。
本発明者の検討では、一般的な粒径測定装置において測定される粒径が同じ研磨液であっても、目視で透明である(光透過率の高い)もの、及び、目視で濁っている(光透過率の低い)ものがありえることがわかっている。このことから、前記のような作用を起こしうる粗大粒子は、一般的な粒径測定装置で検知できないほどのごくわずかの量でも、研磨速度の低下に寄与すると考えられる。
また、粗大粒子を減らすためにろ過を複数回繰り返しても、添加剤により研磨速度が低下する現象はさほど改善せず、吸光度に起因する研磨速度の前記向上効果が充分に発揮されない場合があることがわかっている。そこで、本発明者は、砥粒の製造方法を工夫する等して、水分散液において光透過率の高い砥粒を使用することによって前記問題を解決できることを見出した。
前記光透過率は、波長500nmの光に対する透過率である。前記光透過率は、分光光度計で測定することができる。具体的には例えば、株式会社日立製作所製の分光光度計U3310(装置名)で測定することができる。
より具体的な測定方法としては、砥粒の含有量を1.0質量%に調整した水分散液を測定サンプルとして調製する。この測定サンプルを1cm角のセルに約4mL入れ、装置内にセルをセットした後に測定を行う。なお、砥粒の含有量が1.0質量%より大きい水分散液において50%/cm以上の光透過率を有する場合は、これを希釈して1.0質量%とした場合も光透過率は50%/cm以上となることが明らかである。そのため、砥粒の含有量が1.0質量%より大きい水分散液を用いることにより、簡便な方法で光透過率をスクリーニングすることができる。
研磨液に含まれる砥粒が水分散液において与える吸光度及び光透過率は、砥粒以外の固体成分、及び、水以外の液体成分を除去した後、所定の砥粒含有量の水分散液を調製し、当該水分散液を用いて測定することができる。研磨液に含まれる成分によっても異なるが、固体成分又は液体成分の除去には、例えば、数千G以下の重力加速度をかけられる遠心機を用いた遠心分離、数万G以上の重力加速度をかけられる超遠心機を用いた超遠心分離等の遠心分離法;分配クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー等のクロマトグラフィー法;自然ろ過、減圧ろ過、加圧ろ過、限外ろ過等のろ過法;減圧蒸留、常圧蒸留等の蒸留法を用いることができ、これらを適宜組み合わせてもよい。
例えば、重量平均分子量が数万以上(例えば5万以上)の化合物を含む場合は、クロマトグラフィー法、ろ過法等が挙げられ、中でも、ゲル浸透クロマトグラフィー及び限外ろ過が好ましい。ろ過法を用いる場合、研磨液に含まれる砥粒は、適切な条件の設定により、フィルタを通過させることができる。重量平均分子量が数万以下(例えば5万未満)の化合物を含む場合は、クロマトグラフィー法、ろ過法、蒸留法等が挙げられ、ゲル浸透クロマトグラフィー、限外ろ過及び減圧蒸留が好ましい。複数種類の砥粒が含まれる場合、ろ過法、遠心分離法等が挙げられ、ろ過の場合はろ液に、遠心分離の場合は液相に、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒がより多く含まれる。
クロマトグラフィー法で砥粒を分離する方法として、例えば、下記条件によって、砥粒成分を分取する、及び/又は、他成分を分取することができる。
試料溶液:研磨液100μL
検出器:株式会社日立製作所製、UV−VISディテクター、商品名「L−4200」 波長:400nm
インテグレータ:株式会社日立製作所製、GPCインテグレータ、商品名「D−2500」
ポンプ:株式会社日立製作所製、商品名「L−7100」
カラム:日立化成株式会社製、水系HPLC用充填カラム、商品名「GL−W550S」
溶離液:脱イオン水
測定温度:23℃
流速:1mL/分(圧力は40〜50kg/cm2程度)
測定時間:60分
なお、クロマトグラフィーを行う前に、脱気装置を用いて溶離液の脱気処理を行うことが好ましい。脱気装置を使用できない場合は、溶離液を事前に超音波等で脱気処理することが好ましい。
研磨液に含まれる成分によっては、前記条件でも砥粒成分を分取できない可能性があるが、その場合、試料溶液量、カラム種類、溶離液種類、測定温度、流速等を最適化することで分離することができる。また、研磨液のpHを調整することで、研磨液に含まれる成分の留出時間を調整し、砥粒と分離できる可能性がある。研磨液に不溶成分がある場合、必要に応じ、ろ過、遠心分離等で不溶成分を除去することが好ましい。
[砥粒の作製方法]
4価金属元素の水酸化物は、4価金属元素の塩(金属塩)と、アルカリ源(塩基)とを反応させることにより作製できる。4価金属元素の水酸化物は、4価金属元素の塩とアルカリ液(例えばアルカリ水溶液)とを混合することにより作製されることが好ましい。これにより、粒径が極めて細かい粒子を得ることができ、研磨傷の低減効果に更に優れた研磨液を得ることができる。このような手法は、例えば、特許文献4に開示されている。4価金属元素の水酸化物は、4価金属元素の塩の金属塩溶液(例えば金属塩水溶液)とアルカリ液とを混合することにより得ることができる。なお、4価金属元素の塩及びアルカリ源の少なくとも一方を液体状態で反応系に供給する場合、混合液を撹拌する手段は限定されるものではない。例えば、回転軸回りに回転する棒状、板状若しくはプロペラ状の撹拌子又は撹拌羽根を用いて混合液を撹拌する方法、容器の外部から動力を伝達するマグネチックスターラーを用いて、回転する磁界で撹拌子を回転させて混合液を撹拌する方法、槽外に設置したポンプで混合液を撹拌する方法、及び、外気を加圧して槽内に勢いよく吹き込むことで混合液を撹拌する方法が挙げられる。4価金属元素の塩としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、M(NO3)4、M(SO4)2、M(NH4)2(NO3)6、M(NH4)4(SO4)4(Mは希土類元素を示す。)、Zr(SO4)2・4H2O等が挙げられる。Mとしては、化学的に活性なセリウム(Ce)が好ましい。
吸光度及び光透過率を調整する手段としては、4価金属元素の水酸化物の製造方法の最適化等が挙げられる。波長400nmの光に対する吸光度及び波長290nmの光に対する吸光度を変化させる方法としては、具体的には例えば、アルカリ液中のアルカリ源の選択、金属塩溶液とアルカリ液とにおける原料濃度の調整、金属塩溶液とアルカリ液との混合速度の調整、及び、4価金属元素の塩とアルカリ源とを混合して得られる混合液の液温の調整が挙げられる。また、波長500nmの光に対する光透過率を変化させる方法としては、具体的には例えば、金属塩溶液とアルカリ液とにおける原料濃度の調整、金属塩溶液とアルカリ液との混合速度の調整、混合するときの撹拌速度の調整、及び、混合液の液温の調整が挙げられる。
波長400nmの光に対する吸光度、波長290nmの光に対する吸光度、及び、波長500nmの光に対する光透過率を高くするためには、4価金属元素の水酸化物の製造方法を、より「緩やか」にすることが好ましい。ここで、「緩やか」とは、反応が進行するにしたがって反応系のpHが上昇するときのpHの上昇を穏やかにする(遅くする)ことを意味する。逆に、波長400nmの光に対する吸光度、波長290nmの光に対する吸光度、及び、波長500nmの光に対する光透過率を低くするためには、4価金属元素の水酸化物の製造方法を、より「激しく」することが好ましい。ここで、「激しく」とは、反応が進行するにしたがって反応系のpHが上昇するときのpHの上昇を激しくする(速くする)ことを意味する。これらの吸光度及び光透過率の値を所定範囲に調整するためには、前記傾向を参考にして、4価金属元素の水酸化物の製造方法を最適化することが好ましい。以下、吸光度及び光透過率の制御方法について更に詳しく説明する。
{アルカリ源}
アルカリ液中のアルカリ源としては、従来公知のものを特に制限なく使用できる。アルカリ源としては、有機塩基、無機塩基等が挙げられる。有機塩基としては、グアニジン、トリエチルアミン、キトサン等の含窒素有機塩基;ピリジン、ピペリジン、ピロリジン、イミダゾール等の含窒素複素環有機塩基;炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム等のアンモニウム塩などが挙げられる。無機塩基としては、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の無機塩などが挙げられる。アルカリ源は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
アルカリ源としては、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、アンモニア及びイミダゾールが好ましく、イミダゾールが更に好ましい。波長400nmの光に対する吸光度及び波長290nmの光に対する吸光度を高くするためには、アルカリ源として、弱い塩基性を示すアルカリ源を使用することが好ましい。アルカリ源の中でも、含窒素複素環有機塩基が好ましく、ピリジン、ピペリジン、ピロリジン及びイミダゾールからなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ピリジン及びイミダゾールからなる群より選択される少なくとも一種が更に好ましく、イミダゾールが特に好ましい。
{濃度}
金属塩溶液とアルカリ液とにおける原料濃度の制御により、波長400nmの光に対する吸光度、波長290nmの光に対する吸光度、及び、波長500nmの光に対する光透過率を変化させることができる。具体的には、金属塩溶液の金属塩濃度を濃くすることで吸光度が高くなる傾向があり、アルカリ液のアルカリ濃度(塩基の濃度、アルカリ源の濃度)を薄くすることで吸光度が高くなる傾向がある。また、金属塩濃度を濃くすることで光透過率が高くなる傾向があり、アルカリ濃度を薄くすることで光透過率が高くなる傾向がある。
金属塩溶液における金属塩濃度の上限は、優れた研磨速度と優れた砥粒の安定性とを両立しやすくなる観点から、金属塩溶液の全体を基準として、1.000mol/L以下が好ましく、0.500mol/L以下がより好ましく、0.300mol/L以下が更に好ましく、0.200mol/L以下が特に好ましい。金属塩濃度の下限は、急激に反応が起こることを抑制できる(pHの上昇を穏やかにできる)と共に、波長400nmの光に対する吸光度、波長290nmの光に対する吸光度、及び、波長500nmの光に対する光透過率が高くなる観点から、金属塩溶液の全体を基準として、0.010mol/L以上が好ましく、0.020mol/L以上がより好ましく、0.030mol/L以上が更に好ましい。
アルカリ液におけるアルカリ濃度の上限は、急激に反応が起こることを抑制する観点から、アルカリ液の全体を基準として、15.0mol/L以下が好ましく、12.0mol/L以下がより好ましく、10.0mol/L以下が更に好ましく、5.0mol/L以下が特に好ましい。アルカリ濃度の下限は特に制限されないが、生産性に優れる観点から、アルカリ液の全体を基準として0.001mol/L以上が好ましい。
アルカリ液におけるアルカリ濃度は、選択されるアルカリ源により適宜調整されることが好ましい。例えば、アルカリ源の共役酸のpKaが20以上であるアルカリ源の場合、アルカリ濃度の上限は、急激に反応が起こることを抑制する観点から、アルカリ液の全体を基準として、0.10mol/L以下が好ましく、0.05mol/L以下がより好ましく、0.01mol/L以下が更に好ましい。アルカリ濃度の下限は特に限定されないが、所定量の4価金属元素の水酸化物を得るために用いる溶液の使用量を抑制する観点から、アルカリ液の全体を基準として0.001mol/L以上が好ましい。
アルカリ源の共役酸のpKaが12以上20未満であるアルカリ源の場合、アルカリ濃度の上限は、急激に反応が起こることを抑制する観点から、アルカリ液の全体を基準として、1.0mol/L以下が好ましく、0.50mol/L以下がより好ましく、0.10mol/L以下が更に好ましい。アルカリ濃度の下限は特に限定されないが、所定量の4価金属元素の水酸化物を得るために用いる溶液の使用量を抑制する観点から、アルカリ液の全体を基準として0.01mol/L以上が好ましい。
アルカリ源の共役酸のpKaが12未満であるアルカリ源の場合、アルカリ濃度の上限は、急激に反応が起こることを抑制する観点から、アルカリ液の全体を基準として、15.0mol/L以下が好ましく、10.0mol/L以下がより好ましく、5.0mol/L以下が更に好ましい。アルカリ濃度の下限は特に限定されないが、所定量の4価金属元素の水酸化物を得るために用いる溶液の使用量を抑制する観点から、アルカリ液の全体を基準として0.10mol/L以上が好ましい。
アルカリ源の共役酸のpKaが20以上であるアルカリ源としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(pKa:25)が挙げられる。アルカリ源の共役酸のpKaが12以上20未満であるアルカリ源としては、例えば、水酸化カリウム(pKa:16)及び水酸化ナトリウム(pKa:13)が挙げられる。アルカリ源の共役酸のpKaが12未満であるアルカリ源としては、例えば、アンモニア(pKa:9)及びイミダゾール(pKa:7)が挙げられる。使用するアルカリ源の共役酸のpKa値は、アルカリ濃度が適切に調整される限り、特に限定されるものではないが、アルカリ源の共役酸のpKaは、20未満であることが好ましく、12未満であることがより好ましく、10未満であることが更に好ましく、8未満であることが特に好ましい。
{混合速度}
金属塩溶液とアルカリ液との混合速度の制御により、波長400nmの光に対する吸光度、波長290nmの光に対する吸光度、及び、波長500nmの光に対する光透過率を変化させることができる。傾向としては、pHの上昇が穏やかになる(遅くなる)ようにすることで吸光度及び光透過率がそれぞれ高くなる。より具体的には、混合速度を遅くすることで吸光度が高くなる傾向があり、混合速度を速くすることで吸光度が低くなる傾向がある。また、混合速度を遅くすることで光透過率が高くなる傾向があり、混合速度を速くすることで光透過率が低くなる傾向がある。
混合速度の上限は、急激に反応が進行することを更に抑制すると共に、局所における反応の偏りを更に抑制する観点から、5.00×10−3m3/分(5L/分)以下が好ましく、1.00×10−3m3/分(1L/分)以下がより好ましく、5.00×10−4m3/分(500mL/分)以下が更に好ましく、1.00×10−4m3/分(100mL/分)以下が特に好ましい。混合速度の下限は、特に制限されないが、生産性に優れる観点から、1.00×10−7m3/分(0.1mL/分)以上が好ましい。
{撹拌速度}
金属塩溶液とアルカリ液とを混合するときの撹拌速度の制御により、波長500nmの光に対する光透過率を変化させることができる。具体的には、撹拌速度を速くすることで光透過率が高くなる傾向があり、撹拌速度を遅くすることで光透過率が低くなる傾向がある。
撹拌速度の下限は、局所における反応の偏りを更に抑制でき、且つ、混合効率に優れる観点から、30min−1以上が好ましく、50min−1以上がより好ましく、80min−1以上が更に好ましい。撹拌速度の上限は、特に制限されず、また、撹拌羽根の大きさ及び形状により適宜調整を要するが、液はねを抑制する観点から、1000min−1以下が好ましい。
{液温(合成温度)}
4価金属元素の塩とアルカリ源とを混合して得られる混合液の液温の制御により、波長400nmの光に対する吸光度、波長290nmの光に対する吸光度、及び、波長500nmの光に対する光透過率を変化させることが可能であり、所望の研磨速度及び保管安定性を達成可能な砥粒を得ることができる。具体的には、液温を低くすることで吸光度が高くなる傾向があり、液温を高くすることで吸光度が低くなる傾向がある。また、液温を低くすることで光透過率が高くなる傾向があり、液温を高くすることで光透過率が低くなる傾向がある。
液温は、例えば混合液に温度計を設置して読み取れる混合液内の温度であり、0〜100℃であることが好ましい。液温の上限は、急激な反応を抑制することができる観点から、100℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましく、55℃以下が更に好ましく、50℃以下が特に好ましく、45℃以下が極めて好ましい。液温の下限は、反応を容易に進行させることができる観点から、0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましい。
前記方法で合成された4価金属元素の水酸化物は、不純物(例えば金属不純物)を含むことがあるが、洗浄して不純物を除去できる。4価金属元素の水酸化物の洗浄は、遠心分離等で固液分離を数回繰り返す方法などが使用できる。また、遠心分離、透析、限外ろ過、イオン交換樹脂等によるイオンの除去などにより洗浄することもできる。不純物を除去することにより、波長450〜600nmの光に対する吸光度を調整することができる。
前記で得られた砥粒が凝集している場合、適切な方法で水中に分散させることができる。主な分散媒である水に砥粒を分散させる方法としては、撹拌機による分散処理の他に、ホモジナイザ、超音波分散機、湿式ボールミル等による機械的な分散処理であってもよい。分散方法及び粒径制御方法については、例えば非特許文献1に記述されている方法を用いることができる。また、前記の洗浄処理を行って、砥粒を含む分散液の電気伝導度を下げる(例えば500mS/m以下)ことによっても、砥粒の分散性を高めることができる。そのため、前記洗浄処理を分散処理として適用してもよく、前記洗浄処理と分散処理とを併用してもよい。
(添加剤)
本実施形態に係る研磨液は、添加剤を含有する。ここで、「添加剤」とは、研磨速度、研磨選択性等の研磨特性;砥粒の分散性、保存安定性等の研磨液特性などを調整するために、液状媒体及び砥粒以外に研磨液が含有する物質を指す。
[必須の添加剤:芳香族ポリオキシアルキレン化合物(第1の添加剤)]
本実施形態に係る研磨液は、必須の添加剤として芳香族ポリオキシアルキレン化合物(芳香環及びポリオキシアルキレン鎖を有する高分子化合物)を含有する。芳香族ポリオキシアルキレン化合物は、例えば、芳香環を有する置換基をポリオキシアルキレン鎖の末端に導入した化合物である。芳香環は、ポリオキシアルキレン鎖に直接結合していてもよく、直接結合していなくてもよい。芳香環は、単環であってもよく、多環であってもよい。芳香族ポリオキシアルキレン化合物は、一つのポリオキシアルキレン鎖に対して芳香環を有する置換基が一つ結合する構造を有していてもよい。芳香族ポリオキシアルキレン化合物は、芳香環を有する置換基が、「−O−」を介して、ポリオキシアルキレン鎖のアルキレン基に結合した構造を有していてもよい。ポリオキシアルキレン鎖は、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖が好ましい。ポリオキシアルキレン鎖におけるオキシアルキレン構造単位の数は、5以上が好ましい。
芳香族ポリオキシアルキレン化合物は、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒の凝集を抑制しつつ(分散安定性を保ちつつ)、ストッパ材料(例えば窒化珪素)の研磨速度が過度に高くなることを抑制する効果(研磨抑制剤としての効果)を有する。
芳香環を有する置換基としては、例えば、置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。当該アリール基としては、芳香族ポリオキシアルキレン化合物の末端に、芳香環を導入し得るアリール基等が好ましい。アリール基としては、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基等の単環芳香族基;ナフチル基等の多環芳香族基などが挙げられ、これらの芳香族基は置換基を更に有していてもよい。芳香族基に導入される置換基としては、アルキル基、ビニル基、アリル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲノ基、ヒドロキシ基、カルボニル基、ニトロ基、アミノ基、芳香族基等が挙げられ、アルキル基及び芳香族基が好ましい。芳香族基に導入される置換基としての芳香族基は、例えば、スチレン基(スチレンに由来する基。−CH(CH3)−Ph等(ここで、−Phは、フェニル基を表す))であってもよい。
前記芳香族ポリオキシアルキレン化合物としては、下記式(I)で表される化合物等が挙げられる。
R11−O−(R12−O)m1−H …(I)
[式(I)中、R11は、置換基を有していてもよいアリール基を表し、R12は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基を表し、m1は、5以上の整数を表す。]
ポリカルボン酸又はポリカルボン酸塩による4価金属元素の水酸化物を含む砥粒の凝集を更に抑制する観点から、式(I)は下記条件の少なくとも一つを満たすことが好ましい。
・R11としては、芳香環を有する置換基として例示した上記のアリール基が好ましく、アルキル基又は芳香族基が置換基として導入されたフェニル基がより好ましい。
・R12としては、エチレン基、n−プロピレン基が好ましい。
・m1は、10以上がより好ましく、20以上が更に好ましく、30以上が特に好ましい。
・m1は、2000以下が好ましく、900以下がより好ましく、600以下が更に好ましく、300以下が特に好ましい。
同様の観点で、前記式(I)で表される化合物は、下記式(II)で表される化合物及び下記式(III)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、下記式(II)で表される化合物を含むことがより好ましい。
[式(II)中、R
31は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基を表し、m2は、1〜3の整数を表し、m3は、5以上の整数を表す。]
[式(III)中、R
41は、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R
42は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基を表し、m4は、5以上の整数を表す。]
ポリカルボン酸又はポリカルボン酸塩による4価金属元素の水酸化物を含む砥粒の凝集を更に抑制する観点から、式(II)又は式(III)は、下記条件の少なくとも一つを満たすことが好ましい。
・R31としては、エチレン基、n−プロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
・R41としては、炭素数1〜40のアルキル基が好ましく、炭素数6〜20のアルキル基がより好ましい。
・R42としては、エチレン基、n−プロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
・m2は、1以上が好ましく、2以上がより好ましい。
・m3は、10以上がより好ましく、20以上が更に好ましく、30以上が特に好ましい。
・m3は、2000以下が好ましく、900以下がより好ましく、600以下が更に好ましく、300以下が特に好ましい。
・m4は、10以上がより好ましく、20以上が更に好ましく、30以上が特に好ましい。
・m4は、2000以下が好ましく、900以下がより好ましく、600以下が更に好ましく、300以下が特に好ましい。
式(I)で表される芳香族ポリオキシアルキレン化合物としては、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(例えば、花王株式会社製、エマルゲンA−500;及び、第一工業製薬株式会社製、ノイゲンEA−7シリーズ(例えば、ノイゲンEA−137))等の前記式(II)で表される芳香族ポリオキシアルキレン化合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、第一工業製薬株式会社製、エマルジットシリーズ)等の式(III)で表される芳香族ポリオキシアルキレン化合物などが挙げられる。また、式(I)で表される化合物の具体例は、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物を更に置換した化合物を含む。式(III)で表される化合物を更に置換した化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル(例えば、第一工業製薬株式会社製、アクアロンRNシリーズ)が挙げられる。
本実施形態に係る研磨液において、芳香族ポリオキシアルキレン化合物は、砥粒の凝集抑制、研磨選択性及び平坦性等の研磨特性を調整する目的で、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
芳香族ポリオキシアルキレン化合物の重量平均分子量の下限は、砥粒の凝集を更に抑制する観点から、300以上が好ましく、500以上がより好ましく、700以上が更に好ましく、900以上が特に好ましい。芳香族ポリオキシアルキレン化合物の重量平均分子量の上限は、砥粒の凝集が更に抑制され、研磨選択性が更に向上する観点から、100000以下が好ましく、50000以下がより好ましく、30000以下が更に好ましく、20000以下が特に好ましく、15000以下が極めて好ましく、10000以下が非常に好ましい。
なお、芳香族ポリオキシアルキレン化合物の重量平均分子量は、例えば、標準ポリスチレンの検量線を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により下記の条件で測定することができる。
使用機器:日立L−6000型〔株式会社日立製作所製〕
カラム:ゲルパックGL−R420+ゲルパックGL−R430+ゲルパックGL−R440〔日立化成株式会社製 商品名、計3本〕
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:1.75mL/分
検出器:L−3300RI〔株式会社日立製作所製〕
芳香族ポリオキシアルキレン化合物の含有量は、砥粒の凝集を更に抑制する(分散安定性を更に良好に保つ)観点、ストッパ材料の研磨速度を更に抑制しつつ、絶縁材料を更に高い研磨速度で研磨する観点、被研磨面における研磨傷の発生を更に抑制する観点から、研磨液の全質量を基準として0.01質量%以上であることが好ましい。同様の観点で、芳香族ポリオキシアルキレン化合物の含有量の下限は、研磨液の全質量を基準として0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、0.2質量%以上が特に好ましい。芳香族ポリオキシアルキレン化合物の含有量の上限は、特に制限はないが、安定性及び生産性に優れる観点から、研磨液の全質量を基準として10.0質量%以下が好ましく、5.0質量%以下がより好ましく、3.0質量%以下が更に好ましく、2.0質量%以下が特に好ましく、1.0質量%以下が極めて好ましい。芳香族ポリオキシアルキレン化合物として複数の化合物を用いる場合、各化合物の含有量の合計が前記範囲を満たしていることが好ましい。
[必須の添加剤:ポリカルボン酸及びポリカルボン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種のポリカルボン酸類(第2の添加剤)]
本実施形態に係る研磨液は、第1の添加剤(芳香族ポリオキシアルキレン化合物)の他に、必須の添加剤としてポリカルボン酸及びポリカルボン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種のポリカルボン酸類を含有する。前記ポリカルボン酸類は、官能基としてカルボキシル基、カルボン酸塩基より選択される少なくとも一種を含有する。カルボン酸塩基の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。前記ポリカルボン酸類は、ストッパ材料(例えば窒化珪素)の研磨速度が過度に高くなることを抑制する効果(研磨抑制剤としての効果)を有する。また、ポリカルボン酸類を用いることにより、ストッパの露出後の絶縁材料(例えば酸化珪素)の研磨を抑制することで、高い平坦性を得ることもできる。第1の添加剤(芳香族ポリオキシアルキレン化合物)が作用することで、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒の凝集を抑制しつつ(分散安定性を保ちつつ)、ストッパ材料(例えば窒化珪素)の研磨速度が過度に高くなることを抑制する効果(研磨抑制剤としての効果)を有する。第1の添加剤(芳香族ポリオキシアルキレン化合物)が砥粒へ吸着して被覆することにより、ポリカルボン酸類による4価金属元素の水酸化物の粒子の凝集が抑制され、絶縁材料を高い研磨速度で研磨できると共に、ストッパ材料の研磨速度を充分に抑制できるものと推測される。
前記ポリカルボン酸類としては、絶縁材料を更に高い研磨速度で研磨しやすくなると共に、ストッパ材料の研磨速度を更に抑制しやすくなる観点から、スチレン由来の構造単位、オレフィン由来の構造単位、アクリル酸由来の構造単位、メタクリル酸由来の構造単位、マレイン酸由来の構造単位、及び、酢酸ビニル由来の構造単位からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ジイソブチレン等が挙げられる。また、前記ポリカルボン酸類は、絶縁材料を更に高い研磨速度で研磨しやすくなると共に、ストッパ材料の研磨速度を更に抑制しやすくなる観点から、ポリスチレン鎖、ポリオレフィン鎖(ポリエチレン鎖、ポリプロピレン鎖、ポリジイソブチレン鎖等)、ポリエステル鎖、ポリアクリル酸鎖(ポリアクリル鎖)、ポリメタクリル酸鎖(ポリメタクリル鎖)、ポリマレイン酸鎖、ポリ酢酸ビニル鎖、及び、これらのポリマ鎖の構造単位を有する共重合体鎖からなる群より選択される少なくとも一種を含むことがより好ましい。
共重合体鎖において、構造単位の配列は任意である。共重合体鎖としては、例えば、(a)それぞれ同種の構造単位が連続したブロック共重合体鎖、(b)構造単位A及び構造単位Bが特に秩序なく配列したランダム共重合体鎖、及び、(c)構造単位A及び構造単位Bが交互に配列した交互共重合鎖が挙げられる。
前記ポリカルボン酸類は、砥粒の凝集を更に抑制する観点、絶縁材料を更に高い研磨速度で研磨しやすくなると共に、ストッパ材料の研磨速度を更に抑制しやすくなる観点から、疎水性の構造単位と親水性の構造単位とを有する共重合体であることが好ましい。前記ポリカルボン酸類としての、疎水性の構造単位と親水性の構造単位とを有する共重合体としては、砥粒の凝集を更に抑制する観点、絶縁材料を更に高い研磨速度で研磨しやすくなると共に、ストッパ材料の研磨速度を更に抑制しやすくなる観点から、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、オレフィン−アクリル酸共重合体、オレフィン−メタクリル酸共重合体、及び、オレフィン−マレイン酸、並びにこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
本実施形態に係る研磨液において、前記ポリカルボン酸類は、研磨選択性、平坦性等の研磨特性を調整する目的で、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
前記ポリカルボン酸類の重量平均分子量の上限は、特に制限はないが、適切な作業性及び起泡性が得られやすい観点から、200000以下が好ましく、100000以下がより好ましく、50000以下が更に好ましく、30000以下が特に好ましく、20000以下が極めて好ましい。前記ポリカルボン酸類の重量平均分子量の下限は、研磨選択性及び平坦性を更に向上させる観点から、500以上が好ましく、1000以上がより好ましく、2000以上が更に好ましい。なお、ポリカルボン酸類の重量平均分子量は、例えば、標準ポリスチレンの検量線を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により下記の条件で測定することができる。
使用機器:ACQUITY APCシステム[Waters社製]
カラム:Waters ACQUITY APC XT 200+Waters ACQUITY APC XT 45+Waters ACQUITY APC XT 45[Waters社製 商品名、計3本]
溶離液:テトラヒドロフラン
カラム温度:45℃
検出器:ACQUITY 示差屈折計(RI)検出器[Waters社製]
RI温度:45℃
データ処理:Empower 3[Waters社製]
注入量:10μL
前記ポリカルボン酸類の含有量の下限は、研磨選択性及び平坦性を更に向上させる観点から、研磨液の全質量を基準として、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましい。前記ポリカルボン酸類の含有量の上限は、適度な研磨速度を得やすい観点から、研磨液の全質量を基準として、0.1質量%以下が好ましく、0.08質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下が更に好ましい。なお、前記ポリカルボン酸類として複数の化合物を用いる場合、各化合物の含有量の合計が前記範囲を満たしていることが好ましい。これらの観点から、前記ポリカルボン酸及び前記ポリカルボン酸塩の合計含有量は、研磨液の全質量を基準として、例えば、0.001質量%以上0.1質量%以下であってもよく、0.005質量%以上0.08質量%以下であってもよく、0.01質量%以上0.05質量%以下であってもよい。
[任意の添加剤]
本実施形態に係る研磨液は、研磨特性を調整する目的で、前記第1の添加剤及び前記第2の添加剤の他に、任意の添加剤(前記芳香族ポリオキシアルキレン化合物及びポリカルボン酸類に該当する化合物を除く)を更に含有していてもよい。任意の添加剤としては、ポリオキシアルキレン化合物、陽イオン性ポリマ、カルボン酸、アミノ酸、水溶性高分子、酸化剤(例えば過酸化水素)等が挙げられる。これらの添加剤のそれぞれは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
任意の添加剤は、ストッパ材料(例えば窒化珪素)の研磨速度が過度に高くなることを更に抑制する効果がある。また、任意の添加剤を用いることにより、ストッパの露出後の絶縁材料(例えば酸化珪素)の研磨を抑制することで、更に高い平坦性を得ることもできる。任意の添加剤が絶縁材料及びストッパ材料を被覆することにより、砥粒による研磨の進行が緩和されて研磨速度が過度に高くなることが抑制されるものと推測される。
ポリオキシアルキレン化合物としては、ポリアルキレングリコール、ポリオキシアルキレン誘導体等が挙げられる。
ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等が挙げられる。ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ポリエチレングリコールがより好ましい。
ポリオキシアルキレン誘導体は、例えば、ポリアルキレングリコールに官能基若しくは置換基を導入した化合物、又は、有機化合物にポリアルキレンオキシドを付加した化合物である。前記官能基又は置換基としては、例えば、アルキルエーテル基、グリセリルエーテル基、アルキルアミン基、脂肪酸エステル基、グリコールエステル基等が挙げられる。ポリオキシアルキレン誘導体としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテル(例えば、阪本薬品工業株式会社製、SC−Eシリーズ及びSC−Pシリーズ)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、第一工業製薬株式会社製、ソルゲンTWシリーズ)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(例えば、花王株式会社製、エマノーンシリーズ)、ポリオキシエチレンアルキルアミン(例えば、第一工業製薬株式会社製、アミラヂンD)、並びに、その他のポリアルキレンオキシドを付加した化合物(例えば、日信化学工業株式会社製、サーフィノール465及び日本乳化剤株式会社製、TMPシリーズ)が挙げられる。
ポリオキシアルキレン化合物の重量平均分子量の上限は、特に制限はないが、適切な作業性及び起泡性が得られやすい観点から、100000以下が好ましく、50000以下がより好ましく、20000以下が更に好ましく、10000以下が特に好ましく、5000以下が極めて好ましい。ポリオキシアルキレン化合物の重量平均分子量の下限は、研磨選択性及び平坦性を更に向上させる観点から、200以上が好ましく、400以上がより好ましく、500以上が更に好ましい。なお、ポリオキシアルキレン化合物の重量平均分子量は、例えば、標準ポリスチレンの検量線を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により下記の条件で測定することができる。
使用機器:日立L−6000型[株式会社日立製作所製]
カラム:ゲルパックGL−R420+ゲルパックGL−R430+ゲルパックGL−R440[日立化成株式会社 商品名、計3本]
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:1.75mL/分
検出器:L−3300RI[株式会社日立製作所製]
ポリオキシアルキレン化合物を使用する場合、ポリオキシアルキレン化合物の含有量の下限は、研磨選択性及び平坦性を更に向上させる観点から、研磨液の全質量を基準として、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、0.3質量%以上が特に好ましい。ポリオキシアルキレン化合物の含有量の上限は、適度な研磨速度を得やすい観点から、研磨液の全質量を基準として、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。なお、ポリオキシアルキレン化合物として複数の化合物を用いる場合、各化合物の含有量の合計が前記範囲を満たしていることが好ましい。
陽イオン性ポリマとは、カチオン基、又は、カチオン基にイオン化され得る基を、主鎖又は側鎖に有するポリマとして定義される。カチオン基としては、アミノ基、イミノ基、シアノ基等が挙げられる。
陽イオン性ポリマは、芳香族ポリオキシアルキレン化合物と併用することにより、ストッパ材料の研磨速度が過度に高くなることを更に抑制する効果がある。また、陽イオン性ポリマは、芳香族ポリオキシアルキレン化合物がストッパ材料に加えて絶縁材料を過度に被覆することにより絶縁材料の研磨速度が低下することを抑制可能であり、絶縁材料の研磨速度を向上させる効果もある。そのため、芳香族ポリオキシアルキレン化合物と陽イオン性ポリマとを併用した場合、陽イオン性ポリマが芳香族ポリオキシアルキレン化合物と相互作用することにより、ストッパ材料の研磨速度を更に抑制することができると共に、絶縁材料の研磨速度を向上させることができると考えられる。
陽イオン性ポリマは、例えば、アリルアミン、ジアリルアミン、ビニルアミン、エチレンイミン及びこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも一種の単量体成分を重合させることにより得ることができる。陽イオン性ポリマは、例えば、アリルアミン重合体、ジアリルアミン重合体、ビニルアミン重合体及びエチレンイミン重合体からなる群より選択される少なくとも一種である。
アリルアミン重合体は、アリルアミン又はその誘導体を重合させることにより得られる重合体である。アリルアミン誘導体としては、アルコキシカルボニル化アリルアミン、メチルカルボニル化アリルアミン、アミノカルボニル化アリルアミン、尿素化アリルアミン等が挙げられる。
ジアリルアミン重合体は、ジアリルアミン又はその誘導体を重合させることにより得られる重合体である。ジアリルアミン誘導体としては、メチルジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩、ジアリルメチルエチルアンモニウム塩、アシル化ジアリルアミン、アミノカルボニル化ジアリルアミン、アルコキシカルボニル化ジアリルアミン、アミノチオカルボニル化ジアリルアミン、ヒドロキシアルキル化ジアリルアミン等が挙げられる。アンモニウム塩としては、アンモニウムクロリド、アンモニウムアルキルサルフェイト(例えばアンモニウムエチルサルフェイト)等が挙げられる。
ビニルアミン重合体は、ビニルアミン又はその誘導体を重合させることにより得られる重合体である。ビニルアミン誘導体としては、アルキル化ビニルアミン、アミド化ビニルアミン、エチレンオキサイド化ビニルアミン、プロピレンオキサイド化ビニルアミン、アルコキシ化ビニルアミン、カルボキシメチル化ビニルアミン、アシル化ビニルアミン、尿素化ビニルアミン等が挙げられる。
エチレンイミン重合体は、エチレンイミン又はその誘導体を重合させることにより得られる重合体である。エチレンイミン誘導体としては、アミノエチル化アクリル重合体、アルキル化エチレンイミン、尿素化エチレンイミン、プロピレンオキサイド化エチレンイミン等が挙げられる。
陽イオン性ポリマは、アリルアミン、ジアリルアミン、ビニルアミン、エチレンイミン及びこれらの誘導体以外の単量体成分由来の構造単位を有していてもよく、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、マレイン酸、二酸化硫黄等に由来する構造単位を有していてもよい。
陽イオン性ポリマは、アリルアミン、ジアリルアミン、ビニルアミン又はエチレンイミンの単独重合体(ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリビニルアミン又はポリエチレンイミン)であってもよく、アリルアミン、ジアリルアミン、ビニルアミン、エチレンイミン又はこれらの誘導体由来の構造単位を有する共重合体であってもよい。共重合体において構造単位の配列は任意である。共重合体としては、例えば、(a)それぞれ同種の構造単位が連続したブロック共重合体、(b)構造単位A及び構造単位Bが特に秩序なく配列したランダム共重合体、(c)構造単位A及び構造単位Bが交互に配列した交互共重合体等が挙げられる。
陽イオン性ポリマの重量平均分子量の下限は、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を更に向上させる観点から、100以上が好ましく、300以上がより好ましく、500以上が更に好ましい。陽イオン性ポリマの重量平均分子量の上限は、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を更に向上させる観点から、1000000以下が好ましく、600000以下がより好ましく、300000以下が更に好ましい。
なお、陽イオン性ポリマの重量平均分子量は、例えば、標準ポリスチレンの検量線を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により下記の条件で測定することができる。
使用機器:日立L−6000型[株式会社日立製作所製]
カラム:ゲルパックGL−R420+ゲルパックGL−R430+ゲルパックGL−R440[日立化成株式会社製 商品名、計3本]
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:1.75mL/分
検出器:L−3300RI[株式会社日立製作所製]
陽イオン性ポリマを使用する場合、陽イオン性ポリマの含有量の下限は、研磨選択性及び平坦性を更に向上させる観点から、研磨液の全質量を基準として、0.0001質量%以上が好ましく、0.0002質量%以上がより好ましく、0.0005質量%以上が更に好ましい。陽イオン性ポリマの含有量の上限は、研磨選択性を更に向上させる観点から、研磨液の全質量を基準として、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以下が特に好ましく、0.1質量%以下が極めて好ましく、0.05質量%以下が非常に好ましく、0.01質量%以下が特に好ましい。なお、陽イオン性ポリマとして複数の化合物を用いる場合、各化合物の含有量の合計が前記範囲を満たしていることが好ましい。陽イオン性ポリマの含有量は、絶縁材料の研磨速度、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性、及び、平坦性を更に向上させる観点から、絶縁材料の作製方法(種類及び膜付け条件)に応じて適宜調整することが好ましい。
カルボン酸、アミノ酸、水溶性高分子又は酸化剤を使用する場合、その含有量は、砥粒の沈降を抑制しつつ添加剤の添加効果が得られる観点から、研磨液の全質量を基準として0.0001質量%以上10質量%以下が好ましい。なお、これらの添加剤として複数の化合物を用いる場合、各化合物の含有量の合計が前記範囲を満たしていることが好ましい。
カルボン酸は、pHを安定化させると共に絶縁材料の研磨速度を更に向上させる効果がある。カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸等が挙げられる。
アミノ酸は、砥粒(4価金属元素の水酸化物を含む砥粒)の分散性を更に向上させ、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる効果がある。アミノ酸としては、アルギニン、リシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、プロリン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、グリシン、アラニン、β−アラニン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン等が挙げられる。
水溶性高分子は、平坦性、面内均一性、窒化珪素に対する酸化珪素の研磨選択性(酸化珪素の研磨速度/窒化珪素の研磨速度)、ポリシリコンに対する酸化珪素の研磨選択性(酸化珪素の研磨速度/ポリシリコンの研磨速度)等の研磨特性を調整する効果がある。ここで、「水溶性高分子」とは、水100gに対して0.1g以上溶解する高分子として定義する。なお、前記芳香族ポリオキシアルキレン化合物、ポリカルボン酸類、ポリオキシアルキレン化合物及び陽イオン性ポリマに該当する高分子は「水溶性高分子」に含まれないものとする。
水溶性高分子としては、特に制限はなく、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド等のアクリル系ポリマ;アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン、デキストリン、シクロデキストリン、プルラン等の多糖類;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクロレイン等のビニル系ポリマ;ポリグリセリン、ポリグリセリン誘導体等のグリセリン系ポリマなどが挙げられる。水溶性高分子は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
水溶性高分子を使用する場合、水溶性高分子の含有量の下限は、砥粒の沈降を抑制しつつ水溶性高分子の添加効果が得られる観点から、研磨液の全質量を基準として、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましい。水溶性高分子の含有量の上限は、砥粒の沈降を抑制しつつ水溶性高分子の添加効果が得られる観点から、研磨液の全質量を基準として、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。水溶性高分子として複数の化合物を用いる場合、各化合物の含有量の合計が前記範囲を満たしていることが好ましい。
(液状媒体)
本実施形態に係る研磨液における液状媒体としては、特に制限はないが、脱イオン水、超純水等の水が好ましい。液状媒体の含有量は、他の構成成分の含有量を除いた研磨液の残部でよく、特に限定されない。
(研磨液の特性)
本実施形態に係る研磨液のpH(25℃)は、研磨液の保存安定性及びストッパ材料の研磨抑制効果に更に優れる観点から、2.0〜8.0が好ましい。研磨液のpHは、主に研磨速度に影響する。pHの下限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、2.5以上がより好ましく、3.0以上が更に好ましく、3.5以上が特に好ましく、4.0以上が極めて好ましい。pHの上限は、ストッパ材料の研磨抑制効果を更に向上させる観点から、7.5以下がより好ましく、7.0以下が更に好ましい。
研磨液のpHは、無機酸、有機酸等の酸成分;アンモニア、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、イミダゾール等のアルカリ成分などによって調整できる。また、pHを安定化させるため、緩衝剤を添加してもよい。また、緩衝液(緩衝剤を含む液)として緩衝剤を添加してもよい。このような緩衝液としては、酢酸塩緩衝液、フタル酸塩緩衝液等が挙げられる。
本実施形態に係る研磨液のpHは、pHメータ(例えば、電気化学計器株式会社製の型番PHL−40)で測定することができる。具体的には例えば、フタル酸塩pH緩衝液(pH:4.01)と中性リン酸塩pH緩衝液(pH:6.86)を標準緩衝液として用いてpHメータを2点校正した後、pHメータの電極を研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定する。このとき、標準緩衝液と研磨液の液温は共に25℃とする。
本実施形態に係る研磨液は、砥粒と、前記芳香族ポリオキシアルキレン化合物と、前記ポリカルボン酸類と、液状媒体とを少なくとも含む一液式研磨液として保存してもよく、スラリ(第1の液)と添加液(第2の液)とを混合して前記研磨液となるように前記研磨液の構成成分をスラリと添加液とに分けた複数液式(例えば二液式)の研磨液セットとして保存してもよい。スラリは、例えば、砥粒及び液状媒体を少なくとも含む。添加液は、例えば、前記芳香族ポリオキシアルキレン化合物、ポリカルボン酸類及び液状媒体を少なくとも含む。前記芳香族ポリオキシアルキレン化合物、ポリカルボン酸類、任意の添加剤、及び、緩衝剤は、スラリ及び添加液のうち添加液に含まれることが好ましい。なお、前記研磨液の構成成分は、三液以上に分けた研磨液セットとして保存してもよい。
前記研磨液セットにおいては、研磨直前又は研磨時に、スラリ及び添加液が混合されて研磨液が作製される。また、一液式研磨液は、液状媒体の含有量を減じた研磨液用貯蔵液として保存されると共に、研磨時に液状媒体で希釈して用いられてもよい。複数液式の研磨液セットは、液状媒体の含有量を減じたスラリ用貯蔵液及び添加液用貯蔵液として保存されると共に、研磨時に液状媒体で希釈して用いられてもよい。
一液式研磨液の場合、研磨定盤上への研磨液の供給方法としては、研磨液を直接送液して供給する方法;研磨液用貯蔵液及び液状媒体を別々の配管で送液し、これらを合流、混合させて供給する方法;あらかじめ研磨液用貯蔵液及び液状媒体を混合しておき供給する方法等を用いることができる。
スラリと添加液とに分けた複数液式の研磨液セットとして保存する場合、これらの液の配合を任意に変えることにより研磨速度を調整することができる。研磨液セットを用いて研磨する場合、研磨定盤上への研磨液の供給方法としては、下記に示す方法がある。例えば、スラリと添加液とを別々の配管で送液し、これらの配管を合流、混合させて供給する方法;スラリ用貯蔵液、添加液用貯蔵液及び液状媒体を別々の配管で送液し、これらを合流、混合させて供給する方法;あらかじめスラリ及び添加液を混合しておき供給する方法;あらかじめスラリ用貯蔵液、添加液用貯蔵液及び液状媒体を混合しておき供給する方法等を用いることができる。また、前記研磨液セットにおけるスラリと添加液とをそれぞれ研磨定盤上へ供給する方法を用いることもできる。この場合、研磨定盤上においてスラリ及び添加液が混合されて得られる研磨液を用いて被研磨面が研磨される。
なお、本実施形態に係る研磨液セットは、前記必須成分を少なくとも含有する研磨液と、酸化剤(例えば過酸化水素)等の任意成分を少なくとも含む添加液とに分けた態様であってもよい。この場合、研磨液及び添加液が混合されて得られた混合液(当該混合液も「研磨液」に相当する)を用いて研磨が行われる。また、本実施形態に係る研磨液セットは、三液以上に分けた研磨液セットとして、前記必須成分の一部を少なくとも含有する液と、前記必須成分の残部を少なくとも含有する液と、任意成分を少なくとも含む添加液とに分けた態様であってもよい。研磨液セットを構成する各液は、液状媒体の含有量を減じた貯蔵液として保存されてもよい。
<基体の研磨方法>
本実施形態に係る基体の研磨方法は、前記一液式研磨液を用いて基体の被研磨面を研磨する研磨工程を備えていてもよく、前記研磨液セットにおけるスラリと添加液とを混合して得られる研磨液を用いて基体の被研磨面を研磨する研磨工程を備えていてもよい。
また、本実施形態に係る基体の研磨方法は、絶縁材料及び窒化珪素を有する基体の研磨方法であってもよく、例えば、前記一液式研磨液、又は、前記研磨液セットにおけるスラリと添加液とを混合して得られる研磨液を用いて、絶縁材料を窒化珪素に対して選択的に研磨する研磨工程を備えていてもよい。この場合、基体は、例えば、絶縁材料を含む部材と、窒化珪素を含む部材とを有していてもよい。なお、「材料Aを材料Bに対して選択的に研磨する」とは、同一研磨条件において、材料Aの研磨速度が、材料Bの研磨速度よりも高いことをいう。より具体的には、例えば、材料Bの研磨速度に対する材料Aの研磨速度の研磨速度比が10以上で材料Aを研磨することをいう。
また、本実施形態に係る基体の研磨方法は、絶縁材料及びポリシリコンを有する基体の研磨方法であってもよく、例えば、前記一液式研磨液、又は、前記研磨液セットにおけるスラリと添加液とを混合して得られる研磨液を用いて、絶縁材料をポリシリコンに対して選択的に研磨する研磨工程を備えていてもよい。この場合、基体は、例えば、絶縁材料を含む部材と、ポリシリコンを含む部材とを有していてもよい。
研磨工程では、例えば、被研磨材料を有する基体の当該被研磨材料を研磨定盤の研磨パッド(研磨布)に押圧した状態で、前記研磨液を被研磨材料と研磨パッドとの間に供給し、基体と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨材料の被研磨面を研磨する。研磨工程では、例えば、被研磨材料の少なくとも一部を研磨により除去する。
研磨対象である基体としては、基板等が挙げられ、例えば、半導体素子製造に係る基板(例えば、STIパターン、ゲートパターン、配線パターン等が形成された半導体基板)上に被研磨材料が形成された基板が挙げられる。被研磨材料としては、酸化珪素等の絶縁材料;ポリシリコン、窒化珪素等のストッパ材料などが挙げられる。被研磨材料は、単一の材料であってもよく、複数の材料であってもよい。複数の材料が被研磨面に露出している場合、それらを被研磨材料と見なすことができる。被研磨材料は、膜状であってもよく、酸化珪素膜、ポリシリコン膜、窒化珪素膜等であってもよい。
このような基板上に形成された被研磨材料(例えば酸化珪素等の絶縁材料)を前記研磨液で研磨し、余分な部分を除去することによって、被研磨材料の表面の凹凸を解消し、被研磨材料の表面全体にわたって平滑な面とすることができる。本実施形態に係る研磨液は、酸化珪素を含む被研磨面を研磨するために使用されることが好ましい。
本実施形態では、少なくとも表面に酸化珪素を含む絶縁材料と、絶縁材料の下層に配置されたストッパ(研磨停止層)と、ストッパの下に配置された半導体基板とを有する基体における絶縁材料を研磨することができる。ストッパを構成するストッパ材料は、絶縁材料よりも研磨速度が低い材料であり、ポリシリコン、窒化珪素等が好ましい。このような基体では、ストッパが露出したときに研磨を停止させることにより、絶縁材料が過剰に研磨されることを防止できるため、絶縁材料の研磨後の平坦性を向上させることができる。
本実施形態に係る研磨液により研磨される被研磨材料の作製方法としては、低圧CVD法、準常圧CVD法、プラズマCVD法等のCVD法;回転する基板に液体原料を塗布する回転塗布法などが挙げられる。
酸化珪素は、低圧CVD法を用いて、例えば、モノシラン(SiH4)と酸素(O2)を熱反応させることにより得られる。また、酸化珪素は、準常圧CVD法を用いて、例えば、テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)とオゾン(O3)とを熱反応させることにより得られる。その他の例として、テトラエトキシシランと酸素とをプラズマ反応させることにより、同様に酸化珪素が得られる。
酸化珪素は、回転塗布法を用いて、例えば、無機ポリシラザン、無機シロキサン等を含む液体原料を基板上に塗布し、炉体等で熱硬化反応させることにより得られる。
ポリシリコンの作製方法としては、モノシランを熱反応させる低圧CVD法、モノシランをプラズマ反応させるプラズマCVD法等が挙げられる。
窒化珪素の作製方法としては、例えば、ジクロルシランとアンモニアとを熱反応させる低圧CVD法、モノシラン、アンモニア及び窒素をプラズマ反応させるプラズマCVD法等が挙げられる。以上のような方法で得られた窒化珪素には、材質を調整するために、炭素、水素等のように、シリコンと窒素以外の元素が含まれていてもよい。
以上のような方法で得られた酸化珪素、ポリシリコン、窒化珪素等の材質を安定化させるために、必要に応じて200〜1000℃の温度で熱処理をしてもよい。また、以上のような方法で得られた酸化珪素には、埋込み性を高めるために微量のホウ素(B)、リン(P)、炭素(C)等が含まれていてもよい。
以下、絶縁材料が形成された半導体基板の研磨方法を一例に挙げて、本実施形態に係る研磨方法を説明する。本実施形態に係る研磨方法において、研磨装置としては、被研磨面を有する半導体基板等の基体を保持可能なホルダーと、研磨パッドを貼り付け可能な研磨定盤とを有する一般的な研磨装置を使用できる。ホルダー及び研磨定盤のそれぞれには、回転数が変更可能なモータ等が取り付けてある。研磨装置としては、例えば、APPLIED MATERIALS社製の研磨装置:Reflexionを使用できる。
研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡体、非発泡体等が使用できる。研磨パッドの材質としては、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリエステル、アクリル−エステル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン、セルロース、セルロースエステル、ポリアミド(例えば、ナイロン(商標名)及びアラミド)、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリシロキサン共重合体、オキシラン化合物、フェノール樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂等の樹脂が使用できる。研磨パッドの材質としては、特に、研磨速度及び平坦性に更に優れる観点から、発泡ポリウレタン及び非発泡ポリウレタンが好ましい。研磨パッドには、研磨液がたまるような溝加工が施されていることが好ましい。
研磨条件に制限はないが、研磨定盤の回転速度は、半導体基板が飛び出さないように200min−1以下が好ましく、半導体基板にかける研磨圧力(加工荷重)は、研磨傷が発生することを充分に抑制する観点から、100kPa以下が好ましい。研磨している間、ポンプ等で連続的に研磨液を研磨パッドに供給することが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中でよく洗浄して、基板に付着した粒子を除去することが好ましい。洗浄には、純水以外に希フッ酸又はアンモニア水を併用してもよく、洗浄効率を高めるためにブラシを併用してもよい。また、洗浄後は、スピンドライヤ等を用いて、半導体基板に付着した水滴を払い落としてから半導体基板を乾燥させることが好ましい。
本実施形態に係る研磨液、研磨液セット及び研磨方法は、STIの形成に好適に使用できる。STIを形成するためには、ストッパ材料(例えば窒化珪素)に対する絶縁材料(例えば酸化珪素)の研磨速度比は、10以上であることが好ましい。前記研磨速度比が10未満であると、ストッパ材料の研磨速度に対する絶縁材料の研磨速度の大きさが小さく、STIを形成する際に所定の位置で研磨を停止しにくくなる傾向がある。一方、前記研磨速度比が10以上であれば、研磨の停止が容易になり、STIの形成に更に好適である。絶縁材料(例えば酸化珪素)の研磨速度は、20nm/分以上が好ましく、30nm/分以上がより好ましく、40nm/分以上が更に好ましい。ストッパ材料(例えば窒化珪素)の研磨速度は、20nm/分以下が好ましく、10nm/分以下がより好ましく、5nm/分以下が更に好ましい。
本実施形態に係る研磨液、研磨液セット及び研磨方法は、プリメタル絶縁材料の研磨にも使用できる。プリメタル絶縁材料としては、酸化珪素の他、例えば、リン−シリケートガラス、ボロン−リン−シリケートガラスが使用され、さらに、シリコンオキシフロリド、フッ化アモルファスカーボン等も使用できる。
本実施形態に係る研磨液、研磨液セット及び研磨方法は、酸化珪素等の絶縁材料以外の材料にも適用できる。このような材料としては、Hf系、Ti系、Ta系酸化物等の高誘電率材料;シリコン、アモルファスシリコン、SiC、SiGe、Ge、GaN、GaP、GaAs、有機半導体等の半導体材料;GeSbTe等の相変化材料;ITO等の無機導電材料;ポリイミド系、ポリベンゾオキサゾール系、アクリル系、エポキシ系、フェノール系等のポリマ樹脂材料などが挙げられる。
本実施形態に係る研磨液、研磨液セット及び研磨方法は、膜状の研磨対象だけでなく、ガラス、シリコン、SiC、SiGe、Ge、GaN、GaP、GaAs、サファイヤ又はプラスチック等から構成される各種基板にも適用できる。
本実施形態に係る研磨液、研磨液セット及び研磨方法は、半導体素子の製造だけでなく、TFT、有機EL等の画像表示装置;フォトマスク、レンズ、プリズム、光ファイバー、単結晶シンチレータ等の光学部品;光スイッチング素子、光導波路等の光学素子;固体レーザ、青色レーザLED等の発光素子;磁気ディスク、磁気ヘッド等の磁気記憶装置の製造に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<4価金属元素の水酸化物の合成>
350gのCe(NH4)2(NO3)650質量%水溶液(日本化学産業株式会社製、商品名:CAN50液)を7825gの純水と混合して溶液を得た。次いで、この溶液を攪拌しながら、750gのイミダゾール水溶液(10質量%水溶液、1.47mol/L)を5mL/分の混合速度で滴下して、セリウム水酸化物を含む沈殿物を得た。セリウム水酸化物の合成は、温度25℃、撹拌速度400min−1で行った。撹拌は、羽根部全長5cmの3枚羽根ピッチパドルを用いて行った。
得られたセリウム水酸化物を含む沈殿物を遠心分離(4000min−1、5分間)した後に、デカンテーションで液相を除去することによって固液分離を施した。固液分離により得られた粒子10gと水990gとを混合し、超音波洗浄機を用いて粒子を水に分散させて、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液(粒子の含有量:1.0質量%)を調製した。
<平均粒径の測定>
ベックマンコールター株式会社製、商品名:N5を用いてセリウム水酸化物スラリ用貯蔵液におけるセリウム水酸化物粒子の平均粒径を測定したところ、25nmであった。測定法は下記のとおりである。まず、1.0質量%のセリウム水酸化物粒子を含む測定サンプル(水分散液)を1cm角のセルに約1mL入れ、N5内にセルを設置した。N5ソフトの測定サンプル情報の屈折率を1.333、粘度を0.887mPa・sに設定し、25℃において測定を行い、Unimodal Size Meanとして表示される値を読み取った。
<砥粒の構造分析>
セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液を適量採取し、真空乾燥して砥粒を単離した後に、純水で充分に洗浄して試料を得た。得られた試料について、FT−IR ATR法による測定を行ったところ、水酸化物イオン(OH−)に基づくピークの他に、硝酸イオン(NO3 −)に基づくピークが観測された。また、同試料について、窒素に対するXPS(N−XPS)測定を行ったところ、NH4 +に基づくピークは観測されず、硝酸イオンに基づくピークが観測された。これらの結果より、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液に含まれる砥粒は、セリウム元素に結合した硝酸イオンを有する粒子を少なくとも一部含有することが確認された。また、セリウム元素に結合した水酸化物イオンを有する粒子を少なくとも一部含有することから、砥粒がセリウム水酸化物を含有することが確認された。これらの結果より、セリウムの水酸化物が、セリウム元素に結合した水酸化物イオンを含むことが確認された。
<吸光度及び光透過率の測定>
セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液を適量採取し、砥粒含有量が0.0065質量%(65ppm)となるように水で希釈して測定サンプル(水分散液)を得た。この測定サンプルを1cm角のセルに約4mL入れ、株式会社日立製作所製の分光光度計(装置名:U3310)内にセルを設置した。波長200〜600nmの範囲で吸光度測定を行い、波長290nmの光に対する吸光度と、波長450〜600nmの光に対する吸光度とを測定した。波長290nmの光に対する吸光度は1.192であり、波長450〜600nmの光に対する吸光度は0.010未満であった。
セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液(粒子の含有量:1.0質量%)を1cm角のセルに約4mL入れ、株式会社日立製作所製の分光光度計(装置名:U3310)内にセルを設置した。波長200〜600nmの範囲で吸光度測定を行い、波長400nmの光に対する吸光度と、波長500nmの光に対する光透過率とを測定した。波長400nmの光に対する吸光度は2.25であり、波長500nmの光に対する光透過率は92%/cmであった。
<CMP用研磨液の調製>
(実施例1)
ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル[花王株式会社製、商品名:エマルゲンA−500、重量平均分子量:3500]5質量%、マレイン酸ジイソブチレン共重合体[花王株式会社製、商品名:デモールEP、重量平均分子量:7000]0.1重量%、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドアクリルアミド共重合体[ニットーボーメディカル株式会社製PAS−J−81、重量平均分子量:200000]0.02質量%、イミダゾール[pH調整剤]0.08質量%、酢酸[pH調整剤]0.1質量%及び水94.70質量%を含有する添加液用貯蔵液100gと、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液50gと、水850gとを混合することにより、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.05質量%、第1の添加剤を0.5質量%、第2の添加剤を0.01質量%、任意の添加剤として、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドアクリルアミド共重合体を0.002質量%含有するpH5.4のCMP用研磨液を調製した。
(実施例2)
酢酸[pH調整剤]の含有量以外は実施例1と同様にして、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.05質量%、第1の添加剤を0.5質量%、第2の添加剤を0.01質量%、任意の添加剤として、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドアクリルアミド共重合体を0.002質量%含有するpH6.2のCMP用研磨液を調製した。
(実施例3)
酢酸[pH調整剤]の含有量以外は実施例1と同様にして、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.05質量%、第1の添加剤を0.5質量%、第2の添加剤を0.01質量%、任意の添加剤として、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドアクリルアミド共重合体を0.002質量%含有するpH7.4のCMP用研磨液を調製した。
(実施例4)
第2の添加剤と酢酸[pH調整剤]の含有量以外は実施例1と同様にして、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.05質量%、第1の添加剤を0.5質量%、第2の添加剤を0.02質量%、任意の添加剤として、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドアクリルアミド共重合体を0.002質量%含有するpH6.0のCMP用研磨液を調製した。
(実施例5)
第2の添加剤と酢酸[pH調整剤]の含有量以外は実施例1と同様にして、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.05質量%、第1の添加剤を0.5質量%、第2の添加剤を0.03質量%、任意の添加剤として、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドアクリルアミド共重合体を0.002質量%含有するpH5.8のCMP用研磨液を調製した。
(実施例6)
第1の添加剤の芳香族ポリオキシアルキレン化合物としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル〔第一工業製薬株式会社製ノイゲンEA−137、重量平均分子量:700〕を用いた以外は実施例1と同様にして、セリウムの水酸化物を含む砥粒を0.05質量%、第1の添加剤を0.5質量%、第2の添加剤を0.01質量%、任意の添加剤として、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドアクリルアミド共重合体を0.002質量%含有するpH6.2のCMP用研磨液を調製した。
(実施例7)
任意の添加剤を用いなかったこと以外は実施例2と同様にして、セリウムの水酸化物を含む砥粒を0.05質量%、第1の添加剤を0.5質量%、第2の添加剤を0.01質量%含有するpH6.2のCMP用研磨液を調製した。
(実施例8)
任意の添加剤を用いなかったこと以外は実施例4と同様にして、セリウムの水酸化物を含む砥粒を0.05質量%、第1の添加剤を0.5質量%、第2の添加剤を0.02質量%含有するpH6.0のCMP用研磨液を調製した。
(比較例1)
イミダゾール[pH調整剤]0.08質量%、酢酸[pH調整剤]0.05質量%及び水99.87質量%を含有する添加液用貯蔵液100gと、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液50gと、水850gとを混合することにより、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.05質量%含有するpH6.0のCMP用研磨液を調製した。
(比較例2)
第2の添加剤を含まない、及び酢酸[pH調整剤]の含有量以外は実施例1〜3と同様にして、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.05質量%、第1の添加剤を0.5質量%、任意の添加剤として、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドアクリルアミド共重合体を0.002質量%含有するpH6.1のCMP用研磨液を調製した。
(比較例3)
第2の添加剤を含まない、及び酢酸[pH調整剤]の含有量以外は実施例7と同様にして、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.05質量%、第1の添加剤を0.5質量%含有するpH6.0のCMP用研磨液を調製した。
(比較例4)
第1の添加剤を含まない以外は実施例7と同様にして、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.05質量%、第2の添加剤を0.01質量%含有するpH6.1のCMP用研磨液を調製した。
(比較例5)
第1の添加剤をポリエチレングリコール[ライオン株式会社製PEG#4000、重量平均分子量:4000]に変更したこと、及び酢酸[pH調整剤]の含有量以外は実施例7と同様にして、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.05質量%、ポリエチレングリコールを0.5質量%、第2の添加剤を0.01質量%含有するpH6.1のCMP用研磨液を調製した。
(比較例6)
第1の添加剤をアセチレンジオールのEO(エチレンオキサイド)付加物[日信化学工業株式会社製サーフィノール465]に変更したこと、及び酢酸[pH調整剤]の含有量以外は実施例7と同様にして、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.05質量%、アセチレンジオールのEO付加物を0.5質量%、第2の添加剤を0.01質量%含有するpH6.0のCMP用研磨液を調製した。
(比較例7)
第1の添加剤をポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル[第一工業製薬株式会社製ノイゲンXL−1000、重量平均分子量:4000]に変更したこと、及び酢酸[pH調整剤]の含有量以外は実施例7と同様にして、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.05質量%、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテルを0.5質量%、第2の添加剤を0.01質量%含有するpH6.2のCMP用研磨液を調製した。
<研磨液物性評価>
(pH測定)
CMP用研磨液のpHは下記の条件で評価した。
測定温度:25±5℃
測定装置:電気化学計器株式会社製、型番PHL−40
測定方法:標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液、pH:4.01(25℃);中性リン酸塩pH緩衝液、pH:6.86(25℃))を用いて2点校正した後、電極をCMP用研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後のpHを前記測定装置により測定した。
(砥粒の粒径測定)
CMP用研磨液中の砥粒(セリウム水酸化物を含む砥粒)の平均粒径は下記の条件で評価した。
測定温度:25±5℃
測定装置:ベックマンコールター株式会社製、商品名:N5
測定方法:CMP用研磨液の原液を1cm角の測定用セルに約1mL入れ、N5内にセルを設置した。N5ソフト内の測定サンプル情報の屈折率を1.333、粘度を0.887mPa・sに設定して測定を行い、Unimodal Size Meanとして表示される値を読み取った。
<CMP評価>
実施例1〜8及び比較例1〜7のCMP用研磨液を用いて、窒化珪素膜を有する基板と、酸化珪素膜を有する基板のそれぞれを下記研磨条件で研磨した。なお、比較例4〜6は、セリウム水酸化物を含む砥粒が凝集沈殿したため、研磨は行わなかった。
(CMP研磨条件)
・研磨装置:Reflexion(APPLIED MATERIALS社製)
・CMP用研磨液流量:200mL/分
・被研磨基板:下記パターンなしウエハ
・研磨パッド:独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂(ROHM AND HAAS ELECTRONIC MATERIALS CMP INC.製、型番IC1010 A6)
・研磨圧力:16.5kPa(2.4psi)
・基板と研磨定盤との相対速度:85m/分
・研磨時間:1分間
・洗浄:CMP処理後、超音波水による洗浄を行った後、スピンドライヤで乾燥させた。
(パターンなしウエハ)
パターンが形成されていないブランケットウエハとして、厚さ1μmの酸化珪素膜をシリコン基板上にプラズマCVD法で形成した基板と、厚さ0.2μmの窒化珪素膜をシリコン基板上にCVD法で形成した基板とを用いた。
(研磨品評価)
[ブランケットウエハ研磨速度]
前記条件で研磨及び洗浄した被研磨基板について、被研磨膜(窒化珪素膜、酸化珪素膜)の研磨速度(窒化珪素膜の研磨速度:SiNRR、酸化珪素膜の研磨速度:SiO2RR)を次式より求めた。なお、研磨前後での被研磨膜の膜厚差は、光干渉式膜厚測定装置(フィルメトリクス社製、商品名:F80)を用いて求めた。
(研磨速度:RR)=(研磨前後での被研磨膜の膜厚差(nm))/(研磨時間(分))
[研磨傷の評価]
前記条件で研磨及び洗浄した被研磨基板(酸化珪素膜を有する基板)を0.5質量%のフッ化水素の水溶液に15秒間浸漬した後に、60秒間水洗した。続いて、PVAブラシで被研磨膜表面を、水を供給しながら1分間洗浄した後に乾燥させた。APPLIED MATERIALS製Complusを用いて、被研磨膜表面の0.2μm以上の欠陥を検出した。さらに、Complusで得られた欠陥検出座標と、APPLIED MATERIALS製SEM Visionとを用いて被研磨膜表面を観測したところ、被研磨膜表面における0.2μm以上の研磨傷の個数は、実施例1〜8及び比較例1〜3のいずれにおいても0〜5(個/ウエハ)程度であり、研磨傷の発生が充分に抑制されていた。
実施例1〜8及び比較例1〜7について得られた各測定結果を表1及び表2に示す。
以下、表1及び表2に示す結果について詳しく説明する。
実施例1〜8及び比較例1〜3の研磨液の平均粒径は、20〜63nmで研磨液が目視で濁るほどのセリウム水酸化物を含む砥粒の凝集は認められなかった。
比較例4〜6の研磨液は、研磨液が濁り、セリウム水酸化物を含む砥粒が凝集して分離が認められた。
比較例7の研磨液は、研磨液が濁り、セリウム水酸化物を含む砥粒が凝集したが分離は認められなかった。
実施例1の窒化珪素膜の研磨速度は1nm/分であり、比較例1〜3より窒化珪素の研磨が抑制されている結果が得られた。また、酸化珪素膜の研磨速度は66nm/分であり、窒化珪素膜に対する酸化珪素膜の研磨選択性は66であり、比較例1〜3より高い結果が得られた。
実施例2の窒化珪素膜の研磨速度は3nm/分であり、比較例1〜3より窒化珪素の研磨が抑制されている結果が得られた。また、酸化珪素膜の研磨速度は132nm/分であり、窒化珪素膜に対する酸化珪素膜の研磨選択性は44であり、比較例1〜3より高い結果が得られた。
実施例3の窒化珪素膜の研磨速度は6nm/分であり、比較例1〜3より窒化珪素の研磨が抑制されている結果が得られた。また、酸化珪素膜の研磨速度は81nm/分であり、窒化珪素膜に対する酸化珪素膜の研磨選択性は14であり、比較例1〜3より高い結果が得られた。
実施例4の窒化珪素膜の研磨速度は1nm/分であり、比較例1〜3より窒化珪素の研磨が抑制されている結果が得られた。また、酸化珪素膜の研磨速度は110nm/分であり、窒化珪素膜に対する酸化珪素膜の研磨選択性は110であり、比較例1〜3より高い結果が得られた。
実施例5の窒化珪素膜の研磨速度は1nm/分であり、比較例1〜3より窒化珪素の研磨が抑制されている結果が得られた。また、酸化珪素膜の研磨速度は85nm/分であり、窒化珪素膜に対する酸化珪素膜の研磨選択性は85であり、比較例1〜3より高い結果が得られた。
実施例6の窒化珪素膜の研磨速度は1nm/分であり、比較例1〜3より窒化珪素の研磨が抑制されている結果が得られた。また、酸化珪素膜の研磨速度は125nm/分であり、窒化珪素膜に対する酸化珪素膜の研磨選択性は125であり、比較例1〜3より高い結果が得られた。
実施例7の窒化珪素膜の研磨速度は3nm/分であり、比較例1〜3より窒化珪素の研磨が抑制されている結果が得られた。また、酸化珪素膜の研磨速度は88nm/分であり、窒化珪素膜に対する酸化珪素膜の研磨選択性は29であり、比較例1〜3より高い結果が得られた。
実施例8の窒化珪素膜の研磨速度は1nm/分であり、比較例1〜3より窒化珪素の研磨が抑制されている結果が得られた。また、酸化珪素膜の研磨速度は45nm/分であり、窒化珪素膜に対する酸化珪素膜の研磨選択性は45であり、比較例1〜3より高い結果が得られた。
比較例1の窒化珪素膜の研磨速度は35nm/分であり、酸化珪素膜の研磨速度は140nm/分であり、窒化珪素膜に対する酸化珪素膜の研磨選択性は4であった。
比較例2の窒化珪素膜の研磨速度は29nm/分であり、酸化珪素膜の研磨速度は180nm/分であり、窒化珪素膜に対する酸化珪素膜の研磨選択性は6であった。
比較例3の窒化珪素膜の研磨速度は34nm/分であり、酸化珪素膜の研磨速度は103nm/分であり、窒化珪素膜に対する酸化珪素膜の研磨選択性は3であった。
比較例7の窒化珪素膜の研磨速度は0nm/分であり、酸化珪素膜の研磨速度は0nm/分であり、窒化珪素膜に対する酸化珪素膜の研磨選択性は得られなかった。