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JP2017100350A - バリアフィルム及びそれを用いた波長変換シート、ディスプレイ - Google Patents

バリアフィルム及びそれを用いた波長変換シート、ディスプレイ Download PDF

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JP2017100350A JP2015234963A JP2015234963A JP2017100350A JP 2017100350 A JP2017100350 A JP 2017100350A JP 2015234963 A JP2015234963 A JP 2015234963A JP 2015234963 A JP2015234963 A JP 2015234963A JP 2017100350 A JP2017100350 A JP 2017100350A
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剣吾 大薗
Kengo Ozono
剣吾 大薗
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Abstract

【課題】光学材料を保護する用途に用いるバリアフィルムは、従来のパッケージ用途よりも高いバリア性能(水蒸気バリア性、酸素バリア性)が必要であるとともに、高い透明性と外観品質(欠陥の少なさ、小ささ)が求められる。さらにLED光源に長期間さらされることにより密着性、耐熱性などの信頼性も課題となっている。
【解決手段】プラスチック基材の上に密着層、無機酸化物層、ガスバリア性被覆層がこの順に積層されたバリアフィルムであって、前記密着層は炭素を主成分とし、膜厚は0.5〜1.5μmであり、かつ前記無機酸化物層はSiO(酸化珪素)膜で、xは1.6〜1.9、膜厚は20〜70nmであり、前記ガスバリア性被覆層はシロキサン結合を備えたバリアフィルムとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学材料等の産業資材を保護するバリアフィルム、及びそれを用いた波長変換シート、並びに該波長変換シートを用いたディスプレイに関する。
バリアフィルムは食品用包装材料等のパッケージに用いられてきたが、近年になって、ディスプレイなど産業資材用途への適用が検討されるようになっている。
液晶ディスプレイのバックライトを一般的な白色LEDから波長変換材料を用いた3波長白色LEDに代替することで、液晶ディスプレイの色再現性を、NTSC比で100%以上まで高める技術が知られている。
3波長白色LEDは、近紫外あるいは青色LEDが放射する青色光の一部が蛍光体を透過し、残りは緑色蛍光体と赤色蛍光体に吸収され、それぞれ緑色と赤色の光に変換されるものが一例として挙げられる。この3波長白色LEDは、440nmから470nmの波長範囲に青色LED由来の発光強度のピーク波長を有し、520nmから560nm、及び600nmから700nmの波長範囲に緑色蛍光体、赤色蛍光体に由来する発光強度のピーク波長を有する。
前記技術を実現するためには波長変換材料である蛍光体をバックライト光路に設置する必要があるが、蛍光体は一般的に酸素や水と反応して容易に劣化するため、外気からの保護が必要になる。これを実現する方法として、蛍光体を含む層を透明バリアフィルムで保護し波長変換シートとする方法が有力である。
例えば、特許文献1では蛍光体の劣化を抑制するため、蛍光体を含む層をバリアフィルムで挟む構成が提案されている。しかしながら特許文献1を参考に、既存のバリアフィルムで蛍光体を保護したディスプレイを作製すると、バリア性が不足するために得られた3波長白色LEDの寿命が短くなったり、フィルムのキズ、シワ等でムラが生じてしまう。
特開2011−13567号公報
上記のような光学材料を保護する用途に用いる透明バリアフィルムは、従来のパッケージ用途よりも、高いバリア性能(水蒸気バリア性、酸素バリア性)が求められるとともに、高い透明性と外観品質(欠陥の少なさ、小ささ)が求められる。さらに、LED光源に長期間さらされるために、耐光性、耐熱性などの信頼性も必要である。
本発明は上記の課題に鑑み、光学材料を保護するためのバリア性や透明性に優れたバリアフィルム、及びそれを用い蛍光体の性能を最大限に発揮することのできる波長変換シート、並びにそれを用いたディスプレイを実現することを目的とするものである。
上述の課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、プラスチック基材の上に密着層、無機酸化物層、ガスバリア性被覆層がこの順に積層されたバリアフィルムであって
、前記密着層は炭素を主成分とし、膜厚は0.5〜1.5μmであり、かつ前記無機酸化物層はSiO(酸化珪素)膜で、xは1.6〜1.9であり、膜厚は20〜70nmであることを特徴とするバリアフィルムとしたものである。
請求項2に記載の本発明は、前記ガスバリア性被覆層はシロキサン結合を備えたことを特徴とする請求項1に記載のバリアフィルムとしたものである。
請求項3に記載の本発明は、前記ガスバリア性被覆層の膜厚は200〜700nmであることを特徴とする請求項1、または2に記載のバリアフィルムとしたものである。
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバリアフィルムを備えることを特徴とする波長変換シートとしたものである。
請求項5に記載の本発明は、前記バリアフィルムのガスバリア性被覆層に接して蛍光体を含む層が積層されていることを特徴とする請求項4に記載の波長変換シートとしたものである。
請求項6に記載の本発明は、請求項4、または5に記載の波長変換シートを備えることを特徴とするディスプレイとしたものである。
本発明によれば、バリア性、透明性、外観性能、生産性に優れた、産業資材用途に適合するバリアフィルムが得られるので、それを用いることで蛍光体の性能を最大限に発揮することのできる波長変換シートが得られ、並びにそれにより高い色品質のディスプレイを実現することができる。
本発明の一実施形態に係るバリアフィルムの構成を示す模式断面図。 本発明の別の実施形態に係るバリアフィルムの構成を示す模式断面図。 本発明の一実施形態に係る波長変換シートの構成を示す模式断面図。 本発明の別の実施形態に係る波長変換シートの構成を示す模式断面図。 本発明の別の実施形態に係る波長変換シートの構成を示す模式断面図。 本発明の別の実施形態に係る波長変換シートの構成を示す模式断面図。
図1は、本発明の一実施形態に係るバリアフィルムの構成を示す模式断面図である。本実施形態のバリアフィルムは、プラスチック基材1の上に密着層2、無機酸化物層3、ガスバリア性被覆層4がこの順に積層されている。
本発明のバリアフィルムでは、無機酸化物層3とガスバリア性被覆層4は、交互に複数層積層されていてもよい。図2は、無機酸化物薄膜層3とガスバリア性被覆層4を、2層ずつ交互に積層した実施形態を示している。
本発明のバリアフィルムで使用するプラスチック基材1の材料にはとくに規定はない。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが最も一般的であるが、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)や、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート(PET−G)等の共重合ポリエステルのフィルムなどでもよい。
中でも、PETフィルムを用いることが好ましい。PETフィルムはその供給上の観点
から低コストであり、かつ加工時の熱、溶剤、折り曲げ等の負荷に対する耐性が高く、透明性が高い。またバリア性や電気絶縁性が優れているが、バリア性や電気絶縁性を保つ為には、PETフィルムの厚みは100μm以上であることが好ましい。また、操作性やコストの面からは1000μm以下であることが好ましい。透明性を必要とするディスプレイの前面保護シートなどの用途では300μm以下であることが望ましい。
本発明のバリアフィルムにおける密着層2は炭素を主成分とし、膜厚は0.5〜1.5μmである。密着層2はプラスチック基材1と無機酸化物層3の密着性を確保するとともにプラスチック基材1の欠陥を埋めて影響を抑制する役目を果たす。密着層2の膜厚が0.5μm以上あるとプラスチック基材1の欠陥の影響を十分に抑制できる。密着層の膜厚が1.5μm以上となると焼成時に白化などの外観異常を生じやすくなる。炭素を主成分とする密着層2としては、例えばアクリル系材料、またはポリエステル系材料などの接着剤または粘着剤を用いることができる。
本発明のバリアフィルムにおける無機酸化物層3はSiO(酸化珪素)膜で、xは1.6〜1.9であり、膜厚は20〜70nmである。無機酸化物層3は緻密な膜を形成することでバリア性能を向上する。緻密な膜を形成するための成膜方法としてはドライコーティング、中でもスパッタリングやCVD(化学的気相成長)法が好ましく、特にスパッタリングが膜組成の安定性からも好ましい。
無機酸化物層3としてのSiO膜は、組成比がSi:O=1:2よりも若干Oが不足することでバリア性が向上し、成膜ガスの調整により酸素が欠乏するような条件で成膜を行うことでバリア性能の向上を図ることができる。特にSi:Oが1:1.6〜1:1.9の範囲においてバリア性能は極大となり、膜厚は20〜70nmの範囲にある場合に高いバリア性能と加工適性(ウェブ搬送性)を両立することができる。膜厚が70nmを超えると、ウェブ搬送時にクラックが生じる恐れがある。
ガスバリア性被覆層4は、後工程での二次的な各種損傷を防止すると共に、高いバリア性を付与するために設けられるものである。このガスバリア性被覆層4は、例えば金属アルコキシドもしくは金属アルコキシド加水分解物が脱水縮合することにより生じる結合(M−O−M)を備えるものである。さらに水酸基含有高分子を含むことにより、高いバリア性と柔軟性を備えたガスバリア性被覆層が実現できる。このうち特に珪素を用いたシロキサン結合を含むものが好ましい。
水酸基含有高分子化合物としては、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン等の水溶性高分子が挙げられるが、特にポリビニルアルコールを用いた場合にバリア性が最も優れる。
金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH,C等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン[Si(OC]、トリイソプロポキシアルミニウム[Al(O−iso−C]などがあげられ、中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。加水分解物及び重合物としては、例えば、シロキサン結合含有材料としてはテトラエトキシシランの加水分解物や重合物として珪酸(Si(OH))などが、トリプロポキシアルミニウムの加水分解物や重合物として水酸化アルミニウム(Al(OH))などが挙げられる。
ガスバリア性被覆層4には、前述の金属アルコキシドを分解させるために、塩化錫等の触媒を添加しても良い。例えば塩化第一錫、塩化第二錫或いはこれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でもよい。
本発明のバリアフィルムは、例えば高いバリア性が求められる、波長変換シートを構成する蛍光体を保護するための保護フィルムとして用いることができる。
蛍光体の劣化を防止するために、具体的にはバリアフィルムの水蒸気透過率としては気温40℃、湿度90%の環境下で1×10−1g/m・day以下であることが好ましく、さらには2×10−2g/m・day以下であることがより好ましい。酸素透過率としては、気温30℃、湿度70%の環境下で1cc/m・day以下であることが好ましく、1×10−1cc/m・day以下であることがより好ましい。
前記ガスバリア性被覆層4の膜厚としては200nm〜700nmが好適である。膜厚が200nm以上であると無機酸化物層3を保護する性能が十分となる。膜厚が700nmを超えると、圧縮性の内部応力によってフィルムがカール状になり、ウェブ搬送異常を引き起こし、生産性が低下する。
図3は、本発明の一実施形態に係る波長変換シート100の構成を示す模式断面図であり、本発明の波長変換シートのもっとも基本となる構成を示している。図3の構成では、波長変換材料である蛍光体6が封止樹脂5によって封止され蛍光体封止層7となり、その両側の面に本発明のバリアフィルム10が積層されている。
図3及び図4の波長変換シート100,200のように、無機酸化物層3、ガスバリア性被覆層4を蛍光体6を含む蛍光体封止層7側に配置することによって、より蛍光体封止層7とバリアフィルム10、20との界面からの酸素等のガス、及び水蒸気の侵入を抑制することができる。
図4は、本発明の別の実施形態に係る波長変換シート200の構成を示す模式断面図である。図4の構成では、波長変換材料である蛍光体6が封止樹脂5によって封止され蛍光体封止層7となり、その両側の面に、無機酸化物薄膜層3とガスバリア性被覆層4を2層ずつ交互に積層した本発明のバリアフィルム20が積層されている。
図5は、本発明のさらに別の実施形態に係る波長変換シート300の構成を示す模式断面図である。図5の構成では、前記図4の構成の波長変換シート200の両側の面に、さらに粘着剤8を介してプラスチックフィルム9が積層されている。
図6は、本発明のさらに別の実施形態に係る波長変換シート400の構成を示す模式断面図である。図6の構成では、図5の構成と同様、蛍光体封止層7、無機酸化物薄膜層3とガスバリア性被覆層4を2層ずつ交互に積層したバリアフィルム20、粘着剤8、プラスチックフィルム9から成っているが、図5の構成と比べ、バリアフィルム20内の上下方向が逆になっている。すなわち、蛍光体封止層7にもっとも近いバリアフィルム20内の層が、図5ではガスバリア性被覆層4であるのに対し、図6ではプラスチック基材1となっている。
バリアフィルム20と積層するプラスチックフィルム9としては、バリアフィルム20のプラスチック基材1を形成したフィルムを用いてもよく、別のフィルムを用いてもよい。典型的にはPETフィルム又はポリエチレンナフタレートフィルムを使用することができる。上記プラスチックフィルム9としては、総厚を薄くするために、50μm以下のフィルムを用いることが望ましい。また、プラスチックフィルム9は複数のフィルムを積層したものであってもよい。
蛍光体封止層7は、封止樹脂5と蛍光体6からなる数十〜数百μmの薄膜である。蛍光体封止層7には量子ドットに代表される蛍光体が2種混合された状態で封止されている。
あるいは、蛍光体封止層7は、1種類の蛍光体のみが封止された蛍光体封止層7が2層積層されたものであってもよい。それらの蛍光体は、励起波長が同一のものが選択される。励起波長は、LED光源が照射する光の波長に基づいて選択される。2種類の蛍光体の蛍光色は相互に異なり、赤色、緑色である。各蛍光の波長、及びLED光源が照射する光の波長は、カラーフィルタの分光特性に基づき選択される。蛍光のピーク波長は、例えば赤色が610nm、緑色が550nmである。
蛍光体の粒子構造を説明する。蛍光体は、発光部としてのコアが保護膜としてのシェルにより被覆されたものである。例えば、コァにはセレン化カドミウム(CdSe)、シェルには硫化亜鉛(ZnS)が使用可能である。CdSeの粒子の表面欠陥がバンドギャップの大きいZnSにより被覆されることで量子収率が向上する。また、蛍光体は、コアが第1シェル及び第2シェルにより二重に被覆されたものであってもよい。コアにはCdSe、第1シェルにはセレン化亜鉛(ZnSe)、第2シェルにはZnSが使用可能である。
蛍光体封止層7は、例えば、以下の手順でバリアフィルム10または20に積層される。蛍光体は封止樹脂と混合される。蛍光体が封止樹脂と混合された混合液は、バリアフィルムに塗布される。封止樹脂としては、感光性樹脂、熱硬化性樹脂、及び化学硬化性樹脂等が挙げられる。封止樹脂が紫外線照射又は加熱により(UV)硬化されることで、蛍光体封止層7が形成される。また、封止樹脂として、感光性樹脂及び熱硬化性樹脂を併用してもよい。この場合は封止樹脂をUV硬化の後に熱硬化させることで、蛍光体封止層が形成される。
波長変換シートが図6の構成を備える場合、すなわち、プラスチック基材1を蛍光体封止層7側に配置する場合、蛍光体封止層7形成の工程で乾燥または硬化のために加熱を行っても、プラスチック基材1が劣化せず、バリア性が保たれやすくなる傾向がある。
本発明のディスプレイは、バックライトユニットに本発明の波長変換シートを備える以外は、公知の構成を備えている。すなわち本発明のディスプレイは、例えば液晶型の場合、液晶層とカラーフィルタ基板とTFTアレイ基板で構成される液晶パネル部と、液晶パネル部の裏面に具備されるバックライトユニットで主要な部分が構成され、前記バックライトユニットは、本発明の波長変換シートを備える白色LEDが液晶パネルの背面直下、もしくは導光板のエッジ部に配設される構成を備えている。
<実施例1>
実施例1では、無機酸化物層の成膜方式と、ガスバリア性被覆層の有無について、比較検討を行った。表1に、実施例1−1、1−2、比較例1−1〜1−4の試料の構成を示す。
表1を詳細に述べれば、基材幅は1200mmとした。密着層はイソシアネート硬化型アクリル樹脂のウェットコート層を使用した。無機酸化物層は、実施例1−1、1−2及び比較例1−1、1−3では、アルデンヌ社製ロール・ツー・ロール方式インラインスパッタ装置を使用し、搬送速度3.0m/min、放電電力7.5kW(カソード2台使用)、ターゲット材料は金属Si(純度99.99%)、プロセスガスはAr:100sccm、O:2.5sccm、スパッタ圧力0.1Pa、基材加熱なしで成膜を行った。比較例1−2、1−4では、アルバック社製インライン蒸着装置を使用し、搬送速度300m/min、EBパワー1.9A(2機使用)、蒸着材料は粉末Si(純度99.99%)と粉末SiOを1:6に混合した焼結体を用いた。プロセスガスは非導入、基材加熱なしで成膜を行った。尚、SiOx膜の組成比はいずれの試料もx=1.8となるようにした。
ガスバリア性被覆層は、実施例1−1、及び比較例1−2では、岡崎機械製ウェットコーティング装置を使用し、ダイレクトリバースグラビア方式にて塗工した。テトラエトキシシランとポリビニルアルコールとを含む塗液を使用した。グラビア版は斜線型(45度、100線、セル容積30cc)のものを使用し、搬送速度300m/min、グラビア版回転速度は300m/min、オーブン条件は投入部から順に100℃、120℃、110℃の3段階とした。コート後に、50℃環境にて72時間エージングを実施した。比較例1−1、1−3は、ガスバリア性被覆層を設けなかった。
試験項目は、密着性試験としてクロスカットピール試験(判定基準:100マスにおいて剥がれ0/100である事)、バリア測定(測定条件と評価基準は後述する)、信頼性試験(85℃保持、65℃・95%・室温保持、−40°保持にて各1000時間後のバリア測定)、外観性能(目視で容易に視認できるムラ、クラック、異物欠陥が存在しない事)、カール測定(100mm片において端部の立ち上がりが10mm以下である事)を実施し、実施例1−2、比較例1−3、1−4については波長変換材料保護性能(波長変換材料をラミネートしたサンプルを85℃にて100時間保持した後の外観異常個数が25cmあたり5個以下である事)も評価した。
バリア性の測定条件と評価基準は次のようである。水蒸気透過率はJISK7129Bに準拠し気温40℃、湿度90%の環境下、酸素透過率はJISK7126−2に準拠し気温30℃、湿度70%の環境下で測定した。評価基準としての水蒸気・酸素透過率の値と評価結果のマーク(◎○△×)の関係は次の表2の通りである。
表3に、以上の試験結果をまとめて示す。
評価の結果、実施例1−1、1−2は全項目に対して合格判定を得たが、比較例1−1、1−3はバリア性能において、比較例1−2、1−4はバリア性能と外観性能において、実施例1−1、1−2より劣る結果となった。また、実施例1−2は、波長変換材料保護性能も合格であった。以上よりバリアフィルムに必要な性能を満たすには、無機酸化物層は蒸着膜よりもスパッタ成膜による緻密な膜、及びガスバリア性被覆層の存在が必要であることが分る。
<実施例2>
実施例2では、密着層、無機酸化物層、ガスバリア性被覆層の膜厚を種々変えた場合の検討を行った。表4に、各試料の構成を示す。尚、各層の材料や膜厚以外の成膜条件は、組成比を含め、実施例1の場合と同様である。
試験項目と評価基準は、実施例1の場合と同じとした。表5に、試験結果を示す。
表5の結果より、実施例2−1〜2−7の試料については総合判定で〇、比較例2−1〜2−8の試料については×となった。これにより、無機酸化物層の膜厚は20〜70nmが好適、ガスバリア性被覆層の膜厚は200〜700nmが好適であることが分る。
<実施例3>
実施例3では、無機酸化物層(SiOx)の組成比を種々変えた場合の検討を行った。SiOx膜の成膜で、Oガスの流量を変化させた以外の成膜条件は、実施例1の場合と同様である。SiOx膜中のOとSiの比xは、X線光電子分光分析装置(日本電子社製、JPS−90MXV)を用いて、X線光電子分光法(XPS)により求めた。具体的には、X線源として非単色化MgKα(1253.6eV)を使用し、100W(10kV−10mA)のX線出力で測定した。xを求めるための定量分析には、それぞれO1sで2.28、Si2pで0.9の相対感度因子を用いた。表6に、各試料の構成とSiOx膜の組成比を示す。
試験項目と評価基準は、実施例1の場合と同じとした。表7に、試験結果を示す。
表7の結果より、SiOxの組成比がx=1.6〜1.9の範囲にない比較例3−1〜3−4の試料については、ガスバリア性に問題があることが分った。
1・・・・プラスチック基材
2・・・・密着層
3・・・・無機酸化物層
4・・・・ガスバリア性被覆層
5・・・・封止樹脂
6・・・・蛍光体
7・・・・蛍光体封止層
8・・・・粘着剤
9・・・・プラスチックフィルム
10、20・・・バリアフィルム
100、200、300、400・・・波長変換シート

Claims (6)

  1. プラスチック基材の上に密着層、無機酸化物層、ガスバリア性被覆層がこの順に積層されたバリアフィルムであって、
    前記密着層は炭素を主成分とし、膜厚は0.5〜1.5μmであり、
    かつ前記無機酸化物層はSiO(酸化珪素)膜で、xは1.6〜1.9であり、膜厚は20〜70nmであることを特徴とするバリアフィルム。
  2. 前記ガスバリア性被覆層はシロキサン結合を備えたことを特徴とする請求項1に記載のバリアフィルム。
  3. 前記ガスバリア性被覆層の膜厚は200〜700nmであることを特徴とする請求項1または2に記載のバリアフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のバリアフィルムを備えることを特徴とする波長変換シート。
  5. 前記バリアフィルムのガスバリア性被覆層に接して蛍光体を含む層が積層されていることを特徴とする請求項4に記載の波長変換シート。
  6. 請求項4または5に記載の波長変換シートを備えることを特徴とするディスプレイ。
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