JP2017179104A - リン酸化多糖類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2] 多糖類のリン酸化反応後に、反応産物から回収物を分離する工程をさらに含む[1]に記載のリン酸化多糖類の製造方法。
[3] 回収物は、リン酸及びリン酸塩から選択される少なくとも1種と、尿素と、を含む[1]又は[2]に記載のリン酸化多糖類の製造方法。
[4] 回収物は、尿素に由来する窒素、及びリンを含み、尿素に由来する窒素の含有量(mol)をnaとし、リンの含有量(mol)をncとした場合、
0≦na/nc≦1000
の条件を満たすように調整する工程をさらに含む[1]〜[3]のいずれかに記載のリン酸化多糖類の製造方法。
[5] 回収物は、尿素に由来する窒素、及びアンモニア性窒素を含み、尿素に由来する窒素含有量(mol)をnaとし、未反応のリン酸化剤に含まれるアンモニア性窒素の含有量(mol)をnbとした場合、
0.2≦na/(na+nb)≦1
の条件を満たすように調整する工程をさらに含む[1]〜[4]のいずれかに記載のリン酸化多糖類の製造方法。
[6] 回収物は、リン及び糖類を含み、リンの含有量(mol)をncとし、糖類の含有量(mol)をndとした場合、
0≦nd/nc≦10
の条件を満たすように調整する工程をさらに含む[1]〜[5]のいずれかに記載のリン酸化多糖類の製造方法。
[7] 調整する工程は、回収物に含まれる糖類の少なくとも一部を除去する工程を含む[4]〜[6]のいずれかに記載のリン酸化多糖類の製造方法。
[8] 調整する工程は、回収物に含まれるアンモニア性窒素の少なくとも一部を除去する工程を含む[4]〜[7]のいずれかに記載のリン酸化多糖類の製造方法。
本発明は、リン酸化多糖類の製造方法に関する。本発明のリン酸化多糖類の製造方法は、リン酸化剤による多糖類のリン酸化反応後に回収される未反応のリン酸化剤を含む回収物の存在下において、多糖類をリン酸化する工程を含む。本発明では、多糖類のリン酸化反応後に回収される未反応のリン酸化剤を含む回収物を再利用することができる。このため、本発明では、リン酸化多糖類の製造工程で排出される排水の処理コストを軽減することができる。また、本発明では、リン酸化多糖類の製造工程で用いられるリン酸化試薬を再利用することができるため、廃液中のリン酸化剤の含有量を低減することができ、環境への負荷を低減することができる。さらに、多糖類のリン酸化反応に用いる試薬の量を削減することができるため、リン酸化多糖類の製造コストを抑制することも可能である。
リン酸塩、リン酸の脱水縮合物の塩としては、リン酸、リン酸の脱水縮合物のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、有機ホスホニウム塩のほか、任意の塩基性を示す化合物との塩が選択できるが、特に限定されない。
また、リン酸塩、リン酸の脱水縮合物の塩の中和度も特に限定されない。
多糖類に対する化合物Bの添加量は1質量%以上500質量%以下であることが好ましく、10質量%以上400質量%以下であることがより好ましく、100質量%以上350質量%以下であることがさらに好ましく、150質量%以上300質量%以下であることが特に好ましい。
また、多糖類(絶乾質量)に対する尿素の添加量は1質量%以上500質量%以下とすることが好ましく、10質量%以上400質量%以下とすることがより好ましく、100質量%以上350質量%以下とすることがさらに好ましく、150質量%以上300質量%以下とすることが特に好ましい。
回収物を2回に分けて回収した場合、回収物1と回収物2は、それぞれ別個に多糖類のリン酸化反応に用いられてもよいが、回収物1と回収物2は混合された後にリン酸化反応工程に供されることが好ましい。
具体的には、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド2g、95%エタノール100mL、濃塩酸10mLの混合液(呈色試薬)を作製する。検量線用の試料として、100ppm、200ppm、400ppm、600ppm、800ppm、1000ppmの尿素水溶液5gを準備し、上記呈色試薬10mLを加え、イオン交換水で全量が25mLとなるように希釈する。この溶液を室温で10分間静置した後、435nmの吸光度を測定し、検量線を作成する。測定試料となる回収物は、適宜希釈の後、上記手順と同様にして溶液を調製し、得られた435nmの吸光度の値と、検量線から、尿素濃度を測定する。その後、下記式に従い、回収物中の尿素に由来する窒素の物質量濃度(na)を決定する。
na[mmol/g]=回収物中の尿素濃度[g/g]/60×28/14×1000
なお、本明細書において、尿素には、尿素誘導体が含まれるが、尿素誘導体の物質量濃度も上記と同様の方法または、試薬の比率、添加量、測定波長を適宜変更することで算出することができる。
nb[mmol/g]=(供試した回収物中の全窒素濃度)−(尿素に由来する窒素濃度(na))
具体的には、6.6%モリブデン酸アンモニウム溶液25mLを200mLに希釈し、7.5N硫酸25mLを加え、A液とする。硫酸鉄7水和物5gと7.5N硫酸1mLを水で50mLに希釈し、B液とする。検量線用の試料として、100ppm、200ppm、400ppm、600ppm、800ppm、1000ppmのリン酸水溶液を準備し、A液:B液:測定試料=9:0.8:0.2の体積比率で加え、呈色させる。その後、呈色後2時間以内に720nmにおける吸光度を測定し、検量線を作成する。測定試料となる回収物についても、適宜希釈の後、同様に測定を行い、得られた720nmの吸光度の値と、検量線から、リン濃度を算出し、下記式に従い、回収物中のリンの物質量濃度(nc)を決定する。
nc[mmol/g]=回収物中のリン濃度[g/g]/31×1000
nd[mmol/g]=回収物中の全糖濃度[g/g]/162×1000
糖類の少なくとも一部を除去する工程では、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜のいずれかを用いる方法、回収物を加熱濃縮した後に溶解度の差を用いる分離方法、尿素やリンを含む沈殿物を生じさせ、分離した後に再度利用する方法などを用いることができるが、特に限定されない。
リン酸化多糖類の製造工程においてリン酸化される多糖類は、セルロース繊維であることが好ましい。セルロース繊維の原料としては特に限定されないが、入手しやすく安価である点から、パルプを用いることが好ましい。パルプとしては、木材パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプを挙げることができる。木材パルプとしては例えば、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)、酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプが挙げられる。また、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプが挙げられるが、特に限定されない。非木材パルプとしてはコットンリンターやコットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わら、バガス等の非木材系パルプ、ホヤや海草等から単離されるセルロース、キチン、キトサン等が挙げられるが、特に限定されない。脱墨パルプとしては古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられるが、特に限定されない。本実施態様のパルプは上記の1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。上記パルプの中で、入手のしやすさという点で、セルロースを含む木材パルプ、脱墨パルプが好ましい。木材パルプの中でも化学パルプはセルロース比率が大きいため、繊維を微細化(解繊)する場合は、微細繊維状セルロースの収率が高く、またパルプ中のセルロースの分解が小さく、軸比の大きい長繊維の微細繊維状セルロースが得られる点で好ましい。中でもクラフトパルプ、サルファイトパルプが最も好ましく選択される。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
解繊処理装置としては、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミルなどを使用できる。あるいは、解繊処理装置としては、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、またはビーターなど、湿式粉砕する装置等を使用することもできる。解繊処理装置は、上記に限定されるものではない。好ましい機械処理方法としては、粉砕メディアの影響が少なく、コンタミの心配が少ない高速解繊機、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーが挙げられる。
アルカリ溶液に含まれるアルカリ化合物は、特に限定されないが、無機アルカリ化合物であってもよいし、有機アルカリ化合物であってもよい。アルカリ溶液における溶媒としては水または有機溶剤のいずれであってもよい。溶媒は、極性溶媒(水、またはアルコール等の極性有機溶剤)が好ましく、少なくとも水を含む水系溶媒がより好ましい。
また、アルカリ溶液のうちでは、汎用性が高いことから、水酸化ナトリウム水溶液、または水酸化カリウム水溶液が特に好ましい。
アルカリ処理工程におけるアルカリ溶液への浸漬時間は特に限定されないが、5分以上30分以下が好ましく、10分以上20分以下がより好ましい。
アルカリ処理におけるアルカリ溶液の使用量は特に限定されないが、セルロース繊維の絶対乾燥質量に対して100質量%以上100000質量%以下であることが好ましく、1000質量%以上10000質量%以下であることがより好ましい。
本発明のリン酸化多糖類の製造方法で製造されたリン酸化多糖類は、回収物に含まれる未反応のリン酸化剤によってリン酸化された多糖類である。すなわち、本発明で得られるリン酸化多糖類は、再利用リン酸化剤を用いてリン酸化された多糖類である。リン酸化多糖類は、リン酸化セルロース繊維であることが好ましく、リン酸化微細繊維状セルロースであることがより好ましい。
本発明で得られるリン酸化多糖類がリン酸化微細繊維状セルロースである場合、リン酸基の導入量は、微細繊維状セルロース1g(質量)あたり0.1mmol/g以上3.65mmol/g以下であることが好ましく、0.14mmol/g以上3.5mmol/g以下がより好ましく、0.2mmol/g以上3.2mmol/g以下がさらに好ましく、0.4mmol/g以上3.0mmol/g以下が特に好ましく、最も好ましくは0.6mmol/g以上2.5mmol/g以下である。リン酸基の導入量を上記範囲内とすることにより、繊維原料の微細化を容易にし、微細繊維状セルロースの安定性を高めることができる。また、リン酸基の導入量を上記範囲内とすることにより、微細化が容易でありながらも、微細繊維状セルロース同士の水素結合も残すことが可能で、良好な強度発現が期待できる。
ここで、微細繊維状セルロース含有スラリー(微細繊維状セルロース濃度0.2質量%)のヘーズは、光路長1cmの液体用ガラスセル(藤原製作所製、MG−40、逆光路)に微細繊維状セルロース含有スラリーを入れ、JIS K 7136に準拠し、ヘーズメーター(村上色彩技術研究所社製、HM−150)を用いて測定される値である。なお、ゼロ点測定は、同ガラスセルに入れたイオン交換水で行う。
上述したリン酸化微細繊維状セルロースは、再利用リン酸化剤を用いてリン酸化されたものであるが、リン酸基導入量は、再利用されていないリン酸化剤を用いてリン酸化をした際のリン酸基導入量と同レベルであり、リン酸基導入量は十分である。このため、微細繊維状セルロースの微細化が良好であり、リン酸化微細繊維状セルロース含有スラリーやリン酸化微細繊維状セルロース含有シートの透明性が十分に高い。このような特性を活かす観点からリン酸化微細繊維状セルロースは各種のディスプレイ装置、各種の太陽電池、等の光透過性基板の用途に適している。また、電子機器の基板、家電の部材、各種の乗り物や建物の窓材、内装材、外装材、包装用資材等の用途にも適している。さらに、糸、フィルタ、織物、緩衝材、スポンジ、研磨材などの他、シートそのものを補強材として使う用途にも適している。
本発明の繊維状セルロースは、増粘剤として各種用途(例えば、食品、化粧品、セメント、塗料、インクなどへの添加物など)に使用することもできる。
本発明は、多糖類のリン酸化処理方法に関するものであってもよい。多糖類のリン酸化処理方法は、(a)リン酸化剤の存在下で多糖類をリン酸化する工程と、(b)リン酸化する工程の後にリン酸化多糖類と回収物を分離する工程と、(c)回収物を、多糖類をリン酸化する工程に供給し、さらなるリン酸化多糖類を得る工程と、を含む。上記(a)工程は、リン酸化多糖類の製造方法における回収物を得るためのリン酸化反応工程に相当するものである。
<リン酸化反応工程>
針葉樹クラフトパルプとして、王子製紙製のパルプ(固形分93質量%、坪量208g/m2シート状、離解してJIS P 8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)が700ml)を原料として使用した。上記針葉樹クラフトパルプ(絶乾質量)100質量部に、リン酸二水素アンモニウムと尿素の混合水溶液(リン酸化剤)を加え、リン酸二水素アンモニウム44.5質量部(リン原子の添加質量部数が12質量部)、尿素120質量部、イオン交換水150質量部となるように圧搾し、薬液含浸パルプを得た。得られた薬液含浸パルプを105℃の乾燥機で加熱し、水分を蒸発させてプレ乾燥させた。その後、140℃の熱風乾燥機で15分間乾燥・加熱処理し、パルプ中のセルロースにリン酸基を導入し、未反応リン酸化剤とリン酸化セルロースAを含む固形物228質量部を得た。後述する方法に従い、リン酸化セルロースAの分析及び評価を行った。
<回収物を分離する工程>
参考例の<リン酸化反応工程>で得られた未反応リン酸化剤とリン酸化セルロースAを含む固形物228質量部に、900質量部のイオン交換水を注ぎ(供試したパルプの対水の濃度は10質量%)、攪拌して均一に分散させた後、ADVANTEC No.2のろ紙を引いたブフナーろうとを用いて固液分離して、液相を回収した。このようにして回収物Aを380質量部得た。回収物Aについては、後述する方法に従い分析及び評価を行った。
リン酸化剤の代わりに、回収物Aを用い、リン原子の添加質量部数が12質量部になるよう圧搾し、薬液含浸パルプを得た以外は、上述した参考例の<リン酸化反応工程>と同様にして、未反応リン酸化剤とリン酸化セルロースBを含む固形物240質量部を得た。後述する方法に従い、リン酸化セルロースBの分析及び評価を行った。
<回収物を分離する工程>
参考例の<リン酸化反応工程>で得られた未反応リン酸化剤とリン酸化セルロースAを含む固形物228質量部の代わりに、実施例1の<回収物を用いたリン酸化反応工程>で得られた未反応リン酸化剤とリン酸化セルロースBを含む固形物240質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、回収物Bを385質量部得た。回収物Bについては、後述する方法に従い分析及び評価を行った。
回収物Aの代わりに回収物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、未反応リン酸化剤とリン酸化セルロースCを含む固形物256質量部を得た。後述する方法に従い、リン酸化セルロースCの分析及び評価を行った。
<回収物を分離する工程>
参考例の<リン酸化反応工程>で得られた未反応リン酸化剤とリン酸化セルロースAを含む固形物228質量部の代わりに、実施例2の<回収物を用いたリン酸化反応工程>で得られた未反応リン酸化剤とリン酸化セルロースCを含む固形物256質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、回収物Cを390質量部得た。回収物Cについては、後述する方法に従い分析及び評価を行った。
回収物Aの代わりに回収物Cを用いた以外は、実施例1と同様にして、未反応リン酸化剤とリン酸化セルロースDを含む固形物270質量部を得た。後述する方法に従い、リン酸化セルロースDの分析及び評価を行った。
<再調整工程(1)>
回収物C390質量部に、尿素20質量部を加え、回収物Dを410質量部得た。回収物Dについては、後述する方法に従い分析及び評価を行った。
<回収物を用いたリン酸化反応>において回収物Cの代わりに回収物Dを用いた以外は、実施例3と同様にして、未反応リン酸化剤とリン酸化セルロースEを含む固形物315質量部を得た。後述する方法に従い、リン酸化セルロースEの分析及び評価を行った。
<再調整工程(2)>
<再調整工程(2)>では、回収物C390質量部に、尿素180質量部を加え、回収物Eを570質量部得た。回収物Eについては、後述する方法に従い分析及び評価を行った。
<回収物を用いたリン酸化反応>において回収物Dの代わりに回収物Eを用いた以外は、実施例4と同様にして、未反応リン酸化剤とリン酸化セルロースFを含む固形物675質量部を得た。後述する方法に従い、リン酸化セルロースFの分析及び評価を行った。
<再調整工程(3)>
<再調整工程(3)>では、回収物C390質量部に、体積比で1/10の強酸性イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバージェット1024;コンディショング済)を加え、1時間振とう処理を行った。その後、目開き90μmのメッシュ上に注ぎ、樹脂と液を分離し、回収物Fを380質量部得た。回収物Fについては、後述する方法に従い分析及び評価を行った。
<回収物を用いたリン酸化反応>において回収物Dの代わりに回収物Fを用いた以外は、実施例4と同様にして、未反応リン酸化剤とリン酸化セルロースGを含む固形物260質量部を得た。後述する方法に従い、リン酸化セルロースGの分析及び評価を行った。
<再調整工程(4)>
<再調整工程(4)>では、回収物C390質量部に、塩化アルミニウム(無水物)を7質量部加え、強攪拌後に静置した。静置後、沈殿が生じたため、この沈殿(沈殿Aとする)をADVANTEC No.2のろ紙を引いたブフナーろうとを用いて分離し、沈殿Aとろ液を回収した。回収したろ液に、シュウ酸20質量部を加え、静置したところ、さらに沈殿が生じた。この沈殿(沈殿Bとする)をADVANTEC No.2のろ紙を引いたブフナーろうとを用いて分離し、沈殿Bを回収した。
沈殿Bをイオン交換水300質量部に懸濁させたあと、顆粒状の水酸化ナトリウムをゆっくりと15質量部加え、攪拌を行い、さらに体積比で1/10の強塩基性イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバージェット4400;コンディショング済)を加え、1時間振とう処理を行った。振とう処理後、沈殿が溶解したため、目開き90μmのメッシュ上に注ぎ、溶解液を分離した。この溶解液に沈殿Aを加え、攪拌を行った後、さらに体積比で1/10の強酸性イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバージェット1024;コンディショング済)を加え、1時間振とう処理を行った。その後、目開き90μmのメッシュ上に注ぎ、樹脂と液を分離し、回収物Gを313質量部得た。回収物Gについては、後述する方法に従い分析及び評価を行った。
<回収物を用いたリン酸化反応>において回収物Dの代わりに回収物Gを用いた以外は、実施例4と同様にして、未反応リン酸化剤とリン酸化セルロースHを含む固形物211質量部を得た。後述する方法に従い、リン酸化セルロースHの分析及び評価を行った。
(回収物中の成分)
回収物A〜G中に含まれる下記a〜dの成分の濃度を下記方法により測定した。回収物中に含まれるa〜dの成分の物質量濃度(mmol/g)は、na〜ndで表す。
a. 尿素に由来する窒素
b. アンモニア性窒素
c. リン
d. 糖類
回収物に含まれる尿素に由来する窒素の測定には、呈色反応を利用した。
具体的には、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド2g、95%エタノール100mL、濃塩酸10mLの混合液を作製した(呈色試薬)。100ppm、200ppm、400ppm、600ppm、800ppm、1000ppmの尿素水溶液5g(検量線試料)に呈色試薬を10mL加えた後、イオン交換水で全量が25mLとなるように希釈した後、室温で10分間静置した。黄緑色に呈色した溶液の435nmの吸光度を測定し、検量線を作成した。
測定試料についても、適宜希釈の後、同様に測定を行い、得られた435nmの吸光度の値と、検量線から、尿素濃度を測定した。その後、下記式に従い、回収物中の尿素に由来する窒素の物質量濃度(na)を決定した。
na[mmol/g]=回収物中の尿素濃度[g/g]/60×28/14×1000
アンモニア性窒素は、全窒素量から尿素に由来する窒素量を差し引くことで算出した。具体的には、回収物を一定量分取し、40℃に設定した減圧乾燥機にて、恒量になるまで乾燥させた後、この乾燥物中の全窒素量を、三菱化学アナリック社製の微量全窒素分析装置TN−110を用いて測定した。ここで、恒量とは、乾燥途中に測定した連続2回の質量の差が、乾燥前の質量の0.1%を超えない質量として定義した。
アンモニア性窒素の物質量濃度(nb)は下記式により算出した。
nb[mmol/g]=(供試した回収物中の全窒素濃度)−(尿素に由来する窒素濃度(na))
回収物に含まれるリンの測定には、呈色反応を利用した。具体的には、6.6%モリブデン酸アンモニウム溶液25mLを200mLに希釈し、7.5N硫酸25mLを加えた(A液)。硫酸鉄7水和物5gと7.5N硫酸1mLを水で50mLに希釈した(B液)。リン濃度として100ppm、200ppm、400ppm、600ppm、800ppm、1000ppmのリン酸水溶液を作製した(検量線試料)。A液:B液:測定試料=9:0.8:0.2の体積比率で加え、呈色させ、720nmにおける吸光度を測定し、検量線を作成した。なお、呈色後2時間以内に吸光度を測定した。測定試料についても、適宜希釈の後、同様に測定を行い、得られた720nmの吸光度の値と、検量線から、リン濃度を測定した。その後、下記式に従い、回収物中のリンの物質量濃度(nc)を決定した。
nc[mmol/g]=回収物中のリン濃度[g/g]/31×1000
糖類の測定には、DIONEX社製糖分析システム(ICS5000)を用いた。カラムはCarbo Pac PA−1 (2×250mm)を用い、20mM NaOH溶液を溶離液とし、0.25ml/minの流速で単糖を溶出させた。検出には、パルスアンペロメトリー検出器を用いた。単糖の標品として、グルコース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、キシロースを用いた。これらの各成分の検量線を作成した。
試料溶液に最終濃度が4質量%となるように硫酸を添加し、120℃で1時間加水分解を行った後、糖類の測定を実施し、試料中の各単糖の含有量を求め、その合計値を全糖濃度とした。その後、下記式に従い、回収物中の糖類の物質量濃度を決定した。
nd[mmol/g]=回収物中の全糖濃度[g/g]/162×1000
<洗浄・アルカリ処理>
得られた未反応リン酸化剤とリン酸化セルロースA〜Hを含む固形物に、イオン交換水を注ぎ、攪拌して均一に分散させた後、濾過脱水して脱水シートを得る操作を繰り返すことにより、余剰の薬液を十分に洗い流した。次いで、セルロース繊維濃度が2質量%となるようイオン交換水で希釈し、攪拌しながら、1N水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ添加して、pHが12±0.2のパルプスラリーを得た。その後、このパルプスラリーを脱水し、脱水シートを得た後、再びイオン交換水を注ぎ、攪拌して均一に分散させた後、濾過脱水して脱水シートを得る操作を繰り返すことにより、余剰の水酸化ナトリウムを十分に洗い流した。
余剰の水酸化ナトリウムを十分に洗い流した後のシートの着色を目視で確認し、リン酸化多糖類着色具合として、下記評価基準で評価した。
◎:白色〜ごくわずかに黄色を帯びる
○:弱い黄色
△:強い黄色〜褐色
洗浄・アルカリ処理後のリン酸化セルロースA〜Hにイオン交換水を添加して、固形分濃度が2.0質量%の懸濁液にした。この懸濁液を、湿式微粒化装置(スギノマシン社製、アルティマイザー)を用いて処理し、微細繊維状セルロース含有スラリーを得た。湿式微粒化装置を用いた処理においては、200MPaの圧力にて処理チャンバーを1回(ヘーズ測定用)および5回(リン酸基量測定用)通過させた。
リン酸基の導入量は、伝導度滴定法により測定した。具体的には、機械処理工程により微細化を行い、得られた微細繊維状セルロース含有スラリーをイオン交換樹脂で処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えながら電気伝導度の変化を求めることにより、導入量を測定した。
イオン交換樹脂による処理では、0.2質量%微細繊維状セルロース含有スラリーに体積比で1/10の強酸性イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバージェット1024;コンディショング済)を加え、1時間振とう処理を行った。その後、目開き90μmのメッシュ上に注ぎ、樹脂とスラリーを分離した。アルカリを用いた滴定では、イオン交換後の微細繊維状セルロース含有スラリーに、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えながら、スラリーが示す電気伝導度の値の変化を計測した。
図4に示した曲線の第1領域で必要としたアルカリ量(mmol)を、滴定対象スラリー中の固形分(g)で除して、リン酸基導入量(mmol/g)とした。
ヘーズは、微細繊維状セルロース含有スラリーの透明度の尺度であり、ヘーズ値が低いほど透明度が高い。ヘーズの測定は機械処理工程後の微細セルロース繊維含有スラリーをそのままイオン交換水で0.2質量%となるように希釈した後、ヘーズメーター(村上色彩技術研究所社製、HM−150)で、光路長1cmの液体用ガラスセル(藤原製作所製、MG−40、逆光路)を用いて、JIS K 7136に準拠して測定した。
なお、ゼロ点測定は、同ガラスセルに入れたイオン交換水で行った。
Claims (8)
- リン酸化剤による多糖類のリン酸化反応後に回収される未反応のリン酸化剤を含む回収物の存在下において、多糖類をリン酸化する工程を含む、リン酸化多糖類の製造方法。
- 多糖類のリン酸化反応後に、反応産物から前記回収物を分離する工程をさらに含む請求項1に記載のリン酸化多糖類の製造方法。
- 前記回収物は、リン酸及びリン酸塩から選択される少なくとも1種と、尿素と、を含む請求項1又は2に記載のリン酸化多糖類の製造方法。
- 前記回収物は、尿素に由来する窒素、及びリンを含み、
前記尿素に由来する窒素の含有量(mol)をnaとし、前記リンの含有量(mol)をncとした場合、
0≦na/nc≦1000
の条件を満たすように調整する工程をさらに含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のリン酸化多糖類の製造方法。 - 前記回収物は、尿素に由来する窒素、及びアンモニア性窒素を含み、
前記尿素に由来する窒素含有量(mol)をnaとし、前記未反応のリン酸化剤に含まれるアンモニア性窒素の含有量(mol)をnbとした場合、
0.2≦na/(na+nb)≦1
の条件を満たすように調整する工程をさらに含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のリン酸化多糖類の製造方法。 - 前記回収物は、リン及び糖類を含み、
前記リンの含有量(mol)をncとし、前記糖類の含有量(mol)をndとした場合、
0≦nd/nc≦10
の条件を満たすように調整する工程をさらに含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のリン酸化多糖類の製造方法。 - 前記調整する工程は、前記回収物に含まれる糖類の少なくとも一部を除去する工程を含む請求項4〜6のいずれか1項に記載のリン酸化多糖類の製造方法。
- 前記調整する工程は、前記回収物に含まれるアンモニア性窒素の少なくとも一部を除去する工程を含む請求項4〜7のいずれか1項に記載のリン酸化多糖類の製造方法。
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