JP2017037758A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】実際の燃料電池の運転中に精度良く触媒の有効表面積を推定可能な燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池システム10は、燃料電池20内の湿潤状態を推定し、燃料電池20の低電流域及び高電流域のそれぞれでの出力電流値及び出力電圧値を、湿潤状態が推定された前後の所定期間内に取得し、取得された出力電流値及び出力電圧値に基づいて、燃料電池内の酸化剤ガスの拡散抵抗を算出し、取得された低電流域での所定の電流値における出力電圧値に基づいて触媒の有効表面積の第1の推定値を算出し、推定された湿潤状態及び算出された拡散抵抗に基づいてマップを参照して有効表面積の第2の推定値を算出して、有効表面積の最終的な推定値を算出する。【選択図】図4
Description
本発明は、燃料電池システムに関する。
特許文献1には、燃料電池の出力の増大が要求された時に、燃料電池のカソード極に供給される酸化剤ガスの圧力変化に対する燃料電池の出力変化の割合に基づいて、カソード極の触媒の有効表面積を算出する手法が記載されている。
しかしながら、上記文献に開示される手法によれば、燃料電池が出力する電流値を一定に維持した状態で酸化剤ガスの圧力を増大させ、そのときの燃料電池の出力変化を読み取ることにより、酸化剤ガスの圧力変化に対する燃料電池の出力変化の割合が取得されると考えられる。この場合、この割合が取得された後に、燃料電池の出力が要求出力に到達するように燃料電池の電流値の増大が開始されると考えられる。このため、燃料電池の出力の増大が要求されてから燃料電池の出力が要求出力に到達するまでに、出力増大要求後直ちに電流値を増大させた場合に比べて、長い時間を要し、出力応答特性が悪化するおそれがある。従って、実際の燃料電池の運転中にこのような手法を実施し難いという問題があった。
本発明では、実際の燃料電池の運転中に精度良く触媒の有効表面積を算出可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明によれば、カソード極及びアノード極を備えた燃料電池と、前記カソード極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給部と、前記アノード極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、前記燃料電池内の湿潤状態を推定する湿潤推定部と、前記燃料電池の低電流域及び高電流域のそれぞれでの出力電流値及び出力電圧値を、前記湿潤状態が推定された前後の所定期間内に取得する取得部と、取得された前記低電流域及び高電流域でのそれぞれの前記出力電流値及び出力電圧値に基づいて、前記燃料電池内の前記酸化剤ガスの拡散抵抗を算出する拡散抵抗算出部と、前記カソード極の触媒の有効表面積と前記拡散抵抗との対応関係を前記湿潤状態毎に規定したマップを記憶した記憶部と、取得された前記低電流域での所定の電流値における前記出力電圧値に基づいて前記有効表面積の第1の推定値を算出し、推定された前記湿潤状態及び算出された前記拡散抵抗に基づいて前記マップを参照して前記有効表面積の第2の推定値を算出して、前記第1の推定値及び前記第2の推定値に基づいて、前記有効表面積の最終的な推定値を算出する表面積算出部と、を備えた燃料電池システムを提供できる。
低電流域の出力電圧値に基づいて有効表面積の第1の推定値を算出し、低電流域及び高電流域でのそれぞれの出力電流値及び出力電圧値に基づいて拡散抵抗を算出して、湿潤状態及び拡散抵抗に基づいて有効表面積の第2の推定値を算出して、第1の推定値と第2の推定値に基づいて、有効表面積の最終的な推定値を算出する。このため、実際の燃料電池の運転中に精度良く触媒の有効表面積を算出できる。
実際の燃料電池の運転中に精度良く触媒の有効表面積を算出可能な燃料電池システムを提供できる。
図1は、燃料電池システム10の構成を示す説明図である。この実施例は、燃料電池システムを車両に適用した例である。図1に示すように、燃料電池システム10は、燃料電池スタック(以下、燃料電池と称する)20、酸化剤ガス配管系30、燃料ガス配管系40、電力系50、及び制御ユニット60を含む。燃料電池20は、酸化剤ガスと燃料ガスの供給を受けて発電を行い、発電に伴う電力を発生する。酸化剤ガス配管系30は、酸化剤ガスとして、酸素を含む空気を燃料電池20に供給する。燃料ガス配管系40は、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池20に供給する。電力系50は、システムの電力を充放電する。制御ユニット60は、システム全体を統括制御する。
燃料電池20は、固体高分子電解質型であり、多数の単電池(セル)を積層したスタック構造を備えている。燃料電池20の単電池は、電解質からなるイオン交換膜の一方の面にカソード極(空気極)を有し、他方の面にアノード極(燃料極)を有している。カソード極とアノード極を含む電極には、例えば、多孔質のカーボン素材をベースに、白金Ptが触媒(電極触媒)に用いられている。カソード極の表面には、カソード側のガス拡散層が配置され、同様にアノード極の表面にもアノード側のガス拡散層が配置されている。さらにカソード側及びアノード側のガス拡散層を両側から挟み込むように一対のセパレータが設けられている。一方のセパレータの燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、他方のセパレータの酸化剤ガス流路に酸化剤ガスが供給されて、燃料電池20は電力を発生する。
燃料電池20には、出力電流及び電圧をそれぞれ検出する電流センサ2a及び電圧センサ2b、燃料電池20の温度を検出する温度センサ2cが取り付けられている。
酸化剤ガス配管系30は、エアコンプレッサ31、酸化剤ガス供給路32、加湿モジュール33、カソードオフガス流路34、及びエアコンプレッサ31を駆動するモータM1を有している。
エアコンプレッサ31は、モータM1により駆動され、外気から取り込んだ酸素を含む空気(酸化剤ガス)を圧縮して燃料電池20のカソード極に供給する。モータM1には、その回転数を検出する回転数検出センサ3aが取り付けられている。酸化剤ガス供給路32は、エアコンプレッサ31から供給される酸化剤ガスを燃料電池20のカソード極に導く。燃料電池20のカソード極からはカソードオフガスがカソードオフガス流路34を介して排出される。
加湿モジュール33は、酸化剤ガス供給路32を流れる低湿潤状態の酸化剤ガスと、カソードオフガス流路34を流れる高湿潤状態のカソードオフガスとの間で水分交換を行い、燃料電池20に供給される酸化剤ガスを適度に加湿する。カソードオフガス流路34は、カソードオフガスをシステム外に排気し、カソード極出口付近には背圧調整弁A1が配設されている。燃料電池20から排出される酸化剤ガスの圧力、即ちカソード背圧は背圧調整弁A1によって調圧される。カソードオフガス流路34における燃料電池20と背圧調整弁A1の間には、カソード背圧を検出する圧力センサ3bが取り付けられている。
燃料ガス配管系40は、燃料ガス供給源41、燃料ガス供給路42、燃料ガス循環路43、アノードオフガス流路44、水素循環ポンプ45、気液分離器46、水素循環ポンプ45を駆動するためのモータM2を有している。
燃料ガス供給源41は、燃料電池20へ燃料ガスである水素ガスを供給するタンクである。燃料ガス供給路42は、燃料ガス供給源41から放出される燃料ガスを燃料電池20のアノード極に導き、上流側から順にタンクバルブH1、水素供給バルブH2、FC入口バルブH3が配設されている。これらバルブは、燃料電池20へ燃料ガスを供給、遮断する電磁弁である。
燃料ガス循環路43は、未反応燃料ガスを燃料電池20へ還流させ、上流側から順に気液分離器46、水素循環ポンプ45、及び不図示の逆止弁が配設されている。燃料電池20から排出された未反応燃料ガスは、水素循環ポンプ45によって適度に加圧され、燃料ガス供給路42へ導かれる。燃料ガス供給路42から燃料ガス循環路43への燃料ガスの逆流は、逆止弁によって抑制される。アノードオフガス流路44は、燃料電池20から排出された水素オフガスを含むアノードオフガスや気液分離器46内に貯留された水をシステム外に排気し、排気排水弁H5が配設されている。
電力系50は、高圧DC/DCコンバータ51、バッテリ52、トラクションインバータ53、補機インバータ54、トラクションモータM3、補機モータM4を備えている。
高圧DC/DCコンバータ51は、バッテリ52からの直流電圧を調整してトラクションインバータ53側に出力でき、燃料電池20からの直流電圧又はトラクションインバータ53により直流に変換されたトラクションモータM3からの電圧を調整してバッテリ52に出力可能である。高圧DC/DCコンバータ51により、燃料電池20の出力電圧が制御される。
バッテリ52は、充放電可能な二次電池であり、余剰電力の充電や補助的な電力供給が可能である。燃料電池20で発電された直流電力の一部は、高圧DC/DCコンバータ51により昇降圧され、バッテリ52に充電される。バッテリ52には、その充電状態を検出するSOCセンサ5aが取り付けられている。
トラクションインバータ53、補機インバータ54は、燃料電池20又はバッテリ52から出力される直流電力を三相交流電力に変換してトラクションモータM3、補機モータM4へ供給する。トラクションモータM3は、車輪71、72を駆動する。トラクションモータM3には、その回転数を検出する回転数検出センサ5bが取り付けられている。補機モータM4は、各種補機類を駆動するためのモータであり、モータM1及びM2を総称したものである。
制御ユニット60は、CPU、ROM、及びRAMを含み、入力される各センサ信号に基づき、当該システムの各部を統合的に制御する。具体的には、制御ユニット60は、アクセルペダル80の回動を検出するアクセルペダルセンサ81、SOCセンサ5a、回転数検出センサ5bから送出される各センサ信号に基づいて、燃料電池20への要求出力を算出する。
制御ユニット60は、この要求出力を発生させるように燃料電池20の出力電圧及び出力電流を制御する。制御ユニット60は、トラクションインバータ53および補機インバータ54の出力パルスを制御して、トラクションモータM3および補機モータM4等を制御する。
ここで、燃料電池20は、カソード触媒層における触媒である白金の発電に有効な部分の表面積(以下、白金有効表面積と称する)が減少して出力電圧が低下する場合がある。白金有効表面積の減少は、例えば、経年的な使用時間の増加によって不可逆的に減少する場合や、被毒や水の影響により可逆的に減少する場合がある。本実施例では、制御ユニット60は白金有効表面積を算出する制御を実行する。この制御は、CPU、ROM、及びRAMにより機能的に実現される取得部61、湿潤推定部62、拡散抵抗算出部63、表面積算出部64、及び記憶部65により実行される。詳しくは以下で説明する。
図2は、制御ユニット60が実行する制御の一例を示すフローチャートである。この制御は、所定時間毎に繰り返し実行される。制御が開始されると、取得部61は、燃料電池20の低電流域及び高電流域のそれぞれの領域での出力電流値及び出力電圧値とを、所定期間内に取得したか否かを判定する(ステップS1)。低電流域及び高電流域でのそれぞれの出力電流値及び出力電圧値は、例えば以下のような場合に取得部61により所定期間内に取得される。アクセルペダル80が踏み込まれて、数秒以内に燃料電池20が停止状態又はアイドル運転から高電流域へ移行する加速時である。また、アクセルペダル80の踏み込み量が減少して数秒以内に燃料電池20が高電流域からアイドル運転又は停止状態へと移行する減速時である。燃料電池20の運転状態が低電流域及び高電流域を通過することにより、取得部61は低電流域及び高電流域でのそれぞれの出力電流値及び出力電圧値を取得できる。出力電流値及び出力電圧値の取得方法については、詳しくは以下に述べる。
図3は、燃料電池20の電流電圧特性を示したマップの例示図である。図3には、記憶部65に予め記憶された複数のIV曲線C1〜C4を示している。IV曲線C1〜C4は、予め実験により算出された、燃料電池20が取り得る電流電圧特性(IV特性)を示している。燃料電池20のIV特性は運転状態に応じて変化する。IV曲線C1〜C4については後述する。
低電流域での出力電流値及び出力電圧値は、以下のようにして取得する。低電流域内に設定された基準電流値IKが予め記憶部65に記憶されており、この基準電流値IKが低電流域での出力電流値として取得される。低電流域での出力電圧値は、電流センサ2aにより検出された出力電流値が基準電流値IKに到達した場合での燃料電池20の出力電圧値として取得される。ここで基準電流値IKは、燃料電池20のアイドル運転状態での出力電流値より大きい値に設定されている。図3では、低電流域での出力電圧値V1が取得される場合と、出力電圧値V1より大きい出力電圧値V4が取得される場合とを例示している。ここで、低電流域での出力電圧値は実測値であるため、図3に示すように出力電圧値V1及びV4はそれぞれIV曲線C1及びC4上にあるとは限らず、近似している場合がある。
高電流域での出力電流値及び出力電圧値は、以下のようにして取得する。高電流域に対応する高電圧域内に設定された基準電圧値VKLが予め記憶部65に記憶されており、この基準電圧値VKLが高電流域での出力電圧値として取得される。高電流域での出力電流値は、電圧センサ2bにより検出された出力電圧値が基準電圧値VKLに到達した場合での燃料電池20の出力電流値として取得される。図3では、高電流域での出力電流値I1が取得される場合と、出力電流値I1より小さい出力電流値I4が取得される場合とを例示している。ここで、上述したように、低電流域での出力電流値は実測値であるため、図3に示すように出力電流値I1及びI4はそれぞれIV曲線C1及びC4上にあるとは限らず、近似している場合がある。
尚、図3に示すように、燃料電池20の運転が許容される運転許容領域は、設計上の上限電流値UI及び下限電圧値LVにより規定されている。この上限電流値UI及び下限電圧値LVは、燃料電池システム10側の正常動作を確保することを考慮して規定されたものであり、燃料電池20の理論的に出力可能な最大電流値及び最低電圧値ではない。
「低電流域」とは、燃料電池20の出力電流が比較的小さく出力電圧が比較的大きい領域である。低電流域は、例えば、電流値がゼロとなる地点から上限電流値UIまでの間の領域の、前半の約4分の1の領域が相当する。低電流域は、燃料電池20の電圧低下の要因である、活性化過電圧、抵抗過電圧、及び濃度過電圧のうち、主に活性化過電圧の影響により電圧が低下する領域である。「中電流域」とは、燃料電池20の出力電流及び電圧が比較的中程度の領域である。中電流域は、主に抵抗過電圧の影響により電圧が低下する領域である。「高電流域」とは、燃料電池20の出力電流が比較的大きく出力電圧が比較的小さい領域である。高電流域は、電流値がゼロとなる地点から上限電流値UIまでの間の領域の、後半の約4分の1の領域が相当する。高電流域は、主に濃度過電圧の影響により電圧が低下する領域である。活性化過電圧とは、主にカソード電極での酸素の還元の際に消費される活性化エネルギーよる電圧の低下分である。抵抗過電圧とは、燃料電池20内の電解質膜、触媒層、ガス拡散層、セパレータ、及び集電板の内部抵抗による電圧の低下分である。濃度過電圧とは、燃料電池20のセルに供給される水分又はセル内で発生する生成水によるガス拡散抵抗の増大に起因した電圧の低下分である。
図2のフローチャートにおいて、ステップS1で否定判定がなされた場合には、制御ユニット60は本制御を終了する。ステップS1で肯定判定がなされた場合には、湿潤推定部62は、低電流域及び高電流域のそれぞれで出力電流値及び出力電圧値が取得されてから所定期間内に、ステップS1で取得された燃料電池20の低電流域での所定の電流値における出力電圧値に基づいて燃料電池20内の湿潤状態を推定する(ステップS2)。具体的には、湿潤推定部62は、低電流域での基準電流値IKにおける出力電圧値が閾値VK以上の場合には湿潤状態は過加湿と推定し、閾値VK未満の場合には湿潤状態は正常と推定する。湿潤状態が過加湿の場合とは、例えばフラッディングが発生している場合である。推定された湿潤状態は記憶部65に記憶される。このように低電流域での出力電圧値が比較的高い場合には湿潤状態は過加湿と推定され、比較的低い場合には正常と推定される理由は、以下による。低電流域での出力電圧値が大きいほど、活性化過電圧が小さいことを意味する。活性化過電圧の低下は、燃料電池20内の水分量の増大に起因するイオノマー内のイオン伝導の増大に関係していると考えられる。このため、低電流域での出力電圧値が大きいほど、燃料電池20内の水分量が多くあると考えられるからである。図3では、出力電圧値V4は閾値VK以上であり、出力電圧値V1が閾値VK未満の場合を例示している。
尚、低電流域での出力電流値と出力電圧値を取得して高電流域での出力電流値と出力電圧値等を取得する前に湿潤状態を推定してもよい。即ち、低電流域及び高電流域でのそれぞれの出力電流値及び出力電圧値を、湿潤状態が推定された前後の所定期間内に取得すれば、その順序は問わない。上記の所定期間内とは、白金の被毒量の変化や湿潤状態の変化に起因する白金有効表面積の変化を無視できる程度の期間である。即ち、所定期間内とは、燃料電池20の出力が上述のように変化した場合であっても白金有効表面積は大きく変化しないとみなせる期間である。
続いて、拡散抵抗算出部63は、ステップS1で取得された低電流域及び高電流域のそれぞれの領域での出力電流値及び出力電圧値に基づいて、燃料電池20内のガスの拡散抵抗を算出する(ステップS3)。具体的には以下の式1に基づき、拡散抵抗を算出する。
ガスの拡散抵抗=(4F×Po2)/(10RT×I)・・・式(1)
この式において、Fはファラデー定数である。Po2は、酸素分圧である。Rは気体定数である。Tは温度である。Iは、限界電流値であって、MEA(Membrane Electrode Assembly)に多孔質流路を備えたガス拡散層を介してアノード極及びカソード極にそれぞれ水素ガス・空気を供給して0.15Vの電圧が得られる場合の電流密度である。算出された拡散抵抗は、記憶部65に記憶される。拡散抵抗とは、燃料電池20内における酸化剤ガスの拡散の困難性を意味する。限界電流値は、ガス拡散抵抗を取得するために、所定の条件において拡散抵抗算出部63が取得するものであり、詳しくは以下に述べる。
ガスの拡散抵抗=(4F×Po2)/(10RT×I)・・・式(1)
この式において、Fはファラデー定数である。Po2は、酸素分圧である。Rは気体定数である。Tは温度である。Iは、限界電流値であって、MEA(Membrane Electrode Assembly)に多孔質流路を備えたガス拡散層を介してアノード極及びカソード極にそれぞれ水素ガス・空気を供給して0.15Vの電圧が得られる場合の電流密度である。算出された拡散抵抗は、記憶部65に記憶される。拡散抵抗とは、燃料電池20内における酸化剤ガスの拡散の困難性を意味する。限界電流値は、ガス拡散抵抗を取得するために、所定の条件において拡散抵抗算出部63が取得するものであり、詳しくは以下に述べる。
限界電流値は、図3に示した運転許容領域外にある。このため、以下のようにして取得される。拡散抵抗算出部63は、ステップS1で取得された低電流域及び高電流域のそれぞれの領域での出力電流値及び出力電圧値に基づいて、燃料電池20の電流電圧特性を把握する。次に拡散抵抗算出部63は、複数のIV曲線C1〜C4のうち把握された電流電圧特性に最も近似したIV曲線を特定する。IV曲線C1〜C4は、燃料電池20の運転状態毎に予め算出されて記憶部65に記憶されている。尚、記憶部65に記憶されているIV曲線は4つに限定されない。拡散抵抗算出部63は、特定されたIV曲線と、あらかじめ記憶部65に記憶されているIV曲線と限界電流値の相関関係を規定したマップを参照して、限界電流値を取得する。図3は、理解を容易にするために、IV曲線C1〜C4にそれぞれ対応した限界電流値IM1〜IM4を示している。例えば、低電流域の出力電圧値V1と高電流域での出力電流値I1が取得された場合には、IV曲線C1が特定されて、限界電流値IM1が取得される。低電流域の出力電圧値V4と高電流域での出力電流値I4が取得された場合には、IV曲線C4が特定されて、限界電流値IM4が取得される。
従って、本実施例では、実際に燃料電池20に限界電流値を出力させることなく、限界電流値が取得される。例えば実際に燃料電池20に限界電流値を出力させると、限界電流値は発電のための最適な条件ではないため、発電効率が低下するおそれがある。また、最大出力が要求された際に燃料電池20に限界電流値を出力させる場合、限界電流値を出力するまでに所定の期間を要し、出力の応答性が低下するおそれがある。このように、実際に燃料電池20に限界電流値を出力させた場合には、運転に影響を与える可能性がある。本実施例では、このような問題を生じさせずに限界電流値が取得されるため、上記のような運転への影響を防止できる。尚、ステップS2及びS3の実行の順序は問わない。
続いて、表面積算出部64は、記憶部65に予め記憶された、拡散抵抗と白金有効表面積との対応関係を規定したマップを参照して、白金有効表面積を算出する(ステップS4)。図4は、記憶部65に予め記憶された、拡散抵抗と白金有効表面積との対応関係を規定したマップの一例である。このマップは、予め実験により算出され記憶部65に記憶されている。初期状態の燃料電池20では、白金有効表面積は大きく拡散抵抗は小さい状態にあるため、両者の対応関係は図4のマップの右下に位置する。しかしながら、燃料電池20の運転に伴う可逆的及び不可逆的な性能低下により、白金有効表面積は減少し拡散抵抗は増大して、両者の対応関係は図4のマップの左上に推移する。推移の仕方は、湿潤状態に応じて異なる。このため、図4に示したマップでは、湿潤状態に応じた複数の曲線D1及びD4を規定している。曲線D1及びD4は、それぞれ、燃料電池20の湿潤状態が正常及び過加湿の場合での拡散抵抗と白金有効表面積との関係を規定している。拡散抵抗と白金有効表面積とは、下記理由により負の相関関係にある。拡散抵抗は、白金有効表面積が例えば白金の被毒により減少した場合には、反応に必要なガスが残された一部の白金表面に集中しようとするため、増大するからである。
曲線D1及びD4を参照すると、湿潤状態が正常の場合と過加湿の場合とで白金有効表面積が同じ場合には、過加湿の場合の方が拡散抵抗が大きいことを示している。過加湿の場合には、燃料電池20内の水分量によりガスの拡散が阻害される、すなわち拡散抵抗が増大するからである。
表面積算出部64は、ステップS2で推定された燃料電池20の湿潤状態に基づいて曲線D1及びD4の何れかを選択し、選択された曲線上にステップS3で算出された拡散抵抗の値をプロットしたときの白金有効表面積を把握する。このようにして、燃料電池20の湿潤状態を考慮して拡散抵抗に基づいて白金有効表面積を算出する。例えば、限界電流値IM1が取得され湿潤状態が正常と推定された場合には、曲線D1上に、限界電流値IM1に基づいて算出された拡散抵抗値K/IM1をプロットしたときの値を白金有効表面積S1として算出される。同様に、限界電流値IM4が取得され湿潤状態が過加湿と推定された場合には、曲線D4上に、限界電流値IM4に基づいて算出された拡散抵抗値K/IM4をプロットしたときの値を白金有効表面積S4として算出される。ここでKは、係数であり、上記の式(1)に基づいて、K=(4F×Po2)/(10RT)と規定される。尚、ステップS4で算出される白金有効表面積は、第2の推定値に相当する。
次に表面積算出部64は、ステップS1で取得された低電流域での出力電圧値に基づいて、白金有効表面積を算出する(ステップS5)。図5は、低電流域での出力電圧値と白金有効表面積との対応関係を規定したマップである。このマップは、予め実験により算出されて記憶部65に記憶されている。低電流域での出力電圧値と白金有効表面積とは略比例関係にあり、白金有効表面積も大きいほど、低電流域での出力電圧値が大きくなる。この理由は、低電流域での出力電圧値が大きいことは活性化過電圧が小さいことを意味し、白金への被毒量が少なく白金有効表面積が大きいほど、活性化過電圧が小さいからである。例えば、図5のマップの曲線上に出力電圧値V1をプロットしたときの値が白金有効表面積S1´として算出される。同様に、マップの曲線上に出力電圧値V4をプロットしたときの値が白金有効表面積S4´として算出される。尚、ステップS5で算出される白金有効表面積は、第1の推定値に相当する。
ここで、ステップS4及びS5でそれぞれ白金有効表面積S1及びS1´は、互いに異なる方法により算出されているため、値が異なっている場合が多い。白金有効表面積S4及びS4´についても同様である。従って、表面積算出部64は以下の処理を実行する。
表面積算出部64は、ステップS4及びS5に基づいて算出された白金有効表面積に基づいて、最終的な白金有効表面積を算出する(ステップS6)。具体的には、ステップS4及びS5においてそれぞれ算出された白金有効表面積の平均値が、最終的な白金有効表面積として算出される。最終的な白金有効表面積は、記憶部65に記憶され、ステップS1〜S6の制御が繰り返し実行される毎に、記憶部65に記憶された最終的な白金有効表面積が更新される。これにより制御ユニット60は、記憶部65に記憶された最終的な白金有効表面積に基づいて燃料電池20の運転状態を制御できる。
以上のようにステップS4及びS5においてそれぞれ異なる方法により算出された白金有効表面積を用いて、最終的な白金有効表面積が算出されるので、算出精度の低下が抑制される。ここで、白金有効表面積は、燃料電池20の電気化学反応、即ち燃料電池20の出力性能を決定する要因の一つである。このため、算出精度の低下が抑制された白金有効表面積に基づいて燃料電池20を最適に制御できる。また、製造コストの低減のためにカソード電極の白金の使用量を低減させた場合には、白金有効表面積の算出精度の低下を抑制することは重要である。
尚、最終的な白金有効表面積の算出は、ステップS4及びS5においてそれぞれ算出された白金有効表面積のうち、例えば、小さいほう又は大きいほうの白金有効表面積を、最終的な白金有効表面積として算出してもよい。また、例えば、ステップS4及びS5においてそれぞれ算出された白金有効表面積の一方に(1+k)を乗算した値と、他方に(1−k)を乗算した値との平均値を最終的な白金有効表面積として算出してもよい。この場合、kは0<k<1の値をとる定数である。
また、上述したように、ステップS4での白金有効表面積の算出に用いられる湿潤状態は、実際の燃料電池20の運転中に取得できる低電流域での所定の電流値における出力電圧値に基づいて推定される。また、拡散抵抗は、低電流域及び高電流域でのそれぞれの出力電流値及び出力電圧値に基づいて算出される。ステップS5での算出においても、実際の燃料電池20の運転中に取得できる低電流域での所定の電流値における出力電圧値に基づいて算出される。以上のように、実際の燃料電池20の運転中に取得できる出力電流値及び出力電圧値に基づいて白金有効面積を算出するので、燃料電池20の運転中でも精度よく触媒の有効表面積を推定できる。尚、ステップS4及びS5の実行の順序は問わない。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
湿潤状態の推定は、インピーダンスに基づいて推定してもよい。例えば、取得部61が取得したインピーダンスの抵抗成分が所定の閾値以上の場合には湿潤状態は正常状態であると推定し、インピーダンスの抵抗成分が所定の閾値未満の場合には湿潤状態は過加湿状態であると推定してもよい。ここでインピーダンスは、例えば交流インピーダンス法を用いて燃料電池20のインピーダンスの抵抗成分を測定する。燃料電池20に印加する電流の周波数が大きい場合(ω=∞)、インピーダンスは電解質膜抵抗であり、これによって湿潤状態を推定できる。
図4に示したように、湿潤状態が正常の場合と過加湿の場合とに対応した2つの曲線D1及びD4を示したが、湿潤状態毎に白金有効表面積と拡散抵抗との対応関係を湿潤状態毎に規定した曲線は、3つ以上あってもよい。この場合、より精度よく白金有効表面積を算出できる。
カソード触媒層における触媒は、純白金以外であってもよく、例えば白金合金であってもよい。
10 燃料電池システム
20 燃料電池
30 酸化剤ガス配管系
40 燃料ガス配管系
60 制御ユニット
61 取得部
62 湿潤推定部
63 拡散抵抗算出部
64 表面積算出部
65 記憶部
20 燃料電池
30 酸化剤ガス配管系
40 燃料ガス配管系
60 制御ユニット
61 取得部
62 湿潤推定部
63 拡散抵抗算出部
64 表面積算出部
65 記憶部
Claims (1)
- カソード極及びアノード極を備えた燃料電池と、
前記カソード極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給部と、
前記アノード極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
前記燃料電池内の湿潤状態を推定する湿潤推定部と、
前記燃料電池の低電流域及び高電流域のそれぞれでの出力電流値及び出力電圧値を、前記湿潤状態が推定された前後の所定期間内に取得する取得部と、
取得された前記低電流域及び高電流域でのそれぞれの前記出力電流値及び出力電圧値に基づいて、前記燃料電池内の前記酸化剤ガスの拡散抵抗を算出する拡散抵抗算出部と、
前記カソード極の触媒の有効表面積と前記拡散抵抗との対応関係を前記湿潤状態毎に規定したマップを記憶した記憶部と、
取得された前記低電流域での所定の電流値における前記出力電圧値に基づいて前記有効表面積の第1の推定値を算出し、推定された前記湿潤状態及び算出された前記拡散抵抗に基づいて前記マップを参照して前記有効表面積の第2の推定値を算出して、前記第1の推定値及び前記第2の推定値に基づいて、前記有効表面積の最終的な推定値を算出する表面積算出部と、を備えた燃料電池システム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015157452A JP2017037758A (ja) | 2015-08-07 | 2015-08-07 | 燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2015157452A JP2017037758A (ja) | 2015-08-07 | 2015-08-07 | 燃料電池システム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017037758A true JP2017037758A (ja) | 2017-02-16 |
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ID=58047967
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2015157452A Pending JP2017037758A (ja) | 2015-08-07 | 2015-08-07 | 燃料電池システム |
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|---|---|
| JP (1) | JP2017037758A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2022096769A (ja) * | 2020-12-18 | 2022-06-30 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池の出力電圧予測システムおよび予測方法 |
-
2015
- 2015-08-07 JP JP2015157452A patent/JP2017037758A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2022096769A (ja) * | 2020-12-18 | 2022-06-30 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池の出力電圧予測システムおよび予測方法 |
| JP7472773B2 (ja) | 2020-12-18 | 2024-04-23 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池の出力電圧予測システムおよび予測方法 |
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