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JP2017194004A - ディーゼルエンジンの燃焼室構造 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃焼室構造 Download PDF

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JP2017194004A JP2016084320A JP2016084320A JP2017194004A JP 2017194004 A JP2017194004 A JP 2017194004A JP 2016084320 A JP2016084320 A JP 2016084320A JP 2016084320 A JP2016084320 A JP 2016084320A JP 2017194004 A JP2017194004 A JP 2017194004A
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文浩 田賀
Fumihiro Taga
文浩 田賀
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Abstract

【課題】シリンダーに吸入された空気の利用率を向上させることにより、より一層の黒煙排出量の低減と燃費の改善を図るディーゼルエンジンの燃焼室構造を提供する。【解決手段】ピストン17は、頂面29に開口する第1キャビティ31と第1キャビティ31の第1底面33に開口して第1キャビティ31の開口径D1よりも小さい開口径D2を有する第2キャビティ32とによって形成される入口リップ部35を有し、第1キャビティ31は、第1底面33と、ピストン17の半径方向外側の部位ほどピストン17の頂面29に近づく第1側面34とを有し、ディーゼルエンジンは、燃料噴射の少なくとも初期において入口リップ部35に向けて燃料を噴射するように構成されており、シリンダーのボア径Dbに対する第2キャビティ32の開口径D2の比が0.662±0.032である。【選択図】図2

Description

本発明は、直噴式のディーゼルエンジンの燃焼室構造に関する。
ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれるNOxを低減する手法として、排気ガスの一部を吸気通路に還流する排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)が知られている。EGRは、シリンダーに空気と排気ガスとの混合気体を作動ガスとして供給し、混合気の燃焼温度を低下させることでNOxを低減している。しかしながら、燃焼温度の低下は、黒煙の酸化反応が抑制されることによる黒煙排出量の増大を招く。そのため、特許文献1には、燃料の濃い領域が局所的に形成されることを回避することにより、排気ガスの還流量が増えた場合であっても黒煙排出量の低減や燃費の改善が図られる燃焼室構造が開示されている。特許文献1の燃焼室構造は、頂面に凹設された第1キャビティと、第1キャビティの底面に開口して第1キャビティよりも小さい開口径を有する第2キャビティとによって形成される段差である入口リップ部を有するピストンによって構成されている。
特許第4906055号公報
しかしながら、特許文献1に記載の燃焼室構造について本発明者が解析した結果、黒煙排出量の低減と燃費の改善を図るうえで改善の余地が残されていた。
本発明は、シリンダーに吸入された空気の利用率を向上させることにより、より一層の黒煙排出量の低減と燃費の改善を図るディーゼルエンジンの燃焼室構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するディーゼルエンジンの燃焼室構造は、ピストンの頂面に凹設されたキャビティに向けて燃料が放射状に噴射されるディーゼルエンジンの燃焼室構造であって、前記ピストンは、前記頂面に開口する第1キャビティと前記第1キャビティの底面に開口して前記第1キャビティの開口径よりも小さい開口径を有する第2キャビティとによって形成される段差である入口リップ部を有し、前記第1キャビティは、前記底面と、前記ピストンの半径方向外側の部位ほど前記ピストンの頂面に近づく側面とを有し、前記ディーゼルエンジンは、燃料噴射の少なくとも初期において前記入口リップ部に向けて燃料を噴射するように構成されており、前記ピストンを収容するシリンダーのボア径に対する前記第2キャビティの開口径の比が0.662±0.032である。
上記ディーゼルエンジンの燃焼室構造およびピストンによれば、入口リップ部に向けて噴射された燃料噴霧は、入口リップ部によって第1キャビティに流入する流れと第2キャビティに流入する流れとに分配される。そして、第1キャビティに流入した燃料噴霧は、第1キャビティの側面によって案内されてピストンの頂面とシリンダーの上壁面との間の空間であるスキッシュエリアに向かう上向きの流れを形成する。そして、ピストンの下動動作にともない、ピストンの半径方向内側と外側に向かう燃料噴霧の流れが形成される。一方、第2キャビティに流入した燃料噴霧は、第2キャビティの側面に沿って第2キャビティの底面に向かって流れたのち、第2キャビティの底面に沿ってピストンの半径方向内側に向かって流れる。そして、ピストンの下動動作にともない、第2キャビティの側面の近傍に縦向きの旋回の渦を形成する。こうした流れにより燃料噴霧が拡散し易くなり、低速運転時と高速運転時の両方で燃料の濃い領域が局所的に形成されることを回避し、顕著な黒煙排出量の低減と燃費の改善とを図ることが可能である。
そして、こうした燃料噴霧の空気導入について鋭意研究した結果、本発明者は、シリンダーのボア径に対する第2キャビティの開口径の比を0.662±0.032に設定することで燃料噴霧の空気導入がより促進されることを見出した。すなわち、上記構成によれば、シリンダー内に吸入された空気のうちで燃料噴霧内に取り込まれた空気の割合を示す空気利用率を向上させることができる。その結果、黒煙排出量の低減と正味燃料消費率の低減とを図ることができる。
上記構成のディーゼルエンジンの燃焼室構造は、前記燃料を噴射するインジェクターにおけるノズルコーン角が140°以上160°以下の範囲に設定され、前記ピストンの半径方向における前記第1キャビティの開口縁と前記第2キャビティの開口縁との距離である幅が前記第2キャビティの開口径に対して9%以上19%以下の範囲に設定されていることが好ましい。
上記構成によれば、低速運転時と高速運転時の両方で燃料噴霧が拡散し易くなり、燃料の濃い領域が局所的に形成されることを回避でき、顕著な黒煙低減効果が得られる。
上記構成のディーゼルエンジンの燃焼室構造は、前記ピストンの頂面から前記第1キャビティの底面までの深さが前記第2キャビティの開口径に対して4.5%以上9.5%以下の範囲に設定されていることが好ましい。
上記構成によれば、低速運転時と高速運転時の両方で燃料噴霧が拡散し易くなり、燃料の濃い領域が局所的に形成されることを回避でき、顕著な黒煙低減効果が得られる。
ディーゼルエンジンの燃焼室構造の一実施形態が適用されたディーゼルエンジンの概略構成を模式的に示す図。 ピストンの頂部付近における断面形状の一例を示す部分断面図。 (a)燃料噴霧が入口リップ部に衝突した直後における燃料噴霧の流れの一例を模式的に示す図、(b)ピストン下動時における燃料噴霧の流れの一例を模式的に示す図。 (a)多孔式のインジェクターのノズルコーン角を模式的に示す図、(b)シミュレーションを行った各パターンのキャビティの形状を模式的に示す図。 クランク角50°ATDCにおいて当量比が0.5以上の領域と当量比0.5ごとの等値線とを示す図であって、(a)パターン1の場合を示す図、(b)パターン5の場合を示す図、(c)パターン3の場合を示す図。 クランク角と筒内空間の空気利用率との関係の一例を示すグラフ。 各クランク角における径比と空気利用率との関係の一例を示すグラフ。 (a)クランク角とスキッシュエリアの空気利用率との関係の一例を示すグラフ、(b)クランク角と内部エリアの空気利用率との関係の一例を示すグラフ。 正味平均有効圧力と正味燃料消費率との関係の一例を示すグラフ。 正味平均有効圧力と黒煙排出濃度との関係の一例を示すグラフ。 クランク角と熱発生率との関係の一例を示すグラフ。
図1〜図11を参照して、ディーゼルエンジンの燃焼室構造の一実施形態について説明する。まず、図1を参照して、ディーゼルエンジンの燃焼室構造が適用されたディーゼルエンジンの概略構成について説明する。
図1に示すように、エンジン10は、複数のシリンダー11を有する直噴式のディーゼルエンジンである。エンジン10は、吸入空気が流れる吸気通路12と排気ガスが流れる排気通路13とを備えている。エンジン10は、排気通路13と吸気通路12とを接続するEGR通路15と、EGR通路15の流路断面積を変更可能なEGR弁16とを備えている。EGR弁16が開状態にあるとき、エンジン10には、吸入空気と排気ガスとの混合気体が作動ガスとして供給される。
シリンダー11には、ピストン17が上下動可能に収容されており、このピストン17、シリンダー11の側壁面18、および、シリンダー11の上壁面19に囲まれる空間である筒内空間20が形成されている。筒内空間20には、ピストン17の中心軸A上に位置するインジェクター21から燃料が噴射される。インジェクター21は、ピストン17の半径方向外側に向かって放射状に燃料を噴射する。エンジン10では、作動ガスと筒内空間20に噴射された燃料噴霧との混合気が自己着火により順次燃焼することでピストン17を上下動させてクランクシャフト23を回転させる。
図2に示すように、シリンダー11は、ボア径Dbを有している。ピストン17は、その頂面29に凹設されたキャビティ30を有している。キャビティ30は、ピストン17の頂面29に開口する第1キャビティ31と、第1キャビティ31の第1底面33に開口して第1キャビティ31の開口径D1よりも小さな開口径D2を有する第2キャビティ32とで構成されている。ピストン17には、第1キャビティ31の開口径D1と第2キャビティ32の開口径D2との径差によって形成される段差であって、ピストン17の半径方向内側に向かって突出する入口リップ部35が形成されている。入口リップ部35の先端部は、緩やかな曲面状に形成されている。
第1キャビティ31は、第1底面33と、第1底面33の外周縁とピストン17の頂面29とを繋ぐ面であってピストン17の半径方向外側の部位ほど頂面29に近くなる曲面である第1側面34とを有している。第1キャビティ31は、ピストン17の中心軸Aを中心とする開口径D1、ピストン17の頂面29から第1キャビティ31の第1底面33までの距離である深さDp、および、ピストン17の半径方向における第1キャビティ31の開口縁と第2キャビティ32の開口縁との距離である幅Lを有している。
第2キャビティ32は、第1キャビティ31の第1底面33の内周縁に連なる第2側面36と、第2側面36の下端周縁からピストン17の半径方向内側に延びる第2底面37とを備えている。第2側面36は、第1底面33の内周縁からピストン17の半径方向外側へ張り出す上部側面36aと、上部側面36aと第2底面37とを繋ぐ面であってピストン17の半径方向内側へ向かって緩やかに湾曲する下部側面36bとで構成されている。第2底面37は、ピストン17の中心軸Aに近い部位ほどピストン17の頂面29に近づく傾斜面である。この第2底面37によって、ピストン17には、中心軸A上に先端部を有する偏平の円錐形状を有するセンターコーン38が形成されている。なお、キャビティ30は、上部側面36aが第2キャビティ32の開口径D2のまま鉛直方向に延びるトロイダル型のキャビティであってもよい。
図3および図4を参照してエンジン10の低速運転時と高速運転時における筒内空間20での燃料噴霧の流れについて説明する。エンジン10においては、燃料の噴射期間の初期において、インジェクター21から入口リップ部35に向かって燃料が噴射され、その噴射された燃料噴霧は入口リップ部35に衝突する。
図3(a)に示すように、インジェクター21から噴射された燃料噴霧は、入口リップ部35によって第1キャビティ31に流入する流れと第2キャビティ32に流入する流れとに分配される。そして、第1キャビティ31に流入した燃料噴霧は、第1側面34によって案内されてピストン17の頂面29とシリンダー11の上壁面19との間の空間であるスキッシュエリア40に向かう上向きの流れを形成する。一方、第2キャビティ32に流入した燃料噴霧は、第2側面36に沿って第2底面37に向かって流れたのち、第2底面37に沿ってピストン17の半径方向内側へ向かって流れる。
そして、図3(b)に示すように、ピストン17の下動動作にともない、スキッシュエリア40に向かう上向きの流れは、ピストン17の下動動作と相まった旋回の渦により半径方向の内側と外側への燃料噴霧の移動が促される。また、スキッシュエリア40に向かう上向きの流れに残存する噴射の勢いにより、半径方向外側への燃料噴霧の移動が促される。第2キャビティ32におけるピストン17の半径方向内側に向かう燃料噴霧の流れは、ピストン17の下動動作と相まった縦向きの旋回の渦により燃料噴霧の拡散が促される。こうした燃料噴霧の流れが形成されることにより、低速運転時と高速運転時の両方で燃料噴霧が拡散し易くなり、燃料の濃い領域が局所的に形成されるのを回避している。
図4を参照して、筒内空間20における空気利用率Uについて本発明者が行ったシミュレーションにおける各種条件について説明する。
図4(a)に示すように、本シミュレーションでは、ピストン17の中心軸Aを中心としてインジェクター21の燃料噴射方向のなす角度であるノズルコーン角θnを140°以上160°以下に設定した。また、ピストン17においては、幅Lを第2キャビティ32の開口径D2に対して9%以上19%以下の範囲(=L/D2)に設定し、第1キャビティ31の深さDpを第2キャビティ32の開口径D2に対して4.5%以上9.5%以下(=Dp/D2)の範囲に設定した。そして、キャビティ30の容積を一定に保持したまま、シリンダー11のボア径Dbに対する第2キャビティ32の開口径D2の径比R(=D2/Db)を変化させてシミュレーションを行った。本実施形態では、図4(b)に示すように、径比R=0.58のパターン1、径比R=0.63のパターン2、径比R=0.661のパターン3、径比R=0.694のパターン4、径比R=0.73のパターン5の5つのパターンに対してシミュレーションを行った。図4(b)に示すように、第2キャビティ32の大口径化にともなってキャビティ30は浅くなる。
図5〜図11を参照して上述したシミュレーション等の結果の一例について説明する。
図5(a)〜(c)は、クランク角50°ATDCにおいて当量比が0.5以上の領域をドットで示し、当量比が0.5ごとの等値線についても示す図である。
図5(a)に示すように、パターン1においては、スキッシュエリア40では広範囲にわたる燃料の拡散が認められるものの、スキッシュエリア40よりも内側の領域であってキャビティ30を含む内部エリア41での燃料の拡散は部分的であることが認められた。
図5(b)に示すように、パターン5においては、内部エリア41では広範囲にわたる燃料の拡散が認められるものの、スキッシュエリア40での燃料の拡散は部分的であることが認められた。そして、筒内空間20全体としては、パターン1よりも広範囲にわたる燃料の拡散が認められた。
図5(c)に示すように、パターン3においては、スキッシュエリア40では広範囲にわたる燃料の拡散が認められ、内部エリア41ではパターン5ほどではないもののパターン1よりも広範囲にわたる燃料の拡散が認められた。そして、筒内空間20全体としては、パターン1,5の双方よりも広範囲にわたる燃料の拡散が認められた。
図6は、クランク角と筒内空間の空気利用率との関係の一例を示すグラフである。図6では、混合気の当量比0.1以上の部分を燃料噴霧の空気導入領域に設定した。燃料の99%以上は、当量比0.1以上の領域に分布しているため、この領域における空気を燃料噴霧が導入した空気とみなして差し支えないものと考えた。そして、筒内空間20の空気量に対する燃料噴霧の空気導入領域の空気量の割合を空気利用率Uに設定した。図7は、各クランク角における径比Rと空気利用率Uとの関係の一例を示すグラフである。
図6および図7に示すように、各パターン1〜5においてクランク角が進角するほど空気利用率Uが向上することが認められた。クランク角15°ATDC以降は、パターン1の空気利用率Uが最も低いことが認められた。クランク角15°ATDC〜クランク角40°ATDCの範囲においては、パターン3の空気利用率Uよりもパターン1,2の空気利用率Uが低く、かつ、パターン3の空気利用率Uよりもパターン4,5の空気利用率Uが高いことが認められた。クランク角50°ATDC以降においては、パターン3の空気利用率Uが最も高く、パターン3の径比R=0.661からの乖離が大きくなるほど空気利用率Uが低下する傾向があることが認められた。
上述したシミュレーションの結果を受けて、本発明者は、クランク角とスキッシュエリア40の空気利用率との関係、および、クランク角と内部エリア41の空気利用率との関係についての解析を行った。
図8(a)および図8(b)に示すように、スキッシュエリア40における空気利用率Uは、各クランク角において、径比Rが大きいほど低く、また、径比Rが大きいほど径比Rの減少に対する空気利用率Uの低下率が大きくなることが認められた。一方、内部エリア41における空気利用率Uは、径比Rが大きいほど高くなるものの、クランク角が進角するほど径比Rの増加に対する空気利用率の増加が小さくなることが認められた。すなわち、スキッシュエリア40における空気利用率Uは、径比Rが小さいほど高くなるとともに径比Rが大きいほど大きく低下し、内部エリア41における空気利用率Uは、径比Rが大きいほど高くなることが認められた。
また、本発明者は、パターン1およびパターン2のピストンを用いて行った実験の結果から、正味平均有効圧力と正味燃料消費率との関係、正味平均有効圧力と黒煙排出濃度との関係、および、クランク角と熱発生率との関係について解析した。
ここで、黒煙の発生しやすいエンジン10の高負荷状態においては、ピストン17が上死点付近から燃料の燃焼が開始され、クランク角20°〜30°ATDCまでは燃料の主要燃焼として比較的熱発生率の高い予混合燃焼と拡散燃焼とが生じる。その後、クランク角70°ATDCまで比較的熱発生率の低い後燃え燃焼が生じる。そのため、クランク角20〜30°ATDC以前における空気利用率Uが高いほど主要燃焼における燃焼が促進され、等容度が向上することにより正味燃料消費率が低減される。また、燃焼が終了するクランク角70°ATDCにおける空気利用率Uが高いほど後燃え燃焼における黒煙の酸化が促進されて黒煙排出濃度が低減される。
図9に示すように、正味燃料消費率は、パターン1およびパターン2ともに正味平均有効圧力に対して同じ傾向のもとで推移するものの、各正味平均有効圧力においてパターン1よりもパターン2の方が小さいことが認められた。すなわち、正味平均有効圧力が同じ値であれば、正味燃料消費率は、クランク角25°ATDCにおける空気利用率Uの高いパターン2の方が小さいことが認められた。
図10に示すように、パターン2の黒煙排出濃度は各正味平均有効圧力について0%に近い値が維持されているものの、パターン1の黒煙排出濃度は所定の正味平均有効圧力の範囲においてパターン2の黒煙排出濃度よりも大きくなることが認められた。すなわち、黒煙排出濃度は、クランク角70°ATDCにおける空気利用率Uの高いパターン2の方が低いことが認められた。なお、図10では、今回の実験で得られた最大黒煙排出濃度に対する割合で黒煙排出濃度を示している。
図11に示すように、クランク角に対する熱発生率は、クランク角10°ATDCよりも少し前まではパターン1およびパターン2において同じように推移することが認められた。そして、その後の熱発生率は、クランク角20°ATDCの少し前までパターン1よりもパターン2の方が大きいことが認められた。また、パターン2は、熱発生率の継続的な低下がパターン1よりも早期に生じていることから、パターン1よりも早期に主要燃焼が終了することが認められた。すなわち、パターン2は、パターン1よりも等容度が高くなることで正味燃料消費率が低くなることが認められた。なお、図11では、今回の実験で得られた最大熱発生率[J/deg]に対する割合で熱発生率を示している。
そして、図7に示したように、パターン5は、クランク角25°ATDCにおいてパターン1よりも空気利用率Uが高い。そのため、パターン5における正味燃料消費率、および、熱発生率がパターン1の各値よりも優れていることは容易に推測される。また、パターン3は、クランク角25°ATDCにおいてパターン2よりも空気利用率Uが高い。そのため、パターン3における正味燃料消費率、および、熱発生率がパターン2の各値よりも優れていることは容易に推測される。
また、パターン2,4は、クランク角70°ATDCにおいてパターン1,5よりも空気利用率Uが高い。そのため、パターン2,4における黒煙排出濃度がパターン1,5よりも優れていることは容易に推測される。また、パターン3は、クランク角70°ATDCにおいて空気利用率Uが最も高いことから、黒煙排出濃度がパターン1〜5のなかで最も優れていることは容易に推測される。
以上のことから、径比Rは、各クランク角においてパターン1よりも空気利用率Uが高く、かつ、高負荷条件であってもピストン17の下動動作にともなう筒内温度の低下で燃焼反応が凍結するクランク角70°ATDCにおいて空気利用率Uが95%以上となる径比R=0.662±0.032(0.63≦R≦0.694)であることが好ましい。
上記実施形態のディーゼルエンジンの燃焼室構造によれば、以下に列挙する作用効果が得られる。
(1)入口リップ部35を有するピストン17において、径比Rが0.662±0.032に設定されることにより、空気利用率Uを向上させることができる。
(2)インジェクター21におけるノズルコーン角θnが140°以上160°以下の範囲に設定され、第1キャビティ31の幅Lが第2キャビティ32の開口径D2に対して9%以上19%以下の範囲に設定されている。こうした構成によれば、低速運転時と高速運転時の両方で燃料噴霧が拡散し易くなり、燃料の濃い領域が局所的に形成されることを回避することができる。これにより、顕著な黒煙低減効果が得られる。
(3)第1キャビティ31の深さDpが第2キャビティ32の開口径D2に対して4.5%以上9.5%以下の範囲に設定されている。こうした構成によれば、低速運転時と高速運転時の両方で燃料噴霧が拡散し易くなり、燃料の濃い領域が局所的に形成されることを回避することができる。これにより、顕著な黒煙低減効果が得られる。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・第1キャビティ31の深さDpは、第2キャビティ32の開口径D2に対して4.5%以上9.5%以下の範囲に設定されることが好ましいが、この範囲でなくとも上記(1)に記載の効果を得ることができる。
・インジェクター21におけるノズルコーン角θnは、140°以上160°以下の範囲に設定されることが好ましいが、この範囲でなくとも上記(1)に記載の効果を得ることができる。
・第1キャビティ31の幅Lは、第2キャビティ32の開口径D2に対して9%以上19%以下の範囲に設定されることが好ましいが、この範囲でなくとも上記(1)に記載の効果を得ることができる。
・要は、ピストン17が入口リップ部35を有し、キャビティ30が第1キャビティ31と第2キャビティ32とによって構成され、燃料の噴射期間の少なくとも初期において燃料が入口リップ部35に噴射される構成において、径比R=0.662±0.032に設定されていればよい。
10…エンジン、11…シリンダー、12…吸気通路、13…排気通路、15…EGR通路、16…EGR弁、17…ピストン、18…側壁面、19…上壁面、20…筒内空間、21…インジェクター、23…クランクシャフト、29…頂面、30…キャビティ、31…第1キャビティ、32…第2キャビティ、33…第1底面、34…第1側面、35…入口リップ部、36…第2側面、36a…上部側面、36b…下部側面、37…第2底面、38…センターコーン、40…スキッシュエリア、41…内部エリア。

Claims (3)

  1. ピストンの頂面に凹設されたキャビティに向けて燃料が放射状に噴射されるディーゼルエンジンの燃焼室構造であって、
    前記ピストンは、前記頂面に開口する第1キャビティと前記第1キャビティの底面に開口して前記第1キャビティの開口径よりも小さい開口径を有する第2キャビティとによって形成される段差である入口リップ部を有し、
    前記第1キャビティは、前記底面と、前記ピストンの半径方向外側の部位ほど前記ピストンの頂面に近づく側面とを有し、
    前記ディーゼルエンジンは、燃料噴射の少なくとも初期において前記入口リップ部に向けて燃料を噴射するように構成されており、
    前記ピストンを収容するシリンダーのボア径に対する前記第2キャビティの開口径の比が0.662±0.032である
    ディーゼルエンジンの燃焼室構造。
  2. 前記燃料を噴射するインジェクターにおけるノズルコーン角が140°以上160°以下の範囲に設定され、
    前記ピストンの半径方向における前記第1キャビティの開口縁と前記第2キャビティの開口縁との距離である幅が前記第2キャビティの開口径に対して9%以上19%以下の範囲に設定されている
    請求項1に記載のディーゼルエンジンの燃焼室構造。
  3. 前記ピストンの頂面から前記第1キャビティの底面までの深さが前記第2キャビティの開口径に対して4.5%以上9.5%以下の範囲に設定されている
    請求項2に記載のディーゼルエンジンの燃焼室構造。
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