JP2017036477A - オーステナイト系耐熱合金部材およびその製造方法 - Google Patents
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C:0.020〜0.120%、
Si:2.00%以下、
Mn:3.00%以下、
P:0.030%以下、
S:0.010%以下、
Cr:20.0%以上28.0%未満、
Ni:35.0%を超えて55.0%以下、
Co:0〜20.0%、
W:4.0〜10.0%、
Ti:0.01〜0.50%、
Nb:0.01〜1.00%、
Mo:0.50%未満、
Al:0.30%以下、
N:0.100%未満、
残部:Feおよび不純物
である化学組成を有する鋼塊または鋳片に、熱間加工が施された合金部材であって、
前記合金部材の長手方向と垂直な断面において、中心部から外面部までの長さが40mm以上であり、
前記外面部におけるオーステナイト結晶粒度番号が−2.0〜4.0であり、
抽出残渣分析によって得られるCr析出量が下記(i)式を満足し、
常温での機械的特性が下記(ii)式および(iii)式を満足し、
前記中心部における前記長手方向の700℃における10,000時間クリープ破断強度が100MPa以上である、オーステナイト系耐熱合金部材。
CrPB/CrPS≦10.0 ・・・(i)
YSS/YSB≦1.5 ・・・(ii)
TSS/TSB≦1.2 ・・・(iii)
但し、上記式中の各記号の意味は以下のとおりである。
CrPB:中心部において抽出残渣分析によって得られるCr析出量
CrPS:外面部において抽出残渣分析によって得られるCr析出量
YSB:中心部における0.2%耐力
YSS:外面部における0.2%耐力
TSB:中心部における引張強さ
TSS:外面部における引張強さ
<1>Mg:0.0500%以下、Ca:0.0500%以下およびREM:0.50%以下
<2>V:1.5%以下、B:0.0100%以下、Zr:0.10%以下およびHf:1.0%以下
<3>Ta:8.0%以下、Re:8.0%以下
その後、1100〜1250℃の範囲の熱処理温度T(℃)まで加熱し、1000D/T〜1400D/T(min)保持した後、水冷する熱処理を施す工程とを備える、オーステナイト系耐熱合金部材の製造方法。
但し、Dは、合金部材の長手方向と垂直な断面における、当該断面の外縁上の任意の点と該外縁上の他の任意の点との直線距離の最大値(mm)である。
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
Cは、炭化物を形成してオーステナイト系耐熱合金部材として必要な高温引張強さ、クリープ破断強度を保持する上で必須の元素である。そのため、C含有量は0.020%以上とする必要がある。しかしながら、その含有量が0.120%を超えると、未固溶炭化物が生じるだけでなく、Crの炭化物が増えて延性、靭性などの機械的性質および溶接性を劣化させる。したがって、C含有量は0.020〜0.120%とする。C含有量は0.050%以上であるのが好ましく、0.100%以下であるのが好ましい。
Siは、脱酸元素として含有される。また、Siは、耐酸化性、耐水蒸気酸化性等を高めるためにも有効な元素である。さらに鋳造材で湯流れを良好にする元素でもある。しかしながら、Si含有量が2.00%を超えると、σ相等の金属間化合物の生成を促進するので、高温における組織の安定性が劣化して靱性および延性の低下を招く。さらに、溶接性も低下する。したがって、Si含有量は2.00%以下とする。組織安定性が重視される場合には、Si含有量は1.00%以下にすることが好ましい。なお、他の元素で脱酸作用が十分確保されている場合、特にSi含有量について下限を設ける必要はない。しかし、脱酸作用、耐酸化性、耐水蒸気酸化性などを重視する場合は、Si含有量は0.05%以上とするのが好ましく、0.10%以上とするのがより好ましい。
Mnは、Siと同様に脱酸作用を有するとともに、合金中に不可避的に含有されるSを硫化物として固定して高温での延性を改善する作用を有する。しかしながら、Mn含有量が3.00%を超えると、σ相等の金属間化合物の析出を助長するので、組織安定性および高温強度などの機械的性質が劣化する。したがって、Mn含有量は3.00%以下とする。Mn含有量は2.00%以下であるのが好ましく、1.50%以下であるのがより好ましい。なお、Mn含有量について下限を設ける必要はないが、高温での延性改善作用を重視する場合は、Mn含有量は0.10%以上とするのが好ましく、0.20%以上とするのがより好ましい。
Pは、不純物として合金中に不可避的に混入し、溶接性や高温での延性を著しく低下させる。したがって、P含有量を0.030%以下とする。P含有量は極力低くすることがよく、0.020%以下とするのが好ましく、0.015%以下とするのがより好ましい。
Sは、Pと同様に不純物として合金中に不可避的に混入し、溶接性や高温での延性を著しく低下させる。したがって、S含有量を0.010%以下とする。熱間加工性を重視する場合には、S含有量は0.005%以下とするのが好ましく、0.003%以下とするのがより好ましい。
Crは、耐酸化性、耐水蒸気酸化性、耐高温腐食性などの耐食性改善に優れた作用を発揮する重要な元素である。しかしながら、その含有量が20.0%未満では、これらの効果が得られない。一方、Cr含有量が多くなって、特に、28.0%以上となると、σ相の析出などによる組織の不安定化を招き、溶接性も劣化する。したがって、Cr含有量は20.0%以上28.0%未満とする。Cr含有量は21.0%以上であるのが好ましく、22.0%以上であるのがより好ましい。また、Cr含有量は26.0%以下であるのが好ましく、25.0%以下であるのがより好ましい。
Niは、オーステナイト組織を安定にする元素であり、耐食性の確保にも重要な元素である。上記のCr含有量とのバランスから、Niは35.0%を超えて含有させる必要がある。一方、Ni含有量が過剰になるとコスト上昇を招くため、55.0%以下とする。Ni含有量は40.0%以上であるのが好ましく、42.0%以上であるのがより好ましい。また、Ni含有量は50.0%以下であるのが好ましく、48.0%以下であるのがより好ましい。
Coは必ずしも含有させる必要はないが、Niと同様オーステナイト組織を安定にし、クリープ破断強度向上にも寄与するため、Niの一部に代えて含有させてもよい。しかしながら、その含有量が20.0%を超えると効果が飽和し経済性も低下する。そのため、Co含有量は0〜20.0%とする。Co含有量は15.0%以下であるのが好ましい。なお、上記の効果を得たい場合は、Co含有量は0.5%以上とするのが好ましい。
Wは、マトリックスに固溶して固溶強化元素としてクリープ破断強度の向上に寄与するばかりでなく、Fe2W型のLaves相またはFe7W6型のμ相として析出し、クリープ破断強度を大幅に向上させる重要な元素である。しかしながら、W含有量が4.0%未満では、前記した効果が得られない。一方、10.0%を超える量のWを含有させても、強度向上効果は飽和するとともに組織安定性、高温での延性も劣化する。したがって、W含有量は4.0〜10.0%とする。W含有量は5.0%以上であるのが好ましく、5.5%以上であるのがより好ましい。また、W含有量は9.0%以下であるのが好ましく、8.5%以下であるのがより好ましい。
Tiは、炭窒化物を形成しクリープ破断強度を向上させる効果を有する元素である。しかしながら、Ti含有量が0.01%未満では十分な効果が得られず、一方、0.50%を超えると高温での延性が低下する。したがって、Ti含有量は0.01〜0.50%とする。Ti含有量は0.05以上とするのが好ましく、0.10%以上とするのがより好ましい。また、Ti含有量は0.40%以下とするのが好ましく、0.35%以下とするのがより好ましい。
Nbは、炭窒化物を形成してクリープ破断強度を向上させる作用を有する。しかしながら、Nb含有量が0.01%未満では十分な効果が得られず、一方、1.00%を超えると、高温での延性が低下する。したがって、Nb含有量は0.01〜1.00%とする。Nb含有量は0.10%以上であるのが好ましい。また、Nb含有量は0.90%以下であるのが好ましく、0.70%以下であるのがより好ましい。
従来、Moは、マトリックスに固溶して、固溶強化元素としてクリープ破断強度の向上に寄与する元素として、Wと同等の作用を有する元素と考えられてきた。しかしながら、本発明者らの検討によって、前述した量のWとCrとを含む合金にMoが複合して含まれている場合には、長時間使用した際にσ相が析出することがあり、このため、クリープ破断強度、延性および靱性の低下をきたすことがあることが判明した。このため、Mo含有量は極力低くすることが望ましく、0.50%未満とする。なお、Mo含有量は0.20%未満に制限することがより好ましい。
Alは、溶鋼の脱酸剤として含有させる元素である。しかしながら、Al含有量が0.30%を超えると、高温での延性が劣化する。そのため、Al含有量は0.30%以下とする。Al含有量は0.25%以下であるのが好ましく、0.20%以下であるのがより好ましい。なお、上記の効果を得たい場合は、Al含有量は0.01%以上とするのが好ましく、0.02%以上とするのがより好ましい。
Nは、オーステナイト組織を安定化する作用を有する元素であり、通常の溶解法では不可避的に含まれる元素である。しかしながら、Tiの含有を必須としている本発明においては、TiN形成によるTiの消耗を避けるため極力低減する方がよい。しかし、大気溶解の場合は極度に低減することは困難であるため、N含有量は0.100%未満とする。
<1>Mg:0.0500%以下、Ca:0.0500%以下およびREM:0.50%以下
<2>V:1.5%以下、B:0.0100%以下、Zr:0.10%以下およびHf:1.0%以下
<3>Ta:8.0%以下、Re:8.0%以下
Mgは、高温での延性を阻害するSを硫化物として固定して高温延性を改善する作用を有するので、この効果を得るためにMgを含有させてもよい。しかしながら、Mg含有量が0.0500%を超えると、清浄性が低下し、かえって高温延性が損なわれる。したがって、含有させる場合のMgの量は0.0500%以下とする。Mg含有量は0.0200%以下とするのがより好ましく、0.0100%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Mg含有量は0.0005%以上とするのが好ましく、0.0010%以上とするのがより好ましい。
Caは、高温での延性を阻害するSを硫化物として固定して高温延性を改善する作用を有するので、この効果を得るためにCaを含有させてもよい。しかしながら、Ca含有量が0.0500%を超えると、清浄性が低下し、かえって高温延性が損なわれる。したがって、含有させる場合のCaの量は0.0500%以下とする。Ca含有量は0.0200%以下とするのがより好ましく、0.0100%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Ca含有量は0.0005%以上とするのが好ましく、0.0010%以上とするのがより好ましい。
REMは、Sを硫化物として固定して高温延性を改善する作用を有する。また、REMには、鋼表面のCr2O3保護皮膜の密着性を改善し、特に、繰り返し酸化時の耐酸化性を改善する作用、さらには、粒界強化に寄与して、クリープ破断強度およびクリープ破断延性を向上させる作用もある。しかしながら、REM含有量が0.50%を超えると、酸化物などの介在物が多くなり加工性および溶接性が損なわれる。したがって、含有させる場合のREMの量は0.50%以下とする。REM含有量は0.30%以下とするのがより好ましく、0.15%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、REM含有量は0.0005%以上とするのが好ましく、0.001%以上とするのがより好ましく、0.002%以上とするのがさらに好ましい。
Vは、炭窒化物を形成して高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。このため、これらの効果を得るためにVを含有させてもよい。しかしながら、V含有量が1.5%を超えると、耐高温腐食性が低下し、さらに脆化相の析出に起因した延性および靱性の劣化をきたす。したがって、含有させる場合のVの量は1.5%以下とする。V含有量は1.0%以下とするのがより好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、V含有量は0.02%以上とするのが好ましく、0.04%以上とするのがより好ましい。
Bは、炭化物中またはマトリックスに存在し、析出する炭化物の微細化を促進するだけでなく、粒界を強化することでクリープ破断強度を向上させる作用を有する。しかしながら、B含有量が0.0100%を超えると、高温での延性が低下し融点も低下する。したがって、含有させる場合のBの量は0.0100%以下とする。B含有量は0.0080%以下であるのがより好ましく、0.0050%以下であるのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、B含有量は0.0005%以上とするのが好ましく、0.001%以上とするのがより好ましく、0.0015%以上とするのがさらに好ましい。
Zrは、炭窒化物の微細化を促進するとともに、粒界強化元素としてクリープ破断強度を向上させる元素である。しかしながら、Zr含有量が0.10%を超えると、高温での延性が低下する。したがって、含有させる場合のZrの量は0.10%以下とする。Zr含有量は0.06%以下であるのがより好ましく、0.05%以下であるのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Zr含有量は0.005%以上とするのが好ましく、0.01%以上とするのがより好ましい。
Hfは、炭窒化物として析出強化に寄与しクリープ破断強度を向上させる作用を有するので、これらの効果を得るためにHfを含有させてもよい。しかしながら、Hf含有量が1.0%を超えると、加工性および溶接性が損なわれる。したがって、含有させる場合のHfの量は1.0%以下とする。Hf含有量は0.8%以下とするのがより好ましく、0.5%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Hf含有量は0.005%以上とするのが好ましく、0.01%以上とするのがより好ましく、0.02%以上とするのがさらに好ましい。
Taは、炭窒化物を形成するとともに固溶強化元素として高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。このため、これらの効果を得るためにTaを含有させてもよい。しかしながら、Ta含有量が8.0%を超えると、加工性や機械的性質が損なわれる。したがって、含有させる場合のTaの量は8.0%以下とする。Ta含有量は7.0%以下とするのがより好ましく、6.0%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Ta含有量は0.01%以上とするのが好ましく、0.1%以上とするのがより好ましく、0.5%以上とするのがさらに好ましい。
Reは、主として固溶強化元素として高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有するので、これらの効果を得るためにReを含有させてもよい。しかしながら、Re含有量が8.0%を超えると、加工性および機械的性質が損なわれる。したがって、含有させる場合のReの量は8.0%以下とする。Re含有量は7.0%以下とするのがより好ましく、6.0%とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Re含有量は0.01%以上とするのが好ましく、0.1%以上とするのがより好ましく、0.5%以上とするのがさらに好ましい。
外面部におけるオーステナイト結晶粒度番号:−2.0〜4.0
外面部におけるオーステナイト結晶粒度が粗すぎると、常温での0.2%耐力および引張強さが低くなり、一方、細かすぎると、高温における高いクリープ破断強度を保持することができなくなる。したがって、外面部におけるオーステナイト結晶粒度番号は−2.0〜4.0とする。なお、Ni基合金の製造工程において、熱間加工後の熱処理温度および保持時間ならびに冷却方法を適切に調整することで、最終熱処理後の外面部の結晶粒度番号を上記の範囲とすることができる。
中心部から外面部までの長さ:40mm以上
上述のように、大型の構造部材では、常温における0.2%耐力および引張強さが低くなることに加えて、部位によってクリープ破断強度のばらつきが生じるという問題もある。しかしながら、本発明に係るオーステナイト系耐熱合金部材は、大型の構造部材として十分な常温での0.2%耐力および引張強さ、ならびに、高温でのクリープ破断強度を発現する。すなわち、本発明の効果は、厚肉の合金部材に対して顕著に発揮される。したがって、本発明のオーステナイト系耐熱合金部材においては、長手方向と垂直な断面において、中心部から外面部までの長さを40mm以上とする。
CrPB/CrPS≦10.0 ・・・(i)
但し、(i)式中の各記号の意味は以下のとおりである。
CrPB:中心部において抽出残渣分析によって得られるCr析出量
CrPS:外面部において抽出残渣分析によって得られるCr析出量
合金部材の製造工程において、熱間加工後の熱処理を施した後の結晶粒界または粒内には未固溶のCrの析出物(主として、炭化物)が生じる。特に、合金部材の中心部では外面部と比べて冷却速度が遅くなるため、析出物の量が増す傾向にある。そのため、合金部材の外面部に対して中心部でのCr析出量が多くなり、CrPB/CrPSの値が10.0を超えると高温における高いクリープ破断強度を保持することができなくなる。一方、CrPB/CrPSの下限値は定める必要はないが、中心部が外面部よりも析出物の量が増す傾向にあることから1.0以上とすることが好ましい。
YSS/YSB≦1.5 ・・・(ii)
TSS/TSB≦1.2 ・・・(iii)
但し、上記式中の各記号の意味は以下のとおりである。
YSB:中心部における0.2%耐力
YSS:外面部における0.2%耐力
TSB:中心部における引張強さ
TSS:外面部における引張強さ
大型の構造部材では、熱処理時の冷却速度が部位により異なることに起因して、部位ごとの機械的性質に大きなばらつきが生じる傾向にある。大型構造部材において、その中心部と外面部とで、常温での0.2%耐力および引張強さが大きく異なると、部位によって仕様を満たさないという問題が生じる。したがって、本発明に係るオーステナイト系耐熱合金部材は、常温での機械的特性が上記の(ii)式および(iii)式を満足するものとする。なお、それぞれ下限値は定める必要はないが、中心部の機械特性の方が外面部の機械特性よりも劣る傾向にあることから、(ii)式および(iii)式ともに1.0以上とすることが好ましい。
本発明のオーステナイト系耐熱合金部材は、高温環境下で使用するため、高い高温強度、特に、高いクリープ破断強度が求められる。そのため、本発明の合金部材は、その中心部において、長手方向の700℃における10,000時間クリープ破断強度が100MPa以上である必要がある。
本発明のオーステナイト系耐熱合金部材は、上述の化学組成を有する鋼塊または鋳片に、熱間加工を施すことによって製造される。なお、上記の熱間加工工程においては、合金部材の最終形状における長手方向が、素材となる鋼塊または鋳片の長手方向と一致するように処理が施される。熱間加工は、長手方向のみに行ってもよいが、より高い加工度を与えて、より均質な組織とするため、上記長手方向と略垂直な方向に対して、熱間加工を1回以上施してもよい。また、当該熱間加工の後に、必要に応じて熱間押出等の異なる方法の熱間加工をさらに施してもよい。
Claims (4)
- 質量%で、
C:0.020〜0.120%、
Si:2.00%以下、
Mn:3.00%以下、
P:0.030%以下、
S:0.010%以下、
Cr:20.0%以上28.0%未満、
Ni:35.0%を超えて55.0%以下、
Co:0〜20.0%、
W:4.0〜10.0%、
Ti:0.01〜0.50%、
Nb:0.01〜1.00%、
Mo:0.50%未満、
Al:0.30%以下、
N:0.100%未満、
残部:Feおよび不純物
である化学組成を有する鋼塊または鋳片に、熱間加工が施された合金部材であって、
前記合金部材の長手方向と垂直な断面において、中心部から外面部までの長さが40mm以上であり、
前記外面部におけるオーステナイト結晶粒度番号が−2.0〜4.0であり、
抽出残渣分析によって得られるCr析出量が下記(i)式を満足し、
常温での機械的特性が下記(ii)式および(iii)式を満足し、
前記中心部における前記長手方向の700℃における10,000時間クリープ破断強度が100MPa以上である、オーステナイト系耐熱合金部材。
CrPB/CrPS≦10.0 ・・・(i)
YSS/YSB≦1.5 ・・・(ii)
TSS/TSB≦1.2 ・・・(iii)
但し、上記式中の各記号の意味は以下のとおりである。
CrPB:中心部において抽出残渣分析によって得られるCr析出量
CrPS:外面部において抽出残渣分析によって得られるCr析出量
YSB:中心部における0.2%耐力
YSS:外面部における0.2%耐力
TSB:中心部における引張強さ
TSS:外面部における引張強さ - 前記鋼塊または鋳片の化学組成が、質量%で、さらに下記の<1>〜<3>のグループから選択される1以上のグループに属する1種以上の元素を含有する、請求項1に記載のオーステナイト系耐熱合金。
<1>Mg:0.0500%以下、Ca:0.0500%以下およびREM:0.50%以下
<2>V:1.5%以下、B:0.0100%以下、Zr:0.10%以下およびHf:1.0%以下
<3>Ta:8.0%以下、Re:8.0%以下 - 請求項1または請求項2に記載の化学組成を有する鋼塊または鋳片に、熱間加工を施す工程と、
その後、1100〜1250℃の範囲の熱処理温度T(℃)まで加熱し、1000D/T〜1400D/T(min)保持した後、水冷する熱処理を施す工程とを備える、オーステナイト系耐熱合金部材の製造方法。
但し、Dは、合金部材の長手方向と垂直な断面における、当該断面の外縁上の任意の点と該外縁上の他の任意の点との直線距離の最大値(mm)である。 - 前記熱間鍛造を施す工程において、熱間鍛造の長手方向と略垂直な方向に鍛造を1回以上施す、請求項3に記載のオーステナイト系耐熱合金部材の製造方法。
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