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JP2017039320A - 有機高分子層が設けられた印刷用孔版及びその製造方法 - Google Patents

有機高分子層が設けられた印刷用孔版及びその製造方法 Download PDF

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JP2017039320A
JP2017039320A JP2016161076A JP2016161076A JP2017039320A JP 2017039320 A JP2017039320 A JP 2017039320A JP 2016161076 A JP2016161076 A JP 2016161076A JP 2016161076 A JP2016161076 A JP 2016161076A JP 2017039320 A JP2017039320 A JP 2017039320A
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邦彦 澁澤
Kunihiko Shibusawa
邦彦 澁澤
千夏 帖佐
Chinatsu Chosa
千夏 帖佐
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Abstract

【課題】 印刷パターンが開口された基材の表面に、有機高分子層が定着よく設けられた印刷用孔版及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 印刷パターンが開口された、無機材料、有機材料又は無機と有機の複合材料からなる基材の表面に、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤、又はアルミネート系カップリング剤などのカップリング剤で形成された層を介して、膜厚100nm以上の有機高分子層を設ける。
【選択図】 なし

Description

本発明は、印刷用孔版及びその製造方法に関し、特に、印刷パターンが開口された基材の表面に、有機高分子層が設けられた印刷用孔版及びその製造方法に関する。
印刷用孔版の製造方法として、例えば、予め枠体に張られたステンレス、タングステン等、さらにはめっき電鋳法やエッチィング法により形成された金属メッシュやポリエステルなどの樹脂メッシュを支持体とし、該メッシュ表層に、流動性のある感光性乳剤をバケットで塗布するか、コーティングマシーンで塗布して感光性皮膜を形成した後、公知のフォトリソグラフィー法で露光現像しパターンニングすることで、パターンを有するスクリーン印刷版を製造する方法がある。また、前記乳剤の塗布に代えて、前記メッシュ表層に、予めフィルム上に感光層を形成した感光性フィルムの感光層を貼り付けて乾燥した後、フィルムを剥がして、同様に露光現像し、印刷用パターニング部材を形成する方法(直間法)もある。
また、前記金属メッシュの表層に、エッチィングやドリル、パンチなどの機械加工等、さらにはレーザ光を照射し穴明けする方法等により印刷パターンを形成した金属箔、又は電鋳法により印刷パターンが形成されたメッキ箔等を貼り付けたメッシュ一体型メタルマスク知られている。
前記メッシュ一体型メタルマスクに貼り付けられる、印刷パターンを形成した金属箔、又は電鋳法により印刷パターンが形成されたメッキ箔等の材質には、例えば、NiやNi合金、ステンレス鋼などが主に使用されており、めっきにて前記金属メッシュに貼り付けられることが多く、めっきにて金属メッシュと容易に接合可能な材質のもの以外は普及に至っていない。
また、前記枠体に張られたメッシュは、繊維糸を織り込んだ網であり、その線径や材質、太さやメッシュカウントには製作上、供給上の制約があり、またメッシュ繊維糸の交点を等間隔で必ず伴うものである。よって、例えば印刷パターン開口部の幅が十分細くなってくると、前記メッシュの交点部で前記印刷パターンの開口部の一部を「十字型」に完全に埋めてしまい、さらに交点であるが故に厚みもあり、開口部を埋めたメッシュ交点部の厚みの影響で印刷用インクが十分下回りせず、印刷物が断線したり、該メッシュ交点部に該当する位置の印刷物の厚みが他の繊維糸単体の部分より薄くなるような場合があり、印刷品質に深刻な影響を与えている。
さらに、開口パターン部に一様に露出するメッシュ部は、印刷用インクの転写時にその大きな表面積によりインク透過時の大きな抵抗になり、また、前記繊維糸の体積分のインクは転写されないため転写率等に複雑な計算が必要になったり、孔版の清掃時にインクの残留温床となったり、孔版の露光時は露光光の散乱源になったりとマイナスに作用するケースか多い。
そこで、メッシュに代えて、メッシュパターンに対応する開口を有する金属層を用いたものもある(特許文献1)。しかしながら、この方法によると、メッシュパターンに相当する複数の開口部を有するため、従来のメッシュを用いたものと同様に、印刷時のペースト透過にあたり、メッシュパターンがインクの抵抗体となったり、インクの残留部分となる前記開口部に相当するインクの透過体積の計算設計などで、複雑な孔版設計を行うことが必要となり手間がかかる等、さらなる改善の余地がある。
一方、メッシュを用いない印刷用孔版として、エッチィングやドリル、パンチなどの機械加工等、さらにはレーザ光を照射し穴明けする方法等により印刷パターン(開口部)を形成したステンレス鋼などの金属板を用いたメタルマスクがある。また、該メタルマスクを電鋳法により作製する方法も公知になっている。この方法は、例えばメッキ母型と呼ばれる予め平滑に研磨されたステンレス鋼などの金属やガラスなどの板状部材の表層部にフォトレジスト等の感光性樹脂を用いてメッキレジスト層を形成した金型を用い、該金型にメッキを析出させてメッキ金属層を形成し、該金型からパターニングされたメッキ金属層を剥離することによりメタルマスクを得る方法である。
また、印刷用孔版においては、印刷ペーストの滲みを抑制し、版離れ及びペースト材の抜け性を改良することが望まれており、これらの改良を目的として、例えば、印刷パターン(開口部)を形成した印刷用孔版において、ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)膜を設けたもの(特許文献2)や、フルオロ炭化ガスを用いてCVD法によりDLC膜を形成したものも知られている(特許文献3)。
さらに、印刷用孔版において、被印刷基板として、平滑性が悪く、反りや歪み、凹凸があるものを用いる場合や、ソルダーレジストで形成される凹凸パターンの中にランドが形成されているものを用いる場合、これらの凹凸により、被印刷基板と印刷用孔版との密着性が悪くなり、被印刷基板と印刷用孔版の間にできた隙間にペースト状の印刷インクが入り込み、滲みが発生する原因となる。特に、メタルマスクやメッシュ一体型メタルマスク等のメタル版は、柔軟性に乏しい金属板や金属箔を用いているために、密着性の問題は重要である。
そこで、この密着性の問題を解決するために、メタル版の被印刷基板との接触面に、メタル版のパターン開口部と同様、あるいは少しオフセットした相似形の開口パターンを有する樹脂層を形成したものが公知になっている(特許文献4、5)。
また、昨今の薄膜印刷の要求や、印刷時、印刷パターン開口部に露出するメッシュの印刷に与える影響を極力排除する要求等から、前記乳剤スクリーン版やメッシュ一体型メタルマスクに使用されるメッシュの糸の太さ(メッシュ線径)はφ13〜15μmと非常に細く機械的強度が弱くなっており、印刷用孔版の印刷パターン位置精度を維持しきれない問題や、印刷時に印刷用孔版に圧力を加えながら印刷用孔版の表層を繰り返し往復摩擦する鋭利なスキージやスクレイパー(特にエッジ部)による物理的外力で容易に破断、変形してしまうなどの問題を惹起している。
同様に、前記薄膜印刷の要求からメタルマスクやメッシュ一体型メタルマスク等の印刷用孔版に使用される印刷パターン開口部を含むステンレス鋼や各種Ni電鋳箔等で形成される金属メタル箔や板の薄膜化(薄板化)も進んでおり、前記金属箔の厚さが概ね10〜20μm程度のものも存在しており、前記メッシュと同様、印刷時や製版時の前記金属箔の機械的強度不足やスキージ等からの物理的外力への耐久性(耐刷性)に問題が発生している。
特許第5291921公報 特開2005−144973号公報 特開2006−205716号公報 特許第5084723号公報 特開平03−57697号公報 特開2008−205056号公報
特許文献4、5等のメタル版の被印刷基板との接触面に樹脂層を形成した印刷用孔版においては、2つの層を貼り合わせる技術が重要である。
すなわち、印刷用孔版は、印刷時に溶剤などの成分が使用されるとともに、スキージなどからの外部応力も印加され、さらに、印刷後、溶剤やアルコールで満たされた超音波洗浄装置内で洗浄されることも多いため、上記特許文献4、5に記載された2つ層を有する印刷用孔版においては、2つの層を定着よく貼り合わせることが重要な課題である。
さらに、このようなメタル版に樹脂層を貼り合わせた孔版をスクリーン印刷のように被印刷基板からオフセット(接合させず離して)して印刷する場合は、印刷時のスキージでの押し込みや摩擦移動に伴うメタル部、並びに接着された樹脂層の変位やストレスが、従来のメタル版の印刷方式であるメタル版を被印刷基板に接合させて印刷する方式(オンコンタクト印刷)に比べ非常に大きくなり、前記「2つの層の貼り合わせ技術」が一層重要なものとなる。
さらに、前記のメタル版及び該メタル版に接着された樹脂層から成る多層構造の印刷用孔版においては、適切な印刷膜厚を確保するため、前記接着される樹脂層の厚み分、前記メタル版の厚みを薄くする必要が発生し、印刷用孔版の強度が劣化するなどの派生問題を惹起させており、従来構造の印刷用孔版含め、薄層化が進み耐刷性の要求が高まる中、特にスキージ側面等の適正な部位に樹脂層等からなる保護層を付与することで、印刷用孔版の耐刷性を向上させることも重要な課題となっている。
本発明は、こうした現状を鑑み、印刷パターンが形成された基材の表面に有機高分子層(樹脂層)を定着よく張り合わされた印刷用孔版及びその製造方法を提供することを目的の一つとするものである。
本発明は、上記目的を達成すべく検討を重ねた結果、印刷パターンが形成された、金属、セラミックス、ガラス、炭素膜や炭素繊維等の炭素素材などの無機材料、又はガラス繊維やカーボン繊維で強化されたプラスチック(FRPやCFRP)などの無機と有機の複合材料、或いはポリイミドやポリイミドアミド、PET、PEN、PS、PC、OPPなどの有機高分子材料よりなる基材、さらには前記有機高分子材料よりなる基材にさらに炭素膜やガラスなどの無機皮膜(材料)を付与した複合材料等からなる基材の表面に、直接、又は必要に応じて基材密着用の各種プライマー層を介して、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤、又はアルミネート系カップリング剤などのカップリング剤層を形成した後、有機高分子層(樹脂層)を形成することで上記課題が解決しうることを見いだした。
また、前記基材の表面へのカップリング剤の定着性の向上には、カップリング剤の希釈溶媒として用いる溶媒に、揮発性の高いアルコールを用いて、速乾方式とすることがさらに有効である場合もあることも見いだした。
また、前記基材の表面をプラズマ処理(UV等の照射で大気等の気体をプラズマ化することを含む)すること、あるいは、前記無機材料からなる基材の表面に、酸素、窒素、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムまたは前記金属の酸化物、窒化物、及び/または酸窒化物のいずれか一つを含む非晶質炭素膜を形成するか、又はスパッタリング及びまたは蒸着、大気圧プラズマ等の公知の方法により、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムまたは前記金属の酸化物、窒化物、及び/または酸窒化物などを含む層を形成することにより、定着性が向上することも判明した。
本発明はこれらの知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
〈1〉印刷パターンが開口された、無機材料、有機材料又は無機と有機の複合材料からなる基材にカップリング剤層を介して膜厚100nm以上の有機高分子層が設けられていることを特徴とする印刷用孔版。
〈2〉前記基材が、金属、アモルファス金属、樹脂、カーボン、ガラス、セラミックス、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ゴム、セルロースのうちのいずれか一つ又は複数の複合材料よりなる〈1〉に記載の印刷用孔版。
〈3〉前記金属が、Fe、Cu、Ni、Al、W、またはそれらの合金、ステンレス、Ni−Co、Ni−Cr、CRMO(クロムモリブデン鋼)のいずれか一つ又は複数の複合材料よりなる〈2〉に記載の印刷用孔版。
〈4〉前記樹脂が、PET、PEN、PMMA、OPP、ポリイミド、ポリイミドアミド、塩化ビニル、ポリカーボネートのうちのいずれかよりなる〈2〉に記載の印刷用孔版。
〈5〉前記基材の前記有機高分子層が形成されている部分の表面粗さが、Ra:0.03μm以上である〈1〉〜〈4〉のいずれかに記載の印刷用孔版。
〈6〉前記カップリング剤層が、スキージ面側には形成されていない〈1〉〜〈5〉のいずれかに記載の印刷用孔版。
〈7〉前記基材の少なくとも1表面に無機材料からなる膜が設けられていることを特徴とする〈1〉〜〈6〉のいずれかに記載の印刷用孔版。
〈8〉前記無機材料よりなる膜が、少なくともケイ素、酸素、窒素、チタン、アルミニウム、ジルコニウムのうちの1つを含むことを特徴とする〈7〉に記載の印刷用孔版。
〈9〉前記無機材料よりなる膜が、非晶質炭素膜であることを特徴とする〈7〉に記載の印刷用孔版。
〈10〉前記基材が、前記印刷パターン部を保持するのに必要なリブを有し、該リブ部には、前記有機高分子層が貼り付けられていないこと、または、該リブ部には前記有機高分子層の膜厚が他の部分に比べ薄く形成されていることを特徴とする〈1〉〜〈9〉のいずれかに記載の印刷用孔版。
〈11〉前記開口された印刷パターンの断面部側面の少なくとも一部、またはリブ部の少なくとも一部にカップリング剤よりなる層が形成されていることを特徴とする〈1〉〜〈10〉のいずれかに記載の印刷用孔版。
〈12〉前記基材が、プラズマ処理されていることを特徴とする〈1〉〜〈11〉のいずれかに記載の印刷用孔版。
〈13〉前記基材の表面に、プライマー層が形成されていることを特徴とする〈1〉〜〈12〉のいずれかに記載の印刷用孔版。
〈14〉前記プライマー層が、酸素、窒素、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムのいずれかを含む無機膜よりなる薄膜である〈13〉に記載の印刷用孔版。
〈15〉前記プライマー層が、酸素、窒素、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムのいずれかを含む非晶質炭素膜であることを特徴とする〈13〉に記載の印刷用孔版。
〈16〉前記プライマー層が、スパッタリング、蒸着、又は大気圧プラズマ法のいずれかにより形成された、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムのいずれかを含む薄膜であることを特徴とする〈13〉に記載の印刷用孔版。
〈17〉前記有機高分子層がフッ素を含むか、あるいは前記有機高分子層の表層に直接又はプライマー層を介して間接にフッ素を含む撥水撥油膜が形成されていることを特徴とする〈1〉〜〈16〉のいずれかに記載の印刷用孔版。
〈18〉前記フッ素を含む撥水撥油膜が、フッ素含有カップリング剤よりなる薄膜であることを特徴とする〈17〉に記載の印刷用孔版。
〈19〉印刷パターンあるいはさらに該印刷パターン部を保持するのに必要なリブが形成された、無機材料、有機材料又は無機と有機の複合材料からなる基材に、膜厚100nm以上の有機高分子層が設けられている印刷用孔版の製造方法であって、
前記基材表面にシランカップリング剤を塗布した後に、有機高分子層を塗布又は貼り付けることを特徴とする印刷用孔版の製造方法。
〈20〉前記基材表面に、シランカップリング剤のアルコール溶液を用いて塗布することを特徴とする〈19〉に記載の印刷用孔版の製造方法。
〈21〉前記基材をプラズマ処理した後、該基板表面にシランカップリング剤を塗布することを特徴とする〈19〉又は〈20〉に記載の印刷用孔版の製造方法。
〈22〉前記基材又は前記プラズマ処理された基材表面に、プライマー層を形成した後、該プライマー層表面にシランカップリング剤を塗布することを特徴とする〈19〉〜〈21〉のいずれかに記載の印刷用孔版の製造方法。
〈23〉前記プライマー層として、酸素と、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムのいずれかを含有する非晶質炭素膜を形成することを特徴とする〈22〉に記載の印刷用孔版の製造方法。
〈24〉前記プライマー層として、スパッタリング、蒸着、又は大気圧プラズマ法のいずれかにより、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムのいずれかを含む薄膜を形成することを特徴とする〈22〉に記載の印刷用孔版の製造方法。
〈25〉前記有機高分子層の表層に直接又は前記プライマー層を介して間接にフッ素を含む撥水撥油膜を形成することを特徴とする〈19〉〜〈24〉のいずれかに記載の印刷用孔版の製造方法。
本発明によれば、印刷パターンが形成された基材に、有機高分子層(樹脂層)が定着よく形成された印刷用孔版及びその製造方法が提供される。
また、本発明によれば、前記有機高分子層のクッション性を活用した基板凹凸追随性能を向上させた孔版であるために、例えば脆いテクスチャー構造表面を有する太陽光発電用のSiウエハ印刷基板、さらにはMEMS基板等、形成されるデバイス封止のため極めて平滑な基板表層が必要な基板への損傷抑制にも効果がある。
さらに、本発明によれば、印刷パターンの支持体として使用される織物やエッチィングやメッキ等で形成したメッシュではなく、任意の素材からなる基材にパターンを形成することが可能となり、従来は存在しなかった、カーボンや強化プラスチック板、セラミクス、ガラス板、アモルファス金属など、あらゆる印刷パターン開口部が形成可能な材料からなる基材が印刷用孔版構造体として使用可能になり得る。
本発明のこれ以外の有利な効果は、本明細書の他の部分を参照することにより明らかになる。
本発明の一実施形態に係るコンビネーション版の1例を示す図であって、本発明における「開口パターン部」と「リブ部」の形成されたメタル基板(保持部)と樹脂層(樹脂部)を説明する図。 本発明の一実施形態に係るコンビネーション版の他の1例を示す図であって、耐印刷性の向上を目的として、印刷用孔版のスキージ面側に樹脂脂層が設けられている場合を示す図。
本発明にかかる印刷用孔版は、印刷パターンが開口された無機材料、有機材料又は無機と有機の複合材料からなる基材に、カップリング剤層を介して有機高分子層が設けられていることを特徴とするものであって、前記有機高分子層のクッション性を活用して、被印刷基板の凹凸追随性能を向上させることができるとともに、被印刷基板への損傷の抑制などにも適用可能である。
また、本発明の一実施形態における印刷用孔版は、任意の位置、形状で印刷パターン開口部、及び必要に応じてさらに該開口部に印刷パターンを保持するリブを形成した例えば無機材料等からなる基材に、前記の有機高分子層を、前記開口部と同期して形成し、かつ前記基材に前記リブを形成した場合には、該リブの下部に前記有機高分子層を形成しない状態、または他の部分に形成した有機高分子層の膜厚より薄く形成した状態とした構造
を有する。
本発明の一実施形態にかかる印刷用孔版は、鉄製の鋳物やアルミニウム合金、木材、その他任意の材質よりなる支持枠(版枠)を伴うものでもよく、該枠体は矩形のものに限らず、例えばロータリー印刷版などの円筒形状を有するようなものであっても良い。さらには、枠を有しない平板様で、印刷に使用される際に印刷機や版枠等にチャックされて使用される構造のものなどでも良い。
また、本発明にかかる印刷用孔版は、半導体の電気接続端子(バンプ)の印刷用、バンプボール(ハンダボール)搭載前のフラックスの基板への印刷用、又は電子回路基板への電子部品実装等に多用されているハンダペースト印刷用等の、レーザ加工メタルマスクや電鋳マスク、エッチィングマスクなどの各種ステンシルマスク、樹脂フィルムにエキシマレーザなどで印刷パターン開口部を形成した樹脂フィルム版、又は、めっきやエッチィングで開口パターンを形成したステンシルマスク(パターンのある板)、などであっても良い。
また、乳剤スクリーン版の場合は感光性樹脂等の有機高分子層が構成主体であるが、本発明の一実施形態にかかる印刷用孔版においては、当該樹脂等の有機物の表層に無機物などの皮膜が形成されているような無機と有機の複合材料も基材として用いることができる。例えば、前記乳剤スクリーン版や樹脂フィルム版の表層に、静電気除電用に金属薄膜よりなるスパッタリング薄膜や蒸着薄膜を形成したもの、さらには、乳剤スクリーン版の耐久性を向上させる目的で前記乳剤スクリーン版や樹脂フィルム版の表層に非晶質炭素膜、SiOx薄膜、TiOx薄膜などの金属酸化物よりなる硬質膜や摺動膜を形成したものなどであってもよい。
以下、本発明について、詳しく説明する。
<本発明の印刷用孔版における二段構造>
本発明の一実施形態にかかる印刷用孔版は、無機材料、有機材料又は無機と有機の複合材料からなる基材と、該基材にシランカップリング剤層を介して形成された有機高分子層(樹脂層)とで構成される。
例えば、ステンレス鋼等のメタル板に、レーザ光照射による穴明け法、エッチィング法、パンチングなどのプレス抜き型法やドリル法等で、印刷パターン開口部を形成して開口パターンが形成されたメタル基板を得、該メタル基板の一方の表面側に、所定の厚みのパターンニング可能な感光性乳剤からなる膜又は感光性樹脂フィルムを貼り付け、前記メタル板と同様(必要によりオフセット可能)の開口パターンを形成することなどして基板を得るなど、特に限定されない公知の方法で印刷パターン開口部が形成される。
また、本発明の他の実施形態にかかる印刷用孔版の基材が、例えばローマ字の「O」や数字の「0」を印刷する場合の中央部のように、浮き島状のパターン部(所謂印刷用孔版における「パターン開口部」以外の浮島状の「残し部」)を有する場合、あるいは、例えばギリシャ文字の「Ω」を印刷する場合のように、前記浮島状に近い「残し部」がわずかな支持部分で支えられているような「残し部」があるパターン部を有する場合には、印刷時のスキージング応力から「残し部」を保護し、さらに印刷時の前記「残し部」の「浮き」、「反り」、「ねじれ」などの変形などを防止する目的で、該浮き島パターン部、さらには浮島状に近く、支持が必要なパターン部の「残し部」を保持するのに必要な保持リブ(以下、「リブ部」ということもある。)を、適宜、強度上必要な幅、厚さ、位置、配置(不等間隔でも全く問題は無い)にて形成して、前記の「開口パターン部」と「リブ部」の形成されたメタル基板を得、さらに前記リブ部には選択的に前記感光性乳剤からなる膜又は感光性樹脂フィルムを貼り付けない(残さない)ように形成すること、または前記リブ部には前記感光性乳剤からなる膜又は感光性樹脂フィルムの膜厚を他の部分より薄く形成した状態とすることで、リブ部下(樹脂の無い部分、または樹脂の薄い部分)をインクが回りこみ可能な空洞部分とすることができる。
而して、印刷したい印刷物と同様のパターン形状を有する有機高分子層からなる層(以下、「樹脂部」ということもある。)と、前記樹脂部のパターン開口部を保持し、必要に応じて補強用のリブ部を追加した開口形状を有する板状メタル等からなる層(以下、「保持部」ということもある。)からなる二段構造の孔版(この場合、一般には前記板状メタル側が印刷用孔版のスキージ面側となり、前記感光性乳剤からなる膜又は感光性樹脂フィルム側が印刷用孔版の印刷基板面側となる。)が得られ、さらには、該保持部や該樹脂部を複数の多層構造とした複数段孔版も形成可能となる。
図1は、一例として、いわゆる「コンビネーション版」を用いて、前記「開口パターン部」と「リブ部」の形成されたメタル基板(保持部)(右上図参照)と、該「リブ部」には選択的に設けないように形成した樹脂部(右下図参照)とを説明する図であり、該メタル基板は、メッシュスクリーンを介して、矩形枠体に張架されている(左の、印刷基板面側からの図参照)。
本発明の一実施形態にかかる印刷用孔版構造体による印刷パターンは、保持部の印刷パターン開口形状によって画定される場合もあり、または、保持部に形成した樹脂部の印刷パターン開口部によって画定される場合もあり、さらには保持部及び、樹脂部の同様の印刷パターン開口部によって画定される場合もある。
また、保持部(の開口パターン)に「リブ部」を伴う場合には、「保持部のリブ部」を除いて概ね保持部及び/または樹脂部の印刷パターン開口部によって画定される。
よって、従来の孔版構成部材としてのメッシュのメッシュパターンに相当する複数開口部のようにそれ自体が印刷パターンを画定しないもので、印刷用のインクの透過性を妨げるものや、インクの残留源となり、印刷物の印刷形状や透過体積に影響を与えるものを大幅に削減し得る。
前記のような二段構造の孔版は、太陽電池のフィンガー電極部の印刷にように、印刷パターンが長い(例えば全長150mm)細線(例えば線幅が30μm)から成る直線部や曲線部を有する孔版において、印刷時に前記長い細線の開口部がスキージからの応力で広がるのを防止するため前記長い細線開口部の途中に適宜補強の「リブ」(リブ部)を挿入する場合等に好適に用いることができる。
従来、太陽電池の集電部(フィンガーラインや途中の太いバス電極)の印刷においては、太陽電光発電用の単結晶あるいは多結晶Siからなる基板の表層は、非常に微細な凹凸構造や電気的に設計された薄膜の「テクスチャー層」より成るため、印刷スキージング時、当該基板の表層部に硬度が大きく、応力変位の少ない金属やセラミクス等からなる孔版面を押し当てることは避けられてきた。そこで、Si基板に接する面が主に乳剤等の柔らかく弾力性に富む樹脂からなる乳剤スクリーン版での印刷が主流になっているが、太陽電池のSi基板をSiインゴットなどからスライシングやハンドリングする際、脆いSi(基板)から発生する微細で尖ったSi破片(屑)が、当該乳剤層や乳剤層を支えるメッシュに突き刺さり、孔版を容易に破壊、破断させることが顕著になっている。
これに対し、本発明の一実施形態にかかる印刷用孔版は、硬く強度のある金属部等の無機材料からなる「保持部」と、印刷スキージング時、Si基板に直接接するやわらかくクッション性の大きな乳剤等からなる「樹脂部」とから構成されるため、Si基板を損傷させないと同時に孔版をSi破片から守る機能を合わせて発現することが可能となり得る。
また、太陽電池の集電電極の集電効率は、印刷される金属配線の幅と高さ(太さや断面積)に大きく依存するが、従来のメッシュを構成材料とする乳剤スクリーン版においては、必ず配線パターンの開口部にメッシュ織物の繊維糸の重なる「交点部」が確率的に不特定位置に配置され、当該「交点」部は概ねメッシュを構成する繊維糸1本の厚みより「瘤状」に印刷基板向きに凸状に厚くなっており、当該部分に相当する転写された印刷配線パターン部が相似形状に凹状に窪む(薄くなる)状態、所謂「メッシュ痕」が発生している。
このようなメッシュ痕部は印刷膜厚が他の配線部分より薄くなるため、当該薄い部分の印刷配線の断面積が、配線全体の送電能力を律することになってしまい、大きな不経済が発生している。
さらに、このように現状メッシュを支持体として使用する印刷用孔版総体においては、印刷物に悪影響を及ぼし易い「メッシュの交点部」の位置を印刷パターン開口部に於ける予め設計された「所望の位置」に制御して配置することは相当困難になる。
さらに、メッシュを支持体として使用する印刷用孔版総体においては、印刷パターン開口部に配置されるメッシュの体積や位置は個々の開口部間や、同一パターンの別の複製孔版のものとの間で異なるものとなる場合がある。
これに対し、本発明の一実施形態に係る構造によるリブ部の導入により、実質的にインクの透過性や版の洗浄性などに悪い影響を及ぼすメッシュの存在自体を無くす、または削減することが可能となる。
さらに、元来、印刷用のスクリーンメッシュは繊維糸を編みこんで作っているものが多く、その織物メッシュの繰り返しや、部位に於ける厚み精度や網目の目開等の繰り返し精度には一定の限界があるという問題もある。
また、太陽電池の集電電極印刷のように、一度印刷した後、印刷物を位置合わせして2度目の重ね印刷(ダブル印刷)を行う印刷孔版や、半導体向け回路印刷など特に印刷位置精度の要求が厳しい印刷用途においては、織物メッシュで構成される従来の支持部自体が印刷時のスキージからの応力により繊維糸がズレて変形し、印刷パターンの配置位置精度(特に2回目印刷以降の積層印刷の積層精度)に影響が出易い状態にある。
これに対して、本発明の一実施形態にかかる孔版は、メッシュが存在しないためこのような問題の発生を回避しやすい。
さらに現在、孔版用のメッシュは、ポリエステル素材やステンレス鋼材、一部タングステンやNiめっきにより形成したもの等が存在するが、選べる素材材料は一定範囲に限定されており、例えば熱線膨張係数の少ない、インバー(構成元素Fe-36wt%Ni)、コバール(構成元素Ni29.0 Fe53.0 Co17)などの特殊合金材料、延伸性に富むが破断応力の大きいアモルファス金属や、軽量で剛性の大きいガラス繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、カーボン繊維などの材料を選定することは極めて困難である。
これに対し、本発明の一実施形態にかかる印刷用孔版は、例えば熱に対する位置精度の要求値が厳しい用途へは熱線膨張係数の少ない、インバー、コバールなどの合金材料からなる素材より成る保持部、また被印刷基板がSiからなり、Siと同様の機械特性が必要な場合は印刷用孔版の構成材料(保持部として)としてSiを使用することなどが可能となり得る。
また、本発明の一実施形態にかかる印刷用孔版は、様々な機械特性を有する金属や金属酸化物よりなる素材を複合(積層)させる前、または複合させた後に、ドリル、パンチング、さらにはレーザ光線等を使用した公知の加工方法で開口部を有する印刷用孔版(メタルマスク)を作成することができる。
さらに、本発明の一実施形態にかかる無機材料よりなる「保持部」と、「樹脂部」との複合積層体にて構成される印刷用孔版においては、例えば前記保持部の板の厚みを最低限まで薄くし、さらに最低限必要な部分に本来のパターン形状を横切る支持用のリブ部「ブリッジ」を形成することで、織物メッシュのような、その厚みが不均一な支持体ではなく、設計された均一な厚みの支持体を、最も印刷される配線に影響を与えない厚さ、幅、形状、表面粗度、配置頻度(配置数量)、位置で再現性良く配置することが可能となる。
<保持部>
本発明の一実施形態における前記「保持部」を構成する板状部分としては、特に限定されないが、Fe、Cu、Ni、Al、Sn、Ag、Au、W、Tiなどの金属や、ステンレス、Ni−Co、Ni−W、Ni−Cr、アルミニウム合金、銅合金、鉄合金などの各種合金、アモルファス金属などの金属、カーボン、ガラス、セラミクス等の無機材料、FRP、CFRP、その他各種エンジニアリングプラスチックなどの無機と有機の複合材料を用いることができる。
さらに「保持部」を構成する板状部分はPET、PEN、PMMA、OPP、ポリイミド、ポリイミドアミド、塩化ビニル、ポリカーボネートなどの樹脂やゴム(各種有機高分子材料)、セルロース(木材や紙等)、各種感光性樹脂でも良く、さらには前記各種無機材料に前記各種有機高分子材料が設けられた複合材料、または逆に前記各種有機高分子材料に前記各種無機材料が設けられたものとしても良い。
本発明の一実施形態に係る前記「保持部」は、従来の孔版構成部材としての「メッシュ」の機能を代替する部分もあるがその機能は大幅に異なる。
例えば孔版の「浮島パターン部」の周囲の印刷パターン開口部は、従来の「メッシュ」を使用した孔版とは異なり、一定の繰り返しでメッシュには存在する不要な繊維糸部分や不要な開口部分を有さない。
また、前記太陽電池向け印刷用孔版の例のように、「浮島パターン部」が存在せず、従来のメタルマスク等でも印刷可能なパターンで構成される印刷用孔版であっても、前記「浮島パターン部」ではないパターンの強度維持等に必要とされる最低限の「リブ部」のみで構成されるため、当該リブ部がインクの抵抗体となったり、インクの残留部分となったりすることを抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態における前記「保持部」における印刷パターンの開口には、エッチィングやドリル、パンチなどの機械加工等、さらにはレーザ光や集束イオンビームなどの高エネルギーのイオンや電子線を照射し穴明けする方法等、高圧液体(水)などを高圧で照射穴あけ切断する方法、保持部基材の印刷パターン開口部に対応するマスキングを施し化学的に薬液等でエッチィングを行う方法、または前記手法の複合手法など特に限定されず様々な方法が用いられる。
一実施形態の保持部の表面状態としては、例えば電鋳法により保持部を形成する際に、レベリング材などを電鋳浴中の添加材の種類や量を予め調整して、鏡面状に仕上げたもの(形成したもの)、逆に梨地状に仕上げたもの(形成したもの)、保持部形成後に電解研磨などによる鏡面仕上げのもの、ブラストやホーニング加工、梨地仕上げのもの、ヘアラインを伴うもの、湿式や乾式のメッキ被膜を伴うものなど使用することができるが、これらの表面状態に限定されるものではない。前記は電鋳マスクの事例であるが、本発明の一実施形態にかかる様々な素材からなる保持部の表面は、粗いものから平滑なものまで適宜選択可能である。
但し、本発明の一実施形態に於いて、保持部基材の表面粗さがR:0.03μm未満になると、直間法等で使用する、感光性乳剤フィルムの密着が弱くなる場合があり、好ましくは「保持部」の感光性乳剤フィルム等の「樹脂部」を貼り付ける側の基材の表面粗さはR:0.03μm以上が好適である。
特に前記「保持部」のスキージ面側が、従来のメッシュを伴うスクリーン版とは異なり例えばめっき電鋳法で形成した金属板のように平滑、平坦な面である場合、印刷スキージング時にペーストと保持部スキージ面側に摩擦抵抗を発生させることが困難になり、ペーストがスキージにより十分にローリングされず、ペーストのチクソ性を十分発揮させられない場合がある。
本発明の一実施形態において、「保持部」のスキージ面側をサンドブラスト加工やホーニング加工、罫書き加工その他の物理的な方法で粗にすること、または薬剤による化学エッチィングなどで粗にするなど。追加の加工を敢えて加えることがある。
さらに、「保持部」のスキージ面側に、印刷時、移動するスキージの進行方向に対して直交する、あるいは斜めに交わるような配置で、任意の部分に、一以上の溝や開口部、その他凹凸、ウネリの構造を形成して、従来のメッシュを伴うスクリーン版のようにスキージング時のペーストローリング性を確保することも有効な方法である。
例えば、「保持部」が電鋳などのめっき法により形成する金属箔(板)の場合、めっきの浴組成やめっき条件でめっき析出状態の面粗度を調整することができる。
さらには、「保持部」のスキージ面側がほぼ平坦、平滑な状態にならないように、スキージ面側に前記線状の溝や部分的な凹凸構造を公知の電鋳めっき法により形成することも可能であり、さらには、レーザ光線などを照射して溝や凹凸を形成することも可能であり、さらには、罫書き、ドリル、プレスなど様々な方法で従来のメッシュを伴うスクリーン版のように「保持部」のスキージ面側を平滑、平坦ではない状態にすることが可能である。
さらに、前記「保持部」には、従来技術のように、保持部のスキージ面側及び/又は印刷基板面側に該当する部分に、必要に応じて部分的なエッチィング(ハーフエッチィングなど)を行い、保持部の厚みが他の部分より薄い部分を設けることも可能である。また、C.O.Bマスクと呼ばれる凸部を溶接などで形成することで、当該部分の厚みを任意に調整することが可能である。
<保持部と樹脂部の接着>
ここで重要なのはこのような各種材質、特に無機物を主たる構成単位とする「保持部」に定着良く前記「樹脂部」を貼り合わせる技術である。
印刷用の孔版は印刷後、溶剤やアルコールで満たされた超音波洗浄装置内で洗浄されることも多く、また印刷時に溶剤などの成分が使用されるとともに、スキージなどからの外部応力も印加される。
そこで、本発明の一実施形態においては、前記金属であるメタル板やガラス板など無機物板に有機物である樹脂を定着良く貼りあわせるためカップリング剤を使用する。
本発明の一実施形態における、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤、又はアルミネート系カップリング剤などのカップリング剤は、その厚みが数nmから数十nmで皮膜を形成可能であり、印刷用孔版のインク透過体積に影響する孔版の厚みの増加やばらつきを最小限にすることが可能であり、「樹脂部」と「保持部」を化学結合により強力に接着することが可能となる。
「樹脂部」と「保持部」を強力に接着するために使用されるカップリング剤、または前記カップリング剤よりなる接着層はフッ素など接着性の悪い元素を含まないことが望ましい。
本発明の一実施形態における、前記各種カップリング剤は、膜厚を伴い層状に形成される。その為、異なる材料の「面」同士(例えば本発明にかかる保持部と樹脂部)を直接接合させる場合のミクロレベルの「点接触」による接着面積不足を、前記カップリング剤の層を介してそれぞれの基材に対して「面接触」、あるいは、液状で流動性の大きいカップリング剤がそれぞれの基材のミクロレベルの凹凸や穴に入り込んで連続した膜を形成すること(前記凹凸部や穴部でクサビのように固形化すること)での「アンカー効果」が期待でき、その接着性を大幅に向上させることが推定できる。
前記のようなカップリング剤よりなる接着「層」の発現する強力な化学的、物理的接着効果は、メッシュの目開きのような、大きな開口率を有する保持部へ樹脂部を接着する場合にその接着効果を一層顕著にずることが可能となる。
本発明の一実施形態においては、樹脂部の形成のために、前記のシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤、又はアルミネート系カップリング剤などのカップリング剤を用いるものであるため、従来の貼り合わせ技術であるラミネート法に比べると、熱や圧力を加えることなく、孔版の変形や損傷を抑制しながら保持部と樹脂部の貼り合わせを行うことができる。
例えば、熱圧着ローラを使用するラミネート法を使用すると、保持部に形成される乳剤等の変形し易い樹脂の厚みが、ローラにより加えられる熱(樹脂部の熱線膨張)や圧力で設計値から乖離する場合が有り得る。
また、一実施形態にかかるカップリング剤による接合においては、カップリング剤を塗布した後に保持部と樹脂部を接着させるための乾燥放置温度は40℃未満でもよく、加熱による孔版の変形を抑制することが可能となり得る。
また、カップリング剤は、概ね数ナノメートルから数十nm、例えば10〜20nmの薄膜で均一に形成できるとともに、インクの転写量に大きな影響を与える保持部と樹脂部の合計から成る孔版総厚みの大きな変動を与えない。また、カップリング剤による結合は、化学結合であるために強力であって、感光性樹脂を用いた際の現像処理などによっても、剥離し難い。さらに一実施形態においては、物理結合のように、密着性を確保する為、基材の表面積を増やすために、例えばサンドブラストや薬液によるケミカルエッチィングなどで基材に大きな凹凸を形成して平滑性や基材の構造強度を犠牲にする対応を抑制することができる。
さらに、本発明の実施形態にかかるカップリング剤は薄膜で形成可能であることから本発明の一実施形態としてリブ部を有する印刷用孔版の場合、選択的にリブ部に前記感光性乳剤からなる膜又は、感光性樹脂フィルム等の有機高分子層を貼り付けない(残さない)ようにする場合であっても、カップリング剤薄膜リブ部にも形成してしまい、そのまま有機高分子層を貼り付けない状態で除去せず放置することも可能である。
また、本発明の一実施形態において、保持部と樹脂部をカップリング剤にて接着する際、最終孔版の印刷パターン開口部となる部分に相当する乳剤部(例えば露光現像されて、最終的には開口部に相当し除去される乳剤等樹脂部分の表層)にカップリング剤が回り込んで薄膜層を形成した場合であっても、その厚みが非常に薄いため、樹脂の除去部分の現像(乳剤等の樹脂の除去)に与える影響を抑制し、十分な印刷パターン開口形状を得ることが可能となり得る。
さらに、本発明の一実施形態として保持部と樹脂部を接合するケイ素(Si)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)を含むカップリング剤層は、例えば感光性樹脂よりなる樹脂部を接合後、該樹脂部に印刷パターン開口部を形成するための紫外線露光やレーザ光照射による直接描画(直描)を行う際、開口形成処理によりさらに重合反応や架橋反応等のカップリング剤層を強固に形成する為の反応が促進されるため、本発明の一実施形態において、特に基材と樹脂との接着層の端部となり、インクや洗浄剤が接着部に進入しやすく、他の部位に比べ特に強固な接着が必要な印刷用孔版の印刷パターン開口部付近の基材と樹脂層との接着をより強固にすることが可能となり得る。
さらに、本発明の一実施形態において、特に基材と樹脂との接着層の端部となり、インクや洗浄剤が接着部に進入しやすい例えば印刷パターン開口部断面部分に、前記基材と樹脂との接着層の端部から溢れた余剰のカップリング剤が自ら連続した保持部と樹脂部を跨ぐ「カップリング皮膜」を形成するため、印刷時に於けるインク、版洗浄時に於ける洗浄液等が基材と樹脂の間に進入し、剥離を起こすことを抑制し得る。
さらにまた、本発明の一実施形態において、前記カップリング剤は紫外光の照射により、他の層との化学結合や水素結合等に寄与する官能基が活性に発生するために、印刷パターンが開口された無機材料からなる保持部に塗布される液体状のカップリング剤が該開口部の断面部や、後に樹脂部を意図的に形成しないリブ部にも不可的に廻り込む(濡れ広がる)ことで、そのまま前記保持部の印刷パターン断面部やリブ部に於いてその後形成されるカップリング剤よりなる撥水撥油層や、その他保護層など「第2の層」のプライマー層とすることができる。
なお、「保持部」と「樹脂部」の接着を行う本発明にかかるカップリング剤は、必要部分に形成されていれば良く、「保持部」全面に形成されても良いし、または「保持部」の必要な一部にのみに形成されていても良い。
保持部の一部にのみ形成する理由の一例は、カップリング剤による接着を意図的に保持部の全面としないことで、保持部と樹脂部の貼り合せ時に発生する空気(気泡)を誘導排除可能な接着されない隙間部分を確保する場合などである。
特に、本発明にかかる「保持部」が電鋳法によりめっきで形成される場合、Niめっきに加え、Ni−CoやNi−WなどのNi合金めっきにより形成されるものが一般的になっている。このようにNiを主たる成分とする「保持部」に、炭素を主成分とする樹脂等の皮膜を直接形成すると、炭素がNiに非常に拡散しやすいため、樹脂部(膜)の密着安定性能に問題が出る場合があり得る。
本発明の一実施形態にかかる前記のカップリング剤からなる層は、主に、ケイ素酸化物、チタン酸化物、アルミ酸化物、ジルコニウム酸化物などからなるため、Ni電鋳等からなる「保持部」に接着される「樹脂部」からの炭素拡散を抑制することができる。
なお、非晶質炭素膜をカップリング剤のプライマー層とする場合は、Siなどを含有
する非晶質炭素膜などが望ましい。
本発明にかかる「樹脂部」と「保持部」を化学結合にて接着するシランカップリング剤は、例示するまでもなく広く普及している。本発明の実施形態においては、市販されている様々なシランカップリング剤を用いることができる。
例えば、本発明に適用可能なシランカップリング剤の一例は、デシルトリメトキシシラン(商品名「KBM−3103」信越化学工業(株))等である。
また、本発明に適用可能なチタネート系カップリング剤には、テトラメトキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラプロポキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート、テトラブトキシチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラ(2、2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、及びイソプロピルトリクミルフェニルチタネートが含まれる。商品名「プレンアクト38S」(味の素ファインテクノ株式会社)が市販されている。
また、本発明に適用可能なアルミネート系カップリング剤には、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムジイソプロピレートモノセカンダリーブチレート、アルミニウムセカンダリーブチレート、アルミニウムエチレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、及びアルミニウムモノイソプロポキシモノオレキシエチルアセトアセテートが含まれる。商品名「プレンアクトAL−M」(アルキルアセテートアルミニウムジイソプロピレート、味の素ファインテクノ(株)製)が市販されている。
また、本発明に適用可能なジルコネート系カップリング剤には、ネオペンチル(ジアリル)オキシ、トリメタクリルジルコネイト、テトラ(2、2ジアリロキシメチル)ブチル、ジ(ジトリデシル)ホスフェイトジルコネイト、及びシクロ[ジネオペンチル(ジアリル)]ピロホスフェイトジネオペンチル(ジアリル)ジルコネイトが含まれる。商品名「ケンリアクトNZ01」(ケンリッチ社)が市販されている。
これらのカップリング剤は、他の種類の異なるカップリング剤と混合して用いることもできる。
本発明にかかる前記「保持部」と「樹脂部」を接着する際の接着用のカップリング剤は、液状の出発材料(カップリング剤液)を不織布等に浸透させた後手塗りや、スキージ塗り、刷毛塗り、ローラ塗りなどにて塗布してもよく、スプレーなどで噴霧してもよく、さらには印刷用孔版の保持部を前記カップリング剤にディップしても良く、バーコーター、スピンコーターを使用しても、スクリーン印刷で塗布しても良く、さらには、抵抗加熱法などの真空プロセスで塗布してもよくその塗布方法は特に限定されず適宜選択実施することができる。
また、本発明にかかるカップリング剤層は、例えば数nmから数十nmの厚みの皮膜として保持部の表層に直接/または他の層を関して間接に形成される。
よって、樹脂部の露光や現像に対する影響を最小限に抑制することが可能となり、またカップリング剤の膜厚におけるばらつきの絶対値が非常に小さいため、孔版の厚み設計や、面の平滑性の維持に極めて有効である。
本発明にかかるカップリング剤は、液体であるものを出発原料として予め印刷パターン開口部(貫通孔)が形成されている「保持部」の「樹脂部」を接着する側の表層に塗布すると、前記開口部(貫通孔)を通じて反対側の面(例えば、一般的な例として印刷用孔版の印刷基板面側に樹脂部を貼り付ける場合は、印刷用孔版のスキージ面側)に濡れ広がる場合が多い。
この場合、前記カップリング剤が不用意に印刷用孔版の反対側に濡れ広がり皮膜を形成すると、印刷用孔版の機能を損ねる場合が多い。例えば、一般的な例として印刷用孔版のスキージ面側に不用意に濡れ広がり形成されたカップリング剤膜は、スキージ面側の本来の濡れ性や表面粗度(摩擦係数等含む)を変化、変質させてしまい、スキージによるインクのローリング性を変化させ適正な印刷が不可能になる場合が有り得る。
さらに前記スキージ面側のカップリング剤膜がスキージやインク、または印刷用孔版の洗浄等により摩擦されることで印刷用孔版から剥離しインクに混入するなどして汚染源となる恐れが大きい。
そこで、本発明の一実施形態に於いて、保持部のスキージ面側に回り込んだカップリング剤が形成する皮膜は研磨など適切な方法で除去される。さらには、他の実施形態として、カップリング剤を塗布する前にスキージ面側には適宜マスキングを行い、スキージ面側にカップリング剤が回り込まないようにし、印刷用孔版のスキージ面側にはカップリング剤が回り込んでいないものか、または除去されているもの、とする場合がある。
本発明の一実施形態においては、無機物板より成る保持部の表層へのカップリング剤の定着性の向上を行うため、カップリング剤の希釈を揮発性の高いアルコール速乾方式とすることとし、前記「樹脂部」と「保持部」との間に水が長期残留することとでカップリング剤の結合反応が阻害されることを防止することも可能である。
さらに本発明の一実施形態においては、メタル基材など前記「保持部」と光感光性樹脂を固定する仲介層のカップリング剤層は、光感光性樹脂のパターン部を公知の露光・現像工程で除去する際、樹脂部と一緒に綺麗に除去されるか、あるはメタル基材など前記「保持部」に残留した場合でも元来が数十ナノの厚みであるため印刷用孔版の印刷性能への影響を最小限に抑制することが可能と成り得る。
さらに、本発明の一実施形態においては、前記「保持部」が、表層にカップリング剤と水素結合や脱水縮合反応で結合するSi−OHなどの官能基が少なく、カップリング剤の定着性の悪い、例えばステンレス鋼素材、Niめっきで形成されるもの含めたNi素材、Ni―Co、Ni−W、インバーやコバールなどなどのNi合金素材、CuやCu合金素材、セラミクス素材である場合、さらにまた、紙(セルロース)やPET、PEN、ポリカーボネート、感光性乳剤その他様々な樹脂、プラスチックなどその耐摩耗性が不足している素材などである場合には、少なくともSi、N、O、Ti、Al、Zrのうち少なくとも1つの元素を含む非晶質炭素膜、及び/又はSi、Ti、Al、Zr、O、Nのうち少なくとも1つの元素を含む、スパッタリング、蒸着、又は大気圧プラズマ法のいずれにより形成された薄膜、又は金属アルコキシドなどの液体原料を出発材料としたゾル−ゲル反応で構成される薄膜等を、前記カップリング剤のプライマー層として予め形成し、さらに前記カップリング剤を介して前記「樹脂部」を接合させた構造体とすることが好ましい。
特に少なくともSi、N、O、Ti、Al、Zrのうち少なくとも1つの元素を含む非晶質炭素膜、またはSi、Ti、Al、Zr、O、Nのうち少なくとも1つの元素を含む、スパッタリング法、蒸着法、又は大気圧プラズマ法のいずれにより形成された薄膜(特に適量の炭素を皮膜の基板側に含むもの)は、多様な素材よりなる基材に密着良く形成できるため、これらのいずれかをプライマー層として用いた場合には、従来は樹脂との接着が困難であった素材についても、例えば本発明の一実施形態にかかる印刷用孔版構造体の「保持部」とすることが可能となる。
現在、孔版用の「保持部」は、殆どがステンレス鋼、またはNiめっき、またはNi合金めっき皮膜(電鋳品)に限られているが、例えば前記非晶質炭素膜を「保持部」へのカップリング剤塗布のプライマー層として使用することで、保持部基材の表層(「樹脂部」との接着面)にカップリング剤を密着良く形成することが可能となるため、用途や目的に応じて、従来に無い多様な基材から成る印刷用孔版を形成することが可能と成り得る。
例えば、熱線膨張係数の少ない、インバー(構成元素Fe-36wt%Ni)、コバール(構成元素Ni29.0 Fe53.0 Co17)材を「保持部」としたパターン開口寸法や全長寸法の温度安定性能の高い印刷用孔版、印刷用孔版のテンションや繰り返しのスキージングにより形状変形を起こし難いクロムモリブデン鋼、タングステン、タングステン合金鋼などの高張力特殊合金材料、延伸性に富むが破断応力の大きいアモルファス金属を「保持部」に使用した高耐刷性印刷孔版や、軽量で剛性の大きいガラス繊維強化プラスチック(FRP)、PETフィルムなどの樹脂フィルムを保持部とした軽量孔版、などカップリング剤と結合し難い表面を有する「保持部」の表面にも、密着良く「樹脂部」が形成可能となり、従来に無い多様な機能を有する実施形態が可能と成り得る。
また、特に樹脂やゴム等からなる「保持部」は、カップリング剤の無機側の結合手との密着が良くないので、例えば非晶質炭素膜を「保持部」へのカップリング剤塗布のプライマー層として使用することは有効である。
特に本発明の一実施形態においては、前記非晶質炭素膜よりなるプライマー層を形成した場合、後にカップリング剤を介して接着形成される樹脂層(例えば感光性能乳剤層)をUV光等で露光し印刷パターンを形成する際、非晶質炭素膜はUV光の乱反射を抑制する機能を有し、乱反射されたUV光により樹脂部の不要な部分が感光することを抑制することで樹脂層に精度良く印刷パターンを形成することが可能となる。
また前記非晶質炭素膜よりなるプライマー層は、膜厚にも依存するが概ね延伸性が4%前後あり、本発明にかかる孔版を印刷時に被印刷基板とギャップを設けて対向設置し、被印刷基板まで孔版面をスキージで押し込んで孔版を変形させ、そのまま被印刷基板面をスライドさせてインクを印刷(転写)する公知のスクリーンオフセット印刷向けプライマーに好適に使用することができる。
プライマー層としての前記ゾル−ゲル反応で構成される薄膜は、公知のゾル−ゲル法に従って、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムなどの各種金属アルコキシド(金属エトキシド、メトキシドなども含む)を出発原料として形成することができる。
プライマー層に用いる無機化合物としては、少なくともケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムのいずれかを含有する化合物(ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムの酸化物、酸窒化物又は窒化物)が好ましく、特に酸化珪素、酸化チタン等のケイ素、チタンを含有するセラミック材料を好適に用いることができる。
前記プライマー層を構成するセラミックの原料としては、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムを含有する有機金属化合物であれば、常温常圧下で気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。液体、固体の場合は、加熱、バブリング、減圧、超音波照射等の手段により気化させて例えば抵抗加熱法等により使用することが可能である。
このような有機金属化合物のうち、ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、エチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジエチルアミノトリメチルシラン、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、シラン等が挙げられる。
また、チタン化合物としては、例えば、チタンn−ブトキシド、チタンアセチルアセトネートチタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタンテトライソポロポキシド、等が挙げられる。
例えば、マツモトファインケミカル株式会社のチタン有機金属アルコキシド(「オルガチックスTA−25」)、などが市販されており、保持部本体に塗布することにより、プライマー層を形成することができる。
また、ジルコニウム化合物としては、例えば、ジルコニウムn−プロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド、等が挙げられる。
また、アルミニウム化合物としては、例えば、アルミニウムエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド等が挙げられる。
また、前記プライマー層の形成に代えて、前記「保持部」表層に予め酸素、窒素、水素、Ar、Ne、Heなどの不活性ガスをプラズマ照射しても良く、UVやオゾンを照射し表層に官能基を形成することも有効である。
このようなプライマー層または表面の活性化され、親水化された「保持部」は、カップリング剤を「保持部」に塗布する際にカップリング剤に「泡」を形成しにくく、「樹脂部」と「保持部」の貼り合わせにおける泡噛み込みの抑制は、印刷用孔版としての表層のフラット性能の維持や、「樹脂部」の耐刷性能の確保において非常に重要な要素となり得る。
本発明の一実施形態において、前記のようなカップリング剤のプライマー層の形成や、プラズマを照射、UVやオゾンを照射し保持部表層に官能基を形成することは、特にレーザ加工メタルマスクなどの印刷パターン開口部がレーザ光などの熱切断にて形成され、基材が酸化されているものや、当該基材に付着した金属溶融物(ドロス)を除去するにあたり、強力な酸などの薬剤を使用しているものの貼り合わせに対して極めて効果的である。
さらに基材、特に印刷パターン開口部の周辺部等、が酸化している場合「樹脂部」と「保持部」の剥離の出発点となり易い張り合わせの終端部となるためより一層かつ完全な張り合わせが必要な部分に対して極めて効果的である。
保持部を構成する無機材料は、その種類(例えば材質や加工履歴等)や個体、また個体単体の中でもその表層部の部分によって表層に存在し、カップリング剤と水素結合や縮合反応による化学結合などの元になる水酸基やカルボニル基、カルボニル基等の極性の官能基の存在状況が異なる(ばらつく)場合がある。ここで、前記のような本発明の一実施形態に係る、カップリング剤のプライマー層の形成や、プラズマを照射、UVやオゾンを照射し保持部表層に官能基を直接及び/又は間接に再形成することは、保持部表層に存在する官能基のばらつきを抑制するのに有効であり得る。
<樹脂部>
本発明の一実施形態にかかる「樹脂部」は、前記カップリング剤層を介して印刷用孔版の「保持部」に直接、または「保持部」の表層に形成された前記非晶質炭素膜等のプライマー層などの他の層をさらに介して間接的に保持部に接着される。
本発明にかかる「樹脂部」は、「保持部」の少なくとも必要な一部に形成されていれば良く、例えば、樹脂を緩衝材として形成する場合は保持部の被印刷基板面側に形成するが、ハンダボールの振込み孔版などの場合は、樹脂部を印刷パターン貫通口の内壁面、及び/またはスキージ面側にも形成し、ハンダボールの成分で凝着付着を起こし易いSnの付着を防止する、あるいは樹脂の緩衝性でハンダボールを損傷させない目的などとすることも可能である。
また、印刷用孔版のスキージ側面を含め、印刷用孔版の適正な部位に樹脂部(樹脂層)からなる保護層を付与することで、印刷用孔版の耐刷性を向上させることも可能である。
なおこの場合、該保護層(樹脂層)の素材は、必ずしも後述するようなフォトリソグラフィーなどでパターンニング可能なものに限定されず、例えば、ポリイミド製の市販の粘着テープを所望の形状にカットしてそのままテープの粘着面(糊面)から貼付する方法も可能である。また、該保護層は、前記のカップリング剤層を介して付与することが望ましいが、例えば、用いる粘着テープ等によって、必ずしもカップリング剤層を必要としない場合もある。
図2は、保護層を付与した一例を示すものであって、前記図1に示すようなコンビ−ネーション版において、そのスキージ面側に、ポリイミドなどの樹脂からなる粘着テープを貼り付けた例であり、粘着テープの概ね中央の中心線が、スクリーン印刷機のスキージが印刷用孔版のスキージ面をストロークして停止する位置(スキージが線状に該印刷用孔版と接触する線状のスキージエンド)となるように貼付されている。
本発明の一実施形態において、樹脂部は、例えば感光性の樹脂乳剤である。感光性樹脂乳剤は、光硬化形態によって、光架橋型、光重合型、ハイブリッド型に分類できるが、
樹脂部は、このいずれであってもよい。樹脂部として用いることができる乳剤には、例えば、ポリビニルアルコールと酢酸ビニルポリマー(又はアクリルモノマー)と光架橋用ジアゾ樹脂とを混合したもの、及び、ポリビニルアルコールとアクリルモノマーと光重合開始剤を混ぜたものが含まれる。感光性の樹脂部は、ポジ型であってもネガ型であってもよい。
感光性乳剤は、乳剤と感光材料(4−ジアゾジフェニルアミンサルフェート、4−ジアゾ−3−メトキシジフェニルアミンサルフェートなどのジアゾ化合物、並びにSBQ系(スチルバゾリウム系)光重合性材料などを主成分とし、必要に応じて水溶性樹脂、可塑剤、チクソ剤、安定剤並びに増感剤などが添加される。
また、「樹脂部」を構成する材料として、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂をなどの架橋性樹脂も使用し得る。
熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂をなどの架橋性樹脂の開口部はCOレーザー、YAGレーザー、各種エキシマレーザーなどのレーザー光などを照射して印刷パターン部分の樹脂を除去する方法で形成し得る。
また必要に応じてF.I.B(集束イオンビーム)などを用いることも可能である。
本発明の一実施形態にかかる樹脂部には、公知のフッ素含有乳剤など撥水撥油性の乳剤を使用することも可能である。
本発明の一実施形態にかかる樹脂部には、例えばフォトリソグラフィ法によって、印刷パターンに対応する印刷パターン開口部が形成される。印刷パターン開口部は、樹脂部を厚み方向に貫通するように形成される。フォトリソグラフィ法を用いる場合には、フォトマスクのマスクパターンを「保持部」に塗布された樹脂部に露光することにより樹脂部の一部を硬化させ、続いて、樹脂部のうち露光により硬化した部分のみを保持部上に残存させ、それ以外の部分を除去することで、印刷パターン開口部を形成する。印刷パターン開口部は、樹脂部開口部の内壁によって画定されている。
但し、本発明の他の実施形態にかかる印刷パターン開口部は、保持部によって画定され、樹脂部開口部の内壁によって画定されない場合がある。
例えば、保持部に形成された印刷開口パターンに対して、樹脂部の開口パターンが十分広くオフセットされて形成されている場合等で、保持部と被印刷基板までの空間(樹脂部の厚み分)を樹脂部の開口断面にインクが触れないように落下等させるように印刷する場合があり、さらには後述するように電気接続部材搭載用マスクなどの場合である。
樹脂部は、直接法、間接法、直間法のいずれにより保持部に形成されてもよい。樹脂部が直接法又は直間法により保持部に設けられる場合には、樹脂部が保持部に設けられた後に露光が行われる。一方、樹脂部が間接法により保持部に設けられる場合には、樹脂フィルムに露光・現像により印刷パターンを形成し、その印刷パターンが形成された樹脂フィルムが保持部に貼り付けられる。
例えば本発明の一実施形態において、印刷パターン開口部を予め形成した保持部に、本発明にかかるカップリング剤を介して樹脂部を開口部の形成されていない平面「ベタ」状で貼り付けた後、前記保持部に形成された印刷パターン開口部を位置合わせしながら、前記樹脂部面側からレーザ光、電子ビーム、イオンビームなど樹脂を感光変質させることの可能な光線等を照射(走査)させ、前記印刷パターン開口部を予め形成した保持部のパターン画像を形成するように前記樹脂部の必要な部分のみを直接感光させる「直接描画法」(ダイレクトイメージング法)などで露光した後、現像を行うことで、保持部に形成した印刷パターン開口部と同様、または略類似の開口パターン、さらには任意に保持部の開口寸法をオフセットしたパターン(保持部の開口より小さくしたり、大きくしたり、形を変えたりする場合など)を形成することも可能である。
なお、本発明の一実施形態にかかるカップリング剤は、例えば直間法用の感光性樹脂シートから成る樹脂部と保持部の双方の貼り合わせ面に塗布される場合、後に露光、現像除去される印刷パターン開口部に相当する感光性樹脂表層にも付着し、カップリング剤よりなる膜を形成するので、通常の光感光性樹脂単体時の露光、現像条件をカップリング剤膜分を含めた形で必要に応じて適宜調整する。
例えば、シランカップリング剤よりなる膜は水への耐性が弱く、従来の水現像が可能であるが、水現像時の水圧を通常より高めに設定するなどして、印刷パターン開口部に相当する感光性樹脂表層に付着したカップリング剤膜を前記パターン形状に合わせ正確に除去する必要が生じる場合がある。
また本発明の他の実施形態において、印刷パターン開口部を予め形成した保持部に、本発明にかかるカップリング剤を介して樹脂部を開口部の形成されていない平面「ベタ」状で貼り付けた後、前記保持部に形成された印刷パターン開口部を「露光マスク」として、前記樹脂部面側と反対側からレーザ光、UV光などの樹脂を感光変質させることの可能な光線等を照射し、孔版のパターン画像を形成するように前記反対側の樹脂部の必要な部分のみを感光させた後、現像を行うことで、保持部に形成した印刷パターン開口部と同様、または略類似の開口パターンを形成することも可能である。
また、さらには、本発明の他の実施形態において、印刷パターン開口部を予め形成されていない保持部に、本発明にかかるカップリング剤を介して樹脂部を開口部の形成されていない平面「ベタ」状で貼り付けた後、前記保持部並びに樹脂部に双方の素材に対して穴あけ可能な出力を有する公知のレーザ光やイオンビーム等を照射し、孔版の印刷パターン開口部を保持部と樹脂部一括で穴あけ形成することも可能である。
本発明の他の実施形態においては、樹脂部は保持部の少なくとも一部に形成されていれば良く、さらに必ずしも保持部と同様のパターン開口部を備える必要も無い場合が有り得る。
例えば電気接続部材搭載用マスクがある。
電子部品を実装するための電気接続、接合用の端子接合部材(電気接続部材)を基板に形成する方法として、特開2008−205056号公報(上記特許文献6)に記載のようなマイクロはんだボールと呼ばれる球状のはんだ接合材料及びバンプマスクを使用する方法がある。
特許文献6の方法では、バンプマスクを微少な集積回路や基板(搭載基板)上に位置決めして配置した後、搭載基板の反対側(ボール供給面側)からマイクロはんだボールを複数供給する。このマイクロはんだボールは、スキージや風力または振動などにより搭載基板に形成された複数の貫通孔内に移動し、バンプマスクを取り外すことで、搭載基面の所望の位置に電気接続部材が配置される。
また、特許文献6の方法では、電気接続部材の搭載の前工程として、スクリーンマスク等を使用して、粘着性のあるフラックスを所望のパターンでスクリーン印刷しておくこと(予備フラックス印刷工程)がある。この前工程により、基板に搭載されたマイクロはんだボールは、バンプマスクを除去してもフラックスの粘着力で転がらないよう保持される。
バンプマスクは、その基板面側に前記予備フラックス印刷工程で基板に予め塗布された粘着性のフラックス部を避けるように、基板(に塗布される粘着性のフラックスと)とバンプマスクを直接接触させないように「柱状」の支柱(スペーサ部)をバンプマスクの基板面に樹脂等で形成する場合があり、本発明の一実施形態にかかる「樹脂部」をこのバンプマスクに形成される前記樹脂のような「柱状」または「スペーサ」の目的、機能を果たす構成部分として、開口部を伴わない所望形状や位置で形成することも可能である。
本発明の一実施形態において、樹脂部が重合反応や電着塗装などの薄膜で形成される場合は、保持部の開口パターン等含む「面」に沿って塗布などの方法で薄膜を形成すれば良く、樹脂部に於ける開口部を必ずしもフォトリソグラフィーなどのパターニング法で形成する必要が無い場合もある。
本発明の一実施形態にかかる「樹脂部」の厚さ(膜厚)は、例えば抵抗加熱法などの真空プロセスや、スピンコートなどで、重合反応等で自己組織化する樹脂層を形成する場合などは例えば20nm、30nm、50nmと非常に薄く形成することも可能である。
ここで印刷用孔版用途に於いては「樹脂部」及び金属等からなる「保持部」の、それぞれの厚さ(板厚)は、様々な印刷用途や用法、使用するペースト、印刷機などにより任意に設定することが可能である。
本発明の一実施形態に於いて「樹脂部」の厚さは特に限定されないが、例えば、100nm〜2000μm、さらに好適には500nm〜1000μm、最も好ましくは1μm〜500μmで形成される。樹脂部の厚さが100nm未満、さらには20〜30nm程度のナノ薄膜になると、例えば市場に広く普及しているレーザ加工メタルマスクなどに使用するステンレス鋼メタル保持部の面粗度が鏡面研磨などを行ったものでも概ねRa:0.03μm程度の平滑性に留まるので前記保持部の凹部を埋めきれない膜厚の当該樹脂層を前記印刷時の「緩衝層(クッション層)」として機能させることが困難になる。
また、膜厚自体が100nm未満になると当該樹脂の膜厚を測定し管理すること自体に高価な測定装置の必要性や手間が発生す場合があり得る。
よって、例えばフッ素含有カップリング剤などが形成する薄膜フッ素樹脂層は、有機高分子からなるフッ素樹脂部分は少なくとも100nm未満の厚み(概ね10nm〜30nm程度)となり、本発明にかかる「樹脂部」となる皮膜には該当し得ない。但し、本発明にかかる十分な緩衝層等の機能を発現する「樹脂部」を形成した後、さらに前記樹脂部や保持部にフッ素含有カップリング剤などが形成する薄膜フッ素樹脂層を形成することは、本発明の一実施形態であり、印刷用孔版の印刷性を向上させるための有効な構造体となり得る。
一方、「保持部」の厚さは、1μm〜3000μmの厚さで任意に設定することができ、例えば、保持部が金属製品である場合、COレーザなどで開口パターンが形成可能であれば、特に限定されない。
なお、保持部の厚みについては、樹脂部を貼り付けた後エッチィングなどにより当初の厚みより薄膜化することも必要に応じて行うことができる。
したがって、例えば、「樹脂部」の厚さはコンデンサなどの電子部品を印刷する孔版の場合、概ね100nm〜30μmの厚さで形成される。さらにはMEMSの封止印刷等の厚膜印刷の場合は、「樹脂部」は、50μm〜500μmの厚さで形成され、保持部は、50μm〜500μmの厚さで形成される。
本発明の一実施形態にかかる樹脂部は、必ずしも連続面を成している必要は無く、例えば、印刷時の被印刷基板の保護目的で形成される場合、十分な緩衝材として機能する位置に必要な面積と厚さで、連続、または飛び飛び、または独立した島状等で形成されていれば良い。
また、樹脂層は有機物基板上や無機物基板上にブラシ状に飛び飛びに高分子の鎖が外界に向かって伸びているものが層状になっているものでも良い。
さらには本発明にかかる「樹脂部」は、平滑であっても良いが必ずしも平滑である必要も無く、例えば、複数の部分厚み(高さ)を有するように樹脂の膜厚を設計(変動させて)して、スキージ印圧が加えられた場合に、圧力に応じて樹脂の接地面積が厚い部分(高い部分)から順に増えて行くような設計にしても良い。
本発明にかかる「樹脂部」が保持部のスキージ面側に形成される場合は、スキージを金属製のものから樹脂やゴム製のものに代えるなどでその損傷を抑制し得る。さらにはハンダボールの振込み孔版などの場合は、スキージ自体を使用せず、ブラシ、はけ、風力、振動などでスクージ面側に充填するハンダボールを開口部に誘導するため、スキージ面に樹脂部が存在しても孔版の耐久性を大幅に損なうことは無い。
本発明にかかる「樹脂部」及び/又は「保持部」のパターン開口部の貫通孔の形状は特に限定されず、ストレートでも良く、先窄まりの逆テーパ形状でもよく、被印刷基板側に向かって末広がりのテーパ形状であっても良い。
さらには、「保持部」であるステンレス鋼や銅合金板などをウエットエッチィングして印刷パターン貫通口が形成される場合に発生する「サイドエッジ」(印刷パターン貫通口の板厚み中央部付近で開口径が小さくなる状態)が発生していても良く、この場合は印刷精度等の必要に応じて、下部に貼り付け形成される樹脂部の開口形状をインク転写性に悪影響を与えない程度にストレート形状、テーパ形状、または開口径を保持部の開口径よりもより大きくとするなど必要に応じた調整をすることができる。
さらに本発明にかかる「樹脂部」及び/又は「保持部」は単層でも良く、積層体でもよく、段彫りが形成されていても良い。
本発明の一実施形態にかかる「樹脂部」のパターン開口部に相当する保持部の開口形状は必ずしも同一または類似形状である必要は無く、例えば、「樹脂部」の矩形の開口部に対して、「保持部」に多数の小型の矩形の開口部を多数配置したようなのでも良く、前記保持部に多数の小さい「丸」や「三角」「星型」「楕円」など様々な異なる形状の穴を配置したものでも良い。
さらに本発明の一実施形態として、前記金属等からなる「保持部」に比べ、前記「樹脂部」は主に炭化水素などから構成されており、前記「樹脂部」の構成成分と同様に炭化水素を構成成分とする希釈溶剤やバインダーを含む油性インクに対して、大きな親和性を示すため、前記親和性によるインクの抜け性能の劣化抑制やインクの付着によるニジミ防止、版離れ性確保等の観点から樹脂部、または樹脂部および保持部、保持部のリブ部に撥水撥油層を追加形成することが非常に有効である。
本発明の一実施形態前記撥水撥油層の構成は、特に限定されないが、フッ素含有カップリング剤より成る薄膜であることが望ましい。さらにフッ素を含有する前記カップリング剤がシランカップリング剤、チタネート、ジルコネート、アルミネート系のものであると、本発明の各実施形態にかかる「保持部」と「樹脂部」を接着する際に印刷用孔版パターン開口部やリブ部に不可避に回り込んで形成される「保持部」と「樹脂部」を接着することを主たる目的として塗布されるシランカップリング剤、チタネート、ジルコネート、アルミネート系の前記接着用カップリング剤よりなるプライマー層に定着良く固定することが可能と成り得る。
よって、本発明にかかる印刷用孔版の開口部に安定した撥水撥油性の表面を付与することが可能となり得る。
さらに前記フッ素を含有するカップリング剤は概ね10〜20nmの薄膜で形成することが可能であり、孔版の開口パターンの形状精度の劣化を抑制することも可能である。
本発明の一実施形態にかかる前記「樹脂部」や「保持部」含めて印刷性を向上させる目的で撥水撥油層を形成する為に別途塗布されるフッ素を含有するカップリング剤等は、液状の出発材料(カップリング剤液)を不織布等に浸透させた後手塗りや刷毛塗り、スキージ塗り、ローラ塗り塗布してもよく、スプレーなどで噴霧してもよく、さらには孔版を前記カップリング剤にディップしても良く、バーコーター、スピンコーターを使用しても、スクリーン印刷で塗布しても良く、さらには、抵抗加熱法などの真空プロセスで塗布してもよくその塗布方法は特に限定されず適宜選択実施することができる。
本発明の他の実施形態として、前記撥水撥油層は、例えばCFやCなど少なくともフッ素を含む原料ガスを真空中や大気圧中でプラズマ化(大気圧プラズマ)して、「樹脂部」や「保持部」にフッ素を付与またはフッ素を含む層を形成塗布するものでも良い。
本発明の実施形態にかかる撥水撥油層は、印刷用孔版のプリント基板面、印刷パターン開口部断面、スキージ面等、印刷用途の必要に応じて適宜形成することができる。
本発明にかかる構造体は、スクリーンオフセット版、凹版や凸版、グラビア印刷版にも有効に適用することが可能である。
本発明の一実施形態にかかる構造体は、通常は樹脂層(フィルム等)の貼り合わせが困難な基材に対して、カップリング剤を介して、樹脂層を密着良く貼り合わせるものであり、前記基材(の樹脂固定表面)について、カップリング剤を固定するための官能基の生成が希薄な場合、前記基材の表層に本発明の一実施形態にかかる少なくともSi、N、O、Ti、Al、Zrのうち少なくとも1つの元素を含む非晶質炭素膜、またはSi、Ti、Al、Zr、O、Nのうち少なくとも1つの元素を含む、スパッタリング法、蒸着法、又は大気圧プラズマ法のいずれにより形成された薄膜を前記カップリング剤の固定用プラーマーとして形成するものであり、本発明のかかる印刷用孔版に限定されず、それ以外の多様な用途に適宜適用が可能である。
例えば、被印刷体としての被印刷基板(ガラスエポキシなどのリジットタイプやポリイミド製などのフレキシブル基板)や、微小部品などの外形同様にパターニングされて、当該微小部品を保持、整列、搬送する目的の無機材料よりなる冶具等に、各種樹脂部から成るクッション層、シリコーン樹脂等の粘性のある弱粘着保持層などを形成する場合に同様に有効に利用することが可能となり得る。
以下、本発明について、実施例を用いて説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
(実施例1、2)
〈試料の準備〉
100mm×100mmの矩形で、厚さ100μmのSUS304製ステンレス鋼を準備し、公知のレーザ光により、印刷パターン開口部として、矩形で200μm×200μmの開口部を概ね500μm間隔の隣接で形成を行った後、バリを除去し、フッ酸を主成分とするエッチィング液に浸漬してドロスを除去し、続いて公知の電解研磨法にてスマットを除去して、表面をRa:0.05μm程度に平滑化したものを作成した(以下、単に「ステンレス鋼」とする)。
また、基材として公知の電鋳法でスルファミン酸Ni浴から電解で形成した100mm×100mm、矩形のNi電鋳箔厚さ50μmで矩形200μm×200μmの開口部を500μmの間隔で形成したものも、同様準備をした(以下、単に「Ni電鋳箔」とする)。
続いて、公知のフォトリソグラフィー法でパターン形成可能な公知の直間法の感光性フィルム(株式会社ムラカミ製のジアゾ系直間フィルムMS-DXF35)厚さ35μmと、通常メッシュ等に液体状乳剤をバケットなどで塗布するスラリー状の感光性乳剤(王子タック株式会社製 S-100 酢酸ビニル系エマルジョン13%、ポリビニルアルコール8%、光重合性樹脂14% 水65%)及び装置を準備した。
また、接着用に信越化学社製シランカップリング剤KBP-40(アミノシラン系化合物の7%エタノール溶液)とKBP-90(水希釈型)を準備した。
また、東レ−ダウコーニング製のエポキシ系カップリング剤Z-6040(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)も準備した。
〈直間法フィルム乳剤の密着性評価〉
最初に、前記ステンレス鋼とNi電鋳箔の試料をIPA(イソプロピルアルコール)で超音波洗浄した後、シランカップリング剤KBP-40とKBP-90をそれぞれに塗布した後、前記直間法の乳剤フィルム(株式会社ムラカミ製MS-DXF35 厚さ35μm)を貼り付け、常温(35℃未満)で2時間放置し接着反応をさせた。
その結果、前記ステンレス鋼にKBP-40を塗布してから貼り合わせたもの(実施例1)、及び前記の電鋳法でスルファミン酸Ni浴から電解で形成したNi電鋳箔にKBP-40を塗布してから貼り合わせたもの(実施例2)は、乳剤との接着が上手くできたが、KBP-90(水希釈型)を塗布してから貼り合わせたものは、乳剤を接着できない状態が確認された。
ここで、KBP-90については接着不能であることから、水の存在がカップリング剤塗布後の乾燥と皮膜の形成、結合反応にマイナスの効果を与えていることが確認できる。以降、乳剤フィルムの貼り付けにはKBP-40でのみ評価を進めた。
〈液状乳剤の密着性評価〉
(実施例3〜5)
感光性乳剤(王子タック株式会社製 S-100 酢酸ビニル系エマルジョン13%、ポリビニルアルコール8%、光重合性樹脂14% 水65%)に、信越化学社製シランカップリング剤KBP-90(水希釈型)を3%混合した液体状の前記混合液を、前記ステンレス鋼にバケットの縁部から均一に供給する方法で塗布したもの(実施例3)、及び前記Ni電鋳箔に塗布したもの(実施例4)を作成し、また、エポキシ系カップリング剤Z-6040を前記感光性乳剤 S-100に3%混合したものを前記ステンレス鋼に同様に塗布したもの(実施例5)も作成し、実施例1,2と同様に、密着性を評価した。
その結果、実施例3、4、5とも全て乳剤が基材に層状に密着することが確認できた。
〈剥離試験〉
続いて、実施例1〜3の乳剤層が形成された状態のものに、概ね矩形で5mm程度の間隔で、カッターナイフで形成した乳剤層の厚み部分に切り目を入れ、IPA(イソプロピルアルコール)を満たした超音波洗浄機槽に浸漬させ、超音波を総計10分間、また総計20分間印加し、乳剤の剥がれを確認した。
超音波を10分間印加したものは実施例1〜3において剥離は確認できなかった。さらに超音波を総計で20分間印加したものは、実施例2の乳剤層の矩形の一部が剥離していることが確認できた。
なお、超音波洗浄機は株式会社エスエヌヂィ製のUS-20KSを用い、発振38kHz(BLT 自励発振)、高周波出力480Wの条件で行った。超音波洗浄は、圧電振動子からの振動によって局部的に激しい振動を発生させIPA中にキャビティ(空洞)が発生する。このキャビティが基材表面でつぶれるときに基材表面に対して大きな物理的衝撃力を発生させるので、基材に形成された膜の密着力などを確認するのに好適である。
また、IPAは印刷用孔版の印刷使用後の清掃など、また印刷前や印刷中に滲んだインクなどを清掃するのに使用されるため、今回の試験に使用している。
以上のことから、Ni電鋳めっき皮膜よる成る基材に直接カップリング剤を塗布したものは、印刷用孔版の構造体として使用することは可能ではあるが、ステンレス鋼に比べ乳剤の密着性に乏しいことが確認できた。
これはNiめっきで形成される基材の皮膜は、そのカップリング剤が塗布される表層に公知の反応性に乏しい不導態層が厚く強固に形成されることからも、カップリング剤の固定能力に乏しいことが推定、立証できた。
続いて、前記ステンレス鋼とNi電鋳箔の試料をIPAで超音波洗浄した後、KBP-40を塗布せずに、前記乳剤S-100(液状乳剤)、ジアゾ系直間フィルムMS-DXF35(フィルム乳剤)からなる乳剤層を形成したものは、IPA中で超音波を印加するまでもなく全く接着しないことを確認した。
(実施例6〜15)
実施例1、2と同様に、ステンレス鋼とNi電鋳箔の基材を準備した。
ついで、表層にSi−OHなどのカップリング剤の結合に寄与する極性の官能基を形成する目的で、以下の1)〜5)の処理を行ったものを準備した。
1)実施例1のステンレス鋼と実施例2のNi電鋳箔のそれぞれに、公知の大気圧プラズマ装置で大気(主に窒素と酸素)プラズマを1分間照射し、10分間程度冷却した後、シランカップリング剤KBP-40を塗布し、前記直間法の乳剤フィルムMS-DXF35 厚さ35μmを常温で貼り付け接着反応をさせたもの(実施例6、7)。
2)実施例1のステンレス鋼と実施例2のNi電鋳箔を、それぞれ高圧パルスプラズマCVD装置に投入し、CVD装置の反応容器を1×10−3Paまで真空減圧した。次に、この真空減圧後のCVD装置に、流量30SCCM、ガス圧1Paでアルゴンガスを導入し、印加電圧−4kVp、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件で、アルゴンガスプラズマによりステンレス鋼基材及びNi電鋳基材をクリーニングした。次に、アルゴンガスを排気した後、当該CVD装置に、流量30SCCM、ガス圧1Paでトリメチルシランガスを導入し、印加電圧−4kVp、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件でプラズマし、ステンレス鋼基材上にSiを含有する非晶質炭素膜を5分間形成した後、トリメチルシランガスを排気し、ステンレス鋼基材及びNi電鋳箔基材上にSiを含有する非晶質炭素膜を形成し、さらに、それぞれのSiを含む非晶質炭素膜上に、シランカップリング剤KBP-40を塗布し、前記直間法の乳剤フィルム MS-DXF35 厚さ35μmを常温で貼り付け接着反応をさせた(実施例8、9)。
3)前記実施例8、9において、真空ブレイクせずにトリメチルシランガスを排気した後、当該CVD装置に、流量30SCCM、ガス圧1Paで酸素ガスを導入し、印加電圧−3kVp、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件で酸素プラズマを生成し、ステンレス鋼基材及びNi電鋳基材上のSiを含有する非晶質炭素膜に酸素を1分間導入し、ステンレス鋼基材及びNi電鋳基材の表面に、Si及びOを含む非晶質炭素膜を形成した。その後、真空装置を常圧に戻し、基材を取り出した後、ステンレス鋼基材及びNi電鋳箔基材上に、シランカップリング剤KBP-40を塗布し、前記直間法の乳剤フィルム MS-DXF35 厚さ35μmを常温で貼り付け接着反応をさせた(実施例10、11)。
4)SRDS-7000T型汎用小型成膜装置(サンユー電子製)の反応容器中に設けられているターンテーブルに実施例1等で使用したものと同様の「ステンレス鋼」基材又、「Ni電鋳箔」基材のそれぞれを配置し、当該反応容器内を1×10−4Paまで真空排気した後、流量100sccm、ガス圧10PaのArガスを用い、RF出力100W、右回りの試料台回転数10rpm、試料台温度=R.T.(加温、水冷なし)の条件にて、基材を1分間逆スパッタリングした。続いて、流量100SCCM、ガス圧2PaのArガスを用いて、出力DC400WにてTS間距離100mm、オフセット40mm、右回りの試料台回転数10rpm、左5RPMのマグネット遥動、試料台温度=R.T.(加温、水冷なし)にて3分間スパッタリングを行い、大気開放時はNガスによるリーク約3分間の条件において、Tiの薄膜層を基材の試料面に堆積させた。Tiターゲットはソニーケミカルインフォメーションデバイス株式会社製(2N8 101.6Dx5t DB)を使用した。このようにしてTiの薄膜層が形成されたステンレス鋼基材及びNi電鋳箔基材に、シランカップリング剤KBP-40を塗布し、前記直間法の乳剤フィルム MS-DXF35 厚さ35μmを常温で貼り付け接着反応をさせた(実施例12、13)。
5)SRDS-7000T型汎用小型成膜装置(サンユー電子製)の反応容器中に設けられているターンテーブルに、実施例1等で使用したものと同様の「ステンレス」鋼基材及び「Ni電鋳箔」基材のそれぞれを、Alターゲットと互いに対抗するように設置し、反応容器を1×10−4Paまで真空排気した。続いて実施例12、13と同条件で基材の逆スパッタリングを行い、流量100sccm、圧力3PaのArガスをスパッタリングガスとして導入し、出力DC400W、TS距離100mm、OFS55mm、試料台回転数10rpmの条件で、5分間、スパッタリングを行い、基材にアルミニウム薄膜層を形成した。なお、Alターゲットは、株式会社高純度化学研究所製、Al 4N 4“φ×5t 純度99.99%を使用した。
このようにして得られたアルミニウム薄膜層が形成されたステンレス鋼基材及びNi電鋳箔基材上に、シランカップリング剤KBP-40を塗布し、前記直間法の乳剤フィルム MS-DXF35 厚さ35μmを常温で貼り付け接着反応をさせた(実施例14、15)。
実施例6〜15の乳剤層が形成された状態のものに、前述の剥離試験を行ったと同様に、概ね矩形で5mm程度の間隔で形成した乳剤部にカッターナイフで切り目を入れ、IPA(イソプロピルアルコール)を満たした超音波洗浄機槽に浸漬させ、超音波を総計10分間また総計20分間印加し、乳剤の剥がれを確認した。
その結果、超音波を10分間印加したものは実施例6〜15において全て剥離は確認できなかった。さらに超音波を総計で20分間印加したものも実施例6〜15において全て剥離は確認できなかった。
このことはNiめっき皮膜のように不導態層を伴いカップリング剤の固定が困難な基材について、または、樹脂など、基材が有機高分子材料でその表層に官能基が極めて乏しい基材などにカップリング剤を介して乳剤層を形成する場合、前記Niに大気圧プラズマや水酸基等の官能基を表層に有する皮膜をプライマー層として形成することが有効であることを示していると言える。
なお、今回は水酸基を形成しやすい材料としてSi、Ti、Alが公知になっているため、それぞれ前記元素を含む代表的な皮膜を実施例にて作成し検証したが、水酸基を発生しやすいZrなど公知の金属をプライマー層として使用し得ることを示唆している。当然、Niにステンレスなどの合金をプライマーとして形成することも当然可能である。
なお、今回はステンレス鋼基材について、必要に応じて前記官能基を表層に有する皮膜をプライマー層として敢えて形成することは有効であると言えることになる。
今回の剥離試験においては、実施例10、11のSiとO(酸素)を含むプライマー層にカップリング剤を介して、乳剤を形成したものは、最終的に総計60分間の超音波洗浄を行っても乳剤の剥離を確認することができず、Si酸化物からなるカップリング剤の強力な固定能力が確認できている。
なお、前記実施例1〜15の各基材の印刷パターン開口部を塞ぐように一旦貼り付けた(塗布した)乳剤については、光線をパターン状に走査させて乳剤を必要パターン状に感光させる直接描画装置メーカ;(株)SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ 型式:LI-5F-B(CE,KC)(3head)を使用して600mJ/cmで露光し、公知の方法で現像し、各実施例基材であるステンレス鋼やNi電鋳箔のパターンと同様のパターンを形成した乳剤に形成した。
いずれの実施例においても、カップリング剤を介して基材に貼り付けた乳剤層が露光現像可能であり。、各基材と同様の開口パターンが形成できたことを確認している。
また、100mm×100mmの矩形で、厚さ100μmのSUS304製ステンレス鋼、及びNi電鋳箔を準備し、公知のレーザ光による印刷パターン開口部、矩形で200μm×200μmの開口部を概ね500μm間隔の隣接で形成を行っているが、実施例1〜15全ての基材であるステンレス鋼及びNi電鋳箔の全体パターン中3箇所、隣接する矩形の開口パターンまでの間部分の乳剤部まで露光・現像して除去し、穴の空いていない基材の表面を露出させることにより、基材であるステンレス鋼及びNi電鋳箔により、一度乳剤層をカップリング剤で貼り合わせた後に、不要な部分の乳剤層を露光・現像のより除去し基材を露出させて形成する印刷用孔版の「リブ部」が形成可能であることも併せて検証した。
ここまでの検証で、例えば硬く延性に乏しい印刷用孔版基材に有効に樹脂からなる緩衝層が形成可能なことは確認できた。
さらに例えば、非晶質炭素膜は、その耐磨耗性、摺動性、耐薬品性、UV吸収性、HO、O、Hなどのガスバリア性の本来の物性を有し、多様な素材に形成可能で、かつ良好な密着性があることが公知になっており、多様な無機材料、または有機材料またはその複合材料含めて接着の為のプライマー層(中間層)、保護層とすることが可能である。
ここで、他の無機材料よりなる基材の代表として、コバール(構成元素Ni29.0 Fe53.0 Co17)、並びにスライドガラス(松浪硝子工業株式会社製のMICRO SLIDE GLASS(品番S1111)、Size:76×26mm、Thickness:0.8〜1.0mm、Pre-Cleaned:白縁磨 No.1)を前記高圧パルスプラズマCVD装置のステンレス鋼よりなり通電可能な電極兼試料台に配置し、前記試料台にパルス電圧を印加する方式で、実施例8〜11を作成したのと同様条件でSi、またSiとOを含む非晶質炭素膜を含む本発明にかかるプライマー層を形成できることを確認した。
また、有機材料、有機材料と無機材料の複合材料(FRPやCFRP)から成る基材に無機材料である非晶質炭素膜等を介して有機高分子化合物である本発明にかかる感光性乳剤が接着可能であることを確認するため、透明アクリル樹脂板(アクリサンデー社製のアクリサンデー板(色番001 透明))、ガラスとプラスチック複合材料としてAGCマテックス株式会社製のプラスチックとガラス一体成型品「ローサイト」、さらにカーボン強化プラスチック材料としてPAN炭素繊維(ポリアクリロニトリル繊維)を炭化して形成した繊維に不飽和ポリエステルをマトリクス樹脂として成型したCFRPを準備し、前記スライドガラス同様の高圧パルスプラズマCVD装置の成膜条件、但し、Siを含有する非晶質炭素膜の成膜時間を温度上昇を抑制するため1分間とした条件でSi、またSiとOを含む非晶質炭素膜を含む本発明にかかるプライマー層が形成できることを確認した。
以上の検証から、ガラスなどの無機材料や樹脂などの有機高分子材料、有機高分子材料と無機材料の複合材料も本発明にかかる印刷用孔版の「保持部」として使用可能なことが確認できた。
〈印刷試験〉
ステンレス鋼SUS304製で大きさが200mm×200mmの矩形で厚さ100μmのステンレス鋼板に、レーザ光にて250μm×250μmの矩形の開口パターンを250μmのスペース(間隔)をおいて形成した後、発生した金属溶融物をサンドペーパ及び酸処理で除去し、その後電解研磨を行い、表層をRa:0.04μm程度に平滑にした状態の孔版を得た。次いで得られた孔版の保持部に、実施例1と同様の方法で、前記保持部上に貼り付けた乳剤フィルム層(今回は厚さ15μmのもの)に同様の250μm×250μmの矩形の開口パターンを有する印刷用孔版を作成した(参考例1)。
なお、ステンレス鋼板より成る保持部に形成した全体パターン中3箇所、隣接する矩形の開口パターンまでの間(250μmのスペース部)を乳剤部まで露光現像により除去し、穴の空いていない保持部基材を露出させることにより、基材であるステンレス鋼板より成る「リブ部」を形成し、リブ部下への印刷時ハンダペーストの回り込み状態(印刷状態)も併せて確認した。
次に、参考例1と同様で乳剤層の塗布されていないステンレス鋼板より成る保持部のみの状態のもの(参考例2)を準備した。
さらに、参考例1の印刷用孔版にフッ素含有シランカップリング剤(フロロテクノロジー社のフロロサーフFG−5010Z130−0.2)を旭化成株式会社製のベンコット(製品名)を用いて被印刷基板面側に塗布し常温常圧で2日間乾燥させた。このようにして参考例3のサンプルを作成した。フッ素含有シランカップリング剤さ表面張力が非常に小さく、孔版の印刷パターン断面部(壁面)にも回り込んでいる。
さらに、参考例1の印刷用孔版を高圧パルスプラズマCVD装置に投入し、メタル部分に通電できるように電極をセットした。続いて、CVD装置の反応容器を1×10−3Paまで真空減圧した。次に、この真空減圧後のCVD装置に、流量30SCCM、ガス圧2Paでアルゴンガスを導入し、印加電圧−3kVp、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件で、アルゴンガスプラズマによりステンレス鋼基材をクリーニングした。次に、アルゴンガスを排気した後、当該CVD装置に、流量30SCCM、ガス圧2Paでトリメチルシランガスを導入し、印加電圧−4kVp、パルス周波数10kHz、パルス幅1μsの条件で15分間プラズマ成膜し、貼り付けた乳剤表面、および、開口部断面の乳剤(断面)とステンレス(断面)にSiを含有する非晶質炭素膜を形成した後、トリメチルシランガスを排気し、当該CVD装置に、流量30SCCM、ガス圧1Paで酸素ガスを導入し、印加電圧−3kVp、パルス周波数10kHz、パルス幅1μsの条件で酸素プラズマを生成し、ステンレス鋼板上のSiを含有する非晶質炭素膜に酸素を1分間導入し、ステンレス鋼製基材の表面に、Si及びOを含む非晶質炭素膜を形成した。次に、このようにしてSi及びOを含む非晶質炭素膜が形成された乳剤、及びステンレス鋼製基材の表面(非晶質炭素膜が形成された面)に、フッ素含有シランカップリング剤(フロロテクノロジー社のフロロサーフFG−5010Z130−0.2)を旭化成株式会社製のベンコット(製品名)を用いて孔版の被印刷基板面側に塗布した。このようにして参考例4のサンプルを作成した。
続いて、参考例1〜4の印刷用孔版を使ってハンダ印刷を各2基板分連続で印刷を行い、その後洗浄せずにさらに3基板分連続で印刷した各参考例の2基板印刷時、合計5基板印刷時のそれぞれの
1)孔版の開口部並びに
2)開口部の印刷基板面側(印刷基板面上)のエッジ部周辺
に残留するハンダ玉の状態を観察した。なお2基板印刷時に1),2)ともNGのものは印刷試験をその時点で中止した。
なお印刷テストは公知のハンダ印刷機を使用して下記の印刷条件で印刷テストを行った。
・スキージ印圧:0.05MPa
・スキージスピード:20mm/s
・クリアランス:0.4mm
・版離れ速度:10mm/s
・クリームハンダ:千住金属製 M705−GRN360−K2−V(Type4)
ハンダ玉の残りがあったものをNGとし、無いものをOKとした。
結果、参考例1では、
1)孔版の開口部 2基板印刷時:NG
2)開口部の印刷基板面側のエッジ部 2基板印刷時:NG
参考例2では、
1)孔版の開口部 2基板印刷時:OK 5基板目:NG
2)開口部の印刷基板面側のエッジ部 2基板印刷時:NG
参考例3では、
1)孔版の開口部 2基板印刷時:OK 5基板目:NG
2)開口部の印刷基板面側のエッジ部 2基板印刷時:NG
参考例4では、
1)孔版の開口部 5基板目:OK
2)開口部の印刷基板面側のエッジ部 5基板目:OK
の結果となった。
この結果から、ステンレス鋼「のみ」よりなる孔版保持部(従来の乳剤の貼付されていないもの)は、2基板目印刷時、印刷パターン貫通口部壁面のハンダ抜け性は良いが、乳剤をさらに貼付した参考例1は印刷パターン貫通口部壁面のハンダ抜け性が悪化していることが確認できた。さらに、参考例1は印刷パターン開口部のエッジ部でもハンダ玉の付着が確認でき、印刷性が悪いことが確認できた。
これは、今回検証においてはハンダペースト中のフラックス成分であるが、他に広く普及している油性のインクを使う孔版印刷において、本発明の一実施形態にかかる、孔版の保持部に追加貼付または形成される樹脂部分(有機高分子化合物)は、前記油性(炭化水素で構成されたインク成分)インクのバインダーなどと構成成分が似ているため、前記孔版の保持部に追加貼付または形成される樹脂部分に対して濡れ性が高く、当該部分において特にインクの残留を起こし易いためと考えることが可能である。
但し、今回のような油性のペーストに対しては、樹脂部分の表層を公知の技術で撥水撥油に改質することで、印刷性と樹脂部分によるクッション性や印刷基板の反り等に対しての変形追随性を有する高性能印刷用孔版が得られることが確認でき有効な検証となった。
一方、フッ素含有シランカップリング剤を塗布した参考例3は、参考例1に比べ印刷パターン貫通口部壁面のハンダ抜け性が改善していることが確認できた。
これは、孔版を構成するステンレス基材と乳剤とを貼り合わせる時点で既に、印刷パターン貫通口部壁面に既に回り込んで皮膜を形成しているステンレス鋼と乳剤の接着用のカップリング剤が、特にステンレス鋼の断面部分において今回別途塗布したフッ素含有シランカップリング剤の形成基盤となり、フッ素含有シランカップリング剤より成る撥水撥油層を強固に固定したためと考えることができる。一方開口部の印刷基板面側(印刷基板面上)のエッジ部周辺に残留するハンダ玉が観察できたのは、この部分(乳剤部上)にはステンレス鋼と乳剤の接着用のカップリング剤から成る膜は形成されておらず、今回別途塗布したフッ素含有シランカップリング剤より成る撥水撥油層が形成、強固に固定されていないためと考えることができる。
なお、参考例4のようにフッ素含有シランカップリング剤より成る撥水撥油層を強固に固定するプライマーを形成することで前記1)、2)の全部分で印刷性が向上したことが確認できた。
〈ブリッジ部のハンダ回りこみ確認〉
参考例1、3及び4の印刷用孔版を用いたいずれの印刷物も、乳剤が除去されたがステンレス鋼保持部のメタル部分をブリッジとして残した部分において、ハンダペースト(クリームハンダ)はブリッジ下でつながった状態となっていることも確認できた。
上記の検証結果から、例えば浮島状のパターン等、リブ部による保持が必要なパターンが存在し、これまではメッシュを浮島状パターンの保持部として必要とされる印刷用孔版に於ける前記メッシュ部を、前記浮島状のパターン部を保持する任意の形状、位置のリブを形成したメタル基材(保持部)に、リブ部を形成し、該リブ部下に一度貼り付けた乳剤を露光・現像して除去する方法で乳剤を張り合わせた2段構造を採ることで、前記メッシュをメタル板(リブ部を伴う本発明の保持部)に代替できることも確認できた。
<印刷用孔版への樹脂貼付による耐刷性向上確認>
本実施例においては、矩形枠体にメッシュスクリーンを介して電鋳パターン箔を張架した、いわゆるコンビネーション版を用い、以下のようにして、樹脂貼付による耐刷性向上を確認した。
縦横450mmの矩形枠体の中央部に、縦横240mmの矩形で形成された厚さ20μmの電解スルファミン酸Niめっき浴から形成したNi電鋳パターン箔をテトロンメッシュでコンビネーションした印刷用孔版を2版作成した。なお、テンションは双方とも24Nで形成している。
前記縦横240mmのNi電鋳箔のさらに中央部で150mm角の矩形エリアには、「コの字型」に開口した印刷パターン(開口線幅20μm)を、縦横2mmのスペースで、パターンエリア中央部の「十字形」のパターン無しリブ(幅概ね10mm幅程度の十字形)部以外に全面均等配置した印刷パターンとした。
なお「コの字」の平行の2本の線(長い方の線パターン)の長さは概ね400μ、2本の線に直交する中央部の1本の線パターン(短い方)の長さは概ね概ね200μmとした。
作成した2版の一方には、印刷用孔版のスキージ面側に、補強部分として、幅50mmのポリイミド製の粘着テープ(寺岡製作所製 カプトンテープ650S#25 総厚50μm フィルム厚25μm)を、印刷用孔版のNi電鋳箔のコンビネーション接着部に前記粘着テープ両端の短い側の辺が乗り上げないように、また粘着テープの双方の長い辺の概ね中央の中心線が、スクリーン印刷機のスキージが印刷用孔版のスキージ面をストロークして停止する位置(スキージが線状に該印刷用孔版と接触する線状のスキージエンド)となるように貼付し、実施例16とした。
また他方には、上記のポリイミド製の粘着テープを貼付せずに、比較例とした。
続いて実施例16、比較例共に繰り返し印刷試験を行った。
スクリーン印刷機(ニューロング精密工業製 LS−25GX)の印刷条件を
スキージ種類: メタル平スキージ
スキージ角度: 60°
印圧: 0.064MPa
スキージ速度: 10mm/s
ギャップ(印刷用孔版の印刷基板面と印刷基板シート面との距離):0.5mm
に設定し、粘度150Pa‘s/10rpmのAgペースト(Ag粒径の粒度分布中央がφ1μmのもの)を使用し繰り返し印刷を行い、版の耐刷性を比較した。
なお、印刷基板シートは、PETフィルム(東レ製、ルミラーT60 100μm厚)を使用した。
連続印刷の結果、比較例は、概ね100回印刷した時点でスキージストロークエンド部より破損し、印刷を中止した。これは、印刷用孔版に押し込まれたスキージの印刷用孔版への線状の接触部分の特にエッジ部(角部)が印刷用孔版を構成する薄いNi箔を破損したためと考えることができる。
一方、実施例16については、200回まで印刷を行ったが、版に破損等の異常は発生しなかった。
さらに、前記実施例16と同様のポリイミド製の粘着テープを貼り付けた印刷用孔版を作成し、高圧パルスプラズマCVD装置に投入し、メタル部分に通電できるように電極をセットした。続いて、CVD装置の反応容器を1×10−3Paまで真空減圧した。
次に、この真空減圧後のCVD装置に、流量30SCCM、ガス圧2Paでアルゴンガスを導入し、印加電圧−3kVp、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件で、アルゴンガスプラズマによりNi電鋳のスキージ面、また貼付したポリイミド粘着テープの表面をクリーニングした。
次に、アルゴンガスを排気した後、当該CVD装置に、流量30SCCM、ガス圧2Paでトリメチルシランガスを導入し、印加電圧−4kVp、パルス周波数10kHz、パルス幅1μsの条件で10分間プラズマ成膜し、ポリイミドテープ面とNi電鋳箔面(スキージ面側)にSiを含有する非晶質炭素膜を形成した後、トリメチルシランガスを排気し、当該CVD装置に、流量30SCCM、ガス圧2PaでCガスを導入し、印加電圧−3kVp、パルス周波数10kHz、パルス幅1μsの条件でプラズマを生成し、非晶質炭素膜を10分間形成し非晶質炭素膜がさらに形成可能なことを確認した。
非晶質炭素膜は、硬く、耐磨耗性に優れ、摩擦係数が非常に低いため、スキージ面に貼付したポリイミドテープの保護に加え、スキージからの印刷用孔版への摩擦引きずり抵抗を軽減し、印刷用孔版の耐刷性の向上、変形抑制に寄与できると言い得る。
なお、今回は保護樹脂テープとしてポリイミド粘着テープを印刷用孔版のスキージ面側のスキージストロークエンド付近に貼付したが、印刷用孔版の印刷基板面側含め印刷パターンエリア外の任意の印刷に支障の無い部分に貼付することが可能であり、材質も樹脂であればポリイミドに特に限定されない。
例えばガラスクロスなどの入った耐久性(剛性)の高いものなどが好適に使用可能である。
また、例えば液体状の樹脂を塗布してシート状等にして貼り付けすることも可能である。
さらに、前記樹脂の印刷用孔版のメタル部分への貼り合わせは本発明の実施形態にかかる非晶質炭素膜より成るカプリング剤用のプライマー層や接着用のカプリング剤が適宜使用可能であることも確認した。
さらに加えて、前記樹脂の印刷用孔版のメタル部分への貼り合わせをする際、貼り合わせる部分に於いて、樹脂の厚み分メタル部の厚みを公知の電鋳法で予め薄く形成して、あるいはエッチィングなどで除去することで樹脂部とメタル部の段差が発生しないようにすることも可能である。
このようにメッシュ一体型メタルマスクと異なり、メッシュ部からのパターン箔への剛性サポートの無い金属箔(得に40μの厚み未満の薄膜箔)のみで形成される印刷用孔版(メタルマスク)の耐刷性の向上にも一層本発明は寄与可能であることが確認できた。
なお、本件の構成は、通常の乳剤スクリーン版やメッシュ一体型メタルマスクなどメッシュを伴う印刷用孔版の耐刷性向上にも当然有効となり得る。

Claims (25)

  1. 印刷パターンが開口された、無機材料、有機材料又は無機と有機の複合材料からなる基材にカップリング剤層を介して膜厚100nm以上の有機高分子層が設けられていることを特徴とする印刷用孔版。
  2. 前記基材が、金属、アモルファス金属、樹脂、カーボン、ガラス、セラミックス、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ゴム、セルロースのうちのいずれか一つ又は複数の複合材料よりなる請求項1に記載の印刷用孔版。
  3. 前記金属が、Fe、Cu、Ni、Al、W、またはそれらの合金、ステンレス、Ni−Co、Ni−Cr、CRMO(クロムモリブデン鋼)のいずれか一つ又は複数の複合材料よりなる請求項2に記載の印刷用孔版。
  4. 前記樹脂が、PET、PEN、PMMA、OPP、ポリイミド、ポリイミドアミド、塩化ビニル、ポリカーボネートのうちのいずれかよりなる請求項2に記載の印刷用孔版。
  5. 前記基材の前記有機高分子層が形成されている部分の表面粗さが、Ra:0.03μm以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷用孔版。
  6. 前記カップリング剤層が、スキージ面側には形成されていない請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷用孔版。
  7. 前記基材の少なくとも1表面に無機材料からなる膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷用孔版。
  8. 前記無機材料よりなる膜が、少なくともケイ素、酸素、窒素、チタン、アルミニウム、ジルコニウムのうちの1つを含むことを特徴とする請求項7に記載の印刷用孔版。
  9. 前記無機材料よりなる膜が、非晶質炭素膜であることを特徴とする請求項7に記載の印刷用孔版。
  10. 前記基材が、前記印刷パターン部を保持するのに必要なリブを有し、該リブ部には、前記有機高分子層が貼り付けられていないこと、または、該リブ部には前記有機高分子層の膜厚が他の部分に比べ薄く形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の印刷用孔版。
  11. 前記開口された印刷パターンの断面部側面の少なくとも一部、またはリブ部の少なくとも一部にカップリング剤よりなる層が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の印刷用孔版。
  12. 前記基材が、プラズマ処理されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の印刷用孔版。
  13. 前記基材の表面に、プライマー層が形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の印刷用孔版。
  14. 前記プライマー層が、酸素、窒素、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムのいずれかを含む無機膜よりなる薄膜である請求項13に記載の印刷用孔版。
  15. 前記プライマー層が、酸素、窒素、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムのいずれかを含む非晶質炭素膜であることを特徴とする請求項13に記載の印刷用孔版。
  16. 前記プライマー層が、スパッタリング、蒸着、又は大気圧プラズマ法のいずれかにより形成された、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムのいずれかを含む薄膜であることを特徴とする請求項13に記載の印刷用孔版。
  17. 前記有機高分子層がフッ素を含むか、あるいは前記有機高分子層の表層に直接又はプライマー層を介して間接にフッ素を含む撥水撥油膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の印刷用孔版。
  18. 前記フッ素を含む撥水撥油膜が、フッ素含有カップリング剤よりなる薄膜であることを特徴とする請求項17に記載の印刷用孔版。
  19. 印刷パターンあるいはさらに該印刷パターン部を保持するのに必要なリブが形成された、無機材料、有機材料又は無機と有機の複合材料からなる基材に、膜厚100nm以上の有機高分子層が設けられている印刷用孔版の製造方法であって、
    前記基材表面にシランカップリング剤を塗布した後に、有機高分子層を塗布又は貼り付けることを特徴とする印刷用孔版の製造方法。
  20. 前記基材表面に、シランカップリング剤のアルコール溶液を用いて塗布することを特徴とする請求項19に記載の印刷用孔版の製造方法。
  21. 前記基材をプラズマ処理した後、該基板表面にシランカップリング剤を塗布することを特徴とする請求項19又は20に記載の印刷用孔版の製造方法。
  22. 前記基材又は前記プラズマ処理された基材表面に、プライマー層を形成した後、該プライマー層表面にシランカップリング剤を塗布することを特徴とする請求項19〜21のいずれか1項に記載の印刷用孔版の製造方法。
  23. 前記プライマー層として、酸素と、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムのいずれかを含有する非晶質炭素膜を形成することを特徴とする請求項22に記載の印刷用孔版の製造方法。
  24. 前記プライマー層として、スパッタリング、蒸着、又は大気圧プラズマ法のいずれかにより、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムのいずれかを含む薄膜を形成することを特徴とする請求項22に記載の印刷用孔版の製造方法。
  25. 前記有機高分子層の表層に直接又は前記プライマー層を介して間接にフッ素を含む撥水撥油膜を形成することを特徴とする請求項19〜24のいずれか1項に記載の印刷用孔版の製造方法。
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