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JP2017138139A - 化学除染方法並びに化学除染装置及びこれを用いる原子力プラント - Google Patents

化学除染方法並びに化学除染装置及びこれを用いる原子力プラント Download PDF

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JP2017138139A
JP2017138139A JP2016017707A JP2016017707A JP2017138139A JP 2017138139 A JP2017138139 A JP 2017138139A JP 2016017707 A JP2016017707 A JP 2016017707A JP 2016017707 A JP2016017707 A JP 2016017707A JP 2017138139 A JP2017138139 A JP 2017138139A
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秀幸 細川
Hideyuki Hosokawa
秀幸 細川
一成 石田
Kazunari Ishida
一成 石田
信之 太田
Nobuyuki Ota
信之 太田
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Abstract

【課題】炭素鋼部材の表面に形成されるシュウ酸鉄(II)の除去を促進し、放射性物質の除去率を向上する化学除染方法を提供する。【解決手段】還元除染剤であるシュウ酸を供給することにより炭素鋼部材の還元除染をする工程S6と、還元除染をした炭素鋼部材に酸化剤の供給をする工程S8と、を含み、還元除染剤及び酸化剤に接触するように設けた炭素鋼電極の電位の変化を測定することによりS9、炭素鋼部材に形成されたシュウ酸鉄(II)の皮膜の状態を検知し、除染効率の向上を図る。【選択図】図1

Description

本発明は、原子力プラントに用いる炭素鋼部材の化学除染方法及び化学除染装置並びに化学除染装置を用いる原子力プラントに係り、特に、沸騰水型原子力プラントに用いる炭素鋼部材に適用するのに好適な化学除染方法及び化学除染装置に関する。
例えば、沸騰水型原子力プラント(以下「BWRプラント」という。)は、原子炉圧力容器(以下「RPV」という。)内に炉心を内蔵した原子炉を有する。再循環ポンプ(またはインターナルポンプ)によって炉心に供給された炉水は、炉心内に装荷された燃料集合体内の核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、一部が蒸気になる。この蒸気は、RPVからタービンに導かれ、タービンを回転させる。タービンから排出された蒸気は、復水器で凝縮され、水になる。この水は、給水として原子炉に供給される。給水は、RPV内での放射性腐食生成物の発生を抑制するため、給水配管に設けられたろ過脱塩装置で主として金属不純物が除去される。炉水とは、RPV内に存在する冷却水をいう。
また、放射性腐食生成物の元となる腐食生成物は、RPV及び再循環系配管等のBWRプラントの構成部材の炉水と接する表面で発生するため、主要な一次系の構成部材には腐食の少ないステンレス鋼、ニッケル基合金などが使用されている。また、低合金鋼製のRPVは、内面にステンレス鋼の肉盛りが施され、低合金鋼が、直接、炉水と接触することを防いでいる。さらには、炉水の一部を原子炉浄化系のろ過脱塩装置によって浄化し、炉水中に僅かに存在する金属不純物を積極的に除去している。
しかし、上述のような腐食対策を講じても、炉水中における極僅かな金属不純物の存在が避けられないため、一部の金属不純物が、金属酸化物として、燃料集合体に含まれる燃料棒の表面に付着する。燃料棒表面に付着した不純物(例えば、金属元素)は、燃料棒内の核燃料物質の核分裂により放出される中性子の照射によって原子核反応を起こし、コバルト60、コバルト58、クロム51、マンガン54等の放射性核種になる。
これらの放射性核種は、大部分が酸化物の形態で燃料棒表面に付着したままである。しかしながら、一部の放射性核種は、取り込まれている酸化物の溶解度に応じて炉水中にイオンとして溶出したり、クラッドと呼ばれる不溶性固体として炉水中に再放出されたりする。炉水に含まれる放射性物質は、RPVに連絡された原子炉浄化系によって取り除かれる。原子炉浄化系で除去されなかった放射性物質は、炉水とともに再循環系などを循環している間に、原子力プラントの構成部材(例えば、配管)の炉水と接触する表面に蓄積される。その結果、構成部材の表面から放射線が放射され、定検作業時の従事者の放射線被ばくの原因となる。
その従事者の被ばく線量は、各人毎に規定値を超えないように管理されている。近年、この規定値が引き下げられ、各人の被ばく線量を可能な限り低くする必要が生じている。
そこで、定検作業での被ばく線量が高いことが予想される場合は、配管に付着した放射性核種を溶解して除去する化学除染が実施される場合がある。
特許文献1には、シュウ酸水溶液で炭素鋼部材の還元除染を行う第1の工程と、第1の工程の後で、ギ酸を含むシュウ酸水溶液でその炭素鋼部材の還元除染を行う第2の工程と、を含む化学除染方法が開示されている。この化学除染方法は、原子力プラントにおいて配管等に対して行われる。特許文献1には、第2の工程終了後に、ギ酸を分解し、ギ酸の分解後にシュウ酸を分解することも記載されている。
特許文献2には、酸素ガスをバブリングしたシュウ酸水溶液で炭素鋼の除染をする化学除染方法が開示されている。これは、溶存酸素の酸化性によって、炭素鋼表面に形成されるシュウ酸鉄(II)のFe(II)をFe(III)に酸化して、シュウ酸鉄(II)を炭素鋼の表面から除去し、その下にある放射性核種を含む酸化皮膜にシュウ酸が到達し易くするものである。これにより、シュウ酸鉄(II)の形成によって停止していた放射性核種を含む酸化皮膜の溶解が再び進行するので、除染の効率が向上する。
特開2009−109427号公報 特開2015−28432号公報
特許文献1に記載の化学除染方法では、第1工程でシュウ酸水溶液を用いて炭素鋼部材の還元除染を行うので、シュウ酸鉄が生成され、このシュウ酸鉄が炭素鋼部材の表面に析出する。このため、炭素鋼部材の表面の酸化皮膜の溶解が阻害され、化学除染の効率が低下する。第2工程では、ギ酸を含むシュウ酸水溶液で還元除染が行われるので、ギ酸によりシュウ酸鉄が溶解されるが、シュウ酸が存在するためにシュウ酸鉄が新たに生成される。さらに、第2工程終了後に、まず、ギ酸が分解され、その後、シュウ酸が分解されるために、ギ酸の分解終了後においてもシュウ酸鉄が生成される。
特許文献2に記載の化学除染方法では、シュウ酸鉄(II)の溶解のため、シュウ酸水溶液に酸素ガスをバブリングし、溶存酸素によってシュウ酸鉄(II)のFe(II)をFe(III)に酸化している。シュウ酸鉄(II)の量によっては、系統の下流側では溶存酸素がそれまでに消費されてしまい、シュウ酸鉄(II)の溶解が進まなくなる可能性がある。また、系統に大気開放部があると、酸素が抜けてしまい、それより下流側で酸素濃度が低下し、シュウ酸鉄(II)の溶解が進まなくなる可能性がある。
本発明の目的は、炭素鋼部材の化学除染をする際、炭素鋼部材の表面に形成されるシュウ酸鉄(II)の除去を促進し、放射性物質の除去率を向上することにある。
本発明の化学除染方法は、原子力プラントの構造材部材である炭素鋼部材の化学除染をする方法であって、還元除染剤であるシュウ酸を供給することにより炭素鋼部材の還元除染をする工程と、還元除染をした炭素鋼部材に酸化剤の供給をする工程と、を含み、還元除染剤及び酸化剤に接触するように設けた炭素鋼電極の電位の変化を測定することにより、炭素鋼部材に形成されたシュウ酸鉄(II)の皮膜の状態を検知する。
本発明によれば、炭素鋼部材の化学除染をする際、炭素鋼部材の表面に形成されるシュウ酸鉄(II)の除去を促進し、放射性物質の除去率を向上することができる。
また、本発明によれば、除染対象全体にわたってシュウ酸鉄(II)を除去することができる。これにより、シュウ酸鉄(II)によって被覆されていた放射性核種を含む酸化皮膜を溶解することができ、炭素鋼部材の化学除染による除染効率を向上することができる。
本発明の炭素鋼部材の化学除染方法を示すフローチャートである。 シュウ酸2000ppm及びヒドラジン500ppmを含む90℃の水溶液に浸漬した炭素鋼電極の電位変化を示すグラフである。 実施例1の化学除染装置が接続された沸騰水型原子力プラントを示す構成図である。 図3の化学除染装置の詳細構成図である。 実施例2の化学除染装置の沸騰水型原子力プラントへの接続状態を示す構成図である。 実施例3の化学除染装置の制御に関する構成を示す概略図である。
本発明の特徴は、化学除染対象部の除染液出口側の仮設配管部に炭素鋼電極を設けてシュウ酸除染液浸漬中の電位を測定し、シュウ酸鉄(II)の除去のために除染液に添加する過酸化水素が炭素鋼電極まで到達することを、電位を測定して確認することにある。
シュウ酸水溶液に浸漬した炭素鋼電極には、炭素鋼配管と同様に、シュウ酸鉄(II)の皮膜が形成される。この皮膜が厚くなると、母材の腐食速度が低下し、電位が安定する。除染対象の炭素鋼配管側でもシュウ酸鉄(II)皮膜が形成されるため、放射性核種を取込んだ酸化皮膜の溶解が抑制され、除染の効率が低下する。
そこで、シュウ酸鉄(II)を除去するため、酸化剤である過酸化水素を除染液に添加する。除染対象の炭素鋼配管に形成されたシュウ酸鉄(II)に過酸化水素を作用させるために、過酸化水素は、除染対象の上流側に添加する。添加された過酸化水素は、シュウ酸鉄(II)と反応して消失するため、下流側にも過酸化水素が到達してシュウ酸鉄(II)を除去していることを確認する必要がある。下流側の除染液をサンプリングして過酸化水素の濃度を測定することも可能であるが、測定された濃度でシュウ酸鉄(II)が除去されているかどうかはわからない。
そこで、下流側に設置した炭素鋼電極の電位の変化を測定して、シュウ酸鉄(II)が除去されているかどうか判断する。シュウ酸鉄(II)に覆われた炭素鋼電極に過酸化水素が到達してシュウ酸鉄(II)が除去されると、母材の溶解速度が増加し、電位に変化をもたらす。これを測定することで、下流側まで過酸化水素が作用してシュウ酸鉄(II)の除去が及んでいることが確認できる。
本発明者は、シュウ酸を含む水溶液(還元除染液)を用いた炭素鋼の化学除染において、シュウ酸鉄(II)が析出することによる除染効率(DF:Decontamination Factor)の低下を防ぐ方法を検討した。
ジカルボン酸であるシュウ酸は、錯体を作り易い性質を持っており、酸のプロトンによって炭素鋼の鉄が酸化されて生じた鉄(II)イオン(Fe2+)とも錯体を形成する。その際、シュウ酸からプロトンが2つ解離した(COO) 2−とFe2+では電荷がちょうど中和されるため、低い濃度で析出が生じる。析出したシュウ酸鉄(II)が除染対象の炭素鋼表面の放射性核種を含む酸化皮膜を覆うと、この酸化皮膜の溶解が抑制されるので、DF低下の原因となる。そこで、線量率の低下傾向が収まったところでこのシュウ酸鉄(II)皮膜を、過酸化水素を作用させて除去することを考えた。
シュウ酸鉄(II)中のFe2+は、過酸化水素と下記式(1)で表されるフェントン反応を起こしてFe3+に変化し、水溶液に溶解する。
Fe2++H → Fe3++OH+OH …(1)
この反応で生じたヒドロキシルラジカルOHは、下記式(2)で表される周囲のシュウ酸との反応、または下記式(3)で表されるFe2+との反応により消費される。
(COOH)+2OH → CO+2HO …(2)
Fe2++OH → Fe3++OH …(3)
Fe3+は、下記式(4)、(5)及び(6)で表される反応によりシュウ酸と錯体を形成し、キレートイオンとして水溶液中に保持される。
Fe3++(COO) 2− → Fe(COO) …(4)
Fe(COO) +(COO) 2− → Fe[(COO) …(5)
Fe[(COO) +(COO) 2− → Fe[(COO) 3− …(6)
このような反応により、シュウ酸鉄(II)が放射性核種を含む酸化皮膜上から除去され、還元除染液中のシュウ酸が再び酸化皮膜を溶解できるようになる。
本明細書において「還元除染」とは、構造材部材である炭素鋼部材に生じた酸化皮膜を、シュウ酸等により還元して溶解し、除去することをいう。
添加した過酸化水素は、上記反応により消費されてしまうので、除染対象系統の上流側から下流側にかけて濃度が低下する。このため、下流側の炭素鋼部材では、過酸化水素が不足し、シュウ酸鉄(II)の溶解が進まない可能性がある。
下流側還元除染液をサンプリングして過酸化水素濃度を測定することは可能であるが、上記式(1)の反応が進行してシュウ酸鉄(II)の除去が進み、その下にある放射性核種を含む酸化皮膜の溶解が進むかどうかを過酸化水素濃度だけで判断することはできない。
そこで、本発明者は、除染対象部の下流側を含む除染対象部全体で過酸化水素によってシュウ酸鉄(II)が除去されていることを確認する方法として、除染対象部の下流側に炭素鋼電極を設置してその電位を継続的に測定する方法を考えた。
除染装置を除染対象部に組み込む際に、除染対象部下流側の除染装置仮設配管に炭素鋼電極を設置し、その電位を測定できるようにしておく。また、除染対象部には線量率モニターを設置し、除染による線量の低下をモニターできるようにしておく。
還元除染が開始されると、除染対象の炭素鋼部材の線量率は低下してくるが、同時にシュウ酸鉄(II)の析出も生じる。同様に、炭素鋼電極にもシュウ酸鉄(II)が析出する。このシュウ酸鉄(II)の析出が進行して皮膜を形成すると、除染対象の炭素鋼部材では線量率の低下が遅くなり、炭素鋼電極では腐食が抑制され、電位は安定する。線量率の低下が遅くなることは、除染対象部に設置した線量率モニターの連続測定結果から、電位の安定化は除染装置架設配管に設置した炭素鋼電極の電位の連続測定結果から求めることができる。
そこで、DFを向上させるためシュウ酸鉄(II)を除去する目的で除染対象上流側から過酸化水素を添加する。
添加した過酸化水素は、シュウ酸鉄(II)に含まれるFe2+と上記式(1)の反応を起こし、シュウ酸鉄(II)を除去する。そして、過酸化水素は、この反応によって消失する。
除染対象の下流側でもこの反応によってシュウ酸鉄(II)が除去されていることを確認するため、除染装置仮設配管に設置した炭素鋼電極の電位測定結果を活用する。炭素鋼電極に過酸化水素が到達する前は、シュウ酸鉄(II)の皮膜が形成されて母材の腐食が抑制された状態で電位は安定して一定の値となっている。そこへ過酸化水素が到達すると、シュウ酸鉄(II)が除去されて炭素鋼の母材が露出してくる。すると、電位が変化するので、シュウ酸鉄(II)の除去が確認できる。これにより、添加した過酸化水素で除染対象の炭素鋼部材の上流側から下流側までシュウ酸鉄(II)の除去が進んでいると判断できる。
図2は、本発明者が行った炭素鋼電極の電位の測定結果である。横軸に時間、縦軸に炭素鋼電極電位をとっている。
シュウ酸2000ppm及びヒドラジン500ppmを含む水溶液を90℃に加熱し、これに炭素鋼電極を浸漬して、Ag/AgCl電極を参照電極として電位を測定した。
炭素鋼電極は、研磨したのち浸漬したが、シュウ酸鉄(II)の皮膜が形成され、本図において0分から10分までの範囲に示すように、電位が一定の値を示すようになった。一定の電位を示すようになった後、過酸化水素を添加すると、1分程度でシュウ酸鉄(II)が溶解し、電位が低下した。その後、再び、シュウ酸鉄(II)の皮膜が形成され、約1時間後には電位が一定の値を示すようになった。
シュウ酸鉄(II)の除去は、炭素鋼電極よりも上流側でも生じているので、炭素鋼部材の放射性核種を含む酸化皮膜がシュウ酸を含む還元除染液に接触することが可能となり、溶解が進むので、DFが向上する。
以下、本発明の実施形態についてまとめて記載する。
本発明の化学除染方法は、原子力プラントの構造材部材である炭素鋼部材の化学除染をする方法であって、還元除染剤であるシュウ酸を供給することにより炭素鋼部材の還元除染をする工程と、還元除染をした炭素鋼部材に酸化剤の供給をする工程と、を含み、還元除染剤及び酸化剤に接触するように設けた炭素鋼電極の電位の変化を測定することにより、炭素鋼部材に形成されたシュウ酸鉄(II)の皮膜の状態を検知する。
炭素鋼電極には、炭素鋼部材に供給され炭素鋼部材を通過した液が送られることが望ましい。
酸化剤は、還元除染剤を含む液に添加され、その後、炭素鋼部材に接触することが望ましい。
還元除染及び酸化剤の供給をする際、炭素鋼部材の線量率の測定をすることが望ましい。
還元除染をする際、線量率の低下が継続する場合は還元除染を継続し、線量率が略一定となったときは酸化剤の供給を開始することが望ましい。
炭素鋼電極の電位が低下するまでは酸化剤の供給を継続し、炭素鋼電極の電位が低下した後は酸化剤の供給を停止することが望ましい。
酸化剤の供給を停止した後、線量率の低下が継続している場合は還元除染を継続することが望ましい。
線量率の低下が終了した後は、還元除染剤の分解を行い、還元除染剤を含む液の浄化をすることが望ましい。
酸化剤の供給の停止と還元除染の継続とを繰り返すことが望ましい。
線量率が略一定となった時点の判定は、還元除染の開始後1時間の線量率低下速度とその後の線量率低下速度とを比較し、その後の線量率低下速度が開始後1時間の線量率低下速度の1/10以下になった時点とすることが望ましい。
酸化剤は、過酸化水素又はオゾンであることが望ましい。
本発明の化学除染装置は、原子力プラントの構造材部材である炭素鋼部材の化学除染をする装置であって、炭素鋼部材に還元除染剤であるシュウ酸を供給する薬剤供給部と、炭素鋼部材に酸化剤の供給をする酸化剤供給部と、還元除染液及び酸化剤に接触するように設けた炭素鋼電極と、を含み、炭素鋼電極の電位の変化を測定することにより、炭素鋼部材に形成されたシュウ酸鉄(II)の皮膜の状態を検知する構成を有する。
さらに、炭素鋼部材に付設可能な循環配管を含み、薬剤供給部及び酸化剤供給部は、循環配管に付設されていることが望ましい。
炭素鋼電極は、循環配管から炭素鋼部材に供給され炭素鋼部材を通過した液が送られる部位に配置されていることが望ましい。
炭素鋼電極には、循環配管から炭素鋼部材に供給され炭素鋼部材を通過した液の一部が送られるように構成されていることが望ましい。
さらに、炭素鋼部材に付設された放射線検出器と、制御ユニットと、を含み、制御ユニットは、少なくとも炭素鋼電極の電位と放射線検出器で測定される炭素鋼部材の線量率とを用いて、還元除染剤及び酸化剤の供給に関する制御をすることが望ましい。
本発明の原子力プラントは、化学除染装置を付設可能としたものであることが望ましい。
また、本発明の原子力プラントは、化学除染装置を付設したものであってもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明に好適な一実施例である実施例1における炭素鋼部材の化学除染の方法及び装置について、図1、図3及び図4を用いて説明する。本実施例は、沸騰水型原子力発電プラント(BWRプラント)に適用した例である。
本実施例が適用されるBWRプラントの概略構成について、図3を用いて説明する。
本図において、BWRプラントは、原子炉49、タービン56、復水器57、再循環系、原子炉浄化系、給水系等を備えている。原子炉格納容器11内に設置された原子炉49は、炉心51を内蔵する原子炉圧力容器50(以下「RPV」という。)を有し、RPV50内にジェットポンプ52を設置している。複数の燃料集合体(図示せず)が炉心51に装荷されている。各燃料集合体は、核燃料物質で製造された複数の燃料ペレットを充填した複数の燃料棒を含んでいる。
再循環系は、再循環ポンプ53及びステンレス鋼製の再循環系配管54を有し、再循環ポンプ53が再循環系配管54に設置されている。
給水系は、復水器57とRPV50とを連絡する給水配管58に、復水ポンプ59、復水浄化装置60、低圧給水加熱器61、給水ポンプ63及び高圧給水加熱器62を復水器57からRPV50に向かってこの順番に設置して構成されている。復水器57と復水ポンプ59との間の給水配管58には、水素注入装置66が接続されている。給水配管58には、復水浄化装置60をバイパスするバイパス配管65が接続されている。
原子炉水浄化系は、再循環系配管55と給水配管60とを連絡する浄化系配管69に、浄化系ポンプ70、再生熱交換器71、非再生熱交換器72及び炉水浄化装置73を設置して構成されている。浄化系配管69は、再循環ポンプ53より上流で再循環系配管54に接続されている。
RPV50内の冷却水は、再循環ポンプ53で昇圧され、再循環系配管54を通ってジェットポンプ52のノズル(図示せず)からジェットポンプ52のベルマウス(図示せず)内に噴出される。このノズルの周囲に存在する炉水も、ノズルから噴出される噴出流の作用により、ベルマウス内に吸引される。ジェットポンプ52から吐出された炉水は、炉心51に供給され、燃料棒内の核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱される。加熱された炉水の一部が蒸気になる。この蒸気は、RPV50から主蒸気配管55を通ってタービン56に導かれ、タービン56を回転させる。タービン56に連結された発電機(図示せず)が回転され、電力が発生する。タービン56から排出された蒸気は、復水器57で凝縮され、水になる。
この水は、給水として給水配管58を通り、RPV50内に供給される。給水配管58を流れる給水は、復水ポンプ59で昇圧され、復水浄化装置60で不純物が除去され、給水ポンプ63でさらに昇圧され、低圧給水加熱器61及び高圧給水加熱器62で加熱される。抽気配管64で主蒸気配管55、タービン56から抽気された抽気蒸気は、低圧給水加熱器61及び高圧給水加熱器62にそれぞれ供給され、給水の加熱源となる。
本実施例の原子力プラントの炭素鋼部材の化学除染方法に用いられる化学除染装置1の詳細な構成を、図4を用いて説明する。
化学除染装置1は、循環配管2、pH調整剤注入装置12、過酸化水素注入装置7(酸化剤供給部)、内部に加熱器19を設置したサージタンク17、循環ポンプ20、26、フィルタ21、分解装置25、陽イオン交換樹脂塔23、混床樹脂塔24、ホッパ5、及び炭素鋼電位測定器81を備えている。
循環配管2には、開閉弁27、循環ポンプ20、弁28、弁29、30、31、サージタンク17、循環ポンプ26、弁32及び開閉弁33が、上流より、この順に設けられている。
弁28をバイパスして循環配管2に接続された配管34には、弁35及びフィルタ21が設置されている。循環配管2には、弁29をバイパスする配管36が接続されている。配管36には、冷却器22及び弁37が設置されている。循環配管36には、両端が配管36に接続されて冷却器22及び弁37をバイパスする配管80が接続されている。配管80には、炭素鋼電極81及び弁82が設置されている。両端が循環配管2に接続されて弁30をバイパスする配管38には、陽イオン交換樹脂塔23及び弁40が設置されている。両端が配管38に接続されて陽イオン交換樹脂塔23及び弁40をバイパスする配管39には、混床樹脂塔24及び弁41が設置されている。陽イオン交換樹脂塔23は、内部に、陽イオン交換樹脂を充填した樹脂層を有している。混床樹脂塔24は、内部に、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を充填した樹脂層を有している。
さらに、循環配管2には、弁43及び分解装置25が設置される配管42が弁31をバイパスして接続される。分解装置25の内部には、例えば、ルテニウムを活性炭の表面に添着した活性炭触媒が充填されている。サージタンク17は、弁31と循環ポンプ26との間で循環配管2に設置されている。
pH調整剤注入装置12は、薬液タンク13、注入ポンプ14及び注入配管16を有する。薬液タンク13は、注入ポンプ14及び弁15を有する注入配管16によって循環配管2に接続されている。薬液タンク13には、pH調整剤であるヒドラジンが貯留されている。循環配管2において、注入配管16が循環配管2に接続されている部位と開閉弁35との間には、pH計83が設置されている。
過酸化水素注入装置7(酸化剤供給部)は、薬液タンク8、注入ポンプ9、注入配管44及び注入配管84を有する。薬液タンク8は、注入ポンプ9及び弁45を有する注入配管44によって分解装置25の上流において配管42に接続されている。薬液タンク8は、酸化剤(例えば、過酸化水素またはオゾン)を貯留している。注入配管84は、弁85を有し、注入ポンプ9と弁45との間の注入配管44に接続され、他の一端は、弁32とpH計83との間にて循環配管2に接続されている。
サージタンク17の上端部には、配管75が接続されている。配管75は、循環ポンプ26と弁32との間で循環配管2に接続されている。配管75には、弁3及びエゼクタ4が設置されている。エゼクタ4には、ホッパ5が接続されている。循環配管2のpH計83と開閉弁33との間、及び開閉弁27と循環ポンプ20との間には、弁46を設けた配管47の両端部が接続されている。ホッパ5は、過マンガン酸カリウム等の酸化除染剤又はシュウ酸等の還元除染剤を、循環配管2を流れる液に添加するための薬剤供給部である。ここで、酸化除染剤を添加する場合は、酸化除染剤供給部とも呼ぶ。一方、還元除染剤を添加する場合は、還元除染剤供給部とも呼ぶ。
分解装置25は、シュウ酸、及びpH調整剤のヒドラジンを分解できるようになっている。つまり、化学除染に使用する薬剤としては、廃棄物量の低減化を考慮して水及び二酸化炭素に分解できる有機酸または無害な気体として放出可能で廃棄物を増やさないヒドラジンを用いている。
図3において、RPV50内の冷却水は、炉心51に装荷された燃料集合体に含まれる核燃料物質の核分裂に伴って発生する放射線の照射を受けて放射線分解を起こし、過酸化水素及び酸素などの酸化性化学種を生ずる。この酸化性化学種によって、冷却水と接触する原子力プラントの構成部材の腐食電位が上昇する。このため、BWRプラントでは、応力腐食割れに対する環境緩和対策として、水素注入装置66から給水に水素を注入して、この水素と冷却水に含まれる過酸化水素及び酸素などの酸化性化学種を反応させることによって、冷却水の酸化性化学種濃度を低減させ、原子力プラントの構成部材の腐食電位を低下させる運転が行われている。
BWRプラントにおいて、この給水に水素を注入しながら行う運転を、水素注入水質(HWC:Hydrogen Water Chemistry)運転といい、BWRプラントにおいて水素注入を行わない運転を、通常水質(NWC:Normal Water Chemistry)運転という。水素注入により腐食電位を低下させるBWRプラントの運転は、水素注入を運転中継続することが望ましいが、水素注入が中断される場合があり、この水素注入が中断されている場合におけるBWRプラントの運転は、NWC運転であり、原子力プラント構成部材の腐食電位は高い状態になる。
再循環系配管54内を流れる炉水の一部は、浄化系ポンプ68の駆動によって浄化系配管67内に流入し、再生熱交換器69及び非再生熱交換器70を通って冷却され、炉水浄化装置71によって不純物を取り除かれる。浄化された炉水は、再生熱交換器69で加熱されて浄化系配管67及び給水配管58を経てRPV50内に戻される。
BWRプラントは、1つの運転サイクルの運転が終了した後に停止される。この運転停止後に、BWRプラントに対して定期検査が実施される。この定期検査が終了した後、BWRプラントが再度起動される。この定期検査の期間中において、炉心51内の一部の燃料集合体が新燃料集合体と交換される。すなわち、炉心51内の一部の燃料集合体が、使用済燃料集合体としてRPV50から取り出され、燃焼度0GWd/tの新燃料集合体が炉心51に装荷される。BWRプラントの運転停止後で定期検査での各機器の点検を実施する前に、BWRプラントの配管等に対する化学除染が実施される。
図1に示す手順により実施される、実施例1の原子力プラントの炭素鋼部材の化学除染方法について、以下に具体的に説明する。
例えば、炭素鋼製の配管である、原子炉浄化系の浄化系配管67に設けられた浄化系ポンプ68、再生熱交換器69、非再生熱交換器70等の点検、保守作業が計画されている定期検査において、点検作業員または保守作業員の放射線被ばく低減のため、浄化系配管67に対して化学除染を実施する場合である。このとき、浄化系配管67に対して、図1に示すステップS1〜S8の各工程が実施される。なお、以下においては、図3及び4の符号も使用して説明する。
運転を経験したBWRプラントでは、RPV50内の冷却水が流れる再循環系配管54及び浄化系配管67等の内面に、放射性核種を含む酸化皮膜が形成されており、この酸化皮膜が化学除染により除去される。本実施例の化学除染方法は、BWRプラントの炭素鋼部材を対象に行うものであり、このため、炭素鋼製の配管である浄化系配管67等の内面から酸化皮膜を除去する処理である。浄化系配管67に対する化学除染では、図3に示す化学除染装置1が用いられる。
初めに、化学除染装置1を、化学除染対象物である配管系、すなわち、運転が停止された原子力プラントの配管系に接続する(ステップS1)。化学除染装置1は、仮設設備であり、その循環配管2の両端が、化学除染対象物である炭素鋼製の浄化系配管67に接続される。
ここで、循環配管2を浄化系配管67に接続する作業について具体的に説明する。
BWRプラントの運転停止後に、例えば、再循環系配管54に接続されている浄化系配管67に設置されている弁171のボンネットを開放して、再循環系配管54側を封鎖する。化学除染装置1の循環配管2の一端を弁171のフランジに接続する。これにより、循環配管2の一端が浄化系ポンプ68の上流で浄化系配管67に接続される。他方、浄化系ポンプ68の下流側で浄化系配管67に設置された弁74のボンネットを開放して再生熱交換器69側を封鎖する。化学除染装置1の循環配管2の他端を弁74のフランジに接続する。これにより、循環配管2の一端が浄化系ポンプ68の下流で浄化系配管67に接続される。浄化系配管67及び循環配管2を含む閉ループが形成される。
化学除染装置1が浄化系配管67に接続された後で、ステップS2において循環ポンプ20、26を駆動する前に、循環配管2、サージタンク17及び弁171と弁74の間の浄化系配管67内に、水を充填する。この水は、例えば、サージタンク17から注入される。
循環水の温度を調節する(ステップS2)。
まず、開閉弁27、33を閉じて、弁28、29、30、31、32、46を開き、他の弁を閉じた状態で、循環ポンプ20、26を起動して、サージタンク17内の水を循環配管2内で循環させる。つづいて、開閉弁27、33以外の弁の開閉を操作して循環配管につながる各配管のエア抜きを行う。エア抜き終了後、弁28、29、30、31、32、46以外の弁は閉じ、開閉弁27、33を開き、他の弁を閉じた状態で、循環ポンプ20、26を運転したまましておき、弁46を閉じてサージタンク17内の水を循環配管2及び浄化系配管67内で循環させる。そして、サージタンク17内に設置された加熱器19によって、循環配管2及び浄化系配管67内を循環する循環水を加熱し、循環水の温度を約90℃に調節する。
化学除染装置1に組み込まれた炭素鋼電極で電位の測定を開始する(ステップS3)。
弁82を開いて弁29の開度を調整することで、炭素電極電位測定器81に循環水を通水する。炭素鋼電位測定器81には、炭素鋼電極とAg/AgCl電極が挿入されており、そこから外部に取り出され電極ケーブルが電位計に接続されており、両電極の電位差が測定される。
配管系の酸化除染を実施する(ステップS4)。
弁3を開いて、ホッパ5内に投入された過マンガン酸カリウム(酸化除染剤)がエゼクタ4を通して配管75内に供給され、さらに、配管75内を流れる水によりサージタンク17内に導かれる。過マンガン酸カリウムがサージタンク17内で90℃の水に溶解し、酸化除染液(過マンガン酸カリウム水溶液)が生成される。この酸化除染液は、循環ポンプ26で昇圧され、サージタンク17から循環配管2を経て浄化系配管67内に供給される。酸化除染液は、浄化系配管67の内面に形成されている酸化皮膜などの汚染物(放射性核種を含む)を酸化して溶解する(酸化除染工程)。
つぎに、シュウ酸を添加する(ステップS5)。
酸化除染(ステップS4)が終了した後、ホッパ5内に投入されたシュウ酸が、エゼクタ4から配管75内を流れる酸化除染液に供給され、サージタンク17内に導かれる。このシュウ酸によって、酸化除染液に含まれている過マンガン酸カリウムが分解される(酸化除染剤分解工程)。
酸化除染剤分解工程の終了後に、還元除染液を用いた配管系、例えば、酸化除染を行った浄化系配管67の内面に対する還元除染が実施される。
本実施例の化学除染方法における還元除染について、以下に詳細に説明する。
還元除染液を生成するためのシュウ酸の添加(ステップS6)、及びステップS7〜S12の各工程は、還元除染工程である。
ステップS6において、ホッパ5内のシュウ酸を配管75内に供給し続けると、やがて過マンガン酸カリウムが消失し、サージタンク17内でシュウ酸水溶液(還元除染液)が生成される。
このシュウ酸水溶液にpH調整剤を注入する。90℃のシュウ酸水溶液がサージタンク17から循環配管2を通して浄化系配管67に供給される。循環配管2を流れている90℃で溶存酸素が飽和しているシュウ酸水溶液に、pH調整剤であるヒドラジンがpH調整剤注入装置12により注入される。
具体的には、弁15を開いて注入ポンプ14を駆動する。この結果、薬液タンク13内のヒドラジンが注入配管16を通って循環配管2内に注入される。ヒドラジンの注入によって90℃のシュウ酸水溶液のpHが2から3までの範囲内、例えば、pH2.5に調節される。シュウ酸水溶液のpHを2から3までの範囲内に調節することによって、炭素鋼製の浄化系配管67の過度の溶解が抑制される。ヒドラジンの循環配管2への注入量は、pH計83で測定された循環配管2内を流れるシュウ酸水溶液のpH測定値に基づいて、このpH測定値が2.5になるように、注入ポンプ14の回転速度(または弁15の開度)を制御することにより調節される。
循環ポンプ20、26が駆動されているため、90℃でpH2.5のシュウ酸水溶液が、化学除染対象物である浄化系配管67内に供給される。シュウ酸水溶液のシュウ酸濃度は2000ppmである。このシュウ酸水溶液が浄化系配管67の内面に接触すると、浄化系配管67の内面に付着している酸化皮膜がシュウ酸によって溶解される。酸化皮膜には、放射性核種を含む腐食生成物が含まれている。酸化皮膜に含まれるFe(II)の溶解または浄化系配管の炭素鋼の溶解によって生じたFe2+の一部は、シュウ酸イオンと結合して、シュウ酸鉄(II)の沈殿物を形成する。
つぎに、陽イオン交換樹脂塔23への通水を行う。
酸化除染剤分解工程が終了した後、弁40を開いて弁30の開度を調節し、浄化系配管67から循環配管2に排出され戻されたシュウ酸水溶液の一部が、陽イオン交換樹脂塔23に供給され、陽イオン交換樹脂塔23内の陽イオン交換樹脂と接触する。浄化系配管67の還元除染によりシュウ酸水溶液に溶出した放射性核種(例えば、Co−60)及びFe2+等の金属陽イオンが、陽イオン交換樹脂塔23内の陽イオン交換樹脂に吸着されて除去される。
陽イオン交換樹脂塔23で金属陽イオンが除去されたシュウ酸水溶液は、弁30を通過したシュウ酸水溶液と混合され、サージタンク17内に導かれる。90℃でpH2.5のシュウ酸水溶液が、循環配管2から浄化系配管67に供給される。このシュウ酸水溶液は、浄化系配管67及び循環配管2で形成される閉ループ内を循環することにより、浄化系配管67の内面において還元除染の媒体として作用する。還元除染が行われている間、シュウ酸水溶液の一部は、陽イオン交換樹脂塔23に導かれ、シュウ酸水溶液に含まれる金属陽イオンが陽イオン交換樹脂塔23で除去される。
そして、化学除染対象物である浄化系配管67の外側に配置された放射線検出器76(線量率モニター)により、化学除染対象物である浄化系配管67から放出される放射線を検出し、放射線検出信号を出力する。この放射線検出信号に基づいて浄化系配管67の線量率を求める(ステップS7)。
放射性核種の除去によって求められた線量率の低下傾向が継続する間は、還元除染を継続する。
低下傾向が収まったところで、言い換えると、線量率がほぼ一定値となったところで、次のステップS8である過酸化水素の添加に移行する。低下傾向の終了は、例えば、線量率の低下速度が前の1時間に比べて1/10以下になった時点とする。この線量率の下げ止まりは、シュウ酸によって溶解された酸化皮膜、或いは炭素鋼母材金属から溶解したFe2+がシュウ酸と結合し、配管の表面を被覆し、放射性核種を含む酸化皮膜の溶解が抑制されたことによる。
線量率の低下速度が前の1時間の低下速度に比べて1/10になったところで、弁85を開き、注入ポンプ9を駆動して、タンク8内の過酸化水素を、配管84を通して循環配管2へ供給する(ステップS8)。
このとき、過酸化水素によるカチオン交換樹脂の劣化を防ぐため、弁40を閉止し、弁30を全開にする。循環水に供給された過酸化水素は、炭素鋼製の浄化系配管67の表面に形成されたシュウ酸鉄(II)に作用する。そして、上記式(1)、(3)、(4)、(5)及び(6)によってFe2+がFe3+に酸化され、配管の表面から除去される。添加した過酸化水素は、浄化系配管67の上流側からシュウ酸鉄(II)との反応によって消費されてゆくが、十分な過酸化水素を供給することで炭素鋼電極電位測定器81に到達する。炭素鋼電極電位測定器81の炭素鋼電極も、シュウ酸溶液に曝されていたことで、その表面にはシュウ酸鉄(II)皮膜が形成されている。これにより、腐食速度は低下し、電位は一定の値を示すようになっていた。
そこへ過酸化水素が到達すると、炭素鋼配管と同様にシュウ酸鉄(II)の除去が生じ、電位が低下する(ステップS9)。電位の低下が見られない場合は、過酸化水素が炭素鋼電極に到達する前に消費されてしまっているので、過酸化水素の添加を継続する。この電位低下を検知することで、過酸化水素によるシュウ酸鉄(II)の除去が浄化系配管67の上流から下流まで生じていることが確認できる。炭素鋼電極の電位の低下が確認できた段階で過酸化水素の添加を止める。
シュウ酸鉄(II)が除去されたことで、シュウ酸による浄化系配管67に形成された放射性核種を含む酸化皮膜の溶解が進行し、線量率が低下し始める。
線量率の低下が継続する間は、還元除染を継続する。線量率がほぼ一定値となったところで、例えば、過酸化水素添加前の線量率低下速度を下回るまで還元除染を継続する(ステップ10)。還元除染を継続しているとき、還元除染液中の過酸化水素濃度が1ppmを下回っている場合は、除染液をカチオン交換樹脂塔23へ通水する。
過酸化水素添加前の線量率低下速度を下回った場合は、再び過酸化水素を添加する。炭素鋼電極の電位低下を確認して、シュウ酸鉄(II)の過酸化水素による除去が下流側まで到達していることを確認し、電位低下を確認した後、過酸化水素の添加を止める。線量率の低下が再び始まった場合は、還元除染を継続する。
線量率の低下が過酸化水素添加によっても起こらなかった場合は、還元除染剤の分解に移行する(ステップS11)。
還元除染剤の分解に当たっては、除染液をサンプリングし、過酸化水素の有無を確認する。過酸化水素が残留している場合は、弁43を開いて、弁31を閉じ、分解装置25に還元除染液を通水し、過酸化水素を分解する。過酸化水素の分解を確認した後、弁40を開いて弁30を閉じ、還元除染液をカチオン交換樹脂塔23に通水する。カチオン交換樹脂塔23を出た循環水は分解装置25へ導かれる。弁45を開いて注入ポンプ9を起動し、タンク8の過酸化水素を分解装置25の直前で循環水に注入する。分解装置25では循環水に残っているシュウ酸、ヒドラジンが過酸化水素と触媒の作用で分解される。ヒドラジンはシュウ酸よりも早く分解される。シュウ酸濃度が10ppmに低下したとき、シュウ酸の分解が終了する。シュウ酸の分解が終了した後、注入ポンプ9を停止して弁45を閉じ、薬液タンク8から分解装置25への過酸化水素の供給を停止する。さらに、弁31を全開にして弁43を閉じる。
浄化を実施する(ステップS12)。
シュウ酸及びヒドラジンの分解後、加熱器19への通電を停止し、加熱器19によるシュウ酸水溶液の加熱を停止し、弁35、37、41を開き、弁28、29、82、30を閉じる。循環配管2からポンプ20に流入したシュウ酸水溶液は、配管34を通ってフィルタ21に供給される。フィルタ21では、シュウ酸水溶液に含まれた微細な固形物が除去される。フィルタ21から排出されたシュウ酸水溶液は、冷却器22で冷却され、シュウ酸水溶液の温度が、例えば、60℃まで低下する。60℃になったシュウ酸水溶液は、混床樹脂塔24に供給される。混床樹脂塔24は、シュウ酸水溶液に含まれる不純物(陰イオン等)、及び残っているシュウ酸を除去する。これにより、混床樹脂塔24から排出された水溶液の導電率が低下する。この水溶液のシュウ酸濃度及びヒドラジン濃度を分析し、それぞれの濃度が所定値より下がったことを確認した後、循環ポンプ20、26を停止する。これにより、浄化工程S12が終了する。
浄化工程終了後において浄化系配管67の線量率が目標となる設定線量率よりも高い場合には、ステップS2〜S12の各工程が、浄化系配管67の線量率が設定線量率以下になるまで繰り返して実施される。
浄化系配管67の線量率が設定線量率以下になったとき、最後の浄化工程終了時において循環配管2及び浄化系配管67内に残留する水は、廃液となり、これらの配管外に排出される。その後、開閉弁27、33を閉じ、弁46を開いて、循環配管26及び配管49内に水を充填し、循環ポンプ20、26を駆動する。循環配管2及び配管46で形成される閉ループ内を循環し、循環配管2等の内面を洗浄する。
洗浄終了後、循環配管2及び配管47内に水は、廃液となり、これらの配管外に排出される。これにより、本実施例における浄化系配管67の化学除染が終了する。循環配管2、浄化系配管67及び配管46から排出された上記の各廃液は、放射性廃液として処理される。化学除染終了後、循環配管2が浄化系配管67から取り外され、浄化系配管67が元の状態に復旧される。そして、定期検査終了後にBWRプラントが起動される。
本実施例によれば、還元除染時において炭素鋼部材に形成されるシュウ酸鉄(II)皮膜を過酸化水素で除去するに当たり、除染対象の炭素鋼部材の下流側に設置した炭素鋼電極の電位変化を測定することで、過酸化水素によるシュウ酸鉄(II)の除去が炭素鋼部材全体に及んでいることを確認できる。シュウ酸鉄(II)が除去されたことで、還元除染液中のシュウ酸が放射性核種を含む炭素鋼部材に形成された酸化皮膜に作用することができ、DFを向上させることができる。加えて、過酸化水素の添加量を適切に管理することができるので、過酸化水素の不足によるシュウ酸鉄(II)残留に起因するDF低下や、過酸化水素の過剰による後工程での過酸化水素の分解時間の増加の影響を抑制することができる。
本発明の他の好適な実施例である実施例2における炭素鋼部材の化学除染の方法及び装置について、図5を用いて説明する。本実施例は、沸騰水型原子力プラント(BWRプラント)に適用した例である。
本図においては、炭素鋼製の浄化系配管67の化学除染を行うとき、併せて、ステンレス鋼製の再循環系配管(ステンレス鋼部材)54の化学除染も行う。このため、再循環系配管54の線量率を測定する線量率モニター77を設置している。本実施例の化学除染方法では、実施例1で用いた化学除染装置1が用いられる。
本実施例の化学除染方法では、図1に示すステップS1〜S12が実施される。なお、以下においては、図5の符号も使用して説明する。また、図4の符号も一部使用して説明する。
BWRプラントの運転停止時において、まず、化学除染装置1の循環配管2の両端部をRPV50に連絡される配管系に接続する(ステップS1)。
具体的には、循環配管2の一端部を浄化系配管に接続し、循環配管2の他端部を再循環配管54に接続する。循環配管2の一端部は、実施例1と同様に、浄化系配管67に設けられた弁74のフランジに接続される。循環配管2の他端部は、再循環ポンプ53の下流側で再循環系配管54に接続されたドレン配管(または計装配管)などの枝管を切り離し、この切り離された枝管に接続される。これによって、循環配管2、再循環系配管54及び浄化系配管67を含む閉ループが形成される。
その後、実施例1と同様に、ステップS2〜S12の各工程が実施される。
ステップS4では、過マンガン酸カリウム水溶液により、再循環系配管54及び浄化系配管67のそれぞれの内面の酸化除染が行われる。
ステップS4終了後のステップS5〜S6の各工程を実施することにより、実施例1と同様に、90℃でpH2.5のシュウ酸水溶液が生成される。このシュウ酸水溶液が再循環系配管54及び浄化系配管67に供給され、これらの配管の内面に対する還元除染が実施される。還元除染をしながら、浄化系配管67から循環配管2に排出されたシュウ酸水溶液が、陽イオン交換樹脂塔23に供給され、金属陽イオンの除去が行われる。
再循環系配管54側には線量率モニター76が、炉水浄化系配管67側には線量率モニター77が設置されており、常時それぞれの配管線量率を測定している。還元除染が進行してくると、炉水浄化系配管67ではシュウ酸鉄(II)の形成が進み、線量率の低下が収まってくる。一方、ステンレス鋼製の再循環系配管54側の線量率は低下を続けるが、こちらもやがて線量率の低下が収まってくる。両者の線量率の低下が収まったところで過酸化水素の添加を行う(ステップS8)。
弁85を開いてポンプ9を起動し、配管84を通してタンク8内の過酸化水素を循環配管2を循環する還元除染液に注入する。添加された過酸化水素は、再循環系配管54には作用しないが、炉水浄化系配管67では、表面に形成されているシュウ酸鉄(II)と反応し、これを除去する。シュウ酸鉄(II)と接触する時間が無く、炉水浄化系配管67から循環配管2へ流出してきた除染液に含まれる過酸化水素は炭素鋼電極電位測定装置81へ到達して、炭素鋼電極に形成されたシュウ酸鉄(II)皮膜を除去して、炭素鋼電極の電位を低下させる。
この炭素鋼電極の電位低下によって、炉水浄化系配管67の下流側まで過酸化水素が到達してシュウ酸鉄(II)の除去が生じていることが確認できる。
炭素鋼電極の電位低下確認後にポンプ9を停止して過酸化水素の添加を止め、弁85を閉止する。炉水浄化系配管67表面のシュウ酸鉄(II)が除去されたことで還元除染液中のシュウ酸による、放射性核種を含む酸化皮膜の溶解が進行するので、炉水浄化系配管67の線量率が低下する。しかし、再びシュウ酸鉄(II)が形成されて炭素鋼部材表面を被覆するので、線量率の低下は収束する。
実施例1では、再び過酸化水素を添加していたが、実施例2では、ステンレス鋼配管を含む系統を除染しているので、少なくとももう一度還元除染を実施する機会がある。このため、ここでは次の還元除染剤分解工程へ移行する(ステップS11)。
還元除染剤の分解に当たっては、除染液をサンプリングし、過酸化水素の有無を確認する。過酸化水素が残留している場合は、弁43を開き、弁31を閉じ、分解装置25に還元除染液を通水し、過酸化水素を分解する。過酸化水素の分解を確認した後、弁40を開いて弁30を閉じ、還元除染液をカチオン交換樹脂塔23に通水する。
カチオン交換樹脂塔23を出た循環水は、分解装置25へ導かれる。弁45を開き、注入ポンプ9を起動し、タンク8の過酸化水素を分解装置25の直前で循環水に注入する。分解装置25では、循環水に残っているシュウ酸及びヒドラジンが過酸化水素と触媒の作用で分解される。ヒドラジンは、シュウ酸よりも速く分解される。シュウ酸濃度が10ppmに低下したとき、シュウ酸の分解が終了したものとする。
シュウ酸の分解が終了した後、注入ポンプ9を停止して弁45を閉じ、薬液タンク8から分解装置25への過酸化水素の供給を停止する。さらに、弁31を全開にして弁43を閉じる。
浄化を実施する(ステップS12)。
シュウ酸及びヒドラジンの分解後、加熱器19への通電を停止し、加熱器19によるシュウ酸水溶液の加熱を停止し、弁35、37、41を開き、弁28、29、82、30を閉じる。循環配管2からポンプ20に流入したシュウ酸水溶液は、配管34を通ってフィルタ21に供給される。シュウ酸水溶液に含まれる微細な固形物は、フィルタ21で除去される。
フィルタ21から排出されたシュウ酸水溶液は、冷却器22で冷却され、シュウ酸水溶液の温度が、例えば、60℃まで低下する。60℃になったシュウ酸水溶液が混床樹脂塔24に供給される。混床樹脂塔24は、シュウ酸水溶液に含まれる不純物(陰イオン等)、及び残っているシュウ酸を除去する。これにより、混床樹脂塔24から排出された水溶液の導電率が低下する。この水溶液のシュウ酸濃度及びヒドラジン濃度を分析し、それぞれの濃度が所定値より下がったことを確認した後、循環ポンプ20、26を停止する。これにより、浄化工程が終了する。
浄化工程終了後において浄化系配管67の線量率が目標となる設定線量率よりも高い場合には、ステップS2〜S12の各工程が、浄化系配管67の線量率が設定線量率以下になるまで繰り返して実施される。
本実施例は、実施例1による各効果を得ることができる。本実施例では、炭素鋼製の浄化系配管67と共にステンレス鋼製の再循環系配管54に、酸化除染液及び還元除染液を供給できるので、材質の異なる配管の化学除染を併せて行うことができる。
本発明の他の好適な実施例である実施例3における炭素鋼部材の化学除染の方法及び装置について、図6を用いて説明する。本実施例は、沸騰水型原子力プラント(BWRプラント)に適用した例である。
本実施例の化学除染方法では、図1に示すステップS1〜S12が実施される。
本実施例の化学除染方法では、図6に示すように、化学除染装置1(図3に示す。)の過酸化水素注入系の注入ポンプ9、弁45及び弁85の動作を制御し、放射線モニター76及び炭素鋼電極電位測定装置81からのデータを収集し分析する制御装置86(制御ユニット)が設置されている。
図1において、ステップS1〜ステップS2は、実施例1と同様に行う。
ステップS3の電位測定では、炭素鋼電極電位測定装置81からの炭素鋼電極とAg/AgCl参照電極との電位差を制御装置86が収集し、以降継続して電位差のデータを収集し続ける。ステップS4の薬剤による除染開始から、放射線モニター76で測定される配管線量率のデータも制御装置86での収集を開始する。
ステップS6の還元除染を開始すると、配管線量率が低下を開始すると共に、炭素鋼電極の電位も変化を開始する。線量率のデータをモニターし続けると、シュウ酸鉄(II)の生成と酸素鋼部材表面の被覆とによって線量率の低下速度が減速する。同時に、炭素鋼電位も一定の値を示すようになる。例えば、線量率の低下速度(線量率低下速度)が還元除染の開始後1時間の線量率低下速度よりも1/10以下になったとき、ステップS8の過酸化水素の添加を開始するように予め制御装置にプログラムしておく。制御装置86では、線量率の低下速度が還元除染の開始後1時間の線量率低下速度よりも1/10以下になったことを検知し、弁85の開信号とポンプ9の起動信号を出力する。ポンプ9の注入速度としては、例えば、注入点の過酸化水素濃度が100ppmとなるポンプの回転数を初期値としてセットしておく。
過酸化水素注入開始から過酸化水素が炭素鋼電極に到達するまでには時間差があり、その差は、図4に示すポンプ20及びポンプ26の流速と全体の循環液量とから求まる滞留時間より短い。過酸化水素添加開始から滞留時間経過後も炭素鋼電極の電位低下が見られない場合は、過酸化水素の添加速度を、例えば、2倍に上げ、過酸化水素の注入量を増やすことにより、炭素鋼電極まで過酸化水素が到達するようにする。制御装置86からポンプ9への回転数増加の信号を出力した後、1滞留時間経過後までに炭素鋼電極電位が下がり始めた場合は、過酸化水素の注入を停止するように、制御装置86からポンプ9の停止と弁85の閉止との信号を出力する。
これにより、シュウ酸鉄(II)が除去されたことを確認できるので、還元除染液による放射性核種を含む酸化皮膜の溶解が再び進行し、線量率の低下が再開する。この線量率は、線量率モニター76で測定し、値は制御装置86に収集されている。
シュウ酸鉄(II)が再び生成し、線量率の低下が前回と同様に遅くなったことを検知した場合は、過酸化水素の注入を制御装置86から指令し、炭素鋼電極電位の低下によっても線量率の低下が起こらなくなるまで継続する。
次に、ステップS11の還元除染剤分解工程を行い、これ以降は実施例1と同様に行う。
本実施例では、実施例1と同様の効果を得ることができる他、過酸化水素の添加、添加停止、並びに還元除染終了の判定及び機器操作を自動化できるので、作業時間の短縮及び除染作業実施時の作業工数の低減を行うことができる。
1:化学除染装置、2:循環配管、4:エゼクタ、5:ホッパ、7:過酸化水素注入装置、8、13:薬液タンク、9、14:注入ポンプ、12:pH調整剤注入装置、16、44、84:注入配管、17:サージタンク、19:加熱装置、20、26:循環ポンプ、21:フィルタ、22:冷却器、23:陽イオン交換樹脂塔、24:混床樹脂塔、25:分解装置、11:原子炉、50:原子炉圧力容器、51:炉心、54:再循環系配管、58:給水配管、67:浄化系配管、76、77:放射線検出器、81:炭素鋼電極電位測定器。

Claims (19)

  1. 原子力プラントの構造材部材である炭素鋼部材の化学除染をする方法であって、
    還元除染剤であるシュウ酸を供給することにより前記炭素鋼部材の還元除染をする工程と、
    前記還元除染をした前記炭素鋼部材に酸化剤の供給をする工程と、を含み、
    前記還元除染剤及び前記酸化剤に接触するように設けた炭素鋼電極の電位の変化を測定することにより、前記炭素鋼部材に形成されたシュウ酸鉄(II)の皮膜の状態を検知する、化学除染方法。
  2. 前記炭素鋼電極には、前記炭素鋼部材に供給され前記炭素鋼部材を通過した液が送られる、請求項1記載の化学除染方法。
  3. 前記酸化剤は、前記還元除染剤を含む液に添加され、その後、前記炭素鋼部材に接触する、請求項1記載の化学除染方法。
  4. 前記還元除染及び前記酸化剤の供給をする際、前記炭素鋼部材の線量率の測定をする、請求項1記載の化学除染方法。
  5. 前記還元除染をする際、前記線量率の低下が継続する場合は前記還元除染を継続し、前記線量率が略一定となったときは前記酸化剤の供給を開始する、請求項4記載の化学除染方法。
  6. 前記炭素鋼電極の電位が低下するまでは前記酸化剤の供給を継続し、前記炭素鋼電極の電位が低下した後は前記酸化剤の供給を停止する、請求項5記載の化学除染方法。
  7. 前記酸化剤の供給を停止した後、前記線量率の低下が継続している場合は前記還元除染を継続する、請求項6記載の化学除染方法。
  8. 前記線量率の低下が終了した後は、前記還元除染剤の分解を行い、前記還元除染剤を含む液の浄化をする、請求項7記載の化学除染方法。
  9. 前記酸化剤の供給の停止と前記還元除染の継続とを繰り返す、請求項7記載の化学除染方法。
  10. 前記線量率が略一定となった時点の判定は、前記還元除染の開始後1時間の線量率低下速度とその後の線量率低下速度とを比較し、前記その後の線量率低下速度が前記開始後1時間の線量率低下速度の1/10以下になった時点とする、請求項5記載の化学除染方法。
  11. 前記酸化剤は、過酸化水素又はオゾンである、請求項1記載の化学除染方法。
  12. 原子力プラントの構造材部材である炭素鋼部材の化学除染をする装置であって、
    前記炭素鋼部材に還元除染剤であるシュウ酸を供給する薬剤供給部と、
    前記炭素鋼部材に酸化剤の供給をする酸化剤供給部と、
    前記還元除染液及び前記酸化剤に接触するように設けた炭素鋼電極と、を含み、
    前記炭素鋼電極の電位の変化を測定することにより、前記炭素鋼部材に形成されたシュウ酸鉄(II)の皮膜の状態を検知する構成を有する、化学除染装置。
  13. さらに、前記炭素鋼部材に付設可能な循環配管を含み、
    前記薬剤供給部及び前記酸化剤供給部は、前記循環配管に付設されている、請求項12記載の化学除染装置。
  14. 前記炭素鋼電極は、前記循環配管から前記炭素鋼部材に供給され前記炭素鋼部材を通過した液が送られる部位に配置されている、請求項13記載の化学除染装置。
  15. 前記炭素鋼電極には、前記循環配管から前記炭素鋼部材に供給され前記炭素鋼部材を通過した前記液の一部が送られるように構成されている、請求項14記載の化学除染装置。
  16. さらに、前記炭素鋼部材に付設された放射線検出器と、
    制御ユニットと、を含み、
    前記制御ユニットは、少なくとも前記炭素鋼電極の電位と前記放射線検出器で測定される前記炭素鋼部材の線量率とを用いて、前記還元除染剤及び酸化剤の供給に関する制御をする、請求項12記載の化学除染装置。
  17. 前記酸化剤は、過酸化水素又はオゾンである、請求項12記載の化学除染装置。
  18. 請求項12〜17のいずれか一項に記載の化学除染装置を付設可能とした、原子力プラント。
  19. 請求項12〜17のいずれか一項に記載の化学除染装置を付設した、原子力プラント。
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