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JP2017179174A - 防曇剤組成物用の触媒 - Google Patents

防曇剤組成物用の触媒 Download PDF

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JP2017179174A
JP2017179174A JP2016070036A JP2016070036A JP2017179174A JP 2017179174 A JP2017179174 A JP 2017179174A JP 2016070036 A JP2016070036 A JP 2016070036A JP 2016070036 A JP2016070036 A JP 2016070036A JP 2017179174 A JP2017179174 A JP 2017179174A
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Yuichi Hashimoto
雄一 橋本
直 木谷
Tadashi Kitani
直 木谷
靖 杉原
Yasushi Sugihara
靖 杉原
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Abstract

【課題】車両灯具に一般的に求められる防曇性能を有し、かつ水タレの乾燥後においても、水タレ跡が非常に目立ちにくい防曇塗膜を形成できる防曇剤組成物用の触媒、これを含む防曇剤組成物、及びこれから形成される防曇塗膜を有する樹脂部材の提供。
【解決手段】スルホン酸基を有するビニル系単量体(a1)、(メタ)アクリルアミド系単量体(a2)、メトキシエチレングリコール基含有(メタ)アクリレート系単量体(a3)、及びアルキル基含有(メタ)アクリレート系単量体(a4)を含む、単量体混合物から形成される(メタ)アクリレート共重合体であり、前記(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対し、(a1)を4〜19重量%、(a2)及び(a3)の合計を40〜80重量%、並びに(a4)を10〜48重量%含む、防曇用組成物用の触媒(A)。
【選択図】なし

Description

本発明は、防曇剤組成物用の触媒、これを含む防曇剤組成物、及びこれから形成される防曇塗膜を有する樹脂部材に関する。
自動車のヘッドランプ等の車両灯具において、灯室内に高湿度の空気が入り込み、外気や降雨等によってレンズが冷やされ、レンズ内面に水分が結露することにより、曇りが生じることがある。その結果、車両灯の輝度が低下し、またレンズ面の美観が損なわれることにより、ユーザーの不快感を引き起こす場合がある。このようなレンズ内面の曇りを防ぐために、レンズ内面に防曇剤組成物を塗装し、防曇塗膜を形成させる方法が知られている。
防曇剤組成物としては、親水性重合体部分と疎水性重合体部分から構成されるブロック又はグラフト共重合体、及び酸性リン酸アルキルエステルの触媒を含有する防曇剤組成物が知られている(特許文献1)。
特開2003−105255号公報
一般的に、防曇塗膜が設けられたランプ等の車両灯具においては、ランプ内が高湿度の空気で満たされると、防曇塗膜上に水膜が形成され、レンズ内面の曇りを防止できる。しかしながら、このとき、過剰の高湿度の空気によってランプ内が満たされると、水膜の厚みが増すことによって、レンズ内面に水タレが発生することがある。そして、この水タレが乾燥した後には、この部分の塗膜が水タレ跡として白化する現象が認められる場合があった。
本発明者らは水タレ跡の原因を検討したところ、防曇剤組成物に含まれる触媒等の低分子化合物が水膜中に溶出し、水タレ部分が乾燥した後に、これら化合物が塗膜表面に凝集してしまうであろうことを突き止めた。
本発明は、ランプ等の車両灯具に一般的に求められる防曇性能を有し、かつ水タレの乾燥後においても、水タレ跡が非常に目立ちにくい防曇塗膜を形成できる防曇剤組成物用の触媒、これを含む防曇剤組成物、及びこれから形成される防曇塗膜を有する樹脂部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、防曇剤組成物に用いる触媒を、特定の単量体混合物から形成される(メタ)アクリレート共重合体にすることにより、これを含む防曇剤組成物から得られた防曇塗膜は、優れた防曇性と、水タレ跡が非常に目立ちにくい性能とを有することを見出した。
すなわち、本発明は、防曇剤組成物に使用する触媒(A)であり、
前記触媒(A)が、下記一般式(1)で表されるスルホン酸基を有するビニル系単量体(a1)
Figure 2017179174
[前記一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、XはO又はNH、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキレン基である。]、
下記一般式(2)で表される(メタ)アクリルアミド系単量体(a2)
Figure 2017179174
[前記一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子又は炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、Rは炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、R及びRはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。]、
下記一般式(3)で表されるメトキシエチレングリコール基含有(メタ)アクリレート系単量体(a3)
Figure 2017179174
[前記一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基、nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す1〜9である。]、及び
下記一般式(4)で表されるアルキル基含有(メタ)アクリレート系単量体(a4)
Figure 2017179174
[前記一般式(4)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキル基である。]を含む、単量体混合物から形成される(メタ)アクリレート共重合体であり、
前記(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対し、スルホン酸基を有するビニル系単量体(a1)を4〜19重量%、(メタ)アクリルアミド系単量体(a2)及びメトキシエチレングリコール基含有(メタ)アクリレート系単量体(a3)の合計を40〜80重量%、並びにアルキル基含有(メタ)アクリレート系単量体(a4)を10〜48重量%含む、防曇剤組成物用の触媒、に関する。
本発明の防曇剤組成物用の触媒(A)の重量平均分子量(Mw)が、5,000以上、100,000以下であることが好ましい。
本発明は、前記防曇剤組成物用の触媒(A)、親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)、及び界面活性剤(C)を含む、防曇剤組成物、に関する。
本発明の防曇剤組成物は、前記親水性重合体部分が、N−メチロール基及び/又はN−アルコキシメチロール基を有するビニル系単量体を含む単量体混合物から形成される共重合体からなる親水性重合体部分であることが好ましい。
本発明の防曇剤組成物は、前記親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)100重量部に対して、前記触媒(A)を5〜35重量部含むことが好ましい。
本発明の防曇剤組成物は、前記防曇剤組成物が、さらに、溶媒を含み、前記触媒(A)及び前記親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)の合計100重量部に対して、前記溶媒を200〜2000重量部含むことが好ましい。
本発明は、前記防曇剤組成物から形成される硬化塗膜を有する樹脂部材、に関する。
本発明の防曇剤組成物用の触媒によれば、これを含む防曇剤組成物によって得られる防曇塗膜が、優れた防曇性を発現し、かつ水タレ跡の発生が非常に目立ちにくいため、防曇塗膜に水タレ跡の防止効果を付与できる防曇剤組成物用の触媒を提供できる。
本発明の作用メカニズムは、防曇剤組成物用の触媒(A)が、特定の単量体混合物から形成される(メタ)アクリレート共重合体であることにより、これを含む防曇剤組成物から得られた防曇塗膜の上に形成された水膜には、前記触媒(A)が溶出され難いので、水タレが発生した場合においても塗膜の水タレ跡が非常に目立ちにくくなる、と推定される。
また、前記特定の単量体混合物が特定量の単量体(a1)〜(a4)を含むものであるため、これらから形成される(メタ)アクリレート共重合体は、防曇剤組成物の主成分である親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)と構造が類似しているので、これらを含む防曇剤組成物から得られた防曇塗膜は、ヘッドランプ等の車両灯具に一般的に求められる防曇性能を発現できる、と推定される。
さらに、前記ブロック又はグラフト共重合体の親水性重合体部分が、N−メチロール基及び/又はN−アルコキシメチロール基を有するビニル系単量体を含む単量体混合物から形成される共重合体の場合、前記触媒(A)がこれらの脱水又は脱アルコール縮合架橋反応を促進する、と推定される。
本発明の防曇剤組成物に使用する触媒(A)は、特定量の単量体(a1)〜(a4)を含む単量体混合物から形成される(メタ)アクリレート共重合体である。
<単量体(a)>
本発明の単量体(a1)は、下記一般式(1)で表されるスルホン酸基を有するビニル系単量体であり、酸触媒としての機能、及び防曇塗膜の親水性を高める機能を有する。
Figure 2017179174
[前記一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、XはO又はNH、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキレン基である。]
前記単量体(a1)において、前記一般式(1)で表される化合物としては、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エタンスルホン酸、3−((メタ)アクリロイルオキシ)−1−プロパンスルホン酸等が挙げられる。単量体(a1)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記単量体(a1)は、酸触媒としての効果、及び防曇塗膜の親水性を高める効果が高い観点から、前記一般式(1)のXがNHである、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が好ましい。
<単量体(a2)>
本発明の単量体(a2)は、下記一般式(2)で表される(メタ)アクリルアミド系単量体であり、防曇塗膜の親水性を高める機能を有する。
Figure 2017179174
[前記一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子又は炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、Rは炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、R及びRはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。]
前記単量体(a2)において、前記一般式(2)で表される化合物としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。単量体(b)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記単量体(a2)は、防曇塗膜の親水性を高める効果が高い観点から、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
<単量体(a3)>
本発明の単量体(a3)は、下記一般式(3)で表されるメトキシエチレングリコール基含有(メタ)アクリレート系単量体であり、防曇塗膜の親水性を高める機能を有する。
Figure 2017179174
[前記一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基、nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す1〜9である。]
前記単量体(a3)において、前記一般式(3)で表される化合物としては、平均付加モル数1〜9のオキシエチレン基を有する、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。単量体(a3)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
<単量体(a4)>
本発明の単量体(a4)は、下記一般式(4)で表されるアルキル基含有(メタ)アクリレート系単量体であり、後述する親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)との相溶性を高める機能、及びスチーム防曇性の試験における防曇塗膜の外観異常を防止する機能を有する。
Figure 2017179174
[前記一般式(4)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキル基である。]
前記単量体(a4)において、前記一般式(4)で表される化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。単量体(a4)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記単量体(a4)は、後述する親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)との相溶性を高める効果、及びスチーム防曇性の試験における防曇塗膜の外観異常を防止する効果が高い観点から、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
<その他の単量体>
前記(a1)〜(a4)以外のその他の単量体としては、(a1)〜(a4)以外の公知の単量体を用いることができる。但し、(a1)の酸触媒機能により、架橋反応する官能基を有するビニル系単量体、例えば、N−メチロール基又はN−アルコキシメチロール基を有するビニル系単量体等は、触媒(A)の貯蔵安定性を高める観点から、単量体混合物に含まないことが好ましい。
以下に、本発明の触媒(A)において、(メタ)アクリレート共重合体を形成する単量体混合物中の各単量体成分の割合について説明する。単量体混合物中の各単量体が、以下の所定割合で(メタ)アクリレート共重合体を形成することで、この(メタ)アクリレート共重合体は、各単量体の上述した機能を有するだけではなく、防曇塗膜の水タレ跡を非常に目立ちにくくする機能も有することができる。
前記(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対する単量体(a1)の割合は、4〜19重量%である。(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対する単量体(a1)の割合は、触媒(A)の酸触媒としての効果を高める観点、及び防曇塗膜の水タレ跡を非常に目立ちにくくする効果を高める観点から、5重量%以上が好ましく、8重量%以上がより好ましい。(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対する単量体(a1)の割合は、スチーム防曇性の試験における防曇塗膜の外観異常を防止する観点から、17重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましい。
前記(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対する単量体(a2)及び(a3)の合計割合は、40〜80重量%である。(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対する単量体(a2)及び(a3)の合計割合は、防曇塗膜の水タレ跡を非常に目立ちにくくする効果を高める観点から、45重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましい。(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対する単量体(a2)及び(a3)の合計割合は防曇塗膜の水タレ跡を非常に目立ちにくくする効果を高める観点から、75重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましい。
前記(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対する単量体(a2)の割合は、防曇塗膜の水タレ跡を非常に目立ちにくくする効果を高める観点から、10重量%以上が好ましく、12重量%以上がより好ましい。(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対する単量体(a2)の割合は、防曇塗膜の水タレ跡を非常に目立ちにくくする効果を高める観点から、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましい。
前記(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対する単量体(a3)の割合は、防曇塗膜の水タレ跡を非常に目立ちにくくする効果を高める観点から、20重量%以上が好ましく、25重量%以上がより好ましい。(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対する単量体(a3)の割合は、防曇塗膜の水タレ跡を非常に目立ちにくくする効果を高める観点から、50重量%以下が好ましく、45重量%以下がより好ましい。
前記(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対する単量体(a4)の割合は、10〜48重量%である。(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対する単量体(a4)の割合は、スチーム防曇性の試験における防曇塗膜の外観異常を防止する効果、及び防曇塗膜の水タレ跡を非常に目立ちにくくする効果を高める観点から、12重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対する単量体(a4)の割合は、防曇塗膜の水タレ跡を非常に目立ちにくくする効果を高める観点から、45重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましい。
<(メタ)アクリレート共重合体の製造方法>
前記(メタ)アクリレート共重合体は、前記単量体混合物を共重合することにより得られる。共重合体の構造としては、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体及びグラフト共重合体のいずれの構造であってもよいが、防曇性をはじめとする防曇剤組成物の効果を向上させることができると共に、防曇剤組成物を容易に調製することができるという観点からランダム共重合体が好ましい。共重合体を得るための重合方法としては、ラジカル重合法、カチオン重合法、アニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法等の公知の各種重合方法が採用されるが、特に工業的な生産性の容易さ、多義にわたる性能面より、ラジカル重合法が好ましい。ラジカル重合法としては、通常の塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法等が採用されるが、重合後にそのまま防曇剤組成物に使用することができる点で溶液重合法が好ましい。
前記溶液重合法は、重合溶媒について、著しい高沸点を有する溶媒は、塗膜の乾燥、加熱硬化時における溶媒の残留によって基材に対する塗膜の密着性を損なう場合もあり、180℃未満の沸点を有する溶媒を使用することが好ましい。そのような重合溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、N−プロパノール、イソプロパノール、N−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のアルコールエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸N−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、水、等が使用される。これら重合溶媒は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記(a1)〜(a4)成分の単量体混合物は、(a1)〜(a4)の単量体混合物と重合溶媒の合計100重量部中、重合発熱を抑制して工業的生産を行い易くする観点から、50重量部以下であることが好ましく、40重量部以下がさらに好ましい。
前記ラジカル重合法に用いるラジカル重合開始剤としては、一般的に使用される有機過酸化物、アゾ化合物等を使用することができる。有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−ヘキサノエートレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート等が挙げられる。アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル等が挙げられる。ラジカル重合開始剤の使用量は、(a1)〜(a4)の単量体混合物100重量部に対して0.01〜5重量部であることが好ましい。ラジカル重合開始剤は、反応容器中に滴下しながら重合を行うことが重合発熱を制御しやすくなる点で好ましい。重合反応を行う温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類によって適宜変更されるが、工業的に製造を行う上で好ましくは30〜150℃、より好ましくは40〜100℃である。
前記(メタ)アクリレート共重合体の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上が好ましく、8,000以上がより好ましく、10,0000以上がさらに好ましい。(メタ)アクリレート共重合体の重量平均分子量(Mw)は、100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましい。
本発明の防曇剤組成物は、触媒(A)、親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)、及び界面活性剤(C)を含む。
<ブロック又はグラフト共重合体(B)を形成する親水性重合体部分>
本発明の親水性重合体部分は、水溶性ビニル系単量体を含む単量体混合物から形成される共重合体であることが好ましく、また、N−メチロール基及び/又はN−アルコキシメチロール基を有するビニル系単量体を含む単量体混合物から形成される共重合体であることが好ましい。
<水溶性ビニル系単量体>
前記水溶性ビニル系単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジン等の窒素原子含有ビニル系単量体;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキレングリコール基含有ビニル系単量体等が挙げられる。水溶性ビニル系単量体は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記水溶性ビニル系単量体は、防曇塗膜の防曇性を高める観点から、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、平均付加モル数1〜10のオキシエチレン基を有するメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、平均付加モル数1〜10のオキシプロピレン基を有するメトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートが好ましい。
前記親水性重合体部分を形成する単量体混合物中の水溶性ビニル系単量体の割合は、防曇塗膜の防曇性を高める観点から、50重量%以上95重量%以下が好ましく、55重量%以上80重量%がより好ましい。
<N−メチロール基及び/又はN−アルコキシメチロール基を有するビニル系単量体>
前記N−メチロール基及び/又はN−アルコキシメチロール基を有するビニル系単量体としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。N−メチロール基及び/又はN−アルコキシメチロール基有するビニル系単量体は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記N−メチロール基及び/又はN−アルコキシメチロール基を有するビニル系単量体は、防曇塗膜の防曇性を高める観点から、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
前記親水性重合体部分を形成する単量体混合物中のN−メチロール基及び/又はN−アルコキシメチロール基を有するビニル系単量体の割合は、5重量%以上50重量%以下が好ましく、6重量%以上20重量%以下がより好ましい。
<その他の単量体>
前記親水性重合体部分を形成する水溶性ビニル系単量体、N−メチロール基及び/又はN−アルコキシメチロール基を有するビニル系単量体以外のその他の単量体としては、公知の単量体を用いることができる。前記N−メチロール基及び/又はN−アルコキシメチロール基を有するビニル系単量体と脱水又は脱アルコール縮合架橋反応できる観点から、ヒドロキシル基を有するビニル系単量体を用いることが好ましく、また、防曇塗膜の硬度を高める観点から、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキル基を有するビニル系単量体を用いることが好ましい。
前記ヒドロキシル基を有するビニル系単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートにε−カプロラクトンを1モル付加させたビニル系単量体等が挙げられる。ヒドロキシル基を有するビニル系単量体は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレート単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキル基含有ビニル系単量体は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
<ブロック又はグラフト共重合体(B)を形成する疎水性重合体部分>
本発明の疎水性重合体部分は、非水溶性ビニル系単量体を含む単量体混合物から形成される共重合体であることが好ましい。
前記非水溶性ビニル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基含有ビニル系単量体;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;アクリロニトリル等が挙げられる。非水溶性ビニル系単量体は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記非水溶性ビニル系単量体は、防曇塗膜と基材との密着性を高める観点から、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記疎水性重合体部分を形成する単量体混合物中の非水溶性ビニル系単量体の割合は、防曇塗膜と基材との密着性を高める観点から、85重量%以上99重量%以下が好ましく、90重量%以上98重量%以下がより好ましい。
<その他の単量体>
前記非水溶性ビニル系単量体以外のその他の単量体としては、非水溶性ビニル系単量体以外の公知の単量体を用いることができる。防曇塗膜の透明性を高める観点から、酸基を含有するビニル系単量体を用いることが好ましい。
酸基を含有するビニル系単量体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルスルホン酸等が挙げられる。酸基を含有するビニル系単量体は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記疎水性重合体部分を形成する単量体混合物中の酸基を含有するビニル系単量体の割合は、1重量%以上15重量%以下が好ましく、2重量%以上12重量%以下がより好ましい。
<ブロック又はグラフト共重合体(B)>
本発明のブロック又はグラフト共重合体(B)は、前記親水性重合体部分、及び疎水性重合体部分を有する共重合体である。
前記親水性重合体部分を形成する単量体混合物の含有量は、ブロック又はグラフト共重合体中を形成する単量体混合物100重量部に対して、防曇塗膜の防曇性を高める観点から、40重量部以上が好ましく、50重量部以上がより好ましい。親水性重合体部分を形成する単量体混合物の含有量は、ブロック又はグラフト共重合体中を形成する単量体混合物100重量部に対して、防曇塗膜と基材との密着性を高める観点から、80重量部以下が好ましく、70重量部以下がより好ましい。
前記疎水性重合体部分を形成する単量体混合物の含有量は、ブロック又はグラフト共重合体中を形成する単量体混合物100重量部に対して、防曇塗膜と基材との密着性を高める観点から、20重量部以上が好ましく、30重量部以上がより好ましい。疎水性重合体部分を形成する単量体混合物の含有量は、ブロック又はグラフト共重合体中を形成する単量体混合物100重量部に対して、防曇塗膜の防曇性を高める観点から、60重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましい。
<ブロック共重合体の製造方法>
本発明のブロック共重合体は、ラジカル重合法、カチオン重合法、アニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法等の公知の各種重合法によって行うことができる。
前記ポリメリックペルオキシドを使用するラジカル溶液重合方法は、下記一般式(I)、(II)、及び(III)で表される構造を有するポリメリックペルオキシド化合物の少なくとも1種以上を重合開始剤に用いたラジカル重合法が、ブロック共重合体を工業的に大量かつ効率的に製造できる観点から、好ましい。
一般式(I):[−CO(CHCOO(CO)CO(CHCO−OO−]
一般式(II):[−CO(CHCO−OO−]
一般式(III):[−CO(CHCH(CHCH)(CHCO−OO−]
[前記一般式(I)〜(III)中、p、q及びrは、何れも2〜20の整数である。]
前記ポリメリックペルオキシドを使用するラジカル溶液重合方法は、まず、攪拌装置、温度計を備えた反応器に重合溶媒を加え、60〜80℃の温度で加熱する。次に、前記ポリメリックペルオキシド化合物と、親水性重合体部分を形成する単量体混合物、又は疎水性重合体部分を形成する単量体混合物の何れか一方を、30分から3時間かけて添加し、さらに30分から3時間の重合反応を行い、ブロック共重合体前駆体を合成する。そして、温度を5〜20℃上昇させ、もう一方の重合体部分を形成する単量体混合物を30分から3時間かけて添加し、さらに30分から5時間の重合反応を行い、ブロック共重合体を得る方法である。
<グラフト共重合体の製造方法>
本発明のグラフト共重合体は、ラジカル重合法、カチオン重合法、アニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法等の公知の各種重合法によって行うことができる。
前記過酸化結合を有するビニル系単量体を用いたラジカル重合方法は、下記一般式(IV)又は(V)で表される構造を有するビニル系単量体を用いたラジカル重合法が、グラフト共重合体を工業的に大量かつ効率的に製造できる観点から、好ましい。
一般式(IV):CH=CR12−COO−CHCHOCO−OOC(CH
一般式(V):CH=CR13−CHOCO−OOC(CH
[前記式(IV)及び(V)中、R12及びR13は、水素原子又はメチル基である。]
前記過酸化結合を有するビニル系単量体を用いたラジカル重合方法は、まず、攪拌装置、温度計を備えた反応器に重合溶媒を加え、70〜90℃の温度で加熱する。次に、前記過酸化結合を有するビニル系単量体と、ラジカル重合開始剤と、親水性重合体部分を形成する単量体混合物、又は疎水性重合体部分(B)を形成する単量体混合物の何れか一方を、30分から3時間かけて添加し、さらに30分から3時間の重合反応を行い、グラフト共重合体前駆体を合成する。この際の重合反応は、ラジカル重合開始剤のみの分解に基づくものであり、過酸化結合を有するビニル系単量体の過酸化物結合の分解が起こらない温度条件設定が必要である。そして、温度を10〜30℃上昇させ、過酸化結合を有するビニル系単量体の過酸化結合が分解する条件下、もう一方の重合体部分を形成する単量体混合物を30分から3時間かけて添加し、さらに30分から5時間の重合反応を行い、グラフト共重合体を得る方法である。
前記親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は、防曇塗膜からの溶出成分を減らし、防曇塗膜の水タレ跡を非常に目立ちにくくする効果を高める観点から、5,000以上が好ましく、8,000以上がより好ましい。前記ブロック又はグラフト共重合体の重量平均分子量(Mw)は、100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましい。
前記親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は、GPC法にて求めることができる。サンプルは、試料をTHFに溶解して0.3重量%の溶液とし、0.25μmのメンブレンフィルターでろ過したものを用い、以下の条件にて測定することができる。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
・分析装置:TOSOH HLC−8320GPC
・カラム1、2:TSKgel SuperMulbipore HZ−M
・カラム3:TSKgel Super H−RC
・カラムサイズ:15 cm× 4.6 mmφ (3本すべて)
・溶離液:THF
・流量:35 ml/min
・検出器:RI
・カラム温度:40℃
・標準試料:ポリスチレン
前記親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)は、親水性重合体部分と疎水性重合体部分という性質の異なる重合体部分から構成されているため、重合溶媒としては、これら両重合体部分に対して親和性のある有機溶媒を用いることが好ましい。また、有機溶媒は、低温乾燥における有機溶媒の残留による防曇塗膜と基材との密着性の低下を防止する観点から、180℃未満の沸点を有する有機溶媒であることが好ましい。
前記親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)の重合溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のアルコールエーテル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル系溶媒等が挙げられる。重合溶媒は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記触媒(A)の含有量は、親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)100重量部に対して、5〜35重量部であることが好ましい。触媒(A)の含有量は、スチーム防曇性の試験における防曇塗膜の外観異常を防止する観点から、親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)100重量部に対して、6重量部以上が好ましく、10重量部以上がより好ましい。触媒(A)の含有量は、スチーム防曇性の試験における防曇塗膜の防曇性を発現する観点から、親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、28重量部以下がより好ましい。
<界面活性剤(C)>
本発明の界面活性剤(C)は、塗膜表面に付着した水分の表面張力を低下させ、塗膜表面に水膜を形成させることにより防曇性を向上させるための成分である。界面活性剤(C)としては、従来公知のものを全て使用することができ、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤及び両性イオン系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤(C)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、効果の持続性の点から、陰イオン系界面活性剤を少なくとも1種以上含んでいることが好ましく、非イオン系界面活性剤と陰イオン系界面活性剤の併用がより好ましい。
前記非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノール等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレングリコールモノステアレート等のポリオキシエチレンアシルエステル類、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル類、シュガーエステル類、セルロースエーテル類等が使用される。
前記陰イオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等の高級アルコール硫酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルホスフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンサルフェート塩等が使用される。
前記陽イオン系界面活性剤としては、エタノールアミン類、ラウリルアミンアセテート、トリエタノールアミンモノ蟻酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩等のアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等が使用される。
前記両性イオン系界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、ジメチルアルキルステアリルベタイン等の脂肪酸型両性イオン系界面活性剤、ジメチルアルキルスルホベタインのようなスルホン酸型両性イオン系界面活性剤、アルキルグリシン等が使用される。
前記界面活性剤(C)の含有量は、防曇塗膜の防曇性を高める観点から、ブロック又はグラフト共重合体(B)100重量部に対して0.5重量部以上が好ましく、1重量部以上がさらに好ましい。界面活性剤(C)の含有量は、防曇塗膜の透明性を高める観点、防曇塗膜と基材との密着性を高める観点から、ブロック又はグラフト共重合体(B)100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、10重量部以下がさらに好ましい。
前記界面活性剤(C)と、ブロック又はグラフト共重合体(B)との混合方法としては、ブロック又はグラフト共重合体(B)を後述する溶媒に溶解してその中に界面活性剤(C)を加えてもよく、またブロック又はグラフト共重合体(B)を製造する際に一緒に界面活性剤(C)を加えてもよい。
本発明の防曇剤組成物は、さらに、溶媒を含むことが好ましい。
前記溶媒は、前記触媒(A)の重合溶媒、前記親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)の重合溶媒、及び希釈溶媒を含む。希釈溶媒は、防曇剤組成物の塗装に適した固形分及び粘度調整を目的として使用する。希釈溶媒としては、前記触媒(A)の重合溶媒、及び/又は前記親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)の重合溶媒を用いることが好ましい。
前記溶媒の含有量は、触媒(A)及び親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)の合計100重量部に対して、200〜2000重量部が好ましい。溶媒の含有量は、防曇剤組成物のハンドリング性を高める観点から、触媒(A)及び親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)の合計100重量部に対して、300重量部以上が好ましく、400重量部以上がより好ましい。溶媒の含有量は、防曇剤組成物の塗装性を高める観点から、触媒(A)及び親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)の合計100重量部に対して、1500重量部以下が好ましく、1000重量部以下がより好ましく、800重量部以下がさらに好ましい。
<その他の成分>
本発明の防曇剤組成物には、その他の成分として必要によりレベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の慣用の各種添加剤を配合することができる。
<防曇剤組成物の製造>
本発明の防曇剤組成物は、例えば、触媒(A)及びブロック又は親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するグラフト共重合体(B)を、塗装に適した固形分及び粘度調整を目的として、前記溶媒(前記重合溶媒や前記希釈溶媒)を加えて溶解、分散又は希釈をすることによって製造することができる。塗装方法により、塗装に適した固形分及び粘度は異なるが、スプレーコート法の場合、防曇剤組成物中の触媒(A)及び親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)の合計割合が、2重量%以上が好ましく、5重量%以上がさらに好ましく、30重量%以下が好ましく、20重量%以下がさらに好ましい。
<防曇塗膜>
本発明の防曇剤組成物は、通常の塗料において行われる塗装方法により樹脂部材に塗装し、乾燥と加熱硬化することによって、樹脂部材表面に防曇塗膜を形成することができる。
前記樹脂部材としては、その種類は問わず、公知の樹脂基材が使用可能であり、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の基材が挙げられる。
前記樹脂部材への塗装の際には、樹脂部材に対する防曇剤組成物の濡れ性を高め、はじきを防止する目的で、塗装前における樹脂部材表面の付着異物除去や脱脂、洗浄を行うことが好ましい。具体的には高圧エアやイオン化エアによる除塵、洗剤水溶液又はアルコール溶媒による超音波洗浄、アルコール溶媒等を使用したワイピング、紫外線とオゾンによる洗浄等が挙げられる。塗装方法としては浸漬法、フローコート法、ロールコート法、バーコート法、スプレーコート法等が適している。
前記乾燥は、20〜50℃の温度で0.5〜5分間塗膜中に含まれる溶媒を揮発乾燥させる工程である。また、加熱温度は、通常、60〜150℃の温度で5〜60分間、望ましくは70〜130℃の温度で10〜40分間である。但し、硬化温度を樹脂部材の熱変形温度以下に設定することが必要である。
前記防曇塗膜の膜厚は、防曇塗膜の防曇性を高める観点から、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。前記防曇塗膜の膜厚は、防曇塗膜の平滑性を高める観点から、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。
防曇塗膜が形成された樹脂部材は、車両灯具に用いることが好ましい。車両灯具として具体的には、前照灯、補助前照灯、車幅灯、番号灯、尾灯、駐車灯、制動灯、後退灯、方向指示灯、補助方向指示灯、非常点滅表示灯等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施によりなんら限定されるものではない。
<原料>
実施例又は比較例で使用した化合物を以下に示す。
<触媒(A)>
<単量体(a1)>
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)
2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホン酸(MAES)
<単量体(a2)>
N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)
N,N−ジエチルメタクリルアミド(DEMAA)
<単量体(a3)>
メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコールの平均付加モル数2)(M−20G)
メトキシポリエチレングリコールアクリレート(エチレングリコールの平均付加モル数9)(AM−90G)
<単量体(a4)>
メチルメタクリレート(MMA)
エチルアクリレート(EA)
ブチルアクリレート(BA)
<ブロック又はグラフト共重合体(B)>
<親水性重合体部分>
<水溶性ビニル系単量体>
N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)
メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコールの平均付加モル数2)(M−20G)
<N−メチロール基及び/又はN−アルコキシメチロール基を有するビニル系単量体>
N−メチロールアクリルアミド(N−MAAm)
<その他単量体>
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)
メチルメタクリレート(MMA)
<疎水性重合体部分>
<非水溶性単量体>
メチルメタクリレート(MMA)
<その他単量体>
アクリル酸(AA)
<重合開始剤>
ポリメリックペルオキシド
(一般式:HO−[−CO(CHCOO(CO)CO(CHCO−OO−]10−H
t−ヘキシルペルオキシネオデカノエート(炭化水素希釈品(有効成分80重量%)、日油社製、パーヘキシルND)
t−ブチルペルオキシアリルモノカーボネート(一般式:CH=CH−CHOCO−OOC(CH
<溶媒>
プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)
<低分子触媒>
リン酸アルキルエステル
p−トルエンスルホン酸
ドデシルベンゼンスルホン酸
<界面活性剤>
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(日油社製、商品名:ラピゾールA80)
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(日油社製、商品名:ノニオンHS−210)
<レベリング剤>
シリコーンオイル(信越化学工業社製、KF351−A)
<触媒(A)の重量平均分子量(Mw)の測定>
下記触媒(A)の重量平均分子量(Mw)は、GPC法にて求めた。サンプルは、触媒(A)(溶液)をTHFに溶解して0.3重量%(固形分)の溶液とし、0.25μmのメンブレンフィルターでろ過したものを用い、以下の条件にて測定した。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
分析装置:TOSOH HLC−8320GPC
カラム1、2:TSKgel SuperMulbipore HZ−M
カラム3:TSKgel Super H−RC
カラムサイズ:15 cm× 4.6 mmφ (3本すべて)
溶離液:THF
流量:35 ml/min
検出器:RI
カラム温度:40℃
標準試料:ポリスチレン
<実施例1>
<触媒A1(溶液)の製造>
温度計、攪拌装置を備えた反応器に重合溶媒としてPGMを224重量部仕込み、窒素ガスを吹き込みながら80℃に加熱した。単量体(a1)としてAMPSを10.0重量部、単量体(b)としてDMAAを28.2重量部、単量体(c)としてM−20Gを29.3重量部、単量体(d)としてMMAを32.5重量部、重合開始剤としてt−ヘキシルペルオキシネオデカノエートの炭化水素希釈品を1重量部、及びPGM9重量部に溶解したポリメリックペルオキシドを5重量部、の混合液を2時間要して滴下した。さらに、1.5時間重合反応を行って(メタ)アクリレート共重合体からなる触媒A1(溶液)(固形分30重量%)を得た。
<ブロック共重合体B1(溶液)の製造>
温度計、攪拌装置を備えた反応器に重合溶媒としてPGMを233重量部仕込み、窒素ガスを吹き込みながら70℃に加熱した。重合開始剤としてポリメリックペルオキシドを2.5重量部、親水性重合体部分を形成する水溶性ビニル系単量体としてDMAAを20重量部及びM−20Gを20重量部、N−メチロール基及び/又はN−アルコキシメチロール基を有するビニル系単量体としてN−MAAmを5重量部、並びにその他単量体としてMMAを10重量部溶解した混合液を2時間要して滴下した。さらに、2時間重合反応を行ってブロック共重合体前駆体を得た。
その後、疎水性重合体部分を形成する非水溶性ビニル系単量体としてMMAを37重量部、及びその他単量体としてAAを3重量部の混合液を1時間要して滴下し、80℃で3時間重合反応を行い、ブロック共重合体B1(溶液)(固形分30重量%)を得た。
<防曇剤組成物の製造>
触媒A1(溶液)を13.2重量部(固形分4.0重量部)、ブロック共重合体B1(溶液)を100重量部(固形分30重量部)、界面活性剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(ラピゾールA80)を2.3重量部及びポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(ノニオンHS−210)を0.45重量部、レベリング剤としてシリコーンオイル(KF351)を0.09重量部、並びに希釈溶媒としてPGMを70重量部混合し、実施例1の防曇剤組成物1を得た。
<実施例2〜15>
<触媒A2〜12(溶液)の製造>
表1に記載の単量体に変更した以外は、実施例1に記載の方法で、触媒A2〜12(溶液)を得た。
<ブロック共重合体B2〜3の製造>
表3に記載の単量体に変更した以外は、実施例1に記載の方法で、ブロック共重合体B2〜3を得た。
<グラフト共重合体B4の製造>
温度計、攪拌装置を備えた反応器に重合溶媒としてPGMを233重量部仕込み、窒素ガスを吹き込みながら85℃に加熱した。重合開始剤としてt−ブチルペルオキシオクタノエートを0.5重量部及びt−ブチルペルオキシアリルモノカーボネートを2重量部、親水性重合体部分を形成する水溶性ビニル系単量体としてM−20Gを30重量部、N−メチロール基及び/又はN−アルコキシメチロール基を有するビニル系単量体としてN−HAAmを12.5重量部、並びにその他単量体として2−HEMAを7.5重量部及びMMAを7.5重量部溶解した混合液を2時間要して滴下した。さらに、2時間重合反応を行ってグラフト共重合体前駆体を得た。
その後、疎水性重合体部分を形成する非水溶性ビニル系単量体としてMMAを37重量部、及びその他単量体としてAAを3重量部の混合液を1時間要して滴下し、110℃で5時間重合反応を行い、グラフト共重合体B4(溶液)(固形分30重量%)を得た。
<防曇剤組成物の製造>
表4に記載の触媒(A)(溶液)及びブロック又はグラフト共重合体(B)(溶液)に変更した以外は、実施例1に記載の方法で、実施例2〜15の防曇剤組成物を得た。
(0)触媒の貯蔵安定性の評価
上記で得られた触媒A1〜12(溶液)を30℃で7日間保管し、液状態を目視により評価した。液粘度等に異状が認められないものを◎、液粘度の増加が認められるものを○とした。尚、評価が◎であれば、実用上の貯蔵安定性の観点から、より好ましい。結果を表4に示す。
<防曇塗膜の作成>
上記で得られた各防曇剤組成物をポリカーボネート樹脂板に、硬化後の膜厚が2〜3μmになるようにスプレー塗装法にて塗装を行い、120℃で10分間の加熱硬化を行い、防曇塗膜の試験片を得た。これらの防曇塗膜について、下記の(1)〜(5)の評価を行った。結果を表4に示す。
(1)塗膜外観の評価
防曇塗膜の外観を目視により評価した。無色透明で異状が認められないものを○、何らかの異状が認められるものを×とした。
(2)呼気防曇性の評価
防曇塗膜の試験片を常温に戻し、常温で呼気を吹きかけ、曇りの有無を目視で評価した。曇りが認められないものを○、曇りが認められるものを×とした。
(3)スチーム外観の評価
防曇塗膜の試験片を常温に戻し、80℃に保った温水浴の水面から5cmの高さの所に、試験片を塗膜面が下になるように設置し、温水浴からのスチームを塗膜に10秒間連続照射し、照射から10秒後の水膜形成箇所の外観を目視で評価した。無色透明で異状が認められないものを○、白化が認められるものを×とした。
(4)スチーム防曇性の評価
防曇塗膜の試験片を常温に戻し、40℃に保った温水浴の水面から5cmの高さの所に、試験片を塗膜面が下になるように設置し、温水浴からのスチームを塗膜に5分間連続照射し、その際の水膜形成の様子を目視で評価した。曇りを経由せず均一な水膜を形成するものを◎、水膜を形成する界面のみ曇りを経由した後、水膜を形成する(曇り持続時間1秒未満)ものを○、一時曇りを経由した後水膜を形成する(曇り持続時間1秒以上)もの、又は均一な水膜を形成しないものを×とした。尚、評価が○であれば実用上問題なく、◎であればより好ましい。
(5)水タレ跡の評価
防曇塗膜の試験片を常温に戻し、80℃に保った温水浴の水面から5cmの高さの所に、試験片を塗膜面が下になるように設置し、温水浴からのスチームを塗膜に10秒間連続照射した。次に、試験片を垂直に立て、形成した水膜を下方へ垂らし、水タレを形成した。その後、試験片を放置して水タレを乾燥し、その水タレ跡を目視にて評価した。水タレ跡の輪郭や内部が透明であり、非常に目立ちにくいものを◎、水タレ跡の輪郭や内部が透明であり、目立ちにくいものを○、水タレ跡の輪郭は透明だが、水タレ跡の内部に白化が認められ、やや目立つものを△、水タレ跡の輪郭や内部が白化し、非常によく目立つものを×とした。尚、評価が○であれば実用上問題なく、◎であればより好ましい。△であれば従来技術と同程度であることを示している。
総合評価
前記(0)〜(5)の評価において、何れの評価においても△又は×がなく、かつ触媒の貯蔵安定性、スチーム防曇性及び水タレ跡が◎であるものを◎、何れの評価においても△又は×がなく、かつスチーム防曇性及び水タレ跡が○及び◎(又は◎及び○)であるものを○、少なくとも何れかの評価で△があるものを△、少なくとも何れかの評価で×があるものを×とし、総合評価が○であるものは実用上問題がなく、◎がより好ましい。
<比較例1〜12>
<触媒A’13〜18(溶液)の製造>
表2に記載の単量体に変更した以外は、実施例1に記載の方法で、比較例の触媒A’12〜18を得た。得られた触媒A’12〜18について、上記の(0)の評価を行った。結果を表5に示す。
<防曇剤組成物の製造>
表5に記載の、触媒(A’)(溶液)、低分子触媒、及びブロック又はグラフト共重合体(B)(溶液)に変更した以外は、実施例1に記載の方法で、比較例1〜12の防曇剤組成物を得た。
<防曇塗膜の作成>
実施例に記載の方法で、比較例1〜12の防曇塗膜の試験片を得た。これらの防曇塗膜について、上記の(1)〜(5)の評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2017179174
Figure 2017179174
Figure 2017179174
Figure 2017179174
Figure 2017179174
実施例1〜15の防曇剤組成物から得られた防曇塗膜は、従来技術の防曇塗膜よりも、水タレ跡が非常に目立ちにくい、もしくは目立ちにくいことが確認された(評価(5))。また、得られた防曇塗膜は、ヘッドランプ等の車両灯具に求められる防曇性能(評価(1)〜(4))を有していることも確認された。よって、実施例1〜15の防曇剤組成物用の触媒(A)によれば、これを含む防曇剤組成物によって得られる防曇塗膜が、水タレ跡が非常に目立ちにくい、もしくは目立ちにくく、かつ優れた防曇性を発現するため、本発明の触媒(A)が防曇塗膜に水タレ跡の防止効果を付与できる触媒であることがわかった。
また、触媒の貯蔵安定性の観点からは、実施例15で用いた触媒A12よりも、実施例1〜14で用いた触媒A1〜11の方が、実用上より好ましい。
比較例1〜6の防曇剤組成物から得られた防曇塗膜は、触媒(A)を形成するために必要な単量体(a1)〜(a4)の含有量を満たさない、触媒(A’)によって得られた塗膜である。これら比較例1〜6の防曇塗膜は、水タレ跡、又はスチーム外観の性能を満たすことができないため、比較例1〜6の防曇剤組成物用の触媒(A’)では、本発明の課題を達成できないことがわかった。
比較例7〜12の防曇剤組成物から得られた防曇塗膜は、触媒(A)の代わりに従来技術で使用されている低分子触媒用いて得られた塗膜である。これら比較例7〜12の防曇塗膜は、少なくとも水タレ跡の性能を満たすことができないため、比較例7〜12の防曇剤組成物用の低分子触媒では、本発明の課題を達成できないことがわかった。

Claims (7)

  1. 防曇剤組成物に使用する触媒(A)であり、
    前記触媒(A)が、下記一般式(1)で表されるスルホン酸基を有するビニル系単量体(a1)
    Figure 2017179174
    [前記一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、XはO又はNH、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキレン基である。]、
    下記一般式(2)で表される(メタ)アクリルアミド系単量体(a2)
    Figure 2017179174
    [前記一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子又は炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、Rは炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、R及びRはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。]、
    下記一般式(3)で表されるメトキシエチレングリコール基含有(メタ)アクリレート系単量体(a3)
    Figure 2017179174
    [前記一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基、nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す1〜9である。]、及び
    下記一般式(4)で表されるアルキル基含有(メタ)アクリレート系単量体(a4)
    Figure 2017179174
    [前記一般式(4)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキル基である。]を含む、単量体混合物から形成される(メタ)アクリレート共重合体であり、
    前記(a1)〜(a4)成分の単量体混合物に対し、スルホン酸基を有するビニル系単量体(a1)を4〜19重量%、(メタ)アクリルアミド系単量体(a2)及びメトキシエチレングリコール基含有(メタ)アクリレート系単量体(a3)の合計を40〜80重量%、並びにアルキル基含有(メタ)アクリレート系単量体(a4)を10〜48重量%含む、防曇剤組成物用の触媒。
  2. 前記触媒(A)の重量平均分子量(Mw)が、5,000以上、100,000以下である、請求項1に記載の防曇剤組成物用の触媒。
  3. 請求項1又は2に記載の防曇剤組成物用の触媒(A)、親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)、及び界面活性剤(C)を含む、防曇剤組成物。
  4. 前記親水性重合体部分が、N−メチロール基及び/又はN−アルコキシメチロール基を有するビニル系単量体を含む単量体混合物から形成される共重合体からなる親水性重合体部分である、請求項3に記載の防曇剤組成物。
  5. 前記親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)100重量部に対して、前記触媒(A)を5〜35重量部含む、請求項3又は4に記載の防曇剤組成物。
  6. 前記防曇剤組成物が、さらに、溶媒を含み、
    前記触媒(A)及び前記親水性重合体部分と疎水性重合体部分を有するブロック又はグラフト共重合体(B)の合計100重量部に対して、前記溶媒を200〜2000重量部含む、請求項3〜5の何れかに記載の防曇剤組成物。
  7. 請求項3〜6の何れかに記載の防曇剤組成物から形成される硬化塗膜を有する樹脂部材。
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