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JP2017218694A - 遮熱性生地、その製造方法及び遮熱性衣服 - Google Patents

遮熱性生地、その製造方法及び遮熱性衣服 Download PDF

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JP2017218694A JP2016113732A JP2016113732A JP2017218694A JP 2017218694 A JP2017218694 A JP 2017218694A JP 2016113732 A JP2016113732 A JP 2016113732A JP 2016113732 A JP2016113732 A JP 2016113732A JP 2017218694 A JP2017218694 A JP 2017218694A
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篤史 白石
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泰 石山
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Mitsuyo Ueno
光代 植野
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Abstract

【課題】紫外線の透過が低減され、且つ遮熱性を有する遮熱性生地、その製造方法及び遮熱性衣服を提供する。
【解決手段】本発明の遮熱性生地は、生地と、前記生地に付着された赤外線及び紫外線を可視光線に変換する化合物を含み、前記赤外線及び紫外線を可視光線に変換する化合物は、クマリン系化合物、ベンゾキサゾール系化合物及びシアノスチリルベンゼン系化合物からなる群から選ばれる一種以上の有機蛍光剤である。本発明の遮熱性生地は、前記の有機蛍光剤を含む水分散液に生地を浸漬して70〜150℃で処理すること、或いは、前記の有機蛍光剤をバインダーによって生地に付着させることで作製することができる。本発明は、遮熱性生地を用いる遮熱性衣服に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線の透過が低減され、且つ遮熱性を有する遮熱性生地、その製造方法及び遮熱性衣服に関する。
従来から繊維や生地等に遮熱性を持たせるための検討が行われていた。例えば、特許文献1では、ポリエステル繊維に二酸化チタン、チタン酸カリウム、チタン酸塩等の屈折率が1.6〜5である無機化合物粒子を含ませるとともに、繊維の断面形状を特定の形状にすることで、熱線を反射させて遮熱性を持たせることが提案されている。しかし、特許文献1に記載の遮熱性ポリエステル繊維では、無機化合物微粒子により発色性が悪くなること、糸強度が低下すること、及び紡糸性が悪くなること等の懸念があった。
一方、特許文献2では、日除けテント等に用いる繊維基布に可撓性シートを被覆した積層体シートにおいて、可撓性シートに、有機蛍光体微粒子等の近赤外線領域波長を可視光線領域波長に変換する波長変化材料を含ませることで遮熱性を持たせることが提案されている。太陽光線には、熱線である赤外線以外に、紫外線も含まれており、紫外線によって肌が損傷を受けることから、紫外線を透過させないことも望まれている。しかし、特許文献2では、紫外線を遮蔽することについては検討されていない。
特許第5667418号 特開2012−97183号公報
本発明は、前記従来の問題を解決するため、紫外線の透過が低減され、且つ遮熱性を有する遮熱性生地、その製造方法及び遮熱性衣服を提供する。
本発明は、生地と、前記生地に付着された赤外線及び紫外線を可視光線に変換する化合物を含む遮熱性生地において、前記赤外線及び紫外線を可視光線に変換する化合物は、クマリン系化合物、ベンゾキサゾール系化合物及びシアノスチリルベンゼン系化合物からなる群から選ばれる一種以上の有機蛍光剤であることを特徴とする遮熱性生地に関する。
本発明は、また、前記の遮熱性生地の製造方法であって、クマリン系化合物、ベンゾキサゾール系化合物及びシアノスチリルベンゼン系化合物からなる群から選ばれる一種以上の有機蛍光剤を含む水分散液に生地を浸漬して70〜150℃で処理することで、生地に前記有機蛍光剤を付着させることを特徴とする遮熱性生地の製造方法に関する。
本発明は、また、前記の遮熱性生地の製造方法であって、クマリン系化合物、ベンゾキサゾール系化合物及びシアノスチリルベンゼン系化合物からなる群から選ばれる一種以上の有機蛍光剤をバインダーによって生地に付着させることを特徴とする遮熱性生地の製造方法に関する。
本発明は、また、前記の遮熱性生地を用いたことを特徴とする遮熱性衣服に関する。
本発明は、クマリン系化合物、ベンゾキサゾール系化合物及びシアノスチリルベンゼン系化合物からなる群から選ばれる一種以上の有機蛍光剤を生地に付着させることで、紫外線の透過が低減され、且つ遮熱性を有する遮熱性生地及び遮熱性衣服を提供する。また、本発明の製造方法によると、簡便に紫外線の透過が低減され、且つ遮熱性を有する遮熱性生地を作製することができる。
図1は試料1〜3の波長-透過率グラフである。 図2は試料1〜3の波長-反射率グラフである。 図3は試料1〜3の温度履歴を示すグラフである。 図4は遮熱性を評価するのに用いる測定装置の模式的断面図である。 図5は人体の正面側の太陽光照射量マッピングデータを示す。 図6は人体の背面側の太陽光照射量マッピングデータを示す。 図7は本発明の一実施例のシャツの模式的正面図である。 図8は本発明の一実施例のシャツの模式的背面図である。 図9は可視光領域の発光面積の説明図である。
本発明の発明者らは、紫外線の透過を軽減し、且つ遮熱性を有する遮熱性生地を得るために鋭意検討した。その結果、生地にクマリン系化合物、ベンゾキサゾール系化合物及びシアノスチリルベンゼン系化合物からなる群から選ばれる一種以上の有機蛍光剤を付着させることで、紫外線の透過を低減しつつ、遮熱性を有する遮熱性生地を得ることを見出し、本発明に至った。
クマリン系化合物、ベンゾキサゾール系化合物及びシアノスチリルベンゼン系化合物からなる群から選ばれる一種以上の有機蛍光剤は、生地に付着させた場合、紫外線及び近赤外線を吸収し、可視光線の蛍光を発光する。紫外線を可視光線に変換することで、紫外線が衣服内に透過するのを抑制し、紫外線が肌に損害を与えることが防止される。また、近赤外線を可視光線に変換することで、赤外線が衣服内に透過するのを抑制し、それゆえ赤外線が熱に変換するのを低減しているため、遮熱性が向上する。また、赤外線及び紫外線を可視光線に変換することで、発色性も良好になる。
本発明において、赤外線を可視光線に変換する性能は、726nmの光照射による可視光領域の発光面積を計測することで、評価することができる。726nmの光照射による可視光領域の発光面積が大きいほど、赤外線を可視光線に変換する性能が高いことを意味する。本発明において、可視光領域の発光面積とは、横軸を波長(nm)とし、縦軸を発光強度(無次元数)とする発光スペクトルにおいて、可視光領域におけるピーク波長(400〜600nm)を中心に上に凸の部分(発光領域)の面積のことである。例えば、図9に示している横軸を波長(nm)とし、縦軸を発光強度(無次元数)とする発光スペクトルにおいて、可視光領域の発光面積は、ピーク波長439.5nmを中心にする発光領域100の面積である。
本発明において、紫外線を可視光線に変換する性能は、363nmの光照射による可視光領域の発光面積を計測することで、評価することができる。363nmの光照射による可視光領域の発光面積が大きいほど、赤外線を可視光線に変換する性能が高いことを意味する。
クマリン系化合物としては、赤外線及び紫外線を可視光線に変換する有機蛍光剤であればよく、特に限定されないが、赤外線及び紫外線を可視光線に変換する変換効率が高い観点から、下記一般式(1)で表されるクマリン系化合物を用いることが好ましい。
Figure 2017218694
但し、前記一般式(1)中、R1は水素原子、又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分鎖のアルキル基を表し、R2は炭素数1〜4の直鎖若しくは分鎖のアルキル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、又はトリアジニル基を表し、Arはフェニル基、又は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボン酸エステル基及びニトリル基からなる群から選ばれる一種の置換基を有する置換フェニル基を表し、置換フェニル基、R1及びR2は、いずれも個別にNと結合していてもよく、R1とR2は互いに縮合して環を形成してもよい。R1とR2は互いに縮合してトリアゾリル環を形成することが好ましい。
前記一般式(1)において、Arはフェニル基であり、R2が下記一般式(2)で表されるトリアジニル基の場合、トリアジニル基にハロゲン原子が1個残っていても良く、又はアルコキシド、フェノキシド、若しくはアミノ化合物と反応させてアルキルアミンと結合していても良い。下記一般式(2)において、トリアジニル基のXとYは、ハロゲン、アルコキシ、置換されたアルコキシ又はアリルオキシ基、アミノ基又は置換された1級アミン又は2級アミンを表す。
Figure 2017218694
前記一般式(1)で表されるクマリン系化合物としては、具体的には、3−フェニル−7−(イミノ−1’,3’,5’−トリアジン−2’−ジエチルアミノ−4’−クロロ)−クマリン、3−フェニル−7−(イミノ−1’,3’,5’−トリアジン−2−ジエチルアミノ−4’−メトキシ)−クマリン、3−フェニル−7−ナフトトリアゾリルクマリン、3−フェニル−7−(2H−ナフト〔1,2−d〕−トリアゾ−ル−2−イル)クマリン等の3−フェニル−7−アミノクマリン誘導体、4−メチル−7−ヒドロキシクマリン等のヒドロキシクマリン誘導体等が挙げられる。
ベンゾキサゾール系化合物としては、赤外線及び紫外線を可視光線に変換する有機蛍光剤であればよく、特に限定されないが、赤外線及び紫外線を可視光線に変換する変換効率が高い観点から、4−(ベンゾキサゾール−2−イル)−4’−(5−メチルベンゾキサゾール−2−イル)スチルベン、4,4’−ビス(ベンゾキサゾール−2−イル)スチルベン、2,5−ビス(ベンゾキサゾール)チオフェン、1,4−ビス(ベンゾキサゾール)ナフタレン、ビス(ベンゾキサゾール)エテン等を用いることが好ましく、1,4−ビス(ベンゾキサゾール)ナフタレン、2,5−ビス(ベンゾキサゾール)チオフェンがより好ましい。
シアノスチリルベンゼン系化合物としては、赤外線及び紫外線を可視光線に変換する有機蛍光剤であればよく、特に限定されないが、赤外線及び紫外線を可視光線に変換する変換効率が高い観点から、1,4−ビス(2−シアノスチリル)ベンゼンなどのビス(シアノスチリル)ベンゼン誘導体等を用いることが好ましく、1,4−ビス(2−シアノスチリル)ベンゼンがより好ましい。
上述した有機蛍光剤は、一種を単独で用いても良く、二種以上を組合せて用いても良い。赤外線及び紫外線を可視光線に変換する変換効率が高い観点から、有機蛍光剤は、クマリン系化合物であることが好ましく、3−フェニル−7−アミノクマリン誘導体であることがより好ましく、下記構造式(3)で表される3−フェニル−7−(2H−ナフト〔1,2−d〕−トリアゾ−ル−2−イル)クマリン等のフェニルトリアゾールクマリン系化合物であることがさらに好ましい。
Figure 2017218694
生地は、衣類に用いることができるものであればよく、特に限定されない。織物、編物、不織布等の繊維集合物であってもよく、皮革であってもよい。また、織物、編物、不織布等の繊維集合物と他の素材、例えば樹脂フィルムの積層生地であってもよい。織物としては、例えば平織、斜文織、朱子織、変化平織、変化斜文織、変化朱子織、変わり織、紋織、片重ね織、二重組織、多重組織、経パイル織、緯パイル織、絡み織等がある。編物としては、例えば丸編、緯編、経編(トリコット編、ラッセル編を含む)、パイル編等を含み、平編、天竺編、リブ編、スムース編(両面編)、ゴム編、パール編、デンビー組織、コード組織、アトラス組織、鎖組織、挿入組織等がある。皮革は、人工皮革であってもよく、天然皮革であってもよい。
繊維集合物を構成する繊維は特に限定されず、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、綿、レーヨン繊維、アセテート繊維、ポリウレタン繊維、ポリアミド繊維等のあらゆる繊維を用いることができる。ポリエステル繊維としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等が挙げられる。
繊維集合物に積層する樹脂フィルムの材質も特に限定されず、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、ポリアミド等が挙げられる。ポリエステルとしては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
前記有機蛍光剤は、生地に付着されている。付着方法は、特に限定されず、例えば、浸漬加工によって生地に有機蛍光剤を付着させてもよく、バインダーによって有機蛍光剤を生地に固着させてもよい。
浸漬加工の場合は、具体的には、染色工程にて、前記有機蛍光剤を添加した水分散液(染色液)に生地を浸漬して70〜150℃で処理することで、生地に有機蛍光剤を付着することができる。染色液は、特に限定されないが、例えば、有機蛍光剤を生地に対して
0.01〜10%owf含んでもよい。処理時間は、例えば、特に限定されないが、10〜180分間であってもよい。
バインダーによる固着の場合、前記有機蛍光剤とバインダーを含む有機蛍光剤組成物を、例えば、プリントによって生地の所定の箇所に塗布して、乾燥させることで行うことができる。有機蛍光剤組成物のプリント方法は、特に限定されず、例えば、シルクスクリーンプリント、転写プリント、昇華プリント、インクジェットプリント、ロータリープリント等のいずれの方法であってもよい。乾燥は、例えば、40〜200℃で行うことができる。バインダーとしては、特に限定されず、例えば、アクリル系バインダー樹脂、ウレタン系バインダー樹脂等を用いることができる。
前記有機蛍光剤組成物は、さらにバインダー架橋剤を含む。架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、オキザール、フィクサー等を用いることができる。また、前記有機蛍光剤組成物は、水を含んでも良く、必要に応じて、顔料を含んでもよい。
前記有機蛍光剤組成物は、有機蛍光剤組成物の全体質量に対して、有機蛍光剤を0.01〜30質量%含むことが好ましく、0.01〜20質量%含むことがより好ましい。また、前記有機蛍光剤組成物は、有機蛍光剤組成物の全体質量に対して、バインダーを30〜99質量%含むことが好ましく、40〜99質量%含むことがより好ましい。また、前記有機蛍光剤組成物は、バインダー100質量部に対して、バインダー架橋剤を0.1〜30質量部含むことが好ましく、より好ましくは0.1〜20質量部含む。
有機蛍光剤(有機蛍光剤組成物)のプリント形状は、特に限定されず、格子、ドット、千鳥、水玉、ボーダー、ストライフ等のいずれの形状であってもよい。遮熱性を向上させつつ、ムレ感を生じさせない観点から、有機蛍光剤(有機蛍光剤組成物)の塗布量は、0.1〜150g/m2であることが好ましく、0.5〜120g/m2であることがより好ましい。また、遮熱性を向上させつつ、ムレ感を生じさせない観点から、有機蛍光剤(有機蛍光剤組成物)の塗布率は10〜90%であることが好ましく、20〜90%であることがより好ましい。本発明において、塗布率は、生地面積に対する有機蛍光剤組成物の塗布面積の割合を示すものであり、「生地面積」は、生地に塗布されている有機蛍光剤組成物の外周で囲まれている領域の生地の面積をいう。
本発明の衣服は、本発明の遮熱性生地を用いて構成する。衣服としては、特に限定されず、上半身に着用するものであってもよく、下半身に着用するものであってもよく、全身に着用するものであってもよい。例えば、シャツ、ジャンパー、パンツ、ウインドブレーカー、タイツ等が挙げられる。本発明の衣服において、遮熱性生地は、全体に用いられても良く、部分的に用いられても良い。例えば、太陽が良く当たる部分に遮熱性生地を配置することで、クーリング性を向上させるとともに、紫外線による肌の損傷を抑制することができる。
例えば、上半身に着用されるシャツにおいて、後身頃の肩から肩甲骨上部までを覆う領域及び前身頃の肩から大胸筋上部を覆う領域に遮熱性生地を配置することが好ましく、後身頃の肩から肩甲骨下部までを覆う領域及び前身頃の肩から大胸筋下部までを覆う領域に遮熱性生地を配置することがより好ましい。図5はコンピュータグラフィックを用いて測定した人体の正面側の太陽光照射量マッピングデータを示す。図6はコンピュータグラフィックを用いて測定した人体の背面側の太陽光照射量マッピングデータを示す。このデータは日本の大阪の夏至1日の照射量積算値を示している。太陽の位置及び高度は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が発表しているデータを使用した。上半身では頭部と、肩から肩甲骨上部までを覆う領域及び肩から大胸筋上部を覆う領域の照射量がかなり高いことが分かる。また、肩甲骨下部を覆う領域及び大胸筋下部を覆う領域の照射量もある程度高いことが分かる。そこで、これらの太陽光の照射量が多い部分に遮熱性生地を配置することで、紫外線と赤外線を可視光線に変換し、クーリング性を向上させるとともに、紫外線による肌の損傷を抑制することができる。本発明において、肩甲骨上部とは、肩甲骨内側を2等分する直線を引いた場合、その直線より上の部分をいい、肩甲骨下部とは、該肩甲骨内側を2等分する直線より下の部分をいう。また、本発明において、大胸筋上部とは、大胸筋を2等分する直線を引いた場合、その直線より上の部分をいい、大胸筋下部とは、該大胸筋を2等分する直線より下の部分をいう。
前記シャツにおいて、遮熱性生地は、製造工程が簡便という観点から、生地に前記有機蛍光剤をバインダーによって固着したものであることが好ましい。具体的には、前記有機蛍光剤とバインダーを含む有機蛍光剤組成物をプリントによって塗布して乾燥したものである。有機蛍光剤組成物のプリント方法は、特に限定されず、例えば、シルクスクリーンプリント、転写プリント、昇華プリント、インクジェットプリント、ロータリープリント等のいずれの方法であってもよい。有機蛍光剤組成物のプリント形状は、特に限定されず、格子、ドット、千鳥、水玉、ボーダー、ストライフ等のいずれの形状であってもよい。遮熱性を向上させつつ、ムレ感を生じさせない観点から、有機蛍光剤(有機蛍光剤組成物)の塗布量は、0.1〜150g/m2であることが好ましく、0.5〜120g/m2であることがより好ましい。また、遮熱性を向上させつつ、ムレ感を生じさせない観点から、有機蛍光剤組成物の塗布率は10〜90%であることが好ましく、20〜90%であることがより好ましい。
前記シャツにおいて、少なくとも肩から肩甲骨上部まで覆う領域及び肩から大胸筋上部までを覆う領域に、クマリン系化合物、ベンゾキサゾール系化合物及びシアノスチリルベンゼン系化合物からなる群から選ばれる一種以上の有機蛍光剤が付着されていることが好ましく、肩から肩甲骨下部まで覆う領域及び肩から大胸筋下部までを覆う領域に、クマリン系化合物、ベンゾキサゾール系化合物及びシアノスチリルベンゼン系化合物からなる群から選ばれる一種以上の有機蛍光剤が付着されていることがより好ましい。また、前記シャツにおいて、後身頃の肩から肩甲骨上部までを覆う領域及び前身頃の肩から大胸筋上部までを覆う領域より、肩甲骨下部を覆う領域、大胸筋下部を覆う領域の方が、有機蛍光剤の塗布率が低い方が良い。身体の下の方になるにつれ、太陽光照射量が低いため、有機蛍光剤の塗布量を少なくしても、十分な遮熱性が得られ、また、有機蛍光剤の使用量が減り、経済的である。
以下実施例を用いてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定して解釈されるものではない。
(参考例1)
<試料a〜c>
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み40μm)を試料aとし、ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の表面にアクリル系バインダー樹脂を15g/m2を塗布したものを試料bとし、ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の表面にアクリル系バインダー樹脂30質量部と有機蛍光剤(3−フェニル−7−(2H−ナフト〔1,2−d〕−トリアゾ−ル−2−イル)クマリン)3.3質量部を混合した有機蛍光剤組成物を15g/m2塗布したものを試料cとして用いた。
試料a〜cの紫外線及び赤外線を可視光線に変換する性能を下記のように評価し、その結果を下記表1に示した。また、試料a〜cの透過率及び反射率を下記のように測定し、その結果を図1及び図2に示した。また、試料a〜cの遮熱性を下記のように測定し、その結果を図3に示した。試料bの場合は、アクリル系バインダー樹脂を塗布した面を測定面とし、試料cの場合は、有機蛍光剤組成物を塗布した面を測定面とした。
(赤外線を可視光線に変換する性能)
赤外線を可視光線に変換する性能は、726nmの光照射による可視光領域の発光面積を計測することで評価した。具体的には、キセノンランプで726nmの光を試料に照射して220〜800nmの発光スペクトルを分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計「F−2500」)にて測定した。その後、220〜800nmの発光スペクトルにおいて、400〜600nmの可視光領域の発光面積を測定した。なお、726nmの光照射により、400〜600nmの波長範囲で発光することは、近赤外線を可視光線に変換していることを意味する。
(紫外線を可視光線に変換する性能)
紫外線を可視光線に変換する性能は、363nmの光照射による可視光領域の発光面積を計測することで評価した。具体的には、キセノンランプで363nmの光を試料に照射して220〜800nmの発光スペクトルを分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計「F−2500」)にて測定した。その後、220〜800nmの発光スペクトルにおいて、400〜600nmの可視光領域の発光面積を測定した。なお、363nmの光照射により、400〜600nmの波長範囲で発光することは、紫外線を可視光線に変換していることを意味する。
(透過率及び反射率)
透過率及び反射率は、分光光度計(島津製作所製「UV−31000PC」、積分球付属装置ISR−3100、積分球 内径60m、標準白板:硫酸バリウム)を用いて測定した。
(遮熱性の評価1)
レフランプ(岩崎電気株式会社製、アイランプ<スポット>PRS100V500W)を試料(レフランプと試料間の距離は50cm)に照射し、その時の温度変化をサーモグラフィーで計測した。0〜10秒間は試料を安静させ、10〜40秒間はランプを照射した。
Figure 2017218694
上記表1の結果から、試料3の有機蛍光剤(クマリン系化合物)を塗布したフィルムのみが紫外線及び赤外線を可視光線に変換することが分かった。また、図1及び図2の結果から、試料3の有機蛍光剤(クマリン系化合物)を塗布したフィルムは試料1及び試料2に比べて、透過率は低く、反射率が高いことが分かった。赤外線に対する透過率は低く、反射率が高いことにより、遮熱性が高まり、紫外線に対する透過率は低く、反射率が高いことにより、紫外線による肌の損傷を防止する。また、図3の結果からも、試料3の有機蛍光剤(クマリン系化合物)を塗布したフィルムは試料1及び試料2に比べて、遮熱性が高く、温度上昇を抑制できることが分かった。クマリン系化合物等の有機蛍光剤が塗布されたフィルムを織物、編物、不織布等の繊維集合物と併用することで遮熱性生地を得ることができる。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレートフィラメントからなる仮撚加工糸(トータル繊度:75dtex、フィラメント数:36本)を100質量%使用した目付が130g/m2のダブルニット組織の白色の編物(ゲージ:28G)を用いた。次に、該生地の一方の表面にシルクスクリーンプリントにて下記表2に示す配合割合の有機蛍光剤組成物を5g/m2塗布し、生地aを得た。実施例1〜4において、有機蛍光剤として、上記構造式(3)で表される3−フェニル−7−(2H−ナフト〔1,2−d〕−トリアゾ−ル−2−イル)クマリンを用いた。
(実施例2)
下記表2に示す配合割合の有機蛍光剤組成物を5g/m2塗布した以外は、実施例1と同様にして生地bを得た。
(比較例1)
有機蛍光剤組成物に代えて、下記表2に示す配合割合のバインダー組成物を5g/m2塗布した以外は、実施例1と同様にして生地cを得た。
(比較例2)
有機蛍光剤組成物に代えて、下記表2に示す配合割合のバインダー組成物を5g/m2塗布した以外は、実施例2と同様にして生地dを得た。
Figure 2017218694
(実施例3)
生地として、実施例1と同様のポリエチレンテレフタレート繊維100質量%からなる白色の編物(目付130g/m2)を用いた。染色液(分散染料:生地に対して3%owf;助剤(分散剤):生地に対して1g/L;浴比:生地に対して1対20となるように純水を使用)に有機蛍光剤(3−フェニル−7−(2H−ナフト〔1,2−d〕−トリアゾ−ル−2−イル)クマリン)を生地に対して1%owfになるように添加した。上記の染色液と一緒に生地を染色機に入れ、室温(18℃)からゆっくり昇温し130℃で30分間処理した。その後、脱水し、送風乾燥機に入れて乾かし、生地eを得た。
(比較例3)
染色液に有機蛍光剤を添加しない以外は実施例3と同様にして、生地fを得た。
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた生地a〜fの紫外線及び赤外線を可視光線に変換する性能を上記のように評価し、その結果を下記表3に示した。また、生地a〜fの透過率及び反射率を上記のように測定し、波長380〜2600nmの領域における平均透過率及び反射率を算出し、その結果を下記表3に示した。また、生地a〜fの遮熱性を下記のように評価し、その結果を下記表3に示した。生地a及びbの場合は、有機蛍光剤組成物を塗布した面を測定面とし、生地c及びdの場合は、バインダー組成物を塗布した面を測定面とした。
(遮熱性の評価2)
図4に示す装置を用いた。発泡スチロール製の試料台1の上に、熱電対からなる温度センサー2が配置され、その上に黒画用紙からなる熱線受光体3が配置され、その上に試料ホルダー4が配置されている。試料ホルダー4で試料5を保持し、試料にランプ6(岩崎電気株式会社製、アイランプ<スポット>PRS100V500W)から光を15分間照射して熱線受光体3の中央の温度を温度センサー2で経時的に測定した。nは4とし、そのデータを平均したものを遮熱温度とした。ランプ6から試料台1までの距離L1は50cmであり、試料5と熱線受光体3間の距離L2は約5mmであった。
Figure 2017218694
上記表3の結果から分かるように、有機蛍光剤(クマリン系化合物)が付着されている実施例1〜3の生地は、紫外線及び赤外線を可視光線に変換する性能を有し、遮熱性に優れる。また、実施例1〜3の生地は、有機蛍光剤(クマリン系化合物)が付着されていない比較例1〜3の生地のそれぞれと比べると、透過率が低く、反射率が高かった。また、実施例1及び2の結果から、顔料の有無に関係なく、有機蛍光剤が付着されていることにより、遮熱効果を発揮することが分かった。
(実施例4)
ポリエチレンテレフタレートフィラメントからなる仮撚加工糸(トータル繊度:75dtex、フィラメント数:36本)を100質量%使用した目付が130g/m2のダブルニット組織の白色の編物(ゲージ:28G)を用い、図7及び図8に示すシャツを作製した。シャツ10において、有機蛍光剤組成物をシルクスクリーンプリントにて、前身頃の肩から大胸筋上部までを覆う領域Ia及び後身頃の肩から肩甲骨上部までを覆う領域IIaは塗布量が8g/m2、且つ塗布率が90%、前身頃の大胸筋下部を覆う領域Ib及び後身頃の肩甲骨下部を覆う領域IIbは塗布量が4g/m2、且つ塗布率が50%になるように塗布した。有機蛍光剤組成物として、アクリル系バインダー樹脂80g、バインダー架橋剤(オキザール)3g、有機蛍光剤(3−フェニル−7−(2H−ナフト〔1,2−d〕−トリアゾ−ル−2−イル)クマリン)1g、黄色顔料6g及び水15gを混合したものを用いた。
(実施例5)
シャツ10において、有機蛍光剤組成物をシルクスクリーンプリントにて、前身頃の肩から大胸筋上部までを覆う領域Ia及び後身頃の肩から肩甲骨上部までを覆う領域IIaは塗布量が2g/m2、且つ塗布率が20%、大胸筋下部を覆う領域Ib及び肩甲骨下部を覆う領域IIbは塗布量が1g/m2、且つ塗布率が15%になるように塗布した以外は、実施例4と同様にしてシャツを作製した。
実施例4及び5のシャツを着用してもらい、遮熱性及びムレ感を、下記の5段階で官能評価した。被験者は成人男性10名であり、下記表4には平均値を示した。
1 非常に悪い
2 悪い
3 普通
4 良い
5 非常によい
Figure 2017218694
実施例4及び5の後身頃の肩から肩甲骨下部まで覆う領域及び前身頃の肩から大胸筋下部までを覆う領域に有機蛍光剤(3−フェニル−7−(2H−ナフト〔1,2−d〕−トリアゾ−ル−2−イル)クマリン)を付着させたシャツは、遮熱性が良好であるとともに、ムレ感もなかった。
1 試料台
2 温度センサー
3 熱線受光体
4 試料ホルダー
5 試料
6 ランプ
10 シャツ
100 発光領域

Claims (10)

  1. 生地と、前記生地に付着された赤外線及び紫外線を可視光線に変換する化合物を含む遮熱性生地において、
    前記赤外線及び紫外線を可視光線に変換する化合物は、クマリン系化合物、ベンゾキサゾール系化合物及びシアノスチリルベンゼン系化合物からなる群から選ばれる一種以上の有機蛍光剤であることを特徴とする遮熱性生地。
  2. 前記有機蛍光剤は、下記一般式(1)で表されるクマリン系化合物である請求項1に記載の遮熱性生地。
    Figure 2017218694
    但し、前記一般式(1)中、R1は水素原子、又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分鎖のアルキル基を表し、R2は炭素数1〜4の直鎖若しくは分鎖のアルキル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、又はトリアジニル基を表し、Arはフェニル基、又は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボン酸エステル基及びニトリル基からなる群から選ばれる一種の置換基を有する置換フェニル基を表し、置換フェニル基、R1及びR2は、いずれも個別にNと結合していてもよく、R1とR2同士は互いに縮合して環を形成してもよい。
  3. 前記有機蛍光剤は、3−フェニル−7−(イミノ−1’,3’,5’−トリアジン−2’−ジエチルアミノ−4’−クロロ)−クマリン、3−フェニル−7−(イミノ−1’,3’,5’−トリアジン−2−ジエチルアミノ−4’−メトキシ)−クマリン、3−フェニル−7−ナフトトリアゾリルクマリン及び3−フェニル−7−(2H−ナフト〔1,2−d〕−トリアゾ−ル−2−イル)クマリンからなる群から選ばれる一種以上の3−フェニル−7−アミノクマリン誘導体である請求項1又は2に記載の遮熱性生地。
  4. 前記有機蛍光剤は、3−フェニル−7−(2H−ナフト〔1,2−d〕−トリアゾ−ル−2−イル)クマリンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮熱性生地。
  5. 前記遮熱性生地には前記有機蛍光剤がプリントされている請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮熱性生地。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮熱性生地の製造方法であって、
    クマリン系化合物、ベンゾキサゾール系化合物及びシアノスチリルベンゼン系化合物からなる群から選ばれる一種以上の有機蛍光剤を含む水分散液に生地を浸漬して70〜150℃で処理することで、生地に前記有機蛍光剤を付着させることを特徴とする遮熱性生地の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮熱性生地の製造方法であって、
    クマリン系化合物、ベンゾキサゾール系化合物及びシアノスチリルベンゼン系化合物からなる群から選ばれる一種以上の有機蛍光剤をバインダーによって生地に付着させることを特徴とする遮熱性生地の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の遮熱性生地を用いたことを特徴とする遮熱性衣服。
  9. 前記衣服は身体の上半身に着用されるシャツであって、少なくとも肩から肩甲骨上部まで覆う領域及び肩から大胸筋上部までを覆う領域に、クマリン系化合物、ベンゾキサゾール系化合物及びシアノスチリルベンゼン系化合物からなる群から選ばれる一種以上の有機蛍光剤が付着されている請求項8に記載の遮熱性衣服。
  10. 前記衣服は身体の上半身に着用されるシャツであって、肩から肩甲骨下部まで覆う領域及び肩から大胸筋下部までを覆う領域に、クマリン系化合物、ベンゾキサゾール系化合物及びシアノスチリルベンゼン系化合物からなる群から選ばれる一種以上の有機蛍光剤が付着されている請求項8又は9に記載の遮熱性衣服。
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