本発明は、イオン風発生機器より吹き出されたマイナスイオンの流れ(以下、イオン風という。)を可視化する方法に関するものである。
イオン風発生機器は特に限定されるものではなく、人為的に生成したマイナスイオンを、使用者や屋内空間などの対象に対して気流と共に吹き出し可能に構成された機器であれば良い。このような機器としては、例えばドライヤーや空気清浄機、エアコンなどが挙げられる。
また、イオン風発生機器は、必ずしもそれ自体が単独で消費者に買い求められるものである必要はない。具体的には、イオン風を庫内に発生させる冷蔵庫の如く、所定の製品の一部として配設されたイオン風発生機構なども、本発明のイオン風発生機器に該当すると解するべきである。
そして、本実施形態に係るイオン風の可視化方法に特徴的には、その一実施態様として、イオン風発生機器から吹き出された流動状態にあるイオン風を対象とし、イオン風発生機器を稼動させたままの状態でイオン風の到達空間領域と交差する所定平面上に規定した複数の計測点を経由しつつイオン計測装置のイオン取込口で二次元的に走査してイオンの密度情報を前記計測点毎に取得し、得られた密度情報群を前記計測点の位置情報を保持しつつ統合して密度合成データを生成すると共に、各計測点におけるイオン密度に応じて変化可能な可視化手段によって前記密度合成データに基づき所定の表示媒体上に表示することとしている。
イオン風の到達空間領域は、イオン風発生機器の吹出口から気流と共に吹き出されたマイナスイオンが存在したり到達する三次元的な空間領域である。例えばイオン風発生機器がドライヤーであるならば、ドライヤーの吹出口から気流と共に吹き出されたマイナスイオンが広がる領域を意味している。
また、ここで言う所定平面は仮想的な平面である。この所定平面は到達領域と交差していれば良く、イオン風発生機器の吹出口からある程度の指向性をもって気流が吹き出されているならば、その指向方向(以下、吹出方向ともいう。)に沿った垂直平面であっても良く、また、吹出方向に沿った水平平面であっても良い。
また、所定平面は必ずしも吹出方向に沿った方向である必要はなく、到達空間領域を長手方向中途で分断する平面、すなわち、吹出方向と略直交する平面であっても良いし、吹出方向と斜めに交わる平面であっても良い。
中でも所定平面が吹出方向に沿った略水平な平面であって、吹き出された気流の吹出方向への軸線の近傍、又はこの軸線を含む平面としたならば、イオン風発生器の吹出口から送出されている状態のイオン風の広がりを極めて良好な視認性をもって表示することができる。
また、これらの平面上には複数の計測点が規定される。この計測点は、複数であれば特に限定されるものではなく、多いほどきめの細かい表示を行うことが可能であるが、計測点毎に密度情報(後述)を得る必要があるため、現実的には作業性との兼ね合いでその数を決定すべきである。
計測点では、イオン計測装置によりイオンの密度情報の取得が行われる。イオン計測装置は、所謂イオンカウンターなど、気体中のイオンの数や量、密度(濃度)を計測する装置を採用することができる。このイオン計測装置としては、例えば、同軸二重円筒式イオン密度測定器や平行平板式イオン密度測定器を採用することができる。なお、これらのイオン計測装置は、設定によりマイナスイオンの他、プラスイオンについても計測可能なものが存在する。それゆえ、本実施形態に係るイオン風の可視化方法は、プラスイオンのイオン風の可視化も可能であり、本発明の概念に含まれることは言うまでもない。但し、本明細書では市場製品の状況に鑑み、マイナスイオンを中心に説明を行う。
密度情報は、計測点におけるイオンの量(数)を示す情報であれば特に限定されるものではなく、単位時間あたりのイオン量や、単位体積あたりのイオン量、累積イオン量などとすることができる。
また、イオン計測装置より出力される密度情報は、計測点におけるイオンの量を反映した情報を含んでいれば良く、好ましくは計測点の位置情報を含むものであり、密度情報を取得する取得手段側の態様に応じて採用することができる。
例えば、密度情報を取得する取得手段がコンピュータ等であれば、代表的には密度情報を電流や電圧、電波等に変換した信号を挙げることができ、また、取得手段がスチルカメラやビデオカメラなどの撮像装置であれば、その撮像画像において色相、彩度、明度、大きさ、コントラスト等に変化を与える光などとすることができる。
そして、所定平面上では、イオン計測装置のイオン取込口で複数の計測点を経由しつつ二次元的に走査して、それぞれの計測点における密度情報を取得し、これら密度情報の集合である密度情報群を得る。
次に、得られた密度情報群を、計測点の位置情報を保持しつつ統合して密度合成データの生成を行う。具体的な一例を挙げるならば、例えば、コンピュータを用いて密度情報を取得した場合において、計測点Aにて得られた密度情報が「A(座標X1,座標Y1,イオン密度D1)」、計測点Bで得られた密度情報が「B(座標X2,座標Y2,イオン密度D2)」のように、個別のデータファイルとして得られている場合には、これら個別の密度情報のファイルを1つのファイルに統合する作業と解することができる。なお、密度情報の取得と密度合成データの生成とは必ずしも別個に行われる必要はなく、各計測点において密度情報を収集するたびに、既に存在している密度情報に対して累積的に情報を追加することで、密度情報の取得と密度合成データの生成とを同時に行うようにしても良い。また、密度合成データに相当する1つのファイルが生成されなくとも、所定のプログラムやソフトウェア等によって各密度情報のファイルを個別に読み込むことにより、所定記憶媒体の記憶領域(例えば、フレキシブルディスクやハードディスク、光学ディスク、ソリッドステートドライブ、USBメモリ等は勿論のこと、画像表示用のVRAMも含む)上などにおいて実質的に一体化されたデータについても、密度合成データの概念に含まれる。
また、別の具体例を挙げるならば、密度合成データの生成は、例えばデジタルカメラ(撮像装置)を用い、イオン計測装置にて取り込んだイオンの量に応じて輝度や色等が変化する発光体を被写体とし、各計測点における撮像画像データを密度情報として取得した場合において、得られた複数の撮像画像データを計測点の位置関係を保ちつつ合成して合成画像データを生成する作業と解することもできる。
そして、このようにして得られた密度合成データに基づき、各計測点におけるイオン密度に応じて変化可能な可視化手段によって所定の表示媒体上に表示することでイオン密度分布表示体が構築され、イオン風の可視化が行われることとなる。
ここで、イオン密度に応じて変化可能な可視化手段としては、例えば、混ぜ具合(加法混色や減法混色)により色を変化させることのできる光や色料を挙げることができる。また、例えば、イオン密度の高低に応じて大きさを違えた円やドットのように、ヒトの視覚領域における占有割合を変化させることのできるものであっても良い。すなわち、紙やディスプレイなど後述の表示媒体上で印刷表示したり映像表示した際に、イオン密度の違いが視認できる手段であれば良い。
また表示媒体は特に限定されるものではなく、紙やビニール、布のように印刷等により表示可能な媒体は勿論のこと、テレビやコンピュータのディスプレイなども概念として含まれる。
本ステップをコンピュータにより行うのであれば、所定の描画ソフトウェア等により密度合成データを読み込み、密度合成データを構成する密度情報が保持するイオン密度情報に応じて彩度や明度を変化させたドットを、位置情報と対応する画面上に規定した位置に配置して表示することで、画面上にイオン密度分布表示体が表現され、イオン風の可視化が行われる。
また、密度合成データが合成画像データである場合、すなわち、デジタルカメラ等を用いて各計測点毎に撮像した場合には、合成画像データを所定の描画ソフトウェア等で読み込んで画面上に表示させることで、イオン密度分布表示体が表現され、イオン風の可視化が行われる。
また、いずれの場合においても、前述した紙やビニール、布のように印刷等により表示可能な媒体に印刷してイオン密度分布表示体とし、イオン風の可視化を行っても良い。
このように、本実施形態に係るイオン風の可視化方法の基本的な概念は上述した通りであるが、より具体的な態様としては、例えば、デジタルカメラ等の撮像装置を用いて各計測点毎に撮像するに際し、発光体はイオン取込口の近傍に配設し、撮像画像データを生成する撮像装置は、同撮像装置の画角内に発光体が収まる状態で、発光体と相対的に固定しても良い。
すなわち、計測点を経由しつつ走査するイオン取込口に撮像装置を追従させながら、イオン取込口近傍に配設された発光体を計測点毎に撮像しても良い。
このような構成とすることにより、発光体の形状に応じた略一定形状のドットによりイオン密度の高低やイオンの分布を表示することができる。
また、この場合においても、得られた撮像画像データは、撮像した計測点の位置情報を備えるのが望ましい。具体的には、デジタルカメラで撮影した写真ファイル内に計測点の位置情報を書き加えることで1ファイルとしても良いし、発光体と共に位置的な基準となるマーカを撮像しても良いし、写真ファイルと位置情報ファイルとは別体だが互いに関連付けされていて、撮像により得られた写真ファイルが、どの計測点で得られたものか分かる状態となっていても良い。
また、撮像装置は必ずしも発光体と相対的に固定されている必要はない。具体的には、発光体は前記イオン取込口の近傍に配設されており、撮像画像データを生成する撮像装置は、同撮像装置の画角内に所定平面により切断された到達空間領域の切断面の少なくとも一部が収まる状態で、所定平面と相対的に固定されていることとしても良い。
このような構成とすることにより、撮像装置と発光体との相対的な位置関係に応じ、発光体の形状に由来してドット形状を変化させることができる。
例えば発光体が円形平面状であるならば、撮像装置の撮像軸直下において撮像された発光体は、得られた撮像画像データに基づき再現される画像(以下、撮像画像という。)上において円形のドットとなるが、撮像軸から離れた位置となるに従い、その計測点での撮像画像はその距離に応じた離隔方向を短軸とする楕円形のドットとなって現れる。そこで、このようなドットを円形に変形させたり、イオン風の吹出方向と並行な長軸を有する略楕円形状に変形させても良い。
この撮像角度に由来する自然発生的なドット形状の変形や、画像加工によるドット形状の変形は、イオン密度分布表示体において、イオン風の流動感やスピード感を付与するのに好適である。すなわち、撮像軸から離隔した位置を、イオン風の到達空間領域の吹出口からの遠位部分に合わせて撮像することにより、イオン密度分布表示体上では、吹出口から遠位部分に相当する位置のドットがあたかも気流により引き伸ばされたかのように変形することとなり、イオン風発生機器からイオン風が勢いよく噴出している状況をリアルに再現することができる。
またこの場合、撮像装置のレンズなどの光学部や、ハード又はソフトウェアにより実現される画像補整処理手段において、樽型や糸巻き型の歪曲収差、より好ましくは糸巻き型の歪曲収差を生じさせるようにしても良い。このような構成とすることにより、撮像軸から離隔した位置における撮像画像上のドットをより顕著に変形させることができる。なお、この処理は、必ずしも撮像装置により実現する必要はなく、得られた撮像画像データや生成した密度合成データ、合成画像データを、所定の画像加工ソフトウェア等によりコンピュータ上で加工することでも実現可能である。
また、更なる手段としては、発光体の形状を、所定平面に対して法線方向への長さ成分を有する形状としても良い。このような構成とすることにより、撮像軸から離隔した位置を、イオン風の到達空間領域の吹出口からの遠位部分に合わせて撮像することにより、撮像画像上に表された発光体であるドットをより顕著に変形させることができる。付言すれば、撮像軸から離隔するに従い、発光体の側面部が撮像装置によって捉えられることとなり、より顕著なドットの変形が実現される。
また、計測点は、所定平面により切断された到達空間領域の切断面内に複数箇所設けられていれば、その位置は特に限定されるものではないが、イオン風発生機器から吹き出されるイオン風の吹出方向に沿った縦罫又は横罫を有する格子の交点とするのが望ましい。
このような構成とすることにより、撮像画像上においてドットが縦横に整然と整列した表示を得ることができる。
またこのとき、イオン風発生機器から吹き出されるイオン風の吹出方向が、所定平面上に規定された複数の計測点含む所定区画内に含まれるよう吹出口を配向させた状態で前記イオン風発生機器を前記所定区画の一端に配置すると共に、前記吹出口から遠位の吹出方向への計測点間距離を、前記吹出口の近位における吹出方向の計測点間距離よりも長くしても良い。
換言するならば、吹出方向が水平方向となる状態でイオン風発生機器を配置し、所定平面を水平面とし、所定平面により切断された到達空間領域の切断面内に、計測点を吹出軸に沿った縦罫又は横罫を有する格子の交点として規定した上で、吹出口から遠い格子、特にイオン風が減衰傾向にある部分に相当する計測点を構成する格子は、吹出口の近くの格子と比較して吹出軸方向により長い長辺を有する長方形状としても良い。
このような構成とすることにより、吹出口近位から遠位へ向けて勢いよくイオンと共に風が流れているように表示することができる。
また、本願では、イオン密度の高低やイオンの分布を視覚的に容易に把握することのできるイオン密度分布表示体についても提供する。
具体的には、色相、彩度、明度、大きさ、コントラストから選ばれる少なくともいずれか1つがイオン密度によって異なる複数のドットが、イオン風発生機器の吹出口より実際に送出されたイオン風のイオン密度の複数の計測点と対応する所定の表示媒体上の位置に配設されたイオン密度分布表示体を提供する。
このイオン密度分布表示体の製造方法は、必ずしも限定されるものではないが、本実施形態に係るイオン風の可視化方法を適用することも可能である。
本実施形態に係るイオン密度分布表示体によれば、消費者等にイオン密度の高低やイオンの分布を視覚的に容易に把握させることが可能となる。
また、イオン密度分布表示体に現れるドットは、表示媒体上に規定した仮想格子の交点上に配位しており、縦横に整列した状態で表示されていることとしても良い。この仮想格子は、前述したイオン風の可視化方法を実施する際に規定したイオン風の吹出方向に沿った縦罫又は横罫を有する格子と対応する格子としても良く、別途表示媒体上に新たに規定した格子であっても良い。なお、このドットの整列状態は、必ずしも縦横に直交して整然と配列している必要はなく、実質的に縦横に整列した状態であれば多少の歪みがあっても良い。すなわち、撮像装置や撮像装置のレンズなどの光学部や、ハード又はソフトウェアにより実現される画像補整処理手段において、樽型や糸巻き型の歪曲収差、より好ましくは糸巻き型の歪曲収差を生じさせた場合には、この収差に応じて湾曲状になっていても良い。
また、仮想格子は、幅方向に隣り合う交点の間隔に比して、吹出方向に隣り合う交点の間隔を狭く規定しても良い。このような構成とすることにより、吹出方向へドットが、吹出方向と直交する幅方向のドットに比して、より連続性をもって視認されることとなり、消費者等の看者に対し吹出方向へのイオンの流れているイメージを強く印象付けることができる。また、吹出方向へ引き伸ばされたようなドットの変形がなされた場合には、吹出方向へのドット間隙が更に狭くなるため、吹出方向へのドットの連続性をより顕著に印象付けることができる。
また、仮想格子は、前記吹出口の近位に対応する表示媒体上の位置から前記吹出口の遠位に対応する表示媒体上の位置へ向かうに従い、吹出方向への間隔が漸次長くなるようにしても良い。付言するならば、吹出方向へのドット間隔が、近位から遠位へ漸次広くなるようにしても良い。このような構成とすることにより、あたかも吹出口近位から遠位へ向けて勢いよくイオン風が流れているかの如く表示することができる。
また、前記複数のドットのうち少なくとも一部のドット群は、これらドット群が実質的に一体化した露光過剰領域として示されていても良い。すなわち、イオン密度の高い部分は、光が飽和して個々のドットが判別困難となる程度に表現され、その周囲に拡散光がもやのように見られる状態としても良い。このような構成とすることにより、極めて幻想的な演出を施すことができる。
更には、前記複数のドットのうち、吹出口から遠位の部分に対応する表示媒体上の位置に付したドットは、イオン風の吹出方向と略並行な長軸を有する略楕円形状としても良い。ここで略楕円形状とは、必ずしも正確な楕円形である必要はなく、弾丸型や三角形、長方形等の形状も含む。このような構成とすることにより、あたかもイオン風が流れているような演出効果を生起することができる。
また、イオン密度分布表示体には、複数のドットにより構成されるドット集合体の近位端部に、イオン風発生機器の写真やイラストを配置しても良い。このような構成とすることにより、イオン風発生機器からどのようにイオン風が送出されているのかについて、消費者等により明確なイメージを生起させることができる。
この本実施形態に係るイオン密度分布表示体を用いて消費者等にイオン密度の高低やイオンの分布を視覚的に容易に把握させる方法としては、例えば、イオン密度分布表示体をイオン風発生機器用の包装材に付したり、店舗にて展示しているイオン風発生機器の周囲に示すポップ広告に表示したり、展示しているイオン風発生機器の周囲にて流す映像として表示したり、インターネットのウェブサイト上でイオン風発生機器の販促のために表示したり、テレビやインターネット上の動画や静止画でイオン風発生機器の販促のために表示する方法等が考えられる。付言すれば、本発明に係るイオン密度分布表示体の使用とは、少なくともこれらの行為が含まれると解すべきである。
特に、イオン風発生機器用包装材にイオン密度分布表示体を備えれば、イオン風発生機器の購入を検討している消費者等に対し、イオン密度の高低やイオンの分布を視覚的に認識させてイオン風発生機器の性能を強く訴求することができる。
また、広告媒体物にイオン風発生機器を備えるようにしても良い。ここで広告媒体物とは、上述の展示用ポップや新聞広告、雑誌広告、販促用チラシ、パンフレット等は勿論のこと、イオン密度分布表示体を映像として記録した記録媒体や、前述した密度合成データや合成画像データを固定した記録媒体等も含まれる。
そして、このような構成とすることにより、イオン風発生機器の広告媒体物に接した者に対し、イオン密度の高低やイオンの分布を視覚的に認識させてイオン風発生機器の性能を強く訴求することができる。
以下、本実施形態に係るイオン風の可視化方法やイオン密度分布表示体を中心に、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の説明では、イオン風発生機器としてドライヤーを採用し、ドライヤーの吹出軸を水平方向とし、これと平行な水平平面を所定平面として到達空間領域を切断した切断面に格子状に計測点を規定し、イオン密度に応じて変化可能な可視化手段としてイオン計測装置にて計測されたイオン密度に応じて輝度変化するLEDより発せられる光とし、撮像装置(デジタルカメラ)を用いて密度情報(撮像画像データ)を収集する例を代表的に説明するが、前述の通り本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係るイオン風の可視化方法を実施する装置の一例として構築されたイオン風可視化装置Aの分解斜視図である。
図1に示すように、イオン風可視化装置Aは、脚部10に複数の縦梁11や横梁12を架設して構築した基台13と、基台13上で同基台13の長手方向に沿って移動する吹出方向移動体14と、吹出方向移動体14上で基台13の短手方向に移動する幅方向移動体15とにより構成している。
基台13は、主基台16及び副基台17とで構成している。主基台16は、四隅に配置した脚部10a間に縦梁11a及び横梁12aを架設して箱型フレーム状に構築した相対的に大型の基台である。副基台17は、主基台16の長手側面に付設された相対的に小型の基台であり、脚部10bに横梁12bを架設して形成した矩形枠体17aと主基台16との間に縦梁11bを架設して構成している。
また、基台13の短辺一側端部には、イオン風発生機器としてのドライヤー24をステー23で支持した状態で配置している。このドライヤー24は、吹出口24aから吹き出される気流及びイオン風の吹出軸が基台13の長手方向と並行になるよう配置している。なお、以下の説明において、基台13の長手方向でドライヤー24側の端部を「近位端」とし、ドライヤー24から離れた側の端部を「遠位端」と称する。
また、主基台16の上部に架設した2つの横梁12a上には、基台13上で吹出方向移動体14をスライドさせつつ長手方向へ移動可能とするための吹出方向レール18,18を配設している。この吹出方向レール18は、所謂ローラースライドレールのレールを採用している。
また、副基台17の上部に架設した横梁12b上には、基台13上で吹出方向移動体14を所定の位置に位置決めするための吹出方向位置決め部19と、吹出方向ラック20と複数のマーカ21とを配設している。
吹出方向位置決め部19は、吹出方向移動体14の底面に設けられたボールプランジャ37a(後述)と係合する位置決めピン37bを長手方向に沿って複数(本実施形態では145個)配置することで構成している。
吹出方向ラック20は、基台13の長手方向に向けて配設された鋸歯状の係合部を備えるラックであり、吹出方向移動体14に配設された吹出方向移動モータ27(後述)の駆動軸に取り付けられているピニオン27aと係合し、吹出方向移動モータ27が生起する回転力を直線方向への駆動力に変換して、吹出方向移動体14を基台13の長手方向に移動可能としている。
マーカ21は、撮像装置としてのデジタルカメラで発光体としてのLEDを撮像した際に位置情報又は位置情報の基準点として機能するものであり、本実施形態では7セグLEDを用い、近位端側から遠位端側へ所定間隔に昇順で1〜5までの数字を表示することで実現している。
吹出方向移動体14は、基台13上を吹出方向レール18に沿って吹出方向、すなわち近位端から遠位端にかけて移動する移動体である。吹出方向移動体14は基板25の下面で基台13上の吹出方向レール18と対応する位置にスライダ26,26が配設されており、各吹出方向レール18に対してスライダ26が摺動することにより、吹出方向移動体14を基台13の長手方向に沿って移動可能としている。
また、図2に示すように、基板25の裏面には、基台13の吹出方向位置決め部19と対応する位置にボールプランジャ37aが配設されており、位置決めピン37bが配置されている長手方向のいずれかの位置にて吹出方向移動体14を位置決め可能としている。
また、図1に示すように、基板25の上面には、吹出方向移動モータ27が配設されている。吹出方向移動モータ27は、吹出方向移動体14を基台13の長手方向へ移動させるための駆動力を生起するモータであり、吹出方向移動体14を基台13上に載置した際に吹出方向ラック20と対応する駆動軸上には、同吹出方向ラック20と歯合可能なピニオン27aが取り付けられている。
また、基板25の上面には、同基板25の長手方向、すなわち、基台13の短手方向へ向けて幅方向レール28が配設されている。この幅方向レール28は、吹出方向移動体14上で幅方向移動体15をスライドさせつつ基台13の短手方向へ移動可能とするためのレールであり、吹出方向レール18と同様、所謂ローラースライドレールのレールを採用している。なお、以下の説明において、吹出方向移動体14の長手方向(基台13の短手方向)で吹出方向移動モータ27側の端部を「始端」とし、吹出方向移動モータ27から離れた側の端部を「終端」と称する。
また、基板25には幅方向位置決め部29が配設されている。この幅方向位置決め部29は、幅方向移動体15の底面に設けられたボールプランジャ37aと係合する位置決めピン37bを基板25の長手方向(基台13の短手方向)に沿って複数(本実施形態では48個)配置することで構成している。
また、基板25には幅方向ラック30が配設されている。この幅方向ラック30は、基板25の長手方向(基台13の短手方向)に向けて配設された鋸歯状の係合部を備えるラックであり、幅方向移動体15に配設された幅方向移動モータ33(後述)の駆動軸に取り付けられているピニオン33aと係合し、幅方向移動モータ33が生起する回転力を直線方向への駆動力に変換して、幅方向移動体15を吹出方向移動体14の長手方向(基台13の短手方向)に移動可能としている。
幅方向移動体15は、吹出方向移動体14上を幅方向レール28に沿って幅方向、すなわち始端から終端にかけて移動する移動体である。幅方向移動体15は基板31の下面で吹出方向移動体14上の幅方向レール28と対応する位置にスライダ32,32が配設されており、各幅方向レール28に対してスライダ32が摺動することにより、幅方向移動体15を吹出方向移動体14の長手方向(基台13の短手方向)に沿って移動可能としている。
また、図2に示した吹出方向位置決め部19と基板25との関係の如く、基板31の裏面には、吹出方向移動体14の幅方向位置決め部29と対応する位置に、ボールプランジャ37aが配設されており、位置決めピン37bが配置されている吹出方向移動体14の長手方向のいずれかの位置にて幅方向移動体15を位置決め可能としている。
また、基板31の上面には、幅方向移動モータ33が配設されている。幅方向移動モータ33は、幅方向移動体15を吹出方向移動体14の長手方向(基台13の短手方向)へ移動させるための駆動力を生起するモータであり、幅方向移動体15を吹出方向移動体14上に載置した際に幅方向ラック30と対応する駆動軸上には、同幅方向ラック30と歯合可能なピニオン33aが取り付けられている。
また、基板31の上面には、イオン計測装置34が備えられている。イオン計測装置34は、取込口34aより取り込まれたイオンの量に応じてLED34bの輝度を変化させる。本実施形態において具体的には、取込口34aより取り込まれたイオンの密度が1cm3あたり100万個未満である場合は発光せず、100万個である場合を下限とし、2000万個を上限として輝度を20段階で変化させるようにしている。なお、取込口34aは近位端方向、すなわちドライヤー24の吹出口24aより吹き出されるイオン風(気流)の上流方向へ配向しており、LED34bは取込口34aの上部に配置している。
また、基板31上には門型フレーム35が立設されており、同門型フレーム35の上部には、LED34bの略直上位置にデジタルカメラ36を配設し、撮像軸上又はその近傍にLED34bが配位するようにしている。
なお、上述してきたイオン風可視化装置Aの構成のうち、基台13のマーカ21やドライヤー24、吹出方向移動体14の吹出方向移動モータ27、幅方向移動体15の幅方向移動モータ33やイオン計測装置34、デジタルカメラ36へは図示しない電源ケーブルやバッテリー等により電力が供給されるよう構成している。
また、吹出方向移動体14の吹出方向移動モータ27、幅方向移動体15の幅方向移動モータ33は、図示しない制御装置により、それぞれ駆動・停止の制御がなされるよう構成しており、また、幅方向移動体15のデジタルカメラ36についても、吹出方向移動モータ27や幅方向移動モータ33により所定の計測点に移動させた際に、制御装置からの指示によりシャッターが切れるよう構成している。
そして、イオン風可視化装置Aでは、制御装置により吹出方向移動モータ27及び幅方向移動モータ33の駆動・停止を制御しつつ、吹出方向位置決め部19及び幅方向位置決め部29によって規定される格子状の交点位置を計測点としてイオン計測装置34の取込口34aを配置させ、各計測点におけるイオン密度をLED34bの輝度に反映させ、このLED34bを被写体として直上位置からデジタルカメラ36で撮像し、密度情報(群)としての撮像画像データ(群)を得る。
具体的な一例としては、まず、吹出方向移動体14を近位端に位置させ、幅方向移動体15を始端に位置させた状態(以下、原点配置状態という。)とする。また、これと前後して、イオン風発生機器であるドライヤー24をON状態とし、吹出口24aから気流と共にイオン風が安定して送出されている状態とする。
次に、制御装置により幅方向移動モータ33へ幅方向位置決め部29の位置決めピン1つ分幅方向移動体15を移動させる指示が行われ、移動がなされた後、デジタルカメラ36のシャッターを切り撮像画像を得る動作(以下、幅方向移動・撮像動作という。)が行われる。
そして、吹出方向移動体14上で幅方向移動体15を移動させる幅方向移動・撮像動作を始端から終端まで繰り返し行う動作(以下、幅方向往路動作という。)が行われると、次に、制御装置により吹出方向移動モータ27へ吹出方向位置決め部19の位置決めピン1つ分吹出方向移動体14を遠位端方向へ移動させ、デジタルカメラ36のシャッターを切り撮像画像を得る動作(以下、吹出方向移動・撮像動作という。)が行われる。
次に、制御装置により幅方向往路動作とは反対方向、すなわち終端から始端方向への幅方向移動・撮像動作が始端に至るまで行われる(幅方向復路動作という。)。
このように、基台13に対して吹出方向移動体14や幅方向移動体15を移動させることにより、原点配置状態から、幅方向往路動作、吹出方向移動・撮像動作、幅方向復路動作を繰り返し行って、イオン計測装置34の取込口34aの移動軌跡内に含まれる面(所定平面)上に規定された各計測点を経由しつつ二次元的に走査を行い、密度情報(群)としての撮像画像データ(群)が得られる。
図3は、イオン風可視化装置Aの撮像画像データ収集中の状態を示した説明図である。図3(a)においてイオン風可視化装置Aは、吹出方向移動体14の位置(吹出方向における位置)がマーカ21aとマーカ21bとの中間位置となっており、幅方向移動体15の位置(幅方向における位置)がドライヤー24と略対向する中央位置となっている。
この時、門型フレーム35に配設されたデジタルカメラ36の撮像範囲Fには、図3(b)にて一点鎖線で示すように、画角αをもってマーカ21(ここでは、マーカ21a及びマーカ21b)が含まれるようにしている。なお、図3(b)において示す破線は、デジタルカメラ36の撮像軸36aを示している。
また、この画角αは、幅方向移動体15が始端位置や終端位置に位置している場合であっても、撮像範囲F内にマーカ21が撮像される角度としており、併せて、各マーカ21の間隔や画角も、近位端から遠位端までの間のいずれの位置に吹出方向移動体14が位置決めされた場合であっても撮像範囲F内にマーカ21が納められる間隔や画角としている。すなわち、格子状に規定された全ての計測点において、撮像画像及び撮像画像データに各計測点の位置情報が含まれるようにしている。
したがって、図4の上部に示すように、例えば計測点P、計測点Q、計測点Rにおいて取得される撮像画像データは、それぞれ図4の下部に示した撮像画像p、撮像画像q、撮像画像rのような画像を含むデータとなる。
そこで、全ての計測点で得られた撮像画像データをデジタルカメラ36から取出し、例えばコンピュータにて所定の画像処理ソフトウェア等により、図5に示すように各撮像画像に納められた各マーカ21の位置を揃えつつ各計測点の位置情報を保持しながら合成(統合)を行うことにより、密度合成データとしての合成画像データが得られる。
そして、表示媒体としての紙やコンピュータの表示装置上に、得られた合成画像データに基づいて表示したならば、図6に示すように表示媒体上に規定された仮想的な格子の交点上にドットが配位したイオン密度分布表示体が形成され、イオン風の可視化が実現されることとなる。
次に、他の実施形態に係るイオン風の可視化方法に関し、イオン風可視化設備Bを用いた場合を想定しつつ説明する。このイオン風可視化設備Bを用いたイオン風の可視化方法は、可視化を行うまでの基本的な流れは同じであるが、主に、イオン計測装置34を複数用いている点や、吹出方向移動体14及び幅方向移動体15を手動で移動させる点、また、デジタルカメラ36を基台13に対して固定しLED34bに対しては相対的に移動するようにした点で構成を異にしている。なお、先の構成と略同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
図7はイオン風可視化設備Bの構成を示した説明図である。イオン風可視化設備Bは、図7(a)に示すように、イオン風の可視化作業を行う作業室40の天井面40aに設けたデジタルカメラ36と、イオン風可視化装置Cとで構成している。
イオン風可視化装置Cは、前述のイオン風可視化装置Aと同様、基台13、吹出方向移動体14、幅方向移動体15で構成している。
基台13に関し、イオン風可視化装置Cに特徴的には、デジタルカメラ36を基台13に対して固定したことに伴い、副基台17の横梁12bにマーカ21を配設していない。
また、吹出方向移動体14に関し、イオン風可視化装置Cに特徴的には、吹出方向移動モータ27に代えて吹出方向移動軸受41を配設し、吹出方向移動軸41aの基端をこの吹出方向移動軸受41で支持し、吹出方向移動軸41aの中途部であって吹出方向位置決め部19と対応する位置にピニオン27aを装着すると共に、吹出方向移動軸41aの先端部には、イオン風可視化設備Bの使用者が把持して回動させることにより吹出方向移動体14を基台13に対し長手方向へ移動させるための吹出方向移動ハンドル41bを配設している。
また、幅方向移動体15に関し、イオン風可視化装置Cに特徴的には、幅方向移動モータ33に代えて幅方向移動軸受42を配設し、幅方向移動軸42aの基端をこの幅方向移動軸受42で支持し、幅方向移動軸42aの中途部であって幅方向位置決め部29と対応する位置にピニオン33aを装着すると共に、幅方向移動軸42aの先端部には、イオン風可視化設備Bの使用者が把持して回動させることにより、幅方向移動体15を吹出方向移動体14に対し基台13の短手方向(吹出方向移動体14の長手方向)へ移動させるための幅方向移動ハンドル42bを配設している。
また、幅方向移動体15の基板31上には、取込口34aをいずれも近位端方向へ向けて開口状態とした3台のイオン計測装置34を幅方向に所定の間隔を隔てて配設している。
基板31上にイオン計測装置34を幅方向に複数台配置する構成は、人手による作業の省力化を意図したものであり、イオン計測装置34を1台しか設けない場合に比して、幅方向移動体15の幅方向への移動距離を短く(本実施形態では3分の1)することができる。すなわち、1回の撮像で撮像画像データ上には3つのLED34bの発光状態に応じた密度情報が記録される。なお、例えば基板31を吹出方向へ横長形状とし、同基板31上にイオン計測装置34を吹出方向へ直列に複数台配置する構成は、一見同様の作業性向上を見込めるようにも思えるが、好ましいとは言い難い。本実施形態に係るイオン風の可視化方法は、イオン風発生機器からイオン風を発生させつつ可視化を行うものであるが、イオン計測装置34を吹出方向へ直列に複数台配置した場合には、吹出方向上流側に配置したイオン計測装置34により、下流側のイオン風や気流が乱されることとなり、正確な密度情報を得るのが困難になるためである。また、特に重要な点として、イオン計測装置34が同軸二重円筒式や平行平板式のイオン密度測定器である場合、取込口34aから取り込まれたイオンは計測により消滅する。それゆえ、吹出方向下流側に配置されたイオン計測装置34により正確な密度情報を得るのは更に困難である。これらのような問題を回避しつつ、効率的なイオン風の可視化作業を行う上でも、本他の実施形態の如く、イオン計測装置34を幅方向に複数台配置する構成は有利であると言える。
ところで、イオン風可視化装置Cにおいても、取込口34aの上部には、イオン計測装置34が取り込んだイオンの量に応じて輝度又は色が変化する発光体としてのLED34bが配設されているが、デジタルカメラ36を天井面40aに配置したイオン風可視化設備Bにあっては、このLED34bの形状が、イオン風の可視化において極めて興味深い結果をもたらすこととなる。
図8は、角度に応じたLED34bの見え方についての説明図である。図8(a)に示すように、LED34bを直上位置から見た場合は、図8(b)に示すように円形に視認されることとなるが、他の角度から見た場合は、図8(c)に示すようにLED34bの側面部も含めて円形とは異なるやや引き伸ばされた状態で視認されることとなる。
すなわち、図8(a)における視線を、LED34bから発せられた光がデジタルカメラ36の光学部へ至る角度に置き換えると、デジタルカメラ36の撮像軸直下位置にLED34bが位置しているときは、図8(b)のような画像が得られ、デジタルカメラ36の撮像軸から離れるにしたがい、その離れた方向に応じて図8(c)に示すような変形した画像が得られることとなる。
これは、所定平面に対し法線方向への長さ成分を備えるような発光体を採用することで得ることができるものであり、このような撮像画像上の発光体、すなわちドットの形状変化は、イオン風を可視化した際にあたかもイオン風が流れているような演出効果を生起することができる。
したがって、図8(d)に示すように、垂直方向への長さ成分がより大きい発光体を採用すれば、この効果は更に強調されることとなる。
図7(b)にて示したように、本他の実施形態においては、デジタルカメラ36の位置を吹出方向及び幅方向の略中央部としている。したがって、イオン風可視化設備Bを用いて得られた撮像画像データを統合して合成画像データを得た場合、この合成画像データに基づいて表示を行うと、図9に示すように、撮像軸直下近傍におけるドット形状は略円形となる一方、近位端近傍ではLED34bの遠位端側側面が被写された略弾丸形状となり、また、遠位端近傍ではLED34bの近位端側側面が被写された略弾丸形状(イオン風の吹出方向と略並行な長軸を有する略楕円形状)となって、ドット形状が変化し、あたかも近位端から遠位端側へ勢いよくイオン風が吹き出されているような演出を行うことができる。なお、撮像画像データ群の合成(統合)は、各撮像画像の画角(撮像範囲)を揃えて行うことにより、位置情報を保持しつつ行うことができ、表示媒体上に規定した仮想格子の交点上にドットが縦横に整列して配位した状態として得られる。
また、近位端側イオン風可視化装置Aやイオン風可視化設備Bに拘わらず、イオン風の可視化におけるLED34bの発光は、近位端において輝度が高く、遠位となるほど輝度が低くなる傾向があるが、デジタルカメラ36にて撮像画像データを得るに際し、デジタルカメラ36の設定を、近位端におけるLED36bの輝度でハレーションが起こる設定としても良い。
このような構成とすることにより、図9に示すイオン密度分布表示体の如く、近位端近傍では、ドットの周囲に薄く「もや」がかかった状態、すなわちドット群が実質的に一体化した露光過剰領域を表現することができ、無数の煌めく微粒子がドライヤー24の吹出口24aから勢いよく流れているような、幻想的な演出を施すことができる。
このように、イオン風可視化装置Aやイオン風可視化設備Bを用いて本実施形態に係るイオン風の可視化方法で得られたイオン密度分布表示体は、色相、彩度、明度、大きさ、コントラストから選ばれる少なくともいずれか1つがイオン密度によって異なる複数のドットが、イオン風発生機器の吹出口より実際に送出されたイオン風のイオン密度の複数の計測点と対応する所定の表示媒体上の位置に付された状態となっている。
そして、例えば図10に示すように、このイオン密度分布表示体50は、ドライヤー24の包装箱51など、イオン風発生機器用包装材に付することにより、イオン風発生機器の購入を検討している消費者等に対し、イオン密度の高低やイオンの分布を視覚的に認識させてイオン風発生機器の性能を強く訴求することができる。
また、図示は省略するが、同様に、イオン風発生機器の広告媒体物に付した場合であっても、イオン風発生機器の広告媒体物に接した者に対し、イオン密度の高低やイオンの分布を視覚的に認識させてイオン風発生機器の性能を強く訴求することができる。
上述してきたように、本実施形態に係るイオン風の可視化方法によれば、イオン風発生機器(例えば、ドライヤー24)から送出されている状態のイオン風の可視化方法であって、前記イオン風の到達空間領域と交差する所定平面上に規定した複数の計測点を経由しつつイオン計測装置(例えば、イオン計測装置34)のイオン取込口(例えば、取込口34a)で二次元的に走査してイオンの密度情報を前記計測点毎に取得し、得られた密度情報群を前記計測点の位置情報を保持しつつ統合して密度合成データを生成すると共に、各計測点におけるイオン密度に応じて変化可能な可視化手段によって前記密度合成データに基づき所定の表示媒体上に表示することとしたため、イオン密度の高低やイオンの分布を視覚的に容易に把握することのできるイオン風の可視化方法を提供することができる。
また、イオン風発生機器から送出されている状態のイオン風の可視化方法であって、取り込んだイオンの量に応じて輝度又は色が変化する発光体(例えば、LED34b)を配設したイオン計測装置のイオン取込口で前記イオン風の到達空間領域と交差する所定平面上に規定した複数の計測点を経由しつつ二次元的に走査し、前記計測点毎の前記発光体の撮像画像データを収集し、得られた撮像画像データ群を前記計測点の位置情報を保持しつつ合成して合成画像データを生成すると共に、同合成画像データに基づき所定の表示媒体上に表示することとしたため、イオン密度の高低やイオンの分布を視覚的に容易に把握することのできるイオン風の可視化方法を提供することができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施例では、ドライヤー24の吹出軸を水平方向とし、これと平行な所定平面上に計測点を規定してイオン風の可視化を行ったが、これに限定されるものではなく、ドライヤー24の吹出軸が所定平面と交わる位置にドライヤー24を配置して、同ドライヤー24の吹出口24a方向へイオン計測装置34の取込口34aを配向させることでイオン風の可視化を行うようにしても良い。
また、上記実施例では、イオン計測装置34の取込口34aで所定平面上を走査するにあたり、原点配置状態から、幅方向往路動作、吹出方向移動・撮像動作、幅方向復路動作を繰り返し行うこととしたが、これに限定されるものではなく、任意の計測点を開始位置としても良いし、吹出方向往路動作、幅方向移動・撮像動作、吹出方向復路動作を繰り返し行うようにしても良く、更には、必ずしも規則的に計測点を巡る必要もない。
また、計測点は撮像や計測を行うポイントとは限らず、撮像や計測を行うか、又は行ったポイントを計測点としても良いのは勿論である。
また、上記実施例において計測点は、位置決めピン37bを等間隔に配した吹出方向位置決め部19及び幅方向位置決め部29により規定したが、これに限定されるものではない。例えば、吹出方向位置決め部19に関し、遠位側の位置決めピン37bの間隔を、近位側の位置決めピン37bの間隔よりも長く(広く)しても良いし、より具体的には、遠位側へ向けて漸次長くなるようにしても良い。また、吹出方向位置決め部19の位置決めピン37bの間隔は、幅方向位置決め部29の位置決めピン37bの間隔よりも短く(狭く)なるようにしても良い。