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JP2017114948A - 外燃機用燃料油組成物 - Google Patents

外燃機用燃料油組成物 Download PDF

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JP2017114948A JP2015248940A JP2015248940A JP2017114948A JP 2017114948 A JP2017114948 A JP 2017114948A JP 2015248940 A JP2015248940 A JP 2015248940A JP 2015248940 A JP2015248940 A JP 2015248940A JP 2017114948 A JP2017114948 A JP 2017114948A
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

【課題】長期貯蔵において優れた安定性を示し、厳寒期の寒冷地においても優れた低温流動性を示し、定格燃焼量が少なく噴霧油圧が低い油圧噴霧式バーナを搭載している外燃機においても優れた燃焼性を示すとともに、高い得率で得られる外燃機用燃料油組成物を提供する。
【解決手段】本発明の外燃機用燃料油組成物は、次の(1)〜(7)をいずれも満足する。
(1)原油の常圧蒸留装置により得られる直留留分を水素化脱硫した留分の含有量が前記外燃機用燃料油組成物全容量に対して90容量%以上、(2)初留点が140.0℃以上、(3)95%留出温度が271.0℃以上300.0℃以下、(4)引火点が45.0℃以上、(5)硫黄分含有率が前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して3質量ppm以上10質量ppm以下、(6)曇り点が−20℃以下、(7)酸化防止剤添加量が前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して20質量ppm以上100質量ppm以下。
【選択図】なし

Description

本発明は、ボイラや温風暖房機などの外燃機に使用される外燃機用燃料油組成物に関するものであり、詳しくは、得率が高く、貯蔵安定性および燃焼性に優れ、寒冷地の厳寒期においても低温流動性に優れた外燃機用燃料油組成物に関するものである。
ボイラや温風暖房機、工業炉などの外燃機用の燃料油組成物として、主に、灯油(JIS K 2203)、A重油(JIS K 2205の1種重油)およびC重油(JIS K 2205の3種重油)が使用されている。
灯油は、硫黄分、窒素分、残留炭素分の含有率が極めて低く、燃焼による環境負荷が小さく、低温流動性に優れた燃料油組成物である。また、灯油は、定格燃焼量が少なく噴霧油圧が低い油圧噴霧式バーナを搭載している外燃機においても燃焼性が優れている。しかし、冬季の寒冷地においては、室内暖房などの灯油需要が多く、安定供給に特段の配慮が必要である。
A重油は、一般に供給安定性に優れており、かつ、灯油に比較して発熱量が高い長所を有する。しかし、A重油には、寒冷地の厳寒期において、ワックスの析出によるフィルタ閉塞防止のために、設備対応などの配慮が必要になることがある。また、A重油は、定格燃焼量が少なく噴霧油圧が低い油圧噴霧式バーナを搭載している外燃機に使用する場合、燃焼性の改善が必要である。
C重油は、A重油より高い発熱量を有する。しかし、高粘度であるため、使用時に加熱設備が必要であるなど、取り扱いが不便である。また、C重油は、燃焼性が低いため、定格燃焼量が少なく噴霧油圧が低い油圧噴霧式バーナを搭載している外燃機に使用できない。さらに、C重油は、硫黄分、窒素分および残留炭素分が高く、環境負荷が大きいという欠点を有している。
冬季における外燃機用燃料油組成物の安定供給に寄与することを目的として、本発明者らは、これまでに、長期貯蔵において優れた安定性を示し、厳寒期の寒冷地においても優れた低温流動性を示し、定格燃焼量が少なく噴霧油圧が低い油圧噴霧式バーナを搭載している外燃機においても優れた燃焼性を示し、高い得率で得られる外燃機用燃料油組成物を提案してきた(特許文献1および2参照)。
特開2004−182744号公報 特開2004−182745号公報
しかしながら、外燃機用燃料油組成物の得率をさらに改善して、外燃機用燃料油組成物の供給をさらに安定化させることが望まれている。
そこで、本発明は、長期貯蔵において優れた安定性を示し、厳寒期の寒冷地においても優れた低温流動性を示し、定格燃焼量が少なく噴霧油圧が低い油圧噴霧式バーナを搭載している外燃機においても優れた燃焼性を示すとともに、高い得率で得られる外燃機用燃料油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意検討の結果、特定の組成および性状を有する外燃機用燃料油組成物が上記課題を解決することができることを見出した。
本発明は、以下の通りである。
[1]下記(1)〜(7)をいずれも満足する外燃機用燃料油組成物。
(1)原油の常圧蒸留装置により得られる直留留分を水素化脱硫した留分の含有量が前記外燃機用燃料油組成物全容量に対して90容量%以上
(2)初留点が140.0℃以上
(3)95%留出温度が271.0℃以上300.0℃以下
(4)引火点が45.0℃以上
(5)硫黄分含有率が前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して3質量ppm以上10質量ppm以下
(6)曇り点が−20℃以下
(7)酸化防止剤添加量が前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して20質量ppm以上100質量ppm以下
[2]前記酸化防止剤が、2,6-ジターシャリーブチルフェノール、2,4-ジメチル-6-ターシャリーブチルフェノール、および2,6-ジターシャリーブチル-4-メチルフェノールからなる群から選択される少なくとも1種である上記[1]に記載の外燃機用燃料油組成物。
[3]下記(8)〜(13)の少なくとも1つを満足する上記[1]または[2]に記載の外燃機用燃料油組成物。
(8)JIS K 2252による石油製品反応試験の結果が中性
(9)水分含有率が、前記外燃機用燃料油組成物全容量に対して0.01容量%以下
(10)灰分量が、前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して0.001質量%以下
(11)10%残油の残留炭素分が、前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して0.01質量%以下
(12)動粘度が30℃で1.30mm/s以上1.70mm/s以下
(13)前記外燃機用燃料油組成物全容量に対して、前記外燃機用燃料油組成物における飽和分が75.0容量%以上、オレフィン分が0.3容量%以下、1環芳香族分が25.0容量%以下、2環芳香族分が3.0%以下、3環芳香族分が0.3容量%以下
[4]下記(8)〜(13)をいずれも満足する上記[1]または[2]に記載の外燃機用燃料油組成物。
(8)JIS K 2252による石油製品反応試験の結果が中性
(9)水分含有率が、前記外燃機用燃料油組成物全容量に対して0.01容量%以下
(10)灰分量が、前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して0.001質量%以下
(11)10%残油の残留炭素分が、前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して0.01質量%以下
(12)動粘度が30℃で1.30mm/s以上1.70mm/s以下
(13)前記外燃機用燃料油組成物全容量に対して、前記外燃機用燃料油組成物における飽和分が75.0容量%以上、オレフィン分が0.3容量%以下、1環芳香族分が25.0容量%以下、2環芳香族分が3.0%以下、3環芳香族分が0.3容量%以下
[5]定格燃焼量が10.0L/時間以下かつ噴霧油圧が0.90MPa以下の油圧噴霧式バーナを搭載した外燃機に使用するための上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の外燃機用燃料油組成物。
本発明によれば、長期貯蔵において優れた安定性を示し、厳寒期の寒冷地においても優れた低温流動性を示し、定格燃焼量が少なく噴霧油圧が低い油圧噴霧式バーナを搭載している外燃機においても優れた燃焼性を示すとともに、高い得率で得られる外燃機用燃料油組成物を提供することができる。
また、本発明の外燃機用燃料油組成物の良好な燃焼性、優れた貯蔵安定性および優れた低温流動性により、冬季の寒冷地において需要が多い灯油留分の安定供給に資することが可能となる。
以下、本発明をさらに具体的に説明する。
本発明は、下記(1)〜(7)で規定する組成、性状をいずれも満足する外燃機用燃料油組成物(以下、「本発明の油組成物」ということがある)に関する。
本発明の油組成物
(1)原油の常圧蒸留装置により得られる直留留分を水素化脱硫した留分の含有量が前記外燃機用燃料油組成物全容量に対して90容量%以上
(2)初留点が140.0℃以上
(3)95%留出温度が271.0℃以上300.0℃以下
(4)引火点が45.0℃以上
(5)硫黄分含有率が前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して3質量ppm以上10質量ppm以下
(6)曇り点が−20℃以下
(7)酸化防止剤添加量が前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して20質量ppm以上100質量ppm以下
[外燃機用燃料油組成物]
(外燃機用燃料油組成物の性状、組成)
本発明の外燃機用燃料油組成物(以下、単に、油組成物と呼ぶ場合がある)は、以下の(1)〜(7)で規定された組成、性状をいずれも満足する。
(1)原油の常圧蒸留装置により得られる直留留分を水素化脱硫した留分の含有量
本発明の油組成物における原油の常圧蒸留装置により得られる直留留分を水素化脱硫した留分の含有量は、油組成物全容量に対して、90容量%以上であり、好ましくは95容量%以上である。
本発明の外燃機用燃料油組成物における後述の95%留出温度が灯油の95%留出温度(270℃以下)よりも高いことから、上記直留留分の沸点範囲は、灯油の沸点範囲よりも広くなる。このため、上記直留留分の原油に対する得率は、灯油の原油に対する得率よりも高くなる。したがって、このように、灯油に比べて得率が高い直留留分を水素化脱硫した留分の含有量を90容量%以上にすることにより、本発明の油組成物の得率を灯油に比べて高くすることができる。
原油の常圧蒸留装置により得られる上記直留留分の95%(95容量%)留出温度は、得率の確保の観点から、271℃以上300.0℃以下であり、好ましくは273℃以上290℃以下であり、より好ましくは275℃以上285℃以下であり、さらに好ましくは276℃以上285℃以下であり、さらに好ましくは277℃以上285℃以下であり、さらに好ましくは278℃以上285℃以下であり、さらに好ましくは279℃以上285℃以下である。
上記95%留出温度は、JIS K 2254(石油および石油製品−蒸留試験方法−)に準じて測定することができる。
上記直留留分を水素化脱硫するときの水素化脱硫条件は、たとえば、以下のとおりである。
反応温度;250℃以上390℃以下、好ましくは300℃以上350℃以下
水素分圧;1.0MPa以上10.0MPa以下、好ましくは2.0MPa以上5.0MPa以下
水素/原料油比;50Nm/kL以上500Nm/kL以下、好ましくは100Nm/kL以上300Nm/kL以下、
液空間速度;0.1hr−1以上10.0hr−1以下、好ましくは1.0hr−1以上8.0hr−1以下
本発明の油組成物は、後述の(2)〜(7)で規定された性状を満足する範囲内で以下の留分を基材としてさらに含むことができる。
(i)原油を常圧蒸留装置で常圧蒸留して得られる軽油留分(直留軽油留分)を水素化分解した留分
(ii)原油を常圧蒸留装置で常圧蒸留して得られる残渣留分(常圧蒸留残渣油)を減圧蒸留装置で減圧蒸留して得られる軽油留分(減圧軽油留分)を水素化分解した留分
(iii)常圧蒸留残渣油および/または減圧蒸留残渣油を直接脱硫した残渣留分を流動接触分解して得られる軽油留分(分解軽油)を水素化分解して得られる留分
(iv)常圧蒸留残渣油および/または減圧蒸留残渣油を直接脱硫装置で脱硫処理して得られる軽油留分(直脱軽油留分)を水素化分解して得られる留分
(v)石油化学工場で製造されるイソパラフィン系の溶剤、芳香族系の溶剤のうち、硫黄分含有率が100ppm以下かつ沸点範囲が140.0℃以上320.0℃以下の留分
(2)初留点
本発明の油組成物における初留点は、取り扱い上の安全確保の観点から、140.0℃以上であり、好ましくは、145.0℃以上であり、得率の確保の観点から、好ましくは160℃以下であり、さらに好ましくは145.0℃以上160℃以下である。
上記初留点は、JIS K 2254(石油および石油製品−蒸留試験方法−)に準じて測定することができる。
(3)95%留出温度
本発明の油組成物中における95%(95容量%)留出温度は、得率の確保および燃焼性の維持の観点から、271℃以上300.0℃以下であり、好ましくは273℃以上290℃以下であり、より好ましくは275℃以上285℃以下であり、さらに好ましくは276℃以上285℃以下であり、さらに好ましくは277℃以上285℃以下であり、さらに好ましくは278℃以上285℃以下であり、さらに好ましくは279℃以上285℃以下である。とくに、本発明の油組成物における95%留出温度は、灯油における95%留出温度(270℃以下)よりも高いので、本発明の油組成物の原料油に対する得率は、灯油の原料油に対する得率よりも高くなる。
上記95%留出温度は、JIS K 2254(石油および石油製品−蒸留試験方法−)に準じて測定することができる。
(4)引火点
本発明の油組成物の引火点は、取り扱い上の安全性確保の観点から、45.0℃以上である。
上記引火点は、JIS K 2265(原油及び石油製品−引火点試験方法−)に準じて測定することができる。
(5)硫黄分含有率
本発明の油組成物中の硫黄分含有率は、貯蔵安定性を維持し、排ガス中の硫黄酸化物による環境負荷を低減する観点から、本発明の油組成物全質量に対して3質量ppm以上10質量ppm以下であり、好ましくは4質量ppm以上8質量ppm以下である。
上記硫黄分含有率は、JIS K 2541(原油及び石油製品−硫黄分試験方法−)に準じて測定することができる。
(6)曇り点
本発明の油組成物における曇り点は、寒冷地の厳寒期においても、低温流動性を確保し、保温などの設備対応をせずに、析出したワックスによるフィルタ目詰まりを抑制するという観点から、−20℃以下である。
上記曇り点は、JIS K 2269(原油及び石油製品の流動点ならびに石油製品曇り点試験方法)に準じて測定することができる。
(7)酸化防止剤添加量
本発明の油組成物における酸化防止剤添加量は、貯蔵安定性の維持、燃焼性の確保および添加剤コスト削減の観点から、油組成物全質量に対して、20質量ppm以上100質量ppm以下であり、好ましくは25質量ppm以上80質量ppm以下であり、より好ましくは30質量ppm以上60質量ppm以下である。
酸化防止剤は、たとえば、2,6-ジターシャリーブチルフェノール、2,4-ジメチル-6-ターシャリーブチルフェノール、および2,6-ジターシャリーブチル-4-メチルフェノールからなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明の油組成物は、上記(1)〜(7)で規定された組成、性状をいずれも満足することが必要であるが、さらに以下の(8)〜(15)で規定された組成、性状の少なくとも一つを満足することが好ましい。また、本発明の油組成物は、さらに以下の(8)〜(15)で規定された組成、性状をいずれも満足してもよい。
(8)反応試験
本発明の油組成物は、燃料油タンク、配管、ディーゼルエンジンおよび装備しているポンプなどの補機の腐食を防止する観点から、JIS K 2252による石油製品反応試験の結果が中性であることが好ましい。
(9)水分含有率
本発明の油組成物中における水分含有率は、氷結によるフィルタ閉塞防止の観点から、本発明の油組成物全容量に対して0.01容量%以下であることが好ましい。
本発明の油組成物中における水分含有率は、JIS K 2275(原油及び石油製品−水分試験方法−)に準じて測定することができる。
(10)灰分量
本発明の油組成物中の灰分量は、バーナチップの摩耗を抑制し、排ガスによる環境負荷を低減するという観点から、本発明の油組成物全質量に対して0.001質量%以下であることが好ましい。
本発明の油組成物中の灰分は、JIS K 2272(原油及び石油製品の灰分ならびに硫酸灰分試験方法)に準じて測定することができる。
(11)10%残油の残留炭素分
本発明の油組成物における10%残油の残留炭素分は、油組成物の燃焼性維持、とくに燃焼不良による煤発生の抑制の観点から、本発明の油組成物全質量に対して0.01質量%以下であることが好ましい。
上記10%残油の残留炭素分は、JIS K 2270(原油及び石油製品−残留炭素分試験方法−)に準じて測定することができる。
(12)動粘度
本発明の油組成物の動粘度は、ポンプおよび流量計の仕様範囲に油組成物を適合させるとともに、燃焼性を確保する観点から、30℃で1.30mm/s以上1.70mm/s以下であることが好ましい。
上記動粘度は、JIS K 2283(原油及び石油製品の動粘度試験方法)に準じて測定することができる。
(13)組成
本発明の油組成物全容量に対して、本発明の油組成物における飽和分は75.0容量%以上であり、オレフィン分は0.3容量%以下であり、1環芳香族分は25.0容量%以下であり、2環芳香族分は3.0%以下であり、3環芳香族分は0.3容量%以下であることが好ましく、飽和分は80.0容量%以上であり、オレフィン分は0.1容量%以下であり、1環芳香族分は20.0容量%以下であり、2環芳香族分は1.0%以下であり、3環芳香族分は0.1容量%以下であることがより好ましい。
本発明の油組成物の上記組成は、JPI-5S-49-2007石油製品-炭化水素タイプ試験方法-高速液体クロマトグラフ法に準じて測定することができる。
[その他の添加剤]
本発明の油組成物には、上述の諸性状を維持しうる範囲で、必要に応じ、低温流動性向上剤、潤滑性向上剤、セタン価向上剤、燃焼促進剤、清浄剤、スラッジ分散剤、防カビ剤などの各種添加剤を適宜選択して配合することができる。また、軽油引取税の観点よりクマリンを配合してもよい。
[本発明の油組成物を好適に使用できる燃焼機例]
本発明の油組成物は、貯蔵安定性、低温流動性、酸化安定性に加え燃焼性にも優れているため、定格燃焼量が10.0L/時間以下かつ噴霧油圧が0.90MPa以下、好ましくは定格燃焼量が7.0L/時間以下かつ噴霧油圧が0.80MPa以下、よりに好ましくは定格燃焼量が5.0L/時間以下かつ噴霧油圧が0.70MPa以下の油圧噴霧式バーナを搭載した蒸気ボイラ、温水ボイラ、温風暖房機、吸収式冷温水機および温水発生機等の外燃機において、本発明の油組成物の特徴がとくに発揮される。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。なお、各基材の性状は、前述の通り、下記の方法に従って求めた。
〔基材の性状と組成の評価〕
(1)密度:JIS K 2249に準拠して測定した。
(2)動粘度(50℃):JIS K 2283に準拠して測定した。
(3)硫黄分含有率:JIS K 2541に準拠して測定した。
(4)引火点:JIS K 2265に準拠して測定した。
(5)曇り点:JIS K 2269に準拠して測定した。
(6)蒸留性状:JIS K 2254に準拠して測定した。
(7)組成分析:JPI-5S-49-2007に準拠して測定した。
(8)反応試験:JIS K 2252に準拠して測定した。
(9)水分含有率:JIS K 2275に準拠して測定した。
(10)灰分量:JIS K 2272に準拠して測定した。
(11)10%残油の残留炭素分:JIS K 2270に準拠して測定した。
〔基材の製造方法〕
原油の常圧蒸留により得た沸点範囲が異なる4種類の直留留分を、硫黄分が5質量ppmになる反応温度(約340℃)でそれぞれ水素化脱硫処理し、基材1〜4を得た。なお、基材4は灯油に相当する。
〔油組成物の性状と組成の評価〕
油組成部の性状、組成は上記の基材の評価と同様の方法で行った。
〔実施例1および2、比較例1および2ならびに参考例1の油組成物の製造〕
下記表1に示す性状、組成を有する基材1〜4を表2に示す割合で混合し、表2に示す性状の実施例1および2、比較例1および2ならびに参考例1の油組成物を作製した。なお、参考例1の油組成物は灯油に相当する。
得られた各油組成物について、燃焼性、貯蔵安定性および低温流動性を下記基準で評価した。結果を表2に示す。
Figure 2017114948
Figure 2017114948
〔性能の評価基準〕
1.燃焼性
(1)評価機種、条件
・評価機種;ネポン社製ハウスカオンキHK-1527(定格燃焼量4.9L/時間、オンオフ制御)
・燃料噴霧圧;0.69MPa(油圧噴霧式バーナ)
・バンドシャッター開度;排ガス酸素濃度を4.0±0.2%になるように調整
・燃料加熱用バーナ前ヒーター;オフ
(2)評価項目
1時間連続燃焼、15分間消火を1サイクルとして繰り返し、燃焼時間で500時間燃焼後、下記項目を評価した。
・着火性;目視で着火遅れがないこと
・燃焼性;バッカラッカスモークテスターで排ガス中の煤濃度(バッカラッカスモークナンバー;SN)を計測
(3)評価基準
・着火遅れがなく、煤濃度(SN)が1.0以下 ;○
・上記以外 ;×
2.貯蔵安定性
(1)評価項目
ASTM D4625に準拠し、43℃にて6週間暗所貯蔵(室温での概ね6ヵ月貯蔵に相当)を行った後、過酸化物価(JPI−5S−71)を測定した。
(2)評価基準
・過酸化物価が1ppm未満 ;○
・上記以外 ;×
3.低温流動性
(1)評価項目
JPI-5S-47-96のA重油の低温流動性試験方法基準(実機シミュレート法)に準拠し、通油限界温度を測定した。なお、通油限界温度とは、低温時に析出するワックスにより、フィルタ閉塞が起きなかった最低油温である。通油限界温度未満に油温を低下させると、ワックスによるフィルタ閉塞の可能性が非常に高くなる。
(2)評価基準
・通油限界温度≦−20.0℃ ;○
・上記以外 ;×
〔性能の評価結果〕
表2より明らかなように、本発明の油組成物に包含される実施例1および2の油組成物は燃焼性、貯蔵安定性および低温流動性のいずれも良好であった。比較例1の油組成物は、酸化防止剤が含まれていないために、貯蔵安定性が悪かった。比較例2の油組成物は、95%留出温度が高く、曇り点が高かったため、燃焼性が悪く、低温流動性も悪かった。参考例1の油組成物は、灯油に相当する。参考例1の結果と実施例1および2の結果とを比較することにより、実施例1および2の油組成物は灯油よりも貯蔵安定性に優れていることがわかった。また、参考例1の油組成物の95℃留出温度は268.5℃であり、実施例1および2の油組成物の95℃留出温度(279.0℃および284.5℃)よりも低いことから、実施例1および2の油組成物の得率は灯油の得率よりも高いことがわかった。
本発明の外燃機用燃料油組成物は、従来の灯油よりも貯蔵安定性に優れ、原油に対する得率も高いことから、本発明の外燃機用燃料油組成物を外燃機の燃料油として使用することにより、寒冷地において冬季の需要が非常に多い灯油および灯油留分の供給不足を解消することができる。

Claims (5)

  1. 下記(1)〜(7)をいずれも満足する外燃機用燃料油組成物。
    (1)原油の常圧蒸留装置により得られる直留留分を水素化脱硫した留分の含有量が前記外燃機用燃料油組成物全容量に対して90容量%以上
    (2)初留点が140.0℃以上
    (3)95%留出温度が271.0℃以上300.0℃以下
    (4)引火点が45.0℃以上
    (5)硫黄分含有率が前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して3質量ppm以上10質量ppm以下
    (6)曇り点が−20℃以下
    (7)酸化防止剤添加量が前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して20質量ppm以上100質量ppm以下
  2. 前記酸化防止剤が、2,6-ジターシャリーブチルフェノール、2,4-ジメチル-6-ターシャリーブチルフェノール、および2,6-ジターシャリーブチル-4-メチルフェノールからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の外燃機用燃料油組成物。
  3. 下記(8)〜(13)の少なくとも1つを満足する請求項1または2に記載の外燃機用燃料油組成物。
    (8)JIS K 2252による石油製品反応試験の結果が中性
    (9)水分含有率が、前記外燃機用燃料油組成物全容量に対して0.01容量%以下
    (10)灰分量が、前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して0.001質量%以下
    (11)10%残油の残留炭素分が、前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して0.01質量%以下
    (12)動粘度が30℃で1.30mm/s以上1.70mm/s以下
    (13)前記外燃機用燃料油組成物全容量に対して、前記外燃機用燃料油組成物における飽和分が75.0容量%以上、オレフィン分が0.3容量%以下、1環芳香族分が25.0容量%以下、2環芳香族分が3.0%以下、3環芳香族分が0.3容量%以下
  4. 下記(8)〜(13)をいずれも満足する請求項1または2に記載の外燃機用燃料油組成物。
    (8)JIS K 2252による石油製品反応試験の結果が中性
    (9)水分含有率が、前記外燃機用燃料油組成物全容量に対して0.01容量%以下
    (10)灰分量が、前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して0.001質量%以下
    (11)10%残油の残留炭素分が、前記外燃機用燃料油組成物全質量に対して0.01質量%以下
    (12)動粘度が30℃で1.30mm/s以上1.70mm/s以下
    (13)前記外燃機用燃料油組成物全容量に対して、前記外燃機用燃料油組成物における飽和分が75.0容量%以上、オレフィン分が0.3容量%以下、1環芳香族分が25.0容量%以下、2環芳香族分が3.0%以下、3環芳香族分が0.3容量%以下
  5. 定格燃焼量が10.0L/時間以下かつ噴霧油圧が0.90MPa以下の油圧噴霧式バーナを搭載した外燃機に使用するための請求項1〜4のいずれか1項に記載の外燃機用燃料油組成物。
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