はじめに、積層されたフレキシブル基板(Flexible Printed Circuit(s);FPC)群を含む回路基板(多層フレキシブル回路基板)の構成例について述べる。
図1は回路基板の一例を示す図である。図1には、回路基板の一例の要部断面を模式的に図示している。
図1に示す回路基板300Aは、フレキシブル基板310及びフレキシブル基板320、並びにそれらの間に介在された接着層330を含む。
フレキシブル基板310は、ベース層311と、ベース層311の一方の面311aに設けられた配線312と、ベース層311の他方の面311bに設けられた配線313とを有する。ベース層311には、例えばポリイミド等の樹脂材料が用いられる。配線312及び配線313には、銅(Cu)等の金属材料が用いられる。配線312と配線313とは、例えば、一方が信号配線、他方がグランド(GND)配線とされる。フレキシブル基板310は更に、ベース層311の一方の面311aに設けられて配線312を覆うカバーレイ層314と、ベース層311の他方の面311bに設けられて配線313を覆うカバーレイ層315とを有する。カバーレイ層314及びカバーレイ層315には、例えば、ポリイミド等の樹脂材料が用いられる。
フレキシブル基板320は、フレキシブル基板310と同様の構成を有する。即ち、フレキシブル基板320は、ベース層321と、ベース層321の一方の面321aに設けられた配線322と、ベース層321の他方の面321bに設けられた配線323とを有する。ベース層321には、例えばポリイミド等の樹脂材料が用いられる。配線322及び配線323には、Cu等の金属材料が用いられる。配線322と配線323とは、例えば、一方が信号配線、他方がGND配線とされる。フレキシブル基板320は更に、ベース層321の一方の面321aに設けられて配線322を覆うカバーレイ層324と、ベース層321の他方の面321bに設けられて配線323を覆うカバーレイ層325とを有する。カバーレイ層324及びカバーレイ層325には、例えば、ポリイミド等の樹脂材料が用いられる。
接着層330は、上記のようなフレキシブル基板310とフレキシブル基板320との間に介在され、フレキシブル基板310とフレキシブル基板320とを接着する。接着層330には、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂材料が用いられる。
図1に示す回路基板300Aのように、フレキシブル基板310とフレキシブル基板320とは、例えば、それらの間が全体的に接着層330で接着され、積層される。
図1には、2枚のフレキシブル基板310及びフレキシブル基板320が接着層330で接着、積層される例を示したが、同様にして、3枚目のフレキシブル基板が接着、積層されてもよい。4枚目以降のフレキシブル基板の接着、積層も同様である。
但し、図1に例示するような、積層フレキシブル基板間を全体的に接着する手法を用いると、フレキシブル基板の積層枚数が増えるにつれ、次第に回路基板の柔軟性が失われていく傾向がある。
図2は回路基板の別例を示す図である。図2には、回路基板の別例の要部断面を模式的に図示している。
図2に示す回路基板300Bは、フレキシブル基板310とフレキシブル基板320との間が、それらの端部において部分的に接着層330で接着され、積層されている点で、上記図1に示した回路基板300Aと相違する。回路基板300Bにおいて、接着層330で接着されない部位(非接着部)340は空洞とされる。このように回路基板300Bでは、接着層330による接着領域が部分的とされる。
図2には、2枚のフレキシブル基板310とフレキシブル基板320とが接着層330で部分的に接着され、積層される例を示したが、3枚目以降のフレキシブル基板の接着、積層も、同様に行うことができる。
図2に例示するような、積層フレキシブル基板間を部分的に接着する手法を用いると、上記図1に例示するような、積層フレキシブル基板間を全体的に接着する手法を用いる場合と比べ、フレキシブル基板の積層枚数が増えても回路基板の柔軟性の喪失が抑えられる。
しかし、例えば図2に示すような、フレキシブル基板310とフレキシブル基板320との間を部分的に接着層330で接着する手法を採用する回路基板300Bでは、次のようなことが起こり得る。
図3は曲げられた回路基板の一例を示す図である。図3には、曲げられた回路基板の一例の要部断面を模式的に図示している。
フレキシブル基板310とフレキシブル基板320とが接着層330で部分的に接着された回路基板300Bでは、それが曲げられた時に、図3に示すように、空洞の非接着部340でフレキシブル基板310とフレキシブル基板320との間の距離が変化し得る。このようにフレキシブル基板310とフレキシブル基板320との間の距離が変化すると、非接着部340で対向する両者の配線312と配線323との間の距離Dが変化し、それに起因して回路基板300Bの信号伝送特性が変化する可能性がある。
図4及び図5は回路基板の非接着部の様子を示す図である。
図4(A)及び図4(B)にはそれぞれ、対向するフレキシブル基板の配線の一方が信号配線で他方がGND配線である場合の、回路基板が曲げられていない時と曲げられた時の非接着部の断面を模式的に図示している。図4(A)は図2のL1−L1断面模式図に相当し、図4(B)は図3のL2−L2断面模式図に相当する。
例えば図4(A)に示すように、フレキシブル基板310には、ベース層311の一方の面311a側に配線312として信号配線312aが設けられ、他方の面311b側に配線313としてGND配線313aが設けられる。フレキシブル基板320には、ベース層321の一方の面321a側に配線322として信号配線322aが設けられ、他方の面321b側に配線323としてGND配線323aが設けられる。このようなフレキシブル基板310とフレキシブル基板320とが、互いの信号配線312aとGND配線323aとが対向するように、接着、積層される。
フレキシブル基板310の信号配線312aのインピーダンスは、例えば、その反対側のGND配線313aとの距離、対向するフレキシブル基板320のGND配線323aとの距離によって調整される。調整された曲げる前の図4(A)の状態から、回路基板300Bが曲げられ、図4(B)のように非接着部340で信号配線312aとGND配線323aとが近付くと、インピーダンス不整合を招く恐れがある。
また、図5(A)及び図5(B)にはそれぞれ、対向するフレキシブル基板の配線の双方が信号配線である場合の、回路基板が曲げられていない時と曲げられた時の非接着部の断面を模式的に図示している。図5(A)は図2のL1−L1断面模式図に相当し、図5(B)は図3のL2−L2断面模式図に相当する。
例えば図5(A)に示すように、フレキシブル基板310には、ベース層311の一方の面311a側に配線312として信号配線312bが設けられ、他方の面311b側に配線313としてGND配線313bが設けられる。フレキシブル基板320には、ベース層321の一方の面321a側に配線322としてGND配線322bが設けられ、他方の面321b側に配線323として信号配線323bが設けられる。このようなフレキシブル基板310とフレキシブル基板320とが、互いの信号配線312bと信号配線323bとが対向するように、接着、積層される。
このような回路基板300Bでは、曲げる前の図5(A)の状態から、回路基板300Bが曲げられ、図5(B)のように非接着部340で信号配線312bと信号配線323bとが近付くと、クロストークを招く恐れがある。
このように、フレキシブル基板310,320間を部分的に接着層330で接着する回路基板300Bでは、積層による柔軟性の喪失が抑えられる一方、曲げた時の非接着部340における配線間距離の変化により、インピーダンス不整合やクロストークが生じ得る。インピーダンス不整合やクロストークは、回路基板300Bの信号伝送特性を劣化させる要因となる。
以上のような点に鑑み、ここでは以下に実施の形態として示すような手法を採用し、柔軟性を有し、且つ優れた信号伝送特性を有する回路基板を実現する。また、そのような回路基板を備える各種電子装置(電子機器)を実現する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図6は第1の実施の形態に係る回路基板の一例を示す図である。図6には、第1の実施の形態に係る回路基板の一例の要部断面を模式的に図示している。
図6に示す回路基板1は、フレキシブル基板10及びフレキシブル基板20、並びにそれらの間に介在された接着層30を含む。
フレキシブル基板10は、ベースの絶縁層であるベース層11と、ベース層11の一方の面11aに設けられた信号配線12と、ベース層11の他方の面11bに設けられたGND配線13とを有する。例えば、信号配線12は、方向Sに延在するライン状のパターンとして設けられ、GND配線13は、信号配線12の配設領域に対応する領域を包含する面状のパターンとして設けられる。フレキシブル基板10は更に、ベース層11の一方の面11aに設けられて信号配線12を覆う絶縁性のカバーレイ層14(保護層)と、ベース層11の他方の面11bに設けられてGND配線13を覆う絶縁性のカバーレイ層15(保護層)とを有する。
ベース層11には、各種絶縁材料、例えばポリイミド等の樹脂材料が用いられる。信号配線12及びGND配線13には、各種導体材料、例えばCu等の金属材料が用いられる。カバーレイ層14及びカバーレイ層15には、各種絶縁材料、例えばポリイミド等の樹脂材料が用いられる。
フレキシブル基板10の信号配線12上には、電子部品、ここでは一例としてACカップリング用のチップコンデンサ40が実装される。チップコンデンサ40の電極40a群にそれぞれ接続された端子40b群が、カバーレイ層14を貫通し、信号配線12(分離された配線部12−1と配線部12−2)に接続される。
フレキシブル基板20は、ベース層21と、ベース層21の一方の面21a及び他方の面21bにそれぞれ設けられた配線22及び配線23を有する。配線22及び配線23のうち、一方は信号配線とされ、他方はGND配線とされる。信号配線は、方向Sに延在するライン状のパターンとして設けられ、GND配線は、信号配線の配設領域に対応する領域を包含する面状のパターンとして設けられる。フレキシブル基板20は更に、ベース層21の一方の面21aに設けられて配線22を覆う絶縁性のカバーレイ層24(保護層)と、ベース層21の他方の面21bに設けられて配線23を覆う絶縁性のカバーレイ層25(保護層)とを有する。
ベース層21には、各種絶縁材料、例えばポリイミド等の樹脂材料が用いられる。配線22及び配線23には、各種導体材料、例えばCu等の金属材料が用いられる。カバーレイ層24及びカバーレイ層25には、各種絶縁材料、例えばポリイミド等の樹脂材料が用いられる。
接着層30は、フレキシブル基板10とフレキシブル基板20との間の一部、例えば方向Sの両端部2に介在され、フレキシブル基板10とフレキシブル基板20とを接着する。接着層30には、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂材料が用いられる。
回路基板1では、フレキシブル基板10とフレキシブル基板20とが、それらの間にフレキシブル基板10の信号配線12上に実装されたチップコンデンサ40が介在されるように、接着層30により接着され、積層される。チップコンデンサ40は、フレキシブル基板10とフレキシブル基板20との間の、接着層30で接着されていない部位(非接着部)3に設けられる。フレキシブル基板10上のチップコンデンサ40は、例えば、対向するフレキシブル基板20(そのカバーレイ層25)と離間自在に接触される。チップコンデンサ40は、対向するフレキシブル基板20(そのカバーレイ層25)に、接着剤等で接着されて固定されてもよい。
回路基板1では、例えば、用いられるチップコンデンサ40の高さ(カバーレイ層14の表面からの高さ)を基に、フレキシブル基板10とフレキシブル基板20との距離、又は接着層30の厚さが設定される。或いは、フレキシブル基板10とフレキシブル基板20との距離、又は接着層30の厚さを基に、用いられるチップコンデンサ40の高さが設定される。
上記のような構成を有する回路基板1では、例えば、信号配線12が延在する方向Sの一方の端部2が入力側、他方の端部2が出力側とされ、入力側及び出力側にそれぞれコネクタが接続されて、両コネクタ間で信号配線12等による信号伝送が行われる。信号配線12上にチップコンデンサ40が実装されることで、伝送信号のDC成分の除去、低周波帯のカットが可能な伝送線路が形成される。
回路基板1では、フレキシブル基板10とフレキシブル基板20との間の非接着部3にチップコンデンサ40が介在されることで、フレキシブル基板10の信号配線12とフレキシブル基板20の配線23との接近、それに起因した信号伝送特性の低下が抑えられる。
図7は第1の実施の形態に係る回路基板が曲げられた時の様子を示す図である。図7には、第1の実施の形態に係る回路基板が曲げられた時の要部断面を模式的に図示している。
フレキシブル基板10とフレキシブル基板20との間の非接着部3にチップコンデンサ40を設けた回路基板1では、図7に示すように、曲げられた時にも、フレキシブル基板10とフレキシブル基板20との間の距離が、チップコンデンサ40で確保される。これにより、フレキシブル基板10の信号配線12と、それに対向するフレキシブル基板20の配線23との接近が抑えられ、それに起因した回路基板1の信号伝送特性の低下が抑えられる。
例えば、フレキシブル基板10の信号配線12に対向するフレキシブル基板20の配線23がGND配線である場合には、信号配線12の、対向GND配線との接近、それに起因したインピーダンス不整合が抑えられる。また、フレキシブル基板10の信号配線12に対向するフレキシブル基板20の配線23が信号配線である場合には、信号配線12の、対向信号配線との接近、それに起因したクロストークが抑えられる。
図8は回路基板の信号伝送特性の一例を示す図である。
図8(A)及び図8(B)にはそれぞれ、対向するフレキシブル基板の配線の一方が信号配線で他方がGND配線である場合の、回路基板が曲げられていない時と曲げられた時のインピーダンスのシミュレーション結果を示している。図8(A)は回路基板が曲げられていない時のインピーダンスのシミュレーション結果、図8(B)は回路基板が曲げられた時のインピーダンスのシミュレーション結果である。
図8(A)及び図8(B)では、フレキシブル基板間の非接着部にチップコンデンサが介在しない回路基板(上記図2〜図4の回路基板300Bに相当)のインピーダンスのシミュレーション結果を点線Pで図示している。また、図8(A)及び図8(B)では、フレキシブル基板間の非接着部にチップコンデンサが介在する回路基板(上記図6及び図7の回路基板1に相当)のインピーダンスのシミュレーション結果を実線Qで図示している。
曲げられていない時は、図8(A)に示すように、フレキシブル基板間の非接着部にチップコンデンサが介在しない回路基板(点線P)と、介在する回路基板(実線Q)とが、入出力側のコネクタ(X部,Y部)間(FPC)で同等のインピーダンスを示す。
曲げられると、図8(B)に示すように、フレキシブル基板間の非接着部にチップコンデンサが介在しない回路基板(点線P)では、信号配線とGND配線との接近(Z部)により、曲げられていない時(図8(A))と比べ、インピーダンスが変動する。更に、出力側のコネクタ(Y部)でも、曲げられていない時(図8(A))と比べ、インピーダンスが変動する。
これに対し、フレキシブル基板間の非接着部にチップコンデンサが介在する回路基板では、曲げられてもチップコンデンサによって信号配線とGND配線との接近が抑えられる。そのため、図8(B)に示すように、フレキシブル基板間の非接着部にチップコンデンサが介在する回路基板(実線Q)では、インピーダンスの変動が抑えられ、曲げられていない時(図8(A))と同等のインピーダンスが得られる。
図8(A)及び図8(B)に示すように、フレキシブル基板間の非接着部にチップコンデンサを介在させる回路基板によれば、信号配線とGND配線との接近、それに起因したインピーダンスの変動が効果的に抑えられる。これにより、後段回路とのインピーダンス不整合が抑えられ、信号伝送特性の低下が抑えられる。同様に、信号配線同士が対向するような場合には、それらの接近、それに起因したクロストークが抑えられ、信号伝送特性の低下が抑えられる。
以上説明したように、回路基板1では、チップコンデンサ40により、曲げられた時のフレキシブル基板10の信号配線12とフレキシブル基板20の配線23との接近、それに起因した信号伝送特性の低下が抑えられる。上記のようにフレキシブル基板10とフレキシブル基板20との間の非接着部3にチップコンデンサ40を介在させることで、柔軟性を有し、且つ曲げられた時にも曲げられていない時と同等の高い信号伝送特性を安定して得ることのできる回路基板1が実現される。
上記図6及び図7には、2枚のフレキシブル基板10とフレキシブル基板20とを、チップコンデンサ40を介在させて接着層30で接着し、積層した回路基板1(配線層数4層)を例示したが、積層枚数(配線層数)はこれに限定されるものではない。
図9は第1の実施の形態に係る回路基板の別例を示す図である。図9には、第1の実施の形態に係る回路基板の別例の要部断面を模式的に図示している。
図9に示す回路基板1Aは、フレキシブル基板10A、フレキシブル基板20A及びフレキシブル基板50を含む、積層枚数が3枚(配線層数6層)の回路基板である。
フレキシブル基板10Aは、上記フレキシブル基板10と同様の構成を有する。フレキシブル基板20Aは、フレキシブル基板10Aに対向して設けられ、接着層30でフレキシブル基板10Aと接着される。フレキシブル基板50は、フレキシブル基板20Aに対向して設けられ、接着層60でフレキシブル基板20Aと接着される。
接着層60は、接着層30と同様に、フレキシブル基板20Aとフレキシブル基板50との間の、方向Sの両端部2に介在される。接着層60には、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂材料が用いられる。接着層30及び接着層60には、同種の材料が用いられてもよいし、異種の材料が用いられてもよい。
フレキシブル基板20Aには、ベース層21の一方の面21a上の配線22として信号配線22aが設けられ、他方の面21b上の配線23としてGND配線23aが設けられる。信号配線22a及びGND配線23aはそれぞれ、カバーレイ層24及びカバーレイ層25で覆われる。フレキシブル基板20Aの信号配線22a上には、ACカップリング用のチップコンデンサ70が実装される。チップコンデンサ70の電極70a群にそれぞれ接続された端子70b群が、カバーレイ層24を貫通し、信号配線22a(分離された配線部22a−1と配線部22a−2)に接続される。
フレキシブル基板50は、ベース層51と、ベース層51の一方の面51a及び他方の面51bにそれぞれ設けられた配線52及び配線53を有する。配線52及び配線53のうち、一方は信号配線とされ、他方はGND配線とされる。信号配線は、方向Sに延在するライン状のパターンとして設けられ、GND配線は、信号配線の配設領域に対応する領域を包含する面状のパターンとして設けられる。配線52及び配線53はそれぞれ、絶縁性のカバーレイ層54及びカバーレイ層55(保護層)で覆われる。
ベース層51には、各種絶縁材料、例えばポリイミド等の樹脂材料が用いられる。配線52及び配線53には、各種導体材料、例えばCu等の金属材料が用いられる。カバーレイ層54及びカバーレイ層55には、各種絶縁材料、例えばポリイミド等の樹脂材料が用いられる。
フレキシブル基板20Aの信号配線22a上に実装されるチップコンデンサ70は、フレキシブル基板20Aとフレキシブル基板50との間の非接着部3に設けられる。チップコンデンサ70は、例えば、フレキシブル基板20と対向するフレキシブル基板50(そのカバーレイ層55)と離間自在に接触される。チップコンデンサ70は、フレキシブル基板50(そのカバーレイ層55)に、接着剤等で接着されて固定されてもよい。
回路基板1Aでは、フレキシブル基板10Aとフレキシブル基板20Aとの間が部分的に接着層30で接着され、フレキシブル基板20Aとフレキシブル基板50との間が部分的に接着層60で接着される。これにより、積層枚数が増えることによる回路基板1Aの柔軟性の喪失が抑えられる。
また、回路基板1Aでは、フレキシブル基板10Aとフレキシブル基板20Aとの間の非接着部3にチップコンデンサ40が介在され、フレキシブル基板10Aの信号配線12とフレキシブル基板20AのGND配線23aとの接近が抑えられる。更に、回路基板1Aでは、フレキシブル基板20Aとフレキシブル基板50との間の非接着部3にチップコンデンサ70が介在され、フレキシブル基板20Aの信号配線22aとフレキシブル基板50の配線53との接近が抑えられる。信号配線12とGND配線23aとの接近、信号配線22aと配線53との接近が抑えられることで、回路基板1Aの信号伝送特性の低下が抑えられる。
これにより、柔軟性を有し、且つ曲げられた時にも曲げられていない時と同等の高い信号伝送特性を安定して得ることのできる回路基板1Aが実現される。
フレキシブル基板の積層枚数が4枚以上(配線層数が7層又は8層以上)の回路基板も、上記回路基板1Aと同様に実現することができ、同様の効果を得ることができる。
続いて、回路基板の形成方法の一例について説明する。
図10及び図11は第1の実施の形態に係る回路基板の形成方法の一例を示す図である。図10(A)〜図10(E)及び図11(A)及び図11(B)にはそれぞれ、第1の実施の形態に係る回路基板形成工程の要部断面を模式的に図示している。
図10(A)に示すような、ベース層11の両面11a,11bに導体層16を設けた基板10aが準備される。ベース層11には、ポリイミドや液晶ポリマー等の材料が用いられる。ベース層11の厚さは、例えば25μm〜100μmとされる。導体層16には、Cu箔等の材料が用いられる。導体層16の厚さは、例えば10μm〜35μmとされる。
次いで、基板10aの導体層16のパターニングが行われる。導体層16のパターニングには、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術が用いられる。導体層16のパターニングにより、ベース層11の一方の面11a上に、図10(B)に示すような方向Sに円坐する信号配線12(配線部12−1,12−2)が形成される。ベース層11の他方の面11b上には、導体層16のパターニングが行われずに、或いは導体層16のパターニングが行われて、GND配線13が形成される。尚、ベース層11の一方の面11a上には、信号配線12と共に、GND配線が形成されてもよく、ベース層11の他方の面11b上には、GND配線13と共に、信号配線が形成されてもよい。
次いで、図10(C)に示すように、ベース層11上に、信号配線12が覆われるようにカバーレイ層14が形成され、GND配線13が覆われるようにカバーレイ層15が形成される。カバーレイ層14及びカバーレイ層15には、ポリイミドやソルダーレジスト等の材料が用いられる。カバーレイ層14及びカバーレイ層15の材料には、感光性の材料が用いられてもよい。
次いで、図10(D)に示すように、信号配線12を覆うカバーレイ層14のパターニングが行われ、チップコンデンサ40を接続するための、信号配線12に通じる開口部14aが形成される。カバーレイ層14の開口部14aは、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術が用いられて、或いはカバーレイ層14に感光性の材料が用いられている場合にはフォトリソグラフィ技術が用いられて、形成される。必要に応じ(例えば後述する導電性の接着層80との電気接続のために)、同様にしてGND配線13を覆うカバーレイ層15のパターニングが行われてもよい。
次いで、図10(E)に示すように、カバーレイ層14の開口部14aの信号配線12上に、チップコンデンサ40が実装される。例えば、半田ペースト等の導電性接合材料が用いられ、チップコンデンサ40の電極40a群が、それぞれ端子40b群(導電性接合材料)を介して、信号配線12の配線部12−1,12−2と電気的に接続される。
図10(A)〜図10(E)に示すような工程により、信号配線12上にチップコンデンサ40が実装されたフレキシブル基板10A(又はフレキシブル基板10)が形成される。
このようにして形成されたフレキシブル基板10Aが、上記のフレキシブル基板20(図6)又はフレキシブル基板20A(図9)といった、他のフレキシブル基板と接着される。フレキシブル基板20は、図10(A)〜図10(C)の例に従って形成することができる。フレキシブル基板20Aは、フレキシブル基板10Aと同様に、図10(A)〜図10(E)の例に従って形成することができる。
ここでは、フレキシブル基板10Aがフレキシブル基板20Aと接着され、そのフレキシブル基板20Aがフレキシブル基板50と接着される回路基板1A(図9)を例にして、接着工程について更に説明する。
図11(A)に示すように、フレキシブル基板10Aとフレキシブル基板20Aとが、チップコンデンサ40及び接着層30を介して対向され、フレキシブル基板20Aとフレキシブル基板50とが、チップコンデンサ70及び接着層60を介して対向される。接着層30及び接着層60には、例えば予めパターニングされた熱硬化性の接着シートが用いられる。熱硬化前の接着シートは、チップコンデンサ40及びチップコンデンサ70の部品高さよりも少しだけ厚くなるようにしておくことが好ましい。
次いで、接着シート(接着層30,60)が硬化する温度で加熱しながら加圧(熱圧着)する。これにより、図11(B)に示すように、フレキシブル基板10Aとフレキシブル基板20Aとが接着層30で接着され、フレキシブル基板20Aとフレキシブル基板50とが接着層60で接着される。接着シートの熱硬化により得られる接着層30及び接着層60はそれぞれ、チップコンデンサ40及びチップコンデンサ70の部品高さと同等か、部品高さよりも少しだけ薄くなるようにすることが好ましい。
図11(A)及び図11(B)に示すような工程により、上記図9に示したような回路基板1Aが得られる。
次に、第2の実施の形態について説明する。
図12は第2の実施の形態に係る回路基板の一例を示す図である。図12(A)には、第2の実施の形態に係る回路基板の一例の要部平面を模式的に図示し、図12(B)には、第2の実施の形態に係る回路基板の一例の要部断面を模式的に図示している。図12(B)は、図12(A)のL3−L3断面模式図である。尚、図12(A)では便宜上、上層フレキシブル基板の、チップコンデンサ群の実装面側の要部を、点線で図示している。
図12(A)及び図12(B)に示す回路基板1Bは、平面視で、方向Sに延在する複数本(ここでは一例として4本)の信号配線12がベース層11上の方向Tに並設されたフレキシブル基板10Bを有する。フレキシブル基板10Bの信号配線12群、及び反対面側のGND配線13は、それぞれカバーレイ層14及びカバーレイ層15で覆われる。フレキシブル基板10Bの信号配線12群の上には、それぞれACカップリング用のチップコンデンサ40群(チップコンデンサ41,42,43,44)が実装される。各チップコンデンサ40の電極40a群が、カバーレイ層14を貫通する端子40b群を介して、各信号配線12と接続される。
このようなフレキシブル基板10Bが、上記第1の実施の形態で述べた例に従い、チップコンデンサ40群が介在されるように、方向Sの両端部2に設けられる接着層30により、他のフレキシブル基板20B(フレキシブル基板20,20A等)と接着される。チップコンデンサ40群は、フレキシブル基板10Bと、それに対向して接着されるフレキシブル基板20Bとの間の非接着部3に設けられる。チップコンデンサ40群は、例えば、フレキシブル基板20B(そのカバーレイ層25)と離間自在に接触される。チップコンデンサ40群は、フレキシブル基板20B(そのカバーレイ層25)に、接着剤等で接着されて固定されてもよい。
フレキシブル基板10Bのチップコンデンサ40群は、例えば図12に示すように、平面視で、方向Sと直交する方向Tに一列で配列されるように、それぞれ信号配線12上に実装される。
回路基板1Bのように、信号配線12群を有するフレキシブル基板10Bには、各信号配線12上にチップコンデンサ40を実装することができる。これにより、各信号配線12について、DC成分の除去、低周波帯のカットが可能な伝送線路が実現される。
図12には、チップコンデンサ40(41〜44)群が、方向Tに一列で配列されるように信号配線12群にそれぞれ実装される例を示したが、チップコンデンサ40群の配列は、この例に限定されるものではない。
図13は第2の実施の形態に係る回路基板の別例を示す図である。図13(A)には、第2の実施の形態に係る回路基板の別例の要部平面を模式的に図示し、図13(B)には、第2の実施の形態に係る回路基板の別例の要部断面を模式的に図示している。図13(B)は、図13(A)のL4−L4断面模式図である。尚、図13(A)では便宜上、上層フレキシブル基板の、チップコンデンサ群の実装面側の要部を、点線で図示している。図13(B)では便宜上、L4−L4断面位置のチップコンデンサ以外のチップコンデンサを、点線で図示している。
図13(A)及び図13(B)に示す回路基板1Cのフレキシブル基板10Cは、チップコンデンサ40(41〜44)群が、方向Sに延在する信号配線12群の上にそれぞれ、互いに方向Sに位置をずらして実装されている。回路基板1Cのフレキシブル基板10Cは、このような点で、上記回路基板1Bのフレキシブル基板10Bと相違する。このようなフレキシブル基板10Cが、チップコンデンサ40群が介在されるように、方向Sの両端部2に設けられる接着層30により、他のフレキシブル基板20C(フレキシブル基板20,20A等)と接着される。
図13(A)及び図13(B)に示すように、チップコンデンサ40(41〜44)群は、互いに方向Sに位置をずらした配列としてもよい。このように配列されたチップコンデンサ40群によっても、各信号配線12について、DC成分の除去、低周波帯のカットが可能な伝送線路が実現される。
また、図13(A)及び図13(B)に示すようなチップコンデンサ40群の配列によれば、信号配線12群のピッチの増大や本数の削減、回路基板1Cの幅の増大が抑えられる。
例えば上記図12に示す回路基板1Bのように、チップコンデンサ40群を、方向Tに一列で配列されるように信号配線12群に実装する場合、用いるチップコンデンサ40群の幅によっては、隣接するチップコンデンサ40同士が干渉することも起こり得る。その場合、隣接するチップコンデンサ40同士の干渉を避けるため、信号配線12群のピッチを広げると、回路基板1Bの信号配線12群の本数を削減したり、信号配線12群の本数を維持するために回路基板1Bの幅を広げたりすることが必要になり得る。即ち、回路基板1Bの伝送線路数の減少や、回路基板1Bの大型化が生じる可能性がある。
これに対し、図13(A)及び図13(B)に示すようなチップコンデンサ40群の配列によれば、方向Tに一列に配列すると干渉するようなサイズのチップコンデンサ40群を用いる場合でも、それらの互いの実装位置を方向Sにずらすことで、干渉が避けられる。そのため、チップコンデンサ40群の実装のために信号配線12群のピッチを広げることが不要になり、ピッチを広げることで生じ得る信号配線12群の本数の削減や、回路基板1Cの幅の増大が抑えられる。
また、図14は第2の実施の形態に係る回路基板の更に別例を示す図である。図14には、第2の実施の形態に係る回路基板の別例の要部断面を模式的に図示している。図14では便宜上、断面位置のチップコンデンサ以外のチップコンデンサを点線で図示している。
図14に示す回路基板1Dは、フレキシブル基板10D及びフレキシブル基板20D、並びにフレキシブル基板50を含む。
フレキシブル基板10Dは、上記フレキシブル基板10Cと同様の構成を有し、方向Sに延在する信号配線12群と、各々の上に方向Sに位置をずらして実装されたチップコンデンサ40(41〜44)群とを含む。
フレキシブル基板20Dは、ベース層21上の方向Sに延在する信号配線22a群(図14では断面位置の1本のみを図示)と、各々の上に方向Sに位置をずらして実装されたチップコンデンサ70群(チップコンデンサ71,72,73,74)とを含む。信号配線22a群(配線22)、及び反対面側のGND配線23a(配線23)は、それぞれカバーレイ層24及びカバーレイ層25で覆われる。各チップコンデンサ70の電極70a群が、カバーレイ層24を貫通する端子70b群を介して、各信号配線22aと接続される。
フレキシブル基板10Dは、チップコンデンサ40(41〜44)群が介在されるように、方向Sの両端部2に設けられる接着層30でフレキシブル基板20Dと接着される。フレキシブル基板20Dは、チップコンデンサ70(71〜74)群が介在されるように、方向Sの両端部2に設けられる接着層60でフレキシブル基板50と接着される。
チップコンデンサ40群は、例えば、フレキシブル基板20D(そのカバーレイ層25)と離間自在に接触される。チップコンデンサ40群は、フレキシブル基板20D(そのカバーレイ層25)に、接着剤等で接着されて固定されてもよい。また、チップコンデンサ70群は、例えば、フレキシブル基板50(そのカバーレイ層55)と離間自在に接触される。チップコンデンサ70群は、フレキシブル基板50(そのカバーレイ層55)に、接着剤等で接着されて固定されてもよい。
図14に示す回路基板1Dでは、フレキシブル基板10Dとフレキシブル基板20Dとの間に介在されるチップコンデンサ40群の実装位置が、互いに方向Sにずらされる。更に、フレキシブル基板20Dとフレキシブル基板50との間に介在されるチップコンデンサ70群の実装位置が、互いに方向Sにずらされる。この場合、フレキシブル基板20Dとフレキシブル基板50との間のチップコンデンサ70群の実装位置は、図14に示すように、フレキシブル基板10Dとフレキシブル基板20Dとの間のチップコンデンサ40群の実装位置に対して、方向Sにずらされてよい。
このようにして、積層枚数が3枚の回路基板1Dを実現することもできる。積層枚数が4枚以上の回路基板も、上記回路基板1Dと同様に実現することができる。
次に、第3の実施の形態について説明する。
図15は第3の実施の形態に係る回路基板の一例を示す図である。図15には、第3の実施の形態に係る回路基板の一例の要部平面を模式的に図示している。
図15に示す回路基板1Eは、信号配線12上にチップコンデンサ40が実装されたフレキシブル基板10Eと、信号配線22a(配線22)上にチップコンデンサ70が実装されたフレキシブル基板20Eとを含む。フレキシブル基板10Eの信号配線12は、ベース層11の面11a上に設けられ、信号配線12、及び反対の面11b上のGND配線13は、それぞれカバーレイ層14及びカバーレイ層15で覆われる。フレキシブル基板20Eの信号配線22aは、ベース層21の面21a上に設けられ、信号配線22a、及び反対の面21b上のGND配線23aは、それぞれカバーレイ層24及びカバーレイ層25で覆われる。
回路基板1Eでは、フレキシブル基板10Eのチップコンデンサ40の実装面側と、フレキシブル基板20Eのチップコンデンサ70の実装面側とが対向される。フレキシブル基板10Eとフレキシブル基板20Eとは、互いのチップコンデンサ40とチップコンデンサ70とが介在されるように、方向Sの両端部2に設けられる接着層30で接着される。
チップコンデンサ40は、例えば、フレキシブル基板20E(そのカバーレイ層24)と離間自在に接触される。チップコンデンサ40は、フレキシブル基板20E(そのカバーレイ層24)に、接着剤等で接着されて固定されてもよい。また、チップコンデンサ70は、例えば、フレキシブル基板10E(そのカバーレイ層14)と離間自在に接触される。チップコンデンサ70は、フレキシブル基板10E(そのカバーレイ層14)に、接着剤等で接着されて固定されてもよい。
回路基板1Eでは、フレキシブル基板10Eとフレキシブル基板20Eとが、接着層30で部分的に接着されて積層されるため、積層による回路基板1Eの柔軟性の喪失が抑えられる。
また、回路基板1Eでは、チップコンデンサ40及びチップコンデンサ70により、フレキシブル基板10Eの信号配線12及びフレキシブル基板20Eの信号配線22aについて、DC成分の除去、低周波帯のカットが可能な伝送線路が実現される。回路基板1Eでは、チップコンデンサ40及びチップコンデンサ70により、曲げられた時のフレキシブル基板10Eの信号配線12とフレキシブル基板20Eの信号配線22aとの接近によるクロストークが抑えられ、それに起因した信号伝送特性の低下が抑えられる。
柔軟性を有し、且つ曲げられた時にも曲げられていない時と同等の高い信号伝送特性を安定して得ることのできる回路基板1Eが実現される。
この回路基板1Eの例に従い、信号配線群の上にそれぞれチップコンデンサ群が実装されたフレキシブル基板同士を接着、積層することもできる。
例えば、上記図12で述べたような、チップコンデンサ群を、信号配線群の延在方向と直交する方向に一列で配列するフレキシブル基板同士を、それらのチップコンデンサ群の実装面側同士を対向させ、端部を接着する。この場合は、両フレキシブル基板の、互いのチップコンデンサ群の実装位置(列)を、信号配線群の延在方向にずらす。
また、上記図13及び図14で述べたような、チップコンデンサ群を、信号配線群の延在方向にずらして配列するフレキシブル基板同士を、それらのチップコンデンサ群の実装面側同士を対向させ、端部を接着する。この場合は、一方のフレキシブル基板のチップコンデンサ群の実装位置に対して、他方のフレキシブル基板のチップコンデンサ群の実装位置を、信号配線群の延在方向にずらす。
次に、第4の実施の形態について説明する。
図16は第4の実施の形態に係る回路基板の一例を示す図である。図16(A)には、第4の実施の形態に係る回路基板の一例の要部側面を模式的に図示し、図16(B)には、第4の実施の形態に係る回路基板の一例の要部断面を模式的に図示している。図16(B)は、図16(A)のL5−L5断面模式図である。
図16(A)及び図16(B)に示す回路基板1Fは、フレキシブル基板10Fとフレキシブル基板20Fとが、方向Sの両端部2を接着層30で接着され、方向Tの両端部4を接着層80で接着された構成を有する。ここで、フレキシブル基板10Fには、上記フレキシブル基板10C,10Dのようなもののほか、上記フレキシブル基板10,10A,10B,10Eのようなものが用いられてよい。フレキシブル基板20Fには、上記フレキシブル基板20,20A,20B,20C,20D,20Eのようなものが用いられてよい。
図16(A)及び図16(B)に示す回路基板1Fにおいて、方向Sの両端部2の接着層30には、絶縁性材料が用いられ、方向Tの両端部4の接着層80には、導電性材料が用いられる。接着層80の導電性材料としては、導電性フィルムや導電性ペースト(例えば銀(Ag)ペースト)等、絶縁性樹脂に導電性フィラーを含有させたものを用いることができる。
導電性材料が用いられた接着層80は、図16(A)及び図16(B)に示すように、各端部4に沿って方向Sに連続して延在された連続壁として設けられる。接着層80は、フレキシブル基板20F及びフレキシブル基板10Fの少なくとも一方に設けられる、GND電位とされる導体部と電気的に接続される。
回路基板1Fでは、方向S、即ち信号配線12の延在方向に連続壁として設けられ、GND接続される導電性の接着層80が、電磁シールド機能を発揮する。このような接着層80により、回路基板1Fへの電磁波の入射、回路基板1Fからの電磁波の放射が抑えられ、回路基板1Fの信号伝送の特性劣化、回路基板1Fの周辺に配置される他の電子部品の特性劣化が抑えられる。
図17は第4の実施の形態に係る回路基板の形成方法の一例を示す図である。図17(A)及び図17(B)にはそれぞれ、第4の実施の形態に係る回路基板形成工程の要部側面を模式的に図示している。
上記図10(A)〜図10(E)で述べたような方法の例に従って準備されたフレキシブル基板10Fとフレキシブル基板20Fとを、図17(A)に示すように、チップコンデンサ40、接着層30及び接着層80を介して、対向させる。ここで、接着層30には、所定の形状とした絶縁性接着シートを用いることができる。接着層80には、所定の形状とした導電性フィルムを用いることができる。チップコンデンサ40と、例えばこのような接着層30及び接着層80とを介して、フレキシブル基板10Fとフレキシブル基板20Fとを熱圧着することで、接着層30及び接着層80を硬化し、図17(B)に示すような回路基板1Fを得る。
接着層80に導電性ペーストを用いる場合には、ディスペンサ等を用いた滴下法によって導電性ペーストを端部4に沿って配置し、フレキシブル基板10Fとフレキシブル基板20Fとを熱圧着する。これにより、接着層30及び接着層80を硬化し、図17(B)に示すような回路基板1Fを得る。
接着層80をGND接続するためには、予め上記図10(D)の工程の例に従い、カバーレイ層14及びカバーレイ層25の少なくとも一方のパターニングが行われ、GND電位とされる導体層が露出される。カバーレイ層14又はカバーレイ層25から露出させる導体層は、例えば、上記のような接着層30及び接着層80による接着後の回路基板1Fに対する孔開け(ドリル加工やエッチング等)とメッキにより、反対面側の導体層と電気的に接続してもよい。このような手法が用いられ、回路基板1Fにおける接着層80のGND接続が実現される。
接着層80による電磁シールドは、次の図18に示すような回路基板1Gでも実現することができる。
図18は第4の実施の形態に係る回路基板の別例を示す図である。図18(A)には、第4の実施の形態に係る回路基板の別例の要部側面を模式的に図示し、図18(B)には、第4の実施の形態に係る回路基板の別例の要部断面を模式的に図示している。図18(B)は、図18(A)のL6−L6断面模式図である。
図18(A)及び図18(B)に示す回路基板1Gは、フレキシブル基板10F及びフレキシブル基板20Fの両端部4を接着する接着層80が、方向Tに点在されたポスト壁として設けられている点で、上記回路基板1Fと相違する。接着層80は、フレキシブル基板20F及びフレキシブル基板10Fの少なくとも一方に設けられる、GND電位とされる導体部と電気的に接続される。方向S、即ち信号配線12の延在方向にポスト壁として設けられ、GND接続される導電性の接着層80によっても、電磁シールド機能が発揮され、回路基板1Gの信号伝送の特性劣化、回路基板1Fの周辺に配置される他の電子部品の特性劣化が抑えられる。
図19は第4の実施の形態に係る回路基板の形成方法の別例を示す図である。図19(A)及び図19(B)にはそれぞれ、第4の実施の形態に係る回路基板形成工程の要部側面を模式的に図示している。
上記図10(A)〜図10(E)で述べたような方法の例に従って準備されたフレキシブル基板10Fとフレキシブル基板20Fとを、図19(A)に示すように、チップコンデンサ40、接着層30及び接着層80を介して、対向させる。接着層30には、所定の形状とした絶縁性接着シートを用いる。回路基板1Gの形成では、例えばディスペンサ等を用いた滴下法により、図19(A)に示すような所定の位置に、接着層80として導電性ペーストを配置する。そして、フレキシブル基板10Fとフレキシブル基板20Fとを熱圧着することにより、接着層30及び接着層80を硬化し、図19(B)に示すような回路基板1Gを得る。
接着層80をGND接続するためには、予め上記図10(D)の工程の例に従い、カバーレイ層14及びカバーレイ層25の少なくとも一方のパターニングが行われ、GND電位とされる導体層が露出される。カバーレイ層14又はカバーレイ層25から露出させる導体層は、例えば、上記のような接着層30及び接着層80による接着後の回路基板1Gに対する孔開け(ドリル加工やエッチング等)とメッキにより、反対面側の導体層と電気的に接続してもよい。このような手法が用いられ、回路基板1Gにおける接着層80のGND接続が実現される。
尚、この第4の実施の形態で述べたような、方向Sと直交する方向Tの端部4に設ける連続壁又はポスト壁の接着層80は、上記第1〜第3の実施の形態で述べた回路基板1,1A,1B,1C,1D,1E等にも同様に適用可能である。
次に、第5の実施の形態について説明する。
上記第1〜第4の実施の形態で述べたような回路基板1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G等は、電子部品間の信号伝送に用いることができる。
図20は第5の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。図20には、第5の実施の形態に係る電子装置の一例の要部断面を模式的に図示している。
図20に示す電子装置100は、電子部品110及び電子部品120、並びにそれらを電気的に接続する回路基板、一例として上記第1の実施の形態で述べた回路基板1を含む。
電子部品110は、マザーボード111(回路基板)と、マザーボード111上に実装されたIC(Integrated Circuit)等の半導体チップ112(半導体素子)及びコネクタ113とを含む。マザーボード111は、信号線111a(SIG)及びGND線111b(GND)を有する。信号線111aは、半導体チップ112の半田バンプやCuピラー等の信号端子112aと、コネクタ113の信号端子113aとに接続される。GND線111bは、半導体チップ112のGND端子112bと、コネクタ113のGND端子113bとに接続される。
電子部品120も同様に、マザーボード121(回路基板)と、マザーボード121上に実装されたIC等の半導体チップ122(半導体素子)及びコネクタ123とを含む。マザーボード121は、信号線121a(SIG)及びGND線121b(GND)を有する。信号線121aは、半導体チップ122の半田バンプやCuピラー等の信号端子122aと、コネクタ113の信号端子123aとに接続される。GND線121bは、半導体チップ122のGND端子122bと、コネクタ123のGND端子123bとに接続される。
回路基板1(多層フレキシブル回路基板)は、一端側が電子部品110のコネクタ113に接続され、他端側が電子部品120のコネクタ123に接続される。
回路基板1がコネクタ113に接続されることで、回路基板1に含まれるフレキシブル基板10の信号配線12、及びフレキシブル基板20の信号配線とされる配線22又は配線23が、コネクタ113の信号端子113aに接続される。更に、フレキシブル基板10のGND配線13、及びフレキシブル基板20のGND配線とされる配線23又は配線22が、コネクタ113のGND端子113bに接続される。
同様に、回路基板1がコネクタ123に接続されることで、回路基板1に含まれるフレキシブル基板10の信号配線12、及びフレキシブル基板20の信号配線とされる配線22又は配線23が、信号端子123aに接続される。更に、フレキシブル基板10のGND配線13、及びフレキシブル基板20のGND配線とされる配線23又は配線22が、コネクタ123のGND端子123bに接続される。
電子装置100では、電子部品110と電子部品120との間で、回路基板1を介して信号伝送が行われる。例えば、電子部品110側の半導体チップ112から出力される信号が、その信号端子112a、マザーボード111の信号線111a、コネクタ113の信号端子113aを介して、回路基板1の信号配線12等に入力される。回路基板1に入力された信号は、その信号配線12等を電子部品120側へと伝送され、コネクタ123の信号端子123a、マザーボード121の信号線121a、信号端子122aを介して、半導体チップ122に入力される。
上記のように回路基板1では、信号配線12上にチップコンデンサ40が実装されることで、伝送される信号のDC成分の除去、低周波帯のカットが可能になる。更に、回路基板1では、信号配線12上に実装されたチップコンデンサ40により、曲げられた時にも信号配線12と配線23との接近が抑えられ、曲げられていない時と同等の信号伝送特性が得られる。このような回路基板1を用いることで、安定して性能が発揮される高信頼性、高品質の電子装置100が実現される。
ここでは、上記第1の実施の形態で述べた回路基板1を例にしたが、他の回路基板1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G等を用い、電子部品110と電子部品120との間の信号伝送を行うことが可能である。また、上記の電子部品110及び電子部品120の構成は一例であって、回路基板1等を用い、各種電子部品間の信号伝送を行うことが可能である。
次に、第6の実施の形態について説明する。
上記第1〜第4の実施の形態で述べたような回路基板1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G等を用いた電子装置は、各種電子機器(電子装置とも称する)に搭載することができる。例えば、コンピュータ(パーソナルコンピュータ、スーパーコンピュータ、サーバ等)、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、センサ、カメラ、オーディオ機器、測定装置、検査装置、製造装置といった、各種電子機器に用いることができる。
図21は第6の実施の形態に係る電子機器の一例を示す図である。図21には、電子機器の一例を模式的に図示している。
図21に示すように、例えば上記図20に示したような電子装置100が、各種電子機器200に搭載(内蔵)される。上記のように、電子装置100に用いられる回路基板1では、チップコンデンサ40により、電子部品110と電子部品120との間を伝送される信号のDC成分の除去、低周波帯のカットが可能になる。更に、曲げられた時にも配線同士の接近が抑えられ、安定した信号伝送特性が得られる。これにより、安定して性能が発揮される高信頼性、高品質の電子装置100が実現され、そのような電子装置100を搭載した、高信頼性、高品質の電子機器200が実現される。
ここでは、上記第5の実施の形態で述べたような、回路基板1を用いた電子装置100を例にしたが、回路基板1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G等を用いた各種電子装置を同様に、各種電子機器に搭載することが可能である。
以上の説明では、多層フレキシブル回路基板に含まれるフレキシブル基板間にチップコンデンサを介在させたが、チップコンデンサに代えて、或いはチップコンデンサと共に、他の電子部品、例えばチップ抵抗やチップインダクタを介在させるようにしてもよい。このような電子部品を利用し、多層フレキシブル回路基板が曲げられた時のフレキシブル基板間(それらの配線間)の接近を抑え、それに起因した信号伝送特性の低下を抑えるようにすることもできる。
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 第1絶縁層と、前記第1絶縁層の第1面に設けられ第1方向に延在された第1信号配線とを有する第1フレキシブル基板と、
前記第1面に対向する第2フレキシブル基板と、
前記第1フレキシブル基板と前記第2フレキシブル基板との間の第1領域に介在された接着層と、
前記第1フレキシブル基板と前記第2フレキシブル基板との間の前記第1領域とは異なる第2領域に介在され、前記第1信号配線上に実装された第1電子部品と
を含むことを特徴とする回路基板。
(付記2) 前記第1電子部品は、前記第1信号配線側と反対側が前記第2フレキシブル基板と接触することを特徴とする付記1に記載の回路基板。
(付記3) 前記第1フレキシブル基板は、前記第1面に設けられ前記第1方向に延在された第2信号配線を更に有し、
前記第2領域に介在され、前記第2信号配線上に実装された第2電子部品を更に含むことを特徴とする付記1又は2に記載の回路基板。
(付記4) 前記第1フレキシブル基板は、前記第1面に設けられ前記第1方向に延在された第2信号配線を更に有し、
前記第2領域に介在され、前記第2信号配線上の、前記第1電子部品に対して前記第1方向にずれた位置に実装された第2電子部品を更に含むことを特徴とする付記1又は2に記載の回路基板。
(付記5) 前記第2電子部品は、前記第2信号配線側と反対側が前記第2フレキシブル基板と接触することを特徴とする付記3又は4に記載の回路基板。
(付記6) 前記第2フレキシブル基板は、
第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の、前記第1面と対向する第2面に設けられた第1グランド配線と
を有することを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の回路基板。
(付記7) 前記第2フレキシブル基板は、
第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の、前記第1面と対向する第2面に設けられ前記第1方向に延在された第3信号配線と
を有することを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の回路基板。
(付記8) 前記第2フレキシブル基板は、前記第2領域に介在され前記第3信号配線上に実装された第3電子部品を更に含むことを特徴とする付記7に記載の回路基板。
(付記9) 前記第3電子部品は、前記第3信号配線側と反対側が前記第1フレキシブル基板と接触することを特徴とする付記8に記載の回路基板。
(付記10) 前記接着層は、前記第1フレキシブル基板及び前記第2フレキシブル基板の、前記第1方向と直交する第2方向の端部に設けられた導電性の接着部を含むことを特徴とする付記1乃至9のいずれかに記載の回路基板。
(付記11) 前記接着部は、前記第1フレキシブル基板又は前記第2フレキシブル基板に設けられた第2グランド配線と電気的に接続されることを特徴とする付記10に記載の回路基板。
(付記12) 前記接着部は、前記第1方向に延在された連続壁であることを特徴とする付記10又は11に記載の回路基板。
(付記13) 前記接着部は、前記第1方向に点在されたポスト壁であることを特徴とする付記10又は11に記載の回路基板。
(付記14) 第1絶縁層と、前記第1絶縁層の第1面に設けられ第1方向に延在された第1信号配線とを有する第1フレキシブル基板の、第1領域の前記第1信号配線上に、第1電子部品を実装する工程と、
前記第1電子部品が実装された前記第1フレキシブル基板と、前記第1面に対向して配置された第2フレキシブル基板とを、前記第1フレキシブル基板と前記第2フレキシブル基板との間の前記第1領域とは異なる第2領域で接着層により接着する工程と
を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
(付記15) 第1絶縁層と、前記第1絶縁層の第1面に設けられ第1方向に延在された第1信号配線とを有する第1フレキシブル基板と、
前記第1面に対向する第2フレキシブル基板と、
前記第1フレキシブル基板と前記第2フレキシブル基板との間の第1領域に介在された接着層と、
前記第1フレキシブル基板と前記第2フレキシブル基板との間の前記第1領域とは異なる第2領域に介在され、前記第1信号配線上に実装された第1電子部品と
を含む第1回路基板と、
前記第1回路基板の前記第1方向の端部に設けられ、前記第1信号配線と電気的に接続された第2電子部品と
を含むことを特徴とする電子装置。